水環境制度小委員会(第1回)議事録

日時

令和7年12月25日(木) 10:00~12:00

場所

Web会議システム併用(YouTubeによるライブ配信)

議題

(1)水環境制度小委員会について
(2)水環境保全のための取組について

配布資料

資料1  :中央環境審議会水環境・土壌農薬部会水環境制度小委員会委員名簿
資料2  :今後の水環境に関する制度の在り方について(諮問・付議)
資料3  :中央環境審議会水環境・土壌農薬部会の小委員会の設置について
資料4  :中央環境審議会水環境・土壌農薬部会の運営方針について
資料5  :水環境保全のための取組状況
資料6  :今後の水環境制度の展開について
資料7  :本日ご議論いただきたい事項
 
参考資料1:今後の水環境保全の在り方について(取りまとめ)(平成23年3月)
参考資料2:今後の水環境保全の在り方について(参考資料)(平成23年3月)

議事録

午前10時00分開会
【嶋田主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会水環境制度小委員会を開催いたします。
 委員の皆様には、ご多忙中のところご出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の小委員会は、16名全委員にご出席いただいております。
 また、WEBを併用した開催であり、YouTubeの環境省環境管理課公式動画チャンネルで同時配信しております。ただいまお手元のPCに映っている画面と、事務局が投影する画面が配信されることになっております。
 それでは、開催に当たり、環境省水・大気環境局長の大森よりご挨拶申し上げます。
【大森水・大気環境局長】 おはようございます。環境省の水・大気環境局長の大森でございます。
 本日は、年末のご多忙の中、第1回水環境制度小委員会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本委員会は、大臣から中央環境審議会に対しまして、今後の水環境に関する制度の在り方について諮問があったことを受けまして、水環境・土壌環境部会に新たに設置されております。
 環境省では、これまで水質環境基準を設定いたしまして、水質汚濁防止法による規制などの制度を整え、それを実施してまいりました。水環境行政を担当される地方公共団体の皆様をはじめ、企業や市民の皆様の取組の結果、河川、湖沼、あと海域といった公共用水域の水質が大きく改善してきたところでございます。
 一方で、公害時代から半世紀を迎えまして、社会情勢や生活習慣の変化によりまして、環境に対する国民や社会のニーズが多様化してきております。近年では、今までの水質を中心としたきれいさだけではなく、第六次環境基本計画で大きな目標として位置づけられましたウェルビーイングの向上という視点を意識して、水環境行政を行っていくことが必要であると認識しております。
 本日は、本小委員会でご議論いただきたい論点、例えば生物多様性の保全に配慮したような水環境管理の考え方、それから地域づくりへの配慮、水質事故対応といった、そういった論点をお示しさせていただきます。
 委員の皆様のそれぞれの専門的な見地から様々な課題のご指摘やご意見につきまして、忌憚なくご意見を賜ればと思いますので、どうぞご議論のほどよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【嶋田主査】 それでは、議事に入ります前に、本日の配付資料を確認いたします。議事次第の配付資料一覧をご覧ください。
 本日配付している資料は、資料1から7になります。参考資料についてはお手元のPCでご覧いただけます。
 不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 また、WEB配信のため、お手元のPCのWEBカメラを使用していますが、音声については会場のマイクで集音しておりますので、PCのマイクのミュートは解除しないようにお願いいたします。
 なお、これらの資料及び本委員会は、運営規則等に基づき、公開とさせていただきます。
 それでは、これより議事に移りたいと思います。古米委員長に議事の進行をお願いいたします。古米委員長、よろしくお願いいたします。
【古米委員長】 はい。古米です。
 議事に入ります前に、本日、第1回目の小委員会ですので、委員の皆様にご自身のご専門分野などとともに、一言自己紹介をお願いしたいと思います。
 私の後、浅見委員の順でご発言をお願いしたいと思います。
 私ですけれども、現在、中央大学の研究開発機構で都市雨水だとか水環境保全の研究等をやっております。古米と申します。よろしくお願いいたします。
【浅見委員】 ありがとうございます。
 国立環境研究所水道水質研究和光分室になりました浅見でございます。
 3月までは厚生労働省の国立保健医療科学院というところの所属でございましたが、水道行政の移管に伴って、今回移管をされております。環境衛生や水道工学が専門でございます。よろしくお願いいたします。
【石川専門委員】 滋賀県琵琶湖環境科学研究センターで研究員をしております石川可奈子と申します。
 職場のほうでは、生態系保全とか生物多様性関係の担当をしております。どうぞよろしくお願いします。
【上西専門委員】 兵庫県の環境部次長の上西でございます。
 兵庫県に環境専門職として入庁いたしまして、環境行政に30年携わっております。どうぞよろしくお願いいたします。
【内山専門委員】 神戸大学大学院工学研究科の内山雄介と申します。
 所属は市民工学専攻というところですけれども、いわゆる土木工学でして、海岸工学、海洋物理学をベースにした海域環境、海洋環境の研究をしております。環境省とは最近は里海の関係でいろいろとお世話になっております。どうぞよろしくお願いいたします。
【大久保臨時委員】 大阪大学法学研究科の大久保と申します。
 法律が専門ですので、社会科学系ということでこの中では少数かと思いますけれども、水に関わることにつきましては、水利権の合理化を含め、水利から治水、それから水質に至るまでいろいろなことに関わってまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。
【春日専門委員】 東京大学先端科学技術研究センターの春日と申します。
 専門は上下水道であったり、水環境の水質や水の処理などを行っております。よろしくお願いいたします。
【加藤臨時委員】 和歌山大学観光学部の加藤と申します。
 専門は持続可能な観光ということで、ある意味、観光に負けない強い地域をつくるというような、そんなことをしておりますけれども、評価であったり、ウェルビーイングというようなところを特に最近は見ております。
 環境省事業につきましては、良好な環境の活用、また、里海のほうに参加をさせていただいております。よろしくお願いいたします。
【鈴木専門委員】 国立環境研究所の鈴木と申します。
 フェローという職で仕事をしております。
 化学物質のリスク管理、それに関わる科学が中心でありますが、近年は災害事故時の化学物質関係のことも研究しておりました。よろしくお願いいたします。
【西嶋臨時委員】 広島大学の西嶋と申します。
 研究のほうは工学系なんですけども、場所柄、瀬戸内海を中心に環境保全とか、あと上下水道なんかも研究しております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
【星野専門委員】 一般社団法人環境パートナーシップ会議の星野智子と申します。
 私は環境のNPOの立場、市民活動、そして市民と行政や企業がつながるようなパートナーシップの推進という立場で参加をさせていただいております。
 環境省の関連では、国連大学との共同事業であります地球環境パートナーシッププラザ、こちらの運営団体の責任者をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
【前田専門委員】 おはようございます。大阪府阪南市未来創生部まちの活力創造課の前田と申します。
 自治体枠ということで、阪南市のほうから来させていただいています。水・大気環境局さんとは阪南市のほうがアマモの保全活動ということで、子どもたちが中心になって海の取組を行っています。その中で、自然共生サイトであったり、30by30というところで、いろんなところで環境省さんと関わらせていただいております。よろしくお願いいたします。
【皆川臨時委員】 おはようございます。熊本大学の皆川と申します。
 先端科学研究部とありますが、土木系の教員であります。
 私の専門は、長く多自然川づくりの研究をしていました。また、ダムの影響評価であるとかの研究で、近年は流域治水と生物多様性の保全ということで、防災と生物多様性を掛け合わせたような実装の研究をしています。どうぞよろしくお願いいたします。
【和田専門委員】 京都大学防災研究所の和田と申します。
 専門は水環境保全、流域水管理です。
 これまで琵琶湖、淀川の研究所にて、水質の浄化や水環境の研究、近畿の建設協会で、近畿全体の河川や湖沼、海域の環境の研究を行っております。防災研究所では、量と水質を融合させた研究をテーマに進めております。よろしくお願いいたします。
【今野専門委員】 おはようございます。経団連・日本化学工業協会を代表して来ております今野と申します。
 現在、三井化学で品質保証という業務をしております。以前は工場で排水プラントの業務に携わっておりました。本日はよろしくお願いいたします。
【小川専門委員】 おはようございます。経団連・日本製紙連合会から参りました。現在、所属は王子ホールディングスです。
 産業界代表ということで、経歴から言いますと、工場で16年勤務した後、本社の環境部門に配属されました。環境部門も15年となり、ちょうどキャリアの半分半分が工場と環境管理となりました。専ら環境事故対策や法令遵守といった管理を全社的に行っております。よろしくお願いいたします。
【古米委員長】 はい。どうもありがとうございました。
 それでは議事に入らせていただきます。
 議題の1は、水環境制度小委員会についてです。資料1から資料4を用いて事務局よりご説明をお願いしたいと思います。
【泉環境管理調整官】 それでは、環境省の泉より資料1から4のご説明をいたします。
 資料1は、本小委員会の委員名簿となっております。改めてご確認ください。
 続いて、資料2でございます。本年の5月19日付での環境大臣から中央環境審議会会長に対する今後の水環境に関する制度の在り方についての諮問文でございます。
 令和6年に閣議決定された第六次環境基本計画において、良好な環境の創出に向けて、水質管理のみならず生物多様性の保全や地域づくりに資する総合的な水環境管理を目指すための取組を実施するとされていることから、今般、今後の水環境に関する制度の在り方について諮問がなされております。
 また、裏面は、当該諮問事項についての水環境・土壌農薬部会長への付議に係る資料となります。
 続いて、資料3でございます。先ほどの資料2を受けまして、水環境・土壌農薬部会の書面開催により、本小委員会の設置が6月に決定されてございます。
 続いて、資料4でございます。本小委員会の運営方針についての資料です。会議や資料の公開などは部会の運営方針に準ずるものとなります。
 説明は以上でございます。
【古米委員長】 ご説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問があればお受けしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですかね。
(なし)
【古米委員長】 それでは、今後、これらの運営方針に沿って、小委員会の審議を進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、議題の2、水環境保全のための取組についてです。資料5と資料6及び資料7について事務局からご説明をお願いしたいと思います。
【泉環境管理調整官】 それでは、資料5の水環境保全のための取組状況として、環境省を中心とした政府の取組をご紹介いたします。
