中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第83回)議事録

日時

令和4年3月3日(木)13:30~16:05

場所

WEB会議により開催

出席委員

委員長   白石 寛明

臨時委員  浅見 真理

      五箇 公一

      根岸 寛光

      林 由香里

      山本 裕史

専門委員  赤松 美紀

      天野 昭子

      稲生 圭哉

      内田又左衞門

      川嶋 貴治

      後藤 千枝

      佐藤 洋

      築地 邦晃

      (敬称略、五十音順)

委員以外の出席者

環境省

  伊澤室長、上迫室長補佐、秋山係長、服部主査

オブザーバー

  農林水産省

  独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)

  国立研究開発法人国立環境研究所

議題

(1)生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

  ・アフィドピロペン

(2)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

  ・アフィドピロペン

  ・シペルメトリン

(3)その他

  ・「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について

  ・カルボフランの河川水中モニタリングの状況について(経過報告)

配付資料

 資料1   中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿

 資料2   諮問書(写)及び付議書(写)

 資料3   生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料
      (案)

 資料4   生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案と水域PEC・予測ばく露量との関係につい
       て

 資料5   水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

 資料6   水濁基準値案と水濁PECの関係について

 資料7   「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について

 資料8   カルボフランの河川水中モニタリングの状況について(経過報告)

 参考資料1 農薬評価書アフィドピロペン(食品安全委員会資料)

 参考資料2 農薬評価書シペルメトリン(食品安全委員会資料)

 参考資料3 農薬蜜蜂影響評価書案アフィドピロペン(農林水産省資料_パブリックコメント版)

議事

【伊澤室長】 定刻となりましたので、ただいまから第83回の中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。本日は全委員よりご出席いただいており本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
 今回もウェブ会議での開催となり、委員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、何とぞご容赦願います。

【服部主査】 それでは資料の確認をお願いいたします。
 画面上に配付資料一覧を表示しております。それに沿って説明いたします。
 配付資料は資料1から8、参考資料は3資料でございます。資料は説明の際に画面に表示いたしますが、必要に応じてお手元にご準備をお願いいたします。
 事前送付資料からの変更箇所についてはその都度ご説明いたします。

【伊澤室長】 それでは議事に入らせていただきます。
 なお、議事の進行中、委員長及び発言者以外はマイクをミュートに設定いただきますようお願いいたします。ご発言時はミュートを解除し、初めにお名前を名乗っていただいた上でご発言ください。ウェブシステム上の不具合がありましたらお電話やチャット機能で事務局までお知らせください。
 それでは以降の進行につきましては白石委員長にお願いいたします。

【白石委員長】 お疲れ様でございます。議事の進行を務めさせていただきます。
 初めに本日の会議と資料の公開の扱いについてご説明いたします。
 本日の農薬小委員会は、令和2年2月27日に決定されました「中央環境審議会における新型コロナウィルス感染症対策について」を受けまして、ウェブ上での開催といたします。
 また、資料及び議事録についてはホームページにて公開させていただくとともに、YouTubeにおいて、音声のライブ配信を行い、ウェブ上で傍聴いただける形といたしております。以上よろしくお願いします。
 次に、農薬小委員会の決議の取扱いについてご説明いたします。
 小委員会の設置についての水環境・土壌農薬部会決定では農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て、水環境・土壌農薬部会の決議とすることができることになっております。したがいまして、この農薬小委員会で決定いただきましたら、水環境・土壌農薬部会の古米部会長の同意をいただいた上で、部会としての決定としていくことになります。
 それでは、議事次第に沿って記事を進めたいと思います。
 初めに議事1、環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 初めに事務局から諮問書を紹介してください。

【服部主査】 事務局でございます。画面に資料2を表示しております。こちらは令和4年2月16日付で環境大臣から中央環境審議会会長へされた諮問でございます。こちらの別紙1にお示ししているアフィドピロペンが、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準の設定に関する議題として、本日ご審議いただく予定です。
 続けて、別紙2に記載の農薬については、本日ご議論いただく水質汚濁に係る農薬登録基準の設定に関する農薬であります、アフィドピロペン及びシペルメトリンがございます。この諮問につきましては令和4年2月18日付で、中央環境審議会会長から水環境・土壌農薬部会部会長へ付議なされております。
 資料2のご説明については以上です。

【白石委員長】 それでは審議に入りたいと思います。事務局から資料の説明お願いします。

【服部主査】 事務局でございます。
 今、資料3をお示ししております。生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料でございます。農薬名はアフィドピロペンです。本農薬については生活環境動植物として水域の生活環境動植物、鳥類及び野生ハナバチ類をまとめてご審議いただく最初のものでございます。
 事務局から、水域の生活環境動植物の被害防止に係る評価、陸域の生活環境動植物のうち鳥類の被害防止に係る評価、ハナバチ類の被害防止に係る評価の順に一通りご説明した後、それぞれご議論くださいますよう、お願いいたします。また、その際、評価書の様式についてもご意見いただけますと幸いです。
 では早速、本資料の説明をします。
 まず初めに、各論に入る前に本資料の構成についてご説明いたします。
 こちら、画面をお示ししているのは表紙でございますが、初めに共通事項であります評価対象農薬の概要、続いて、それぞれの毒性及び環境中予測濃度・予測ばく露量に係るデータ、最後にそれぞれの総合評価という構成にしております。また、後ほどもご説明いたしますけれども、Ⅱの毒性とばく露評価に関する資料は全て本体に載せますと大部になり、確認しづらいと考えまして、本体の後ろにそれぞれ別紙という形で別出ししております。
 それでは各論のご説明に移ります。1ページを示しています。評価対象農薬の概要です。こちらは共通事項としてご説明いたします。
 まず、本農薬の構造式と物質概要につきましてはお示しのとおりでございます。
 作用機構等ですが、アフィドピロペンは、新規ピロペン系の殺虫剤であり、弦音器官のTRPVチャネル複合体の開閉を攪乱し、その結果として、標的昆虫の摂食行動やその他の行動を攪乱すると考えられています。
 本邦では未登録です。
 製剤は水和剤があり、適用の作物等は麦及びいも等として登録申請がされています。
 続いて、各種物性です。こちらもお示しのとおりです。
 概要につきましては以上で、続けてⅡの毒性とばく露評価に係るご説明に移ります。先ほども申し上げたとおり、毒性データ等はそれぞれの別紙にまとめております。
 初めに水域の生活環境動植物に係るご説明をいたします。こちらは別紙1の1ページを示しております。
 アフィドピロペンの水域の生活環境動植物に係る評価は、昨年8月に開催された水域の生活環境動植物登録基準設定検討会、いわゆる水産検討会でご審議いただきまして、了承いただいております。ついては毒性データ等に加えて、水産検討会での議論についても簡単にご説明させていただきます。
 まず、初めに魚類の試験として、コイ、ニジマス、ファットヘッドミノーの3試験が提出されております。
 まず、コイの試験についてです。半止水式96時間で実施され、最高濃度区で全数の死亡が見られました。LC50は18,000μg/Lとなります。本試験では供試魚の全長がOECDテストガイドラインの規定を逸脱しておりました。この点につきまして、魚体の成長段階が同じテストガイドラインと同じ稚魚期であったこと、また全長は試験実施当時の農薬取締法テストガイドラインの範囲内であったことを踏まえまして、検討会でご議論いただき、毒性値への影響は大きくないということでご判断いただいております。
 続いて、ニジマスの試験です。止水式96時間で実施され、実測濃度22,800μg/L区から半数以上の死亡が認められました。LC50値は21,300μg/Lとなっております。
 続きまして、ファットヘッドミノーの試験です。止水式96時間で実施され、実測濃度24,700μg/Lから全数で死亡が認められました。LC50は18,300μg/Lとなっております。本試験もコイの試験と同様に、供試魚の全長がOECDテストガイドラインの規定を逸脱しておりました。こちらもOECDテストガイドラインで定めております成長段階と同じ稚魚期の魚体を試験に用いること等を踏まえまして、検討会でご議論いただき、毒性値への影響は大きくないというふうにご判断いただきました。
 続きまして甲殻類等の試験です。オオミジンコとユスリカ幼虫の2試験が提出されております。
 オオミジンコの試験についてです。止水式48時間で実施され、11,000μg/L濃度区から半数以上の遊泳阻害が認められました。EC50は8,000μg/Lとなっております。この試験については用量反応関係が取れていないということがございまして、検討会でご議論いただいております。EC50を算出した区間、今お示ししているのは申請者による全濃度区での算出結果でございますけれども、他の方法、具体的には実測濃度2,500μg/L区から最高濃度区の範囲で計算しても、EC50の値がこれより大きくなる、つまり全濃度区で計算している結果がより安全側であるということを踏まえまして、検討会においてご了承いただいております。
 次にユスリカ幼虫の試験です。ドブユスリカを供試生物とし、止水式48時間で実施されております。最高濃度区でも遊泳阻害が認められなかったことから、EC50は24,000μg/L超となります。
 続きまして、藻類の試験です。ムレミカヅキモを用いて、振とう培養72時間で実施されました。最高濃度区でも成長阻害率は50%未満でしたので、ErC50は25,000μg/L超となっております。
 次にPECについてです。本剤は製剤として水和剤があり、適用農作物とか麦及びいも等ということで、非水田使用の第一段階のPECを算出しております。その結果、水域PECは0.00029μg/Lとなっております。
 ここで本体に戻りまして、総合評価です。本体ですとページ番号は4ページ目でございます。今回魚類3試験、甲殻類等2試験、藻類1試験が提出されており、登録基準値はそのうちオオミジンコ急性遊泳阻害試験のEC値を不確実係数10で除した800μg/Lとさせていただきます。
 リスク評価です。水域PECが0.00029μg/Lでありまして、登録基準値800μg/Lを超えていないことを確認しております。
 資料3の水域の生活環境動植物に関する説明は以上です。

