中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第88回)議事録

開催日時

令和5年6月22日(木)13:30~14:45

開催場所

WEB会議システムにより開催

出席者

委員長   白石 寛明
委員    浅見 真理

臨時委員  鈴木 春美
      根岸 寛光
専門委員  赤松 美紀
      稲生 圭哉
      内田 又左衞門
      川嶋 貴治

      後藤 千枝
      佐藤 洋
      築地 邦晃
      (敬称略、五十音順)

委員以外の出席者

環境省
吉尾室長、笹原室長補佐、二階堂室長補佐、市原係長、太田主査
オブザーバー
農林水産省
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)
国立研究開発法人国立環境研究所

議題

(1)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について
      ・ジクロロメゾチアズ
      ・ジメスルファゼット 
(2)その他
      ・水質汚濁に係る農薬登録基準の設定を不要とする農薬について(酸化亜鉛)
      ・「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
      ・「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
 

資料一覧

資料1       中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿
資料2       諮問書(写)及び付議書(写)
資料3       水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料4          水濁基準値案と水濁PECの関係について
資料5       水質汚濁に係る農薬登録基準の設定を不要とする農薬について(酸化亜鉛)
資料6       「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
資料7       「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
参考資料1   農薬評価書 ジクロロメゾチアズ(食品安全委員会資料)
参考資料2   農薬評価書 ジメスルファゼット(食品安全委員会資料)
参考資料3   対象外物質評価書 酸化亜鉛(食品安全委員会資料)

 

