建物概要
新築
ZEB関連技術の開発を加速させるため、実証棟「SUSTIE」を建設。本施設は、省エネルギー設備に加え、様々な自然エネルギー活用技術も導入した。さらに、ビル・シミュレーション技術を活用し、省エネ性と快適性を両立したZEB運用を目指している。

- ZEBの分類
- 『ZEB』
- 都道府県(地域区分):神奈川県(6)
- 新築/既築:新築
- 竣工年:2020年
- 延床面積:6,456㎡
- 階数(地上/地下):地上4階
- 主な構造:鉄骨造
- 建物用途:事務所等
- 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):62% / 106%
ZEB化を検討した経緯・きっかけ
空調・換気・給湯・照明・昇降機・BEMS等をワンストップで提供可能な電機メーカーとして、ZEB関連の省エネ技術の開発と実証実験を現実的、かつ実践的な環境で行うために本実証棟を建設した。運用段階でも『ZEB』を達成すべく、開発中のビル・シミュレーション技術を用いて設備運転の事前評価を行い、エネルギー消費量予測と温熱快適性の変化を予測しながらビルを運用する。また、自然換気による環境調整など、様々な省エネ技術の実証と効果の検証を進めていく。
導入した省エネ・再エネ技術

ZEB化の実績
省エネルギー
性能

総工費
※実証実験関連投資の約16億円を含む
※補助金は活用していない
年間CO2削減量
年間光熱費
削減量
ZEB化実現までのスケジュール

計画策定(2017年8月~2018年2月)
建築の選定と条例確認、建物設計に関する与件の検討等、社内調整を実施

基本設計(2018年3月~7月)
建物が備えるべき機能や設備、デザイン等を具体的に検討

詳細設計(2018年8月~2019年2月)
基本設計の内容をもとに詳細設計を実施

ZEB認証取得(2019年7月)
ZEB認証を取得した

工事(2019年6月~2020年10月)
建設工事及び別途工事を実施。2020年10月に竣工した
その他
本事業に携わったZEBプランナーより
今後ZEB化をする方へアドバイス
省エネには”我慢”が必要。そんな風に考えていませんか?
ZEB化した建物は、「快適」なのに「省エネ」。さらにBCP対策や、ビル・企業の価値向上等も同時に実現可能です。
ゼロエネルギーのその先へ
当社(三菱電機株式会社)(※1)は、ZEBプランナーとしてZEB実現を目指す事業者様へのプランニングや業務支援を行うことで、ZEBの普及に貢献しています。今回ご紹介した「ZEB関連技術実証棟」は、6,000㎡以上の中規模オフィスビルにおいて、設計段階での『ZEB』(基準一次消費エネルギー比106%減)を日本で初めて達成(※2) した他、CASBEEウェルネスオフィスSランクも取得し、徹底的な省エネ環境の実現と快適で働きやすい環境の維持を高い次元で両立しています。また、稼働開始後はWELL認証の取得も目指しています。
今後は、当社が掲げるコンセプト「ZEB+R(ゼブプラス)」(※3)のもと、本実証棟内で行う様々な実証を通じてZEB関連技術の開発を加速し、順次事業に適用していくことで、更なる省エネと快適な居住空間の実現を目指します。

- 本事例紹介は、三菱電機株式会社様に取材協力していただきました。
- 2019年8月7日時点(当社調べ)
- ZEBに加え、生産性や快適性、利便性、事業継続性などの価値をビルのライフサイクルにわたって維持するサービスも含めてビルを高度化するというコンセプト
本事業関連企業のご紹介
ZEB設計:株式会社三菱地所設計

三菱地所設計は、総合設計事務所として培ってきたノウハウを活かし、ZEBの実現とともに「健康経営の促進に寄与し健康的な環境を実現する建築=歓共健築」を提唱します。 そして、地球環境への配慮と快適性、健康増進、生産性の向上を両立させた付加価値の高い提案を行います。
工事:株式会社竹中工務店

この度は4階建てかつ6000㎡を超える国内最大規模のnet ZEB施設である「SUSTIE」の工事を担当させていただき、貴重な経験を得ることができました。 当社では改修によるZEB化モデルの構築や、オフィス、学校、物流施設等様々な建種での実績があり、ZEBプロジェクトの普及に取り組んでいます。