 1枚おめくりください。
 取組の紹介に先立ちまして、こちらに平成23年の今後の水環境保全の在り方についての報告書の概要をお示ししてございます。こちらは、水環境政策全体を見渡した報告書になっておりまして、構成としましては左端の部分で良好な水環境の構成要素として、水質、水量、水生生物、水辺地の4点が示されております。また、かつての昭和30年代の水環境からの時代の変化も踏まえまして、現状における課題が抽出され、取組として右端の縦の列に1から4まで取組がまとめられております。
 今回、政府の取組を整理するに当たり、本報告書の右端の1から4の取組の項目ごとにまとめさせていただいております。
 それでは、2ページ目をご覧ください。1.速やかに解決されるべき課題の章でございます。
 (1)リスクに関連する項目の検討についてまとめております。
 この後の資料は、上半分に先ほどご紹介した平成23年取りまとめの記載事項を載せておりまして、下半分に現状の取組を記載しております。
 (1)について、取りまとめの記載としては、健康項目の見直しに関する検討、また、要監視項目等についての検討といった記載がございます。
 取組状況として、1.トリクロロエチレン、六価クロムなど健康項目に係る環境基準の見直しについて取組を記載しております。
 また、2番目については、要監視項目についてPFOS、PFOAが位置づけられたという内容を記載してございます。
 また、4番目には薬剤耐性菌に関する取組について記載をしてございます。
 3ページ目をお願いいたします。こちら、前のページで触れましたPFASについての取組の参考資料でございます。
 こちらの①から④にある「作らない・出さない」、「摂取しない」、「広めない」、「正しく知る」という四つの柱に沿って施策を展開しております。
 次、4ページ目をお願いします。参考2として薬剤耐性菌についてでございます。国際的な動向のご紹介と、また、下のほうには今後の取組として、現在実施しております環境研究総合推進費についての概要を記載しております。
 次、5ページ目をお願いいたします。(2)として、湖沼の水質改善についてでございます。
 取りまとめの記載は、水質保全目標の検討、また、汚濁メカニズムの検討等の記載がございます。
 取組としまして、1番目、水質の保全の目標については、底層溶存酸素量について、国指定の湖沼では琵琶湖、霞ヶ浦の類型指定を行っております。
 また、2番目の汚濁メカニズムについては、手引き等の技術資料を取りまとめまして、関係者に周知を図っております。
 続いて、6ページ目、(3)の閉鎖性海域についてでございます。
 取りまとめの記載には、水質総量削減の着実な推進、また、栄養塩類管理方策の検討といった記載がございます。
 まず、取組の1番目として、9次にわたる総量削減制度の取組で、窒素・りんの環境基準を多くの地域で達成するなど、全体的な改善が見られます。現在は専門委員会で第10次の水質総量削減の在り方について審議が行われております。
 また、2番目が栄養塩類管理の関係でして、令和3年の瀬戸内海環境保全特別措置法の改正により、栄養塩類管理制度が創設されております。
 次のページをお願いいたします。7ページ目で参考の3として、瀬戸法の改正について概要をまとめております。先ほどの栄養塩類管理制度が一番上に記載のある項目でございます。
 また、8ページ目は、参考として今後の里海づくりのあり方に関する提言が令和7年3月にまとめられておりますのでご紹介しております。
 次に、9ページ目をお願いいたします。(4)として、地下水・土壌汚染対策でございます。
 取りまとめ記載事項としては、地下水の浸透汚染の効果的な未然防止策、また、硝酸性窒素対策といった記載がございます。
 取組の1番目として、平成23年に水質汚濁防止法の一部改正をしまして、地下水汚染の未然防止を図るための構造に関する基準が定められております。
 また、2番目は、硝酸性窒素の地域総合対策制度として、ガイドラインを活用した対策が進められております。
 10ページ目には、硝酸性窒素対策の詳細を参考として掲載をしております。下の左側に地域総合対策制度での支援の概要、また、右側に技術的条件としてのガイドラインの詳細を掲載しております。
 続いて、11ページ目をお願いいたします。(5)の海洋環境の保全でございます。
 こちら、取りまとめには海洋環境室の設置や、あるいは海岸漂着物対策の推進といった記載がございます。
 取組について、1番目でございます。令和5年7月に海洋環境課を水・大気環境局に設置して対応しております。
 また、2番目で、海岸漂着物ですね、推進事業を平成23年に創設をしております。
 12ページ目が、その海岸漂着物推進事業の詳細でございます。回収・処理事業を実施する都道府県、市町村に対して補助金を支給するというスキームになっております。
 続いて、13ページ目をお願いいたします。(6)の国際貢献の関係と、あと(7)の未規制小規模事業場の関係でございます。
 上半分の(6)について、国際協力事業の推進といった観点が記載されております。
 取組の1番目として、環境省でアジア水環境パートナーシップの枠組みを創設しております。WEPAと呼んでおります。こちらで途上国のキャパビルを中心とした活動を行っております。
 また、下半分の未規制小規模事業場については、現状把握を実施しております。
 続いての14ページ目に、参考7としてWEPAの詳細を載せております。下の左側にございますとおり、パートナー国は13か国でありまして、ワークショップ、ネットワークの強化等を通じたキャパビルに取り組んでおります。
 続いて、15ページ目をお願いいたします。(8)人と水のふれあいの推進、また、(9)の面源負荷といったテーマでございます。
 (8)については、水環境保全への参加推進といった観点が取りまとめに記載されております。
 取組として、1番目に記載があります水辺の環境活動プラットフォームですね。こちらは環境省で開設をいたしました。本年の5月でございます。また、地域資源を活用する里海づくりなどを促進するモデル事業について展開をしております。
 続いて、下半分の(9)面源負荷のところでございます。こちらは、田畑や市街地からの汚濁負荷をどう考えるかというテーマでありまして、取組の1番目にあります、先ほども言及しました水質総量削減制度に基づく対策を実施するということと、また、3番目には窒素管理の観点で行動計画を策定したという取組を記載しております。
 16ページ目が、参考8-1として、水辺の環境活動プラットフォームの詳細でございます。こちら、自治体、企業、あるいは個人に登録いただきまして、自らの活動を投稿したり、情報交流の場として活用いただいております。
 続いて、17ページ目が良好な環境の創出についてでございます。
 良好な環境の創出というところ、ウェルビーイングの向上や、あるいは地域活性化につなげるというコンセプトで、環境省において、モデル事業を実施しております。下3分の1にモデル事業の概要を書いておりまして、大きく三つテーマがございます。一つ目が淡水エリアの保全と利活用、二つ目が沿岸エリア(里海)の保全と利活用、三つ目が良好な環境を生かした、それを観光につなげていくというモデル事業の三つでございます。
 18ページ目に、名水百選について記載しております。選抜選挙を行って、プロモーションに環境省として取り組んでおります。
 続いて19ページ目が、持続可能な窒素管理に関する行動計画ということで、国内の取組をアクションプランの形で令和6年9月に取りまとめております。こちらは、世界でも先駆けて策定をしておりますので、国際的な発信にも力を入れております。
 続いて20ページ目、ここから2章に入りまして、新たな施策の枠組みをつくる取組ということでございます。
 (1)が、国民の実感に合った環境基準への見直しということで、取りまとめには新規の環境基準項目やCOD/BODの補完指標の検討といった記載がございます。
 取組として1番目に、底層溶存酸素量を環境基準の項目として追加した取組を記載しております。
 また、3番目の取組として、生活環境の保全に関する環境基準について、地域のニーズや実情に応じた柔軟な運用を可能とするための告示や事務処理基準の改正について記載をしております。
 次のページをお願いいたします。こちらは、底層溶存酸素量についての詳細でございます。平成28年に環境基準の項目として設定をされておりまして、下のほうに記載があります、現在は、それに基づいて湖沼や閉鎖性海域の類型指定が概ね進んでいるという状況でございます。
 22ページ目が、生活環境保全に関する環境基準の柔軟な運用についての改定でございます。①にある適時適切な類型の見直し、あるいは④にあるCODの達成評価の在り方の変更といった運用の見直しをしております。
 次、23ページ目をお願いします。(2)の排水規制のあり方についてでございます。
 取りまとめには、現行の排水規制の推進、また、今後の排水規制や排水管理方策の検討といった記載がございます。
 下の取組状況には、1以降で実際の排水基準の変更について記載をしております。
 また、6番目では、指定物質への追加についても記載をしております。PFOS、PFOAについても追加されております。
 24ページ目が、排水基準の見直しの詳細な内容になっております。
 次の25ページ目が、指定物質の追加についての詳細な内容となっております。
 続いて26ページ目が、(3)の気候変動への対応ということで、取りまとめには水環境への影響の評価といった記載がございます。
 取組の1、2にあるとおり、水質への影響、また、湖沼の水環境への影響といった調査や手引きの取りまとめを実施しております。
 また、4番目に記載していますように、地中熱・地下水熱に関する情報発信や予算事業による支援も行っております。
 続いて、27ページ目をお願いします。(4)の水ビジネスの海外展開でございます。
 取りまとめの記載としては、環境対策技術等の国際展開といった記載がございまして、右の下に記載をしておりますアジア水環境改善モデル事業というのを環境省で実施をしております。こちらは、優れた水処理技術を海外に展開する可能性のある企業と一緒にFS調査、また、実証試験を予算事業として支援するというものでございます。
 続いて28ページ目、ここから3.これからの時代に向けた水環境行政の展開であります。
 (1)として生物多様性の確保、(2)として地域特性を的確に把握できる指標づくりといったところがございます。
 取組の状況としまして、水辺のすこやかさ指標(みずしるべ)をまとめまして、また、これは自治体で使っていただくといったモデル事業も実施をしております。
 右下に実際のみずしるべの五つの指標について掲載をしております。水質のみならず、自然のすがたとか生きもの、また、水のきれいさ、快適な水辺、地域とのつながりと、こういった項目を設定しております。
 次、29ページ目をお願いいたします。ここから4番目の基盤づくりのところになります。
 (1)がモニタリングとデータの蓄積ということで、今、都道府県、政令市で実施いただいております常時監視の結果のみならず、水生生物調査等によって得られたデータというのを蓄積していっております。
 また、下半分の担い手の育成のところでございます。具体の取組として、環境省において水環境行政研修、毎年実施をしております。
 また、国立環境研究所と地方環境研究所での共同研究というのも推進をしております。
 30ページ目が、全国水生生物調査の概要でありまして、環境省と国土交通省で連携して呼びかけをして実施しております。
 続いて、31ページ目をお願いします。(3)の技術開発と普及、(4)の環境教育関係であります。
 (3)としては、排水処理技術の事例集を環境省で取りまとめ、随時公開をしております。
 また、(4)の環境教育の関係で、一例として、子どもによる水生生物調査の指導者向けの研修会を開催している旨、記載をしております。
 32ページが、(5)の統合的な環境管理の検討、また(6)のマネジメントサイクルの確立についてであります。
 (5)の関係は、BAT(利用可能な最善な技術)やポリシーミックスなどの検討の記載があります。