議事録

【吉尾室長】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第88回)を開催いたします。
 私、4月1日付で伊澤の後任で着任いたしました農薬環境管理室長の吉尾と申します。よろしくお願いいたします。
 初めに、本日の会議と資料の公開の扱いについてご説明します。
 本日の農薬小委員会はWEB上の開催ですので、ユーチューブにおいて会議音声のライブ配信を行っております。また、資料及び議事録については、ホームページに公開させていただきます。
 続きまして、本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。
 本日は、浅見委員、川嶋委員から欠席とのご連絡をいただいておりますが、その他12名の委員がご出席されており、本委員会の開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
【太田主査】 それでは、資料のご確認をお願いします。
 画面上に配付資料一覧を表示しますので、それに沿ってご説明いたします。
 配付資料は、資料1から7、参考資料1から3となっております。
 資料に不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 なお、資料は、説明の際に画面に表示いたしますが、必要に応じて、お手元にご準備をお願いいたします。
 事前送付資料からの変更箇所については、その都度、ご説明いたします。
【吉尾室長】 それでは、議事に入らせていただきます。
 なお、議事の進行中、委員長及び発言者以外はマイクをミュート、カメラをオフに設定くださいますようお願いいたします。
 委員の皆様のご発言時にはミュートを解除し、初めにお名前を名のっていただいた上でご発言ください。また、カメラにつきましても、ご発言時にはカメラをオンにしていただきますようお願いいたします。
 WEB会議システム上の不都合がありましたら、お電話やチャット機能で事務局までお知らせください。
 それでは、以降の進行につきましては、白石委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 白石です。それでは、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
 初めに、議事(1)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 初めに、事務局から諮問書を説明してください。
【太田主査】 事務局でございます。
 今、画面に資料2を表示しております。
 こちらは令和5年6月8日付で環境大臣から中央環境審議会長へされた諮問でございます。
 次のページ、こちらの別紙のほうに、本日、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定についてご審議いただくジクロロメゾチアズとジメスルファゼットについて記載されております。
 今回、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定または改定についてご審議いただく農薬はございません。
 この諮問につきまして、令和5年6月12日付で中央環境審議会から水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
 資料2のご説明は以上です。
【白石委員長】 では、各基準の審議に入ります。
 事務局から、資料の説明をお願いします。
【市原係長】 それでは、水質汚濁に係る農薬登録基準に関しまして事務局より説明いたします。
 資料3と資料4に沿ってご説明いたします。
 まずはジクロロメゾチアズのほうからご説明いたします。
 物質概要につきましては、こちらに記載のとおりとなっております。
 続きまして作用機構等ですけれども、ジクロロメゾチアズは、メソイオン系の殺虫剤として、IRACの作用機構分類では4Eとして分類されております。
 本邦では未登録でして、製剤は水和剤、適用農作物は野菜として、登録申請されております。
 物性につきましては、こちらに記載のとおりとなっております。
 続きまして、安全性評価の項目ですけれども、ジクロロメゾチアズはADIが1.2mg/kg体重/日とされておりまして、 こちらは食品安全委員会が令和5年4月12日付で厚生労働大臣に通知をしております。
 続きまして、水濁PECの算出についてです。
 剤型としては水和剤で、適用農作物としては野菜として申請されておりますので、こちらの表に記載のパラメータを用いまして非水田の水濁PECを計算しております。
 その結果ですけれども、水濁PECは0.0000047という数字になっております。
 続きまして、総合評価ですけれども、まず、登録基準値についてですけれども、ADI1.2mg/kg体重/日を用いまして計算したところ、3.1mg/Lという数値になっております。
 最後の評価結果のところですけれども、評価結果としましては、PECが登録基準値を超えていないということを確認しております。
 続きまして、基準値とPECとの関係についてですけれども、こちらは画面に表示しております資料4をご覧ください。
 ジクロロメゾチアズに関しましては、PECが基準値の10分の1以下であるということが確認されましたので、モニタリングの対象とはしないということで整理しております。
 ジクロロメゾチアズについては以上となります。
【白石委員長】 では、ただいまのジクロロメゾチアズについて、ご質問、基準値案についてのご意見等をお願いしたいと思います。
 まず、安全性評価のADIについて補足のご説明がありましたら、お願いします。
【佐藤専門委員】 岩手大学の佐藤です。
 食品安全委員会の概略をご報告いたします。
 実施された各毒性試験からジクロロメゾチアズによる影響は、主に体重増加抑制が認められております。神経毒性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められておりません。
 ラットを用いた2年間の慢性毒性/発がん性併合試験において、雄で星状膠細胞腫が認められております。また、精巣間細胞腫の発生頻度が増加しております。これらの作用機序は明確にはなってないんですけれども、腫瘍の発生に遺伝毒性メカニズムは関与していないということから、閾値を設定できるという判断です。
 各試験で得られた無毒性量のうち、最小はラットを用いた2世代繁殖試験の122mg/kg/dayであることから、これを根拠にADIが設定されております。
 以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
 それでは、基準値案について、ご質問、ご意見等をお願いいたします。
 1ページ目、物質概要ですが、これでよろしいでしょうか。作用機構等もよろしいでしょうか。
【内田専門委員】 内田ですけど。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【内田専門委員】 作用機構は、この4Eでいいと思うんですけども、それの参照、これは農薬工業会のホームページのほうは下線が入っているんですね。なぜ下線が入っているのか。今まで入っていなかったような気がするんです。
【白石委員長】 ありがとうございます。
 IRACを記載するということはよろしいですね。これまで水濁のほうでは記載していませんでしたが、統一するという意味もありますので、この形式でよろしいでしょうか。
 参照のアンダーラインですけど、これはないほうがいいような気がしますが、いかがですか。
【内田専門委員】 そういう意味で言ったのではなくて、意図的にアンダーラインをつけられたのかなと思っていまして、理由は、IRACのオンラインのホームページには、きちっと今年の3月の改訂まで反映されているんです。ところが農薬工業会のホームページには新しいところがまだ反映されていないので、ここにはジクロロメゾチアズが4Eと書かれていないんです。
【白石委員長】 はい、了解しました。
【内田専門委員】 新しい化合物につきましては、両方とも引用するのは、実際にそうであるかどうか確認した上で引用したほうがいいと思うので、ここはよく確認していただきたいと思います。
【白石委員長】 はい、わかりました。
 事務局、いかがですか。
【市原係長】 事務局でございます。
 ご指摘、ありがとうございます。こちらにつきましては、確認して、上のほうのURLについては記載がなければ削除するというような形で進めたいと思います。ありがとうございます。
