生活環境の保全に関する水環境小委員会(第1回)議事次第・配付資料

開催日時

令和6年9月24日(火)14:00~16:00

開催場所

Web開催〈YouTube配信〉

議事次第

1.開会
2.議事
  地域のニーズや実情に応じた生活環境の保全に関する水質環境基準のあり方、柔軟な運用について

3.閉会

議事録

午後2時01分開会

【岡内課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、第1回中央環境審議会水環境・土壌農薬部会生活環境の保全に関する水環境小委員会を開会いたします。
 委員の皆様方には、ご多忙のところ、ご出席いただき、誠にありがとうございます。
 また、Webでの開催であり、YouTubeの環境省環境管理課公式動画チャンネルで同時配信をしております。
 Web会議の開催に当たりまして何点かご協力をお願いいたします。通信環境の負荷低減のため、カメラの映像は原則オフ、ご発言の際以外はマイクの設定をミュートにしていただきますようお願いいたします。ご発言を希望される場合には、お名前の横にある手の形のアイコン、挙手ボタンをクリックしてください。また、発言を終えられましたらボタンを再度クリックして挙手を解除いただきますようお願いいたします。なお、ご発言の際は議事録の円滑な記録のため、お名前をおっしゃってからご発言いただきますようお願いいたします。通信トラブル等何かありましたら、右下にチャットの欄がございますので、ご記入いただき事務局までお知らせください。
 それでは、初めに、環境省水・大気環境局環境管理課長の𠮷川よりご挨拶申し上げます。
【𠮷川課長】 環境省環境管理課長の𠮷川と申します。委員会の開催に当たり、一言ご挨拶申し上げます。
 本日はご多用のところ、委員の先生方には、こちらの生活環境の保全に関する水環境小委員会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、平素より水環境行政の推進につきまして、格別なご指導をいただいておりますことに改めて御礼を申し上げます。
 この委員会ですが、本年8月生活環境の保全に関する水環境基準の設定や見直しに係る検討審議に加え、良好な水環境の保全に関して議論を行うため、生活環境の保全に関する水環境小委員会と名称を変更させていただき、本日がその第1回目となっております。
 さて、本年5月に閣議決定された第6次環境基本計画では、気候変動、生物多様性、循環型社会等への対応、良好な環境の創出、そして地域ニーズに即した環境基準の在り方の検討が重点課題として掲げられたところでございます。
 本日は、この重点課題への対応として、公害の時代から変化した現在の水環境の実態に応じた適切な環境管理を国や各地方公共団体が行えるよう、地域ニーズや実情に応じた生活環境の保全に関する水質環境基準の在り方及び柔軟な運用についてご議論をいただきたいと考えております。また、可能な範囲で取りまとめをお願いできればと考えております。委員の皆様には、様々な知見からのご意見を賜れればと考えておりますので、本日はご指導、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 簡単ですが、開会のご挨拶とさせていただきます。
【岡内課長補佐】 ありがとうございます。
 それでは、次に資料の確認に移ります。事前にメールでご案内させていただきましたとおり、議事次第のほか、資料1の委員名簿。資料2から資料5と参考資料の1、参考資料2となっております。もし過不足等ございましたら改めてメール等でお送りいたしますので、お申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。
 では、続きまして、委員のご紹介に移ります。本委員会の委員長は、古米委員長、委員の先生方につきましては、お手元の名簿のとおりでございます。時間の都合上、委員のご紹介については割愛させていただきます。
 本日の会議につきましては、委員総数13名のうち10名の委員の先生方にご出席いただいており、定足数に達しておりますことをご報告いたします。小熊委員、宮原委員、山本委員の3名はご欠席となっております。
 それでは、以降の議事進行につきましては、本小委員会委員長の古米委員長にお願いいたします。
 古米委員長、よろしくお願いいたします。
【古米委員長】 はい。仰せつかりました。
 それでは、議事に入りたいと思います。地域のニーズや実情に応じた生活環境保全に関する水質環境基準のあり方、柔軟な運用についてということで、事務局からご説明をお願いしたいと思います。
【岡内課長補佐】 それでは、資料2から5についてご説明をさせていただきます。
 まず資料2のほうをお願いいたします。では、まず2ページ目でございますけれども、昨今の水環境の課題というところでございまして、閉鎖性水域では、これまで水質の保全対策によりまして、流域からの汚濁物質の流入負荷というのは減少傾向にあるというところでございます。そういった状況でございまして、環境基準ではあるんですけれども、環境基準であるCODの高止まり、あとは水産資源への影響、そういった問題が発生しているというところでございます。令和5年の6月、昨年の6月になりますけれども、今後の水・大気環境行政の在り方についてということで中環審の意見具申を行っていただきました内容であったり、今年の5月に閣議決定をされました第6次環境基本計画の中には、地域ニーズに応じた生活環境の保全に関する環境基準の在り方の検討、また良好な環境の創出に尽力すべきと、そういった指摘がなされているというところでございます。
 次、資料3ページ目をお願いいたします。こういった状況でございまして、これまで課題のある水環境から望ましい水環境にということで各種施策を進めてきているところではございますが、やはり今後望ましい水環境ということが徐々に変わってきているというところでございます。
 今回ご審議いただきたい内容として、下から二つ目の箱書きにございますけれども、各地域のニーズにも応じた生活環境の保全に関する水質環境基準のあり方の検討ということで、水域の状況に応じたきめ細かな水環境管理を行っていく。二つ目が汚濁負荷の削減が進んだ湖沼・閉鎖性海域におけるCODの妥当性。そういった観点について今回ご議論をいただきたいというふうに考えているところでございます。
 今後はということになりますけれども、水質だけではなくて、生物の豊かさ、景観、文化、地域活動、そういった観点も政策目的としまして、地域ニーズに応じた総合的な水環境管理を目指す取組ということについても、今後議論をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 4ページ目をお願いいたします。今回ご審議いただく内容についてですけれども、昨年度検討会のほうを事前に行っておりまして、この中で箱書きの中の最後の行にございますけれども、①適宜適切な類型の見直し、②「利用目的の適応性」に係る水浴の見直し、③季別の類型指定、④CODの達成評価ということについてご議論をいただきました。今回この4点についてご審議をいただきたいというふうに考えているところでございます。
 5ページ目をお願いいたします。先ほど申し上げましたとおり、今回ご審議いただきたい内容についてこの5ページ目に1枚でまとめている形でございます。詳細については6ページ目以降でご説明をさせていただければと思います。
 まず、6ページ目でございます。①適切な水質管理のための適時適切な類型の見直しについてご説明をさせていただきます。
 生活環境の保全に関する環境基準についてですけれども、環境基準の中に水域の利用目的の変化にあわせて水域類型を適宜見直すことという規定がされてございます。そういった状況ではありますけれども、冬季の低温期のノリの養殖への影響、これらの栄養塩濃度が低いことによる生態系であったり水産資源への影響を懸念すると。そういった声が出ているというところでございまして、窒素・リンの環境基準の水域類型を見直すニーズというのが潜在的に存在をしているところでございます。