 取組として、暫定排水基準の設定に際してはBATも考慮しているという点、また、2番目として、流域総合水管理の考え方を踏まえて、関係省庁が連携して、水循環基本計画に基づく施策が推進されております。
 下半分のマネジメントサイクルについては、2番目にお示しをしています今後の水・大気環境行政の在り方、令和5年に取りまとめられております。定期的に進捗をチェックして、環境基本計画等にインプットをしております。
 33枚目が、先ほど申し上げた今後の水・大気環境行政の在り方についての概要資料でございます。
 次、34ページ目をお願いします。あと2枚でございます。
 ここから2枚、これまでの1から4に分類されない取組について二つ掲載をしております。
 一つ目が、平成22年の水質汚濁防止法の一部を改正する法律の概要になっております。
 概要として、下の箱の1から3にあります事業者による記録改ざんへの厳正な対応、また、流出事故の被害拡大防止、あと自主的な取組の促進といった規定が創設されております。
 また、35枚目には、農薬に関する取組ということで、農薬の登録基準の設定、また、農薬の再評価といった取組を行っていることをご紹介しております。
 駆け足でしたが、資料5の説明は以上になります。
 続いて、資料6についてご説明をさせていただきます。
 こちらは、今後の水環境制度の展開についてということで、この後ご議論いただく論点につながるような背景をご説明いたします。
 1枚おめくりください。
 こちらは、冒頭にご紹介しました諮問理由を左下に再掲しております。重要な部分、赤字でハイライトしておりまして、まず、地域における水環境の課題は多様化しているというところ。また、環境基本計画には良好な環境の創出に向けてウェルビーイングの向上とか、あるいは地域活性化を実現する取組、また、生物多様性といった観点ですね。こういった取組が必要であるということ。こういった状況を踏まえまして、環境保全上の支障の防止、また、良好な環境の創出に向けて、審議会の意見を求めるという諮問理由になっております。
 これを踏まえまして、主な論点としましては、良好な環境の創出、また、生物多様性等も踏まえた多面的なモニタリング、また、環境保全上の支障の防止のための事故対策の推進といった論点が想定されます。
 3ページ目に、水環境行政の展開の考え方をお示ししております。
 従前の課題のある水環境から現行の環境基準、水環境管理による改善が大きく図られまして、残された水環境の課題はありつつも、望ましい水環境に近づいていっているという状況と把握しております。
 ただ、今後の展開に当たっては、多面的な観点から水環境を把握するということ。また、地域のニーズに応じた水環境管理という視点、また、保全に加えて活用も重要であるということを考えております。
 右の下に、第6次環境基本計画に、人々のウェルビーイングの向上、地域活性化、良好な環境の創出と、こういった視点が盛り込まれております。
 次のスライドをお願いします。
 今、ご説明したところ、方向性のイメージが湧きやすいような資料として4ページ目を準備しております。
 一番左側が昭和の時代ということで、汚濁対策が喫緊の課題、どぶ川であった時代ということで、ここから環境基準の創設、あるいは排水基準の創設といったところで水質が大幅に改善をしたということで、真ん中の平成の時代と記載をしております。多くの水域で水質が改善し、環境基準達成率は高く、20年程度ほぼ横ばいで推移をしております。一方で、人々が水辺から少し離れてしまっているという現状もあると認識をしております。ここから右の令和の時代に向けては、良好な水環境の創出が必要と考えておりまして、水質のみならず、水生生物あるいは景観といった幅広い観点、また、保全に加えて活用の観点と、良好な水環境の創出を目指す制度に発展していくことが必要と考えております。
 5ページ目は、事故対策についてのまとめであります。
 気候変動によって豪雨災害の増加がございまして、引き続き水質汚濁事故というのが発生しております。水質汚濁防止法で事業場における応急措置というのが義務づけられておりますが、貯油事業場における事故の状況の確認に時間を要するなど、まだ課題のある事例もございます。加えまして、水道行政が一部環境省に移管されましたことから、水道行政と水環境行政の連携強化と、こういった観点も必要と考えております。
 6ページ目をお願いします。
 今ご説明した内容を踏まえまして、下に四つ項目がございますが、左三つについて、本小委員会で主にご審議をいただきたいと考えております。
 検討項目の1として、良好な水環境の創出に向けた対応で保全と活用を促進するような制度の導入の検討、また、水質のみではなく景観、水生生物などの多面的なモニタリングの制度、また、検討項目の2としては、事故対策の推進、また、検討項目の3として、その他の水環境行政の大きな方向性についてもご審議いただきたいと考えております。
 加えまして、総量削減制度から総量管理制度への転換といった点は関連するものでありまして、専門委員会で審議中ということを記載しております。
 資料6については以上でございます。
 最後、資料7に、今ご説明した資料5及び資料6を踏まえた本日の論点をお示ししております。
 まず、左半分が資料5でご説明しました各論点を再掲しておりまして、小委員会の初回に当たり、資料5の各論点についてご質問、ご意見をいただきたいと考えております。
 また、右側が資料6でお示しした各論点でありまして、ここについてもご質問、ご意見をいただきたいと考えております。
 小委員会で特に具体的な論点として、aの良好な環境の創出に向けた取組ということで、ウェルビーイングの向上、地域活性化、また、生物多様性の考慮といったところをご検討いただきたいというところ、また、bとして、水質事故対策の推進についても論点としていただきたいと考えております。
 また、下半分に記載がございます、その他、水環境行政についての今後の方向性ということで、矢じりが三つございますが、環境基準とか測定・分析方法の方向性、キーワードとしてCOD・BODの在り方等も挙げさせていただいております。また、排水基準など排水規制・管理の枠組み、三つ目として脱炭素に向けた効率的な水処理を含めた取組の関連、また、地方環境研究所を含む関係機関との連携と、こういったところをご議論いただきたいと考えております。
 資料5から資料7のご説明は以上でございます。
【古米委員長】 ご説明どうもありがとうございます。
 今から質疑に入りたいと思います。
 まず、事務局から説明のありました資料5と資料6についてご質問をお伺いしたいと思います。その質疑が終わった後に、事務局から回答いただいた後に、資料7、5と6の論点の取りまとめの資料ですけれども、その各論点について、委員皆様から、浅見委員から時計回りの順番で三、四人ずつご発言いただくような進め方をさせていただきたいと思います。会議の時間の制約がございますので、概ね一人2分程度、論点を絞ってご発言いただければと思っております。もし、ご発言いただいたところで事務局から補足、コメントがあれば発言いただくという対応にしたいと思います。
 したがって、まず5、6についての質問、その後、資料7をベースにしたコメントをいただくという手順で進めさせていただきます。
 それでは、まず資料5と資料6について、ご質問のある方はお願いいたします。いかがでしょうか。
 小川委員、どうぞ。
【小川専門委員】 今回の小委員会で検討する内容についてご紹介いただきました。総量削減制度については総量削減専門委員会で中心に話し合われるとのことですが、産業界にとって非常に重要な論点だと思っており、現在検討の方向性には産業界も非常に賛成しております。これまでの規制一本から総量管理へと転換すると伺っており、本検討の進捗状況も、この委員会で情報共有いただき、最終的にしっかり栄養塩類の管理が進むように進めていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
【古米委員長】 事務局、いかがでしょうか。
【鈴木室長】 はい。そのように対応したいと思います。
【古米委員長】 ほかに、5、6に関してご質問はありませんでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【古米委員長】 それでは、資料7、資料5、6に関する論点が整理されておりますので、その論点についてご意見をいただきたいと思っております。
 それでは、浅見委員、石川委員、上西委員、内山委員、4名ということで、ご発言をお願いしたいと思います。お願いいたします。
【浅見委員】 ありがとうございます。
 私が水道の関係の仕事をさせていただいているということで、その観点を中心にお話しさせていただきたいと思います。
 全体的には非常に網羅されておりまして、時宜を得た課題がたくさん挙がっているなと思っております。
 水道が今回移管いたしまして、水道水源の水質、水道水の水質に関する記載というのを今後さらに入れていただきたいなというのがございます。環境基準の中には、水道1級、2級といった解釈の基準のものがあるんですけれども、そちらですとか、あと微生物を含めた水道水質の特に水源の管理というのは重要だと思っております。大分環境はよくなってきたんですけれども、水道にとってはまだ水質事故も多いですし、今年は気候変動によりまして、かび臭の濃度が非常に高く、最高値を記録したところもございます。また、PFASの問題ですとか、事故の数というのはなかなか減っておりませんので、そのような連携の体制の確保をお願いしたいと思います。
 先週も関東の河川の上流で臭素酸の流出事故がございまして、水道の関係者は徹夜で計測をして、給水栓のほうはすぐに数値が下がったということではあるんですけれども、そのような状況にあるということは再度認識をしてまいりたいと思っております。
 あと、水道水源二法ですとか、水循環基本法の活用については、ちょっと今のところ記載のほうで見えないところもございましたので、そちらをお願いしたいと思います。
 あと、測定の関係なんですけれども、地方の現状を考えますと、BOD/CODの測定、非常に苦労されていて、もっと自動化ですとか海外の自動計測の機械等も導入していただければ、半定量でも迅速に測定できるような方法を入れていただければと思います。
 すみません、以上です。
【古米委員長】 石川委員、お願いいたします。
【石川専門委員】 私のほうからは、生態系に関するところに関しまして、まず、資料の5ページで水草大量繁茂に着目した手引きをまとめていただいたことは、非常に現場で参考になる全国の事例を入れてもらえて感謝しております。
 今後、やっぱりその水草を管理していくことで、やはり水質は改善につながったのかということも含めてフォローアップの仕組みも併せて検討いただけるとありがたいです。今年も非常に温暖化なんかが進んできて、水草が増えたり減ったりというのがここ10年という単位で進んでいくんですけれども、一方、地方の担当者というのは二、三年で異動しますので、またこの手引きがWEB上で埋もれないように周知にもなると考えます。
 それと、多面的なモニタリングに関してなんですけれども、この方向に大いに期待しております。
 一方で、水質が今改善してきて、昔は有機汚濁なんかを対象とした水生生物調査をしてきているんですけれども、その役割はどちらかというと終えたというところもあります。対策につながらないモニタリングになってしまわないように、やはり改善可能な指標というのをちゃんと選んでおくということは大事だと思います。評価と対策というのがセットになることが重要と思います。
 ただ一方で、気候変動の問題もあって、温暖化してきているということから、なかなか直接な対策ができないという場合も実際生じております。そんな中で、これまでの守るためのそういった監視というものから、今後、そのリスクの早期発見とか、あと情報提供につながるような目標の位置づけというのをちゃんとしていただけると助かります。
