令和元年度環境省政策評価委員会 第1回議事録要旨

  1. 日時:令和元年7月19日(金)14:00~16:02
  2. 場所:環境省 第1会議室
  3. 出席者
    委員
    (委員長)
    須藤 隆一

    特定非営利活動法人 環境生態工学研究所 代表
    井村 秀文 横浜市立大学 学長補佐
    大塚 直 早稲田大学法学部教授
    河野 正男 横浜国立大学名誉教授
    崎田 裕子 ジャーナリスト・環境カウンセラー
    藤井 絢子 特定非営利活動法人 菜の花プロジェクトネットワーク代表
    三橋 規宏 千葉商科大学名誉教授
    百瀬 則子 ワタミ株式会社 SDGs推進本部長
    山本 良一 山本エコプロダクツ研究所 東京大学名誉教授
    [欠席]
    細田 衛士 中央大学経営情報学部教授
    鷲谷いづみ 中央大学理工学部教授
    事務局(大臣官房)
    大森秘書課長、松本総務課長、角倉会計課長、永島総合政策課長、内藤企画評価・政策プロモーション室長、他
    環境省各局部
    小森環境保健企画管理課長(環境保健部)、秦総務課長(地球環境局)、庄子総務課長(水・大気環境局)、水谷総括課長補佐(環境再生・資源循環局)、九反田参事官補佐(環境再生・資源循環局)、吉野総括課長補佐(自然環境局)
  4. 議題
    (1)平成30年度環境省政策評価書(事後評価)(案)について
    (2)その他
  5. 配布資料
  6. 議事録要旨

〔議事録要旨〕

午後2時01分 開会

【事務局】
よろしいでしょうか。じゃあ、定刻になりましたので、ただいまから今年度の第1回政策評価委員会を開催いたします。
【永島総合政策課長】
7月9日付で着任しました大臣官房総合政策課長の永島でございます。本日は、お忙しいところ、第1回環境省政策評価委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。
7月9日付で総合環境政策統括官グループに、和田審議官の後任として、上田審議官が着任しておりますけれども、本日は所用のため、代理で御挨拶させていただきます。
先月、軽井沢でG20のエネルギー環境大臣会合が開催され、世界20カ国・地域の閣僚が地球規模の重要課題について議論を深めました。そこでの成果も踏まえて、現在、省内では、気候変動や海洋プラスチック対策等を含めて、令和2年度の概算要求に向けた議論を進めているところであります。今後、これに向けて、8月までに政策評価について、30年度の事後評価をおまとめいただきたいと考えておりまして、これも踏まえて、来年度の重点施策をまとめていきたいと考えております。
本日は、平成30年度に実施した施策に関する事後評価書(案)を準備しております。これを中心に御議論の上、忌憚のない御意見をいただければと考えております。
例年同様、今年度も計3回の政策評価委員会を予定しておりますので、委員の皆様におかれましては、1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
【事務局】
どうもありがとうございました。
早速、委員の紹介のほうに移らせていただきます。本日は、今年度最初の委員会となりますけれども、委員の皆様につきましては、昨年度から引き続き委嘱をさせていただいております。今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。なお、本日は所用のため、細田委員と鷲谷委員は御欠席となってございます。
環境省側の出席者になりますけれども、お手元の座席表のとおり、官房各課長と各部局の総括課長が出席をさせていただいております。7月9日付で人事異動がございましたので、御確認をください。
次に資料の確認となりますけれども、資料につきましては、ペーパーレス化をしておりますので、お手元のタブレットで資料の御確認をお願いいたします。
本日の資料になりますけれども、資料1番から4番と、参考資料が1から5まで一固まりで入れてございます。あと、山本委員からの御提出資料を格納させていただいております。本日の審議に主に使いますのは、資料の2番となりますので、お手元にどうぞ御用意をお願いいたします。
次に、委員長の選出に進ませていただきたいと思います。
政策評価委員会の設置要綱では、委員の互選により委員長を選出することとなっております。誠に僭越ではございますけれども、事務局といたしましては、須藤委員に引き続き委員長をお願いできればと考えておりますけれども、皆様、御了承いただけますでしょうか。
(異議なし)
【事務局】
ありがとうございます。
御了承いただきましたので、須藤先生には、今年度もどうぞ委員長をよろしくお願いいたします。すみませんが、委員長におかれましては、座席の移動をよろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
はい、かしこまりました。
【事務局】
ありがとうございます。そうしましたら、以降の議事の進行につきましては、委員長のほうにお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
それでは、皆さん、暑い中を御遠方からお集まりいただきまして、ありがとうございます。再び委員長ということでございまして、何の役にも立ちませんが、議事進行をスムーズにさせていただくのが、私の役割だと思っておりますので、その方向で先生方の御協力をいただきたいと思います。
最初に、本委員会の設置要綱では、委員長、私でございますが、事故あるときにって、事故があってはいけないんですけども、事故あるときは、委員長があらかじめ指名する委員が、その職務を代行するという規定になっております。この規定に基づきまして、委員長代理として山本先生を指名させていただきます。山本先生、どうぞよろしくお願いいたします。
ということで、なるべく事故のないようにいたしますが、山本先生にお引き受けいただきましたので、後は安心して議事に入れると思います。
本日の議事進行につきましては、御説明をいたします。
環境省の政策評価は、先ほど事務局から言われましたように、通常評価とモニタリング評価となっておりまして、先生方は長くもうおやりになっているので、通常評価というのを普通やって、もし時間があればモニタリング評価をするということになっているということは御存じだと思いますが、本年もそのとおりにやっていきたいと思います。
通常評価の施策については、順番に説明の上、質疑応答という形で進行させていただき、最後にモニタリング評価というものを、そのほかの部分をやっていくということにしたいと思います。これは例年どおりでございます。
それでは、議題1、平成30年度環境政策評価書(通常評価)(案)に入りたいと思います。
資料2を御覧ください。よろしいですか。そして、最初に施策1、地球温暖化対策の推進についてから始まりまして、順番に行きたいと思います。
最初の施策1、地球温暖化対策の推進、1について、地球環境局より説明をお願いいたします。タブレットのファイルとページを確認しながら、どうぞお進めいただきたいと思います。時間は、そう長く説明していただくというよりも、議論をできるだけ長くやりたいと思いますので、地球環境局でも5分程度で説明をやめていただいて、そして、後のところは、後は私が議事進行いたしますので、御説明をお願いいたします。
地球環境局、どうぞ。
【地球環境局】
まず、では地球環境関係の昨年度の政策評価について御説明いたします。
まず、目標1-1、地球温暖化対策の計画的な推進というところでございます。
温室効果ガスの総排出量という点からいきますと、昨年度比1.2%減ということで、減らしてきております。基準年である2013年比で8.4%の減ということでございます。その一方で、内訳を見てまいりますと、フロンですね、これにつきましては、減るどころか増えているといったような状況がございます。ということで、ちょっと次のページにもあるんですけれども、フロンについては、フロン排出抑制法というのが、これは今年度になっちゃうんですけども、改正をいたしまして、直罰の導入等、より厳しい施策体系を構築したところでございます。
続きまして、1-2でございます。世界全体での抜本的な排出削減への貢献というところでございます。
こちらにつきましては、実は、30年度に関しては海洋プラスチックの話が大きく出てまいりまして、ちょっと、このシートには直接あまり書けていないんですけれども、途上国も含めた国際的な合意と。先進国だけでプラやめようという、海に流れていくのをやめようというんじゃなくて、途上国も含めてやっていく枠組みというのを考えてきた1年ということかと思っておりまして、こちらのシートでは、例えばIPCCの6次評価報告書に専門家を派遣したとか、いぶき2号を打ち上げたといったようなことが書いてあるんですけれども、プラ関係の根回しといいましょうか、アメリカ、EU、中国といった、そういった国々への調整ということに、かなり労力を割いたというところでございます。
その結果として、今年の6月のG20におきまして、海洋プラスチックについては、2050年に新たな海洋汚染をゼロにするという「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が承認をされまして、それを実施していくための各国の実施枠組みにつきましても、首脳会合で承認されたといったことになってございます。
どうしても、30年度は、割と仕込みの年で、31年になって、いろいろ、フロン法もそうですし、G20もそうなですけど、結実しているというものが多いので、ちょっと30年度は、やや、紙だけ見ると地味っぽいんですけど、実際には、そういった作業をいろいろやらせていただいたということでございます。
続きまして、1-3でございます。適応でございます。
こちらにつきましては、昨年度、適応法の成立を見たということと、それから、気候変動適応計画、これは昨年の11月に閣議決定、これは法律に基づく計画として初めてということになるんですけど、決定をさせていただいたと。12月1日より施行しているという状況でございます。
次の気候変動の評価に向けて、これは2020年を目途にということになっておりますけれども、その小委員会を設置いたしまして、それぞれ5つの分野のワーキンググループを設置して評価をやっていただいておるというところと、あと、これも先般のG20の軽井沢会合でなんですけれども、AP-PLATと、アジア太平洋地域の気候変動適応プラットフォームというのも立ち上げをさせていただいたと。その準備も昨年度進めていたというところでございます。
とりあえず、私からは以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。御説明ありがとうございました。
それでは、この問題については、少し長目に質疑応答を行いたいと思いますけれども、最初に、山本先生が資料を御提供いただいております。すごくよくできている資料とは、あらかじめ拝見・拝読させていただいたんですが、先生に全部ここで御紹介いただいちゃうと、もしかしたら質疑応答の時間を使っても足りないと思いますので、先生から、まず、この質疑応答の時間では要点だけを、重要な点だけお示しいただいておいて、その後の残りの部分は、最後に、私、時間をとりたいと思っておりますので、地球温暖化の問題は大事ですので、モニタリング評価に入る前に少し時間をとらせていただきますので、山本先生、要点だけ、まずここでお示しいただけますでしょうか。
【山本委員】
ありがとうございます。
ちょっと今回、資料の準備をして、配付していただきました。ありがとうございます。
私が申し上げたいのは、国の政策、私も多分10年くらい関与させていただいたのではないかと思うんですが、大変立派な政策があっても、国民からの盛り上がりがないとうまくいかないだろうと。そこで、私が今一番心配しているのは、世界の動きを見ると、エマージェンシーということと、モビライゼーションということが、その2つがキーワードになっておりまして、環境と気候の非常事態に、今我々が直面しているという認識、そのエマージェンシーの認識と、それから、その問題を解決するためには、社会の総力を総動員しなければいけない。その2つが非常に大きな問題意識で、それに社会的な対応が欧米のほうでは進んでいるにもかかわらず、我が国のほうは、全くそれが私には認められない。このままでは大丈夫なのかと、日本はですね。そういうことで、この資料を準備させていただきました。
簡潔に申し上げますと、環境と気候の非常事態宣言をしている世界の自治体は、今、16カ国で、午前中にネットで検索したら、820自治体が宣言をしているわけですね。そこに住んでいる人口を足し合わせると、恐らく1億6,000万人くらいになっているわけです。
