底層溶存酸素量類型指定専門委員会(第2回)議事録

開会日時

令和4年325日(金) 15051637

場所

WEB会議による開催

議題

(1)底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について(第二次報告案)

(2)その他

資料

・資料1    中央環境審議会 水環境・土壌農薬部会 底層溶存酸素量類型指定専門委員会 委員名簿

・資料2    「底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について(第二次報告案)」概要

・資料3-1   底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について(第二次報告案)

・資料3-2   底層溶存酸素量に関する伊勢湾の水域類型の指定検討結果

・資料3-3   底層溶存酸素量に関する大阪湾の水域類型の指定検討結果

・資料4    伊勢湾及び大阪湾における底層溶存酸素量類型の指定検討会の概要

・参考資料1  底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について(諮問・付議)

・参考資料2-1 底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について(答申)別添(令和3年7月30日)

・参考資料2-2 水質汚濁に係る生活環境項目の保全に関する環境基準の見直しについて(答申)(平成27年12月7日)

・参考資料2-3 底層溶存酸素量及び沿岸透明度の評価方法等について(平成28年11月1日、第42回中央環境審議会水環境部会資料)

議 事 

<午後3時05分 開会>

【事務局(岡崎)】 それでは、ただいまから会議を開始します。これからYouTubeで配信開始いたします。それでは、よろしくお願いいたします。

 それでは、時間が少々過ぎましたが、これより第2回中央環境審議会水環境・土壌農薬部会底層溶存酸素量類型指定専門委員会を開会いたします。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中にもかかわらず、ご出席いただき大変ありがとうございます。

 本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、WEB会議での開催となります。会議中、音声が聞き取りにくいなど、不具合がございましたら、事務局までWEB会議のチャット機能やお電話にてお知らせください。

 なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき、公開とさせていただいておりますので、環境省水環境課の公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。

 WEB会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、ライブカメラの映像は冒頭のみとし、議事以降につきましては音声のみの配信といたしますので、あらかじめご了承ください。このため、カメラ機能は、通常はオフとしていただきますようお願いいたします。

 また、マイク機能は委員長及び発信者以外はミュートに設定していただきますようお願いいたします。

 なお、ご発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。ご発言の意思は、このマークで確認いたします。委員長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただき、ご発言いただきますようお願いいたします。そして、ご発言後は再び挙手アイコンをクリックし、挙手をオフに操作をお願いします。挙手アイコンは事務局でオン・オフの操作ができないため、ご協力をお願いいたします。また、やり方が分からないなどございましたら、適宜ご意見のある旨をおっしゃっていただければと思います。

 本委員会の委員の先生方につきましては、お手元の名簿のとおりでございますが、改めて本日のご出席の先生方をご紹介いたします。

 WEB会議のため、差し支えなければ、お名前を呼ばれましたら、そのときだけカメラ機能を一旦オンにしていただきますようお願い申し上げます。

 それでは、初めに、委員長であります福島委員長でございます。

【福島委員長】 福島です。環境省から参加しております。本日はよろしくお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 この後は、本日出席委員を名簿順にご紹介いたします。

 大久保委員でございます。

【大久保委員】 よろしくお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 続いて、古米委員でございます。

【古米委員】 古米です。よろしくお願いします。

【事務局(岡崎)】 続いて、一見委員でございます。

【一見委員】 香川大学の一見です。よろしくお願いします。

【事務局(岡崎)】 続いて、鈴村委員でございます。

【鈴村委員】 よろしくお願いします。

【事務局(岡崎)】 続いて、田中委員でございます。

【田中委員】 田中です。よろしくお願いします。

【事務局(岡崎)】 続きまして、中村圭吾委員でございます。

【中村(圭)委員】 中村です。よろしくお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 続いて、中村由行委員でございます。

 続いて、西嶋委員でございます。

【西嶋委員】 西嶋です。よろしくお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 続いて、西村委員でございます。

【西村委員】 西村でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 続いて、東委員でございます。

【東委員】 東です。よろしくお願いします。

【事務局(岡崎)】 続いて、宮原委員でございます。

【宮原委員】 宮原です。よろしくお願いします。

【事務局(岡崎)】 皆様、ありがとうございました。

 本日の委員のご出席状況でございますが、所属委員14名のうち12名の委員に、ただいまご出席いただいております。

 なお、森田委員におかれましては、本日、遅れて参加するということをご連絡いただいております。

 また、山室委員は本日欠席とお伺いしております。

 続きまして、事務局からの出席者をご紹介いたします。事務局につきましては、お名前の読上げのみとさせていただきます。

 それでは、環境省水・大気環境局局長の松澤局長です。

 続いて、大臣官房の森光審議官です。

 続いて、環境省水・大気環境局水環境課の鈴木課長補佐です。

 最後に私、岡崎が、本日の事務局の出席者となっております。

 それでは、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局局長の松澤よりご挨拶を申し上げます。

【松澤局長】 本日は、ご多用のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。複数の委員におかれましては、水環境・土壌農薬部会、あるいは有明・八代海の評価委員会、連日の開催の中、ご出席賜りまして、誠にありがとうございます。

 本専門委員会につきましては、平成29年10月の「底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について」の諮問を受けまして、環境基準の底層溶存酸素量の水域類型の指定に関する専門的事項を審議する専門委員会として設置されて、今回2回目の開催でございます。

 第1回目は東京湾と琵琶湖の指定をご審議いただきました。昨年12月に、東京湾、琵琶湖については類型指定をさせていただきました。本日は、これらに続きまして、伊勢湾、大阪湾の類型指定案についてご審議いただきます。

 これまで、それぞれの地域検討会で、複数の委員の方が地域検討会の委員ということでして、作成に携わっていただいております。それを基にした指定案についてご審議をいただくわけですが、もし、合意いただけましたら、パブリックコメント手続にかける専門委員会報告案という形に合意いただければというふうに考えております。

 委員の皆様方におかれましては、専門的見地から幅広いご意見を賜りたいと存じますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 松澤局長、ありがとうございます。

 それでは、カメラ映像はここまでとしまして、これ以降は音声と資料映像のみとさせていただきます。

 では、続きまして、資料の確認に移りたいと思いますが、本日は主に電子メールでお送りしておりましたので、こちらについては省略させていただきます。

 それでは、これ以降の進行は、本専門委員会の委員長である福島委員長にお願いいたします。福島委員長、よろしくお願いいたします。

【福島委員長】 かしこまりました。

 活発なご議論、また、円滑な進行にご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。

 議題(1)底層溶存酸素量に係る環境基準の水域類型の指定について(第二次報告案)を、事務局から説明をお願いいたします。

 今回の審議は、伊勢湾と大阪湾の二つの水域でありますので、まずは伊勢湾までの説明をお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 承知いたしました。

 今回、報告案として出させていただくものが資料3-1、それから3-23-3となっております。こちらの資料、非常に中身が多くございますので、今回、資料2を概要版として作らせていただきました。こちらの資料2の中に、これまでの底層溶存酸素量の運用などについても書いてございます。

 まずは、底層溶存酸素量の専門委員会は一年ぶりということもございますので、簡単に底層溶存酸素量の運営、運用などについてお話をさせていただき、その後、伊勢湾の類型指定案についてご説明をさせていただきたいと思います。

 まず、背景ということでお話をさせていただきます。

 底層溶存酸素量につきましては、湖沼と海域を対象としまして、平成28年3月に新たな生活環境項目として環境基準に設定されました。設定されました背景といたしましては、既存のCOD、窒素、リンなどの有機汚濁物質の指標では、水生生物の生息など直接的な影響を示す指標とはなりませんので、そういった直接的な影響を判断できる指標ということで、底層溶存酸素量が設定されたという背景がございます。