 一方で、環境基準の告示の中には、いわゆる「現状非悪化」の規定ということで規定がございまして、自治体が現在の水域類型よりも基準値がより高い類型に変更するという場合には、この「現状非悪化」という、こちらの規定に反するのではないかという懸念によって適切なタイミングで類型の変更が見直されていないというところがあるというところでございます。
 このため、今回、利用目的の実態、あとは科学的な知見などを踏まえ、地域の意見も聞いた上になりますけれども、利用目的に支障のない範囲で水域類型を見直すということについては、地域の実情に応じた適切な類型の見直しであり、「現状非悪化」には該当しないということを事務処理基準(通知)のほうに示すということを行いたいというふうに考えているところでございます。なお、この類型の変更を行った場合についてですけれども、水域の水質の変化というのを常時監視していますけれども、その常時監視の結果も活用しながら確認をしていくということが重要であるということについて、こちらも事務処理基準(通知)のほうに示したいということを考えているところでございます。
 こちらはご参考ではありますが、長野県では類型変更の例ということで下に書いてございますけれども、野尻湖で水道水源(水道1級)としての取水を廃止したというふうな事例がございまして、利用目的が変わったということで、その変わった変更された利用目的に合わせる形での類型の変更、見直しを行ったというような、そういった事例があるというところでございます。
 続いて7ページ目をお願いいたします。2点目ですけれども、利用目的の適応性に係る水浴の見直しについて、でございます。こちらですけれども、ある水域の類型を検討するといった場合に、当該水域の水浴場があることをもって水域全体を水浴に適用している例があるというところでございますが、水域全体で求められる水質と水浴場で求められる水質というのは必ずしも一致するわけではないというところでございます。
 左下に見直しの前という形でイメージの図を描かせていただいておりますけれども、水浴を行うようなエリアというのは、主に陸に近い部分のある一定のエリアとなっておりまして、水域類型ではそれよりもかなり広い範囲、沖合のところも含めて同じ水質環境基準としているというところでございます。しかしながら、水浴場で求められる水質と、沖合で求める水質というのは異なっているというところでございます。
 また、諸外国での水浴の基準というところについてですけれども、「大腸菌数」を基準としているものが多く、CODであったり、BOD、SS、DO、全窒素、全燐というものを対象としている事例は少ないというところでございまして、日本においても水浴に求められる基準といたしましては「大腸菌数」とすることが妥当ではないかというふうに考えているところでございます。
 このため、現行の告示の別表にあります各類型から「水浴」の利用用途という項目を除外いたしまして、「水浴」については別途告示の備考欄に「大腸菌数」を適用する旨を規定したいというふうに考えているところでございます。
 続いて8ページ目をお願いいたします。季別の類型指定でございます。こちらについてですけれども、海域、あとは湖沼については窒素・リンの濃度の低下による生物への影響というのが指摘をされているところでございまして、一部の地域では栄養塩供給といったニーズがあるというところでございます。
 一方で、窒素・リンの供給過多による富栄養化への懸念というものも存在しているというところでございまして、こういった様々な地域のニーズがございますので、それぞれ柔軟な対応ができるような形にしたいというふうに考えておりまして、COD、全窒素・全燐についてですけれども、「季節別の類型指定の選択が可能である」ということを事務処理基準に示すということを行いたいというふうに考えているところでございます。
 下に季節別の類型指定を行う場合のイメージという形で書かせていただいておりますけれども、左下でございますが、例えばノリの養殖などで秋から冬にかけて栄養への供給が必要になるという、そういった水域の場合は、春あとは水浴のシーズンである夏はⅡ類型のままという形で左下にございますけれども、Ⅱ類型というふうな類型の指定を行いまして、一方でノリの養殖のために栄養が必要となるシーズン、時期につきましてはⅢ類型という、こういう形で季節別での類型指定が行えるような形にしたいというふうに考えているところでございます。
 こちらの例では、春、夏、秋、冬という形での季節別で記載をしておりますけれども、事務処理基準のほうには、季節別ではなく、月単位で任意に設定ができるという形にしたいというふうに考えているところでございます。
 9ページ目をお願いいたします。こちらは季別の類型指定を行うイメージでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり春から夏、これまで年間を通じて春から冬まで水色の点線のところでございますけれども、年間基準値としてはⅡ類型という形の類型指定をしていたというところではございましたけれども、この項目の類型を春、夏、秋、冬ということで季節別での類型の指定ができるという形になりますと、緑のような形で、春、夏についてはⅡ類型の形、秋、冬については上のⅢ類型という形で、黒の点線から黒の実線のような形で水質濃度を変化させることができるという形にしたいというふうに考えているところでございます。
 一番最後、4点目でございます。10ページ目をお願いいたします。CODの達成評価の変更という点について、でございます。こちらは昨年度全国の地方公共団体に対しまして公共水域の水質特性と水域の利用障害の情報というのを把握することを目的としたアンケート調査を行いました。このアンケートの結果から、流入負荷削減対策を行ってもCODの改善が見られないような例、COD環境基準非達成であるが利水障害は継続的に発生していない例、CODの更なる削減は地域ニーズに即さない例という形で、こういった情報をいただいているというところでございます。
 下に事例の①から③まで書いておりますけど、詳細は割愛させていただきますが、北は北海道から南は中国地方まで、全国いろいろな水域でそういった事例の情報をいただいているというところでございます。
 11ページ目をお願いいたします。そういった状況でございまして、背景と課題ではございますけれども、流入負荷の削減対策の実施にもかかわらず、CODの濃度が比例して減少していないような湾の入り口であったり湾の中央部、そういった水域などについては外海からの影響がある、という可能性があるというところでございます。また、CODの非達成の要因が内部生産であると、そういった場合は、基準達成のためにさらに流入負荷を下げるという対策を講じることによって、流下負荷中の窒素・リンについても削減をしないといけなくなるというところでございまして、利水目的と地域ニーズとの更なる乖離が発生するという可能性がございます。
 また、海域、あとは湖沼についてですけれども、水域の環境維持の達成率は横ばいというような状況でございまして、CODの濃度とCODの負荷量というものについては対応関係は一様ではないかというところでございます。
 下に図を描いておりますけれども、横軸が水域面積当たりのCOD負荷量、要は陸域からの負荷量です。縦軸がCODということで、各水域のCODの濃度という形でございますけれども、当初の想定では陸域からの負荷を下げていけば水域のCODも下がっていくという形で、赤の点線のような形で実績のCODの濃度が下がっていくということを考えておったんですけれども、実態といたしましては、ある濃度を境に陸域の負荷を下げても水域のCODは下がっていかないと、低下していかないという、そういった状況であるというところでございます。
