2020年までに訪日外国人の利用者を1,000万人に増やすことを目標にした「国立公園満喫プロジェクト」。
その中でも、特徴的な取り組みを行う国立公園の楽しみ方・魅力を現地レンジャーが紹介します。
本州北部の山岳地帯にあり、原生林に囲まれた十和田湖や息づく火山、歴史ある湯治場などが魅力の国立公園です。
十和田八幡平国立公園
3つの楽しみ方
さらさらのパウダースノーを誇る八甲田山(はっこうださん)は、外国人にも人気の高いスノースポーツの拠点。人工的につくられたゲレンデではなく、自然のままの雪原や林の中などを滑るバックカントリースキーも楽しめ、雄大な景観を満喫できます。ロープウェーが整備されているのでアクセスが容易なのも魅力。冬期は八甲田山のほか、八幡平などでもバックカントリースキーツアーが催されています。
日本有数の火山地域のため、多くの良質な温泉が湧出しています。硫黄泉を中心に、“ラムネの湯”と呼ばれる炭酸泉など泉質もさまざまで、温泉地がそのまま登山基地になっている場所も。
かつて恐山とともに「南部藩の二大霊場」とされた十和田湖。東北地方に色濃く残る山岳信仰の象徴で、十和田山青龍大権現(とわださんせいりゅうだいごんげん)を祀(まつ)っています。湖畔の修験窟(しゅげんくつ)などで修験道の痕跡を見ることができます。
@nationalpark-japan
from 十和田八幡平国立公園
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QRコードよりアクセスできますので、ぜひチェックしてみてください。
苔や新緑が輝く春の奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)
支流からの雪解け水を集め、原生林のU字谷を流れる奥入瀬渓流。その美しい景観のなかでも、特に印象的な景勝地が「阿修羅の流れ」です。キラキラ輝く新緑と、苔生した岩々の合間を流れる美しい水に見とれます。
八幡平の雲上に現るドラゴンアイ
火山帯独特の神秘的な自然の風景が広がる八幡平。5月下旬から6月上旬、春の到来とともに、その頂上付近の鏡沼(かがみぬま)の雪が解け始め、まるで“ 竜の目” のように見えます。駐車場から歩いて10分で到達できます。
桜と雪解けの岩手山
十和田八幡平国立公園の南西部に裾野を広げる、岩手県の最高峰、標高2,038mの「岩手山」。歴史上5回の噴火によって形成された山は見る方向によりさまざまな表情を見せます。桜とのコントラストも見事。
神秘的な十和田湖カヌー
約20万年前に始まった火山活動から、幾度となく噴火を繰り返し形成された多重カルデラ湖の十和田湖。大海原のような湖面と空に抱かれてカヌーをゆっくり進めれば、この景観を生んだ壮大な自然のドラマを感じられます。
コース1
JR新青森駅 →[ JRバス東北(約1時間)]→ 八甲田ロープウェー →[ JRバス東北(約10分)]→ 酸ヶ湯(すかゆ)温泉 →[ JRバス東北(約1時間)]→ 焼山(奥入瀬渓流) →[ JRバス東北(約45分)]→ 十和田湖畔休屋
コース2
JR盛岡駅 →[ 八幡平自然散策バス(約1時間20分)※1]→ 松川温泉 →[ 八幡平自然散策バス(約30分)※1]→ 八幡平山頂 →[ 十和田タクシー八郎太郎号※2(約1時間30分)]→ JR鹿角花輪(かづのはなわ)駅前
※1 季節運行 ※2 冬期運休、土日限定、前日までに要予約。八郎太郎号は鹿角花輪駅前より十和田湖畔休屋まで運行(所要約1時間)