 底層溶存酸素量の基準につきましては三つございます。生物1類型から生物2類型、生物3類型と大きく三段階に分かれております。

 こちら、生物1類型につきましては、貧酸素耐性の低い水生生物が生息できる場を保全・再生する水域、または再生産の段階において貧酸素耐性の低い水生生物が再生産できる場を保全・再生する水域となっておりまして、酸素をより必要とするような生物、そういった生物が生息する場につきましては、こちらの4.0mg/Lの基準が当てはめられるということとなります。そこから、段階的に生物2類型、生物3類型となっております。

 続いてのスライド、資料2、1.3につきましては、類型指定のイメージ図を示しております。こちら、イメージ図だけですので、基本的に説明は今回は割愛させていただきます。

 続いて、底層溶存酸素量の類型指定の具体的な手順を、1.4に示しております。今回、伊勢湾と大阪湾についても、こちらの具体的な手順を通して類型指定の検討を進めてまいりました。具体的な手順としまして、大きく二つの観点で類型指定を進めております。

 一つは、こちらの図で言いますと左側にあります保全対象種の観点と、右側にあります水域の特徴の観点でございます。保全対象種の観点としましては、その水域に住んでいる水生生物について、特に保全をしなければならない底層に依存している種、そういった種を選定いたしまして、その種がどういった水域に生息をしているのか。また、どのような貧酸素耐性を持っているのか。そういったところを考慮した観点となってございます。

 右側の水域の観点としましては、水域の構造上、貧酸素水塊が発生しやすい、そういった水域もございますので、そういった観点を考慮したものとなっております。

 続いてのスライド1.5につきましては、目標とする達成率・達成期間について書いております。通常、類型指定を行う場合は、類型指定と併せて達成期間も設定をしているんですけれども、底層溶存酸素量につきましては新しい基準でもありますので、こちら類型指定と併せて達成期間を設定することが非常に難しいということとなっております。

 前回、おまとめいただいた報告、答申の中で、こちらを書かせていただいておりますが、類型指定を行った後、5年間程度の情報収集、具体的には測定値の設定ですとか、保全対象種の生息の状況、そういったところを5年間程度情報収集を行いまして、目標とする達成率・達成期間を設定するということとなっております。

 今回検討いたしました伊勢湾、大阪湾につきましても、基本的にはこちらの考えに則り動くことと考えております。

 参考としまして1.6に、東京湾の類型指定の図を載せております。こちら、前回ご審議いただいた内容となっておりますので、説明は省略させていただきます。

 続いて、1.7が琵琶湖の類型指定の図となっております。

 続いて参考に環境省で類型指定を行う水域一覧を載せております。前回、東京湾、琵琶湖について類型指定を行いまして、今回、伊勢湾と瀬戸内海のうちの大阪湾について類型指定の検討をするということとなっております。

 そのほかの水域について、こちら一覧にあるものについては、環境省で随時検討していくというものとなっております。

 また、こちらに書いていない水域につきましては、各自治体で類型指定を行うということとなっております。

 続きまして、伊勢湾の類型指定案についてでございます。

 まず、伊勢湾についてでございますが、今回類型指定をする範囲について、最初にご説明をさせていただきます。

 伊勢湾につきましては、こちら愛知県と三重県に挟まれました伊勢湾と、愛知県に囲まれている三河湾がございますが、今回類型指定をする範囲といたしましては、こちらの愛知県と三重県の間にあります伊勢湾のみとなります。右側に既存のCODの類型を、今回示させていただいているところです。

 続いてのスライドは、全窒素・全リンとさせていただいているところです。その隣に水生生物の類型指定の状況についても書いております。

 それでは、先ほどの具体的な手順に従いまして、伊勢湾の類型指定の検討を進めてまいりました。こちらの説明に入りたいと思います。

 ここからは資料2、今回概要として作らせていただいたものと、資料3-1の内容を、少し交互になるんですけれども、見ていただきながらご説明させていただきたいと思います。

 まず、伊勢湾保全対象種の観点につきましては、こちらの10個の項目を見まして、保全対象種を選んでおります。10個の項目で保全対象種について、伊勢湾の中で何が適切か検討しました結果、資料22.2としましては、こちら一覧に、まず書かせていただきました。

 資料3-1の中で言いますと表1(1)ということで4ページにございます。それぞれ項目が、先ほど出させていただいた10個あるんですけれども、該当する項目に黒丸ですとか、地域の方が必要としている種については二重丸といったところで、こちらは書いております。

 こちら種が少し多くございますので、4ページと5ページにわたりまして、表1(2)1(1)と、それぞれ両方とも保全対象種として、今回選ばせていただいたところでございます。保全対象種は、こちらで地域の方々とこちらにしたいと考えているところでございますが、こちらの生息している場ですとか貧酸素耐性について、検討を進めておりました。

 資料3-1で言いますと次のページから、どのようにそういったところを進めていたのかというところを書いてございます。簡単にご説明をさせていただきますと、保全対象種について、先ほど選びました種と、その生活している状態などから、どこに住んでいるのか、そういったところが似た種をグループ化しております。

 こちらをグループ化したものが、次の7ページに表の2としております。具体的にそのグループの特徴ですとか、その種を、それぞれ分けているところでございます。

 同じく、生息だけではなくて再生産について、それぞれ作っております。そちらが次のページからになっております。再生産につきましては、表の3にそのグループですとか、その種について記載をしております。

 続いて、先ほどのグループ分けをしまして、それぞれのグループで既に貧酸素耐性がどの程度か分かっているものもございます。そちらを、具体的にグループに当てはめましたものが、表の4となっているところでございます。

 こちら、基本的に、そのグループ内で貧酸素耐性が既に分かっているものが選ばれておりまして、保全対象種がきちんと網羅されているのか確認していたところでございます。

 保全対象種については、先ほど表の5として、再生産の特徴が同じものをグループ化して書いているところです。

 保全対象種の結論といたしまして、資料2で少し説明させていただきますと、こちら、資料3-1で言いますと15ページにございますが、こちら左側、資料2で言いますこちらの図が、保全対象種の観点から見た重ね合わせの結果となっております。

 伊勢湾につきましては、マコガレイやヒラメ、サルエビ、シャコ、ガザミなどが伊勢湾に広く分布しておりまして、再生産のときの底層溶存酸素量を4.0mg/L必要とする種でございますので、広く生物1類型の図が当てはめられるというものとなってございます。

 保全対象種の観点を見ましたので、続いて水域の特徴の観点になります。伊勢湾につきまして保全対象種の観点、情報等を精査いたしました。こちら、資料3-1で言いますと16ページからになります。今回、非常に重要となるような部分を特にご説明をさせていただきたいなと思います。

 こちら、オレンジ色に囲まれているところが湾の中央部、水深25m付近にございます。こちら、昭和410月の記録としまして、底層溶存酸素量が3.0mg/L未満になるということが記録をされております。そのときは、水質の汚濁が、まだ大きくなる前と考えておりましたので、非常にこの辺りにつきましては貧酸素水塊が発生しやすい水域であったということが、当時の記録から分かっております。

 また、赤いラインにつきましては、1972年から1978年に、こちらのラインよりも北西側につきましては貧酸素水塊が非常に多く発生していたということが分かっております。こちら、三重県側につきましては水深約25mよりも深い部分については、そういったところが非常に多くあったということが分かっております。

 対しまして愛知県側につきましては、一律に水深25mよりも深いというわけではなくて、水深25m30mよりも深い部分、そういったところで貧酸素水塊が発生していたということが分かっております。