 12ページ目をお願いいたします。対応方針といたしましては、有機汚濁を主因とした利水上の支障が継続的に生じていないにもかかわらず、CODの基準を達成しておらず、継続的な汚濁負荷削減を求められてしまうような場合については、関係者の意見も踏まえながら、利水上の地域ニーズに応じて類型指定された水域区分ごとの達成・非達成の評価を行わないことを可能とするという形にしたいというふうに考えているところでございます。
 こちら海域についてはA類型又はB類型に限るという形にしまして、湾の入り口、あとは湾の中央部を想定するという形で考えております。湖沼についてはAA類型又はA類型という形に限るというふうにしたいと考えているところでございます。
 CODの評価を行わない場合につきましても、水濁法に基づく常時監視については継続で行うということを、今回この評価は行わないという選択をした場合には盛り込みたいなというふうに考えているところでございます。ただし、この測定項目についてですけれども、CODによるほか、低層DOなどによる測定でも可能という形にしたいというふうに考えているところでございます。
 資料2についてのご説明は以上となります。
 続いて、資料3についても併せてご説明をさせていただきます。
 先ほどご説明をさせていただきました告示の改正についてです。こちらについては②の水浴の見直しについて、でございます。
 5ページ目をお願いいたします。まず別表2、こちら河川ではございますけれども、A類型の部分について水浴というものがございましたけれども、先ほどもご説明させていただきましたとおり、別表の告示の利用目的、適応性の部分から「水浴」という部分についてを削除するというのをまず行いたいというふうに考えているところでございます。
 続いて6ページ目でございますけれども、備考欄でございますが、5ポツ目のところにありますように、いずれの類型においても、水浴を利用目的としている測定点については、大腸菌数300CFU/100mL以下にするという形で、こちらのほうで「水浴」の場合についての基準値を設けるという形にしたいというふうに考えているところでございます。湖沼、海域についても同じような形での改正を考えているところでございます。
 続いて資料4についてお願いいたします。こちらは事務処理基準ということでございますけれども、こちらについては3点ございます。
 まず1点目、適宜適切な類型の見直しについてですけれども、8ページ目をお願いいたします。こちら適宜適切な類型の見直しを行うという部分についてですが、こちらにございますとおり、「水質汚濁の状況や利用目的の実態、科学的知見等に応じて、地域関係者と協議をした上で、柔軟に水域類型の指定及び適宜適切な見直しを行うこと。この際、地域の利用の態様に合わせて適切に水質を管理するため類型を見直すことは、「水質の悪化を許容すること」には当たらないことに留意すること。なお、類型の見直し後は影響把握のため適切な時期に必要な情報を把握・評価を行うこと。」という形で書いてございます。
 続いて③の季節別の類型指定の見直しについてですけれども、4ページ目をお願いいたします。4)にございますとおり、「地域の実状に応じて、類型区分された同一の水域において、月単位で区分して季別に類型を指定することができる。」とそういう形にしたいということで考えております。
 一番最後、CODの評価についてですけれども、14ページ目をお願いいたします。オの部分でございますけれども、「湖沼又は海域は、各類型の利用目的に対して、現に支障が生じていないCODの環境基準の水域区分では、CODの環境基準の達成状況の年間評価は必ずしも行わなくてよいものとする。」という形にしたいというふうに考えているところでございます。
 以上が告示と事務処理基準の改正の案でございます。
 一番最後になりますけれども、資料5についてです。こちらは告示の改正を行いますので答申をいただきたいというふうに考えているところでございます。その答申の案ということで、こちら資料5のほうを作成しておりますので、ご確認をいただければと思います。
 2ページ目をご覧いただければと思いますけれども(2)のところで見直しの基本的考え方ということで書いているところでございます。1段落目でございますけれども、水域類型の見直しというのは一般的に一定の広さを持った水域ごとに指定されるというところがございますので、水浴に求める基準というのを一定の広さを持った水域全体に適用することは適当ではないということがまず1点目ございます。
 続いて二つ目でございますけれども、「大腸菌数」以外を採用しているものが諸外国では少ないということが書かれております。
 以上のことから、告示の別表2の利用目的の適合性の欄から「水浴」を除外した上で、「水浴」には「大腸菌数」のみ基準として位置づけるという形で備考欄に記載することが適当であるという形で答申のほうをいただきたいというふうに考えているところでございます。
 3ページ目以降についてですけれども、こちらについては告示、先ほど資料3のほうでお示しさせていただきました告示の見直しの案について、同じものを変更箇所のみ記載をしているという形でございます。
 私のほうからのご説明は以上となります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
【古米委員長】 はい。ご説明どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま説明のありました資料の2から5について、委員の方々からご質問、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 挙手ボタンを使っていただければと思いますが、特にございませんでしょうか。
 福島委員、続いて和田委員にお願いしたいと思います。まず福島委員、お願いします。
【福島専門委員】 福島です。どうもご指名ありがとうございます。
 今回の見直しの方向、方針に関しては異論ございません。また、自治体アンケートで多くの自治体から意見のあった④COD達成評価の変更につきましては、望ましい方法かなというふうに私も考えます。
 その説明資料2の12と13ページに詳細な説明を書いていますが、やはり分かりにくいところがあるかなというふうに感じております。一つは、達成評価の年間評価を行わなくてもいいということなのですが、ただ単にマル・バツをつけないでいいということではなくて、その奥にあるもの、従来の行政として負荷削減を努力されてきたわけなんですが、それをどの程度変えるものであるのかということに関してもう少し説明があったほうがいいかなと思います。また、自治体のほうでは、CODというよりかは、NPを減らないような方向でというような要望もありますので、NPについてどのような形でこの達成評価を行わないということを関連づけていくのかというのをもう少し考えたほうがいいかなと思います。
 最後ですが、13ページのほうのモニタリング内容の変更に関して、CODによる評価が有効な場合、有効でない場合という二つの例を示されていますが、この条件、二つ、現在利水障害が生じていないこと、また流入負荷が削減されているがCODが減少していない等というこれを条件だとしますと、評価を行わないということに、その前のページの12の条件に相当するかなという気がいたしまして、有効な場合というのが具体的にはどういうものなのかというのをもう少し示されたほうがいいかなと思いました。各自治体では、以上のようなことを判断するのが難しい場合があるかなということで、要望としては、環境省のほうとして適切なサポートをするように期待したいと思います。
 以上、コメントです。どうもありがとうございました。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、続いて和田委員、田中委員の順番でお願いしたいと思います。和田委員、どうぞ。
【和田専門委員】 和田です。どうもありがとうございます。
 基準を達成するための施策や対策の取組において、このような柔軟な、そしてかつ弾力的な運用というものは効率的で非常によい手段と思いました。先ほど個々の部分については福島委員から話された内容と同感ですので、自治体に対しての援助、分かりやすい説明を環境省のほうでも行っていただければと思います。