【秋山係長】 続きまして、鳥類の登録基準設定に関する説明に移らせていただきます。
 まず、その前に鳥類基準値の設定と鳥類の被害防止に係るリスク評価の手順について、簡単にご説明いたします。基本的には、第一次答申に記載してある内容となります。
 資料を共有しましたので、画面をご覧ください。
 左の鳥類基準値の設定が毒性評価、右側の鳥類予測ばく露量の算定がばく露量評価ということで、両方を評価した上でリスク評価を行うことになります。毒性評価につきましては鳥類の経口毒性試験のLD50を用いまして、仮想指標種への体重補正をした上で、複数の試験成績が提出されている場合にはそれらの試験結果を統合し、不確実係数で除して鳥類基準値を設定いたします。
 ばく露量評価は、例えば水稲に適用のある農薬は水稲単一食シナリオ、果樹に適用のある農薬は果樹シナリオといったように、農薬の適用を踏まえたばく露の可能性があるシナリオごとに鳥類へのばく露量を算出することになります。鳥類基準値とばく露量をそれぞれ算出し、その比較をもってリスク評価をするということになっております。
 なお、リスク評価については初期評価と二次評価の2段階制となっておりまして、仮に初期評価の鳥類予測ばく露量が鳥類基準値を上回るようであれば、二次評価へ進むことになります。二次評価では鳥類予測ばく露量を残留試験の結果などを用いてさらに精緻化し、先ほど初期評価で算定した鳥類基準値と比較することになります。仮に二次評価でも鳥類予測ばく露量が鳥類基準値を上回るようであれば登録不可となります。
 以上簡単ですが、鳥類評価の流れについて説明させていただきました。
 それでは資料3に戻りまして、アフィドピロペンに係る鳥類基準の設定についてご説明いたします。これらの内容は別途開催されました鳥類登録基準設定検討会において一度ご審議いただいている内容となっております。それでは画面に表示してあります別紙の2をご覧ください。
 今回、コリンウズラ、ウズラ、マガモ、キンカチョウの4種について、急性経口毒性試験が提出されております。
 まずコリンウズラについてですが、試験物質には原体を用いておりまして、雌雄各5羽ずつの計10羽で試験が実施されております。死亡数についてですが、対照区も含めて、計6濃度区が設定されておりまして、999 mg-a.i./kg-b.w.区で半数以上の死亡が認められております。LD50 Adjについては801 mg-a.i./kg-b.w.となっておりまして、体重補正後のLD50は585 mg-a.i./kg-b.w.となっております。こちらの試験につきましては飼育時の湿度など逸脱事項もございましたが、逸脱の程度が軽微であることから、試験結果には影響しないと判断されております。
 続きまして、ウズラを用いた試験についてです。こちらの試験式についても試験物質には原体を用いておりまして、雌雄は判別しておりませんが、計6羽で試験が実施されております。最高濃度区でも半数以上の死亡が確認されておらず、LD50 Adjは1,870 mg-a.i./kg-b.w.超となっております。体重補正後のLD50 Adjは1,550 mg-a.i./kg-b.w.超となります。
 こちらの試験に係る論点としましては、供試生物の週齢がTGから逸脱しておりました。TG上、16週齢のものを用いるということになっておりますが、実際の試験に用いた供試生物の週齢は3週齢ということになっております。こちらについては鳥類登録基準設定検討会において総合的に判断しまして、こちらの試験成績については採用可能と判断されております。
 続きまして、マガモの試験成績についてです。試験物質については同じく原体、雌雄5羽ずつの計10羽で試験が実施されております。なお、最高濃度区のみ8羽となっているのは、雄2羽で投与1時間後に吐き戻しが観察されたためです。よって、これらを評価対象から外したため、最高濃度区のみ8羽となっております。
 LD50 Adjについてですが、最高濃度区でも半数以上の死亡が確認されておりませんので、LD50 Adjは2,000 mg-a.i./kg-b.w. 超となっています。体重補正後のLD50 Adjについては1,120 mg-a.i./kg-b.w. 超となります。
 続きまして、キンカチョウのデータについて説明いたします。試験物質は原体、雌雄各5羽ずつの計10羽で試験が実施されております。343 mg-a.i./kg-b.w.区以上から半数以上の致死が認められておりまして、LD50 Adjは365 mg-a.i./kg-b.w.となっております。体重補正後のLD50 については388 mg-a.i./kg-b.w.となります。こちらの試験については明暗周期や湿度、温度の逸脱等もございましたが、逸脱が軽微であるため、こちらの試験成績についても、評価には採用可能と鳥類検討会で判断されております。
 続きまして、鳥類予測ばく露量の説明に移ります。
 適用農作物は麦及びいも等となっておりますので、今回は昆虫単一食シナリオのみの対象となります。表の2-5に記載されているパラメータを用いて計算しておりまして、算出結果は0.00055 mg-a.i./kg-b.w.となっております。
 それでは5ページに戻っていただきまして、総合評価に移ります。
 まず、毒性値採用の考え方について、簡単に説明させていただきます。今回のように複数種でLD50 が得られる場合は、全ての種のLD50 Adjから幾何平均値を求め、その値に対して最も感受性の高い種、今回の場合キンカチョウのデータになりますが、こちら最も感受性の種のLD50 Adjが幾何平均値の10分の1以上である場合は、複数種のLD50 Adjの幾何平均値を評価対象農薬のLD50 Adjとし、10分の1未満である場合には最も感受性の高い種のLD50 を評価対象農薬のLD50 Adjとすることとしています。
 今回の場合ですと、最も感受性の高いキンカチョウのデータから得られた毒性値、388 mg-a.i./kg-b.w. 幾何平均値である794 mg-a.i./kg-b.w.の1/10以上であることから、幾何平均値を不確実係数の10で除した79 mg-a.i./kg-b.w. を基準値案として設定させていただきます。
 リスク評価ですが、シナリオごとの鳥類予測ばく露量の最大値は、鳥類基準値を超えていないことを確認しております。
 鳥類についての説明は以上になります。

【上迫補佐】 それでは最後に、野生ハナバチ類に対するリスク評価について説明をさせていただきます。
 まずリスク評価方法について簡単にご説明をさせていただきます。
 これは、令和2年6月に出されました「生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第二次答申)」で答申いただいた内容を踏まえたリスク評価方法となっております。
 まず、毒性評価、ばく露評価ともにセイヨウミツバチのデータを使うこととされております。まず毒性評価ですけれども、ばく露経路を考慮して、接触ばく露については単回接触毒性試験、経口ばく露については単回経口毒性試験、反復経口毒性試験、幼虫についても経口ばく露の毒性試験を行います。
 また、ばく露評価につきましては、接触ばく露は1頭当たりの農薬付着量、これは70nLとしておりますけれども、これに有効成分濃度を乗じて計算をいたします。一方、経口ばく露につきましては、摂餌量に花粉・花蜜の農薬残留量を乗じることにより計算いたします。そして、この毒性評価とばく露評価を用いてリスク評価を行いますけれども、ばく露経路ごとに基準値と予測ばく露量を算出して比較するというところが、水域、鳥類と異なるところでございます。すなわち、接触ばく露は接触ばく露で比較をしまして、経口ばく露は経口ばく露で比較をするということになりますので、基準値が複数できることになります。
 まず、野生ハナバチ類の基準値の設定方法ですけれども、先ほど申しました毒性試験の結果、導出されたLD50を不確実係数10で除し、さらにLD10変換係数0.4を乗じることにより算出をいたします。
 一方、野生ハナバチ類の予測ばく露量については、先ほどご説明いたしましたセイヨウミツバチの予測ばく露量に野生ハナバチ類のばく露確率、具体的には、水産や鳥類でも導入している普及率を掛けて予測ばく露量といたします。そして両者を比較するわけですけれども、仮に予測ばく露量が基準値を超える場合は、予測ばく露量の精緻化、あるいは蜂群に対する評価(第二段階評価)を実施してすることとしております。
 それではアフィドピロペンの評価の説明にまいりたいと思います。資料3の別紙3をご覧ください。
 なお、ミツバチに対する毒性評価、ばく露評価は、昨年12月に農林水産省の審議会で、ミツバチの評価として審議されているものでございます。したがいまして、本小委員会ではミツバチに対する毒性、ばく露の評価はご参考という位置づけで、お考えいただければと思います。
 まず、野生ハナバチ類への毒性でございますけれども、成虫単回接触毒性試験が実施されておりまして、OECDのテストガイドライン214に基づいて実施されております。毒性値48h-LD50 が200μg超となっております。
 続きまして、経口毒性試験について、でございます。成虫単回経口毒性試験は、同じくOECDのテストガイドライン213に基づき実施をされておりまして、LD50 が100μg超とされております。
 さらに成虫反復経口毒性試験も使用されております。なお、この成虫反復経口毒性試験ですが、OECDのガイドラインでは245が相当いたしますけれども、このテストガイドライン245は2017年に公表されております。この試験成績は2014年でございますけれども、そのテストガイドライン245の基礎となった方法により実施をされていると聞いておりまして、テストガイドライン245と比較しても試験方法に大きな差はないものと認識しております。
 10日間のLDD50 が73.3μg/Day、「/Day」となっておりますのは1日当たりの摂餌のばく露量ということでございます。
 最後に、幼虫の経口毒性試験でございます。成虫の毒性試験では、いずれも超値ということで影響がほとんど見られなかった、少なくとも死亡というエンドポイントに関しては影響が見られなかったのですけれども、この幼虫に対しては影響が認められておりまして、72h-LD50 が42.2μgとなっております。なお、試験期間が96時間となっておりますけれども、72時間経過した時点で評価をしておりまして、その後の経過観察も含めて96時間実施をしているということでございます。
 毒性試験は以上でございますけれども、続いてばく露量の計算に移りたいと思います。表の3-6をご覧いただければと思います。このアフィドピロペンについては、小麦とばれいしょとてんさいが適用作物として挙げられていますけれども、小麦とてんさいについてはミツバチがばく露しないと想定される作物として、農水省の局長通知に定められておりますので、ばく露量の計算を行っておりません。また、ばれいしょにつきましては、ばく露量推定において花粉のみの摂餌量を用いる作物とされております。
 したがいまして、経口ばく露を計算する際に、通常であれば花蜜を含めた摂餌量、具体的には成虫であれば1日当たり150μg、幼虫であれば124μgを使うわけですけれども、花蜜からのばく露が想定されないということで、花粉のみの摂餌量、具体的には成虫は9.6μg、幼虫は3.6μgという数字を使って、ばく露量を計算しております。
 具体的には、接触ばく露量は、有効成分濃度0.0025%とありますけれども、これに一頭当たりの農薬付着量70nLを乗じて計算をいたします。接触ばく露量は0.00172と計算されております。一方、経口ばく露量ですけれども、推定花粉・花蜜濃度に、先ほど申しました摂餌量、成虫は9.6μg、幼虫は3.6μgを乗じております。なお、推計花粉・花蜜濃度に誤りがございました。正しくは7.2μg/gでございます。この7.2μgに、先ほど申しました9.6、または3.6を掛けまして、経口ばく露量としましては、成虫が0.0691、幼虫が0.0259となっております。
 以上が、ミツバチの予測ばく露量ということになりますけれども、野生ハナバチの予測ばく露量としては、次のページをお願いします。
 野生ハナバチ類の予測ばく露量といたしましては、このセイヨウミツバチの予測ばく露量に、農地等の農薬使用が想定されるエリアに採餌のために飛来する確率、採餌確率、ただし、これは保守的に100%、全ての餌を農地内で採るという想定をしております。これと、その農地等で対象農薬が使用される割合、具体的には普及率でございまして、鳥類、そして水産と共通の水田10%、非水田5%を乗じて算出しております。そのため、野生ハナバチ類の予測ばく露量としましては、セイヨウミツバチの予測ばく露量にそれぞれ0.05を乗じて計算をしております。ご覧のような数字になっております。
 最後に総合評価に移ります。
 先ほどご説明いたしましたとおり、セイヨウミツバチのLD50、LDD50は、ご覧のとおりでございます。これを不確実係数10で除した後、さらにLD10変換係数0.4を乗じることにより基準値を算出いたします。
 セイヨウミツバチ単回接触毒性については、基準値は8.0μg/bee、成虫単回経口毒性については4.0μg/bee、成虫の反復経口毒性については2.9μg/bee/day、幼虫の経口毒性については1.6μg/beeとなります。
 リスク評価ですが、ばく露経路ごとに比較した結果、いずれも野生ハナバチ類予測ばく露量が、野生ハナバチ類基準値を超えていないことを確認しております。
 資料3につきまして、以上でございます。ご審議をお願いいたします。

【白石委員長】 どうもありがとうございました。
 ただいまのアフィドピロペンにつきまして、審議いたします。
 まず、水域の生活環境動植物、続いて鳥類、最後に野生ハナバチということでやりたいと思いますが、まず、共通事項として、資料の1ページ目あたりから、何かご意見があったらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。未登録の剤で。作用機構等もよろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見がないようでしたらば、まずは最初に水域の生活環境動植物の被害防止に係る内容について、ご質問、基準値案についてのご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

【山本臨時委員】 国立環境研究所、山本です。
 水域のところを少し補足させてもらってもよろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、お願いいたします。

