中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第96回)議事録

開催日時

令和7年7月8日(火)13:30~17:30

開催場所

WEB会議システムにより開催

出席者

委員長   山本 裕史
委員    浅見 真理

臨時委員  石塚 真由美
      五箇 公一
      鈴木 春美

専門委員  天野 昭子
      後藤 千枝
      白岩 豊
      須戸 幹
      成田 伊都美
      
(敬称略、五十音順)

委員以外の出席者

環境省
浮穴室長、松浦室長補佐、嶋川係長、渡部係長、小林専門員、伊藤専門員
オブザーバー
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)
国立研究開発法人国立環境研究所

議題

(1)生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定について
  ・シクロピラニル
  ・フルペンチオフェノックス
  ・イミダクロプリド ※再評価対象
  ・プロスルホカルブ ※再評価対象
(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定について
  ・イソシクロセラム
  ・ベンジルアデニン又はベンジルアミノプリン
  ・カルボスルファン
  ・ベンフラカルブ
(3)その他
  ・「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」及び「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
  ・生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準値の設定に用いる公表文献の取扱いについて

資料一覧

資料1  中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿 
資料2  諮問書(写)及び付議書(写)
資料3  生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料(案) 
資料4  水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案と水域PECとの関係及び基準値設定後の対応について 
資料5  水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料(案)
資料6  水濁基準値案と水濁PECの関係及び基準値設定後の対応について
資料7  「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について
資料8  「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について 
資料9  生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準値の設定に用いる公表文献の取扱いについて 
参考資料1農薬蜜蜂影響評価書案 シクロピラニル(農林水産省資料パブリックコメント版) 
参考資料2農薬蜜蜂影響評価書案 フルペンチオフェノックス(農林水産省資料パブリックコメント版)
参考資料3農薬蜜蜂影響評価書案 イミダクロプリド(農林水産省資料パブリックコメント版)
参考資料4農薬蜜蜂影響評価書案 プロスルホカルブ(農林水産省資料パブリックコメント版)
参考資料5野生ハナバチ類に係る公表文献収集結果について(イミダクロプリド)
参考資料6野生ハナバチ類に係る公表文献収集結果について(プロスルホカルブ)
参考資料7農薬評価書 イソシクロセラム(食品安全委員会資料)
参考資料8農薬評価書 ベンジルアデニン(食品安全委員会資料)
参考資料9農薬評価書 カルボスルファン(食品安全委員会資料)
参考資料10農薬評価書 ベンフラカルブ(食品安全委員会資料)
参考資料11農薬評価書 カルボフラン(食品安全委員会資料)
 

