水環境制度小委員会(第4回)議事録

日時

令和8年6月30日(火) 9:30~12:00

場所

Web会議システム併用(YouTubeによるライブ配信)

議題

1.良好な水環境創出の保全と活用について
2.多面的な水環境モニタリングについて

配布資料

資料1-1 良好な水環境の将来像及び令和の名水づくり・里海づくり施策の概要
資料1-2 良好な水環境の保全と活用に向けた制度の方向性と論点
資料2   多面的な水環境モニタリングについて

参考資料1 第3回水環境制度小委員会における主な御意見について
参考資料2 良好な水環境の保全と活用に向けた制度に関連する法令の概要

議事録

午前9時30分開会
【嶋田主査】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会水環境制度小委員会を開催いたします。
 委員の皆様には、ご多忙のところご出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の小委員会は、委員総数16名のうち、15名が出席し、石川委員はご欠席の予定となっております。定足数の要件を満たしており、小委員会として成立しておりますことを報告いたします。
 また、Webを併用した開催でありまして、YouTubeの環境省環境管理課公式動画チャンネルで同時配信をしております。
 それでは、議事に入ります前に、本日配付資料を確認いたします。議事次第をご覧いただければと思います。
 資料1-1、資料1-2と資料2と、参考資料1・2の5点とこれで座席表と委員名簿を配付しておりますので、不足等がありましたらお知らせください。
 なお、これらの資料及び本小委員会は運営規則等に基づき公開とさせていただきます。
 それでは、これより議事に移りたいと思います。それでは、古米委員長に議事進行をお願いしたいと思います。
 古米委員長、よろしくお願いいたします。
【古米委員長】 はい、おはようございます。
 それでは、早速ですけど議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、「良好な水環境の創出に向けた対応について」と「多面的な水環境モニタリングについて」という二つの議題でございます。
 それでは、まず資料1-1と資料1-2について、事務局よりご説明をいただきます。
 その後質疑の時間として、次に資料2について事務局より説明をいただき、質疑をするという手順で進めたいと思います。
 それでは、事務局よりご説明をお願いいたします。
【森川環境創造室長】 環境省の環境創造室の森川です。改めまして、よろしくお願いいたします。
 私から資料1-1、1-2、横のスライドの二つの資料についてご説明さしあげます。
 まず資料1-1をご覧ください。
 スライドをめくっていただいて、2スライド目です。
 前回第3回小委員会でいただいたご指摘をスライドにまとめております。ざっと概要を申し上げます。
 方向性について、この施策を「良好な水環境」の創出に向けた方向性については整理をされているけれども、環境省として「良好な水環境」の定義というものとの関係を明確にしたほうがいいんじゃないかと。また、他の制度を排除しないオープンな制度設計が望ましい。中長期的なビジョンに基づく質の保障と継続的成長を支える仕組みとすることが重要ではないかと。意欲的な地域だけを伸ばす仕組みでは全体改善につながらない可能性があるので、地方行政の関与をしっかり組み込むという視点が必要ではないか。また、活用面が先行することでもともとの重要な活用の基盤ともなる水環境が損なわれることのないよう、成果を保全へ還元するという視点が必要ではないかと。グリーンウォッシュや不適切な介入というものを予防するために、科学的知見に基づく支援・基準が必要ではないか。また、ネイチャーポジティブの観点が重要であり、既存の法制度との関係整理が必要なのではないかといったようなご指摘を前回いただいております。
 それらを踏まえて、3スライド目をご覧ください。
 良好な水環境に関するまず考え方をこのスライドに文言として整理をしております。こちらについては、もともと環境基本計画だったり、環境基本法、また平成23年に取りまとめております「今後の水環境保全の在り方について」といった水環境に関するこれまでの検討の結果等を踏まえて、良好な水環境に関する考え方を整理しております。
 一つ目から申し上げます。
 現在・将来世代にわたって豊かな環境の恩恵を享受するとともに、人間の存続基盤である環境を維持するために、環境の保全というものが求められる。そのためには、環境的側面から持続可能であると同時に、「ウェルビーイング/質の高い生活」の実現に向けて、良好な環境を創出し持続可能な形で利用していくことが必要ではないかと。ここまでが環境基本法、また最新の環境基本計画の文言からの引用となります。
 水環境については、水質、水量、水辺地、水生生物等で構成され、良好な状態を維持するためには、それぞれの観点ごとに加え、それらを総合的に捉えた保全等の取組が必要であると。また、水は循環の過程で生態系、人の生活、産業・文化への関わりが地域ごとに多様であるため、望ましい水環境については、地域において住民や事業者など幅広い関係者を巻き込んでつくり上げていくことが重要である。
 あわせて、保全に加え活用にも取り組むことで、取組の持続性の確保を図るとともに、さらには地域活性化等にもつながるなど、保全と活用の好循環の形成が可能であるというふうに考えております。
 なお、水は河川の上流・下流や湖沼・海域などの周辺地域と相互に作用するものであり、流域全体、地域全体などを見通すということが、その場所での良好な水環境を考える上でも必要であると。
 さらに、良好な水環境の保全と活用をしっかり両立させていくためには、適切なモニタリングにより継続的に状況を把握することで、良好な水環境を確保することが必要であると。良好な水環境に関する考え方としてこれまで整理したもの、また、現在、保全だけではなくて活用もすることで好循環を形成していくという考え方も踏まえて、このように一旦整理させていただいております。
 次のスライドをご覧ください。
 今申し上げた水環境というものが多様な観点であるという点を写真をベースにご紹介をしております。もちろんきれいな、水質としてきれいなものもあれば、生物多様性の側面、また親水空間としての観点、またレクリエーション、観光、生物の生息場としての機能。また、農業用水としての機能みたいなものを様々な用途があると思っております。水質の確保がベースにありつつも、多様な観点から豊かさのある環境というものが良好な水環境というふうに言えるのではないかというふうに思っております。
 5スライド目をご覧ください。
 こちらは、前回第3回小委員会、資料2-2の一部ページの抜粋、再掲になります。
 このような良好な水環境というものを考えた上で、それらを将来的に保全、創出、保全等の活用を進めていくというためにはどのような施策を打っていくかといったことを説明しているスライドになります。
 真ん中のところに指摘されている課題の概要ということで、広域的・中長期的な視点が必要であり、実行フェーズへの支援が不足等といった現場側、もしくは、その地域全体を取りまとめる自治体視点から見たときの課題をこの真ん中のところに記載しております。
 それを踏まえて、課題対応策の例としてどのような対応が必要かということで左から取組支援、一番右側に情報共有等、また、真ん中に取組の評価と、この三つの視点の対応策が必要なのではないかということを前回説明させていただきました。
 次のスライドをご覧ください。6スライド目です。
 そのような課題に対して、既存施策によって対応が不足する点というものを整理しております。左側の課題の例というのが前のページでいう真ん中の課題をそのまま記載しております。それに対して、現在取っている取組、実施している取組を踏まえると、右のような点が不足しているのではないかという形で表としてまとめております。
 一番左側の課題の例のところを上から順に説明さしあげたいと思います。
 広域的・中長期的な視点が必要であり、単年度事業では実行フェーズの支援が不足しているという点です。長期的な活動の継続に資する仕組みというのが不足しているのではないかと。
 二つ目、ネットワークづくりや企業マッチング等の不足についてです。マッチングを促す取組の質の担保・評価というものの採用が不足しているのではないかと。
 行政による取組のビジョン・支援の枠組みが不明確であると。計画策定及びその評価の必要性、制度に基づく支援メニューの創出が不足しているのではないか。
 自治体等の関係者の参画支援・資金確保のための制度的裏づけの不足。企業・行政両面から支援を獲得できる仕組みというものが不足しているのではないか。
 関係者からの理解取得・信頼構築のための国のお墨つきが必要ではないかという課題に対して、現在の政策では、信頼性の担保につながる評価をするという枠組みが不足しているのではないかと。
 また、関係する制度が重層的、管轄組織や多岐にわたり行政手続が障壁となっているという点について、手続の整理だったり、行政調整の円滑化に資するお墨つきのようなものが不足しているのではないかという形で、現在我々が取っている施策に対して、課題に一部対応しているけど不足する点もあるということになります。
 一番下の四角囲みに記載しておりますが、個別の取組の質向上を見込んだ取組支援や、取組の横展開のための情報共有については、引き続き実施しつつ充実させる必要があると。
 また、これらの施策を下支えする取組評価に関する施策というものを充実させる必要があるのではないかと考えております。
 7スライド目をご覧ください。
 それらを踏まえると、全体の施策パッケージとしては、7スライド目のようなものが考えられるかなというふうに思っております。
 これまで取り組んできたモデル事業や水辺の環境活動プラットフォームを拡張し、取組支援と情報共有・ネットワーキングの2本柱をまず構築をしっかりしていくと。
 また、仕組み・制度を通じた取組評価というものをすることでこれらを担保すると。取組評価を通じて地域の取組を継続的にフォローし、制度化を通じて国として責任を持って施策に取り組むという観点が重要ではないかというふうに考えております。
 7スライド目の下の部分は、特に取組支援、情報共有・ネットワーキングについては、現在モデル事業や充実した水辺の環境活動プラットフォーム等を実施。着実に実施していく。さらに拡張していくということでフォローしつつ、それらを下支えするものとして、取組の評価という施策が重要なのではないかと。これらをしっかり構築して、良好な水環境を創出することで地域活性化にもつなげるという観点で取り組んでいければというふうに思っております。
 前回の委員会でもこの三つの観点、取組支援、情報共有、取組評価については、その方向性自体はいいんじゃないかというふうなお話をいただいたかなというふうに思いますが、今回このようにパッケージとして、それぞれの支援、共有、評価ごとに観点と役割というか関係性がそれぞれ違うかなというふうに思いますので、このように整理をさせていただいております。
 8スライド目をご覧ください。
 施策パッケージを通じて目指す水環境の保全・活用のイメージということで、その施策パッケージというものを通じて、水質に加えて、水辺空間、生態系、水資源、地域との関わり、産業など、水環境の多面的な保全・活用の取組を推進し、地域活性化等にもつなげられればというふうに思っております。
 こちらの日本地図に載せている薄い白丸がいっぱい、グレーの丸という、楕円形の丸がいっぱいあると思いますが、これら一つ一つが地域の個別地域の水環境の保全活用の取組です。それを拡大しているのが、左上のところにある様々な観点で、それぞれの地域ごとに水環境の保全活動の取組が進められていくと。これらをさらに創出する地域の取組を蓄積して発信等をすることで、横展開を図り、良好な水環境創出に向けた取組を全国的に活性化することができればというふうに考えております。
 最後の9スライド目でございますが、こちらについては地域における良好な水環境の保全・活用のイメージということで、先ほど好循環というキーワードも出させていただきましたが、良好な水環境を保全・再生・創出する。そのためにはヒト、モノ、資金の確保というのが必要ですが、保全・再生・創出によって、生物多様性・生産性だったり、ウェルビーイングの基盤のいい環境を創出して、それらをベースに、様々な認定の取得、商品開発等を進めて、ヒト、モノ、資金というものを確保して、それをもって、また良好な水環境の保全・再生・創出につなげていくというような好循環がつくれないかというふうに考えております。
 それらをもって、良好な水環境の保全・活用はもとより、地域課題、その水環境に関わること以外の地域課題の解決や地域活性化にもつなげられるような仕組みがこの施策によってできるのではないかと、していければというふうに考えております。
 資料1-1については以上となります。
 続いて、資料1-2です。
 先ほど申し上げたとおり、施策パッケージの中の全体については前回の小委員会でも構成としてはいいんじゃないかというお話をいただいたかなと思います。この本日は施策パッケージの中の取組評価に係る部分について、とりわけ論点として、まだその点が仕組みとしては不足しておりますので、それについて論点として整理しているのが資料1-2になります。
 まず、スライド資料1-2のスライド2をご覧ください。
 良好な水環境の保全と活用に向けた制度の方向性と論点と。一部ちょっと繰り返しになりますがご説明さしあげます。
 地域では廃れた水環境の再生や、新たな地域のシンボルとして水環境の創出に取り組むことにより、地域活性化等につなげる取組が現在多くの地域で始まっております。これはモデル事業でもご紹介しているとおり、現場の取組は現在様々な点で、様々な主体によって取組が始められております。
 一方で、計画性を持って取組を実施することが、多様な要因が絡む水環境における活動の継続性を担保する上でも必要なのではないかと。
 これらの状況を踏まえて、地域活性化や地域づくりの取組の一環として、流域等の広がりを持つ水環境の特性を踏まえ、複数の関係者が共通の方針の下で連携し、保全・活用を一体的に進めて、それに関わる人・団体の増加や活動の持続可能性の確保を推進する仕組みを検討できればというふうに考えております。
 スライド3をご覧ください。
 新しい制度の方向性として、地域における水環境の保全・活用が適切かつ計画的に推進されるよう、認定制度の構築を検討できればというふうに思っております。
 認定制度に係る論点として、以下のようなものが挙げられると思います。
 制度の目的・位置づけはどうするのかと。こちらパッケージの中での制度の位置づけというのは、先ほど資料1-1でご説明したとおりと考えておりますが、こちらについても議論の余地はあると思っております。
 認定を受ける主体。活動の実施地域の主体としては、モデル事業でも自治体に限らず企業、団体等、様々な主体があるかなというふうに思っております。主体は様々あれど、活動の実施地域の自治体の関与の在り方というのも一つ論点と思っております。