【内田専門委員】 よろしくお願いします。
【白石委員長】 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 それでは、2ページ目ですが、各種物性等ですが、よろしいでしょうか。これは水産でも既にやって……。生活環境動植物の評価のほうでもうやっていますね、同じものですね。
【市原係長】 事務局です。
 生活環境動植物のほうでは、既に審議しておりまして、同じ物性を用いております。
【白石委員長】 特に問題はないようですが、よろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 では、水濁PECについてご意見等はございますでしょうか。非水田ですか、使用時の第1段階ということになっております。
【稲生専門委員】 稲生ですけれども、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【稲生専門委員】 PECの算定については問題ないと思うんですけれども、左側の製剤のほうですね。単位面積当たりの使用量が30万mLになっているんですけども、4,000倍希釈の300Lなので、製剤としては75になると思うんですよね。この18.4%が重量当たりであればgで、ボリューム当たりだったらmLということになると思うので、確認いただければと思います。
 以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
【市原係長】 すみません。失礼いたしました。事務局です。
 ご指摘、ありがとうございます。こちらは数値を確認して修正したいと思います。計算結果につきましては適切な製剤の使用量で用いてPECを算出しておりますので、変わることはないとは思うんですけれども、製剤の最大使用量につきましては確認して修正したいと思います。ありがとうございます。
【白石委員長】 では、お願いします。
 ほかはよろしいでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 特にご意見はないようですので、総合評価をご確認いただきたいと思いますけど、登録基準値を3.1mg/Lとするということです。水濁PECはこれを超えていないということで、よろしいでしょうか。
(はい)
【白石委員長】 それでは、1ページ目の参照の部分と3ページ目のPECの算出に関する使用方法の記載方法についてご確認いただくということで、必要であれば修正いただくということにしたいと思います。
 そのほかご意見がないようでしたら、事務局案にてご了承いただいたものとします。よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 ありがとうございます。
 では、次の農薬についてお願いします。
【市原係長】 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、ジメスルファゼットに関しましてご説明いたします。
 資料3の5ページ目をご覧ください。
 ジメスルファゼットも生活環境動植物の基準のほうでは一度審議されているものとなります。
 物質概要につきましては、こちらに記載のとおりとなっております。
 また、作用機構等ですけれども、ジメスルファゼットは、スルホンアニリド系の除草剤でして、脂肪酸合成系に作用する可能性が示唆されております。
 本邦では未登録で、製剤は粒剤と水和剤、適用農作物としましては稲として登録申請がされております。
 各種物性の記載もこちらに記載のとおりとなっております。
 続きまして、安全性評価ですけれども、ジメスルファゼットのADIは0.0039mg/kg体重/日とされておりまして、こちらは本年の5月9日付で食品安全委員会から厚労大臣に通知がされております。
 続きまして、水濁PECの算出についてですけれども、ジメスルファゼットですけれども、複数の製剤、合計で9製剤が申請されておりまして、それぞれの製剤の使用回数は1回ではあるんですけれども、有効成分としてはこちらに記載のとおり2回というようなことになっておりますので、異なる製剤の使用方法を考慮した記載とさせていただいております。
 こちらは①と②で製剤が異なるんですけれども、同じ3%水和剤ということで、こちらの記載にしておりまして、適用農作物としましては稲となっておりますので、水田の水濁PECを算出しております。
 こちらのパラメータを用いて計算しますと、水濁PECとしましては0.0040mg/Lという数値になります。
 続きまして、総合評価ですけれども、まず、登録基準値についてですが、ADI0.0039を用いまして計算しますと、0.010mg/Lとなります。
 最後、評価結果ですけれども、評価結果としましては、水濁PECが登録基準値を超えないということを確認しております。
 最後に基準値とPECとの関係になりますけれども、資料4をご覧ください。
 ジメスルファゼットにつきましては、水田PECTier1が水濁基準値案の10分の1を超過しておりましたので、Tier2を事務局で計算しております。その結果ですけれども、水濁基準値案の10分の1以下になるということを確認しておりますので、ジメスルファゼットについても、モニタリング調査の対象としないことと整理をしております。
 資料の中、こちら、先ほど気づいたんですけれども、こちらは「10分の1未満になることを確認した」と記載しているんですけども、正しくは「10分1以下」ですので、こちらについても記載を修正したいと思っております。
 ジメスルファゼットにつきましては以上となります。
【白石委員長】 それでは、ただいまのジメスルファゼットにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見を伺いたいと思います。
 まず、安全性評価につきまして、補足のコメントがございましたらお願いします。
【佐藤専門委員】 安全性評価のほうですけれども、実施された各毒性試験からジメスルファゼット投与による影響は、主に体重増加抑制、ラットの腎重量増加、マウス及び犬の尿路上皮の過形成が認められております。発がん性、神経毒性、繁殖能に対する影響及び遺伝毒性は認められておりません。
 一方、ウサギを用いた発生毒性試験において、大動脈基部拡張、動脈幹遺残、心室壁の菲薄化などの心血管系異常が僅かながら発生しておりますが、食品安全委員会では、検体投与等の影響の可能性を否定できないという判断から、薬物誘発性の変化としております。
 各種毒性試験結果で得られた無毒性量のうち、最小はラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験の0.39mg/kg/dayであったことから、これを根拠としてADIが設定されております。
 以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
 それでは、基準値案について、ご質問、ご意見、お願いいたします。いかがでしょうか。5ページ目から行きますか。作用機構等、構造式等はよろしいでしょうか。
【内田専門委員】 内田ですけど。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【内田専門委員】 作用機構ですが、脂肪酸合成系に作用する可能性とあって、作用点としては脂肪系には2種類あるんですよね。ACCaseの阻害と超長鎖脂肪酸(VLCFA)の阻害と。後者であるというのは、前回の委員会の当日午前に農薬学会大会で発表されているんです。だから確認されて、作用機構をしっかりVLCFAの阻害であると、HRACの15であるということを明記したほうがいいような気がするんですけど、いかがでしょうか。
【白石委員長】 事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局です。
 ご指摘、ありがとうございます。そうですね。おっしゃるように、農薬学会での発表で、そういった話があったということは承知してはいるんですけれども、HRACの分類等を確認しつつ、ウェブ上で記載されていれば、分類を記載するという形で修正をしたいと思います。ありがとうございます。
【内田専門委員】 同じ関連ですけども、したがって、現時点では下の参照のところには未分類としか書かれていないんですよね。
【市原係長】 そうですね。おっしゃるとおりだと思います。ですので、ホームページ上に載っておりませんでしたので、申請時もそうですけれども、未分類という形で記載しております。