それで、国家が非常事態宣言することになりまして、5月1日には、英国議会で、全会一致で可決しまして、5月9日には、アイルランドが宣言をして、その後、ポルトガル、カナダと来て、フランスが7月に議決したわけですね。つまり5つの国が、国家として、環境と気候の非常事態に直面しているということを宣言しているわけです。
さらに、ニューヨークとパリが宣言をして、特にニューヨークの場合は、その問題の解決のために、Climate Mobilization Act、要するに気候動員法という法律を制定して、厳しい建物の省エネルギー基準を導入するとか、具体的な対策を打ち出している。さらに、ロサンゼルスは、これは世界で初めてMobilization departmentというものをつくって、具体的な対策に今乗り出している。さらに、この動きは、大学等の高等学術機関のみならず、文化・芸術団体等にも、今波及して、英国では民間企業も非常事態宣言をするように今なっているわけですね。
これが私には非常に衝撃的でありまして、大学では、今日現在で、私がネットで調べた段階では、79の大学が非常事態宣言を行っておりまして、その中に日本の大学は一つもない。さらには、820の世界の自治体、これは全部海外でありまして、日本の自治体で非常事態を宣言しているところは一つもないと。これが5月、6月、7月に起きているわけですね、ほとんどが。
それで、さすがに日本も、まず京都市、次に東京都、さらに横浜市が、そこの3つの自治体の首長が、2050年に正味でゼロにするということを表明されたというのが、我がほうの状況でありまして。
それから、もう一つ、なぜ、そういうことになったかということを、私なりに、このペーパーにまとめたわけでございますけれども、非常に大きなのは、科学者の警告がない。もう、ほとんどの科学者は沈黙を守っている。さらにはメディアが報道しない。さらには、日本では、学生が気候ストライキを行っていない。例えばドイツ、フランスでは、30万人くらいの小学生・中学生・高校生がデモをしているわけですが、我がほうでは200人くらいがデモに参加しているという状況なわけですね。
さらに、私が驚くのは、前のイギリス国教会のトップで、カンタベリーの大司教のローワン・ウィリアムズ博士が、ロンドン中心部を占拠して、そのデモの先頭に立っていると。だから、日本で言うと、天台座主が比叡山から、山からおりて、四条河原町で座り込みを行うと。そういうことが日本では全く行われていない。したがって、国民には、今、世界が、この環境と気候の非常事態に直面しているという情報が全く届いていないというふうに思われるわけです。
もう一つ申し上げると、昨年の7月・8月の熱波あるいは洪水で何が起きたか。我がほうは、これは御存じのように1,000名を超える熱中症の死者が出ているわけですね。これは、大変な災厄があった。ところが1,000名の死者が出ているにもかかわらず、それを非常事態と捉えて、どこかの自治体が非常事態宣言したなんていうのは聞いたことがない。
ところが、カナダは、ケベック州は非常に団結の強い自治州でありますけれども、ケベック州では、92名の熱中症の死者が出たわけですね。さらに、2年前に大洪水に見舞われたそうなんですが、それで、民間、NGOが気候の非常事態宣言をやろうという提案をしたところ、ケベック州の首長会で、それがもうあっという間に賛同を得て、数カ月で300の自治体が、ケベックのほうは、気候非常事態宣言を行うという動きになったわけですね。
ですから、ケベックのほうは92名の死者で300の自治体が異常事態宣言をする、我がほうは、1,000名を超える死者が出たにもかかわらず、非常事態宣言をする自治体はゼロであると。これが、私が非常に心配するところでありまして、このままでは、世界の潮流から相当遅れてしまうのではないかというのが、私の心配でありまして、それでいいというなら、それで仕方がないんですけれども、ぜひ、今回の環境政策評価委員会では議題にしていただきたいということで、お願いしたわけでございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうも、先生、ありがとうございました。いろいろ先生のデータの中には、もっと具体的な問題も入っておりますが、時間の都合で、あとの残りは、先生に、またもう一度御発言をいただきます。
それでは、ほかの委員の先生方から、先ほどの地球環境局の御説明、さらには今の山本先生に対するコメント等を含めて、順番にでも、どなたでも結構でございますので、立て札を立てていただけますでしょうか。
順番でもよろしいですか。藤井先生からですかね。藤井先生、崎田先生、じゃあ、そのお二人から先に行きましょうか。それから河野先生ですね。それから大塚先生、それから井村先生、その順番でいきます。じゃあ三橋先生、最後に申し訳ございません。お願いします。
それでは、順番に。
【藤井委員】
今の山本委員のお話を伺っていると、これは、もう本当に山本先生のこの間の書籍を通しても、随分前から伺っていながら、じゃあ、足元の滋賀県はどうかというと、実は琵琶湖も史上初めて、琵琶湖の大循環が起きませんでした。
【須藤委員長】
起きなかった。
【藤井委員】
起きなかったんです。それで、底層に酸素が行かない状況が起きていて、これから琵琶湖がどうなるかということは、大変問題なんですが、今、まさに参議院選が行われていて、前の嘉田知事も出ているんですが、あの知事、選挙の中で、これを争点に戦うというような選挙ではなくて、私もこれをきっちりと宣言まで行くような仕込みをしたらよかったなと、今、伺いながら思っていますが。その事態はわかっていても、研究者も行政も、この事態が起きているだけです。漁師は、明らかに、もう外来魚を含めて魚種がうんと減ってしまっていて、ブルーギルに至っても20分の1になっている。そうすると、琵琶湖全体の漁業が大変になっているということがありながら、じゃあ、地球温暖化と結べて、どうしたらいいかと。そういうことは、多分、琵琶湖だけではなくて起きているんですが、先ほどの御説明だと、平成30年度、私、あまり平成は使わないんですが、2018年度は仕込みの年で、2019年にいよいよ打ち出しをというお話があったんですが、本当に、それで間に合うというふうには思っていなくて、COOL CHOICEは、滋賀県では全然ブームにもなっていない。それは、もうはるかに超した時点であるのではないかという中で、今の山本先生のお話を伺いながら、各地域が、その構えと行動パターンをつくっていかないと間に合わないなという気がしています。
【須藤委員長】
ありがとうございました。
そうしたら、続いて崎田先生。
【崎田委員】
ありがとうございます。
今の山本委員の御指摘ですが、やはり重要なところだというふうに私も感じて、今日は参加しています。
ただし、今回のG20をきっかけに、国も今世紀後半、できるだけ早い機会にゼロを達成するというふうに大きく打ち出したという、そういう状況ですので、これから多くの自治体も関心を高めて、どんどん施策が具体化するといいなというふうに思っています。
ただし、どこをしっかりやってもらいたいかというと、一つは、実はJSTが2015年に世界で実施したアンケートの公表結果を、ちょうど1年前に、環境省の地球局の関連の委員会で情報をいただいたんですけれども、世界100カ国で約1万人を対象にして、同じ情報提供をし、ワークショップをし、その後、アンケートをとったと。そうすると、地球温暖化の本当に影響が「大変」か「まあまあ大変」、「そうでもない」、「そうは思わない」とか、4段階で、「大変」だという答えをした世界の平均が79%だった。ところが、日本は44%ということで、非常に低いという。そういうような、基本的に、日本も環境への関心は高いけれども、行動が伴っていないというのが、今まで言われていた言い方ですけど、どうも環境への関心が高いということ自体も、あまり明確な危機意識というか、情報が伝わっていないんじゃないかというふうに、ここのところ、感じます。
そういう意味で、やはりどういうふうにマスコミなり教育機関なり、そういうところでも、この内容をどう伝えていくかをまずはっきりと、何か戦略を立てるという、一から見直すという、何かそういうことも必要なのではないかと。今日、そこをぜひと思ってまいりました。よろしくお願いします。
【須藤委員長】
ありがとうございます。後で、また地球環境局から話を伺います。
それでは、河野先生、どうぞ。
【河野委員】
私は、1ページの資料に基づいて質問します。
1ページの温暖化の問題は、非常に環境で重要で思いますが、温室効果ガスの排出量についてのデータがありますが、年々、排出量の量が減っております。このままいきますと、目標年度の排出量に、この減り方でいくと達成しないのではないかと。それと一方、予算は削られています。排出量を目標年度に達成するとすると、相当の科学技術の変化・進化がないといけないかと思いますが、そうなると排出量の単価が上がっていくだろうと。全体としての排出に関わる予算の規模も相当に大きくなっていくんじゃないかと。そういうようなことをきちっと考えておられるのでしょうかということの質問です。
【須藤委員長】
それは後で地球環境局に伺います。
そうしたら、大塚先生。
【大塚委員】
山本先生のお話は、とても有益で、私もそのとおりだと思っておりますが、科学者の警告ということに関しては、例えば、もう10年ぐらい前に中央環境審議会の中でも、科学者の先生を中心に、何か発表したこともございましたが。
【須藤委員長】
ありましたね。
【大塚委員】
ただ、最近、ちょっとそういうのがないのはなぜかなというのが、ちょっと私も、ちょっとそういう意味では、昔のことを思い出して、少しおとなしくなっておられるのかなという感じが、私も一員として、頑張らなくちゃいけないかなというふうに思いました。
あと、やっぱり国民全体として、ほかにいろんな課題があって、少し、温暖化のところに関心が必ずしも強くないというところが、非常に問題があるのだろうというふうに、私も考えております。これはちょっと具体的に何か仕掛けていくということが非常に重要になってくるんじゃないかと思います。
それから、ちょっと細かい話ですが、6ページで、さっき秦さんから御説明いただいたこととの関係で、一つちょっとお伺いしておきたいんですけど、この気候変動適応情報のプラットフォームは、国立環境研究所の中でつくっているんだと思うんですけども、現在、どういう状況になっているかという辺りをちょっと教えていただけると。これは結構、重要だと思っておりますので、どういう状況になっているか教えていただけるとありがたいと思います。
これ、何ですか、ホームページをつくっているとか、そういうことなんですか。具体的なところをちょっと教えてください。すみません。
【須藤委員長】
では、後でお答えを。
わかりました。ありがとうございます。
じゃあ、井村先生、どうぞ。
【井村委員】
ちょっと基本的なことのものですから、一応、この政策評価において、特に気候変動については、1ページ目に書いてあるように、温室効果ガスの量を基準にして、結局、それを削減していくというところで政策を見ている。ただ、そういう見方だけしていると、今、山本先生が言われたようなところについての、なかなか視点が、この指標からは見えてこないわけですね。1ページを見ていると、ただ、ちょっと対策で言うと、「COOL CHOICE」の賛同者数(個人)、これぐらいの指標で、そういう国民の意識だとか、問題の取り上げ方とか、そういうのは、ようやく、それだけで、それだけしか指標はない。
それから、今、気候変動についても、何かこういうプラットフォームとか、情報の取りまとめをやっているというような指標はあるんだけど、ちょっと中身のところが、それでは、なかなか見えてこないということで、基本的に、やっぱりこの政策評価の中で、今取り上げられような問題をやはり適切に見ていくためには、ちょっといきなりは、指標はまず安定性がないといけないので、勝手にいろんなことをつくっていてもいけないんですけども、やはり政策評価を粛々と進めていく中で、少しそういう問題点の見える指標の開発というのも、やっぱり、ここでやっていかなくちゃいけないのではないかというような感じを持ちました。
それから、気候変動も、何となく温暖化で、温暖化ガスの削減、それだけ見ているわけですけども、やっぱり一方で、最近の例えば、梅雨がどうも長い、温度が低い、もしかしたら、お米が不作になるかもしれない。そういうことについては、国民はそれなりに意識しているわけですね。ただ、それを温暖化という問題と必ずしも結びつけない。だから、温暖化と気候変動という、地球全体の気候変動というものの、その辺の曖昧さがやっぱりある。ちょっと、その辺についてのやはり意識の持ち方、科学者の責任かもしれませんけども、そういうような情報発信の仕方ということも、これから、というか、もう本当によく考えないといけないのではないかと思います。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
