水環境・土壌農薬部会(第18回)議事録

開催日時

令和8年4月17日(金) 15:00~17:37

開催場所

WEB会議

議題

(1)第6次環境基本計画の進捗点検(有識者、関係団体等からのヒアリング①)

(2)その他

資料一覧

資料1 議事次第 
資料2 第六次環境基本計画の進捗点検の進め方(環境省水・大気環境局総務課) 
資料3 水・土壌環境行政の取組(環境省水・大気環境局環境管理課) 
資料4海洋環境行政に係る取組(環境省水・大気環境局海洋環境課) 
資料5 東京大学先端科学技術研究センター 准教授 春日郁朗様 資料 
資料6 和歌山大学観光学部 特任教授 加藤久美様 資料 
資料7 東京都環境局環境改善部様 資料 
資料8 九州大学応用力学研究所 教授/海洋プラスチック研究センター センター長 磯辺篤彦様 資料 

参考資料1 委員名簿 
参考資料2 第六次環境基本計画の概要
 

議事録

【島田総括補佐】 定刻となりましたので、ただ今から中央環境審議会第24回大気・騒音振動部会及び第18回水環境・土壌農薬部会を合同にて開会いたします。
 本日の大気・騒音振動部会は、委員総数29名のうち過半数の23名の委員の御出席、水環境・土壌農薬部会は、委員総数29名のうち過半数の23名の委員に御出席をいただいており、両部会とも定足数の要件を満たし、成立しておりますことを御報告いたします。
 また、本会議はWEBでの開催であり、YouTubeの環境省環境管理課公式チャンネルで同時配信をしております。
 WEB会議の開催に当たりまして、何点か御協力をお願いいたします。
 通信環境の負荷低減のため、御発言の際を除いて、カメラ映像をオフ、マイク設定をミュートにしていただきますようお願いいたします。御発言を希望される場合には、お名前の横にある手の形のアイコン、挙手ボタンをクリックしてください。また、発言を終えられましたら、挙手ボタンを再度クリックして挙手を解除するとともに、ミュートにしていただきますようお願いいたします。
 通信トラブル等何かありましたら、右下にチャットの欄がございますので、御記入いただき、事務局までお知らせください。
 次に、本日の資料の確認をさせていただきます。
 事前に電子ファイルで資料一式を共有させていただいており、今、画面では配付資料一覧を記載した議事次第を掲載させていただいております。何か不足等がございましたら、また、画面が見づらいなどございましたら適宜、事務局までお申しつけいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ここで、水・大気環境局長の大森より御挨拶を申し上げます。
【大森水・大気環境局長】 水・大気環境局長の大森でございます。
 中央環境審議会第24回大気・騒音振動部会及び第18回水環境・土壌農薬部会合同会合の開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。
 本日は御多忙の中、多くの委員の皆様に御参加いただき誠にありがとうございます。
 本日の部会では第六次環境基本計画の進捗点検について御議論を賜りたいと存じます。令和6年5月に策定された第六次環境基本計画につきましては、その効果的な実施に向け、進捗状況の点検を行うこととされており、各部会は所掌する施策について点検を行い、その結果を総合政策部会に報告することとされております。
 第六次環境基本計画において、水、土壌、大気の媒体横断的な課題への対応等が記載されていることもあり、水・大気環境局におきましては、両部会を合同で開催し、施策の進捗状況を点検することといたしております。
 今回と次回の2回にわたって有識者や関係団体等からのヒアリングを行い、次々回において、中間報告書案の取りまとめを行う予定でございます。
 環境面に加えまして、ウェルビーイング、高い生活の質の実現や環境を軸とした環境、経済、社会の統合的向上といった観点等も踏まえ、活発な御議論をいただければ幸いです。
 ぜひ忌憚のない御意見を専門的見地のほうからいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 以上で御挨拶とさせていただきます。
【島田総括補佐】 それでは、両部会長から一言ずつ御挨拶をいただきます。
 後ほど詳細説明しますが、本日は水、土壌関係の説明やヒアリングが多くございますので、古米部会長からまず御挨拶をお願い申し上げます。
古米水環境・土壌農薬部会長】 水環境・土壌農薬部会の部会長をおおせつかっております古米です。
 お忙しい中多くの委員の皆様に御出席いただきありがとうございます。
 ただ今大森局長からのご挨拶にありましたとおり、本日は、第六次環境基本計画の水、大気、土壌の環境保全に関わる内容について、水環境・土壌農薬部会と大気・騒音振動部会との合同開催によって、進捗点検のための議論を行いたく存じます。
 2回にわたるヒアリングの中で、特に今回は水・土壌環境保全に関して、環境省からのご説明、有識者等の皆様からご説明いただくことを予定しております。
 委員の皆様におかれましては、この進捗点検の作業が水、大気、土壌等に係る環境行政のさらなる進展に資するよう、忌憚のない御議論をいただきますよう、よろしくお願いしたいと存じます。
 以上です。
【島田総括補佐】 ありがとうございました。
 続きまして、大原部会長から御挨拶をお願いいたします。
【大原大気・騒音振動部会長】 大気・騒音振動部会長を務めております大原と申します。
 多くの委員の皆様に御出席いただきどうもありがとうございます。私からも御礼申し上げます。
 これまでの御挨拶にありましたとおり、今回と次回、2回にわたって。
【島田総括補佐】 大原部会長、申し訳ございません。ちょっと音声の通りが悪い状況ですので、少々お待ちいただけますでしょうか。
 すみません、大原部会長、ちょっと音声の質が悪くて、大変恐縮でございます。比較的ゆっくり御発言いただけますでしょうか。申し訳ございません。
 恐縮ながら再度御挨拶のほう、お願いいたします。
【大原大気・騒音振動部会長】 大気・騒音振動部会長を務めております大原と申します。
 多くの委員の皆様に御出席いただき、御礼申し上げます。
 これまでの御挨拶にありましたとおり、今回と次回の2回にわたり、大気・騒音振動部会と水環境・土壌農薬部会との合同開催により、第6次環境基本計画の進捗点検のための議論を行います。
 大気環境の保全等に関連する環境省や有識者からの御説明は、主に次回いただくことを予定しております。
 委員の皆様の率直なご議論を通じて、充実した進捗点検がなされることを御期待申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。失礼しました。
【島田総括補佐】 ありがとうございました。
 また、5名の委員に新たに就任いただいております。お名前のみ御紹介させていただきます。
 飯田委員、井筒委員、大河内委員、寺本委員、加藤委員、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、前回の部会以降、事務局側にも異動がございましたので紹介させていただきます。
 水・大気環境局長の大森でございます。
【大森水・大気環境局長】 大森です。よろしくお願いします。
【島田総括補佐】 審議官の高城でございます。
【高城大臣官房審議官】 審議官の高城です。よろしくお願いします。
【島田総括補佐】 総務課長の松﨑でございます。
【松﨑総務課長】 松﨑です。よろしくお願いいたします。
【島田総括補佐】 ここからの議事進行ですが、事務局より事前に両部会長に御相談し、本日は先ほど申したとおり、水、土壌関係の分野中心でございますので、古米水環境・土壌農薬部会長にお願いしたいと思いますので引き続きよろしくお願いいたします。
 なお、この後、環境省や、あるいは関係の有識者の皆様からの御説明に移りますけれども、その際にはそれぞれの御説明が予定の10分以内に収まるように事務局環境省のほうから残り1分のタイミングでのリマインドのコメントだけ入れさせていただくことに予定しておりますので、ご承知おきください。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それでは、早速ですけれども議事に入らせていただきます。
 本日の議題は審議事項が1件です。
 第6次環境基本計画の進捗点検について審議いたします。
 まず事務局から第6次環境基本計画の進捗点検の進め方について御報告をいたします。それではよろしくお願いいたします。
【島田総括補佐】 では、第6次環境基本計画の進捗点検の進め方について御説明させていただきます。簡潔に進めます。
 お手元の資料2を御覧ください。
 第6次環境基本計画、令和6年5月に閣議決定されておりますけれども、この1点目白丸に御記載のとおり、その内容としましては、環境行政の分野横断的な六つの「重点戦略」、そして続いて「個別分野の重点的施策の展開」というものを記しているところでございます。
 次の二つ目の白丸ですけれども、この計画、毎回の計画同様、中央環境審議会において、進捗点検を行うこととしておりますけれども、特にこの重点戦略について定めております2部2章のほう、こちらに記載のような経済社会、環境の統合的交渉やウェルビーイング、そういった観点からどのように貢献できるかについて総合的に検討するということが定められており、総合政策部会のほうでもそのような関連の議論が進んでいるところでございます。
 また、個別分野の重点的施策、第2部第3章に当たりますけれども、こちらについてもその進捗を点検することとされています。
 そのような環境基本計画の進捗点検全体を所掌する総合政策部会からこの重点戦略、2部2章や、あるいは個別の重点的施策2部3章について各部会に割り振って、進捗状況を点検し、それを総合政策部会に報告することとされました。
 そのような点検、5か年の基本計画のうちの前半の点検を今年度中まで、そして後半の点検は令和10年度中までに行うというのが大きな流れでございます。
 先ほどの重点戦略と申しましたけれども、こちらについてはどのような指標をもって、どう評価するのが望ましいか、これが総合政策部会において議論進行中でございますので、特にこの前半の点検においては、環境基本計画のうち重点的施策についての2部3章を中心に点検することが望ましいというところでございます。
 また、より施策を網羅的に記した第3部、基本計画中にありますけれども、こちらの点検については施策を体系的にまとめていますので、例年、定めております環境白書の取りまとめを通じてその進捗を点検するというのが望ましいと、こちらも総合政策部会のほうで示されている考えでございます。
 資料3ページ2ポツでございますけれども、点検の全体像を踏まえまして、二つの部会におきましては、こちらに図で示しているような形で、今後数か年度における計画点検を進めていこうと考えております。
 本日は前半点検の第1回のヒアリングということでございます。
 第2回、第3回は、今年度、引き続き調整し、進めていくことを予定しておりますので引き続きよろしくお願いいたします。
 ここで図でまとめていることの詳細について、次のページ以降で紹介しておりますけれども、割愛させていただきます。
 最後資料の5ページ目の下のほうですけれども、その関係者のヒアリング、第1回、第2会といううちの今日は第1回でございまして、こちらに御記載の東京大学春日先生、和歌山大学加藤先生、東京都環境局環境改善部様、そして九州大学の磯辺先生からそれぞれ水環境保全の観点ですとか良好な環境の創出、それから土壌汚染対策における自治体の取組、そして海洋プラスチック等のテーマについてヒアリングを予定しておりますほか、続いて次のページに記載のとおり環境省から関連の施策の進捗について御説明させていただくつもりでございます。
 第2回のほうでは、大気保全やモビリティの分野、あるいは農薬の関係のヒアリングを予定しております。
 最後第3回においては、この両部会においてこの分野の施策についてのシートを点検し提出の予定でございます。
 このような段取りで進めていくことを予定しておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 説明は以上となります。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それではただ今の進捗点検の進め方についての御説明につきまして、御質問、御意見があればお願いしたいと思います。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【古米水環境・土壌農薬部会長】 特に挙手がないようですので、ただ今の説明にあったとおり、環境省及び本日御参加いただいている外部有識者等の皆様から順次施策の概要と進捗状況をお伺いいたしたいと思います。
 それではまず、環境省において一通り御説明をいただいた後、まとめて御質問、御意見をお受けするということにさせていただきます。
 それでは初めに、水・大気環境局環境管理課から御説明をお願いしたいと存じます。
【𠮷川環境管理課長】 環境管理課長の𠮷川です。
 水・土壌環境行政の取組について、資料3により報告いたします。
 資料のほう1枚めくってください。
 第6次環境基本計画第2部第3章の該当部分の全文は、資料2に添付しておりますが、主にスライド左側に示した6項目があり、着実に施策を進めているところです。
 次ページに水分野のスキームを参考として示していますが、本日は複数項目に横断的に関わる主な施策として、1ページ記載の4点を説明いたします。
 次、お願いします。
 こちら、水環境施策のスキーム図です。
 環境基準の達成に向けた水濁法や個別法による排出規制、総量規制に加え、水辺に親しむ取組や国際目標も進めています。
 次、お願いします。
 主な横断的施策の一つ目、水環境制度の見直し検討についてです。
 第6次環境基本計画では、人の命と環境の保護を出発点に、水、大気、土壌の継続的な改善を掲げています。
 これを次世代に引き継ぐため、良好な環境と触れ合い、持続可能に活用することで、ウェルビーイングの向上や地域活性化といった具体的なメリットを生み出すことが重要とされています。
 残された課題も踏まえつつ、今後は多面的な観点から水環境を捉え、地域ニーズに応じた保全と活用を進めることで、望ましい水環境に近づけると考えております。
 次、お願いします。
 スライドのとおり、昭和期は水質汚濁対策が喫緊の課題で、健康被害や生活環境の支障に対応する規制と監視という制度基盤が構築されました。
 平成期には水質が改善し、水生生物保全や底層DOなど新たな制度が導入されましたが、骨格は昭和のままです。これを令和の制度へと発展させたいと考えております。
 次、お願いします。
 昨年6月の部会で了承いただき、水環境制度小委員会を設置し、昨年12月に第1回、今年3月に第2回を開催しました。検討項目は、良好な水環境の創出に向けた対応、水質汚濁事故対策の推進、その他制度の枠組全般の方向性の3点です。
 栄養塩の総量削減制度から総量管理制度への転換については、専門委員会で既に議論が取りまとめられております。
 次、お願いします。
 こちら、小委員会の名簿になります。
 次、お願いします。
 参考として、環境基準達成率の推移と、水濁法の施行状況を添付しております。
 次、お願いします。
 施策の二つ目は、良好な環境の創出についての取組です。
 名水百選や音風景などのスポット認定を行ってきましたが、持続性、継承に課題がございます。
