中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会(第82回)議事録

日時

令和3年12月21日(火)13:30~14:45

場所

WEB会議により開催

出席委員

委員長   白石 寛明

臨時委員  浅見 真理

      五箇 公一

      林 由香里

      山本 裕史

専門委員  赤松 美紀

      天野 昭子

      稲生 圭哉

      内田又左衞門

      川嶋 貴治

      後藤 千枝

      佐藤 洋

      築地 邦晃

      (敬称略、五十音順)

      (欠席は、浅見真理臨時委員)

委員以外の出席者

環境省

  伊澤室長、上迫室長補佐、秋山係長、服部主査

オブザーバー

  農林水産省

  独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)

  国立研究開発法人国立環境研究所

議題

(1)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

  ・フラザスルフロン

  ・ホスチアゼート

(2)その他

  ・「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」及び「水質汚濁に係る農薬登録基準値
    (案)」に対する意見募集の結果について

配付資料

  資料1   中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿

  資料2   諮問書(写)及び付議書(写)

  資料3   水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

  資料4   水濁基準値案と水濁PECの関係について

  資料5   「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について

  資料6   「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」に対する意見募集の結果について

  参考資料1 農薬評価書 フラザスルフロン(食品安全委員会資料)

  参考資料2 農薬評価書 ホスチアゼート(食品安全委員会資料)

議 事

【伊澤室長】 皆様、環境省室長の伊澤でございます。
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会、第82回目を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。本日は、根岸委員がご欠席とのご連絡をいただいておりますが、残り13人の委員の方が出席されており、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
 委員の皆様方におかれましては、年末のお忙しいところ、ご出席賜りまして誠にありがとうございます。今回もWEB会議での開催となり、委員の皆様にはご不便をおかけいたしますが、何とぞご容赦願います。
 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。

【秋山係長】 それでは、資料のご確認をお願いします。画面上に配付資料一覧を表示しますので、それに沿ってご説明いたします。
 配付資料は、資料1から6、参考資料1、2となっております。資料は、説明の際に画面に表示いたしますが、必要に応じて、お手元にご準備をお願いいたします。
 事前送付資料からの変更箇所については、その都度ご説明いたします。

【伊澤室長】 それでは、議事に入らせていただきます。なお、議事の進行中、委員長及び発言者以外はマイクをミュートに設定していただきますようお願いいたします。ご発言時はミュートを解除し、初めにお名前を名乗っていただいた上でご発言ください。WEBシステム上の不具合等がございましたらお電話やチャット機能で事務局までお知らせください。
 それでは、以下の進行につきましては、白石委員長にお願いいたします。委員長、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 白石です。では、議事の進行を務めさせていただきます。
 初めに、本日の会議と資料の公開の扱いについて、ご説明いたします。本日の農薬小委員会は、昨年2月27日に決定されました中央環境審議会における新型コロナウイルス感染症対策についてを受けまして、WEB上での開催といたします。
 また、資料及び議事録についてはホームページにて公開とさせていただきますとともに、前回に引き続き、YouTubeにおいて会議音声等のライブ配信を行い、WEB上で傍聴していただける形といたします。
 以上、よろしくお願いいたします。
 次に、農薬小委員会の決議の取扱いについて、ご説明いたします。小委員会の設置についての水環境・土壌農薬部会決定では、農薬小委員会の決議は、部会長の同意を得て、水環境・土壌農薬部会の決議とすることができるということになっております。したがいまして、この農薬小委員会で決定いただきましたら、水環境・土壌農薬部会の古米部会長の同意をいただいた上で、部会としての決定としていくことになります。
 それでは、議事次第に沿って、議事を進めたいと思います。
 では、議事の1、水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 初めに、事務局から諮問書を紹介してください。

【秋山係長】 それでは、画面に資料2を表示しましたので、ご覧ください。
 こちらが令和3年12月8日付の諮問書となっておりまして、別紙のほうに、本日、水濁基準についてご審議いただく、フラザスルフロンとホスチアゼートについて記載されております。今回、水産基準値についてご審議いただく農薬はございません。
 続きまして、こちらが令和3年1210日付で中央環境審議会から中央環境審議会水環境・土壌農薬部会に宛てた付議書となっております。
 諮問書と付議書の説明については以上になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。
それでは、審議に入ります。
事務局から、資料の説明をお願いします。