じゃあ、もとに戻って、三橋先生、それから百瀬先生と行きます。
【三橋委員】
山本先生の世界の情勢とか問題提起は賛成です。多分、そのとおりで、事態は相当深刻なんだろうと思っています。
ただし、それでは日本はどうすればよいのかと。欧米の成功事例を参考にすると、次のような方策が考えられるというふうに書いてあります。これは、ほとんど意味がないような対策ばかりを書かざるを得なかったんじゃないかと思うんです。
【須藤委員長】
先生がね。
【三橋委員】
いやいや、山本先生の......。
【須藤委員長】
そうでしょう。
【三橋委員】
じゃあ、問題の本質は何かというと、やっぱり経済産業省の政策なんですよ。そこにメスを入れないで、日本で温暖化対策に対して、例えばCO2削減なんかについて、どうすべきかということについて、みんなあきれ返っているわけですね。先ほどのパリ協定の規約によって、今世紀後半にCO2の排出を例えばゼロにするということについて、どうも50年ごろを目途に対策を出したやつだって、化石燃料を減らしてもいないし、自然エネルギーの促進といっても、単に言葉上の指摘にすぎるんじゃないかと。やる気がないんじゃないかなというような形で、国の温暖化対策の政策の重要な責任を持っている経済産業省が本気で取り組もうとしないということが、日本で国民運動として、非常事態宣言に取り組めないような状況があると思うんですよ。その問題にこそ、やはりメスを入れないとね。
例えば経団連とか経済同友会とか日本商工会議所が非常事態宣言をして、どんな効果があると思っているんですか。ほとんど何もないですよ。やはり本丸の経済産業省に、やっぱりメスを入れる。経済産業省だって、年齢によって非常に分かれていまして、古い人たちが古いエネルギー政策を固執しようとしているわけです。守ろうとしているわけです。したがって、例えば、夢物語と思われるかもわかりませんけど、経済産業省の政策を、局長以上は退任してもらって、課長補佐とか、そのくらいの若い世代に、改めて日本の温暖化対策をどうすべきかというようなことで、非常事態になっているんだからどう取り組むべきか、そういうことに対して、提案させるということになれば、全く違ったものが出てきますよ。そういうようなことについて触れないで、非常事態宣言をどうでもいいような団体が宣言したところで、何の効果がありますかということで、ちょっと山本先生には非常に失礼ですけど、御指摘させていただきたいと思います。
それと、ちょっと、この内容についてでもいいですか。
【須藤委員長】
先生、また、後で伺います。
はい、わかりました。では......。どうぞ。
いいですよ。今の、あれですね、さっきの地球温暖化のところですね。
【三橋委員】
そうです。
【須藤委員長】
はい。
【三橋委員】
一つだけ、例えば2ページに施策の分析なんかが書いてあります。私は、やはりCO2に換算して、温室効果ガスの排出量が、この4年ぐらい、前年比で下がっていますか、たしか。それに、やっぱり最も効果があったのは、やはり国民あるいは企業のいろいろな意味での節電・節約、そういう努力だと思うんですよ。その部分の記述が非常に弱いと思うんですね。例えば国民の普及啓発なんかの部分で、COOL CHOICEは目標達成ということだけど、人数は減っているわけですよね。これなんかで、成功で言えるんですかというような感じ。目標は達成したわけですね。しかし、人数で言えば、令和2年が600万人ですか、30年度が664万人ですか。人数は、ちょっと、64万人減っていますよね。減っているのが成功なのかなという感じもありますしね。
私がここで言いたいのは、この分類の中で、国民のむしろ節電とかCO2削減についてのさまざまな取組の具体例を例えば指標で表せないかと。
【須藤委員長】
努力ね。
【三橋委員】
例えば各家庭の電気の中では、今LEDがどのくらいの割合になりましたとか、そんなような統計があれば、非常に説得力があると思うんですよ。そういうような形で、国民が日々努力して、エネルギー節約へのさまざまな試みをやっている、そういう数字を指標として表示するとか、そういうことがないと、何か国民への普及啓発というのは、附属みたいな形で、最後にちょこっと書いてあるような書き方というのは、あまり説得力がないんじゃないかなというふうに思います。
【須藤委員長】
ありがとうございます。
では、百瀬先生、どうぞ。最後に。
【百瀬委員】
2つお願いします。
1-1なんですけども、代替フロンの排出量が、ここのところ、ずっと横ばいということなんですが、昨年度、一昨年度前は少し増えていますので、これから先、12年後には半分になるようになっているんですけども、これはどういうような形で、この数字が予想できるのかということをお聞きしたいと思います。
その中で、一つ、前にも申し上げましたが、家庭もですが、事業で使っている冷蔵・冷凍・空調機の代替フロンの、これが多分排出量が表れているわけなんですが、そこを全部切り替えてしまえば、排出しないわけですよね。そういった政策が進んで、12年後には、もうこれだけ減るのか。でも、本当は、この時代にはゼロになっていなくちゃいけないはずなんですよね。そうですよね。冷蔵・冷凍・空調機の減価償却するのは、大体8年です。そうすると、新しい機種に全くそれが入っていなければ、代替フロンを入れていなければ、もう令和12年には出ないはずなんですが、その辺りの政策はどうなっているのかなということと。
それから、吸収源活動をより確保した温暖化効果ガスと。日本は森林がとてもたくさんあるので、吸収できていますということが大きく言われていますが、これも去年までは、大体横ばいで、いきなり12年後になると、やはり半減しているんですね。これはどうしてかなと。森林がそれだけへこたれてしまうのか。
【須藤委員長】
減っているんですね。
【百瀬委員】
それとも、CO2吸収効果が減ってしまうのか。何かこれは、さっきのフロンと違って、よろしくない方向に動いているように見えてしまうんですね。
それをちょっとお聞きしたいのと、それから、あとCOOL CHOICEのところで、確かに、毎年参加人数は減ってはいない、増えてはいるということなんですが、さっき三橋先生がおっしゃったようなことで、特に家と車と家電、宅配の配り方、そういったところは、ここ何年かで、随分改善されたと思います。ですから、その辺りの何かバックデータがあって、だから、これをもっとやるべきだというような言い方をしていただいたほうが、国民は参加しやすいんじゃないかなと思います。
最後に、世界的なという1-2のところで、今日は廃棄物についてのところはなかったので、一言だけお願いします。廃プラスチックの海洋汚染についてということで、日本は、この間、宣言をしたわけなんですけども、減らすということ、排出抑制するということは、もう、そういった製品をつくらない、売らない、使わないということだと思うんですね。その辺りについて、先ほど三橋先生も経済産業省との連携とか、そういう経済界との関係になるんですけども、捨てないということは、もう世の中にそういった製品がなければ、買わないし、使わないし、捨てないわけですよね。今一番問題なのは、これ以上増やさないということなんですが、そのために、どういう施策をとられるのかというようなことを、これから先の施策の中に、ぜひ、しっかりしたところで入れてほしいと思います。そして、今、プラスチックを輸出できないがために、燃やせと言っているんですよね。
【須藤委員長】
そうですね。
【百瀬委員】
それはいかがなものかと。燃やす以外にやり方はないのかと思うんですね。燃やせば、絶対にCO2は増えますよね。国民が幾ら一生懸命分別して出しても、燃やすのかと。
【須藤委員長】
全部燃やしたらね。
【百瀬委員】
物すごくがっかりすると思うんですけども、その辺りのことをお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【須藤委員長】
はい、どうもありがとうございました。
それでは、ここで一区切りして、地球環境局、全部スマートにお答えできるには、ちょっと時間は短いかもしれないけど、一応、質問した先生のやつはお答えになってください。
【地球環境局】
ありがとうございます。
人々の感じ方、日本における人々の感じ方について、ちょっと欧米というか、欧州ですか、かなり違いは確かにあるんだろうというふうに思っていまして、一つには、東日本大震災以前と以後で、ちょっと国民の関心が変わってしまった。さっき大塚先生もおっしゃっておられましたけど、少し、少しというか、かなりあるんだろうなというのが一つと。
それから、欧州はガチで高温とか山火事が去年、今年と起きていて、本当に、これはやばいとみんな思い始めていると。日本みたいに冷房とかもないので、本当に人が死ぬと。日本でも、昨年、結構、熱中症でお亡くなりになってはいるんですけども、本当にこれまでになかったことが起きているんですね。日本の場合は、これまでもあったんだけどと、頻度が上がったよねと、洪水来ますよと。100年に一度だったのが、30年に一度ぐらいになったという、言葉は悪いですけど、程度問題みたいなところがあって、そういったところで、また国民の捉え方というのが、欧州とはちょっと違っているんじゃないかというのが、私どもの読みでございます。
あと、若者の行動の仕方についても、欧州は、もともと革命を起こして、政権をひっくり返すという、そういう文化なんですけど、ちょっと日本はそういうのはあまりないものですから、彼らはデモをするというのは、恐らくCOOL CHOICEなんかもきいているのかもしれませんけど、行動を変えているんじゃないかというふうに読んでいます。例えばお子さんが生まれましたと。ちょっと昔の世代だと車を買っていたんですよね。今は車を買わずに、子乗せの電動自転車を買っています。だから車は要らない、家要らない、何か必要なら借りればいいよという、そういう価値観というか、ライフスタイルというか、そういうのに大きく変容してきているのではないかなと。そういう形で、デモはしないけれども、行動を変えていっているというか、内在化していっていると言ってもいいのかもしれません。そういうのが当たり前だと思っている。そういうのが当たり前だというふうになってきているのかもしれません。私が二十歳前後の若者たちといろいろ対話をしていると、そういうのがだんだんちょっと見えてきている。あるいは、環境省を志望して入ってくる学生さんたちと話をしていると、そういうのがちょっと透けて見えてくるというのが正直なところです。なので、三橋先生がおっしゃったような、若い人たちと、やっぱりそうじゃない人たちの考え方は、かなり違うというのは、正直、かなり実感としては持っているところです。
あと、幾つか御質問を頂戴いたしました。
【須藤委員長】
ええ、一言ずつ、一応触れてください。
【地球環境局】
はい。
科学技術の変化が今後大きなキーポイントになるんじゃないかと、そのための予算とか、体制とかは大丈夫かといった御指摘がありましたけれども、すみません、さっきはちょっと時間を短くしようと思って、長期戦略に触れなかったんですけど、今世紀後半のできるだけ早い時期にゼロだという、先進国最初のビジョンを日本としては出しました。それを先月UNFCCCのほうに提出をいたしました。
その中で、大きくハイライトしているのはイノベーションです。これは、科学技術をしっかり育てていこうと。革新的な技術をつくっていこうというだけじゃなくて、これが世の中に普及しないと、これ、何の効果もないと。意味を持たないということで、革新的な技術プラス、それを普及させること。そして、既存の技術であっても、そのコストをもう劇的に下げると。要素的な技術だと、それぞれ、かなりあるわけなんですけれども、とにかく高い。水素にしても、CCSにしても高い。こいつのコストを劇的に下げると。そういう意味でのイノベーションというのもしっかりやっていこうということになっていますので、少ない予算で技術を開発しつつ、それを市場に普及させていく、イノベーションを起こす、コストを下げていくということをやっていきたいと考えてございます。
それから、ばらばらで恐縮なんですけど、適応のプラットフォームなんですけども、こちらは、先生おっしゃったように、これはウエブページでございまして、気候変動の影響予測とか、そういう科学的知見をアジア太平洋各国に提供するものとして、整備をするということでございます。
あと......。
【須藤委員長】
あと抜けているのは、うん、フロン。
【地球環境局】