 このため、モデル事業とプラットフォームの運営によるネットワーキング支援を進め、制度検討につなげていきたいと考えています。
 具体例につき、次お願いします。
 現在3タイプのモデル事業を実施しており、地図の水色が水環境の保全活用、紺色が令和の里海づくり、緑が観光モデル事業の採択地点です。
 里海につきましては、後ほど海洋環境課から説明がございますので、ここでは陸域の事例を御紹介いたします。
 群馬県館林市では、茂林寺沼湿原保全活用100年プロジェクトとして、保全活動を通じたシビックプライドの醸成やエコツーリズム創出を目指しております。
 その次、沖縄県大宜味村では、やんばる地域の水源地で住民と来訪者が一体となった滝の保全活用を推進しております。
 愛媛県西条市では、市内で水循環を体感できる特性を生かし、水源地ツアーなどを通じた関係人口の創出と湧水保全を目指しております。
 次、お願いします。
 施策の三つ目は、PFAS対策です。
 作らない・出さない、広めない、摂取しない、正しく知るの4区分で整理しております。
 作らない・出さない排出抑制につきましては、環境保健部の所掌ですが、化審法による製造輸入禁止や泡消火薬剤の在庫量把握、代替促進を関係省庁と連携して実施しています。
 次、汚染拡大防止、広めないでは、モニタリングや超過時対応の手引き、使用済み活性炭の適正な管理、対策技術の実証を進めています。
 続いて摂取防止では、今年度からPFOS、PFOAを水道水質基準に引き上げ、ほか8種を要検討項目とするとともに、健康影響に関する調査研究を推進しております。
 そして、リスクコミュニケーションとしてPFASハンドブックを作成し、昨年12月に更新しております。
 次、お願いします。
 こちら、水環境中におけるPFOS等の検出状況です。
 令和6年度は47都道府県3,941地点で測定され、629地点で超過が確認されました。
 この中には、継続調査や通過調査地点が含まれ、新規確認は130地点です。
 これらについては、対応の手引きに基づき、飲用防止などの措置が取られています。
 また、化学物質環境実態調査、いわゆる黒本調査の定点データでは、下にありますが、経年的な減少傾向が確認されております。
 次、お願いします。
 飲用防止の要となります水道水については、今月1日より、PFOS、PFOAの水道水質基準を施行し、基準遵守と検査実施が義務化されました。
 施行準備状況を国交省と共同で調査した結果、水道事業では検査実施率が高く、許可が確認された19事業、いずれも施行までに対策済みです。
 また、社宅や寄宿舎などの自家用水道である専用水道では、義務化前に検査を行った設置者が約半数、そして59者に超過が見られましたが、多くは水道水への切替え等が行われています。
 残る事例についても速やかに対策が実施されるよう、都道府県等において指導中です。
 次、お願いします。
 最後、四つ目は、土対法関係の話題でございます。
 平成29年法改正後、法に基づく調査報告件数は増加傾向にあり、特に土地の形質変更に伴う調査が多くなっております。
 下の表はその結果として指定された区域数で、近年の指定が多い状況です。
 次、お願いします。
 平成29年改正法の附則で、法の点検・見直しの検討が求められており、令和6年9月より土壌制度小委員会で検討を開始しました。
 本年1月に中間まとめが示され、本年冬の取りまとめを目指して検討を進めております。
 次、お願いします。
 こちらはその検討状況です。左側に制度スキーム図を示しておりますが、有害物質使用施設の廃止時や一定規模の土地の掘削などを行う場合に、土地所有者等が土壌の汚染状況を調査し、土壌汚染は把握したら、次に周辺の飲用井戸など、リスクの有無を確認。そのリスクに応じて措置を求めたり搬出規制等を行うという仕組みです。
 主な課題として、情報の散逸、調査費用の求償、リスクに応じた対応の在り方の3点が指摘されており、右側に示しているとおり検討を進めております。
 詳細は資料末尾の中間まとめ概要を御参照ください。
 次、お願いします。
 こちらに土壌制度小委員会の委員名簿をお付けしております。
 その次、そしてその次、土対法の概要、中間まとめの概要を付しております。
 資料3については以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、資料4に基づいて、海洋環境行政に係る取組として、水・大気環境局海洋環境課から御説明をお願いしたいと思います。
【水谷海洋環境課長】 海洋環境課長の水谷と申します。
 海洋環境行政の取組につきまして、資料4に沿って説明いたします。
 次、お願いします。
 先ほどの水・土壌環境行政と同様、海洋環境保全の施策につきましては、第六次環境基本計画の第2部第3章4(1)水・大気・土壌の環境保全において、掲げられている項目につきまして横断的に対応する形で進めているところでございます。
 本日ですけれども、スライドの右側にある四つの取組について説明させていただきます。
 次、お願いします。
 個別の施策の説明に入る前に、海洋環境施策を取り巻く最近の動向につきまして少し触れたいと思います。
 海洋環境保全につきましては、環境基本計画のみならず、政府全体の海洋政策を取りまとめた海洋基本計画にも位置づけられております。
 具体的には、海洋基本計画の方向性の柱の一つが持続可能な海洋の構築となっておりまして、脱炭素社会の実現に向けた取組を通じた海洋産業の成長ですとか、国際的な取組を通じた我が国の海洋環境の保全・再生・維持と持続的な利用と開発を進めるというふうにされているところでございます。
 次、お願いします。
 ここからは冒頭申し上げた四つの施策についてそれぞれ説明してまいります。
 次、お願いします。
 一つ目として、閉鎖性海域の管理について説明します。
 本スライドは資料3のスライド3に記載があった総量削減ですとか、特定の水域法令に基づく対応とも関連するところだと思っております。
 また資料3のスライド4とも関連いたしますが、閉鎖性海域の水質汚濁の問題につきましては、水濁法による排水規制、総量規制などの導入を通じまして、一定の改善が見られてきておりますけれども、水産資源の問題ですとか、気候変動、水温上昇といった新たな課題も出てきているということでございます。
 このため、きれいで豊かな海の実現に向けた取組を進めているところでございます。
 ここでは主な閉鎖性海域における施策と、それから里海づくりについて紹介いたします。
 次、お願いします。
 主な閉鎖性海域の取組といたしまして、瀬戸内海では瀬戸法を令和3年に改正いたしまして、気候変動の観点を理念に加えるとともに、栄養塩類管理制度を導入、それから藻場・干潟の再生・創出、海プラの発生抑制などの取組を総合的に推進していくこととされております。
 今後、施行5年後の実施状況につきまして点検を予定しております。
 また右下になりますが、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海の総量規制の対象地域につきましては、第10次水質総量削減の在り方につきまして、中環審の専門委員会で御審議をいただいてまいりました。
 ポイントといたしましては、総量削減制度の基本的な枠組は維持しつつ、地域のニーズ等に応じまして、栄養塩類管理制度を東京湾、伊勢湾にも導入することが可能という形で整理がされているところでございます。
 この会議の後の水環境・土壌農薬部会で答申案について御審議をいただくこととなってございます。
 それから左下の有明海・八代海等につきましては、特措法に基づきまして、10年に一度の評価委員会報告が取りまとめられるということになっておりまして、現在令和8年度、今年度の報告の取りまとめに向けまして作業が進められているところでございます。
 スライド7から9につきましては、それぞれの海域の取組を詳しく紹介しているものですので、説明省略させていただきまして、スライド10になります。
 また、水産資源が回復しない理由の一つといたしまして、水生生物が生息する重要な場である藻場や干潟が減少しているということがございますので、地域の関係者による令和の里海づくりの支援を行っているところでございます。
 次のスライドお願いします。
 考え方といたしまして、関係者が連携いたしまして、藻場・干潟の保全・再生創出と、地域資源による利活用の好循環を生み出していこうと、そういうことを実現すべく令和4年度から3年間をモデル事業、令和7年度からはそれを発展させる形で地域の里海づくりを支援してございます。
 こちらの里海づくりは、先ほど資料3で説明があったように、良好な環境の創出活用の推進に関するものの一環として実施しているところでございます。
 次、お願いします。
 続いて2点目、プラスチック汚染対策について説明いたします。
 環境省では、プラスチック汚染対策として、左上のプラスチック資源循環の構築に取り組むとともに、環境中、特に海洋に流出したプラスチック等の回収処理、実態把握、国際的な連携などを行っております。
 ここでは海岸漂流・漂着ごみの処理ですとか、科学的知見の充実、それからプラスチック汚染対策条約の対応について説明いたします。
 次、お願いします。
 まず、海岸漂流・漂着ごみの処理でございますが、生活環境のみならず、産業活動を含めまして、様々な影響を受けている地域がございます。
 また、海外からのごみも漂着してくるという状況でございまして、なかなかその漂着地側だけの努力では解決が難しいということがございまして、法律に基づく補助制度によりまして、回収・処理を行う自治体の取組を支援させていただいているところでございます。
 次、お願いします。
 続きまして、科学的知見の集約・活用に関しましては、海洋プラスチックの調査手法の国際調和・標準化を進めまして、地域間、あるいは多国間の取組の比較可能性を高めるとともに、得られたデータを国内の流出量の推計や世界の海洋表層のマイクロプラスチックのデータベースの構築などに活用しているところです。
 次、お願いします。
 プラスチック汚染対策条約についてでございます。
 条約条文につきましては、国連環境総会の決議に基づきまして、2024年末までの合意を目指していたところでございますが、合意に至らず、交渉継続中でございます。
 主要論点で各国の意見、隔たりが見られますが、日本は合意に向けまして、今年3月には非公式会合を開催するなど、各国の橋渡し役を担っております。
 プラスチックの大量消費国、排出国を含むできるだけ多くの国が参加する実効的かつ進歩的な条約の策定を目指してまいります。
 次、お願いします。
 また、海洋ごみの発生抑制、回収には公的な補助だけではなくて、民間やNGOを巻き込んだ取組が重要ということで、自治体と民間NGOが連携した取組というものを令和3年度から支援してきております。
 令和8年度からは、これまでの取組、スケールアップした形で事業展開していこうと考えております。
 次、お願いします。
 ここからは三つ目、CCS事業法の施行等について説明します。
 二酸化炭素回収・貯留、CCSにつきましては、2030年代の事業開始に向けまして、事業環境整備が進められておりまして、その一つがCCS事業法の制定でございます。こちらは2024年に成立してございます。
 法制定後の進捗といたしましては、現在貯留事業等の施行に必要な政省令の策定作業を進めております。
 それに先立ちまして、大塚委員に委員長を務めていただいている中環審の専門委員会と、経産省のワーキンググループとの合同会合で3回御審議をいただいてございます。
 また、法に基づく具体的事業の実施に関しましては、北海道苫小牧沖と千葉県九十九里沖が特定区域に指定をされてございます。
 苫小牧では既に試掘が進められており、九十九里では4月15日付で経産大臣による試掘の許可が発出されてございます。
 次のスライドを省略させていただきまして、スライド21をお願いします。
 環境省では、CCSの事業環境整備の一環として、今、効率的なモニタリング開発等を進めてございます。
 次、お願いします。
 また、海底下CCSと同様、海洋を利用した温暖化対策として、スライドの下にある海洋肥沃化など地球環境工学と呼ばれるものがございまして、世界各地での海洋で実証も行われつつあるところでございまして、現在国際的に議論されてございます。
 我が国においても、関心を持つ企業がございまして、我々としても、海洋保全、環境保全に留意しつつ、気候変動対策の推進の観点からも議論に参加をしているところでございます。
 次、お願いします。
 最後ALPS処理水でございます。
 ALPS処理水の風評対策として、政府が分担しながら対応しているところですが、ここでは環境省で対応している海域モニタリングについて紹介をさせていただきます。
 2023年8月の処理水放水以降、定期的にモニタリングを実施しております。
 これまでのところ、人や環境に影響を及ぼすレベルではないと評価しております。
 引き続き、客観性・透明性・信頼性の高いモニタリングをやってまいりたいと考えております。
 長くなりましたが説明は以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それではただ今の説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思いますけれども、事務局からの回答は、委員の皆様方からの御質問、御意見を一通り伺った後、まとめて行うという方式で進めたいと思います。
 この議題に関する質疑応答は25分程度見込んでおります。
 それでは、御質問、御意見のある方は挙手をお願いできればと思います。
 いかがでしょうか。
 それでは、河口様よりお願いします。
【河口臨時委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
 今の海洋のことについて2点お伺いしたいんですけれども、ちょうど今週の頭に三浦半島の漁港に、海洋資源の課題についてというので視察で行ってきたばかりだったので、非常にそういう面では面白く聞かせていただいたんですが、今のその11ページのところで、いろいろと令和7年にいろんな活動をされているというお話があって、この活動、こういう活動自体を広げていただくのはすごくいいとは思うんですけれども、やはりその漁港さん、何ていうか、漁協さんの協力というのがすごく大事なんだなというのと、漁協さんが動かないといろんなことが動かないなということを考えて、かつ何か800ぐらい漁協というのがあるらしいので、ここで出てきているのですと、尾道の漁協さんに1か所だけみたいなので、このペースでいいのかなというか、できれば今後は10とか20とか、協力してくれる漁協さんから連れてきて、それでやらないと、とてもじゃないけど追いつかないんではないのかなということなので、今後の計画について、見解を聞かせていただければと思います。
 それで、もう一点のは、このCCSのお話なんですけれども、海底火山の爆発みたいなことも最近いろいろと、地震のことなんかのニュースを見ていると聞いてくるんですけれども、やはりそのCCSという、この地中にやっぱりCO2を入れるということになるので、その海底のその火山みたいなことに悪影響を及ぼさないのかなというのを素人ながら懸念するところなんですが、その辺りについての専門な調査というのはかなりきっちりやられているという認識でよろしいのでしょうかという2点をよろしくお願いします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございます。