【秋山係長】 それでは、資料3、水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)に関する資料でございます。本日は、フラザスルフロンとホスチアゼートの2農薬についてご審議いただきたいと考えております。
 それでは、フラザスルフロンの説明に移らせていただきます。
 まず、物質の概要ですが、こちらに記載のとおりとなっております。
 作用機構については、スルホニルウレア構造を有する除草剤であり、その作用機構は分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン及びイソロイシン)の生合成に関与する植物特有のアセトラクテート合成酵素の働きを阻害し、枯死させることであることを表記しております。
 こちら、事前にお送りした資料ですと、「必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシン」と表記していたところ、赤松委員より「分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン及びイソロイシン)」と修正したほうがよいのではないか、ということでコメントのほうを事前に頂戴いたしましたので、修正いたしました。
 続きまして、本邦での初回登録年ですが、1989年となっております。
 製剤については粒剤及び水和剤がございまして、適用農作物は、果樹、芝及び樹木等がございます。
 国内生産量は、記載のとおりでございます。農薬要覧によりますと、輸入量はありませんでした。
 続きまして、各種物性等についてです。各種物性等については、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 なお、各種物性のオクタノール/水分配係数については、pKa4.37なので、pH7で測定すると非解離型となり、logPowはもっと高くなるのではないかとのことで、pH7の条件におけるオクタノール/水分配係数の情報を求めるコメントを赤松委員より事前に頂戴しているところです。
 事務局のほうで農薬ハンドブックを確認しましたところ、pH7の条件におけるオクタノール/水分配係数については、25℃の温度条件下でマイナス0.06との情報がございました。基本的には農薬抄録に記載してある情報を評価書に記載してきたところですが、こちらの情報についても参考データというような位置づけで評価書に出したいと考えておりまして、事務局の対応について、ご意見等いただければと考えております。
 赤松委員からも補足等ございましたらご発言いただければと思います。よろしくお願いします。
 続きまして、安全性評価のところでございます。食品安全委員会は、令和2年1215日付で。フラザスルフロンのADI0.013mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を通知しております。
 この値は、各試験で得られた無毒性量のうち、最小値である1.31mg/kg体重/日を、安全係数100で除して設定された値となります。
 続きまして、水質汚濁予測濃度についてです。製剤の種類・適用については、こちらに記載のとおりとなっておりまして、今回、非水田のみの適用となっておりますので、非水田PEC、非水田使用時の水濁PEC(第1段階)のほうを算出しております。
 使用方法などについては、こちらに記載のとおりでございまして、フラザスルフロンを含む製剤の総使用回数は3回となっているため、10%水和剤を1ha当たり有効成分量で400g、こちらを2回として、25%水和剤を1ha当たり有効成分投下量で100g、こちらは1回使用したという条件でPECを算出しております。
 パラメータ-については、こちらの表に記載のとおりとなっています。
 算出結果は、こちら4ページに記載のとおりとなっておりまして、0.000016mg/Lという結果となっております。
 続きまして、総合評価です。登録基準値の案としまして、食安委で設定されたADI0.013mg/kg体重/日、こちらに係数を掛けまして、水濁基準値の案として0.034mg/Lを計算しております。
 リスク評価ですが、このように水濁PECが基準値案を超えないことを確認しております。
 続きまして、資料4、水濁基準値案と水濁PECの関係についてですが、フラザスルフロンについては、水濁PECは基準値案の10分の1以下になることが確認されたため、モニタリングの対象外ということで整理をしております。
 説明は以上になります。ご意見、ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 いつものように、安全性評価で毒性の観点から何かコメントがありましたらあらかじめ伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

【佐藤専門委員】 岩手大学の佐藤ですけど、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、佐藤委員、お願いします。

【佐藤専門委員】 食品安全委員会の評価結果の概要について、ご説明いたします。フラザスルフロン投与による影響なのですけれども、主に肝臓の重量増加や炎症細胞浸潤が見られております。
また、腎臓で慢性腎症がラットに、骨格筋の萎縮、あるいは変性がイヌに認められております。
 神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、遺伝毒性及び免疫毒性は認められておりません。
 ラットを用いた発生毒性試験で、心室中隔欠損が認められましたけれども、重篤な所見とは考えられておりません。また、ウサギでは催奇形性は認められておりません。
 各試験で得られた無毒性量のうち、最小はラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併用試験の1.31になっており、これが根拠になっております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 毒性の面からほかにコメントはございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、まず、赤松委員に物性の視点から補足のコメントをいただけたら幸いですが、よろしいでしょうか。