 この内容に関しては申し分ないと思いますが、文言に関して二つちょっとコメントをさせてください。資料4のまず一つ目が4ページの5)の③のところになります。ここの文言ですけれども、全窒素・全燐の濃度は、それから、COD濃度レベルとも関係がある場合は、その後も、行う際には、と非常に読みづらいと感じました。恐らく、ここは「窒素と燐がCODの濃度を上げるような関係」がある場合とご説明されている内容だと思いますので、この「全窒素及び全燐の濃度がCODの濃度レベルとも関係がある場合は」ということで、最初の「は」を「が」に変えていただければいかがかと思いました。
 二つ目は、同じく資料4の8ページの4の類型指定の見直しの文章です。こちらも文言として、適切な見直しを行うこと、見直すことは、留意すること、評価を行うこと、という全部「何々のこと」と続いているので、非常に読んでいて読みづらいというのか、ちょっと理解し難いところがありますので、例えば一つの案ですが、3行目の、地域の利用の態様に合わせて適切に水質を管理するため類型を見直す場合はというふうに、ここの「こと」を「場合」に変えたほうが文章の流れがよくなると感じました。
 これは文言のコメントです。軽微な内容としてお捉えくだされば結構だと思います。
 以上です。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、田中委員、大久保委員の順番で、田中委員、お願いいたします。
【田中臨時委員】 どうも田中です。どうもありがとうございます。
 私も基本的には柔軟な形になって、運用をフレキシブルにその場その場でやっていくということで概ね了解です。
 ただし、言葉としてすごく曖昧なやはり部分がかなりあって、例えば、資料2の6ページのところで、先ほど説明がちょっとあったんですけど、地域の実情に応じた適切な類型の見直しという言葉があるんですよね。その中で、例えば野尻湖の例を言われたんですけども、野尻湖がAA類型からAにしたというのは、ここに書かれているように、利用目的の中で、例えば水道用の取水の1級の廃止があったりというようなことがあるんで、例えばその右にある参考の中に書いてある利用目的の適応性、この表は変えるわけではないと思いますので、この中で状況が変わったときには変更ができるという理解を私はしています。
 例えば、自然環境保全のようなケースは、これは恐らく国立とか県の公園指定がされているようなところであるとすると、その状況は基本的には変わらないので、これはAAからは基本的には、例えば国交省の例でいうと変えられないのかなと。ところが水産のようなケースは変えられるということの理解ということで、もう少し詳しくその例を言ったほうがいいんではないかなというふうにちょっと思いました。
 それから、もう一点は大腸菌の話なんですけど、基本的にはこのように類型をAA、A、Bという枠組みを取り払っていただいて、自由にその水域で水浴が行われるということを前提としたところに指定できるということで、むしろ範囲を狭めるというよりは、場合によっては広げることもあり得るし、それから、先ほどの細かい文章の中でも、これまで定義が曖昧であった水浴を水に触れ合うようなレクリエーションを含むということで結構だと思うんですけれども、今後のこれらの結果を使ったときの公共用水域の測定結果の表現の仕方について、少しこれから上手に考えていただきたい点があるということでちょっとお願いです。
 どういうことかというと、まず、これまで公共測定計画に基づいて測定された結果が、昨年度まとめられたもののところでは基準値を守っているかどうかという適合率の結果しか出されていなくて、大腸菌については環境基準としての達成率90%という値を決めましたので、その達成率についての公開をやってほしいと。いずれの場合でもAA類型とかA類型とかB類型のような類型のデータがこれからは外れてしまうんですけども、これまでの流れからいうと、例えば公開に当たってはこれまでAA類型の水域の中で水浴指定がされていて測定された結果があるんであれば、そこの類型の中でどれぐらいの達成率だったのか、あるいは適合率だったのか、そういう形は残しておいていただいて、2022年度から始まった測定の結果がどういうふうに水域ごとに変化していっているのか、これをきちんと公開するようにしていただきたいというお願いです。
 この2点です。よろしくお願いします。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、大久保委員、古川委員、清野委員の順番で。大久保委員、お願いいたします。
【大久保委員】 はい。ありがとうございます。
 資料2でいきますと5ページ目になりますけれども、ここに示されていることに関しましては順応的な管理をしていくという前提の下で従来からの地域ニーズに応じた柔軟な管理をより促進し可能にするという観点からの改善、運用の見直しということだと思いますので、基本的に賛成をいたします。
 それを前提とした上でですけれども、同じ資料の3ページ目で示されているところを見ますと、今回の審議事項は赤で囲われた部分ですけれども、基本的には生物の豊かさ、景観、文化、地域活動等の観点も政策目的とするという部分がその次に来ているわけです。
 それを見据えて考えますと、類型について、今回水浴を備考に落とすことになったわけですけれども、逆に別の類型が出てくるかもしれませんし、また、環境基準そのものも定量的なものに加えて定性的な目標も含めた基準を置くことも含め、環境基準そのものの捉え方が課題になってくる可能性があると思っております。環境基準自体は、現在、水生生物については生活環境にぶら下がった形で考慮しているわけですけれども、生物多様性、気候変動との統合的な取組という観点から言えば、現在、公害基準のようになっている環境基準を、本来の意味での環境基準にどういうふうに上げていくかといった辺りも大きな論点になってこようかと思います。そうしたスパンで見た場合には、生物多様性等をより重視していくといったような観点等も含めて、利用目的が相互にウィン・ウィンの場合と、あるいは場合によっては必ずしもウィン・ウィンではない場合もあるかもしれない。
 例えば水産と生物多様性の関係が問題になるといったようなことがあり得るかもしれないわけでございます。それを踏まえますと、また5ページ目に戻っていただきまして、類型を見直すといった場合に、地域関係者と協議のうえという文言になっていて、これは資料4の8ページも同様の文言があるのですけれども、様々なニーズが現在の環境基準では必ずしも捉えられていないことも含めて考えますと、多様なという文言を入れていただいて、多様な地域関係者というふうにしていただくのがよろしいのではないかというふうに考えております。
 また、環境基準の設定とその実現だけでできることにも限界がある。その中で、環境基準でできることには何があるのか、海水温を変えるということは環境基準だけではできないことでございますので、そういった中での環境基準の大きな位置づけというものを見据えつつ、先ほどの3ページの矢印にあるような方向に向けて齟齬のないようなプロセスを取っていくことが必要かと思っております。
 以上です。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、古川委員、お願いいたします。
【古川専門委員】 ありがとうございます。経済界の立場から3点ほどコメントさせていただきたいと思います。
 まず1点目です。水環境の在り方、運用として、一律に対象物質の削減を進めるのではなく、地域のニーズや実情に応じた柔軟な対応を進めることはとても合理的だと考えておりまして、今回の提案の方向性には賛同いたしたいと思います。汚染対策の一翼を担う経済界等は、水質だけではなく資源循環や生物多様性、気候変動への対応といった、総合的な水環境に関連する事項にも注力しております。費用対効果も勘案し、実効的な対策を取ることで、地域社会経済の発展につなげていくことが重要ではないかと考えております。