 ほかの委員の方々、いかがでしょうか。挙手ボタンを押していただければと思いますが、特にないようですね。
 すみません、表示がうまくいっていなかったようなので、それでは豊田委員、その後田中委員、大塚委員、そして飯田委員の順番で御質問、御意見をお願いしたいと思います。
 豊田委員、いかがですか。
【豊田臨時委員】 すみません、私、特に質問、手を挙げてございません。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それでは、挙手ボタンをもう一回押していただいて、消去いただければと思います。
【豊田臨時委員】 分かりました。すみません。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それでは、田中委員、大塚委員、飯田委員の順番でお願いいたします。
【田中臨時委員】 どうもありがとうございます。田中です。
 両課から最新の今、関心のあること中心に、御説明いただいたんですが、環境管理計画の進捗のレビューという視点から見たときの逆に質問というか、そういう視点からの整理がもうちょっと必要かなと思ったのが1点です。
 それどういうことかというと、管理計画の中の特に環境リスクの管理の一番最初の環境保全の(1)の①のところです。
 従来型の環境基準についての達成状況がどうなっていて、それが問題があれば、その根っこがちゃんとクリアされているかどうか、あるいはそういう体制がうまくいっているかどうかということについての説明があまりなかったようにちょっと感じました。
 具体的に言うと、例えば水の環境からいうと、この5年間の間に新しく環境基準が設定された、特に生活環境項目について設定された底層DOの達成状況がどうなっていて、現在どういう課題が持っているのか、それから大腸菌数が、大腸菌群数から変更されて、それで基準の判定というのが初めて3年ほど前から行われ始めたんですけども、その達成状況がどうなっていて、何かうまくいっていないとしたらどういう点がまだ問題があるという視点があるかというようなポイントの説明が、恐らくこのレビューをする際には必要になってくるのではないか。
 それから同じようにそこの項目の中に、生物の多様性問題と絡んでくると思うんですけども、水生生物基準が、つまり5年間の間きちんとした形であまり進捗が進んではいない、それはどうしてそういうことが起こっているのかというようなレビューがやはり、レビューとしては、必要なんではないかなというふうにちょっと思いました。
 これについて、何か今、そういうことは当然考えて、これから書かれるかということを御意見があれば、ちょっと教えていただきたいということです。
 それから二つ目は、気候変動とかそれから循環型社会の対応の問題の中で、CCSの問題とかいう問題が当然入ってくるんだと思うんですけれども、例えば、今、排水の処理レベル、もう少しその海域については戻してほしいという意見が一方であって、それも対応も、海についてはいろんな法制度を触り始めているんですけど、例えば排出源からの規制のやり方が、依然、昔から続いている排水の上限値規制で今、やる体系になっていると。これに対して、例えば海外で行われているような統計処理をして、平均値とかあるいは90%、95%値の管理を行えば、AI管理、特に総量規制でやっている水質測定は連続的なモニタリングまでやっているので、フィードバック制御が結構できる可能性があって、目標とする処理レベルにできる限り近づけるような努力をすることによって、エネルギー削減なんかもでき得る可能性があると、そういう視点からも、これまでの規制体系について、今後、どうしていくかというようなレビューというのも一つ必要ではないかなというふうにちょっと考えました。
 これらについてのこれから行われるレビューのプロセスについての官庁側のほうの何か考え方があるのか、そういうことは従来の中でしか考えられないのか、この辺もちょっとご意見を伺いたいと、この二つです。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、大塚委員お願いいたします。
【大塚委員】 恐れ入ります。海洋のほうの16ページのところで、プラスチックに関しては今の、条約の交渉について、若干お話しいただきましたが、少し詳しく御説明いただきたいんですけども、この条約ができないと、多くの国での対応ができなくなってしまうので、プラスチックによる海洋汚染に対しても全然対処ができないことになってしまうというのは結構大きな問題だと思いますけども、現在まだもめているところの重要点を教えてください。
 例えば生産規制を用いるということに関しては、かなり議論があると思います。日本は諸外国の利害を何とかまとめようとされている御努力をなさっていて、政府の方々におかれましては大変よくやっていただいていると思っておりますけれども、その辺を教えていただければありがたく存じます。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは以上で御意見、御質問をお受けしたことにしますけどもよろしいでしょうか。
【飯田臨時委員】 飯田です。よろしいでしょうか。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうぞお願いいたします。
【飯田臨時委員】 私二つございました。
 ただ一つ目は、田中先生の一つ目の話と同じで、水汚染等でどういう健康的な被害、あるいはそれが想定されているか、それに対してどういう対策を取るのか、そういう形の説明が欲しいなと思った次第です。
 ですので、これは田中先生の御質問と同じですので省略させてください。
 二つ目は海洋を含むプラスチック汚染対策ということで、水谷さんから御説明いただきましたが、話の体系が、いわゆるプラスチックごみ、あるいは海洋ごみの中のプラスチックというような位置づけで説明されています。
 それで確かにプラスチックが海洋ごみとして浮遊していると、ウミガメ等が食べて、胃に蓄積してしまう。腸が閉塞してしまうというようなことが代表的な例で分かりやすい汚染なんですが、一方で、プラスチックがマイクロプラスチックとなって、生体に取り込まれて、個体内にて bioaccumulation(生物蓄積)が起きることが多数の研究で示されています。
 そうだとすると、マイクロプラスチックは、例えば自動車のタイヤの磨耗粉、これは路上で走行時に生成してそれが雨が降って下水、川、最後は海にまで流れていきます。
 そういうものは、ごみという概念、プラスチックごみという概念ではなくて、タイヤそのものを海洋に投棄したらこれはプラスチックごみとしての漂流というふうに考えられますが、そうではない走行中で出てきたものは、どんなふうに扱うことになっているのか、あるいはそのマイクロプラスチックについてどんなモニタリングをしていくのか、それについての御説明がちょっとなかったものですから、もし分かる範囲で教えていただければというのが2点目です。
 以上です。よろしくお願いします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、大原委員お願いいたします。
【大原大気・騒音振動部会長】 ありがとうございます。
 1点質問ですけれども、第6次環境基本計画において、水・大気・土壌に関わる取組の柱として、その媒体横断的な課題への対応というのがあったと思います。
 そこに関しては、どのような総括をされる予定なのか、今日の議題ではないのかもしれませんが、どのような視点で横断的な課題への対応を総括しようと考えられているのか教えていただければと思います。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、風間委員お願いします。
【風間臨時委員】 ありがとうございます。
 海洋プラスチックの話なんですけれども、予算として改修費用のほうに相当な額のものが計画はされているんですけれども、これがほかの省庁、例えば国土交通省とか、あるいは農林水産省とか、そういったところとの協力関係であったりとか、それからそれがどのぐらいのその効果があるのか、あるいはそれをしっかりと上流域から流れてくるものも含めて、少なくしていくような体制づくりについてどういうふうにお考えになっているのかというようなところもお聞かせいただければありがたいと思います。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局のほうからいただいた御質問、御意見について回答させていただきたいと思います。
 それではお願いします。
【鈴木環境汚染対策室長】 環境汚染対策室長の鈴木と申します。よろしくお願いいたします。
 底層DO、底層溶存酸素量について御質問をいただいたかと思います。
 新しい環境基準ということもありまして、今、順次推計の類型指定というのをやっているのと、今回、特徴的に達成率というのを各推計で目標値を作ろうということでやっています。
 類型指定は、比較的国が指定するところは、順次今進んできているということですが、目標達成率については、まだ検討中のところがありまして、ここも順次、地域の方々と連携して検討をしていこうという状況になっています。
 達成状況ということですが、必ずしもやっぱり何ていうんですか、すぐに何か達成状況が必ずしも今いいということでは正直ないところ、水域もございます。
 水域とか地形にも当然、深さとかにもよるかと思っています。
 海の状況ということで、すぐに何ていうんですか、改善が、川とかと比べれば比較的性質の改善というのは、短期間ではなかなか難しい面もあるかなというところですけども、地域の方々と連携して、水産の方にも入っていただいたりとかして、今、達成目標の検討をやっているので、その達成目標は、決まったらそれに向けて、どういった対策をしていくのかというところの検討もまたしていくということになるかと思います。
 今、環境省のほうで、対策の事例集というか、そういったことの検討もやっておりますので、なかなかすぐにこれをやっていこう、なるというようなことには難しい面もありますけども、着実にやっていきたいと思っております。
 それから大腸菌数についての御質問をいただきました。達成率、すみません、今日の資料で出ていなかったかもしれませんが、河川で大体最新の値ですと60%ぐらい、湖沼で97%、海域で88%というような達成状況になっています。
 河川が少しほかの水域に比べると、ちょっと低いということはありますけども、水質自体は全般的にはよくなってきているし、環境基準、CODの達成、BODの達成状況でいけば90%は超えているということですので、必ずしもその水質が何か悪くなってるということではないと思っていますけども、その要因というか、どういう原因で大腸菌の由来ということですか、そういったところの調査の仕方なども含めて、これから検討をしていくといったように考えております。
𠮷川環境管理課長】 もう一点御質問いただきました水生生物基準の進捗についてのレビューでございます。
 先生御指摘のとおり、現在水生生物、化学物質関係の基準、全亜鉛とノニルフェノールと、それから直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、それぞれ今の環境基準達成率はかなり高いところでございますが、ただこの物質の化学的な再評価ですとか、それからほかの物質の評価、これについては、御指摘のとおり、少し進捗に課題があるという状況を認識しております。
 これに関しましては、今それぞれ個別の物質の検討も進めているところではあるんですが、なかなかそもそも何といいますか、今の特、それからトクビといった生態系の保全のエリアを、特に産卵域とか絞ってやることの是非とかいろいろなところで検討しなければいけない、化学的知見を今の知見を踏まえて見直さなければいけないという御指摘も、昨年度の検討会等でいただいたところでございまして、少し根本的にいろいろ見ていく必要があるのかなと、一方でこの水生生物、特に生き物、ネイチャーポジティブを推進するという観点からは、まず一つモニタリングのほうで、多面的なモニタリングという形で生き物の状況も含めて様々な角度から水環境を評価するような、そういう制度の導入というものを1点させていただいているのと、もう一つその化学物質の管理のほうで、今年のこれは3月末、ネイチャーポジティブ推進のための化学物質管理アクションプランというものを公表しておりまして、様々な角度から化学物質がたくさんある中で、産業界、それからステークホルダー、いろいろな方々の協力をいただきながら、グローバルフレームワークオンケミカルズに書かれているようなステークホルダー間、そしてバリューチェーン、サプライチェーンを通じたポジティブな取組を目指していく、そういう枠の中で少し広く考えていく必要があるのかなとそのように捉えているところでございます。
 現状ということで、御報告いたします。
【水谷海洋環境課長】 それでは続きまして、海洋環境課のほうから回答させていただきたいと思います。
 まず、河口委員からあった里海づくりにおける漁業さんとの協力についてでございます。
 こちらは御指摘のとおりでございまして、基本的にはスライドでお示しした事業については、漁協さん、漁業者さんに関わっていただいております。
 漁業者さん、漁協さんは非常に重要なステークホルダーというふうに考えているところでございます。
 それから二つ目がCCSに関しまして、海底火山ですとかそういった影響がないのかということでございました。
 CCSに関しまして、まず、区域の指定に当たって、適地がどこにあるかというところを見る中で、やはり地層の安定性というところを重視して、どこが適地になるかということをまず検討しているということと、それからその事業を実施するに当たって、圧力ですとか、地下の揺れといったようなことをモニタリングしたり、またCO2の漏出がないかどうかというところのモニタリングを行うということにしているところでございます。
 それから、プラスチックに関しまして、3点御質問があったかと思っています。
 1点がプラスチック条約のことについて主な論点等についてということでございました。
 特に意見の隔たりが大きいところといたしましては、持続可能な生産というか、その生産の部分、それからシングルユースとかそういったプラスチックの製品に関わるもの、製品に関して、化学物質の扱いなども含めた形での論点となってございます。
 それから、資金の問題ということでございまして、先進国だけなのか、あるいは能力あるところも含めた供与になるのかといったようなところが論点になっているところでございます。
 それから二つ目の自動車からのマイクロプラスチックの話でございます。
 こちら非意図的に、例えばタイヤだったりとか人工芝だったりとか、そういったものが利用に伴って磨耗等でマイクロプラスチックになって出ているということはございます。
 これに関しましては、環境省のほうで、企業の方々とマイクロプラスチックに関する懇話会というものを設けさせていただきまして、その中で、情報交換ですとか、あるいはその業界のほうでできることについて、御紹介いただいたり、またそれを広く周知等させていただいているところでございます。
 例えばタイヤであれば、日本自動車タイヤ協会の方々との協力しながら、例えば安全運転ということで、ゆっくり発進しましょうとか、ブレーキは優しく踏みましょうとか、そういったところを周知させていただきながら、環境にも優しく、かつマイクロプラスチックも出ないような運転をしていただくといったところの周知活動をさせていただいているところでございます。