議事録

【浮穴室長】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第96回)を開催いたします。
 私は、4月1日付けで吉尾の後任で参りました農薬環境管理室長の浮穴と申します。本日が初めての農薬小委員会となりますけども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 初めに、本日の会議と資料の公開の扱いについてご説明いたします。
 本日の農薬小委員会はWEB開催ですので、YouTubeにおいて会議音声のライブ配信を行っております。
 また、資料については、ホームページに公開しております。
 続きまして、本日の委員の出席状況をご報告いたします。本日は10名の委員がご出席されており、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
 それから、鈴木委員でございますけども、15時までで退席されるというふうにご都合を伺っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 また、農薬小委員会審議参加規程に基づいて、皆様に利益相反について事前に確認させていただきました。本日審議する農薬について、利益相反のおそれのある委員はいらっしゃいませんでしたので、ご報告いたします。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
 事務局、松浦よりお願いいたします。
【松浦室長補佐】 それでは、資料のご確認をお願いします。配付資料は、資料1から9、参考資料1から11となっております。資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
 なお、資料は説明の際に画面に表示いたしますが、必要に応じて、お手元にご準備をお願いいたします。
【浮穴室長】 それでは、議事に入らせていただきます。
 なお、議事の進行中、委員長及び発言者以外はマイクをミュート、カメラをオフに設定くださいますようお願いいたします。委員の皆様のご発言時はミュートを解除し、初めにお名前を名のっていただいた上でご発言ください。また、カメラにつきましては、ご発言時にはカメラをオンにしていただきますようお願いいたします。
 WEB会議システム上の不具合がありましたら、お電話やチャット機能で事務局までお知らせください。
 それでは、以降の進行につきましては、委員長の山本先生にお願いいたします。
【山本委員長】 皆さん、こんにちは。山本です。
 今日、非常に暑いですけれども、皆さん熱中症にはくれぐれも気をつけていただいて、水分等を補給しながらご対応いただければと思います。今日は結構たくさん審議事項がありますので、迅速に進めていければと思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、議事の(1)から進めたいと思います。議事の(1)生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定についての審議に入ります。
 それでは、初めに事務局のほうから諮問書を説明してください。
【松浦室長補佐】 そうしましたら、資料2をご覧ください。資料2につきまして、松浦よりご説明させていただきたいと思います。
 こちら、令和7年6月27日付けで、環境大臣から中央環境審議会へされた農薬取締法第4条第3項の規定に基づき環境大臣が定める基準の設定等についての諮問でございます。
 別紙1のほうに、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定についてご審議をいただきますイミダクロプリド、シクロピラニル、フルペンチオフェノックス、プロスルホカルブが記載されております。
 続きまして、別紙2のほうには、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定についてご審議をいただきますイソシクロセラム、カルボスルファン、ベンジルアデニン又はベンジルアミノプリン、ベンフラカルブが記載されております。
 こちらの諮問につきましては、令和7年6月30日付けで、中央環境審議会から水環境・土壌農薬部会への付議がなされております。
 資料2のご説明は以上となります。
【山本委員長】 ご説明ありがとうございます。
 それでは、各基準の審議に入りたいと思います。
 最初に、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定について、1剤目ですが、シクロピラニルについて、資料3と4に基づいて、事務局のほうからご説明をよろしくお願いいたします。
【小林専門員】 では、シクロピラニルにつきまして、小林から説明いたします。
 資料は共有できておりますでしょうか。
【山本委員長】 はい、大丈夫です。よろしくお願いします。
【小林専門員】 はい。資料3-1をご覧ください。生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料でございます。農薬名はシクロピラニルでございます。
 ご説明の順番ですが、農薬評価対象の概要、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価、陸域の生活環境動植物のうち鳥類の被害防止に係る評価、次いで野生ハナバチ類の被害防止に係る評価の順にご説明させていただきます。
 まず、作用機構ですが、こちらの剤はピラゾリルピラゾール骨格を有する除草剤であり、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)活性阻害作用により除草効果を発現するものと考えられております。製剤は粒剤及び水和剤があり、適用農作物等は稲として登録申請されております。
 各種物性につきましては、お示しのとおりです。
 続いて、Ⅱの毒性評価及びばく露評価に係る説明に移ります。毒性のデータ等については、評価対象ごとに別紙1から3にまとめております。
 まず、私の方から、水域の生活環境動植物に係る毒性評価についてご説明いたします。
 本剤の水域の生活環境動植物に係る評価につきましては、令和6年7月に開催されました水域の生活環境動植物登録基準設定検討会にてご審議、ご了承いただいたものでございます。
 続きまして、別紙1をご覧ください。
 まず、コイの試験が溶解限度を最高値とする半止水式の96時間限度試験で実施されており、最高濃度区でも死亡は確認されておりません。LC50は2,000 μg/L超となります。
 次に、オオミジンコ試験が溶解限度を最高値とする48時間止水式限度試験で実施されており、最高濃度区でも遊泳阻害は確認されておりません。EC50は2,000 μg/L超となります。
 続きまして、ムレミカヅキモ試験が5濃度区とする72時間振とう培養試験で実施され、実測濃度と生長阻害率はご覧のとおりです。ErC50は0.910 μg/Lとなっております。
 次に、トゲイカダモ試験が5濃度区とする72時間振とう培養試験で実施されており、実測濃度と生長阻害率はご覧のとおりです。ErC50は0.572 μg/Lとなります。
 続きまして、フナガタケイソウ試験が5濃度区とする72時間振とう培養試験で実施され、実測濃度と生長阻害率はご覧のとおりです。ErC50は4.84 μg/Lとなっております。
 次に、シネココッカス試験が溶解限度を最高値とする72時間振とう培養試験で実施され、最高濃度区においても明確な生長阻害は認められておりません。ErC50は、実測濃度に基づき1,360 μg/Lとなっております。
 水域検討会では、トゲイカダモ、フナガタケイソウ及びシネココッカス試験において、従来は、初期値を基準にクロロフィル蛍光値を細胞数に換算した生物量を評価書にご提示しておりましたが、OECDテストガイドラインでも認めているクロロフィル蛍光値を記載することに問題ないということで、お認めいただいております。
 最後に、コウキクサ試験が5濃度区とする7日間の半止水式試験が実施され、実測濃度、生長阻害率はご覧のとおりです。ErC50は、葉状体面積から2.23 μg/Lとなっております。
 続いて、1-5ページをご覧ください。水域の生活環境動植物の被害防止に係る登録基準値につきましてご説明いたします。
 各種生物種のLC50、EC50はご覧のとおりです。
 魚類及び甲殻類は2種で試験が行われているので、最小値を不確実係数10で除しております。
 藻類等は、農薬に関係なくムレミカヅキモ試験が必須であり、本剤は除草剤なので、コウキクサ試験も必須となっております。その他に3種の試験が提出されており、計5種となることにより、不確実係数が1となり、AECaは最小値[ⅱ]の0.572 μg/Lを1で除した0.572 μg/Lとなります。
 以上より、基準値はAECaより0.57 μg/Lとご提案させていただきます。
 続きまして、1-6にて、水域環境中予測濃度(水域PEC)のご説明をさせていただきます。
 適用農作物等につきましては、冒頭で述べたとおり稲となっており、水田適用時における第1段階のPECをご覧の各種パラメータを用いて算出したところ、1.5 μg/Lとなりました。しかし、Tier1では基準値0.57 μg/Lを超えているので、ご覧のパラメータを用いて水田PECTier2を算出したところ、0.026 μg/Lとなりました。
 別紙1の説明は以上でして、続いて本資料の5ページ、総合評価に移ります。
 生活環境動植物に係るリスク評価につきましては、先ほど申し上げたとおり、PECの最高値は水田PECTier2が0.026 μg/Lであり、いずれのPECも登録基準値案0.57 μg/Lを超えていないことを確認しております。
 最後に、資料4をご覧ください。
 水域PECは基準値案の10分の1以下となることが確認できたので、農薬残留総合対策調査等における水質モニタリング調査の対象としないことといたします。
 水域の生活環境動植物に関する説明は以上となります。
【伊藤専門員】 そうしましたら、続きまして、鳥類に関しては私からご説明いたします。
 資料の共有を行います。
 資料3-1、シクロピラニルのほうに戻りました。
 シクロピラニルの鳥類への影響に関しましては、令和6年5月の鳥類検討会、ここで審議がされております。
 評価結果につきましては、別紙2にまとめておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 すみません、別紙2のほうに飛びました。
 シクロピラニルの鳥類毒性試験としましては、コリンウズラを用いました限度試験、これが提出されております。
 被験物質としましては原体、供試鳥は各群5羽、雌雄も記載の内容で用いております。
 設定用量に関しましては、こちらに記載のとおりでして、最高用量2,000mg/kg体重、これでも死亡は1羽も見られておりません。このため、LD50値としましては超値となりますが、>2,000mg/kg体重。体重補正後のLD50値としましては、>1,420mg/kg体重となっております。
 本試験ですけれども、テストガイドラインからの逸脱に関しましては、大きな逸脱はなく、鳥類検討会で了承されております。
 続きまして、登録基準値ですけれども、鳥類試験としましては、これ1種でございますので、1,420mg/kg体重を不確実係数10で除しまして、有効数字2桁、140mg/kg体重となっております。
 続きまして、予測ばく露量ですけれども、本剤は粒剤及び水和剤が、それから、適用農作物としては稲があるということになっております。
 まず、それぞれのばく露シナリオですけれども、水稲単一食シナリオ、これにつきましては、稲の適用はあるものの、出穂期の適用はございません。このため、可食部への残留が想定されないため、対象外としております。
 次に、果実単一食シナリオについては、果樹の適用がないため対象外。
 それから、種子単一食シナリオも、こちらも適用がございませんので、対象外ということで整理をしております。
 続いて、昆虫の単一食シナリオ、これになりますが、本剤は水田適用があるものの、使用方法が原液の湛水散布、あるいは無人航空機での滴下となっておりまして、昆虫が直接ばく露するおそれが低いということで、検討会で議論があったことから、今回はシナリオに含めておりません。
 それから、田面水シナリオですけど、これは水田適用ありということで、こちらに関して計算しておりまして、予測ばく露量としましては、0.0027mg/kg体重/日となっております。
 こちら、3.のところにシナリオごとの予測ばく露量をまとめております。
 総合評価に戻ります。
 こちらは記載のとおりでありますけれども、本剤で該当するばく露シナリオ、田面水、これにおいて、登録基準値を超えていないということを確認しております。
 シクロピラニルの鳥類に関する説明については以上となります。
【浮穴室長】 続いて、野生ハナバチ類の評価について説明させていただきます。
 農薬の野生ハナバチ類に対する影響評価につきましては、令和2年6月の中央環境審議会生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について、第二次答申に基づきまして、試験方法が公的なテストガイドラインとして確立されており、採餌量等のデータが充実しているセイヨウミツバチのデータを用いて評価を実施することとなってございます。
 そして、セイヨウミツバチの毒性指標値につきましては、農林水産省の農業資材審議会農薬分科会農薬蜜蜂影響評価部会において、申請者から提出された毒性試験データ及び公表文献データについて、OECDガイドラインからの逸脱の有無など、信頼性が検討された上で、設定されているところでございます。
 本資料では、農林水産省の審議会で採用された毒性データを掲載しているものでございます。
 まず、成虫の単回接触毒性試験でございますけども、表3-1に示しますように、100μg/beeの超値、そして成虫の単回経口毒性試験でございますが、100μg/bee以上の超値となってございます。
 続きまして、幼虫の経口毒性試験でございますが、110μg/bee以上の超値となってございます。
 花粉残留試験、そして野生ハナバチ蜂群単位の影響試験については、データは書いてございません。
 これらの毒性試験のデータから、野生ハナバチ類の被害防止に係る登録基準値を以下のとおり算出してございます。
 成虫単回接触毒性については、不確実係数10で除した後、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値4μg/bee。
 成虫の単回経口毒性につきましても、同様に不確実係数10で除し、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値4μg/bee。
 幼虫経口毒性につきましても、同様の考え方で、基準値4.4μg/beeと算出してございます。
 続きまして、野生ハナバチ類の予測ばく露量でございます。
 農林水産省の農薬蜜蜂影響評価部会において、ミツバチばく露に関するリスク管理措置や農薬の適用ごとの花粉・花蜜の農薬残留量、セイヨウミツバチの予測ばく露量が既に検討されてございます。野生ハナバチ類については、第1段階の評価として、それらのデータを用いて野生ハナバチ類の予測ばく露量を計算しております。
 本農薬につきましては、製剤として粒剤、水和剤があり、適用作物は稲として登録申請がされております。
 茎葉散布シナリオは該当なしということで、土壌処理シナリオでございますが、表3-4のパラメータを用いて、適用ごとのセイヨウミツバチの予測ばく露量を表の3-5の二つの表に示してございます。
 最もばく露量が大きくなる1及び2の適用から、対象農薬の使用割合10%を乗じまして、成虫の経口ばく露量、幼虫の経口のばく露をそれぞれ表3-6に設定、算出してございます。
 総合評価に戻ります。
 ばく露量ごとに比較した結果、いずれも野生ハナバチ類予測ばく露量が登録基準値を超えていないということを確認してございます。
 以上で説明を終わります。ご審議をお願いいたします。
【山本委員長】 ご説明ありがとうございます。
 それでは、シクロピラニルについての審議を始めたいと思います。
 最初に評価対象農薬の概要、作用機構、それから物性部分、この辺りについて、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 ピラゾリルピラゾール骨格を持つ除草剤ということで、先ほどご説明がありましたが、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ活性阻害作用を持つと。除草効果を有する物質になります。
 水溶解度がちょっと若干低めでということなんだとは思いますが、1.4×103μg/Lということになっていますが、logP3.2ですね、そこそこ疎水性が高いような物質になると思いますが、よろしいでしょうか。pKaは求められなかったということになっています。
 それでは、次に行きたいと思いますが、水域の部分ですね。水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価の部分について、ご質問、ご意見ございますでしょうか。特にございませんか。
 これは事務局からもご説明がありましたけれども、ちょっと水溶解度、先ほどの1,400μg/Lということで、設定濃度2,000での限度試験のような形になっているんですが、実質的には、これは溶解限度での試験が実際されているので大丈夫だということですが、テストガイドライン的には、ちょっとこれは微妙なところでして、本来は、100mg/Lであれば、こういった試験の仕方は構わないんですが、そうではないので、水溶解度の2倍弱の濃度で実施されているので、本来は新しいとは言えないんですが、リスク評価的には、これで影響が出ていないということは示されておりますので、農薬の基準値の設定においては、超値を利用するということもありますので、水域の検討会の中で、私、そちらで座長をさせていただいていますが、少し議論して、専門家の方々にも見ていただいて、評価上は問題ないだろうということになったと思います。よろしいでしょうか。
 ほか、除草剤ということで、一番キーデータになっておりますのが藻類でして、これはトゲイカダモが一番効いているんですかね。ということになっていますが、よろしいでしょうか。
 先ほど一部、これもご説明がありましたけれども、試験の測定部分、生物量の測定の部分を通常は細胞数を直接測定しますが、クロロフィル量を使って、これは生物バイオマスに相当するようなものだと思いますけれども、これが測られているので、その相対値をそのまま使うのはどうかというようなことも議論しましたが、問題ないだろうということで、今回、こういった形で出させていただいておりますが、よろしいでしょうか。
 結果として、水域の登録基準値は0.57ということになっています。これはトゲイカダモの値ですかね、ErC50、0.572から0.57という値になっていますがよろしいでしょうか。
 また、PECですがTier1は1.5ということで、少し近接しているということで、より精緻化を図った第2段階のPECが求められておりまして、こちらは0.026ということで、こちらの値は十分先ほどの登録基準値0.57を大きく下回っているということで、モニタリング等の対象とはならないというようなご説明でした。この辺りもよろしいでしょうか。よろしいですか。特にご質問、コメント等ございませんか。
 それでは、鳥類のほうに移りたいと思いますが、鳥類は、これについてはコリンウズラのデータのみが出てきているということで、2,000mg/kg体重という結果で、これについても影響が出ていませんでして、補正を行って1,420ということになっておりますが、よろしいでしょうか。
 また、これはばく露のほうですが、予測ばく露については、田面水シナリオを利用して0.0027ということで、これもかなり離れていると。近接はしておりませんので、登録基準のほうも特に大きな問題はないんじゃないかというようなご説明だったかと思いますが、こちらもよろしいですか。
 それでは、次は野生ハナバチのほうに移りますけれども、野生ハナバチについては、幾つかこれについては試験が実施されておりまして、セイヨウミツバチの成虫単回接触毒性とか、単回経口毒性試験、幼虫の経口毒性試験なども実施されておりまして、その結果として、それぞれ基準値が設定されています。これについて、予想ばく露量について合わせて検討をしていただきまして、その結果として、基準値は4.4μg/beeということになっています。
 それに対して、ばく露のほうは、こちらは(C-2)のところからについて、これは予測ばく露量についても計算されておりますけれども、今見せていただいているところですね、予測ばく露量については、先ほどの基準値に比べて桁数もかなり大きく、離れているということで、大きな問題ないだろうというようなご説明だったかなと思います。こちらもよろしいでしょうか。よろしいですか。特にご質問、コメント等ございませんかね。
 それでは、評価書全体を通じて、何かシクロピラニルについて、ご質問、コメント等ございますか。よろしいですか、皆さん。
(なし)
【山本委員長】 特にご質問、コメント等ございませんので、こちらについては、基準値案についてはお認めいただいたということにさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 事務局案においてご了承させていただいたということにして、次に移りたいと思います。
 それでは、フルペンチオフェノックスが次の剤になりますので、これに基づきまして、資料3-2に基づいて事務局のほうからご説明をよろしくお願いいたします。
【小林専門員】 資料は共有できているでしょうか。
【山本委員長】 はい、大丈夫です。見えています。
【小林専門員】 はい。資料3-2をご覧ください。
 農薬名は、フルペンチオフェノックでございます。
 こちらも評価対象農薬の概要、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価、陸域の生活環境動植物のうち鳥類の被害防止に係る評価、続いて野生ハナバチ類の被害防止に係る評価の順にご説明させていただきます。
 まず、1ページ目をご覧ください。作用機構ですが、こちらの剤は新規殺虫剤であり、その作用機構はエネルギー代謝のβ酸化を含む脂肪酸代謝経路を阻害するものというものであります。製剤は水和剤があり、適用農作物等は果樹、野菜、花きとして登録申請されております。
 各種物性については、ご覧のとおりです。
 水域の生活環境動植物に係る試験において、水溶解度である246μg/Lに言及いたしますので、ご留意ください。
 続いて、Ⅱの毒性評価及びばく露評価に係る説明に移ります。
 まず、水域の生活動植物に係る毒性評価につきましては、令和5年10月に開催されました水域の生活環境動植物登録基準設定検討会にてご審議、ご了承いただいたものでございます。
 続いて、別紙1、1-1ページをご覧ください。
 本剤については、いずれの試験も限度試験で実施されています。まず、コイ試験が20 μg/Lを設定濃度とする限度試験として96時間半止水式で実施され、最高濃度区でも死亡は確認されておりません。LC50は20 μg/L超となります。
 次に、オオミジンコ試験が10 μg/Lを設定濃度とする限度試験として48時間半止水式で実施され、最高濃度区でも遊泳阻害は認められておりません。EC50は10 μg/L超と超となっております。
 続いて、ユスリカの試験が20 μg/Lを設定濃度とする限度試験として48時間半止水式で実施され、最高濃度区でも遊泳阻害が認められておりません。EC50は20 μg/L超となっております。
 最後になりますが、ムレミカヅキモ試験が10 μg/Lを設定濃度とする限度試験として72時間振とう培養試験が実施されており、最高濃度区でも50%以上の生長阻害率が認められておりません。ErC50は実測濃度に基づき6.3 μg/L超となっております。
 水域検討会では、いずれの試験についても評価に使用することは許容できるということでお認めいただきましたが、水の溶解度である246 μg/Lよりもかなり低い濃度を限度試験の濃度設定としている点について議論がなされました。具体的には、予備試験において、水溶解度よりも低い濃度において回収率が8割を下回ったということで、本試験では回収率を考慮し、回収率が高い濃度において限度試験の濃度設定がなされております。本来は、各OECDテストガイドラインの記載の限度試験の要件に基づき、試験用水における溶解限度で試験がなされるべきであったとのご指摘等がありました。
 続いて、1-5ページをご覧ください。水域の生活環境動植物の被害防止に係る登録基準につきましてご説明いたします。
 各生物種のLC50、ErC50は、ご覧のとおりとなります。
 魚類は1種、甲殻類等は2種、藻類等は1種で試験が行われるので、各毒性値の最小値を不確実係数10で除し、最小であるAECaより、基準値案を0.63 μg/Lとご提案をさせていただきます。
 続きまして、1-6ページにて水域環境中予測濃度(水域PEC)についてご説明させていただきます。
 適用農作物等につきましては、冒頭で述べたとおり果樹等となっており、水田適用農作物等はないので、非水田使用時における第1段階のPECを算出したところ、かんきつ等での使用方法で最大となり、ご覧のパラメータからPECTier1を算出したところ、0.0088 μg/Lとなりました。
 別紙1の説明は以上でして、続きまして、本資料5ページの総合評価に戻ります。
 水域の生活環境動植物に関するリスク評価につきましては、先ほど申し上げましたとおり、PECの最高値は非水田PECTier1の0.0088 μg/Lであり、いずれのPECも登録基準値0.63 μg/Lを超えていないことを確認しております。
 最後に、資料4をご覧ください。
 水域PECは、基準値案の10分の1以下となることが確認できたので、農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の農薬対象とはしないことといたします。
 水域の生活環境動植物に係る説明は以上となります。
【伊藤専門員】 そうしましたら、鳥類に関しましては、私からご説明いたします。
 資料3-2に戻ります。
 フルペンチオフェノックスの鳥類ですけれど、鳥類の影響に関しましては、令和5年11月の鳥類検討会で審議がされております。
 評価結果につきましては、別紙2にまとめておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 資料の別紙2に飛びます。別紙2です。
