1997年の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3 温暖化防止京都会議)において、京都議定書が合意されてから10年がたちました。2008年はいよいよ第1約束期間が始まり、いろいろな主体が取組を始めています。
昨年新しい交渉イニシアティブ「バリ・アクションプラン」が採択されました。我が国で開催される洞爺湖サミットでは、地球温暖化をはじめとした地球環境問題について議論される予定です。
こうした様々な動きを、まとめてご紹介します。
1 国内で様々な活動が進められています。
改定京都議定書目標達成計画が閣議決定されました
平成20年3月28日に開催された地球温暖化対策推進本部において、パブリックコメント等を踏まえ、京都議定書における我が国の6%削減約束をより確実に達成するために必要な措置を定める京都議定書目標達成計画の改定案がとりまとめられ、同日、閣議決定がなされました。
今後、政府は本計画に基づき、京都議定書の6%削減約束の達成に向けて、全力で地球温暖化対策に取り組んでまいります。
算定・報告・公表制度の平成18年度温室効果ガス排出量を公表しました。
環境省・経済産業省は、地球温暖化対策推進法に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により事業者から報告のあった平成18年度の温室効果ガス排出量を集計し、今般、とりまとめました。
報告を行った事業所(者)数は、特定事業所排出者が14,224事業所(7,505事業者)、特定輸送排出者が1,439事業者でした。また、報告された特定排出者の温室効果ガス排出量の合計値は6億4,025万tCO2で、わが国の平成18年度排出量(速報値)約13億4,100万tCO2の約5割に相当します。
なお、集計結果及び開示請求の方法については、算定・報告・公表制度ページに掲載します。
カーボンオフセットのあり方について指針を公表しました
カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、[1]まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、[2]どうしても排出される温室効果ガスについてその排出量を見積り、[3]排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。イギリスを始めとした欧州、米国、豪州等での取組が活発であり、我が国でも民間での取組が始まりつつあります。環境省ではこれらの状況を踏まえ、我が国におけるカーボン・オフセットのあり方に関する検討会を立ち上げ、5回に渡る議論とパブリックコメントを経て、この度指針を公表しました。
2 国内各地での様々な取り組みが進んでいます
ストップ温暖化大作戦「一村一品」
温室効果ガスの削減に向け、日本の各地で様々な取り組みが行われています。こうしたユニークな活動を全国から集め、紹介する「ストップ温暖化一村一品大作戦」を実施しています。2月9日、10日に全国大会において各都道府県から選ばれた取組が紹介され、京都府代表の京都府立北桑田高等学校森林リサーチ科の活動「地元の木を使って「ウッドマイレージ」を減らそう!」が最優秀賞に選ばれました。
「ストップ!温暖化 こどもメッセージリレー」
全国の子ども向け環境イベント会場や施設等で、温暖化影響展の一部パネルを展示し、子どもによる地球温暖化防止メッセージを募ります。
各所でのメッセージ(宣言)を集約した画像は、各地の展示会場やチーム・マイナス6%のホームページ等でも、公開されていきます。
キックオフイベント「こども地球温暖化影響展」が札幌円山動物園で開催されます。
- 「ストップ!温暖化子供メッセージリレー 」とキックオフイベントの案内(環境省報道発表資料)
3 「COP13で次期枠組み交渉合意」 バリ・アクションプランへ
気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)が、インドネシア・バリで開催されました。京都議定書の第1約束期間以降の国際的な枠組み構築に向け、議論が行われ、2013年以降の取り組みを議論する新しいワーキンググループの設置などを合意した「
バリ・アクションプラン」が採択されました。
また世界経済フォーラム(ダボス会議)では気候変動への取り組みが重要議題として位置づけられました。ダボス会議には福田総理大臣、鴨下環境大臣が出席し、我が国として気候変動問題に取り組む決意を明らかにしました。
気候変動枠組条約第13回締約国会議の様子
閣僚級セッションにおける鴨下環境大臣の意見表明
リンク
- ○COP13の成果
- COP13の成果(環境省ホームページ)
- バリ・アクションプラン(英文) [PDF 26KB]
- UNFCCC/COP13のページ(英語)
- 交渉の経緯を知るには:Earth Negotiation Bulletinのページ(英語)
※Earth Negotiation Bulletin の和訳のページ
- ○世界経済フォーラム
- ○京都議定書等を紹介しているページです
4 洞爺湖G8サミットに向けて
北海道洞爺湖サミットへの流れ[PDF 21KB]
今年のG8サミットは我が国洞爺湖で開催されます。地球温暖化問題は重要なテーマとなる予定です。洞爺湖サミットに向けて、G8環境大臣会議が5月に神戸で、G20大臣対話が3月に千葉で開催されます。それぞれ、環境大臣等が集まり、温暖化問題について議論される予定です。
またこれらサミットプロセスを巡って、NGOや地域の自治体などが様々な活動を展開しています。
5 温暖化防止のための我が国の対策強化を議論しています
我が国は、京都議定書で6%削減を約束しました。来年からスタートする第1約束期間に向けて、現在政府は取組の強化を議論しています。中央環境審議会・産業構造審議会の合同部会では、京都議定書目標達成計画の見直しを急ピッチで議論しています。
またより長期的に、低炭素社会作りのビジョンを議論しています。
リンク
- <中央環境審議会・産業構造審議会合同部会における京都議定書目標達成計画見直しの議論>
- ※中間報告(平成19年9月)[PDF]
- <中央環境審議会 地球環境部会 低炭素社会作りビジョン検討>
- 審議会部会のページ
論点整理ペーパー(平成19年12月) [PDF] - <地球温暖化対策の紹介>
6 IPCCノーベル賞受賞
地球温暖化問題への取組の科学的基礎を作り上げてきた国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、ゴア前米国副大統領とともに本年のノーベル平和賞を受賞しました。12月10日に授賞式が開催されました。
7 皆さんも取組への参加を: あつまればうちエコ ウォームビズ
温暖化防止のためには、国民一人一人、各企業の参加が不可欠です。環境省では、チームマイナス6%として、国民運動を展開し、国民の皆様や多くの企業の参加を呼びかけています。
この冬も、暖かく着込んで暖房温度を下げようとのウォームビズを呼びかけるとともに、「集まればうちエコ」として、活動を展開中です。
また、「我が家の環境大臣」でも、家庭での取組を支援しています。
皆様も是非ご参加ください!!