 それから3点目、海ごみ回収等の予算についてでございます。
 環境省でもやっておりますが、国土交通省であれば、例えばその閉鎖性海域に関して、海ごみを回収するような船もお持ちだったりとか、農水省さんのほうでも、いわゆる漁港のほうの回収などにも取り組まれているというふうに承知はしております。
 すみません、ちょっと予算額については現状持ち合わせておりません。
 また、どれぐらいの効果があるのかということでございますが、年間3万トンから5万トン程度この補助金のほうで回収はさせていただいているところでございます。
 これでも全て回収はできている状況ではございませんし、また海外からを含めて、どんどん流れてくるというのが実態でございます。
 発生抑制も大事だという点は御指摘のとおりでして、その関係もあって、自治体さんと企業、あるいはNGOを含んだ事業なども支援をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。
【𠮷川環境管理課長】 大原部会長からいただきました媒体横断的な取組についての御指摘でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げたネイチャーポジティブに係る化学物質管理の取組も一つ媒体横断的な取組と言えるものと思いますが、もう一つの水・大気局を中心に進めておりますのが、窒素循環に関する取組でございまして、持続可能なチッ素管理に関する行動計画というものを令和6年9月に関係省庁連絡会議のほうで策定をいたしまして、現在取組を進めております。
 こちらは大気にも多く関わってくるものでございますので、ぜひ次回の大気中心の部会のほうで詳しくは御報告をさせていただければと思いますが、この持続可能な窒素管理という課題、日本のみならずアジア諸国の窒素管理にも貢献できる大きな新たな課題と考えております。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 田中委員から、堆積性関連って上限値という形で今実施されているけれども、栄養塩管理の中で、欧米、別の国で行われてるということについて何かご回答ありますでしょうか。
 要は、平均的な管理をすることによって、栄養塩供給が要因であって、上限管理だと厳しい処理過程を設けるので、結果として栄養塩の負荷の排出量と供給量が減りぎみになりますよね。
 そういったことの御指摘だと思うので、別の専門委員会でも議論した内容だと、平均、その毎日毎日ではなくて、1か月の間の平均値で議論というのはしていると思いますが何か追加でご発言があればお願いしたいと思います。
【鈴木環境汚染対策室長】 議論としてはあったかもしれませんけど、まだ何か具体的にこういう制度がいいんじゃないかというところまでのずっとまとめまではできていない関連かなと思います。
 今後、検討していきたいと思います。
【古米水環境・土壌農薬部会長】
 それでは、三浦委員どうぞ。
 時間が限られておりますので、簡潔にお願いできればと思います。
【三浦臨時委員】 全漁連の三浦です。
 先ほどの河口委員からの質問に対して、私のほうから補足の説明をさせていただきます。この令和の里海づくり基盤構築支援事業で、漁協が1か所しか入っていないということでしたが、確かに漁協は1か所しか入っていませんが、協議会の中に漁協が入っていたり、漁業者も参加しながらやっているのがほとんどであると思います。
 また水産庁の補助事業で、水産多面的機能発揮対策事業というのがありまして、このような事業を活用しながら、全国で約500の組織が、漁協や漁業者を中心として、藻場・干潟の保全回復の取組や母海藻の設置、藻場を食い荒らす食害生物の駆除等を通じて、環境保全の取組を行っているということを知っておいていただきたいと思いまして、発言をいたしました。
 私からは以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 三浦委員、追加の御説明どうもありがとうございました。
 それでは皆様の御質問、御意見について御回答できたと思いますので、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 それでは、外部有識者等からの御説明をいただいて、先ほどと同等に一通り御説明の後に、まとめて御質問、御意見をお受けしたいと思います。
 それでは初めに、東京大学先端科学技術研究センター准教授の春日郁朗様よりお願いしたいと思います。
【春日郁朗准教授】 東京大学の春日と申します。
 本日は大変僭越ではございますけれども、私がこれまで行ってきた水環境に関連する研究の紹介と今後の研究行政に関する展望について少しお話しさせていただきたいと思います。
 次、お願いいたします。
 私は主に水環境中の未規制有機汚染物質や薬剤耐性細菌、そして上水・下水処理プロセスにおける微生物機能に関する研究を行っております。
 水環境のブラックボックスの解明であったり、未規制リスク因子の管理スキームの構築は大きな研究の関心事項になっております。
 次、お願いいたします。
 私が代表としてこれまで行ってきました環境推進費の内容について簡単に2件御紹介したいと思います。
 1件目は湖沼CODの成分の解明に関する研究でございます。
 御存知のとおり湖沼のCODというのは長年改善が進んでおりません。
 一般的には、難分解性有機物の蓄積が原因とされておりますけれども、CODマンガンの原理上の課題もあり、その中身はまだブラックボックスのままになっております。
 そこで、この研究の中では、高分解能質量分析計を用いて、湖水中のCOD成分を分子レベルで特定することを試みました。
 次、お願いいたします。
 過マンガン酸カリウムで湖水そのものを処理いたしまして、その前後の分子組成を分子レベルで解析することで、どのような湖水中の有機分子がCODに寄与しているのかということを判別いたしました。
 この上の図は印旛沼の例でございますけれども、図の中の一つ一つの点が同定された分子の分子式を示しております。
 過マンガン酸で処理することによりまして、溶存有機物の中のどの分子がCODに寄与しているのか、この場合ですと、上の赤いところの分子になりますけれども、こういうものがCODとして反応しているということが分かったわけでございます。
 11の指定湖沼全てを対象として調査を行った結果、全体の溶存有機物のごく一部の分子がCODに寄与していることが、分子レベルの解析からも明らかになりました。
 次、お願いいたします。
 また長期間の湖水の生分解実験ということも行っておりまして、生分解の前後で比較をしてみると、生分解によって、むしろ難分解性有機物が新たに生成して、そのうちの一部がCODとして寄与をしているという水質形成のメカニズムも分かってまいりました。
 次、お願いいたします。
 2件目の環境推進費は、現在実施中のものでございますけれども、薬剤耐性に関する戦略的研究開発課題でございます。
 抗菌薬、あるいは抗生物質が効かない薬剤耐性細菌のリスクというのは、国際的にも大きな課題になっております。
 これまでは世界保健機関、国連食糧農業機関、国際獣疫事務局が連携して薬剤耐性に対する対策を進めてきたわけでございますが、2021年からは、国連環境計画UNEPもこの薬剤耐性の取組に参加して、ヒト、家畜、環境のワンヘルスアプローチによる取組が今求められているということになります。
 ただ、多様な薬剤耐性細菌や薬剤耐性遺伝子が混在する環境を対象としたサーベイランスについては、手法や指標を含めて、多くのことが国際的にも定まっていないということが課題になっております。
 次、お願いいたします。
 私は薬剤耐性の包括的なマーカーとして、環境中の細菌が保有するクラス1インテグロンという遺伝子をマーカーとすることを提案しております。
 埼玉県の公共用水域60地点で、このクラス1インテグロンの存在状況を調査した結果が上の図にありますけれども、この図が示しますように、水域類型別のクラス1インテグロン存在量というものが明らかになりました。
 これは薬剤耐性汚染の我が国の水環境のベースラインに相当するデータということで、今後のモニタリングやサーベイランスの基盤になりうると考えております。
 またクラス1インテグロンと、その他の薬剤耐性遺伝子との相関関係というのも評価しています。下の図が示すように、多くの薬剤耐性遺伝子がクラス1インテグロンと正の相関を示しておりまして、インテグロンの指標性ということも確認されております。
 次、お願いいたします。
 このクラス1インテグロンというものは、これ自体は実は薬剤耐性遺伝子ではないのですが、上の図で示しますように、環境中の薬剤耐性遺伝子などの様々な遺伝子を自身の下流にどんどん取り込んでいくという、非常に興味深い機能を有しています。
 そこで関東地方の河川を対象として、このインテグロンがどういう薬剤耐性遺伝子を含んでいるのかということを解析した結果が下の図にまとめてあります。解析の結果、我が国の河川中には、臨床でも重要な抗菌薬に対して耐性を示すような薬剤耐性遺伝子がインテグロンを介して拡散していることも確認されています。
 今年度も本研究を推進中でありまして、最終的には水環境中の薬剤耐性サーベイランスのスキームを構築していきたいと思っております。
 次、お願いいたします。
 ここからは、今後の水環境施策への個人的な提言をという御指示をいただいておりますので、僭越ではございますけれども、私の考えを幾つか述べさせていただきます。
 まず初めは環境基準のコンセプトについてです。
 1970年に環境基準が設定されてから50年以上経過するわけですけれども、例えば先ほどご紹介した湖沼のCODが示すように、湖沼水質保全計画による取組を何十年も継続してきているにもかかわらず、依然として基準達成には程遠い状況にあります。今年度中には御承知のとおり、汚水処理の概成もいよいよ完了する見込みでありますし、環境基準のコンセプトそのものを再考すべき時期ではないかと考えています。
 現行の環境基準というのは強く利用用途に規定されているわけですけれども、利用用途に依存した理想的な水質と現実的な社会コストの範囲で達成可能な水質、この間に埋めがたい乖離があるんじゃないのかなというふうには思っています。
 今後は利用用途だけではなくて、その地域の水循環特性、人口動態、社会経済状況などの制約条件を踏まえた上で、例えば高解像度の水質シミュレーションによって現実的に達成可能な水質レベルを把握することが重要だと思います。その水質レベルを環境基準として設定することで、きめ細やかな管理に活用していくべきではないでしょうか。
 次お願いいたします。
 二つ目は水環境の監視及び管理に投入される社会コストについてです。
 例えば水環境の監視だけ取りましても、健康項目で年間5,000地点、それから生活環境項目では実に7,000地点に及ぶ水域で監視が行われており、検体数でいえば年間で何十万検体の解析に膨大な社会コストがかけられています。
 ただし、多くの場合、測って報告して終わっているというのが実態ではないでしょうか。せっかくこれだけ測っているのに、そのデータを十分活用できているとは言えないのではないかと思っております。
 今後水環境の監視・管理に割けるリソースというものは、間違いなく減っていくことになりますので、今のうちに大胆な投資による監視体制の効率化を進めることで、限られたリソースを踏まえた最適化を考える時期に来ているのではないかと個人的には思います。
 実効性だったり、効率性を高めるためには、監視スキームの構造改革がやはり必要だと思います。
 具体的にはハイスループットなスクリーニング技術だったり、先ほどお話ししたシミュレーション、統合可能な最新のセンシング技術、こういうものへどんどん投資を進めて、リアルタイムで水質を監視して、そのデータを水環境管理に活用する仕組み、これを産官学で構築していく必要があると思っています。
 次、お願いいたします。
 三つ目は、未知リスクへの対応力です。
 我が国は水環境の改善ということでは、世界的に見ても大きな成功を収めているわけでございますが、PFASだったり、先ほどお話しした薬剤耐性の事例のように、必ずしも先回りの監視というところまではまだできていないと思います。
 そのためには、国際的な動向を待つのではなく、自発的に取組を進めることができる仕組みであったり、あるいは体制の整備というのが必要ですし、先ほど御紹介した高分解能質量分析計を活用したスクリーニングだったり、あるいは環境DNAの情報解析など、未知のものを包括的に監視できる技術を積極的に活用していくべきだと思います。
 先ほどもお話ししたように、我が国は今年汚水処理の概成を迎え、ある意味では水環境管理の到達点に至るわけでございます。
 しかし同時に、上下水道インフラの老朽化であったり、昨今お話が出ているように集中処理から分散処理への転換など、水環境という点からいうと、水道水質であったり、水環境管理のレベルの低下に、場合によってはつながりかねない、そういうリスクも増えていくことになります。
 効率的な既知物質の管理と未知リスクへの対応力の強化、この両立が大事ではないかと思っております。
 では最後のスライドをお願いいたします。
 最後は、個人的な少し所感めいたことと国際的な方向性についてのお話でございます。
 まず一つ目は、時間という視点についてです。
 先ほど湖沼の研究も御紹介しましたけれども、湖沼の研究をしていて非常に強く感じたことは、私たちが実は過去の水質をほとんど知らないということです。
 過去のきれいだったときの水質というのが一体どういうものだったのかということが、正直データがなく分からないわけです。
 ただ、もしもですが、例えば琵琶湖の水そのものを定期的に冷凍保存するなど、水試料そのものを後世のために保存するということを考えています。
 いわば「水のタイムカプセル」のような取り組みですが、こういうことをしていくと、50年後の研究者が、50年後の技術で、2020年代の水を解析できるわけでして、
非常に大きな価値を持つと思います。
 もちろん水そのものではなくて、環境DNAのような水の持っている情報の保存でもいいのですが、水環境を時間ごと保存するという取り組みを考えています。
 こうした長期的な水環境の質のアーカイブ化というのは、例えば将来のリスク評価であったり、新たな汚染物質の遡及的な解析にも有効であり、新たな環境管理の基盤になりうるのではないかと個人的には考えている次第です。
 最後に国際的な点について、一つだけお話しさせていただきます。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 春日委員、お声が聞こえなくなりましたが。
【春日郁朗准教授】 私自身、JICAの専門家でベトナムに赴任していたのですが、その中で強く感じたこととして、先進国が途上国に教えるという構図は、もはや成立しないということです。これもいろんなところでも言われていますけれども、各国の背景というのは大きく異なりますし、日本のモデルをそのまま適用するということには限界があるわけであります。だからこそ今後は、答えを輸出するのではなくて、問いを共有する方向に転換すべきではないかなと考えています。例えば、日本が主導して、アジア全体で広域的な水環境のビジョンを共に策定する、そういうような、ある種の水環境に関する共通のビジョンのようなものを共につくるような、そういうイニシアティブを日本が取れるとよいなと思っています。例えば、シンガポールはウォーターウィークのような形で、そういう役割を担いつつあります。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 春日委員、マイクはオンになって表示はされているんですが、お声が聞こえないので、一旦ここで切りましょうか。
