【オンライン開催】「「公共建築物のZEB化実現に関する意見交換会(2023年1月17日開催)」報告
公共建築物のZEB化を含む大幅な省エネルギー化を図ることを目的として、環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室主催による意見交換会が開催された。
- 日 時
- 2023年1月17日(火)13:00~16:00
- 場 所
- オンライン開催
- 参加者
- 自治体(33名)
- 開催主体
- 環境省 地球環境局 地球温暖化対策事業室
- 実施機関
- 三菱総合研究所 サステナビリティ本部
プログラム
(1) 挨拶、環境省のZEB支援策の説明(環境省) 13:05~13:20
- 環境省より本意見交換会の趣旨について説明があり、国の温暖化対策に関する基本的な背景やZEBに関係する施策・補助制度・導入状況に関する説明が行われた。
(2) ZEB化促進に向けたガイドラインの素案について(三菱総合研究所) 13:20~13:50
- 三菱総合研究所より、公共建築物のZEB 化の課題・ZEB化ガイドラインイメージの説明が行われた。
(3) 白石市におけるZEB導入の経緯と課題への対応について(宮城県白石市) 13:50~14:30
- 宮城県白石市より、文化体育活動センターにおけるZEB化事例と課題への対応について説明が行われた。
- ZEB化対象施設の選定にあたって、市内3施設におけるZEB化導入を検討した結果、施設の規模、補助金活用の可否、設備機器の状態等を考慮し、使用エネルギーにおける空調の割合が大きい文化体育活動センターを対象として検討を開始した。
- ZEB化にあたっては、高効率エアコン、ヒートポンプ式給湯器、LED照明、太陽光発電、リチウム蓄電池、トップランナー式変圧器、BEMSを導入した。
- 外皮性能はZEB要件を満たしていたため、改修は行っていない。
- 基本構想、基本計画、基本設計では、財政担当部署、環境政策部署、施設管理部署がそれぞれ課題をもって対応した。実施設計からは、施設管理部署が全体調整を行い、関係部署で役割分担を定めて進めた。
- 基本計画段階での市民や議会に対する説明にあたって、省エネの重要性に対する理解を得るために、地球温暖化対策実行計画等により丁寧な説明を行った。
- 施工段階では、施設を利用しながら改修を進めたため、調整にやや苦労した。
- 運用後は、定例会議に指定管理者の出席を求めて、運用主体の意見を事業に反映できるようにしている。また、熱源として利用していたボイラーが電気になったため、温度管理に注意を払っている。
- 今後は、新規の建物についてZEB導入の可否の検討を積極的に進めていきたい。
(4) 敦賀市におけるZEB導入の経緯と課題への対応について(福井県敦賀市) 14:40~15:30
- 福井県敦賀市より、新庁舎におけるZEB化事例と課題への対応についての説明が行われた。
- 旧庁舎における耐震性の不足や施設・設備の劣化、熊本自身における防災拠点機能の必要性が一段と高まっていたこと、市町村役場機能緊急保全事業債の創設があったため、平成29年6月に現所在地での建て替えを決定した。
- ZEB化にあたっては、高性能断熱材・窓、地中熱空調設備、全熱交換器、ヒートポンプ給湯器、LED照明、太陽光発電、自立型水素エネルギー供給システム、BEMSを導入した。
- 合築である消防庁舎と市庁舎のそれぞれでZEB Ready認証を取得した。
- 基本計画は市民の意見を建物に反映する重要なスキームがあるため、市民ワークショップと庁内ワーキンググループを設置して基本構想をブラッシュアップし、その結果を踏まえて策定委員会で詳細検討をすることを繰り返して基本計画を策定した。
- 市民の意見を事業に反映させることと、国の動き(ZEB、省エネ、脱炭素)を紐づけることが重要であるため、市民に対してZEBに関する説明をする機会が多かった。
- 運用開始から1年経過した評価として、特に冬期間の職場環境を維持しながらZEBを維持することは難しい印象である。徐々に改善されてきているが、今後もモニタリングしながら調整していく。
(5) 質疑応答・ディスカッション 15:30~16:00
- 2自治体からのプレゼン内容について、質疑応答・ディスカッションが行われた。
- ガイドラインイメージについて、質疑応答が行われた。
参加いただいた地方公共団体
京都市、熊本市、浜松市、開成町、堺市、山形県、大津市、大垣市、杉戸町、相模原市、吉川市、足利市、大阪府、小豆島町、宮古市、熊谷市、宮城県、香川県
※事後アンケートで掲載可と回答いただいた自治体名のみ掲載