中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第92回)議事録
開催日時
令和6年6月27日(木)13:30~16:32
開催場所
WEB会議システムにより開催
出席者
委員長 白石 寛明
臨時委員 鈴木 春美
根岸 寛光
山本 裕史
専門委員 赤松 美紀
天野 昭子
川嶋 貴治
後藤 千枝
佐藤 洋
白岩 豊
成田 伊都美
(敬称略、五十音順)
臨時委員 鈴木 春美
根岸 寛光
山本 裕史
専門委員 赤松 美紀
天野 昭子
川嶋 貴治
後藤 千枝
佐藤 洋
白岩 豊
成田 伊都美
(敬称略、五十音順)
委員以外の出席者
環境省
吉尾室長、松浦室長補佐、市原係長、太田係長、嶋川係長、小林専門員
オブザーバー
農林水産省
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)
国立研究開発法人国立環境研究所
吉尾室長、松浦室長補佐、市原係長、太田係長、嶋川係長、小林専門員
オブザーバー
農林水産省
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)
国立研究開発法人国立環境研究所
議題
(1)生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について
・イソシクロセラム
(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について
・シンメチリン
(3)生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について
(4)その他
・「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
・販売禁止農薬について
・農薬小委員会審議参加規程について
・イソシクロセラム
(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について
・シンメチリン
(3)生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について
(4)その他
・「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
・販売禁止農薬について
・農薬小委員会審議参加規程について
資料一覧
資料1 中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿
資料2 諮問書(写)及び付議書(写)
資料3 生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料4 生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案と水域PEC・予測ばく露量との関係及び基準値設定後の対応について
資料5 水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料6 水濁基準値案と水濁PECの関係について
資料7-1生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について(諮問書及び付議書)
資料7-2生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について(答申案)
資料8 「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
資料9 農薬小委員会審議参加規程について
参考資料1農薬蜜蜂影響評価書案 イソシクロセラム(農林水産省資料パブリックコメント版)
参考資料2安全性評価資料 シンメチリン(令和5年度非食検討会(第2回)資料)
参考資料3生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価の概要
参考資料4生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について(補足説明資料)
資料2 諮問書(写)及び付議書(写)
資料3 生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料4 生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案と水域PEC・予測ばく露量との関係及び基準値設定後の対応について
資料5 水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料6 水濁基準値案と水濁PECの関係について
資料7-1生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について(諮問書及び付議書)
資料7-2生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について(答申案)
資料8 「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
資料9 農薬小委員会審議参加規程について
参考資料1農薬蜜蜂影響評価書案 イソシクロセラム(農林水産省資料パブリックコメント版)
参考資料2安全性評価資料 シンメチリン(令和5年度非食検討会(第2回)資料)
参考資料3生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価の概要
参考資料4生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について(補足説明資料)
議事録
【吉尾室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第92回)を開催いたします。
初めに、本日の会議と資料の公開についてご説明します。
本日の農薬小委員会はWEB開催ですので、YouTubeにおいて、会議音声のライブ配信を行っております。
また、資料及び議事録については、ホームページに公開いたします。
会議開始に先立ちまして、委員の交代がございますのでご報告いたします。
昨年の末に稲生委員、内田委員、築地委員がご退任されました。新たに、公益社団法人緑の安全推進協会専務理事の白岩豊委員、埼玉県農業技術研究センター環境安全担当、担当部長の成田伊都美委員にご参画いただくことになりました。
白岩委員、成田委員、よろしければ一言ご挨拶いただいてもよろしいでしょうか。
【白岩専門委員】 はい、白岩でございます。公益社団法人緑の安全推進協会で3年ほど勤めてございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【成田専門委員】 埼玉県の農業技術研究センターの成田と申します。よろしくお願いいたします。
【吉尾室長】 白岩委員、成田委員、ありがとうございました。
続きまして、本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。本日は、浅見委員、五箇委員から欠席とのご連絡をいただいておりまして、11名の委員がご出席されており、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
【太田係長】 それでは、資料のご確認をお願いします。配付資料は資料1から9、参考資料1から4となっております。資料に不足等がございましたら事務局までお申し出ください。
なお、資料は説明の際に画面に表示いたしますが、必要に応じてお手元にご準備をお願いいたします。事前送付資料からの変更箇所については、その都度ご説明いたします。
【吉尾室長】 それでは、議事に入らせていただきます。
なお、議事の進行中、委員長及び発言者以外はマイクをミュート、カメラをオフに設定くださいますようお願いいたします。委員の皆様のご発言時はミュートを解除し、初めにお名前を名のっていただいた上でご発言ください。
また、カメラにつきましては、ご発言時にはカメラをオンにしていただきますようお願いいたします。
WEB会議システム上の不具合がありましたら、お電話やチャット機能で事務局までお知らせください。
それでは、以降の進行につきましては白石委員長にお願いいたします。
【白石委員長】 それでは、早速ですが、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
議事の(1)生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
初めに、事務局から諮問書を説明してください。
【太田係長】 事務局でございます。
今、画面に資料2を表示しております。本日の審議会ですが、こちら令和6年2月22日付で、環境大臣から中央環境審議会へされた諮問でございます。
別紙のほうに、本日、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定についてご審議いただくシンメチリンが記載されております。この諮問につきましては、令和6年2月26日付で中央環境審議会から水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
続きまして、こちらが令和6年6月14日付で、環境大臣から中央官庁審議会へされた諮問でございます。
本日、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定についてご審議いただくイソシクロセラムについての諮問書となっております。この諮問につきまして、令和6年6月19日付で、中央環境審議会から水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
資料2のご説明は以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
それでは、各基準の審議に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
【小林専門員】 それでは、資料3をご覧ください。生活環境動植物の被害防止に係る登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料でございます。農薬名はイソシクロセラムでございます。
ご説明の順番ですが、評価対象農薬の概要、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価、陸域の生活環境動植物のうち、鳥類の被害防止に係る評価、続いて、野生ハナバチの被害防止に係る評価の順にご説明させていただきます。
1ページをご覧ください。共通事項として評価対象農薬の概要をご説明いたします。
本剤は4種の異性体の混合物であり、含有量が80%以上である(5S,4R)体を成分とする剤になっています。
作用機構ですが、こちらの剤は、イソキサゾリン系の殺虫剤であり、その作用機構は昆虫の主要な抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体を阻害し、異常興奮、痙攣を引き起こすものです。
製剤は水和剤があり、適用農作物は果樹、野菜、花き及び芝等として、登録申請されております。
次に、各種物性についてご説明いたします。
各種物性はお示しのとおりですが、まず①番が混合物である審議対象の本剤の物化性です。続いて、②が主成分である(5S,4R)異性体の分解性です。③から⑤は、その他の異性体の情報となります。
続いて、Ⅱの毒性評価及びばく露評価に係る説明に移ります。
毒性データ等については、評価対象ごとに別紙1から3にまとめております。
まず、水域の生活環境動植物に係る毒性評価についてご説明いたします。
本剤の水域の生活環境動植物に係る評価につきましては、本年4月に開催されました水域の生活環境動植物登録基準設定検討会にてご審議、ご了承いただいたものでございます。
別紙1の1-1ページをご覧ください。
ニジマス試験が96時間流水式で実施されており、実測濃度220μg/Lで全頭死亡しております。LC50は130μg/Lとなっております。
次に、オオミジンコ試験が48時間止水式で行われており、実測濃度140μg/Lから遊泳阻害が認められており、EC50が500μg/Lとなっております。
続きまして、ユスリカ幼虫試験が48時間止水式で実施され、実測濃度と遊泳阻害数はご覧のとおりです。EC50は0.015μg/Lとなっております。
次に、ヨコエビ試験が96時間半止水式で実施され、実測濃度等はご覧のとおりです。第1濃度区で、20頭中8頭の死亡が認められており、また、他の全ての濃度区で生存個体に遊泳阻害が認められていることから、検討会では、もう少し低い濃度区の試験が設定されていれば望ましかったという旨のご意見がありました。LC50は0.040μg/Lです。
最後になりますが、ムレミカヅキモ試験が96時間振とう培養で実施されております。最高濃度においても明確な生長阻害が認められず、EC50は760μg/L超となっております。
続きまして、1-5ページをご覧ください。水域の生活環境動植物の被害防止に係る登録基準値についてご説明します。
各生物種のLC50、EC50はご覧のとおりとなります。
まず、魚類は1種で試験が行われておりますので、AECfにつきましては、130μg/Lを不確実係数10で除した13.0μg/Lとなります。
甲殻類は3種で試験が行われておりますので、AECdは、最小値0.015を不確実係数4で除して0.00375μg/Lとなります。
藻類は1種で試験が行われておりますので、不確実係数10で除した76.0μg/L超となります。
続きまして、1-6にて水質環境中予測濃度(水域PEC)のご説明させていただきます。
適用農作物等は、冒頭で述べたとおり果樹、その他となっております。
そこで、非水田時における第1段階のPECを算出したところ、かんきつ等で使用方法が最大となり、非水田PECTier1は0.0021μg/Lとなりました。各種パラメータはご覧のとおりです。
別紙1の説明は以上です。続いて、本資料の5ページ、総合評価に戻ります。
生活環境動植物に係る評価につきましては、先ほど申し上げたように、非水田PECTier1が0.0021μg/Lであり、登録基準値0.0037μg/Lを超えていないことを確認しております。
最後に、資料4をご覧ください。
PECは基準値の10分の1以内なので、非水田PEC第2段階を試算したところ、0.0010μg/Lとなりました。しかし、水域PECは依然水域基準値の10分の1を超過しているため、本剤につきましては、新たに農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の対象農薬としたいと思います。
水域の生活環境動植物に関する説明は以上となります。
【市原係長】 続きまして、鳥類に関しましてご説明いたします。
資料を共有しますので少々お待ちください。
続きまして、イソシクロセラムの鳥類への影響についてご説明いたします。
イソシクロセラムの鳥類への影響につきましては、本年2月の鳥類登録基準設定検討会で審議されています。
別紙2にまとめておりますので、別紙の2をご覧いただければと思います。
試験としましては2試験が提出されておりまして、まずはコリンウズラを用いた試験となります。
被験物資としましては原体で、各5羽用いられております。
設定容量はこちら、記載のとおりでして、限度試験となっております。最高用量群で死亡等は認められておりませんでして、LD50値としましては2,000mg/kg体重の超値。体重補正後のLD50値としましては1,410mg/kg体重の超値となっております。
本試験につきましては、特段の逸脱事項等は見られておりません。
続きまして、マガモを用いた試験ですけれども、こちらも各群5羽を用いて実施されておりまして、設定容量としましては、こちら記載のとおりとなっておりまして、限度試験となっております。
マガモ用いた試験につきましても、最高用量で死亡等は見られておりませんので、LD50値としましては2,000mg/kg体重の超値。体重補正後のLD50値としましては1,100mg/kg体重の超値となっております。
続きまして、登録基準値ですけれども、各試験の種ごとの体重補正後のLD50値として、最小値は1,100mg/kg体重ですけれども、幾何平均値1,240mg/kg体重の10分の1以上となっておりますので、こちらの幾何平均値を不確実係数10で除しまして、登録基準値としましては、120mg/kg体重となっております。
続きまして、予測ばく露量についてです。
本剤、冒頭ご説明しましたけれども、剤型としては水和剤がございまして、適用農作物としましては、果樹、野菜、花き、芝等として登録申請がされております。
各シナリオについてですけれども、まず、水稲単一食シナリオについては、水稲への適用がございませんので対象外としております。
続いて、果実単一食シナリオにつきましては、こちらの表2-3に記載のパラメータに基づきまして計算しまして、予測ばく露量としましては、0.010mg/kg体重/日となっております。
それから、種子単一食シナリオにつきましては、種子処理という適用がございませんので、対象外としております。
続いて、昆虫単一食シナリオですけれども、こちらは、水田シナリオと非水田シナリオというところで計算をしております。
まず、水田シナリオに関してですけれども、こちらは花き類・観葉植物での使用について計算しております。こちら、花き類・観葉植物への適用に関してですけれども、こちらは水系作物であるカラーや花はすといったものが含まれておりまして、水系作物は水田で栽培されるものというところで、6278号通知のほうで定義がされております。したがいまして、こちらは水田シナリオというところで整理をして計算を行っているところでございます。
それから、非水田シナリオにつきましては芝への使用について計算をしております。
昆虫単一食シナリオに関しましては、水田と非水田の合算値を算出しておりまして、予測ばく露量としましては、0.0017mg/kg体重/日となっております。
最後に、田面水シナリオですけれども、こちらは田面水に使用されないため、対象外という形にしております。
先ほどの昆虫単一食シナリオでご説明しました水系作物への使用についてですけれども、こちらですけれども、製剤の注意事項に、水系作物に使用する場合には、入水15日前までの使用、つまり水がある状態では使用しないことといったところが記載されておりまして、田面水シナリオには該当しないというところで整理をしております。
予測ばく露量をまとめたものは、こちら表の2-6にまとめております。
最後、総合評価になりますけれども、こちら5ページに戻っていただきまして、記載のとおりですけれども、いずれのばく露シナリオにおいても、予測ばく露量が登録基準値を超えないというところを確認しております。
続きまして、野生ハナバチにつきましても私のほうからご説明いたします。
イソシクロセラムの野生ハナバチ類への評価に関しましては、本年3月1日の農林水産省の農薬蜜蜂影響評価部会において、蜜蜂への影響評価を行っておりまして、その結果を踏まえております。
別紙の3をご覧いただければと思います。
イソシクロセラムですけれども、野生ハナバチ類への被害防止に係る農薬登録基準の設定を不要とするというところで整理したいと考えております。
イソシクロセラムですけれども、先ほどからご説明しておりますけども、殺虫剤として申請されておりまして、剤型としては水和剤で、適用作物としましては、こちら、記載のとおりのものとして申請がされております。
ここで、ちょっと参考資料1をご覧いただければと思いますけれども、こちら、参考資料1は農薬蜜蜂影響評価書でございまして、本年3月1日に農林水産省の蜜蜂影響評価部会で審議されたものとなっておりまして、こちらの17ページ目からになるんですけれども、こちらになります。ばく露量の推計に関して記載されておりまして、こちら、申請されている製剤につきまして、いずれもミツバチがばく露するおそれがないとして、ばく露量の推計が行われておりません。
まず、その理由としましては、こちらの9.3%水和剤については、こちらの表の9にまとめられておりまして、18.1%水和剤につきましては「芝」のみへの使用でありまして、ミツバチがばく露しない作物として、開花しない作物として整理されているものでございますので、ミツバチがばく露しないというふうな形で整理されております。
こちらの9.3%水和剤につきましては、表の9に理由が記載されておりまして、こちら、かんきつなど果樹の露地栽培につきましては、こちら記載のとおりですけれども、花が咲く前の発芽から、花がなくなる落花までの間以外の使用に限定されるというところ、それから、こちらの野菜類であったり花き類につきましては、閉鎖系の施設での使用に限定されることであったり、それから、開花前に収穫される作物であるというところで、それから、こちらのお茶ですね、お茶に関しましても開花しない作物というところで整理がされているところでございまして、いずれも、こういった理由からミツバチがばく露するおそれはないというところで、ばく露量算定が行われておりません。
そのため、こちら、資料3に戻りまして、野生ハナバチ類においても、その使用に当たり接触、経口ばく露するおそれが極めて低いということが想定されます。
以上から、こちら、記載しておりますけれども、通知の別紙の3の記載に従いまして、リスク評価を不要とする農薬に該当すると考えられますので、基準値の設定を不要とする農薬というところで整理したいと考えております。
なお、こちら、参考として、蜜蜂影響評価部会で用いられたミツバチの毒性試験結果を記載しております。
最後に、5ページの総合評価のところに戻りまして、総合評価としましては、ばく露する可能性が極めて低いことから、登録基準値の設定を不要とするというところで整理をしております。
イソシクロセラムにつきましては以上となります。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 それでは、ただいまのイソシクロセラムについて審議いたします。
最初に、評価対象農薬の概要ですね、1ページ目でコメントはございますでしょうか。光学異性体の混合物ということで、5S,4Rが80%以上ということでございます。
物性についてはそれぞれの、混合物はそれぞれの異性体についてデータが提供されているという状況でございますが、いかがでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 作用機序等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 それぞれ異性体ごとに若干性質が異なるみたいで、例えば融点とか、それに対応して、融点が低いものは水溶解度が高いみたいな、そんな関係がきちんと出ていますので、特段問題のある数字だと思いませんが、いかがでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 はい、よろしいようでしたら、次に、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価の内容について、ご質問や基準値案についてのご意見等をお願いいたします。いかがでしょう。
これは、オオミジンコにはあまり影響がないけれど、ユスリカとヨコエビに強い影響があったみたいな、そういった剤でございますけど。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけども、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【山本臨時委員】 水域のほうですけれども、検討会のほうでこちらも議論しましたが、先ほど事務局のほうからもご説明がありましたけれども、ヨコエビの試験が、ちょっと低い濃度側ですね、最低濃度区でも結構強い影響が出てしまっているので、本来、試験としては、かなり高い濃度で実施し過ぎていると、もう少し低濃度で実施すると、もう少し正確な値が出るんじゃないかなと思いますが、ちょっと信頼限界が少し、LC50の値が幅広いということはありましたが、それ以外は、特に大きな問題はないかなというふうに思いました。この剤、先ほど委員長のほうからありましたけれどもGABA受容体に結合する物質ということで、こういう剤についてはミジンコには効かないんですけれども、ユスリカやヨコエビなんかには比較的強い影響があるということで、今回もそういった影響が出ているんではないかなというようなことも議論しました。
試験については、大きな問題はないかなというふうに思います。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
ほかにご質問等はございますでしょうか。
特に試験等に問題はないということです。はい。
【山本臨時委員】 山本です。もう一点だけですけれども、既に事務局から、どこまでご説明があったか分からないですけど、原体で実施されているということですが、これ、水域の検討会でも少し議論されて、もしかしたらほかでも議論がされたのかもしれませんが、今回、その混合物ですね、キラルというんですかね、5S,4Rが主成分ではあるんですけども、4成分が入っているということで、この同一性というんですかね、そのもの、今回の主成分というか、本来の製剤の成分と試験実施されたものが同一であるかというような話も少し議論をさせていただいて、その点は、水域のほうは全ての原体について確認はさせていただきましたので、補足しておきます。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
これは事務局、何か補足のコメントをいただけますかね。
【松浦室長補佐】 環境省、松浦ですけれども、先ほど山本先生からコメントいただきましたとおり、ヨヒエビの試験の妥当性について、また、同一性について、検討会の中ではご議論いただきました。内容につきましては、先ほど山本先生がおっしゃったとおりでございまして、同一性につきましても問題ないであろうというような結論をいただいた次第でございます。
事務局からの補足としては以上となります。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけれども、もし可能だったらなんですけれども、このそれぞれの比率ですね、何か出ていたものもあったかなと思うので、その辺り、ちょっと詳しい説明はなかったと思うんですが、その辺り、もし補足できる部分があったら、量的な話ですかね、大体これが何%、これが何%というようなデータもあったんじゃないかなと思うので、そこを、もしよかったら補足いただけるといいかなというふうに思いましたが、いかがでしょうか。
【松浦室長補佐】 ご質問ありがとうございます。すみません、今ご質問のあった点につきましては、組成の詳細な数値につきましては非公表情報となっておりますので、この場で申し上げるのは、控えさせていただけたらと。
【山本臨時委員】 その辺りも確認したということですよね。
【松浦室長補佐】 そうですね。
【山本臨時委員】 そこは確認したので、非公表だからということも、そうしたら、そこも説明いただいたほうがよかったかもしれないですね。
【松浦室長補佐】 すみません。
【山本臨時委員】 了解しました。ありがとうございます。
【松浦室長補佐】 説明が不十分で失礼いたしました。
【白石委員長】 被験物質の件ですけど、これは原体ですかね、原体で試験をするということで、その規格に沿っているという理解なんですが、それは非公開情報なので、この場ではちょっと出せないということで申し訳ないですが、1ページ目の米印に書いてある、これはどのような意味を持っているんでしょうか、すみません。原体規格ではないんですね。一般的にこう言われているというようなものなんですか。そこだけちょっとお願いします。
【松浦室長補佐】 これ自身、この今お示ししている数値自体は原体規格ではなくて、一般的な組成比ということでお示ししております。
【白石委員長】 よろしいでしょうか。大体こういうものであるということで。
(なし)
【白石委員長】 はい、特段ご意見はないようですので、そうしたらば、基準値ですかね、基準値は、5ページ目、1-5か、1-5に書いてありますが、先ほどご説明があったとおり甲殻類、ユスリカ、ヨコエビですね、この辺によく影響を受けるということで、この数字を基に、不確実係数は4を適用して、0.0037とするということでございますが、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 ばく露評価のほうはいかがでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、天野ですが。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 1点、確認で教えていただきたいと思います。このPECを計算するときに、先ほど、この後の鳥類予測では花き類でカラー・花はすがあるので、水田でのばく露量の計算をしているんですけれども、こちらでは、あくまでも水域ということですので、使用に制限がかかっているために、ここでは計算をしないという理解で正しいでしょうか、確認です。
【白石委員長】 では、事務局、お答えをお願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
天野委員のご理解のとおりでして、イソシクロセラムにつきましては、入水の14日前までの使用というのが、花き類、観葉植物に関しましては注意事項で制限されているところでございますので、水域のほうのPECについては、非水田のみの計算を行っているというところでございます。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
天野委員、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 ありがとうございます。例えば、わざわざ書くかどうかということなんですけど、鳥類予測のほうを見ますと、もうそれぞれの食のシナリオごとに使わないから対象外だとか、制限がかかっているからだとかというようなコメントがあったので、場合によっては、ここ、花き類は使用の制限があるため計算しないとか、何かあったほうがいいのかもしれないと思いました。どうでしょうか。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【市原係長】 事務局でございます。
ご指摘のとおり、ちょっと分かりにくい部分もあるかと思いますので、そこは書き方は検討したいと思っております。
以上です。
【白石委員長】 書きぶりは検討していただけるということで、記載するということですか。
【市原係長】 そうですね、これまで水域だけとかの評価だったと思うんですけども、鳥類とも併せて評価書を作成することになっておりますので、その辺り、齟齬が生じて、混乱を生じることがないようにしたほうがいいのかなとは思いますので、記載は場所とかも含めてですけれども、検討したいと思っております。
【白石委員長】 ありがとうございます。少し整合性を取れるように検討するということですね。
【市原係長】 はい。
【白石委員長】 そうすると、単位も随分違うので、若干気になりましたけど。
例えば、パラメータの値が130と0.13かな。若干、微妙に違うかなという気がします。まあ、それは仕方がないかもしれませんけど、ご検討いただければありがたいと思います。
【市原係長】 その辺りの数値の記載も統一していきたいと思います。
以上です。
【白石委員長】 ほかに。では、記載についてはご検討いただくということで収めたいと思いますが、ほかにコメントはございますでしょうか。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですが、よろしいでしょうか。
先ほど、事務局のほうからご説明がありましたところで、資料4のところで、これはTier1と今回の水域の基準値が接近していると、10分の1以下なので、Tier2をやりましたという話ですが、Tier2の話は、何か具体的には、今回あまり説明はなかったですけれども、その辺りは何か、どこかに記載するなり、何かご説明いただくなりというのはなくていいんでしたっけ。この場合は、もうそもそも超えてないので、こういった場合は数値だけを資料4に出すというような感じに、事務局ではされていたんでしょうか。確認です、よろしくお願いします。
【白石委員長】 では、回答をお願いします。
【松浦室長補佐】 環境省、松浦でございます。
Tier1の数値が環境基準値を超えていない場合は、申請者からTier2の計算が出てまいりませんので、事務局のほうで計算をして、その結果をこのような形でお示しするということで、これまで進めさせていただいております。
【白石委員長】 よろしいですか、Tier2はあまり下がってないので、これはどういったことが主な理由なんですかね。物性的に何か、はい。
【市原係長】 そこの辺りは、我々では把握ができていないところですので、確認したいと思います。
【白石委員長】 はい、そのTier2の、事務局で行っているので、その結果は間違いないと、こういった答えになるので、水質モニタリング調査の対象農薬とするということなんですけども、もう一度ご確認いただいて、間違いなければそうしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。
【白石委員長】 ほかに追加のコメント等はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 よろしいようでしたら、資料4はご確認いただくとして、修正はないですかね。特段修正はございませんので、事務局案どおりですかね、水域に関しましては、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、鳥類のほうでコメントがありましたら、お願いします。
よろしいでしょうか、コリンウズラとマガモの試験が行われ、両方とも影響が出ないようでございます。
(なし)