【飯田臨時委員】 聞こえていますよ。
【春日郁朗准教授】 聞こえていないですか。失礼しました。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それでは申し訳ありませんけれども、音声の確認をしていただくこととして、次に移りたいと思います。
 次は、和歌山大学観光学部特任教授の加藤久美さん、加藤先生御説明をお願いしたいと思います。
【加藤久美教授】 加藤でございます。共有できていますでしょうか。よろしいでしょうか。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 こちらの部屋だけ春日先生の声が途中で切れたようですので、加藤先生の声もまだ聞こえておりませんが、ほかの方々は聞こえておられるようでしょうか。
 聞こえておられるようですね。
 それでは、こちらの環境省の部屋での音声の調子が悪いようですので、すぐ対処したいと思います。
【加藤久美教授】 では、始めさせていただきます。初めまして、私、和歌山大学観光学部の加藤でございます。よろしくお願いいたします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それでは、こちらで対応しますので、加藤先生、お願いいたします。
【加藤久美教授】 改めて、加藤でございます。よろしくお願いいたします。
 本日私のほうからは第6次環境基本計画に盛り込まれました良好な環境の創出、保護と利用の好循環におきまして、観光が果たし得る役割ということを幾つか例をお示しさせていただきたいと思います。
 近年観光と言いますと、負の側面であったり、様々な形でのこのような規制や管理、閉鎖など、かなりネガティブな側面がメディアなどで取り上げられているかと思います。今観光においては、まず一つは地域における訪問地(デスティネーション)におけるマネジメントの必要性、また、気候変動など環境危機への対策ということも、責任を取っていかなければならないというような意識が高まってきております。
 それを反映した幾つかの例といたしましては、こちら2021年のCOPで発表されました観光における気候変動に対するグラスゴー宣言でありましたり、それから観光によるネイチャーポジティブをどのように推進していけるかというようなそんなグローバルな動きが幾つか見られております。
 それを反映いたしまして、観光者の意識の中にも、観光がもたらす環境への影響、地域社会への影響、あつれきなどを気にするような意識が来訪者の中でも見られるようになってまいりました。
 観光というのは、このように国の光を見る、地域の光を見るという幸せ産業のはずですので、その本来の意義に立ち返るとともに、また同時に、そのような光を享受するというのは来訪者だけではなくて、地域住民や事業者、環境であるという意識が必要であると、またその守る責任も行政やDMOなどの管理者だけではなくて、観光に関わる全ての者にあるというような、そのような考えが広まってきております。
 そのような観光をリジェネラティブな再生型・創出型観光と表現するようになってきました。
 先ほど環境省様のほうからも御説明ありましたとおりに、保護と利用の好循環の体制づくりや実践を支援する事業として、創造室様のほうで立ち上げられた良好な環境の活用事業というのは非常にまさにこの第6次環境基本計画が掲げられております生活の質の向上や幸福度、またウェルビーイング、高い生活の質や経済的活性化というものを地域で実践していくものでありまして、そこに観光というものに役割をいただいたことというのは非常に光栄に思っておりますし、観光にとっても非常に大きな成長の機会になるのではないかなと考えております。
 このような事業や考えを環境の基本計画に盛り込んでいただきまして、それを創造室様で実践をされている、そのイニシアティブに敬意を表したいと思います。
 日本の政策におきましても、持続可能な観光は、2018年頃から特にガイドラインの策定であったり、2023年には観光立国推進計画の3本柱の一つというふうに決められてはいるのですが、今回、環境保全の基盤をしっかりと据えていただいたということ、これは日本の持続可能な観光というものがしっかりとした環境保全の基盤というものを持つ真の持続可能な観光というものに進んでいくという道をお示しいただいたのではないかなと思っております。
 そういうような方向性を持つ観光活動というのを幾つか御紹介したいと思います。例えばこのような水資源を利用して湧水や名水巡り、それを地域の食や伝統の例えばお酒づくり、それから地域行事や神事・祭事などとも組み合わせていくというような、そのような観光活動、また、このように来訪者の方、観光客の方が保全や調査活動に参加する貢献型、ボランティアツーリズムとも言われるものですけれども、このような尾瀬の保全、木道の保全活動など。それからこちらは和歌山の熊野古道の道普請活動ですけれども、そのような保全活動に積極的に観光客が参加をすることで非常に高い満足を得ているというような結果もございます。
 こちらは与論島の例ですが、こちらではビーチクリーンや、また星空案内人というのを地域で育てて、世界のサステナブルツーリズム賞というのを受賞されています。
 暗い夜を確保するために、街灯や屋外照明の抑制に地域のホテルさんや事業者さんも協力しているというような体制ができております。
 またこちらはスキー場の100年の歴史を持つ神鍋高原ですけれども、こちらでも地域が一体となって、ゆきみらい100年宣言、100年先の未来を考えるというようなことで気候変動に対応する観光ツアーを試みられたりしているという事例がございます。
 またこちら黒川温泉の例ですけれども、こちらでも川の水保全のために、地域が一体となって、環境によいアメニティを開発したり、また植林を進めたりなど、地域一丸となった取組というのが大きな経済効果を生んでいる例もございます。
 これらが、持続可能な観光の成功事例というふうに言っていいのかと思いますけれども、こちらで見られる幾つかの特徴といいますのは、地域ビジョンというものがしっかりしていること、それから域内連携の体制ができていること、そこに責任とコミットというものがしっかりと芽生えている、それから、そのシステムがあり、またそれを見える化、ブランド化していくというような、そんな体制が見られると言えると思います。
 特に地域が一丸となって環境保全というビジョンを持つことが強じんな基盤となるというふうに言えると思います。
 これらの事業として非常に小規模ではありますが、保全の経済貢献、また伝統地やそこにしかない文化や精神性というようなものに高付加価値を与えていくということで質の高い観光活動につながっているのではないかと思います。
 今後必要なのは、観光のこのような効果というものを来訪者や消費額のみで測るのではなくて、環境保全を基盤とする地域、来訪者の満足度や、地域住民の幸福度というような、総合的な地域ウェルビーイングの評価、そのようなことを今後研究していく必要があるのではないかなと思っております。
 最後になりますけれども、良好な環境の観光活用事業というような実践を持つ第六次環境基本計画は、持続可能な観光の今後の方向性にとって大きな指針となることを改めて申し上げたいと思います。
 観光は今まではこのようなフットプリントを残すものであったと思いますが、今後はよりよいことを、よりよい環境を目指していくグリーンハンドで貢献をしていくというように変わっていくべきであると考えております。そこに環境省様のほうからこのような指針を示していただけるということ、観光にとっても、本当に非常に大きな成長の機会になると考えております。
 私からは以上です。ありがとうございます。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは続いて、東京都環境局環境改善部からお願いしたいと思います。
 よろしくお願いします。
 マイクがまだミュートになっておりませんでしょうか。
【東京都環境局】 東京都環境局環境改善技術担当部長の丹野と申します。
 本日は東京都における土壌汚染対策に関する取組状況につきまして、説明の機会を設けていただきましてありがとうございます。
 では早速ですが説明をいたします。
 まず資料の2ページの目次に従いまして御説明いたします。
 3ページをお願いします。
 土壌汚染対策法の届出等の状況でございます。
 4ページ目です。
 土壌汚染対策法第3条有害物質使用特定施設の廃止に伴う届出でございます。
 一番上の段が第1項の調査報告があった件数、その下の段がただし書き、いわゆる調査猶予された件数でございます。
 調査猶予の割合は、都は5割で、全国の8割より低くなっております。
 これは、東京都においては、工場等の廃止後に、比較的土地利用が行われているということが原因であると推察しております。
 下2段は、平成31年の改正法から新設されました第7項、第8項に基づき、届出のあった件数でございます。
 工場、病院等の敷地に係る届出が多いのですが、都では第7項と第8項の届出は、概ね同時に収受しております。
 5ページ目です。
 法第4条、一定規模以上の土地の形質の変更の際の届出及び法第14条、指定の自主申請の届出でございます。
 平成31年の改正法施行以前は、調査命令が発出される前に自主申請している事例が多かったのですが、改正法施行後は、自主申請から移行しまして、東京都からの強い要望もあり新設されました法第4条第2項の調査報告による届出のほうに移っているということが分かります。
 続きまして6ページ目です。
 区域指定及び指定解除の件数の推移でございます。
 なお解除の件数につきましては、令和6年度末時点で解除されている件数となってございます。
 そのため、今後解除された場合は指定された時点の年度の件数に加算されていきます。
 図を御覧のとおり、平成22年以降は、形質変更時要届出区域において、土地を適正に管理し、解除しないケースが多くなっていることが分かります。
 7ページ目です。
 全国と東京都の区域指定件数の推移の比較でございます。
 令和5年度までの総指定件数は全国で5,928件に対しまして、都は1,471件でございます。
 東京都は国土の6%程度しか占めておりませんが、指定件数につきましては、全国の約4分の1を占めている状況でございます。
 また、理由は定かではございませんが、全指定区域のうち、要措置区域の占める割合は、全国の約15~18%に対しまして、都は約12%であり、低い傾向にございます。
 8ページ目です。
 区域指定及び解除の累積の件数でございます。
 東京都における指定区域の件数は、一定の割合で増加しており、今後も増加していくものと見込まれます。
 続きまして9ページ目です。
 土壌汚染対策法第7条、12条、16条、措置完了報告の届出件数でございます。
 東京オリンピック特需後は、コロナ禍で一時的に若干減少しましたが、近年は、一定の申請数で横ばいになっております。
 今後もこの高い水準が続くものと考えております。
 続きまして、10ページ目でございます。
 2、持続可能な土壌汚染対策の推進に係る東京都の取組についてでございます。
 11ページ目です。
 東京都における土壌汚染対策の課題としましては、法、条例や土壌汚染対策に関する知識・情報の不足、対策費用が高い、資金力が乏しい、あと事業操業中から計画的に対策に取り組めていないなどにより、特に都内において、約9割を占める中小事業者において、円滑に土壌汚染対策を進めることが困難な状況になっております。
 そのため、事業者が持続可能な土壌汚染対策を講じられるよう、普及啓発や支援等が必要でございます。
 また、持続可能な土壌汚染対策に不可欠なのが、土壌の3R、リデュース、リユース、レメディエーションでございます。
 12ページ目です。
 東京都の施策の背景ということで、東京都においてこれまで取り組んでまいりました施策についてお示ししております。
 施策の①としまして、「中小事業者のための土壌汚染対策ガイドライン」こちらを平成22年度に初版を発行いたしました。
 続きまして、平成23年度には、施策②としまして、土壌汚染対策アドバイザー派遣制度を開始しております。
 施策③としまして、令和3年度に「環境・経済・社会に配慮した持続可能な土壌汚染対策ガイドブック」の初版を発行いたしました。
 令和5年度には、施策④としまして、工場跡地等における持続可能な土壌汚染対策支援制度を開始しております。
 施策の①から③までは全て技術的な支援でございますが、施策の④は措置等に対する経済的な支援となっております。
 次に施策の①から④につきまして、詳しく御説明いたします。
 13ページ目です。
 施策の①中小事業者のための土壌汚染対策ガイドラインでございます。
 本ガイドラインは、土壌汚染に関する基本的な知識や、低コスト・低環境負荷の対策を選択するための具体的な手順をフローやイラスト等を用いて分かりやすく示しております。
 直近では、令和2年度に資料に記載のありますとおり、関係法令の改正内容の反映や対策事例の追加などの改定を行っております。
 なお、本ガイドラインは、東京都環境局のホームページでも公開しております。
 14ページ目です。
 施策②土壌汚染対策アドバイザー派遣制度でございます。
 本制度は中小事業者に対しまして、技術的な観点から、適切なアドバイスを行う専門家を無料で派遣するものでございます。
 平成23年度から開始しておりまして、適宜制度を拡充しております。
 例えば、令和2年度には操業中の事業者に対しまして、公定法による調査を無料で実施できるようにいたしました。アドバイザーの派遣実績は、令和6年度末までの累計で、廃止後の事業者に対して、576件、操業中の事業者に対しましては98件でございます。
 また、平成27年度から執務室内に相談窓口を設置しておりまして、電話での対応は累計で14,762件、来庁での対応は2,641件でございました。
 15ページ目、施策③、環境・経済・社会に配慮した持続可能な土壌汚染対策ガイドブックでございます。
 次の土地利用に必要な範囲のみを掘削・搬出するなどにつきまして、具体的な15の対策事例を地域住民と関係者とのコミュニケーションのポイントとともに紹介しております。
 最後に、16ページ目でございます。
 施策④、工場跡地等における持続可能な土壌汚染対策支援制度でございます。
 土壌汚染がある工場跡地等において、土壌の3Rを実践しようとする土地所有者等を技術・費用の両面から支援いたします。
 本制度はまず、土壌汚染対策の専門家、不動産鑑定士等が土地の売主・買主双方に無料でアドバイスを行います。
 その上で、被覆を実施する土地の買主に対しまして、被覆施工に係る実費を都が支援、負担いたします。
 また、地下水汚染の拡大を防止する技術を都が公募・認定いたしまして、その技術を実証する事業者に対しまして、費用を最大で3,000万円まで支援いたします。
 このような経済的な支援を実施しているのは恐らく全国でも東京都だけであると思います。
 ぜひ、国におかれましても、経済的な支援を行っていただくことを強く要望いたします。
 駆け足での御説明で大変申し訳ありませんでした。
 私からの説明は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、九州大学応用力学研究所の磯辺教授より御説明をお願いしたいと思います。