 2点目です。官民が真に効果的な対策に注力するためには、科学的な根拠に基づいた対応が必要であると考えております。政府におかれましては、自治体と連携していただきながら、引き続き、知見の集積に努めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最後に3点目です。類型の見直しや季別、月別の類型指定につきましては、地域のステークホルダーの意向を十分に汲み取っていただき、地域の実情を踏まえた柔軟な指定、運用を期待しています。類型指定に関しましては、経済界にとって、製造に関わる分野に対する追加投資の要否判断にも強く関わってくる案件でございます。したがいまして、迅速な情報提供と適宜、適切な決定をお願いしたいと考えております。
 以上3点でございます。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、清野委員、お願いいたします。
【清野専門委員】 沿岸環境を担当しております九州大学の清野です。どうもありがとうございます。
 地域の状況に合わせた弾力的な運用ということでは、方向としてはいい方向かなと思いますし、地域の工夫も得られるものと思います。
 一方で、今日の資料4の中にもありますけれども、資料の4の8ページ、類型指定の見直しでございます。これは先ほど大久保委員からもご指摘がありましたけれども、これは実際にどうやって現場で意思決定をしていくのかというところが、私が想像するに、相当科学的根拠を整備するのと合意形成のための人とか、時間をきちんと作るということ。さらに、それを担保するための制度的な工夫というのも相当いるのではないかなというふうに思います。
 ですから、今回こういう形で施策を変えられるわけですけれども、これを現場の、特に市町村のレベルでいろんな水質の変更については様々な関係者の強い要望かつ科学的根拠に必ずしも基づかないと思われるような提案とかがあって、そこをどういうふうに解決されていくのか、どのようにその政策的に状況を作っていくのかなというお考えがありましたら教えていただきたいと思います。
 と申しますのは瀬戸内法の中で、湾・灘協議会というのをつくるということで、海の特性に応じてその県境とか、そういうものを関係なしに水というのは移動してしまうので、そういう水の立場からそれを取り囲む人間社会の合意形成を図れるような仕組みというのを制度的に既に用意していただいているんだと思います。
 ただ、なかなかそういった協議会を形成して、運営していくという社会的なノウハウだとか、それに関わる人材というのが十分でないのかなということで、なかなかその対応できてないというのも、いろんなものが不足しているんだろうと思います。
 そういうその状況に鑑みて、協議会を運営できるとか、科学的知見を集めるとか、さらに様々な関係者の意見を聞きながら合意形成に持っていくためのそういう科学的データを取る部分や人材育成についての予算措置とか、制度について今後、何かビジョンとか展望がございましたら教えていただけると何か勇気出るかなと思うところです。
 このままだと結構全体としていい方向の政策だと思うんですけれども、しばらくちょっと混乱が出る地域も出るのかなと思いますので、懸念ばかりで申し訳ありませんが教えてください。
 よろしくお願いします。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、風間委員、小川委員の順で。まず、風間委員、お願いします。
【風間臨時委員】 風間です。ありがとうございます。
 基本的には皆さんのご意見と一緒で、こういう考え方としては柔軟なものに持ってくるのがいいのかなと思いますけれども、やはり実際にそれを運用することになるとどういうことが起きるのか。今の清野委員のご意見と同じで、やはり懸念もございます。
 なので、事務局のほうもおっしゃっていましたけれども、しばらくの間、それぞれのところで動きがありそうであれば、その情報をやはりしっかりと行政のほうでも把握していただきながら、皆さんにも経緯を知らせるとか、こんなケースはこんなふうな形でやったというふうなものを示していただけるとありがたいと思いました。
 声の大きい人の意見が地域住民の希望だ、とならないような、そういう配慮はやはり必要ではないかなと思ったところです。
 以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、小川委員、どうぞ。
【小川専門委員】 小川でございます。下水道事業サイドのほうからコメントさせていただきたいと思います。
 資料2の8ページから9ページにかけてでございます。まず8ページのイラスト、これがちょっと私どもから見て分かりにくいところがあって、左と右に全域と水域の一部の例がございます。この両方の水域というのは同じ水域をイメージされているのかどうかというところが分かりづらいなというふうに思いました。ちょっと形を変えるなりしていただいたほうが分かりやすいのかなというふうに。これはコメントということでございます。
 その下にアスタリスクで書かれている解説ですね。これもちょっと事業者サイドからして分かりづらい感じがしていて、この例では、春夏秋冬の四季別に設定をしているけれども、季節の区分は月単位で任意に設定と書かれており、9ページのほうにも同じ文言が確かあったように思います。
 これがいわゆる設定が可能ということなのか、それとも、もう設定することが決まっているのか、その辺りがはっきりしません。また季節区分というのは、最大でも四つだと思うんですけども、例えば夏と冬だけ、いわゆる2等分でも構わないのかとか、その辺りがちょっとよく分からないなというふうに感じました。
 さらに今回説明の中で触れられていませんでしたけども、こういう細分化された場合のモニタリング方法、これについては従前と同じなのかどうかというところも事業者サイドとしては気になりました。
 以上でございます。
【古米委員長】 ありがとうございました。
 それでは、皆川委員、お願いいたします。
【皆川専門委員】 熊本大学の皆川です。多くの委員からもお話がありましたように、大変画期的な変更だと思っています。
清野委員がお話されていたように、やはり手続きを具体的にどうやってやっていくかということが非常に大きな今後の課題になると思いますので、その見通しについて、今後、決定されていくことと思いますが、もし見通しがあれば教えていただきたいと思いました。
 2点目が水浴の基準について大腸菌群数についての基準ですが、今年、熊本で水質事故がありました。御存じの方も多いと思います。大腸菌については諸外国も項目として多く用いている他、河床の藻類のクロロフィル量をニュージーランドでは基準として設けているかと思います。大腸菌群を基準として当初は運用していかれると思いますが、今後その他の項目に少し議論が必要になっている状況にあるのかともおもいますが、見通しがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 これで各委員からのご質問、ご意見を受けましたので、事務局のほうでご対応をいただきたいと思います。
【岡内課長補佐】 ありがとうございます。それでは各種ご意見をいただきましたので、見直し案の①、②、③、④の順で、それぞれご回答させていただければと思います。
 まず最初に①の類型の適時適切な類型の見直しというところについてですけれども、田中委員からは地域の実情の例を示したほうがいいんじゃないかというところ、あとは清野委員、あとは風間委員、皆川委員ですね、今後、自治体が実際に、こういったその類型の見直しを行おうとした際に、どういうやり方をしていけばいいのかというところをきっちり示してほしい、国としてやり方の例を示してほしいというそういったご意見をいただいたかなというふうに思っております。