【内田専門委員】 未分類も書かれていないんじゃないですか。載っていないから参照は要らないような気がするんですけど。
【市原係長】 その辺りは、これまでの評価書の記載等も確認してから対応したいと思います。一応、水域のほうの記載に合わせて未分類という形で記載しているんですけれども、水濁のほうでこれまで記載していなかったというのであれば、先ほどのことも含めて対応は検討したいと思います。
【内田専門委員】 お願いします。
【白石委員長】 これの分類は、これから表記するということでよろしいんですかね。わかっていれば表記するということで。
【市原係長】 事務局です。
 一応、参照しているページに記載があれば、分類は書こうかなとは思っているのですけれども。
【白石委員長】 今回は参照先というのは、この二つに限るというか、この二つということですね。
【市原係長】 そうですね。基本的にはこちらにまとめられています。
【白石委員長】 そこになければ書かないということであれば、未分類も要らないような気がしますが。
【市原係長】 承知しました。それでは、もし記載がなければ、未分類も記載しないという方向で。
【白石委員長】 あるいは、その情報が、今、内田委員から出ましたけど、未確定なんですよね。
【内田専門委員】 ちゃんと農薬学会大会要旨に載っている。しっかり結論したまで書かれているので、申請者に確認されて追記されたらいいと思います。
【白石委員長】 載るようであればですかね。
【内田専門委員】 はい。書いたらどうかなと思うんです。学会大会要旨を引用してもいいと思うんです。
【白石委員長】 この場では、まだ少し早いんですかね。
【市原係長】 そうですね。公的記載されているわけではないので。
【白石委員長】 分類が採用されてからですかね。
【市原係長】 そこはこのページに載ってからという方針のほうがよろしいかなとは思ってはいるんですけれども。
【白石委員長】 脂肪酸合成系に作用する可能性が示唆されているところは、もう少し詳しく書けるということでしょうかね、内田委員。
【内田専門委員】 そうですね。
【白石委員長】 ここを少し修文してもいいのかもしれないというご指摘だと思いますが。
【市原係長】 承知いたしました。そうしたら、こちらの記載、室内で検討して、また後ほどご確認いただくという方向で進めたいと思います。
【白石委員長】 よろしくお願いします。
【市原係長】 ありがとうございます。
【白石委員長】 内田委員、そのような感じでよろしいでしょうか。
【内田専門委員】 はい、後はお任せいたします。
【白石委員長】 ありがとうございます。
 では、6ページ目、いかがですか。これも同じデータが載っているんですね、生活環境と。
【市原係長】 そちらを引用しております。
【白石委員長】 安全性評価は食安委でやられているということですね。コメントはございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 ないようでしたら、水濁PECのほうで何かご指摘はございましょうか。
【稲生専門委員】 稲生ですけれども、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 はい、お願いします。
【稲生専門委員】 PECの算定には問題ないとは思うんですけれども、確認させていただきたいんですけれども、今回、PECの算定に使用した製剤は3%水和剤ということなんですが、使用方法のところで無人航空機による滴下と書いてあるんですけども、普通に例えば水口湛水散布とかというような使い方もあると思うんですけれども、そういった使い方はないんでしょうか。事前に頂いた資料では、1kg粒剤の情報しかなかったので、そこを1点、まず確認させてください。
【白石委員長】 では、事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局です。
 すみません。資料の送付漏れがあったようで、大変失礼いたしました。今、確認いたしますので、少々お待ちください。
【白石委員長】 時間、かかるでしょうか。ついでに使用方法で①、②とあるんですけど、全く同じことが書いてあるように思うんですけど。
【市原係長】 事務局です。
 すみません、先に稲生先生からいただいたご質問ですけれども、こちらは無人航空機による滴下のほか、原液湛水散布と水口施用等も含まれております。
【稲生専門委員】 稲生です。ありがとうございます。
 そういう場合、なぜ無人航空機による滴下のみ書かれているのかがちょっと理解できなかったので。要はPECが最も高くなる使用方法ということなんですが、水濁PECのTier1の場合は全量が川に出るという試算をしますので、問題ないとは思うんですけれども、こういうふうに書かれると、無人航空機による滴下しか適用がないのかなというふうに思ったんですけど。何か無人航空機による滴下として、通常の散布方法を書かなかった理由というのはありますでしょうか。
【市原係長】 事務局です。
こちらですけれども、先ほど、資料4でご説明させていただいたんですけれども、ジメスルファゼット、Tier1でクリアはしてはいるんですけれども、基準値と近接するということでしたので、事務局の方でTier2の計算をしております。Tier2の計算の際には、無人航空機ですとドリフト率も考慮する計算となりますので、そのこともあって、こちらは無人航空機による滴下というものを、あえて記載はしたんですけれども、混乱を生じるというようなことがあれば、修正をしても、Tier1の計算結果としてはどの使用方法でも変わらないと思いますので、修正は可能かなとは思っております。
【白石委員長】 パラメータの150、Iですね、単回・単位面積当たりの有効成分量というのは、無人航空機の滴下と粒剤ですか、同じ値だということなんですか。
【市原係長】 はい、基本的には同じ数値になります。
【白石委員長】 同じ値なんですか。それならば、あってもいいような気がしますが。これまでも多くの薬剤で同じようなときの場合には、使用方法は全部網羅していましたか。「等」が入ったことがありますか。
【市原係長】 ちょっと今すぐには今までの……。
【白石委員長】 同じような値になる薬剤が多いと思うんですけど。
【市原係長】 そうですね。これだけではないということですので、「等」を入れても問題はないかなと思います。
【白石委員長】 先ほど言った①と②は同じことが書いてあるのはなぜなんですか。
【市原係長】 これは、すみません、わかりにくいと思うんですけれども、製剤自体の使用回数は1回になってはいるんですけれども、有効成分としては2回使えるということで、3%水和剤も複数申請がされておりまして、こちらは非常に混乱を招くなと、すみません、今、反省してはいるんですけれども、3%水和剤が二つあると考えていただいて、それを1回ずつ、合計2回使うという形になりますので、こういった記載にはしたところでございます。
【白石委員長】 登録番号が二つあるということですか。
【市原係長】 イメージとしてはそうですね。まだ登録になってはおりませんが。
【白石委員長】 1回目と2回目は別。
【市原係長】 別の製剤を使うというような使い方で……。
【白石委員長】 製剤として使う。
【市原係長】 なると思いますので。ちょっとここは混乱が生じると思いますので、適切に修正したいと思います。
【白石委員長】 どのように修正されるか、よくわからないんですけども。
【市原係長】 水和剤だけだとわかりにくいかもしれないので、違う粒剤とかを入れ込むとかですかね。使用量としては変わりませんので、そういった記載のほうがわかりやすいかもしれないです。
【白石委員長】 稲生委員、いかがですか。
【稲生専門委員】 1.5%粒剤で1kg/10aなので、有効成分の単位面積当たりの投下量は変わらないので、どちらを書いてもいいんですけれども、粒剤でも同じように総使用回数は2回だけれども、それぞれの製剤は1回ずつという形になるので、どっちを選んでも、わかりにくいというところがあると思うので、この書き方だけでは混乱するかなとも思うので、これまでのところでどうだったかというところも確認いただいて、欄外に補足なんかを入れていただくほうがいいのかなというふうに感じました。
 以上です。
【白石委員長】 ありがとうございます。
 例えば、混合剤みたいなものがありますよね。有効成分の総使用回数というのは別途定まっていますよね。それとこれは各農薬の総使用、だから製剤1回ずつなんですか。
【市原係長】 そうですね。ご理解のとおりです。製剤としては1回ですね。有効成分の総使用回数としては2回というものになっておりますので、異なる製剤を……。