 認定の対象・範囲。活動に係る計画を認定対象とするのか、流域等広がりを持つ水環境の特性を踏まえた範囲を設定できればというふうに思っております。
 計画への記載事項。対象地域、活動内容・体制などです。
 認定のオープン性。認定をすることで、その地域で活動している他の取組を排除しない仕組みだったり、草の根的な活動をどのように取り扱うのかといったものも論点になるかと思っております。
 スライド4をご覧ください。
 続きになります。3スライド目からの続きの論点となります。続きの文字が抜けており失礼しました。
 認定基準・評価手法について。認定のハードルの高さ、多面的モニタリングとの連動、保全活動そのものの価値の評価の組み込み。
 フォローアップ・更新。認定後も活動の実施状況を求めるなど、フォローアップを実施することも重要なのではないかと。
 また、技術的支援、専門家の関与と。活動そのものの保全効果のエビデンス確保を念頭に置いた側面支援をどのようにしていくのか。
 また、インセンティブ。認定によって得られる地域側、企業活動等に企業等の活動に携わるステークホルダーのインセンティブを提供することも今後の取組を推進する上で必要だと思っております。
 また、関連制度との関係整理と。とりわけ自然共生サイト、生物多様性の観点というのは前回の委員会でもご意見いただきましたが、それらをはじめとする関連制度との連携・すみ分けの検討というものも重要なポイントと思っております。
 以上を踏まえまして、本日ご議論いただきたい点として、良好な水環境に関する考え方や施策パッケージに対する気づきやお考えについてご意見いただければというふうに思っております。
 また資料1-2で示した論点について、制度の骨格の検討に向けた論点に関する気づきを考え、論点の不足している点などについてご意見を伺えればというふうに思っております。
 資料1-1、l-2の説明は以上になります。
【古米委員長】 ご説明どうもありがとうございました。
 ここで参考資料の2、良好な水環境の保全と活用に向けた制度に関する法令の概要について、関係部局の担当者からご説明をお願いしたいと思います。
【奥田地域ネイチャーポジティブ推進室長】 皆様、それでは参考資料2をご覧ください。
 私、自然環境局地域ネイチャーポジティブ推進室、自然共生サイトの担当をしております奥田と申します。よろしくお願いいたします。
 2ページ目もありますが、先に3ページ目から説明してよろしいですかね。
 地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」についてということで、簡単に説明していきたいと思います。
 四角囲みの一つ目ですけど、環境省では民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト」として認定する仕組みを2020年の12月ぐらいから検討を開始しまして、およそ2年半かけて検討しまして、予算措置に基づく制度として、自然共生サイトというものを作りました。それで、令和7年3月末までに328か所、予算措置に基づくものをやりました。
 それと並行して、ちょっと勢い余りまして、これを法律にしてやろうということで、「地域生物多様性増進法」というものが令和6年に制定されまして、令和7年4月1日で施行しております。こちらは、自然共生サイト相当の生物多様性が豊かな場所を維持する活動を認定することになりました。自然共生サイトはもともと「区域」の認定だったのですが、地域生物多様性増進法はそういった自然共生サイトと同じような場所を維持する「活動」を認定する制度ということと、あと維持だけではなくて、新たに回復・創出させていくようなものも認定の対象となったというものでございます。
 現時点で、自然共生サイトは合計569か所ございまして、実は本日、今年度の第1回の発表でございまして、610か所まで増えました。
 右のグラフを見ていただくと分かるのですけど、申請主体の半数が企業でございます。それから地方公共団体、さらにNGO、NPOといった団体がございます。という形で相当企業の方々とかが参画してくださっているものでございます。これがその予算措置に基づくものから法に変わったときに何が変わったかということで、先ほど申し上げたとおり、区域認定から活動認定に変わったというのが1点、それから、左下にもございますように、先ほど申しましたが、単に維持する活動から回復、あるいは創出といったものもポイントになった。つまり、現時点でまだ生物多様性の価値がなくても、いずれ回復・創出していくであろうものも認定対象となったとあります。
 すみません。1ページ戻っていただいて、2ページ目の中ほど主な措置事項のところについて簡単に話したいと思いますが、法律になった中で、まず一番右に小さく書いてあるんですけど、環境省単独の制度から農水省、国交省と共管になったというのが法になった変更点でございます。それから、中ほどの1ポツ(1)、(2)の①、②とございますが、圧倒的多数はこの①の「増進活動実施計画」を策定するというので単独でつくっていくものですが、②の市町村が取りまとめ役になって、例えば企業ですとか、NGOですとか、活動を取りまとめて申請するというような連携活動実施計画というものも法律になった関係で入ってまいりました。そのほか、手続のワンストップ化等々をできるようになっておりまして、さらに2ポツでその他の(1)とございますが、事務手続を環境再生保全機構(ERCA)のほうにやっていただくということができるようになっております。
 非常に似たところもある制度かもしれませんので、何かご質問等があれば何でもお答えしたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【吉川環境管理課長】 続きまして、水循環基本法のほうについてご説明させていただきます。
 私、環境管理課の吉川と申しますが、併任で内閣官房水循環政策本部事務局の参事官も命じられておりまして、その立場で本日はご説明をさせていただきます。
 4ページ目の水循環基本法の概要でございます。
 この基本法は水循環に関わる政策、本当に多数の省庁が関係していて、様々な制度に基づいて個別の施策が講じられてきたという状況でしたが、これを健全な水循環の維持、または回復という目標を共有して、個別の施策を連携調整するための枠組みということで、議員立法で水循環基本法が提案されまして、平成26年4月に公布されたというものでございます。
 この水循環政策本部というのが右下にございますけれども、内閣官房に設置されておりまして、本部長が内閣総理大臣、全ての国務大臣が本部員であると、そういう組織になっております。事務局が内閣官房水循環政策本部事務局ということになるんですけれども、これも各省から私のように参事官という形で参画して、国土交通省水管理・国土保全局水資源部長の宮武部長が事務局長をされていると、そういう組織でございます。
 この法律の機能としては、基本理念を明確化し、法2条2項で健全な水循環とは人の活動及び環境保全に果たす水の機能が適切に保たれた状態での水循環をいうという形で規定をいたしまして、基本理念として、この健全な水循環への配慮とか、水の公共性、流域の総合的管理や国際協調というものをうたっている。水循環政策本部というものをつくって、それを調整の場としていく。そういうことを定めて、水循環基本計画というものを国レベルで閣議決定という形で決定して、それを上位計画として扱っていくと。そのようなことが規定されております。
 その水循環基本計画なんですけれども、次の5ページ目を見ていただきますと、平成27年に最初策定されておりますが、改定を何度か経ておりまして、直近ですと令和6年8月30日、通常ですともう少し後の予定だったものを能登地震等の対応、それから上下水道、地震で上下水道のインフラがたくさん被災したことを受けて、効率化とか、災害対応といったところに着目しながら、水循環基本計画を改定する必要があるということで令和6年8月30日に計画変更がされております。
 今の水循環基本計画に書かれていることを左下のほうに4項目まとめておりますけれども、まず代替性・多重性等による安定した水供給の確保ということで、今申し上げた能登の震災の影響などを勘案して、早期復旧とか上下水連携した対応といったこと、そして、地下水を代替水源として有効活用していくという視点も色濃く導入をされております。
 2点目が施設等再編や官民一体による上下水道一体での最適で持続可能な上下水道への再構築ということで、ちょうど令和6年度から水道行政が国交省と環境省に厚生労働省から移管されたという時期でもございましたので、上下水道一体となっての取組、そして、老朽化対応というところを強く求めているということでございます。
 ちょうどこの半年後ですね、下水道の陥没事故が埼玉であったわけでございますが、そういった対応もしっかりと進めていくと。
 それから3番目が2050年カーボンニュートラルに向けた地球温暖化対策の推進ということで、水力発電の最大化ですとか、省エネ化、適応策の推進ということをうたっております。
 そして4点目に健全な水循環に向けた流域総合水管理の展開ということで、これが一番今行っていただいている検討に関わるかなと思うんですが、右側にそのイメージ図を出しているんですけれども、あらゆる関係者による流域治水、それからあらゆる関係者による水利用、そして、あらゆる関係者による流域環境の保全と。こういったものを全てに統合して、流域総合水管理という視点で流域マネジメントを推進しようと、そのような視点がうたわれております。
 もともと流域治水みたいな考え方を気候変動適応のためにかなり強く提唱されて進めておられたところですけれども、ここに水利用の総合化と、そして、流域環境というものも織り込まれたということで、去年かなり渇水がございましたとき、まさにこの流域総合水管理の考え方で各省の連携が従前よりも強く図られたというところでございます。
 今後、流域環境の保全も含めて、この水循環基本計画の枠組みの中で一層取組を進めていくと、そのような体制になっております。
 以上でございます。
【古米委員長】 どうもご説明ありがとうございます。
 資料1と2で、良好な水環境に関する考え方だとか、保全・活用の推進に向けた施策の概要、そして、その推進のための制度の方向性と論点を説明いただきました。それに加えて参考資料2で、関連する法制度であるとか、認定制度をご紹介いただいたというように思います。
 ここでは、資料1-2の最後のページに記載のある認定制度に関わる論点、そのページの下にあるように良好な水環境に関する考え方、施策パッケージに対するご意見だとか、ご質問、さらには制度骨格の検討としての認定制度の議論などもありますけれども、その論点について皆様からご意見をいただきたいと思います。
 もちろん自然共生サイトだとか、関連する事項があれば、ご質問いただいても結構だと思います。
 それでは、適宜挙手をいただければと思いますし、Web参加の委員につきましては、挙手のボタンを押していただければと思います。
 皆様、いかがでしょうか。
 それでは、会場の内山委員、お願いいたします。
【内山委員】 ありがとうございます。内山でございます。
 議論する内容が盛りだくさんなので、順番に意見を申し上げます.まず資料1-1では、前回第3回小委員会での議論を踏まえて良好な水環境に関する考え方を整理していただきました。保全を土台にしながら活用についても強く意識して進めていくという、全体的な方向性に強く賛同いたします。私は里海・海域環境のほうで在り方提言とか、手引書改訂などに関わらせていただいておりますので、その立場から申し上げますと、やはり保全と活用を一体的に扱うという方向性は、里海提言の核心とも非常によく一致しています。里海の現場を見ている肌感覚で言いますと、データからも明らかなように、保全だけではなかなか活動が継続しないということがあります。
 例えば、里海ネットに登録されている事業者は330団体ほどありますけれども、漁業者などの活動に関わっている方々の高齢化、それに伴う担い手不足、関心の低下、資金の不足、そういうことが重なると、良い保全活動であっても短期間で立ち消えることが多いです。特に補助金が切れたらそれが縁の切れ目みたいな感じで、突然里海の活動が止まってしまうこともありますので、活用面を意識するというのは非常に大事だと考えます。
 ただし、一方で活用があまりにも先行してしまうと、観光圧などの利用の集中によって環境がむしろ悪化してしまう例もあって、例えば、観光圧によってアマモ場が逆に衰退してしまうとか、干潟を見学・教育活動に使ったら、底生生物が少なくなってしまうとか、そういう本末転倒みたいなところもあるので、本質的に重要なのはまずは保全を土台にするという視座です。保全活動に還元するという発想が大事で、森川さんのほうで整理していただいたように、活用で得られたヒトとかモノとか資金とか関心などをもう一回保全に戻してということ、いわゆる好循環をどう制度化するかということが求められています。したがって、今回ご提示いただいた方向性は、それを国の制度として体系化する第一歩ということだと位置づけられますので、大変結構だと思いました。
 資料1-1の3番に良好な水環境に関する考え方を整理していただきました。前回の小委員会で私が最後に申し上げた「環境省としてのKGI、良好な水環境とは、ゴールは何なのか」という点をはっきりさせていただきたいというリクエストに応えてのこちらの3ページ目の資料かなと思います。今回の資料では、良好な水環境に関する考え方としてはここに挙げられていますように、それらを構成する要素を丁寧に整理していただいていると思います。ですが、これらはKGIというよりかは、KPIに相当するレベルのアイテムであるように感じます。本当にこれらが環境省としてのゴールなのかというのはちょっとよく分からないと思いました。つまり、環境省としてのKGIは、もう少し整理していただく必要があるように思います。
 私なりの整理を申し上げますと、環境省のKGIは良好な水環境をつくることそのものではなくて、良好な水環境を地域が持続的に維持・改善できるようなシステムをつくるということになるのかなと思っています。
 理由は非常に単純で、一つは水環境の状態というのは、気候変動などの外部影響をかなり強く受けるので、地域が努力しても結果は変動してしまいます。ですので、活動の結果をKGIに置くと、評価をすることはなかなか難しくなります。
 もう一つは、良好な水環境を維持・保全する地域の主体・体制を構築することこそが里海づくりとかあるいは名水づくりであって、それは環境基本計画の理念でもあるので、そういった意味ではシステムづくりをゴールにすることは整合的なのかなと思います。
 ですから、計画がしっかり策定されているかとか、モニタリングを実施しているか、データを公開しているかなど、評価と見直しに関するいわゆるPDCAがきちんと回っているかを保証するのが国としてのKGIであって、今回資料でお示しいただいた各項目は、それを支えるKPIという位置づけになるのかなと思いました。
 取りあえず、以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、続けて、加藤委員、大久保委員の順番でご意見、ご質問いただきたいと思います。