【白石委員長】 予測ばく露量のほうはいかがでしょうか。先ほど、鳥類のほうはあれですかね、単位がやっぱり一桁上、キログラムに、先ほど水域のほうはグラムに一桁、小さいのはしようがないですかね。もっとも、こちらのほうが見やすいのかもしれませんが。同じデータなので、若干改善の余地はあるかもしれませんが、ご検討をお願いします。全く同じデータ、多分データだと思いますけども。
昆虫食はちょっと、若干違いますが。
よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 天野です、すみません。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 昆虫食シナリオと、その後にもかかるんですけれども、花き類で水系作物があるために水田の算出がされていて、これは水がある・なしにかかわらず、水田という中で使われた場合には、その昆虫、そこに生息する昆虫がばく露するので計算しているというふうに理解していますが、これは合っていますでしょうか。
【白石委員長】 はい、事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
今、天野委員のおっしゃったとおり、通知の上での話ではあるんですけれども、通知上では水系作物は水田で栽培するものというような整理になっておりますので、水のある・なしにかかわらず、昆虫単一食シナリオは水田ほ場下で計算しますので、それに基づいて計算しているといったところになっております。
以上です。
【天野専門委員】 ありがとうございます。それで、ここで田面水のほうは先ほどの湛水で使用しないという注意書きがあるからということで対象外にしていると思うんですけれども、これも、この後の野生ハナバチのほうの話にかかってくるんですが、野生ハナバチの評価の中では、閉鎖系で使用するという制限をかけるという説明がありました。ということは、昆虫単一食のシナリオとしては閉鎖系の水田ということがあるんでしょうか。また、そういった場合に、閉鎖系で使われたら、鳥への影響というのはあるんでしょうか。ちょっとそこが疑問に思いましたので、ここの解釈を教えてください。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
そうですね、そこの辺りまでは、確認し切れていなかったこともあるんですけれども、ただ、そうですね、この申請資料から鳥類のところだけの適用はなかなか、確認が難しいところもございましたのですけれども。
【白石委員長】 はい。
【市原係長】 そうですね、ちょっと現状としては。
【白石委員長】 閉鎖系で使われるんですね、花き類は。
【市原係長】 そうですね、先ほどのちょっと説明からすると、ここに該当して、そうですね、閉鎖系で使用するという形になるので、そうですね、閉鎖系施設ですと、当然、昆虫は、鳥類は成立不可能というところではあるので、ちょっとここの整理はもう一度確認して、鳥類の予測ばく露量の、ちょっと今回の件は確認したいと思っております。
【白石委員長】 ありがとうございます。
【市原係長】 はい、以上です。
【天野専門委員】 よろしくお願いします。ただ、そうするとばく露量が下がるだけなので、この結果には影響はしないとは思いますが、ちょっと、それぞれが使用方法で連動し合っているというふうに、これがまとまって評価書として出ると分かりますので、いま一度整理いただければと思います。
以上です。
【白石委員長】 コメントありがとうございました。
では、確認の上、整理していただくということで、もしも閉鎖系であるということであれば、ここはあれですかね、花き類については削除ということになりますかね。
【市原係長】 そうですね、花き類については削除というところになると思われます。また、こちらは事務局で確認して、修正した評価書を共有させていただきたいと思っております。
【白石委員長】 ありがとうございます。昆虫単一食シナリオが、若干数値が低くなるかもしれないということでございます。低くなるかな、変わらないですか、要は。
【天野専門委員】 そうですね、多分変わらないですね。ただ、合量という話がさっきあったので。
【白石委員長】 そうですね。
【天野専門委員】 ここにあると、足さないかというか、扱いが、ちょっと整理いただければ、結果には何の影響もないんでしょうけれども、はい。
【白石委員長】 結果には影響はないみたいですね。表の削除で済むような感じがいたしますが。
ほかにコメントはございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
それでは、特段ないようでしたらば、登録基準値は、5ページ目をご確認いただけますか。あれはどこでしたか、すみません、総合評価。鳥類にかかるリスク評価ですけれども、登録基準値は120mg/kg体重ということですかね。それを超えていないことを確認したということで、表の昆虫単一食シナリオも数値は変わらないので、このままということになると思います。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、野生ハナバチ類に係るリスク評価でコメントはございますか。
こちらは農業資材審議会の農薬分科会、農薬蜜蜂影響評価部会で動向を審議されているということでございます。それを受けて、野生ハナバチ類についても設定不要とするということにしたいということですが、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 何回もすみません。質問というより、ばく露するおそれがないので、使用制限をかけることでばく露のおそれがないため、設定を不要とするというふうになっていますので、これ自体には問題はありません。
それで、参考資料1の6ページからですかね、使用方法の一覧というのが載っています。それが通常、製剤が現場に行ったときのラベルになると思うんですけれども、ここに、どのような形で、その制限が反映されるのかという情報が、もしおありでしたら教えてください。農水省さんのほうの作業かもしれませんけれども。
というのは、要するに、その不要とするという判断に至った、この規制が実効性のある形で、ちゃんと使用者に周知されるのかというところにちょっと疑問がありましたので、情報があったら教えてください。
【白石委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。ご指摘ありがとうございます。
ご認識のとおり、その適用表とか注意事項の作業につきましては農林水産省のほうにはなるんですけれども、私のほうで把握しているものとしましては、この適用表以外に、被害防止方法という注意事項みたいなものが付されるんですけれども、その中で閉鎖性施設で利用することといった内容であったりが付されるものというところで承知しているところでございます。
以上となります。
【白石委員長】 天野委員、いかがでしょうか。
【天野専門委員】 ありがとうございます。もうこれは環境省さんの範疇じゃないのであれですけれども、ただ、通常はここの希釈倍数ですとか使用量ですとか、ここを遵守事項だから守りなさいよというところで現場で指導されていると思います。当然注意事項という別の欄のところも読んで使わなければならないということにはなっているんですけれども、ただ、それは今までと違う形で、ちゃんとよく分かる形の表示がなされると、そういう形のほうが望ましいのかなというような感じを受けました。これは、また農水省さんのほうの範疇と思います。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
実効性を担保してくださいということですので、よろしくお願いします。
例えば、ありますかね、閉鎖施設で使うというのは、例えば花き類というのがありましたよね。花き類、ハダニ類とか書いてあった、ここの辺ですかね、ポイントとなるのは。閉鎖性で、施設で使うことを前提に不要としているので、そこはきちんと担保していただきたいというふうに私も思います。よろしくお願いします。
ほかにコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、全体を通じてご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
(なし)
【白石委員長】 はい、特段ご意見がなければ、イソシクロセラムの生活環境動植物の被害防止に係る評価の内容について、事務局案、若干修正はございますけれども、内容が変わることはないと思いますので、ご了承いただいたものといたします。修正点は、後ほどご確認いただきたいと思います。
以上で、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定についての審議を終了します。
次に、議事の(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
それでは、資料5をご覧いただければと思います。
今回、水濁基準に関しましてはシンメチリンのみとなっております。早速ですが、内容についてご説明いたします。
まず、物質概要ですけれども、物質概要につきましてはこちら、記載のとおりとなっております。
続いて、作用機構になりますけれども、シンメチリンに関しましては除草剤として申請がされておりまして、細胞内にある葉緑体等の色素体の中で脂肪酸の生合成を阻害するということで、雑草の生育が抑制され、枯死させるといったような内容となっております。
こちら、枯死させるというところですけれども、白岩委員からコメントをいただきまして、より分かりやすい記載とするために追記をしております。
続いて、日本では、こちら1994年に登録されておりましたけれども、2006年に経済的な理由から失効しておりました。ただ、今般、剤型としましては乳剤、適用作物としては樹木、具体的にはつつじ類となるんですけれども、登録申請が再度されているところでございます。
次のページ、各種物性を載せておりますけれども、こちらも記載のとおりとなっております。
続いて安全性評価ですけれども、シンメチリンに関しましては非食用農作物のみの適用となりますので、環境省におきまして、非食用農作物専用農薬安全性評価検討会、いわゆる非食検討会におきましてADIを設定しております。
非食検討会での議論の結果、ADIは0.079㎎/kg体重/日と設定しております。
その結果、水濁基準につきましては、こちら記載のとおりですけれども、0.21mg/Lとなっております。
続いて、水濁PECの算出についてです。
先ほどもご説明しましたけれども、剤型としましては乳剤、適用農作物としましては樹木、具体的にはつつじ類が登録申請されております。
そのため、こちらの表に記載のパラメータを用いまして、非水田のPECを算出しております。
算出の結果ですけれども、こちらに記載しておりますが、0.000033mg/Lとなっております。
総合評価ですけれども、こちら水濁PECが登録基準値を超えないことを確認しております。
続いて、こちらの資料6をご覧いただければと思います。
こちらが水濁PECと基準値を比較したものになりますけれども、シンメチリンにつきましては、PECが基準値の10分の1以下というふうになっておりますので、モニタリングの対象としないというところで整理をしております。
シンメチリンにつきましては以上となります。よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ただいまのシンメチリンにつきましてご質問、基準値案についてご意見等を伺いたいと思いますが、非食用農作物の専門委員会の検討会のほうで検討なされているようですので、何かコメントがありましたお願いできますでしょうか。
【佐藤専門委員】 岩手大学の佐藤ですけれども、非食検討会での評価概要を説明させていただきます。
シンメチリンですけれども、ラット、マウス、ウサギ、イヌを用いた各種毒性試験と遺伝毒性が実施されておりました。シンメチリンは感作性や軽度の刺激性はあるものの、急性毒性では問題となるような毒性所見は認められておりません。
げっ歯類では、餌にシンメチリンを混ぜた混餌経口反復投与毒性試験で、粉末試料が鼻腔に吸入されて、シンメチリンの刺激が起因したと考えられる鼻腔の炎症性変化が出ていましたけれども、その他、肝臓重量の増加を伴う肝逸脱酵素の変動が見られています。
また、イヌでは貧血傾向が認められました。
発がん性試験では、ラットの雌で子宮の腫瘍を含む増殖性病変の増加、雄では精巣間質細胞ですね、つまりライディッヒ細胞の腫瘍を含む増殖性病変、マウスでは肝細胞の腫瘍性病変の増加傾向が見られました。みられた変化は、いずれも遺伝毒性には起因しない変化と判断されましたことから、基準値設定が可能と考えられました。
その他ですけれども、繁殖能や催奇形性、または遺伝毒性に関する影響は認められておりません。
動物試験の結果を総合的に評価した結果、一番低い無毒性量として、イヌの1年間の経口反復投与毒性試験の300ppmの、プロキロ換算すると7.9mg/kg/日になりますけれども、これを根拠としてADIを設定しております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
それではご質問、基準値案についてのご意見等をお願いします。
まず、物質概要についていかがでしょうか。ベンジルエーテルですかね、ベンジルエーテル系の除草剤ということです。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 物性のほうはいかがですか。無色透明液体ですかね、沸点が高いと、まあ、そこそこ低め、蒸気圧はありそうですね、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見はないようですが、基準値についてもいかがでしょうか。ただいま検討していただいた値を基に、登録基準値を0.21mg/Lとするとございますけど、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 PECのほうはいかがでしょうか、水濁PECについて。
樹木の中でつつじですか、つつじ類ですか、最大の値になるようですけど。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見がなければ、事務局案どおりとさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 資料4についてもご確認いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見はないようですので、シンメチリンにつきましては事務局案どおりとさせていただきたいと思います。
よろしければ、本日は1剤ずつということで、以上で水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議を終了したいと思います。
続きまして、事務局より、以上の議事(1)及び議事(2)に関する今後の予定について説明をお願いします。
【太田係長】 事務局でございます。
本日ご了承いただきました農薬登録基準については、今後、行政手続法の規定に基づき、パブリックコメントを30日間実施した後、結果を本小委員会で報告いたします。
パブリックコメントにおいて、基準値等に修正を求める意見が寄せられていた場合には、委員長に再度審議を行うかどうかをご相談いたします。再審議の必要がない場合には、本小委員会への報告後、部会長の同意を得て、中央環境審議会長に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意を得られれば、中央環境審議会決定として、環境大臣に答申いただくことになります。さらに答申後、基準値を告示いたします。
今後の予定についてのご説明は以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。では、そのように進めていただきたいと思います。
そこで、すみません、この後の審議がちょっと長くなるというような想定をされますので、少し早いんですけど、ここで10分間休憩を挟みたいと思います。審議再開は、どうしましょうかね、14時40分にしましょうか、事務局、いかがしますか、40分ぐらいからでよろしいですか。
【吉尾室長】 それでは、14時40分ということで再開させていただければと思います。
【白石委員長】 はい、ではよろしくお願いします。
(休憩)
【白石委員長】 再開したいと思いますが、よろしいでしょうか。
【吉尾室長】 はい、事務局のほうは準備できております。
【白石委員長】 では、審議を再開します。
次に、議事の(3)生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についての審議に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
【松浦室長補佐】 環境省農薬室の松浦でございます。よろしくお願いいたします。
そうしましたら、事務局より、生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について、ご説明させていただきたいと思います。資料7-1をご覧いただければと思います。
こちら、令和6年6月18日付で環境大臣から中央環境審議会へされました生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についての諮問でございます。
内容としましては、環境基本法の規定に基づき、農薬取締法の規定に基づき環境大臣が定める基準における生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について貴審議会の意見を求めるとなっております。
こちらの諮問につきましては、令和6年6月19日付中央環境審議会から、水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
資料7-1のご説明は以上となります。
続きまして、資料7-2をご覧いただければと思います。生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についてということで、答申案についてご説明させていただきたいと思います。
まず、目次を用いまして、全体構成を簡単にご説明できればと思います。
1ポツ、2ポツで背景、基本的な考え方を記載しておりまして、3ポツ、4ポツで水域及び陸域の生活環境動植物に係る評価について、それぞれ評価対象動植物や評価方法の概要をまとめております。その後、5ポツ、6ポツで農薬登録基準の内容や今後の課題というところを記載しております。
まず、1ポツの「はじめに」について説明させていただきますけれども、こちらにつきましては参考資料3を用いましてご説明させていただければと思います。参考資料3をご覧いただければと思います。
こちらの資料につきましては、答申の内容を抜粋する等して、その概要をまとめたものになります。こちらの資料の1ページ目をご覧いただければと思います。
まず、こちらでは、この度の答申案に至る経緯を、簡単ではございますが説明しております。現行の農薬の環境影響評価におきましては、個体に与える急性の影響に着目して評価を実施してきたところですけれども、一方で、第6次環境基本計画等で、「長期ばく露による影響に着目したリスク評価の導入」が求められてきたところでございます。
続いて、2ページ目をご覧ください。そういった背景もございまして、環境省のほうでは、平成25年度以降、こちらにお示しするような請負事業等で関連する情報の収集であったり課題の整理等を実施してまいりました。さらに、これらの事業等での検討結果を踏まえまして、令和4年度から水域の生活環境動植物登録基準設定検討会、鳥類登録基準設定検討会におきまして、評価の在り方及び具体的な評価方法等について議論してまいりまして、令和4年12月、第86回農薬小委員会のほうでは、検討中の評価の概要案もご報告させていただきました。今般、各検討会における議論がまとまったことから、本委員会におきまして、具体的な評価方法を含めて、ご議論をお願いしたいと思っております。
改めまして、資料7-2に戻っていただければと思いますけれども、こちらで、続きまして、2ポツの基本的な考え方以降につきましてご説明させていただきたいと思います。
まず、長期ばく露影響評価におきましては、水域及び陸域の生活環境動植物を対象に、繁殖能を含む個体群の存続に与える影響を評価するということを基本的な考え方としております。なお、評価の対象は、天敵を除くすべての農薬としております。既に登録のある農薬につきましては、原則として再評価2巡目から評価することとしまして、必要と判断されたものについては、再評価1巡目においても評価するとしております。
続きまして、3ポツの水域の生活環境植物に係る評価についてご説明させていただきたいと思います。
まず、評価対象動植物になりますけれども、現行の急性影響評価におきましては、魚類、甲殻類等、藻類等を対象としておりますけれども、長期ばく露影響評価におきましては、藻類等については、生長阻害作用を見ている現行の評価において、個体群の存続に与える影響を評価しているともみなせることから、魚類及び甲殻類等を対象とするとしております。
続きまして、(2)の評価方法になりますけれども、こちらには毒性評価、ばく露評価、それから、それらを用いたリスク判定の順に記載しております。
まず、毒性評価になりますけれども、評価に用いる試験成績についてご説明をさせていただきたいと思います。
魚類につきましては、OECDのTG210で規定される魚類初期生活段階試験、それから、甲殻類等につきましてはTG211で規定されるオオミジンコ繁殖影響試験を基本としまして、エンドポイントは原則としてNOEC又はEC10としております。
なお、その他、諸外国の公的なテストガイドラインとして確立されている試験のほか、長期的な農薬ばく露による発達、生存等への影響を確認できる試験であることが専門家により確認された場合には、受け入れることとしております。
長期に係る登録基準値の設定につきましては、生物群ごとに、先ほど言及しました試験成績により得られた最も低いNOEC又はEC10を不確実係数10で除しまして、より低い値を長期に係る登録基準値とするとしております。不確実係数の考え方や取扱いにつきましては、現行の急性影響評価での考え方を準用することとしております。
続きまして、ばく露評価になりますけれども、長期に係る環境中の予測濃度、以降、長期水域PECと呼ばせていただきますけれども、こちらにつきましては、現行の急性影響評価と同様、段階制(Tier制)としております。なお、水田使用及び非水田使用の両方の使用場面があるような農薬の場合には、それぞれ算定した値を合算することにより長期水域PECを算出するとしております。
第1段階では、農薬の種類にかかわらず一律に設定されたパラメータを用いて算定をいたします。第1段階の長期水域PECが、長期に係る登録基準値を超過した場合には、水質汚濁性試験等の結果に基づいて、長期水域PECを精緻化いたします。こちら、追記している部分は、より分かりやすくするために新たに追記しているものでございます。環境モデルや標準的シナリオにつきましては、現行の評価と同様に、水質環境基準点の置かれている下流域の河川環境とを想定し、現行の水域PECの算定における環境モデル等を準用することとしております。
評価期間、それから農薬の使用回数及び使用間隔、降雨の回数につきましては、こちらにお示しのとおりですけれども、第1段階では、安全側に立った評価とするために、提出された試験成績のうち、評価期間が短いオオミジンコ試験評価期間である21日間で長期水域PECを算定するとしております。一方で、第2段階におきましては、魚類試験の場合には40日間の長期水域PECを、甲殻類試験の場合には21日間の長期水域PECを算定するとしております。
続いて、③リスク判定になりますけれども、②のところで算定しました長期水域PECが、①で設定した長期に係る登録基準値を超過する場合には、当該農薬については、水域の生活環境動植物への著しい被害のおそれがあると判断するとしております。
④では、続きまして試験成績の提出が不要となる場合について記載をしております。こちら河川等の水系に、当該農薬が河川等の水系に流出するおそれがないと考えられる場合であったり、評価対象動植物に対して安全であることが明らかな場合には、試験の提出を省略できるとしております。
加えまして、申請者からの申出が前提になりますけれども、テストガイドラインへの適合性等の観点から信頼性のある公表文献等によって、評価対象動植物に対して長期的な農薬ばく露の影響を及ぼす蓋然性が十分低いと判断できる場合にも、試験成績の提出を省略できるとしております。具体的には、既存文献における長期に係る毒性値を原則10で除した値に対して、長期水域PECが十分に小さいということが確認できる場合、あるいは、魚類又は甲殻類等に関する急性影響濃度を原則1,000で除した値に対して、長期水域PECが参考値よりも十分に小さいことが確認できる場合にも、試験成績の提出を省略できるとしております。
続きまして、4ポツ、陸域の評価につきましては嶋川のほうから説明させていただきます。
【嶋川係長】 嶋川です。
続きまして、陸域の環境動植物についての説明をさせていただきます。
まず、評価対象動植物について、野生ハナバチ類については、現行の評価で個体群の維持を目標とした評価が既に実施されていることから、現行で急性の影響のみを評価している鳥類を対象として、長期ばく露による影響評価を導入したいというふうに考えております。
評価方法についてですが、まず、登録基準値の設定に係る毒性評価の方法について説明します。
毒性評価に用いる試験成績としましては、繁殖毒性試験及び急性経口毒性試験、それぞれエンドポイントとしては、原則としてNOAEL及びLD50値としています。
登録基準値(長期)としましては、NOAEL又は急性経口毒性試験から得られる小型鳥類の体重相当に補正したLD50 Adj.というものですね、こちらを、さらに非致死的影響である繁殖阻害を考慮するために、さらに10で除して補正した値ですね、この二つを比較しまして、より低いほうの値を不確実係数5で除したものを登録基準値として設定したいと考えております。
また、複数の試験結果が得られている場合は、NOAELについては最も低い値を、そして、体重補正したLD50 Adj.値は幾何平均値を用いることにしております。
続きまして、予測ばく露量の算定に係るばく露評価について説明します。
急性影響評価と同様に、ばく露シナリオ毎に、初期評価と二次評価、こちらは、表現は異なっているんですが、水域と同様に段階制で行うことにしております。摂餌及び飲水によるばく露を対象としておりまして、鳥類の摂餌量及び飲水量、そして、その餌や水にどの程度の農薬が残留されているかの濃度から予測ばく露量を算出していきます。
急性影響評価と異なる点としましては、残留農薬濃度の算出方法となっているんですが、こちら、長期のばく露影響を見るために、評価期間21日のうちの1日当たりの平均的な濃度を算出することにしております。この評価期間につきましては、EFSAのガイダンスから引用しております。
なお、EFSAのガイダンスにも記載されておりますが、この21日間という評価期間については、試験の実施期間等に基づいたものではなく、EFSAの評価で慣例的に設定されている期間となっております。
対象とするシナリオは、まず、小型鳥類が水稲(もみ)、果実、種子又は昆虫をそれぞれ単一で摂餌するばく露シナリオ、そして、田面水のみを飲水するばく露シナリオを想定しておりまして、これらにつきましては急性の評価と同じシナリオとなっております。そして、長期ばく露影響評価では、これらのシナリオに加えて、次のシナリオも追加で評価することとしておりまして、生物蓄積性が懸念される農薬、具体的には、提出された試験成績のBCFが1,000以上となるものについて、魚食性鳥類、小型鳥類、肉食性鳥類がそれぞれ魚類、土壌無脊椎動物、小型鳥類等を摂餌するばく露シナリオを想定しております。
次のページに移ります。初期評価では、ばく露の可能性のある全てのシナリオについてそれぞればく露評価を実施することとしております。評価の際は、農薬の種類によらず一律に設定された単位散布量当たりの残留濃度であるRUD、それから、水から魚などへ直接的な濃縮を表すBCF(生物濃縮係数)、そして、食物連鎖を介した蓄積を表す生物蓄積係数(BMF)などを活用して、ワーストケースを想定した予測ばく露量を算出することとしています。
また、残留農薬濃度の算出の際は、農薬の半減期も考慮した時間加重平均係数等を用いて補正することとしています。
そして、初期評価で登録基準値を超過したばく露シナリオについては二次評価を行いまして、実測値を活用した評価を行うこととしております。具体的には評価対象農薬ごとに提出されてくる作物残留試験などの結果を用いて精緻化していくことにしています。
また、小型鳥類のシナリオについては、初期評価では単一食を想定した評価を行うのですが、現実的には混合食も想定されていることから、餌中の餌種類比率(PD)というものを用いて、さらに精緻化することもできるスキームとしております。
初期評価及び二次評価で使用する具体的な予測ばく露量の算定式につきましては、また後ほど、参考資料4-3を用いて説明させていただきます。
なお、ばく露シナリオに該当する適用農作物がないなど、鳥類へのばく露が想定されないことが明らかである場合には、当該ばく露シナリオは算定しないこととして整理しています。
続きまして、③リスクの判定では、先ほどご説明した登録基準値と予測ばく露量の二つを比較しまして、鳥類への影響を判断することとしております。
なお、④に記載のとおり、長期ばく露による影響評価の対象から除外するパターンも想定しておりまして、こちらは急性影響評価と同様の考え方となっておりまして、いずれの適用農作物や使用方法においても、鳥類がばく露するおそれが極めて低い又は鳥類への毒性が極めて弱いと考えられるものについては、試験成績の提出を不要にしたいと考えております。
陸域についての説明は以上となりまして、続きまして5番、生活環境動植物に係る農薬登録基準の内容について、さきに述べた水域及び陸域の評価の考え方を踏まえまして、現行の登録基準値に加えて長期の農薬登録基準値(長期)を設定することが適当であると考えています。
6番、今後の課題につきましては、農薬小委員会や部会での議論を踏まえて記載していくことを予定しておりますので、現在は括弧書きとしております。
答申案の説明については以上となります。
続きまして、参考資料4-1について、再び松浦より説明させていただきます。
【松浦室長補佐】 続きまして、松浦のほうから、参考資料4-1につきましてご説明させていただきたいと思います。
こちらの資料、長期ばく露による影響評価の対象となる有効成分に関する補足説明資料となっております。
答申のところでもご説明させていただきましたけれども、既に登録のある農薬につきましては、原則として再評価2巡目から評価することとしておりますが、必要と判断されたものについては再評価1巡目においても評価するとしております。こちらには、再評価1巡目において評価対象となるものについて、掲載しております。
まず、水域につきましては、(1)から(3)に記載のとおり、急性影響評価に係る登録基準と水域PEC、あるいは河川水中モニタリング調査における検出濃度等を踏まえて選定すること、あるいは、殺虫剤のうち、成長制御作用を有する脱皮阻害剤等の急性毒性試験では長期ばく露による毒性の把握が困難なものを選定するとしております。
【嶋川係長】 続きまして、陸域の生活環境動植物(鳥類)において、再評価1巡目から対象となる有効成分についてですが、こちら、鳥類の繁殖毒性試験が実施可能な国内外のGLP対応施設が少ないという状況も踏まえまして、既にデータがあるものを対象としていく予定としております。
具体的には、括弧書きに記載のとおり、(1)欧州または米国で長期ばく露による影響評価が既に行われているもの、(2)として、申請者が鳥類繁殖毒性試験のデータを保有しているもののいずれかに該当するものを想定しております。
参考資料4-1の説明は以上となります。
続きまして、参考資料4-2について、再び松浦から説明させていただきます。
【松浦室長補佐】 続きまして、参考資料4-2、4-3を用いて、水域及び陸域、それぞれのばく露評価の考え方について補足的な説明をさせていただければと思います。
まず、参考資料4-2を用いまして、松浦のほうから、水域の生活環境動植物への長期ばく露による影響評価に関する説明をさせていただければと思います。
答申の説明の際にも述べましたけれども、長期水域PECの算定の考え方につきましては、環境モデルやTier制等の観点で、現行の急性影響評価に係る考え方を準用しております。本日の説明では、現行の急性影響評価との主な違いに焦点を当ててご説明できればと思っております。
まず、第1段階における水田使用農薬になりますけれども、この場合は、急性影響評価の場合と同様、その定常的な地表流出及び散布時の河川及び排水路へのドリフトを想定したシナリオとなっております。答申の説明でも述べましたけれども、評価期間は、第1段階においては21日間としております。
最大地表流出量、河川ドリフト量や排水路ドリフト量の算定の考え方は、基本的に急性影響評価と同様ですけれども、長期水域PECでは、散布回数を最大2回としておりますので、算定式においてもそのことを踏まえている点、それから、散布回ごとに農薬流出率を定めている点等で急性と異なっております。また、急性評価における地上防除では、散布日がばらつく想定としておりますけれども、長期水域PECの場合は短期間の農薬濃度を評価するものではないので、散布日のばらつきを考慮しないシナリオとなっております。この点については、以降、ご説明する非水田使用農薬についても同様となっております。
続いて、第1段階における非水田使用農薬になりますけれども、この場合、降雨時の地表流出、及び散布時の河川ドリフトを想定したシナリオとなっております。急性影響評価の場合、降雨時に散布はしないということで、最大地表流出量と河川ドリフト量をそれぞれ算定して、大きいほうを水域PECとしますけれども、長期影響評価の場合には、その点を考慮せず、合算で算出するとしております。評価期間につきましては、先ほどと同様21日間としております。