【山本臨時委員】 事務局のほうから既にご説明いただいていると思いますけれども、魚の3生物の試験については、ガイドラインが2019年に改定されたので、魚体について二次性徴前の幼魚で実施しないといけないことになっていますが、当時のガイドラインに基づいて、少し大きめの魚体のサイズで試験が実施されていますが、最終的な試験結果には大きく影響しないレベルの逸脱だろうということを議論したことは、先ほどのお話のとおりです。
 オオミジンコの試験、別紙の1-3ページですけれども、ドーズレスポンスがやや取れていないことについて少し議論になりましたが、これも事務局の説明どおりで、単純に低い側で、なぜ、こうなったのかについて少し疑問はあるのですが、この剤の作用機序の特徴などを反映しているのかもしれませんが、このまま評価することになり、EC50の8,000μg/Lについても問題ないでしょうと判断されました。
 ユスリカについてですけれども、昆虫の摂食行動に影響があるということなので、急性的な影響は出ていませんが、やはり今後、慢性影響についても議論することになりましたら、こういった剤については、慢性的な影響として摂食に影響があるということで、その結果として、ユスリカであれば羽化や繁殖に最終的に影響が出る可能性はありますが、この水産登録基準の急性影響については問題ないだろうということになりました。それらについては、特に議論はありませんでした。
 私からは以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ほかに、毒性の面で、何か追加のコメントはございますか。

【内田専門委員】 内田ですけど。

【白石委員長】 はい、お願いします。

【内田専門委員】 別紙1-1ページのニジマスと、別紙1-2ページのファットヘッドミノーの試験ですけど、最高濃度が45,700μg/Lと56,500μg/Lで、水溶解度より2倍ぐらい高いのですよね。この表をみますと、「飽和溶液に対する希釈度」とあるのですけど、このように高濃度になっているのは、温度が高いとか、何か理由があるのですか。それとも、過飽和にされているのですか。両方とも止水式なので、ドンと入れたのかなとも思ったりするのですが、その辺、何か議論はありましたか。

【白石委員長】 それでは、これは事務局、お願いします。

【服部主査】 事務局でございます。
 コメントありがとうございます。今のご指摘の点ですね、先ほどの説明からは漏れておりましたけれども、水産検討会でもお気づきの委員がおりまして、議論になってございます。
 おおよその考えとしまして、水溶解度を測定したときの試験方法と、今回、このニジマスなりファットヘッドミノーの試験を実施したときの濃度測定の方法が違うことが影響しているのではないかということでございました。
 具体的には、水溶解度については、OECDテストガイドラインのフラスコ振とう法を用いて測定をしていると。一方、こちらはサチュレーションカラムというのでしょうか、ガラス類に試料を付着させて、それで水を通したときにできるものを飽和水溶液と、ここで言うところの設定濃度100%に当たるものを作りまして、そこから希釈していくことで実測濃度を測っていったと、そういったものでございます。
 その濃度が違う点というのは、ご指摘がありましたけれども、測定方法の違いが影響しているのではないかと。また、水溶解度との値の差についても、それほど大きいものではないのではないかというところで、ご納得いただいているというふうに理解しております。
 その点、山本先生からも何か補足等がありましたら、お願いいたします。

【山本臨時委員】 山本です。内田委員、ありがとうございます。
 ご指摘のとおり、若干、測定された水溶解度、これは先ほど事務局の服部さんから説明がありましたように、フラスコ法により20℃で実施されているデータと、恐らく、それぞれの魚の飼育水への溶解度とは若干違うということだろうと思われました。当然、その際の飽和溶液の作成方法などの違いもあって、2倍程度であれば、これまでもいろんな化学物質の試験を見てきた範囲内で、あり得る範囲内だろうという議論をさせていただいて、お認めしてよいのではないかという話になったと記憶しております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。内田委員、よろしいでしょうか。

【内田専門委員】 はい、分かりました。

【白石委員長】 純水に対する溶解度と、飼育水に対する溶解度は違うでしょうし、溶液の作成方法が違うということですね。一応、溶解していることは確認されているということでよろしいでしょうか。

【服部主査】 はい。そのように理解しております。

【白石委員長】 では、ほかにご意見、ご質問があったら、お願いします。毒性の部分です。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、毒性の部分はお認めいただいたと、事務局(案)どおりとさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 それでは、PECについて、ご意見ございますか。
 1-5ページ、水域環境中予測濃度ですけど。4.9%の水和剤を使って、予測がされております。Tier 1による算出結果として、0.00029μg/Lということですが、よろしいでしょうか。ご質問、ご意見、ございませんか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようですので、これも事務局(案)どおりとさせていただきたいと思います。
 今度は資料3の4ページ目ですか、水域の生活環境動植物の総合評価になります。表示していただけますか、4ページ。
 各種試験成績から、甲殻類の急性影響濃度(AECd)をもって、登録基準値を800μg/Lとするということでございますが。よろしいでしょうか。リスク評価は、ここに書かれたとおりで、PECは登録基準値を超えていないということでございます。
 よろしいようでしたら…。

【浅見臨時委員】 浅見でございますけれども、1点、お伺いしてよろしいでしょうか。

【白石委員長】 どうぞ。

【浅見臨時委員】 この総合評価のところですが、今回、ハチと鳥類の結果も一緒に審議されたと思うのですけれども、こちらに関しては一緒には記述をしないということでよろしいでしょうか。私の理解が不十分でしたら申し訳ないのですが。

【白石委員長】 すみません、私の説明が悪いのかもしれません。総合評価の(A)として水域の生活環境動植物があり、総合評価の(B)が次のページにあるのですが。

【浅見臨時委員】 総合評価は、それぞれ行うということになるのでしょうか。

【白石委員長】 それでは、これは事務局、お願いします。

【服部主査】 浅見先生ご理解のとおり、それぞれに対して行うというふうにご理解いただければと思います。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。

【伊澤室長】 環境省、農薬室長でございます。
 今のご質問の関係ですけれども、この水域の生活環境動植物と、あと鳥類と野生ハナバチというところですね、リスク管理をしていく上で、そのキャリアというか媒体となるものが、それぞれ変わってくるということで、それぞれ違うところを見つつ、リスク管理をしていく必要があるだろうと考えております。したがいまして、三つをまとめて一つの指標のようなものを作るということではなく、それぞれ(A)、(B)、(C)という形で評価をして、それをそれぞれ見ていくというような形にしたいと考えております。
 以上です。

【白石委員長】 補足、ありがとうございました。浅見先生、よろしいでしょうか。

【浅見臨時委員】 はい。ありがとうございます。
 そうしますと、このハチなどに関しても、一緒に見るというよりは、それぞれで判断をするということで、ご説明を今のところ理解いたしました。

【伊澤室長】 もう少し補足をさせていただきますと、それぞれで見ていくというようなことになります。農薬の承認に当たっては、どれか一つでも引っかかるようであれば、そこを改善するために使用方法の変更であるとか、そういった対応を求めていくというような形になると考えております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 初めてのことなので、いろいろとご質問はあろうかと思いますが、ご自由に質問していただいて結構だと思います。
 まず、水域の生活環境動植物につきましては、事務局(案)どおりということにさせていきたいと思います。
 続きまして、鳥類についてのご質問、ご意見をお願いしたいと思います。

【根岸臨時委員】 すみません。緑安協の根岸でございますが。

【白石委員長】 はい、お願いします。

【根岸臨時委員】 ここで雌雄5羽ずつを使っているということですが、こちらの死亡数に雌雄で性差はありましたでしょうか。

【秋山係長】 基本的に、もし仮に雄と雌で毒性に性差が認められているようであれば、より感受性の高いほうの性で得られた結果を用いるということにされています。今回の場合ですと、雌雄で性差は確認されておりませんでしたので、性別については区別しないで、毒性値を採用するという判断をいたしました。

【根岸臨時委員】 分かりました。ありがとうございます。

【白石委員長】 ほかにご意見をお願いいたします。

【内田専門委員】 よろしいですか。内田です。

【白石委員長】 はい、お願いします。

【内田専門委員】 資料にある毒性の測定はよいのですけど、このまとめの表にあるLD50のアジャストだと思うのですが、これは、どのように読むのでしょうか。いちいち「エルディーゴジュウ・エーディージェイ」と言うのですかね。何か決めておいたほうがよいような気がします。
 それと5ページのこの表では、LD50 Adjと種ごとのLD50 Adjに全く同じ数値が並んでいます。重要な変数として、例えば平均体重みたいなものをここに入れる必要はないですか。要するに変換式で重要なのは、補正前のオリジナルの平均体重とLD50値ですよね。それで、この補正値が出てきますよという形になるので。この表の作成方法を少し考える必要があると思いますけれども、この辺、いかがでしょうか。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 では、事務局、お願いします。
 これは、まとめの表以外にも、別紙でもLD50からLD50 Adjに変換されていますが、ここには体重は書いてあるのですか。

【秋山係長】 今、画面に表示されている雌雄についてですけれども、今回、LD50と、体重補正後のLD50 Adjに同じ値が記載されておりますが、今回は、例えばコリンウズラ、ウズラ、マガモ、キンカチョウで、それぞれ一種類の試験が提出されておりますので、同じ値を記載しているということになります。
 もし、仮に、コリンウズラで二種類の試験が提出されているようであれば、そちらの平均値のほうを、種ごとのLD50 Adjと書いてある、こちらのセルに入力することになります。
 今回は一種類ずつですので、現状、同じ数値を記載しているという見方になります。

【内田専門委員】 でも、重要なパラメータとして平均体重をここに載せておかないと、後で振り返ったときにオリジナルを見ないと分からないようなことになりませんか。

【伊澤室長】 農薬室長でございます。
 平均体重につきましては別紙2のほうで、毒性試験結果のところに記載をさせていただいておりまして、そこで、補正なしのLD50と、補正後のLD50 Adjを載せさせていただいているというような状況でございます。
 この先の取りまとめ、総合評価のところでは、補正後の平均体重22gを前提とした評価をするというような整理で、ここでもう、その前提の下に、表として整理をさせていただているというようなことでございますので、ここでもう一度、各試験種の平均体重を載せる必要はないかなというふうに考えておるのですが、こういったところに元の試験の平均体重が必要かどうかというのは、皆様にご意見をいただければなというふうに考えているところでございます。
 あともう一つ、お話のありましたAdjの読み方について、正直、私のほうでも特に決めかねているところというようなことで、書いてあっても、読むときにはエルディーフィフティー(LD50 Adj)とAdjは触れずに読んでしまってもよいのかなと。変換のところは区別をする必要があるので、変換前のエルディーゴジュウ(LD50)と、エルディーフィフティー・アジャスト(LD50 Adj)というふうな説明はしても、この総合評価のところに来ると、もう、Adjというのを記載はいたしますけれども、特に読まなくてもよいのかなというふうに考えておりますが、そこも、これは検討会のお約束事になるかと思いますので、ご意見いただければと考えております。
 以上、ご意見をいただいて恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 では、委員の方に、ご意見をお願いいたします。

【内田専門委員】 これ、意味は補正LD50ですね。

【白石委員長】 私は、誤解がないように、「アジャスト」と読んでよい気がしますけど。

【内田専門委員】 鳥種ごとに、LD50 Adjが複数出てくるということは、今後想定されるのですかね。

【白石委員長】 そうなると思います。想定されるので、ここで個別の体重を書いてしまうと、かなり複雑な表になってしまうのではないかと思いますね。

【内田専門委員】 そうですね。私はこれ、同じものが並んでいるから、不思議に思ったのですけど。

【白石委員長】 複数のコリンウズラの試験があった場合に、それぞれ体重を書かなければいけないとなると、少し複雑かなと思います。

【内田専門委員】 そうですね、でも、こういう試験が複数出てくることがあるのかなという気がするのですけど…。

【白石委員長】 今は分かりませんが、多分想定しておくべきものかと思います。

【内田専門委員】 分かりました。

【伊澤室長】 環境省でございます。
 今のところ、我々の承知しているところでは、そういった事例はないのですけれども、仕組みとして、そういったものが用意をされているということで、それに備えた表記をさせていただければな、と考えております。
 以上です。