【磯辺篤彦教授】 九州大学の磯部でございます。
 PDFなんですね、アニメーションがあったけど動かないことを前提にお話しします。
 次、お願いします。
 私ども海洋プラスチックの研究を続けてございまして、まず言葉なんですけれども、上がマクロプラスチック、いわゆる漂着プラスチックごみのことをマクロプラスチックと呼んでございます。
 それが海岸での紫外線の影響あるいは・・・的な刺激でもって細かく砕けていく、これをマイクロプラスチックと呼んでいるところです。
 次、お願いします。
 私ども20年前に環境省の環境研究総合推進費に採択いただきまして、この研究を始めました。
 その後、S2を含む4回の推進費、私をリーダーにした4回の推進費、最近はJICA/JSTのSATREPS、ODA予算を使った二国間連携プロジェクトとして科研のS等々、この研究を続けてきて、大体日本のこの海洋プラスチック、環境プラスチックに関わる有力な研究者は、どれかに必ず関わっていただいたというようなところです。
 最近は、文科省の概算要求で九州大学に海洋プラスチック研究センターを設置し、今現在それの第2期の拡充・・・いるところです。
 次、お願いします。
 また、最初に少し御説明があったと思いますが、海洋プラスチック、特にマイクロプラスチックのリスク評価が今、リスク評価の検討委員会の中で行われてございまして、有害性の評価はこれ環境毒性学の分野からは、九州大学の大嶋先生が座長で私が共同団長としてばく露等の評価、最初に説明忘れましたがバックグラウンドが物理学、海洋物理学、海流の専門家で、特に同定研究という立場なものですから、このばく露等の評価分科会の座長を務めておりますというところで、上の生物の実験、これぐらいの濃度が水槽にマイクロプラスチックとして浮いていれば、生物にどういう影響が出るか、LOEC、NOECの評価を行ってその濃度が実際の海にあるかどうかというのを私どもが研究をするという、そういう立場でございます。
 次、お願いします。
 これ、もう既に公表されている令和6年の結果の一部を抜粋したものですけれども、水槽の中にマイクロビーズ、プラスチックの小さな粒を与え、それで生物、魚類、甲殻類、二枚貝類に与える影響を見るというところで、出てきた発現する障害というのは様々なんですけれども、左側がLOEC、右側がNOEC無影響濃度、これ以上になれば、影響が出るであろうと、これは個数濃度で海水1立方メートル当たり何粒か、あるいは重量でも評価できますけれども、これ以上の濃度になれば、これは環境海洋生態系でよろしくなかろうというところがあるわけです。
 というところで、私どもの研究は、実際に海にどれだけのマイクロプラスチックが浮いて、海洋生態系にこれが影響を与えるレベルであるかどうかを調べる、モニターするというところが私どもの研究になってございます。
 次、お願いします。
 まず環境中にあるプラスチックのモニタリングというところで、まず方法論を統一しなければ、世界中でデータを集約して、地球の海の浮遊プラスチック量の量を正しく知るということができないということがあって、そのガイドラインもあまりできていなかったところが、2019年、日本の環境省が世界に向けて浮遊マイクロプラスチックの濃度はこうやって測るというようなガイドラインを発出したというところで、これ広く世界中に引用されて、今スタンダードになりつつあるところです。
 これ、海面で今網を引いている写真が真ん中上にありますけれども、このように海面で採取するマイクロプラスチックを実験室に持ち帰ってという一連の方法がこのガイドラインには書いているところです。
 これ、ただ見ていただけると、海面の上に浮いているマイクロプラスチックというところで我々が今観測しているマイクロプラスチックというのは、ポリエチレンとかポリプロピレン、生産量半分以上ですけれども、まず海水よりも比重が軽いプラスチックに限られるというところ、あるいは網ですくうというところで、それ以下のもの、網の目以下のものはすくってもその後の作業はなかなか難しいんですけれどもというところで、サイズに限界がありまして、大体300µm以上のマイクロプラスチックを我々は今測っていると。
 先ほどお示しした、後でもう一度続きますが、水槽で、生物に与えるマイクロプラスチックのサイズってこれよりも随分小さい、これより1桁2桁小さなプラスチックを与えているんです。
 この数百µm以上のプラスチックを与えても、それを食べる生物が大きくなってしまって実験系の設計が難しいので、このリスク評価を見ているプラスチックのサイズと、我々が海で測っているプラスチックのサイズに今、大きなサイズのギャップがあるというところはこの分野で大きな問題になっているところです。
 次、お願いします。
 それでも、この数百µm以上のプラスチックを集めることによって、日本が、日本の環境省からAOMIデータベース、これは一番最初に紹介がありましたが、アトラスオブオーシャンマイクロプラスチックスデータベースという世界中の海に今浮遊している300µm以上のプラスチックの濃度、個数濃度、重量濃度は、この程度であるという情報が日本から出ているというところで、これをもって、今日本と世界の環境プラスチック、海洋プラスチック汚染というものを今見ているというところです。
 約2万件のデータが今集まってございまして、アメリカのNOAAやヨーロッパのEMODnet、これらのデータは環境省のデータにもまだまだ情報が少ないんですけれども、お互い必要なデータを交換し合って、どんどん更新をしているというところです。
 今後、このAOMIデータベースは今度陸水にまで広げていって、河川のデータも取ろうかという話も今しているところです。
 次、お願いします。
 こういったデータベースがそろうと、数値モデリングを行うことによって、現在の現状、あるいは将来どうなるかという予測がやっとできるようになってきたというところで、これで分かりつつあるのが、今陸域で5億トン、この70年間に捨てられたプラスチックが2,500万トン海に行っている、その残りの5億トン弱というのは多分、陸に残っている、あるいは陸で非常に細かくなって、我々がモニターできないようなレベルで海に行っている、あるいは大気を飛んでいる、あるいは生態系に入っていると、行方不明になっているプラスチックは相当にあるであろう、あるいは海にも2,500万トンのうち、この70年間で約1,650万トンが下に沈む、浮いているポリエチレンとかポリプロピレンは生物膜がついてどんどん、どんどん下に沈んでいくとかいう形で、そうなってくると、我々もこれは追うことができないという、いわゆるミッシングプラスチック、これが1,650万トンぐらいあるであろう、これが今何をしているのかはよく分かりません。
 次、お願いします。
 というところであと2枚なんですが、我々の研究で今、最前線はこの海洋で、あるいは陸でもいいんですが、このミッシングプラスチック、今は追いかけられないプラスチックを追いかけるテクニックを作っているというところです。
 我々、網でもう海面近くでプラスチックをすくうのではなくて、これは0mから1,000mまでの例なんですけれども、海水を実際くみ上げて、その中に含まれるプラスチックを分析するという、そういった手法を取って今世界中の海に広がっているプラスチックの量、現存量を測るということをしてございます。
 次、お願いします。
 これが最後のスライドで、今のところ最新の結果、去年論文書きしたばかりの最新の結果なんですが、右側、このドットが今現在浮いているプラスチックの量で、縦軸が21から28というのは海水の比重1.021g/900cm。
 海水は下に行くほど重くなるのでこれは水深に換算できまして、大体0mから一番下1,000mです。ドット、下の横軸ですけれども、どれだけのマイクロプラスチック、これは300µm以下10µm以上、リスク評価の毒性評価と直接比べることができる、そういった量になってございますけれども、大体0mから1,000mの間に多くて1万立方メートル、海水1リットルにつき、数粒ぐらいのマイクロプラスチック、10µmから300µmぐらいのマイクロプラスチックが浮いているというのがだんだん見え出してきたというところです。
 左が先ほどのリスク評価のところに合わせてみると一番下の赤い線のライン、ですから今現在浮いているプラスチックの量で、何か生物に影響があるというレベルではないけれども、海というのは、潮目だとかそういうところで濃度を一気に100倍ぐらい上げてしまう、浮遊物なので、収束帯なので濃度が上がってしまうというところがあって、2桁ぐらい濃度が上がることが容易に起こるということ考えると、無視できるほど少なくはなく、注視するべきレベルであるというのが今我々の見解です。
 というところで、今後、非常に細かなマイクロプラスチックを測るというのがAOMIデータベースとその次として私どもが今考えてございまして、そういった非常に細かなサイズのマイクロプラスチックがどれだけ環境中に今散らばっているか、それが生態系に影響あるかどうかというのを測る、このサイズのギャップを埋めるというところが今、我々の分布の最前線というところです。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 以上4人の方々から御説明をいただきました。
 今の説明に関しまして、先ほどと同様に御意見、御質問をお願いしたいと思いますけれども、どの説明者に対する質問、御意見なのかをはっきりと御発言いただきますようお願いいたします。
 回答は各委員、皆様から一度全て一通りお伺いした後、説明者ごとにまとめて回答いただくということを考えておりますので、御協力よろしくお願いいたします。
 大体質疑応答30分程度考えておりますけれども、皆様から御質問をお願いしたいと思います。
 それでは大塚委員は先ほどの挙手かと思いますので、浅利委員、大久保委員、酒井委員、岡久委員、松本委員の順番でお願いしたいと思います。
 まず、浅利委員。
【大塚委員】 すみません、大塚もありますが、後で結構です。
 よろしくお願いします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 すみません。それでは、浅利委員からお願いいたします。
【浅利臨時委員】 ありがとうございます。
 まず全ての話題提供、本当に勉強なりました。ありがとうございます。
 私から質問、春日先生のほうにさせていただきたいんですけれども、最後のほうに提言をおまとめいただきまして、特に提言①中心という感じではあるのですが、私も環境指標とかをもっと地域ベースでカスタマイズして、うまく使っていったり、ベンチマーキングしたり、もしくはもっといい方向で使えないかなというところにすごく関心を持っておりまして、そういった視点からの質問になりますが、水環境の目標、やっぱり非常に費用もかさんだり、回数も多かったりということで負担になっているというところで、何か先生の感触として、どれぐらいのどういった目標に集約できるというようなイメージをお持ちかというところと、あと地域別に落とし込んだときに、その地域の担い手というのがどういう体制になり得るかと、そこはもしかしたら未知リスクに関する対応も、そういった視点があるのかもしれませんけれども、大きく目標の在り方と担い手のイメージについて教えていただきたいと思いました。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 それでは、大久保委員、お願いいたします。
【大久保臨時委員】 私も今の浅利委員との関係で、春日先生にご質問させていただきます。
 パワーポイントの9ページで出てきた、掲げられているものというのは利用目的に応じたというふうになっておりますので、これは生活環境項目を念頭に置かれていると考えてよろしいのか、それとも今後に向けては特にパワーポイントの11枚目のまだ未規制のリスクへの対応ということと総合的に合わせて考えると、そもそも健康項目、生活環境項目という区分にも疑問を呈していらっしゃるのか。また、個別物質ごとの測定というもの自体を変えていくというところまでも含めてお考えなのかどうか。それからそこまではいかないとした場合に、このパワーポイント11ページのところに関しては従来の生物応答のような手法との組合せを併せて考えるのか、どのようなお考えかということについて、大変刺激的な御報告だったと思いますので、その御提言の射程を含めてお伺いできればと思います。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 続いて、酒井委員お願いします。
【酒井臨時委員】 ありがとうございます。
 私も春日先生に聞かせてください。
 質問する方について、もう少しバランス考えておけばよかったんですが、続いて申し訳ありません。
 今収益的というふうに大久保先生からコメントがございましたが、私自身は総合性と優先性をよくお考えになられた、また今の環境政策に対しての提言という意味ではよく練られた提案をされているというふうに拝聴をさせてもらいました。
 提言に対する私の質問は③と④に関してということになるんですが、この③の中で、PFASなり薬剤耐性なりを頭に置いたときに、ノンターゲット分析等、あるいはメタゲノムも含めて、こういう手法を取っていくことに対しては全く異論はありません。ここでお書きになられた国際的な動向に依存せずに、自発的な始動ができる仕組み・体制、これはそう簡単な話ではないというふうに思っており、少なくとも国際的な動向に関してはしっかりと意識して協調していくことというのは非常に重要だと思います。この国際動向に依存せずにどういうことを求められるのかということに対してはちょっとプラスアルファで説明をしていただきたいという点です。
 これに関連して、提言の④ですが、このアジア地域で考えるということに関しては、これ大賛成、ぜひ次世代含めて進めていただきたいと思います。このアジアの広域的な環境ビジョン策定というところで、今提言③で話題に出された未知リスクとかあるいは先回りの監視とか、そういったところでの協調は可能なのか、今取り組んでおられるアジアとの研究所、政策担当者との議論の中で、何ができそうかというところについて追加でお話をいただきたいと思います。
 それと、もし可能であれば環境省の担当の方がこの春日先生のこの提言をどのように認識されておられるかというところに対して、コメントがあればぜひ聞かせていただきたいと思います。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、岡久委員、お願いします。
【岡久臨時委員】 日本下水道協会の岡久です。
 私も春日先生の環境基準についての御提案について、昔からそのとおりではないかと思っていました。そこで、環境基準の見直しについて事務局にお聞きしたいのですが、環境基準の達成率がここ20年ほどずっと横ばいですよね。
 20年間、横ばい状態ということは、改善が進んでいないということだと思いますが、このような状況で、社会的に何か支障が、あるいは問題が生じているのでしょうか。
 瀬戸内海で栄養塩が不足しているということもあり、それも一つの影響なのでしょうが、その他に支障とか問題が生じていなければ、根本的に環境基準の見直しをすべきではないかと、私も春日先生同様考えておりまして、この点について事務局のお考えをお聞きしたいと思います。
 よろしくお願いします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、松本委員、お願いいたします。