最大地表流出量及び河川ドリフト量の算定の考え方は、基本的に急性影響評価の場合と同じですけれども、長期影響評価の場合、急性影響評価の場合と異なりまして、評価期間中に降雨が2回起こるというシナリオになっておりますので、それを考慮したような算定式になっております。
なお、長期影響評価の場合には、第1段階における河川予測濃度が登録基準値を超過した場合には、ドリフト試験であったり、模擬ほ場地表流出試験が必要となる第2段階に進む前に、土壌中の半減期を考慮して、河川予測濃度を算定できるとしておりまして、その算定式やパラメータ等は、こちらにお示しのとおりとなっております。
続きまして、第2段階における水田使用農薬になりますけれども、水田水尻からの流出量であったり、畦畔浸透による流出量と、それからドリフト量、河川底質への吸着量を加味して算出するという算定式の基本的な考え方は急性影響評価と同じになっております。
評価期間については、こちらも答申の説明の際に申し上げましたけれども、21日間又は40日間としております。
各種パラメータの算出に係る基本的な考え方や水田水尻からの流出や畦畔浸透による流出の算定に水質汚濁性試験の結果を用いる点も急性影響評価の場合と同様ですけれども、急性影響評価の場合と異なりまして、散布回数が最大3回であるというシナリオにしておりますので、算定式においてもそれを加味した式になっております。
第2段階において、水中動態試験の結果等に基づいて分解について考慮する点につきましては、急性影響評価の場合と同じですので、説明自体は割愛させていただきたいと思います。
続いて、第2段階における非水田使用農薬になりますけれども、この場合、降雨時の地表流出及び散布時の河川ドリフトを想定し、河川底質への吸着を考慮するシナリオとなっております。
繰り返しになりますけれども、急性影響評価の場合には、降雨時に散布はしないということで、最大地表流出量と河川ドリフト量をそれぞれ算出し、大きいほうを水域PECとしますけれども、長期影響評価の場合には合算で算出するとしております。評価期間は21日間又は40日間としております。
最大地表流出量や河川ドリフト量、河川底質への吸着の算定の考え方は、基本的に急性影響評価の場合と同じですけれども、長期影響評価の場合、急性影響評価の場合と異なりまして、評価期間中の散布回数として、評価期間21日間の場合は1回、40日間の場合は最大3回としております。また、降雨回数につきましても、21日間の場合は2回、41日間の場合は4回降雨が起こるというシナリオにしておりますので、それを考慮した算定式になっております。
水中動態試験の結果等に基づいて分解を考慮する点につきましては、急性影響評価の場合と同じですので、説明は割愛させていただきたいと思います。
また、土壌中の減衰を考慮した最大地表流出量の算定につきましては、第1段階のところでも言及しましたけれども、こちらの場合、模擬ほ場地表流出試験に基づいて導出されるこのRu_measuredというパラメータ、非水田からの農薬流出率になりますけれども、そちらを用いて算出をするということを記載しております。
第3段階における水田使用農薬につきましては、現行の急性影響評価の考え方と同じとなっております。
水域に係るご説明は以上となりますので、続きまして、陸域につきまして、また嶋川のほうからご説明させていただきます。
【嶋川係長】 嶋川です。
続きまして、参考資料4-3、各ばく露シナリオにおける鳥類の予測ばく露量の算定式について説明させていただきます。
まずは初期評価のうち、急性評価と同じ(1)小型鳥類が水稲などを摂餌又は田面水を飲水するシナリオについてです。
予測ばく露量の算定式は、こちら、括弧の中に記載のとおりとなっておりまして、ほかのシナリオでも基本的に共通しておりますが、摂餌量又は飲水量×評価対象農薬にばく露された餌の割合×残留農薬濃度を仮想指標種の体重で除すことで予測ばく露量を算定しております。
評価に用いる各パラメータにつきましては、こちら、表の1にまとめておりまして、摂餌量又は飲水量、仮想指標種の体重、それからばく露された餌の割合、こちらにつきましては、ほとんど急性評価の使用している値と共通の値となっておりますが、田面水シナリオ、こちらの餌の割合につきましては、急性では、同じ場所で飲水し続けることを想定した値を使っているのですが、長期ばく露の方では、ほかの場所でも水を飲むことが想定されますので、普及率のほかに、水田や河川の面積の割合を乗じた値として、こちらの値を用いることにしております。
また、表の2に記載しております残留農薬濃度の計算式が急性の評価とは異なっている部分となっております。
こちらですね、急性の評価では単位散布量×RUD、水稲食と果実につきましては、さらにそこに複数回散布係数を乗じることで残留農薬濃度を出していたのですが、長期ばく露の評価では、ここに21日間の平均に補正するための時間加重平均係数などを乗じていく予定にしています。この時間加重平均係数0.53という値は、EFSAにおいて用いられているのですが、作物残留試験の結果のデータに基づいて設定されており、過去の検討会などでの議論の上で、この値を活用することにしております。
なお、田面水シナリオにつきましては、半減期を考慮せずに、使用方法から算出される最大の単位散布量に、水田における施用法による補正係数を乗じて、評価期間21日で除すことによって平均の残留農薬濃度を算出しております。
水稲食と果実食につきましては、急性評価と同様に、複数回散布係数を乗じることとしておりまして、その値は、こちら、表の3にまとめております。
続きまして、魚食性鳥類が魚類を摂餌するばく露シナリオ、(2)魚食シナリオについてです。
こちら、田面水を介して魚類に濃縮されるパターンと、河川水を介して魚類に濃縮されるパターンの二つを想定しております。
こちら、算定式は記載のとおりとなっております。また、評価に用いるパラメータにつきましても、こちら、表の4にまとめておりまして、これらの値は、過去に実施した事業のデータや実測値などから値を設定しているところでございます。
続きまして、(3)小型鳥類が土壌無脊椎動物を摂餌するシナリオについて説明します。
予測ばく露量の算定式は、こちら括弧の中に記載のとおりとなっております。水田や非水田、両方に適用がある農薬については、両方のばく露量を合算したもので評価するということを想定しております。
こちらの評価に用いるパラメータも、表の5に記載のとおりとなっておりまして、こちらで用いている値も、過去に実施した事業のデータや実測値などから値を算出しているところでございます。
土壌無脊椎動物中の残留農薬濃度の計算につきましては、こちら、記載のとおりとなっておりまして、算出の方法は、過去に検討会などで議論した結果、EFSAのガイダンスから引用した乾燥土アプローチ又は間隙水アプローチの二つで推計することとしておりまして、いずれか大きいほうの値を使って残留農薬濃度としたいというふうに考えています。
それぞれの計算式は次のページに記載のとおりとなっておりまして、乾燥土アプローチにつきましては、土壌中の農薬濃度にBCFを乗じて、さらに時間加重平均係数を乗じることによって算出しています。間隙水アプローチにつきましては、間隙水中の濃度と、ミミズの腸内の内容物に含まれる濃度を合算することによって算出していくことにしております。
こちら、各パラメータにつきましては、次のページの表の6にまとめておりまして、EFSAの手法にのっとりつつも、国内の状況を反映するために、調査事業等で得られた実測値などから具体的な値を設定しております。
続きまして、(4)肉食性鳥類が小型鳥類などを摂餌するばく露シナリオについて説明します。
こちらは、ほかのシナリオの初期評価とは少し異なっておりまして、鳥類食シナリオの初期評価では、BMFに基づく評価を行うこととしており、この値が、1を上回る場合に二次評価に進むことにしております。
BMFの算定式としましては、こちら、記載のとおりとなっております。
そして、こちらの評価に用いるパラメータにつきましても、表の7にまとめておりまして、こちらの具体的な数字につきましても、実測値等から値を設定しているところでございます。
以上が初期評価の算定方法となりまして、続きまして、二次評価ですね、こちらにつきましては、基本的には実測値を用いて数値化していくことを想定しておりまして、まず、(1)のシナリオについては、評価対象農薬ごとの作物残留試験などの結果を用いて残留農薬濃度、時間加重平均係数、そして複数回散布係数を精緻化していくことにしています。さらに、この予測ばく露量が基準値を超過する場合には、単一食ではなく、混合食を想定したPD(餌中の餌種類比率)を用いて、さらに精緻化できるようにしています。
続いて、(2)魚食シナリオにつきましては、水質汚濁性試験などの結果を用いて、田面水中又は河川水中の農薬濃度を精緻化します。
そして、土壌無脊椎動物食シナリオにつきましては、土壌残留試験等の結果を用いて、土壌無脊椎動物中の残留農薬濃度、時間加重平均係数を精緻化していくことにしています。
最後、(4)鳥類食シナリオについては、初期評価でBMFの算定のみを行っていたので、二次評価で予測ばく露量を算定することにしております。
算定式は次のページ、こちらに記載のとおりとなっております。また、各パラメータも表の8にまとめておりますが、餌となる小型鳥類や魚食性鳥類の体内濃度ですね、こちら、さきに述べたパラメータを用いまして算出していくことにしております。
長くなりましたが、以上で、生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についての説明を終わりにしたいと思います。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
それでは、長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について、ご意見、ご質問を受けたいと思いますが、大分長いのでどうしましょうかね。一度、第86回の農薬小委員会というのが令和4年12月ですから大分たちますけど、それ以降、いろいろ検討された結果、諮問がされ、答申案を出さなきゃいけないんですけども、答申案についてご議論いただきたいと思います。
生活環境ですが、水域とちょっと鳥類に分けますか、まずは。分けて議論を進めたいと思いますが、どうしましょう、「はじめに」からいきますか。答申案の「はじめに」からいきますが、よろしいですか。
経緯が書いてありますけど、私、1点だけちょっと気になったというか、見たんですけど、一番最後の行に、「また、科学的に正当な理由が存在する場合に、本答申に記載された評価方法以外の方法を用いることを否定するものではない。」と書かれていますので、当面これで始めてみるということだと理解したんですが、具体的に何か想定されているものはございますか。事務局。
【松浦室長補佐】 松浦ですけれども、現時点で、具体的にイメージしているところはございませんけれども、一般論として、科学的なところにつきまして正当な理由が存在すれば、こちらに記載している分以外の方法についても用いることについては否定するものではないというところを述べさせていただいているところです。
【白石委員長】 ありがとうございます。
この点に関して、いかがですか、大丈夫ですか。
(なし)
【白石委員長】 それでは、特段ご意見はないみたいですので、基本的、水域ですかね、水域に関しまして、生活環境ですか、生活環境のうち、基本的な考え方ですかね、これはよろしいでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 この基本的な考え方の中に、基本的には2巡目から、再評価2巡目から評価するか、必要と判断されたものは1巡目からというふうに書かれています。
それで、参考資料4-1でしたか、こちらに、どういう場合に評価するかが書かれているんですけれども、例えば、(1)で登録基準値が水域PECと近接しているものとあります。近接しているものを、多分モニタリング対象とすることになっていると思うんですけれども、その場合に、モニタリングして近接されていなくても、これは1巡目から対象となるのかということが一つ。
それから(3)で、現在の評価では毒性の把握が困難なものということで、これ、大体どのくらいあるかというのを教えていただけるんでしょうか。
まず、その二つをお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、回答をお願いします。
【松浦室長補佐】 まず、一つ目にいただいたご質問ですけれども、確かにモニタリング対象になるんですけれども、対象になっている剤の全てについて、十分なモニタリングのデータがあるわけではございませんので、この(1)につきましては、そのモニタリングデータの有無にかかわらず、近接しているものについては対象とするというふうに考えております。
(3)につきましては、(3)のみで、どれぐらいの数だったのかというのが、今すぐ出てこないんですけれども、総数としてはおよそ、今後の検討で少し前後する可能性はありますけれども、60から70剤ぐらいを現時点では想定しているところでございます。
【天野専門委員】 ありがとうございます。今聞くと結構、思った以上にあるなというような感覚なんですけれども、1巡目の再評価はもう始まって、一応終わっているようなものもあるようには思いますけれども、そうすると、これからまた後追いで、また要求されてくると、評価自体が結構数が多くて、時間もかかっています。例えば農水省さんの「みどり戦略」を見ても、新しい今の、何ですか、毒性が高いようなものではない、新しいような剤も登録を進めるというような目標がある中で、ちょっとそういったことで登録に時間がかかり過ぎたりとか、あるいは、そういう現場が混乱するようなことがないようにということは希望いたします。これは意見です。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【松浦室長補佐】 ご指摘ありがとうございます。ご指摘いただいた点、非常に重要かと思っておりますので、設定する期間も含めまして、また関係者との意見交換等も含めまして、その辺り、丁寧に、我々としては今後進めていきたいと思っております。
【白石委員長】 それでは、ほかにご質問、基本的考え方でいかがでしょうか。
数が増えていくので、円滑に進むように、進めてくださいというご意見だと思いますが、いかがでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 参考資料4-1が、今、コメントが出ましたけど、これに関してもいかがですか、よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 鳥類、陸域のほうはいかがですか、よろしいですか。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけど、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【山本臨時委員】 今の参考資料4-1のほうは、これは水域の検討会でも少し議論がされて、特に(1)、(2)よりもむしろ(3)のところですね、殺虫剤でも、作用によっては急性影響だけでなくて長期の影響が懸念されるというものについて、少し詳細に専門家の中で議論をされて、今回、成長制御作用を有する脱皮阻害剤、幼若ホルモン類似剤などといった具体的な例として書かれていたので、ちょっとこれ、どこまで広げるか、RACモデルをどういうふうにするのかというのがありますが、これで書いてあって、この文言で十分であれば、運用しながら、その辺りを見ていけばいいのかなと思っています。
いずれにせよ、ここの1ポツの水域のところについては十分議論されていて、先ほど天野委員からありましたけれども、近接しているもの、こういったものについては優先的に実施していくということで、ちょっと効率的にかなりやっていかないといけないと思いますが、再評価の中でも、2巡目から評価ですけれども、1巡目でリスクが高いものをやっていくということは有効なんではないかなというふうに議論が進んでいたかなと思いますので、私も問題ないかなと思います。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。一応成長制御作用を有すると限定されていますけど、よろしいですか。どこまでかかるか分からないんですけど、「等」がどこまでかかるか分かりませんけど。
これは、どこまで「等」がかかるんですか。「成長制御作用を有する脱皮阻害剤や幼若ホルモン類似剤等の」なので、成長阻害剤以外の作用も見るということ、見られたというふうに読むんですか。成長阻害だけに限定しているわけですか。
【松浦室長補佐】 基本的には成長阻害作用を有するものを対象にしております。
【白石委員長】 分かりました。
【松浦室長補佐】 その例示として、脱皮阻害剤等々となっております。
【白石委員長】 成長制御作用を有するものを優先しますということですね。
【松浦室長補佐】 はい。
【白石委員長】 はい、よろしいですか。山本委員もよろしいですか。
【山本臨時委員】 はい。
【白石委員長】 はい、大丈夫ですか。
では、参考資料4-1は、これでよろしいでしょうかね。
【白岩専門委員】 すみません。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【白岩専門委員】 白岩ですが、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【白岩専門委員】 参考資料4-1の1ポツ、2ポツですけれども、2ポツの陸域のほうは、(1)、(2)と、基本的にデータがある剤ということだと思うんですが、その1ポツの水域のほうになりますと、これからデータ取りするような化合物もあろうかと思います。もう既に天野先生もおっしゃったように再評価の1巡目は始まってございますので、その辺、1巡目で要求するのは、いつぐらいからみたいなところは、ぜひ円滑に進むように調整していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 事務局、よろしいでしょうか。追加のご要望ということで、よろしくお願いします。
【松浦室長補佐】 はい、そちらも非常に重要な視点だと思っております。我々も、そこの点、強く留意して、繰り返しになりますけれども、関係者との適切なコミュニケーションを進めながら、やっていきたいと思っております。
【白石委員長】 はい、よろしくお願いします。
それでは、基本的考え方まではよろしいですかね。
それでは、具体的に評価対象生物ですかね、よろしいですか。あるいは評価モデルみたいなところですけども、よろしいでしょうか。特に問題ないでしょうか。
【山本臨時委員】 よろしいでしょうか、山本ですけれども。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【山本臨時委員】 今、3ポツの(1)ですけれども、評価対象の動植物についてですが、今回は、藻類等植物については既に評価しているということなんですが、これについては、今回は、ひとまずこの評価の中には入れないということではありますけれども、諸外国では、特にヨーロッパでは同じような考え方をしているんですけれども、米国であったりとか、一般工業化学物質、ほかの化学物質では、藻類等植物についても、長期的な影響については考えているところでもあるので、今後、この評価が定着していく中で、今後の課題としては引き続き検討していくべきではないかなというふうに思いますので、ちょっとその辺りの十分なコンセンサスを今回得られなかったですが、今後、検討としてはやっていくことが重要かなと思いました。今回については魚類と甲殻類ということで、十分これまで議論していた中で合意が得られたところから開始していくということで問題ないかなと思いました。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。EUと同じようですかね、今、急性で見ているEC50で慢性も判断するみたいなことをやられているので、一緒だと思いますけども、ほかの考え方もあるということで、その考え方については今後の課題ですかね。載せておいたほうがよろしいというご意見だと思いますが、いかがでしょうか、事務局。
【松浦室長補佐】 環境省でございます。
今ご指摘いただいたのは、その点について、この答申に記載したほうがいいというご趣旨でしょうか。
【白石委員長】 今後の課題については何か、また考えるということなので。
【松浦室長補佐】 今後の課題としてということですね。
【白石委員長】 その辺で何か記載できればということだと思いますが。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。
【白石委員長】 共通のところに少し書ける、書けるならば書いたほうがいいのかなと思います。
評価期間とも関わりますけど、藻類は3日間ですよね、たしかね。
【松浦室長補佐】 はい。
【白石委員長】 今回、21日、40日というのが出てきますが、その辺も含めて、ちょっとご検討いただきたいと思いますけど。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。今ご指摘いただいたように、藻類の成長阻害試験でErC50を使う点につきましては、確かに様々な考え方がございますので、まずは原案で評価を進めながら、藻類に関しては、引き続き検討という形で考えさせていただければと思います。
事務局からは以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
ほかに評価対象生物でコメントはございますか。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 では、評価方法なんですが、毒性評価とばく露評価に分けまして、毒性評価のほうはいかがでしょうか。OECDの試験法、二つですね。210番、魚類初期生活段階試験と、211番、オオミジンコ繁殖影響試験を基本とするということでございます。
ただ、長期影響、発達、生存、成長、繁殖への影響を確認できる試験であれば受け入れるということでございますけれども、いかがでしょうか。
エンドポイントもそうですね、NOECとEC10を使うということ。
【山本臨時委員】 何度もすみません、国立環境研究所の山本ですけれども、これについても、これまでずっと議論しているところでありまして、甲殻類のほうは、今回オオミジンコの繁殖試験、TG211に限定しているということですが、現在の短期の試験では、ユスリカであったりだとか、その他の生物の影響評価を別途実施しているところでもあるので、これについては、十分議論はしていたところではありますが、今後、ユスリカだと、恐らく底質が入ってくるような試験になりますので、底質の評価と併せて、これも今後の課題ということで、まずはコンセンサスが得られたテストガイドライン211のところで開始するということで、この辺りも専門家の間で合意がされたところがここまでだったということなのかなと思っています。
あと、魚類のほうについては、OECDテストガイドライン210という試験が、通常工業化学物質であったりだとか、諸外国の制度でも基本とされていますが、その拡張の試験である234番であったりだとか、フルライフサイクル試験等の中でのエンドポイント、このようなものについては、生活環境動植物の固体群の維持に重要なエンドポイントですので、必要に応じて利用するということで、これについてもいいかなと思います。
さらに長期の試験であったりだとか、一部エンドポイントが違う試験などもありますが、やはり、その試験の目的とかエンドポイント、そのばく露の状況に応じて専門家が必要と、確認をしながら受け入れるというような記載がされているということですので、今回はこれ、こういった対応になるということでいいんじゃないかなというふうに思いました。
あと、当然NOECとEC10で不確実係数10とか、魚類についての3科以上で不確実係数4というのは、短期と同じような対応になっていますし、NOEC、EC10については諸外国でも用いられているものなので、これについても問題ないかなと思います。
私のほうからは以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。これは、甲殻類の試験については、本日も何か急性毒性でオオミジンコとほかの生物でかなり差があるものもございましたけども、そういったところに関しては、今後の課題ということで残しておいたほうがよろしいというご意見だと思いますが、事務局、いかがですか、よろしいでしょうか。
【松浦室長補佐】 事務局でございます。
はい、山本先生のご意見、了解いたしました。今後の課題ということで、記載する方向で検討したいと思います。
【白石委員長】 ありがとうございます。ほかに、毒性評価に関して、コメントはございますでしょうか。ご意見、質問でもよいということですが、お願いします。
(なし)
【白石委員長】 基準値の設定の方法もよろしいでしょうか。これは急性と同じですかね。学術係数については同じものを使うということで。
特段ご意見はないでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、この文章そのものもよろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、ばく露評価に移りたいと思いますが、よろしいですか。
環境中予測濃度の算定でございます。新たに長期水域PECというものをつくるということで、Tier制でやるということでございます。いかがでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、日植防、天野でございます。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 天野です。
このばく露評価、それから、その後のリスクの判定にもかかってくるんですけれども、教えていただければと思います。長期PECについて、第1段階は21日間とされています。その後の第2段階ですね、こちらへ行くと魚類が40日、それから甲殻類は21日とたしか記載されていました。例えば、参考資料4-1の、4-1ですかね、4ページになりますか、下の表に、第2段階のところの試算というか、そのパラメータ等が入っていて、評価期間が21日間又は40日間とあるのは、それがそれぞれ魚類と甲殻類に当たる部分と思っているんですけれども、これで計算した場合に、判定で、そのリスク評価のところですね、判定する基準値というのは、魚類のほうが値が低くて基準値に採用されていれば、40日間の魚類のほうを取るとか、そういうことなのか、ここ、どういうふうにリスク評価につながっていくのかを、ちょっと教えていただければと思います。
【白石委員長】 はい、事務局、ご説明をお願いします。
【松浦室長補佐】 ご質問ありがとうございます。
まず、登録基準値(長期)の設定の部分をご覧いただければと思いますけれども、現行の答申案では、この登録基準値は魚類、それから甲殻類の毒性値から算出した値の、より低いほうを基準値とするとしております。
それを踏まえまして、③のリスクの判定のところを見ていただければと思いますけれども、第1段階では、そのちょっと上のところの記載も関係してきますけれども、第1段階では21日間のPECとその基準値との比較をするという形で判定をまずいたしますと。
それで第2段階に進んだ場合には、その登録基準の根拠となる試験が魚類の場合、今、天野委員にご指摘いただいたとおりですけれども、登録基準の根拠となる試験が魚類の場合は40日間の長期水域PECと比較すると。根拠となる試験が藻類であった場合には21日間の長期水域PEC、あ、大変失礼しました、甲殻類であれば、21日間の長期水域PECと比較するという形で考えております。
一方で、今般のこの取りまとめに向けた準備の過程で、少し問題が生じ得ることを認識するに至っているところもございます。
具体的には、今申し上げた現行の案につきましては、その評価期間の長い魚類試験に基づいて基準値が設定される場合、基準値とそれに対応する40日間の長期水域PECの関係では問題がなくても、基準値設定に使われなかった評価期間の短いミジンコ試験に基づく長期毒性影響濃度を、それに対応する21日間の長期水域PECが上回ってしまうような問題が生じ得るかと考えているところでございます。
これを踏まえまして、今申し上げた点につきまして、どのような対応とするのが適切か、現時点ではまだ整理できておりませんけれども、次回の農薬小委員会までに、その点につきましても整理をして、改めてお示しできればと考えているところでございます。
すみません、少し長くなってしまいましたけれども、事務局からの回答となります。
【白石委員長】 ありがとうございます。評価期間を変えると、いろいろと問題が生じるということだと思いますが、ほかにコメントはございますか。天野先生、いかがですか、あるいはほかの委員で。天野先生。
【天野専門委員】 ありがとうございました、ご説明。そうですね、片方だけでやるわけではないというようなお話だったので、また見直しの案をいただけるということでしたので、はい、それを待ちたいと思います。ありがとうございます。
【白石委員長】 何か見直しの案みたいなものがございますでしょうか、ご提案とかいうのは。よろしいですか、あるいはほかの委員の方でご提案があればお願いしたいと思いますけど。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけど、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【山本臨時委員】 そうですね、今、確かに天野委員のおっしゃっているところ、私も気になっていたところでして、魚類については、これ40日間ということになっていますが、これ、魚種によって、このテストガイドライン210という試験法が、試験法によっても結構、そもそも変わりますし、魚種によっても、これは、40日というのはメダカですが、ゼブラフィッシュでやると30日になったりとか、ニジマスでやったら90日になったりとか、いろいろ変わり得るような試験法でもあるので、ちょっとその辺りが十分、ここら辺は考慮されていないところがもしかしたらあったかもしれませんので、第2段階でも、基本は21日のほうが私はいいのかなと、この、何か日にちがころころ変わっていくというのは、なかなか難しいので、そこのところは一定程度そろえながら、評価期間を、必要に応じて、そういった追加で検討することが必要になった場合に、このそれぞれの試験法に応じた評価期間を考えるということをやったほうが、もう少しシンプルになるのかなと思いますので、この辺り、ちょっと、少し事務局でも検討いただいて、幾つかの案を出していただいて、その中で専門家の意見を聞きながら、少し微修正をいただけたほうがいいかなというふうに思いました。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局からは、少し考えてもいいということですけども、何か提案みたいなことをしますか、よろしいですか。取りあえず40日という数字が出ていますけど、これはメダカという認識でよろしいんですか。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。我々としては、その国内で、供試生物としてよく使用されているメダカに、まず焦点を当てて、原則40としていたところではございます、はい。ですから、この40はメダカの場合の数値ですね。
【白石委員長】 そうですね、ほかの場合だと、例えばニジマスだと90日程度みたいなお話が今ありましたけど。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。
【白石委員長】 ファットヘッドミノーとか、ゼブラフィッシュみたいなものは30日ぐらいなんですか。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。ゼブラフィッシュだと30日前後で。
【白石委員長】 そういったところだと少し問題が生じるということですよね。
【松浦室長補佐】 はい。
【白石委員長】 あるいは、フルライフサイクル試験のデータも活用するみたいなお話ですので、その場合には、もう数か月になるんですかね、そういったところで、どこで評価期間を設定するかというのは、いろいろと考えるところがあると思いますので、少し案を出していただきたいというふうに思いますが、ほかの委員の方はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、ここについては少し見直すというところで、よろしいですか。案を少しいただきたいということですが、事務局、いかがでしょうか。
【松浦室長補佐】 はい、ありがとうございます。繰り返しになりますが、次回の小委員会までに、改めて案をお示しできればと思っております。検討したいと思います。
【白石委員長】 では、よろしくお願いします。リスクの判定ですから、それが出てこないと分かりませんが、ここは、じゃあ次回ということでよろしいですか。
(異議なし)
【白石委員長】 いずれにしてもPEC、そうですね。
それでは④番、提出が不要となる場合ですけども、これについてコメントがあったらお願いします。
よろしいでしょうか、少し質問なんですが、提出が不要と、基準値の設定との関係について、ちょっとお伺いしたいんですけど、基準値はつくるんですね。あるいは、基準値設定を不要とするということなんですか。その辺が少し、鳥類の場合は基準値設定を不要とするというように読めたんですが。
評価対象農薬は全てということで、あるいは、指針値みたいなものなんですか、よく分かりませんが。ちょっと扱いについて。
【松浦室長補佐】 すみません。事務局でございます。
まず試験成績の提出を不要とする場合ですけれども、これはそれぞれ、魚類のみ不要の場合もございますし、甲殻類のみ不要となる場合もございます。片方の生物種のみが不要となっている場合には、提出されているもので、当然基準値について検討していくということになろうかと思います。
一方で、どちらの試験成績も出されないような場合、そもそも流出するおそれがないとか、安全であることが明らかな場合、そういった場合には、試験成績は提出されませんし、基準値も設定しないということになろうかと思います。