【白石委員長】 内田先生のご指摘のところは。

【内田専門委員】 はい、分かりました。それだったら、分かります。

【白石委員長】 個別のデータが別紙にございますので、そこを見ていただくということでよいかと思いますが。
 ほかに、ご意見、ご質問ございますか。

【山本臨時委員】 国環研の山本です。よろしいですか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【山本臨時委員】 私、正しく理解しているかどうか分かりませんが、ここの一番右の「種ごとのLD50 Adj」というのは、先ほど白石委員長がいわれたように、コリンウズラやウズラで、それぞれ複数試験のデータが出たときに、それの幾何平均値を取るという意味ですよね。今回は種ごとの複数の試験は出ていないので、そのまま同じ値になったということであれば、「LD50 Adj」と「種ごとのLD50 Adj」を敢えて並べる必要はないのではないかと思いました。
 私は、両方あるのは紛らわしいと個人的には思ったのですが、ほかの委員の先生方、いかがですか。
 私からの意見は以上です。

【白石委員長】 これは、鳥類検討会でも、なくてもよいようなことを言っていませんでしたか。評価書の統一的なフォーマットを作成した場合、別の評価項目に同じ値が記載されても違和感はないような気がいたしますけど、いかがでしょうかね。
 これは、事務局で考えていただくレベルでよろしいですか。

【伊澤室長】 承知いたしました。どちらの方が混乱が少ないかということを踏まえて、少し検討させていただきます。ありがとうございます。

【白石委員長】 それから、少し細かい点ですけど、例えば5ページで「(コリンウズラ)=801 mg-a.i./kg-b.w.」となっていますが、この辺の表記も、例えば水濁の表記や水産の表記、或いはハチの表記も全部ばらばらなので、ここは標記を統一したほうがよいかなと思いました。
 例えば、水産では「-a.i.」という表記はないのですね。これも書くなら「μg-a.i./L」になるかもしれませんけれども、これはもう初めから「a.i.(有効成分)」を測っているということで、多分見ていないと思います。
 次の鳥類が、こういう形になっていまして、例えば水濁の評価書だと「/kg体重」という表記になっていると思います。それから「ai」にはピリオドがないですね。ハイフンもない。
 次のハチを見ていただくと、「-a.i.」という表記もあったような気がしますが、ここでは「-a.i.」という表記がない。

【上迫補佐】 はい。別紙3のほうでは「-a.i.」をつけていまして、これは農水省の蜜蜂評価書で「-a.i.」をつけておるのですけれども、まさに白石委員長がおっしゃったように、水産と考え方を合わせて、もう有効成分の評価だということで、総合評価のほうでは「-a.i.」を取りました。

【白石委員長】 総合評価だったから、「-a.i.」を取られたわけですね。そうしたら鳥類もそれに合わせたらよいのかなと思います。別紙でも、かなりばらばらでした。例えば「数字-a.i.μg」という表記もあったので、それを統一したら如何かと思いました。以上です。これはただのコメントです。
 ほか、ご意見、いかがでしょうか。

【浅見臨時委員】 浅見ですけれども。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【浅見臨時委員】 総合評価という項目を拝見していて、分かりにくいと改めて思いました。総合評価なので、この評価とその評価とあの評価を合わせて、このように確認又は判断したという記述が、どこかに出てくるのかと思って拝見していたのですが、それぞれの項目で記述されているだけで、これでは総合評価に対応した部分がどこなのか分かり辛いので、ご検討いただければと思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【浅見臨時委員】 最後にまとめみたいなもの。難しいでしょうかね。

【白石委員長】 最後に(A)、(B)、(C)、(D)をまとめているのですかね。(A)、(B)、(C)、(D)をまとめているかもしれません。

【伊澤室長】 承知しました。最後に、要するに、水域の生活環境動植物、鳥類、野生ハナバチ類についてリスク評価をした結果、いずれも予測ばく露量が基準値を超えていないということを確認した、というのが総合評価としての結論になろうかと思います。そこら辺の書きぶりについては検討させていただきます。

【白石委員長】 よろしくお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【稲生専門委員】 これは単純な質問ですけど、例えば別紙2-1ページのコリンウズラの毒性試験の結果が書いてあるのですけれども、試験の種類というところ、今回は全部「-」になっているのですけれども、ここには、どういうことが書かれる予定でしょうか。教えていただければと思います。細かいところで恐縮です。

【白石委員長】 事務局、お願いします。

【秋山係長】 事務局です。一応、現在、提出が認められている試験としまして、主に急性経口毒性試験や、混餌投与試験などがございますので、そちらを記載することになります。

【白石委員長】 いや、そうではなく、ここで書くとすれば、どういうことなのですか。「急性経口毒性試験」とここに書くわけですか。あるいは「混餌投与試験」ですか。

【伊澤室長】 イメージをしていたのは強制での、素嚢への経口投与とか、そういった書きぶりを考えておったのですけれども、そこら辺、この種類について、あまり文言の分けが必要ないというか、なかったので、今回「-」にしているのかとは思うのですが。
 すみません。ちょっと確認いたしますので、少々お待ちください。
 議論として、例えばチューブで入れるのか、カプセルで入れるのか、そういうふうな分けを書いていたのですが、試験結果において、そういうものはあまり関係がないよねというような議論が、検討会の中であったかと思います。
 そういう意味では、鳥類においては、ここは特段注意が必要な場合以外は、項目は落とさせていただきたいと思いますけれども、そこら辺、いかがでしょうか。

【白石委員長】 これ、投与方法という欄があったような気がしましたけど、そのことですかね。鳥類検討会の委員の方で、ご記憶の方がおられたら、お願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいですか。特にご異論がなければ、この項目は落とすということで。
 ほかに重要な情報が漏れていなければ、よろしいのですけど。

(異議なし)

【白石委員長】 特にないようです。それでは、この項目の削除をお願いしたいと思います。
 ほか、特にございませんか。コリンウズラ、ウズラ、マガモ、キンカチョウのデータにつきまして、いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、これは事務局(案)どおりですかね。試験の種類だけ削除していただくようということで、お願いいたします。
 それでは、ばく露量について、ご意見をお願いいたします。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、お願いします。

【稲生専門委員】 鳥類の予測ばく露濃度については、鳥類のガイダンスに従って、それぞればく露経路ごとに算出してということで、今回は、昆虫単一食シナリオのみということになっているのですが、先ほどの毒性とも関連するのですが、この鳥類予測ばく露濃度というのは、恐らく仮想鳥類ということで、体重22gの鳥という観点で計算されているということで、よろしいですか。濃度、ばく露量、体重当たりの量になっているので、基準値を体重22g相当に変換しているということは、その体重22g相当の仮想の鳥が摂餌する量に変換して、という理解でよろしいですか。

【白石委員長】 事務局、お願いします。

【秋山係長】 ご理解のとおりで、予測ばく露量を算定する際には、シナリオごとに摂餌量や飲水量なども考慮することにはなっているのですけれども、そちらが体重22g当たりの鳥種を想定したものとなっておりますので、予測ばく露量についても、基本的には22g相当に換算したものとご理解いただければと思います。

【白石委員長】 ありがとうございました。

【稲生専門委員】 稲生です。ガイドラインを読めば分かるのですが、基本的に、そのばく露量を計算するときに、これもホームページからエクセルの計算シートは入手できて、パラメータの値を入れればよいのですけれども、結局、その体重22g相当の仮想バードということで、それぞれの摂餌量又は飲水量がパラメータになっているというところが結構重要と思うので、どこまでの値を入れるのかというのは、水産の評価書のときでも結構議論になっていたと思います。要は、鳥といっても、先ほど毒性のところでは、いろいろな種類の鳥が出てきましたが、評価は仮想の鳥で行うので、このばく露量の算出のところでも、もう少し丁寧に書いたほうがよいと私自身は思いました。どうするかは、事務局等に一任しますので、ご検討いただければありがたいと思います。
 以上です。

【白石委員長】 事務局、お願いします。もう少し詳しい説明を載せてもよいような印象はありますけれども、いかがでしょうか。

【秋山係長】 ご指摘ありがとうございました。
 それでは、表に記載する必要なパラメータについては、いま一度、検討したいと思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。ご検討をよろしくお願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 予測ばく露量については、ご了解いただいたとさせていただきます。記載の内容については、別途検討するということにいたします。
 それでは、5ページ目に戻っていただいて、鳥類に関する総合評価でございますが、5ページ目のとおりでございます。よろしいでしょうか。
 登録基準値は794 mg-a.i./kg-b.w.にする、を不確実係数10で除した79 mg-a.i./kg-b.w.とするということでございます。よろしいでしょうか。鳥類予測ばく露量は登録基準値を超えていないということでございます。

(異議なし)

【白石委員長】 それでは、基準値につきましてはご了承いただいたとさせていただきます。
 ばく露に関するパラメータの記載についてはご検討いただくというふうにさせていただきたいと思います。
 では、続いて、野生ハナバチ類についてです。コメントをお願いいたします。別紙3-1になります。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【稲生専門委員】 今の画面のところで、設定濃度と書いてあるのですけれども、ミツバチの評価書を見れば分かるように、これは濃度ではなくて、ばく露量の間違いだと思います。全て「設定濃度」となっているので、直していただければと思います。
 以上です。

【白石委員長】 はい。ありがとうございます。
 事務局、どうしましょうか。

【上迫補佐】 ありがとうございます。そのように修正いたします。

【白石委員長】 ここもあれですね、表記が200 aiμg/beeとなっているので、ちょっと違うということでございます。この辺も、農水省はこういうふうに書いてあったとは思うのですけど、環境省の評価書内では表記を統一されたほうがよいという印象を持ちました。
 ほかに、コメントございますか。

【内田専門委員】 内田ですけど。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 この野生ハナバチのオリジナルになっているセイヨウミツバチのデータは全て、先ほど稲生さんがおっしゃっていたミツバチの評価書の中から来ているのですよね。だから、どこかに出典元を示すような検討経緯を書いておいたほうがよいような気がするのですね。いかがですか。

【上迫補佐】 上迫です。よろしいでしょうか。
 資料3に、12月1日の農業資材審議会農薬分科会、蜜蜂影響評価部会で評価を行っているという旨を記載させていただいております。

【内田専門委員】 ああ、最後に入っているのですね。分かりました。

【上迫補佐】 また、参考資料としても、そのときの評価に基づいた評価書を添付させていただいております。
 以上です。

【内田専門委員】 見落としていたのかな。はい、分かりました。ありがとうございます。

【服部主査】 資料3本体の3ページでございます。

【白石委員長】 一番初めのところに書かれていると。ここですね。
 毒性に関しましては、既に審議済みということですが、よろしいでしょうか。

【山本臨時委員】 国環研の山本です。
 もう審議済みなので、どうしようもないのかとは思っていましたが、幼虫の経口毒性試験のデータを見ていると、一番低い濃度側のところで何か10%以上影響があるので、こういうときは、どうなるのだろうと思って見ていたのですが、これもドーズレスポンスが取れていないのですけど、こういう場合は、普通にLD50をロジスティック回帰法かプロビット法などで算出する方法をとられたのですか。もし何か議論の経緯が分かれば、教えてください。水産検討会の参考になるので、お願いします。