 こちらについては、まさにおっしゃっていただいたとおりでございまして、自治体も今後いろいろ検討していく際に、どういったことをやっていけばいいのかというところが気になる部分があるかなと思っておりますので、この改正を行う際の事務連絡や施行通知などでご説明させていただければというふうに思っておりますし、また機会を見て各自治体の担当者向けの説明会などで説明をしていきたいと考えております。
 また、風間委員からいただいておりました、自治体に対してどういう見直しの事例があるのかというところについても、いろんな自治体の事例もフィードバックをしてほしいというふうな、そういったご意見をいただいていたかなと思っております。こちらについても、今も各自治体の類型指定の状況であったり、モニタリング状況、そういったところを毎年であったり、隔年であったり情報収集をしておりますので、そういったものをホームページで公表するであったり、先ほどお話させていただいた担当者向けの説明会の中でフィードバックするなど、そういった形で自治体の検討の参考になるような情報は適宜タイミングに応じて提供していきたいなというふうに考えているところでございます。
 2点目の水浴の基準の見直しというところについてでございますけれども、まず田中先生からいただいておりましたのが、大腸菌数の測定結果の出し方というところだったかというふうに思います。
 今年、大腸菌数の測定結果を令和4年度のものを出しましたけれども、そこの中で適合率という形でなっていたというところでございます。令和5年度のものについては、達成率というところで90%水質の達成率というところで出していきたいなというふうに思っております。
 次が、三つ目の季別の類型指定のところについて、でございます。こちらについては、和田委員のほうから自治体に分かりやすく説明をしてほしいというふうなお話いただいておりましたので、こちらは先ほどの一つ目のところと全く同じではございますけれども、事例なども含めて提供させていただくようにしたいなというふうに思ってございます。
 あとは、古川委員のほうからいただいておりましたが、特に事業者のほうですね。季別での実施をするときには、ぜひ、その地域のニーズをちゃんと汲み取ってほしいというところ、追加的な投資のところもあるかなということでお話いただいております。こちらについては、各水域ごとで類型の指定を行って、都道府県であったり、国であったり行っておりますけれども、その類型の見直しを行う際に関係者とよく相談した上で進めていきたいなというふうに思っているところでございます。
 小川委員からいただいておりました資料の資料2の8ページ目のイラストについて、でございますけれども、こちらはすいません。ちょっと分かりにくいところもあったかなと思いますけれどもあくまでもイメージとして書いておりますので、この形のままでというふうに思っているところでございます。
 米印のところでもご指摘をいただいておりました。たしか任意で設定という形になっておりますので、設定も可能というところは追記をしておきたいなというふうに思っております。全体1年間ある中で、夏だけ、冬だけ、という選択の例ももあるんじゃないかというふうなところについても全て細かく書こうとすると、なかなか資料が膨大になってしまいますので、あくまで事例という形で詳細については事務処理基準のほうで示す形とさせていただければというふうに思っております。
 季別にした場合のモニタリングの方法についてご指摘をいただいていたかなと思います。すみません、ちょっとこちらは先ほどの説明から漏れておりましたけれども、モニタリングの方法については、これまでどおり月別でのモニタリングをしていきたいという形で考えております。評価については上の四角の箱書きの3ぽつ目のところにございますけれども、COD、全窒素、全燐の場合は、それぞれCODで75%水質値になりますし、全窒素、全燐の場合であれば月別平均値になりますけれども、その季別の類型指定を行った期間の平均値であったり、75%水質を基に評価のほう行っていくという形にしたいというふうに思っているところでございます。
 一番最後が4点目で、福島委員からご指摘というよりはコメントをいただいておったところではございますけれども大きく三ついただいていたかなと思います。年間評価を行えないことの影響を示していくべき。これはCODだけではなくて、窒素、燐というところも含めてということで、ご指摘をいただいていたかなと思います。
 あとは、13ページ目のところでは、CODの評価が有効ではないというのは、具体的にどういうものなのかというところについても、自治体のほうに実際に示していくべきということをご指摘いただいたかなというふうに思います。
 こちらについてもまさに先ほどの一つ目のところでご回答させていただきましたとおり、今後、情報収集していきながら事例であったり、実際に連携支援の事例など、あとはCOD評価の変更というところの事例などを自治体のほうに適宜フィードバックさせていただくようにしたいなというふうに考えているところでございます。
【鈴木室長】 ちょっと追加で。環境汚染対策室の鈴木でございます。
 様々なご意見を本当に細かい点まで、資料の文言のところも大久保先生から多様なというのを追加したらどうかというご指摘ありましたし、和田先生からの「が」とか「は」とか、細かいところも非常に的確なご意見いただきました。ありがとうございます。
 それから、清野委員、大久保委員からもまず将来的な環境基準のあり方もというところも含めて、資料2のスライド3についてのもう少し今後のところについてもコメントをいただきまして、我々としても、その辺りこれからしっかりと検討していきたいと思っています。
 一つちょっと、この間の中環審の水環境・土壌農薬部会のほうでも少し紹介させていただきました。良好の環境創造モデル事業というのを今、やり始めていまして、地域一帯で、一帯でという言い方がちょっといいかどうか分かりませんが、地域に何かメリットが出るような地域の地場産業とか、地域のいろんな主体と連携した事業、水環境を保全するような事業というものを取り組んでいきたいというようなことで、モデル事業ということで2年目の取組をしているところです。そういった観点での施策の展開というのを広めていきたいと思っています。
 皆川委員から微生物の指標は大腸菌だけでいいのかというご指摘があったかと思いますけれども、少し我々も、ここ数年間で衛生微生物指標として、どういったものがさらに必要なのかというところの検討を始めています。ちょっと候補がいろいろありますので、いきなり環境基準というのは、なかなかハードルが高いかなとは思うんでですけども、候補に挙がってきているようなところは少しモニタリングというようなところから何か始められたらいいかなと思っているところでございます。
 それから、最初のほうで岡内からもお答えしましたが自治体へのしっかりした説明といったところです。今回、この案をつくるに当たって15の自治体に個別に訪問をさせていただいて、都道府県と意見交換をさしていただいています。また8月下旬には、水濁法関連の全国の自治体に集まっていただいて説明会のようなこともしております。国が直接、類型指定を行っている水域もありますので、そういったところでの検討も含めて、どういった検討、説明を自治体、都道府県、政令市さんにしていけば、またさらにこういった本日ご提案したようなことが各地域でも検討されるようになるのかというところはしっかりと丁寧に説明をしていきたいと思います。
【古米委員長】 どうもご説明ありがとうございました。
 ご意見、ご質問いただいた委員の方々から何か追加で確認事項があればご発言いただければと思います。
 田中委員、どうぞ。
【田中臨時委員】 どうもありがとうございます。
 かなりいろいろな意見を取り入れていただけそうな雰囲気なんですけども、以前参考資料1で、以前は環境基準の見直しについての諮問がされて、それに対する答申のような形になっているんですけど、今回は資料5を見ると確かに見直しと書いてあるんですが、その中身については水浴しか答えが書かれてないんですよ。