 さらに、地域の主体的な取組というのを尊重していただくということでいいんですけど、どうしても地域に任せて投げてしまうと、収益性の高いものというか、PRしやすい種類というのを、これを守るんだというふうに偏りがちだというところもありますので、その生態系全体をちゃんと見据えて、理にかなった指標、例えば生態学で言うならばキーストーン種とかアンブレラ種といったような考え方であったりとか、歴史に基づく評価なんかの設定がきちんとできるように、今後また、ますますアドバイザー制度の充実をお願いしたいと考えております。
 以上です。
【古米委員長】 上西委員、お願いします。
【上西専門委員】 地方自治体の行政といたしましては、やはり県民の安全・安心が第一だというふうに考えておりまして、水質のモニタリングというのは引き続き大変重要なものであるというふうに考えております。ただし、今までの項目ごとの規制であるとか、どんどん化学物質が追加されてくるというふうな状態では、やはりコスト的なものでも大分しんどくなってきていることがありまして、ここで示されているような一斉分析であるとか、スクリーニングであるとかいうことのご検討というのは大変ありがたいなというふうに考えております。
 一方、多面的なモニタリングなんですけれども、これは地域ごとに、良好な環境といっても何が良好かというのが異なると思いますので、先ほど石川委員もおっしゃっていましたけれども、その指標であるとか、それの対策であるとかいうのをしっかり共通点、違う点というのを見せていかないと、ただモニタリングをしただけという形になってしまうのではないかなというふうに考えております。
 また、もう一つ自治体としても大きな課題だと思っているのが気候変動でございまして、水辺の市民・県民へのアプローチを進めていきたいという、多面的なモニタリングでもそういう目的があるかと思うんですけれども、一方で、やはりこの気候変動による災害ということも考えつつ、適応策、災害対策、そういったことも絡めた、バランスを取った施策というものを進めていっていただきたいなというふうに思っております。
 その他のところなんですけれども、CODなどの指標について、この度、環境基準の柔軟な運用が可能という形で環境省さんに示していただいたので、特に瀬戸内海での栄養塩管理、大阪湾での栄養塩管理というのがしやすくなったなというふうに感謝しているんですけれども、ただ一方で、CODの排水規制をしながら環境基準の評価を行わなくてもいいような運用もできるという、ちょっと不整合な点も出てきておりますので、その有機汚濁の指標としてのBOD/CODの在り方というのも、もう少し検討していただければなというふうに考えております。
 
 以上です。
【古米委員長】 内山委員、お願いします。
【内山専門委員】 内山でございます。
 海域環境の専門ですので、その観点から絞ってお話しさせていただきたいと思います。
 まず、総量規制で水質汚濁を防止したという時代から、令和に入って良好な水環境の創出へ。これは非常に大きなレジームシフトだと思っていまして、環境行政の大きな転換点だというふうに思っております。
 一方で、我々土木系における公共事業ですと、以前よりミティゲーションとかレストレーションという考え方にもとづいて、公共構造物を造ったところに新しく環境を創造したりとか、あるいは保証したりとかということを延々とやっておりました。「良好な環境の創出」とはそういったものとミックスしていくような方向性だとは思いますが、その中で新しい環境施策として打ち出されているのがウェルビーイングの向上であるとか、地方創生の観点であって、こういったところは従来の土木系の事業ではなかった観点ですので、この方向性でぜひ推し進めていっていただきたいと強く思います。
 里海づくりの関係で環境省といろいろと携わらせていただいておりますが、その中で私が強く感じているのは、地域創生をするに当たって良好な水辺環境をつくるということを中心に捉えるのはとても大事で、そのためにも科学的な調査であるとかモニタリングといったものを継続してやっていかなければいけないんですが、一方で、地域、地域で里海のような良好な水辺環境をつくっていくとすると、やはりそこには大きな資本が必要で、環境省の補助金だけではなかなかうまく回っていかない部分があります。うまく資金の循環をつくることによって、その場が、地域が活性化するということと、ひいては観光の振興であるとか、あるいは環境教育の進展を通じて、次世代の新たな担い手づくりにも直結しますので、この辺をうまくやっていかなければいけないと感じています。
 資料7の具体的に検討を行う予定の良好な環境の創出に向けての大きく部分に関係するのですが、私が里海づくりをサポートしていて強く思うのは、とにかくきちんとした認証制度をつくっていただきたいということです。これは、名水百選のようなイメージが分かりやすいのですが、できれば国際認証を発行するような枠組みが必ず必要になってくると思っております。その心は、そのような認証を取ることによって、企業のCSR活動の一環に組み込まれる可能性があって、国際的な企業を含めて環境に投資をするというマインドを醸成していくという、こういう観点が非常に大事だということです。そのような観点につきましても、今後、議論を深めていっていただけたらというふうに強く思っております。
 以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、4名の委員からのご発言に関しまして、事務局から回答をお願いしたいと思います。
【鈴木室長】 環境省の鈴木でございます。大変ご参考になるご意見、ありがとうございます。
 4名の委員の方から様々なご指摘をいただきました。水質関係では、気候変動について共通的にご指摘をいただいたところかなと思っています。我々も、今までも取組はしてきているものの、まだもうちょっとやっていかなきゃいけないところがあるかなと思っています。事故の観点もそうでしたし、モニタリングの観点もそうでしたし、災害、適応とか、そういったところのご指摘をいただいたかと思いますので、今後の検討の際に意識していきたいと思っております。
 それから、浅見委員から水道の関係、特にご意見をいただいたかと思っています。我々も、今までも連携してきたつもりではあるんですけれども、いざ一緒の、今、課の中で、水環境と水道水質が同じ課の中に入ると、まだできることもあるかなと思っていますので、具体の論点のときにまた詳しく議論をさせていただけたらありがたいかなと思っております。半定量というようなキーワードをいただきましたし、上西委員からは一斉分析・スクリーニングといったようなところもいただいたので、意識としてはかなり近いところがあるかなと思っております。
 それから、多面的モニタリングで石川委員と上西委員からご意見をいただきました。非常に我々も今、ある意味悩んでいるところではあるので、また個別の委員会のその会のときに、またご議論いただきたいと思っております。地域のニーズとか地域の特性を生かしたと言っている中で、地域にある程度お任せする部分と何かもうちょっと示していかないといけない部分、共通点と違いというのを上西委員からご指摘いただきましたけども、ちょっと難しい観点ではありますが、大変重要な視点だと思っております。
 あと、上西委員から、CODと排水規制の関係のところもご指摘をいただいたかと思います。CODの基準の1とか2とか3とかいう辺りのなかなかの難しさとか現状、なかなかその水環境の状況とそのCODの指標との関係で、我々のほうで先ほどお示しした事務処理基準の改定などをお示ししている一方で、排水とかとの関係のところをご指摘いただいたと思います。そこも十分意識してやっていきたいと思っております。
【森川室長】 環境創造室の森川です。
 内山委員から、良好な環境の創出の面、里海の事例をキーワードに、良好な環境の創出についてコメントをいただきました。基本的にはウェルビーイング、地方創生という、こちらが今考えている方向性について、ぜひ進めてほしいという応援のコメントをいただいたのかなというふうに思っております。
 一方で、里海の事例に、資本、資金的な面で、やはり地域が取組を進めていく上で、どうしても資金が必要であると。現状、環境省における里海づくりの取組としては、環境省が地域側に、資金的な支援をすることで取組が進んでいるけど、それでは当然限りがあるわけで、大きな資本の流れをつくることが必要で、そのためには認証制度というものが必要だと。要は企業のCSR活動を国際的に、もしくは公的機関がしっかり認めるというような制度の必要性をご提示いただいたのかなというふうに思っております。まさに同じような問題意識でして、ここでは国内制度の議論なので、国際認証というところの制度まで踏み込むことはなかなか難しいかなと思うんですけど、まずは一つ目の第一歩として、国内制度としてしっかり地域の取組を環境省として、政府として認めていくようなものがつくれないかというふうに思っています。それについて、今後、ぜひこの小委員会の中で議論していきたいと思いますので、引き続き詳細の部分、ご指摘、アドバイス等を現場の実態を踏まえながらいただければと思っております。
 ありがとうございます。
【古米委員長】 ありがとうございます。
 委員の方々、よろしいでしょうか。
(なし)
【古米委員長】 それでは、続けて大久保委員、春日委員、加藤委員、鈴木委員の順番でご発言をお願いしたいと思います。
 それでは大久保委員、お願いします。
【大久保臨時委員】 初回ですので、少し幅広に申し上げたいと思います。
 今回の議論の対象は、政策統合ということがかなり大きな課題となっていると思いますけれども、この点に関しましては、環境省所管の法律だけではなく、その他の法体系との連携というものが重要になってくると考えております。先ほど水循環基本法の話が挙がりましたけれども、そのほかにもNbSの観点を含めましてインフラ整備法との十分な連携というのも問題になってくると思います。この点、現在、改定中の社整計画でもグリーンインフラを含むインフラのグリーン化ということが強調される方向になっておりますので、こうしたものとの連携の在り方といったものも少し考えていくことが必要ではないかと思っております。
 また、それと同時に漏れがどこかにあるのではないか、いろいろなものがオーバーラップしてきていますけれども、逆に漏れがないかどうかという視点も重要ですし、新たに生じている問題について、どこでどういうふうに調整していくのかという問題が重視されるようになってきていると思います。具体的には、例えばワンヘルスで言いますとAMRについてDALYを用いた管理を含めまして、どのように管理していくかということは水でも重要だと思います。
 また、水濁法、環境基本法という従来の枠組みとの関係では、既存の仕組みを工夫でやってきたことについて少し新たな取組がこの際必要ではないかと考えております。例えば環境基準に関しましては、水生生物は、これは生活環境にぶら下げる形になっていますけれども、生物の基準を新たに独立させていくということも必要かと思いますし、それから、これは抜けている部分ですけれども、水濁法の仕組みですと、事故に関しましてはどうしても特定事業場等、事業場対策になっておりますので、インフラ工事を含む建設、土木工事に係る汚濁事故対策というものは抜けているといった側面もあると思います。
 それから、排水基準に関しましては暫定基準というものも、これも従来からの私の持論ですけれども、例外許可のようなものに変えていくといったような必要性もあるかと思っております。
 また、モニタリングに関しては、先ほどから出ているように個別の項目だけではなくて生物応答のようなものをどう使っていくかとか、あるいは気候変動も踏まえますと、データドリブンの仕組み、これは衛星データ、モデリングも含めまして統合的なデータ基盤を構築、オープンデータ化して、そういうものをどう活用していくかということを、もともとの現地でのモニタリングはもちろん重要ですけれども、どう組み合わせていくかということがDXの関係では問題になっているんじゃないかと思います。
 以上でございます。
【古米委員長】 春日委員、お願いいたします。
【春日専門委員】 私も少し幅広なコメントをさせていただきたいと思いますけれども、論点としては、現在の水環境管理に投入されている官民の社会コストというのをいま一度可視化する必要があるのかなというふうに思っております。人口減少が非常に急速に進む中で、これまでのコストが将来どのように変化するのかということを社会経済や人材の側面からしっかりと検証して、今回の制度的な課題や解決策と併せて議論しなければいけないと思います。