【白石委員長】 では、事務局、お願いします。

【上迫補佐】 申し訳ございません。これについて議論があったかどうかは、承知をしておりません。

【伊澤室長】 環境省です、農水省の方がオブザーバーとして参加をしていただいておりますので、そこら辺の状況について補足がいただけるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

【農水省(石原審査官)】 農林水産省の石原でございます。聞こえていますでしょうか。

【白石委員長】 聞こえています。お願いします。

【農水省(石原審査官)】 私のほうから、蜜蜂部会での議論のところを補足させていただきます。
 こちら、山本先生ご指摘のとおり、用量反応関係が取れていない部分がございました。この点についてはご議論いただきましたけれども、本件に関しましては逆転しているものの、通常の解析の方法でLD50 を算出して、こちらの値で問題ない旨の結論となったと理解しております。
 以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。山本委員、よろしいでしょうか。

【山本臨時委員】 はい、ありがとうございます。
 ついで、対照区の妥当性基準が、大体10%か20%ぐらいに設定されていることが多いのでけれども、この試験法の237というのは、溶媒の基準が10%でよいのですか。

【農水省(石原審査官)】 15%まで認められています。

【山本臨時委員】 15%ですね。分かりました。ありがとうございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ほかにご質問、ご意見、お願いいたします。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、野生ハナバチの予測ばく露量につきまして、ご意見、ご質問等ありましたら、お願いします。
 いかがでしょうか。こういったパラメータを使って計算したということで。表の3-6を出していただけますか。
 これ、同じばれいしょへの使用を基に計算されていますが、例えばha当たりの有効成分投下量0.074 kg ai/haの有効数字が前のばく露評価のときと違うので、この辺もそろえたほうがよいと思いました。
 書きぶり違うのですかね。例えば、これは単位が「kg ai/ha」になっていますが、水域PECだと「g/ha」という単位になっていますね。73.5という数値も有効数字が一桁多く取られているような感じがいたします。

【上迫補佐】 はい、ありがとうございます。そうですね。おっしゃるとおりかと思います。なるべくそろえるようにしたいと思います。

【白石委員長】 よろしくお願いします。
 そのほか、コメントは、いかがでしょうか。

【浅見臨時委員】 すみません。

【白石委員長】 はい、先生。お願いします。

【浅見臨時委員】 浅見です。基本的なところを教えていただきたいのですけれども、ミツバチの場合は、花粉、蜜経由のばく露量は総ばく量の何%であるのか。また、普通の呼吸や飲水を経由したばく露量は、特に考慮しなくても大丈夫という理解でよろしいでしょうか。どのくらいの研究が存在しているのか、概要だけでも教えていただければと思いました。

【白石委員長】 ありがとうございます。これは事務局ですか。

【上迫補佐】 はい、ありがとうございます。
 そういった議論が、ミツバチあるいは野生ハナバチ類の評価方法をまとめる際にあったことは承知をしております。今のところ、そういったところを、まだ評価するには至っておりませんけれども、引き続き、そういった知見を集めることが重要ではあろうとは考えております。
 以上です。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。

【白石委員長】 かなり議論が行われ、研究もされたのですかね。野生ハナバチの水の摂取量などのデータがなかなか集まらなくて、結局見送った経緯があったように記憶しています。そんな経緯ですか、事務局さん。

【上迫補佐】 そうですね。まだ、私どもとしても十分な知見を持ち合わせていないというのが、正直なところでございます。

【白石委員長】 ほか、ご質問、ご意見、お願いします。

【山本臨時委員】 国環研の山本です。もう一点だけ、よろしいですか。
 先ほどのところに戻るかもしれないのですけど、評価のところに例の変換係数の0.4というのがあると思うのですけど、この0.4は、たしか米国EPAの評価の値を使って、幾つかのデータを用いて、この0.4という係数を暫定的に使いましょうということで始まったと記憶しているのですが、情報が集まってくると、これについてまた検討することも今後の課題として考えられているのですか。
 先ほどの幼虫経口毒性試験などは、下のほうは少し評価が難しいと思ったので、こういうものの情報を十分集めていくことは、やはり大事と思ったので、また、ご検討いただいたらよいのではないかと思いました。
 以上です。

【白石委員長】 事務局、回答をお願いします。

【上迫補佐】 ありがとうございます。この0.4というのは、農水省の蜜蜂の評価でも引用して、利用している数字なので、我々としても慎重を要するところではありますが、おっしゃることは、ごもっともかと思います。今後の課題ということにはなろうかと思います。
 以上です。

【五箇臨時委員】 国立環境研究所の五箇です。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【五箇臨時委員】 今、事務局から説明がありましたように、この0.4とか、そういった数字というのは、基本的にはセイヨウミツバチ中心に得られている試験データから統計的に導かれているものであって、正直なところ、暫定案的なところは、なきにしもあらずですね。もう少しデータが蓄積されてくれば、いろいろとまた統計的に精緻化されることもあるかと思いますが、現状としては、欧米においてもこの係数が妥当性を得ているという判断で、この係数を農水省がスタートとして使っているという状態になっております。
 先ほどありました、特に幼虫の経口毒性において、下の値がこれで大丈夫かというのもありますけど、今回評価した剤自体が、非常に微妙な作用性を持つ剤でして、悩ましいところだったのですね。
 要は、摂食阻害をもたらして、最終的に死に至らしめるということで、害虫の幼虫ステージにおいて、その効果を発揮する。しかも、その効果が非常に遅効性ですよね。だんだん食べなくなって、ころっと落ちて死亡するというようなタイプの薬になりますので、ミジンコ毒性などでもよく出てくるような、そういった摂食阻害というものがあると、濃度によって、濃度勾配というのはきれいに取れない剤であるという意味で、最初にこれをやってしまったのは非常にきつかったなというふうに、セイヨウミツバチの評価の段階では議論されたというところです。
 そういう訳で、今後、もうちょっとシャープに効く薬であれば、もう少しきれいに濃度反応が立ってくる、いわゆる濃度死亡率曲線ですね、そういったものが立ってくるのではないか思われていますが、不幸なことに、今回、初回の評価剤としては厳しいものがあったというふうに考えています。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 評価方法につきましては、まだ、いろいろ改善の余地はあると思いますけれども、今のところ、この評価方法で評価を進めていきたいと思いますが、ほかに、ご意見、ご質問があったら、お願いします。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、時間も来ておりますので、総合評価を見ていただきたいと思います。
 6ページ目です。各種試験結果とその基準値ですね、下のほうにございます。
 野生ハナバチ類のばく露量を比較しております。いずれも、野生ハナバチ類の基準値を超えていないということでございます。よろしいでしょうか。
 野生ハナバチ類の基準値ということで、四つの基準値が出ております。よろしいでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいようですので、野生ハナバチ類につきましては、事務局(案)どおりというふうにさせていただきたいと思います。
 では、そのほか、評価書全体を通じて、ご質問、ご意見等ありましたら、お願いします。
 この後に、総合評価というのを書かれるのでしょうかね。そのフォーマットも含めてご検討いただきたいと思いますけれど、いかがでしょうか。
 総合評価という形で三つ並んできて、別紙を見たり、こちらを見たり、ということですけれども、こういった形でいかがでしょう。よろしいでしょうか。あるいは、総合評価のところだけ短くして、浅見先生がおっしゃるように、これこれの基準はクリアしたといった書きぶりにするのか。

【浅見臨時委員】 浅見ですけれども。

【白石委員長】 はい。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。
 ここで変換係数や基準値の、どれとどれを比べればよいのか、ご覧になる方にも、かなり分かりにくいのではないかと思います。この表になっているところは分かるのですが、その上の部分の記述や、それぞれのところでの違いというのをもう少し分かりやすく整理していただければ、と思います。今回はこのままでしようがないかもしれないのですけれども、変換係数の部分が縦に見られるとか、不確実係数のところも見られるというような形で、もう少し整理する方法を今後考えていただけるとありがたいと思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。基準値とばく露量の比較は、非常に分かりやすいのですけど、その導出過程が少し分かりにくい。

【浅見臨時委員】 はい。

【白石委員長】 これ、別紙に移してもよいのですかね。

【浅見臨時委員】 どれとどれを比べて十分なマージンあるとか、十分違うので大丈夫というのを下の表にはまとめていただいているのですが、上では、それぞれ不確実係数や変換係数を入れて算出したというところを文章で書いてくださっている。上の方にも、分かり易い比較表があるとよいと思いました。すみません。希望だけでございますが。

【白石委員長】 これは、事務局、いかがですか。
 今まで総合評価というのは、こういう形でしたか。違いますよね。水系を見ていただくと分かりやすいかと思います。今までこういう形というのがあったのですか。これを表にすると、基準値を出して、PECがこうでしたという表を作ると、あちらと整合性は取れますけど。
 ほかの委員の方、いかがですか。

(発言なし)

【白石委員長】 特にないようですが。事務局で、何か工夫する余地はありますか。

【伊澤室長】 事務局でございます。
 確かに総合評価のところが、かなり項目の途中から、この登録基準値のところをずっと説明をしている感じで、分かりづらいなというのは、おっしゃるとおりかと思います。
 これ、どうでしょうかね。登録基準値とかPECのところぐらいまで、別紙に移してまとめて整理をして、総合評価のところで、設定した基準値案とPECの比較だけを載せて、いずれにおいても超えなかったというような結論だけ、こちらに書くという手はあるのかなと考えておるのですけれども。そうすれば、例えば水産なら水産、鳥類なら鳥類で、別紙を見て、ある程度、まとまってご理解できるような形になるかと考えておるのですが、そういった形ではいかがでしょうか。

【白石委員長】 浅見委員、いかがですか。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。
 それぞれの判断の基になったものが、あまり奥のほうに行ってしまうと、探してしまうかもしれません。今回は少し難しいかもしれませんが、今後ご検討いただければと思ったところをコメントにさせていただきますので、ご判断はお任せいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 今、室長がおっしゃったのは、また一案かなと、私は思いましたけれども、ほかの委員の方、いかがですか。

【稲生専門委員】 稲生です。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【稲生専門委員】 私も、今の伊澤室長の言われた形でまとめたほうが、すっきりすると思いました。先ほど浅見委員からも言われているように、総合評価の部分には、基準値案がこうで、予測濃度やばく露量がこうであったのでということを確認したと全部全て並べて書いたほうがよいと思います。
 例えば、毒性試験の後に、こういうパラメータを使って基準値案が示された、というような流れですね。先ほども、ばく露のほうで言いましたけれども、必要なパラメータについては、極力別紙のほうに載せていただいて、総合評価のところでは、すっきりと一つの表にしていただくと見やすいと私も感じましたので、コメントいたしました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 それでは、今のご意見等を踏まえて、少し検討していただくということでよろしいでしょうか。

【伊澤室長】 はい、承知いたしました。少し時間をいただきまして、案を作ってみたいと思います。よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ほかに、全体を通して、ご意見等ございますか。

【川嶋専門委員】 環境研の川嶋ですけれども、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【川嶋専門委員】 先ほどの蒸し返しではないですけど、鳥類のところで、なぜ「試験の種類」という項目が、何もないのに残ったのかと考えていたのですけど、今、ようやく全部が出てきて、鳥類検討会では、ほかにも色々な情報があったけれども記載していない。今、全体を見ると、水生生物のほうは非常に歴史があるので、「試験の種類」に該当するところは、止水式とか、振とう培養とか、ばく露方法が書かれていて、鳥とハチだと準拠ガイドラインを書いている。この辺は、水生生物は歴史があるので分かる方がいるかもしれないが、多分、準拠ガイドラインを書くよりもばく露方法の記述が残ったのなら、鳥類の場合も「試験の種類」で、試験内容に関する記述が必要ではないかと思い出していたのですけれども、その辺の統一感は要らないのでしょうか。

