1. 事業概要

事業概要

地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
(CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業)とは

我が国において早期に脱炭素社会を実現するためには、あらゆる分野でさらなるCO2削減が可能なイノベーションを創出し、社会実装することが必要不可欠です。一方、CO2排出削減に貢献する技術開発は、開発リスクが大きく、収益性が不確実で、産業界が自ら対策強化を行うインセンティブが小さい等の理由により、民間の自主的な技術開発に委ねるだけでは、必要なCO2排出削減に貢献する技術の開発が必ずしも十分に進まない状況にあります。このため、国の政策上必要な、CO2排出量を大幅に削減する技術の開発・実証を、国が主導して推進していくことが必要不可欠です。特に、第5次環境基本計画における地域循環共生圏の概念の下、急速に拡大しているゼロカーボンシティ宣言都市等における先導的な取組を支援し、各地域の特性を活かして、脱炭素かつ持続可能で強靱な活力ある地域社会を構築することが極めて重要です。このような背景の下、本事業は規制等将来的な地球温暖化対策の強化につながるCO2排出削減効果の高い技術の開発・実証を強力に進め、CO2排出量の大幅な削減を実現すること、及び、地域の活性化と脱炭素社会の同時達成を後押しし、脱炭素ドミノを誘引することで、第5次環境基本計画で掲げる「地域循環共生圏」の構築と「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」で掲げる早期の脱炭素社会の実現に貢献することを目的としています。

1. 地域共創・セクター横断型テーマ設定枠

地域のニーズや課題解決に繋げるとともに、社会の脱炭素化を目指すためには、実際に利用するユーザ等の関与も含めたオープンイノベーションの視点が必要です。そのため、国の政策を踏まえつつ、地域社会におけるニーズ及び各省庁における取組について、相互に連動した課題をテーマとして設定し、様々なステークホルダがイノベーションのパートナーとして参画する地域共創・セクター横断型の取組を実施します。

「気候変動×建築」

2030年度CO2排出削減目標や2050年カーボンニュートラルの達成に向けて目指すべき住宅・建築物の姿の実現のためには、建材一体型太陽光発電システムの実用化や性能向上等、更なる再エネ導入の拡大や、ストックの省エネ改修技術の開発、ヒートポンプ給湯器等の高性能化/低コスト化/寒冷地対応を通じたゼロエミッション化の促進等、高効率な省エネ機器の開発などエネルギー消費量の削減が必要になります。また、住宅・建築物の快適性や生産性を確保しつつ、効率的なエネルギー管理を促進することや、グリッドと協調することで電力消費を効率化し、調整力を提供することにより地域の再エネ導入拡大に寄与するビル等の開発が重要となっています。このような背景を踏まえ、「気候変動×建築」に資する技術の開発・実証を重点的に支援します。

「気候変動×農業」

化石燃料を使用しない施設園芸への完全移行を目指し、断熱技術や環境制御の高度化といったエネルギー消費量の削減、熱供給機器のゼロエミッション化、農業の健全な発展に資する形での再エネ発電機器の開発や、それら技術の導入拡大等、「気候変動×農業」に資する技術の開発・実証を重点的に支援します。

「気候変動×地域交通」

製品寿命が長い鉄道や航空機、船舶等の輸送手段においては、早期に省エネ化やゼロエミッション化を行わなければ、2030年度や2050年におけるCO2排出削減目標の達成は困難となります。例として地域住民の移動等においても不可欠な交通手段である離島等における内航旅客船については、ゼロエミッション船舶の導入、また導入後の運用・インフラ整備における課題が多く存在しており、技術開発及び実証を積み上げることが重要となります。このような背景から、「気候変動×地域交通」に資する技術の開発・実証を重点的に支援します。

2. ボトムアップ型分野別技術開発・実証枠

「地域循環共生圏」の構築及び「脱炭素社会の実現」に向け、将来的な地球温暖化対策の強化につながり、各分野におけるCO2削減効果が相対的に大きいものの、開発リスク等の問題から、民間の自主的な取組だけでは十分に進まない技術開発・実証を対象とします。

3. アワード型イノベーション発掘・社会実装加速化枠

我が国の大幅なCO2削減に資する技術のイノベーションと開発した技術の用途拡大や実用化率を向上させ、大幅なCO2削減に資する技術の社会普及につなげるため、これまで事業者が実施してきた開発・実証等の実績を踏まえ、環境省が目指す新たな脱炭素社会像に対する貢献度や製品化・市場創出への期待度の高いイノベーションアイデアを有する者を審査・選定します。
高い実績を持ち、製品化・市場創出への期待度の高い対象者を積極的に本事業に採択する仕組みを設けることにより、高い確度で早期の実用化が一層図れるようにすることを目的としています。
令和4年度は、令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰(イノベーション発掘・社会実装加速化枠)において表彰された団体を対象として、表彰された脱炭素社会像に対する貢献度や製品化・市場創出への期待度の高いイノベーションアイデアを、社会実装に向けてより開発・実証計画を具体化させた提案を募集します。

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