 また、この水深25m~30m付近、愛知県側につきましては、非常に良好な漁場などにもなっておりまして、一部、やはり25mよりも深い部分、25m30mの間で貧酸素水塊が発生していない部分もございました。

 また、こちら北側にあります名古屋港がございます。こちら名古屋港、少しこちら、黒い点線のように見える部分もあるかと思うんですけれども、こちらに高潮防波堤というものがございます。こちらの高潮防波堤の陸側と海側で海水交換、防波堤もございますので、海水交換が若干悪くなってしまうというところが懸念されるところでございます。

 ただ、一方、こちら高潮防波堤の陸側につきましては、非常に水生生物の生息再生産の場として重要であるというところが考えられている場所でもございます。

 今ほど、冒頭で少しお話しさせていただいたことが、こちら資料3-1の16ページに記載されております。過去の底層溶存酸素量の状況ですとか、近年の底層溶存酸素量の状況、それから底生生物の状況、それぞれの埋立てや港湾施設の建設に伴う流動変化による海水交換が悪い水域について、簡単に説明させていただいたところでございます。

 先ほど、図の説明をさせていただいたものが、続いての資料3-1だと17ページにございます。

 今ほどの保全対象種の観点と水域特徴の観点を併せまして、今回、類型指定の案として出させていただきたいと考えているものが、図としましてはこちら資料2の中では2.4ということで類型指定案、今回出させていただいております。

 まず、私から簡単にご説明させていただいて、その後、どのように今回記載しているのかというところを、少し読ませていただきたいと思います。

 基本的には伊勢湾につきましては、全体を生物1類型と考えているところでございます。ただ、湾の中央部、水深、三重県側で言いますと25mのラインと、愛知県側で言いますと25mから一部30mのラインがございますが、この湾の中央部につきましては、やはり貧酸素水塊が非常に発生しやすいと。また水質悪化が起こる前からそういった状況もございますので、こちらは生物3類型としたいと考えているところです。

 また、名古屋港の高潮防波堤で水域を区切りまして、これよりも陸側につきましては、海水交換が悪いということと、ただ、その一方、水生生物にとって非常に重要な場でもあるということもございますので、今回はまずは生物2類型を当てはめたいと考えているところでございます。

 こちら、資料3-1には、こちら書いてございます。ページ18ページでございます。それぞれ水域区分、鍵括弧で区切っておりまして記載をしております。こちら、少し読ませていただきます。

 一番最初、伊勢湾全域につきまして、こちら、括弧として伊勢湾央部、中央部と名古屋港を除くとしております。こちら、保全対象種の重ね合わせの結果において、名古屋港の高潮防波堤の陸域側の水域を除く伊勢湾全域は、概ね生物1類型であること、生物2類型が点在しているが、一帯の水域として保全を図ることが適当であることから、生物1類型と設定したと記載をいたしました。

 続いて、伊勢湾央部、先ほどの中央にあります生物3類型としたところです。湾央部について、保全対象種の重ね合わせの結果において、生物1類型に相当するものの、昭和初期の貧酸素水塊の確認状況及び現在の貧酸素水塊の発生状況を踏まえ、底層溶存酸素量の向上が困難と考えられる水域であり、加えて、現在の漁場の状況を考慮して、三重県側の水深25m以深及び愛知県側の水深2530m以深の水域は生物3類型と設定したと記載しております。

 名古屋港についてです。こちら、非常に長くございます。ただ、先ほど私から説明させていただいたところでもございますので、少し早口になってしまいますが少し読ませていただきたいと思います。

 名古屋港の高潮防波堤の陸域側の水域については、既存資料よりシロギス、クルマエビ、ガザミ、アサリなど保全対象種を含む水生生物の産卵場や育成場として利用が考えられるため、生物1類型が適当である。

 名古屋港の港口には高潮や地震、津波等の起こり得る災害を想定し、的確に対応できるよう高潮防波堤が設置されており、閉鎖性が高く海水交換が悪いと考えられる。なお、防災施設という特性から、海水交換の促進といった環境改善対策を施すことは困難と考えられる。当該水域は航路・泊地が多く存在しており、1990年~2019年度の公共用水域水質測定結果では年間最低値が4.0mg/L未満となる頻度が非常に高い状況である。

 名古屋港の藤前干潟周辺水域では、水生生物保全環境基準の生物特A類型に該当していることから、当該水域では底層溶存酸素量の環境基準では生物2類型以上が適当である。このため、名古屋港の高潮防波堤の陸域側の水域では、本来であれば生物1類型が適当であるが、海水交換の促進といった環境改善対策を施すことは困難と考えられるため、まずは生物2類型を設定した。なお、今後の測定地点及び達成率並びに達成期間の検討の結果等により見直しを含め検討するということとしております。

 こちら、名古屋港の記載となっております。

 続いてこちら、なお書き以降なんですけれども、こちらは今ほどお話ししました区域とは、また別のことのお話を書いてございます。

 こちらの、上記のほか、アサリの生育域及び再生産の場となる長良川河口堰から下流の水域につきまして、今回、地域の方々とご意見を伺いしている中で、非常に重要な水域であるということをお話しいただきました。

 ただ、今回海域の類型指定を行う範囲からは外れておりましたので、今回の類型指定の対象とはならないんですけれども、非常に重要な水域でございますので、そちらを注視する必要があるということを、こちら記載しております。

 最後、19ページに、目標とする達成率及び達成期間について記載がございますが、先ほど資料2で説明をさせていただきましたとおり、5年間の情報収集を行いまして、目標とする達成率、達成期間を設定したいと考えているところでございます。

 なお、20ページのところに、先ほどの図を示しているところでございます。

 伊勢湾について、長くなりましたが以上となります。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に対して、ご質問、ご意見を伺いたいと思います。

 ご意見がある場合には、先ほどありましたように、手を挙げる機能を使っていただくか、あるいは声かけをしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 古米委員、お願いいたします。

【古米委員】 古米です。最終的な検討結果について特段意見があるというよりは、その資料3-1の17ページのところに、貧酸素水塊がどのように発生していたのかという過去の経緯というところがあります。水域の特徴を表す重要な情報なんですが、オレンジ色のところは枠囲みになっていたり、緑の部分は枠になっていたりするので、その領域が貧酸素水塊であるというのが分かりやすいんですが、昭和47年~昭和53年の赤い線であるとか、平成2年~令和元年の紫の線はあるんですけど、それのどちら側が貧酸素がわかるような反対側の線がないものですから、どこが貧酸素水塊があったのかというのが若干分かりにくい情報、図面になっていると思います。もう少し範囲が分かるような表示は難しいんでしょうか。

【福島委員長】 回答をお願いできますでしょうか。

【事務局(岡崎)】 ありがとうございます。

 こちらの図につきまして、少し分かりにくくなってしまっている部分があるかなと思います。

 年度ごとによって貧酸素水塊の発生頻度や場所が、結構まちまちとなってしまっているところもございまして、こちら、記載についていろいろと考えていたところでございます。

 ただ、もう少し確かに分かりやすい、その範囲、大まかにどの辺りであったかというところが分かりやすくなるように、少し書き方を工夫させていただきたいと考えております。

【古米委員】 どうもありがとうございました。

【福島委員長】 ご指摘、どうもありがとうございました。かなりの情報を一つの図にまとめているので、分かりにくい部分があるかと思いますので、若干それを修正する方向で検討していただくということにしたいと思います。どうもありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。

 田中委員、お願いいたします。

【田中委員】 どうもありがとうございます。非常に端的にご説明いただきまして、ありがとうございました。

 非常に、この水域、昔と比べてよくなってきて、特に名古屋港の付近がかなり改善されていることは非常にすばらしいことで、水生生物を守っていく新しい方向で非常に良いと思います。