【白石委員長】 統一感はあってよいと思いますけれども、試験の内容も、注意すべき点も異なるので、完全にというのはなかなか難しいような気がします。それを含めて、少しフォーマットについてご検討いただくということでよろしいですか。

【伊澤室長】 承知いたしました。ちょっとここのところについては、記述する内容に評価に影響があるような複数の方法があるのかというのも考えまして、この枠を削除するのか、あるいは名称を変えて、どういった内容を書くのかといったことを、一旦整理をさせていただきたいと思います。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ほかに、ご意見等はございますか。

(発言なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、アフィドピロペンの生活環境動植物に係る評価の内容については、事務局案で了解いただいたとさせていただきます。
 書き方、フォーマットにつきましては、検討いただくということでお願いしたいと思います。
 以上で、生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣が定めている設定についての審議を終了したいと思います。
 次に、議事の2、水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 事務局から説明をお願いします。

【秋山係長】 それでは、資料5をご覧ください。水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)に関する資料でございます。
 本日、ご審議いただく農薬は、アフィドピロペンとシペルメトリンの2農薬となっております。
 それでは、まず、アフィドピロペンについてご説明させていただきます。
 まず、物質概要や作用機構等につきましては、先ほどご説明いたしました生活環境動植物に係る評価書と同じ記載となっておりますので、説明は省略させていただきます。
 続きまして、安全性評価のところでございます。
 食品安全委員会は、令和3年10月5日付で、アフィドピロペンのADIを0.08 mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を厚生労働省に通知しております。
 この値は各試験で得られた無毒性量のうち最小値である8 mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものです。
 続きまして、水質汚濁予測濃度の結果についてのご説明です。
 製剤の種類、適用については、こちらに記載のとおりとなっておりまして、非水田のみの適用となっておりますので、非水田使用時の水濁PEC(第1段階)を算出しております。
 使用方法につきましては、先ほど水域の生活環境動植物における水域PECについてご説明いたしましたが、そちらと同じ適用に基づいておりまして、いもにおける水濁PECを算出しております。
 パラメータについては、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 算出結果についてですが、0.0000025 mg/Lという値となっております。
 続きまして、総合評価です。
 登録基準値の案としまして、食品安全委員会で設定されたADI、0.08 mg/kg体重/日にこちらの係数を掛けまして、水濁基準値案として0.21 mg/Lを提案させていただきます。
 続きまして、リスク評価ですが、水濁PECが登録基準案を超えていないことを確認しております。
 続きまして、資料6をご覧ください。
 水濁基準と水濁PECの関係ということで表に整理しておりまして、アフィドピロペンについては、水濁PECは基準値案の10分の1になることが確認できたため、モニタリングの対象外ということで整理をしております。
 説明については、以上になります。

【白石委員長】 では、ただいまの説明につきましてご質問、基準値案についてご意見を伺いたいと思いますけども、毒性の観点で何かコメントがございましたらお願いします。

【佐藤専門委員】 岩手大学の佐藤ですけれども、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 よろしくお願いします。

【佐藤専門委員】 食品安全委員会の毒性概要評価について補足説明をさせていただきます。
 アフィドピロペンの各種毒性試験から得られた主な影響ですけれども、体重増加抑制、心筋空胞化、肝臓重量増加及び脂肪変性、イヌの大脳における白質や神経網における空胞形成、また子宮内膜過形成がみられております。催奇形性、遺伝毒性及び免疫毒性は認められておりません。
 ラットを用いた2年間の発がん試験において子宮腺がんの発生頻度の増加が認められておりますけれども、腫瘍の発生機序は、遺伝毒性メカニズムによるものとは考え難いという評価から、閾値を設定することが可能であると判断されました。
 ラットを用いた2世代繁殖試験において、着床数及び産児減少が認められました。また、ラットの雌において血中プロラクチン濃度の減少、卵巣重量の減少、性周期及び繁殖能に対する影響が認められております。これらは、アフィドピロペンが視床下部等に影響した可能性を示唆するものと考えられております。
 各種試験で得られた無毒性量のうち最小値は、イヌを用いた1年間の慢性毒性試験の8 mg/kg体重/日であったことから、これを根拠にADIが設定されております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 それでは、基準値案についてコメント、ご意見をお願いいたします。
 PECについては、いかがでしょうか。水質汚濁予測濃度。よろしいでしょうか。
 先ほどから同じ使用方法で計算されております。

(発言なし)

【白石委員長】 特にご意見がないようでしたら、水濁PECはお認めいただいたものとさせていただきます。
 総合評価ですけれども、ADI 0.08 mg/kg体重/日に基づき、基準値を0.21 mg/Lとするということですが、よろしいでしょうか。水濁PECは、これを超えてないということでございます。

(発言なし)

【白石委員長】 特段ご意見がないようですので、事務局案にてご了承いただいたものといたします。
 続きまして、次のシペルメトリンについてご説明をお願いします。

【秋山係長】 それでは、シペルメトリンの説明に移らせていただきます。
 まず、物質概要についてですが、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 作用機構等につきましては、事前送付資料からの変更点としまして、赤松委員より、シペルメトリンは混合物であることを記載してはどうかとのご指摘を受けまして、「8種の光学異性体を有効成分とする」の一文を追記しております。
 それでは、作用機構等の説明をさせていただきます。
 シペルメトリンは、ピレスロイド系殺虫剤で、8種の光学異性体を有効成分とする。その作用機構は害虫の末梢及び中枢神経の軸索、シナプスに働き、神経膜のイオン透過性を変化させ、その結果、反復興奮、けいれん、麻痺し、死に至ると考えられております。
 本邦での初回登録は1986年となっておりまして、製剤は水和剤及び乳剤があり、適用農作物等は麦、雑穀、果樹、野菜、いも、豆、飼料作物、樹木及び花き等がございます。
 国内生産量については、記載のとおりとなっております。
 続いて、各種物性等についてですが、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 続きまして、安全性評価のところでございます。
 食品安全委員会は、平成30年3月27日付けで、シペルメトリンのADIを0.022 mg/kg体重/日…。

【白石委員長】 音声が途切れています。

【伊澤室長】 すみません。こちらでシステムトラブルが発生しておりますので、少々お待ちください。

【秋山係長】 大変失礼いたしました。それでは、説明を再開させていただきます。
 安全性評価資料のところでございますが、食品安全委員会は、平成30年3月27日付けで、シペルメトリンのADIを0.022 mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を通知しております。
 この値は各試験で得られた無毒性量のうち、最小値である2.25 mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものです。
 続きまして、水濁PECの説明に移ります。
 水田への適用はございませんので、非水田第1段階でPECを算定しております。果樹への適用を考慮した場合がワーストケースになっておりまして、こちらの表に記載のパラメータを用いて算出しております。
 結果については、0.000033 mg/Lとなっております。
 続きまして、総合評価です。
 登録基準値の案としまして、食品安全委員会で設定されたADI、0.022 mg/kg体重/日にこちらの係数を掛けまして、水濁基準値案として0.05 mg/Lを計算しております。
 リスク評価ですが、水濁PECは、登録基準値を超えていないことを確認しております。
 続きまして、水濁基準値案と水濁PECの関係についてですが、シペルメトリンについても、ここでもアフィドピロペンと同様に、水濁PECが水濁基準値案の10分の1以下になることが確認できたため、モニタリング調査の対象農薬とはしないということで整理をしております。
 シペルメトリンの説明については、以上になります。よろしくお願いします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 それでは、シペルメトリンにつきまして、まず毒性の観点からご注意点がございましたら、お願いします。

【佐藤専門委員】 それでは、ご説明させていただきます。
 シペルメトリンの各種動物を用いた毒性試験ですけれども、シペルメトリンのほか、異なる光学異性体比を有するalpha-シペルメトリン、それからzeta-シペルメトリンを含めて評価されております。
 これらの投与による影響は、主に振戦などの神経症状及び体重増加抑制で、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形成及び生体において問題となるような遺伝毒性は認められておりません。
 シペルメトリンの各種試験で得られた無毒性量のうち最小は、alpha-シペルメトリンのイヌを用いた13週間亜急性毒性試験の2.25 mg/kg体重/日であったことから、これを根拠としてADIが設定されております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、シペルメトリンにつきまして、ご質問、基準案についてのご意見をお願いいたします。
 いかがでしょうか。

【内田専門委員】 内田ですけど。

【白石委員長】 お願いいたします。

【内田専門委員】 先ほど作用機構のところで修正いただいたように、なるほど、この8光学異性体が含まれるのですが、これを有効成分としてしまうと、いろいろ語弊がある可能性があるのですよね。全てがアクティブではないと思うので、「8光学異性体を含む」ぐらいにしておいたほうがよいのではないかと思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。ここは何か有効成分について書かなければいけないのですかね。

【内田専門委員】 「有効成分」を抜けばよいと思います。

【白石委員長】 そうですね。8光学異性体。

【内田専門委員】 を含むぐらいでよいのではないですか。

【白石委員長】 そうですかね。

【内田専門委員】 はい。

【秋山係長】 内田先生、ご指摘ありがとうございます。
 こちらの表記については、食品安全委員会の評価書等を参考に修正したものですけれども、確かにご指摘のとおり、誤解を生む可能性がありますので、表記については修正したいと思います。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、修正をお願いします。
 そのほか、ご意見、ご質問をお願いいたします。

【内田専門委員】 一つ質問ですが、内田ですけど。

【白石委員長】 お願いします。

【内田専門委員】 先ほど毒性の説明をいただいたのですが、alphaというのは、8異性体をすべて含み、zetaが8異性体を含むのですか。どういう混合物か、alphaかzetaか、分からないのですけど。

【佐藤専門委員】 佐藤ですけれども、よろしいですか。

【白石委員長】 お願いします。

【佐藤専門委員】 こちらは食品安全委員会の評価書に書かれていまして、alphaが1RのシスのS体とR体が50%・50%含まれたものです。zetaが全てを含んでいるものになります。

【内田専門委員】 そうですよね。分かりました。

【白石委員長】 ほかに、ご質問はありますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、PECについては、いかがでしょうか。

(発言なし)

【白石委員長】 特に問題ないようですので、総合評価をご覧ください。
 ADIの0.022 mg/kg体重/日を基に、登録基準値を0.058 mg/Lとする。よろしいでしょうか。水濁PECはこれを超えてないということでございます。

(発言なし)

【白石委員長】 では、基準値につきましては、事務局案どおりとさせていただきます。一部概要のところを修正することをお願いします。
 それでは、以上これで議事2を終了したいと思いますが、事務局より、議事1及び2に関する今後の予定について説明をお願いします。

【秋山係長】 本日ご了承いただきました農薬登録基準については、行政手続法の規定に基づき、今後パブリックコメントを1か月ほど実施します。その結果、もし何か修正等を求める意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度、農薬小委員会で審議を行うかどうかのご相談をして、ご判断をいただくことにしたいと思います。再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て、中央環境審議会に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意が得られれば、中央環境審議会決定として環境大臣に答申いただくこととなります。そして、答申後、基準値を告示させていただきます。今後の予定についてご説明は以上です。

【白石委員長】 今後の予定につきまして、何かご質問等ございますか。

(発言なし)