 鳥類毒性試験としましては、コリンウズラを用いた急性毒性試験が提出されております。
 被験物質としましては原体、供試鳥は各群10羽、雌雄は各5羽で用いております。
 設定用量に関しましては、こちらの記載のとおりです。最高用量区及び次の濃度区、この二つにおいて全羽死亡となっております。LD50値としましては、114mg/kg体重、体重補正後のLD50値としましては、82.1mg/kg体重となっております。
 本試験ですけれども、こちらもテストガイドラインからの逸脱に関しましては、大きな逸脱はなく、鳥類検討会で了承されております。
 続きまして、登録基準値ですけれども、鳥類試験としましては、これ1種でございますので、そのまま82.1mg/kg体重を不確実係数10で除しまして、8.2mg/kg体重となっております。
 続きまして、予測ばく露量になりますけれど、本剤は水和剤が、それから適用農作物としましては果樹、野菜及び花きが申請中ということになっております。
 まず、それぞれのばく露シナリオですけれども、水稲単一食シナリオにつきましては、適用がないため対象外。
 それから、果実単一食シナリオにつきましては果樹、具体的にはかんきつへの適用があるため、算出を行い、記載のとおりの結果となっております。
 それから、種子単一食シナリオ、これも適用がございません。対象外です。
 それから、昆虫単一食シナリオになりますけれど、非水田シナリオが該当して、また、こちらもかんきつが最大となり、算出結果は記載のとおりとなっております。
 田面水シナリオについては、対象外となります。
 こちら、3.のところにシナリオごとの予測ばく露量をまとめております。
 総合評価に戻ります。こちら記載のとおりでありますけれど、いずれのばく露シナリオにおいても、登録基準値を超えていないというところを確認しております。
 フルペンチオフェノックスの鳥類に関する説明については以上となります。
【浮穴室長】 続きまして、野生ハナバチ類の評価についてご説明させていただきます。
 フルペンチオフェノックスは、新規殺虫剤ということでございまして、野生ハナバチ類の毒性試験データについては、こちら表3-1から表3-3に掲載してございます。
 農業資材審議会農薬分科会農薬蜜蜂影響評価部会において、計2回議論されてございます。
 セイヨウミツバチの毒性試験につきましては、成虫の単回毒性試験について、100μg/beeの超値、そして成虫の単回経口毒性試験につきまして、500μg/beeの超値、幼虫の単回経口毒性試験につきまして、21μg/beeという試験結果が得られております。
 これらはOECDガイドラインに準拠して行っており、逸脱は認められていないと評価されております。
 なお、表3-3の幼虫単回経口毒性試験結果におけるばく露量、21μg/beeですね、21、ここのところですけども、ここのばく露した区で死亡数÷供試生物数が36分の32ということで、死亡率89%となっておりますけども、農薬ミツバチ影響評価部会では、この点について特に議論はされてございません。
 それから、幼虫の死亡率で、こちらは11%とありますが、こちらはOECDテストガイドライン、237のガイドライン基準(15%以下)を満たしているものでございます。
 これらの結果から、野生ハナバチ類の被害防止に係る登録基準値は、成虫単回経口毒性試験については、不確実係数10で除した後、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値を4μg/bee。
 成虫の単回経口毒性につきましては、500超値、500を不確実係数10で除した後、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値を20μg/bee。
 幼虫の経口毒性につきましては、幼虫経口毒性試験1の72時間LD50、21μg/beeを不確実係数10で除した後、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値を0.84μg/beeと算出しております。
 続いて、野生ハナバチ類の予測ばく露でございます。
 本剤は、製剤としては水和剤があり、適用農作物は果樹、野菜、花きとして登録申請されております。
 使用方法は散布ということですので、茎葉散布シナリオで第1段階の試算をしております。
 茎葉散布シナリオのばく露量推計に関するパラメータは、表3-4に示したものを用いて、適用ごとのセイヨウミツバチの予測ばく露量を表3-5に示しております。
 最も予測ばく露量が大きくなりますのは、果樹の適用になります。こちらの適用から、非水田での対象農薬の使用割合5%を乗じ、成虫の経口ばく露、幼虫の経口ばく露を計算しております。それぞれ、成虫接触ばく露が0.00028、成虫の経口ばく露が0.41、幼虫の経口ばく露が0.34、それぞれ単位はμg/beeとなります。
 総合評価に戻ります。
 ばく露経路ごとに比較しました結果、いずれも、野生ハナバチ類の予測ばく露量は、登録基準値は超えていないということを確認しております。
 なお、一部のばく露経路において、予測ばく露量が登録基準値の10分の1を上回るため、引き続き科学的知見の情報収集に努めることとしたいと考えております。
 ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
【山本委員長】 ご説明ありがとうございます。
 それでは、フルペンチオフェノックスについての審議を始めたいと思います。
 まず最初に対象農薬の概要についてですけれども、この剤ですが、フルペンチオフェノックス、新規の殺虫剤ですね。エネルギー代謝のβ酸化を含む脂肪酸代謝経路阻害ということになっていますが、よろしいですかね。
 あとは、水溶解度246μg/Lですか。LogPが高いですね。疎水性が高い剤になっていますが、よろしいですかね。土壌吸着係数も非常に高い値になってます。よろしいでしょうか。
 あと、すみません。ちょっと私、先ほどこちらで気づいたんですけれども、これまでなんですが、こういった新規剤についてですが、先ほどの水田の除草剤で、恐らく日本でしか使用されていないと思うんですけれども、海外での使用の状況なんかとか、登録の状況なんかというのは、もし分かる範囲であれば、事務局でご存じでしょうか。何かそういう情報というのは、中には出したりとかというのは、今までされていなかったでしょうか。もしよかったら教えてください。
【浮穴室長】 事務局でございます。
 この剤は、新規の剤ということで、日本で開発されたものでございます。まだ海外での登録はございません。
【山本委員長】 はい、分かりました。ありがとうございます。すみません。ちょっと突然の質問で、申し訳ありませんでした。
 それでは、水域のほうの生活環境動植物、こちらを見ていきたいと思いますけれども、これについては魚類と甲殻類等ですね。ミジンコ、ユスリカ、それから藻類についての試験が実施されていますが、いずれも非常に設定濃度を低く実施されていて、幸いなことに影響は出ていないということで、限度試験になっているんですけれども、これで、水溶解度からかなり下回っている試験なんですが、これも水域の検討会の中では非常に議論したと思いますけど、テストガイドラインからは逸脱しているということではあるんですけれども、リスク評価的には、これぐらい低い濃度でも影響がなかったと。超値として基準値を設定するという、安全側の評価になるので、テストガイドライン等を十分満たしてはいないけれども、これでも十分評価には耐え得るだろうというような議論だったんじゃないかなと思いますが、そういった話でよかったでしょうか。
 これも事務局、よろしいでしょうか。
【小林専門員】 はい。おっしゃるとおりです。
【山本委員長】 はい、分かりました。
 ということですが、ご質問、コメント等ございますでしょうか。PECのほうも、0.0088ということで、これは非水田ですね。登録基準値である0.63とは、かなり離れているというようなご説明だったかなと思いますが、よろしいでしょうか。何かご質問、コメントございますか。よろしいですか。
 特にご質問、コメントございませんので、鳥のほうに移りたいと思いますが、鳥類については、これはコリンウズラのデータがありまして、LD50は114、それから補正をしまして82.1mg/kgとなっております。よろしいでしょうか。
 また、予測ばく露量については、これは果実単一食と昆虫単一食について算出されておりまして、高いほうとしては、果実単一食のほうの0.044ということになっております。こちらも先ほどの登録基準値8.2に対して十分低いということが確認できているということですが、よろしいでしょうか。よろしいですか。特にご質問、コメント等ございませんか。
 それでは、続いて野生ハナバチですが、こちらについては、セイヨウミツバチを用いた成虫の単回接触毒性試験、それから単回経口毒性試験と幼虫の経口毒性試験が実施されておりまして、それぞれ基準値が設定されております。基準値について、一番低いのが幼虫経口毒性試験に基づく基準値0.84ということになっております。
 また、予測のばく露量、ばく露のほうですけれども、こちらについては、最も高くなるのは、これは予測ばく露量については、幼虫経口ばく露だと0.34になるんですかね。ここら辺がかなり近くなってくる。推定ばく露量について、ここに今お示しいただいている部分ですけれども、成虫で8.2、幼虫で6.8という推計ばく露量になるということで、これを利用して、予測ばく露量が1匹当たり0.34ないし0.41μgというふうになっています。よろしいでしょうか。
 これと先ほどの基準値とを比較していくということになりまして、これについては少し近接しているというような話だったかなと思いますが、特に幼虫の部分ですかね、幼虫経口ばく露のところが0.84と0.34ということで、少し近接しているということで、10分の1を上回るので、情報収集を今後行うと。超過はしていないので、さらに高い段階の評価を行うということはしませんが、今後、情報収集に努めるというようなご説明だったかなと思います。こちらについても、よろしいでしょうか。よろしいですか。特に皆さんご質問ないですが、大丈夫でしょうか。
 それでは、お認めいただいたということで、よろしいですか。
【後藤専門委員】 すみません、後藤です。よろしいでしょうか。
【山本委員長】 後藤委員ですかね。はい、どうぞ。
【後藤専門委員】 先ほど幼虫の登録基準値のところの基となったデータのところで少し補足をいただいたのですけど、死亡率89%の区の用量がLD50として採用されているということに関して、「部会では特段の議論なし」というお話がありました。この点について、私もちょっと調べてみたのですが、ガイドラインの中に、統計学的な算出が不可能な状況、結局死亡率が0%から100%というような形で急激に変化をしていて、生存しているものと死亡しているものに共通する用量、つまり生存個体と死亡個体が両方見られる用量というのが1点しかないという場合に、その用量を推定LD50として採用するというような記載があったのですけど、それに基づいて、見かけの死亡率が89%でもその用量が採用されているという理解でよろしいでしょうか。
【山本委員長】 これは事務局のほうからご説明をよろしくお願いいたします。
【浮穴室長】 こちらのLD50値の算出については、こちらの幼虫の単回経口毒性試験を実施したらラボのほうから計算されたもので、21というふうになっておりますけども、テストガイドラインに沿って実施されたものというふうに認識しております。
 ちょっと、すみません、手元で細かいところまで書きぶりを確認できない部分もあるんですけども、テストガイドラインからの逸脱はないということで、そのようになっているのではないかというふうに推測されますが、ちょっとお時間を頂ければ確認をいたしますが。
【山本委員長】 すみません。恐らく今の後藤委員のご質問は、この21μg/beeという値ですが、ここでは36分の32なので、89%の死亡率になっていると。だけども、LD50の値は21ということで、これは0と100の間のところで、一つしかそういうドーズがないということで、こちらの値がそのまま21として記載されているんですが、こういったテストガイドライン上の処理、あるいは評価のやり方でやっておられるんですかというようなご説明だったのかなと思ったんですが、後藤委員、よろしいですか、そんな感じ。もし……。
【後藤専門委員】 OECDの化学物質の試験に関するガイドラインというのをちょっと調べてみたら、統計学的な算出が不可能な場合、特別な手段として、このような採用の仕方をするという記載がありましたので、これに従っているものなのですねという確認を取りたかったということです。
【山本委員長】 はい。テストにそういうような記載があるので、そのとおりやっているんですかというようなお話だったかなと思いますが、ちょっと事務局のほうで、これ、確認できないようであれば、ちょっと一旦調べさせていただいて、回答させていただくということでよろしいですかね。後藤委員、よろしいですか。
【後藤専門委員】 あるいは、ほかの委員の方で、ご存じの方にご意見をいただければありがたいのですけど。
【山本委員長】 ご存じの方、おられますでしょうかというような話ですかね。はい。
 ほかの委員の方で、もしご存じの方がおられましたら、挙手いただくなり、直接発言いただくことは可能でしょうか。
【五箇臨時委員】 国立環境研究所の五箇です。よろしいですか。
【山本委員長】 はい、どうぞ。
【五箇臨時委員】 すみません。こちら、農水省の蜜蜂影響部会ですね、そちらのほうで委員をしておりますので。
 今ご指摘あったとおり、濃度反応曲線があまりにも立ち過ぎているということで、今ご指摘のあったガイドラインに沿ってということで、この数値が採用されているということになります。本来ならば、もうちょっとしっかりと濃度を細かく取れればいいというところもありますけれども、いかんせん、ちょっと非常に計算がしにくいところで、そういった形で、この数値が採用されているということになっています。
 以上です。
【山本委員長】 五箇委員、ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。後藤委員、いかがですか。よろしいですか。
【後藤専門委員】 はい。ありがとうございます。
【山本委員長】 はい。ありがとうございました。
 今、五箇委員からご説明がありましたけど、確かに0、32、36と、0から89%、100%となっていますので、どうしてもLD50の値が、統計解析すると非常に誤差が大きくなるんですよね、こういった場合は。ですので、やはりそういった処理をするというのは、テストガイドライン上も記載があるので、そのとおりに実施されたということで、ここの21が使われることによって、通常計算される二項分布等ですかね、計算される値に比べて若干安全側になるということでもあると思いますので、いいんですかね。これは安全にはならないですね。少し気になるところではありますが、この辺の値になるだろうということは、それほど、この後、不確実係数等を入れると、十分問題ないだろうと。非常に、濃度もかなり、公比もかなり小さく取っていますので、ちょっと私も少し気になったところではありますが、通常どおりLD50を計算すると、多分17~18ぐらいになるんじゃないかなと思いますが、それを21をなぜ使うのかというようなご質問なんじゃないかなと思いますが、これを使ってもいいということになっているのであれば、それほど大きな差は出てこないのかなというふうに思いましたので、テストガイドラインどおりで評価もされているというようなご説明だったかなと思います。
 事務局のほうで確認はできましたか。大丈夫ですか。よろしいですか。今の質問、今の大体回答でよろしいでしょうか。
【浮穴室長】 はい、ありがとうございます。
 まず、幼虫のガイドラインを見ますと、統計解析につきましては、OECDのガイドラインのドキュメントNo.54というのが、2006年に出ているものがございます。そういったものに従ってやっているということだというふうに認識しております。
 以上です。
【山本委員長】 はい、分かりました。ありがとうございます。
 ちょっと気になったところとしましては、これはやはりテストガイドラインの番号とか、やっぱり書いていないというところが、ちょっとそういったところ、今、小委のところにはそういった情報がないので、委員の先生方も、なかなか判断できないところもあるのかなと思いますが、テストガイドラインの情報、特に現状のテストガイドと違う場合については、何か記載があってもいいのかなというふうに思いましたが、その辺りは事務局のご判断で多分削除されたのではないかなと思いますが、これは今後もそういった対応をされますか。それとも、私、個人的には、やっぱりテストガイドラインの番号とか、どういったガイドラインに沿ってやられたかというのは、あったほうがいいんじゃないかなと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
 事務局、いかがお考えでしょうか。
【浮穴室長】 事務局でございます。
 テストガイドラインを、どのガイドラインに沿って行われたかというのは、情報としてあったほうが適切だと思っております。従前、テストガイドライン、記載していなかったようですので、今回、テストガイドラインについては削除しておりますけども、以後、テストガイドラインの情報について、追記させていただくようにさせていただければと思っております。
【山本委員長】 分かりました。ありがとうございます。恐らく今後、こちらの委員の先生方にも非常に有用な情報かなと思いますので、ぜひ事務局のほうでご検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかに委員の先生方から何か追加でご質問、コメント等ございますでしょうか。
【五箇臨時委員】 すみません、国立環境研究所の五箇です。
【山本委員長】 すみません。五箇委員、どうぞ。はい。
【五箇臨時委員】 今の議論の点におきまして、座長がおっしゃられるとおり、実際のところ、これ、安全サイドじゃないほうにとっちゃっているというのは事実であって、ガイドラインに準じているとはいえ、正直なところ、ちょっとレギュレーションは別としても、生態学的にはちょっと、このガイドライン自体にむしろ問題があるというふうなことは、指摘をしておいたほうがよろしいのかというふうに思います。このケースに関しては、むしろ安全サイドをとるならば、LC50が出るであろうと思われる、近い濃度の低い側を採るべきであろうというふうに、本来は採られなきゃいけないんじゃないかと思います。特に、こういった立ち上がり、濃度反応曲線が非常に立ち上げが強いものであるならば、ある程度の誤差は考えて、それくらいの安全サイドに立つのが本来は筋ではないかというふうに考えております。
 今、改めて、この剤そのもののセイヨウミツバチにおける評価、このベースラインとなっている、毒性値のベースラインとなっているセイヨウミツバチのデータに関する議論をする場である農業資材審議会、そちらの農薬が、蜜蜂影響評価部会の議事録というものを確認しても、その点については、ほとんど議論されないままスルーされてしまっているというところで、ちょっとこの点に関しては、ちょっと本質的には環境省としては、十分に今後の対応、対応というか、今後の指針というものを、ちょっと見直すきっかけにしていただけたらよろしいんじゃないかと思います。
 以上です。
【山本委員長】 五箇委員、コメントありがとうございます。
 それは私も賛同いたします。通常、ほかのテストガイドライン等では、LD50の算出は、0、32であっても、二項分布等で計算して、恐らく17、18、そんなには変わらないと思いますので、そちらのほうが安全側に採った判断になりますので、最終的な基準値として若干変わる可能性はあると思いますが、その点も含めて、ちょっと今後、そちらのほうでまたご検討いただきまして、評価に生かしていただければ、こういった意見があったということですね、ご報告いただければ非常に助かるかなと思いますが、事務局、よろしいでしょうか?
【浮穴室長】 ありがとうございます。以後の取扱いの参考にさせていただきたいと思っております。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 ほかに委員の先生方から何か追加でご質問、コメント等ございますでしょうか。
(なし)
【山本委員長】 なければ、先ほどの点は少し事務局のほうでも今後留意いただくということで、お認めいただいたというふうにさせていただければと思います。
 それでは、次の剤についての説明に移りたいと思います。続いては、再評価のイミダクロプリドについて、資料3-3に基づいて、事務局のほうからよろしくお願いいたします。
【松浦室長補佐】 今、ちょっと資料、切り替え準備をしていますので、少々お待ちください。
 失礼いたしました。そうしましたら、続きまして生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料ということで、イミダクロプリドについてご説明させていただきたいと思います。
 こちら、再評価対象剤となっております。
 説明につきましては、これまでと同様の順番でさせていただきたいと思います。
 まず、評価対象農薬の概要になりますけれども、物質概要はお示しのとおりとなります。
 作用機構等ですけれども、こちらの剤につきましては、クロロニコチニル系の殺虫剤となっております。製剤としては粉末、粒剤、水和剤等がございまして、適用農作物等は稲、穀類、果樹等がございます。
 各種物性につきましては、お示しのとおりとなっております。
 そうしましたら、まずは水域の生活環境動植物に係る毒性評価、それから水域PECに関してご説明をさせていただきたいと思います。
 まず検討経緯ですけれども、こちらにお示しのとおり、令和5年の5月、それから令和6年の10月に、水域検討会のほうでご審議をいただきまして、ご了承いただいたものになります。
 そうしましたら、まず、毒性評価についてご説明させていただきます。
 こちら、前回の平成29年の評価から新たに提出された試験は、ニジマスを用いた試験になります。
 まず、魚類に関してですけれども、まずブルーギルを用いた試験が提出をされております。試験の概要についてはお示しのとおりでして、最高濃度におきましても、半数の死亡は認められておりませんで、LC50としては、実測濃度に基づいて、10万5,000μg/Lの超値となっております。
 続きまして、再評価に際して新たに提出をされましたニジマスを用いた試験がございまして、こちらも最高濃度区で死亡は認められておりませんで、LC50としては、実測濃度に基づいて8万3,000μg/Lの超値となっております。
 これら先ほどのブルーギルの試験、ニジマスの試験、いずれにつきましても、酸素飽和度に係る妥当性基準を満たしておりませんけれども、その点を踏まえても、評価に利用できるというご判断を水域検討会のほうではいただいております。
 続いて甲殻類等になりますけれども、オオミジンコを用いた試験が提出されておりまして、最高濃度区で全数について遊泳阻害が認められております。EC50としては、実測濃度に基づいて8万5,000μg/Lとなっております。
 続いて、ユスリカの試験でありますが、こちらは殺虫剤になりますので、ユスリカを用いた試験が提出をされております。先ほどまでの試験と比べまして、設定濃度が非常に低く設定されておりまして、EC50としては、設定濃度に基づきまして、19.7μg/Lとなっております。
 続きまして、藻類等になりますが、ムレミカヅキモを用いた試験が提出されておりまして、限度試験が行われておりまして、ErC50としては、設定濃度に基づいて9万8,600μg/Lの超値というふうになっております。
 こちら、各生物種のLC50、EC50のまとめになっております。
 まず、魚類急性影響濃度につきましては、再評価に際して新たに提出されたニジマスの試験を採用しまして、不確実係数10で除して、8,300μg/Lの超値となっております。
 甲殻類等につきましては、過去の評価と変わらず、1.97μg/Lとなっております。
 藻類等急性影響濃度につきましても、キーとなるデータは変わりませんけれども、不確実係数10で除しますので、9,860μg/Lの超値となっております。
 これらのうち、最小のAECdということで、登録基準値は1.9μg/Lとなっております。
 イミダクロプリドにつきましては、再評価剤ですので、申請者から公表文献収集に関する結果の報告書が提出されるとともに、農林水産省のほうで実施しております公表文献に関する情報募集での情報提供もございましたけれども、水域検討会において確認を行ったところ、基準値設定に利用できる文献はございませんでしたので、その旨、ご報告をさせていただきます。
 続きまして、水域PECになります。
 製剤の種類、適用農作物等は、冒頭でお示ししたとおりになります。
 水域PECの算出ですが、まず水田PECになりますが、PECが最も高くなる使用方法につきまして計算をしたところ、このような形になっておりまして、水田PECTier1の結果としては、9.0μg/Lとなっております。基準値1.9μg/Lを超過しておりますので、続きまして、該当する使用方法のうち、第二段階におけるPECが最も高くなる使用方法についてPECを計算いたしました。
 結果につきましては、お示しのとおりでして、水田PECTier2による算出結果としては、0.23μg/Lとなっております。
 続きまして、非水田使用時のPECになりますが、PECが最も高くなる使用方法としては、かんきつ等への使用になりまして、計算の結果としては、0.0011μg/Lとなっております。
 以上より、水田PECTier2は0.23μg/L、非水田PECTier1は0.011μg/Lとなります。
 続いて、総合評価になりますけれども、繰り返しになりますが、水田PECTier2は0.23μg/L、非水田PECTier1は0.011μg/Lでありまして、水域PECは、いずれも登録基準値1.9μg/Lを超えていないということを確認しております。
 続きまして、資料4になります。
 イミダクロプリドの基準値案、水田PEC、非水田PECについては、お示しのとおりとなっておりまして、これを踏まえて、今後の対応ですけれども、水域基準値の改正後も水域PECが基準値の10分の1以下になることが確認できませんので、引き続き、農薬残留対策総合調査等におけるモニタリング調査の対象農薬といたします。
 下に参考としてモニタリングの状況を記載しております。
 イミダクロプリドにつきましては、平成17年度から令和6年度に実施されました農薬残留対策総合調査の結果によりますと、検出された最高濃度は0.72μg/Lとなっておりまして、水域基準値である1.9μg/Lを上回った事例はございませんでした。