 まず、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 はい、ありがとうございます。加藤でございます。
 資料1-1と1-2について意見を言わせていただこうと思います。
 まず資料1-1の3ページに記載で森川さんよりご説明がありましたとおり、活用というところに重きを置いてくる。活用・保全と再生と創出という好循環を目指していくという方向性に私も賛同しております。
 観光という立場から意見を言わせていただいておりますが、理由は大きく三つございます。一つはここにもありますように、地域の活性化。今日、様々な災害、人材不足であったりなど、地方創生と密接に関わっているところがまず重要なポイントであると思います。地域の伝統の産業で、地域での雇用創出、また、地域のアイデンティティーという根幹的なものの強化など、地域の活性化創出が結果的に地域の環境の保全につながっていくというようなサイクルを再生していくということだと思いますので、そこの視点が重要だと思います。
 観光施策というのを非常に重要視されておりますけれども、二つ目に、観光立国推進基本計画で持続可能な観光は3本柱の一つに設置、据えられております。そこで、今日リジェナラティブというような言葉も使われますが、保全・再生・創出というところで同じような意義がうたわれていると思います。そこで環境保全の基盤をしっかりと固めていくことがここで打ち出されるということに期待をしております。
 三つ目に、あらゆる関係各者、ステークホルダーを広く巻き込む、水そのものだけではなくて、地域、域内、流域など、域全体を考えるということは、観光としても得意とするところです。観光地デスティネーションというような広がりを持った考えが必要となるのが観光です。これら、その三つの視点からも保全と活用というものが新しい可能性を創出していくというような、そのような好循環の考えが非常に重要だと思います。
 地方創生に関しましても、今、若い方で地方に移住をされたり、働き方、暮らし方を変えていかれるという傾向もあるかと思います。そこでも、持続可能なというようなことをキーワードにしたバリューチェーンの構築、その中で若い方の新しい生き方、生活の在り方ということとも密接に関わってくると思います。そのような意味合いでも、この考え方は重要であると思っております。
 ただ、1-1のスライド3のところに適切なモニタリングと書かれております。先ほど内山委員もおっしゃいましたが、活用が保全にしっかりと還元されているのかは、厳しい目を持つ必要があると考えております。特に観光では、旅行者の行動に目が向けることが多いですが、求められるべきは事業がエシカルであることで、それは企業のポジティブな方向性として事業者さんの巻き込みも重要になってくると思います。活動としての、例えば、ボランティアツーリズムや教育ツーリズムなど、教育や貢献の要素があれば何となくポジティブに見られることはありますが、それが実際はオーバーツーリズムにつながったり、結果的には保全につながっていないというようなことも見られますので、満たすべき最低条件というものを設けて、厳しく監視というか、していくということも重要であると考えております。
 取りあえず、以上です。
【古米委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、大久保委員、お願いいたします。
【大久保委員】 ご説明ありがとうございます。
 かなり資料を丁寧に整理、あるいは充実していただきまして、全体像が見えやすくなったと思います。ありがとうございます。
 その上でですけれども、まず既存制度との関係で言いますと、先ほど参考資料で地域生物多様性増進法、それから水循環基本法との関係を整理していただきました。
 まず多様性増進法のほうは、基本的に認定制度の一つとしてすみ分けを考えるという観点でご説明をいただいたと思いますし、とてもよく特徴を表すご説明だったと思うのですが、現在の制度でカバーしにくい部分、あるいは、水分野で特徴的な仕組みとして何か必要と思われるものがあるのか。あるいは、増進法自体の現在の課題、評価も含めて認定制度の課題として考えている点、を伺うと、今回、どこを見るべきかが分かるかと思いますので、その点をお伺いできればと思います。
 それから水循環基本法に関しましては、今回の取組は、川、沿岸というふうにばらすのではなくて、全体の水循環を考えるという観点で、湧き水でありますとか、地下水でありますとか、そういうつながり全体で考えて、それをつなぐことを推進していきたいということに特徴の一つがあると考えております。水循環基本法ができても、なかなか具体化されてこなかった部分について、きちんとその施策を進めるきっかけになるのではないかという点で大変期待しております。その観点では、先ほどご紹介いただきました基本計画というのは、国の基本計画で地域から見た場合にはかなりの距離感があるという点を拭えないのではないかと思います。地域の中で、どういうそれぞれの活動のつながりが、どうつながってきて、そして、それが地域の流域全体としてのビジョンの促進にどうつながっているのかという観点では、資料1-1の6ページに出てきていました、ビジョンとか計画の明確化という点が課題の例として挙がっています。
 右側の不足する点で計画策定とあるんですけれども、これは個々の活動の計画だけではなくて、その地域の水に関するビジョン、あるいは水循環計画の地域版のようなもの、共通のビジョンがあれば、ある活動がそれに合致しているのかどうか、そこに対してどういうインパクトを与える活動なのかどうかということが評価といいますか、チェックできると思うのですけれども。ここの部分がない場合には、つなぐ活動を評価するのもなかなか評価しにくいと思います。これが2点目です。ですので、水循環基本法ではカバーできない地域レベルの水の総合的なビジョンというものをどういうふうに共有していくかという観点が必要という点です。
 それから三つ目は評価の内容ですけれども、評価に関しましては、活動によりまして、例えば、水質の改善とか、何々という種の保全とかそういうことであれば、モニタリングをきちんとやれば比較的見えやすいとは思うのですけれども、そのほかの文化でありますとか、観光でありますとか、そういうところはそもそもウェルビーイングの評価手法自体が確立しておりませんので、これを開発して何らかの指標でチェックをしていくということはとても難しいのではないかと懸念します。むしろ、その活動をしたときに、活動主体の人たちはいいことだと思ってやっていて、確かにいい面もあるけれども、当事者には見えない中で何らかの負のインパクトがある場合に、その懸念にあらかじめ気づいていただいて、そこを多様な主体の参加で考えていくということが重要だと思います。事後的な評価のようなものももちろん必要ではあると思いますけれども、むしろその活動によって、まずは懸念される点をしっかり織り込んでいるかというチェックがなされることが望ましい、個別にどれだけプラスになっているのかということは活動によってできる場合とできない場合があるのではないかというふうに思いますので、活動の種類によって少し評価の仕方というのが違ってくるのではないかと思っています。取りあえず、以上、3点申し上げたいと思います。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、春日委員どうぞ。
【春日委員】 はい、東京大学の春日でございます。
 方向性や施策のパッケージについては、私も賛同しております。その上で、コメントさせていただきます。まず、資料1-1の9ページを拝見して考えた点です。ここに記載されているような循環を生み出すことは、今回の目的の一つとして重要であると考えます。一方で、全体として経済的な側面がやや強調され過ぎているようにも感じました。地域課題の解決や地域活性化が重要であることは理解しておりますが、4ページに示されている良好な水環境の姿は、多層的な価値を有するものです。そのため、経済的な効果だけでなく、地域社会の持続性や地域の共同性を支える観点も重要であると考えます。必ずしも資金循環に直結しない活動であっても、地域そのものを支える取組を適切に支援することが必要ではないでしょうか。
これに関連して、制度設計に当たっては、資金面・財政面での支援のあり方と、認定期間の設定について検討する必要があると考えます。まず、資金面についてです。先ほど内山先生からもご発言がありましたが、行政の予算が終了すると活動も止まってしまうことがこれまでの課題であったとすれば、プロポーザルの段階でマッチングファンド方式を導入することも一つの方法ではないでしょうか。行政の支援に加え、実施主体が独自に資金を調達することを前提とすることで、自立的で継続性のある活動を促すことができ、人材・物資・資金の確保にもつながると考えます。一方で、先ほど申し上げたような地域基盤を支える活動は、このような自立的な資金調達を前提とする取組とは性格が異なります。そのため、活動の目的や性質に応じて、複数の支援メニューを用意することも必要ではないかと考えます。
次に、認定期間についてです。これまでの里海をはじめとするさまざまな取組を踏まえ、どの程度の認定期間を設定することが最も効果的なのかを十分に検討する必要があります。認定数だけが増え、活動内容や水準にばらつきが生じることのないよう、一定期間ごとの更新や評価を含めた制度設計とすることが望ましいと考えます。
最後に、自然共生サイトについてです。ご説明を伺い、今回の認定制度との間に相当程度の重複があるように感じました。自然共生サイトの認定と今回の認定をどのように整理し、役割を分担するのかについて、十分に検討する必要があると考えます。
 以上です。
【古米委員長】 それでは、どうしましょう。Webであとお二人いますけども、一旦切りましょうか。じゃあ一旦ここで。お願いいたします。
【森川環境創造室長】 環境創造室の森川です。ありがとうございました。
 内山委員からまずコメントをいろいろいただきました。この方向性について背景を含めて、まず良いんじゃないかというコメントも、応援のコメントもいただいたかなと思います。一方でKPI、KGIの問題ですね。こちらの説明の仕方とあと整理の仕方というものをしっかり整理すべしというご指摘だったかなというふうに思います。おっしゃるとおりのシステムをしっかりつくるということをもって、将来的な良好な水環境がつくれる状態を維持すると。そのためのシステムをつくるというのが、要はKGIという点で、国としてのKGIなんじゃないかというところだったかなというふうに思います。こちらをこれから整理していく中でしっかりその点を意識しながら整理していければというふうに思いますので、引き続き、ご指摘等をお願いします。
 あと加藤委員からも同様に賛同いただけたかなというふうに思います。一方で進めていく上では、活用という点においても保全にちゃんと還元されているのかというところを意識しないといけないと。これは内山委員からもコメントいただいたかなというふうに思います。活用が過剰に進むことによって、適切な活用ならいいけれども、水環境、もしくは水関係以外の環境問題にもつながってしまうような活用がちゃんとなされないように推進をしていかないといけないというコメントだったかなというふうに思いますので、その点はしっかり考えていくというのは、水環境の考え方のところでもですし、こちらでも記載しております。またモニタリングもしっかりしていくという点についてもコメントをいただきましたが、こちらも記載しているとおり、その意識を持って、改めてしっかり意識を持って進めていければというふうに検討していければと思っております。
 一旦、私から答えられる部分についてちょっとお返事させていただきます。
 大久保委員からは、評価の手法についてコメントをいただきました。観光の文化観光の視点の評価というものはなかなか指標化が難しいのではないかと、そこはまさにご指摘のとおりかというふうに思っております。今後、より、今日も論点として提示させていただいておりますが、この点について認定制度を評価手法、指標についてはこの後にしっかり中身を詰めていければというふうに思っております。ご指摘の点は我々も課題だと思っておりますので、また改めて検討した結果についてご説明、ご紹介、ご相談をさせていただく機会をつくれればというふうに思います。事前のアドバイスをいただいたと思っております。ありがとうございます。
 春日委員からも方向性についての賛同だったり、また経済的側面に寄り過ぎているのではないかと。これも先ほど申し上げたとおりですが、活用をしっかりやり過ぎることで、それによるハレーションが起きては本末転倒だというふうに思っております。その点はスライドの全体の作り、こちらの資料の作り込みとして、経済的側面にちょっと寄り過ぎているのではないかという点でしっかりコメントをいただいたかなというふうに思っております。いただいたコメントはまさにそのとおりだと思いますので、環境省としてバランスが崩れることのないような仕組みがつくれるように検討を進めてまいりたいというふうに思います。
 また認定期間についてのコメントもいただきました。どれぐらいの期間を設定するのかと。自らの活動として生み出し、保全活動が継続できるようなしっかり資金等も生み出していくというのも必要だけど、一方で、それだけじゃない地域社会とか、地域基盤を支えるという視点での活動もあるという点で、財政的な支援というものも引き続き必要な部分もあるんじゃないかというコメントもいただいたのかなというふうに思っております。
 そちらについても、こちらとしては様々な水環境保全活用の取組が現場ではある中で、それぞれに対してどのような視点で向き合えるのかというのは、しっかり考えてまいりたいというふうに思います。改めてご指摘いただきまして、ありがとうございます。
 私からは一旦以上です。
【奥田地域ネイチャーポジティブ推進室長】 すみません。自然局の奥田です。
 大久保委員から自然共生サイトについて、地域生物多様性増進法について幾つかご質問をいただいたので回答したいと思います。
 まず水分野での特徴ですとか、カバーしにくい部分といったところについて回答をさせていただければと思いますが、自然共生サイト、沿岸域も入っておりまして、その他河川等々も入ってきております。例えば、沿岸域ですと保護地域ではございませんので、規制はございませんので、まさに漁協さんとかも入ってくださっていて、申請に入ってくださっていて、保全のための活動、さらにまさに漁業として活用しているような場所自身もしっかり守っていくんだと。そうしたところも認定してきているというところがございます。
 カバーしにくい部分で言いますと、自然共生サイト、例えば、森林サイトで本当に広いところは数少ないんですけど、2万5,000ヘクタールぐらいあったりするんですけど、ほとんどは100ヘクタール以下の狭い範囲でございます。ものによっては0.何ヘクタールというのもございます。そうした点で言いますと、やはり例えば、流域全体を共生サイトでカバーしているというようなものは今のところなくてですね、やはり個別個別の場所で様々に活動を行っているものを認定しているというのがありまして、そうした意味で、本当に広い部分をカバーしていくというのはちょっとうまくできていないのかなと考えております。