【白石委員長】 それでは、次に、議事(3)の「その他」に移ります。
 議案は3件ということで、事務局より説明をお願いします。

【秋山係長】 資料7をご覧ください。
 本件は、令和3年12月21日に開催した第82回農薬小委員会で審議されました水質汚濁に係る農薬登録基準値についてご意見を募集した結果です。
 それでは、資料7の説明に移らせていただきます。
 意見募集の対象農薬が、フラザスルフロンとホスチアゼートとなっておりまして、意見募集期間は、令和4年1月12日から令和4年2月10日までとなっております。
 今回は、1通、延べ2件のご意見が寄せられております。寄せられたご意見については、基本的に前回と同じ内容となっておりまして、まず一つ目が、腸内細菌への影響を見るべきではないかというご意見と、もう一つが、複合影響についての検証をするべきではないかというご意見となっております。
 まず一つ目、腸内細菌への影響を見るべきではないかというご意見につきましては、前回と同じく、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定については、水の利用が原因となってヒトに被害が生じないよう、食品安全委員会で設定された1日摂取許容量を基に、飲み水に由来する農薬のばく露により生涯にわたって人の健康に影響が及ばないよう、基準値の設定を行っています。
 いただいたご意見につきましては、食品安全委員会と情報共有いたします、ということで、回答を整理しております。
 二つ目のご意見に対する回答につきましても、基本的には前回と同じで、複数農薬へのばく露による影響については、現段階では国際的にもその評価手法や考え方が検討されている段階であり、評価手法として確立したものはなく、現時点では評価は困難であると考えています。今後も引き続き、最新の科学的知見の収集に努めてまいります。
 なお、令和4年2月現在、登録されている有効成分は約600種類となっております、ということで、回答を整理しております。
 1点、令和4年2月現在の表記についてですが、こちら前回ご審議いただいたほうは、令和3年11月現在と表記しておりましたが、その点のみ修正しております。登録されている有効成分数についても昨年の11月以降、大きな変化はございませんので、約600種類ということにしております。
 説明については、以上になります。よろしくお願いします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの説明についてご意見、ご質問等はございますか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいですか。
 それでは、パブリックコメントの結果につきましては、これで公表することとします。
 次の案件に移ります。事務局で説明をお願いします。

【伊澤室長】 それでは、資料8、カルボフランの河川水中モニタリングの状況について、経過の報告をさせていただきます。
 なお、本件につきまして評価の段階でワーストケースといった言葉や地名が一人歩きするのは適切ではないというふうに考えており、固有名詞は委員限りとさせていただきまして、画面上の共有とか説明においては、伏せさせていただきたいというふうに考えております。幾つか委員の皆様限りの資料も配付をしております。ご了承いただきますとともに、ご発言時のご協力のほうをよろしくお願いをしたいと思います。
 まず、経緯につきましてですが、カルボフランは、カルボスルファンやベンフラカルブの分解物でありますが、食品安全委員会においてADIが設定されております。そのため、水濁基準においても評価を行うこととし、令和2年11月に本小委においてご審議をいただいたところです。
 その際、今後の方針について、環境省の説明が少し不明瞭で混乱をもたらすものであったのではないかというふうに思います。委員の皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしました。
 その際の審議の状況ですが、モデルに基づき算出したPECは登録基準値を上回る見込みとなりました。一方で、当該PECの算出の使用方法となるれんこんへの使用というものは、生産量からモデルより割合が低いというような可能性も考えられないかというようなことがございまして、その点も踏まえて判断をしたいとして、モニタリング調査をして、その結果を踏まえて判断をすることとさせていただいたところでございます。
 2.の登録基準の設定について説明します。前回のご議論では、このモニタリングの活用方法など設定に係るルールについてお示しすることができておらず、これが議論していただく上で分かりにくい要因の一つだったろうというふうには思っております。
 まず、モニタリングに基づく基準値設定についてご説明をさせていただきます。ここに示しておりますとおり、登録申請時の資料について、算出したPECのほか、モニタリング結果を評価に用いることができるとされております。これを根拠としてモニタリング結果から評価を行いたいというふうに考えております。
 なお、このモニタリング結果を代替するということにつきまして、水濁基準におきましては、この扱いは、初めてのものということになります。生活環境動植物では、当時は水産基準と言った時代ですが、資料の4ページ目にありますとおり、BPMCの事例があるということでございます。
 それでは、現時点までのモニタリングの状況についてご説明をさせていただきます。
 今回問題となっておりますのは、れんこんでの当該剤の施用であり、この方法は、れんこんのセンチュウによる被害の防止、このれんこんのセンチュウというのは、黒皮症をもたらすセンチュウということで、非常に難防除で、本剤以外の代替剤がなく、現地での期待というか、ニーズが非常に高いというものだそうですが、そのための防除に使われるものということになります。
 使用は、収穫の180日前までとなっており、そのため、一般にれんこんは冬に収穫時期を迎えました後、春から施用されるものというふうに考えております。そういったことで、モニタリングは2月中旬から9月上旬頃まで計画はされておりました。その後、その時点まで検出が割とあるというような結果を見て、モニタリング期間を申請者及び環境省ともに延長をしております。期間延長分は、まだ整理されておらず、年間を通しての結果というのが、まだまとまっていないところではあるのですけれども、今後のモニタリング等の実施に関わるため、現時点で状況をご説明させていただきたいというふうに考えております。
 申請者及び環境省において、計5つの地点でモニタリングを実施しております。その結果、2地点において、短期的には基準値案を超過するような結果が得られております。
 表には、その2地点についてお示しをしております。特にこの下側のほう、B地点においては、かなり高い数値となっておりまして、今回水濁基準を設定する上では、年間平均濃度というものが重要になってくるわけですけれども、単純な年間の平均濃度でも注意が必要なレベルというふうなことになっております。
 年間平均の濃度につきましては、さきに申しましたとおり、現時点での情報が2月中旬から9月までといったものなので、データのない9月下旬から2月中旬の間について、二つの方法により推定をさせていただいております。
 これは留意するべき点といたしまして、本剤、れんこんにおいては、収穫が終わった春に散布をされるとの考えから、前回議論いただいた後に準備して、2月中旬から開始させていただいたところではあるのですが、その準備が間に合わなかったということもあり、また想定よりも農薬の散布が早く始まっていたといったこともありまして、B地点においては、この最初のデータを取った日となる2月18日の調査において、既に0.52という高い値が検出をされております。そのため、このデータを取れていない期間をどう整理するのかということによって値が変わるため、二つの地点と仮計算をさせていただいているというようなことになります。
 まず、上段の仮算につきましては、データのない期間について、その前後の平均値を使って計算をした結果ということになります。これは資料5ページ算定式のルールどおりというようなこととなるということがございます。
 しかしながら、本来、さきの計算式は、使用前の濃度の上がっていない時期から使用後の濃度の下がった時期までを測定をして、ということを想定して、上がる前と下がった後のいずれも低い数値同士の平均値を取るということを想定されているというふうに思いますが、今回は最初の2月18日が高い値となっているので、平均を取ることによって散布されてから時間がたっている、いわゆる冬のデータのない時期の濃度というのが高く見積もられているというような可能性があるということになります。
 一方で、下の段の仮算につきましては、データのない期間を散布から時間がたっているということで、定量下限値として設定をして計算をした場合というふうなことになります。しかしながら、2月18日以前、例えば2月の上旬であるとかに使用が始まっていた場合には、その時期には、もっと検出されているというような可能性があります。また、収穫時期、冬の時期には、作業によって土壌が巻き上がって、水田からの漏水も多くなるということが考えられるため、農薬が検出される可能性も考えられるということになります。ということで、この下の計算では、ちょっと楽観的過ぎると感じているところでございます。
 これらのことから、実際の数値としては、ちょっと過剰かなというのと、楽観的過ぎるかなという、この二つの仮算の数字の間のどこかに入るのではないというふうに考えておりますが、どちら、どこら辺に入るかとしても、いずれにせよ、基準値と近い非常に微妙な値となるというふうに考えられるところでございます。
 続きまして、その下の記述、モニタリングの地点についてご説明をさせていただきたいというふうに考えております。
 このモニタリングデータを評価に用いる場合には、実際に想定される中でワーストケースに近い地点であるというようなことが重要であるというふうに考えております。当該農薬の使用密度が高い、河川の流量が少ないなどの場合に、濃度が高くなるというふうに考えられます。
 今回、れんこんの産地というのがある程度限られておりますので、この問題となるB地点において、ワーストケースが抑えられているのかということを申請者に検討をさせ、以下のとおり論拠が示されております。
 委員の皆様には、委員限りとしてお配りをしております参考資料、こちらも手元にご準備してお聞きいただければというふうに思います。
 まず、本剤ですが、センチュウ被害、特に黒皮症の多い地域で使用されているというふうに考えられます。販売から見ても、このF県とI県というものが多いというふうなことで挙げられているということになります。
 なお、センチュウ被害というのは、今回このセンチュウの被害は、年間を通して湛水されている水圧掘りの地域で問題になりやすいというふうなことでございますので、それとも一致をしている状況でございます。
 この収穫方法は、水条件などの環境に影響を受けますので、容易に変化をするということは考えにくいというふうに考えております。
 続いて、使用の多い県での比較ということになりますが、このI県の産地は、B地点と比べ、割と大河川の付近にありまして、河川の流量は多くなります。また、栽培面積もより少なく、B地点のあるF県よりもリスクは低いと思われます。
 なお、その他の県におきましても栽培面積はより少なく、また、産地もより希釈のされやすい大河川とか、直接海や湖に流出するような地域というのが、生産の中心となっているというような状況でございます。
 さらにF県内においての比較ということになりますが、B地点のあるこのN市というのは、最大の産地となっております。河川ごとにその流域にあるれんこん田の比率等で見ましても、B地点の河川というのは、流入するれんこん田が最も高く、この割合も高くなっているというふうな状況にございます。
 以上の理由から、B地点は、全国の中でもワーストケースと言ってよいと考えているところでございます。
 それでは、最後に、今後の方針でございます。
 これらのことから、モニタリングについてB地点というのは、ワーストケースの地点、つまり評価に利用可能な地点であるというふうに考えられます。その数値については、例えば今回得られたものが、桁が一つ少ないとか、多いなど、明らかなものであれば、単年度で判断も可能かと思っていたのですが、基準値前後の数字といったものが想定をされ、慎重な判断が必要と考えております。
 そのため、複数年の結果をもって評価を行うため、引き続きB地点を含む地点でのモニタリングを実施いたしまして、それらの結果を得た上で、ご審議をいただくこととしたいと考えております。
 一方で、かなり濃度が高い状況にあるということが分かってまいりましたので、審議にかかわらず、この濃度のレベルを少しでも低くしていくため、現在も販売時には、本剤につきまして、止水管理を行うなどの記載がされているものでございますが、この使用の高い地域においてその徹底等、現地での指導というのも行って、使用面からもリスクの管理に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
 本資料につきましては、説明は以上となります。モニタリングの地点等、ご意見がございましたらよろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、ご質問等をお願いします。いかがでしょうか。