 また、平成22年度に行われた水環境中の要調査項目と存在状況調査では、検出された事例はございませんでした。
 その他、モニタリングデータは確認できておりません。
 水域につきましては以上となります。
【嶋川係長】 事務局の嶋川です。続きまして、鳥類への影響について、私のほうからご説明させていただきます。
 資料の共有をいたします。
 イミダクロプリドの鳥類への影響につきましては、令和5年の5月に開催した鳥類登録基準設定検討会において議論されております。
 評価結果につきましては、別紙2にまとめておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 まず毒性評価ですが、試験としましては、3試験提出されてきております。
 まずはウズラを用いた試験となります。こちら、被験物質としましては原体、そして1群10羽ずつ用いられた試験となっております。
 設定用量は、こちらに記載のとおりとなっております。
 こちら、テストガイドラインからの逸脱としまして、試験期間が14日間ではなく13日間となっておりました。こちらは鳥類検討会のほうでも議論がなされたのですが、本試験が死亡を含む毒性症状が全て投与3日後には消失していたというところから、試験結果への影響を及ぼすおそれはなかったということで、基準設定に利用可能と判断されております。
 なお、2.5mg/kg体重群のところにつきましては、注釈の1をつけておりまして、こちらは試験報告書を確認しましたところ、投与液の濃度を測定した結果、設定用量の125から126%程度となっていたというところから、実測濃度に基づいた投与量3.1mg/kg体重というものを、こちら括弧書で記載させていただいております。
 試験の結果としましては、濃度が高くなるにつれて死亡が確認されておりまして、LD50としましては、実測値に基づいた3.1という用量を用いまして、事務局のほうで計算しました結果、LD50は32.5mg/kg体重、そして最終補正後のLD50は24.8mg/kg体重となっております。
 次のページに移りまして、コリンウズラを用いた試験ですけれども、こちらも各群10羽ずつを用いた、原体を用いた試験となっております。
 設定用量につきましても、こちらに記載のとおりとなっております。
 コリンウズラを用いた試験につきましては、検討会でも特段大きな議論はありませんでした。
 試験の結果としましては、濃度が高くなるにつれて死亡が確認されておりまして、LD50は148mg/kg体重、そして体重補正後のLD50は104mg/kg体重というふうになっております。
 続いて三つ目の試験、マガモを用いた試験になりますが、こちらは各群6羽を用いた試験が実施されておりました。こちらはテストガイドラインの規定よりも少ない数での実施となっておりました。
 こちらの点については、検討会でも議論がありましたが、以下の設定用量に沿って、用量反応的に死亡や毒性症状が見られていたというところから、LD50は適切に求められているということで、基準値設定には利用可能というふうに判断されております。
 試験の結果としましては、LD50は283mg/kg体重、そして体重補正後のLD50は157mg/kg対象となっております。
 続きまして、登録基準値ですけれども、各試験の種ごとの体重補正後のLD50から算出される幾何平均値は、74mg/kg体重となっております。
 種ごとの体重補正後のLD50のうち、最小値はウズラの試験から得られた24.8mg/kg体重であり、幾何平均値の10分の1以上となっておりますので、登録基準値としましては、幾何平均値74mg/kg体重を不確実係数10で除しました7.4mg/kg体重としています。
 なお、公表文献収集の結果につきましてですが、こちら、事務局のほうで幾つか文献を探してはみたんですけれども、テストガイドラインへの適合性が判断できないものが多く、基準設定に利用できる文献はありませんでした。
 また、申請者の公表文献収集報告書でも、適合性Aの区分に該当する文献が1件あったのですが、こちらの文献も内容を確認した結果、試験期間が1日で実施されている点や、対照区が設定されていない点など、試験の妥当性が確認できなかったというところから、基準値設定には利用不可という判断となっております。
 次のページ、B-2に進みまして、予測ばく露量についてご説明いたします。
 本剤、冒頭にご説明しましたけれども、剤型としては粉末、粒剤、水和剤、複合肥料がございまして、適用農作物等としましては稲、穀類、果樹、野菜、花き等として登録されております。
 使用方法に基づきますと、全てのシナリオが該当することになりまして、それぞれ予測ばく露量を計算しております。
 まずは、初期評価についてご説明いたします。
 ①水稲単一食シナリオにつきましては、表2-4に記載のパラメータを用いて計算しました結果、予測ばく露量としましては、0.062mg/kg体重/日となっております。
 続きまして、②果実単一食シナリオにつきましては、表2-5に記載のパラメータで計算した結果、0.062といった値となっております。
 続きまして、③種子単一食シナリオにつきましては、直播水稲に使用される剤とてんさいに使用される剤、それぞれで計算した結果を表2-6、そして表2-7に記載しております。
 その結果、直播水稲を用いた使用方法の場合には0.80、そしててんさいを用いた剤につきましては、56mg/kg体重/日といった結果となっております。
 こちらも表2-7のほうでは登録基準値案7.4を超える値となっておりますので、後ほど二次評価を実施いたしております。そちらにつきましては、また後ほどご説明します。
 次に、④、昆虫単一食シナリオについては、水田・非水田それぞれでばく露量を計算して、最終的に合算しております。
 まず、水田シナリオのほうですが、こちらは、カラー、花はすを含む花き類・観葉植物が該当となりますので、表2-8のパラメータで計算しており、非水田シナリオにつきましては、こちら表2-9のパラメータで計算しております。合算した値としましては、0.0071となっております。
 最後、⑤田面水シナリオですけれども、こちらは表2-10に記載のパラメータに基づいて計算しておりまして、ばく露量としましては0.016mg/kg体重/日となっております。
 続いて、先ほど、初期評価で基準値案を超えてしまった種子単一食シナリオにつきまして、二次評価を実施しております。表の2-11をご覧ください。こちらの二次評価では、申請者から提出された種子残留試験を基に精緻化をしております。
 こちらの試験、簡単にご説明させていただきますと、使用方法に基づく処理を行った後、慣行の方法で栽培しまして、出芽したものを採取しまして、出芽時の残留農薬濃度というものを計算しております。そちらがこの3.41というふうな値となっております。
 その後、出芽前及び処理前の種子重量から処理前の種子重量に換算した残留濃度、そちらが23.0となっておりますが、こちらを計算しまして、この値を使ったばく露量の精緻化を行っております。その結果、種子単一食におけるばく露量としましては0.23mg/kg体重/日となっております。
 こちらは参考までに全てのシナリオのばく露量を記載しております。
 最後、総合評価になりますけれども、4ページに戻っていただきまして、種子単一食シナリオ以外は初期評価で、そして、種子単一食シナリオは二次評価において精緻化を行った結果、基準値案を超えていないということを確認しております。
 イミダクロプリドの鳥類に関する説明は以上となります。
【浮穴室長】 続きまして、イミダクロプリドの野生ハナバチ類に関する評価についてご説明いたします。
 まず、野生ハナバチ類に係る毒性評価でございます。野生ハナバチ類の評価につきましては、令和5年2月10日から令和7年6月13日まで、農業資材審議会農薬分科会農薬蜜蜂影響評価部会で計8回議論されて採用されております、セイヨウミツバチの評価データを活用しております。
 まず、成虫の単回接触毒性試験でございますけれども、計6試験ございます。こちらには採用されたセイヨウミツバチの評価データを示しております。6試験それぞれ48時間のLD50値ですけれども、0.081μg/bee、0.210μg/bee、0.049μg/bee、0.0423μg/bee、0.0739μg/bee、0.0420及び0.0610μg/beeという値が得られております。
 続きまして、成虫の単回経口毒性試験ですが、4試験ございます。48時間LD50が0.0407、そして0.107、0.0306、0.0748、それぞれ単位はμg/beeとなっております。
 成虫反復経口毒性試験でございますけども、1試験ございまして、LDD50値が、10日間ですけども、0.0130μg/bee/dayという値が得られております。
 続いて、幼虫の経口毒性試験ですが、こちらは2試験ございまして、72時間LD50値が17.02μg/bee、そして、4.15μg/beeという結果が得られております。
 なお、野生ハナバチ類の蜂群単位への試験結果というのがありまして、ちょっと飛びますけども、野生ハナバチ類の蜂群単位への影響に関しては、セイヨウミツバチの半野外試験の結果が表3-37に示しております。
 それぞれの試験の結果から、セイヨウミツバチのLD50と野生ハナバチ類の基準値について計算したのがこちらでございます。
 成虫単回の経口毒性試験については、こちら6試験の幾何平均を取りまして、0.0679から不確実係数10で割って、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値を0.0027μg/beeと計算しております。
 続いて、成虫の単回経口毒性試験ですけども、四つの試験の結果の幾何平均値0.0562μg/beeを不確実係数10で割り、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値を0.0022μg/beeとしております。
 続いて、成虫反復経口毒性につきましては、1試験でございましたので、不確実係数10で除した後、LD10変換係数0.4を掛けまして、基準値を0.00052μg/bee/dayとしております。
 幼虫の経口毒性につきましては、2試験の幾何平均値8.40μg/beeを不確実係数10で割りまして、LD10変換係数0.4を乗じて、基準値を0.33μg/beeとしております。こちらの結果を表の3-38にまとめております。
 続いて、予測ばく露量になります。こちらは、花粉・花蜜試験の結果を用いて予測ばく露量を計算しております。花粉・花蜜残留試験は、合計28試験が行われており、その結果は表3-14から表3-36に記載しております。
 こちらが花粉・花蜜残留試験の結果でございますが、こちらのうち茎葉散布シナリオにつきましては、試験⑨のなすの試験、土壌処理シナリオにつきましては、試験③のすいかの試験、水稲の種子処理シナリオにつきましては、試験⑦の水稲の試験のデータを予測ばく露量の計算に使用しております。
 本剤は殺虫剤でございまして、粉末、粒剤、水和剤、複合肥料剤があり、適用農作物は稲、穀類、果樹、野菜、花き等となっております。
 様々な農作物が適用対象となっておりますけども、使用場所が「温室、ガラス室、ビニールハウス等密閉できる場所」に限られている適用、開花する前に収穫する作物、開花しない作物、夜間に開花する作物、ミツバチが訪花しないとの知見のある開花作物につきましては、セイヨウミツバチがばく露しないと想定される作物が農林水産省で整理されております。
 これらの適用につきましては、こちら1.1に記載しておりますが、野生ハナバチ類についても、本農薬についてばく露するおそれがないと想定し、野生ハナバチ類の被害防止に係るばく露量推計は行わないことと整理をしたいと考えております。
 続いて、1.2に示しました、ミツバチがばく露する可能性のある適用でございますが、こちらのうち、リスク管理措置(被害防止方法)を課すものにつきましては、リスク管理措置を課すことによって野生ハナバチ類についても本農薬にばく露するおそれがないと想定し、野生ハナバチ類の被害防止に係る予測ばく露量の推計は行わないことと整理をしたいと考えております。
 具体的には1.2.1の(1)から(9)に示しますように、閉鎖系施設栽培での使用に限るものや、閉鎖系施設栽培以外で使用する場合には、発芽から落花までを除く期間の使用に限る、あるいは発芽、開花期終了後の使用に限る、こういった被害防止方法を農薬の種類と作物の組合せごとに設定することとしています。
 また、1.2.2で示しました適用につきましては、セイヨウミツバチの評価と同様に、リスク管理措置を課した条件で野生ハナバチ類のばく露量の推計を行っております。ばく露量の推計に利用する花粉・花蜜残留試験データにつきましては、セイヨウミツバチの評価において、農薬蜜蜂影響評価部会において採用されたものを表3-40、表3-45、表3-48に記載しております。
 ばく露推計の全体につきましては、別添1、ページで言いますと3-61ページから3-105ページに掲載しておりますけども、そのうち第1段階のスクリーニングでばく露量が高かったものにつきまして、花粉・花蜜残留試験の結果を用いて精緻化しておりまして、こちらを表3-41から表3-50に示しております。そして、野生ハナバチ類の予測ばく露量が最も大きいものを表3-51にまとめているところでございます。いずれもセイヨウミツバチの予測ばく露量から、それぞれの農薬の普及率、水田については10%、非水田については5%を乗じて、野生ハナバチ類の予測ばく露量として計算しております。
 これらについて基準値と比較したものが、総合評価のほうに戻ります。ばく露経路ごとに比較した結果、以下のとおり、いずれも野生ハナバチ類予測ばく露量が登録基準値を超えていないことを確認しております。なお、成虫のばく露につきましては、予測ばく露量が登録基準値の10分の1を上回っております。このため引き続き、科学的な知見の情報収集に努めることとしたいと考えております。
 続きまして、公表文献データ等を活用しまして、在来のハナバチ類への影響を検討した結果がこちらの参考でございます。ニホンミツバチ、クロマルハナバチ及びトラマルハナバチの成虫単回接触毒性試験または経口毒性試験のデータを基に、予測ばく露量との比較をしております。
 まず、ニホンミツバチのデータでございますけども、こちらは公表文献検索の結果、得られた学術論文1件でございます。ニホンミツバチはセイヨウミツバチよりも感受性が高いことが報告されておりまして、他の野生ハナバチ類もセイヨウミツバチよりも感受性が高い可能性がありますけども、予測ばく露量の最大値が0.0070μg/beeは野生ハナバチ類の単回接触毒性試験から計算されるLD10相当値を下回っているというふうに計算してございます。すみません、こちらがニホンミツバチ、クロマルハナバチ、クロマルハナバチの二つ目、そしてトラマルハナバチの毒性試験のデータになります。成虫の経口毒性試験がこちらです。こちらで得られた毒性試験値、毒性試験のデータからLD10相当値ということで0.4を掛けたもの、それから、他の野生ハナバチ類ということで、セイヨウミツバチ、ニホンミツバチ、クロマルハナバチ、トラマルハナバチのデータの幾何平均値を10で割りまして、LD10変換係数0.4を乗じたものを試算しますと、0.0019となりますが、これらはいずれも、先ほど精緻化した予測ばく露量の最大値0.00070μg/beeと比較しますと、予測ばく露量はLD10相当値を下回っているというふうに計算しております。
 同様に、成虫単回経口毒性試験の結果を比較したものが表9になります。セイヨウミツバチに加え、ニホンミツバチ、クロマルハナバチ、トラマルハナバチのデータから、他の野生ハナバチ類の単回接触毒性に係るLD50及びLD10を計算したものが試算②でございます。
 成虫単回経口毒性に係る予測ばく露量、精緻化ものの最大値0.00037μg/beeは、こちらで計算したLD10相当値を下回っているというふうに計算しております。このように適切なリスク管理措置が講じられ、使用基準が遵守されることにより予測ばく露量は蜂群維持可能な水準であるLD10相当値を超えないというふうに考えております。
 総合評価のほうに戻ります。以上、野生ハナバチ類につきましては、セイヨウミツバチのデータを基に登録基準値を設定しておりますけども、予測ばく露量が登録基準値の10分の1を上回るため、引き続き科学的な知見の情報収集に努めることとしたいというふうに考えます。
 以上で説明を終わります。ご審議のほど、お願いいたします。
【山本委員長】 ご説明ありがとうございます。
 それでは、イミダクロプリドについて審議を始めたいと思いますが、まず最初に、評価対象農薬の概要の部分ですけれども、物質の概要、作用機構については、再評価剤なので特に問題ないかなと思います。
 各種物性の部分についてお見せいただいていいですか、2ページ目のところですが、結構、値が変わっていると思いますが、この辺りは今回、幾つか値が差し替えられているんですけれども、これは何か、事務局のほうで説明はありましたでしょうか。特に事業者のほうから、こういったデータがあって、今回、再評価の際にこちらのほうが信頼性が高いのでこちらのほうのデータが出てきたとかということですかね。若干値が変わっているものとかもあるかと思いますが、その辺りは事務局、いかがでしょうか。
【嶋川係長】 事務局でございます。
 基本的に、再評価において提出されてきた資料に基づいた値を記載するというふうにしておりますので、今回、その再評価において提出されてきた資料を確認した結果、このような記載になっていたというところです。変更箇所が多いとは思うんですけれども、きちんと再評価で提出されてきた資料を確認した結果というふうになっております。
【山本委員長】 分かりました。はい、そうですね、若干の値変更なんだとは思いますけれども、今回、事業者のほうで再評価に当たって提出してきたものがこうだということですかね。はい、分かりました。ありがとうございます。
 それでは、よろしいですかね。この辺り、概要の部分について何かご質問、コメント等はございますか。よろしいですか。よろしいですかね、はい。
 それでは、続きまして、これは水域の生活環境動植物の毒性評価の部分ですが、これはネオニコ剤ということで、ミジンコには分からないですが、ユスリカに効くんですね。ユスリカにかなり強い影響が出ているということですが、19.7、48時間の、これはドブユスリカを用いたユスリカ幼虫急性遊泳阻害試験が19.7という値になっているということですね。
 PECについては、第1段階では9.0ですか。水田使用、第2段階が0.23と少し低くなっておりますが、これによって登録基準値である1.9は下回っているということですが、近接しているのでモニタリングをというような話だったかなと思います。よろしいでしょうか。この辺りは、もしかしたら水域の検討会にも出ておられる須戸先生とかが、もしかしてご存じかもしれませんが、これって確認しましたとは思いますが、よろしいですか、大丈夫ですか。
【須戸専門委員】 須戸ですけれども、よろしいですか。
【山本委員長】 はい、どうぞ。すみません、当ててしまって、すみません。
【須戸専門委員】 いいえ、すみません。念のための確認ですけれども、1-10ページで水域PECの算出をしていただいていますけれども、水田が、変更前が1.0から変更後は0.23に下がったんですけども、一方、有効成分量は変更後のほうが増えています。そうすると、PECを下げるような、サンプル量は増えているのだけれどもPECは下がったということで、1-8ページのパラメータの値を見ると、変更があったのは土壌吸着係数のところになるのかなと思いますけども、これは土壌吸着係数の数字が大きく変わったので変更前後で数字が変わったという理解でよろしかったのかというのを確認させていただきたいと思います。
【山本委員長】 ありがとうございます。よろしいでしょうか。事務局、いかがでしょうか。二つですかね、はい、どうぞ。
【松浦室長補佐】 ご指摘のとおりでございまして、前回評価の際は、土壌吸着係数のところを考慮せず計算をしておりましたので、今回、そこの部分を284.5ということで考慮した上で計算していることによって値が低くなっているというご理解で間違いございません。
【須戸専門委員】 ありがとうございました。
【山本委員長】 ありがとうございます。ご確認いただきまして、前回は考慮していなかったけれども、土壌吸着係数を考慮したので、それも低くなったというようなご説明ですかね。よろしいでしょうか。
 PEC、それから水域の部分を含め、水域の基準値設定のための各種毒性評価については、何か追加でご質問、コメント等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。こちらは再評価ということで、ニジマスのデータだけが新しく出てきたということだと思いますので、既に評価はされているということになるかなと思いますが、よろしいですかね。
 特に基準値のところについても変更がないということですので、先ほどのところでご確認いただきました。あと、モニタリングについても、今後もこれは実施をしていただけるということだと思いますので、これだけやはり近接している剤ですので、しっかりモニタリング、残留対策調査のほうでやっていただけるということで、よろしくお願いいたします。
 続いて、鳥類のほうになりますが、鳥類については、これは幾つか、これもデータが出ておりまして、ウズラとコリンウズラ、それからマガモについてのデータが出ておりまして、3種のデータの幾何平均値と、10分の1にはなっていないということですので、そのまま幾何平均値を10分の1で割った7.4というのが基準値になっているというような話ですが、こちらはよろしいでしょうか。これは鳥類の詳しい委員の先生方はどなたがいるのかな。石塚先生とかはおられるのですかね。
【石塚臨時委員】 はい。石塚、おります。
【山本委員長】 すみません、突然当ててしまって申し訳ないですが、もし、よろしいですかね。大丈夫ですかね。
【石塚臨時委員】 はい。事務局と、あと今、山本先生のほうからご説明があったとおり、三つの試験はそれぞれ逸脱がちょっとずつあるものもあるのですけれども、最終的には信頼性1か2ということで採用できるだろうというふうに結論づけられております。
 以上です。よろしくお願いします。
【山本委員長】 ありがとうございます。ちょっと1日短かったりとか、いろいろ多分、幾つか逸脱点があったというふうに記憶しておりますが、十分利用可能であろうということは確認されたということだと思います。ありがとうございます。
 あと、予測ばく露量のほうなんですが、こちらについては、これは種子単一食シナリオの値が最も高くなっておりまして、こちらが56ということで、この値が先ほどの基準値を超過することになるので、二次評価をやっていただいていて、二次評価では0.23になっているということなんですが、これはちょっと事務局のほうでご説明されたところではあったかなと思いますが、これは念のため確認ですけれども、これは種子を直接摂取するのではなくて、これは出芽時の種子を鳥が摂取するというような感じのシナリオになっているのですかね。これは事務局で、もし分かれば教えていただきたいんですけれども。出芽時のということになっているんですが、これはこれでよろしいですか。
【嶋川係長】 事務局です。
 少々お待ちください。そうですね、鳥類の種子単一食シナリオのほうでは、出芽時の植物体の部分ですね。こちらを摂餌することによるばく露による評価を行うというところで、鳥類の被害防止に係る農薬の影響評価ガイダンスのほうで定めておりますので、出芽時のものを摂餌するというところの認識でお間違いございません。
【山本委員長】 ありがとうございます。これは実際の種子の残留濃度の実測値を利用されているということですね。
【嶋川係長】 はい。
【山本委員長】 実測値というのは、これは何か、複数の値とかが出ているのですか、それとも単一の値からこれは算出されているものですか。これもちょっと、もしよかったら教えていただければ。
【嶋川係長】 そこは、少々お待ちください。すみません、ちょっと今、ぱっとお答えができないので、また改めてお答えさせていただくので、よろしいでしょうか。
【山本委員長】 はい、大丈夫です。ありがとうございます。基本的には、先ほどの0.23という値を使えば、この実測値に基づく値を使えば7.4というのは十分下回るし、10分の1も下回っているので問題ないだろうというようなご説明だったかなというふうに思いますが、ちょっと先ほどのところ、実測値がどの程度の幅があるのかみたいな情報が十分あればいいですが、そうでなければ、やはり先ほどもありましたが、一定程度近接しているものだと思うので、情報収集には引き続き努めていただくのは重要ではないかなというふうに思ったんですが、またちょっと、そしたらこれについて分かれば教えていただければと思います。
 鳥類について何か、ほかの委員の先生方から何かご質問、コメント等はございますでしょうか。よろしいですか。
 はい、それは事務局のほうでちょっとご確認いただければと思います。
 それでは、ハチのほうに移りたいと思いますけれども、ハチについては、これはもともと非常にネオニコ剤ということで、セイヨウミツバチほか、多くのデータが出ているということでして、成虫単回接触毒性試験だけでもかなり多くのデータが出ていますが、六つですか。成虫単回経口毒性試験についても、これも公表文献も含めて幾つか出ていて、四つですかね。それから成虫の反復経口毒性試験が一つ、それから幼虫の経口毒性試験についても二つのデータが出ているということで、こちらは公表文献も含めて詳細に評価をしていただいているということかなというふうに思いました。
 ばく露については、やはりばく露量等も考えると、こちらも少し近接しているというか、超過している部分も一部あるということでもありまして、これは第2段階の評価なんかも一部やられているというようなことかなというふうに思いますが、基準値については、これは3-38ページのところにありますが、それぞれこれは幾何平均値を不確実係数で除して、さらに変換係数を用いてそれぞれの基準値を求められているということですが、よろしいでしょうか。最も低くなるのは成虫の反復経口毒性試験ですかね、0.00052というかなり低い値になっています。よろしいでしょうか。
 あわせて、こちらについては、参考ということなんですかね、ニホンミツバチとかクロマルハナバチ、トラマルハナバチの、これは毒性試験の公表文献等が利用されて、参考値として利用されているということになっていますが、こちらは、これも事務局への確認ですけれども、あくまでもセイヨウミツバチについては公表文献を同等に扱いますけども、こちらはあくまでも参考ということでよろしいですかね。今回、幸いなことにセイヨウミツバチに比べて極端に低い値等はなさそうに思いましたが、公表文献の扱いとしましては、こちらは参考ということで、これは事務局、よろしいでしょうか。