 確かに、実際上、この今の告示とか、そういうレベルで触れるのでということだと思うんですが、先ほどから話があったように、まず今後のことも考え、さらにどういうふうに地域の人たちへの説明をしていくかとか、あるいは合意形成していくかとか、あるいはさらにその根拠になる科学的な知見の集積を行うとか、そういういろんな課題を集めた上で、あるいは議論した上で決めていく、あるいは場合によっては急にいきなりこの数字を変えるというよりは、場合によっては暫定的な運用をした上でやっていくとか、いろんなまた考え方があると思うので、今回、議論している内容をどういうふうに今後、反映していく、あるいはどういうふうに運営していくのかということを少し、そんな長い文章は要らないと思うんですけども、回答に当たる部分をもう少しちゃんと書いたほうがいいんではないかと。その上で、皆さんの意見がどの程度反映しているかということを記録として残していくのが私はいいんではないかなと思いました。
 以上です。
【古米委員長】 続けて、清野委員、どうぞ。
【清野専門委員】 ありがとうございます。
 いろんな委員がおっしゃっているところでありますし、環境省さんも本当に誠意あるご回答いただいたところであります。
 一方で、今、月1回の観測というのも、各自治体さんも苦労されていたりとか、それを自治体さん自らやる場合もありますし、それのお仕事を受けられた調査会社のほうもあるんですけれども、そこがやっぱりいろいろ機材が古いとか、あとキャリブレーションとかをやるにも時間がないとか、いろんなやっぱり細かい課題を抱えているのが実情です。
 ですから、モニタリングのやり方だとか、測点の配置だとか、新しい既設的な運用とかをやる場合に、もうちょっと条件をつけて今までの水質汚濁の監視とか、そういうときの測点の配置の仕方と、また違うことを考えられたほうがいいのかなというふうな気がします。
 実際に海域のほうで言いますと、ある養殖のために豊かにしたいということで、下水道処理水を放水した場合に、それが違う自治体さんのほうに流れていったりだとか、あるいはその中に必ずしものその栄養に当たるものだけではなくて、抗生物質だとか、いろんな薬品が含まれている場合に、生物多様性であるとかといったときに、そういった細菌類の耐性が高まってしまって、生態系全体のバランスが崩れてしまうんではないかっていうような、そういうトータルな健全性の問題とかが、まだまだあると思います。
 多分、それぞれの自治体でどの海域どういう課題があるとか、どういう関係者がいるということはある程度把握されていると思いますので、早めにそういうところに何かフォローしてさしあげられるような、機動性のあるような技術陣なり政策の相談窓口をつけていただけるといいのかなというふうに思います。
 ですから、弾力的なとか、そういうような地域に応じてというふうな政策を国のほうで打っていただくときには、必ずやっぱり現場のほうに寄り添えるような人員配置だとか、技術者だとか、あるいはそれが軌道に乗るまでの予算措置というのをつけていかないといけないというふうに思います。
 仮に現場で説明会に回られても、多分同じような意見が出てきてしまうということもあるかと思いますので、ぜひ、そういう形で盤石の体制を整えられて、新たな展開に臨んでいただけたらと希望します。
 以上です。
【古米委員長】 それでは追加で、田中委員と清野委員からご発言がありましたので、事務局のほうからご回答をいただければと思います。
【鈴木室長】 ご指摘、ご意見ありがとうございます。
 田中委員のほうからいただいた様々なご意見というところでございますけども、まずは告示改正のところは、今回の水浴の部分のところと、あと事務処理基準は改訂をぜひさせていただいて、一方で資料2のスライド3にお示ししたような次の展開というところがございますので、そこに向けての議論の中で、今日いただいたご意見について、どういうふうに対応をしていっているのかといったようなところは、この場なのか、制度を議論するような場をまた設けるのかというのは、ちょっとまだ我々も検討しているんですけれども、そういった場で、今日いただいたご意見へのフォローの状況とか、対応状況というのはぜひしっかりと残して、検討をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
【岡内課長補佐】 清野委員からいただきました月1回の測定、人材の育成、予算的な措置というところについても、今も既に予算の措置、予算というよりは地方財政措置のほうですけれども、モニタリングなどが入っていたかなというふうに思いますけれども、そういったところを含めて自治体さんに使っていただけるような形で検討していきたいなと。特に人的なところをどういったことができるのかというのは考えさせていただきたいなというふうには思います。
【古米委員長】 田中委員、よろしいでしょうか。
 ご指摘は参考資料1の諮問に関しては、生活環境項目環境基準の追加等について諮問されていると。今回のそれに対する回答というが資料のほうで、一応内容的には水浴に基準を見直すことについて検討したということなので、追加ではないんだけれども、内容的に大きく変えた内容を書いてあると。ここには記述のことは書いてなくて、あくまでも基準の見直しという観点で整理をしているということなんですが、ご指摘は「はじめに」のところなりに何か追加でというご趣旨かなと思ったんですけれども。
【田中臨時委員】 ありがとうございます。
 「はじめに」か、あるいはよくやるのは「おわりに」にいろんなこれからやるべき課題がいっぱい出るケースが多いので、そういうところに少し、ここで積み残している話をしっかりまとめておくと。忘れないようにする、当然、先ほど鈴木室長も言われたように担当者の方は忘れないとは思うんですけども、やっぱり外から見ていると何を一体ここで議論して、まとめたのかというのがよく分からないところがあるので、何かやっぱりちょっと可能であれば、残していただいたほうがいいかなというふうにちょっと思いました。
 これはマストというよりは、ご検討くださいという感じだと思います。
【古米委員長】 この小委員会での資料は公開になっているので、どういう経緯で検討しているのかという説明はなされていると思いますが、諮問に対する答えとして基準の見直し案にどこまで書き込むのかというのは、過去の書きぶり等との整合性もあるかと思います。その点については事務局にちょっと考えていただき、可能な範囲で対応いただけることがあれば反映いただくということにしたいと思います。
 
【鈴木室長】 ご意見を全て網羅はちょっと整理上、難しいかもしれませんが課題と今後の方向性みたいなところを最後少し、書き留めるところは書いた上で、細かい一つ一つのご意見については、また別途検討の場で検討させていただきたいと思っております。
【古米委員長】 清野委員のご質問というよりは、今後のあり方だとか可能性のコメントは重要だと思います。いろいろな形で基準の見直しができるとか、その運用が柔軟になったとともに、地方の自治体の方々にはモニタリングの負担も同時にでてきているようです。それをどうサポートするのかについて説明会でご理解いただくとともに、現場が困らないようにしていただきたいということです。これについて、国側で今後考えていただけるかと思います。
 清野委員、そんなことでよろしいでしょうか。
 
【清野専門委員】 ありがとうございます。
 結構私、いろいろ何かこの先こんなことが起きるんじゃないかなといろいろ心配なために、いろいろ言ってすいません。
 さっきの田中委員のほうからマストじゃなくてもというお話もあったんですけども、基本的に大きく政策の方向性を変えるときに、何か一つぐらいはやっぱりこれはしなければいけないみたいなことは差し込んでおいていただけるといいんじゃないかなと思います。
 ですから、答申にどのような文言を書くということとかは、また環境省様のほうで検討いただいていいんですけれども、何々するのが望ましいとか書いておくと、環境分野ってもう本当になし崩しにやってもらえなくなったりすると思います。