フロン関係ですね。業務用の機器は、今、HFCが入っているのが普通だと思うんですけど、自然冷媒に切り替えていくということについて、私ども、年間、大体70億から80億程度の補助金も持っていて、それで進めていただいていますというのと、今ある機械が廃棄されるときに、HFCをプシュッとやってしまうと、これは元も子もないので、フロン排出抑制法という法律で回収を義務づけているんですが、この回収がいま一つできていないということだったので、この度、6月5日に法律を改正して、直罰化といいまして、もう出したその時点で「おまえ、犯罪」ということで、厳しく取り締まるというほうに変えました。これを来年の4月から施行したいと思って、今、準備を進めています。
あと、吸収源がなぜ減っていくのかということなんですけど、これは森林が高齢化しているんですね。
【須藤委員長】
そうですね。
【地球環境局】
これによって成長が遅くなる。そうすると、吸収する量が減っていくんですね。これによって、吸収源というのは、日本の森林では、かなり老齢化しているので、年々、吸収分が減っていくという状態にあります。なので、若い森林に切り替えていくということで、そういう、また増やせる要素はあるんですけれども、そこは、なかなかうまく進んでいない、うまくいっていない、人材不足と、いろいろ要因があって、国内の木材が高く売れないとか、いろんな要因があって難しいと。
【須藤委員長】
それと、あとちょっと触れていただきたいのは廃棄物を燃焼に持っていっていて。その辺をちょっと触れてください。
【地球環境局】
そうですね。多分、今の現状では、ちょっと燃やさざるを得ない。日本は埋める場所がないので、伝統的に焼却処理をせざるを得なかったという歴史があります。ただ、単に燃やすということではなくて、エネルギーの回収、発電、それから熱利用とか、そういったこともあわせてやっていくということで、少しでもプラの持っているエネルギーをとっていくということから始めると。将来的にはCCUS、二酸化炭素の回収と再利用、あるいはストレージということを視野に置いて、技術開発も進めていかなきゃいけないし、そういうことをやっていかないと、プラを回せないということかと思っています。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、ちょっと時間が過ぎているんですが、後は迅速にやります。
施策の2の地球環境の保全について、これも地球環境局から、要領よく説明ください。
【地球環境局】
それでは、2-1でございます。オゾン層の保護・回復というところでございますけれども、こちらは今話題に出ましたHFC、これの生産の抑制のほうでございます。こちらについては、2016年の時点で、既に9割以上の削減を達成しているということと、あと補足的には、先ほども御紹介したフロン排出抑制法を改正して、厳格に対応していくということで、これは2020年、来年度ですけど、来年には、回収率5割にしなきゃいけないと。今4割ぐらいなんですけど、来年には5割にしなきゃいけないと。それから、2030年には7割回収しなきゃいけないということで、引き続き、しっかり進めてまいりたいと考えております。
それから、2-2、国際連携・協力というところでございますけれども、こちらも、さっきの話と結構かぶっちゃうんですが、例えばCOP24で、これは先ほど御紹介した2050年の長期戦略、その中の基本コンセプトともなったんですけど、「環境と成長と好循環」と。これまでの発想でいくと、環境というのは、成長の足を引っ張っているんじゃないかというふうに長らく思われてきたんですけれども、これからは環境が成長を牽引するんだと。パリ協定、ほかの世界では、約束された市場があるんだと。脱炭素に向けた、約束された市場があるんだと。そこに向けて投資を進めていって、それによって、環境が成長を生むと。そういう時代に入っていくんだということで、ここ数年、ESG投資とか、非常に盛んになってきているということで、我が国としても、そういう発信をさせていただいたというのと、最近、地域循環共生圏という言葉をお目になさることもあるかと思うんですけれども、そういった日本発のSDGsのコンセプトを、地域でSDGsを実現していくんだと、それを広めていくんだという発想もあわせて、世界のほうに発信をさせていただきます。COP24でですね。
それから、海洋プラスチックについては、もう先ほど言われたとおりでございます。
【須藤委員長】
出ましたね。
【地球環境局】
それから、続きまして、2-3でございますけど、調査研究でございます。こちらのほうは、もう非常に淡々としているんですが、5点評価で4点以上6割というのが目標になっていまして、ちょっとごめんなさい、これは30年度、まだ整理中でございまして。
【須藤委員長】
出ていないよね。
【地球環境局】
6割超えているかどうかなんですけど、ちょっと、また出た時点で、また御紹介させていただきたいと思います。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、今の地球環境の保全で、地球温暖化を抜いた部分の地球環境の保全の部分です。どうぞ、御質問があれば、札を立ててください。
オゾンだとか、フロンだとか、そういう部分ですよね。いいでしょうか。ここは質問がないかな。さっきからずれ込んでいるから、もうよろしいですか、先生方。
そうしたら、時間が少し押していますので、次の議題に行きます。よろしければ、次の議題に行って、施策の3、大気・水・土壌環境等の保全について、水・大気環境局より御説明願います。どうぞ。
【水・大気環境局】
水・大気環境局の庄子でございます。
まず、目標3-1、大気環境の保全についてでございます。
光化学オキシダントにつきましては、環境基準の達成率、依然として、極めて低い状況にございますけれども、光化学オキシダント濃度の長期的な改善傾向を評価するための指標を見てみますと、高濃度域の光化学オキシダントの改善が示唆されているところでございます。微小粒子状物質(PM2.5)でございますが、環境基準の達成率を見てみますと、平成29年度で、一般局で89.9%、自排局で86.2%ということで、平成25年度以降、緩やかな改善傾向が続いているところでございます。
それから、移動発生源、自動車による大気汚染でございますけれども、自動車NOX・PM法対策地域内の二酸化窒素の環境基準の達成率でございますが、一般局で100%、自排局で99.5%となってございます。自動車NOX・PM法については、来年度、目標の評価をする年次を迎えますので、それに向けて、しっかり対策を進め、評価をしてまいりたいというふうに考えてございます。
続きまして、大気生活環境の保全でございます。15ページでございます。
騒音の環境基準の状況でございますが、近年は緩やかな改善傾向にございます。自動車騒音の環境基準の達成状況につきましても、平成29年度で93.9%となってございます。他方で、例えば新幹線の鉄道騒音に関してでございますけれども、近年、横ばいの状況ということで、平成29年度では、環境基準の達成状況は56.2%ということでございます。発生源対策については、鉄道事業者などにより取り組まれてございますけれども、自治体による土地利用対策は十分に進んでいないということで、今後の対応の状況については、引き続き、注視してまいりたいというふうに考えてございます。
この中で、もう一つ、ヒートアイランド対策でございます。ヒートアイランド対策の指標につきましては、熱中症予防情報サイトのアクセス数というのを掲げてございますが、昨年度は、酷暑により一時的に急増しているということでございます。ただ、指標といたしまして、こうした酷暑かどうかということで増減するというふうな傾向もございますので、今後、暑さ指数、WBGTというのがございますが、この暑さ指数の認知度を新たな指標として考えていきたいなというふうに思ってございまして、こちらの認知度を見ますと、平成30年度では、どのような指標か説明できる人は、約7%ほどしかいないということで、こういった意識調査の結果のような基礎データの収集をしてまいりたいというふうに考えてございます。
目標3-3、水環境の保全でございます。
水環境に関します環境基準の達成状況でございますが、健康項目全体につきましては、環境基準の達成率99.2%となってございます。基準値超過の主な原因は、自然由来が最も多いということでございます。
生活環境項目を見てみますと、河川については、ほとんどの地点で達成してございまして、概ね目標値に近い状況でございますが、湖沼については、依然として、達成率が低い状況でございます。
閉鎖性海域における窒素、りんの環境基準の達成率でございますが、着実に改善してきているのではないかというふうに見ているところでございます。
それから、海洋ごみの関係でございます。海洋ごみ対策に関しましては、海岸漂着物処理推進法に基づく基本方針というものを先日改正したところでございます。この基本法に基づいて、関係省庁、連携して取組を進めてまいりたいと思います。具体的には、自治体が行います海岸漂着物の処理に対しまして、財政支援を行ってまいりたいというふうに考えてございますし、陸域における海洋ごみの発生抑制を進めていく。それから、海洋中におけるマイクロプラスチックの分布状況や実態調査の調査研究を進めていく。それから、特に東南アジア諸国を初めとした諸外国との国際連携・協力を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
続きまして、3-4、土壌環境の保全でございます。
土壌環境につきましては、土壌汚染対策法に基づく要措置区域における措置の実施率というのが指標になってございますが、29年度末で86%ということでございます。こういった市街地の土壌汚染対策につきましては、今年の4月に改正土壌汚染対策法が施行されたところでございまして、今後、改正法の適切な運用を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
ダイオキシンの土壌汚染については、指定された地域全てにおいて、対策計画に基づく対策が完了しているところでございます。
目標3-5、ダイオキシン類・農薬対策でございますが、平成29年度のダイオキシン類の排出量につきましては、目標量を大幅に下回ってございまして、削減目標の達成が確認されているところでございます。
農薬につきましても、水産基準については、目標値を達成できているということでございます。
最後、目標3-6でございます。放射線のモニタリングでございます。
こちらの目標としては、被災地、それから周辺地域におきます放射線の状況の基礎的な情報を的確に把握して、国民の皆様に情報として、提供するということでございまして、こちらの取組については、30年度もしっかり対応できたかなということで、評価としては目標達成としているところでございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうも御説明ありがとうございました。
それでは、今の水・大気・土壌・放射線ですかね、それぞれのモニタリングなり政策評価の成果を御発表いただきました。
じゃあ、順番にいきましょう。御質問のある方は。
それでは、藤井先生からいきましょうか。
【藤井委員】
ありがとうございます。
18ページの判断根拠のところの赤潮発生件数のところです。比較年度のことなんですが、赤潮が減っているということの比較で、これ、昭和51年ということは1976年、その年度と比べるというのは、その後に、リン規制が起きているわけで、77年が琵琶湖の赤潮、それから、条例から、国の湖沼法の改正になっているわけで、リン規制の前の数字を出して、この比較の仕方はいかんともしがたいと思うので、ちょっと、この書きぶりは変えていただきたい。
【須藤委員長】
後で、じゃあ、返事をいただきます。 それから、DOの問題とか、そういうのはいいですか。
【藤井委員】
DOはあります。DOを書いていないことが問題です。
【須藤委員長】
だから、言ってください、それも。後で言う。今言う。今、ついでだから言っておいてくださいよ。
【藤井委員】
いいですか、はい。
常にBODやCODだけですけども、もう琵琶湖にとっては、ともかくDOですね。
【須藤委員長】
そうでしょう。
【藤井委員】
はい。溶存酸素の問題が大きくて、私たち市民の活動の中でも、DOに今着目してやっていますので、そこは絶対に入れ込まないといけないと思います。
【須藤委員長】
わかりました。
それでは、崎田先生、どうぞ。
【崎田委員】
ありがとうございます。
2点ほどなんですが、質問というか、コメントをさせていただきたいんですが、一つ目は、目標3-2の大気生活環境の保全の下の熱中症のところなんですが、先ほど、この指標などを少し見直すというお話があって、皆さんが取り組んでおられるということがわかって、少し安心したんですけれども。先ほどの御説明、もう少し、もう一度、説明していただきたいんですが、なぜかと申し上げると、やっぱり来年辺り、2020年は、海外からの方も非常に増えて、蒸し暑い日本の中で、予想以上に熱中症で倒れるなんていう方が多かったら、大変な国際問題になっちゃいますので。やはり、どういうふうにしっかりとアクセス件数がいろいろ出てますが、それが目標になっています、指標になっていますけれども、この辺、少しちょっと何か強化をして取り組んでいただいたほうがいいのかなという。