【白石委員長】 はい、分かりました。二つ混ざっているんですね。基準値設定を不要とするというものと、初めの1文はおそれがないと考える場合は、提出を不要とするし、基準値設定を不要とするということなんですかね。分かりました。それが分かるようにちょっと書いていただいて、もう少し修文してもいいかなという感じはしますが。
【松浦室長補佐】 ありがとうございます。書きぶり、改めて検討させていただきたいと思います。
【白石委員長】 はい、よろしくお願いします。
ほかに、いかがでしょうか。ご意見、ご質問、何でも結構です。よろしくお願いします。
下のほうの判断基準もいいですか。二つポツがありますけど。
【山本臨時委員】 山本ですけれども、そうですね。一つ目は、恐らくこれは毒性値が既存文献であれば、それを活用するということなのかなと思うので、既存データの活用というのはいいのかなというふうに思いましたので、これはこれでいいと思いますが、一番下のところですね、1,000について、ちょっといろいろ議論があったと思うんですけれども、甲殻類、魚類についてのいわゆるACRですね。急性慢性比について、幅広い剤について確認を取ったところ、1,000を取れば、9割以上というか、もうかなりそれ以上、ほぼカバーできるということは、もうこれまで確認しているところでありますので、1,000ぐらい取れば、さすがに大丈夫ではないかなというふうには考えているところです。ちょっと一部、当然、内分泌攪乱作用があるようなものとか、長期でしか影響がないようなものもありますが、私は今始めるので問題ないのではないかなというふうに思いました。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
特に問題ないということでございますが、いかがでしょうか。
水域に関しては、大体、幾つか問題点が出てきましたが、全体を通じて何かございますか。水域だけでよろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 では、一番大きなところは評価期間ですかね。評価期間について、少し検討いただくということにさせていただきたいと思います。
それでは、陸域の生活環境動植物はいかがでしょうか。評価対象生物。野生ハナバチ類については現行の評価でよろしいということになります。
毒性評価についていかがでしょうか。ご質問、ご意見をお願いいたします。
二つの試験ですね。鳥類繁殖毒性試験と鳥類急性経口毒性試験、二つ使うということで、急性経口毒性試験の10分の1と、繁殖毒性試験のNOAELを比較して小さいほうで、不確実係数5で割るということになっていますが。ヨーロッパでやられている方法と同じですかね。ちょっと違いますか。考え方は一緒でしょうか。
【嶋川係長】 事務局でございます。
そうですね。白石先生におっしゃっていただいたように、EUでやられている方法と同じやり方でやっていくことを想定して作ったものでございます。
【白石委員長】 はい。ちょっとLD50 Adj.というのがちょっと違いますが、その辺、不確実係数と同じような考え方でつくられていると思います。
よろしいでしょうか。
【川嶋専門委員】 国環研の川嶋ですけど、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【川嶋専門委員】 鳥類に関係して、私も関与したので一言コメントを述べたいと思う。今回、慢性毒性試験というわけではないが、繁殖毒性試験が導入される方向になったことは、欧米のEFSAのガイダンスにも近づいたわけで一定の評価をしています。
今まで農取法が改正されて、鳥類急性毒性評価は数年前から導入されて、基準値を決めているわけですけれども、今回、繁殖毒性にまで鳥類の評価もしていこうという動きは非常に評価できるものだと思っています。
ただ、先ほど事務局からございましたように、この鳥類繁殖毒性試験を、日本で実施できるGLP機関が今ない中で、原則2巡目から実施ということなので、現在は、既存のデータからやっていくということなんでしょうが、制度設計として、今後、2巡目まで時間があるとはいえ、この制度がどういうふうに動いていくかということは想定された上での導入ということなんでしょうか。
【白石委員長】 事務局、ご回答はございますか。国内で実施期間はあまりないということでありますが、今後の見通しですかね。
【市原係長】 事務局でございます。
今、川嶋委員がおっしゃったように、国内のGLP機関、数が少ないと。鳥類の試験ができる試験は数が少ないという状況でございます。
ご指摘のとおり、2巡目からの導入が原則というところにしておりまして、導入までの期間、あるんですけど、それまでに円滑に導入が進められるように、その辺りは調整をしていきたいというところで考えているところでございます。
具体的な見通しというものは、ちょっとまだ今できていない状況であるんですけれども、その辺りはちゃんと期間を設けて、円滑に導入していければというところで考えているところです。
事務局からは以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
川嶋委員、いかがですか。よろしいですか。
【川嶋専門委員】 はい。一応了解しました。今は、既存のデータがあるということで、特に大きな問題はないのかなと思っていますが、新規剤も出てくると思うので、2巡目までにその辺についてもちゃんと制度設計していったほうがいいと思います。現行のTG206は、非常にお金もかかるし、動物愛護の面も指摘されているところがあるので、制度をまた見直すときは見直していただいて、円滑に進むように期待します。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
では、よろしいでしょうか。一応、応援発言ということで受け止めさせていただきたいと思いますが、毒性評価に関して、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、ばく露評価はいかがですか。こちらもばく露の評価期間が21日間ですかね、21日間になっておりますけど、これもEFSAということでしょうか。
【嶋川係長】 はい。事務局でございます。
そうです。こちらの21日間につきましても、EFSAのガイダンスから活用して、今の評価期間を設定しているところでございます。
【白石委員長】 はい。いかがでしょう。
【天野専門委員】 すみません、天野でございます。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 日植防、天野です。
このシナリオの設定について教えてください。水稲食、果実食、種子食と、これはいいんですけれども、最後、4の鳥類食のシナリオがあります。これは諸外国でも皆さん同じように設定されている項目なんでしょうか。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
では事務局、お願いします。
【嶋川係長】 事務局です。
欧米においても鳥類食、肉食性鳥類などが摂餌するというばく露シナリオは導入されているところでございます。
【天野専門委員】 ありがとうございます。すみません、この辺、毒性だとか代謝だとか、素人なのでちょっとよく分からないんですけれども、感覚的にぱっと見ると、小型の鳥類で影響を見てきていて、それより大きい、体の大きい大型の鳥類は、小型鳥類を擦り抜けて、さらにそれを食べることで影響するほどばく露するのかという疑問が、純粋に、素朴な疑問としてあります。
鳥の代謝だとか、あと蓄積というのが、例えば無脊椎動物だとか、魚だとかと、剤によっては全然違う、こういうのもやっぱりリスクとして存在するんだよということであれば、必要なのかもしれないんですけれども、だとすると、この体が大きい、設定を見ると、多分小型の30倍ぐらいの大きさのものを想定になっていると思うんですけれども、それで第2段階までばく露量を計算したときに比較する基準値は、小型鳥類の基準値と比較することになるんでしょうか。教えてください。
【白石委員長】 はい。事務局、お願いします。
【嶋川係長】 事務局でございます。
試験成績そのものにつきましては、確かに天野先生のおっしゃるとおり、小型鳥類などの結果から出しているものですけれども、補正をして、kg体重当たりの値での濃度で出しているところでございまして、その値と、各ばく露シナリオで想定されるばく露量、ここもkg体重当たりですね、を比較してそれぞれを見ていくというふうにしておりますので、そのような形でご回答になっておりますでしょうか。
【天野専門委員】 ありがとうございます。ちょっと何かそこだけ対象としている鳥の大きさがちょっと違っているので、おやっと思いました。
以上です。
【白石委員長】 要は、使うデータは一緒なんだけど、体重補正すると勝手に変わってくるんですよね。それだけなんだと思いますが。
【嶋川係長】 事務局です。
そうですね。体重補正をした形で基準値のほうを出しますので、そこは比較しても差し支えないかなというふうには考えております。
【白石委員長】 基準値は、また鳥類と、幾つかできるんですかね。
【嶋川係長】 いや、基準値自体は一つですね。NOAELまたはLD50 Adj.を10分の1したもののうち、低い値を不確実係数5で除したものを登録基準値として設定することにしていまして、ばく露評価でもそれぞれ……。
【白石委員長】 ということは、肉食性鳥類はどうやって出てくるんですか。NOAELを使うんですね、要は。小さいほう。NOAELは補正しませんね。はい。
この辺の計算方法はどこかに書いてあるんですよね。すみません、資料の4-3。
【嶋川係長】 事務局です。
鳥類食の場合の計算方法はこちらですね。予測ばく露量の算定に当たりましては、摂餌量であったりとか体内濃度とかを掛け合わせることにして、最後に体重相当で割ることにして、kg体重当たりのばく露量というものを出すことにしております。ほかのシナリオも同様に、kg体重当たりのばく露量というものを出すことにしておりますので、この値と登録基準値、登録基準値もkg体重当たりで出しているものですので、これらを比較することでリスクの判定を行うことにしております。
【白石委員長】 いかがですか。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
計算上はそうなんでしょうけれども、魚は魚で、先ほど魚類のところで影響があるかないかを判定してきて、それが食物連鎖で積み上がっていったときに、小型の鳥類にも影響がなく進んできていて、ほかが評価を通っているのに大型にだけ影響があるという場合が、ちょっと考えると、実際そういう評価、海外ではそこだけ問題になる例というのがあるんでしょうかね。すみません、素朴な疑問です。
【白石委員長】 事務局、いかがですか。
【市原係長】 事務局でございます。
【白石委員長】 どうぞ。
【市原係長】 すみません。海外のそこの濃縮とかの事情とかまでは調べ切れないところはあるかもしれないんですけれども、一つの事実としては、海外ではそういった高次捕食者の濃縮も考慮したシナリオも導入されているといった点もございます。
そもそも日本での導入に至った経緯なんですけれども、こちらはR2年度の鳥類の長期ばく露の影響評価の検討を行ったときに、検討委員からの指摘で、高次捕食者の猛禽類についても、餌を介してばく露される可能性が考えられるといったのが、指摘されたのが一つのきっかけになっております。
そういうのが、当初としましては、そういう、今回は鳥類食シナリオというところで、小型鳥類または肉食性鳥類を食べるシナリオというところで整理はしているんですけれども、当初は哺乳類を含めて考慮してはどうかというところで整理が進んでいたところでございます。
ただ、哺乳類についてはデータがないというところで、小型鳥類と肉食性鳥類のみを考慮した鳥類食シナリオを導入するといったような検討経緯がまずございまして、日本では導入したというところになっております。
すみません。具体的な海外での事例といったものはお示しすることはできないんですけれども、今言ったようなところで、日本において鳥類食シナリオを導入するに至ったというところでございます。
すみません、あまりお答えにはなっていないかもしれませんけれども、事務局からは以上です。
【白石委員長】 はい。天野委員、いかがでしょうか。
【天野専門委員】 海外事例に倣うというんでしたら、そういうことかもしれないですけれども、ばく露はすると思いますが、それにリスクが一体、これだけの力とか、手間暇をかけてやるほどのリスクがあるのかというのに、個人的には疑問を感じました。
以上です。
【白石委員長】 はい。では事務局、何か補足資料があればそれを提示していただくということでよろしいですか。
【市原係長】 はい、事務局でございます。
次回の議論の際には、そういった資料もお示しできるように、ちょっと状況を整理しておきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。
【白石委員長】 ではよろしくお願いします。
ばく露評価で、ほかにいかがですか。ご質問、ご意見をお願いします。
【後藤専門委員】 すみません、よろしいでしょうか。後藤です。
【白石委員長】 はい、どうぞ、お願いします。
【後藤専門委員】 はい。シナリオの中で、昆虫食の場合に、餌の割合として、水田と非水田ということで分けて計算をする形になっています。
それで、本日検討された剤の中で、カラーと、それから花はすという水系の作物が含まれている例があって、そういうものは水田と読み替えてシナリオを適用するというお話がありました。
今回の長期ばく露の評価については、濃縮とかいろいろ係ってきますけれども、こちらのほうも水系の作物を、水田という読替えで計算していくということになると、結構影響があるのかなというふうに思いました。
それで、シナリオの精緻化というところが言われている中で、水系作物、それほど面積的には大きくないものが、水系であるということで、全て水田に置き換えて計算をするという形になっているというのは、何かまだ精緻化という観点からは十分でないところがあるのではないかというふうに思います。今後の課題ということになるかもしれないんですけれども、この辺りのシナリオについてさらに検討していただけると良いと考えます。
以上です。
【白石委員長】 はい。ご指摘ありがとうございます。
事務局、お願いできますかね。回答。
【市原係長】 はい。事務局でございます。
後藤先生、ご指摘ありがとうございます。今おっしゃられた水系作物の整理に関しましては、急性のほうの評価とも影響するとは思うんですけれども、当然現実的なところを考えると、水稲と同じような面積で考えるというのは、確かに過剰な評価というところはご指摘のとおりかと思いますので、ちょっと今後その辺りも、精緻化のときに考えるのかというところも含めて、整理をしていきたいと思っております。ありがとうございます。
【白石委員長】 ありがとうございます。この答申案に書きますか。そのことについては。
【市原係長】 そこは答申案には載せない形で、ちょっとまだ急性の評価にも多分影響すると思うので。
【白石委員長】 そうですね。急性とも係りますね。
【市原係長】 はい。そういうところでまた整理させていただければと思っております。
以上です。
【白石委員長】 はい。では整理するということで、後藤先生、よろしいですかね。
【後藤専門委員】 了解しました。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
ほかの委員でコメント、ご意見はございますでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 リスク判定のところはよろしいですか。よろしいでしょうか。
水域は第3段階までありましたよね。これはここで打ち止めなんですか、多分。大丈夫ですか。あるいは、一番初めの部分にほかの評価方法以外も否定しないと書いてあるので、あれですので、そこで何か問題があるときには対応できるとは思いますが。
【嶋川係長】 はい。事務局でございます。
そうですね。現時点では初期評価と二次評価の二つで実施していくことを想定しておりまして、先ほどご説明いただいたように、科学的な方法がもし出てくるのであれば、それもまた検討していくというような形で対応することになると思います。現在としては、初期評価、二次評価の二つで行うということで整理させていただいております。
以上です。
【白石委員長】 はい。ご意見、ご質問があればお願いします。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【天野専門委員】 何回もすみません。確認ですけれども、急性のときの水生生物のように、PEC値と、あと毒性値が、上回らないけれども近接していた場合の扱い、あるいは、何かモニタリングに当たるようなことを考えていらっしゃるのか、そこを教えてください。
【白石委員長】 はい、事務局、お願いします。
【嶋川係長】 はい。事務局でございます。
そうですね。鳥類のモニタリングの部分につきましては、ちょっと現状では具体的な方法とかは決められていないところですので、ここは今後の課題というふうに思っていただきたいと思っております。
以上です。
【白石委員長】 はい。では今後の課題のほうに追記していただくことになろうかと思いますが、天野委員、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 承知いたしました。水系のほうも同じ扱いでしょうか。この場合、水系のモニタリングが、例えばモニタリングしている時期をぐっと延ばすとか、何か違う点とかはないんでしょうか。
【白石委員長】 事務局、お答えはありますか。今、意味が少し取りにくかったんですけど。
【天野専門委員】 すみません。急性のほうで近接していたときにはモニタリング対象ですよとなっているんですが、こちらも同じ扱いなのか、あるいは、モニタリングする期間をもっと延ばすとか、何か対応があるのか教えてください。
【白石委員長】 事務局、お願いできますか。
【松浦室長補佐】 はい、ご指摘ありがとうございます。現時点でお答えできるとしたら、基本的にはモニタリングの対象にするということになろうかと思いますけれども、ご指摘いただいたとおり、急性での、急性影響評価を踏まえてのモニタリングとは、ちょっと方法論の部分で異なってくるところがありますので、ちょっとそこの具体的な部分は、これから今後の検討というふうにさせていただければと思います。
【天野専門委員】 はい、承知いたしました。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい。全体的にこのモニタリングに関する記述がないんですよ。ですので、どこかで書いていただければいいかなと思っていたんですけど、どこかな。水域にもないですよね、多分。モニタリングデータを使うという、もう既存の剤なのでモニタリングデータ等もあるんだと思うんですけど、それを含めて何か、モニタリングに関して何か記載があってもいいかなとは思いました。
では④ですけど、これは基準値設定を不要とするに等しいんですかね。
【嶋川係長】 事務局です。
おっしゃるとおり、基準値設定を不要とするという理解で。
【白石委員長】 そうですね。当面、不要となる場合はないんですかね、水域のように。これはよろしいでしょうか。そういうことだと思いますが。これも水域と併せて書きぶりを。水域のほうを変えればいいのかな、水域のほうが、不要の場合と提出を要しない場合ということに分けていただいたほうが分かりやすいかなと思いました。
【嶋川係長】 事務局でございます。
承知いたしました。今後修正させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい。
鳥類に関しましても大体ご意見を伺ったと思いますが、全体を通じて何か言い残した点とかはございますでしょうか。まだ答申案しか見ていないんですが、参考資料4-2と3についてはコメントをいただいていないんですが、大丈夫でしょうか。全体を通じて、資料7-2についてコメントがあったらお願いします。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 参考資料3はよろしいですね。
【吉尾室長】 そうですね。はい。基本的に考え方は答申案のほうに記載をさせていただいていまして、細かい計算方法等になりますので、また何かもしお気づきのこととか、ご不明な点とか、この後、出てくるようであれば、ご照会いただければと思いますけれども、本日、ここで細かくご議論いただくということではないのかなというふうに思っております。
【白石委員長】 ちょっと細かいところで大変だと思いますけど、評価期間も少し変わってくる可能性もございますので。
1点だけ気になったのは、あれですか、複数回散布係数の使い方が、鳥類と水域では違うのかなという気がしたんですが。この係数と、水域では、個別、散布ごとの残留量を計算しているんですよね。と説明があったような気がするんですけど。
【市原係長】 事務局でございます。
まずちょっと鳥類のほうを先に複数回散布係数を補足させていただきますと、こちらは水稲食と果実食で用いるものになっているんですけど、要は複数回散布したら、その鳥類が食べる水稲であったりとか果実であったりとかがどれほど出るかということを、作物残留試験を用いて出した係数になりますので、ちょっと水域のほうとの考え方、水域は多分水中の濃度ですので、ちょっとその辺りの違いがあるので、そのままこの散布係数の考えを水系に利用するというのは、ちょっと難しいのかなと考えているところでございます。
【白石委員長】 分かりました。これは違うんですね。
【市原係長】 そうですね。これは作物で……。
【白石委員長】 計算じゃなくて、実験データから出てきているんですか。
【市原係長】 そうですね。EFSAのガイダンスに従ってはいるんですけれども、それも作物残留試験の結果から出されたものというところで整理をされているものです。
以上です。
【白石委員長】 そうですか。ちょっとここは誤解していたかもしれません。残留試験の結果はまとめてこうなっているということですか。
【市原係長】 はい。そのような形かと。
【白石委員長】 分かりました。水域のほうはモデルですよね。モデルから出していると思いますけど、じゃあより精緻化された方のモデルですかね。係数を使うんじゃなくて、それぞれ残留を見てくるという、減衰を見ているという式になっていたと思います。すみません、私の誤解でした。
ほかにコメントはございますか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 大分熱心にご議論いただいて、いろいろと宿題が残りましたが、事務局のほうで答申案等について修正、加筆してもらい、次回以降の委員会で改めて審議するということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 いろいろコメントをいただいていた先生方には、事務局から相談があるかもしれませんけど、よろしくお答えをお願いしたいと思います。
では(3)議事はこれにて一旦で終了したいと思いますが、次に、議事(4)その他に移りたいと思います。
案件は3件です。
まず「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について、事務局より説明をお願いします。
【嶋川係長】 事務局の嶋川です。
続きまして、資料の8、「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について、説明させていただきます。
対象農薬、それから意見募集期間につきましては、こちら記載のとおりとなっております。
寄せられた意見の総数としましては、21件となっておりまして、うち1件は本意見募集とは関係のないご意見でした。
提出されたご意見につきましては、表の形で記載をしておりまして、いただいたご意見をそのまま掲載しているところでございます。
それでは各ご意見に対する考え方につきまして、ご説明させていただきます。
ちょっと今回、量が多いので、詳細なご意見の中身の説明については割愛させていただくのですが、まず通しNo.1から18までのご意見としましては、全体として農薬に反対するといった趣旨のご意見が多かったです。
これらのご意見につきましては、こちら、右の表の部分に書いているんですけれども、このような形で回答することを想定しておりまして、まず農薬の登録に当たっては、最新の科学的知見に基づいた評価を踏まえまして、使用量や使用方法を考慮した上で問題がないことを確認していること、水質汚濁の農薬登録基準はWHOのガイドラインなどの考え方を参考に、食品安全委員会や当省の非食の検討会などで設定されたADIを基に、飲み水に由来する農薬がヒトの健康に悪影響を及ぼさない値として設定していること、この基準の設定に当たっては、使用方法に基づいて算定した水濁PECが当該基準に適合していることを確認しているということ、そして、今後も国際的な動向も踏まえた評価の充実を図るということをご説明するような形で回答するように整理しているところでございます。
続きまして、通しNo.19です。こちらのご意見につきましては、実際の農家の方々が基準値を確認できるように情報を開示してほしいというふうな内容になっております。
こちらのご意見に対しましては、今回の意見募集を行った農薬も含めて、当省のウェブサイトに基準値を掲載しているということを説明する形で回答を整理しております。
最後、通しNo.20のご意見につきましては、まずは、土壌細菌への悪影響を確認するべきであるというもの、そして後段の部分につきましては、生活環境動植物のパブコメが今回なくて、水質汚濁だけのパブコメを実施した理由は何かあるのかというふうな形でのご質問をいただいております。
こちらのご意見に対しましては、まずは、土壌細菌への影響につきましては、リスク評価の在り方も含めて、今後、科学的知見の収集に努めていくということを説明するとともに、生活環境動植物と水質汚濁の基準値につきましては、別々の基準を設定しているということを説明する形で回答を整理しております。
水質汚濁に関する意見募集の結果につきましては以上でありまして、当該基準値につきましては、今後、所要の手続を経て告示することとしまして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、同日付で電子政府の窓口で公開することとしております。
パブリックコメントの結果に関しましては以上となります。
【白石委員長】 はい、ありがとうございました。
では、ただいまの説明について、ご意見、ご質問など、ございませんでしょうか。回答の仕方、よろしいでしょうか。いかがでしょう。
【後藤専門委員】 後藤です。よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【後藤専門委員】 1番から18番までまとめての回答となっているんですけれども、18番については1から17までのご意見と内容的に異なるというふうに思いますので、別途の回答をいただくのがよろしいと考えます。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【嶋川係長】 事務局でございます。
今回のNo.18につきましては、基準値の設定の反対と賛成という立場の異なるご意見にはなるのですが、当室としましては、どのようなご意見が寄せられるにしても、現行の審査の枠組みや考え方にのっとって対応すること、そして今後の評価の充実に引き続き努めていくという姿勢には変わりがないことから、1から18番までのご意見については一つにまとめて回答したいというふうに考えて、現在も作っているところでございます。
【白石委員長】 どうなんだろう。いかがでしょうか。
【後藤専門委員】 前回の小委員会でも、なるべく丁寧な形での回答をというご意見もありました。それを考えますと、18番については別にして、内容的に重なるものがあったとしても別途回答するほうがいいというふうに考えました。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。ほかの委員、いかがですか。
確かに違いますね。ちゃんと、どちらかというと、きちんと意見を述べられているような感じがしますけど。回答は同じようになってしまうのかもしれませんが。
【嶋川係長】 事務局でございます。
今、後藤先生からいただいたご意見も踏まえまして、また回答の仕方については、また中で検討させていただいて、また皆様にご連絡させていただければと思います。
【白石委員長】 ありがとうございます。ここには、ちょっと分けたほうがよろしいということで、分けて回答いただくということで、一応これは農薬とは関係してあるものが残っているんですね。
【嶋川係長】 はい、農薬に関係するものは全て。
【白石委員長】 残っているんですね。
【嶋川係長】 はい。
【白石委員長】 一応農薬という言葉が入っているんですね。ワクチンをやめろとかいうのも書いてありますけど。農薬。ここはちょっと。
【嶋川係長】 事務局です。
ここも多分農薬も反対するという形で書いてあったものですので。
【白石委員長】 ありますよね。
【嶋川係長】 農薬に対するご意見として。
【白石委員長】 例えば、断固反対とか反対、同じようなことを書いてある、これを一つにまとめるということはやらないで、個別に全部載せるということですね。
【嶋川係長】 事務局でございます。
そうですね。いただいたご意見につきましては、一つ一つ枠を作って回答していこうと考えております。
【白石委員長】 そういうつもりなんですね、はい。ということであれば。
ほかにご意見はございますでしょうか。
【赤松専門委員】 すみません、赤松ですけれども。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【赤松専門委員】 要するに、農薬に対する反対意見が、結構今回何か多くて、それに対する回答なんですけど、やっぱり農薬のメリットというか、何かそういうようなこともちょっと書き足しておいていただいたほうがいいのではないかと思ったんですが、いかがでしょうか。
【白石委員長】 はい、事務局、いかがでしょうか。公的な文書でもそういったことが書かれているような気がしますけど。
【嶋川係長】 事務局でございます。
コメントありがとうございます。こちらは、そうですね、農薬のメリットの部分、もう少し前向きな形の回答ということで、またちょっと書きぶりについては、また中で検討させていただいて、回答案をまた、確認、共有させていただきたいと思います。
【赤松専門委員】 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい。ほかに追加のご意見等はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、いろいろご意見をいただいたので、一部修正したものをもう一度見ていただきますかね。ご確認いただくということでよろしいでしょうか。よろしいですか。私一任ということでなく、委員に見てもらうということでよろしいでしょうか。
【市原係長】 すみません、事務局でございます。
委員長一任にさせていただければと思うんですが、それでよろしいでしょうか。
【白石委員長】 皆さん、いかがですか。よろしいですか。
(異議なし)
【白石委員長】 はい。じゃあそれでは、私、しっかり見せていただいて、一任いただければそれで進めたいと思いますが。
(異議なし)
【市原係長】 ありがとうございます。事務局でございます。ちょっとそのような形で。
【白石委員長】 では、そのように進めさせていただきます。
では次に、販売禁止農薬について、事務局から報告があるということです。よろしくお願いします。
【太田係長】 はい、事務局でございます。
販売禁止農薬についてご報告させていただきます。
メトキシクロルを残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、いわゆるPOPs条約において、製造・使用等を禁止する物質として附属書Aに追加することが昨年5月に決定されました。
メトキシクロルにつきましては、国内での農薬登録はありませんが、農薬用途に関連する物質であることから、化審法第1種特定化学物質への指定と併せて、農水省において、農薬取締法に基づく販売禁止農薬として指定する予定ですので、ご報告いたします。
ご報告は以上になります。
【白石委員長】 はい。ご質問等はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご質問ないようであれば、次の議事に進みます。
最後に、農薬小委員会審議参加規定についてになります。事務局より説明をお願いします。
【松浦室長補佐】 はい。事務局より、資料9につきまして、ご説明させていただきたいと思います。
本小委員会におきましては、農薬の登録の可否に係る事項が審議されておりまして、審議の結果は申請者に利益または不利益を及ぼし得るものとなりますので、当然ながら審議の中立性・公平性の確保が求められるところでございます。
これまでも中立性・公平性の確保はしてきたところでございますけれども、今後の運用といたしまして、委員、臨時委員、または専門委員に対しまして、審議対象の農薬ごとに利益相反の有無を、こちらの別紙、農薬小委員会における利益相反申告書の様式により自己申告いただくこととしたいと考えております。
利益相反があると考えられる委員等につきましては、原則として、該当する農薬に係る審議からは退席を求めることとしたいと考えております。
一方で、小委員会委員長のご判断により、審議を行う上で当該委員等の知見が重要であると考えられる場合には、一定の範囲で審議にご参加いただけるものといたしますけれども、この場合においても、当該委員等は議決には参加しないものと考えております。
利益相反の有無につきましては、こちらにお示しをしております1から3に記載のいずれかの事項への該当の有無でご判断いただくことになります。
具体的には、審議対象の農薬の申請者等の特定企業による申請資料等の作成への関与、それから、特定企業との雇用その他の関係、特定企業との金品等の授受という観点で、利益相反の有無を自己申告いただくことになります。
以上、このような農薬小委員会審議参加規定を定めまして、利益相反申告書の提出を求めることにつきまして、ご了承いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 では、ただいまの説明について、ご意見、ご質問があればお願いします。