 来年度はいよいよ汚水処理概成が期待されているわけでございますけれども、同時に上下水道インフラの急速な老朽化であったり、集中処理から分散処理への転換、さらには上下水道、あるいはその他も含めまして担い手の減少ということも大きな課題になっております。その結果、水道水のリスクであったり、水環境汚染などの問題が今後起きかねないということも留意する必要があるのかなと思います。限られたリソースの中で、負担可能な社会コストと、本当に確保しなければいけない水環境のレベルを現実的に設定していくことが重要ですし、そのためには先ほど来出ておりますが、基準項目の整理、統合であったり、最新の分析、センシング技術、それからデータシミュレーション、こうしたものへの重点的な投資も非常に重要かと思います。また、流域単位で水環境管理をこれまでいろいろなセクターがやってきておりますが、そういう管理体制を集約、強化していくということも重要かなと思います。
 個人的には国民の満足度ということも重要ですが、それよりも水環境行政が今後も国民の信頼度をしっかりと得ていく、国民が任せても大丈夫だと思える制度や行政スキームが大事かなと思います。
 あともう一つ、地域というキーワードが今回の資料でもたくさん出てきていて、私も非常に重要だと思います。先ほど担い手の話をいたしましたが、地域に任せるときに一体それを誰が考えるのかという点は留意すべきです。地域の人材が枯渇して、結局はコンサルさんに全部丸投げするような状況は今後起こらないとは言えません。地域の公共用水域を自らの責任で管理、あるいは考えていける人材を、どのような体制・規模で涵養していくのかという制度設計が大事だと思います。
 以上です。
【古米委員長】 加藤委員、お願いいたします。
【加藤臨時委員】 加藤でございます。
 私も観光地域づくりという、ある意味大変広いコメントをさせていただこうかなと思いますけれども、水辺、また沿岸などにかかわらず良好な環境の創出、その活用というようなことが盛り込まれたということ、非常に大きく期待をしております。
 持続可能な観光地域づくりということで、環境省、観光庁さんを中心に、2018年頃からその持続可能な観光地域づくりの推進がされてきておりまして、環境基本計画の三つの視点の中の地域活性化というところは大きな目標として掲げられておりました。
近年、人々のウェルビーイングの向上というところにも視点が及んでくるようになっておりますけれども、良好な環境の創出に貢献するような観光地域づくり、また観光の活動というところは、まだ道半ばであるというところの意識がございます。というところで、今回のこの制度の検討というところを非常に期待しているところです。
 特に観光という考え方は、やはりエコツーリズムとかレジャー活動というように理解されることが多いとは思いますが、近年、地域へ貢献をする、したいというような来訪者の意識というのも高まっているようです。保全やボランティア活動、地域貢献型の活動や、また、企業の社会貢献というようなことも、広い意味で観光地域づくりの活動と見ることができますので、そのときに保全や気候変動、またはリスク対応というようなことをしっかりと盛り込んだ責任ある事業の在り方などにも、この制度設計というのが響いてくるのではないかということを期待しております。
 二つ目ですが、持続可能な観光の評価指標ということで、先ほど内山委員のほうからも評価指標というようなお話が出ましたが、持続可能な観光のガイドラインが2020年に観光庁のほうから策定をされておりますけれども、やはりそこのところで二つまだ不足だなと思うところがございます。一つは保全の基盤というところ、それからもう一つは、日本の特性、日本の水辺や里海などに豊富にある伝統知であったり伝統の技術、伝統産業のところに培われてきた、共生の知恵というものがまだまだ活かされていないところです。それを活かすことによって、地域に根差した日本らしい持続可能な観光の在り方というのも見えてくるのではないかと思います。
 最後に、担い手というところにも関連しますが、先ほど春日委員もおっしゃったように、コンサルではないというようなところで、地域に根差した人がどう育っていくかというところ、これからの日本の未来というところに関わってくると思っていますので、そこのところも非常に期待をしているところでございます。
 以上です。
【古米委員長】 それでは鈴木委員、お願いいたします。
【鈴木専門委員】 ありがとうございます。
 この度、検討課題、検討項目として水質汚濁事故対策の推進というのを挙げていただいてありがとうございます。重要なことだと思っております。
 私自身は、もう10年近くなりますかね。東日本大震災が実は個人的には契機だったんですけども、私どもの研究所の中で幾つか研究プロジェクトを起こしたりしまして、その後、推進費をいただいて、災害・事故時の化学物質リスク管理という研究をやってまいりました。それを基に、主にその点について申し上げます。
 まず、その過程で、実は自治体さんと演習というような形でかなり密にお話しさせていただく機会を環境省様にご協力いただきまして、自治体さんのほうで、実はこの事故時の措置というものについて非常にしっかりやっておられるということも一方で拝見してきております。それは仕組みとして動いていることは全く間違いないのでありますが、単なる水質事故と、この資料6の5ページに挙げていただいているような災害に伴う事故というのは、最終的に起こることは同じだと思いますけれども、原因が違うことによって必ずしも特定事業所だけで起こるとも限らないこともあるし、今まで考えたこともないような、通常の、平時の管理の対象にないような物質が出てくるということもあったり、あるいはそのとき、さらに違う懸念が、同じ物質であっても違うタイプの、普通ではないような経路で出てしまうことによって、通常では考えていなかったような何らかの特性が市民の懸念になるということも起こったような気がしております。
 ですので、この資料6の5ページに挙げていただいている二つの事案、特に一つ目の事案は、私もかなり密にお手伝いさせていただいて、2番もかなり拝見させていただいたんですけれども、いずれもちょっと通常の事故時の措置から少しはみ出したところがあるような気がするところでありまして、ぜひ、もしこの水質汚濁事故時の措置というのを考えられるのであれば、これまでの事故時の措置というものを少しはみ出すかもしれないような事案についても、この法律の中で、あるいは法律そのものでは扱えないとしても、法律に関連する活動の中で適切に扱えるような仕組みというものがあるといいかなと思っております。それはもしかしたら事業所の範囲について必ずしも水濁法の対象ではなかったものでも、何か指導か助言かぐらいはできるみたいなものが、できるのか分かりませんけれども何かとか、あるいは指定物質、基準物質でなくても、場合によっては応急的な措置の考え方を示すことができるような足がかりとか、何かそういうものがあると有効かなと思っております。
 それからもう一つは、それをするに当たりまして、水道との事業者との連携は当然でありますけれども、この水環境行政のほうには恐らく環境省というよりは国交省が管理されている河川水質の管理というのが当然あるかと思いますし、それは、そちらのほうでまたある種、体系をしっかり組んでおられるとも聞いております。
 それから、これとは別に、事業者さんのほうもある種、産業保安の観点で管理がしっかりされているというところがあると思っておりまして、そことの情報共有というのもあるかなという気がしております。ですので、もう一つは、この連携強化におきましても、連携というところまでいくのはもしかしたら水道と水環境だけだとしても、情報共有というレベルにおいてはもう少し広い範囲までしっかり視野に入れて、必要な際には必要な協力ができるような体制を考えていただくことが有効かなと思っております。
 一応、以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご発言に対してお願いいたします。
【鈴木室長】 ご意見、ありがとうございました。
 大久保先生、春日先生からもありましたけれども、インフラとか、そういう環境省のいわゆる環境行政にとどまらないところの視点もいただいたかと思っています。省庁を超えたところというのはなかなか簡単にはできないところもあるんですけれども、大分我々も今回のこの小委員会を開催するに当たりまして、そういった社会資本を担当しているような省庁にも、こういったことをこれから検討していきますよということはお話をしていきます。そういう中で、例えばグリーンインフラという言葉もいただきましたが、水の関係でいきますと流域総合水管理とか、そういった考え方も出てきているのかなと思いますので、そういったところの意識というのはもっとしていかなきゃいけないかなと思っております。
 あと、春日先生から、満足度だけじゃなくて信頼度というご指摘をいただいたかと思います。非常に大事な視点で、我々の資料はどっちかというと満足度みたいなところがちょっと今重視されたところがあるかなと思って、非常に大事な視点だと思って聞いておりました。地域のニーズとか地域の特性といったときに、じゃあ誰がやるのというところも非常に重要な視点、なかなか我々もすごく難しい面を感じていまして、取組が進んでいるところはどんどん進んでいくんですが、なかなかそうじゃないところもあるという中で、もしかしたら地域によっても差がついてしまっているかもしれないと。国でこれまでなるべくマニュアル化とか手引きとかというのはしっかり出して、ある程度の最低限ここまではというところを示すと、何となくそれに画一的になってしまうところを、もうちょっと地域特性と言っていると、今度は差がついてきてしまう。ちょっとそういったジレンマのところはお聞きしていて感じていたところでございますが、また個別の議論のときに意識してやっていきたいと思います。
 大久保先生からAMRのお話とか規制の関係のお話もたくさんいただきました。AMRはワンヘルスということで、我々も今、特に推進費のほうでAMRの大きなプロジェクトが動いています。そちらの状況を見ながら、何をやっていかなきゃいけないのかというのを考えなきゃいけないかなと思います。
 水質の規制のほう、個別の論点としてはあまり挙げていなくて、さっきの資料7で言えば、その他のところに該当するかなと思っています。ちょっとなかなか建設現場のお話とかも難しい話だなと思ってお伺いしていました。ちょっとどこまで具体的にこの場でできるかは分かりませんけど、またいろいろご意見いただきたいと思っております。
 観光とかは、後から別の者からお答えしたいと思います。
 鈴木委員から、事故対策の関係でご意見をいただいたかと思います。推進費S-17で非常に精力的に取り組んでいただいて、我々もそれをベースにいろいろ行政の政策のほうを環境保健部と一緒に、今、鈴木先生や浅見先生にもご助言いただきながら、自治体への情報共有とか、先ほどお話しいただいた演習とか、そういったことに取り組み始めています。
 一方で、想定外とか今までの規制対象の施設以外からのというようなご発言があったかと思います。全て規制でというのはなかなか難しいなと思っていまして、規制以外のところで何ができるのか、またご意見いただきながら検討をしていければと思っております。
【森川室長】 環境創造室の森川です。
 加藤委員から良好な環境を活用した観光地域づくりに関する点について主にご意見いただいたかと思います。持続可能な観光地域づくり、さらにはそれが地域の活性化につながっていくというところに対してご期待いただいているということでございます。私どもも、もう既に加藤委員には観光地域づくりのモデル事業にはいろいろとご示唆、アドバイス、地域支援においてもいろいろなコメントもいただいておりまして大変ありがとうございます。