【白石委員長】 水濁の場合には有効成分の総使用回数を計算することになると、相当複雑なことになりそうですね。
【市原係長】 そうですね。そのような形でこれまでも恐らく計算していたと思いますので。
【白石委員長】 それが最大になるようにするということですか。
 では、書き方を少し工夫していただくということで、後で見ていただくことになると思いますが、よろしいでしょうか。
【市原係長】 こちらの書きぶりにつきましては、検討して、また後ほどご確認いただきたいと思います。
【白石委員長】 それでは、そこは修正していただくということにして、PECの計算自体は大丈夫だということですので、ほかにご意見等がなければ、総合評価を見ていただきたいと思いますが、登録基準値は0.01mg/Lとするということと、水濁PECは近接していますけど超えていないということでございます。資料4をご覧になっていただいて、Tier2を事務局で計算すると、近接という判断には至らないということですので、モニタリング調査の対象としないということでございます。
【内田専門委員】 ちょっといいですかね。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【内田専門委員】 内田ですけど、このTier2を計算するときに、剤型で変化しないんですか。
【白石委員長】 事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局です。
 ドリフト等も多分考慮することになりますので、剤型が水和剤のドリフトが考えられる使用方法であれば変わるということになります。こちらの計算は、先ほどちょっとご説明したんですけど、無人航空機による滴下の使用方法を基に算出しております。
 以上となります。
【内田専門委員】 滴下よりも散布のほうがドリフトとかは大きくならないんですか。
【市原係長】 基本的には滴下も散布と同じドリフト率で計算していたとは思うんですけれども。
【内田専門委員】 でも、随分大きいですよね、水滴が。
【市原係長】 恐らく、これは昔の取決めで、滴下についてもドリフトは考慮するような方向で計算していたと思いますので、一応それに従って、すみません、今、取決めはすぐには出ないんですけれども、そういった方向で計算はしているところになります。
【内田専門委員】 同じドリフト率で計算するということですか。
【市原係長】 そうですね。恐らく、滴下ということで、おっしゃるように、液滴は大きいとは思うんですけれども、ドローン等の無人航空機にはなると思うんですけれども、空中で散布するということで、恐らく、安全側といいますか、ワーストといいますか、を考慮して、ドリフトも考慮するという方向になったのかなと、私は理解しております。
【内田専門委員】 わかりました。ですから、最初のTier1のほうの計算も、Tier2ディペンデントですよね、こちらで使う製剤でTier1を計算してないといけないんですかね。
【市原係長】 水濁PECのTier1につきましては、ドリフト率等は考慮せずに、先ほど、稲生委員らも……。
【内田専門委員】 わかりますよ。粒剤でもどっちでも一緒ですけど、Tier2で変わるのであれば、ここは剤型をどちらに選ぶんだといったら、Tier2が高くなるほうで計算しておいたほうがいいような気がするんですけれども。
【市原係長】 承知いたしました。それでしたら。
【白石委員長】 どうですかね。
【市原係長】 少々お待ちください。
【吉尾室長】 恐れ入ります。農薬環境管理室の吉尾ですけれども、もともとPECにつきましては、基準値を超えるような状況かどうかということを確認するためということですので、まず、Tier1で確認をして、そこでもし、係数等をかなり大きく見ていますので、超える場合であればTier2を出すというところまでが段取りというふうに考えております。
 今回、混乱を招きましたのは、事務局側のほうでモニタリングを考えるときの参考ということでTier2をお示ししている中で、多分、結局、Tier2に行ったときに、どれぐらい精緻化したことによって、実はTier1でやったときの大きさよりも順番が変わってしまうのではないかというようなご懸念を持たれたところだとは思うのですけれども、もともと、まずはTier1のほうで基準値を超えるかどうかを見るというところまでで、まずは一段落。Tier2のほうは、あくまでもモニタリングについて考えるために計算して、今回お示ししたと、そういった流れになっております。
【白石委員長】 ありがとうございます。
 ですので、先ほどの取りまとめでいいと思うんですけども、内田委員、よろしいでしょうか。
【内田専門委員】 いいとは思いますけど、ただ、Tier2の計算をするときの剤型は。
【市原係長】 そうですね。Tier2の、資料4のほうですね。資料4のほうに。
【内田専門委員】 剤型を書いておかないと。
【白石委員長】 剤型を書いておかないといけないということだと思います。なので、資料4も修正をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
【吉尾室長】 ありがとうございます。
【築地専門委員】 築地ですけれども、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 お願いします。
【築地専門委員】 パラメータの表のところ、地上防除/航空防除の別で、地上防除となっています。無人航空機による散布であれば、航空防除になるのかなと思うのですけれども、ここで、滴下を意識して地上防除のパラメータを使って計算したのかなと思ったのですが、その辺、教えていただければありがたいです。
【白石委員長】 事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局です。
 航空防除を選択する際というのは、有人の大きいヘリコプターで散布する際に航空防除を選択するものと理解しております。基本的に無人航空機、ドローンであったりラジコンヘリですかね、そういったものを使用する場合は、ここの地上防除か航空防除かについては地上防除を選択するというような方向になっていたかと思いますので、それに従って計算をしているところになります。
【白石委員長】 地上防除のパラメータを使うということですね。
【市原係長】 そうですね。無人航空機の場合は地上防除ということで計算しているということになっていたと思います。
【白石委員長】 航空防除はまた別のパラメータがあると。
【市原係長】 はい、そういうことになります。
【白石委員長】 今回は地上防除で、この計算自体はよろしいということでいいですか。
【市原係長】 計算自体、地上防除です。
【白石委員長】 資料には間違いはないということで。
【市原係長】 はい、そういうことになります。
【白石委員長】 よろしいでしょうか。
 特段、追加のご意見がなければ、総合評価をご確認ください。登録基準値を0.010mg/Lとすると。よろしいですね。
(異議なし)
【白石委員長】 では、表の修正がございます。あるいは作用機構の修正がございますが、基準値につきましては、事務局案どおりということで進めたいと思います。
 では、修正点は、後日、委員にご確認いただくということでお願いしたいと思います。
【市原係長】 承知いたしました。また後日、ご確認のメールをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 では、続きまして、事務局より、議事(1)に関する今後の予定について説明をお願いします。
【太田主査】 事務局でございます。
 本日、ご了承いただきました農薬登録基準については、今後、行政手続法の規定に基づき、パブリックコメントを30日間実施した後、結果を農薬小委員会で報告いたします。パブリックコメントにおいて、基準値等に修正を求める意見が寄せられていた場合には、委員長に、再度、農薬小委員会で審議を行うかどうかをご相談いたします。再審議の必要がない場合には、農薬小委員会への報告後、部会長の同意を得て、中央環境審議会長に部会決定として報告を行い、さらに、会長の同意を得られれば、中央環境審議会決定として環境大臣に答申いただくことになります。さらに、答申後、基準値を告示させていただきます。
 今後の予定について、ご説明は以上です。
【白石委員長】 では、そのように進めさせていただきます。
 次に、議事(2)その他に移ります。案件は3件です。