 それから、課題として考えている点、課題が本当にたくさんあり過ぎるんですけど、取りあえず役に立ちそうな三つほどをご紹介いたしますと、やはり申請に当たって、どうしても手間暇はかかってきます。こちらも生物多様性の価値をしっかりと評価していく、またそこでどのような管理がされているのかというのを見ていくと、それなりに申請書のボリュームができてきますし、3省共管なったことで各省との間での調整というか、確認といったような作業もございますので、自然共生サイトは基本的にはできるだけ様々な活動を広く取っていくことを考えておりますが、そういった中でいろんな申請の手間暇がかかっているというところがございます。
 それからこれは今後になりますが、自然共生サイトも5年で更新になります。その5年後の更新の際に、いかにその環境が維持されているのか、あるいはさらに高めることができたのかというところをしっかりと評価できるシステムというものがまだ途上かなと思っておりまして、そうしたところはしっかり考えていく必要がある。
 それから3点目として、やはりインセンティブの問題がございまして、30by30、世界目標に貢献するというものはもちろんございますが、あと610もあると皆さんの目標は様々でございますが、やはり様々な支援なり、あるいは地域にいかに役に立っているかというところをいかに見せられるかといったようなところで様々にインセンティブが必要だということは言われておりまして、マッチングですとか、交付金による支援ですとか、様々なことは行っておりますが、こちらについては引き続きしっかりと考えていきたい。
 ただ、とにもかくにも感謝されるのは自然共生サイトという共通言語ができたことでいろいろな取組をしやすくなったという声を多数聞いておりまして、引き続き、こちらとしては頑張って推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
【吉川環境管理課長】 続きまして、すみません。水循環基本法関係についても大久保委員より地域の視点が弱いというご指摘をいただきました。私の本日の説明がどちらかというと国の制度、水循環基本計画のお話に偏ってしまったというところもございまして、実はこの水循環基本法は、もちろん流域単位の取組、流域マネジメントということで地域でも水循環の基本計画地域版をつくることを促してきております。ただ、今まで公表されたものを見てまいりますと、○○市環境基本計画の一部だったり、あるいは○○川創生プランとか、あるいは市全域の水循環計画とか、そういう形でかなり大きな枠で地域の流域、それも治水的な観点とか、それから水利用の水資源の活用の観点も本当に包括的に全ての視点を含めて計画に取り込んでいるというものでございますので、私どもが今この制度の方向性として考えているその個別の保全活動そのものをどう推進していくかというところ、もっとそれを流域全体で見ながら、流域としてのビジョンを出していくというところが恐らく水循環基本法に基づく流域マネジメントプランというところに求められているというか、目指している機能なのかなと、そんなような役割分担があるのではないかとご指摘を踏まえて思いながら拝聴しておりました。
 引き続き、整理を進めてまいりたいと思います。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは続いて、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。
 前田委員、皆川委員、加藤委員の順番で、まず前田委員、お願いいたします。
【前田委員】 大阪府阪南市の前田です。
 事務局におかれましては、地方の現場感覚に寄り添いました丁寧な方向性と論点をご提示いただきまして、ありがとうございます。
 それでは地方行政の現場におきましては、水辺の環境活動や地域活性化の取組について開始することよりも、活動を継続していくことのほうが圧倒的に難しくて、資金、人材、合意形成の面で常に大きな課題を抱えております。これらを踏まえましても、良好な水環境に関する考え方について、自治体の実情に即した意見を少し述べさせていただきたいと思います。
 まず、資料で示されていました保全のみならず活用の視点を重視するという方向性についてですが、これに対しては強く賛同いたします。環境を守り続けるためには、それを地域が豊かに活用し、価値を実感できる好循環が不可欠であると考えています。この活用の意義について、少し本市の事例を交えてお話のほうをさせていただければと思います。
 本市でも海洋教育や山から海までのつながりを学ぶ森里川海の取組というものを推進しております。ここで重視しているのは、子供たちに水辺で思いっ切り遊んでもらいたい。自然の豊かさを肌で楽しんでもらうという体験を重視しております。幼少期に水環境と深く触れ合い、楽しい思い出やそのときの気持ちが、これが大人になったときに「このすばらしい水環境を自分たちの手で守りたい」という自発的な保全の意識を育むものと考えてございます。つまり、活用とは単に現在の取組の持続性を確保するだけではなくて、将来の保全の担い手を育てるという、次世代を見据えた極めて重要な意義を持っていると考えてございます。
 こうした多様な保全と活用を後押しする仕組みとして、新たな認定制度を置くということは強く賛同いたします。
 本市ではこれまで、先ほどお話にありましたSDGs未来都市や自然共生サイトなど、様々な国の評価や認定制度にチャレンジしてまいりました。その中で強く実感しているのは、やはり国からのお墨つきをいただける価値の大きさと実感しております。例えば、行政や民間企業を巻き込んで、中長期的なプロジェクトを進める初動段階におきまして、国からの制度的裏づけがあるということは地域の機運を醸成すること、または庁内連携をスムーズにするだけでなく、何よりも企業さんの参画、また民間資金を呼び込むための強力な呼び水になると考えてございます。ただ、認定を受けるための事務手続や手間、コストがあまりにも大きくなり過ぎると、実際小規模な民間団体さんや、予算の限られた本市のような自治体では、どうしても二の足を踏んでしまうという懸念点はございますが、取得負担に見合った実効的な財政支援やマッチング機会、そのようなものは具体的なインセンティブとしてパッケージ化していただければ、認定制度を置く大きな意義になるのではないかと考えております。
 2点目にありました制度の骨格に検討に対する論点に対する気づきとしまして、先ほどの資料1-2のスライド3にございました、自治体の関与の在り方という項目があったかと存じます。ここで少し、この現場の状況から重要と考える二つの視点に絞って、ちょっと意見のほうを述べさせていただければと思います。
 まず第1に「申請における自治体の関与の必須化とコーディネーター支援」というイメージを少しお話できればと思います。
 本制度では、企業や民間団体が直接申請できるオープンな設計が検討されていると思うんですけど、水環境というのはやはり極めて公共性が高いという部分、それと流域全体の管理とも密接に関わっていると考えます。例えば、意欲のある一部の団体だけで活動が閉じてしまったり、地域のビジョンと乖離したりすることを防ぐためには、民間申請であっても地元の基礎自治体の同意であったり、推薦というところで、地方自治体がしっかり関与していく、そのような仕組みが大切かなと考えています。
 第2に「他部局との複合的な連携」についてです。
 先ほどの本市の取組の中で森里川海の取組のお話をさせていただいたんですけど、保全活動を地域に定着させるためには、環境部局だけの取組で終わらせてはならないと考えています。例えば、水辺のごみ対策や環境保全は、土木であったり、まちづくり部門、また環境学習ということで教育部門、さらには防災なんかも連携していく視点が大切かなと考えています。
 今回、国が省庁横断の方針を本制度の骨格として明確に提示してくだされば、私たち自治体も現場での庁内連携の調整が非常に進みやすくなるのかなとは考えています。
 ぜひ防災、まちづくり、教育、地域コミュニティーなどの多面的な連携、これらの検討を論点に加えていただければと思います。
 地方行政側も民間や企業と手を取り合いながら次世代へ、豊かな水環境を紡いでいける実効的な制度設計をお願いしまして、私の意見とさせていただきます。
 以上です。
【古米委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、皆川委員、お願いいたします。
【皆川委員】 説明いただきまして、ありがとうございました。
 私のほうからは、先ほどもKGIというお話があったんですけれども、省としてやはりどこを目指すかというところだと思います。もちろんこの小委員会では良好な水環境の保全と活用に向けた制度や認定制度を設けるということが大きな目的にはあると思いますが、全体としてどこを目指していくのかというところがよく分からない部分があります。それは認定制度に関わる部分にも関係してくると思いますが、例えば、この小委員会は、施策の検討が目標とされているとは思いますが、その上段にある目標を一つ掲げていただくと、もう少し具体的になるのかと思います。
 それぞれが9ページにあるように、連携をして保全に結びつけるということは示されてはいますが、それをどう定量的な目標達成に結びつけていくのかというところがちょっと見えなかったと思いました。
 それは恐らく30by30であるとか、ネイチャーポジティブという観点からすると、自然共生サイトでいうと、現在610か所が認されているということですが、それが生物多様性の保全という観点からどの程度の目標達成になるか、その辺のところが具体的になり、ほかの施策と連携して国としての目標をどう達成していくのかというところを少し補足していただければと思います。
 2点目が、認定の制度ですけれども、私も湿地再生を行って、流域治水と自然再生の実装を行っているのですが、やはり課題となるのは、助成金とか資金が枯渇した後はどうするか、が課題になっていまして、高齢化と資金の課題を克服するため、企業にインセンティブを持たせるとことをお考えだと思いますが、恐らく自然共生サイトについては、OECMを認定に申請したいという企業はかなり多いためうまくいっていると思います。ただし、その持続性であるとか、今も前田委員からもお話がありましたけれども、それをどう継続していくか、共創をどうやって広げていくかということがすごく重要になってくるとおもいます。インセンティブをどう持たせて、持続可能性に直結するような認定制度をつくるということも重要なんですけれども、そのサポート体制として運用や計画、評価についてサポートを挙げられているんですけれども、やはりどうマネジメントしていくかが、すごく大きな課題となっています。それはどうやってお金を稼ぐかということも関わってきますが、そこをサポートできる人材、どう伴奏を取っていくかというような制度も重要だとおもいます。、認定だけではなくて、サポート体制がどういう現状にあって、どこが課題なのかということを明瞭にしないとなかなか有意義な認定制度にはつながらない可能性もありますので、その辺のところが今後の検討課題になるとは思います。つまり課題をかなり明確化しなければ、なかなか重要なところに届かない認定制度になるということが少し懸念されましたので、コメントさせていただきました。
 以上です。
【古米委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 はい、ありがとうございます。加藤でございます。
 先ほどから議論されております共通言語づくり、システムづくり、その先にある評価、認定制度となると思いますが、そこ点で幾つかコメントをさせていただきます。
 先ほど、ほかの委員からもご指摘がありましたように、観光も含めてですが、ウェルビーイングなどの評価は難しいところがあります。観光につきましては、その評価は今まで入れ込み数と経済効果というところが強調されてきましたが、近年それだけではなくて、そこからの地域への還元のシステム、仕組みがしっかりできているか、市民の方々の誇り、伝統産業の活性化、若い者の定住、お祭りの継承など、多様な評価指標というのができております。その中には定性的なものもあるというところから、同じような方向性が考えられるのかなと思っております。
 2番目に評価指標というのは当然ながら客観性のあるものです。しっかりと客観的な基準を持つということの意味合いというのが重要です。観光事業は特に地方では割と慣習的なつながりで成り立ってきたものも非常に多いと思います。もしそれがネガティブなものである場合、それらを打破していくというような意味合いでも、客観的な指標が重要になります。
 それから、段階評価という考えも盛り込まれております。スイスなどでも3段階評価にスイステナブルという国として設置されている評価指標というのがありますが、まず広くコミットしてもらい、裾野を広く拾っていく。そこから事業の実績がある段階、最終的には定期的な第三者の監査を受けているという、という3段階指標になっていますが、ハードルの低さと同時に、明確な目標、ステップがはっきりしていることが必要で、そうでないと取組へのモチベーションというのも上がってこないので、そのような段階の仕組みも重要であると思います。
 それから、ほかにも多様な制度があるので、何がどう読替えられるのか、先ほど制度の重複ということもありましたが、ほかの制度との読替えや差別化などの調整というのも重要だと思います。
 第三者の機関による客観的な評価が得られるというところが、インセンティブ、モチベーションの両方につながっていくような仕組みを考えていくというふうにいくといいと思います。
 先ほどから何回か出てきました省庁横断の仕組みというところで、スイス、ポルトガル、またオーストリアなどもそうですが、省庁横断の仕組みによりそこでまた新たな連携が生まれるというような、そんなパッケージになっていくとよいと思います。
 それから最後に、様々な国際認証とのつながり、それを前面に示さないとしても、国際認証との整合性があることが確認されていれば、その認証制度そのものの今後の発展性ということを考える上でも重要になってくると思っております。
 私からは、以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局からお願いします。
【森川環境創造室長】 はい、ありがとうございました。
 まず前田委員からコメントをいただきました、活動開始より継続のほうがなかなか現場では大変であると。これは同じ観点で皆川委員からもいただきましたが。保全と活用という方向性に対して、バックグラウンドも含めてコメント、賛同の方向性をいただきましたが、一方で手間だったり、申請に係るコスト、認定に係るコストがかかると、企業など、二の足を踏んでしまう部分があるので、資金を含めたマッチングなどをパッケージとしてちゃんと提示されるのがいいんじゃないかというコメントだったかなと思います。その視点は引き続きちゃんと重要視して、提示・検討していければと思っております。