別紙、裏ですね。裏の別紙に、利益相反申告書というのがありますけど、これを毎回提出するということになりますかね。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。
【白石委員長】 これはチェックを入れるんですかね。
【松浦室長補佐】 はい。チェックを入れていただく。
【白石委員長】 署名があるんですけど、これは自筆、これは紙ベースでやるということなんでしょうか。あるいは、どのようにしたらよろしい。
【松浦室長補佐】 想定しているところとしては、記載いただいて、それをPDF等に取り込んでいただいてメール等でお送りいただくか、あるいは、FAX等でお送りいただくといったようなところになろうかなと考えております。
【白石委員長】 これはパソコンで打ち込んじゃ駄目なんですね。署名なんですか。電子署名とかあるんですか。
【松浦室長補佐】 基本的には、パソコンで打ち込む……。
【白石委員長】 自筆ですか。
【松浦室長補佐】 はい、自筆でお願いしたいというふうに思っておりますけど、電子署名の場合も可とはしたいと考えております。
【白石委員長】 電子署名も可なんですね。電子署名ってどうやるか分からないですけど。はい。なるべくご負担にならないような形がよろしいかと思うんですけど、今、ウェブ会議なので、あれですよね。署名したものをどう、PDFに取り込むのか。ちょっと何か手間がかかるような気もしますけど。ちょっとやり方は簡単になるようにしていただきたいと思いますけど。
ご要望とかがあれば、どなたか。
(なし)
【白石委員長】 何か簡単な方法があれば、確実な方法があればご検討いただくとありがたいと思います。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。検討してみたいと思います。
【白石委員長】 ほかにご意見、ご質問はよろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、特段ご意見はないようですので、事務局案にてご了承いただいたものといたします。
それでは、本日の審議は一通り終了しましたので、全体を通して何かご意見、ご質問があればお願いします。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 ご意見等はないようですので、進行を事務局にお返しいたします。
【吉尾室長】 白石委員長、どうもありがとうございました。また、委員の皆様におかれましても熱心にご審議いただきまして、ありがとうございます。いろいろとご指摘いただきましたので、改めて検討を進めていきたいというふうに思います。
次回の農薬小委員会は、令和6年9月12日、木曜日を予定しております。近くになりましたらご案内を差し上げますので、ご出席をよろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして、第92回中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日は皆様、どうもありがとうございました。
初めに、本日の会議と資料の公開についてご説明します。
本日の農薬小委員会はWEB開催ですので、YouTubeにおいて、会議音声のライブ配信を行っております。
また、資料及び議事録については、ホームページに公開いたします。
会議開始に先立ちまして、委員の交代がございますのでご報告いたします。
昨年の末に稲生委員、内田委員、築地委員がご退任されました。新たに、公益社団法人緑の安全推進協会専務理事の白岩豊委員、埼玉県農業技術研究センター環境安全担当、担当部長の成田伊都美委員にご参画いただくことになりました。
白岩委員、成田委員、よろしければ一言ご挨拶いただいてもよろしいでしょうか。
【白岩専門委員】 はい、白岩でございます。公益社団法人緑の安全推進協会で3年ほど勤めてございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【成田専門委員】 埼玉県の農業技術研究センターの成田と申します。よろしくお願いいたします。
【吉尾室長】 白岩委員、成田委員、ありがとうございました。
続きまして、本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。本日は、浅見委員、五箇委員から欠席とのご連絡をいただいておりまして、11名の委員がご出席されており、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
【太田係長】 それでは、資料のご確認をお願いします。配付資料は資料1から9、参考資料1から4となっております。資料に不足等がございましたら事務局までお申し出ください。
なお、資料は説明の際に画面に表示いたしますが、必要に応じてお手元にご準備をお願いいたします。事前送付資料からの変更箇所については、その都度ご説明いたします。
【吉尾室長】 それでは、議事に入らせていただきます。
なお、議事の進行中、委員長及び発言者以外はマイクをミュート、カメラをオフに設定くださいますようお願いいたします。委員の皆様のご発言時はミュートを解除し、初めにお名前を名のっていただいた上でご発言ください。
また、カメラにつきましては、ご発言時にはカメラをオンにしていただきますようお願いいたします。
WEB会議システム上の不具合がありましたら、お電話やチャット機能で事務局までお知らせください。
それでは、以降の進行につきましては白石委員長にお願いいたします。
【白石委員長】 それでは、早速ですが、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
議事の(1)生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
初めに、事務局から諮問書を説明してください。
【太田係長】 事務局でございます。
今、画面に資料2を表示しております。本日の審議会ですが、こちら令和6年2月22日付で、環境大臣から中央環境審議会へされた諮問でございます。
別紙のほうに、本日、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定についてご審議いただくシンメチリンが記載されております。この諮問につきましては、令和6年2月26日付で中央環境審議会から水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
続きまして、こちらが令和6年6月14日付で、環境大臣から中央官庁審議会へされた諮問でございます。
本日、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定についてご審議いただくイソシクロセラムについての諮問書となっております。この諮問につきまして、令和6年6月19日付で、中央環境審議会から水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
資料2のご説明は以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
それでは、各基準の審議に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
【小林専門員】 それでは、資料3をご覧ください。生活環境動植物の被害防止に係る登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料でございます。農薬名はイソシクロセラムでございます。
ご説明の順番ですが、評価対象農薬の概要、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価、陸域の生活環境動植物のうち、鳥類の被害防止に係る評価、続いて、野生ハナバチの被害防止に係る評価の順にご説明させていただきます。
1ページをご覧ください。共通事項として評価対象農薬の概要をご説明いたします。
本剤は4種の異性体の混合物であり、含有量が80%以上である(5S,4R)体を成分とする剤になっています。
作用機構ですが、こちらの剤は、イソキサゾリン系の殺虫剤であり、その作用機構は昆虫の主要な抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体を阻害し、異常興奮、痙攣を引き起こすものです。
製剤は水和剤があり、適用農作物は果樹、野菜、花き及び芝等として、登録申請されております。
次に、各種物性についてご説明いたします。
各種物性はお示しのとおりですが、まず①番が混合物である審議対象の本剤の物化性です。続いて、②が主成分である(5S,4R)異性体の分解性です。③から⑤は、その他の異性体の情報となります。
続いて、Ⅱの毒性評価及びばく露評価に係る説明に移ります。
毒性データ等については、評価対象ごとに別紙1から3にまとめております。
まず、水域の生活環境動植物に係る毒性評価についてご説明いたします。
本剤の水域の生活環境動植物に係る評価につきましては、本年4月に開催されました水域の生活環境動植物登録基準設定検討会にてご審議、ご了承いただいたものでございます。
別紙1の1-1ページをご覧ください。
ニジマス試験が96時間流水式で実施されており、実測濃度220μg/Lで全頭死亡しております。LC50は130μg/Lとなっております。
次に、オオミジンコ試験が48時間止水式で行われており、実測濃度140μg/Lから遊泳阻害が認められており、EC50が500μg/Lとなっております。
続きまして、ユスリカ幼虫試験が48時間止水式で実施され、実測濃度と遊泳阻害数はご覧のとおりです。EC50は0.015μg/Lとなっております。
次に、ヨコエビ試験が96時間半止水式で実施され、実測濃度等はご覧のとおりです。第1濃度区で、20頭中8頭の死亡が認められており、また、他の全ての濃度区で生存個体に遊泳阻害が認められていることから、検討会では、もう少し低い濃度区の試験が設定されていれば望ましかったという旨のご意見がありました。LC50は0.040μg/Lです。
最後になりますが、ムレミカヅキモ試験が96時間振とう培養で実施されております。最高濃度においても明確な生長阻害が認められず、EC50は760μg/L超となっております。
続きまして、1-5ページをご覧ください。水域の生活環境動植物の被害防止に係る登録基準値についてご説明します。
各生物種のLC50、EC50はご覧のとおりとなります。
まず、魚類は1種で試験が行われておりますので、AECfにつきましては、130μg/Lを不確実係数10で除した13.0μg/Lとなります。
甲殻類は3種で試験が行われておりますので、AECdは、最小値0.015を不確実係数4で除して0.00375μg/Lとなります。
藻類は1種で試験が行われておりますので、不確実係数10で除した76.0μg/L超となります。
続きまして、1-6にて水質環境中予測濃度(水域PEC)のご説明させていただきます。
適用農作物等は、冒頭で述べたとおり果樹、その他となっております。
そこで、非水田時における第1段階のPECを算出したところ、かんきつ等で使用方法が最大となり、非水田PECTier1は0.0021μg/Lとなりました。各種パラメータはご覧のとおりです。
別紙1の説明は以上です。続いて、本資料の5ページ、総合評価に戻ります。
生活環境動植物に係る評価につきましては、先ほど申し上げたように、非水田PECTier1が0.0021μg/Lであり、登録基準値0.0037μg/Lを超えていないことを確認しております。
最後に、資料4をご覧ください。
PECは基準値の10分の1以内なので、非水田PEC第2段階を試算したところ、0.0010μg/Lとなりました。しかし、水域PECは依然水域基準値の10分の1を超過しているため、本剤につきましては、新たに農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の対象農薬としたいと思います。
水域の生活環境動植物に関する説明は以上となります。
【市原係長】 続きまして、鳥類に関しましてご説明いたします。
資料を共有しますので少々お待ちください。
続きまして、イソシクロセラムの鳥類への影響についてご説明いたします。
イソシクロセラムの鳥類への影響につきましては、本年2月の鳥類登録基準設定検討会で審議されています。
別紙2にまとめておりますので、別紙の2をご覧いただければと思います。
試験としましては2試験が提出されておりまして、まずはコリンウズラを用いた試験となります。
被験物資としましては原体で、各5羽用いられております。
設定容量はこちら、記載のとおりでして、限度試験となっております。最高用量群で死亡等は認められておりませんでして、LD50値としましては2,000mg/kg体重の超値。体重補正後のLD50値としましては1,410mg/kg体重の超値となっております。
本試験につきましては、特段の逸脱事項等は見られておりません。
続きまして、マガモを用いた試験ですけれども、こちらも各群5羽を用いて実施されておりまして、設定容量としましては、こちら記載のとおりとなっておりまして、限度試験となっております。
マガモ用いた試験につきましても、最高用量で死亡等は見られておりませんので、LD50値としましては2,000mg/kg体重の超値。体重補正後のLD50値としましては1,100mg/kg体重の超値となっております。
続きまして、登録基準値ですけれども、各試験の種ごとの体重補正後のLD50値として、最小値は1,100mg/kg体重ですけれども、幾何平均値1,240mg/kg体重の10分の1以上となっておりますので、こちらの幾何平均値を不確実係数10で除しまして、登録基準値としましては、120mg/kg体重となっております。
続きまして、予測ばく露量についてです。
本剤、冒頭ご説明しましたけれども、剤型としては水和剤がございまして、適用農作物としましては、果樹、野菜、花き、芝等として登録申請がされております。
各シナリオについてですけれども、まず、水稲単一食シナリオについては、水稲への適用がございませんので対象外としております。
続いて、果実単一食シナリオにつきましては、こちらの表2-3に記載のパラメータに基づきまして計算しまして、予測ばく露量としましては、0.010mg/kg体重/日となっております。
それから、種子単一食シナリオにつきましては、種子処理という適用がございませんので、対象外としております。
続いて、昆虫単一食シナリオですけれども、こちらは、水田シナリオと非水田シナリオというところで計算をしております。
まず、水田シナリオに関してですけれども、こちらは花き類・観葉植物での使用について計算しております。こちら、花き類・観葉植物への適用に関してですけれども、こちらは水系作物であるカラーや花はすといったものが含まれておりまして、水系作物は水田で栽培されるものというところで、6278号通知のほうで定義がされております。したがいまして、こちらは水田シナリオというところで整理をして計算を行っているところでございます。
それから、非水田シナリオにつきましては芝への使用について計算をしております。
昆虫単一食シナリオに関しましては、水田と非水田の合算値を算出しておりまして、予測ばく露量としましては、0.0017mg/kg体重/日となっております。
最後に、田面水シナリオですけれども、こちらは田面水に使用されないため、対象外という形にしております。
先ほどの昆虫単一食シナリオでご説明しました水系作物への使用についてですけれども、こちらですけれども、製剤の注意事項に、水系作物に使用する場合には、入水15日前までの使用、つまり水がある状態では使用しないことといったところが記載されておりまして、田面水シナリオには該当しないというところで整理をしております。
予測ばく露量をまとめたものは、こちら表の2-6にまとめております。
最後、総合評価になりますけれども、こちら5ページに戻っていただきまして、記載のとおりですけれども、いずれのばく露シナリオにおいても、予測ばく露量が登録基準値を超えないというところを確認しております。
続きまして、野生ハナバチにつきましても私のほうからご説明いたします。
イソシクロセラムの野生ハナバチ類への評価に関しましては、本年3月1日の農林水産省の農薬蜜蜂影響評価部会において、蜜蜂への影響評価を行っておりまして、その結果を踏まえております。
別紙の3をご覧いただければと思います。
イソシクロセラムですけれども、野生ハナバチ類への被害防止に係る農薬登録基準の設定を不要とするというところで整理したいと考えております。
イソシクロセラムですけれども、先ほどからご説明しておりますけども、殺虫剤として申請されておりまして、剤型としては水和剤で、適用作物としましては、こちら、記載のとおりのものとして申請がされております。
ここで、ちょっと参考資料1をご覧いただければと思いますけれども、こちら、参考資料1は農薬蜜蜂影響評価書でございまして、本年3月1日に農林水産省の蜜蜂影響評価部会で審議されたものとなっておりまして、こちらの17ページ目からになるんですけれども、こちらになります。ばく露量の推計に関して記載されておりまして、こちら、申請されている製剤につきまして、いずれもミツバチがばく露するおそれがないとして、ばく露量の推計が行われておりません。
まず、その理由としましては、こちらの9.3%水和剤については、こちらの表の9にまとめられておりまして、18.1%水和剤につきましては「芝」のみへの使用でありまして、ミツバチがばく露しない作物として、開花しない作物として整理されているものでございますので、ミツバチがばく露しないというふうな形で整理されております。
こちらの9.3%水和剤につきましては、表の9に理由が記載されておりまして、こちら、かんきつなど果樹の露地栽培につきましては、こちら記載のとおりですけれども、花が咲く前の発芽から、花がなくなる落花までの間以外の使用に限定されるというところ、それから、こちらの野菜類であったり花き類につきましては、閉鎖系の施設での使用に限定されることであったり、それから、開花前に収穫される作物であるというところで、それから、こちらのお茶ですね、お茶に関しましても開花しない作物というところで整理がされているところでございまして、いずれも、こういった理由からミツバチがばく露するおそれはないというところで、ばく露量算定が行われておりません。
そのため、こちら、資料3に戻りまして、野生ハナバチ類においても、その使用に当たり接触、経口ばく露するおそれが極めて低いということが想定されます。
以上から、こちら、記載しておりますけれども、通知の別紙の3の記載に従いまして、リスク評価を不要とする農薬に該当すると考えられますので、基準値の設定を不要とする農薬というところで整理したいと考えております。
なお、こちら、参考として、蜜蜂影響評価部会で用いられたミツバチの毒性試験結果を記載しております。
最後に、5ページの総合評価のところに戻りまして、総合評価としましては、ばく露する可能性が極めて低いことから、登録基準値の設定を不要とするというところで整理をしております。
イソシクロセラムにつきましては以上となります。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 それでは、ただいまのイソシクロセラムについて審議いたします。
最初に、評価対象農薬の概要ですね、1ページ目でコメントはございますでしょうか。光学異性体の混合物ということで、5S,4Rが80%以上ということでございます。
物性についてはそれぞれの、混合物はそれぞれの異性体についてデータが提供されているという状況でございますが、いかがでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 作用機序等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 それぞれ異性体ごとに若干性質が異なるみたいで、例えば融点とか、それに対応して、融点が低いものは水溶解度が高いみたいな、そんな関係がきちんと出ていますので、特段問題のある数字だと思いませんが、いかがでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 はい、よろしいようでしたら、次に、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価の内容について、ご質問や基準値案についてのご意見等をお願いいたします。いかがでしょう。
これは、オオミジンコにはあまり影響がないけれど、ユスリカとヨコエビに強い影響があったみたいな、そういった剤でございますけど。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけども、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【山本臨時委員】 水域のほうですけれども、検討会のほうでこちらも議論しましたが、先ほど事務局のほうからもご説明がありましたけれども、ヨコエビの試験が、ちょっと低い濃度側ですね、最低濃度区でも結構強い影響が出てしまっているので、本来、試験としては、かなり高い濃度で実施し過ぎていると、もう少し低濃度で実施すると、もう少し正確な値が出るんじゃないかなと思いますが、ちょっと信頼限界が少し、LC50の値が幅広いということはありましたが、それ以外は、特に大きな問題はないかなというふうに思いました。この剤、先ほど委員長のほうからありましたけれどもGABA受容体に結合する物質ということで、こういう剤についてはミジンコには効かないんですけれども、ユスリカやヨコエビなんかには比較的強い影響があるということで、今回もそういった影響が出ているんではないかなというようなことも議論しました。
試験については、大きな問題はないかなというふうに思います。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
ほかにご質問等はございますでしょうか。
特に試験等に問題はないということです。はい。
【山本臨時委員】 山本です。もう一点だけですけれども、既に事務局から、どこまでご説明があったか分からないですけど、原体で実施されているということですが、これ、水域の検討会でも少し議論されて、もしかしたらほかでも議論がされたのかもしれませんが、今回、その混合物ですね、キラルというんですかね、5S,4Rが主成分ではあるんですけども、4成分が入っているということで、この同一性というんですかね、そのもの、今回の主成分というか、本来の製剤の成分と試験実施されたものが同一であるかというような話も少し議論をさせていただいて、その点は、水域のほうは全ての原体について確認はさせていただきましたので、補足しておきます。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
これは事務局、何か補足のコメントをいただけますかね。
【松浦室長補佐】 環境省、松浦ですけれども、先ほど山本先生からコメントいただきましたとおり、ヨヒエビの試験の妥当性について、また、同一性について、検討会の中ではご議論いただきました。内容につきましては、先ほど山本先生がおっしゃったとおりでございまして、同一性につきましても問題ないであろうというような結論をいただいた次第でございます。
事務局からの補足としては以上となります。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけれども、もし可能だったらなんですけれども、このそれぞれの比率ですね、何か出ていたものもあったかなと思うので、その辺り、ちょっと詳しい説明はなかったと思うんですが、その辺り、もし補足できる部分があったら、量的な話ですかね、大体これが何%、これが何%というようなデータもあったんじゃないかなと思うので、そこを、もしよかったら補足いただけるといいかなというふうに思いましたが、いかがでしょうか。
【松浦室長補佐】 ご質問ありがとうございます。すみません、今ご質問のあった点につきましては、組成の詳細な数値につきましては非公表情報となっておりますので、この場で申し上げるのは、控えさせていただけたらと。
【山本臨時委員】 その辺りも確認したということですよね。
【松浦室長補佐】 そうですね。
【山本臨時委員】 そこは確認したので、非公表だからということも、そうしたら、そこも説明いただいたほうがよかったかもしれないですね。
【松浦室長補佐】 すみません。
【山本臨時委員】 了解しました。ありがとうございます。
【松浦室長補佐】 説明が不十分で失礼いたしました。
【白石委員長】 被験物質の件ですけど、これは原体ですかね、原体で試験をするということで、その規格に沿っているという理解なんですが、それは非公開情報なので、この場ではちょっと出せないということで申し訳ないですが、1ページ目の米印に書いてある、これはどのような意味を持っているんでしょうか、すみません。原体規格ではないんですね。一般的にこう言われているというようなものなんですか。そこだけちょっとお願いします。
【松浦室長補佐】 これ自身、この今お示ししている数値自体は原体規格ではなくて、一般的な組成比ということでお示ししております。
【白石委員長】 よろしいでしょうか。大体こういうものであるということで。
(なし)
【白石委員長】 はい、特段ご意見はないようですので、そうしたらば、基準値ですかね、基準値は、5ページ目、1-5か、1-5に書いてありますが、先ほどご説明があったとおり甲殻類、ユスリカ、ヨコエビですね、この辺によく影響を受けるということで、この数字を基に、不確実係数は4を適用して、0.0037とするということでございますが、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 ばく露評価のほうはいかがでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、天野ですが。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 1点、確認で教えていただきたいと思います。このPECを計算するときに、先ほど、この後の鳥類予測では花き類でカラー・花はすがあるので、水田でのばく露量の計算をしているんですけれども、こちらでは、あくまでも水域ということですので、使用に制限がかかっているために、ここでは計算をしないという理解で正しいでしょうか、確認です。
【白石委員長】 では、事務局、お答えをお願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
天野委員のご理解のとおりでして、イソシクロセラムにつきましては、入水の14日前までの使用というのが、花き類、観葉植物に関しましては注意事項で制限されているところでございますので、水域のほうのPECについては、非水田のみの計算を行っているというところでございます。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
天野委員、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 ありがとうございます。例えば、わざわざ書くかどうかということなんですけど、鳥類予測のほうを見ますと、もうそれぞれの食のシナリオごとに使わないから対象外だとか、制限がかかっているからだとかというようなコメントがあったので、場合によっては、ここ、花き類は使用の制限があるため計算しないとか、何かあったほうがいいのかもしれないと思いました。どうでしょうか。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【市原係長】 事務局でございます。
ご指摘のとおり、ちょっと分かりにくい部分もあるかと思いますので、そこは書き方は検討したいと思っております。
以上です。
【白石委員長】 書きぶりは検討していただけるということで、記載するということですか。
【市原係長】 そうですね、これまで水域だけとかの評価だったと思うんですけども、鳥類とも併せて評価書を作成することになっておりますので、その辺り、齟齬が生じて、混乱を生じることがないようにしたほうがいいのかなとは思いますので、記載は場所とかも含めてですけれども、検討したいと思っております。
【白石委員長】 ありがとうございます。少し整合性を取れるように検討するということですね。
【市原係長】 はい。
【白石委員長】 そうすると、単位も随分違うので、若干気になりましたけど。
例えば、パラメータの値が130と0.13かな。若干、微妙に違うかなという気がします。まあ、それは仕方がないかもしれませんけど、ご検討いただければありがたいと思います。
【市原係長】 その辺りの数値の記載も統一していきたいと思います。
以上です。
【白石委員長】 ほかに。では、記載についてはご検討いただくということで収めたいと思いますが、ほかにコメントはございますでしょうか。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですが、よろしいでしょうか。
先ほど、事務局のほうからご説明がありましたところで、資料4のところで、これはTier1と今回の水域の基準値が接近していると、10分の1以下なので、Tier2をやりましたという話ですが、Tier2の話は、何か具体的には、今回あまり説明はなかったですけれども、その辺りは何か、どこかに記載するなり、何かご説明いただくなりというのはなくていいんでしたっけ。この場合は、もうそもそも超えてないので、こういった場合は数値だけを資料4に出すというような感じに、事務局ではされていたんでしょうか。確認です、よろしくお願いします。
【白石委員長】 では、回答をお願いします。
【松浦室長補佐】 環境省、松浦でございます。
Tier1の数値が環境基準値を超えていない場合は、申請者からTier2の計算が出てまいりませんので、事務局のほうで計算をして、その結果をこのような形でお示しするということで、これまで進めさせていただいております。
【白石委員長】 よろしいですか、Tier2はあまり下がってないので、これはどういったことが主な理由なんですかね。物性的に何か、はい。
【市原係長】 そこの辺りは、我々では把握ができていないところですので、確認したいと思います。
【白石委員長】 はい、そのTier2の、事務局で行っているので、その結果は間違いないと、こういった答えになるので、水質モニタリング調査の対象農薬とするということなんですけども、もう一度ご確認いただいて、間違いなければそうしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。
【白石委員長】 ほかに追加のコメント等はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 よろしいようでしたら、資料4はご確認いただくとして、修正はないですかね。特段修正はございませんので、事務局案どおりですかね、水域に関しましては、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、鳥類のほうでコメントがありましたら、お願いします。
よろしいでしょうか、コリンウズラとマガモの試験が行われ、両方とも影響が出ないようでございます。
(なし)
【白石委員長】 予測ばく露量のほうはいかがでしょうか。先ほど、鳥類のほうはあれですかね、単位がやっぱり一桁上、キログラムに、先ほど水域のほうはグラムに一桁、小さいのはしようがないですかね。もっとも、こちらのほうが見やすいのかもしれませんが。同じデータなので、若干改善の余地はあるかもしれませんが、ご検討をお願いします。全く同じデータ、多分データだと思いますけども。
昆虫食はちょっと、若干違いますが。
よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 天野です、すみません。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 昆虫食シナリオと、その後にもかかるんですけれども、花き類で水系作物があるために水田の算出がされていて、これは水がある・なしにかかわらず、水田という中で使われた場合には、その昆虫、そこに生息する昆虫がばく露するので計算しているというふうに理解していますが、これは合っていますでしょうか。
【白石委員長】 はい、事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
今、天野委員のおっしゃったとおり、通知の上での話ではあるんですけれども、通知上では水系作物は水田で栽培するものというような整理になっておりますので、水のある・なしにかかわらず、昆虫単一食シナリオは水田ほ場下で計算しますので、それに基づいて計算しているといったところになっております。
以上です。
【天野専門委員】 ありがとうございます。それで、ここで田面水のほうは先ほどの湛水で使用しないという注意書きがあるからということで対象外にしていると思うんですけれども、これも、この後の野生ハナバチのほうの話にかかってくるんですが、野生ハナバチの評価の中では、閉鎖系で使用するという制限をかけるという説明がありました。ということは、昆虫単一食のシナリオとしては閉鎖系の水田ということがあるんでしょうか。また、そういった場合に、閉鎖系で使われたら、鳥への影響というのはあるんでしょうか。ちょっとそこが疑問に思いましたので、ここの解釈を教えてください。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
そうですね、そこの辺りまでは、確認し切れていなかったこともあるんですけれども、ただ、そうですね、この申請資料から鳥類のところだけの適用はなかなか、確認が難しいところもございましたのですけれども。
【白石委員長】 はい。
【市原係長】 そうですね、ちょっと現状としては。
【白石委員長】 閉鎖系で使われるんですね、花き類は。
【市原係長】 そうですね、先ほどのちょっと説明からすると、ここに該当して、そうですね、閉鎖系で使用するという形になるので、そうですね、閉鎖系施設ですと、当然、昆虫は、鳥類は成立不可能というところではあるので、ちょっとここの整理はもう一度確認して、鳥類の予測ばく露量の、ちょっと今回の件は確認したいと思っております。
