[ 今月の授業 ]
国立公園満喫プロジェクト
日本の国立公園は、豊かな自然はもちろん、自然に育まれた「伝統文化」や「食」など、地元特有の「人々の暮らし」にふれることができる点が特徴です。環境省では、日本の国立公園の魅力をさらに向上し、訪日外国人利用者を増やすための取り組みを行っています。
基礎編
1時間目「国立公園満喫プロジェクト」って?
立公園満喫プロジェクト」は、日本の国立公園を“世界水準のナショナルパーク”としてブランド化するための取り組みです。まず全国8カ所の国立公園(右図)を先行モデルとして、各公園での取り組み方針を定めた「ステップアッププログラム2020」を策定。今後はこのプログラムに基づき、「自然の魅力を最大限引き出す」「公園区域内の大胆な利用の拡大」などの取り組みを、環境省、地元自治体や地元事業者、各省との連携により進める予定です。この取り組みを全国に展開することによって、2020年までに訪日外国人の利用者を546万人(2016年時点)から1,000万人に増やすことを目指します。
2時間目日本の国立公園は、どう変わっていくの?
近年、日本の国立公園は自然保護の観点から注目されてきました。保護に加えて、もう一つの役割である利用促進の観点から、今後は、日本が世界に誇る国立公園の「美しい景観」と国立公園に「滞在する魅力」を世界に向けて発信し、国内外からの利用者拡大を図ることで、人々の自然環境保全への理解を深めるとともに、地域の活性化につなげていきます。
楽しむ
伊勢志摩国立公園では、入り江と岬が点在する優美な景観を望む展望台に、民間事業者が経営する「天空カフェテラス」を整備し、リアス海岸が続く英虞湾(あごわん)の景観を楽しめるスポットにします。また、誘客促進のための現地視察ツアーである「ファムトリップ」を実施。日光国立公園を皮切りに、全国8公園において受け入れ体制や各種コンテンツの充実を目指し、海外に強いエージェントやメディアなどを招いて世界の人々が国立公園に期待するニーズを調査しています。
守る
慶良間諸島国立公園の沖縄県座間味村(ざまみそん)では、海・空路で入村する人を対象に、1回の入村につき1人100円の「美ら(ちゅら)島税」を課税。税収は、ウミガメの保護活動やオニヒトデ駆除、海岸の清掃・美化活動、観光施設の維持整備などに充てられます。また、大山隠岐国立公園では、地元飲食店舗「さんべバーガー」の協力で、売り上げの一部(バーガー1個につき1円)を寄付してもらい、三甁(さんべ)山の美しい草原景観を保全するための活動に役立てます。
PRする
環境省では、世界水準の「ナショナルパーク」としてのブランド化を図るため、国立公園の統一マークとブランドスローガン「その自然には、物語がある。」を作成しました。また、JR 東日本の新幹線車内誌『トランヴェール』で国立公園の特集記事を掲載(2017年6月号)、日本旅行のツアー商品「知るたびニッポン」で国立公園をテーマとした旅行商品を企画・販売するなど、オフィシャルパートナーとの連携によって国立公園の魅力をPRしています。