 それで、1点質問なんですけれども、1点質問と、それからこれからの方向性についても少しお聞きしたいんですけど、質問は、先ほど言っていた17ページの名古屋港内の藤前干潟で、その水生生物の特Aですね、これが決まっているということと、それから、ここの水域で底層DOの基準の3.0mg/Lがふさわしいという、その前と後ろの根拠が、少し理解できないので、どういうことに基づいて、これはこういうふうな結論になっているかを少し教えてください。

 それから2点目は、名古屋港の中、非常に底層DOを改善していくことに非常に賛成なんですけれども、一方でCODの図とか、それから全リン、それから全窒素ですね。この類型が現在、海域についての一番下の類型ですよね。類型Cというのと、それから4類型ですよね、これに相当しているんですよね。

 CODは、生物についてはその当時、あまり書かれていなかったのかな。環境保全という割当のところでは、水産生物についての記述がなくて、国民の生活環境において不快を感じない程度の限界、それから4類型については、水産の3類、何かというと汚染に、汚濁に強い特定の水産生物が主に漁獲されると。

 今回、その先ほどからの議論の中で、地域で重要だと言われている種は、多分、そのイメージじゃないんですよね。ということは、DOは今、戻ってきているんで非常に良いと思うんですけれども、今後、この窒素、リン、それからCODの類型指定をどうしていくのか。現状よりも、昔のものは、もう当然達成しているんだろうと思うんですけれども、今後どういう方向に持っていく必要があるのか。この辺についての何かご見解があれば教えていただきたい。この2点をお願いします。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 名古屋港の部分に関しての指定の根拠と、今後の対策の方向についてということだと思います。

 それではお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 環境省の水環境課の岡崎です。1点目につきまして、私からご回答させていただきたいと思います。

 こちら、水生生物の絵、右側にございます。こちらの北側が藤前干潟になる部分がございます。こちらは名古屋港の部分なんですけれども、こちらの北側の部分、一部濃く色が塗られているところがございます。こちらは藤前干潟の場所でして、生物特Aが当てはめられているところでございます。

 生物特Aにつきましては、その要件に、底層の溶存酸素量が3.0mg/L以上ということを要件の一つと考えている部分がございました。ですので、その考えと、今回の底層溶存酸素量の基準、当てはめを考えたときに、きちんとそこがなるべく整合性が取られるようなところを考えていったところでございます。

 今回、そういったところから、こちら高潮防波堤のところで類型指定を区分したときに、そちらの陸側の部分、海水交換が悪いことが懸念されますので、生物2類型か3類型と考えたときに、こちら、その一部、部分的に生物特Aの場所がございますので、生物3類型の当てはめは、やはりそこで、水生生物の類型指定と齟齬が生じてしまう部分もございますので、今回は生物2類型というところで3.0mg/Lの基準の当てはめと考えたところでございます。

 少しこの辺りの流れが、文章の中だと分かりにくいところもあったのかもしれないと感じているところでございますので、その辺り、書き方について、もう少し何か工夫できればというところも、内部でも考えていきたいと思います。

 1点目については以上です。

【鈴木課長補佐】 2点目について。少しお待ちください。

 すみません。類型指定について、今、この時点で将来どうするのかというのは、正直まだ環境省としても十分議論ができていないという状況でございます。

 ただ一方で、伊勢湾について、総量削減の議論でも、その流れも受けまして、いろいろ関係者とも今、意見交換し検討をしている状況でございます。

 そういった動きも踏まえて、今後、類型指定というところの検討にも及ぶのかどうか、ここはよく、また考えていきたいと思いますが、先生から何か、今の時点で方向性など、もし、ご意見がありましたらいただければ大変幸いでございます。

【田中委員】 要するに、底層DOは、どういう生物をそこに戻すかということで設定されていますよね。その生物種を戻したいと利用側で言っているわけだから、少なくともほかの類型指定されている根拠になっているところで、先ほど言ったように、生活環境のことしか考えていませんとか、あるいは、ともかく汚染に強い種しかいないような類型指定がされていますということと、齟齬が起こっているんだろうと思うんですよね。

 もともと違う方向性のことだと思うんですが、そこを、やはり包括的に考えて、この基準はこういう形でバランスを取っていくという新しい議論があるべきだと思うんですね。それが今度の底層利用を決める、一つの重要性だと思うんですよ。

 だから、そこのところは、今日、今回は底層DOだけの問題だから、それで類型指定をしたら終わりという考え方は、ちょっとおかしいのではないかと思いましたので、当然、これは国だけ考えるというよりは、これからも公共団体が決める類型のところも、これからの例示になってくると思うので、その部分は国が、ある程度先導すべきではないかという私の意見です。よろしくお願いします。

【鈴木課長補佐】 ご意見、ありがとうございます。

 実はこれ、類型指定をした後、環境基準点とか、あと達成目標、達成率のどうするのかというのを、地域の関係者の方々とまた議論を続けていくことになると思います。

 そういった中で今、先生からご指摘のあったようなことも踏まえて検討していければと思っております。ありがとうございます。

【福島委員長】 ありがとうございます。先ほどの田中委員のご指摘、ごもっともだと思いますので、本日そういうご意見が出たということを、議事録にしっかり書かせていただいて、伊勢湾で次に行われる会議の際に、ご紹介したい、していただければというふうに考えています。

 よろしいでしょうか。

【田中委員】 結構です。

【福島委員長】 どうもありがとうございます。

 ほかの委員、何かご意見はございますか。

 西嶋委員、お願いいたします。

【西嶋委員】西嶋でございます。私からちょっと1点、お聞かせ願いたいところがあるんですが、ページで言うと20ページですかね。伊勢湾湾央部のところが、本来生物1類型に相当するというところなんですが、昭和初期の貧酸素水塊の確認状況及び、現在の貧酸素水塊発生状況を踏まえて、3類型にするというようなご指摘がありました。

 自然要因で、どうしても海水交換が悪いとかというような場所が、幾ら努力をしても改善が難しいというのは、非常によく理解できるところです。

 そういう意味で、まだ汚染があまり大きくない昭和初期のデータに基づいて、その場所は少し類型としては緩くならざるを得ないというのは理解できるんですが、現在の貧酸素水塊の状況というのは、人間の汚染の結果として悪くなっている可能性もあるというふうに考えられるので、論拠として、現在の状況というのを出していくのが、よろしいのかどうなのか。

 客観的に見せていただくと、当然湾央部は中央が深くなっているので、地形的に非常に難しいところだというのは理解するんですが、であれば、そういう地形的な要因とか、そういうところが論拠になったほうが良いのではないかというふうにも見えるんですが、その辺り、ご議論があったと思うんですが、いかがでしょうか。

【福島委員長】 では、事務局、お願いします。

【事務局(岡崎)】 ありがとうございます。西嶋先生。

 こちらの湾央部につきましては、基本的には、やはりその昭和の初期段階、人の手が加わって水質汚染が起こる前の状態というものが、こちら生物3類型にした大きな要因となってございます。

 こちら、今の書き方的に「湾央部につきましては昭和初期の貧酸素水塊の確認状況及び現在の貧酸素水塊の発生状況を踏まえ」ということで書いてはいましたが、基本的にはその前の段階、昭和初期がウエートとして重くなるのかなと考えているところでございます。

 この辺りの書き方も、今、西嶋先生のおっしゃったことと、私の回答したことと、実際に書いてあることが少し、若干異なる部分もございますので、こちらの書き方も少し精査をさせていただきたいと考えております。