【白石委員長】 ありがとうございます。
【市原係長】 はい、以上です。
【天野専門委員】 よろしくお願いします。ただ、そうするとばく露量が下がるだけなので、この結果には影響はしないとは思いますが、ちょっと、それぞれが使用方法で連動し合っているというふうに、これがまとまって評価書として出ると分かりますので、いま一度整理いただければと思います。
以上です。
【白石委員長】 コメントありがとうございました。
では、確認の上、整理していただくということで、もしも閉鎖系であるということであれば、ここはあれですかね、花き類については削除ということになりますかね。
【市原係長】 そうですね、花き類については削除というところになると思われます。また、こちらは事務局で確認して、修正した評価書を共有させていただきたいと思っております。
【白石委員長】 ありがとうございます。昆虫単一食シナリオが、若干数値が低くなるかもしれないということでございます。低くなるかな、変わらないですか、要は。
【天野専門委員】 そうですね、多分変わらないですね。ただ、合量という話がさっきあったので。
【白石委員長】 そうですね。
【天野専門委員】 ここにあると、足さないかというか、扱いが、ちょっと整理いただければ、結果には何の影響もないんでしょうけれども、はい。
【白石委員長】 結果には影響はないみたいですね。表の削除で済むような感じがいたしますが。
ほかにコメントはございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
それでは、特段ないようでしたらば、登録基準値は、5ページ目をご確認いただけますか。あれはどこでしたか、すみません、総合評価。鳥類にかかるリスク評価ですけれども、登録基準値は120mg/kg体重ということですかね。それを超えていないことを確認したということで、表の昆虫単一食シナリオも数値は変わらないので、このままということになると思います。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、野生ハナバチ類に係るリスク評価でコメントはございますか。
こちらは農業資材審議会の農薬分科会、農薬蜜蜂影響評価部会で動向を審議されているということでございます。それを受けて、野生ハナバチ類についても設定不要とするということにしたいということですが、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 何回もすみません。質問というより、ばく露するおそれがないので、使用制限をかけることでばく露のおそれがないため、設定を不要とするというふうになっていますので、これ自体には問題はありません。
それで、参考資料1の6ページからですかね、使用方法の一覧というのが載っています。それが通常、製剤が現場に行ったときのラベルになると思うんですけれども、ここに、どのような形で、その制限が反映されるのかという情報が、もしおありでしたら教えてください。農水省さんのほうの作業かもしれませんけれども。
というのは、要するに、その不要とするという判断に至った、この規制が実効性のある形で、ちゃんと使用者に周知されるのかというところにちょっと疑問がありましたので、情報があったら教えてください。
【白石委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。ご指摘ありがとうございます。
ご認識のとおり、その適用表とか注意事項の作業につきましては農林水産省のほうにはなるんですけれども、私のほうで把握しているものとしましては、この適用表以外に、被害防止方法という注意事項みたいなものが付されるんですけれども、その中で閉鎖性施設で利用することといった内容であったりが付されるものというところで承知しているところでございます。
以上となります。
【白石委員長】 天野委員、いかがでしょうか。
【天野専門委員】 ありがとうございます。もうこれは環境省さんの範疇じゃないのであれですけれども、ただ、通常はここの希釈倍数ですとか使用量ですとか、ここを遵守事項だから守りなさいよというところで現場で指導されていると思います。当然注意事項という別の欄のところも読んで使わなければならないということにはなっているんですけれども、ただ、それは今までと違う形で、ちゃんとよく分かる形の表示がなされると、そういう形のほうが望ましいのかなというような感じを受けました。これは、また農水省さんのほうの範疇と思います。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
実効性を担保してくださいということですので、よろしくお願いします。
例えば、ありますかね、閉鎖施設で使うというのは、例えば花き類というのがありましたよね。花き類、ハダニ類とか書いてあった、ここの辺ですかね、ポイントとなるのは。閉鎖性で、施設で使うことを前提に不要としているので、そこはきちんと担保していただきたいというふうに私も思います。よろしくお願いします。
ほかにコメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、全体を通じてご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
(なし)
【白石委員長】 はい、特段ご意見がなければ、イソシクロセラムの生活環境動植物の被害防止に係る評価の内容について、事務局案、若干修正はございますけれども、内容が変わることはないと思いますので、ご了承いただいたものといたします。修正点は、後ほどご確認いただきたいと思います。
以上で、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定についての審議を終了します。
次に、議事の(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
それでは、資料5をご覧いただければと思います。
今回、水濁基準に関しましてはシンメチリンのみとなっております。早速ですが、内容についてご説明いたします。
まず、物質概要ですけれども、物質概要につきましてはこちら、記載のとおりとなっております。
続いて、作用機構になりますけれども、シンメチリンに関しましては除草剤として申請がされておりまして、細胞内にある葉緑体等の色素体の中で脂肪酸の生合成を阻害するということで、雑草の生育が抑制され、枯死させるといったような内容となっております。
こちら、枯死させるというところですけれども、白岩委員からコメントをいただきまして、より分かりやすい記載とするために追記をしております。
続いて、日本では、こちら1994年に登録されておりましたけれども、2006年に経済的な理由から失効しておりました。ただ、今般、剤型としましては乳剤、適用作物としては樹木、具体的にはつつじ類となるんですけれども、登録申請が再度されているところでございます。
次のページ、各種物性を載せておりますけれども、こちらも記載のとおりとなっております。
続いて安全性評価ですけれども、シンメチリンに関しましては非食用農作物のみの適用となりますので、環境省におきまして、非食用農作物専用農薬安全性評価検討会、いわゆる非食検討会におきましてADIを設定しております。
非食検討会での議論の結果、ADIは0.079㎎/kg体重/日と設定しております。
その結果、水濁基準につきましては、こちら記載のとおりですけれども、0.21mg/Lとなっております。
続いて、水濁PECの算出についてです。
先ほどもご説明しましたけれども、剤型としましては乳剤、適用農作物としましては樹木、具体的にはつつじ類が登録申請されております。
そのため、こちらの表に記載のパラメータを用いまして、非水田のPECを算出しております。
算出の結果ですけれども、こちらに記載しておりますが、0.000033mg/Lとなっております。
総合評価ですけれども、こちら水濁PECが登録基準値を超えないことを確認しております。
続いて、こちらの資料6をご覧いただければと思います。
こちらが水濁PECと基準値を比較したものになりますけれども、シンメチリンにつきましては、PECが基準値の10分の1以下というふうになっておりますので、モニタリングの対象としないというところで整理をしております。
シンメチリンにつきましては以上となります。よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ただいまのシンメチリンにつきましてご質問、基準値案についてご意見等を伺いたいと思いますが、非食用農作物の専門委員会の検討会のほうで検討なされているようですので、何かコメントがありましたお願いできますでしょうか。
【佐藤専門委員】 岩手大学の佐藤ですけれども、非食検討会での評価概要を説明させていただきます。
シンメチリンですけれども、ラット、マウス、ウサギ、イヌを用いた各種毒性試験と遺伝毒性が実施されておりました。シンメチリンは感作性や軽度の刺激性はあるものの、急性毒性では問題となるような毒性所見は認められておりません。
げっ歯類では、餌にシンメチリンを混ぜた混餌経口反復投与毒性試験で、粉末試料が鼻腔に吸入されて、シンメチリンの刺激が起因したと考えられる鼻腔の炎症性変化が出ていましたけれども、その他、肝臓重量の増加を伴う肝逸脱酵素の変動が見られています。
また、イヌでは貧血傾向が認められました。
発がん性試験では、ラットの雌で子宮の腫瘍を含む増殖性病変の増加、雄では精巣間質細胞ですね、つまりライディッヒ細胞の腫瘍を含む増殖性病変、マウスでは肝細胞の腫瘍性病変の増加傾向が見られました。みられた変化は、いずれも遺伝毒性には起因しない変化と判断されましたことから、基準値設定が可能と考えられました。
その他ですけれども、繁殖能や催奇形性、または遺伝毒性に関する影響は認められておりません。
動物試験の結果を総合的に評価した結果、一番低い無毒性量として、イヌの1年間の経口反復投与毒性試験の300ppmの、プロキロ換算すると7.9mg/kg/日になりますけれども、これを根拠としてADIを設定しております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
それではご質問、基準値案についてのご意見等をお願いします。
まず、物質概要についていかがでしょうか。ベンジルエーテルですかね、ベンジルエーテル系の除草剤ということです。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 物性のほうはいかがですか。無色透明液体ですかね、沸点が高いと、まあ、そこそこ低め、蒸気圧はありそうですね、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見はないようですが、基準値についてもいかがでしょうか。ただいま検討していただいた値を基に、登録基準値を0.21mg/Lとするとございますけど、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 PECのほうはいかがでしょうか、水濁PECについて。
樹木の中でつつじですか、つつじ類ですか、最大の値になるようですけど。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見がなければ、事務局案どおりとさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 資料4についてもご確認いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見はないようですので、シンメチリンにつきましては事務局案どおりとさせていただきたいと思います。
よろしければ、本日は1剤ずつということで、以上で水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議を終了したいと思います。
続きまして、事務局より、以上の議事(1)及び議事(2)に関する今後の予定について説明をお願いします。
【太田係長】 事務局でございます。
本日ご了承いただきました農薬登録基準については、今後、行政手続法の規定に基づき、パブリックコメントを30日間実施した後、結果を本小委員会で報告いたします。
パブリックコメントにおいて、基準値等に修正を求める意見が寄せられていた場合には、委員長に再度審議を行うかどうかをご相談いたします。再審議の必要がない場合には、本小委員会への報告後、部会長の同意を得て、中央環境審議会長に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意を得られれば、中央環境審議会決定として、環境大臣に答申いただくことになります。さらに答申後、基準値を告示いたします。
今後の予定についてのご説明は以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。では、そのように進めていただきたいと思います。
そこで、すみません、この後の審議がちょっと長くなるというような想定をされますので、少し早いんですけど、ここで10分間休憩を挟みたいと思います。審議再開は、どうしましょうかね、14時40分にしましょうか、事務局、いかがしますか、40分ぐらいからでよろしいですか。
【吉尾室長】 それでは、14時40分ということで再開させていただければと思います。
【白石委員長】 はい、ではよろしくお願いします。
(休憩)
【白石委員長】 再開したいと思いますが、よろしいでしょうか。
【吉尾室長】 はい、事務局のほうは準備できております。
【白石委員長】 では、審議を再開します。
次に、議事の(3)生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についての審議に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
【松浦室長補佐】 環境省農薬室の松浦でございます。よろしくお願いいたします。
そうしましたら、事務局より、生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について、ご説明させていただきたいと思います。資料7-1をご覧いただければと思います。
こちら、令和6年6月18日付で環境大臣から中央環境審議会へされました生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についての諮問でございます。
内容としましては、環境基本法の規定に基づき、農薬取締法の規定に基づき環境大臣が定める基準における生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について貴審議会の意見を求めるとなっております。
こちらの諮問につきましては、令和6年6月19日付中央環境審議会から、水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
資料7-1のご説明は以上となります。
続きまして、資料7-2をご覧いただければと思います。生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についてということで、答申案についてご説明させていただきたいと思います。
まず、目次を用いまして、全体構成を簡単にご説明できればと思います。
1ポツ、2ポツで背景、基本的な考え方を記載しておりまして、3ポツ、4ポツで水域及び陸域の生活環境動植物に係る評価について、それぞれ評価対象動植物や評価方法の概要をまとめております。その後、5ポツ、6ポツで農薬登録基準の内容や今後の課題というところを記載しております。
まず、1ポツの「はじめに」について説明させていただきますけれども、こちらにつきましては参考資料3を用いましてご説明させていただければと思います。参考資料3をご覧いただければと思います。
こちらの資料につきましては、答申の内容を抜粋する等して、その概要をまとめたものになります。こちらの資料の1ページ目をご覧いただければと思います。
まず、こちらでは、この度の答申案に至る経緯を、簡単ではございますが説明しております。現行の農薬の環境影響評価におきましては、個体に与える急性の影響に着目して評価を実施してきたところですけれども、一方で、第6次環境基本計画等で、「長期ばく露による影響に着目したリスク評価の導入」が求められてきたところでございます。
続いて、2ページ目をご覧ください。そういった背景もございまして、環境省のほうでは、平成25年度以降、こちらにお示しするような請負事業等で関連する情報の収集であったり課題の整理等を実施してまいりました。さらに、これらの事業等での検討結果を踏まえまして、令和4年度から水域の生活環境動植物登録基準設定検討会、鳥類登録基準設定検討会におきまして、評価の在り方及び具体的な評価方法等について議論してまいりまして、令和4年12月、第86回農薬小委員会のほうでは、検討中の評価の概要案もご報告させていただきました。今般、各検討会における議論がまとまったことから、本委員会におきまして、具体的な評価方法を含めて、ご議論をお願いしたいと思っております。
改めまして、資料7-2に戻っていただければと思いますけれども、こちらで、続きまして、2ポツの基本的な考え方以降につきましてご説明させていただきたいと思います。
まず、長期ばく露影響評価におきましては、水域及び陸域の生活環境動植物を対象に、繁殖能を含む個体群の存続に与える影響を評価するということを基本的な考え方としております。なお、評価の対象は、天敵を除くすべての農薬としております。既に登録のある農薬につきましては、原則として再評価2巡目から評価することとしまして、必要と判断されたものについては、再評価1巡目においても評価するとしております。
続きまして、3ポツの水域の生活環境植物に係る評価についてご説明させていただきたいと思います。
まず、評価対象動植物になりますけれども、現行の急性影響評価におきましては、魚類、甲殻類等、藻類等を対象としておりますけれども、長期ばく露影響評価におきましては、藻類等については、生長阻害作用を見ている現行の評価において、個体群の存続に与える影響を評価しているともみなせることから、魚類及び甲殻類等を対象とするとしております。
続きまして、(2)の評価方法になりますけれども、こちらには毒性評価、ばく露評価、それから、それらを用いたリスク判定の順に記載しております。
まず、毒性評価になりますけれども、評価に用いる試験成績についてご説明をさせていただきたいと思います。
魚類につきましては、OECDのTG210で規定される魚類初期生活段階試験、それから、甲殻類等につきましてはTG211で規定されるオオミジンコ繁殖影響試験を基本としまして、エンドポイントは原則としてNOEC又はEC10としております。
なお、その他、諸外国の公的なテストガイドラインとして確立されている試験のほか、長期的な農薬ばく露による発達、生存等への影響を確認できる試験であることが専門家により確認された場合には、受け入れることとしております。
長期に係る登録基準値の設定につきましては、生物群ごとに、先ほど言及しました試験成績により得られた最も低いNOEC又はEC10を不確実係数10で除しまして、より低い値を長期に係る登録基準値とするとしております。不確実係数の考え方や取扱いにつきましては、現行の急性影響評価での考え方を準用することとしております。
続きまして、ばく露評価になりますけれども、長期に係る環境中の予測濃度、以降、長期水域PECと呼ばせていただきますけれども、こちらにつきましては、現行の急性影響評価と同様、段階制(Tier制)としております。なお、水田使用及び非水田使用の両方の使用場面があるような農薬の場合には、それぞれ算定した値を合算することにより長期水域PECを算出するとしております。
第1段階では、農薬の種類にかかわらず一律に設定されたパラメータを用いて算定をいたします。第1段階の長期水域PECが、長期に係る登録基準値を超過した場合には、水質汚濁性試験等の結果に基づいて、長期水域PECを精緻化いたします。こちら、追記している部分は、より分かりやすくするために新たに追記しているものでございます。環境モデルや標準的シナリオにつきましては、現行の評価と同様に、水質環境基準点の置かれている下流域の河川環境とを想定し、現行の水域PECの算定における環境モデル等を準用することとしております。
評価期間、それから農薬の使用回数及び使用間隔、降雨の回数につきましては、こちらにお示しのとおりですけれども、第1段階では、安全側に立った評価とするために、提出された試験成績のうち、評価期間が短いオオミジンコ試験評価期間である21日間で長期水域PECを算定するとしております。一方で、第2段階におきましては、魚類試験の場合には40日間の長期水域PECを、甲殻類試験の場合には21日間の長期水域PECを算定するとしております。
続いて、③リスク判定になりますけれども、②のところで算定しました長期水域PECが、①で設定した長期に係る登録基準値を超過する場合には、当該農薬については、水域の生活環境動植物への著しい被害のおそれがあると判断するとしております。
④では、続きまして試験成績の提出が不要となる場合について記載をしております。こちら河川等の水系に、当該農薬が河川等の水系に流出するおそれがないと考えられる場合であったり、評価対象動植物に対して安全であることが明らかな場合には、試験の提出を省略できるとしております。
加えまして、申請者からの申出が前提になりますけれども、テストガイドラインへの適合性等の観点から信頼性のある公表文献等によって、評価対象動植物に対して長期的な農薬ばく露の影響を及ぼす蓋然性が十分低いと判断できる場合にも、試験成績の提出を省略できるとしております。具体的には、既存文献における長期に係る毒性値を原則10で除した値に対して、長期水域PECが十分に小さいということが確認できる場合、あるいは、魚類又は甲殻類等に関する急性影響濃度を原則1,000で除した値に対して、長期水域PECが参考値よりも十分に小さいことが確認できる場合にも、試験成績の提出を省略できるとしております。
続きまして、4ポツ、陸域の評価につきましては嶋川のほうから説明させていただきます。
【嶋川係長】 嶋川です。
続きまして、陸域の環境動植物についての説明をさせていただきます。
まず、評価対象動植物について、野生ハナバチ類については、現行の評価で個体群の維持を目標とした評価が既に実施されていることから、現行で急性の影響のみを評価している鳥類を対象として、長期ばく露による影響評価を導入したいというふうに考えております。
評価方法についてですが、まず、登録基準値の設定に係る毒性評価の方法について説明します。
毒性評価に用いる試験成績としましては、繁殖毒性試験及び急性経口毒性試験、それぞれエンドポイントとしては、原則としてNOAEL及びLD50値としています。
登録基準値(長期)としましては、NOAEL又は急性経口毒性試験から得られる小型鳥類の体重相当に補正したLD50 Adj.というものですね、こちらを、さらに非致死的影響である繁殖阻害を考慮するために、さらに10で除して補正した値ですね、この二つを比較しまして、より低いほうの値を不確実係数5で除したものを登録基準値として設定したいと考えております。
また、複数の試験結果が得られている場合は、NOAELについては最も低い値を、そして、体重補正したLD50 Adj.値は幾何平均値を用いることにしております。
続きまして、予測ばく露量の算定に係るばく露評価について説明します。
急性影響評価と同様に、ばく露シナリオ毎に、初期評価と二次評価、こちらは、表現は異なっているんですが、水域と同様に段階制で行うことにしております。摂餌及び飲水によるばく露を対象としておりまして、鳥類の摂餌量及び飲水量、そして、その餌や水にどの程度の農薬が残留されているかの濃度から予測ばく露量を算出していきます。
急性影響評価と異なる点としましては、残留農薬濃度の算出方法となっているんですが、こちら、長期のばく露影響を見るために、評価期間21日のうちの1日当たりの平均的な濃度を算出することにしております。この評価期間につきましては、EFSAのガイダンスから引用しております。
なお、EFSAのガイダンスにも記載されておりますが、この21日間という評価期間については、試験の実施期間等に基づいたものではなく、EFSAの評価で慣例的に設定されている期間となっております。
対象とするシナリオは、まず、小型鳥類が水稲(もみ)、果実、種子又は昆虫をそれぞれ単一で摂餌するばく露シナリオ、そして、田面水のみを飲水するばく露シナリオを想定しておりまして、これらにつきましては急性の評価と同じシナリオとなっております。そして、長期ばく露影響評価では、これらのシナリオに加えて、次のシナリオも追加で評価することとしておりまして、生物蓄積性が懸念される農薬、具体的には、提出された試験成績のBCFが1,000以上となるものについて、魚食性鳥類、小型鳥類、肉食性鳥類がそれぞれ魚類、土壌無脊椎動物、小型鳥類等を摂餌するばく露シナリオを想定しております。
次のページに移ります。初期評価では、ばく露の可能性のある全てのシナリオについてそれぞればく露評価を実施することとしております。評価の際は、農薬の種類によらず一律に設定された単位散布量当たりの残留濃度であるRUD、それから、水から魚などへ直接的な濃縮を表すBCF(生物濃縮係数)、そして、食物連鎖を介した蓄積を表す生物蓄積係数(BMF)などを活用して、ワーストケースを想定した予測ばく露量を算出することとしています。
また、残留農薬濃度の算出の際は、農薬の半減期も考慮した時間加重平均係数等を用いて補正することとしています。
そして、初期評価で登録基準値を超過したばく露シナリオについては二次評価を行いまして、実測値を活用した評価を行うこととしております。具体的には評価対象農薬ごとに提出されてくる作物残留試験などの結果を用いて精緻化していくことにしています。
また、小型鳥類のシナリオについては、初期評価では単一食を想定した評価を行うのですが、現実的には混合食も想定されていることから、餌中の餌種類比率(PD)というものを用いて、さらに精緻化することもできるスキームとしております。
初期評価及び二次評価で使用する具体的な予測ばく露量の算定式につきましては、また後ほど、参考資料4-3を用いて説明させていただきます。
なお、ばく露シナリオに該当する適用農作物がないなど、鳥類へのばく露が想定されないことが明らかである場合には、当該ばく露シナリオは算定しないこととして整理しています。
続きまして、③リスクの判定では、先ほどご説明した登録基準値と予測ばく露量の二つを比較しまして、鳥類への影響を判断することとしております。
なお、④に記載のとおり、長期ばく露による影響評価の対象から除外するパターンも想定しておりまして、こちらは急性影響評価と同様の考え方となっておりまして、いずれの適用農作物や使用方法においても、鳥類がばく露するおそれが極めて低い又は鳥類への毒性が極めて弱いと考えられるものについては、試験成績の提出を不要にしたいと考えております。
陸域についての説明は以上となりまして、続きまして5番、生活環境動植物に係る農薬登録基準の内容について、さきに述べた水域及び陸域の評価の考え方を踏まえまして、現行の登録基準値に加えて長期の農薬登録基準値(長期)を設定することが適当であると考えています。
6番、今後の課題につきましては、農薬小委員会や部会での議論を踏まえて記載していくことを予定しておりますので、現在は括弧書きとしております。
答申案の説明については以上となります。
続きまして、参考資料4-1について、再び松浦より説明させていただきます。
【松浦室長補佐】 続きまして、松浦のほうから、参考資料4-1につきましてご説明させていただきたいと思います。
こちらの資料、長期ばく露による影響評価の対象となる有効成分に関する補足説明資料となっております。
答申のところでもご説明させていただきましたけれども、既に登録のある農薬につきましては、原則として再評価2巡目から評価することとしておりますが、必要と判断されたものについては再評価1巡目においても評価するとしております。こちらには、再評価1巡目において評価対象となるものについて、掲載しております。
まず、水域につきましては、(1)から(3)に記載のとおり、急性影響評価に係る登録基準と水域PEC、あるいは河川水中モニタリング調査における検出濃度等を踏まえて選定すること、あるいは、殺虫剤のうち、成長制御作用を有する脱皮阻害剤等の急性毒性試験では長期ばく露による毒性の把握が困難なものを選定するとしております。
【嶋川係長】 続きまして、陸域の生活環境動植物(鳥類)において、再評価1巡目から対象となる有効成分についてですが、こちら、鳥類の繁殖毒性試験が実施可能な国内外のGLP対応施設が少ないという状況も踏まえまして、既にデータがあるものを対象としていく予定としております。
具体的には、括弧書きに記載のとおり、(1)欧州または米国で長期ばく露による影響評価が既に行われているもの、(2)として、申請者が鳥類繁殖毒性試験のデータを保有しているもののいずれかに該当するものを想定しております。
参考資料4-1の説明は以上となります。
続きまして、参考資料4-2について、再び松浦から説明させていただきます。
【松浦室長補佐】 続きまして、参考資料4-2、4-3を用いて、水域及び陸域、それぞれのばく露評価の考え方について補足的な説明をさせていただければと思います。
まず、参考資料4-2を用いまして、松浦のほうから、水域の生活環境動植物への長期ばく露による影響評価に関する説明をさせていただければと思います。
答申の説明の際にも述べましたけれども、長期水域PECの算定の考え方につきましては、環境モデルやTier制等の観点で、現行の急性影響評価に係る考え方を準用しております。本日の説明では、現行の急性影響評価との主な違いに焦点を当ててご説明できればと思っております。
まず、第1段階における水田使用農薬になりますけれども、この場合は、急性影響評価の場合と同様、その定常的な地表流出及び散布時の河川及び排水路へのドリフトを想定したシナリオとなっております。答申の説明でも述べましたけれども、評価期間は、第1段階においては21日間としております。
最大地表流出量、河川ドリフト量や排水路ドリフト量の算定の考え方は、基本的に急性影響評価と同様ですけれども、長期水域PECでは、散布回数を最大2回としておりますので、算定式においてもそのことを踏まえている点、それから、散布回ごとに農薬流出率を定めている点等で急性と異なっております。また、急性評価における地上防除では、散布日がばらつく想定としておりますけれども、長期水域PECの場合は短期間の農薬濃度を評価するものではないので、散布日のばらつきを考慮しないシナリオとなっております。この点については、以降、ご説明する非水田使用農薬についても同様となっております。
続いて、第1段階における非水田使用農薬になりますけれども、この場合、降雨時の地表流出、及び散布時の河川ドリフトを想定したシナリオとなっております。急性影響評価の場合、降雨時に散布はしないということで、最大地表流出量と河川ドリフト量をそれぞれ算定して、大きいほうを水域PECとしますけれども、長期影響評価の場合には、その点を考慮せず、合算で算出するとしております。評価期間につきましては、先ほどと同様21日間としております。
最大地表流出量及び河川ドリフト量の算定の考え方は、基本的に急性影響評価の場合と同じですけれども、長期影響評価の場合、急性影響評価の場合と異なりまして、評価期間中に降雨が2回起こるというシナリオになっておりますので、それを考慮したような算定式になっております。
なお、長期影響評価の場合には、第1段階における河川予測濃度が登録基準値を超過した場合には、ドリフト試験であったり、模擬ほ場地表流出試験が必要となる第2段階に進む前に、土壌中の半減期を考慮して、河川予測濃度を算定できるとしておりまして、その算定式やパラメータ等は、こちらにお示しのとおりとなっております。
続きまして、第2段階における水田使用農薬になりますけれども、水田水尻からの流出量であったり、畦畔浸透による流出量と、それからドリフト量、河川底質への吸着量を加味して算出するという算定式の基本的な考え方は急性影響評価と同じになっております。
評価期間については、こちらも答申の説明の際に申し上げましたけれども、21日間又は40日間としております。
各種パラメータの算出に係る基本的な考え方や水田水尻からの流出や畦畔浸透による流出の算定に水質汚濁性試験の結果を用いる点も急性影響評価の場合と同様ですけれども、急性影響評価の場合と異なりまして、散布回数が最大3回であるというシナリオにしておりますので、算定式においてもそれを加味した式になっております。
第2段階において、水中動態試験の結果等に基づいて分解について考慮する点につきましては、急性影響評価の場合と同じですので、説明自体は割愛させていただきたいと思います。
続いて、第2段階における非水田使用農薬になりますけれども、この場合、降雨時の地表流出及び散布時の河川ドリフトを想定し、河川底質への吸着を考慮するシナリオとなっております。
繰り返しになりますけれども、急性影響評価の場合には、降雨時に散布はしないということで、最大地表流出量と河川ドリフト量をそれぞれ算出し、大きいほうを水域PECとしますけれども、長期影響評価の場合には合算で算出するとしております。評価期間は21日間又は40日間としております。
最大地表流出量や河川ドリフト量、河川底質への吸着の算定の考え方は、基本的に急性影響評価の場合と同じですけれども、長期影響評価の場合、急性影響評価の場合と異なりまして、評価期間中の散布回数として、評価期間21日間の場合は1回、40日間の場合は最大3回としております。また、降雨回数につきましても、21日間の場合は2回、41日間の場合は4回降雨が起こるというシナリオにしておりますので、それを考慮した算定式になっております。
水中動態試験の結果等に基づいて分解を考慮する点につきましては、急性影響評価の場合と同じですので、説明は割愛させていただきたいと思います。
また、土壌中の減衰を考慮した最大地表流出量の算定につきましては、第1段階のところでも言及しましたけれども、こちらの場合、模擬ほ場地表流出試験に基づいて導出されるこのRu_measuredというパラメータ、非水田からの農薬流出率になりますけれども、そちらを用いて算出をするということを記載しております。
