地球温暖化対策地域協議会について

1.地球温暖化対策地域協議会の目的

民生部門からの温室効果ガス排出量の削減が喫緊の課題となっている中、日常生活において住民自らが効果的な取組を進めていくためには、地方公共団体が中心となり、住民や中小事業者の地球温暖化問題に対する意識や知識の高揚を図るとともに、効果的な対策についての情報提供等を行い、更にその取組の支援をしていく体制の整備が必要です。

このため、地方公共団体、都道府県センター、事業者、住民等が連携して対策を協議し、協力して地球温暖化対策に取り組む組織として、地球温暖化対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を組織できることとしました。この地域協議会においては、各地域の事情に応じた効果的な取組や参加メンバーの役割等について協議し、地域密着型の対策を講ずることにより、日常生活における温室効果ガスの削減を図ることを目的としています。

2.地域協議会の設立について

(根拠条文)

○地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)

(地球温暖化対策地域協議会)

第40条

  • 地方公共団体、都道府県センター、地球温暖化防止活動推進員、事業者、住民その他の地球温暖化対策の推進を図るための活動を行う者は、日常生活に関する温室効果ガスの排出の抑制等に関し必要となるべき措置について協議するため、地球温暖化対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)を組織することができる。
  • 2 前項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、地域協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
  • 3 前二項に定めるもののほか、地域協議会の運営に関し必要な事項は、地域協議会が定める。

(1) 構成員

:「地方公共団体、都道府県センター、地球温暖化防止活動推進員、事業者、住民その他の地球温暖化対策の推進を図るための活動を行う者」(第1項)

地域協議会は、日常生活における地球温暖化対策に関わる者によって構成するものとします。例としては、行政主体としての地方公共団体、地域で普及啓発活動等を行う者としての都道府県センター及び地球温暖化防止活動推進員、対策の実施主体としての事業者及び住民を中心とし、その他に、地域の事情に応じて、地球温暖化対策活動を行うNPO等の参加が考えられます。

なお、構成員の内訳や人数についての要件は法律上明記していませんが、制度の趣旨に鑑みれば、一業種(例:事業者のみ)や少人数での設立は地域協議会としては適当ではなく、また、日常生活での対策が中心であることから、住民(団体を含む。)が参加していることが望まれます。

地域の実情に応じて、下記の例示のような構成員で組織することが想定されます(例:[1]+[2]+[5]、[3]+[4]+[5]、[5]+[6] 等)。

(想定される構成員の例)

[1]地方公共団体...例:市町村、都道府県
※地方公共団体については、地域密着型のきめ細かな対策を講じるためには市町村レベルでの組織が理想的ですが、地域の事情に応じて都道府県レベルで組織することも考えられます。
[2]都道府県地球温暖化防止活動推進センター
※地球温暖化対策推進法第38条
[3]地球温暖化防止活動推進員
※地球温暖化対策推進法第37条
[4]事業者
例:対策機器メーカー、地元スーパー、商店街、商工会議所等
[5]住民
例:住民、自治会、PTA、消費者団体等
[6]その他
例:NPO等

また、地域協議会は法人格を取得する必要はありません。ただし、補助制度を活用する場合には、当該補助制度の要件によっては、地域協議会の構成員に法人格を有する者が必要となる場合があります。

(2) 活動内容

:「日常生活に関する温室効果ガスの排出の抑制等に関し必要となるべき措置について協議するため」(第1項)

地域協議会は、日常生活に関する温室効果ガスの削減を目的として設立される必要があります。ただし、この趣旨は、活動の場を一般家庭に限定するということではなく、例えば、省エネ機器の製造・普及など、事業者等の対策や住民への普及啓発など行政の対策も含めて、日常生活全般に係る分野が幅広く対象となります。

地域協議会における活動内容は、各地域協議会において決定することとなりますが、例としては、以下のものが考えられます。

  • 住民の取組を推進するため必要な支援策の検討
  • 一般家庭、商店街等における温室効果ガスの削減効果のある機器等の普及
  • 一般家庭、商店街等に導入しやすい対策の情報交換
  • 温暖化対策診断やエコドライブ診断の実施
  • リサイクル運動等地域ぐるみの取組の企画・推進
  • 都道府県センター、地球温暖化防止活動推進員に求められる日常生活に関する活動の検討
  • 共同ポスターの作成
  • 住民への普及啓発のためのシンポジウム、セミナーの開催

※具体的な活動事例については、別添1[PDF 103KB]参照。

(3) 尊重規定

:「前項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、地域協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。」(第2項)

地域協議会の構成員は、地域協議会の会議において決定されたた事項について尊重する義務があります。例えば、事業者、住民等、各主体が地域協議会の決定に基づき自主的取組を行うことや、構成員である地方公共団体が協議会の決定事項を施策に反映することが考えられます。

(4) その他

:「地域協議会の運営に関し必要な事項」(第3項)

地域協議会の運営に関し必要な事項としては、次の事項が想定されます。地域協議会の円滑な運営のためには、目的、活動内容等を定めた規約を策定することが望まれます。

  • 会の名称
  • 目的
  • 活動内容
  • 組織...役員、役員の選出方法、役員の職務、任期
  • 議決方法
  • 経費
  • 事務局  等

3.地球温暖化対策地域協議会登録簿(別添2) [PDF 142KB]

地域協議会の活動を支援するため、環境省に地域協議会の登録簿を設置し、全国の地域協議会の設立状況や活動内容等の情報をインターネットを通じて一般に公表することにより、地域協議会同士の情報交換や住民等への情報提供を推進してます。なお、登録簿への登録は、地域協議会設立要件ではありません。