【オンライン開催】「「公共建築物のZEB化実現に関する意見交換会(2024年1月11日開催)」報告
公共建築物のZEB化を含む大幅な省エネルギー化を図ることを目的として、環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室主催による意見交換会が開催された。
- 日 時
- 2024年1月11日(木)13:00~15:00
- 場 所
- オンライン開催
- 参加者
- 自治体(20自治体)
- 開催主体
- 環境省 地球環境局 地球温暖化対策事業室
- 実施機関
- 三菱総合研究所 サステナビリティ本部
プログラム
(1) 挨拶、環境省のZEB支援策の説明(環境省) 13:05~13:20
- 環境省より本意見交換会の趣旨について説明があり、国の温暖化対策に関する基本的な背景やZEBに関係する施策・補助制度に関する説明が行われた。
(2) 公共建築物のZEB化検討ステップに応じた課題と解決策について(三菱総合研究所) 13:20~13:50
- 三菱総合研究所より、公共建築物のZEB化を検討する際の基本構想から運用までの各段階における課題と解決策について説明が行われた。
(3) 久米島町におけるZEB導入の経緯と課題への対応について(沖縄県久米島町) 13:50~14:30
- 沖縄県久米島町より、久米島博物館におけるZEB化事例と課題への対応について説明が行われた。
- 空調設備の耐用年数や照明設備のメーカー対応終了時期など、設備の更新の必要性があったところ、新しく省エネ空調設備を導入した施設の視察やZEBプランナーに相談しNearly ZEBを目指せることが判明したことがZEB化導入の決め手となった。施設の窓の意匠や屋根等が日差しを遮りやすい構造であったことや、屋根の赤瓦等の断熱性が高かったことからZEB化に適していた。
- スケジュールとしては、令和元年度にプロポーザルで事業者を決定、令和2年度に補助事業の申請から工事まで行った。プロポーザルについては前段階で調査により大まかな内容や費用等は決め、どのようなZEB化ができるかの検討も含めて事業者の公募を行った。
- ZEB化にあたっては、パッケージエアコン、高効率ルームエアコン、輻射式冷暖房システム、人感センサー付きLED照明器具、太陽光発電設備、BEMSを導入した。
- 基本構想の段階では、公共施設管理計画への位置付け、SDGs担当部署と情報共有を図る等、庁内調整を行った。
- 基本設計から施工段階については、プロポーザルで事業者が決まっていたため、基本設計や補助事業申請等も事業者が行っている。当初ZEB Readyで申請する予定だったが、補助要件が変更したためNealy ZEBの要件を満たす検討が必要となった。また、対象と見込んでいた照明設備が一部対象でないことが判明したため、財政部門との調整が必要となるなど、苦慮する点があった。
- 展示施設ならではの点としては、輻射式冷暖房システムの設置位置の検討や、工事期間と開館時期との調整が必要となった。展示室等の改修は博物館の定休日に行う等により、閉館期間を最小限に抑える工夫をしている。
- 運用段階では、メンテナンスについては、企画財政課で包括管理契約を行っている。また、モニタリングはBEMSにより担当課で行っており、担当者が移動した際でも対応可能なようにマニュアル作成している。施工業者との連絡体制構築については、公募する際にコンソーシアム方式を取っており、ZEBプランナーや地元業者を一社以上入れることを要件とすることで対応している。
(4) 質疑応答・ディスカッション 14:30~15:00
- 自治体からのプレゼン内容について、質疑応答・ディスカッションが行われた。
- 環境省の来年度予算による事業について、質疑応答が行われた。
参加いただいた地方公共団体
埼玉県/京都府
練馬区/羽生市/京都市/伊賀市/堺市/川口市/大分市/太田市/開成町/石川町
※事後アンケートで掲載可と回答いただいた自治体名のみ掲載