 まず、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定を不要とする農薬について(酸化亜鉛)、事務局より説明をお願いします。
【市原係長】 事務局です。
 それでは、画面に表示しております資料5をご覧ください。
 酸化亜鉛の水濁基準の設定を不要して整理することにつきましてご説明いたします。
 こちら、酸化亜鉛につきましては、殺菌剤として登録申請がされております。
 本邦では未登録でして、製剤として水和剤、適用農作物としては果樹として登録申請がされております。
 本剤は、令和4年10月19日付で厚生労働省から食品安全委員会に対して、人の健康を損なうおそれのないことが明らかなものであるとして厚生労働大臣が定める物質(対象外物質)として定めることに関して意見が求められておりまして、こちらは本年3月15日付で食品安全委員会が「想定しうる使用方法に基づいて通常使用される限りにおいては、人の健康を損なうおそれがないことが明らかであると考えられる」という評価結果を厚生労働省のほうに通知しております。
 したがいまして、酸化亜鉛に関しましては、別紙2にまとめておりますけれども、農薬小委員会の決定事項「水質汚濁に係る水の利用が原因となって人畜に被害が生じるおそれが極めて少ないと認められる農薬の取扱いについて」という取決めに基づきまして、「水質汚濁に係る水の利用が原因となって人畜に被害を生ずるおそれが極めて少ないと認められる」と考えております。
 以上のことから、酸化亜鉛は、通常使用される限りにおきましては、水濁基準の設定を行う必要がない農薬として整理したいと考えております。
 2ページ目以降は酸化亜鉛の物質概要と、あとは各種物性、それと別紙2としまして、過去の農薬小委員会での決定事項を記載しております。
 酸化亜鉛につきましては、以上となります。
【白石委員長】 では、ただいまの説明について、ご意見、ご質問はございますでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【白石委員長】 特段ご意見がないようですので、事務局案にて了承いただいたものとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 では、そのようにさせていただきます。
 それでは次の案件に移ります。
 「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について及び「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果についてになります。
 事務局より説明をお願いします。
【市原係長】 事務局です。
 資料6と資料7を用いてご説明いたします。
 本件は、令和5年3月9日に開催しました第87回農薬小委員会で審議されました生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)と水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)についてご意見を募集した結果となります。
 資料6と資料7につきましてまとめてご説明いたします。
 まずは資料6の「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集結果についてをご覧ください。
 対象農薬につきましては、こちらに記載の4成分となっております。
 意見募集期間は、本年の3月28日から4月26日となっております。
 意見の募集結果ですけれども、提出者としましては2通、ご意見の延べ数としては4件となっております。
 提出されたご意見とご意見に対する考え方は、次の別紙にまとめております。
 まず一つ目に関しましては、こちらは、チオベンカルブの評価書のうちの水域の生活環境動植物の評価に関するご意見となっております。
 ご意見の概要ですけれども、こちらについては、評価書の水域PEC等を記載しているページに関しまして、こちらに記載のとおりですけども、農薬登録情報提供システムによればというような記載をしていたんですけれども、そういった記載ではなくて、再評価の申請内容に基づいてという記載が適切ではないかというご意見。それと、あとは過去に評価に用いた試験成績のリストを記載していたんですけれども、これを不採用とした理由も記載したほうがよいのではないかといったご意見が寄せられております。
 こちらのご意見に対する考え方ですけれども、まず、水域PECの部分のところですね。農薬登録情報システムによればといった記載に関しましては、ご意見を踏まえまして、再評価に当たり提出された資料によればといった形で記載、修正したいと考えております。
 それと、初回評価時の評価書に掲載していた試験成績のうち、今回リストに示したデータに関してですけれども、同一種の試験でありまして、より毒性値が低い試験成績が存在するということから、登録基準値の設定に使用しなかったというデータでございまして、評価書に記載されているほかの試験成績とリストに記載されている試験成績から十分理解できるものと考えておりますので、リストに理由を記載する必要はないと考えているところでございます。
 No.1に関しましてはこういった形で考え方を整理しております。
 続いてですけれども、No.2のご意見となります。こちらもチオベンカルブに関するご意見でして、鳥類の予測ばく露量に関するご意見となっております。
 ご意見の概要としましては、鳥類の昆虫単一食シナリオ計算時の水田と非水田の区別に関してと、それとあとは、予測ばく露量の単位に関してのご意見となっております。
 こちらのご意見に対する考え方についてですけれども、まず、鳥類の昆虫単一食シナリオでの水田と非水田の区別に関してですけれども、まず水域の評価では、環境中予測濃度として水中の農薬濃度を算定するので、水系作物への適用がある場合であっても、水を入れる時期、入水する時期によって、水田と非水田を区別しているということになっております。
 一方で、鳥類の評価における昆虫単一食シナリオに関しましては、農薬に直接ばく露した昆虫を鳥類が捕食するということを想定しておりまして、森林区域を除く平地面積に占める水田の割合を用いて計算しているんですけれども、田面水中の濃度といったものは特段考慮しておりません。そのため、鳥類の影響評価における昆虫単一食シナリオでは、入水時期にはかかわらず、使用場所によって算定方法が決まるものと考えているということで整理をしております。
 こちら、あと、なお書きのところですけれども、予測ばく露量の単位に関しましては、今後、表記の統一を検討しますということで回答を整理しております。
 続きまして、三つ目のご意見となります。こちらも同様にチオベンカルブに関するご意見でして、こちらは野生ハナバチ類の評価に関するご意見をいただいております。
 チオベンカルブの野生ハナバチ類の評価では、こちらのご意見のところにも記載してありますけれども、環境省の評価書のほうでは、一部農水省の評価書を引用しまして、成虫の単回接触毒性が11μg/bee以上であるということ、あとは成虫の単回接触毒性以外の毒性値が超値であることから、1巡目の再評価においてはリスク評価の対象としないことと整理したというようなことを記載しております。
 いただいたご意見の内容としましては、成虫単回接触毒性試験を含めて、全ての毒性試験の毒性値が超値でないと1巡目の再評価の対象外にはならないのではないかといった内容でして、後半部分につきましては、こちらは評価書の別の箇所の記載にはなるんですけれども、同様に記載の修正を求める内容となっております。
 こちらのご意見に対する考え方ですけれども、まずは、基本的に野生ハナバチ類の評価に用いる毒性試験については、農林水産省のミツバチ影響評価部会で審議されたセイヨウミツバチの毒性試験を用いることとしております。セイヨウミツバチの評価では、成虫単回接触毒性試験以外の試験が既に実施されていて、海外の評価機関へ提出されているものもございますので、そういった場合の取扱いを決めておりまして、昆虫成長制御剤に該当しないということ、それから成虫単回接触毒性試験の毒性値が11μg/bee以上であるということ、それから成虫単回接触毒性試験以外の毒性値が確定されておらず超値となっていること、これら3点すべてを満たしている場合、再評価スキームの1巡目では対象としないことというふうな形で整理がされております。そのため、評価書の記載について誤りはないと考えてはおりますが、いただいたご意見につきましては農林水産省へ情報提供しますということで回答を整理しております。