 また、あと水環境について公共性が高いということで、自治体のコミットというものがしっかり重要なんじゃないかと。また、自治体の中でも複数部署が関係しているという点で、国のいわゆる省庁間での連携の方向性も見えると、要は、自治体の単位でも、より一層効率的に連携が進むんじゃないかというコメントもいただきました。
 制度の今後検討していく制度の中なのか、一方で、里海をはじめ、水環境については関係省庁とも連携というか、相談、情報共有をしながら取組を進めておりますので、そういったことをやっているという状況というものをしっかりと示していくということなのかなというふうにも思っております。制度の中なのか、また引き続き運用の中でやっていくのかというのは、こちらの中でもしっかり検討してまいりたいと思います。
 皆川委員から、まずそもそも全体として大上段としてどこを目指すのかという点が分かりづらいというコメントをいただいたかなと思います。
 目標設定ともリンクするので、ちゃんとその大きな方向性を踏まえて、この委員会の中、この制度の中でどこの役割を担うのかというのがちゃんと分かりやすく整理すべしというコメントだったかなというふうに思います。次回以降の委員会の中でしっかりその点は提示できればと思っております。
 また、個別の取組での関わりもあるという点で、認定制度がちゃんとワークをしていくためにも、また認定制度が地域の取組をちゃんと継続していくのに有効に働くという点でコメントもいただきました。単純にその瞬間に認定をしただけではなくて、その後継続していくという点がやっぱり地域にとっては課題になっているので、そこに向けたサポート体制についても、この認定という、そこの認定という仕組み、評価という仕組みだけでサポートできるのかというコメントだったかなと思います。
 資料1-1でご紹介したとおり、パッケージ全体として水環境の創出・保全と活用の取組をフォローしていければというふうに思っています。その点はちゃんと意識して、要は認定制度だけで全てをフォローできるわけではないという点もちゃんとしっかり意識して、その他、現在ではモデル事業とプラットフォームというものを行っておりますが、それらもしっかり拡張していきながら、認定制度としっかりコンビネーションでフォローできればと思っております。
 加藤委員からは、今後に向けたコメントをいただけたかなと思っております。
 評価について、また評価だったり国際認証との関係について、今後認定制度の中身を詰めていく段階で、今いただいたようなコメント、観光という視点をベースに事例を踏まえてご指摘をいただきましたので、コメントを踏まえて今後中身を検討していければというふうに考えております。
 はい、以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございます。ほかによろしいですか。
 それでは、和田委員から順々にお願いします。
【和田委員】 はい、和田です。丁寧なご説明ありがとうございます。非常に明確になってきて、良好な水環境が具体的に示されているのは、非常によいことだと思いました。
 その中で1点、1-1の課題のところで、類似の取組を実施する団体同士のネットワークづくりという話、例えば琵琶湖淀川流域でいろんなNPOさんとか活動団体があるんですけども、そういった市民の活動団体の方々は、横のつながりがありまして、隣がどういった活動をされているかというのを気にしながら、また、いろんなことを巻き込んでやっているところがあるので、そのネットワークよりか、どちらかというと力を入れるのは、下の企業のマッチング等の不足、これが結構重要だと思うんですね。マッチングを促す取組の質の担保・評価が不足点に挙げられているんですが、次のところの施策パッケージの中で、企業さんは資金的な支援ということで、その活動を維持していくために非常に重要だと思います。また、そういった施策のパッケージで動かす場合、この中でフィードバックと書かれているんですが、そのフィードバックの方法というのが重要になってくるのかなと。いわゆる改善であり、見直して、そして、取り込んで、循環で回していくという中で、ここの取組支援には、技術的な支援、それから資金的な支援の他に、何らかの学習の機会、学習機会の支援を、またそういったものを提供するような教育的な支援というものが必要ではないかというふうに感じております。
 そういったことをすることで、そこに書いてある地域の取組で継続的にするために、その深化と質向上。すなわち、今の取組をさらに深めて、さらに良好な水環境にしていくためには、様々なものを学びながら、その時代時代の環境の変化に適応していくような内容に進めていかなければならないので、その取組の深化、質向上につながるためにも、学習機会とか、トレーニングといったものを支援しながら、この施策のパッケージの中でフィードバックをして、スパイラルアップをしていければいいなというふうに感じました。
 以上です。
【古米委員長】 それでは、星野委員、お願いします。
【星野委員】 はい、星野です。ありがとうございました。
 方向性、説明をいただいた部分については、賛同したいと思っております。
 前田委員がおっしゃっていたことに補足というか賛同して、それに補足するような形ですが、やはり他部署との連携ですとか、そういったところ、防災とか教育というのは大事だなと思っております。これに加えるとして、健康増進につながるということをもう少し全面的に言ってもいいのかなと。これだけ気候変動で熱中症とか大変なときに、皆さん健康のことも考えていると思いますし、それがインセンティブというか、関わるメリットになるのかなと思いましたので。お話を聞いていて住民福祉につながるといいますか、健康、ウェルビーイングでもいいんですけれども、健康につながるということもポイントとして入れるといろいろな方が関わりやすくなるのかなと思ったので、その点を申し上げました。
 あと論点の中で認定のオープン性のところで草の根的な活動の包摂の仕方というのを書いていただいて、これも私はぜひと思っているんですけれども、とはいえ、非常に難しいと思うので、お墨つきがとか、認定されていいことがあるということは、そんなのなくてもここが好きだからやっているみたいな人たちもいると思うので、そういう人たちへどういう言語で語りかけたらいいのかなというのを一緒に考えていけたらいいなと思います。
 一つヒントとしては、やはり生き物が好きな人たち、自然が好きな人たちが多いので、そういう意味では、その方々の持っている生き物へのまなざしといいますか、トンボの視点だったりとか、昆虫の視点みたいな、何かそういった生き物の立場に立ってというような語りかけなども一つヒントになるのかなと思ったので申し上げました。
 あともう1個だけすみません。同じ個所で、認定が他の取組を排除しない仕組みと書いていただいていましたけれども、これも大事だと思います。また一方で、排除しないじゃなくて、その相乗効果といいますか、ほかの認定にも裨益するような、そういったシナジーというんですか、そういったふうに考えるのもいいのかなと思いました。
 以上です。
【古米委員長】 はい、ありがとうございます。
 それでは、今野委員どうぞ。
【今野委員】 今野です。
 資料1-1の6ページについて、先ほど和田先生がおっしゃった団体と企業とのマッチングについて企業側で行っている活動の例を紹介させていただきます。
 たくさんの企業がいろいろな視点で地球環境の保全とかに対して、近隣住民の方とか、自治体の方と一緒になって活動をしていると思うんですけれども、今回ご紹介するのはボランティアです。社員の希望の額をお給料から控除して、社会的な活動をしている団体先へ寄附金を積み立てるというような活動をしております。資源は寄附金、社員からの有志の寄附金ということになります。企業側で重点支援活動分野みたいなものを決めて、そこに当てはまるような社会活動をなさっている団体さんに対して寄附をします。その重点支援活動の分野の中には、地球環境の保全というところがありまして、海ごみの市民調査とかクリーンナップなど、そういう海洋ごみの問題解決に向けて活動しているNPOの方々に寄附をして、その方々と一緒にビーチクリーンなどを社員有志が共に活動しています。
 海だけでなく、里山の保全にも参加したりしているんですけれども、このNPOさんと企業のマッチングは、やはり寄付先を決定するのが大変なので、何かしらの指標があったりすると、とても寄附をしやすかったりとか、こういう活動に賛同しやすくなったりとかすると思っています。
 この例においては、モニタリングとかの面で課題はあるとは思いますし、ボランティアということで長期的な活動も不確定なところもありますので、あくまで参考という事でご紹介いたします。
 もう一つ、資料1-2の認定制度についてなんですけれども、懸念点があり、感じた点を三つほど申し上げさせていただきます。
一つは定期的な監査というか、チェック機能体制があったほうがいいのかなと思っています。もちろんこの認定制度を構築いただくこと自体あったほうが、各団体のモチベーションアップとか、資金調達しやすくなっていいと思うんですけれども、活動が目的に対してそぐわない団体さんがいたりすると、その認定制度の信頼性を損なう可能性もあるのかなというふうに考えています。なので、適切、かつ計画的に水環境の保全・活用を推進するには監査またはチェック機能が必要なのかなというふうに考えています。
 二つ目の懸念は、認定制度とか活動がいっぱいあり過ぎると、地域の方とか、市民の方とかが何をどうしたらいいのか分からないようなことに陥らないように、できれば関係するようなもので統合するのも一つの案なのではないかなというふうに思っています。先ほど自然行政のほうではワンストップで手続もできるというふうなお話もあったと思うんですけれども、制度の数の分だけ事務手続の増加につながることがないような、なるべく簡素化できるところは簡素化していただければいいのかなというふうに思います。
 三つ目の懸念ですけれども、名水や里海づくりなど水に限定した認定制度だけではなくて、生活の環境の全般に認定があるべきかなと思います。今回は難しくても、将来的には縦割りにならないような、そういう仕組みにしたほうが好ましいのではないかなと感じております。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。何かあれば。
【森川環境創造室長】 はい、ありがとうございます。
 今後の検討に向けて和田委員、星野委員、今野委員からそれぞれコメントをいただいたかと思っております。ご指摘を踏まえて、しっかり中身の検討を進めていければと思っております。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 次。では、簡単にお願いします。
【内山委員】 認定制度についてコメントをしていなかったので、申し上げたいと思います。
 認定制度そのものについては非常に良い施策だと思いますので、方向性としては強く賛同します。ただ、自然共生サイトとのオーバーラップの懸念については春日先生がおっしゃられていましたけれども、私の理解では生物多様性を主体とした自然共生サイトと、今回の水環境を軸にした地域広域の取組の認定という意味では、十分にすみ分けることはできるのかなと思いますので、その辺り、しっかり整理をしていただいたらと思います。
 インセンティブが何なのかという話と、質保証の話の2点について意見を述べさせていただきます。
 インセンティブ、要するにこの認定制度をつくったときにどのようなメリットが活動団体にあるのかということについては結構大事で、先ほど加藤委員が言われたように、国際認証と並ぶようなレベルまで目指していくと、非常にプレミアム感が出ると思います。認証獲得によって観光資源や教育資源としての価値の向上、寄附や投資を獲得する、あるいは里海の場合だとブルーカーボンとの連携など様々なメリットがあって、それがインセンティブになると思います。一方で、特に里海の場合ですと、活動したけれどもうまくいかないというケースもあるので、認定に関しては、まだ制度設計するような段階ではないのかもしれませんけれども、計画や活動を評価するフェーズと、さらには、それがサイクルとして、システムとしてうまく回って完成形に近づいたときに認定するというような2段階、3段階の認証制度があってもいいのかなと思います。
 認定制度のプレミアム感をある程度維持するために必要なことは、何人かの委員の先生も言われていましたけれども、質保証になると思います。いろいろ申し上げたいことはありますが、1点だけ、専門家によるエキスパートジャッジがやっぱり大事だと思います。適切な調査なしに海藻を植えてみたけれども失敗したとか、里海の現場では、認定することが逆に環境劣化を促進してしまう場合も実際にありますので、やはり専門家によるジャッジを通して、継続的なフォローアップをして、場合によっては認定取消しの仕組みを盛り込むことも当然必要になると考えます。エキスパートジャッジは、環境保全活動でしばしば問題になるグリーンウォッシュを防ぐという観点からも非常に大事なので、活動の成果が出たかどうかだけではなくて、繰り返し申し上げているように、モニタリングをするとか、データを公開するとか、計画を見直してPDCAを回しているとか、そういう管理プロセス自体を評価するという視点が大事かなと思いました。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございます。
 大久保委員、簡単にお願いします。
【大久保委員】 今までのお話を聞いておりまして、1点目は、他法令との関係では観光に関しては、例えば、エコツーリズム推進法とか、環境教育は環境教育促進法に、それぞれ認定制度がございます。観光に関しては、エコツーリズムであることを前提にするのかとか、他の認定制度にはまだまだいろいろあると思いますので、そういうことはちょっと整理が必要かと思います。
 それから2点目は、認定にもいろいろなレベル感があるということが確かにあると思いますので、認定のレベル化ということ以外にも、例えば登録制度と認定制度を分けてみるとか、そういう考え方も考えとしてあり得るかと思います。
 それから三つ目は、インセンティブですけれども、活動のPDCAということに関しましては、その活動のPDCAだけではなくて、政策への反映という意味では、例えば政策に対して、既存の施策に対して意見を言えるような政策提案みたいなものを認定制度とくっつけていくとか、もちろん幅広い市民が別途意見を言えることは前提ですけれども、そういう形での政策を含めたPDCAもあると思います。それから先ほどちょっとだけ出てきていたのですけれども、一部の企業の中には、特にグリーンインフラの文脈で、クレジットやそれからオフセットとしてのカウントへの期待が非常に強い。それは、かなりかっちりした仕組みがないとできないことだと思いますので、そういうことを含めたことを将来展開するのかどうかという辺りも、中長期的には考えておくべきだと思いますが、それはかなり別途に考えないと難しいと思っています。
 以上です。すみません。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。何かあれば。