 私からは以上でございます。

【福島委員長】 いかがでしょうか。

【西嶋委員】 承知しました。ありがとうございます。

【福島委員長】 検討会でも、全域を生物1にしたらどうかというような意見も出たんですが、やはり中央部はかなり昔から貧酸素水塊がよく出る水域ですし、底泥も細かいものが多いので、よくしていくのにはかなり時間がかかるのではないかということで、今回は生物3類型を当てはめるのが適当ではないかという、こういう原案が出てまいりました。

 以上です。

【西嶋委員】 はい。すみません。ありがとうございました。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 ほか、いかがでしょうか。

 東委員、お願いいたします。

【東委員】 私も西嶋委員と同じところの話なのですが、逆にその伊勢湾の湾央部は、昭和初期でも貧酸素が出ているとなると、人為的な負荷だけではなくて、海底地形とかの自然による原因が卓越している場所だとも考えられます。

 そのようなところに環境基準を設定するということは、その達成に向けて負荷削減などの対策を進めるということになりますが、そもそも自然による原因が卓越しているところに対策を行っていく必要性があるのかという見方もあるのではないかと疑問に感じました。

 環境基準を設定するのがよいのか、その辺りについてどのような議論が行われたのか、お聞きしたいと思います。

【福島委員長】 お願いいたします。

【事務局(岡崎)】 環境省の水環境課の岡崎です。

 こちらの伊勢湾の湾央部につきましては、実は類型指定の案を考えている段階で、生物3類型にするか、もしくは今ほど、東先生のおっしゃるとおり、類型の当てはめ自体をどうするのかというところも考えさせていただいたところではございます。

 ただ、一方、こちら、生物が生息を全くしていないというわけでもございませんので、こちら、まずは生物3類型の当てはめを漁業者の方と、類型指定の当てはめをするかどうかも含めて相談させていただいたところでございます。

 その結果、今回、生物3類型の当てはめというところになったのですが、一方、やはり完全に回復するとかといったところが難しい部分もございます。その点につきましては、実際に測定地点をどの辺りに置いて、またその測定地点でどの程度達成できるのか。その辺りを少し見ながら、全ての地点で2.0mg/L以上を達成するというところは難しいかもしれないので、その辺り、どの程度であれば満足することができるのか。現実的なのか。また、その保全対象種にとって、良い酸素状態になることができるのか。そういったところも検討していきたいと考えているところでございます。そういった検討の経過等がございました。

【東委員】 ありがとうございます。

【福島委員長】 私も参加させていただいて、伊勢湾の検討会は望ましい水環境ということをベースに、委員の皆さん、それをベースに考えられておられました。

 ですので、この部分を外すということは、あまり考えられないような、そういう雰囲気でありましたし、今でも漁場として重要な場所であるというご理解が、かなり強かったというふうに感じました。

 以上です。

【東委員】 ありがとうございます。

【福島委員長】 ほかにご意見、ご質問、ありますでしょうか。

 よろしいですか。まだあるかと思うんですが、またそれは最後にしていただくとして、次の大阪湾の類型指定案について、説明をお願いいたします。

【事務局(岡崎)】では、続きまして大阪湾について、類型指定案を説明させていただきます。

 大阪湾につきましても、基本的に類型指定の行う手順は同じとなっております。保全対象種の観点と水域の特徴の観点で見てございます。

 資料2としましては、まずは既存の類型指定の状況等を、今回は示させていただいているところでございます。

 今、資料2の3.1COD、全窒素・全リンをお示しさせていただいております。

 続いてのスライドが、水生生物の類型指定、現在の類型指定の状況を示しております。

 続いて3.3のところで、保全対象種の観点について記載をしております。こちら、先ほどの伊勢湾と同様に、10個の項目を並べております。記載している内容は、先ほどの伊勢湾と同じとなっております。

 こちらにつきましても、保全対象種、大阪湾でどの種が適切なのかというところを検討いたしました。そちらの結果が、資料2で言いますと次のスライドにございます一覧を出させていただいております。

 こちら資料3-1で言いますと20ページで説明がございますが、具体的に先ほどの一覧表を示しております。こちらが資料3-123ページ、表7に、先ほどと同じように項目について該当するところに丸印をつけているところでございます。

 こちら、先ほどと同じように、保全対象種を決めたところなんですけれども、どういった水域に住んでいるのか。どういった貧酸素耐性が適切なのかというところなんですけれども、大阪湾につきましては、種が先ほどの伊勢湾に比べましても少ないところもありまして、全ての種に対して貧酸素耐性や生息している場について調べております。

 こちらの結果が、ちょっと資料2と資料3-1を行ったり来たりしてしまうんですが、資料2で言いますと3.3に、重ね合わせの結果を出させていただいています。

 大阪湾につきましても、ほとんどの水域で生物1類型のような図となっております。大阪湾につきましては、ヨシエビ、サルエビ、テナガテッポウエビ、ガザミ、シャコなどが大阪湾に広く生息しておりまして、再生産の際に4.0mg/Lを必要とするという情報がございますので、こちら、ほとんどが生物1類型となっているところでございます。

 こちら、資料3-1で言いますと24ページに一覧を載せております。

 続いて保全対象種が、こちらの結果となりまして、続いて水域の特徴の観点になります。続いて、水域の特徴の観点ですが、大阪湾につきましては、水域の場所ごとによって、底層の溶存酸素量の状況が異なっております。

 まずは簡単に概要を説明させていただきますと、まず、水深、こちら15mの線があるんですけれども、こちらの水深15m付近では、昭和9年(1934年)から、昭和10年頃で2.0mg/Lというような貧酸素、底層溶存酸素量の状況となっておりました。やはり、大阪湾のこちら、北東側、湾奥部のところは、貧酸素水塊が非常に発生しやすいというような特徴がございます。

 底層溶存酸素量の状況としましては、それに対して湾の真ん中辺り、中央部付近、青い丸で書いてある部分なんですけれども、こちらにつきましては、瀬戸内海から紀伊水道に流れる水の流れがございます。そういった水の流れが非常に活発にあるおかげか、こちら、中央部につきましては夏季でも4.0mg/Lを満足するような数字、底層溶存酸素量としては非常によい水質となっているところでございます。

 また、ちょうどその間ぐらいのところにつきましては、水深15m~20mのところが広がっているんですけれども、こちらでは、概ね2.0mg/L以上記録するような底層溶存酸素量の状況となっているところでございます。

 また、細かいところでお話ししますと、こちら、少し紫色の丸のようなところで書いてあるんですけれども、神戸港ですとか尼崎、大阪港、堺泉北港、この辺りは非常に入り組んだ水域ともなっておりまして、海水交換が悪いと推測される場所でもございます。

 そういったところを、資料3-1の26ページに記載をさせていただいているところでございます。

 こちらで、大阪湾につきまして、保全対象種の観点と水域の特徴の観点を照らし合わせまして、底層溶存酸素量の類型指定の検討を行ってまいりました。その結果についてですが、資料3-1の29ページのところに記載をしております。

 こちら、類型指定を行うに当たりまして、地域の方々との意見交換を活発にさせていただいたところでございます。その中で、いろいろ様々なご意見をいただきまして、今回、類型指定案をまとめるに当たりまして、こちら、資料3-1に少し書かせていただいていたんですけれども、少し読み上げさせていただきたいと思います。まず、こちら「令和3年答申においては」のところから、まずは読ませていただきます。

 令和3年答申においては「底層溶存酸素量は新しい指標として定められたことから、個別水域における類型指定及びその後の評価結果等を踏まえ、その意義や活用策を地域の関係者に段階的に浸透させつつ、効果的な対策を検討し講じていくことが想定されるため、個別の湾や湖沼において、現に底層の貧酸素化が著しく進行しているか、進行するおそれがある水域を優先して類型指定する方法も考えられる。」とされたところである。今回、類型指定検討を行う範囲を検討するに当たり、地域関係者の意見を聞いたところ、湾中央部の類型指定については様々な意見が出された。例えば水深15mよりも陸側の水域は、再生産の場として多くの保全対象種の利用があり、また、地域関係者からも魚介類にとって重要な水域であるとの意見や、大阪湾奥部は底層溶存酸素量が低く、特に改善が必要であるとの意見があり、類型指定を行うことについても理解が進んでいる。