それで、あんまり中のほうに、熱中症対策のその辺の細かい状況が書いていないので、少し政府一丸となってやってくださっているはずですので、そういうことが今後にちゃんとつながっていけるように、しっかりと評価のところにも表していただければ、ありがたいなというふうに思います。
もう一点は、その次の目標3-3の水環境の保全のところ、海洋環境の保全を含むというところで、この中で、文章の施策の分析の中に海洋ごみ対策などが入っていて、環境省の皆さんの中で、循環のところでやる循環の分野のプラスチック対策と海洋ごみ、こちらの分野でやる海洋環境の保全のところ、うまく分けてやっておられると思うんですが、こちらのところでも、海洋環境をきちんとやっていただいているので、今後、その測定指標のところとか、何かここに一つ項目を追加するとか、何かここでもしっかりやっていただくことが社会からも見やすい感じになっていくといいのかなという感じもしましたので、御検討いただければありがたいというふうに思います。
【須藤委員長】
どうもありがとうございます。
それでは、大塚先生、どうぞ。
【大塚委員】
すみません、簡単に2点お伺いしますが、一つは13ページのところで、光化学オキシダントの環境基準達成率が相変わらずゼロという状況なんですけども、高濃度域については、改善がされているということですが、これは今後どういうふうに進んでいくことがお考えになっているかというのをちょっと教えてください。VOCに関しては3分の1になっても、あまり光化学オキシダントのほうの改善は進んでいないということがございますので、ちょっと、その辺について見込みを教えていただければと思います。
もう一つは、土壌汚染のところですけども、土壌汚染はこれでわかりましたが、この指標の立て方は、例えばダイオキシン類の土壌汚染対策地域の対策完了率を上げていても、この辺ずっと最近100%なので、これ以外にも、例えばその汚染の状況等の中での掘削状況の割合とか、あるいは、その調査の中での法律に基づく調査の割合とか、ちょっとほかにも指標として立てるべきものが幾つかあると思いますので、そういうちょっと重要なほかの指標もぜひ挙げていただけるとありがたいと思います。
以上でございます。
【須藤委員長】
ありがとうございました。
それでは、水・大気環境局から御回答いただきたいんですが、私があんまり発言するのはよくないんですけども、一つだけ皆さんが言わなかったことを一つだけ、水のことで、海水のことでも言わせていただきたいんですが、最近、海がきれいになり過ぎた、湖沼がきれいになり過ぎた、もっと栄養塩を入れろということで、下水処理場で下水処理するなという、極端な議論を言うと、そういうことになっているんですよね。これは、さっきの経産省とCO2の問題、水産庁と環境省の問題があると思うんですね。それは多分お聞きになっていると思うんだけども、こういう問題が出たときに、多分、この中のどこにも入ってないと思うんだけど、環境基準を達成した、よろしいでいいんですけども、今、きれい過ぎて問題だと、指摘がね。別に環境局から出ているわけじゃないんだけども、多くのところで、そういう意見が出るんですよね。なので、それも一緒にあわせて御回答ください。
【水・大気環境局】
まず、藤井先生からいただきました水環境保全の指標に関するご意見でございますけれども、確かに、赤潮の状況について、昭和51年度の発生状況との比較が判断根拠ということで示しているところでございますが、こういった比較の仕方が妥当かどうかというのは、検討させていただきたいというふうに思います。
それから、DO、溶存酸素量の指標に関してでございますが、環境基準として設定をいたしまして、今後、類型指定を進めていくということで、東京湾から、このDOの類型指定の検討というのを進めているところでございまして、順次、全国に広げていきたいというふうに考えてございます。
それから、崎田委員からいただきました熱中症の件でございます。熱中症につきまして、特に来年、オリンピック・パラリンピックの大会、予定されてございます。全世界から注目が集まるところでございますので、暑熱対策、ヒートアイランド対策の中で暑さ指数、WBGTの測定評価を競技会場の周辺でしっかりやって、大会期間中の熱中症予防情報を提供し、私どもとしてもオリンピック・パラリンピックの大会の成功に寄与したいというふうに考えているところでございます。
それから、海洋ごみに関してございますけれども、確かに、海洋ごみの対策、上流側の発生抑制の対策は再生循環局のほうで、それから、河川、それから海洋におけます海洋ごみの回収処理、それからモニタリングについては水・大気環境局で取り組んでございますが、測定指標のところに海洋ごみの項目が今挙がってございませんので、どのような指標が適切かということを、改めて検討させていただきたいというふうに思ってございます。
それから、大塚委員のほうから光化学オキシダントの点について御指摘をいただきました。光化学オキシダントについては、環境基準の達成率で見ますと、一般局、それから自排局ともに0%といったような評価になってしまってございますが、そういったことですと、実際に対策が進んでいるかどうかというふうな評価がきちんとしにくいんではないかということで、光化学オキシダントの環境基準の再評価には取り組んでいきたいというふうに考えてございまして、現在、国内外の科学的知見、収集をいたしまして、どのような評価が適切かといった検討を進めているところでございます。
それから、土壌環境に関しての指標についても、こちら100%というふうなことでは、また、この施策、取組の効果が把握しにくいといったこともあると思いますので、この指標について今後、検討させていただきたいというふうに思ってございます。
最後、委員長から御指摘ございました、海がきれい過ぎて、魚がとれにくくなっているんじゃないかといった問題につきましては、特に瀬戸内海で、沿岸の自治体の皆さんからそういう指摘もいただいているところでございます。今、中央環境審議会、瀬戸内海の環境保全小委員会におきまして、きれいで豊かな瀬戸内海の確保に向けた方策の検討というのを進めていただいているところでございまして、今年度を目途に取りまとめをしていただき、今後、水質の総量削減制度のあり方も含めて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
そうしたら、百瀬先生が手挙がっていますね、どうぞ。
【百瀬委員】
大したことではないんですけど、窒素とりんの問題で、これは発生源が、もし農業由来であれば、その辺りのことについても、農水省と何か検討なさっているのかというのをちょっと聞きたかったんです。生活排水ですとか、工業廃水というのは、かなり清浄化されているんですれども、いわゆる農薬ですとか、それから化学肥料関係については、どういうような対策がとられているのか。東京湾だとか、そういったところが少なくて、今ちょっと多そうなところが、流域の中に、かなり農業圏が多いので、先ほどの地域循環のことも含めて、そういうようなことがあれば、お聞きしたいと思いました。
【水・大気環境局】
農水省との連携ということで言いますと、地下水の環境基準の達成状況がよくない項目として、硝酸性窒素という項目もございます。農業の際の施肥のやり方も管理の仕方によって、そちらの硝酸性窒素による汚染の改善がなされるんではないかというふうに考えてございますので、そういったところは農水省と連携して、農業におきます肥料の使い方について、今後、ガイドラインみたいなものを検討していきたいと考えてるところでございます。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、まだございますが、後に回すとして、生物多様性の保全と自然との共生の推進ということで、施策5について、御説明ください。
自然環境局、どうぞ。
【自然環境局】
自然環境局の吉野でございます。よろしくお願いします。
5-1から説明いたします。5-1、生物多様性条約に基づいて、2010年に採択されました愛知目標、また、それに基づく生物多様性国家戦略ですが、来年2020年が目標年となっております。中国で開催されるCOP15に向けて、現在、取組を進めているところでございます。
国別目標の関連指標は、概ね改善傾向にございます。
また、今年、フランスで開催されましたG7環境大臣会合でもIPBESの報告書で、生物多様性が地球全体として、危機的状況にあるということが報告されました。そういった形で国際的な注目も集まっております。今後はポスト2020目標への積極的な貢献・発信、また、その後の次期国家戦略に向けた検討が局の大きな課題となってまいります。
5-2に移ります。5-2ですが、かいつまんで説明いたします。世界自然遺産については、候補地となっております奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島について、本年2月に推薦書を再提出しております。来年夏の登録を目指して、現在、作業を進めております。
また、最近の大きなトピックといたしましては、自然環境保全法を改正いたしまして、沖合海底自然環境保全地域制度という新しい保護制度を創設いたしました。まず、この制度に基づきまして、小笠原周辺海域での指定を目指して、現在、作業を進めております。地域指定ができますと、愛知目標において掲げられております海洋の保護区割合を10%にしようという国際目標を達成できるということを見込んでございます。
次、5-3でございます。野生生物保護につきましては、国内希少野生動植物種について、新たに36種追加いたしました。現在、指定種は293種となってございます。今年度から、改正種の保存法を踏まえまして、特定第二種国内希少野生動植物種も指定を開始する予定でございまして、里地里山に分布する種を対象に現在、検討を進めてございます。
また、遺伝子組換え生物については、ゲノム編集生物の取り扱いについて問題になりまして、カルタヘナ法との関係性を整理いたしました。法の対象外となるゲノム編集生物についても、事業者から自主的な情報提供を得る仕組みをつくっているところでございます。
野生鳥獣、イノシシやシカについては、都道府県の御協力をいただきながら捕獲を強化しております。個体数は幸い漸減の傾向を示してきておりまして、2023に半減するという目標達成を目指して、捕獲事業を強化しているところでございます。
外来種につきまして、ヒアリでございますが、2017年の初確認依頼、昨年度までに38事例を確認いたしました。今年度もこれで4事例確認しております。水際対策を徹底いたしまして、定着防止に努めているところでございます。
5-4、動物愛護でございますが、犬猫の引き取り数、それから殺処分率、ともに順調に減らしてきてございます。今国会で議員立法により動物愛護法が改正されまして、3年後からは、マイクロチップによる管理が犬猫については行われるようになります。また、事業者による飼養の基準も見直されることになっておりますので、愛護施策はより進んでいくという見通しでございます。
また、動物看護師法というものが新たに制定されまして、飼い主の適正飼養について、専門的な人材がサポートするといったような形で、より取組が進んでいくという状態でございます。
5-5、5-7、5-6について、一体で説明させていただきます。エコツーリズムについては、30年度、新たに3自治体が計画認定を受けております。また、国立公園については、国立公園満喫プロジェクトとして、施設の多言語化、海外向けのプロモーションの実施、アクティビティーの充実などにより、訪日外国人を呼び込むということに取り組んでございます。目標は2020年、1,000万人でございますが、平成30年度には、推計694万人の利用がございました。これは前年度比94万人の増でございまして、日本全体としての訪日外国人の伸びが8.7%ですが、国立公園では、それを上回る15.7%の増加となってございます。着実に施策効果は上げているものというふうに考えてございます。
また、三陸復興公園につきましては、みちのく潮風トレイルが本年6月に全線開通いたしました。引き続き、利用の回復・増進に取り組んでまいります。  また、帰還困難区域の環境整備といたしまして、野生鳥獣の捕獲に取り組んでおります。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうも、御説明ありがとうございました。
それでは、今の自然環境局の御説明に対しての御質問は、藤井先生だけかな、山本先生もですね。じゃあ、山本先生、三橋先生の順番に行きましょう。