 良好な環境の保全、再生、創出が現場で取り組まれていくためには、先ほどの里海の話にもありましたとおり、資金は当然ですし、人の確保、誰が担っていくのかということも非常に重要で、それがやはり地域においては課題だということになっております。そこが担保できれば持続可能な取組になっていくけれども、なかなかそこは担保し切れずにお金がなくなったときに取組自体も終わってしまうというようなところに対して、持続可能性を確保していくというところへのアプローチを今、全国各地で各地域が取り組まれています。その観点で良好な環境を持続可能なものにしていくために観光というのが非常に親和性が高い中で、一方で、まだ観光庁さんの取組の中で、まだ足りていないところがあるんじゃないかと。そこに対して、この環境省が今これから検討していこうというところで、相互補完的な部分を強化していければ、今、観光庁さんが全体としては進めていくけれども、一方で観光庁さんがやはり観光施策を進めていく中で、現地で使われるのは良好な環境が使われているというのは非常に多くあると思うので、環境省のこの取組によって、それらの地域の良好な環境が疲弊することなく、搾取されることなく、かつ、より健全なものになっていくような制度設計ができればいいなというふうに思っております。その点、加藤委員ともいつもお話しさせていただいておりまして、この小委員会の中でも、先ほどのとおりですけど、先ほど内山委員のご指摘にも回答させていただいたとおりですが、制度の詳細を詰めていきたいと思っております。観光という観点について、十分ご見識の深い加藤委員から足りていない部分、この委員会だからこそできる部分について、いろいろと詳細をアドバイスいただければと思っております。引き続きよろしくお願いします。
【古米委員長】 よろしいでしょうか。
(なし)
【古米委員長】 続いて、西嶋委員、星野委員、前田委員、皆川委員の順番でお願いしたいと思います。
 それでは、まず西嶋委員、お願いします。
【西嶋臨時委員】 西嶋でございます。
 先ほど説明いただいた昭和から平成、令和に向けて、水質汚濁の非常に大きな対策が必要だった時代から水質が改善して、現在、令和で水環境の創出という大きな流れというのは非常に分かりやすく説明いただいたなと思っています。
 その中で、一つは水質が改善したというのは多くの人が感じているところなんですが、やはり水質を表す一番大事な指標の有機汚濁指標というのが、やはりちょっと今、問題があるというか、実情に合わないと。皆さん、水質は改善したと考えているのに有機汚濁指標としては環境基準は守れないという状況があるというのは、非常にやっぱり大きなストレスだと思うんですね。これは一つ、大きな改善すべきところかなというのが一つです。
 もう一つは、水質は改善で、次が生物多様性とか生物というところに話が行くんですが、現実には、水と、やっぱり底質というところで少し底質の評価というのが、これはそもそも環境基準に入っていないので手薄になっているのではないかと。本当に環境全体がよくなっているのか、あるいは反応しやすい水はきれいになっているんだけど、まだ泥のほうは汚濁を残したまま、それが生物生産とか、そういうところがまだ改善していかないところにつながっている可能性もあるので、その部分を、もう少し底質のほうを見ていく必要があるのではないかということを考えております。
 その底質も含めて、沿岸では里海づくりとかいろんな活動がされていて、それ自身はもちろん地域の人たちのウェルビーイングにつながっていって、いいことだと思うんですが、ただ、海がいろいろ課題が大きくなったというのは陸域からの負荷だけではなくて沿岸の開発によって浅場がすごく失われたというのは大きな変化だと思うんですね。その改善の一つとして、沿岸をいきなり、もちろん自然護岸に変えることはできないんですが、様々な里海活動なんかが一つの改善というか、につながっているんだと思うんですね。それ自身の評価というのはもちろんあるんですが、それが海域全体でどんな役割を果たしてきているのかということに関する評価というのがなかなかないのかなというところがあるので、個別の活動自身は地域の人がやられて非常に重要な活動なんですが、それが海域全体に対する貢献というのはどうなのかというところも一つ大きな視点かなというふうに考えております。
 あと、これから新しく様々な生物多様性だとか、生物に向けたモニタリングというのを増やしていくことになると思うんですが、なかなか多分、足し算でモニタリングの項目がどんどん増えていって、地方のほうの、誰がするかということはもちろんあるんですが、負担が増えていくというのは、なかなかもう受け入れ切れない部分が出てくるんじゃないかということを若干懸念しています。我々もいろんなモニタリングデータを使わせていただいて研究しているので、モニタリングデータが継続的に取られるというのは非常に大事なことだということは重々認識した上でお話をするんですが、1980年代からずっとデータを取っていって、全く問題がない場所はたくさんあると思うんですね。そろそろ50年ぐらいたっているわけですから、1回モニタリングポイントをどうするべきかという見直しをしてもいいんじゃないかと。やっぱり課題があるところはきちんとモニタリングしなきゃいけないんですが、ずっと長期のモニタリングの中で、ずっと問題がない場所もたくさんあるので、そういう場所のモニタリングを課題がある場所と同じようにやっていくのか、少し間隔を変えるとか、モニタリングポイントを減らすとか、少しそういうこともしていかないと、やっぱり新しいものを入れにくいというところはあると思うので、今後、やはり今まで生物をあまり見てこなかったとか、先ほど言った底質に関しては、水質に比べればかなり薄いモニタリングになっていたとか、そういうところを改善するということがやっていかなきゃいけないということであれば、やっていかなきゃいけないということであればというか、やらなきゃいけないんですが、少し既存のモニタリングをどうするかというところもやっぱりセットで考えるべき、少し減らすということも含めて考えるべきではないかというふうに考えます。
 以上でございます。
【古米委員長】 星野委員、お願いいたします。
【星野専門委員】 ありがとうございます。
 私からは、担い手、環境教育のお話と連携推進の2点でお話しさせていただきます。
 まず一つ目ですけれども、この水辺の環境保全にはやはり人が欠かせませんので、31ページのところで、環境教育・普及啓発、下部にありますけれども、水質調査の指導者向けの研修会など、こういったことはぜひ進めていただきたいと思います。
 その研修会の対象としてやはり大人向け、子どものために大人がやると思うんですけれども、私は高校生なども指導者として活用されでもいいんではないかなと思うんですね。といいますのは、今、いわゆるSDGs時代に入ってSDGsネイティブと呼ばれる今の中学生、高校生、大学生は非常に関心を高く持っています。ただ、やはりその中で何に関心が高いかというと、やっぱりフードロスとかごみとか、やっぱり身近なものに関心を持っているんですね。プラス、ジェンダーなんかもそうなのですけれども、やっぱり水辺がまだ遠い、もちろん水辺の近くに住んでいる子どもはそうではないと思いますけれども、やはり水辺をもう少し身近に感じられるような環境教育をすることで、水辺に関心を持ち、また、そういった指導者にもなっていくような、そういった人材を増やすことができるんではないかなと思います。例えば川ごみとか海ごみには非常に関心を持っていて、いろいろなところでクリーンアップも今展開されていますけれども、例えば川ごみの人たちが生物多様性の調査をするなど掛け合わせでやっていくような、そういった工夫ができるようなことを考えられるような人が増えていったらいいのではと思っております。
 あと、そういったものを行政ですとか企業も今、ネイチャーポジティブの時代になり関心を非常に持っていますし、企業も共生サイトの登録などで関心を持っていると思いますので、そういった関心を持つ行政と、今言ったようなNPOとか市民活動で海ごみとか川ごみ、クリーンアップをやっている人たちとの連携ができるといいなと思います。
 後半の連携推進の話になりますが、テーマとしては、例えば観光のお話も今出ましたけれども、観光ツーリズムも今、非常に関心が高いと思いますし、あともう一つは農業ですよね。農業が衰退していく、第一次産業が衰退していくような中で、農業の推進とともにこの環境の水の問題というのも一緒に考えられると思いますし、あと加えて、防災のことも後であると思いますけれども、防災と、そういったテーマを掛け合わせるようなことで、この今回のテーマとも一緒に考えていただくようなテーマのシナジーを作っていくというのがアイデアの一つかなと思います。そのためには、やはりそのテーマごとをつなげる役割であるコーディネーターと呼ばれる方たち、あるいはアドバイザーと呼ばれる人たちが必要となってきますので、そういった人たちの育成にもご尽力、時間を割いていただければいいなと思いますし、今、私が関わっております環境パートナーシップオフィスは全国に8か所あって、私の団体は関東を担当しているんですが、そういったところでのマッチングをするとか相談対応等もやっておりますので、そういったところもぜひこの事業とも連携いただければ何かお役に立てるかなと思っております。
 以上でございます。
【古米委員長】 それでは前田委員、お願いします。
【前田専門委員】 私のほうから、自治体代表の立場として、自治体の視点からお話をさせていただきたいと思います。
 この水環境を守り、生かすという、国が目指す新しい水環境の制度なんですけど、これに合わせて各地域において森里川海のつながりを回復させること、あわせて環境の改善と経済的な活性化、この両立が図られなければ、やっぱり持続可能な取組にはならないのかなと考えています。
 本市のほうでは、2018年から企業の支援をいただきまして、子どもたちが中心に探求型協働学習というものに取り組んでいます。本市に八つの小学校があるんですけど、各小学校の学年に応じて、海に親しむ、知る、利用する、守るということで、子どもたちが中心になって活動のほうを続けております。それらの活動は、子どもたちが中心ということで、親御さんであったりとか、おじいちゃん、おばあちゃんというところが非常に親身になって動いてくださる。そのような事例としてはいろんな方を巻き込んで、地域全体が関わり、動いている一つの事例になっているのではないかと考えています。一方で、小学校段階だけでの取組みでは、海に関する学びが、そこで終わってしまうのかなというところで、本市のほうでは社会教育学習ということで海の学校というものを創設しまして、中学生以上の若年層を対象に、海に関する学びをさらに深めていく、そのような取組のほうを行っております。その中で、連携の確保ということで、水がきれいになる仕組みということを市民参加型で維持、強化していく。これは自治体として非常に大切かなと考えています。
 今、水・大気環境局さんと一緒に取り組んでいることで、里海の活用ということで漁業体験、漁業者が減少している中ではありますが、漁業体験とかエコツーリズムということで、それを観光資源として活用していけないか、そのような取組のほうも行っております。ただ、どうしてもその中で課題として考えるのが、やはりその取組、子どもたちがやっている取組ということは皆さんすごく支援してくださいます。ただ、市民さん全体で見たときに、それが本当に市の活性化につながっているのかであったりとか、また、それは「好きだからやっている活動ではないか」という受け止め方もあり、なぜ今、この取組をしないといけないのか、これがどうつながっていくのかというところを十分示していけていないのかなとは思っています。そういう意味で、例えば30by30の考え方であったりとか、自然共生サイトということで認定のほうをいただいているんですけど、そういう公的な部分で取組が認められる部分、そこは市民さんにとっても、やっぱり市としてもアピールしていけますし、市民さんにとってもそういう取組が認められたんだというところの認識というのは深まっているのかなと思います。
 やはり自治体として取り組んでいくということで、実際、市民さんを含めた中で、それを広げていく、さらに横展開していくという大切さはあると思うんですけど、まずその制度的なもので、この取組がどのようにつながっていくのか、取り組んだ結果として、どのような効果が生まれるのか、そういう制度の確立ということがやはり大切かなと考えています。
