国頭村(くにがみそん)、大宜味村(おおぎみそん)、東村からなる沖縄島北部は、山々や森が広がる「山原=やんばる」地域として知られます。国内最大級の豊かな照葉樹林、ヤンバルクイナをはじめとする希少動物など、ここにしかない自然の宝庫です。
沖縄島北部に広がる「やんばる」地域は、照葉樹林のイタジイ(スダジイの沖縄での呼び名)がおよそ7割を占める自然の宝庫として知られます。しかし、うっそうとした森に足を踏み入れなくても、人々が暮らす里山や、観光客が訪れる宿泊施設の周りでも希少な動植物を数多く見つけることができるのもこの地域の特色です。固有種であるヤンバルクイナも里に現れることがあるため、運が良ければ間近に見ることができます。動植物についての知識を得ることももちろん大事ですが、何よりもまずその姿を実際に見て、美しいと感じる気持ちが大切です。やんばるを訪れてもらえば、きっとそれが実感できることと思います。

環境教育
「やんばる舎」は、沖縄島北部やんばる地域の豊かな自然と文化を継承、活用するため2013年に設立されました。活動は多岐にわたりますが、地域の小学生を対象とした環境教育も重要な活動の一つ。生き物や自然を観察し、実際に触れることで、生物多様性の上に自分たちの暮らしや文化があることを実感してもらう活動は、子どもたちの自然に対する意識を変え、地域に対する愛着を深めることにもつながっています。
(写真)小学校の児童たちと、蝶や鳥の観察や、蝶が食べる草の栽培など、生き物と触れ合う形での環境教育を行っている