地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(環境省R&D事業)の採択においては、「新規性」「CO2削減の取扱」「事業化の見込み」を重要な評価軸とし、以下のポイントについて審査します。
1.技術課題の妥当性
技術開発に関する問題点や課題が正確に把握されており、それらの解決策を具体的に提案することが求められます。
さらに、これまでのデータや成果が十分に蓄積されているかを確認し、それらを踏まえた上で、開発計画を具体的かつ合理的に立案することが重要です。
2.技術的意義
提案される技術開発課題に対して、新規性(先導性)、実用性、発展性といった開発要素が十分に備わっているかを検討します。
また、既存技術や現在開発中の競合技術と比較した際に、技術的革新性や優位性が確保されているか、また経済的優位性を有しているかを重視します。
3.政策的意義
提案される技術開発が、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」における早期の脱炭素社会の実現及び第六次環境基本計画に掲げる「循環共生型社会」の構築に有効であるかを評価します。
4.目標設定・達成可能性
技術開発の成果として目指す性能目標は、機器やシステムの性能、コスト、CO2削減効果等の観点から、具体的・定量的に設定されていることが重要です。
これらの目標が適切であり、十分な効果が期待できるかを検討し、実現可能な計画であるかを確認することが求められます。
5.実施体制・実施計画
技術開発・実証を取り組むに当たって、必要とされる経営基盤や技術開発力等の技術基盤を持ち合わせ、実施体制や計画が、応募枠、技術開発内容や目標に対して適切に実行されることが重要です。
6.技術の事業化・普及の見込み
事業終了後に、将来のビジョンが明確に描かれ、その実現に向けた適切なステップが整えられているかが重要です。提供される製品やサービス、ビジネスモデルが市場や顧客の視点から見て成長し、収益を生み出す可能性があるかどうかも判断のポイントとなります。
また、事業がスムーズに立ち上がり、広く普及していく見込みがあるか、その普及によって社会全体でCO2削減の効果が期待できるかが問われます。
さらに、地域資源を活用することで地域の課題を解決し、CO2削減に貢献できる優れた事例となり、将来的に類似した地域へと展開される可能性があるかも重要です。提案される事業が社会に受け入れられやすく、周辺インフラや規格を考慮した計画がなされているかどうか、競合する技術や企業についての分析が的確に行われ、その対策が具体的に検討されているかも評価の対象となります。
さらに、事業化のための資金計画がしっかりと立てられており、民間資金の調達も含めて、実現に向けた構想が練られているかどうかも大切です。製品のイメージが明確であり、市場でどのような位置付けになるのか、売上の見通しが立てられているかも重要なポイントとなります。
7.事業化体制
代表実施者が、製造事業者または販売事業者としての役割を担い、技術開発・実証の成果を広め、普及に向けた展開を主体的に進めることができるかが重要です。
8.総合評価
上記の1~7のポイントに加えて、技術開発経費の妥当性や総事業費に対するCO2削減効果(費用対効果)等、それ以外のポイントも含めた総合評価を行います。