 その中で、やっぱり自治体として取り組んでいく中で、本当に先ほどの水質汚濁のところから良好な水環境というところで、やはり水というのはすごくきれいになっていると思います。ただ、豊かな海になっているかと言われれば、また少し違うのかなというところもありますので、今後は、「良好な水環境」から一歩進んで、「豊かな海づくり」へとつなげていく取組を、各地域で展開していくことが重要だと考えています。そのためにも、自治体が継続的に取り組んでいけるよう、課題の解決の道筋や効果が見える形で整理された「制度の確立」について、ご支援をいただければと思います。
よろしくお願いします。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは皆川委員、お願いします。
【皆川臨時委員】 私からは、生物多様性の確保と水圏生態系の保全と、地域特性を的確に把握できる水環境指標について、これからの時代に向けた水環境行政の展開についてコメントさせていただきたいと思います。
 九州は非常に気候変動による豪雨災害が多発しています。その中で、流域治水については先駆的に取り組んでいる事例も増えてきていると感じています。そこでベースになるのが、やはりNbSという考え方で、グリーンインフラを取り入れながら、減災・防災も取り組みつつ、生物多様性につなげていくという取り組みが重要であると考えています。国土交通省さんのほうでも河川行政においては、流域総合水管理ということで進められていますが、このように近年は河川から流域というような視点に移ってきました。流域一貫ということが、今の森から海のお話にもありましたとおり重要です。また、SDGsでいいますと、ウエディングケーキモデルの基盤となる生物圏になりますが、それをベースにする視点が総合的水管理にも入ってきています。また、今回の目標の中にもウェルビーイングであるとか地域の活性化というところが含まれています。最後の方の記載に関係省庁の連携を図りながら今後の施策を展開するということがそれぞれ取組として記載されていますが、、そこの重ね合わせがよく見えないというところが生物多様性や水圏生態系の保全を図る上でネックになっていると思います。例えば、淡水域の生物は他の生物種より生物多様性が劣化しているという現況がありますが、特に淡水魚になりますと、用水路等の農水との連携を図らない限りは生物多様性の保全が図れない状況にあります。そこは地域の方々が担っていくべきところや、生業にも結びついていかないといけないとところでもありますので、産業と生物多様性や、様々な省庁が連携した施策に展開させることが一つ大きな課題となってくるだろうと思いますので、ご検討いただきたいと思います。
 それと、生物多様性の保全というところになりますと、データを解析すると、重点的に保全すべき地域が抽出されますが、一方でみずしるべなどの指標から抽出される地域とは異なります。そのため、全体的な計画も立てつつ、様々な視点でのレイヤーを重ねて合わせフィードバックさせながら全体の目標を設定していくということも必要ではないかと思いました。
 以上になります。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは。
【鈴木室長】 ご意見、ありがとうございました。
 まず、西嶋委員から、有機物指標について、我々も資料7の右下のところのキーワードにCODの在り方と書かせていただきました。今までもずっと言われていたことですけれども、しっかりとやっていけたらと思っています。
 それから、底質のことをご指摘いただいて、資料の中にあんまり出てきていないし、ちょっと我々の認識も不十分なところはあったかなと思います。ちょっとほかの部署からもし補足があれば後で補足してもらいたいですが、ちょっと底質の観点、非常に大事かなと思って聞いておりました。
 それから、モニタリングのある意味合理化について、今、手元に正確な数字はないんですけれども、公共用水域のモニタリングポイントは1,000とかじゃなくて4,000とか5,000とか、それぐらいのポイントを全国でずっと測っていただいています。そういった中で、ここも資料7の一番下に効率性と3文字書いたんですけど、あんまりちょっと役所のほうからなかなかうまく打ち出せていないんですが、合理化というのはやっぱりやっていかないと、自治体さん、まさに人口減の話がほかの先生からもありましたけれども、自治体の体制自体も弱くなっていく中で、やるところとある程度合理化するところというのは、バランスは非常に重要かなと思って聞いておりました。
 それから星野委員から、高校生のお話、非常に我々も大事だと思いますが、実はあんまりうまくアプローチできていなくて、今回の取組、さっき資料5のところの生き物調査の指導者向けのセミナーというのも、やっぱり小学校の先生の組織とかというのはすぐに分かりやすくアプローチできるんですが、高校生だと非常に多様になっているところもあって、なかなか我々もアプローチできていないんですが、多分、すごく可能性はあって、高校の生物部とか環境部とかはかなり専門的な観点も含めて調査されたりしているのは聞くので、そういったところとの連携、もう少しそういった方々に活躍していただけるというのは非常にいいところかなと思って聞いていました。
 それから、テーマの掛け合わせというところで、非常に大事な視点をいただいたと思います。農業とか観光とか、お話があったかと思います。やっぱり我々も先ほどの昭和から令和というパワーポイントを作成させていただきましたけれども、その令和のところで重視しているのは保全に加えて活用という観点であります。活用というところの例として、やっぱり観光とか農業とかというところが出てくるかなと。そういったところの方々の力を、ぜひこちらの今までの水環境の保全みたいなところにうまく連携をして、両方にとっていい、地域にとってもいいし、水辺にとってもいいといったところを目指していきたいなと思って聞いておりました。
 前田委員のお話は後でちょっとします。
 皆川委員のほうから、NbSとかいう話がございました。先ほど大久保先生や春日先生のところでもちょっと申し上げましたが、なかなか省庁連携のところ、進んではきていると思うんですけれども、まだ不十分だというところのご意見だったかと思います。ご存じのとおり、内閣府に水循環政策本部というものを作って、環境省もその一員になっていまして、かなり連携ということでは従来よりは進んできているかなと思いますし、その河川周りとか水周りの生物多様性とかという観点でも、ちょっと環境省ではまた部署が、自然環境局が主にやっていますけれども、国土交通省、農水省との連携というのは今進めてきていますが、まだまだというところのご意見だったかなと思いますので、受け止めていきたいと思っております。
【森川室長】 環境創造室の森川です。
 西嶋委員から里海づくりの取組というのが、これまでも進んでいるし、これから環境改善を進めていく、また、地域のウェルビーイングの観点、地域活性化の観点からも重要じゃないかと。一方で、点での取組であって、全体としてそれがどう海域環境の改善に貢献しているのかというのを示していくというご指摘もいただいております。里海づくりの議論の中でも、まさにおっしゃるとおり、地域一つ一つの取組がさほど大きくないですし、どうしても沿岸域での取組にとどまるところもあるので、それぞれさらにばらばらに取り組む、特に横連携というのがさほど現状としては行われていないという状況に対して、面的にどういう意味があるのかというのは議論をさせていただいていたところです。環境省の環境研究総合推進費のS-23のプロジェクトの中でも、その点は意識していて、里海づくり、藻場の再生といった取組がどのような効果が発揮されているのかと。実際に藻場が再生していればそれは分かるんですけど、それによってどう生物多様性に貢献し、再生・保全に貢献しているのか、みたいなところはしっかり見える化していこうという取組が一定程度、まだ途中段階ですが進んできています。そちらのほうの議論にもしっかり還元して、今いただいたご指摘も踏まえて、また、この制度の中でどのように今の話に貢献できるのかというのを考えていければなというふうに思っております。ご指摘ありがとうございます。
 前田委員から、阪南市さんはとりわけ環境保全の取組を阪南市が中心になって、自治体が中心になって取り組んできた経緯があり、生物多様性保全の自然共生サイトの認定、沿岸域における自然共生サイトの認定もいち早く取り組まれていて、先進事例としてやられている一方で、本当に市の活性化につながっているのかと、それを進めているのは一部の方の思いだけなんじゃないかと。市全体にどういうふうに還元されていくのかという点について、なかなか説明がし切れていない、多くの住民の方を巻き込み切れていないというところの課題をいただきました。その点について、この制度だけでもちろん解決するわけではないと思うんですけど、阪南市さんも同じ行政機関ということで、行政機関がしっかり進めていく施策については、法制度に基づいて、しっかり取組を進めていくことで、地域住民、地域の関係企業さん、さらにはこれまで関係していなかった方々の巻き込みにつなげていけるんじゃないかというところを課題感を持ってご指摘いただいたかなというふうに思っております。
 その視点で、引き続きこの委員会の中で議論していく詳細の制度について、まさにこれまでの取組の実態をもって課題を感じられていると思うので、その課題解決につながるような制度にしていければ、他地域への波及効果もあるかなというふうに思っておりますので、ぜひ引き続きのご指摘、アドバイス等をよろしくお願いできればと思います。
 以上です。
【古米委員長】 よろしいでしょうか。
(なし)
【古米委員長】 それでは、続いて、和田委員、今野委員、小川委員の順番で、その後に私から発言させていただきたいと思います。
 それでは和田委員、お願いします。
【和田専門委員】 和田です。
 重複することが多くありますので、2点ほどお話しさせていただきたいと思います。
 環境モニタリングのデータは、水質が汚濁していた時代から蓄積されており、本当に大変貴重だと思っております。また、今回の環境基準の見直しということで、底層DOや大腸菌に関しては、すごく評価したい項目であると思っています。しかし、水質が改善し、基準を達成したところでも、多くの地点でいまだ定期調査が続けられているというのが現状です。
 一方、昨今の気候変動による水温の上昇や、それから少雨や多雨といった雨の降り方の影響を受けて、河川では流量が大きく変化し、渇水のときなどは濃度が上昇するといったようなこと、さらに、閉鎖性水域では、底質からの溶出の懸念から、これまで以上に鉛直方向の質の変化が重要になっていると感じています。このようなことから、今の水域状況に即した調査項目、測定点、そして測定箇所などに対応するとともに、人材不足といったこと、またコスト面ということも踏まえた見直しというものを検討し、環境モニタリングを最適化する必要があると思っております。
 次に、多様な生物のすみかとなるため池、湿地についてですが、良好な水辺環境の創出に向けた取組でもありますように、身近な水辺は地域の活性化につながる重要な場であるとともに、貯留機能として治水面でも注目されています。しかし、ため池の多くは老朽化や従事者の高齢化、また、改修のコスト負担によって維持管理がなされず、漏水や放棄、湿地の埋立てが進んでいます。また、適切な管理ができていない水域では、そこで発生した藻類が流出して、水域水源の水質、例えばかび臭などに影響しているところもあります。
 環境省さんは、身近な水辺が持つ環境における多様な機能の重要性というものを十分に認識されていると思いますので、生態系をはじめ、農業、経済、治水、防災といった多角的な視点からウェルビーイングの向上を検討され、豊かな水辺を保全するための方策を他の省庁と連携して進めていくことを望みます。
 以上です。
【古米委員長】 今野委員、お願いいたします。
【今野専門委員】 私からは、資料7の「a.良好な環境の創出に向けた取組」について1点と、「b.水質事故対策の推進」について2点コメントさせていただきます。