第3段階における水田使用農薬につきましては、現行の急性影響評価の考え方と同じとなっております。
水域に係るご説明は以上となりますので、続きまして、陸域につきまして、また嶋川のほうからご説明させていただきます。
【嶋川係長】 嶋川です。
続きまして、参考資料4-3、各ばく露シナリオにおける鳥類の予測ばく露量の算定式について説明させていただきます。
まずは初期評価のうち、急性評価と同じ(1)小型鳥類が水稲などを摂餌又は田面水を飲水するシナリオについてです。
予測ばく露量の算定式は、こちら、括弧の中に記載のとおりとなっておりまして、ほかのシナリオでも基本的に共通しておりますが、摂餌量又は飲水量×評価対象農薬にばく露された餌の割合×残留農薬濃度を仮想指標種の体重で除すことで予測ばく露量を算定しております。
評価に用いる各パラメータにつきましては、こちら、表の1にまとめておりまして、摂餌量又は飲水量、仮想指標種の体重、それからばく露された餌の割合、こちらにつきましては、ほとんど急性評価の使用している値と共通の値となっておりますが、田面水シナリオ、こちらの餌の割合につきましては、急性では、同じ場所で飲水し続けることを想定した値を使っているのですが、長期ばく露の方では、ほかの場所でも水を飲むことが想定されますので、普及率のほかに、水田や河川の面積の割合を乗じた値として、こちらの値を用いることにしております。
また、表の2に記載しております残留農薬濃度の計算式が急性の評価とは異なっている部分となっております。
こちらですね、急性の評価では単位散布量×RUD、水稲食と果実につきましては、さらにそこに複数回散布係数を乗じることで残留農薬濃度を出していたのですが、長期ばく露の評価では、ここに21日間の平均に補正するための時間加重平均係数などを乗じていく予定にしています。この時間加重平均係数0.53という値は、EFSAにおいて用いられているのですが、作物残留試験の結果のデータに基づいて設定されており、過去の検討会などでの議論の上で、この値を活用することにしております。
なお、田面水シナリオにつきましては、半減期を考慮せずに、使用方法から算出される最大の単位散布量に、水田における施用法による補正係数を乗じて、評価期間21日で除すことによって平均の残留農薬濃度を算出しております。
水稲食と果実食につきましては、急性評価と同様に、複数回散布係数を乗じることとしておりまして、その値は、こちら、表の3にまとめております。
続きまして、魚食性鳥類が魚類を摂餌するばく露シナリオ、(2)魚食シナリオについてです。
こちら、田面水を介して魚類に濃縮されるパターンと、河川水を介して魚類に濃縮されるパターンの二つを想定しております。
こちら、算定式は記載のとおりとなっております。また、評価に用いるパラメータにつきましても、こちら、表の4にまとめておりまして、これらの値は、過去に実施した事業のデータや実測値などから値を設定しているところでございます。
続きまして、(3)小型鳥類が土壌無脊椎動物を摂餌するシナリオについて説明します。
予測ばく露量の算定式は、こちら括弧の中に記載のとおりとなっております。水田や非水田、両方に適用がある農薬については、両方のばく露量を合算したもので評価するということを想定しております。
こちらの評価に用いるパラメータも、表の5に記載のとおりとなっておりまして、こちらで用いている値も、過去に実施した事業のデータや実測値などから値を算出しているところでございます。
土壌無脊椎動物中の残留農薬濃度の計算につきましては、こちら、記載のとおりとなっておりまして、算出の方法は、過去に検討会などで議論した結果、EFSAのガイダンスから引用した乾燥土アプローチ又は間隙水アプローチの二つで推計することとしておりまして、いずれか大きいほうの値を使って残留農薬濃度としたいというふうに考えています。
それぞれの計算式は次のページに記載のとおりとなっておりまして、乾燥土アプローチにつきましては、土壌中の農薬濃度にBCFを乗じて、さらに時間加重平均係数を乗じることによって算出しています。間隙水アプローチにつきましては、間隙水中の濃度と、ミミズの腸内の内容物に含まれる濃度を合算することによって算出していくことにしております。
こちら、各パラメータにつきましては、次のページの表の6にまとめておりまして、EFSAの手法にのっとりつつも、国内の状況を反映するために、調査事業等で得られた実測値などから具体的な値を設定しております。
続きまして、(4)肉食性鳥類が小型鳥類などを摂餌するばく露シナリオについて説明します。
こちらは、ほかのシナリオの初期評価とは少し異なっておりまして、鳥類食シナリオの初期評価では、BMFに基づく評価を行うこととしており、この値が、1を上回る場合に二次評価に進むことにしております。
BMFの算定式としましては、こちら、記載のとおりとなっております。
そして、こちらの評価に用いるパラメータにつきましても、表の7にまとめておりまして、こちらの具体的な数字につきましても、実測値等から値を設定しているところでございます。
以上が初期評価の算定方法となりまして、続きまして、二次評価ですね、こちらにつきましては、基本的には実測値を用いて数値化していくことを想定しておりまして、まず、(1)のシナリオについては、評価対象農薬ごとの作物残留試験などの結果を用いて残留農薬濃度、時間加重平均係数、そして複数回散布係数を精緻化していくことにしています。さらに、この予測ばく露量が基準値を超過する場合には、単一食ではなく、混合食を想定したPD(餌中の餌種類比率)を用いて、さらに精緻化できるようにしています。
続いて、(2)魚食シナリオにつきましては、水質汚濁性試験などの結果を用いて、田面水中又は河川水中の農薬濃度を精緻化します。
そして、土壌無脊椎動物食シナリオにつきましては、土壌残留試験等の結果を用いて、土壌無脊椎動物中の残留農薬濃度、時間加重平均係数を精緻化していくことにしています。
最後、(4)鳥類食シナリオについては、初期評価でBMFの算定のみを行っていたので、二次評価で予測ばく露量を算定することにしております。
算定式は次のページ、こちらに記載のとおりとなっております。また、各パラメータも表の8にまとめておりますが、餌となる小型鳥類や魚食性鳥類の体内濃度ですね、こちら、さきに述べたパラメータを用いまして算出していくことにしております。
長くなりましたが、以上で、生活環境動植物に係る長期的な農薬ばく露の影響に関する評価についての説明を終わりにしたいと思います。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
それでは、長期的な農薬ばく露の影響に関する評価について、ご意見、ご質問を受けたいと思いますが、大分長いのでどうしましょうかね。一度、第86回の農薬小委員会というのが令和4年12月ですから大分たちますけど、それ以降、いろいろ検討された結果、諮問がされ、答申案を出さなきゃいけないんですけども、答申案についてご議論いただきたいと思います。
生活環境ですが、水域とちょっと鳥類に分けますか、まずは。分けて議論を進めたいと思いますが、どうしましょう、「はじめに」からいきますか。答申案の「はじめに」からいきますが、よろしいですか。
経緯が書いてありますけど、私、1点だけちょっと気になったというか、見たんですけど、一番最後の行に、「また、科学的に正当な理由が存在する場合に、本答申に記載された評価方法以外の方法を用いることを否定するものではない。」と書かれていますので、当面これで始めてみるということだと理解したんですが、具体的に何か想定されているものはございますか。事務局。
【松浦室長補佐】 松浦ですけれども、現時点で、具体的にイメージしているところはございませんけれども、一般論として、科学的なところにつきまして正当な理由が存在すれば、こちらに記載している分以外の方法についても用いることについては否定するものではないというところを述べさせていただいているところです。
【白石委員長】 ありがとうございます。
この点に関して、いかがですか、大丈夫ですか。
(なし)
【白石委員長】 それでは、特段ご意見はないみたいですので、基本的、水域ですかね、水域に関しまして、生活環境ですか、生活環境のうち、基本的な考え方ですかね、これはよろしいでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 この基本的な考え方の中に、基本的には2巡目から、再評価2巡目から評価するか、必要と判断されたものは1巡目からというふうに書かれています。
それで、参考資料4-1でしたか、こちらに、どういう場合に評価するかが書かれているんですけれども、例えば、(1)で登録基準値が水域PECと近接しているものとあります。近接しているものを、多分モニタリング対象とすることになっていると思うんですけれども、その場合に、モニタリングして近接されていなくても、これは1巡目から対象となるのかということが一つ。
それから(3)で、現在の評価では毒性の把握が困難なものということで、これ、大体どのくらいあるかというのを教えていただけるんでしょうか。
まず、その二つをお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございます。
では、事務局、回答をお願いします。
【松浦室長補佐】 まず、一つ目にいただいたご質問ですけれども、確かにモニタリング対象になるんですけれども、対象になっている剤の全てについて、十分なモニタリングのデータがあるわけではございませんので、この(1)につきましては、そのモニタリングデータの有無にかかわらず、近接しているものについては対象とするというふうに考えております。
(3)につきましては、(3)のみで、どれぐらいの数だったのかというのが、今すぐ出てこないんですけれども、総数としてはおよそ、今後の検討で少し前後する可能性はありますけれども、60から70剤ぐらいを現時点では想定しているところでございます。
【天野専門委員】 ありがとうございます。今聞くと結構、思った以上にあるなというような感覚なんですけれども、1巡目の再評価はもう始まって、一応終わっているようなものもあるようには思いますけれども、そうすると、これからまた後追いで、また要求されてくると、評価自体が結構数が多くて、時間もかかっています。例えば農水省さんの「みどり戦略」を見ても、新しい今の、何ですか、毒性が高いようなものではない、新しいような剤も登録を進めるというような目標がある中で、ちょっとそういったことで登録に時間がかかり過ぎたりとか、あるいは、そういう現場が混乱するようなことがないようにということは希望いたします。これは意見です。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【松浦室長補佐】 ご指摘ありがとうございます。ご指摘いただいた点、非常に重要かと思っておりますので、設定する期間も含めまして、また関係者との意見交換等も含めまして、その辺り、丁寧に、我々としては今後進めていきたいと思っております。
【白石委員長】 それでは、ほかにご質問、基本的考え方でいかがでしょうか。
数が増えていくので、円滑に進むように、進めてくださいというご意見だと思いますが、いかがでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 参考資料4-1が、今、コメントが出ましたけど、これに関してもいかがですか、よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 鳥類、陸域のほうはいかがですか、よろしいですか。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけど、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【山本臨時委員】 今の参考資料4-1のほうは、これは水域の検討会でも少し議論がされて、特に(1)、(2)よりもむしろ(3)のところですね、殺虫剤でも、作用によっては急性影響だけでなくて長期の影響が懸念されるというものについて、少し詳細に専門家の中で議論をされて、今回、成長制御作用を有する脱皮阻害剤、幼若ホルモン類似剤などといった具体的な例として書かれていたので、ちょっとこれ、どこまで広げるか、RACモデルをどういうふうにするのかというのがありますが、これで書いてあって、この文言で十分であれば、運用しながら、その辺りを見ていけばいいのかなと思っています。
いずれにせよ、ここの1ポツの水域のところについては十分議論されていて、先ほど天野委員からありましたけれども、近接しているもの、こういったものについては優先的に実施していくということで、ちょっと効率的にかなりやっていかないといけないと思いますが、再評価の中でも、2巡目から評価ですけれども、1巡目でリスクが高いものをやっていくということは有効なんではないかなというふうに議論が進んでいたかなと思いますので、私も問題ないかなと思います。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。一応成長制御作用を有すると限定されていますけど、よろしいですか。どこまでかかるか分からないんですけど、「等」がどこまでかかるか分かりませんけど。
これは、どこまで「等」がかかるんですか。「成長制御作用を有する脱皮阻害剤や幼若ホルモン類似剤等の」なので、成長阻害剤以外の作用も見るということ、見られたというふうに読むんですか。成長阻害だけに限定しているわけですか。
【松浦室長補佐】 基本的には成長阻害作用を有するものを対象にしております。
【白石委員長】 分かりました。
【松浦室長補佐】 その例示として、脱皮阻害剤等々となっております。
【白石委員長】 成長制御作用を有するものを優先しますということですね。
【松浦室長補佐】 はい。
【白石委員長】 はい、よろしいですか。山本委員もよろしいですか。
【山本臨時委員】 はい。
【白石委員長】 はい、大丈夫ですか。
では、参考資料4-1は、これでよろしいでしょうかね。
【白岩専門委員】 すみません。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【白岩専門委員】 白岩ですが、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【白岩専門委員】 参考資料4-1の1ポツ、2ポツですけれども、2ポツの陸域のほうは、(1)、(2)と、基本的にデータがある剤ということだと思うんですが、その1ポツの水域のほうになりますと、これからデータ取りするような化合物もあろうかと思います。もう既に天野先生もおっしゃったように再評価の1巡目は始まってございますので、その辺、1巡目で要求するのは、いつぐらいからみたいなところは、ぜひ円滑に進むように調整していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 事務局、よろしいでしょうか。追加のご要望ということで、よろしくお願いします。
【松浦室長補佐】 はい、そちらも非常に重要な視点だと思っております。我々も、そこの点、強く留意して、繰り返しになりますけれども、関係者との適切なコミュニケーションを進めながら、やっていきたいと思っております。
【白石委員長】 はい、よろしくお願いします。
それでは、基本的考え方まではよろしいですかね。
それでは、具体的に評価対象生物ですかね、よろしいですか。あるいは評価モデルみたいなところですけども、よろしいでしょうか。特に問題ないでしょうか。
【山本臨時委員】 よろしいでしょうか、山本ですけれども。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【山本臨時委員】 今、3ポツの(1)ですけれども、評価対象の動植物についてですが、今回は、藻類等植物については既に評価しているということなんですが、これについては、今回は、ひとまずこの評価の中には入れないということではありますけれども、諸外国では、特にヨーロッパでは同じような考え方をしているんですけれども、米国であったりとか、一般工業化学物質、ほかの化学物質では、藻類等植物についても、長期的な影響については考えているところでもあるので、今後、この評価が定着していく中で、今後の課題としては引き続き検討していくべきではないかなというふうに思いますので、ちょっとその辺りの十分なコンセンサスを今回得られなかったですが、今後、検討としてはやっていくことが重要かなと思いました。今回については魚類と甲殻類ということで、十分これまで議論していた中で合意が得られたところから開始していくということで問題ないかなと思いました。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。EUと同じようですかね、今、急性で見ているEC50で慢性も判断するみたいなことをやられているので、一緒だと思いますけども、ほかの考え方もあるということで、その考え方については今後の課題ですかね。載せておいたほうがよろしいというご意見だと思いますが、いかがでしょうか、事務局。
【松浦室長補佐】 環境省でございます。
今ご指摘いただいたのは、その点について、この答申に記載したほうがいいというご趣旨でしょうか。
【白石委員長】 今後の課題については何か、また考えるということなので。
【松浦室長補佐】 今後の課題としてということですね。
【白石委員長】 その辺で何か記載できればということだと思いますが。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。
【白石委員長】 共通のところに少し書ける、書けるならば書いたほうがいいのかなと思います。
評価期間とも関わりますけど、藻類は3日間ですよね、たしかね。
【松浦室長補佐】 はい。
【白石委員長】 今回、21日、40日というのが出てきますが、その辺も含めて、ちょっとご検討いただきたいと思いますけど。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。今ご指摘いただいたように、藻類の成長阻害試験でErC50を使う点につきましては、確かに様々な考え方がございますので、まずは原案で評価を進めながら、藻類に関しては、引き続き検討という形で考えさせていただければと思います。
事務局からは以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
ほかに評価対象生物でコメントはございますか。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 では、評価方法なんですが、毒性評価とばく露評価に分けまして、毒性評価のほうはいかがでしょうか。OECDの試験法、二つですね。210番、魚類初期生活段階試験と、211番、オオミジンコ繁殖影響試験を基本とするということでございます。
ただ、長期影響、発達、生存、成長、繁殖への影響を確認できる試験であれば受け入れるということでございますけれども、いかがでしょうか。
エンドポイントもそうですね、NOECとEC10を使うということ。
【山本臨時委員】 何度もすみません、国立環境研究所の山本ですけれども、これについても、これまでずっと議論しているところでありまして、甲殻類のほうは、今回オオミジンコの繁殖試験、TG211に限定しているということですが、現在の短期の試験では、ユスリカであったりだとか、その他の生物の影響評価を別途実施しているところでもあるので、これについては、十分議論はしていたところではありますが、今後、ユスリカだと、恐らく底質が入ってくるような試験になりますので、底質の評価と併せて、これも今後の課題ということで、まずはコンセンサスが得られたテストガイドライン211のところで開始するということで、この辺りも専門家の間で合意がされたところがここまでだったということなのかなと思っています。
あと、魚類のほうについては、OECDテストガイドライン210という試験が、通常工業化学物質であったりだとか、諸外国の制度でも基本とされていますが、その拡張の試験である234番であったりだとか、フルライフサイクル試験等の中でのエンドポイント、このようなものについては、生活環境動植物の固体群の維持に重要なエンドポイントですので、必要に応じて利用するということで、これについてもいいかなと思います。
さらに長期の試験であったりだとか、一部エンドポイントが違う試験などもありますが、やはり、その試験の目的とかエンドポイント、そのばく露の状況に応じて専門家が必要と、確認をしながら受け入れるというような記載がされているということですので、今回はこれ、こういった対応になるということでいいんじゃないかなというふうに思いました。
あと、当然NOECとEC10で不確実係数10とか、魚類についての3科以上で不確実係数4というのは、短期と同じような対応になっていますし、NOEC、EC10については諸外国でも用いられているものなので、これについても問題ないかなと思います。
私のほうからは以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。これは、甲殻類の試験については、本日も何か急性毒性でオオミジンコとほかの生物でかなり差があるものもございましたけども、そういったところに関しては、今後の課題ということで残しておいたほうがよろしいというご意見だと思いますが、事務局、いかがですか、よろしいでしょうか。
【松浦室長補佐】 事務局でございます。
はい、山本先生のご意見、了解いたしました。今後の課題ということで、記載する方向で検討したいと思います。
【白石委員長】 ありがとうございます。ほかに、毒性評価に関して、コメントはございますでしょうか。ご意見、質問でもよいということですが、お願いします。
(なし)
【白石委員長】 基準値の設定の方法もよろしいでしょうか。これは急性と同じですかね。学術係数については同じものを使うということで。
特段ご意見はないでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、この文章そのものもよろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、ばく露評価に移りたいと思いますが、よろしいですか。
環境中予測濃度の算定でございます。新たに長期水域PECというものをつくるということで、Tier制でやるということでございます。いかがでしょうか。
【天野専門委員】 すみません、日植防、天野でございます。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 天野です。
このばく露評価、それから、その後のリスクの判定にもかかってくるんですけれども、教えていただければと思います。長期PECについて、第1段階は21日間とされています。その後の第2段階ですね、こちらへ行くと魚類が40日、それから甲殻類は21日とたしか記載されていました。例えば、参考資料4-1の、4-1ですかね、4ページになりますか、下の表に、第2段階のところの試算というか、そのパラメータ等が入っていて、評価期間が21日間又は40日間とあるのは、それがそれぞれ魚類と甲殻類に当たる部分と思っているんですけれども、これで計算した場合に、判定で、そのリスク評価のところですね、判定する基準値というのは、魚類のほうが値が低くて基準値に採用されていれば、40日間の魚類のほうを取るとか、そういうことなのか、ここ、どういうふうにリスク評価につながっていくのかを、ちょっと教えていただければと思います。
【白石委員長】 はい、事務局、ご説明をお願いします。
【松浦室長補佐】 ご質問ありがとうございます。
まず、登録基準値(長期)の設定の部分をご覧いただければと思いますけれども、現行の答申案では、この登録基準値は魚類、それから甲殻類の毒性値から算出した値の、より低いほうを基準値とするとしております。
それを踏まえまして、③のリスクの判定のところを見ていただければと思いますけれども、第1段階では、そのちょっと上のところの記載も関係してきますけれども、第1段階では21日間のPECとその基準値との比較をするという形で判定をまずいたしますと。
それで第2段階に進んだ場合には、その登録基準の根拠となる試験が魚類の場合、今、天野委員にご指摘いただいたとおりですけれども、登録基準の根拠となる試験が魚類の場合は40日間の長期水域PECと比較すると。根拠となる試験が藻類であった場合には21日間の長期水域PEC、あ、大変失礼しました、甲殻類であれば、21日間の長期水域PECと比較するという形で考えております。
一方で、今般のこの取りまとめに向けた準備の過程で、少し問題が生じ得ることを認識するに至っているところもございます。
具体的には、今申し上げた現行の案につきましては、その評価期間の長い魚類試験に基づいて基準値が設定される場合、基準値とそれに対応する40日間の長期水域PECの関係では問題がなくても、基準値設定に使われなかった評価期間の短いミジンコ試験に基づく長期毒性影響濃度を、それに対応する21日間の長期水域PECが上回ってしまうような問題が生じ得るかと考えているところでございます。
これを踏まえまして、今申し上げた点につきまして、どのような対応とするのが適切か、現時点ではまだ整理できておりませんけれども、次回の農薬小委員会までに、その点につきましても整理をして、改めてお示しできればと考えているところでございます。
すみません、少し長くなってしまいましたけれども、事務局からの回答となります。
【白石委員長】 ありがとうございます。評価期間を変えると、いろいろと問題が生じるということだと思いますが、ほかにコメントはございますか。天野先生、いかがですか、あるいはほかの委員で。天野先生。
【天野専門委員】 ありがとうございました、ご説明。そうですね、片方だけでやるわけではないというようなお話だったので、また見直しの案をいただけるということでしたので、はい、それを待ちたいと思います。ありがとうございます。
【白石委員長】 何か見直しの案みたいなものがございますでしょうか、ご提案とかいうのは。よろしいですか、あるいはほかの委員の方でご提案があればお願いしたいと思いますけど。
【山本臨時委員】 すみません、山本ですけど、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【山本臨時委員】 そうですね、今、確かに天野委員のおっしゃっているところ、私も気になっていたところでして、魚類については、これ40日間ということになっていますが、これ、魚種によって、このテストガイドライン210という試験法が、試験法によっても結構、そもそも変わりますし、魚種によっても、これは、40日というのはメダカですが、ゼブラフィッシュでやると30日になったりとか、ニジマスでやったら90日になったりとか、いろいろ変わり得るような試験法でもあるので、ちょっとその辺りが十分、ここら辺は考慮されていないところがもしかしたらあったかもしれませんので、第2段階でも、基本は21日のほうが私はいいのかなと、この、何か日にちがころころ変わっていくというのは、なかなか難しいので、そこのところは一定程度そろえながら、評価期間を、必要に応じて、そういった追加で検討することが必要になった場合に、このそれぞれの試験法に応じた評価期間を考えるということをやったほうが、もう少しシンプルになるのかなと思いますので、この辺り、ちょっと、少し事務局でも検討いただいて、幾つかの案を出していただいて、その中で専門家の意見を聞きながら、少し微修正をいただけたほうがいいかなというふうに思いました。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
事務局からは、少し考えてもいいということですけども、何か提案みたいなことをしますか、よろしいですか。取りあえず40日という数字が出ていますけど、これはメダカという認識でよろしいんですか。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。我々としては、その国内で、供試生物としてよく使用されているメダカに、まず焦点を当てて、原則40としていたところではございます、はい。ですから、この40はメダカの場合の数値ですね。
【白石委員長】 そうですね、ほかの場合だと、例えばニジマスだと90日程度みたいなお話が今ありましたけど。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。
【白石委員長】 ファットヘッドミノーとか、ゼブラフィッシュみたいなものは30日ぐらいなんですか。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。ゼブラフィッシュだと30日前後で。
【白石委員長】 そういったところだと少し問題が生じるということですよね。
【松浦室長補佐】 はい。
【白石委員長】 あるいは、フルライフサイクル試験のデータも活用するみたいなお話ですので、その場合には、もう数か月になるんですかね、そういったところで、どこで評価期間を設定するかというのは、いろいろと考えるところがあると思いますので、少し案を出していただきたいというふうに思いますが、ほかの委員の方はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、ここについては少し見直すというところで、よろしいですか。案を少しいただきたいということですが、事務局、いかがでしょうか。
【松浦室長補佐】 はい、ありがとうございます。繰り返しになりますが、次回の小委員会までに、改めて案をお示しできればと思っております。検討したいと思います。
【白石委員長】 では、よろしくお願いします。リスクの判定ですから、それが出てこないと分かりませんが、ここは、じゃあ次回ということでよろしいですか。
(異議なし)
【白石委員長】 いずれにしてもPEC、そうですね。
それでは④番、提出が不要となる場合ですけども、これについてコメントがあったらお願いします。
よろしいでしょうか、少し質問なんですが、提出が不要と、基準値の設定との関係について、ちょっとお伺いしたいんですけど、基準値はつくるんですね。あるいは、基準値設定を不要とするということなんですか。その辺が少し、鳥類の場合は基準値設定を不要とするというように読めたんですが。
評価対象農薬は全てということで、あるいは、指針値みたいなものなんですか、よく分かりませんが。ちょっと扱いについて。
【松浦室長補佐】 すみません。事務局でございます。
まず試験成績の提出を不要とする場合ですけれども、これはそれぞれ、魚類のみ不要の場合もございますし、甲殻類のみ不要となる場合もございます。片方の生物種のみが不要となっている場合には、提出されているもので、当然基準値について検討していくということになろうかと思います。
一方で、どちらの試験成績も出されないような場合、そもそも流出するおそれがないとか、安全であることが明らかな場合、そういった場合には、試験成績は提出されませんし、基準値も設定しないということになろうかと思います。
【白石委員長】 はい、分かりました。二つ混ざっているんですね。基準値設定を不要とするというものと、初めの1文はおそれがないと考える場合は、提出を不要とするし、基準値設定を不要とするということなんですかね。分かりました。それが分かるようにちょっと書いていただいて、もう少し修文してもいいかなという感じはしますが。
【松浦室長補佐】 ありがとうございます。書きぶり、改めて検討させていただきたいと思います。
【白石委員長】 はい、よろしくお願いします。
ほかに、いかがでしょうか。ご意見、ご質問、何でも結構です。よろしくお願いします。
下のほうの判断基準もいいですか。二つポツがありますけど。
【山本臨時委員】 山本ですけれども、そうですね。一つ目は、恐らくこれは毒性値が既存文献であれば、それを活用するということなのかなと思うので、既存データの活用というのはいいのかなというふうに思いましたので、これはこれでいいと思いますが、一番下のところですね、1,000について、ちょっといろいろ議論があったと思うんですけれども、甲殻類、魚類についてのいわゆるACRですね。急性慢性比について、幅広い剤について確認を取ったところ、1,000を取れば、9割以上というか、もうかなりそれ以上、ほぼカバーできるということは、もうこれまで確認しているところでありますので、1,000ぐらい取れば、さすがに大丈夫ではないかなというふうには考えているところです。ちょっと一部、当然、内分泌攪乱作用があるようなものとか、長期でしか影響がないようなものもありますが、私は今始めるので問題ないのではないかなというふうに思いました。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
特に問題ないということでございますが、いかがでしょうか。
水域に関しては、大体、幾つか問題点が出てきましたが、全体を通じて何かございますか。水域だけでよろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 では、一番大きなところは評価期間ですかね。評価期間について、少し検討いただくということにさせていただきたいと思います。
それでは、陸域の生活環境動植物はいかがでしょうか。評価対象生物。野生ハナバチ類については現行の評価でよろしいということになります。
毒性評価についていかがでしょうか。ご質問、ご意見をお願いいたします。
二つの試験ですね。鳥類繁殖毒性試験と鳥類急性経口毒性試験、二つ使うということで、急性経口毒性試験の10分の1と、繁殖毒性試験のNOAELを比較して小さいほうで、不確実係数5で割るということになっていますが。ヨーロッパでやられている方法と同じですかね。ちょっと違いますか。考え方は一緒でしょうか。
【嶋川係長】 事務局でございます。
そうですね。白石先生におっしゃっていただいたように、EUでやられている方法と同じやり方でやっていくことを想定して作ったものでございます。
【白石委員長】 はい。ちょっとLD50 Adj.というのがちょっと違いますが、その辺、不確実係数と同じような考え方でつくられていると思います。
よろしいでしょうか。
