地球環境・国際環境協力
フルオロカーボン・イニシアティブ
2019年12月、スペイン・マドリードで開催されたCOP25の場において、環境省はフルオロカーボン(フロン)のライフサイクルマネジメントに関するイニシアティブ(IFL)を設立しました。
IFLは、フルオロカーボンのライフサイクルでの管理の重要性を国際的に訴求するとともに、途上国においてフルオロカーボン管理に係るキャパシティ・ビルディングや制度構築支援等を実施しています。
- フルオロカーボン・イニシアティブの概要 [PDF 1031 KB]
- Concept Paper (PDF)
- コンセプトペーパー (仮訳) [PDF 471 KB]
- フルオロカーボン管理に関するインフォグラフィック(英語のみ)[PDF 844 KB]
- IFLの取組に関するYouTubeチャンネル
- IFLの取組に関するコンセプトビデオ(英語のみ)
- フロンのライフサイクルマネジメントに係るリソースブック(英語のみ)
- 2021 年間活動計画(仮訳) [PDF 594KB]
取組内容
1. 目的
- 気候変動に対処する包括的な取り組みの必要性が切迫する中、クーリング・セクター(冷凍空調部門)での冷媒としてのフルオロカーボンの需要は増加している。このため、使用時の漏えいや廃棄時の大気放出などを含め、ライフサイクル全体を通してフルオロカーボンの排出抑制に取り組むことが重要である。
- フルオロカーボンのライフサイクルマネジメントを促進することで、適正な政策や技術の導入、関連するインフラの整備を通じて、排出量は顕著に削減され、気候変動の緩和やオゾン層破壊への対策につなげることができる。さらに、資源効率性の向上、イノベーションの活性化、持続可能な経済成長と良質な雇用の創出にもつながる。
- 本イニシアティブでは、具体的な取り組みやイノベーションを促進し、政府、民間部門、国際機関とともに、各主体の相互利益のための協働活動を進める。また、フルオロカーボンのライフサイクル管理の強化を支援し、既存の活動や枠組みとも連携する。
2. 活動の範囲
- 認識の共有、活動の実施を通じて、フルオロカーボンのライフサイクルマネジメントのアプローチの主流化を図る
- これまで取り組まれていない中・下流域での活動に焦点を合わせることにより、フルオロカーボンのライフサイクル全体の取組みを促進する
-
既存の活動や枠組み(CCACの下で活動するEfficient Cooling Initiativeやthe Cool Coalitionなど上流対策に関連するものを含む)と協働する
3. 参加主体の例
政府機関、民間部門、国際機関、金融機関、その他
4. 協同活動の例
(1) フルオロカーボン排出抑制計画の策定や実施への協力
(2) インベントリー(排出目録)の作成の促進
(3) キャパシティー・ビルディング(能力向上)の活動
(4) ESG投資を通じた資金フローの増加
(5) 優良事例(グッド・プラクティス)の共有
(6) 民間部門とのパートナーシップの強化とイノベーションの加速
(7) 実施可能性調査(FS)やモデル・プロジェクトの促進
5. イニシアティブ賛同数(2022年11月30日現在)
国・国際機関:15
カンボジア、チリ、フランス、日本、モルディブ、モンゴル、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、イギリス、ベトナム、世界銀行、アジア開発銀行、CCAC(Climate & Clean Air Coalition)、国際連合工業開発機関(UNIDO) ※アルファベット順
国内企業・団体:16
アサダ株式会社、株式会社イチネンTASCO、株式会社エムゼット、ダイキン工業株式会社、太洋商事株式会社、株式会社ナンバ、パナソニック株式会社、株式会社前川製作所、丸紅株式会社、三井・ケマーズ フロロプロダクツ株式会社、株式会社ローソン、日本フルオロカーボン協会、公益社団法人日本冷凍空調学会、一般社団法人日本冷凍空調工業会、一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会、一般社団法人フロン等温室効果ガスグローバル削減推進協議会 ※五十音順
活動実績
2020年度
- モントリオール議定書公開作業部会(OEWG)サイドイベント(2020年7月14日、CCAC等との共催)
"Efficient Cooling During and After the Global Pandemic" - フルオロカーボン・イニシアティブ国内関係者会合(第1回)(2020年9月18日、web開催)
- CCAC Science Policy Dialogue 共催 (2020年9月28日、CCACとの共催)
"Catalyzing 2030 Mitigation Ambition - HFCs"
- モントリオール議定書第32回締約国会議(MOP32)サイドイベント (2020年11月27日、CCACとの共催)
「フルオロカーボン・ライフサイクルマネジメントの推進~IFLの取組の前進に向けて」
2021年度
- モントリオール議定書第43回公開作業部会(OEWG43)サイドイベント (2021年7月15日、CCACとの共催)
「HFCバンク対策 - HFC排出削減加速の必要性 -」
- CCACでのIFL特集記事掲載(2021年11月6日、CCACのホームページ)
「As Demand for Cooling Heats Up, the Initiative on Fluorocarbons Life Cycle Management Aims to Prevent Catastrophic Warming」
- 詳細はこちら(環境省サイト外へのリンク)
- 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)サイドイベント(2021年11月10日、 CCAC、IGSD、Alliance for Responsible Atmospheric Policy、OECCとの共催)
「温暖化が進む地球のための持続可能で効率的な冷凍空調:課題と可能性、そしてソリューション」
2022年度
- フロンのライフサイクルマネジメントに係るリソースブック発行 “Resource Book for Life Cycle Management of Fluorocarbons: Good practice portfolio for policymakers”(2022年6月、CCACとの協働、英語のみ)
- 国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)サイドイベント(2022年11月10日、OECCとの共催)
「「日米豪印 気候変動適応・緩和パッケージ(Q-CHAMP)」に基づくHFCsのライフサイクルマネジメントに関するワークショップ」
関連資料・報道発表等
- Japan launches Fluorocarbons Initiative, contributing to global effort to solve the climate crisis(CCAC)
- フルオロカーボン・イニシアティブの設立について(2020年2月10日報道発表)
問い合わせ先
環境省
地球環境局 地球温暖化対策課 フロン対策室
地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室