山本先生、どうぞ。
【山本委員】
質問なんですけども、生物多様性のIPBESの新しい報告書が出ましたですよね。それによって、何か政策の変更とか、対策の追加などはあったのかどうか、それを御説明いただければ幸いです。
【須藤委員長】
はい、わかりました。
じゃあ、三橋先生、続けてどうぞ。
【三橋委員】
私も簡単な質問なんですけど、その野生生物の保護管理のところで、ニホンジカとイノシシが入っているんだけど、最近、サルの被害がいろいろ言われていますよね。これは、まだ駆除の対象にはなっていないんですかということです。
【須藤委員長】
サルがですね。
【三橋委員】
サルです。
【須藤委員長】
はい、わかりました。
じゃあ、続いて、藤井先生。
【藤井委員】
では、30ページ、ゲノム編集について、ちょっと伺いたいと思います。先ほどの御説明の中で、事業者から自主的な情報の提出を求めているというお話がありましたが、既に、ゲノム編集された商品が市場に出てしまうという事態になっていて、生活クラブ連合会は、もう既にゲノム編集をした商品は扱わないという宣言をしています。ですから、これでは遅過ぎるんではないか。その事業者から自主的な情報を得るということと、それから、市場に物が出てきてしまうという、その時間差のところをどう考えていらっしゃるか伺いたいと思います。
【須藤委員長】
はい、わかりました。
それでは、河野先生、どうぞ。
【河野委員】
2つあります。29ページのニホンジカとイノシシの件ですが、一番下のほうのデータで、目標値に比べて、現状があまりに違い過ぎるといいますか、目標が高過ぎるのか、この目標の立て方をどういうふうにしたのか、ちょっとお伺いしたいというふうに思っています。
それから、32ページの犬猫のところですが、実は、あるアメリカの資料で、アメリカでは、1990年に飼い猫が5,500万と、これによって殺傷された野鳥が10億以上いるというような資料を読みました。そういう資料を見ますと、点から見ますと、ここに書かれている資料は、日本全体で、犬猫はどれぐらいいるのか。それから、それによって野鳥がどれぐらい殺傷されたのかというようなことが、特に載せられてないように思われますので、やはり今後、そういう資料を追加していったほうがいいのではないかというふうに思います。これは意見です。
【須藤委員長】
わかりました。ありがとうございます。
では、大塚先生。
【河野委員】
1点だけちょっとお伺いしたいんですけども、この国内希少種の野生動植物種が、新規指定が増えてきていて、大変いいと思いますけども、前から海洋生物に関しての指定がなされにくいという問題が批判されてきていたと思いますけども、この点は、現在どういうふうになっているか、ちょっと教えていただけますか。
【須藤委員長】
それでは、自然環境局、どうぞ。
【自然環境局】
まず、IPBESでございますが、今、国際的に注目を集めていることを踏まえて、これを契機に、きっちり国際的な発信、日本としての発信を打ち出していこうということで検討しておりまして、そこの材料に使わせていただいているというところでございます。
すみません、ちょっとサルについて、不勉強で申し訳ないんですが、捕獲数だけで被害をコントロールするということが、難しいということで、指定管理事業として、捕獲する対象にはしていないというふうに聞いております。
それから、ゲノムですけれども、まず、当省で行った検討は、カルタヘナ法との関係でゲノム編集生物について、どのような扱いをするかということでございました。影響については、はっきりしないのですが、カルタヘナ法と同様に情報提供いただいたほうがいいだろうということで、事業者に自主的な情報提供を求めているというところでございます。今、多分、先生がおっしゃっていただいた流通の話は、どちらかというと、食品とかですね。
【須藤委員長】
食べるものでしょう。
【自然環境局】
食品については、厚生労働省が同様に、自主的な情報提供を求めるという方針で、現在、制度を審議会等で検討しておりまして、パブコメ中かと思います。
その時差の問題でございますが、食品の届出については、厚生労働省のほうで行うことになっていて、市場に出る前に必ず自主的な届出を求めるということで、検討されているというふうに聞いております。きちんと情報提供せずに流通させた場合には、事業者名を公表するとか、かなり規制に近いことをされるということが公表されてございますので、事業者のほうで適切に対応されるというふうに考えて、検討されているんだろうというふうに考えます。
それから、イノシシとニホンジカの目標の立て方でございますが、2011年の頭数をもとに、これを半減していこうということで、政府全体で取り組んでいるというのが現状でございます。御指摘のとおり、今の捕獲頭数ですと、なかなか、その半減目標に遠いわけでございますので、捕獲圧をより強くしていこうということで、現在考えております。
それから、犬猫が野鳥を食べるという話については、すみません、今。
【須藤委員長】
あんまりやってないよね。
【自然環境局】
そうですね。統計をとるということはしてございませんが、希少な野生動物を食べている野猫について、地域的に管理をしている事例はございます。
それから、もともとレッドデータブックの掲載種が少なく、海洋生物の指定については、水産関係の規制との関係もございまして、指定が進んでいないというのが御指摘の点かと思います。指定に当たって、関係者との調整は従来どおりやっておりますが、今の先生の御指摘のとおり、海洋については、なかなか指定種を増やすというのは難しいというところでございます。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。まだ不十分かとも思いますが、まだ課題は残っておりますので、次に移らせていただきます。
次が、総合政策統括官グループの方から、施策8について、環境・経済・社会の統合的向上についてということで、御説明をいただきたいと思います。
【永島総合政策課長】
38ページからになります。施策8は4項目ございます。まず、8-1、経済のグリーン化の推進については、測定指標が7つありまして、そのうち3つが未達という状況になっております。
一つ目として、地方公共団体及び民間団体におけるグリーン購入実施率については、40ページにまとめた表がございます。特に地方公共団体について進捗率が低く中でも中小規模の自治体の未実施率が高いということがございます。アンケートもとっておりますが、これをもとに有識者からの知見も踏まえて、今年度、検討を進めており、対応策としては、例えば人的余裕がない中小の自治体向けに特化した資料の作成、あるいは、都道府県や政令市を核としたグループを形成していただいて、グリーン購入連絡会議というものを組織して対策を進めることなどが有効ではないかと考え、今、検討を進めているところです。
次に、環境報告書公表企業割合についてですけれども、これは事業者やステークホルダーのニーズに合わせた施策を展開することが重要と考えております。環境報告ガイドラインの解説書等をつくっておりますが、その普及啓発を進めてまいります。
また、エコアクション21登録事業者数についても未達となっておりますけれども、こちらも地域の金融機関などを通じて、エコアクション21に関する周知活動などが進められないか検討を進めているところです。
次に、41ページの8-2、環境に配慮した地域づくりの推進でございます。温暖化対策法に基づいて自治体における地方公共団体実行計画の策定を進めております。測定指標としては2つありまして、一つ目の策定義務を有する自治体の計画の策定率については目標を達成しております。
二つ目として、この地方公共団体実行計画のうちの事務事業編について、策定している割合については未達となっており、100%の目標に対して22.9%と非常に低い状況になっております。目標が28年に閣議決定された政府の温暖化対策計画に即した自治体数となっておりまして、具体的には、この政府の2030年26%削減目標と整合性のある目標を立てた自治体数が、まだ22.9%にとどまっているということでございます。こちらについても人員などが足りないことがアンケート等から出ておりますので、その支援するような小さな自治体向けの取組を進めていきたいと考えております。
続いて、8-3、環境パートナーシップの形成についてです。測定指標としては、環境教育等促進法に基づく協働取組の実施数となっております。達成状況は三角ですけれども、実績値としては年々右肩上がりに増加しています。地域において、地域の環境課題と社会課題の同時解決という機運が一定程度根づいて、協働取組が進んできているのではないかと評価しているところです。
次に、8-4、環境教育・環境学習の推進についてですが、測定指標としては、5項目ありまして、そのうち2項目については達成しておりますけれども、環境人材コンソーシアムが実施する企業関係者セミナーの参加者数等については未達となっております。このセミナーの参加者数については、平成29年度から集計方法を変えまして、環境省の予算事業として、この環境人材育成コンソーシアムと連携して開催しているセミナーについてのみ算出することとしたということで、値が小さくなっています。企業の社員に対する環境教育を推進するために、より多くの方に参加していただけるようなセミナーの開催方法や回数の見直しについて、現在検討しております。
また、環境教育推進室のホームページのアクセス数についてですが、これは人気があったコンテンツの一部を外部サイトに移行したということで減少につながっておりますが、今後、魅力のあるコンテンツ等を作成していきたいと考えております。
最後に、RCE拠点数、すなわち持続可能な開発のための教育に関する地域拠点の設置数ですけれども、前年度までは着実に拠点数が増加しておりましたが、平成30年度は増加数が鈍化している状況にございます。今後は、より潜在的な登録拠点への働きかけなどを進めていきたいと考えております。
説明は以上になります。
【須藤委員長】
どうも、御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの施策の8について、御質問があれば、どうぞ。山本先生あるでしょうね。それから、崎田先生、藤井先生、じゃあ、順番にやっぱり行きましょうか。
山本先生から参ります。
【山本委員】
ありがとうございます。
私は20年以上、グリーン購入とか、そういう問題を、関与してきておりますので、この結果を見ると、ちょっとがっかりしたというか、まあ、簡単に言うと、私はエコプロダクツ展示会の実行委員長も、もう20年やっているわけですけれども、この環境問題に対する関心が薄れつつあるんじゃないかという、ちょっとそういう心配があるわけですね。それで、私はグリーン購入法とか、グリーン契約法をもっと強化してはどうかと。一部義務づけるとか、そういうことをお考えになってないのかというところをちょっと質問させていただきます。
以上でございます。
【須藤委員長】
はい、わかりました。ありがとうございます。
では、百瀬先生、どうぞ。
【百瀬委員】
私は民間企業でずっと働いている者なんですけども、特にこの中には入っていませんけれども、やはり、今、非常に話題に出ているSDGsですとか、それから持続可能な消費というようなことを、もう少し、こういった指標ですとか、そういったところに取り入れていただくと、本当は、国民は関心を持っている部分もあるかもしれないし、それで、先ほども言いましたけれども、家を買うとき、車を買うときに、随分考慮しているようなところもあると思いますが、そういうことが見えないんだと思うんですね。見えたところで、ぜひ、底上げも大事ですけれども、非常に関心を持たれたところから強化していくというのも、一つの方法だと思いますので、ぜひ入れていただきたいと。
それで特に、ESDも、「ESD」という3文字が、SDGsにちょっとかすんできているようなところがあるので、それは、意味はちょっと違うけれども、目指す方向が一緒だと。目標なのか、それとも人材育成なのかということを、もう少し国民にわかりやすいような形で表現していただくと、「ESDは終わったのか」とよく聞かれるので、「いや、そうじゃないけれども」という話をよくしますので、ぜひ、入れていただければうれしいと思います。
意見でございました。
【須藤委員長】
ありがとうございます。
そうしたら、藤井先生、どうぞ。
【藤井委員】
私は書きぶりの問題だけです。
【須藤委員長】
書きぶり。
【藤井委員】
41ページです。施策の分野のところで、「小規模地方公共団体では、専門知識を持った職員がいないこと」、これはちょっと行き過ぎで、小規模事業所でも、私たちも一緒に研究会をやっていますが、かなりすぐれ者もいます。ですから、確かに人員が不足しているとか、脆弱はありますが、ここだけは外していただきたい。
