建物概要
改修
設備の省エネ化に加え、個別空調化やLED照明は貸室の魅力アップとなり、バブル期以来90%程度で推移していた入居率は100%となった。加えて、新規契約の賃力を10%アップさせることができた。
ZEB化を検討した経緯・きっかけ
ターボ冷凍機の更新を検討していたが、以下の理由から決めかねていた。
- ターボ冷凍機を更新する場合、工事範囲が広がること
- ボイラーも早晩更新しなければならなかったこと
- ターボ冷凍機の更新で活用できる適当な補助金が無かったこと
そんな時に、設備業者から現在の熱源のうち、ペリメータゾーンの床置きのビルマルチエアコンを残し、他の熱源設備は廃棄して、高性能EHPを設備することでZEBの補助金を獲得出来るのでは?と提案があった。そこで、具体的にZEB化への検討を開始した。
導入した省エネ・再エネ技術
高効率空調


LED照明システム


CO2センサー付き換気システム



BEMS装置

ZEB化の実績
省エネルギー
性能
年間一次エネルギー消費量
改修前:22,633GJ事業計画値:14,392GJ(8,241GJ減)
実績値:13,318GJ(9,315GJ減 / 2015年)
総工費
実質負担金:1億6,700万円
※5,300万円分は補助金を活用
年間CO2削減量
※2015年度実績
【内訳】
電気:349t-CO2/年
A重油:166t-CO2/年
年間光熱費
削減量
※実施前:3,053万円/年
【内訳】
電気:1,450万円/年
A重油:260万円/年
※油炊きボイラーによる暖房を廃止したため重油使用量はゼロになった
ZEB化実現までのスケジュール

ZEB化検討(2014年3月~4月)
設計図の作成と施設のエネルギー使用量を調査

補助金申請(2014年4月~5月)
補助事業執行団体に補助金申請

施工業者の選定(2014年8月~9月)
3者見積り合わせにて施工業者を決定

工事実施(2014年10月~2015年1月)
EHP設備、LED照明、換気設備、BEMS設備の工事を実施

補助事業の報告(2015年1月~2月)
補助事業者の現地調査の対応や、補助事業者に提出するための報告書を作成。
本事業は、無事補助元に受理され、3月末に補助金の入金あり。
その他
本事業に携わったZEBプランナーより
今後ZEB化をする方へアドバイス
既存建物のZEB化を検討している方は、建物のエネルギー使用量を把握することがポイントです。エネルギー使用量を把握することで、その建物がZEB化改修可能かを検討するのに役立ちます。建物のエネルギー使用量調査する方法としては、省エネ診断などがございます。
本事業の成功ポイント
- ①関係者4人を中心とする全員の息の合ったチームワーク
- ②長年にわたるビルのエネルギー管理データーの蓄積
- ③テナントビルの省エネのやりにくさを踏み超えて、テナント全体へのリーダーシップときめの細かい説明・了解の根気力
- ④単年度補助金に起因する短い工事期間で完成させた工事管理力
これらが、大都会の中心に位置します大規模テナントビルのZEBの成功の秘訣と考えます。


本事業関連企業のご紹介
ZEB設計:株式会社中津EC研究所

2019年度ZEB省エネ大賞受賞メンバー『省エネ効果がもたらしたテナントビルの魅力アップ (昭和ビルZEB化実証事業)』左より、
- 丹羽英斗(朝日機器エンジニアリング)
- 藤本浩哉(昭和ビル)
- 瀧野勝彦(友和建物管理)
- 中津啓(中津EC研究所:ZEBプランナー)
工事:株式会社朝日機器エンジニアリング

10,000社以上の取引実績を誇り、常に高品質なサービスを迅速かつ低コストにて提供快適に過ごせる環境づくりをお手伝い致します。
確かな技術力と付加価値の高い提案力、全国ネットワークを生かしたサービス力、そして、常にハイレベルな空調のスペシャリストを育成し続ける企業です。