 以上のことから、まずは湾奥部(水深15m付近よりも浅い部分)こちらについて類型指定を行った上で、底層溶存酸素量の評価や改善策の検討などを行いながら、湾中央部の類型指定について、段階的に検討することとすると記載をしております。

 こちらで書かせていただいたとおりでございますが、大阪湾につきましては、底層の溶存酸素量の状況、非常に大きく異なっております。その中で、地元の方、様々ご意見をいただいた中で、今回は特に底層溶存酸素量が非常に深刻となっている湾奥部について、具体的には水深15mよりも浅い部分についてなんですけれども、こちらを、まずは類型指定を行いまして、こちらの運用、対策、そういったところを検討していく中で、湾の中央部についても、引き続きどのような類型が適切なのかというところを検討していきたいと考えているところでございます。

 先ほど、水深15mということでお話をさせていただいたんですけれども、こちら南側の部分にも、今回のこの示していただいた図で言いますと、水深15mよりも浅い部分が存在しているかと思います。

 こちらにつきましては、先ほど少し伊勢湾の質問の中でも答えさせていただいたところでもあるんですけれども、生物特Aの範囲ということが点線で書かせていただいております。こちらの内側、先ほどお話ししましたとおり、生物特Aのところは底層溶存酸素量が3.0mg/Lというような要件が一部ございますので、基本的には生物2類型とするのが適切なんですけれども、その辺り、実際の底層溶存酸素量と照らし合わせてみたときに、生物3類型が良いのか、2類型がよいのかというところが、まだ、はっきりしていないところでございます。

 ですので、まず今回は、そちらの北側の水深15mよりも浅い部分、こちらを類型指定を進めていきたいと考えているところでございます。

 こちら、先ほどと、伊勢湾と同様に、資料3-1の大阪湾奥部について、どのように書いているのか、まず読ませていただきます。

 こちら「湾奥部」のところから始まります。湾奥部(水深15m付近以浅)(水生生物保全環境基準の生物特A類型を除く)こちらについては、既存のシミュレーション結果や、現況で底層溶存酸素量が2.0mg/L未満の頻度が多いことから、生物3類型を設定する。なお、図6、先ほどの図ですね。こちらの大阪湾の類型していない水域、特に水深15m20mの水域及び水生生物保全環境基準の生物特A類型の水域については、底層溶存酸素量の低下が見られるため、大阪湾の底層溶存酸素量の状況を把握するために継続的なモニタリングの実施が必要と考えられるということで、記載をさせていただいております。

 こちら、先ほど少し口頭でお話しさせていただいたとおりとなっているところです。一部繰り返しになってしまうんですけれども、こちらの類型指定を、今回色を塗っていない部分につきましては、引き続き検討していきたいと考えているところではございます。ただ、モニタリングについては、底層溶存酸素量の測定につきましては引き続き必要と考えている部分もございますので、こういった書き方となっているところでございます。

 その辺り、自治体の方々と調整させていただきつつ、底層溶存酸素量の運用を進めていければと考えているところでございます。

 大阪湾につきまして、説明は以上となります。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ご質問、ご意見をお願いいたします。いかがでしょうか。

 一見委員、お願いいたします。

【一見委員】 ありがとうございます。すみません。事前説明のときにも、ちょっとコメントさせていただいたんですけれども、先ほどの伊勢湾と併せてなんですが、生物種についてです。

 どんな種をキーにするかというところで、いろいろな判断項目でもって、一番貧酸素が効きそうな種ということを挙げていただいていて、これは非常に分かりやすいんですけれども、現実は、例えば伊勢湾ですと、資料の3-2でしたかね。伊勢湾だと50年ぐらいですかね。貧酸素環境ってあまり変わっていないというようなデータが出ていますが、その中で、このキー種として上がっている生物種は、これはほとんど水産生物ですけれども、ほとんどの種が漁獲量としてかなり減っているはずです。

 そうすると、貧酸素環境があまり変わっていない中で、この挙げていただいている種の中のかなりのものが、ちょっとすみません。僕も、そうじゃないかなと思う感じでしゃべっていますけれども、かなりの種類がどんどん減っていっているんだろうなと思うんです。

 そうすると、今後その5年間程度の情報収集をするというところで、その保全対象種の生息状況の健全性といったものを判断するというときに、果たしてうまく判断できるかなというところが懸念されるところかなというふうに感じました。コメントです。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 何か回答はございますか。

【鈴木課長補佐】 環境省からお答えします。

 大変重要なコメント、ありがとうございます。その5年間の中で、まず溶存酸素量の状況を把握して達成率を検討していこうという中で、本当にその保全対象種として指定したものが実際どうなんだというところの把握というのは、ご指摘のとおり大変重要なポイントです。

 地域の部会には漁業関係者の方々も入っているので、ぜひ、聞きながらとは思っていますが、全部網羅的に本当に分かるのかというのは、なかなか課題としてはあるのかもしれませんので、今後の課題として我々も認識して検討を進めたいと思いますし、先生からもまた、ご助言いただければ幸いです。

【事務局(岡崎)】 すみません。私からも少し追加でお話しさせていただきます。

 一見先生のおっしゃるとおりかと思います。また、今回の基準、底層溶存酸素量での保全対象種ということで選んでいるんですけれども、底層溶存酸素量以外の原因で、保全対象種が減っているということも十分あり得るのかなと思いますので、その辺りも踏まえながら、その評価がどのようにするのかというところを、地域の方々、また有識者の方々とご相談させていただきながら検討していきたいと考えております。

【福島委員長】 重要なコメント、ありがとうございます。

 ほか、ご意見、ご質問ございますでしょうか。

 それでは、中村由行委員、お願いいたします。

【中村(由)委員】 聞こえておりますでしょうか。

【福島委員長】 はい。聞こえております。

【中村(由)委員】 大阪湾と、それから伊勢湾のご説明をいただきまして、ありがとうございます。

 この海域は二つとも、国が主導して決めますという、そういう海域ではありますけれども、それぞれの地域の検討会の様子、それに基づいてこの案を出されていて、やはりこの湾ごとの考え方なり特性なりの違いが出てきているというふうに思います。

 重要な点は、これがどのようにしてこの案が決められたかというところは、きちんと残していただく必要があると。そうでないと、ほかの、今後地方で決められる湾で、どのような考え方に基づいてすべきかという、そこで迷いが生じるとまずいかなというふうに思いました。

 パワーポイントでは、大阪湾の、特に特Aの海域、今後どういうふうに進めていくかというところは丁寧に説明されていたように印象がありましたけれども、果たして、資料3-3の本文の中で、この海域、特Aの海域ですよね。段階的に今後考えていくんですというようなところが、きちんと説明されていたんでしょうか。そこがちょっと気になりまして、もし、丁寧さが足りないと、ちょっと情報不足かなというふうに思います。いかがでしょうか。

【福島委員長】 お願いいたします。

【事務局(岡崎)】 ありがとうございます。環境省水環境課の岡崎です。

 中村先生、ご意見、ご質問ありがとうございます。いただいていた、こちらの生物特Aの大阪湾の部分につきまして、先ほど少しお話しさせていただいた部分だけを、少し書いておりました。生物特Aのところを、もう少し書く余地があるのかなというところを、いただいたご意見を受けながら考えていたところでございます。