【浮穴室長】 現状の中央環境審議会の二次答申では、野生ハナバチ類の基準値につきましては、セイヨウミツバチを供試生物とした試験成績から設定するというふうになってございます。その中で種間差について考慮するということで、不確実係数10で割るという数字が取り入れられているところでございます。
【山本委員長】 はい、分かりました。
【浮穴室長】 ですので、このような設定でいいのかなというふうに考えてございます。
【山本委員長】 ありがとうございます。
【浮穴室長】 ちなみに、例えばEUのEFSAの評価でも種間差を考えるときにセイヨウミツバチからBumblebee、マルハナバチへの変換係数などもありますけども、大体、10というのでレンジカバーされていると認識しております。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。詳細なご説明ありがとうございます。
 あと、ばく露のほうは、これも詳細にご説明いただきましたけれども、予測ばく露量について、ミツバチのばく露を十分に考慮しながらばく露のシナリオを考えていただいていて、そういった作物、場所とかですかね、作付方法ほか、対象の作物関係と、恐らく栽培の手法などについての、限定して評価を実施しているという説明を詳細にしていただきました。ばく露量に基づいて計算したところについては、予測ばく露量については3-51ですかね、ここのところにまとめられているということで、野生ハナバチへの予測ばく露量が最も高くなる適用作物量や普及率等を計算して、最終的にこういった値になっているということになります。
 こちらについては、最終的にそれぞれの登録基準値との比較が行われておりまして、こちらも成虫経口ばく露の反復投与ですかね、この値が最も近接しているということになりまして、こちらについては10分の1を上回っているということなので、引き続き科学的な知見を情報収集するということかなというふうに思いますので、これについて併せてお願いできればと思います。
 ほか、よろしいでしょうか。ハチのほう、野生ハナバチの評価について何か追加でご質問、コメント等はございますでしょうか。
 五箇委員、よろしいですか。何か追加でコメント等はございますか。
【五箇臨時委員】 もうこちらに関しましては、農水省の蜜蜂部会のときからずっと大変苦労して時間かけてリスク回避措置も含めて、いろいろと議論させていただいているところですので、こちらは環境省のほうに関しましても、それに準じてということで特に私のほうから言うことはございません。
【山本委員長】 はい、分かりました。ありがとうございます。詳細にご検討いただいていて、リスクの回避措置とかも考えていただいているということで、現状の評価の中では大きな問題はないだろうと。既に十分な検討はされているのではないかというようなことかなと思います。
 よろしいでしょうか。ほかの委員の先生方、よろしいですか。
 全体を通じて、ネオニコ剤の一つでありますイミダクロプリドですけれども、何かご質問、コメント等はございますでしょうか。今後、この剤については、今回、かなり近接しているところがありますので。
【嶋川係長】 山本先生、すみません、天野先生が手を挙げていらっしゃるかと。
【山本委員長】 すみません、挙手がちょっと見えなかったんですが、天野委員から、そしたらよろしくお願いします。ご質問、コメントですかね。はい、お願いします。
【天野専門委員】 恐れ入ります。直接、評価とか基準値に係るところではないんですけれども、資料、3-41ページ以降に、リスク管理措置ということで細かく分けていただいています。それで、例えば3-42ページのところで、(3)あるいは(4)のところに「開花期」という言葉が出てきます。「開花期終了後の使用に限る」という文言がありますけれども、ここで言う開花期の定義を教えていただけませんでしょうか。
【山本委員長】 開花期の定義ですかね。こちらは事務局のほうから、よろしくお願いします。
【浮穴室長】 すみません、現時点で、まだここの中で個別に定義を書いていないですけども、開花期というのは一般的に花が咲き始めるときから花が咲き終わるまでが開花期だというふうに認識しております。
【天野専門委員】 ありがとうございます。それで、(2)、それから(6)の区分につきましては、リスク管理措置の使用の時期が、発芽から落花(開花終了)までというような少し厳しい内容になっております。それに対して、今、質問させていただいた(3)(4)の対象の作物については開花期のみの除外でいいよとなっています。この辺りはどういった考えで分けられているんでしょうか。作物としてそんなに面積的に大きくないとか、あるいはそんなに花蜜が出るわけじゃないとか、そういったことがあるんでしたら教えていただければと思います。
【浮穴室長】 例えばですけども、(4)は、花き類にそもそも使う場合を想定して書いております。といいますと、花き、お花ですね、栽培する場合には、当然、つぼみができて、そのつぼみの段階で出荷されるようなケースというのがあるわけでございますけども、その開花期前に収穫するという、この場合は、要はハチが来て蜜を吸うということを避けるということになりますので、つぼみができた後、花がまさに開いて開花期ということでこのような書きぶりになっていて、つぼみができているところを除いてしまうと、そもそも作物としては、収穫期とバッティングしてしまうというようなところがあるのかなというふうに考えておりますけど。そういうことで、植物ごとに細かく、その適用と実際の栽培を想定しながら書き分けているということだというふうにお考えいただければと思っております。
【天野専門委員】 ありがとうございます。例えば今説明いただいた(4)のつぼみの時期に散布をしました、それで収穫をしました。そうすると、開花より前に出荷するものという区分ですので、それは当然使えると思います。ただ、そういう作物以外は、この後、「閉鎖系施設での使用または開花終了後の使用に限る」と書いてあります。例えば(2)のほうですと、つつじ類も入っておりますし、同じような花、花木も花き類の中には一部含んでいますので、ここが分けられているのは、その影響の度合いか何かが違うのかなというふうに思ったんですが、この辺りはいかがでしょうか。
【浮穴室長】 すみません、事務局です。
 その辺り、(2)のほうのつつじ類については、株元灌注ですとか株元散布というような形で、例えば(4)の場合は散布というようなことで、使い方との組合せで農薬の種類ごとに書き分けているというような形になっております。
【天野専門委員】 ありがとうございます。そうしますと、(4)の花き類の場合は、でも散布剤以外の使い方もあるような気がしているんですが、そうじゃないということですかね。というのは、散布剤を使った場合には、(2)で少し強く縛ってあるような、浸透移行して花蜜に行く影響というのは考えなくてもいいという位置づけなんですかという、そういう意味の質問なんですけれども、影響が少ないということでしたら、そういう議論があったんでしたら教えていただければと思います。
【浮穴室長】 すみません、事務局ですが、農薬蜜蜂部会のほうでそういうような議論があったかどうかというのは少し確認させてください。
【五箇臨時委員】 すみません、国立環境研究所の五箇です。
 これは農水省のほうの蜜蜂部会からもこのリスク管理措置というのはずっと議論しているところですが、要はこれ、本当に作物の花ごとに、要は開花期終了してもまだ蜜が出て取りに来るという種類の植物もあると。そういったものに関しては枯れた後でもやっぱりハナバチが寄ってくるといったことを、やっぱりハチ類の専門家の方々からのご指摘等も受けて、かなり細かく作物ごとに、どの時期からどの時期までオーケーにするかというのはずっと議論されていて、これはもう議事録でも広げないとちょっと思い出せないところもあるんですが、そういった中で結構細かく、このようにリスク回避措置をいろいろと分けて、分類というか、そういった形でやっているということになっています。
【天野専門委員】 ありがとうございました。いや、今回のこの評価の場面では微々たる話かなとは思いましたけれども、これが表示として出ていったときに、今度、現地で指導するときに、こっちはいいけど、こっちは駄目よというようなところが分かりにくくならないように、また普及の場面ではちゃんと説明ができるようであればいいかなと思いました。
 以上です。
【浮穴室長】 ありがとうございます。事務局です。
【五箇臨時委員】 すみません、ご指摘のとおりで、これ実は議論している段階で、ここまで分けて本当に使用現場で分かるのかというのは一つの懸案事項にはなっているところではありますが、ある意味、ちょっともうレギュレーションとしてやむを得ず、言い方は悪いですが、ここでとにかくこれを評価として通すという部分においては、これだけ細かくリスク回避というものを分類せざるを得なかったということになります。実際問題、使用現場において混乱を来すということはある程度想定した上で、どういった形で指導を表示するかというのは多分、重要なこれからの議論のポイントになってくるというふうに考えています。
 以上です。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。よろしいですかね。リスク低減措置として専門家に確認いただいて、登録基準値を予測ばく露量が下回らないような措置をしていくと、こういうふうになるだろうというようなことですが、実際の施用、散布の現場では、やはりあまりにもそこら辺の、十分そこのところを考慮されたような書きぶりではないので、ちょっとそこについては今後検討いただくということで、これは事務局のほうでご検討いただく、あるいは今後のこういった詳細なリスク低減措置であったりというところを考える際には、ご検討いただければというような、そういうコメントかなというふうに思いましたが、事務局、そういったことでよろしいですか。
【浮穴室長】 ありがとうございます。当然、適正使用の指導というのをしっかりやっていかなければいけないという中で、いろいろ分かりにくいというようなところは事業者の表示、使用方法のラベルなどとも併せて、しっかり対応していくということで、環境省連携しながら農業者の使用現場への指導というのに努めていきたいというふうに考えております。
 以上です。
【山本委員長】 ありがとうございます。天野委員、よろしいでしょうか。
【天野専門委員】 はい、ありがとうございました。
【山本委員長】 ありがとうございます。
 ほかに評価書全体について、イミダクロプリドですが、ご質問、コメント、ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
【嶋川係長】 すみません、事務局の嶋川です。
【山本委員長】 はい、事務局、嶋川さん、どうぞ。
【嶋川係長】すみません。先ほど、鳥類の影響評価の部分で二次評価の種子残留試験のほうで、これは1回の試験なのか、それとも何回か試験されているのかというところなんですけれども、先ほど確認しましたところ、1回のみ試験を実施したもので、そちらの値を評価書に記載しているといった形となっております。すみません、そこを確認しましたので補足させていただきました。
 以上になります。
【山本委員長】 ありがとうございます。一定程度、こういった値というのもある程度幅がありますが、今回については一定程度、まだ登録基準値との差があるのでいいんですけれども、今後、今回は急性の影響評価に基づいた鳥類も評価になっているので、これぐらいだったと思いますが、今後、長期のばく露なんかになってくると、よりシビアなときもあるかなというふうに思いますので、その際に、じゃあ、ちょっとばく露のほうを、特に予測ばく露量のものについては十分なモニタリングの措置なども、鳥類、ハチ類については十分取れないところもありますので、そこについてはまた今後検討いただくということで、今回については、急性の影響の部分については、各種詳細なリスク管理措置を取っていただきながら評価のところでは何とか登録基準値を下回るような形で予測ばく露量を算出できるような形にして、施用についても十分、今後考えていただけるということかなというふうに思いました。水域、それから鳥類、ハチ類、野生ハナバチ類、いずれも少し実際の基準値と予測のばく露、PECとのところにそれなりに近接があるという剤であることはもう間違いありませんので、今後、リスク低減措置については十分注意しながらご利用いただくように今後ご指導いただければと思います。
 よろしいでしょうか。何かご質問、コメント、ほかにございますか。よろしいですかね。
 それでは、そういった形で、修正については基本的にはなかったかなというふうに思いますが、お認めいただいたということにさせていただければと思います。
 それでは、続いての剤についてのご説明に移りたいと思います。
 プロスルホカルブですかね、事務局のほうからご説明をよろしくお願いいたします。
【松浦室長補佐】 資料3-4をご覧いただければと思います。
 続きまして、プロスルホカルブにつきましてご説明させていただきたいと思います。
 こちらも再評価対象剤となっております。これまで同様、評価対象農薬の概要をご説明させていただいた後、水域、鳥類、野生ハナバチ類の順に毒性評価及びばく露評価等についてご説明させていただきたいと思います。
 まず、対象農薬の概要になります。物質概要につきましてはお示しのとおりです。
 作用機構等ですけれども、プロスルホカルブにつきましては、チオカーバメート系の除草剤となっております。
 製剤につきましては、粉粒剤、乳剤がございまして、適用農作物等は穀類、野菜、飼料作物がございます。
 各種物性につきましてはお示しのとおりです。
 続きまして、まず水域の生活環境動植物についてご説明させていただきます。
 検討経緯になりますが、こちらの剤につきましては、令和7年4月に水域検討会においてご審議いただきまして、ご了承いただいたものになります。
 まず、毒性評価の結果になりますけれども、こちらの剤につきましては、平成19年度の過去の評価から新たに提出されておりますのは、ニジマスの試験と、それから、除草剤ということでイボウキクサを用いた試験が新たに再評価に際して提出をされております。また、藻類に係る文献データを二つ評価書に掲載をしております。順にご説明させていただきます。
 まず、魚類になりますけれども、コイを用いた試験が提出されておりまして、最高濃度区のところで全尾死亡となっておりますが、こちら最高濃度区のところでは、水面に油滴がございまして、適切に濃度を測定できていないということで、こちらの濃度区は採用せず、こちらを除いてLC50を算出しておりますので、LC50としては実測濃度に基づいて1,620μg/Lの超値というふうになっております。
 続きまして、新たに提出されておりますニジマスを用いた試験になりますが、こちらにつきましては、実測濃度が測定されていないというところが大きな逸脱になっておりまして、検討会でもこの点議論がありましたけれども、こちらにつきましては流水式で実施をされているということ、それから先ほどのコイの試験での被験物質濃度の挙動、それから本剤の物化性等を踏まえまして、評価には使用できるであろうということで水域の検討会では評価をいただいたところでございます。最終的には、設定濃度に基づいて、LC50としては840μg/Lとしております。
 続きまして、甲殻類等になりますけれども、オオミジンコを用いた試験がございまして、試験概要はお示しのとおりですけれども、EC50としては実測濃度に基づきまして490μg/Lとなっております。前回評価からの、この値の変更につきましては、有効成分換算をしているためというところになります。
 続きまして、藻類等になりますけれども、ムレミカヅキモを用いた試験が提出されておりまして、試験の概要はお示しのとおりですけれども、ErC50としては実測濃度に基づいて110μg/Lとなっております。前回評価では、EbC50ということで、面積法でこのような値が算出されておりますけれども、現行、速度法を用いておりますので、ErC50としては110μg/Lとなっております。
 続きまして、除草剤ということで、イボウキクサを用いたコウキクサ類生長阻害試験が実施をされておりまして、葉状体数と、それから乾燥重量に基づいて評価がなされておりまして、ErC50としては、葉状体数に基づいた値のほうが低いということで、この試験としてはErC50、1,110μg/Lとしております。
 続きまして、環境省が文献等から収集した毒性データということで、藻類生長阻害試験を二つ掲載しております。一つ目がフナガタケイソウを用いた試験になっておりまして、設定濃度、実測濃度等につきましてはお示しのとおりで、ErC50としては設定濃度に基づいて680μg/Lとなっております。
 続いて、アナベナ属を用いた試験がございまして、こちらも設定濃度、実測濃度等はお示しのとおりとなっておりまして、ErC50としては設定濃度に基づいて7,480μg/Lとなっております。いずれの藻類生長阻害試験につきましても、妥当性基準を満たしているかどうかについて、一部な不明な点、それから、その他不明事項がございますけれども、用量反応関係も取れているということで、評価には使用できるだろうということで水域検討会ではご判断をいただいたところです。
 続いて、登録基準値ということで、各生物種のLC50EC50はこのようになっております。魚類急性影響濃度につきましては、ニジマスの試験が新たに提出されたということで、それを採用しまして、不確実係数10で除して84μg/Lとしております。
 甲殻類等急性影響濃度につきましては、キーとなる試験は変わっておりませんで、49μg/Lとなっております。
 藻類等急性影響濃度につきましては、キーとなる試験は変わらず、ムレミカヅキモなんですけれども、先ほど申し上げたように速度法を採用しておりますので、値としては110μg/Lを採用しまして、また、新たにイボウキクサの試験が提出されていることと、文献データを活用しておりますので、計4種の生物種のデータが得られた場合に該当するということで、不確実係数3を用いまして、36.6μg/Lとなっております。これらのうち、最小のAECaということで、登録基準値は36μg/Lとなっております。
 プロスルホカルブにつきましても再評価剤ですので、申請者から公表文献収集に関する結果の報告書は提出されておりますけれども、水域検討会において確認を行ったところ、基準設定に利用できる文献はございませんでしたので、その旨、ご報告をいたします。
 続いて、水域PECになります。製剤の種類及び適用農作物等は冒頭で申し上げたとおりとなっております。
 そういうことで、まず水田使用時のPECにつきましては、水田において使用される場合に該当する使用方法がございませんので、算定の対象外となっております。
 非水田使用時のPECにつきまして、PECが最も高くなる使用方法について算出をしておりまして、その結果及び使用したパラメータ等はお示しのとおりでして、非水田PECTierによる算出結果としては、0.015μg/Lとなっております。
 続いて、総合評価になりますけれども、非水田PECTierは0.015μg/Lということで、水域PECはいずれも登録基準値である36μg/Lを超えていないということを確認しております。
 続いて、資料4、水域PECと基準値の関係、それから設定後の対応になりますけれども、まずプロスルホカルブの基準値案、非水田PECの結果等はお示しのとおりとなります。
 それを踏まえた今後の対応ですけれども、水域PECが基準値の10分の1以下になるということが確認できておりますので、水質モニタリング調査の対象農薬とはしないというふうにしております。
 また、参考でモニタリングの状況をお示ししていますけれども、プロスルホカルブにつきましては、これまでに、こちらにお示しのとおり、水質モニタリング調査の結果、データは確認できておりません。
 水域につきましては以上となります。
【嶋川係長】 事務局の嶋川です。
 続きまして、鳥類につきまして、私のほうから説明させていただきます。
 まず、3ページ目、プロスルホカルブの鳥類への影響につきましては、令和6年8月の登録基準設定検討会にてご審議されております。
 評価結果につきましては、別紙2にまとめておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
 まず、毒性評価ですが、試験としましては、コリンウズラの1試験のみが提出されてきております。被験物質は原体、そして1群10羽ずつが用いられた試験となっております。
 設定用量は、こちら記載のとおりとなります。
 本試験につきましては、供試鳥の週齢について、テストガイドラインで定めるものよりも若齢のものを使っていたという逸脱がありましたが、検討会で議論した結果、若齢を使うことで化学物質への感受性は同等あるいは高くなる傾向があったと考えられることから、毒性値の算出において、被験物質の影響を低く見積もることはなかっただろうというところで基準値設定に利用可能と判断されております。
 試験の結果、全ての設定用量で死亡は確認されておらず、LD50としましては2,250mg/kg体重の超値、そして、体重補正後のLD50としましては1,600mg/kg体重の超値となっております。
 続きまして、登録基準値のほうに進みます。先ほど、試験から得られた体重補正後のLD50値を10で除しまして、登録基準値としましては160mg/kg体重となっております。
 なお、公表文献収集の結果についてですが、申請者から提出されてきた試験データ以外の毒性データは得られず、また、申請者の公表文献収集報告書でも基準値設定に利用可のものはありませんでした。
 続きまして、B-2の鳥類予測ばく露量に移ります。
 本剤、冒頭ご説明がありましたけれども、剤型としては乳剤及び粉粒剤がございまして、適用農作物等としましては穀類、野菜、飼料作物があります。
 使用方法に基づきますと、昆虫単一食シナリオが該当するということになりますので、表2-2で計算しております。こちらに記載のパラメータを用いて計算した結果が、0.029mg/kg体重/日となっております。
 最後、総合評価に戻りまして、4ページに戻ります。記載のとおりですけれども、いずれのばく露シナリオにおきましても、予測ばく露量が登録基準値を超えてないというところを確認しております。
 プロスルホカルブの鳥類の説明につきましては以上となります。
【浮穴室長】 続いて、プロスルホカルブの野生ハナバチ類への評価についてご説明させていただきます。
 プロスルホカルブは、除草剤として登録されております。製剤は粉粒剤、乳剤があり、適用作物は穀類、野菜、飼料作物として再評価に係る資料が提出されているところでございます。
 令和6年12月24日開催の農業資材審議会農薬分科会農薬蜜蜂影響評価部会において、本剤は昆虫成長抑制剤に該当せず、セイヨウミツバチ成虫への急性接触毒性(単回接触毒性試験のLC50値)が11μg/beeの超値であること、及びセイヨウミツバチ成虫の急性毒性試験以外の毒性値、すなわち成虫単回経口毒性試験のLD50値が213.08μg/bee以上の超値であることから、セイヨウミツバチの評価では、1巡目の再評価においてはリスク評価の対象としないことと整理されております。
 野生ハナバチ類の評価についても同様に、1巡目の再評価においては登録基準値を設定しないこととして整理をしたいと考えております。
 以上、ご審議をお願い申し上げます。
【山本委員長】 ご説明ありがとうございます。
 プロスルホカルブですけれども、物質の概要のところですが、チオカーバメート系の除草剤ということで、HRAC:15ということになっています。原体の国内生産量が非常に多いんですね。恐らくその結果、1万t程度あるということで再評価の対象になったのではないかなと思います。各種物性などもありますが、こちらについて何かご質問、コメント等はございますでしょうか。よろしいですか。
 特にご質問、コメント等はございませんので、水域の生活環境動植物に係る毒性評価の部分ですけれども、コイ、ニジマス、それからミジンコ、オオミジンコですね。除草剤ということで、ムレミカヅキモ以外にイボウキクサとフナガタケイソウ、アナベナの試験データが提出されておりまして、キーデータはムレミカヅキモなんですけれども、あと公表文献です。アナベラについては公表文献を使われているということですが、ムレミカヅキモのデータは、これは以前からあったものですが、再評価に際して、最新のテストガイドラインに基づいて、生長阻害率でもってErC50を計算し直したところ、110になっているということですね。そちらがキーデータになっていて、36という登録基準値が決定されています。よろしいでしょうか。
 また、PECについては、これは非水田です。大麦等ですけれども、0.015というふうになっておりますが、よろしいでしょうか。78.4%乳剤、よろしいですか。雑草茎葉散布または全面土壌散布ということですが、よろしいでしょうか。
 続いて、鳥類ですけれども、鳥類については、コリンウズラのデータが提出されておりまして、2,250、補正後1,600で、10で除した160というのが基準値になっております。よろしいですか。
 また、予測ばく露のシナリオについては、昆虫単一食になっておりまして、こちらは0.029と。たまねぎですかね、78.4%乳剤ですけれども、よろしいでしょうか、こちら。その結果として、160に比較して十分小さいということで、こちらも大きな問題にならないだろうというようなことです。よろしいでしょうか。
 野生ハナバチについては、これはセイヨウミツバチの結果が出ているのですけれども、成虫単回接触毒性試験でLD50が80超ですね。それから、成虫単回経口毒性試験でLD50が213ということになっていますので、こちらの値は11μg/beeというのが上回っているということですので、これは十分問題なさそうではないかということですかね。213と80超ということなので、1回目はリスク評価の対象としないというようなご説明でした。よろしいでしょうか。
 プロスルホカルブ全体について、何かご質問、コメント等はございますか。事務局案どおりでよろしいでしょうか。
 それでは、事務局案どおりでお認めいただいたということにさせていただければと思います。
 ここで10分間の休憩ということでよろしいですかね、事務局。
【浮穴室長】 すみません、事務局です。
 休憩する前にちょっと一瞬だけ、ちょっと説明させていただければと思うんですけども。
【山本委員長】 はい、室長ですかね。はい、どうぞ。