【松本臨時委員】 分かりやすい御説明を皆様方ありがとうございました。
 私も春日先生のパワーポイントのこの今、まさに画面に出ている提言の①のパワーポイントの9ページ目というところで質問といいますか、ちょっとした意見があります。
 利用目的としての理想的な水質と社会コストで達成できる水質の乖離というところでとてもよく理解できます。
 社会コストを踏まえた環境基準の達成というのはとても重要だと思いますし、賛成しますが、この三つ目のぽちのところの制約条件下で達成されます水質レベルというものを把握して、それを何か基準と置いていくような書きぶりになっております。
 利用者側、水を使う消費者というか、使う側から考えたときに、これで安全かなというところがやはり一番気になりますので、そういった意図ではないと思いますけれども、議論を進めていただく中で、できるところで止めておくというような誤解が生じないような、何といいますか議論の在り方というか、表現の仕方というか、発信をするというか、そういったところにもう少し気を配っていただいたほうがいいと思いました。
 そうしないと、何だ、費用がかかるから、水質の基準を下げるのかといったような捉え方がやはり使う側としては生じてくるかと思いますので、そういったところに少しというか、かなり気を配っていただけるとありがたいと思いました。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは大塚委員、お願いします。大塚委員、ミュートが外れておりませんが。
【大塚委員】 今、聞こえていなかったんですけど、私を呼んでいただいたんですかね。
古米水環境・土壌農薬部会長】 はい、大塚委員、お願いいたします。
【大塚委員】 質問が二つございまして、一つは春日先生に対してですが、11ページのところでAMRの話をしていただきました。
 今の日本学術会議のほうで、環境リスクに関しての検討会で、プラネタリーヘルスに関しての報告を中村先生を中心として提出しつつあるんですけども、そこでもAMRの話を検討し、既に2021年に471万人がAMRによって死亡しているという数字がありますけれども、今日のご指摘はそういう意味で非常に重要だったと思っております。
 春日先生にお聞きしたいのは、これを防止するためにどういうことをするかということがまず問題になってくると思いますが、今おっしゃっていらっしゃるようにいろんな指標でどういうふうに薬剤耐性の汚染が広がっているかを検討していただくとともに、対策のほうも考えていく必要があると思いますけれども、具体的にどういうふうにその辺についてお考えになっているか教えてください。
 フロンとかに似ている感じもしますけど、どういうふうに捨てられるかが、外からちょっと見えにくいというような問題がありそうなので、先ほど国際条約の話もありましたが、国際条約については、全然進んでいませんけれども、教えていただければと思います。
 もう一つは土壌汚染に関して丹野様が最後におっしゃったところですけども、国のほうが現在、特に土地所有者に対しての助成とかほとんど行っておられなくて、要件が非常に厳しいという問題がございますので、現在の土地所有者に対する助成について、どんな状況になっているかを環境省のほうにお答えいただけるとありがたいです。
 以上です。ありがとうございました。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、小川委員お願いいたします。
【小川臨時委員】 ありがとうございました。
 私からは磯辺先生にお伺いしたいと思います。国際的にも利用可能なデータをありがとうございました。
 サイズ等についてのデータギャップということをお伺いしたのですが、やはりナノのサイズのものではかなり毒性と違うのか、何か感触がございましたら教えていただきたいということと、あとはマイクロプラスチックといったときには、プラスチックそのものと、添加物が加わった状態のものが基本的には海洋中にもあると思っているのですが、そういったものを考慮する必要があるのかどうかといったことにつきましても、もし御意見ございましたらお聞かせいただければと思いました。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、小林委員お願いします。
【小林臨時委員】 ありがとうございます。小林です。
 関連の皆様の御説明ありがとうございました。
 私から春日先生の御説明に関連して、ちょっとコメント一つとあと東京都の丹野さんに関して、二つほどのコメント、質問させていただきます。
 一つ目、春日先生の関連なんですけれど、11枚目に未知リスクへの対応というようなお話がありまして非常にごもっともだなというふうに思っております。
 特にPFASに関連しては、大量に社会で使われて、このように対応するというのは、これまでそういうような対応をいろんな化学物質でされてきたわけですけれど、今のPFASに関連しては代替物質とかも検討されて、代替も進んでいるような状況かと思っております。
 ぜひ今後、すぐには難しいんですけれど、化審法をバージョンアップして、このような物質が社会で広く使われる前に何とか対応されるようにというようなことの検討が必要かなというふうに思っております。
 こちら、コメントというか、環境省さんへのコメントかと思っています。
 あと、東京都の丹野さんの御発表について、これ非常に東京都の取組、先進的でいろんな自治体で参考になることが多かったなと思っておりますが、特にちょっと面白いと思ったのが、その調査猶予の割合が全国と比べて小さいですとか、あと要措置区域になる割合も少ないですとか、この辺なぜそういうようになっているのかというのをぜひ環境省さんと一緒に解析を進めていただけると、非常に参考になるような知見になるんじゃないかと思っています。
 もう一点が中小企業の支援ということで、東京都さんは非常にこれも先進的に取り組んでいただいていて、いい事例になってるわけなんですけれど、東京都さんが今後、土壌汚染の調査が必要な事業所数が都内にどのぐらいあるのか、そのうちどのぐらいの調査が既になされているのか。特に中小企業については、調査もされずに今放置されているような状況というのが全国的にはあるかと思っているんですけれど、それらを今後対策をしていかなきゃいけないということで、どのぐらい残っているのかというのを把握されているかどうか、参考までに教えていただきたい。こちら、質問です。
 あと最後コメントですけれど、先進的な事例、取組について、東京都さんは人的にも資金的にも比較的ゆとりがあるかと思うんですけれど、他の自治体でも大丈夫なようにというか取組が進むように、ぜひこちらは国のほうで経済的な支援も含め、どうすれば他の自治体でも東京と同様の対策が進んでいくのか考えていただきたい。ぜひ東京都さんからはいろんな事例出していただきたい。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは、奈良委員お願いします。
【奈良臨時委員】 奈良です。四先生方、どうもありがとうございました。
 大変貴重なお話をいただきましてありがとうございます。
 私からは春日先生のご発表の中でも、AMRについて、これは環境省の方にお伺いしたいことがあります。
 このAMRの問題は、抗生物質を含む抗菌薬の患者側の誤った使用、場合によっては、医療者側の安易な処方というものが原因として一つあると思います。
 したがって、厚生労働省のほうも、この問題については、もちろん今、強く危機感を持って対応されています。ここで、ワンヘルスアプローチということで、環境省だけでなく、厚労省、また、農水省も省庁横断的にこれは取り組んでいかなければならない問題だと考えております。
 ここからは質問ですけども、こういった問題について、省庁が連携して何か取り組んでいこうというような、そういった動きといいますか、お考えといいますか、そういうものはおありでしょうかということが質問です。
 以上です。よろしくお願いいたします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは田中委員どうぞ。
【田中臨時委員】 どうもありがとうございます。
 2点あります。1点は磯辺先生の一番最後の絵がやはり非常にインパクトがあったんですけれども、先ほどからやっぱり水生生物の基準をややこしくすればするほど、だんだん管理しにくくなってきて、むしろ、このような粒子のサイズで実際にあるものから、逆に毒性のレベルを決めちゃうということのアプローチがいいと思うんですけど、その際にちょっとアイデアとしては、実際にマイクロプラスチックの素材が実際にはいろんな多様なものがあるんだけども、こういうその感受性の視点から見てある程度、安全性のある、安全側のサイドで何%というような切り方で、比較してという、そういうアイデアで考えられているかどうかという確認です。それが1点です。
 あともう一点は、春日先生の10ページ目の水環境監視とそれから管理の社会コストの問題、これすごく重要な話だと私も思っていまして、特に管理について、どれぐらいのコストをかけて改善させることでどれぐらいのベネフィットが出てくるかという評価を行うと、特にAMRのようなものについての対策がまだ基準がはっきりしていないものについては、例えば、どれぐらい削減するとそれによるベネフィットが水環境の改善をすることによるベネフィットがどれぐらい出てくるかということを考えるというような概念が入っているのかどうかというちょっと確認です。
 その2点です。よろしくお願いします。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございます。
 これで、挙手いただいた方々には御質問、御意見をいただいたと思いますけれどもよろしいでしょうか。
 春日先生に多くの質問が出て、それに関連して環境省からのコメントをいただきたいというものと、あと磯辺先生向けの質問と、あと東京都の丹野さんの関連で御質問と、それに関連した形で、環境省からの御回答ということでございましたので、まず春日先生、たくさんございましたけれども、環境省対応は不要ですので、御本人の関連の御質問、御意見に対して、御回答いただければと思います。よろしくお願いします。
【春日郁朗准教授】 春日でございます。
 今、大変多くの先生方からの貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
 自分の専門以外のところについても所管を述べよということで御指示いただきましたので、僭越ながら発言させていただきましたが、いろいろと御意見伺いまして、もっとしっかりと考えるべき点が多かったなと個人的には思っているところです。時間も限られているので、ごくごく簡単に御回答させていただきます。
 まず浅利先生から、どういった目的に集約していくのかとか、地域の担い手の御指摘もございました。
 これは、広義にはどのような水環境像を求めていくのかを定量的に見直すということと関連しているともいます。例えば今の水道水質や水産などの利用用途において本当に現行の指標が適切な指標になってるのかという見直しがまずは大事かなと思っております。
 それから地域の担い手に関しましては、これは間違いなく減っていきますので、スライドの中でも少しお話ししましたが、やはりセンシング技術を、どんどん活用することが期待されます。センシング技術によりデータはリアルタイムに取れますし、コストの削減もできるので、よりきめ細やかなという浅利先生からの御指摘にも沿った管理ができるのではないかと思います。
 それから大久保先生から、これも私の言葉足らずで大変申し訳ございませんが、ここで私が念頭に置いていたのは生活環境項目でございます。
 人の健康リスクに関しては、日本は非常に丁寧な検討・評価が行われていますから、そこは変える必要性は今のところそれほど高くはないと思っております。今回は、あくまでも生活環境項目のことについての提言であります。ただ、増えていく健康項目をどう扱っていくかという点については、検討の余地はあると思います。
 それから生物応答の御指摘もいただきました。生物応答で何か異常を検知したときに、その原因が一体何なのかということを明らかにするような技術ということでノンターゲット解析や、病原体分野でいえば環境メタゲノム解析などを念頭に置いております。
 それから酒井先生からも非常に大きな御指摘いただきました。アジアとの協調ということが本当にできるのかということと、国際的な動向はやはり重要ではないかということだったかと思います。これは私の言葉足らずでございまして、国際的な動向を無視するということではなくて、国際的な動向よりも先駆けて、日本が先回りで対応できるようなリスクの管理の在り方ということを意図しております。
 それからアジアとの協調は十分可能だと思っています。例えばAMRのお話を田中先生等々からもいただきましたが、ベトナムを始めとした東南アジアではAMRが重大な社会問題になっています。
 そのような国を含む、アジア各国において、AMRの課題や環境の課題について、日本がイニシアティブをとって取りまとめをするとか、サーベイランスを共同で行うなどという支援はできると思っています。
 それから岡久理事長から環境基準の見直しということで御意見いただきました。
 承りました。ありがとうございました。
 環境省への御質問と理解しております。
 それから松本先生からいただいたコメントについてです。私の書きぶりに問題がありました。御指摘のとおり、制約条件だけを強調して、環境のことは二の次という意図で書いたわけではございません。対象とする河川の水循環の状況を踏まえた上で、自分たちができる最大限のことをやって達成できる水質というものを把握するという意図でございます。制約条件と合わせて、我々がどういう水管理を目指していくのかということは最重要な視点になります。
 今後、水環境行政に投入できる人的・財政的リソースは減少していく一方で、対応すべきリスクはむしろ増加していくと考えられます。そのような状況の中でも、社会から信頼される水環境行政を維持していくことは、非常に重要なキーワードだと思っています。その点を常に意識しながら取り組んでいきたいと思います。
 それから大塚先生からはAMRに関する御意見を頂戴しました。
 AMRに対してどのような対策が可能かという点ですが、日本のようにほぼ汚水が処理されている国においては、環境分野は直接的に対策を講じるというよりも、まずは状況を継続的に監視・把握していくことが重要と考えています。
 ヒトや家畜分野に関しては、日本は世界最高レベルのAMRのサーベイランス体制を有しています。一方で環境に出てしまうと、多様な細菌や遺伝子が混在する状況となり、その中で新たな薬剤耐性細菌や薬剤耐性遺伝子の組み合わせが形成・拡散するリスクはありえます。その意味で、環境はある意味で社会の状況を映し出す鏡でもありますので、環境のサーベイランスをすることで、見落としのない形でAMRの動向を把握していくことが重要だと考えています。
 それから小林先生からは未知リスクへの対応について御指摘をいただきました。
 特に化学物質については、私自身の専門そのものではございませんが、ノンターゲットの解析に関する研究プロジェクトも推進費等で進められており、今後そうした技術が実装されていくことを期待しています。
 それから奈良先生からは、省庁間連携について御質問をいただきました。これに関しては、薬剤耐性ワンヘルス動向調査が関係省庁の連携のもとで進められています。