 こちら、やはりもう少し書く必要があるかなとも考えられるところでございますので、また、記載について内部で相談し、また、中村先生に少しご相談させていただければと考えております。

【中村(由)委員】 よろしくお願いいたします。

【福島委員長】 最後のまとめの部分、29ページの部分、一部修正をしたものを、皆さんに見ていただいてということにしたいと思います。よろしいでしょうか。

【中村(由)委員】 はい、結構です。

【福島委員長】 大久保委員、手が挙がっております。お願いいたします。

【大久保委員】 ありがとうございます。伊勢湾、それから大阪湾共に、平成28年に底層DOの環境基準が設定されて、しばらく時間がたっていたところ、東京湾、琵琶湖に続き地域の合意が整ったということで類型指定が行われようとしているということにつきまして、地域との調整を含めまして、様々なステイクホルダーの方々に、まずは感謝をいたしたいと思います。

 大阪湾について、最初は、一番底層DOの状況がよろしくないところに焦点を当ててやっていくという方針に基づいて、湾奥部、「奥」というほうの湾奥部ですけれども、湾奥部からやるという方針についても異存はありませんが、今、ご指摘がありましたように、やはりその他の部分についても段階的に検討していくということを、はっきりさせておく必要があるのではないかということは、私も同感でございまして、この点、記載について、ご検討をいただければと思います。

 先ほどご指摘がありましたように、底層DOが改善されるだけで全てがよくなるというわけではありませんが、この基準の設定自体が、従来の基準だけでは不十分で、底層DOも一つの重要な考慮要素であるという観点から設定したものであると思いますので、総合的に、この海の状況を、生物多様性を含めまして改善していく上で重要な基準、指標であるという観点から、検討を進めていただきたいと思います。

 そのためには、一つは今後のモニタリングですけれども、各地方自治体では、かなりモニタリングの予算が削られてきている中でもございますので、それぞれ関係自治体のご協力をいただきまして、きちんと、今回類型指定がなされない部分を、今後類型指定をしていこうというところにつきましても、ここにきちんと書かれておりますけれども、ぜひ、モニタリングについて地方自治体のご協力をいただきたいということです。

 それからもう一点は、湾奥部も含めまして、地形が入り組んでいるということもありますけれども、先ほど伊勢湾の湾奥部でもご指摘がありましたように、防波堤をはじめとして、人工物があるところで、実際にどのような海水の交換が促進できるかという、その対策面も考慮して、基準の設定をするという場合もあるかもしれません。この点につきましては、ネイチャーベースド・ソリューションだけではなくて、グリーンインフラの活用という中で、今年で言いますと気仙沼の大谷海岸が、こちらは防潮堤ですけれども、先日グリーンインフラの国土交通大臣賞を受賞しました。このように、地下水の交換を阻害しないような工法を用いる等の新しい考え方に基づいて、できるだけ海の生態系に影響を与えない工法を用いるということは、瀬戸内法に基づく保全計画でも確認されたところかと思います。類型指定を促進することによりまして、そのような対応を進めていくという効果もあると思います。インフラになりますと、かなり長期にわたる影響が出る部分でもあり、時間をかけて検討することも必要ですので、ぜひ、そうした観点も重視した対策を、引き続き強化し着実に進めていただくよう、意見として申し上げたいと思います。

 以上です。

【福島委員長】 ご意見、ありがとうございました。

 環境省、何かございますでしょうか。

【事務局(岡崎)】 環境省の水環境課の岡崎です。

 1点目、ご意見いただきましたことについて、回答したいと思います。

 こちら、やはり大阪湾の湾奥部の部分について類型指定をすると、それ以外の部分についての記載だったんですけれども、こちら、資料3-1の湾奥部のところの少し前のところに書いていた部分だったんですけれども、「以上のことから、まずは湾奥部について類型指定を行った上で、底層溶存酸素量の評価や改善策の検討等を行いながら、湾中央部の類型指定について、段階的に検討することとする。」というふうに、今回は書かせていただいていたんですけれども、こちらの記載などについても、やはり、もっとよりよい記載などあるかと思います。

 また、こちらの生物特Aのところにつきましても、やはりもう少し、書きぶりを充実させる必要があるかなとも考えておりますので、こちらの書き方、検討していきたいなと考えております。

【鈴木課長補佐】 もう一点、事務局からです。

 グリーンインフラのお話など、いろいろご示唆いただきましてありがとうございます。ぜひ、この後の達成率の検討等の場には、港湾関係の方々にも意見交換というか、いろいろ検討して、いろいろご意見を伺いながらと思っていますし、港湾関係の文書を見ますと、底層DOのことを意識してさらに測った結果も掲載してくれたりもしているので、ぜひ、その辺りの連携というのは大変重要かなと思いますので、ご指摘のところ、大変重要と認識しておりますので、今後、そういった観点を大事にして検討していきたいと思います。ありがとうございます。

【福島委員長】 ご意見、ありがとうございました。

 当方で、この報告案、一部ご意見、そういうような格好で修正したものを考えたいと思いますので、よろしくお願いいたします、

【大久保委員】 ありがとうございます。

【福島委員長】 鈴村委員、手が挙がっております。お願いいたします。

【鈴村委員】 ありがとうございます。声、届いていますでしょうか。

【福島委員長】 はい、聞こえています。

【鈴村委員】 伊勢湾と大阪湾、両方を通して感じたことなんですけれども、今回、淡々と説明していただいたところでは、確かに現状に対して概ね合理的な類型指定がなされているなというか、理解できました。

 ただ、同時に、それがむしろ、現状をよしとするといったような印象を、どうしても受けてしまうところがあって、ただ、福島委員長からのご発言からも、検討会では、より積極的な環境改善を目指した前向きな議論がなされたということも理解できましたし、今後のモニタリングなり、片や達成率等で評価していくということですので、より踏み込んだ方向への転換というものも、多々読み取れます。

 あとは一方で、先ほど田中先生からCODと窒素・リンの関連について指摘がありましたけれども、窒素・リンとかCODに比べて底層DOというのは、何か排出規制をすれば改善するといったようなことがなかなか難しい項目ですので、そういった点も踏まえて、今、大久保委員からご紹介があったグリーンインフラとか、そのほか、浅場の環境の創生といった積極的な改善策を検討していくという姿勢を、もう少し前面に押し出したほうが、現状をよしとするものではないというメッセージになるのかなという印象を受けました。

 以上です。

【鈴木課長補佐】 そうですね。今後、大変長期的、ある意味、長期的、中期的に考えていかないといけないことであると思います。

 令和3年答申のところで、対策については触れておりまして、そういう護岸とかについても言及をしているところですので、そちらとセットで、今後の地域の方々との、また、検討の場というのを続けていきたいと思いますので、今、先生からご指摘のあった点についても、そういう地域にも紹介しながら検討していけたらと思っております。ありがとうございます。

【鈴村委員】 その令和3年の答申のセットというのは、非常に重要な点かなと私も思います。よろしくお願いします。

【福島委員長】 ありがとうございました。

 ほかにご意見。

 田中委員、手が挙がっておりますが。

【田中委員】 どうもありがとうございます。基本的には、地域の合意で、取りあえず沿岸帯からということは、やむを得ないのかなと思うんですが、湾奥部分の溶存酸素が、構成から言うと、そこだけで成立しているわけではなくて、湾の中央部分から含めてここは、特に大阪湾の場合は河川の影響が多いので、エスチュアリー循環が結構効いているんじゃないかなと思うんですよね。

 そういう意味では、中央部分についても、やはりできるだけ速やかに、本来定めるべきものを、まず定めていくということを、やはり明確にしておく必要があって、段階的ではあるんだけど、できるだけ速やかに段階的にというような、何か速度感がやはり必要かなというふうに思います。