【浮穴室長】 すみません。イミダクロプリドについて、先ほど書き分けのご質問がありました。(2)のところでは「発芽(萌芽)から落花(開花終了)まで」となっていて、あと、ほかに「開花期終了後の使用に限る」というような書き方をしているものとの違いということですけども、農林水産省のほうに確認しましたところ、発芽から落花までを除く期間での使用というのは多年生の作物についてこのように書いていると。そして、「開花期終了後の使用に限る」と書いているものについては一年生農作物についてこのように区別をしているということでございました。
 以上です。
【天野専門委員】 すみません。よろしいでしょうか。天野です。
【山本委員長】 はい、天野委員、どうぞ。
【天野専門委員】 恐れ入ります。そうしますと、花き類の中に多年生が入っていないんですか。ちょっと私の記憶であると、いや、先ほど、私がどうしてここに懸念を示したかといいますと、普通、「花き類・観葉植物」という書き方をされていると、鉢物ですとか温室での栽培の花、切り花とか、そういうものを想像されますけれども、ただ、中には、ばらですとか芝桜のような、公園とか、ある程度面積のまとまったところで栽培されるような作物が、たしか花き類の中に入っていたと記憶していたので、それを懸念して指導上、大丈夫かと思って質問した次第です。
【浮穴室長】 ですので、かえで、つつじ類のような多年生のものについてはこちらに書いてあるということで、一年生のものですね、ばらですとか、一年生のものについてはこちらのほうに、書いてあるということになっております。
【天野専門委員】 ばらは一年生でしょうか。
【浮穴室長】 ごめんなさい、失礼いたしました。すみません、ばらではなく、一年生のものですね、はい。
【天野専門委員】 そうなると、もしそういう説明を現地に下ろすときにしていくということになれば、ここで「ただし、一年生のものに限る」と書かないといけないんじゃないですかね。恐らくは、こういう場面、ハチですとか、そういうものの影響の評価が入るということを前提にしないで適用作物の類とか群の設定がされてきているので、ちょっとそこの中身は、これは環境省さんの仕事ではないでしょうけれども、農水省さんのほうと一度整理されたほうが間違いがないような気がしております。
 以上です。
【浮穴室長】 今の、すみません、事務局ですけども、ばらについては、この1.2.2のリスク管理措置のほうで、きく、ばら、ポインセチアなどについてはこのように、使用量との関係で「閉鎖系施設栽培での使用または開花期終了後の使用に限る」というような形でしっかり書いておりますので、全ての適用について、野生ハナバチ類の、あるいはセイヨウミツバチ類のばく露というのを想定したリスク管理措置が取られることになります。その辺り、しっかり現場への指導と説明等もやっていきたいと思っております。
 以上です。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。ちょっとなかなか必ずしも、やっぱり花き類の多年生、花き類・観葉植物ですかね、この辺の多年生のものと一年生のものというのは多分きちんと整理されずに、ここで今、室長のご説明だと、きく、ばら、ポインセチアが入っているじゃないかということだと思いますけれども、そこのところ、現場と指導の部分等を考えると、必ずしもこの書きぶりで正しく伝わるかどうかというのは少し疑問があるというようなご指摘かなとも思ったので、ちょっとこれについては環境省だけではという話でしたので、農水省とも併せてご検討いただいて、実際、散布、施用される農業従事者を少し意識しながらご検討いただくことが最終的なリスク低減にもつながるのではないかなと思いますので、ぜひご検討いただければというようなことかなと思いますので、その辺りは事務局のほうでもご検討いただければと思います。よろしいでしょうか。
 天野委員、よろしいですかね、そういった形で。
【天野専門委員】 はい。そうですね、実際に使う場面のところで間違いがなければと思います。
 以上です。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。事務局、それでは、そういった形でぜひ、そういったコメントもいただいておりますので、ご配慮いただければと思います。よろしくお願いします。
【浮穴室長】 ありがとうございました。
【山本委員長】 ありがとうございます。
【浮穴室長】 それでは、ここで休憩ということで大丈夫です。
【山本委員長】 休憩のほうに入らせていただいてよろしいですかね。
【浮穴室長】 はい、お願いいたします。
【山本委員長】 それでは、ちょうど16時から再開ということでよろしいですか。
【浮穴室長】 はい。そしたら16時から再開ということで、こちらは問題ございません。
【山本委員長】 それでは、16時から審議を再開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。休憩に入ります。
(休憩)
【山本委員長】 すみません、そろそろ16時になりましたので、議事を再開したいと思います。
 次に、議事の2、水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準の設定についての審議に入ります。
 事務局から、資料5及び6に基づいてご説明をよろしくお願いいたします。最初はイソシクロセラムですかね、こちらについて説明をよろしくお願いします。
【渡部係長】 事務局、渡部でございます。
 それでは、資料5、6についてご説明させていただきます。
 水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料となります。
 まず、新規の剤のイソシクロセラムについて、ご説明いたします。各ページの下部にページ番号を付しておりますので、そちらに沿ってご説明させていただきます。
 物質概要につきましては1ページ目に記載のとおりでございまして、作用機構につきましては、イソキサゾリン系の新規殺虫剤でございまして、昆虫の主要な抑制性神経伝達物質であるGABA受容体に結合してアロステリックに阻害することで殺虫活性を示すものでございます。
 また、製剤としては水和剤、適用農作物等は、果樹、野菜、花き、芝等として登録申請をされているところでございます。
 また、各種物性につきましては、2ページ、3ページにお示しのとおりでございます。
 続きまして、4ページ目の安全性評価についてでございますが、こちらは令和7年4月4日付で食品安全委員会からADIを0.009mg/kg体重/日とする評価結果通知がなされているところでございます。
 これを受けまして、環境省では登録基準としまして、0.02mg/Lと値を算定しております。
 食品安全委員会における安全性評価の内容につきまして補足をさせていただきますと、イソシクロセラムに認められる影響としまして、主に体重増加の抑制、リンパ節における形質細胞の増多症、肝細胞や十二指腸及び空腸における上皮細胞の空胞化、脾臓における赤血球造血高進症等が認められております。
 その一方で、発がん性、神経毒性、繁殖能に対する影響及び遺伝特性は認められていない状況でございます。
 また、発生毒性試験について、ラットを用いた試験において、胸骨分節分離が認められている一方で、ウサギを用いた催奇形性試験において毒性は認められておりません。
 また、ADIの設定につきましては、ラットを用いた慢性毒性・発がん性併合試験のNOAELを基準としております。
 また、5ページ目以降に、水濁PECの算定に関する記載がなされております。こちらにつきまして、先ほども申し上げましたとおり、製剤としては水和剤、適用の作物として果樹、野菜、花き、芝等でございますことから、水田に該当する使用方法はございませんで、水田使用時のPECは算定対象外としております。
 また、非水田に関する水濁PECにつきましては、表に記載のとおり、かんきつ適用時の使用方法に基づいて算出をしているところでございます。
 また、本剤は水和剤でございまして、こちらの表に記載の漏れがございますが、使用時には5,000倍に希釈した上で700L/10aの使用方法で使用し、その結果、単回での有効成分量は130.2という値になります。記載に漏れがあり、大変失礼いたしました。
 これらのパラメータを用いて水濁PECを算出したところ、0.000005mg/Lと算出されておりますので、登録基準値案の0.02mg/Lとは大きく下回る値であることを確認しております。
 また、資料6においてでございますけれども、登録基準値案0.02mg/Lの10分の1未満であることを確認しておりますので、農薬残留対策総合調査等のモニタリング対象とはしない整理としております。
 イソシクロセラムに関するご説明は以上となります。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 ご説明ありがとうございます。
 ただいまのイソシクロセラムにつきまして、ご質問、基準値案についてご意見などはありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 イソシクロセラムについては、これは既に生活環境動植物のほうはもう終わっているんですかね、あの評価のほうは終わっていたんでしょうか、事務局。
【渡部係長】 おっしゃるとおりでございます。生活環境動植物のほうは既に議論が終了しておりまして、告示で基準値の設定も完了しております。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。ということは、ここの物質概要とか作用機構等も、もう既にご確認いただいているという理解でよろしいですね。
【渡部係長】 はい、おっしゃるとおりです。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。今回は水濁のほうということで、ADIについては、ADIの根拠についてもご説明いただきましたし、登録基準値としては0.02mg/Lということになっていまして、水濁PECのほうは非水田の第1段階で、0.000005mg/Lと十分下回っているということで確認したということをご報告いただいておりますが、何かご質問、コメントはございますでしょうか。よろしいですか。
 特にご意見がなければ、事務局案どおりでお認めいただいたということにさせていただければと思います。
 続いての剤に移りたいと思います。ベンジルアデニン又はベンジルアミノプリンということで、事務局のほうからご説明をよろしくお願いいたします。
【嶋川係長】 はい、事務局の嶋川です。続きまして、私のほうから説明させていただきます。
 続きまして、ベンジルアデニン又はベンジルアミノプリンについてのご説明となります。資料5の7ページをご覧ください。
 こちらは、後発新規の剤となっておりますので、先発剤からの評価書からの見え消しとなっております。なお、こちらにつきましても水域に係る生活の環境動植物の後発新規の評価は、もう既に農薬小委員会のほうでご了承されているところとなっております。
 まず物質概要につきましては、こちらに記載のとおりとなっております。
 次に作用機構等ですけれども、ベンジルアミノプリンはサイトカイニンの一種である植物成長調整剤となっておりまして、作用機構としましては茎頂分裂組織や花芽形成組織の形成・維持・分化の調整など様々な生理作用を示すというものになっております。
 初回登録は1975年、製剤は液剤及び塗布剤が、そして適用農作物等は果樹、野菜、花き及び芝となっております。今般、新たな製剤として適用農作物等を果樹とする液剤が登録申請されているものです。令和3年度から5年度につきましては、原体の生産及び輸入を行っていない状況とのことでした。
 なお、こちらは先発剤のメーカーに確認したところ、原体の生産等は行っておりませんが、医薬用等のほかの用途でもベンジルアミノプリンを生産されている製造者がありますので、そちらから原体を購入している状況ということでした。
 各種物性につきましては次のページ、8ページに記載のとおりとなっております。上段に先発剤、そして下段に後発剤のデータ、提出されているデータをそれぞれ記載しております。
 続きまして次のページ、安全性評価についてですけれども、こちらは令和7年6月4日付で食品安全委員会からADIを0.062mg/kg体重/日と設定する評価結果が消費者庁宛に通知されました。なお、ADIは先発剤の評価のときから変更はございません。
 また、食品安全委員会の評価によりますと、こちらのベンジルアミノプリンの毒性試験で認められる毒性は、主に体重の増加抑制、肝臓の重量増加、そして腎臓の尿細管上皮形成などが認められております。神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響及び遺伝毒性は認められておりません。
 なお、ラットを用いた発生毒性試験において、胎児に水頭が認められた一方で、ウサギにおいて催奇形性は認められておりません。
 今般のADIの設定につきましては、ウサギを用いた発生毒性試験のNOAELが基準となっております。こちらのADIの評価結果を受けまして、水濁基準値としましては記載の計算式に基づいて計算した結果、0.16mg/Lとなっております。こちらも先発剤の評価の基準値からの変更はございません。
 その他、水質に関する基準値につきましては参考に記載しておりますが、特段なしということになっております。
 続きまして、10ページの水濁PECの算出についてご説明いたします。先ほどもご説明したとおり本剤は製剤として液剤及び塗布剤が、適用農作物等は果樹、野菜及び花き及び芝があります。今般、新たな製剤として適用農作物等を果樹とします液剤の登録申請がされているものとなっております。
 水濁PECの算出につきまして、まず(1)水田PECの算出に関しましては水田使用に該当する使用方法がないため、算定の対象外としております。
 続いて(2)の非水田PECの算出につきましては、非水田使用時においてPECが最も高くなる使用方法で計算いたしました。先発剤での使用方法が最も高くなる使用方法ということに変わりがございませんでしたので、先発剤のときから値に変更はなく、りんごで使用する3%液剤で計算しております。その結果、水濁PECとしましては、0.000099mg/Lとなっております。
 最後、総合評価に移りまして、水濁PECは登録基準値0.16mg/Lを超えていないということを確認しております。
 続きまして、資料6に移ります。
 水濁基準値案と、水濁PECの関係性について、ベンジルアミノプリンは水濁PECTier1が水濁基準値案の10分の1以下になるということが確認されているため、農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の対象農薬としないことといたします。
 なお、ベンジルアミノプリンにつきましては、これまで実施された調査データ等は確認できませんでした。
 ベンジルアミノプリンの説明につきましては、以上となります。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 はい、ご説明ありがとうございます。
 これ、最初のところですけれども、これは剤の名前はベンジルアデニン又はベンジルアミノプリンになっていますけども、これはベンジルアミノプリンが後発剤ということなんですか。それともこの名称はベンジルアミノプリンの・・・何か意味あるんでしたっけ。
【嶋川係長】 名称はこの名称として、今現在先発剤でもこの名称となっております。
【山本委員長】 そうなんですね。略称としてベンジルアミノプリンというのを使っているということですか。
【嶋川係長】 そうですね、本日ご説明する際には略称として。
【山本委員長】 分かりました。ちょっとすみません、混乱して。ありがとうございます。
【嶋川係長】 補足がなく失礼いたしました。
【山本委員長】 はい。あとは先ほどのとおりで、水域のほうの生活環境動植物の基準値のほうはもう既に設定されているということで、こちらの作用機構や物質概要、物性等はご確認をいただいているというようなことでしたね。
 あと、安全性評価については、ADIの根拠、NOAEL等ですかね、これについてウサギを用いて発生毒性試験というのが残っているんですけれども、これは今後書かないということでよろしいんですか。これはもう何かどこかの時点で、かつて平成26年時代は書いていたけども、今は書かなくなったということなのかなと思って解釈していたんですけど、その辺りはこちらのADIの根拠となるNOAEL等のデータの、試験データの具体的なエンドポイントや種々のデータというのは何か書かないようになった経緯というのはご存じでしょうか。
【嶋川係長】 事務局の嶋川です。
 そうですね、書かないというふうに整理をしてはいたんですけれども、具体的にどうして書かないようにしたかというところにつきましては、すみません、現時点でちょっとお答えできないというところで。
【山本委員長】 分かりました。
【嶋川係長】 はい、恐縮です。
【山本委員長】 今口頭で説明いただいているので、ちょっとすみません、何かどういう経緯でとかちょっと気になったので、書いたほうが本当はいいのかなと個人的には思ったんですけれども、委員の先生方、何かご存じですか。その経緯とかご存じの先生方、おられますか。ご存じないですかね。よろしいですか。
 ちょっとすみません、ちょっとこれはまた事務局とも相談させていただいて、今後記載があった、どうせ口頭で説明されるのであればあってもいいのかなというふうに思ったので、ちょっとまた相談をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【嶋川係長】 事務局です。
 承知いたしました。
【山本委員長】 はい。また。すみません。
 あとは水濁PECについてはりんごですかね、3.0%液剤ということで、これについての水濁PECが0.000099mg/Lということで算出されていて、登録基準値0.16mg/Lに比べて十分に低いということが確認できているということだったと思います。
 こちらの事務局のご説明について、何かご質問、コメント等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。特にご意見はございませんかね。
(なし)
【山本委員長】 特になさそうなので、ご意見もいただけませんでしたので、ちょっと先ほどの表記についてはまたちょっとご相談させていただいて、必要に応じて追記をさせていただこうと思いますので、次回以降ですかね、あるいは遡ってできる範囲でということになるかもしれませんが、検討させていただこうと思います。
 ちょっと経緯についてもちょっとまた、事務局のほうからまた相談をさせていただこうと思いますが、そういった形でよろしいでしょうか。委員の先生方、よろしいですか。
(異議なし)
【山本委員長】 はい。特にご意見ないということですので、ちょっと委員長のほうと事務局のほうでちょっと相談をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは残り2剤あるんですが、こちらカルボスルファンとベンフラカルブについては同じ、これは変化物であるカルボフランが生成されるということで併せてのご説明になるというふうに伺っておりますが、こちらはよろしいですかね。事務局のほうの渡部さんのほうからですかね、ご説明をお願いしてもよろしいでしょうか。
【渡部係長】 事務局、渡部でございます。
 山本委員長から言及いただきましたように、カルボスルファン及びベンフラカルブにつきましては、共通した分解代謝物としてカルボフランというものがございます。こちらについては食品安全委員会において、カルボフランについてもADIが設定されましたことから、現在カルボフランの毒性を考慮した基準値を設定することを考えております。
 またこちらは既登録の農薬でございまして、令和2年の第78回の農薬小委員会から継続してご議論いただいているところでございます。実際にこの登録基準値案、カルボスルファン、ベンフラカルブ両剤につきましては、表紙を1ページめくっていただいたところに記載させていただいておりますが、それぞれの農薬の基準値案として、親化合物本体とカルボフランとしての値というものを、それぞれ併記するような形で基準値設定してはどうかということを考えております。
 こちらの両剤につきまして、カルボフランも関係しておりますことから、まとめてご説明させていただければと思います。
 まず12ページにカルボスルファンについて記載をしております。こちら物質概要は記載のとおりでございまして、カルボフラン誘導体のカーバメート系殺虫剤でございます。
 作用機構は、代謝されることによりカルボフランに変換され、昆虫の神経伝達系に存在するアセチルコリンエステラーゼの活性を阻害することによって、殺虫効果を発揮するものと考えられております。
 本成分の初回登録につきましては1983年でございまして、製剤には粒剤、適用農作物等は稲、野菜、花き、樹木、芝等がございます。
 また、各種物性等につきましては、次のページに記載のとおりでございます。
 また、安全性評価についてでございますが、こちらはカルボスルファンについて及びかカルボラン、両方ですね、令和2年2月4日付でADIを設定する通知が食品安全委員会からなされております。カルボスルファンについては0.005mg/kg 体重/日という値が設定されております。
 カルボスルファンについて、食品安全委員会の評価によりますと、カルボスルファンに認められる影響というのは主に赤血球や脳コリンエステラーゼの活性阻害、体重増加の抑制、目の虹彩萎縮や網膜変性などが認められております。
 また3世代の繁殖試験におきましては、産児数の減少や胎児の生後4日の生存率の低下が認められております。またその一方で発がん性、催奇形性、遺伝毒性は認められておりません。
 こちらのADIにつきましては、ラットを用いた急性神経毒性試験のNOAELが基準となっております。
 また、カルボフランにつきましては、食品安全委員会の評価によりますと、その影響として主に赤血球や脳コリンエステラーゼの活性阻害、体重増加抑制などが認められております。
 また、ラットを用いた2世代繁殖試験や発達神経毒性試験においては産児数の減少、産児死亡数の増加及び動物の発達遅延が認められております。その一方で、発がん性、催奇形性、遺伝毒性の各試験において、問題となる影響は認められておりません。
 ADIの設定につきましては、ラットを用いたコリンエステラーゼ活性阻害試験における最小毒性量が基準とされており、その値は0.00015mg/kg体重/日といった値が設定されております。
 これらの値を受けまして、事務局のほうで登録基準値案を算出しましたところ、カルボスルファンとしては0.01mg/L、カルボフランについては0.00039mg/Lという値が算定されております。
 続きまして16ページでございますが、水濁PECの算出についてご説明させていただきます。
 こちらについてはカルボスルファン、そして代謝物のカルボフランの順にPECの算定結果についてご説明させていただきます。
 まずカルボスルファンでございますが、製剤及び適用農作物は先ほど申し上げましたとおり粒剤がございまして、近年、野菜、花き、樹木、芝等を適用としております。
 水田使用時においてPECが最大となる使用方法につきましては、育苗箱を用いた水稲に対する適用方法となりまして、算定に用いた各種パラメータは記載のとおりでございます。また、非水田PECの算出におきましては、きくを適用農作物とした際にご覧のパラメータを用いて算定をしております。
 第1段階の水田、非水田のそれぞれのPECの算定結果を合算しますと0.006mg/Lという値が得られておりまして、水濁基準値案である0.01mg/Lよりも下回ることを確認しております。
 また続きまして、カルボフランの水濁PECの算出についてご説明いたします。
 今回水濁PECの算出に当たりまして、カルボスルファンが使用された時点で全てのカルボスルファンがカルボフランに分解されたと仮定して算出を行っております。
 すなわち適用方法につきましては、カルボスルファンの使用方法と同様のものでございまして、表右上の有効成分量につきましてカルボスルファンの値からカルボフランに分子量換算した数値をパラメータとして用いております。
 第1段階の水田、非水田のパラメータにつきましてはご覧のとおりでございまして、それぞれの算出結果を合算いたしますと、0.0034mg/Lという値が得られております。こちらは登録基準値案の0.00039mg/Lの値を上回る値でございますので、これ以降に第2段階の水田使用時のPECの算出結果を示しております。
 第2段階の計算では、第1段階で用いた有効成分量のパラメータに加えまして、水質汚濁性試験の結果のほか、カルボフランを用いた土壌吸着係数の値を土壌吸着性試験から考慮しまして計算をしております。結果としまして、水田PECの第2段階、Tier2につきましては0.0000576mg/Lとなりまして、非水田Tier1と合算しますと0.00020mg/Lという値が得られておりますので、登録基準値案である0.00039mg/Lを下回る値であることを確認しております。
 繰り返しになりますが、総合評価としましてはカルボスルファンの水濁PEC、こちら0.006mg/Lということで、登録基準値案の0.01mg/Lを下回ることを確認しております。
 また、カルボスルファンの代謝物であるカルボフラン、こちらの水濁PECは0.00020mg/Lということでございまして、登録基準値案の0.00039mg/Lを下回ることを確認しております。
 カルボスルファンのご説明につきましては、以上でございまして、続きましてベンフラカルブのご説明に移らせていただきます。
 こちら21ページに記載をしておりますが、物質概要につきましては記載のとおりでございます。カルボスルファンと同様にベンフラカルブもカルボフラン誘導体のカーバメート系殺虫剤でございまして、作用機序はカルボフランに代謝して変換されることで、昆虫の神経伝達系に存在するアセチルコリンエステラーゼの活性阻害により、殺虫効果を発揮するものと考えられております。
 本邦の初回登録は1986年でございまして、製剤としては粒剤、適用農作物等は稲、またれんこんを含む野菜、飼料作物、樹木、花き等がございます。
 また、各種物性等は次のページに記載のとおりでございます。
 1点補足させていただきますが、表の右上に土壌吸着係数が示されております。こちらにつきましては申請者から提出されました土壌吸着性試験、土壌吸着試験の結果によりますと、ベンフラカルブの分解が早く検出がされないという結果が得られているところから、HPLC法によって算定した値を記載しております。
 また、事前にベンフラカルブの主要な分解経路についてもご質問がございましたが、加水分解性や水中光分解性の値に示すとおり、それぞれ加水分解や光分解なども実際にしますが、特に分解経路において影響を与えるパラメータとしてはpHがございます。中性や塩基性条件下でございますと、比較的安定な性質を示す一方で、酸性条件下に偏りますと急速に分解が促進されるという結果が、それぞれの結果において得られております。