【川嶋専門委員】 国環研の川嶋ですけど、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【川嶋専門委員】 鳥類に関係して、私も関与したので一言コメントを述べたいと思う。今回、慢性毒性試験というわけではないが、繁殖毒性試験が導入される方向になったことは、欧米のEFSAのガイダンスにも近づいたわけで一定の評価をしています。
今まで農取法が改正されて、鳥類急性毒性評価は数年前から導入されて、基準値を決めているわけですけれども、今回、繁殖毒性にまで鳥類の評価もしていこうという動きは非常に評価できるものだと思っています。
ただ、先ほど事務局からございましたように、この鳥類繁殖毒性試験を、日本で実施できるGLP機関が今ない中で、原則2巡目から実施ということなので、現在は、既存のデータからやっていくということなんでしょうが、制度設計として、今後、2巡目まで時間があるとはいえ、この制度がどういうふうに動いていくかということは想定された上での導入ということなんでしょうか。
【白石委員長】 事務局、ご回答はございますか。国内で実施期間はあまりないということでありますが、今後の見通しですかね。
【市原係長】 事務局でございます。
今、川嶋委員がおっしゃったように、国内のGLP機関、数が少ないと。鳥類の試験ができる試験は数が少ないという状況でございます。
ご指摘のとおり、2巡目からの導入が原則というところにしておりまして、導入までの期間、あるんですけど、それまでに円滑に導入が進められるように、その辺りは調整をしていきたいというところで考えているところでございます。
具体的な見通しというものは、ちょっとまだ今できていない状況であるんですけれども、その辺りはちゃんと期間を設けて、円滑に導入していければというところで考えているところです。
事務局からは以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
川嶋委員、いかがですか。よろしいですか。
【川嶋専門委員】 はい。一応了解しました。今は、既存のデータがあるということで、特に大きな問題はないのかなと思っていますが、新規剤も出てくると思うので、2巡目までにその辺についてもちゃんと制度設計していったほうがいいと思います。現行のTG206は、非常にお金もかかるし、動物愛護の面も指摘されているところがあるので、制度をまた見直すときは見直していただいて、円滑に進むように期待します。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
では、よろしいでしょうか。一応、応援発言ということで受け止めさせていただきたいと思いますが、毒性評価に関して、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、ばく露評価はいかがですか。こちらもばく露の評価期間が21日間ですかね、21日間になっておりますけど、これもEFSAということでしょうか。
【嶋川係長】 はい。事務局でございます。
そうです。こちらの21日間につきましても、EFSAのガイダンスから活用して、今の評価期間を設定しているところでございます。
【白石委員長】 はい。いかがでしょう。
【天野専門委員】 すみません、天野でございます。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【天野専門委員】 日植防、天野です。
このシナリオの設定について教えてください。水稲食、果実食、種子食と、これはいいんですけれども、最後、4の鳥類食のシナリオがあります。これは諸外国でも皆さん同じように設定されている項目なんでしょうか。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
では事務局、お願いします。
【嶋川係長】 事務局です。
欧米においても鳥類食、肉食性鳥類などが摂餌するというばく露シナリオは導入されているところでございます。
【天野専門委員】 ありがとうございます。すみません、この辺、毒性だとか代謝だとか、素人なのでちょっとよく分からないんですけれども、感覚的にぱっと見ると、小型の鳥類で影響を見てきていて、それより大きい、体の大きい大型の鳥類は、小型鳥類を擦り抜けて、さらにそれを食べることで影響するほどばく露するのかという疑問が、純粋に、素朴な疑問としてあります。
鳥の代謝だとか、あと蓄積というのが、例えば無脊椎動物だとか、魚だとかと、剤によっては全然違う、こういうのもやっぱりリスクとして存在するんだよということであれば、必要なのかもしれないんですけれども、だとすると、この体が大きい、設定を見ると、多分小型の30倍ぐらいの大きさのものを想定になっていると思うんですけれども、それで第2段階までばく露量を計算したときに比較する基準値は、小型鳥類の基準値と比較することになるんでしょうか。教えてください。
【白石委員長】 はい。事務局、お願いします。
【嶋川係長】 事務局でございます。
試験成績そのものにつきましては、確かに天野先生のおっしゃるとおり、小型鳥類などの結果から出しているものですけれども、補正をして、kg体重当たりの値での濃度で出しているところでございまして、その値と、各ばく露シナリオで想定されるばく露量、ここもkg体重当たりですね、を比較してそれぞれを見ていくというふうにしておりますので、そのような形でご回答になっておりますでしょうか。
【天野専門委員】 ありがとうございます。ちょっと何かそこだけ対象としている鳥の大きさがちょっと違っているので、おやっと思いました。
以上です。
【白石委員長】 要は、使うデータは一緒なんだけど、体重補正すると勝手に変わってくるんですよね。それだけなんだと思いますが。
【嶋川係長】 事務局です。
そうですね。体重補正をした形で基準値のほうを出しますので、そこは比較しても差し支えないかなというふうには考えております。
【白石委員長】 基準値は、また鳥類と、幾つかできるんですかね。
【嶋川係長】 いや、基準値自体は一つですね。NOAELまたはLD50 Adj.を10分の1したもののうち、低い値を不確実係数5で除したものを登録基準値として設定することにしていまして、ばく露評価でもそれぞれ……。
【白石委員長】 ということは、肉食性鳥類はどうやって出てくるんですか。NOAELを使うんですね、要は。小さいほう。NOAELは補正しませんね。はい。
この辺の計算方法はどこかに書いてあるんですよね。すみません、資料の4-3。
【嶋川係長】 事務局です。
鳥類食の場合の計算方法はこちらですね。予測ばく露量の算定に当たりましては、摂餌量であったりとか体内濃度とかを掛け合わせることにして、最後に体重相当で割ることにして、kg体重当たりのばく露量というものを出すことにしております。ほかのシナリオも同様に、kg体重当たりのばく露量というものを出すことにしておりますので、この値と登録基準値、登録基準値もkg体重当たりで出しているものですので、これらを比較することでリスクの判定を行うことにしております。
【白石委員長】 いかがですか。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
計算上はそうなんでしょうけれども、魚は魚で、先ほど魚類のところで影響があるかないかを判定してきて、それが食物連鎖で積み上がっていったときに、小型の鳥類にも影響がなく進んできていて、ほかが評価を通っているのに大型にだけ影響があるという場合が、ちょっと考えると、実際そういう評価、海外ではそこだけ問題になる例というのがあるんでしょうかね。すみません、素朴な疑問です。
【白石委員長】 事務局、いかがですか。
【市原係長】 事務局でございます。
【白石委員長】 どうぞ。
【市原係長】 すみません。海外のそこの濃縮とかの事情とかまでは調べ切れないところはあるかもしれないんですけれども、一つの事実としては、海外ではそういった高次捕食者の濃縮も考慮したシナリオも導入されているといった点もございます。
そもそも日本での導入に至った経緯なんですけれども、こちらはR2年度の鳥類の長期ばく露の影響評価の検討を行ったときに、検討委員からの指摘で、高次捕食者の猛禽類についても、餌を介してばく露される可能性が考えられるといったのが、指摘されたのが一つのきっかけになっております。
そういうのが、当初としましては、そういう、今回は鳥類食シナリオというところで、小型鳥類または肉食性鳥類を食べるシナリオというところで整理はしているんですけれども、当初は哺乳類を含めて考慮してはどうかというところで整理が進んでいたところでございます。
ただ、哺乳類についてはデータがないというところで、小型鳥類と肉食性鳥類のみを考慮した鳥類食シナリオを導入するといったような検討経緯がまずございまして、日本では導入したというところになっております。
すみません。具体的な海外での事例といったものはお示しすることはできないんですけれども、今言ったようなところで、日本において鳥類食シナリオを導入するに至ったというところでございます。
すみません、あまりお答えにはなっていないかもしれませんけれども、事務局からは以上です。
【白石委員長】 はい。天野委員、いかがでしょうか。
【天野専門委員】 海外事例に倣うというんでしたら、そういうことかもしれないですけれども、ばく露はすると思いますが、それにリスクが一体、これだけの力とか、手間暇をかけてやるほどのリスクがあるのかというのに、個人的には疑問を感じました。
以上です。
【白石委員長】 はい。では事務局、何か補足資料があればそれを提示していただくということでよろしいですか。
【市原係長】 はい、事務局でございます。
次回の議論の際には、そういった資料もお示しできるように、ちょっと状況を整理しておきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。
【白石委員長】 ではよろしくお願いします。
ばく露評価で、ほかにいかがですか。ご質問、ご意見をお願いします。
【後藤専門委員】 すみません、よろしいでしょうか。後藤です。
【白石委員長】 はい、どうぞ、お願いします。
【後藤専門委員】 はい。シナリオの中で、昆虫食の場合に、餌の割合として、水田と非水田ということで分けて計算をする形になっています。
それで、本日検討された剤の中で、カラーと、それから花はすという水系の作物が含まれている例があって、そういうものは水田と読み替えてシナリオを適用するというお話がありました。
今回の長期ばく露の評価については、濃縮とかいろいろ係ってきますけれども、こちらのほうも水系の作物を、水田という読替えで計算していくということになると、結構影響があるのかなというふうに思いました。
それで、シナリオの精緻化というところが言われている中で、水系作物、それほど面積的には大きくないものが、水系であるということで、全て水田に置き換えて計算をするという形になっているというのは、何かまだ精緻化という観点からは十分でないところがあるのではないかというふうに思います。今後の課題ということになるかもしれないんですけれども、この辺りのシナリオについてさらに検討していただけると良いと考えます。
以上です。
【白石委員長】 はい。ご指摘ありがとうございます。
事務局、お願いできますかね。回答。
【市原係長】 はい。事務局でございます。
後藤先生、ご指摘ありがとうございます。今おっしゃられた水系作物の整理に関しましては、急性のほうの評価とも影響するとは思うんですけれども、当然現実的なところを考えると、水稲と同じような面積で考えるというのは、確かに過剰な評価というところはご指摘のとおりかと思いますので、ちょっと今後その辺りも、精緻化のときに考えるのかというところも含めて、整理をしていきたいと思っております。ありがとうございます。
【白石委員長】 ありがとうございます。この答申案に書きますか。そのことについては。
【市原係長】 そこは答申案には載せない形で、ちょっとまだ急性の評価にも多分影響すると思うので。
【白石委員長】 そうですね。急性とも係りますね。
【市原係長】 はい。そういうところでまた整理させていただければと思っております。
以上です。
【白石委員長】 はい。では整理するということで、後藤先生、よろしいですかね。
【後藤専門委員】 了解しました。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
ほかの委員でコメント、ご意見はございますでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 リスク判定のところはよろしいですか。よろしいでしょうか。
水域は第3段階までありましたよね。これはここで打ち止めなんですか、多分。大丈夫ですか。あるいは、一番初めの部分にほかの評価方法以外も否定しないと書いてあるので、あれですので、そこで何か問題があるときには対応できるとは思いますが。
【嶋川係長】 はい。事務局でございます。
そうですね。現時点では初期評価と二次評価の二つで実施していくことを想定しておりまして、先ほどご説明いただいたように、科学的な方法がもし出てくるのであれば、それもまた検討していくというような形で対応することになると思います。現在としては、初期評価、二次評価の二つで行うということで整理させていただいております。
以上です。
【白石委員長】 はい。ご意見、ご質問があればお願いします。
【天野専門委員】 すみません、天野です。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【天野専門委員】 何回もすみません。確認ですけれども、急性のときの水生生物のように、PEC値と、あと毒性値が、上回らないけれども近接していた場合の扱い、あるいは、何かモニタリングに当たるようなことを考えていらっしゃるのか、そこを教えてください。
【白石委員長】 はい、事務局、お願いします。
【嶋川係長】 はい。事務局でございます。
そうですね。鳥類のモニタリングの部分につきましては、ちょっと現状では具体的な方法とかは決められていないところですので、ここは今後の課題というふうに思っていただきたいと思っております。
以上です。
【白石委員長】 はい。では今後の課題のほうに追記していただくことになろうかと思いますが、天野委員、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 承知いたしました。水系のほうも同じ扱いでしょうか。この場合、水系のモニタリングが、例えばモニタリングしている時期をぐっと延ばすとか、何か違う点とかはないんでしょうか。
【白石委員長】 事務局、お答えはありますか。今、意味が少し取りにくかったんですけど。
【天野専門委員】 すみません。急性のほうで近接していたときにはモニタリング対象ですよとなっているんですが、こちらも同じ扱いなのか、あるいは、モニタリングする期間をもっと延ばすとか、何か対応があるのか教えてください。
【白石委員長】 事務局、お願いできますか。
【松浦室長補佐】 はい、ご指摘ありがとうございます。現時点でお答えできるとしたら、基本的にはモニタリングの対象にするということになろうかと思いますけれども、ご指摘いただいたとおり、急性での、急性影響評価を踏まえてのモニタリングとは、ちょっと方法論の部分で異なってくるところがありますので、ちょっとそこの具体的な部分は、これから今後の検討というふうにさせていただければと思います。
【天野専門委員】 はい、承知いたしました。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい。全体的にこのモニタリングに関する記述がないんですよ。ですので、どこかで書いていただければいいかなと思っていたんですけど、どこかな。水域にもないですよね、多分。モニタリングデータを使うという、もう既存の剤なのでモニタリングデータ等もあるんだと思うんですけど、それを含めて何か、モニタリングに関して何か記載があってもいいかなとは思いました。
では④ですけど、これは基準値設定を不要とするに等しいんですかね。
【嶋川係長】 事務局です。
おっしゃるとおり、基準値設定を不要とするという理解で。
【白石委員長】 そうですね。当面、不要となる場合はないんですかね、水域のように。これはよろしいでしょうか。そういうことだと思いますが。これも水域と併せて書きぶりを。水域のほうを変えればいいのかな、水域のほうが、不要の場合と提出を要しない場合ということに分けていただいたほうが分かりやすいかなと思いました。
【嶋川係長】 事務局でございます。
承知いたしました。今後修正させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい。
鳥類に関しましても大体ご意見を伺ったと思いますが、全体を通じて何か言い残した点とかはございますでしょうか。まだ答申案しか見ていないんですが、参考資料4-2と3についてはコメントをいただいていないんですが、大丈夫でしょうか。全体を通じて、資料7-2についてコメントがあったらお願いします。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 参考資料3はよろしいですね。
【吉尾室長】 そうですね。はい。基本的に考え方は答申案のほうに記載をさせていただいていまして、細かい計算方法等になりますので、また何かもしお気づきのこととか、ご不明な点とか、この後、出てくるようであれば、ご照会いただければと思いますけれども、本日、ここで細かくご議論いただくということではないのかなというふうに思っております。
【白石委員長】 ちょっと細かいところで大変だと思いますけど、評価期間も少し変わってくる可能性もございますので。
1点だけ気になったのは、あれですか、複数回散布係数の使い方が、鳥類と水域では違うのかなという気がしたんですが。この係数と、水域では、個別、散布ごとの残留量を計算しているんですよね。と説明があったような気がするんですけど。
【市原係長】 事務局でございます。
まずちょっと鳥類のほうを先に複数回散布係数を補足させていただきますと、こちらは水稲食と果実食で用いるものになっているんですけど、要は複数回散布したら、その鳥類が食べる水稲であったりとか果実であったりとかがどれほど出るかということを、作物残留試験を用いて出した係数になりますので、ちょっと水域のほうとの考え方、水域は多分水中の濃度ですので、ちょっとその辺りの違いがあるので、そのままこの散布係数の考えを水系に利用するというのは、ちょっと難しいのかなと考えているところでございます。
【白石委員長】 分かりました。これは違うんですね。
【市原係長】 そうですね。これは作物で……。
【白石委員長】 計算じゃなくて、実験データから出てきているんですか。
【市原係長】 そうですね。EFSAのガイダンスに従ってはいるんですけれども、それも作物残留試験の結果から出されたものというところで整理をされているものです。
以上です。
【白石委員長】 そうですか。ちょっとここは誤解していたかもしれません。残留試験の結果はまとめてこうなっているということですか。
【市原係長】 はい。そのような形かと。
【白石委員長】 分かりました。水域のほうはモデルですよね。モデルから出していると思いますけど、じゃあより精緻化された方のモデルですかね。係数を使うんじゃなくて、それぞれ残留を見てくるという、減衰を見ているという式になっていたと思います。すみません、私の誤解でした。
ほかにコメントはございますか。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 大分熱心にご議論いただいて、いろいろと宿題が残りましたが、事務局のほうで答申案等について修正、加筆してもらい、次回以降の委員会で改めて審議するということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 いろいろコメントをいただいていた先生方には、事務局から相談があるかもしれませんけど、よろしくお答えをお願いしたいと思います。
では(3)議事はこれにて一旦で終了したいと思いますが、次に、議事(4)その他に移りたいと思います。
案件は3件です。
まず「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について、事務局より説明をお願いします。
【嶋川係長】 事務局の嶋川です。
続きまして、資料の8、「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について、説明させていただきます。
対象農薬、それから意見募集期間につきましては、こちら記載のとおりとなっております。
寄せられた意見の総数としましては、21件となっておりまして、うち1件は本意見募集とは関係のないご意見でした。
提出されたご意見につきましては、表の形で記載をしておりまして、いただいたご意見をそのまま掲載しているところでございます。
それでは各ご意見に対する考え方につきまして、ご説明させていただきます。
ちょっと今回、量が多いので、詳細なご意見の中身の説明については割愛させていただくのですが、まず通しNo.1から18までのご意見としましては、全体として農薬に反対するといった趣旨のご意見が多かったです。
これらのご意見につきましては、こちら、右の表の部分に書いているんですけれども、このような形で回答することを想定しておりまして、まず農薬の登録に当たっては、最新の科学的知見に基づいた評価を踏まえまして、使用量や使用方法を考慮した上で問題がないことを確認していること、水質汚濁の農薬登録基準はWHOのガイドラインなどの考え方を参考に、食品安全委員会や当省の非食の検討会などで設定されたADIを基に、飲み水に由来する農薬がヒトの健康に悪影響を及ぼさない値として設定していること、この基準の設定に当たっては、使用方法に基づいて算定した水濁PECが当該基準に適合していることを確認しているということ、そして、今後も国際的な動向も踏まえた評価の充実を図るということをご説明するような形で回答するように整理しているところでございます。
続きまして、通しNo.19です。こちらのご意見につきましては、実際の農家の方々が基準値を確認できるように情報を開示してほしいというふうな内容になっております。
こちらのご意見に対しましては、今回の意見募集を行った農薬も含めて、当省のウェブサイトに基準値を掲載しているということを説明する形で回答を整理しております。
最後、通しNo.20のご意見につきましては、まずは、土壌細菌への悪影響を確認するべきであるというもの、そして後段の部分につきましては、生活環境動植物のパブコメが今回なくて、水質汚濁だけのパブコメを実施した理由は何かあるのかというふうな形でのご質問をいただいております。
こちらのご意見に対しましては、まずは、土壌細菌への影響につきましては、リスク評価の在り方も含めて、今後、科学的知見の収集に努めていくということを説明するとともに、生活環境動植物と水質汚濁の基準値につきましては、別々の基準を設定しているということを説明する形で回答を整理しております。
水質汚濁に関する意見募集の結果につきましては以上でありまして、当該基準値につきましては、今後、所要の手続を経て告示することとしまして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、同日付で電子政府の窓口で公開することとしております。
パブリックコメントの結果に関しましては以上となります。
【白石委員長】 はい、ありがとうございました。
では、ただいまの説明について、ご意見、ご質問など、ございませんでしょうか。回答の仕方、よろしいでしょうか。いかがでしょう。
【後藤専門委員】 後藤です。よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【後藤専門委員】 1番から18番までまとめての回答となっているんですけれども、18番については1から17までのご意見と内容的に異なるというふうに思いますので、別途の回答をいただくのがよろしいと考えます。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
【嶋川係長】 事務局でございます。
今回のNo.18につきましては、基準値の設定の反対と賛成という立場の異なるご意見にはなるのですが、当室としましては、どのようなご意見が寄せられるにしても、現行の審査の枠組みや考え方にのっとって対応すること、そして今後の評価の充実に引き続き努めていくという姿勢には変わりがないことから、1から18番までのご意見については一つにまとめて回答したいというふうに考えて、現在も作っているところでございます。
【白石委員長】 どうなんだろう。いかがでしょうか。
【後藤専門委員】 前回の小委員会でも、なるべく丁寧な形での回答をというご意見もありました。それを考えますと、18番については別にして、内容的に重なるものがあったとしても別途回答するほうがいいというふうに考えました。
以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。ほかの委員、いかがですか。
確かに違いますね。ちゃんと、どちらかというと、きちんと意見を述べられているような感じがしますけど。回答は同じようになってしまうのかもしれませんが。
【嶋川係長】 事務局でございます。
今、後藤先生からいただいたご意見も踏まえまして、また回答の仕方については、また中で検討させていただいて、また皆様にご連絡させていただければと思います。
【白石委員長】 ありがとうございます。ここには、ちょっと分けたほうがよろしいということで、分けて回答いただくということで、一応これは農薬とは関係してあるものが残っているんですね。
【嶋川係長】 はい、農薬に関係するものは全て。
【白石委員長】 残っているんですね。
【嶋川係長】 はい。
【白石委員長】 一応農薬という言葉が入っているんですね。ワクチンをやめろとかいうのも書いてありますけど。農薬。ここはちょっと。
【嶋川係長】 事務局です。
ここも多分農薬も反対するという形で書いてあったものですので。
【白石委員長】 ありますよね。
【嶋川係長】 農薬に対するご意見として。
【白石委員長】 例えば、断固反対とか反対、同じようなことを書いてある、これを一つにまとめるということはやらないで、個別に全部載せるということですね。
【嶋川係長】 事務局でございます。
そうですね。いただいたご意見につきましては、一つ一つ枠を作って回答していこうと考えております。
【白石委員長】 そういうつもりなんですね、はい。ということであれば。
ほかにご意見はございますでしょうか。
【赤松専門委員】 すみません、赤松ですけれども。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【赤松専門委員】 要するに、農薬に対する反対意見が、結構今回何か多くて、それに対する回答なんですけど、やっぱり農薬のメリットというか、何かそういうようなこともちょっと書き足しておいていただいたほうがいいのではないかと思ったんですが、いかがでしょうか。
【白石委員長】 はい、事務局、いかがでしょうか。公的な文書でもそういったことが書かれているような気がしますけど。
【嶋川係長】 事務局でございます。
コメントありがとうございます。こちらは、そうですね、農薬のメリットの部分、もう少し前向きな形の回答ということで、またちょっと書きぶりについては、また中で検討させていただいて、回答案をまた、確認、共有させていただきたいと思います。
【赤松専門委員】 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【白石委員長】 はい。ほかに追加のご意見等はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、いろいろご意見をいただいたので、一部修正したものをもう一度見ていただきますかね。ご確認いただくということでよろしいでしょうか。よろしいですか。私一任ということでなく、委員に見てもらうということでよろしいでしょうか。
【市原係長】 すみません、事務局でございます。
委員長一任にさせていただければと思うんですが、それでよろしいでしょうか。
【白石委員長】 皆さん、いかがですか。よろしいですか。
(異議なし)
【白石委員長】 はい。じゃあそれでは、私、しっかり見せていただいて、一任いただければそれで進めたいと思いますが。
(異議なし)
【市原係長】 ありがとうございます。事務局でございます。ちょっとそのような形で。
【白石委員長】 では、そのように進めさせていただきます。
では次に、販売禁止農薬について、事務局から報告があるということです。よろしくお願いします。
【太田係長】 はい、事務局でございます。
販売禁止農薬についてご報告させていただきます。
メトキシクロルを残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、いわゆるPOPs条約において、製造・使用等を禁止する物質として附属書Aに追加することが昨年5月に決定されました。
メトキシクロルにつきましては、国内での農薬登録はありませんが、農薬用途に関連する物質であることから、化審法第1種特定化学物質への指定と併せて、農水省において、農薬取締法に基づく販売禁止農薬として指定する予定ですので、ご報告いたします。
ご報告は以上になります。
【白石委員長】 はい。ご質問等はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご質問ないようであれば、次の議事に進みます。
最後に、農薬小委員会審議参加規定についてになります。事務局より説明をお願いします。
【松浦室長補佐】 はい。事務局より、資料9につきまして、ご説明させていただきたいと思います。
本小委員会におきましては、農薬の登録の可否に係る事項が審議されておりまして、審議の結果は申請者に利益または不利益を及ぼし得るものとなりますので、当然ながら審議の中立性・公平性の確保が求められるところでございます。
これまでも中立性・公平性の確保はしてきたところでございますけれども、今後の運用といたしまして、委員、臨時委員、または専門委員に対しまして、審議対象の農薬ごとに利益相反の有無を、こちらの別紙、農薬小委員会における利益相反申告書の様式により自己申告いただくこととしたいと考えております。
利益相反があると考えられる委員等につきましては、原則として、該当する農薬に係る審議からは退席を求めることとしたいと考えております。
一方で、小委員会委員長のご判断により、審議を行う上で当該委員等の知見が重要であると考えられる場合には、一定の範囲で審議にご参加いただけるものといたしますけれども、この場合においても、当該委員等は議決には参加しないものと考えております。
利益相反の有無につきましては、こちらにお示しをしております1から3に記載のいずれかの事項への該当の有無でご判断いただくことになります。
具体的には、審議対象の農薬の申請者等の特定企業による申請資料等の作成への関与、それから、特定企業との雇用その他の関係、特定企業との金品等の授受という観点で、利益相反の有無を自己申告いただくことになります。
以上、このような農薬小委員会審議参加規定を定めまして、利益相反申告書の提出を求めることにつきまして、ご了承いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 では、ただいまの説明について、ご意見、ご質問があればお願いします。
別紙、裏ですね。裏の別紙に、利益相反申告書というのがありますけど、これを毎回提出するということになりますかね。
【松浦室長補佐】 はい、そうですね。
【白石委員長】 これはチェックを入れるんですかね。
【松浦室長補佐】 はい。チェックを入れていただく。
【白石委員長】 署名があるんですけど、これは自筆、これは紙ベースでやるということなんでしょうか。あるいは、どのようにしたらよろしい。
【松浦室長補佐】 想定しているところとしては、記載いただいて、それをPDF等に取り込んでいただいてメール等でお送りいただくか、あるいは、FAX等でお送りいただくといったようなところになろうかなと考えております。
【白石委員長】 これはパソコンで打ち込んじゃ駄目なんですね。署名なんですか。電子署名とかあるんですか。
【松浦室長補佐】 基本的には、パソコンで打ち込む……。
【白石委員長】 自筆ですか。
【松浦室長補佐】 はい、自筆でお願いしたいというふうに思っておりますけど、電子署名の場合も可とはしたいと考えております。
【白石委員長】 電子署名も可なんですね。電子署名ってどうやるか分からないですけど。はい。なるべくご負担にならないような形がよろしいかと思うんですけど、今、ウェブ会議なので、あれですよね。署名したものをどう、PDFに取り込むのか。ちょっと何か手間がかかるような気もしますけど。ちょっとやり方は簡単になるようにしていただきたいと思いますけど。
ご要望とかがあれば、どなたか。
(なし)
【白石委員長】 何か簡単な方法があれば、確実な方法があればご検討いただくとありがたいと思います。
【松浦室長補佐】 はい、承知いたしました。検討してみたいと思います。
【白石委員長】 ほかにご意見、ご質問はよろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、特段ご意見はないようですので、事務局案にてご了承いただいたものといたします。
それでは、本日の審議は一通り終了しましたので、全体を通して何かご意見、ご質問があればお願いします。よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 ご意見等はないようですので、進行を事務局にお返しいたします。
【吉尾室長】 白石委員長、どうもありがとうございました。また、委員の皆様におかれましても熱心にご審議いただきまして、ありがとうございます。いろいろとご指摘いただきましたので、改めて検討を進めていきたいというふうに思います。
次回の農薬小委員会は、令和6年9月12日、木曜日を予定しております。近くになりましたらご案内を差し上げますので、ご出席をよろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして、第92回中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日は皆様、どうもありがとうございました。