【森川環境創造室長】 ありがとうございます。
 内山委員と大久保委員から最後コメントもいただきました。
 内山委員からは、メリット、インセンティブのところでの点について、今後の検討につながる点。先ほど加藤委員からのコメントもありましたが、段階的に認証するというのもありなんじゃないかというのと、あとグリーンウォッシュ等、不適切な取組を防止する仕組みというものが必要なのではないかというコメントをいただきました。今後の検討に生かしてまいりたいと思います。
 大久保委員からも本日関係部署からご紹介いただいた制度以外のところも関係するものがあるんじゃないかという点で、こちらについては、今後検討を進めていく上で、もしこの制度として外向けにしっかり出していく段階に至ることがある、できれば、その段階ではしっかり関係制度との関係というのは示していかないと、現場での混乱等も来すことになるかなというふうに思いますので、こちらの内部でもしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。
 あと認定のレベル感については、関係者、ほかの委員からのコメントもいただいたとおり、また、今後の展開として、グリーンインフラ、オフセットへの関心というか、感度が高い企業等に向けては中長期的な視点でのコメントもいただいたかなと思います。こういったところもしっかり念頭には置きながら、今のこの制度の検討の中で、何ができるかというのをしっかり考えてまいりたいと思います。
 最後、内山委員から共生サイトとのオーバーラップ、これは春日委員からもコメントもいただいたところですが、生物多様性と水との関係ですみ分けられるのではないかというところのコメントもいただきました。こちら本日もネイチャーポジティブ推進室からご参加をいただいていますが、しっかり関係をうまく相乗効果を図れるような制度を、私としては検討してまいりたいと思います。
 奥田室長からコメントあれば、お願いいたします。
【奥田地域ネイチャーポジティブ推進室長】 ネイチャーポジティブ推進室の奥田です。
 いただいているコメントを聞くと、やはりこういう活動認定をしていく自然共生サイトにも共通する部分が多数あるなというふうに感じました。制度がいろいろなものが乱立して、訳が分からなくなるというのは避けたいんですけど、先ほどもありましたとおり、制度と制度の間でうまく連携して相乗効果を高められるようなものにできれば大変ありがたいと考えておりますので、その辺りはしっかりと中でも議論して検討していければと思います。ありがとうございました。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 全体として、ご提案の制度の方向性で、今回の論点の議論を踏まえて進めていただきたいということだと考えます。いろいろな観点からご指摘をいただきましたので、今日のご意見を踏まえてさらに精査していただきたいと思います。私としては、何か幾つかのパターンで制度を考えていただくとよいと感じます。どういう制度方式だと、どの点が強いのかというような議論ができるとよいかと思います。論点だけで具体的でないと議論がしにくいので、具体性のある制度案なり、想定される幾つかシナリオを出していただくと、それぞれの良いところ、弱いところ、改善しなくちゃいけないものが分かるのではと感じました。是非、具体性のある案を考えていただくといいかなと思います。どうもありがとうございました。
 それでは続いて、事務局より資料の2を用いてご説明をお願いいたします。
【鈴木環境汚染対策室長】 資料2をご覧ください。
 今度はモニタリングの部分の議論でございます。
 スライドをおめくりいただきまして、スライド2ですが、前回ご指摘をいただいたことを大体五つくらいに分けまして、それぞれについて今後の方向性ということでまとめましたので、またご意見をいただければと思っております。
 スライド3でございます。
 まず、多面的モニタリングの中身の話とか、指標の在り方ということでございます。
 前回いただいたご意見ですね。6軸の地域とか利水の観点というのは、モニタリングというより情報整理という形じゃないかとかですね。「良好な水」というのは、常時監視でも測定しているので、改めてやらなくてもいいかもしれないといったこととか。
 3点目の指標については、測定可能な指標とすることによって比較可能なものにすることが重要であると。
 4点目として、今回示したものだと海域にはそのまま適用できないんではないかと。こういったご意見をいただいたかなと思います。
 スライド4に今後の検討の方向性ということで書いております。
 まず多面的モニタリングの6点、確かに下の表にお示ししたように4点(水辺、生き物、水質、水量)と、2点(地域のつながり、利水・産業)というのは、確かにちょっと毛色というか、性質が違うところもあるかなと思っておりますが、多面的モニタリングとしてはパッケージで考えていきたいなと思っております。その上で上の4点は現地踏査によって調査するということで、ポイント、ポイント、地点、地点ごとの調査を基本にしたいと思っております。下の2点は逆に水域ごと、例えば河川ごととか、そういったことで調査をしていくことになると思いますし、かなり既存にまとまった資料というのもあると思いますので、そういったものへのリンクというか、そういったものへの参照ということでもいいのかもしれませんので、そういったことで少し毛色は違うかなということで、そういう整理をしてみました。
 それから常時監視でやっている水質なんかは、なるべく可能な限り使えるものは使っていくことが大事かなと思いますので、良好な水質の重点調査のところに可能な限り付近の常時監視データを活用といったようなことを書いてみました。
 海域につきましては、ベースはこのようなベースで考えていきたいんですが、それぞれの指標となるとまた異なるところが出てくると思いますので、別途検討をしていくことが必要かなと思います。
 次のご意見ですが、スライド5につきまして、指標についての定量的なものとか、比較可能ができるようなものということでございますが、この指標については、そういった定量的なものに加えて、相対的なものとか、定性的なものも含めまして、国民の皆さんの実感にあったものを分かりやすい指標を幅広く検討していけたらと思っております。前回もお示ししましたけども、2011年の検討会の取りまとめでも、そういった定量的なところのみならず、定性的なというところもいただいています。環境基準について国民の実感に合った分かりやすい指標をもうちょっと考えていくべきじゃないかというようなご指摘もいただいていました。
 例えばなんですけども、スライド6で、ごみの散乱状況などについては、水辺の状況を総体的に把握できるような指標について、参考となるような写真などを示しながら、ガイドラインで示すですとか、こういったことをやることで、例えば上流・下流、ほかの水域との相対的な把握というのができるようになるんじゃないかなと思っております。例えば100平米当たりのごみの数というようなことでカウントして、もうちょっと精緻にやっていくというやり方もあるかもしれませんけども、やっぱり複雑になってしまいますし、手間にもかなりなってしまうということがあるかなという懸念もあります。また、そうではなく、例えばたまたまごみが多い日に、たまたま多い場所を測ったら多いということになっちゃうよねというご指摘もあったかなと思うんですけども、やっぱりそこは比較ですね、ほかの水域との比較とか、下流・上流の比較なんかができやすくなるかなと思います。そこにごみがある、たくさん落ちているよという事実をしっかり把握していく。これまでこういったごみがあっても、今まで水質で、例えばBODが満足していれば、それで環境基準は丸それで以上というような状況から、視点を広げていくというところを重視をしていきたいなと思っておりますので、手間のところ、業務量等の負荷を考えながら、分かりやすいものも今回取り入れられたらと思っております。
 スライド7でございます。活用が大事、重要であると、モニタリング結果の活用ということでございます。今後の方向性のところですけども、活用例を幾つかガイドラインとしてお示しをしていきたいと思っております。活用例1ですけども、Webでの情報公開ということで、当然、情報をモニタリングしたら結果を公表していくのは当然なんですけども、分かりやすくですね、例えばこういうマップでお示しをして、上流・下流をクリックすると、そこの状況が分かるみたいなことにすると、上流・下流での比較もできるし、ほかの河川とかとの比較もすごくやりやすくなるかなと思っています。それから活用例2、自治体内部とか市民向けの情報提供等ということで、これも当然かもしれませんけども、庁内・関係者の情報共有という、右側の表に書きました。当たり前なんですけど、なかなかできているようで、できていない部分もあるかなと思っております。土木・まちづくりとか、教育・博物館といった関係部署と結果を共有すると、そういった部署での施策に生かしていただくと。一方でそういった河川部局とか博物館等でもかなりいろんなデータ、資料をお持ちなので、あと地域の大学とか研究機関、高校なんかも含めてだと思いますけども、そういった方々が持っているデータを共有するということで、お互いに情報データの活用なんていうのが進むんじゃないかなと思っております。また、一般向けの情報共有なんかもこれも当然なんですけども、説明会だけではなくて、参加型のワークショップですとか、例えば地域では長年調査をしていただいている団体さんなんかもあるので、そういった方々と一緒に調査結果の発表会をやるみたいな、こういった例もガイドラインなんかでお示しできたらいいかなと思っております。
 次のスライド8の活用例、地域の施策、施策への反映と対策の推進ということで、モニタリングの結果ですね、例えば具体例1と左側に書きましたけども、豊かな生き物という指標が大変良好であったということであれば、今まであまり気づいていなかったところ、そういった点、地点も地域の生物多様性地域戦略などで位置づけて、さらに保全が進むようにしていくですとか、具体例2のほうですが、例えば、快適な水辺というところで、ごみの散乱がかなりあったと。ほかの地域に比べてちょっと多いよねというのが分かってくれば、やっぱりその地域のごみの管理というのに何らかの課題はあるだろうということで、そういった部署と連携して、そういった対策の推進強化なんていうのを考えていくと。こういったものに使えればいいんじゃないかなと思っております。
 スライド9ですけども、環境政策上の役割ということで少し整理をしてみました。
 真ん中に規制的手法、経済的手法、情報的手法といろんな考え方があるんですが、よくこういう感じで三つぐらいに分けて環境の制度が整理されることがあると思いますけども、こういったそれぞれ、規制的手法なら水の場合は排水規制なんかが代表的なものですけども、こういったものも今まで水環境のモニタリングのデータとかというのが、こういった政策の根拠の一つとなってきたわけですけども、今回の多面的モニタリングはこのうちの情報的手法というところの施策の強化ということにも言えるかなと思っております。水辺への関心が低下しているようなところに、今回のような多面的なモニタリングの情報を提供することで、市民の方の意識醸成促進ですとか関係機関と情報共有するようなことで施策への反映ですとかということにつなげられたらと思いますし、他の水域との比較というのを通じて、さらにある意味競争的なことにもなって、いい水環境の取組が促進されると。結果として、水環境がよくなって住民の皆さんの満足度が上がるというところを目指していければなと思っております。
 スライド10も今、お話申し上げたことと同じようなことです。ここまでうまく理想的には回らないとは思うんですけども、こういったところを目指して、モニタリングを実施することで情報が入手しやすくなったり、そこが近づきやすいんだなという場所が分かると。そうすると、その事業、活動とかに関心を持っていただくとか、参加しやすくなっていくと。いろいろな活動や地域の事業が活性化をされることで、良好な水環境になっていく、水環境が改善すると。その結果、またモニタリングをして、モニタリングの結果がよくなると。こういった循環ができたらいいかなと思っております。
 それから、スライド11ですけども、前回、多面的モニタリングをやることは追加的な業務になるんですけども、常時監視の一部部分の合理化をしてというようなご説明をしてしまったところ、ちょっと絵がそういう強調をされてしまっていましたので、ちょっと実務、予算に限りがある中でどう考えたらみたいなところが、実務を意識し過ぎてしまったかなと思いましたので、そもそもどういう考え方でやっていくのかというのを少し整理をしてみました。水環境のモニタリングの在り方の検討という文脈でやっていくんだろうと思っています。1番目の矢印は、これまでもご説明をしていますように環境基準の達成率は高く、大変高く推移をしています。これを維持をしていくと、さらによりよい水環境を目指すためにモニタリングというのは今後どうあるべきなのか。こういうのを考えたときに、一つ目のチェック印ですけども、そこで水質面のみじゃなくて、水辺とか生き物とかという多面的なモニタリングをこのモニタリング体系に組み込んでいくことが大事だろうと。あわせて、以下のような見直しということで、今までやってきた測定項目とか測定地点の見直し、例えば、水道水源にもちょっと重点化してもいいかもしれませんし、海域でこの項目は、そこまで全ての地点でやる必要があるのかなみたいな項目もあったりするかなと思います。「効率化・重点化手引き」というのはあるんですけども、これをもっと積極的に活用していくですとか、国民の感覚と乖離していると指摘されている指標、さっきの2011年の検討会でも指摘をされていましたけれども、そういった指標の見直しですとか、さらに測定技術とか測定精度も今の精度で全ての地点でやっていく必要があるのかどうかですね。もう少し幅広くスクリーニングをしていくというようなやり方もあるかもしれません。こういった技術も使いながら、こういった検討の中で現在と比べて全体として、この業務量やコストが大きく増減しないような制度、こういう中で考えていくんだろうということで考えております。
 そうは言っても、多面的モニタリングがどれぐらいの費用感覚なのかというのは少し試算をしたのがスライド12であります。Case0というのが今の測定費、常時監視をやっている場合の費用の算定をしていました。Case1は調査地点数を減らさずに下流側の調査頻度を今、月に1回基本、やっているんですが、これに年6回、2か月に1回にしてみましたと。健康項目については現状から変更なしということ。多面的モニタリングは、前回ちょっと制度の案ということでお示ししましたけども、3年間で1周するぐらいの形でやると。1年に全体の3分の1の地点でやると。簡易調査と重点調査の比率が2対1ぐらいの感じで費用を算定していましたと。大体、これは実際の二つの県と一つの市の現在の調査地点と調査項目数から費用算定をしてみました。県だと大体6,000万円から7,000万円ぐらいかかっていると。市だと2,000万円ぐらいという中であります。Case1のところで多面的モニタリングをこの仮定、備考のところに1日5地点で作業時の仮定によっても多少変動しますけれども、どれぐらいの費用感覚なのか。現場踏査というところがかなり中心でしたので、そこまで高度な分析機械を使ったりするわけではないということで、多面的モニタリングは数百万、B県の場合は地点数が多いので800万円近くいっていますけども、全体としてはプラス、マイナス数十万円の範囲内ぐらいでできるんじゃないか。これからの指標の検討とかによって変わってきますけれども、費用の感覚としてはこれぐらいじゃないかということで参考でお示しをしております。