【須藤委員長】
表現ですね。
【藤井委員】
はい。
【須藤委員長】
はい、では、崎田先生。
【崎田委員】
ありがとうございます。
幾つかなんですが、一番最初はグリーン購入のところで、山本委員からもう少し強化する方向はないのかと。私も、ここは大事なところだというふうに思っています。
特に、ここのところで思うのは、やはり生産国とか生産現場での労働環境であったり、児童労働であったり、そういうような持続可能性をしっかり入れたような商品とか、そういうものに対する関心というのが、非常に社会で高くなってきていると思うので、やはり日本の中でも、そういう、いわゆる持続可能な生産と商品の、そこがもう少し明確になってくるような形が大事なんではないかというふうに思っています。
あともう一点。ここのところ、大きな企業で、しっかりとした事業をして、ESG投資を呼び込むという、そういう気持ちになっているところが大変増えてきているというふうに感じます。
特にプラスチックとか、そういうことも、グローバル企業のほうから、いろいろ高い目標を掲げるとか、そういう波も起こっていますので、やはり、そういうビジネスの力をちゃんと入れていくというのは大事なことだと思いますので、そういうものが進んでいるということが、非常にわかってくるような部分が、この評価の中にもあるとうれしいなというふうに感じています。
よろしくお願いします。
【須藤委員長】
わかりました。ありがとうございます。  では、河野先生。
【崎田委員】
ありがとうございます。
38ページですが、測定指標のところの環境報告書と環境マネジメント関係が低いということですが、これに長年関わってきたんですけれども、やはり先ほど、山本先生のほうから、国民の環境に対する関心が薄くなっているというようなことをおっしゃられましたけれども、やはり中小企業に、特に向けて、この環境問題の必要性を強く訴えていってもらいたいというふうに思います。これは考えです。
【須藤委員長】
ありがとうございます。
じゃあ、大塚先生。
【大塚委員】
42ページのところについて、ちょっとお伺いしたいんですけども、この環境教育等促進法というのは、いろんな意味の参加を促す観点から非常に重要な法律ですが、この協働取組の実施数というのは、ちょっと二けたになっているところ自体が、その目標自体がどうなのかというのがちょっとよくわからないところもあるんですけれども、これは、この数字は、目標がどういうふうに設定されたのか、ちょっと教えていただきたいというところがございますのと。あと、協働取組というのは、具体的にどこまで協働したら協働取組をやっているということになるのかというのを、ちょっと教えていただきたいと思います。
これは具体的には、やはり団体との協働取組を、多分、考えていらっしゃるということだと思うんですけれども、ちょっとその辺についても教えてください、すみません。
【須藤委員長】
井村先生、最後にどうぞ。
【井村委員】
41ページです。具体的にいうと、地方公共団体の温暖化の実行計画ですね、これを見ますと、29年度に100%、もうずっと達成ということになっております。
一方、先ほども山本先生も何か言ったんだけど、世界の中では、自治体の中には、非常事態宣言とかするという自治体があるという、日本はそんなのないと。最近、横浜とか、東京とか、3つほど出たという話と比べて、ここで見ると、日本の自治体が、全部こういう計画をつくって、優秀なんですね、100%。だけど、何かしら、本当の力を出すことがあるのかどうかというところがあります。評価結果のところの評価を見ると、平成18年度の閣議決定された結果を受けて、改定を行うと。
ですから、一応、形だけでは計画をつくってやりますというようなのは、100%なんですけど、やっぱり内容をこれからはどんどん強化してもらわなきゃいけないわけですね。  何となく100%満足している、自治体もつくっていますと、それでおしまいですみたいなところが、よく感じられるので、ですから、この指標として100%、これを達成したと、これ非常にいいので、次はもう、この内容をもう一段高めるような、何か、評価の仕方というのをやっぱり工夫しないと、さっきの力が出てこないんじゃないか、そんな感じがします。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
多少、時間も少なくなりましたので、簡潔にお答えください。
【永島総合政策課長】
グリーン購入などについて、環境の関心が減っているんではないかと、山本先生、崎田先生からお話がございました。
減っているということもあるのかもしれませんけれど、今までは、環境と、それからそれ以外のものを分けて考えていた部分があったのが、もう製品とか事業活動そのものに、環境がもう統合されつつあると、そういう中で環境のみに対する関心が減ってきているという、ある意味、同時解決に近づいているという部分もあると思いますので、そういう中でグリーン購入法などについて、どういうふうに強化していくことができるのか、やはり、そういうことだと、企業活動、あるいは国民の生活にメリットになるということを訴えていく方向に進めないと、単なる普及啓発だけではだめなのかなという気もいたしますので、そういった点から何が考えられるのかということを検討させていただければと思います。
また、百瀬委員からお話のありました、SDGsや持続可能な消費については、いい指標があれば、ぜひ入れていきたいと思いますし、またESD、RCEなどは、言葉自体がわかりにくい、正直、わからないです。これをどういうふうに人口に膾炙していくのかは、昔からの課題ではありますけれど、取組を進めていきたいと思います。
藤井先生からいただいた、小規模団体に人材がいないという書きぶりについてはちょっと書き過ぎで、自治体の中でも、あるいは中小企業の中でも、一生懸命取り組まれている方々はいますので、そこに配慮した書きぶりにしたいと思います。
また、河野先生から中小企業向けの環境報告書等の取組促進についての話もございました。これは全くそのとおりで、それに向けた手厚い取組ということを考えていきたいと思います。
大塚先生からいただいた、環境教育等促進法に関する協働取組の目標の立て方でございます。これは予算措置に基づき幾つ取組を進められるかという、予算をつけていただいた想定取組数を目標数にしておりまして、予算の範囲内で公募により採択された団体が協働取組の手法を取り入れ取組など推進されているかの点を指標にしております。
また、井村先生から自治体で100%計画を策定しているのに、気候変動に関する非常事態宣言など実質的な取組は少ないという話がございました。
都道府県、政令市、それから中核市等については、「区域施策編」として区域全体の温暖化対策計画をつくるということになっていて、これは、まさに達成はしているんですけれども、では、その次、内容を伴って、次の目標をどうするかということを考えていく時点になっているのかなという気もいたします。また、検討させていただきたいと思います。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、最後の施策、放射性物質による環境の汚染への対処ということでございまして、これは2つに分かれておりまして、再生・循環局と保健部なので、続けて、それぞれから御説明ください。
まず、再生・循環局から。
【環境再生・資源循環局】
それでは、環境再生・資源循環局から、初めに説明をさせていただきます。
44ページ目にスクロールをお願いいたします。
目標10-1でございますが、放射性物質により汚染された廃棄物の処理でございます。
この廃棄物でございますけれども、大きくは2つありますけれども、大きくは、特定廃棄物でございまして、具体的には対策地域内廃棄物、あとは8,000ベクレルを超える指定廃棄物というものについての施策でございます。
具体的には「目標達成度合いの測定結果」「施策の分析」の箇所を御覧いただきながら、聞いていただければと思いますけれども、対策地域内廃棄物につきましては、一定程度、進捗してきているという状況でございます。災害廃棄物の仮置場への搬入は、平成30年度末で230万トンとなっているところでございます。
続きまして、福島県内の指定廃棄物についてでございますけれども、福島県内の指定廃棄物につきましては、農林業系廃棄物等の減容化のための仮設焼却施設などの整備などを行っているところでございまして、こちらに書いてある①のところに、施策の分析の真ん中辺りの①のところに書いてある建設工事中だった仮設焼却施設につきましては、6月から本格稼働をしているというような状況でございまして、このような形で焼却を進めておるところでございます。そして、特定廃棄物埋立処分施設への搬入を進めているというような状況でございます。
福島県以外の県につきましては、やはり、それぞれ各県の状況がございますので、各県の状況を踏まえた対応を進めているというところでございます。
例えば栃木県におきましては、指定廃棄物を保管する農家の負担軽減ということから、そのために、市町単位での暫定的な集約化の方針を平成30年11月に合意いたしまして、県や保管市町と調整を行っているというような状況でございます。
続きまして、目標10-2でございます。ページ番号、45ページを御覧ください。
放射性物質汚染対処特措法に基づく除染等の措置等でございます。
国が除染を実施する除染特別地域、あとは市町村が除染を実施する汚染状況重点調査地域、それぞれにつきまして、除染を実施し、仮置場に搬入を行い、福島県内につきましては、中間貯蔵施設に搬入というところをこれまで実施してきているところでございます。  測定指標の上の段でございますけれども、この辺りを見ていただければと思いますが、昨年も報告させていただいているところと重複がございますけれども、平成30年の3月までに、帰還困難区域を除きまして、面的除染は完了しているというような状況でございます。
発生した除去土壌等につきましては、仮置場等において、保管をしているというところでございまして、保管物については、順次、搬出を行っております。搬出を終えた仮置場につきましては、順次、原状回復等の工事を実施しているというような状況でございます。
また、その下の段、中間貯蔵施設の整備等の欄を見ていただければと思いますけれども、中間貯蔵施設の整備等につきましては、用地については、平成31年3月時点で全体の面積の約70%が契約済みというふうになっているところでございます。
施設につきましては、2017年の10月から開始している土壌の貯蔵を、引き続き、実施しているというような状況でございます。
輸送につきましては、平成30年度までに累計で262万立米の除去土壌等を中間貯蔵施設に搬入しております。
平成30年度は、その下の指標のところも見ていただければと思うんですが、30年度のところを見ていただきますと、180万立米と目標を書かせていただいて、実際の実績としまして、183.9万立米と記載をしているところでございますけれども、予定していた量を達成したというような状況でございます。本年は400万立米程度の輸送を予定しているところでございます。
現状におきまして、5月24日時点ですけれども、累計で300万立米の搬入が完了しているというような状況となっております。また、除去土壌等の減容・再生利用でございますけれども、こちらについては、再生利用の実証事業を進めているところでございます。また、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略について、平成30年度に見直しを行ったところでございます。
再生・循環局からは以上でございます。
【須藤委員長】
では、保健部からどうぞ、続いて。
【環境保健部】
環境保健部、企画課長の小森でございます。
【須藤委員長】
簡単にお願いします。
【環境保健部】
はい、簡単に。
目標10-3、47ページでございます。
放射線に係る一般住民の健康管理・健康不安対策ということでございますが、東京電力福島第一原発事故を受けまして、福島県のほうで、被ばく線量や健康状態を把握するための健康管理等を実施しているところでございます。
国としては、基金に交付金を拠出し、また専門的な試験と助言等を行っているところでございますけれども、この進捗につきましては、測定指標の4のところでございますが、きちんと県のほうで、県民健康調査を進めているということと、リスクコミュニケーション等の事業も進めているということで達成したと言えるというふうに評価しておるところでございます。
それから、①、②、③がございますけれども、研究、あるいはセミナーですとか、いろいろと、相談員さんとかへのサポートということで、専門家を派遣するとか、こういった事業につきましても、掲げた目標値を超えて満足等もいただいているところでございますので、達成で丸というふうにさせていただいて、全体として目標達成しているというような評価をしているところでございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの施策の10についての御質問があれば、どうぞ。