 従来から環境分野も参画していましたが、厚労省によるヒト分野、農水省による家畜分野と比較すると、環境省や国交省からの貢献は相対的に小さいという状況でした。そのため、現在はその部分を補完する形で推進費等のプロジェクトも動いており、これから更に省庁連携が進展することを期待しています。こうしたデータが蓄積されることで、省庁間の議論もより具体的に進むのではないかと思います。
 最後、田中先生からは、AMRを事例にした場合の社会コストについて非常に重要な御指摘をいただきました。今年から、ヨーロッパではEUの都市排水処理指令が改定され、人口10万人以上の都市では、下水処理場の流入水、処理水におけるAMRの監視が始まります。
 監視対象項目や方法の詳細は今年中に公開されますが、例えば薬剤耐性遺伝子が除去対象となると、当然これまで以上の処理コストがかかることになります。
 ですから、現在の下水処理効率がAMRの観点から本当に不十分なのか、それとも一定の効果を有しているのかを冷静かつ客観的に評価する必要があります。過度な対策によって、過剰なコスト負担を生じさせることは避けるべきと考えています。
 一方で、先ほどご紹介したベトナムの事例は非常に示唆に富んでいます。現在、ベトナムは日本の支援を受けて、下水処理の普及を進めています。しかし、現時点では依然として約90%の下水が未処理のまま環境中へ排出されている状況です。BODやSSが改善するといった説明だけでは、なかなか現地の人たちにとって実感できない面がありますが、AMRの観点からみると、未処理下水による水環境の汚染が農産物を汚染し、それが再び人々の生活や食卓に戻ってくるという悪循環が起きているということが我々の研究でも分かってきています。
 つまり、下水処理というのは、もともとは水質改善が第一の目的ですけども、それに加えて、AMRなどの公衆衛生リスクの低減という付加的な効果も期待できる可能性があります。
 もしそういう便益が定量化できると、先ほどの議論にもあった費用対便益の評価にも大きく貢献し、日本のインフラ輸出や国際協力を進める上で重要な根拠になるのかなと思っています。AMRの管理目標をどのレベルに設定するのか、また、それによってどの程度の便益が得られるのかについては、国際的にもまだ十分な研究は行われていません。私自身もしっかりとやっていきたいと思っております。
 非常に雑駁な回答になりましたが、ぜひ今後も先生方と議論を深めさせていただければと思います。私自身の理解不足や誤解もあるかもしれませんが、以上をもって私からの回答とさせていただきます。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 では、続きまして、春日先生の発表に関して、関連で、環境省からの御回答をお願いしたいと思います。
【鈴木環境汚染対策室長】 環境省の環境汚染対策室長の鈴木でございます。
 ちょっと順番ばらばらになってしまうかもしれませんけども、環境省のほうから今日御説明した資料3のスライド4辺りからちょっと表示をしていただきたいのですが、今、環境基準がずっと横ばいで、そういったところの見直しというところを必要じゃないかというところの御指摘いただいたかと思います。
 このスライド4のところにお示しをしていますけども、その水質は改善を一定程度したということでございます。
 一方、ここにはお示ししていませんけども、内閣府の世論調査で、令和6年にやってもらったんですけども、今の水環境について、改善、どういった観点でしたほうがいいかといったところで、水質に加えまして、ごみの散乱の少ない水環境とか、緑の多い水辺とか、そういったところのニーズがかなりたくさん出ていまして、一方で改善は不要だ、必要ないと答えたのは5%しかいなかったと。
 環境基準BOD/CODの達成率は90%ぐらいいっている一方で、改善が必要ないと答えていただいた国民の方が5%ぐらいしかいなかったということで、そこのギャップを埋めていかないといけないということで、この令和の時代の良好な水環境の構築ということで、水環境制度小委員会というのをスライドの5にお示しをしましたけども、立ち上げ、12月に立ち上げをしたところでございます。
 平成23年に水環境の在り方懇談会、当時須藤先生が委員長をされて、まとめていただいた報告書でも、水質に加えて、水量、水辺地、水生生物等と4点の観点で進めていってはどうかということでまとめていただいていますけども、今までそういったものも意識しながら水生生物に関する基準ですとか、底層DOとかというのもやってはきたんですが、より直接的に、そういった水辺地とか水生生物の観点をもうちょっと主流化していけないかというような問題意識もありまして、この水環境制度小委員会で、良好な水環境の創出に向けた議論をしていこうと思っております。
 ただ、それはちょっと何というんですか、今申し上げたのは水質以外の観点もということで申し上げたんですが、今日、今も御質問、御意見をたくさんいただきました。
 春日先生の御提言の中で、今の環境基準についても当然必要な見直しというのはしていかなければいけないだろうということで考えております。
 今申し上げた水環境制度小委員会の第1回に、御議論いただきたい事項ということでお示しをしましたCOD/BODの在り方というのもそこに書きました。
 やっぱりもう本当にCODについては特にそろそろというような御議論もいただきましたし、一斉分析スクリーニングというようなところもそこに書かせていただいていまして、一つ一つの今のような重金属とかVOCの精度の高い測定を一つ一つやっていくということでこのままいくのか、一斉分析みたいなところを使ってスクリーニングというようなところを意識してやっていくのかとか、そういったところの観点での検討というのを進めていかなきゃいけないと思っております。
 一方で、急な政策の転換というのはなかなか難しい、時間の、現場、実際の水環境の行政としては、都道府県政令市の皆さんが中心になってやっていただいているというところもあるので、しっかりとそういった地域の方々の御意見も聞きながら、一方で、計画的、着実にやっていかなきゃいけないかなと思っております。
 ちょっともし御回答できていないところがあれば、すみません、また後で御質問いただければと思います。
 AMRについて少し。
【𠮷川環境管理課長】 AMRについて環境省にも聞きたいという御指摘、奈良先生からいただきました。
 春日先生がほとんど答えてくださったんですけれども、政府のほうで、アクションプランというものを最初に作られた2016年の段階では、環境中のAMRの観測等についての言及はなかったところですけれども、2023年に改訂された政府共通の薬剤耐性対策アクションプランのほうには、環境中のAMRの動向の調査監視、基礎情報の収集、こういったものを高微生物剤の残留状況の調査も含めて、しっかりやっていくということで記載をさせていただいておりまして、連携して取り組んでいるところでございます。
 まさに課題から出てくるこれからの研究成果というものが関係省庁と一緒に、さらなる対策を進めていく上で、非常に重要になってくると思いますので、引き続き関係の先生方にはぜひよろしくお願いしたいと考えております。
 以上です。
古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは、磯辺先生に対する御質問、御意見を小川委員と田中委員からいただきましたので、磯辺先生お願いできますでしょうか。
【磯辺篤彦教授】 3点ご質問いただいたと思います。どうもありがとうございます。
 まずマイクロプラスチックのサイズ、小さくなればなるほど、危ないのではないかという話、ナノのレベルではどうかという話、いただきました。
 御意見のとおり、もちろんナノのレベルまでマイクロプラスチックが細かくなれるのかどうかという、材料工学的な物性の問題もありますけれども、細かくなればなるほど少なくとも粒子数が指数関数的に増えるというところで、それだけ実験に与えているような大量の粒子にどんどん近づいていくというところがあって、まず粒子数の増加という問題があります。
 また、小さくなればなるほど生態系の非常に微細な生き物、それを取り込んでしまうという、それがまた生態系の底辺になりますから、低次生態系がやられれば、高次生態系に波及していくという下からやられていくという問題があります。
 また、小さくなればなるほど体内に入ってしまえば、体内の消化管を抜けて血管に入るだとか、体内の中でも簡単には排出されづらくなってくる、魚類で言えば、2µmを下回ったマイクロプラスチックはここから急激に出なくなる、体外に排出されにくくなるという論文もございまして、小さくなるということは非常に大きな問題があると同時に小さくなればなるほど、観測のハードルが飛躍的に高くなると、今までやっていたような海面近くを網ですくって、数百µm以上のマイクロプラスチック、これはもうほぼ確立された観測技術ですけれども、これが1桁下がって数十µ、数µ、ナノのレベルがここはまだ我々手探りで観測しているという状況でございまして、この取られたデータが本当に正しいかどうかというところも研究者によっては、全部おかしなデータを出すというところもまだありまして、ここはなかなか難しいところがあります。
 そして二つ目、添加物、これはもちろん、御理解のとおりでございまして、我々、今ここでお示しした私がここでお示ししたものが、いわゆる粒子影響、粒子毒性と言われるような生物への影響を、異物の誤食、それによる影響ですが、もちろんプラスチック添加物、たくさん、大量に入ってございまして、これの影響は、古くからこれに対する生物の影響というのは研究対象、環境毒性学、あるいは環境化学の分野の先生方の研究対象としてございました。
 ただ、今のところ、環境中にあるプラスチックの中の添加物に対する影響というところでその環境データのなかなか連携がうまく図れていないところもあると私は理解していますが、これから当然この添加物を含んだマイクロプラスチックの影響というのは重要なテーマになっていくということ、という理解です。
 最後、安全性、環境中に広がった物質、これは当然時空間的に汚染物質、これは時空間的に揺らぐわけです。
 そして揺らいで、なお安全性、つまり、低め高めの揺らぎの中でも安全側にシフトしてそこで環境影響評価をするということは非常に大事なんですが、残念ながら、生物影響評価を行われる数µ、数十µ、あるいはナノのレベルのプラスチックについては、その時空間的な揺らぎを取るほどのデータがまず集積されていないという事例もあります。
 数百µm以下、私が最後に示したような数百µm以下の微細なマイクロプラスチックに関しても、まだ海洋での観測例といいますか、論文になった例というのは多分10かそこそこ、世界中で10本の論文が出ているかそこそこぐらいの話でございまして、揺らぎを安全側に見るほどのデータがまだ集まっていないというところで、データを集めるところがまず今我々が注意をして、それはサイエンスの側の責任なんですけれども、そこに今注力しているというところで、その次のステップとして、より安全側に振った側での影響評価、リスク評価という形にいくという途中の段階であるというのが今の現状です。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは土壌汚染対策に関連して丹野様よりお願いしたいと思います。
 いかがでしょうか。
【東京都環境局】 小林先生からの御質問、1点にお答えいたします。
 今現在、水濁法に基づき、届出がされております有害物質使用特定施設の件数、設置している事業所の数ですが、都内には、精査しなければいけないのですが、2,000から3,000施設ぐらい、事業所数があると思われます。そのうち、土壌の調査がなされているもの、土対法3条に基づく調査報告が提出されている件数は、平成22年からの累計で740件になっております。
 あとただし書きの件数が500件強ということになっておりますので、恐らく調査しなければいけない事業所の数に対して、実際も調査がなされた、これから調査しますという届出をいただいている件数が1,000件、1,200件程度になりますので、3割、4割ぐらいが調査をされているのではないかと考えております。
 具体的な、詳細な数の精査につきましては、今後、行っていきたいと思っております。
 以上でございます。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 ありがとうございました。
 それでは環境省からお願いします。
【鈴木環境汚染対策室長】 大塚先生から土壌汚染対策に対する土地所有者への助成というか、そういったところの御質問だったかと思います。
 御案内のとおり、土壌汚染対策基金というのがございますけども、それの助成対象というのが非常に限られているということでございます。
 そこに対しての課題というのは非常にこれまでもいろんな御指摘を受けているところでございますけども、なかなか、今すぐにそこの方向性がちょっとなかなかの課題ということでちょっと認識はしていますけども、そういった状況になっております。
 それから小林先生の指摘の東京都さんの状況について、何でそういうふうになっているのかということについて、調査というか、解析してはということについては、そういったご視点で、また東京都さんとも連携して調査をしていけたらと思っております。
 以上です。
【古米水環境・土壌農薬部会長】 一通りこれで御回答いただけたと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 非常にいろいろな御質問、ご意見いただきまして、充実した議論ができたかと思います。
 もう既に予定の時間が過ぎておりますので、次の議題に移らせていただきます。
 議題の2、その他ですけれども、事務局から何かありますでしょうか。
(なし)
【古米水環境・土壌農薬部会長】 特にないようでございます。
 委員の方々から全体通して何かあれば御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
(なし)
【古米水環境・土壌農薬部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは進行を事務局にお返しします。
【島田総括補佐】 本日は環境基本計画の進捗点検につきまして、関連の御説明や、あるいは御意見を賜りまして大変ありがとうございました。
 途中、システム上の不行き届きで御不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
 本日冒頭に御説明した段取りに基づきまして、今後点検を進めていきますとともに、次回の部会でも引き続き、環境省及び外部有識者等の皆様から施策の概要と進捗状況をお伺いいたします。
 本日の議事録につきましては、事務局で案を作成し、委員皆様に御確認いただいた後、ホームページで公表する予定としておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 また、この後、引き続き本WEB会議におきまして、第19回水環境・土壌農薬部会を開催いたします。
 この部会の委員の皆様におかれましては、引き続き御参加いただきますよう、お願い申し上げます。
 それでは本日、これをもちまして、本日の部会を終了させていただきます。
誠にありがとうございました。
 事務的に申し上げます。では、オンライン上は引き続き接続いただいております大気・騒音振動部会の委員の皆様におかれましては、オンライン上の退席をしていただきますようお願いいたします。誠にありがとうございました。
午後5時37分閉会