 なお、後半部分のご意見に関しましては、単回接触毒性試験以外の毒性値が超値であることということを追記する方向で回答を整理しております。
 続いての四つ目のご意見となります。こちらの内容につきまして、かいつまんでご説明いたしますと、内容としましては、個々の成分で見ると問題ないように見えても、600種類の成分がいきなり来ると問題があるように思える。微生物に対しては悪影響は避けられず、巡り巡って人へ影響を及ぼすものと思われるといった内容のご意見が来ております。
 こちらのご意見に対する考え方になりますけれども、こちらに整理しております。農薬の登録に当たっては、人や環境等への影響について、最新の科学的知見に基づいて評価を実施して、農薬の使用量や使用方法を考慮した上で問題ないことが確認された農薬のみ、農林水産大臣が登録を認めることとされております。
 また、こちら複数農薬へのばく露に関してですけれども、複数農薬へのばく露による環境影響については、現段階では国際的にもその評価手法、または考え方が検討されている段階でして、評価手法として確立したものではないと表記しております。現時点では評価困難であると考えておりまして、今後も科学的知見の収集を行ってまいるという形で考え方を整理しております。
 資料6の生活環境動植物に係るご意見募集の結果につきましては以上となりまして、続きまして、資料7に関しましてもご説明をいたします。
 こちら対象農薬は、トリフロキシスルフロンナトリウム塩となっております。
 意見の募集期間ですけれども、こちらも先ほどと同様ですね、令和5年3月28日から4月26日までとしております。
 意見募集の結果、ご意見としては3通、延べ数としても3件のご意見が寄せられております。
 まず一つ目のご意見ですけれども、こちらも内容をかいつまんでご説明いたしますと、日本における農薬の登録基準は世界と比べても悪影響が推察される。農薬などの化学的なものを減らすことが必要といった農薬登録制度全般に関するご意見が寄せられております。
 こちらのご意見に対する考え方としましては、農薬は安定した作物生産を確保するため、病害虫や雑草の防除による有効な防除手段として現場のニーズに資するということや、既存の農薬よりも人畜や生活環境動植物への安全性が高いものとなること等を目指しまして、新たな製品の開発が続けられております。また、従来適用としていなかった作物であったり、発生する病害虫の変化、あとは薬剤抵抗性を持つ病害虫の発生等への対応も必要となっているということをご説明しています。
 それから、こちらは繰り返しにはなりますけども、農薬の登録に当たっての人や環境への影響ということもご説明する形で考え方を整理しております。
 続きまして、二つ目のご意見ですけれども、こちらも概要としましては、なぜ農薬を使用し続けるのか、あとは健康に影響があるものを使うのはやめてほしいといったような内容でして、こちらも農薬登録制度全般に関する内容のご意見となっております。
 こちら、考え方としましては、先ほどのNo.1の考え方と同様とはなりますけれども、農薬の必要性であったり、あとは、登録に当たって、人や環境に対する影響を評価して問題ないということが確認された上で登録されているといったことをご説明する形で考え方を整理しております。
 最後、三つ目のご意見となりますけれども、ご意見の内容としましては、フッ素が含まれているので、この農薬の使用は好ましくないと思われるといったご意見となっております。
 こちらのご意見に対する考え方ですけれども、こちらも先ほどと同様、農薬登録に当たっての考え方のほか、トリフロキシスルフロンナトリウム塩のADIであったり、農薬登録基準値の設定に関するご説明を記載する形で考え方を整理しております。
 意見募集結果については以上となりまして、当該基準値につきましては、今後、所要の手続を経て告示することとしまして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、同日付で電子政府の窓口で公開することとしております。
 以上となります。
【白石委員長】 では、ただいまの説明についてご意見、ご質問などをお受けします。最初に、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)に対する意見募集の結果について、ご意見、ご質問はございませんでしょうか。いかがでしょうか。
 よろしいですか。No.1、若干修正をするということですけど。
(なし)
【白石委員長】 はい。2番目はいかがですか。鳥類の昆虫食シナリオですけども。いかがでしょうか。
 若干わかりにくいかなと思うような気もするんだけど、大丈夫ですか。生活環境動植物の評価ではって書いてありますけど、「水域は」から始まっていますが、これでよろしいですね。水田と非水田を区別しているのは、水域だけですか。鳥類は区別していないんでしたっけ。
【市原係長】 事務局です。
 田面水シナリオのときには区別はすると思うんですけれども。
【白石委員長】 そうですけどね、田面水シナリオだけですね。
【市原係長】 こちらは昆虫食シナリオですので、そうですね。
【白石委員長】 何か回りくどい説明のような気もしますが、よろしいですかね。わかりますか。田面水中の濃度は考慮していませんというのは、でもこれ、田面水シナリオは考慮しているんですよね。
【市原係長】 事務局です。
 昆虫単一食シナリオに関して、こちらは記載している。
【白石委員長】 ですよね。ここはわざわざ田面水中の濃度って書く必要はあるのかなと思うんですけど。
【市原係長】 承知いたしました。では、こちらは、ちょっとそうですね、記載を確認して。
【白石委員長】 計算しています、でいいんじゃないですかね。
【市原係長】 わかりました。ちょっとこちらは修正する形にしたいと思います。
【白石委員長】 入水時期にかかわらず、使用場所によって、これは田面水もほかの、田面というか、田も畑も同じシナリオですよね。
【市原係長】 そうですね、昆虫単一食シナリオでは、少々お待ちください。一応、水田と非水田という形で区別はしているんですけれども、こちらに記載のとおりの面積の割合を用いて計算しているだけでして、水の濃度は考えていないというような形になります。
【白石委員長】 変わらないんだと「入水時期にかかわらず」も要らないんですかね。
【市原係長】 そうですね、ご意見としましては、水域のほうではこの非水田で扱われているけども、鳥類の昆虫単一食シナリオは水田で記載されているのはなぜかといったような内容でしたので、一応そこは比較するような形で記載をしているところになります。
【白石委員長】 水田と非水田で、昆虫のパラメータが、その根拠が面積なんですか。
【市原係長】 そうですね、基本的には面積の割合等を用いてはいるんですけれども、その水の濃度が関係ありませんので、要は水域のほうでは入水しているかどうかで水田、非水田を区別してはいるんですけれども、鳥類のほうではそれは関係なく、水田の作物として使われるのか、非水田の作物に対して使われるのかというような考え方になっているのかなと思っております。
【白石委員長】 そういう意味では入水時期にかかわらずという。
【市原係長】 そうですね、ちょっと、あったほうがいい。
【白石委員長】 あってもいいのかもしれないし。
【市原係長】 ちょっと理解が難しい場合は、書き方の変更は検討します。
【白石委員長】 もっと単純に書けそうな気がしますので、少し検討していただくといいかなと思います。
 3番目はいかがでしょうか。今度は野生ハナバチの評価ですけど。ここも若干、評価書を修正するという結論になっておりますが、よろしいでしょうか。
 よろしいですか。ここはなかなか難しい。
 評価書の書いてあることは間違いがなかったということと、補足的に、何でしょうかね。単回接触毒性試験以外の毒性値が超値であることということを追記しますということですが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 はい、特段ご意見はないようですので、4番目はいかがですか。
 複数農薬のばく露についてはいかがですか。これ、以前の表記とどこが変わったんでしたっけ。
【市原係長】 はい、事務局です。
 すみません、説明が漏れてはいたんですけれども、こちら、以前は複数農薬のばく露による影響という形にしていたんですけれども、こちらだと環境影響についてはという形で修正をさせていただいております。というのも、海外のほうの評価のほうを見てみますと、正式なものではないとは思うんですけれども、人への評価のほうも確認したところ、若干進んでいるような状況もありましたので、念のためこちらは環境影響という形で整理をしているところになります。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。環境を追加したということですね。
