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ビルは“ゼロ・エネルギー”の時代へ

ZEBとは?

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7. 新築じゃなくてもZEBにできるの?

既存の建物では、既にそこで働く人々や建物を利用している人々がいるため長期の改修工事が困難、既設の設備システムを大きく変えることが困難といった、新築時にはない課題が存在します。そのため、ZEBを実現するためのプランニングにおいて一定の制約があることは事実です。
しかし、既存建築物の仕様等を踏まえ、ZEBを実現するためのプランニングを工夫することで、ZEB化を実現した事例も存在します。(具体的な改修によるZEB化の事例はこちら

既存建築物を改修によってZEB化する際のポイントは以下の3点が挙げられます。

  1. ①改修ZEBの実現はそんなに難しくない!?
  2. ②ZEBに改修することでどんなメリットがあるの?
  3. ③ZEB化改修を考えたいけどまず何から始めたらいいの?

また、特にテナントビルにおいては、オーナーとテナントが協働して省エネに取り組むグリーンリース※のような仕組みもあり、実際にオーナー・テナント間でグリーンリース契約を結んで省エネを実現している事例も存在します。
※国土交通省によるグリーンリースの定義:ビルオーナーとテナントが協働し、不動産の省エネなどの環境負荷の低減や執務環境の改善について契約や覚書等によって自主的に取り決め、その取り決め内容を実践することをいいます。この取組により、ビルオーナー・テナント双方が光熱費削減等の恩恵を受け、Win-Winの関係を実現します。(詳細はこちら

①改修ZEBの実現はそんなに難しくない!?

上述のとおり、既存建築物を改修する際には、工事の物理的な制約や、建物利用者との関係によるスケジュール上の制約など、新築時と比べて様々な制約が存在します。一方で、そのような制約のある既存建築物のZEB化事例としては、先進技術を豊富に採用し大きなコストを投じて改修した事例ばかりではありません。むしろ、既存の汎用的な技術を組み合わせることで、ZEB Readyの水準までエネルギー性能を高めているケースも多く存在しています。

これらの汎用的な技術は、建物を維持管理していくうえで必要な通常の修繕や設備更新時に採用される技術に対して、少しの手間やアイデアを加えることで導入が可能なものが多く、大幅なコストアップを招くものではありません。逆に採用する技術によっては、ZEB化を目指すことでコストダウンを実現可能となる可能性もあります。

まずは、「改修によるZEB化は技術的にハードルが高く大幅なコストアップが発生する」といった先入観を捨てて、「改修ZEBの実現はそんなに難しくない!」という考え方で最初の一歩を踏み出してみてください。

具体的な改修ZEBでの採用技術に関する解説はこちら
改修によるZEB化の事例はこちら

この図は、先進技術を活用したZEBと汎用技術を組み合わせたZEBを説明したものです。

②ZEBに改修することでどんなメリットがあるの?

既存建築物に対して、多少なりともコストアップの可能性があるZEB化改修を進めることでどんな効果があるのでしょうか。もちろん、国全体で見ればCO2の削減効果がカーボンニュートラル実現に向けた目標の一助となるといった効果が期待できます。

一方で、個々の建物オーナーや建物の利用者にとっての具体的なメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • 外皮性能の向上、高効率設備の導入、最適な設備容量への更新などによりZEBへ改修することで、運用時におけるエネルギーコストの削減、将来的なさらなる改修コストの削減が可能
  • 室内環境の改善により、快適性や知的生産性といったウェルネスを向上させることにもつながる
  • テナントビルの場合には、このような建物への改修が賃料にプラスの影響をもたらす可能性がある

環境省では、「リーディングテナント行動方針」を策定し、①エネルギー性能が高い、②再生可能エネルギーの活用が可能、③快適性・知的生産性・快適性が高い建物に対するテナントのニーズを取りまとめて発信する施策を行っています。このようなテナントニーズに応えるものとして、 ZEBへの改修はこれからの既存テナントビルにとって、対応が求められる取り組みであると同時に、テナント誘致やビルの収益改善に向けた武器としてとらえることもできます。

「リーディングテナント行動方針」についての詳細はこちら
ZEB化改修のメリットに関する詳細はこちら

この図は、改修によるZEB化のメリットを説明したものです。

③ZEB化改修を考えたいけどまず何から始めたらいいの?

既存建築物を改修してZEB化しようと考える際に、まず何から始めたら良いのでしょうか。汎用技術の組み合わせで実現可能といっても、すぐに仕様を決めて設計を委託し、設備更新を進められるというオーナーはほとんどいないと考えられます。

ZEB化改修を進めるための主なステップは以下のとおりです。

  1. ①保有建物に関する現状把握(図面、設備の計装図等の確認)
  2. ②現状資料を基に専門家(ZEBプランナー)に相談
  3. ③ZEB化までの計画を作成
  4. ④改修工事
  5. ⑤改修後建物の適切な運用

まずは自らの建物の現状を知るために、竣工時やこれまでに行った改修の際に作成された図面等を集める必要があります。その上で、これらの資料を基に専門家に相談することになります。専門家との協議では、ZEBに向けて目指す水準、改修のスケジュール、費用について検討を進めます。その後、改修工事を経てZEBとして生まれ変わった建物を運用していくことになります。なお、実際に計画通りエネルギー消費量を削減するためには、工事して終わりではなく適切に運用していくことも重要な視点です。

相談先となるZEBの計画や工事に対する実績を持った専門家として、『ZEBプランナー』が国の制度において登録・公表されています。この中から、地域や建物用途など、自らの属性に合った専門家を探して相談することが可能です。

また、このようなステップの中で、改修によってZEBを実現するという当初のモチベーションを維持するためには、計画を立てた段階で外部からの認証を取得することも効果的です。

具体的な認証制度の例はこちら
ZEBプランナーに関する情報はこちら

この図は、改修によるZEB化実現の流れを説明したものです。
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