 実際に土壌吸着性試験においても、用いた土壌のpHは6.5であったことから、酸性条件下に傾いていたことが結果に影響しているのではないかと考えられるところでございます。
 続きまして、安全性評価についてご説明します。こちらも令和2年2月4日付で、食品安全委員会からベンフラカルブのADIを0.0089mg/kg体重/日と設定する通知がなされているところでございます。
 食品安全委員会の評価によりますと、ベンフラカルブに認められる影響といいますのは、主に赤血球、脳コリンエステラーゼの活性阻害、体重増加抑制などが認められております。
 また、2世代繁殖試験においては児動物の生存率の低下が認められております。その一方で発がん性、催奇形性、遺伝毒性は認められておりません。
 こちらのADIの設定につきましては、イヌを用いた90日間亜急性神経毒性試験のNOAELが基準となっております。
 また、次にカルボフランのADI、0.00015mg/Lという値が設定されておりますが、こちらはカルボスルファンのほうでもご説明させていただいたとおりでございますので、内容については割愛させていただきます。
 これらの値を受けまして、登録基準値案を環境省のほうで算出しましたところ、ベンフラカルブは0.023mg/L、カルボフランは0.00039mg/Lという値が得られております。
 また、続きまして25ページ以降に水濁PECの算定について示しているところでございます。こちらもベンフラカルブ、カルボフランの順にご説明させていただきます。
 ベンフラカルブの使用方法、また製剤については粒剤、適用農作物は稲、野菜(れんこんを含みます)、飼料作物、樹木、花き等がございます。これらの中で水田使用時においてはれんこんも適用とした際にPECが最大となる値となっております。
 また非水田におけるパラメータにつきましては花き類に用いる際のPECが最大となりまして、算出に用いたパラメータは表にお示しのとおりでございます。
 これらの第1段階で算出された値を合算いたしますと、0.16mg/Lという値が得られておりまして、登録基準値案の0.023mg/Lを上回る値となっております。そのため、これ以降に記載の第3段階の水田使用時のPECを追加で算出しております。
 申請者から提出されました試験成績によりますと、こういった水田使用時の使用方法などの理由から第2段階の算定に係る水質汚濁性試験の実施が困難であったと記載がなされておりまして、その結果申請者からは水田水中農薬濃度測定試験結果が提出されております。このため、これらの試験成績を用いた第3段階のPECを算定しております。
 第3段階の水田PECの算定においては、この水田、実水田を用いた試験成績、加えて土壌吸着係数等を考慮して算出をしておりますが、土壌吸着係数については申請者による土壌吸着性試験からベンフラカルブの分解が早く測定ができなかったこと等の結果を鑑みまして、考慮しないと判断をしているところでございます。
 これらのパラメータを用いまして第3段階のPECを算定しましたところ、0.0000314mg/Lという値が得られておりまして、非水田第1段階と合算いたしますと、その合計値は0.00029mg/Lという値が得られております。そのため、登録基準値案の0.023mg/Lよりも下回ることを確認しております。
 続きまして、次のページ以降にカルボフランの環境中予測濃度について記載をしております。ベンフラカルブ使用時の水濁PECにつきましては、ベンフラカルブ使用時のカルボフランの水濁PECにつきましては、令和2年の第78回農薬小委員会において追加で調査をするべきであるというようなご指摘をいただいているところでございます。
 その経緯について簡単にご説明いたしますが、ページ飛びまして参考1にベンフラカルブ使用時のカルボフランの水濁PECを算出した結果を記載しているところでございます。
 こちらもベンフラカルブの水濁PECの算出の際と同様に、れんこん適用時の水田PECを算定しているところでございます。パラメータについてはご覧のとおりでございまして、非水田についても第2段階を算出しております。
 これらを合算いたしますと、0.00054mg/Lという値が得られておりまして、登録基準値案の0.00039mg/Lを超過する値が得られております。しかしながら、本算定に用います環境モデルを考慮しますと、水田面積として500ha全域でれんこんを栽培するということで仮定したもので算出した値となっておりまして、具体的にれんこん田の総面積といいますのは、令和5年の作物統計において全国でも4,040haであるというところから、500haで算出するというのは過大推計となるのではないかという可能性が考えられます。
 こういったことを踏まえまして、令和2年の第78回農薬小委員会における審議の結果、カルボフランのPECについては河川におけるカルボフラン濃度のモニタリング調査を実施した上で評価することというふうにされております。
 ページ戻りまして28ページの冒頭2段落目でございますが、モニタリング調査については令和3年に1年間の調査結果について、令和4年に開催された第83回農薬小委員会においてご報告しているところでございます。その際の結果については、F県のB地点において登録基準値案、こちら下部に記載しておりますが0.00045と上回る値が得られているところでございます。その結果から、こちらの結果を受けましてベンフラカルブの適正使用に関するれんこん適用時の適正使用、主に止水管理等のリスク管理措置を徹底するように農薬使用現場に対して指導をし、リスク低減措置を徹底した上で追加でモニタリング調査をすることで、その結果を踏まえてカルボフランの水濁PECについては評価をすることが適切であるというふうにされているところでございます。
 以上を受けまして、(1)(2)のところに調査地点の情報が示されているところでございます。具体的には調査実施機関及び地点情報として、河川流量等の情報を記載しているところでございます。
 また、(3)において年間平均濃度の算出結果というものを示しておりますが、特に値が高く見られているB地点におきましても、令和4年から6年の間にそれぞれ0.00024mg/L、0.00017 mg/L、0.00022mg/Lとそれぞれ登録基準値案である0.00039mg/Lを下回る値というものが確認されております。
 総合評価になりますが、繰り返しにはなりますがベンフラカルブの水濁PECは0.00029mg/Lであり、登録基準値案の0.023mg/Lを下回ることを確認しております。
 また、カルボフランの河川中におけるモニタリング調査の結果からも、評価地点における年間平均濃度といいますのは、それぞれ0.00024mg/L、0.00017mg/L、0.00022mg/Lでございまして、カルボフランとしての登録基準値案0.00039mg/Lを下回ることを確認しております。
 続きまして、水濁基準値案と水濁PECの関係についての資料6のご説明に移らせていただきます。こちらはカルボスルファン、ベンフラカルブ、カルボフランの順にご説明させていただきます。
 まずカルボスルファンにつきましては、先ほど第1段階の水田PEC、非水田PECの合計値をお示ししたところでございますが、こちらは登録基準値案の10分の1を上回る値があるというところから、追加で水田PECの第2段階、Tier2を算定しております。第2段階で用いたパラメータにつきましては、資料6の3ページ目に参考2として情報をつけさせていただいているところでございます。
 カルボスルファンを用いた水質汚濁性試験の結果及び土壌吸着性試験の結果の値を用いまして、算定を行っているところでございます。その結果、合計値は0.0002mg/Lとなりまして、カルボスルファンの登録基準値案の10分の1未満となることを確認しております。
 また、そのカルボスルファンのすぐ下のカルボフランについてでございますが、こちらがカルボスルファンを使用した際のカルボフランのPECでございます。
 こちらは3段に分けて示しておりますが、真ん中の段の水田Tier2と、非水田Tier1の合計値について先ほどお示ししたところでございますが、登録基準値案の10分の1を上回るということでございまして、水田PECのTier3及び非水田PECのTier2を算出しているところでございます。
 こちらにつきましても、参考に3ページから4ページに係るところに、水田PECのTier3に係る算定パラメータを示しているところでございます。
 また非水田のTier2につきましては当方の記載漏れでございまして、資料に起こすことができておらず大変失礼いたしました。具体的には非水田PECを算定するに当たりまして、Tier1で用いた算定に加えまして、土壌残留試験の用いた結果から土壌半減期、土壌中半減期というものを推定しまして、そちらの値を用いてTier2を算定しているところでございます。
 それぞれ算出結果として得られた値はこちらにお示しのとおりでございまして、合計値というのは0.000086mg/Lというところから、登録基準値案0.00039mg/Lの10分の1を上回る値であることが確認されております。
 続いてベンフラカルブについてでございますが、先ほどご説明のとおり第3段階の水田PEC、第1段階の非水田PECの合計値は0.00029mg/Lというところで、登録基準値案10分の1を下回ることを確認しております。また、カルボフランについてはモニタリング調査、令和4年から6年の間、こちらの中で最大の年間平均濃度として得られている値0.00024mg/Lにつきましては、カルボフランの登録基準値の10分の1を上回るというところが確認されておりまして、カルボスルファン使用時であっても、ベンフラカルブの評価において用いたパラメータであっても、カルボフランについては登録基準値の10分の1を上回るという値が得られているところでございます。
 こういったことを受けまして、2ページ目の中段、「従って」以降のパラグラフになりますが、カルボスルファン及びベンフラカルブの対応といたしましては、農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の対象農薬とすること、また当該農薬を調査対象とする場合には、代謝物のカルボフランも併せて調査することとして、カルボフラン濃度について継続して注視していく必要があるというふうに考えております。
 また、特にベンフラカルブのれんこん適用時についてですが、適正使用についてリスク管理措置については徹底し、カルボフランの流出低減措置は継続して行われるよう、農薬使用現場に対して指導することで対応したいというふうに考えております。
 また続いて、参考情報として過去に行われたモニタリング情報、状況についてでございますが、カルボスルファンについては平成15年度に実施された農薬残留対策総合調査において検出は認められていない状況です。また、ベンフラカルブについては水道統計で調査がなされておりますが、検出された最高濃度といいますのは0.0007mg/Lであります。
 そしてカルボフランについては、平成15年に実施された農薬残留対策総合調査によれば、検出された最高濃度といいますのは0.0007mg/Lでございまして、そのほか水道統計で実施された調査によりますと、検出された値というものは0.00038mg/Lという値が得られているところでございます。こちらは参考情報としてお示しさせていただきます。
 以上をもちまして、カルボスルファン、ベンフラカルブに関するご説明のほうは以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 はい、ご説明ありがとうございます。
 これは非常に複雑なのでもう一度整理したいと思いますが、ベンフラカルブと、カルボスルファン2剤ありまして、カルボスルファンが最初にありましたけれども、いずれもこれは分解物でいいんですかね。代謝物という表現もされていたんですが、変化物とか分解物という表現でよろしいですか。これはちょっといろいろ、表記がいろいろあるんですけれども、ベンフラカルブの代謝物であるカルボフランと書かれると、代謝物というと何か生物内の反応のような感じがするんですが、これは代謝物という表現でもう書かれるんでしたか。これもたしか、もしかしたら事前の打合せでも少しお話ししたかと思うんですが、これは農薬のほうの評価書ではそういう書き方をしているから代謝物をという表現を使うとか、そんな回答でしたでしょうか。ちょっと一応、念のためもう一度確認させてください。
【渡部係長】 申し訳ございません。事務局でございます。
 説明の言葉にぶれがありまして大変申し訳ございません。この代謝物という表現でございますが、実際に申請者から提出されました試験成績を参照しますと、実際に植物内の代謝試験とかそういったところでもカルボフランは代謝物として生成されますし、また環境中においても、例えば加水分解とかそういったものの結果、分解産物としてもカルボフランは生成されるというところで、どちらの言葉を使っても誤りはないかなと考えているところでございますが、今回ご説明に当たりましては代謝物というところで、農薬評価書に記載させていただいているところでございます。
【山本委員長】 はい、分かりました。実際の環境中の話なので、今水質汚濁に関わる基準値云々であれば、水域では恐らくほとんどが植物体内で代謝したとか、代謝されたとか、動物の体内で代謝された、人、ほか動物の中で代謝されたものではなくて、このカルボフランの生成は主に光分解なり加水分解なんじゃないかなと思ったので、代謝物であることは間違いないですけど、植物内とか当然人や動物、その他生物の中でも代謝物でもありますが、正確に言うと何か変化物とか分解物とかのほうが多分正しいんじゃないかなと思ったので、ちょっとこれは今後ちょっとどういう表現を使うか分かりませんが、ちょっとご検討ください。表記の問題だけなのかもしれませんが、ちょっとどうかなと思ったところもありますので、ご検討いただければと思いました。
【渡部係長】 承知いたしました。
【山本委員長】 それはちょっとすみません、置いておいて、このカルボスルファンのこの変化物、分解物であるカルボフランですかね、について2剤ともこれが恐らく活性の本体だということなんだと思いますけれども、それぞれについてADIが基準値、登録基準値が算出されていて、PECについてはちょっと水田使用時だと第1段階では親化合物ですね、これはカルボスルファンのほうは一応超えないんですか。ですが、カルボスルファン由来のカルボフランの場合は超過するので、第2段階で算出をして、そちらについては第2段階で算出すれば超過はしないと、そういう説明でいいですね。
 その一方でベンフラカルブという別の、これも同じカーバメート系の殺虫剤ですが、こちらの場合については水濁PECを求めると第1段階だとどうやらベンフラカルブのほうも超過するということですかね。第2段階、第3段階と進んでいくんですか。その形で水田使用時の部分が特に主にということですので、そちらについて算出をして、ベンフラカルブのほうは登録基準値を下回ると。精緻な評価をやると水濁PECについては下回るんだけれども、ベンフラカルブが100%カルボフランになったと考えた場合はそれを超過するということで、これについては実際のかなり、これは500haというかなり過剰なモデルになっているから、実際のモニタリングのデータを見ましょうということだったんですが、モニタリングのデータを実際取ってみると、28ページ、29ページになりますが、F県A地点、B地点とかで令和3年時点ではB地点のほうですかね、超過が起こったんだけれども、年間平均濃度で、令和4年以降についてはリスクの管理措置を実施することで何とか下回ることができたということですと。3年間にわたって下回っていますというようなご説明だったのかなと思います。
 あわせてこれは水道のほうでも測定をされていて、最大の濃度が0.00038ということですか。これは資料の6のほうですかね。カルボフランについては、平成27年度から令和4年に実施された水道調査でも0.00038ということなので、こちらは0.00039というのを下回っているというようなことなのかなと思って聞いていましたが、引き続きこちらについては残留対策総合調査のほうを実施すると。水道のほうでも恐らく調査をされるということですので、それのほうをきっちりウオッチしていきながら、リスク管理措置を引き続きやることで、水濁PEC、登録基準値を上回らないようにリスクを管理していきたいというようなご説明だったのかなと思いますが、よろしいでしょうか。
 これは、水道も関係あるので浅見委員とかにお聞きしてもよろしいですかね。何かご質問とかありますでしょうか。コメント等ございますでしょうか。
【浅見委員】 ありがとうございます。
【山本委員長】 すみません、指名して申し訳ないです。
【浅見委員】 いえいえ。この農薬についてはかねてより気になっておりまして、これだけモニタリングをしても超過の事例もあることですとか、あと代謝物の、水道の場合ですと代謝物と一緒に併せて、比と併せてというようなことをするんですけれども、超過ではないんですがやはり水源で検出されるということで注視をしております。
 れんこんの施肥で土壌中に長く残留をして、それがじわじわと年間平均値で越えるとか、平均値としてそれなりに高いというようなことからしても、かなり要注意な農薬なのではないかなというふうに考えております。
 こちらのほうでは、比を取って足すとかということはしないでいいのでしょうか。そこが一つ気になりますのと、あと表現としまして代謝物というのは今WHOのほうでも農薬の変化物、分解物とか代謝物とか、植物での代謝も動物での代謝も含めて全部Metabolitesとして、それも併せて評価をしていこうというような動きもありまして、日本だけではなくて海外でも問題になっているなと思います。それは併せてやはり毒性の本体と比を取って足して、超えないことがやはり必要なのではないかと思っております。
 それから行くと、これはこのまま使い続けるのか、よく注意して考えるべきと思っておりました。
 コメントで恐縮ですけども、よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。
 代謝物のほうはWHOでも利用されているということですかね。Metabolitesという言葉は使われているということなので、確かにMetabolitesであることは間違いないと思うので、環境中での変化物をどういうふうに捉えるかみたいな感じかなと思いましたが、今回は恐らくカルボフラン自体は、ここで出てくる測定しているものは恐らく代謝物ではあるんだけども、できたのは加水分解や光分解なので、もう少し広い意味での変化物という言葉を使うのが本当はいいのかなと思ったんですが、ちょっとそこはもうお作法があるようであれば、私は別にそこまでそれに対して言うことはないので、既に使われているという表現であれば、代謝物で間違いじゃないということなのかなと思いました。
 あと浅見委員ご指摘のとおりで、やはり水道のほうは合算の評価を既にやられているということで、リスクをどういうふうに捉えるかということなんですが、今回カルボフランについては、ベンフラカルブとカルボスルファンの両物質、両原体から生成されるということなので、今は水田と非水田については合算をするんだけども、カルボフランが出てくる親の物質が両方二つあるんだけども、それに対しての水濁PECの合算みたいなのはちょっとしないみたいなのは、ちょっと確かにどうなのかなというふうに思ったので、その辺りからはスタートできるんじゃないか、明らかに同じ代謝物ですか、分解物ができるというときに、そういったことは少し試行的にやってみるというのは重要なんじゃないかなというふうに思ったので、今回はどちらかというとPECでというのが難しいので、逆にモニタリングを実施してリスク管理措置をやって、そこのところの低減を図ったというような話なので、実際のモニタリング値なので、もう合算されていると思うので問題ないかなというふうに思いましたが、ただほかの当然剤もありますので、そういったものも含めて水道のほうでは評価されているということなので、そこは少し意識をこちらの農薬のほうではよくパブリックコメントでもそういったコメントもいただいているところもありますから、そういったところは少し考えていったほうがいいんじゃないかと。できるところから評価をやっていければいいんじゃないか。当然作用点だとかが違うので、本当に単純に足し合せすると逆に言うとそれはもう過剰な安全側になってしまうところもあるので、そこのところの考え方かなというふうに思いますが、ちょっとそういった水道のほうでの考え方もあるので、今後できる範囲のところで試行していくというのが重要かなというふうに思いましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 あとは、浅見委員からのご指摘、やはりかなり近接していてかなりウオッチしているというようなご指摘かなと思いますが、今のモニタリングはあくまでも年間の平均値なんですよね。水道のほうは最大値を使っていられますが、そういうことなのでしっかりモニタリングをされてどれぐらい超過が続いてるのかみたいなことも、やっぱりある程度ウオッチしていくのが重要じゃないかなというふうに私個人的には思いました。
 浅見委員のほうから何か、よろしいですかね。そんな感じのまとめにさせていただこうと思いますが、何か追加で補足等ございますか。
【浅見委員】 すみません、参考までにお伺いしたいんですけれども、足し合わせるときにやはり作用機序ですとか分解物が同じものを足して合わせるというところ、水道の場合はもう全部のものをADIとの比を取って足すということではあります。またもう一つ別のリスク管理で、ここでは特にやはり同じような作用機序のものというのが一つ重要かなと思うんですけども、カルボスルファンとベンフラカルブは同時に使われることは、どのくらいあるのかというのを参考までに教えていただくことできますでしょうか。
【山本委員長】 はい。これは事務局ですかね。もしよろしければご回答お願いします。
【渡部係長】 事務局でございます。
 コメントをいただきありがとうございます。比で考える、分解物とかの算定方法については今後の検討等にも参考にさせていただきたいと思います。
 またご質問いただいたカルボスルファンとベンフラカルブ両剤が一度に使われるのかどうかというところについてなんですけれども、実際に現在登録をされているカルボスルファンとベンフラカルブの製剤につきまして、それぞれ1剤ずつ適用上の注意を確認させていただきましたが、その結果適用上の注意として、例えばカルボスルファン使用時にはベンフラカルブを有効成分として含有する農薬は使用しないこと、また逆にベンフラカルブの製剤には注意として、カルボスルファンを含有する農薬は使用しないことというように注意が施されておりますので、一農家さんがカルボスルファンとベンフラカルブを同時に使用するというところは考えづらいかなというふうに考えております。
【浅見委員】 ありがとうございました。大変参考になりました。
【山本委員長】 ご回答ありがとうございます。それはあくまでもあれですよね、製剤の際には両方を含むということは基本的にはないということだと思いますが、実際の適用はもしかしたらあるかもしれないということですよね。同じ流域の中で、片一方ではベンフラカルブを使って、片一方ではカルボスルファンを使ってみたいなことは、必ずしもそれを禁止しているというわけではないということだとは思うんですが。ただ今回の場合はそれをモニタリングでもって実データでもって確認しているということなので、それは両方含まれていると。どちら由来かは少なくとも両方合算されているということなのかなと思って聞いていました。
【渡部係長】 事務局でございます。
 すみません、細かいところの補足で恐縮なんですけれども、ベンフラカルブとカルボスルファンは、両成分が有効成分として含有する農薬はないというところももちろんなんですけれども、それぞれの製剤の使用上の注意として、片一方を含有する農薬を使用した際には、もう片一方の有効成分を含有する農薬は使用しないことというふうな注意喚起がなされているところでございますので、確かに山本委員長おっしゃるように、別々の少し離れた地域、例えばベンフラカルブ、カルボスルファンとかが使用するパターンというところは否定し切れないところは事実でございますが、一農家さんにおいては両方の農薬と言いますか、カルボスルファンを含有する農薬、ベンフラカルブを含有する農薬、両方を使用することはないであろうというふうに考えております。
【山本委員長】 なるほど、ありがとうございました。すみません、私もちょっと誤解しましたが、基本的には使う際にその二つの製剤ですかね、二つのもともと原体からやったものを同時には使わないということは使用時に注意事項で書かれているので、恐らくその農家さんは守ってくれるだろうけども、必ずしも同じ流域の中に、今回調査したところも含めてですが、やはりそれは別々のものが使われる可能性は当然あるということは否定できないということですね。分かりました。ありがとうございます。補足いただきありがとうございます。
 いろいろ議論させていただきましたけれども、ほかの委員の先生方から、こちらカルボスルファンとベンフラカルブについて、何かほかに追加ご質問等ございますでしょうか。
 白岩委員ですかね、お願いいたします。
【白岩専門委員】 緑の安全推進協会の白岩でございます。
 事務局からご丁寧な説明をいただきましたので、登録基準値案の数字とか今後のご対応については非常に結構かなと思うんですが、この資料につきまして、このローマ数字のⅠの評価対象農薬の概要のところでございますけれども、できましたらこのカルボフランの物質概要とか各種物性等といったところをちょっと書いていただくと、後とのつながりもいいのかなというふうに感じたところを発言させていただきました。
 以上です。
【渡部係長】 事務局でございます。
 コメントありがとうございます。評価書の記載のほうについて、検討させていただきます。
 また、参考として画面にお示しさせていただきますが、こちら令和2年の第78回農薬小委員会において、カルボフラン単独の評価書というものを精査していただいておりましたが、そちらに記載の物質概要、また各種物性等についてはこちらお示しのとおりとなっております。ご参考までにお示しさせていただきました。
【山本委員長】 白岩委員よろしいでしょうか。