【浅見臨時委員】 よろしいでしょうか。

【白石委員長】 お願いします。浅見先生。

【浅見臨時委員】 浅見でございます。ありがとうございます。
 今お話がありましたように、前回も議論がございまして、やはりかなり余裕が少ないのではないかということで、今回モニタリングをしていただき、結果を示していただいてありがとうございます。
 本来、農薬の濃度というのは結構変動が大きいもので、ある程度余裕があるという状態が望ましく、本剤につきましては、これまで議論のあった農薬に比べても、かなりぎりぎりといいますか、平均で超過するようなことがあるというのと、最初はモニタリングをしてからというふうに決めたときに想定していたよりは、ちょっと望ましくない状態だなと思っております。
 年間平均濃度の取り方によっても、超過する場合があるとか、ないとかという非常にぎりぎりのところですので、より丁寧に見ていく必要があるかと思っております。
 今回お示しいただいたところは、人里離れた場所というわけではなくて、人が割と近くに住んでいたり、水源にも近いということもありまして、この剤の使い方として、本当にこういった形で現在も使われているということですので、より注意をしていただけるように、このような使い方が本当にふさわしいのかどうかというところも含めて、注意をしていただくようにお願いしたいと思います。
 また、作業の方ですとか、食品に結局残ってしまってという部分も、今回の場合も分解物というところもありますので、すぐに分解してしまうものではないというような毒性もありますので、十分注意のうえモニタリングをしていただきたいと思います。また、モニタリングの結果を今後どのように反映していくのかというところも含めて、非常に注意が必要な農薬ではないかと思います。
 お願いは、今度お示しいただくときに、頻度や、実際の農薬の濃度の推移をどの平均とどの平均を取っていらっしゃるのかとか、散布がいつで、どういった状態だったのか、というところも少し詳しく見せていただけるとありがたいと思います。
 非常に近いところだというふうには思っておりますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。

【伊澤室長】 ご意見をありがとうございます。
 おっしゃるとおり、この農薬、まず我々として非常にリスクが高いものであるということを認識して、取り組んでいく必要があると思います。そういう意味では、指導の徹底に加えまして、地元の自治体と関係者への説明といったものも少し並行して行わせていただければなというふうに考えているところでございます。
 また、データにつきましても、今回まだちょっとデータが出ていないので、かなり長期の欠測期間というものがありましたけれども、そういうものがないように週に一度、リスクは低いと思われる時期についても、2週間に1回といった頻度で、年間を通してしっかり濃度が取れるような調査をさせたいというふうに考えております。
 その結果についても、適宜お示しをさせていただければと考えております。よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ほかにご質問はございますか。

【内田専門委員】 内田ですけど、一部確認というか、先ほどの説明でよろしいですかね。

【白石委員長】 内田委員、お願いします。

【内田専門委員】 先ほどの説明で、最初のサンプリングのときに既に施用後しばらくたっていたと、止水期間のことをおっしゃっていましたけど、最初の濃度の高いところは、止水期間をしっかり守れば、そういったことは避けられるわけですよね。その辺の状況というか、実際に止水がどのぐらい徹底されているのかとか、そういうことは、このデータの中には出てこないのですか。その辺について、分かっている範囲で説明をお願いしたいと思います。

【伊澤室長】 現地での指導がどれぐらい徹底されているのかというような状況、すみません、まだ我々のほうで把握ができていないというようなことであります。そこら辺も把握に努めて対応策を検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

【内田専門委員】 よろしくお願いします。

【白石委員長】 ほかに、ご質問はございますか。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいですか。

【白石委員長】 お願いします。

【稲生専門委員】 B地点が全国のワーストケースという考察についてご説明いただいたのですが、私も、B地点をワーストケースとしてモニタリングをするということに関しては、よいのではないかと考えています。
 それで、いろいろ資料を見させていただいて、センチュウ害が起こって、このベンフラカルブが必要となっているところは、本当に限られた地域、特にB地点周辺のところということなので、ここを集中的にモニタリングするということに関しては、妥当であるとは思っています。
 それで、大事なのは、やっぱり今後の方針で書いているように、現場への止水期間等のリスク管理措置の徹底というところですね。今回のモニタリング結果というのは、いち調査結果でしかないので、やはり水を止めるという人為的なところでリスクを下げられるのであれば、極力現場への指導、指導は農水省の所管になるのですけれども、農水省と連携して、現場での指導を徹底していただいて、その結果、今年度に比べて来年度の濃度が下がっているということであれば、指導した結果の効果が出ているというようなこともあると思いますので、その辺のことも併せて、先ほどの内田委員ご指摘の止水の状況がどうなのか、ということも含めて対応いただければ、よいのではないかと私は思います。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 モニタリングする際にはいろんな周辺情報を集めたほうがよいというか、あるいは指導した結果の対応関係についても検討したほうがよいということですが、いかがですか。

【伊澤室長】 はい、承知いたしました。ご意見のとおりだと思いますので、少し現地に入って、そういったリスク管理措置について取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 モニタリングはB地点で行うということですね。B地点のみで行うと。

【伊澤室長】 B地点を含め、今回出たA地点とか、ほかの何地点かでも継続をする予定でございます。

【白石委員長】 分かりました。細かい話ですが、例えば親物質も調査対象になっているのでしょうか。

【伊澤室長】 親物質、ベンフラカルブにつきましても調査項目に入れております。

【白石委員長】 分かりました。
 ほか、質問ございますか。

【山本臨時委員】 国環研、山本です。よろしいですか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【山本臨時委員】 事前にお送りいただいた資料を見た限りでは、A地点とB地点は、それなりに近いような印象があるので、作物はれんこんという話でしたから、何か面的な話もあって、地点という形で捉えるのか、流域というか面で捉えるのかというところもあるかと思います。先ほどのご回答であれば、そういったことも少し考慮しながら、この地域についてのモニタリングを続けていくということであれば、よいのではないかと思いました。
 あと調査の時期や頻度などもいろいろご考慮いただけるということだと思いますので、その辺りについて委員の先生ほか関係者の方とご相談して、モニタリングを継続していただければよいのではないかと思いました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【天野専門委員】 天野です。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 天野先生、お願いします。

【天野専門委員】 頂いた資料を見せていただきますと、やはりB地点の流量がほかの地点と比べて桁が違う、大変少ない流量ですので、この点から見ても、ワースト中のワーストではないかと思っております。
 参考までに、例えば、ほかの流域も水量が多いから結局薄まっているだけではないのかという疑問もありますので、この地点が特にたくさん出ているというわけではなく、この流量の差だけであって、ほかのところもこういう流量で割り戻してみると、結構出ていると見られる地域があるのであれば、そういう所も併せて広くれんこん田での使用について、是非、農林水産省とも一緒になって、まずはきちんとした指導がなされているかというところをお話しいただけたら、と思います。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 事務局、いかがですか。

【伊澤室長】 ご意見ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、田んぼ1枚ずつ見ていけば、特にこの地域だけが悪いというようなことではなく、この地域は、河川の流量やその河川に面しているれんこん田が多いという状況があるので、ワーストであろうかと思います。
 そういった意味では、他のれんこん田に対してもリスクが高くなる可能性がございますので、そういったリスクが高くなりそうな産地といったものがないかというのは、注意をして、そういった地域に対しての指導といったものも、少し農林水産省とも連携して相談してやっていきたいと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 ほかにご質問、ご注意点はございますか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。
 様々な貴重なご意見をいただきましたので、それを参考に、引き続きモニタリング調査をよろしくお願いしたいと思いますが、そういう形でよろしいですか。

【伊澤室長】 はい、承知いたしました。ありがとうございます。

【白石委員長】 では、引き続きモニタリング調査をよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の審議はこれで一通り終了しましたので、全体を通じて何かご意見、ご質問がございましたらお願いします。

【稲生専門委員】 稲生です。1点、よろしいですか。

【白石委員長】 お願いします。

【稲生専門委員】 今日の審議事項ではないのですが、先ほどご説明がなかったので、ちょっとお聞きしたいのですけど、資料4で、生活環境動植物のばく露量と基準値の比較という資料について、これは、これまでも水産基準値を決めるときには作っていただいていたのですけど、今回は鳥類と野生ハナバチ類が追加された初めてのケースになります。今回、基準値とばく露濃度、ばく露量が近接してないので問題ないのですが、最後の2.のところで、ここでは水域PECと水産基準値のことしか言及されていないのですけれども、仮に鳥類なり、野生ハナバチ類で基準値案の10分の1以下にならなかった場合の取扱いについて、今のところ事務局で何かお考え等があったら、お聞かせいただければと思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 説明がなかったので、一応一通り説明をお願いします。

【服部主査】 事務局でございます。
 資料4につきまして、説明をしておらず大変申し訳ございませんでした。
 基本的な作りとしては、水域のほうで今までご審議いただいたものに様式を寄せていったものでございます。今回、生活環境動植物ということで、水域と鳥類と野生ハナバチ、3種類ございますので、それを先ほどの総合評価のように、A、B、Cという形で基準値とPECないしは予測ばく露量との対比を示してございます。

【伊澤室長】 今回、初めてこのフルバージョンでの生活環境動植物の評価といったものしたもので、ちょっと我々も説明のルーチンが崩れて、資料4を触れずに大変申し訳ございませんでした。
 今ご説明したとおり、内容を整理させていただいたもののようなことで、引き続きこれは作成して、次回からはしっかり触れてご説明ができればなというふうに考えております。
 もう一つ、2ポツのところ、水産の水域PECのところが10分の1以下になるというようなところで、モニタリング調査の対象とするというような記述をさせていただいているところでございます。
 これは鳥類であるとか、野生ハナバチにつきましては、現時点でこのモニタリングの手法というのをまだ検討中というか、未確定なところでございます。基準値から比べて実態が近接している可能性のあるものというのは、我々として注意をしていかなければいけないということは、水産基準値とほかのこれらの基準値で変わるところではないというふうに考えておりますので、モニタリングがまずできるように情報収集、研究等を進めてまいりたいと考えておりますし、それができた際には、10分の1以下等の近接はしているものというようなものは、やはりリスクを見ていく必要があるということで、モニタリングをしていくというような対応を取りたいなというふうに考えているところでございます。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 稲生委員、よろしいでしょうか。

【稲生専門委員】 はい。河川モニタリングに比べれば非常に方法論的なところが難しい。何をモニタリングすればよいのかというのは、非常に難しいところですけれども、やはり今後、近接する農薬も出てくると思いますので、そのときに慌てないように検討を進めていただければと思います。難しいことは重々承知しておりますけれども、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ほかにご意見、ご質問はございますか。

【浅見臨時委員】 浅見ですけれども。

【白石委員長】 浅見さん、よろしくお願いします。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。
 総合評価のことでいろいろ申し上げて申し訳なかったのですけれども、今の資料と総合評価の関係というのは、どのようになりますでしょうか。これが要約のような形になるようでしょうか。それと、総合評価のところをうまく合わせると、分かりやすくなるのかもしれないから、総合評価らしくなるのかとも思うのですが。

【白石委員長】 確かにそうですね。事務局、お願いします。

【伊澤室長】 おっしゃるとおりというところではあります。基本的には資料3はリスク評価に関するものということで、資料の4は、それを踏まえてリスク管理をどうしていこうかというようなことで、基準値の設定やモニタリングの実施といったところを整理させていただいたものということになります。
 評価とリスク管理というのは非常に密接な関係があるので、ちょっと内容は重複してしまうとは考えておるのですけれども、別途、別資料として作らせていただいているという関係になっております。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 ほか、いかがですか。

(発言なし)

【白石委員長】 よろしいでしょうか。初めてのことで、いろいろ課題が少し出てきましたけれども、ご検討をよろしくお願いいたします。
 ほかに特段ご意見がなければ、進行を事務局にお返ししたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【伊澤室長】 白石委員長、どうもありがとうございます。
 委員の皆様方には、予定時間を大幅に超過いたしまして、熱心なご審議をいただきまして、ありがとうございました。
 次回の農薬小委員会ですが、年度明けまして令和4年6月24日金曜日に予定をしております。近くになりましたら、改めてご案内をさしあげますのでご出席をお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会第83回を終了いたします。
 本日はありがとうございました。