ビルは“ゼロ・エネルギー”の時代へ

事例紹介

ここから本文です。

建物概要

新築
事例3
松野町新庁舎及び防災拠点施設愛媛県北宇和郡松野町

松野町産の杉材を活用した木構造(集成材ラーメン架構+CLT耐力壁)やヒノキ材を活用した内装木質化を図り、「森の国 まつの」を象徴する施設づくりを行った。また、「Nearly ZEB」及び「BELS☆☆☆☆☆」の認証取得により一次エネルギー消費量削減率81%(BEI値0.19)を達成し、庁舎トップクラスの環境性能を実現した。

松野町新庁舎及び防災拠点施設の写真
ZEBの分類
Nearly ZEB
  • 都道府県(地域区分):愛媛県(6)
  • 新築/既築:新築
  • 竣工年:2021年(実施中)
  • 延床面積:2,556㎡
  • 階数(地上/地下):地上2階
  • 主な構造:RC造、木造
  • 建物用途:事務所等
  • 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):55% / 81%

ZEB化を検討した経緯・きっかけ

  • 新庁舎基本計画の基本方針「新庁舎のZEB化」や「地域産木材を活用した環境共生に取り組む庁舎」実現のため
  • 各種災害時における電力確保と、電力消費量の抑制による業務・避難所運営等の継続が図れる「災害に強い庁舎」実現のため

導入した省エネ・再エネ技術

1次エネルギー使用量を81%削減し、低炭素庁舎を実現!

  • 高効率空調機器+高性能室外機
  • 全熱交換器
  • クール(ヒート)ピット
  • LED照明
  • Low-e複層ガラス
  • 床吹き出し空調設備
  • 太陽光発電(80kW)+蓄電池 など

導入設備の画像

ZEB化の実績

省エネルギー
性能

年間1次エネルギー消費量の画像

総工費

総工費:15億3,300万円
(外構・既存建物撤去を除く新庁舎及び防災拠点施設の工事費11億2,300万円)
実質負担額:10億2,100万円
1億2,300万円分は補助金を活用
3億8,900万円分は起債制度を活用(地方交付税措置額)

年間CO2削減量

148t-CO2/年(計算値)
※基準1次エネルギー使用量と設計1次エネルギー使用量をもとに計算した。

年間光熱費
削減量

1,000万円/年(計算値)

ZEB化実現までのスケジュール

ステップ1

ZEB化を検討(2019年4月~8月)

基本設計でZEB達成に向けての詳細な技術検討を実施

 

ステップ2

詳細設計(2019年9月~2020年3月)

基本設計の内容をもとに詳細設計を実施

 

ステップ3

ZEB認証取得(2020年6月)

省エネ適合判定にて、ZEB基準をクリアしていることを確認。その後、BELS評価書にてNearly ZEBを取得。

 

ステップ4

ZEB補助金申請(2020年5月~2020年7月)

補助金執行団体へ補助金申請。8月に補助金が交付決定された。

 

ステップ5

施工業者の選定(2020年8月)

一般競争入札にて施工業者を決定した。

 

ステップ6

工事(2020年9月~現在)

工事を開始し、現在も工事中である。2022年2月に完成予定

 

その他

本事業に携わったZEBプランナーより

今後ZEB化をする方へアドバイス

建物のZEB化には補助事業活用を含めた事業工程・事業費の検証、費用対効果に優れた環境配慮手法の導入がポイントとなります。

そのため、環境配慮設計に多くの実績を持つZEBプランナーに相談することをお勧めします。また、そのZEBプランナーが、建設コスト管理や補助事業活用のノウハウを持っているかもポイントです。

設計のこだわりポイント

地域住民に長く愛される施設を目指して!

愛媛県松野町は、四万十川支流の広見川など、豊かな自然に囲まれた地域です。今回の庁舎建て替えでは、「地域住民に愛され、親しまれる施設」を目指しました。

庁舎の中央吹抜け空間に協働のまちづくりを象徴した誰もが気軽に利用できる交流スペースを配置、ユニバーサルレイアウトや文書管理システムへの対応、床吹き出し空調の採用など、利便性・機能性・快適性を追求した施設計画となっています。

さらに、木造集成材柱・梁及び耐震壁となるCLT材に松野町有林の杉(樹齢約50年)を100%活用し、地産地消による地域林業の活性化や持続可能な社会に貢献しています。

内装イメージの画像
内装イメージの画像
松野町有林の写真
木材集積置き場の写真

本事業関連企業のご紹介

設計:株式会社大建設計

株式会社大建設計の写真

弊社は、環境技術に特化した部門を設け、お客様の省エネルギーの実現やCO2 などの温室効果ガス削減の達成に寄与すると共に、地球規模における気候変動抑制に貢献することを会社としての使命としております。省エネ化事業の設計経験を生かし、多くのZEB事業に参画を目指すため、建築物のZEB化を積極的に展開していきます。

このページで使われている用語

ページ先頭へ