 一つ目のaについて、これは参考までにというコメントですが、水の保全は企業のCSR活動の観点からも重要な課題であると思っております。水道水源となる森の保全活動について、企業のCSR活動のヒントになる部分もあると思いますので、ぜひそうした活動の事例等の共有をお願いしたいと思います。
 bについて、工場にはバッファーと呼ばれるものがありますので、水質汚濁の事故の発生時に工場からいきなり海に排出されるということはありません。しかし万が一そういう事故が発生してしまったときには、事業所には都道府県への届出が義務づけられております。その際、各行政の部署ごとに届出を行う必要があり、負担が大きいという声がございます。また、事故の種類や水質によらず、地区や地域によって定められている届出が異なることもあります。公害に関する行政の連絡が、トラブルごとに所管行政内でワンストップになるよう、ご対応をお願いいたします。
 もう一点は事業者からの水質の事故の報告や対応についてです。平成22年の改正の水濁法に基づく事故の報告に加えて、各自治体の公害防止とか環境保全に関する協定等により、きめ細やかな対応を行っている業者も多くございます。今後は、自治体の状況や水質リスクに応じた対応を検討していただければと思います。
 以上です。
【古米委員長】 それでは小川委員、お願いします。
【小川専門委員】 産業界からの意見ということで、私からも水質事故に関して、また、既に話が出ていますが、多面的なモニタリング、未規制小規模事業場の取扱いについて、意見を申し上げます。
 水質事故について、平成22年の改正のきっかけになったのが我々産業界のトラブルだったということもあり、非常に反省しており、今でも再発防止の観点から個社単位では様々な教育等を行っています。しかし、平成22年の改正以降もまだ水質事故が多いという報告が先ほどありましたので、どういった要因で増えているのか、例えば設備の老朽化なのか、人的なミスなのか、それとも知識不足で発生しているのか、そういった要因分析や検証作業を含め、教育や周知につながるような施策を行っていただきたいと思います。我々も既に十数年、再発防止の取組を行っていますが、風化を防ぎ更なる取組につながるのではないかと考えております。
 また、未規制小規模事業場について、確かに我々も小さな事業場をたくさん抱えており、そうしたところでは人材不足や、費用をなかなかかけられないという問題があります。水質については、今はほとんどの事業場でパックテストを使って管理していますが、良い具合には相関が取れないということです。また、BOD/CODとなると設備にも費用がかかり、それを扱う人材もいないため、専門家の皆様のご助言もいただきながら、簡易的に測定できるような方法を検討いただきたいと思います。
 我々本社側からは、公共用水域には流さずに下水道に切り替えるよう指導を行い、環境への影響をなるべく減らそうと取組も行っています。しかし、下水道のインフラの様々な問題があるほか、今後さらに処理費用が上がっていくことを考えると、現状行っている取組の採用も難しいというジレンマも抱えております。こういった部分についても議論をしていきたいと考えております。
 以上です。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、私からは三つになろうかと思います。
 今回、良好な水環境を創出するということですけれども、何をもって良好な水環境かというの明確でないと、どう頑張っていいか分からないということになるかと思います。したがって、良好な水環境をどう指標化するのかということと、それをどう評価するのかということが大事になろうかと思います。
 水質環境基準により、水質の面においては全国レベルでしっかりとしたトップダウン的な管理はできるんですけれども、水辺のすこやかさ指標には、水量と水生生物と、あと景観だとか人との関わりというような数値化しにくない指標もあります。この指標を使って多面的に見るという方向性は大事なんだけど、良好な水環境をどう評価すればいいかというところはなかなか難しくて、トップダウン的にこれはこうですよということを方向づけすることは困難だと思います。しっかり地域、地域ごとで水環境に関心を持っていただく人が増えて、この地域はこれが良好だよねという数値じゃないナラティブな表現ができるような方向性に持っていく、それをサポートするというのが国の役割なのではないかなと思います。やはり評価方法を含めて国から、地域での人づくりというか、人材育成ということもありますし、環境教育もあるかと思います。そういったところをサポートすることによって、水環境への関心、意識の向上、その地域における良好な水環境という共通認識ができるんではないかなというのが1点目です。
 2点目は、先ほどモニタリングの効率化なのか合理化なのか最適化なのかよく分かりませんけれども、それに関しては私も同じような感覚があります。やはり継続性というものを無視してはいけないので、ある程度従来のモニタリングは継続するんだけど、合理化して労力が減った部分で、今後はモニタリングにプラスして水域なり河川なりの水環境をモデル化して評価する。多くの水質環境基準項目は表層でしか測定しないし、底層DOも底泥直上しか測らない。しかし、水域全体のモデルがしっかりと出来上がっていれば、水環境を広がりを持って評価できるので、モニタリングだけで水環境を評価するのではなくて、モデルでもって補完しながらその水域の環境状態を見るということをトップダウン的に進めていくことが良いのではないかと思います。既に総量削減の対象海域である瀬戸内海、大阪湾、伊勢湾、東京湾、湖沼では琵琶湖だとか霞ヶ浦では三次元流動生態系・水質モデルを使って評価を行っています。ただ、そのモデルの再現性が十分かどうかという留意点がありますけれども、モデルをどんどん、どんどん高度化していって、例えばちゃんと水質が評価できます、底層DOが評価できるようになれば、モデルを活用して水域全体がどうなっているかを見ていく。もちろんモデルに水生生物も入るとさらにいいんでしょうけれども、それは今後だと思います。基本的にモニタリングとモデルのセットで水環境を評価するという方向性を明確にそろそろ出してもいいかなというのが2番目の点です。そのときに、やはりモデルの検証のデータが必要なので水質モニタリングもしっかりと継続する。また、微量汚染物質については一斉分析による測定データも蓄積しておけば将来的に役立つと思います。さらに、河川部局では環境DNAを使って、水生生物の存在を見るという動きが出てきているので、いち早く国土交通省と環境省とが手をつなげて、場合によっては農林水産の水産部局とも連携して、10年先、20年先の水域における水生生物の動態把握のために環境DNAを使って見ていくんだという方向を早めに出してもいいのではないかなというのがモニタリング関係の視点です。
 3番目は既に話に出てきましたが、連携というキーワードだと思います。先ほどのため池だとか、豊かな海ということになると農林水産省だし、水田も含めてですね。河川の流域管理に関しては、水循環基本計画ができているけど、じゃあ水環境基本計画とどう整合しているのかというのは国土交通省のつながりとなります。水道水源でも、今は厚生労働省ではなく国土交通省ということなので、やっぱり省庁を越えて同じ水環境に関するデータを持っている、同じ情報を共有できるというオープンデータ化した環境、水環境に関するデータが必要だと思います。水環境データは、河川分野が持っている、港湾・海域部局も持っている、農業部局も持っている、多様な主体が持っているデータや情報を集約していただいて、水環境の情報は環境省がまとめて持っていますよと。そして共有していますよと。それをベースにして、今後どういう方向に水環境を持っていくのかという目標を検討する。まず情報が共有されない限り、目標も共有されないことになります。そうすると、どうやってデータを集約して、その情報をどう発信して、国民の方なり利害関係者に伝えて、そのデータを一緒に生かして目標を達成するというような方向性、すでに考えておられると思うんですけれども、具体的にデータのアーカイブ化なり、しっかりとしたオープンデータ化をするという方針を出して、水環境の情報集約が環境省によってなされているという形が、望ましいというように思っております。
 私からは以上です。
【鈴木室長】 ご意見、ありがとうございました。
 和田委員のほうから、その水環境で鉛直方向のというところのご指摘、我々の資料ではあんまり意識できていなかったところかと思いますので、しっかり意識していきたいと思いました。
 それから、治水とか農業とかとの連携という話、古米先生からもいただきましたけれども、一つは多面的モニタリングで、水辺の物理・化学・生物的な影響だけじゃなくて社会的な面というのもしっかりとモニタリングというか、見ていくというのはぜひやっていきたいと思っています。それでまた個別の議論のときに議論をさせていただければと思っております。
 今野委員のほうから、良好な取組の事例共有というお話がありました。ちょっと我々のほうでも何ができるか考えてみたいと思います。
 それから事故のときのワンストップ化というのはなかなか難しい、すぐにちょっと答えは出ないかもしれませんけれども、ご意見としては受け止めたいと思っております。
 小川委員のほうから、事故の要因分析というようなところ、あんまり正直、事例はたくさんあるんですけれども、要因まで突っ込んでというのは多くないかもしれませんので、ちょっと何ができるかというのは考えていきたいと思います。
 パックテスト、我々も論点のほうに実は簡易分析と書いてあって、パックテストなんかも意識していきたいと思っているので、ちょっとこの場でここまで具体的な、技術的な検討はできないかもしれませんが、意識してやっていきたいと思います。
 最後、古米委員長のほうから、非常に重たいというか、すぐになかなかできないことも含めて非常にいろいろご示唆いただいたかと思います。評価をどうするか、多面的なモニタリングはいいけど評価はどうするかという難しい問題ですけれども、しっかり検討していきたいと思っております。
 それから、モニタリング、プラス、モデルというところ、そこもしっかり勉強していかなきゃいけない、一部やっている水域はあるんですけれども、全国にどう適用していくのかというところの勉強、この小委員会で全部結論は出ないと思いますけれども、意識をしていきたいと思います。
 最後、連携のところは、いろんな委員からもご指摘いただきました。具体的に、さらに古米委員長からはオープンデータ化、データの利用みたいなところですね。WEBサイトを探せば出ているんですけど、どうやって利用しているのかというところ、もしかしたら不十分なところは結構あると思うので、その辺の具体的なご意見もいただいて検討を進めていければと思っております。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 そろそろ時間ですので、本件についてはこれで終わりたいと思います。
 今日いただいたコメントは、事務局のほうで精査していただいて反映していただけるかと思っております。
 まだ数分ありますので、全体を通じてご発言をいただく時間はあるかと思います。いかがでしょうか。言い足りなかったとか、よろしいでしょうか。
(なし)
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、時間が参りましたので、今日の審議はこれで終了して、進行を事務局にお返ししたいと思います。
【嶋田主査】 ありがとうございます。
 本日は、ご多忙のところご出席いただきまして、また、大変活発なご議論をいただきまして誠にありがとうございました。
 次回以降の審議については、今回いただいたご意見等を整理し、各論点の議論を深めてまいりたいと思います。次回の日程については追ってご連絡、ご案内させていただきます。
 また、今回の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様の確認を経て、環境省ホームページに掲載いたします。
 では、以上をもちまして、本日の水環境制度小委員会を閉会いたします。YouTubeでのライブ配信もこれにて終了いたします。ありがとうございました。
午前11時57分閉会