 スライド13ですが、推進員のような制度の活用とかSNSの活用とかということのご意見をいただきました。
 推進員のような、これ静岡市さんの例ですけども、こういうのもあるし、ほかの法令でも推進員制度というのは、法律に位置づけてやっているようなものもあります。そういったものも参考にして、今、実際に地域で活動をされているような方々の調査結果なんかも可能な限りうまく生かしていければいいかなと思っておりますし、SNSについても事例も既に民間のほうで出てきているので、こういったものを参考にして何ができるのか考えていきたいなと思います。
 最後ですけども、人材育成、技術的支援というスライド14でございます。
 当然人材育成、必要な知識、生物環境DNAとかをお示ししましたけども、そういったところの説明会とか研修なんかは必要ですし、地方環境研究所との連携というのもここに記載をしてみました。さらにガイドライン、前回はですね、例えば、生物多様性と経済性の観点で競合するような場合もあるんじゃないか。そういったことのトレードオフなんかの考え方についてもガイドラインでお示しをしていけたらと思っております。
 今後の検討の方向ということでまとめてみましたので、ご意見をいただければと思います。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 前回お示しした内容についてコメントいただいて、新しくバージョンアップしたものをご説明いただきましたけれども、何かご質問、ご意見があれば。
 それでは、春日委員どうぞ。
【春日委員】 ご説明ありがとうございました。
 前回は、行政主体ではなく住民主体で進めるべきではないかという趣旨で発言しましたが、本日の議論を伺い、行政が主体となって制度を進める方向性も重要であると思いました。その上で、3点コメントいたします。
1点目は、国土交通省が実施している「河川水辺の国勢調査」との連携についてです。生物調査などの点で本制度との親和性は高く、今年度から環境DNAが調査項目に加わるなど、新たな取組も進められています。省庁間で連携できる部分は積極的に連携し、既存の知見を活用しながら、例えば調査頻度を高めるなど、環境省独自の役割を付加することで、制度の特色を明確にできるのではないかと考えます。
2点目は、住民参加についてです。本日の資料では、SNSや「水辺へGo!」アプリをご紹介いただき、行政が把握する水環境と住民が実際に感じる水環境との間にギャップがあることを課題として認識されていることがよく理解できました。多面的モニタリングに加え、その取組から発展する形で、住民がスマートフォンを持って水辺を歩き、気づいたことや写真を投稿するような参加型イベントを実施することも有効ではないかと考えます。住民の主観的な評価や気づきを収集することで、水環境への関心や参加意識の向上にもつながると思います。
3点目は、モニタリング手法の高度化についてです。ごみの状況を把握することは重要ですが、現状のように目視で数を数える方法だけでは、AIやDXが進展する現在の技術水準を十分に活かしているとは言えません。本制度は、新たな技術開発や投資を促す契機にもなり得るため、環境DNAの活用に加え、AIや画像解析などの先端技術を積極的に取り入れたモニタリングへの発展を期待します。例えば、ドローンを活用して河川全体を撮影し、ごみや外来植物の分布をAIで解析するなど、新たなモニタリング手法についても検討する価値があると考えます。
 以上です。
【古米委員長】 それでは、オンラインで皆川委員どうぞ。
【皆川委員】 ご説明いただきまして、ありがとうございました。私も今のご意見とほぼ同じです。
 国土交通省では、二、三十年のデータを解析したり、現状の評価及び今後の目標設定にもつながるような解析が行われています。恐らくこちらのデータにつきましても、7ページの省庁連携ということがすごく重要になってくると思います。以前、水温がどの程度地域で上昇しているかということを解析したことがありますが、長期的な視野で今後の方向性を目標設定する上においても、今回の多面的なモニタリングの結果はすごく重要になると思っています。ぜひ、Webでの情報公開やDX化とかAIというお話がありましたが、データベース化し、政策に展開できるよう考えていただけるとありがたいと思います。
 モニタリング結果としては見られますが、長期的な投資、例えばデータベースを構築するということも、環境省さんでも進められているとは思いますが、例えば国土交通省さんと連携を図ることが重要なると思います。気候変動適応という観点からも重要ですし、今ほどお話にありました外来種の拡大の状況も捉えられると思います。。ある地域では住民のモニタリングでスマホで撮れば判別でき情報も蓄積されるシステムもどんどん出始めていますので、長期的につながるようなシステムづくりというか、データベースづくりをぜひ進めていただければと思いました。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。ほかに。
 それでは、鈴木委員、西嶋委員、浅見委員の順番で。
 まず、鈴木委員どうぞ。
【鈴木委員】 はい、ありがとうございます。
 方向性として4枚目に書いてあるもので、確かに良好な水質というもの以外の水辺とか生き物というのは、多分水質だけで把握できないものだってあったので、こういうのを把握するための多面的モニタリングを目指す方向性自体はいいことだと思いました。ただ、四角の「整理」と言ったのは私だと思うんですけども、その次のところに定量的ならずとも定性的に表すことができる指標は検討という趣旨は、それはそうなんですけども、どうなんですかね。定性的ということでも、少なくともあるか、ないかということは区別するんじゃないかと思うんですが。私が言いたいのは、定量というのは、別に統計学でいう間隔変数を取らなきゃいけないと言っているわけじゃなくて、せめて順位とか類別とか、あるのか、ないのかを定義できるものでなければ、それは指標にならないというのが私の意見です。
 これは、後ろのほうの使い方を見ると、情報を共有するとか、反映するとか、取組の促進とか、他水域の比較とかをするとなると、それができない指標というのは、ほとんどフェイクに近いもので、全く使いものにならないという感覚です。
 それをしたら、それは必ず数字にする必要はなくて、1.1、1.0と比べる必要はないので、ただし共有できなきゃ駄目、というのが私は基本だと。最低線ではないかと私は思います。
 ごみの写真のところは拝見しましたが、これもいいと思うんですけども、私は有効だと思いますが、この図は左側が少なく、右側が多いと並んでいますよね。この並びができなければ意味がないと私は言っているのであって、その定義が必要で、それは基本的にはごみの数を数えるとそういうものになると私は思いますので、数えるというのは、全然心配しなくて、生物だったらそれは当たり前で研究所なら常にやっていることで、AIにしていくのは結構ですけれども、それはそこから始まると、まず数えるところから始めなきゃAIがつくれないので、当然そこから始まると。
 あと、この中に多分写真の撮り方とか、幾つかのガイドラインは必ず必要なはずで、写真を撮るとなったら、ごみが集まっているところを写真に撮ることもできます。逆もできますので、その指標は多分この比較にも進歩にも使えないと僕は思います。というところは考えていただきたいですが、それはとにかくそのぐらいの定義は必要で、ただそれはガイドラインを作って皆さんが練習すればきっとできると思うので、そういうものをつくったらいいんじゃないかと私は思います。
 それで、あと最後にそうですね。あと少し言いたいのですが、SNSもいいかもしれませんが、SNSの場合は今度SNSをどう使うかということですかね。それもまたいずれにしても、皆さんが参加できて、楽しくやることをやることを全く妨げる必要はないし、いいことだと思いますけど、何がしか、それが比較可能性というのは今申しましたように、間隔変数はなくてもいいけども、類別ぐらいできるようにしておかないとちょっと無理だというふうに思います。
 それから、あと最後にモニタリングのところでBODとCODがよく出てくるんですけども、この達成率が高いからというのは、BODとCODが水質汚濁の指標として有効であると、現在も全く変わらないと思いますけども、この指標がここで目標にしている良好な水環境の指標としては有効ではないということを言っているのであって、それを多少切り替えることはあるかもしれないと思います。その場合にはBOD、CODの指標を何か違うもので置き換えていくような検討を、かなり技術的な検討になるんだと想像しますけれども、検討すべきであるということを意味していると僕は思っております。
 以上です。
【古米委員長】 それでは、西嶋委員どうぞ。
【西嶋委員】 ご説明ありがとうございました。
 私からは2点ありまして。一つは、今回の多面的なモニタリングということで、水質以外に生物とか景観とかいろんなものが入ってくるという取組で、活用事例、活用例としてちょっとご紹介をいただきました。それがそこの場所の環境の保全とか、そういう意味ではつながって、環境学習も含めて、そういうものにつながったらいいなというところをご説明いただいたと思っています。
 それを聞きながら思うと、今日の前半の話ですよね。前半の取組をどういうふうに制度化していくかという話があったんですが、これは多くは、半分ぐらいが企業さんで、市民団体とか、行政はあまり割合は高くなかったと思うんですが、そういう活動と実は結構似たような話になってもいいのかなという気がちょっとしています。今、鈴木先生のご発言がありましたが、厳密にどこまでやるかという話は無論あるのですが、それだけではなくて、やっぱり市民が集いやすい、関心のある、足を運びやすい場所を多分選ばれるので、そういう場所の環境を多面的に調べて、それが市民の理解、水辺に対する関心を高めるとか、活動につながるような、なんかそういう形で制度を組んでいったらいいのかなというのを一つ思いました。
 もう一つは、従来のモニタリングの話なんですが、たまたま私は研究関係で、河川のモニタリングのデータを眺める機会があったので、思うんですが、やっぱりモニタリング地点の設定というのが、例えば河川だと均等に設定されているわけじゃなくて、特定の例えば河川の支流に五つも六つも測定地点が入っているけど、ほかのところは全くないとかですね。多分いろんな過去の経緯があって、モニタリングの地点が多分設定されていると思うんですが、やっぱりそろそろ1回見直すべき時期にはあるんじゃないかなと思います。過去は過去として、現在は本当にそういうある意味の偏りが妥当なのか、どうかというようなことも含めて見直したらいいんじゃないかなと思っています。
 それと例えば、河川だと環境基準はBODなんですが、実際のデータを見せていただくと、もうほぼ確実にCODも一緒に測られているとか、窒素、リンは環境基準に入っていませんが、窒素、リンも結構な割合で入っているし、毎月取られているところもあるし、新規で取られているところもあるし、全く取られていないところもあります。
 多分いろんな過去の経緯があるし、特に私がいるところは瀬戸内海なので中心に見ているところは広島なので、総量規制の関係もあって、窒素りんを測っているとか、CODも測っているとかという、多分それもあると思うんですが、その辺もだから多分いろんな過去からの経緯があって、この場所ではこういう形で測りましょうということに多分なったと思うんです。現状は大分変わっていますので、その測定地点であったり、測定項目というのもやっぱり1回見直すということは、この多面的モニタリングを入れるタイミングで常時モニタリングのほうも見てみるというのは大事なことかなというふうには考えております。
 以上でございます。
【古米委員長】 どうもありがとうございます。
 それでは、浅見委員どうぞ。
【浅見委員】 はい、ありがとうございます。
 3点なんですけれども、7ページのモニタリングの活用方策というところで、活用の事例をガイドラインで示すという記述があるんですが、ぜひベース、情報を収集するベースはどこかにちゃんとしたところを設定していただいて、そこに行くと、この環境のいろんなモニタリングの結果が見えるというのを作っていただきたいなと思います。先ほどちょっと見え方のところのご指摘がありましたけれども、最近の技術でもっと見やすくとか、過去からの経緯を見たりということもできると思います。また地点の選定とかにもそういった情報というのは、非常に重要かと思います。
 2点目が、連続モニタリングの活用なんですけどけれども、特に水道の水源になっているようなところですと、水道の事業体で取水口のところに連続のモニタリングを持っているところがたくさんありますので、そういったデータとうまく連携していただくとか、もし今後の活用を考えるというところには、そういう視点も使えるかと思います。
 3番目、若干、先ほどの西嶋先生のお話とも関連するのですが、海外ではBOD、CODをTOCに変えているところもあるそうで、韓国も変えたと伺いまして、確かな指標にするというのが重要と思います。あと省略可能項目に関しては、水道では定期で検出値が低い地下水等、水源が安定しているところに関しましては、省略可能、又は、頻度を下げるということもしておりますので、同様に必要なところを見直して、逆に多面的な指標と合わせて見るところを入れていただければと思います。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございます。
 それでは、Webの前田委員どうぞ。
【前田委員】ありがとうございます。多面的な水環境モニタリングについて、ご説明ありがとうございます。
 環境基準のモニタリング等については、本日のお話を伺い、改めて実感いたしましたのは、いかに多くの方に水環境に関心を持っていただき、実際に水辺を体験してもらうかという仕組みづくりが、極めて大切であるということです。
 先ほど事務局から提示された方向性にあるとおり、多面的なモニタリングによって、例えば子供たちが安全にアクセスできる場所がWebのマップ上で可視化されれば、これまで水辺になじみがなかった住民の皆様も安心して水辺に近づくことができ、日常的な関わりが増えてくと考えます。
 このように情報発信を通じて、「人が集まり、経済や地域活動が動く」という活用が進めば、そこから得られた成果がさらに環境保全に投資され、さらに水辺が改善されていくという地域の好循環が生まれると考えます。