【内田専門委員】 ちょっといいですかね、内田ですけど。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【内田専門委員】 この質問のほうですけど、ちょっとよくわからなかった。600種類の成分がドバっと来たら、何か問題がありますよというようなことで考えておられるんですね、この回答だと、何か問題があるから手法とかを検討されている段階であるみたいなことになってしまわないかなと思う。600種類が一度に一緒に来るということはないですよね、それぞれ同じ分野で複数剤あったりするんですから。だから、現状、環境影響についても複数農薬で特段の大きな問題があるのかどうかということは書いてもいいのではないかなと思うんです。実際問題ないというか、特段の大きな問題はないというニュアンスを付け加えられないかなと思ったんですけど、いかがなんでしょうかね。
【白石委員長】 はい、事務局、お願いします。
【笹原室長補佐】 事務局でございます。笹原です。
 内田委員のご指摘のとおり、600物質が1か所にドバっと来るということは確かにないということでありますけれども、一つの河川で見てみれば、何種類かのものが来るというところは現実問題としてあるかなと思います。そういった評価方法についてはこちらに記載しましたとおり、現時点では評価手法や考え方が検討されていて、確立したものはないということですので、こういった書きぶりが適切ではないかと考えております。
 以上です。
【白石委員長】 はい、ありがとうございます。内田委員、よろしいでしょうか。事実としては複数農薬へのばく露というものは存在している、影響はどうかわからないという。
【内田専門委員】 複数はわかるんですけどね、質問者は600と書いているから。
【白石委員長】 そうですね、ドバって何ですかね。
 これ以上くどく書いてもしょうがないことかなと思いますが、この回答でよろしいでしょうか。
【内田専門委員】 はい、結構です。
【白石委員長】 では、そのようにさせていただきます。
 その他、ございますか、生活環境に関するパブコメの質問、ご回答について。
【築地専門委員】 築地ですけれども、よろしいでしょうか。
【白石委員長】 お願いします。
【築地専門委員】 2番目の質問に対する回答で、質問なのですが、最後に予測ばく露量の単位については表記の統一を検討しますということですが、具体的にはどういうように検討されていくのでしょうか。
【白石委員長】 はい、事務局、お願いします。
【市原係長】 事務局でございます。
 こちら、現状、ガイドラインでは、こちらのご意見にあるように単位として、mg/day・kg体重といったような単位で整理されてはいるんですけれども、これはおっしゃるとおりかなと思うんですけど、ADIとかの評価で用いられている単位としては同じ単位を示すんですけれども、mg/kg体重/dayが用いられているといったようなものとなっておりますので、こちらは恐らく混乱が生じるということですので、今後はこちらのmg/kg体重/dayに統一をしたいと考えておりまして、今後開かれる鳥類検討会などでこちらの単位に統一して評価書等の審議を行っていきたいというふうに考えております。
 以上です。
【築地専門委員】 わかりました。ありがとうございました。
【白石委員長】 ほか、よろしいでしょうか。
 それでは、2番だけ少し考えていただくということでよろしいですかね。
【市原係長】 はい、承知いたしました。
【白石委員長】 それでは、もう一方の資料7のほうで、ご質問、ご意見をお願いします。水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)に対する意見募集の結果でございます。
 これ、今日、改訂版が配られていると、反映されたものだと思いますが、1段落目ですかね、回答の。大変よくなったと思いますが、よろしいでしょうか。
【内田専門委員】 一つ目ですけど。
【白石委員長】 はい、どうぞ。
【内田専門委員】 この意見の中ほどに、例えば情報開示が十分でないとか指摘されていますが、これら、情報開示されていますよね。
【白石委員長】 うん。
【内田専門委員】 そういうのはここに書いておいたら駄目なんですかね、回答として。
【白石委員長】 そうですね、あってもいいような気がしますけど。相当開示されているような気もしますが。
【内田専門委員】 私もそう思うので。
【二階堂室長補佐】 事務局でございます。
 そうですね、情報開示が十分でないということに対しては、こういった意見募集なども行っておりますし、基準値決定した後にホームページなどに評価書なども掲載しておりますので、その辺りは簡潔な形で付け加えたいと思います。
【白石委員長】 そうですね、農水省のシステムとかFAMICのデータとか。
【内田専門委員】 抄録とか評価書とか載っていますよね。
【白石委員長】 相当開示されていると思いますので。よろしくお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。
 2番目、よろしいですか。これも修正いただいたので、とてもよくなったと思いますが。
【内田専門委員】 この2番目のご意見の趣旨が、なかなかちょっと私自身も理解できなかったんですけど、これ、分解性とか、そういう環境中の挙動とか、そういうことを言っておられるんですかね。そうだったらそういう内容も含めた回答を少し強めにしておいたほうがいいような気がするんですけど。
【市原係長】 事務局です。
 こちらの趣旨というのはちょっとつかみづらいところはあるんですけれども、事務局としましては、先ほども説明はさせていただいたんですけれども、なぜ農薬を使用し続けるのかというところと、あとは健康に影響があるものを使うのはやめてほしいといったような趣旨かなと捉えさせていただきましたので、それに対する回答という形で整理をさせていただいたところでございます。
【内田専門委員】 そういうふうに捉えたらこの回答でいいかもしれないですけど、何かちょっと最初に電気分解すれば浄水できますとか、何かそういう書きぶりだったので、そっちのほうに視点があるのかなと私自身は読んだんですけど。
【白石委員長】 はい、事務局の判断でよろしいでしょうかね。
【内田専門委員】 はい、それだったらそれで結構ですよ。
【白石委員長】 確かに難しいんですが。初めの2行がよくわからないですね。事務局は適切にご回答なさったということでよろしいと思います。
【内田専門委員】 はい、よろしくお願いします。
【白石委員長】 3番目はいかがですか。こちらも回答が難しいと思うんですけど。フッ素が悪者になっているんですけども。
 よろしいですか。特にフッ素にはこだわらず、一般的な回答ということで。
(なし)
【白石委員長】 はい、特段ご意見がなければ事務局案どおりとさせていただきます。
 それでは、資料7に関しましては、情報開示のところですね、について少し追加の回答を用意していただくということでよろしいでしょうか。
【市原係長】 はい、事務局です。
 承知いたしました。追加した案を作成して、また後日ご確認いただきたいと思います。ありがとうございました。
【白石委員長】 はい。ほかによろしいですか。全体を通じて何かコメント等がございましたらお願いします。
(なし)
【白石委員長】 それでは、パブリックコメントについては以上とさせていただきます。
 これで本日の審議が一通り終了となりますが、全体を通じて何かご意見、ご質問はございますでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 はい、特にご意見等がなければ、進行を事務局にお返しします。
【吉尾室長】 白石委員長、ありがとうございました。委員の皆様方には、ご審議ありがとうございました。何点か事務局のほうでまた修正をしまして、ご確認させていただくこととなりましたので、お時間をいただきますけれども、よろしくお願いいたします。
 次回の農薬小委員会は令和5年9月27日、水曜日を予定しております。近くになりましたらご案内を差し上げますので、ご出席をお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして第88回中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。