 実際に環境モニタリングに使ってくださいねということで、自治体さんのほうにお渡ししている予算がやっぱりそういう形で、科学的なレベルに耐えるまでのデータを取っていただいているかというと、いろんな事情があって環境の調査というのが不要不急ということで後回しになったとか、そういうこととかがあったように思います。
 だけれども、やっぱりこれからその地域が自らの手で水質をよくしていくんだというぐらいに本気に思えるように、これは何か絶対やるべきとか、ここは外してはいけないとか、この政策転換のツボのここは最低抑えるとか、何かそこをもうちょっと分かりやすく示していただけると、新たな時代が開けるのかなというふうに思っております。
 委員長、どうもありがとうございます。
【古米委員長】どうもありがとうございました。
 きっと、大久保委員からも言われたように、今回の基準の見直しというところに加えて、将来的に生物多様性であるとか、景観だとか総合的な水環境というところとも、きっと絡んでくると思います。水質環境基準としての話と水環境全体としての管理があり、それを今までの水質環境基準に基づく水質汚濁防止のための水質監視に加えて、水環境をどう見て、どう管理に生かしていくのかという枠組みというか、そういうものを考えていかないといけない。その取組の在り方が大事な視点だと私も改めて感じました。
 今回については、水浴を中心に見直し案を検討したということと、あとは季節・季別点であるとか、基準の見直しの考え方だとか、そういう点について通知を出すということで、諮問に対応しているという内容になっています。
 全体を通じて、追加で委員の方々から何かご発言があればお受けしたいと思いますがいかがでしょうか。
 風間委員、どうぞ。
【風間臨時委員】  ありがとうございます。
 やはり私も今、古米委員長がおっしゃったように今回の見直しの大きな意味というのは、水環境というのを地域の人たちがどういったものにしたいと考えているかという、そこを自分たちで考えるというところがすごく大事かなという気はいたします。
 ただ一方で、類型指定を変えていって、そして基準値が変更になるとすれば、今までの考え方を踏襲し、またそれを根拠に地域の環境を保全するんだと思っている人たちにとってはしっかりとした説明が必要かと思います。ですので、先ほどの清野委員のように、地方自治体でそういった事柄についての研究、あるいは科学的なデータを取ることに対して、環境省のほうでも何かサポートしてもらえるようなことがあるといいのかなという気はいたしました。
 というのは、御存じのようにこういう研究はなかなか地味ですし、していても学術的な評価というのは必ずしも高くない。ですけれども、非常に大事な研究を地道にやってらっしゃる方もいらっしゃると思いますので、その辺りご配慮いただければありがたいと思いました。
 以上でございます。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 先ほど、清野委員から瀬戸法ができて、若干今までの水質環境基準で管理するという時代から変わり、豊かな海を目指すために湾・灘協議会ができていている。しかし、そこもなかなかうまくいっているとは限らないというところから、今のご指摘につながっているように私は感じました。
 いろいろなケーススタディーを環境省でお集めになっていますので、良い事例を多く集めて、このような工夫されていますよということをオープンにすることによって、各自治体の中で自分たちの地域の水環境をどう見ればいいのかと、水質だけじゃないよねという動きが徐々に出てくるような誘導をしていくこともできます。また、地域の大学だとか研究機関と連携した水環境に関わる研究活動を支援するようなモデル事業を考えることもされているようです。そういった事例もまた集めて、皆さんにフィードバックするということで、すぐに大きな変化は難しいと思いますけど、風間委員が言われたことはいろいろな形で今後展開できそうかなと感じております。
 どうもありがとうございました。
 ほかに全体を通じて、ご発言があればお受けしたいと思いますがいかがでしょうか。
 それでは、和田委員、どうぞ。
【和田専門委員】 和田です。どうもありがとうございます。
 水環境と水質について、今回の審議事項で汚濁負荷の削減が進んだ湖沼、閉鎖性海域におけるCODの妥当性があります。
 なかなか実行に移す際に課題が多いという意見が、多くの委員から出たと思うんですけども、この資料等を見ると、まさしくこの湖沼は琵琶湖であり、それから閉鎖性水域は大阪湾のことを指しているのかなと感じています。
 特に日本で一番大きい湖の琵琶湖は、CODが環境基準をなかなか達成できないということで、いろんな施策や対策が行われてきている中、逆に豊かな海、それから水環境の視点からは削減しすぎているのではないかと、いろんな意見が飛び交い議論しております。
 何か事例みたいなのを示しながら、そして科学的なデータというものを示しながらということであれば、こういった直面した問題で今回、柔軟に取り組むというところで、琵琶湖や大阪湾の事例が、科学的な根拠や水質等との関連、そして水環境との関連として一つの示せる内容ではないかと思っています。
 私が先ほどの意見で有効かつ効率的と申し上げたのは、環境基準を達するために、こんなにも努力をし続けてきた背景がありますので、そういったところも勘案して進めていけるのではないかと思います。
 以上です。
【古米委員長】 どうもありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。
(なし)
【古米委員長】 今回、資料2の内容に沿って資料3や資料4で基準の見直しについて通知、さらには資料5で答申対する報告するということになります。
 皆様から幾つかご指摘をいただいた点を、追記するなり修正をする。また、説明会等で今回の見直し案等を詳しく説明する。将来の展開については支援を考えるということです。今回の報告案としては、今日提示させていただいたものを大筋として必要な範囲内で追記などをするということでまとめたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【古米委員長】 それで、先ほど追記等があった場合には、私、委員長にご一任いただくということでご了承いただければと思います。どうもありがとうございました。
 それでは次に、今後の進め方について、事務局よりご説明をお願いいたします。
【岡内課長補佐】 ご審議いただきましてありがとうございました。
 では、先ほどご指摘あった部分等について、環境省において改めて確認いたしまして、古米委員長にご確認をいただいた上で、パブリックコメント等、必要な手続を行っていきたいというふうに思っております。パブリックコメントの結果を踏まえまして、小委員会の報告という形でさせていただきまして、最終的には中環審の水環境・土壌農薬部会長のほうにご報告させていただきまして、部会長の同意が得られましたら、部会の決議という形でさせていただければと思います。
【古米委員長】 ただいまの説明のとおり進めせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(はい)
【古米委員長】 それでは、そのように進めさせていただきます。
 これをもちまして、本日の議事は全て終了いたしました。
 事務局から連絡事項があればお願いしたいと思います。
【岡内課長補佐】 本日は委員の皆様には長時間にわたり活発なご議論いただきまして、ありがとうございました。本日の議事録につきましては、事務局で案を作成いたしまして、後日、委員の皆様にお送りいたします。ご確認をいただいた後、公表いたしますのでご承知おきいただければと思います。
 それでは、以上をもちまして本日の生活環境保全に関する水環境小委員会を終了いたします。
 お忙しいところありがとうございました。どうもありがとうございました。

午後3時24分閉会