 ぜひ、こうした好循環の具体的なノウハウを、ガイドライン等で示していただき、多くの市民、国民の皆様が水辺の価値を再認識し、体験できる仕組みとして、本制度が社会実装されることを期待しています。
 私からの意見とさせていただきます。ありがとうございました。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございます。
 それでは、Webの上西委員どうぞ。
【上西委員】 はい、上西です。
 まず、水質改善が進んで、今後の常時監視、モニタリングの効率化、重点化について明記されていただいたことをありがたく思っております。
 また、推進員制度についても、また有効活用できるのではないかと考えていますので、よろしくお願いします。
 あと多面的モニタリングの項目なんですけれども、前半の団体の活動の話と絡むと思いまして、地域が目指すビジョンであるとか、目標であるとか、それによって地域ごとにモニタリングすべき項目が違うんじゃないかというふうに感じております。項目、特に生物に関してなんですけれども、それをどういうふうにモニタリングをしていくかというのが、ちょっとまだ私の中でも整理はできていないんですけども、他省庁のモニタリングの実績などもうまく利用して、その地域のモニタリングというものができればなというふうに考えます。
 取りあえず以上です。よろしくお願いします。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございます。
 それでは、続いて大久保委員どうぞ。
【大久保委員】 ありがとうございます。
 今まで出たことは、みんなそうだと思うんですけれども、出ていないことで7ページの活用方法で、データを統合的に見せるということに加えて、やはり一般向けの情報共有というのは大変重要で、ワークショップのようなイベントとか、それから調査結果の共有というのは、流域の環境を知る上で、お互いに知る上で有用だが、必ずしもこれが行われていない。そういう機会がほしいという要望もあると思っていますので、これはとても重要だと思います。
 プラスですけれども、例えばですけれども、先日ちょうど鴨川の水位が大変上昇して、そのときにオオサンショウウオが出てきたということで、みんなオオサンショウウオがいるんだってすごく喜んでいるわけですけれども、多分かなりの部分は交雑種かもしれず、そういうときにオオサンショウウオってどういうオオサンショウウオなんだろうということは見た目だけでは分からないので、何かそういうイベントが起きたときに、そのことの意味を身近にみんなの注目が集まっているときに解説してくれるような、単にデータとして出るだけではなくて、みんなの不思議にお答えします的なものが、環境団体も含めて発信できるような統合的なサイトが一緒にくっついていると、みんなここに情報が載っているかもということでアクセスしてくれるかもしれませんし、少しそういった形で、一般的な市民の方々の身近な疑問も含めて、川のことを知ってもらえる機会になるといいなというふうに思っています。
 以上です。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、内山委員どうぞ。
【内山委員】 ありがとうございます。
 今回きちんと整理をしていただいて、前回よりもすごくよくなっているなという感じを持ちました。里海の観点から一言言わせていただかないといけないと思うんですが、お示しいただいたのは河川ベースの指標で、海域のことはこれから検討すると書いてはありますが、河川と海域は決定的に違う要素が複数あるので、並行して検討していただきたいです。例えば、評価項目に「水の量」がありますけれども、海域では水の量は測ってもしょうがないといいますか、用語としてはナンセンスで、水の量を海域の言葉に翻訳すれば、海水交換とか外洋影響みたいな項目に置き換える必要があると思います。BODにしても、海域だったらCODにすればいいのかというとそういうわけではなくて、底層DOとか透明度とか、クロロフィルとかそういう水質項目が重要になってくるので、やはり並行して検討を進めていただきたいというのが強い思いとしてあるので、改めて一言申し添えさせていただきます。
 それから、上西委員も触れられていましたけれども、認定制度を設計するという施策案が出てきたこの段階になりますと、やはり多面的モニタリングを認定制度ともリンクをするということが、施策の整合性という意味では当然必要になってくると思います。ですので、多面的モニタリングを行ってデータを取得したら、それがそのまま認定制度のデータベースにつながるような、そういう設計も視野に入れていただきたいと思います。
 以上です。
【古米委員長】 はい、ありがとうございました。
 和田委員、どうぞ。
【和田委員】 和田です。どうもご説明ありがとうございました。
 体系の活用方策で前回、単に情報共有とか、情報発信という言葉だけだったんですけども、今回のように7ページのところ、他部局の施策に生かしてもらうとか、諸機関の情報の活用促進ということで、そこまで踏み込んで書いていただけたことは非常にいい内容だと思っています。環境省がこの多面的モニタリングを通して、データベース、それが情報のプラットフォームというふうになることが、このモニタリングの価値あるデータだと思っておりますので、ぜひ進めていただければと思います。
 あともう1点は、従来のデータと、感じ方、視覚とか、触覚とか、嗅覚などの多面的な感覚のデータ等を合わせて、良好な水環境を判断するツールとなればよいと思っております。当然これらの解析をして、従来のモニタリングデータと多面的がなぜ乖離しているのか、不一致なのかを見ることが重要です。その中には原因や理由というものは絶対あるわけですので、そういった結果を基に解析や考察をしていくことで、多面的なモニタリングをモニタリング体系に組み込んでいくだけでなく、この中から国民の実感に合った環境基準、新しい指標というのが生まれてくるというような何かできればいいなと考えております。まずはこういったものを進めていくことがスタートで、データをいいものにどんどん積み重ねて収集していただければと思います。
 以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 では、鈴木委員どうぞ。
【鈴木委員】 すみません。1個だけですが、さっき言い忘れたので一つ追加しますが、12枚目に簡易調査とか現地調査とおっしゃいましたかね。とおっしゃったのは、次の13枚目がつながっているのか、つながっていないのかよく分からないんですけども、私自身の研究者としての一般的な感覚からすれば、現地調査のほうが難しくて、水をくむだけだったら場合によっては手順書を決めてアルバイトに出しますけど、現地調査だったら研究者が行きますね、きっと。という感覚がありまして、ちょっと現地調査というものが技術的に簡単なことがどうか分からないんですが、簡単なことをあえてやりたいというのかどうかということは明確化したほうがいいかなと思いました。
 ただ一方で推進員というのがちょっと分からないのですが、民間の方にそういう方を募るということはそれはあり得ることだと思いますし、ここでいう多面的モニタリングでは必ずしも理化学的専門性を有しないということを意味していると思いますので、そういう意味では推進員の方に私だったら、何かしらの研修会をやって、もしかしてテストもやって、推進員資格とかいうのを取ってもらって、その人があちこちでいろんな調査をして、SNSに投稿してくるようになれば非常に有用な情報になるかもしれないし、もしかしたら市民参加も十分促進できるかもしれないと思いましたので、現地調査というものは有効だと思いますけれども、それについてもきちんと考えて、市民は参加できることを考えることは可能だと思いますが、考えてやっていくことが必要かなと思いました。
 以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは。
【鈴木環境汚染対策室長】 ご意見、様々ありがとうございました。
 春日委員から国交省の水辺の国勢調査、これは大変本当にすごいデータベースになっていまして、物すごいデータ量になっています。あと河川整備計画基本方針なんかも拝見すると、もうすごい生き物の調査もしっかりされているので、こういう活用をしっかりしていく、連携をしっかりしていくというのが大事かなと思っております。
 それから、行政と住民の意識のギャップみたいなところですね。イベント的なというところをお話しいただきましたし、SNSの活用、前田委員からも多くの人に関心を持ってもらうことが大事だと。これ本当に多面的モニタリングのいろんな意味があると思いますけども、情報的手法というところのスライド9でもご説明しましたけども、これでまず関心を持っていただくというところ、これが結局水行政、水環境行政の推進につながる一番エネルギーをもらえるところだと思っているので、そこは大事にしていきたいなと思っております。そういった水環境への関心の高さというところが一番大事かなと思っております。
 あと、春日委員からは手法、AIとかDXというところのお話をいただきましたし、ほかの委員の先生からもデータベースとか、データの出し方、見せ方、そういうところのご意見をいただきました。
 今でも常時監視の公共用水域のモニタリングの日本の地図に落としたデータのページというのはあるんですけども、ちょっとあんまりうまくというか、今の時代に更新できていないところも一部ありですね、課題としてはすごく思っています。予算の話をしてもしょうがないんですけども、なかなか予算もかかる話なので、ちょっと何とかしたいなと思っておりますけども、ご意見としてしっかり受け止めていきたいと思います。
 それから、鈴木委員から指標についての考え方を改めてご意見をいただきました。今後の詳細な技術的な検討のところでぜひ参考にさせていただきたいと思っております。
 それから、西嶋委員から常時監視もそろそろいろんな見直しの時期、見直してもいいんじゃないかというところをいただきました。そうですね、復興も大事だと思っています。自治体の方とお話をするとですね、やっぱり多面的モニタリングをやるのに当たって、もうちょっとここの地点を見直せないかとか、前回底層DOの委員会でもお話ししたかもしれませんけども、底層DOという新しい指標が導入されたので、新しい測定地点を設けてほしいと言っても、物すごく、なかなか変えていただけないと、その気持ちは私も役所で勤めているので分かるのですけども、今までやってきたことの継続性とか、じゃあなんでそこをやらなくなったことの説明責任とかもすごい大変なので分かるんですが、やっぱりそこはちょっとやっていかないといけないところかなと思っているので、呼びかけていきたいと思います。
 浅見委員からも水道事業者とのところでいろいろやっていただいているというところはあったかと思いますし、TOCの話もあったかと思います。頻度についても「重点化・効率化手引き」というのは我々も出しているんですが、まだもうちょっとしっかり使って、めり張りをつけていけると思うのでやっていきたいと思います。
 それから上西委員から、地域のビジョン、測定項目もそれぞれのところもあるんじゃないかというところのお話もありました。我々は指標というか、測定のやり方についても地域で少しアレンジしていただくみたいなところは、ぜひやっていただきたいと思っています。
 それから大久保委員のほうからは、オオサンショウウオの例のお話がありました。地域の方々と日頃からつながっていくことで、こういったイベントのときに、何かこういうイベントが生じたときに、そういう方々と常にあの人が知っているみたいなところも非常に日頃からの活動での共有というのができていれば、そういうイベント時にもそういったところの情報というのは参照にしていきやすいと思うので、そういったところにつながっていくんじゃないかなと思っています。
 内山委員からの海の話。海は海でまたいろいろな検討をしていますので、またご説明させていただく機会をいただければと思います。
 和田委員から情報はもうさっきのお話でもありました、プラットフォームということで。なかなか難しいんですが、ちゃんとやっていかなきゃいけない話だと思っております。
 あとはそういう原因分析みたいなところを、今日なんかその市民向けの利用みたいなところがちょっと強調されましたけど、実は科学的な分析みたいなところにも役立っていけると思うので、このデータをたくさん得ていくこと、それをちゃんと活用していくことを、やるからにはちゃんと集めて活用というところをしっかりやっていかなきゃいけないと思います。
 最後、鈴木委員からの簡易調査、スライド12の簡易調査と重点調査をスライド4の簡易調査、重点調査とつながっているので、また、ご説明を詳しくさせていただきたいと思います。
 以上です。はい、ありがとうございます。たくさんご意見をいただきました。
【古米委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 多面的なモニタリングで水環境を全体的にしっかりと評価していくことで、何が良好なのかという議論もできるということだと思います。
 もともとは2009年に水環境健全性指標が公表されて、それを受けて今回は良好な水環境を創出するなり、活用する、保全するという観点から、地域とのつながりと利水・産業とのつながりというように広がりを持った形で水環境のモニタリングをしましょうという提案となったと思います。従来の水質モニタリングに加えて作業が増えるのでは困るので、いかに効率的に進めながら多面的にモニタリングをやるかということだと思います。
 私自身は、今まで水質がしっかりとデータベースをされているのは、法律上に決まっていて、公定法があって、ちゃんと水質データを集めなさいという、その法律上の制度として成り立っているからだと思います。一方、今回の水質以外の項目については法的には何も定めれていないので、これを定着してデータベース化をしない限り、それを使って継続的に分析することは困難になります。したがって、モニタリングの法制度的なところとの兼ね合いをしっかりと詰めていかないといけません。どういう形で多面的なモニタリングを進めるかというのは法制度との関連があるので、その段階に入れるぐらいに整理が進んできたものと私は思います。今後は、その点を含めて深めていただければいいかなと私は思いました。
 少し時間が過ぎてしまいましたけれども、今日は非常にいい質疑というか、議論ができたように思います。今回のいろいろなコメントをまた次の委員会に向けて整理をいただきたいと思います。
 それでは、議事を事務局にお返ししたいと思います。
【嶋田主査】 はい、ありがとうございました。
 本日は委員の皆さんにおかれましては、活発なご議論をいただきましてありがとうございました。
 いただいた意見を整理いたしまして、各論点議論を進めてまいりたいと思っております。また今回の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様の確認の後、環境省Webページに掲載いたします。
 以上をもちまして本日の水環境制度小委員会を閉会いたします。ありがとうございました。
午後12時03分閉会