 それから2点目は、ちょうど先ほど述べた伊勢湾と同じように、この大阪湾も沿岸部分が非常に改善されて生物が戻ってきているので、ここでのCODと窒素・リンの類型の在り方、これについても伊勢湾と同じように考えていただきたいと。

 この2点をよろしくお願いしたいと思います。以上です。

【福島委員長】 よろしいでしょうか。

【鈴木課長補佐】 ありがとうございます。事務局からお答えします。

 段階的にというところ、もう少し表現の工夫ができないか検討して、また先生方に確認をいただきたいと思います。

 それから、もう二点目のCODと窒素等との関係についても、先ほどのご意見もいただきました。大事にして検討を行うと、地域の方々とも議論を続けていければと思っております。ありがとうございます。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 宮原委員、手が挙がっております。お願いいたします。

【宮原委員】 宮原です。よろしくお願いします。

 今の話とも関連しますけれども、この類型の見直しとか、範囲の見直しとかというのを弾力的に行えるということは、この後、いろいろな自治体が範囲、類型指定をしていく上で、大事な要素かと思っております。

 ただ、今、お話にあったような、その段階的にというのが、どのような時間スパンなのか。もし、ご検討されていることがあれば教えてください。5年間の、このモニタリング期間の後にするのか、それとはまた別に、もう一回検討をし直すのか、どんなイメージなんでしょうか。それだけ教えていただければ助かります。

【福島委員長】 それでは、回答をお願いいたします。

【鈴木課長補佐】 事務局からお答えします。

 大変難しいご質問だなと思ってお伺いをしておりました。今回、湾奥部分だけになったんですけれども、一つには、やはり環境省として、平成28年の底層溶存酸素の設定以降の説明が十分でなかった部分というのは、少し出てしまったのかなと反省をしているところでございます。

 今回、地域で議論をしていく中で、底層DOというのを設定された後、どういう施策が行われるのかというところに対して、まだよく分からない。もうちょっと、その辺りを分かるようにしていないと、その湾奥部をどうするのかという議論に入って、なかなか行きにくかったというのが正直な部分でございます。

 なので、何年というところまで、大変申し訳ないんですが、今日の時点では申し上げられないんですけれども、この5年間、達成率を決めるという議論の中では、湾奥部をどうしますかという議論はやっていきたいと思っています。ただ、やはり合意できるかどうかというのは、なかなか我々から、今この時点で何年と、なかなか申し上げられないなと思って聞いておりました。

 すみません。ちょっと歯切れの悪い回答で申し訳ございません。

【宮原委員】 同時並行で考えながら、モニタリングもしていくという、そういうイメージでいるということですよね。

【鈴木課長補佐】 はい。

【宮原委員】 ありがとうございます。

【福島委員長】 ありがとうございました。

 続いて、西村委員、手が挙がっております。お願いいたします。

【西村委員】 どうもありがとうございます。私の意見は、将来的にというような観点で、ちょっとお話させていただきますが、今回、伊勢湾においても大阪湾においても、自然的要因で貧酸素化している可能性がある箇所に、底層DOの環境基準を当てはめるというふうに理解させていただきましたが、先ほど冒頭に、伊勢湾のことで、委員長からもご説明がありましたが、ある意味、理想的な環境を求めていくという考え方であれば理解できるというふうに思うところです。

 そして、次の段階としては、今、ご説明にもあったとおりかと思いますが、モニタリングをしながら達成状況を確認していくと。そして、その次の段階では、必要に応じてということになりますが底層DOの改善を図る対策を打っていくと、そういうように段階的に進んでいくんだと思います。

 その対策の合理化のためには、この貧酸素化のメカニズムを、様々考えられる貧酸素化のメカニズムをきちんと分離して評価して、例えば自然的要因による貧酸素化を、何かしら人的要因、汚濁負荷削減等によって補うというようなことのないようにしていかなければいけないというふうに思うところでございます。

 これは多分、委員の皆様方のお話しされているのと、ほぼ同じ方向性かと思います。

 そのためには、貧酸素化のメカニズムの解明及び対策効果の予測評価において、今のシミュレーションモデルのレベルではどうかなと、少し不安に思うところがございます。なので、速やかに、より一層レベルの高いシミュレーションモデルの開発、構築というところを取りかかっていただいて、その上で合理的な対策を立てて底層DOの改善を推進していくというようなストーリーと言いますか、それをできるだけ速やかにやっていただく必要があろうかなというふうに思うところです。

 以上でございます。

【福島委員長】 重要な項目をありがとうございます。

 それでは。

【鈴木課長補佐】 環境省です。今の時点で、このような研究をというところまで、すみません、お答えできる状況には正直ないんですが、大変重要なご指摘だと思いますので、今後の検討のところで意識をちゃんと持ってやっていきたいと思います。ありがとうございます。

【福島委員長】 西村委員、よろしいでしょうか。

【西村委員】 はい。よろしくお願いいたします。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 ほかにご意見、ご質問等ございますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 伊勢湾も含めて、全体でも構いません。お願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、様々なご意見、コメントをいただきました。私の感じでは、今回、原案として提出させていただいた資料3-1の図の3、伊勢湾類型、それから図の6です。大阪湾に対する類型指定、この当てはめに関してはご賛同いただいたというふうに考えさせていただければと思います。

 それと、いろんな部分、書きぶりとか図の修正等に関してご意見をいただきました。その部分は適宜修正をして、また、全員の委員の皆さんに回してご了解をいただいた後に、報告案として次の段階に進めたいと思います。

 そういう形で進めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【福島委員長】 ありがとうございました。

 それでは、そのような形で進めさせていただくことにしたいと思います。

 それでは、今後の進め方に関して、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 ご審議ありがとうございました。

 今後、先ほど福島先生からお話しいただいたとおり、必要な部分、修正等を行ってまいりたいと思います。その際、各委員の皆様方にご意見等、またお聞きするところがあるかと考えております。

 こちら、まとまりましたら、環境省でも、もう一度、内容を確認いたしまして、報告案を取りまとめたいと考えております。その次の手続としまして、パブリックコメントの手続がございます。こちら、パブリックコメントを行いまして、期間終了後に、また、いただいたご意見もまとめて回答案、そういったものを作ります。こちらも、委員の皆様方に確認をいただきたいと考えているところです。

 パブリックコメントのいただいた意見などを基に、また修正等があるかもしれません。そういったところをご相談させていただければと考えております。

 そちら、パブリックコメントの手続も終わりましたら、こちらの専門委員会の一つ上の、水環境・土壌農薬部会に今回の報告案を諮りたいと考えております。その際、福島委員長からご報告いただければと考えております。

 私からは以上です。

【福島委員長】 それでは、ただいまの説明のとおり、今後のことは進めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議事(2)その他について、何かございますでしょうか。

【事務局(岡崎)】 事務局からは、特にございません。

【福島委員長】 どうもありがとうございました。

 これをもちまして、本日の議事は全て終了いたしました。

 事務局から、連絡事項をお願いいたします。

【事務局(岡崎)】 事務局から連絡事項をお話させていただきます。

 本日の議事録につきましては、事務局で案を作成し、後日、委員の皆様にお送りいたします。ご確認いただいた後、公表となりますので、ご承知おきください。

 では、こちらで専門委員会を終了とさせていただきたいと考えております。

 委員の皆様には、ご熱心にご検討、ご議論いただきましてありがとうございます。あわせてお礼を申し上げます。

 では、こちらで専門委員会は終了となります。こちらでYouTube配信も終了いたします。皆様、ありがとうございました。

<午後 4時37分 閉会>