よろしいですか。
先生があるかな。では、藤井先生と崎田先生、どうぞ。
【藤井委員】
45ページの再生利用のところで、ちょっと伺います。私は小高にたびたび通っています。明日もまた小高に行くんですが、ようやく牧場ができて馬を飼う、その横に、常磐道の2車線化のところで、この再生土壌を使うというので、住民はかなり大変な状況になっていて、その土壌のすぐ向こうに、もう牧草地ができているんですね。
住民との対話をどうするかということが、本当に大事だと思うんですが、現地をどのぐらい見ていらっしゃるかということを。
【須藤委員長】
誰がですか。こちら。
【藤井委員】
こちら、ごめんなさい。こちらです。
【須藤委員長】
こちらね。
【藤井委員長】
はい。
【須藤委員長】
こ現地をどれだけ見ているか。
【藤井委員長】
はい。
そこをまず伺いたいのが一つです。それから、本当はもっとたくさんあるんですけど、それだけ。
それから、健康被害のところで、これは、もう暴露によるものではないということの指摘については、もう今回は言いません。もうずっとその問題は出ていますので。
ただ、子どもたちの保養をずっと滋賀県でも、全国でもやっていますが、子ども被災者支援法の見直しの中で、その保養というのが、かなりデトックスにいいということと、それから身体的にいいというのは、多分御存じだと思うんですが、こういうところが、ぜひ、ここの中でも、これから入れていただきたいというふうに、切に思います。
以上です。
【須藤委員長】
述べられたほうがいい。
崎田先生、どうぞ。
【崎田委員】
ありがとうございます。
コメントになるかと思いますが、44ページ。
まず、目標10-1なんですが、例えば、ここは今までのところの地球温暖化などと匹敵するぐらい予算規模はすごく多くて、1,455億4,200万なんですね。非常に予算規模の大きいところを1ページで書いてくださって、しっかりまとめていただいているわけですけれども、この中に、いろいろ現場で抱えておられる課題とか、悩みとかも、そういうのはたくさんあるわけで、そういうのを今やってくださっているわけですけれども、そういうところを一つ一つ、こういうところに書いていくと大変ですので、やっているということになっていますけれども、もうそれ以上、私も申し上げないようにしますけれども、そちらの専門委員会に入っていますので、そちらで発言しますが、しっかりといろいろな課題を、例えば、ここも福島県外という辺りのところが、相変わらず課題はしっかりと残っているはずですし、取り組んでいただければ、ありがたいなというふうに思います。
最後の目標10-3のところも、本当に、今、もうどんどん浜通りの地域のところに対する、いろいろなコミュニケーションとか、対話とか、そういうところの被災された方への、いかに心に寄り添うかという、そういう施策になっているわけですので、そういう細かい状況をここでは書き切れないというところだと思いますが、本当に一つ一つ対応していただければ、ありがたい。
一つ質問なのは、測定指標の1の研究の採択というのがあって、こういう研究はどういうふうに生かしているのかという辺りを、ちょっと一言、様子を教えていただければありがたいと思います。
【須藤委員長】
それじゃあ、一言で。
【環境再生・循環局】
それでは、再生・循環局宛てにいただいた御質問についてお答えいたします。
まず、藤井先生からいただきました地元にどれぐらい入っているのかという点につきましては、再生利用の事業を担当する者がおりますので、頻繁に地域のほうには入らせていただいて、関係の方々に丁寧な御説明を行っているというような状況でございます。
続きまして、崎田先生からいただきました、コメントということでいただいた点につきましては、地域それぞれの課題の中で、おっしゃっていただきましたとおり、対応しているところでございますので、引き続き、しっかりと地域の方とお話をしながら、進めていきたいと思っております。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
放射線の問題、まだいろいろ議論し出したら切りがないほどあるとは思いますが、時間が参りましたので、この辺にとどめておいて、それぞれ個別の委員会等もございますので、そこで。
【環境保健部】
保健部のほうから少し。
【須藤委員長】
保健部のほうから。
【環境保健部】
まず、すみません。よろしいでございますか。
【須藤委員長】
そうですね。ごめんなさい。
【環境保健部】
短い目と思っております。
保健部のほうから、先ほどちょっと言い忘れましたけれども、ごめんなさい、指標の①でございますが、下のほうの判断根拠のところにあるんですけど、23件というのが正しくて、30年度ですね、「25」というふうに、ちょっと数字を誤って上のほうの表に記載しておりましたので、まず、そこを訂正させていただきます。
それから、藤井先生の御指摘でございますが、すみません、私も聞き取りづらかった、理解していないかもしれませんが、子ども被災者支援法に基づくような、何か議論みたいなものは、どう考えるかというような御質問だったかと思うんですけれども、私どもとしましては、環境省の専門家会議の中間取りまとめを踏まえますと、現時点で原発事故による放射線の健康への影響が生じているとは考えにくいと考えておりまして、なかなか難しい問題なのかなというふうな理解でいるところでございます。
それから、崎田先生でございますけれども、先ほどの研究がどう生かされているのかというような御質問だったと思いますけれども、これにつきましては、毎年、いろんな研究を研究者の方々にやっていただいて、その中で、その成果で、例えばホームページで、その成果を公表していくですとか、あるいは、特にメンタルヘルス等、改善、いろいろ研究していただいて、例えばお母さん方、あるいは高齢者の皆さんには、こういうところを気をつけようというようなところを少し研究していただいた成果のほうを生かしながら、そういった改善につなげているといったところでございます。
以上でございます。
【須藤委員長】
どうも申し訳ございません、失礼いたしました。
これで、一通りお答えはいただいたということにさせていただきますが、私、10分間ほど余らせて、山本先生の最初の提案のことをもう少し御説明いただこうと思ったんですが、あまりなくなったんですが、山本先生、5分程度、最後、最初の追加をやっていただけますでしょうか。
あのときは、本当にさわりしかお話しさせていただかなかったんですが。
少し延びても構いませんので。
【山本委員】
いや、三橋先生に経済産業省を変えないとだめだと言われちゃったんだけども、ぜひ、今の世界で動いていることを、環境省としても、ぜひウオッチし続けていただきたいというお願いと、それから、やはり公的機関の報告書が3つ出ているわけですね、この半年で。
一つは、IPCCの1.5℃特別報告書、それから2番目はランセット・カウントダウン報告書というのが、これがイギリスの医学的な機関から出ているわけですね。3番目はIPBESの報告書が出ている。
この3つの公的な報告書と、現実に我々が目の前で見ている、直面していることで、いろんなNGOとか、先ほどの先進的自治体が、これは、もう非常事態、エマージェンシーになるということで、自治体、それから国家が、環境と気候の非常事態宣言を議決しているわけですよ。これは一人が言っているわけじゃなくて、国会で議決しているわけですから、大変な重みがあるわけです。
もちろん、議決して、今、議論はどういうところへいっているかというと、矛盾しているじゃないかという批判が出ているわけですね。例えば、カナダは、議会でこの宣言を議決しましたけれども、その直後に首相がタールサンドのパイプラインの延長を認めたというので、これは、どういうことなんだというふうに批判を浴びている。
それから、各国ともに矛盾の固まりで、今、エネルギー環境政策をやっているわけですよ。もう御存じのようにオーストラリアは石炭鉱山の問題があるし、ドイツは褐炭の問題があるし、いろんな問題がある中で、方向としては、もう2050年正味ゼロでいくと。
しかも、それが達成できないかもしれないということを織り込んで、昨年は英国王立協会、全米科学アカデミーとか、続々と、その達成、省エネとか、新エネルギーへの転換で済まないところは、これはネガティブエミッションテクノロジーでキャンセルするという戦略をもう出していて、イギリスの王立協会のレポートを読むと、2050年、1億3,000万トンがどうしても残ってしまうと。それをネガティブエミッションテクノロジーで、キャンセルするということを報告書に書いていて、ところが、我がほうはここのどこを見ても、ネガティブエミッションテクノロジーで、どのぐらいキャンセルするかなんていうことが出てこないわけですよね。
環境省の職分じゃないのかもしれませんけれども、私が申し上げたいのは、だから、国際社会のほうは、今、急激に動いていて、恐らくフィリピンとか、それからインドとか、それから南アフリカとか、今、大変な環境災害に遭っているところが、続々と宣言を出してくるんじゃないかという、私は思っているんですね。
だから、先ほどヨーロッパ中心じゃないかという御指摘がありましたけど、そうではなくて、これはもう16カ国で、もう地球全体に広がっているわけですね、この非常事態宣言をして、動員計画をつくって対応すると。
そういうことで、どうすればいいかだけ一言だけ申し上げると、例えば気象研究所と国立環境研究所の合同チームをつくって、例えば、この前、北海道の佐呂間で、物すごい猛暑があったとか、そういう現象が起きたら、直ちにリアルタイムで要因分析、イベントアトリビューションを行って、その結果を普通の天気予報で国民に知らせると、そういうことを実現するようなことを、ぜひ、環境省に考えて、私はいただきたいと思うんですよね。  この前、フランスの南部で45.9℃観測されましたね。そうしたら、1週間以内に、WWAとオックスフォード大学を中心とするグループは、あの原因は地球温暖化以外考えられないというのを出しているわけですよ。ですから、わずか1週間で。これ、気象研究所に照会したら、あの研究は、ちゃんとした研究じゃないと。あれは要するに、ちょっとやっただけの話で、やはり、きちんと分析するのには3カ月、4カ月かかるということを言われたんですけどね。
方向としては、もうリアルタイムで要因分析をして、やはり、これが長期的な地球温暖化が、どのぐらいそれにまざっているかということを科学的に国民に伝えると、それが一つ、私は非常に重要なことじゃないかと思うんですね。
それから、環境省はもうRE100を表明されているわけだから、今年中に電力は全部100%再生可能エネルギーにするぐらいのことをやってもいいと、私は思っているんですけどね。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。
通常評価については、ここまでの議論とさせていただきます。
残りの時間でといってもないんですが、モニタリング評価の対象である施策や、そのほかの全般的な御提案があれば、お伺いいたしたいと思いますが、いつものとおり、モニタリング評価を対象にする時間がございませんので、もしもございましたら、メール等でモニタリング室に提案をしていただければと思います。
それでは、事務局におかれましては、本日の議論を踏まえ、政策評価書について、修正を行い、先ほどいろいろ議論がありましたから、それから字句の修正というのもございましたよね、それもございましたので、次回の委員会の資料として、提出をお願いいたします。
最後に、議題の2として、その他が上がっているんですが、事務局から何か御説明してください。
【事務局】
事務局より、次回の日程だけ御案内をさせていただきます。
次回は、8月20日火曜日の14時から16時を予定してございます。次回は、本日いただきました御指摘を踏まえまして、事務局で評価書について修正を行いますので、それについて、御確認をしていただいて、確定をお願いできればと思います。
詳細については、また事務局から改めて御連絡をさせていただきます。
以上です。
【須藤委員長】
どうもありがとうございました。  多少時間が延長いたしましたが、以上をもちまして、本日の委員会を終了させていただきます。どうも御協力ありがとうございました。

午後 4時02分 閉会


問い合わせ先
環境省大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション室
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