日本が立ち上げたAP-PLATは、日本やパートナー国に蓄積された適応に関する先進事例をまとめた情報基盤。各国が収集した科学的な気候変動のデータや情報を共有し、実際の適応政策などに役立てることが可能になる。
会合での議論により、各国が取り組んでいる有益な適応策を共有することに合意し、先進的な取り組みを集めた「G20適応と強靱なインフラに関するアクション・アジェンダ」を採択した。
アジェンダには多国間、2国間、各国内で行われている気候変動適応、防災など約70の取り組みがまとめられ、主なものに、AP-PLAT、SATOYAMAイニシアティブ(日本)、気候リスク・早期警報イニシアティブ(カナダ)、西アフリカ沿岸部管理プログラム(フランス)などがある。
アジェンダ内の取り組みを各国が実施し、そこから得られた経験を他国へ共有することで、適応と強靱なインフラの向上に貢献。さらに今後、9月の国連気候行動サミットや12月のCOP25などの機会を活用し、このアジェンダをG20の取り組みとして広く発信していく予定だ。

生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)
「Eco-DRR」は、気候変動によって激甚化が予測される気象災害などに備え、被害に遭いやすい土地の利用を避けつつ生態系の保全や再生を行い、災害に強い地域をつくるという考え方。生態系の機能を利用することで、いざというときに地域や住民を守る役割を果たすだけでなく、観光資源として地域の活性化にもつながることから注目されています。
沿岸地域において高潮などの水害リスクを軽減するサンゴ礁
イラスト/鈴木麻子