【白岩専門委員】 結構でございます。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。恐らくあれですよね、水濁のほうの評価書は最終的にインターネット、ホームページで公開されることになると思いますが、その際に、当然今事務局でご説明あったように、カルボフランとしてのところにだと両方入っているかもしれませんが、カルボスルファンのほうにベンフラカルブがあったり、ベンフラカルブのほうにカルボスルファンが参照できるような形にしておいたほうがいいのではないかというご指摘かなというふうに私受け取ったんですが、そういったことでよろしいですかね。それは事務局にご検討いただくということでよろしいですか。
【白岩専門委員】 よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 事務局、よろしいでしょうか。そういったご指摘もありますので、ちょっとこれご検討いただいて、必要に応じて対応ということでいいかなと思いましたけど、いかがでしょうかはい。
【渡部係長】 事務局でございます。
 ただいま白岩委員からいただいたご指摘なんですけれども、事務局としては各ベンフラカルブ、カルボスルファン、それぞれの評価書にカルボフランの情報を記載してより分かりやすい評価書としたほうがよいというふうにご指摘をいただいたものと理解しておりますが、その理解で問題ございませんでしょうか。
【山本委員長】 カルボフランだけでよろしいですか。
【白岩専門委員】 私の最初のコメントはカルボフランを入れて、ということだったんですけど、委員長のお話も尤もだなと思いました。
【山本委員長】 分かりました。まずはカルボフランについて当然入るんですけれども、同じように当然のことながらカルボフランを生成するものとしてベンフラカルブがあります、カルボスルファンがありますみたいなのは、何らかの形で多分相互参照できるような形であったほうがいいというふうに思ったんですが、カルボフランは当然入る、入れるというのは多分当然のことかなというふうに思いますが、別途用意されているということですが、それについてはこちらに入れていただくというのは実際評価もやっているので、物質概要のところも入れていただきたい。ご指摘のとおりかなと思いますが、それについて、ちょっとこれはまた事務局と相談させていただいてできる範囲内でやらせていただこうと思います。そんな形の対応でよろしいですかね。
【渡部係長】 事務局でございます。
 ありがとうございます。対応について、記載内容についても検討させていただいて、ご相談させていただければと思います。
【山本委員長】 ありがとうございます。それでは、そういった形にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 ほかに質問、コメント等ございますでしょうか。ほかの委員の先生方からございますでしょうか。
 須戸先生、どうぞよろしくお願いします。
【須戸専門委員】 ありがとうございます。須戸ですけれども、2点ちょっと教えていただきたいことがあって、第3段階のPECですけれども、26ページにも第3段階のPECが書いてあって、これの次の27ページのところの試験成績はアスタリスクの4にあるように、これベンフラカルブとして検出された値というふうな記載があります。
 30ページのところに、これは参考なんですけれども、これも第3の水濁PECであって、これはアスタリスクの5のところにカルボフランとして検出された値となっているんですけども、今回いろいろ計算されたのはどちらかに統一されているのかどうかというのをちょっとお聞きしたかったのが一つと、それとモニタリングのところですが、28ページですかね、28ページのモニタリングの結果が書いてありますけれども、これ(2)のところに比流量が、河川流量が書いてあって、大分河川流量が少ないので希釈される水が少ないので濃度が高くなったかもしれないというような考察の資料になるかなと思いますが、後段のところにれんこん畑はものすごい面積のところを想定しているのでというようなことがあったので、それを考えると実際にモニタリングをやったところが、どれぐらいのれんこん畑の面積があったのか、流域に占める面積比率でもいいかと思いますけれども、そういった情報があると面積云々というところの考察を補強するようなデータになるのかなというふうには思いました。
 2点ともちょっとコメントですけれども、よろしくお願いします。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。
 事務局、よろしいでしょうか。
【渡部係長】 事務局でございます。ご説明させていただきます。
 まず、ベンフラカルブ、カルボフランの第3段階の水田PECの算出においてでございますが、こちら水田を用いました試験の結果においては、こちら試験方法としましては試験区においてベンフラカルブ剤の処理をしまして、それぞれベンフラカルブとカルボフランそれぞれを申請者は検出しております。ですので、ベンフラカルブの計算のほうではベンフラカルブとして検出された値、参考1に示すカルボフランの水濁PECのところにつきましては、こちらの値はカルボフランとして算出された値となりますので、特段分子量換算等はしているものではございません。
 その一方で、計算方法としましては、ベンフラカルブを処理して行った試験というところもありまして、カルボフラン単独での農薬というものは登録がございませんで、有効成分量を判断する上では、ベンフラカルブ剤に含有されるベンフラカルブ量、こちらを分子量で換算して出した値というものを用いて計算をしているところでございます。
 以上、第3段階の算出においてのご説明となります。
 また、2点目につきましても回答させていただきます。河川流量についてでございますが、まずB地点における河川流量0.27m3/sというところで他地域と比較しますと、やはり流量は少ない状況というふうになっておりまして、ベンフラカルブ、カルボフランについても希釈されにくいであろうというところも踏まえまして、令和4年に実施されました第83回の農薬小委員会においても、B地点が、カルボフラン濃度が高くなるワーストケースの一つであろうというふうにご判断いただいているところでございます。
 また、参考1のご説明のほうに記載させていただいております500haは、非常にモデルとしては大き過ぎる面積だというところについてですが、A地点、B地点、これらにつきましてF県の県庁に確認をしましたところ、具体的に正確な数値とまではご提示できないんですけれども、これらの地域、大体50から150ha程度というところで、比較的れんこん畑としても広い面積であるというところと、大きかったとしてもその面積の程度であるというところで、500haで計算するには非常に大きな値であるというところでございます。
 事務局からのご説明は以上でございます。
【須戸専門委員】 ありがとうございます。そうすると27ページにある表のこの濃度の値というのは、アスタリスクの4を見れば分解物を含まないベンフラカルブとして検出された値という記載がありますので、ここにはカルボフランの濃度は入っていないという意味なんでしょうか。さっきのお話を聞いていると、それも含めた濃度というふうにお聞きしたんですけれども。
【渡部係長】 事務局でございます。
 須戸委員のおっしゃるとおり、ベンフラカルブのみの検出された値でカルボフランは含まない値でございます。
【須戸専門委員】 そうすると、これはカルボフランでの値ということなんですね。ちょっといろいろ環境中では比較的早く分解して、ベンフラカルブはカルボフランになるんだけれども、そこは特に考慮せず親化合物がどれだけ残っているかという試験を用いて計算したという、そういったことでよろしいですかね。
【渡部係長】 それぞれのこちらの濃度測定の試験といいますのが、ベンフラカルブ、カルボフランそれぞれの田面水中の農薬濃度の半減期を求める上で算出しているところもございますので、ベンフラカルブとカルボフランそれぞれの検討のところにもう一方を加えてしまうと、半減期にもちょっと分解特性も異なるところもありますので、半減期の値が真実よりも異なる値となってしまう可能性もありますので、ベンフラカルブ、カルボフランそれぞれの水濁PEC算定においては、ベンフラカルブ、カルボフラン、それぞれの値を用いて算出を行っているところでございます。
【須戸専門委員】 分かりました。半減期を用いて計算するのでこの結果が用いられているということで理解しました。
 それで、後段の部分はおっしゃっていただいたとおりですけれども、流量も少なくてしかも比較できるたくさんの面積で散布されていて、ただPECのモデル自体は500haという大きなモデル中の水域、散布面積が500haという広い面積を取っているんだけれども、それよりは面積自体は小さいんだけれども、流域の中に占めている水田、れんこん畑の面積が大きいことを考えればこれをPECの代わりに実測データが十分下回っているんだという根拠として示せるということだったと思います。
 ちょっとごめんなさい、コメントのような言い方になりましたけども、以上です。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。そうですね、水濁PECの第3段階についてはそれぞれ別々にやっているということなんですね。ベンフラカルブとカルボフラン、ベンフラカルブ由来のカルボフランについて、同じ水濁試験、この試験ですけれども水田中の試験なんですが、これが同じ試験なんだけども、親のほうだけ測ったもので親のほうでの値を出しているものと、その変化物、代謝物の値のみで求めているものを使っているということなんですね。これは先ほどのとおりですけど、これは合算は特にここではしていないというような話ですね。
 あとは先ほどの現地の話ですが、500haほど大きくはない、50から150程度ということと、流量が少なくなっているというところで、実際の3m3/sでということですか、これよりもかなり低いところでやっているということなので、この実際のここのモニタリングの値を上回るようなことは実際はないだろうと。かなりのワーストケースのところでやっていて、PEC自体もかなりワーストケースを考えているので、これでやってここの一番高いと考えられるところでもこの状態なのでということは恐らく示せているだろうということだったので、ちょっと先ほど50から150みたいな、参考でもあると非常に考察としては非常に分かりやすいんではないかなというふうに思いますので、またこれもぜひご検討いただければと思いました。ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。ほかにこのベンフラカルブ、カルボスルファンについて追加でコメント、ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 いずれにせよかなり近接していると、モニタリングをしっかりやっていただいてリスク管理措置もやっていただくことが重要ではないかなというふうに思いますので、ぜひその点については環境省としてやっていただくことが重要かなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 いずれにせよ事務局案についてはご了承いただいたということにさせていただいて、以上で水質汚濁に係る農薬登録基準について環境大臣が定める基準の設定についての審議を終了したいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なし)
【渡部係長】 事務局でございます。すみません。白岩委員からのお手が挙がっているようですが、こちらは。
【山本委員長】 これは先ほどのものですか。白岩委員、よろしいですか。
【白岩専門委員】 すみません、下ろし忘れです。
【渡部係長】 失礼しました。ありがとうございます
【山本委員長】 はい、すみません。ということですので、よろしいですかね。
(異議なし)
【山本委員長】 それでは続きまして、事務局のほうから以上の議事1、2に関する今後の予定についてのご説明をよろしくお願いいたします。
【松浦室長補佐】本日ご了承いただきました農薬登録基準につきましては、今後行政手続法の規定に基づいてパブリックコメントを30日間実施した後、結果を本小委員会でご報告させていただきたいと思います。パブリックコメントにおいて、基準値等に修正を求める意見が寄せられていた場合には、委員長に再度審議を行うかどうかご相談いたします。再審議の必要がない場合には、本小委員会への報告後、部会長の同意を得て中央環境審議会長に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意を得られれば、中央環境審議会決定として、環境大臣に答申いただくことになります。さらに答申後、基準値を告示いたします。
 今後の予定についてのご説明は以上となります。
【山本委員長】 はい、ご説明ありがとうございました。よろしいでしょうか。
(異議なし)
【山本委員長】 はい、ではそのように進めていただければと思います。
 次に議事(3)その他になります。案件は2件あります。
 「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」及び「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果についてです。事務局のほうからこれは資料の7と8ですかね、に基づいてご説明をよろしくお願いいたします。
【渡部係長】 はい、事務局、渡部からご説明させていただければと思います。
 資料7及び資料8につきまして、本件は令和7年3月21日に開催されました第95回の農薬小委員会で審議されました生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)及び水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)についてご意見を募集した結果となります。
 まず、資料7の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)についてご説明いたします。
 こちらの対象農薬は、ジンプロピリダズ、フェリムゾン、フェンメディファム3剤となっておりまして、意見募集の結果1件のご意見が寄せられております。
 具体的には2ページ目にご意見を示しておりまして、提出されたご意見ですけれども、農薬を散布するから農薬に抵抗性を持った植物が育ち、土壌汚染につながる。農薬まみれの農作物は安心安全なものではないといった反対のご意見をいただいております。
 こちらのご意見に対する考え方を表の右欄に記載しておりますが、農薬は安定した作物生産を確保する上で重要な資材であること、それから農薬は最新の科学的知見に基づき評価を実施して、農薬の使用量等を考慮した上で問題がないこと、そういったものを確認された場合のみ、農林水産地大臣が登録を認めるということをお答えしようかと考えているところでございます。
 また、続きまして資料8についてでございます。
 こちら水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)についてでございますが、対象農薬はグルホシネート及びグルホシネートPナトリウム塩、プレチラクロール、プロパモカルブ塩酸塩、ペントキサゾンの4剤となります。
 こちら、意見募集に対して3件のご意見が寄せられているところでございます。
 まず1件目についてですが、水質は自然な状態が最もよいと考えられる。技術の進歩によって水質の悪化を改善させるべきである。であれば、化学物質の基準値は低くあることが求められるといった趣旨のご意見をいただいております。
 こちらのご意見に対してでございますが、農薬登録に当たっての考え方のご説明に加えて、2段落目となります。こちらに水濁基準値は水の利用が原因となって人に被害が生じないよう食品安全委員会で設定されたADIに基づいて飲み水に由来する農薬のばく露により生涯にわたって人の健康に影響が及ぼさない値として設定されているということをお答えしようかと考えております。
 続いて2件目につきまして、基準値については科学的見地の観点から更新されてしかるべきであり、今回の基準値案について賛成である。一方で基準値案の変更は、農家の方々にコストを発生させる可能性も考えられるため、無理のない範囲に設定することが適当といったご意見でございます。
 こちらのご意見に対して、農薬の登録に当たった考え方のご説明に加えまして、2段落目でございますが、引き続き科学的知見に基づいた評価の実施に努めていく旨を回答しようかと考えております。
 最後に3件目でございますが、複数の農薬を合わせて摂取すると毒性が増す可能性があり、単体で判定するよりはるかに危険です。基準を満たしているからといって安易に許可することはやめていただきたいといった反対のご意見をいただいております。
 こちらのご意見に対してでございますが、複数の農薬のばく露による人に対する影響について、その評価手法も含め、引き続き最新の科学的知見の収集に努めていく旨を回答しようかと考えております。
 意見募集の結果について、それぞれご説明は以上となります。意見募集の結果につきましては、生活環境動植物の被害防止に係る基準値と水濁の基準値、いずれも今後所要の手続を経て告示することとして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、同日付で電子政府の窓口で公開することを考えております。
 ご説明は以上となります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
【山本委員長】 はい、ご説明ありがとうございました。
 ただいまの説明につきましてご意見、ご質問等をお受けしたいと思います。二つありましたが、最初のまず生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)に対して、意見募集の結果ですけど、こちらのご意見1件いただいておりますが、こちらについて何かご質問、ご意見ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。農薬のそれぞれの目的、作物生産というところであったりだとか、生活環境動植物の影響評価というのは十分、こちらの検討会でも専門家の方々にかなりしっかり議論をしていただいて、それに基づいて、使用基準に基づいてリスク管理措置などもやって使っていますよというようなことだと思いますが、よろしいでしょうか。
 特に回答についてのコメント等はございませんので、続いて水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)に対してのご意見に対しての回答ですが、これ3件ありましたが、よろしいでしょうか。
 水の利用に関してということですが、ADI、飲み水に由来する生涯にわたって摂取しても人の健康に影響が及ばない値として設定されているものですというようなことですかね。
 二つ目は、どちらかというとポジティブなご意見をいただいているようなことかなと思いますが、科学的知見に基づいて引き続き、きちんと最新の科学的知見に基づいてやりますというような話、複数の話もありましたが。
 浅見委員のほうから何かございますでしょうか。よろしくお願いします。
【浅見委員】 すみません、ありがとうございます。
 1番目のご意見のところなんですけれども、水道設備の老朽化というような辺りもコメントをしていただいておりまして、回答のほうは水質汚濁に係る農薬登録基準の飲み水に由来する農薬のばく露というところの記述をいただいているんですけれども、管渠の水をそのまま飲むわけではなくて水道で処理をして飲んでいるところの処理が今後難しくなるんじゃないかというようなところもご指摘をいただいたのかなと思っております。
 修文の具体的な案があるわけではなくて恐縮なんですけれども、水道での処理が徹底されるように確認するとともに、飲み水により由来する農薬のばく露によりと何とかというところを、一つワンクッション入れていただいたほうがいいのかなと思いました。
 何かこの文面だと、何かそのまま飲み水になるような感じというふうに捉えられていらっしゃるかもしれないなと思ったところでございました。
【山本委員長】 ありがとうございます。この2パラグラフ目ですかね。水道設備の話を書かれていて、水道の処理もきちんとやられて安全性を確認されながら飲み水として提供されているというか、水道事業、水道について、水道の安全性の評価なども実際されているし処理もされてるといったことが、老朽化等もちろんあるとは思いますが、その辺りも含めて何か1文は書いたほうが私もいいかなというふうに思いましたので、これはどうしましょうか、事務局のほうで少し水道については水道設備、水道事業、水道の中で飲み水になる前に一旦水環境、水資源の中から実際処理がされてそれぞれの家庭に行っている、飲み水になるというまでに過程があるということを何かこう1文、2文追加するとそんな感じでよろしいですか。
【浅見委員】 はい、すみません、前だったら水道は省庁が別なのですけども、隣の席になったので。
【山本委員長】 そうですね。ちょっとそうしたら一旦事務局のほうで書いていただいて、浅見委員にご確認いただいたほうが、多分間違いないかなと思うので、申し訳ないですが。お手数をおかけして申し訳ないですが。
【浅見委員】 すみません、余計なことを申し上げたような感じもいたしますが、すみません、よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 そうしたら、すみません、お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。事務局のほうでちょっとそうしたら1文、2文等ですね、回答の素案を作っていただいて、私と確認させていただいて、浅見委員のほうにご確認をお願いしようというふうに思いますので。
【浅見委員】 すみません、山本先生が確認していただけるのでありがたいです。
【山本委員長】 すみません、可能であればよろしくお願いします。
【浅見委員】 すみません、恐れ入ります。
【山本委員長】 事務局、よろしいですか。そういった対応でよろしいでしょうか。
【浮穴室長】 事務局でございます。そのように対応させていただきます。よろしくお願いいたします。
【山本委員長】 はい、ありがとうございます。
 ほかに、ほかの委員の先生方から何か追加でご質問、コメント等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(なし)
【山本委員長】 それでは、先ほど浅見委員からご意見いただいたところについては事務局で素案を作成させていただいて、委員長確認の上浅見委員にもご確認をしてから公開というふうにさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、そういった形で事務局のほうとしては公開に向けて手続を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ最後になりましたが、生活環境動植物被害防止に係る農薬登録基準値として環境大臣が定める基準値の設定に用いる公表文献の取扱いについて、こちらを事務局のほうからご説明よろしくお願いいたします。
【松浦室長補佐】 続きまして、資料9ということで、生活環境動植物被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定める基準値の設定に用いる公表文献の取扱いについてという文書について、ご説明させていただきたいと思います。
 本日も水域の評価の中でございましたけれども、特に再評価に当たっては申請者から提出される試験成績に加えまして、公表文献の活用も進めているところでございますが、これまでの評価における申請者等とのやり取りを踏まえまして、申請者に向けて公表文献の取扱いに関する基本的な考え方をいま一度明確化しておく必要があるかと考えまして、このような文書を作成しております。
 こちらの文書につきましては、後日環境省の農薬に関するページ等において公開する等しまして、周知に努めたいというふうに考えております。
 具体的な内容につきましては、2ポツ、基本的な考え方の部分をご覧いただければと思いますけれども、公表文献につきましては基準値の設定根拠になり得るかどうかについて、OECDテストガイドライン等への適合性であったり、試験結果の信頼性の観点から検討するものであること、そして一般的に公表文献においてはGLP基準に準拠して実施された試験というものは限定的と想定されることから、基準値の設定根拠となり得ると判断されれば、GLP基準へ準拠しているか否かにかかわらず、生活環境動植物に係る評価に利用するものとするということを記載しております。
 繰り返しになりますけれども、本文書につきましては後日環境省の農薬に関するページ等において公開する等しまして、周知に努めたいというふうに考えております。
 資料9につきましては以上となります。
【山本委員長】 はい、ご説明ありがとうございます。
 ただいまのご説明について何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 今日も幾つか公表文献があったと思いますけれど、水域のほうはかなり積極的に鳥類についても幾つか出てきたと思いますし、ハチについてもこれは参考ですけれども、セイヨウミツバチについてはもう実際評価値のほうにも利用されているというようなことだったかなと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【山本委員長】 なかなかデータがない中で、あるデータをできるだけ活用していくというのが重要なことかなというふうに思いますので、公表文献の活用というのは今後も続けていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ご意見がなければ、事務局案でご了承いただいたというふうにさせていただきまして、今回説明あった内容で公表いただきますようよろしくお願いいたします。
 それでは、これで本日の審議は一通り終了いたしましたので、全体を通じて何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【山本委員長】 特にご質問、ご意見ございませんので、事務局にお返ししたいと思います。
【浮穴室長】 事務局の環境管理室の浮穴でございます。
 山本委員長、どうもありがとうございました。また委員の皆様方には、長時間にわたるご審議ありがとうございました。
 次回農薬小委員会でございますが、令和7年9月24日、水曜日を予定しております。また近づいてまいりましたらご案内さしあげますので、ご出席をお願い申し上げます。
 大変長い時間のご審議をありがとうございました。
 以上をもちまして第96回中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日は長時間にわたりご審議いただき、ありがとうございました。