【赤松専門委員】 すみません、赤松です。
 いえ、先ほどのオクタノール/水分配係数なのですけれども、この物質には幾つか解離基がありますので、ここではpH5で測ってありまして、これがpKaと非常に近いのですが、pH7で測ると、もしかしたら高くなるのではないかと思って事務局の方にそのデータがどこかにないのかというのをお伺いしたところです。
 農薬ハンドブックにpH7のデータがあるのですが、実際、pH5よりも低いということで特に問題はないのですけれど、それも併記していただいたらいいのではないかと申し上げました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。結果もよろしいということで。
 先生、これpH、酸性側のほうが分配係数は高くなるのではないですか。

【赤松専門委員】 いや、ピリジンかなと思ったものですから、ピリジンですとpH7の方が高くなりますよね。

【白石委員長】 ピリジンじゃなくて、スルホニルウレアだから。

【赤松専門委員】 ウレアなのですよね、多分。

【白石委員長】 NHのところじゃないですかね。

【赤松専門委員】 はい、だと思います。実際低くなりましたので。

【白石委員長】 水溶解度が。

【赤松専門委員】 水溶解度は逆になっているというのは見ていたのですけれど。

【白石委員長】 逆になっていますよね。ですから同じに。

【赤松専門委員】 はい。7のほうが低いというか、高いというか、はい。

【白石委員長】 よく溶けるということに。

【赤松専門委員】 そうですね。はい。

【白石委員長】 では、えっと。

【内田専門委員】 よろしいでしょうか。内田ですが。

【白石委員長】 どちらでしょう。

【内田専門委員】 内田ですが。

【白石委員長】 お願いします。

【内田専門委員】 1ページですけど、これは、「製剤は粒剤と水和剤」と書いていますけど、本当はこれ、顆粒水和じゃないですかね、「粒剤」と書いてあるところは。だったら、これ水和剤の一つだと思うのですけど。これ確認できますかね。

【白石委員長】 ちょっと事務局、お願いします。

【秋山係長】 すみません、少々お待ちいただけますでしょうか。

【白石委員長】 では、調べている間にほかにコメントはございますか。

【内田専門委員】 もう一つですが。

【白石委員長】 はい、お願いします。

【内田専門委員】 この適用作物ですけど、これ「果樹、芝、樹木等」と書いていますけど、樹木等もありますけど、樹木もあるのですよね。だから、この書き方をちょっと工夫されて、果樹、芝、樹木、それと樹木等があるはずなのですけど、ほかにもトウモロコシとか、サトウキビかな、こんなのもあると思うので、ちょっと書き足りないような気がするのです。

【白石委員長】 ありがとうございます。

 これも事務局、ご回答をお願いできますか。

【秋山係長】 まず、適用作物の表記についてなのですけれども、内田委員ご指摘のとおり、確かに樹木、具体的には、すぎやひのきと、あと樹木等への適用もございます。
 既に廃止された通知にはなるのですけれども、3986号課長通知の作物分類表の大グループに記載されている作物を適用作物名として評価書には記載するようにしているのですけれども、樹木等については、その表に記載がないので、一応、この「等」に含まれているというような認識で記載したところです。

【内田専門委員】 「樹木等」にすると別の意味になるので、前も指摘をしたと思うのですけども、だから、芝と樹木とを入れ替えればいいのではないでしょうか。

【秋山係長】 分かりました。それでは、こちらを「樹木及び芝等」というような表記に修正をしたいと思います。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 樹木等もあるのですよね、でも。

【内田専門委員】 樹木等もあります。

【白石委員長】 だから、それはでも、その芝等に含まれるということで読めるということですね。

【内田専門委員】 そうですね。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【内田専門委員】 顆粒水和はどうですかね。

【秋山係長】 すみません、少々お待ちいただけますでしょうか。

【白石委員長】 それでは、ちょっと調べている間、ほかのコメントいただきたいと思いますが、各種物性につきましては、logPについて追記するということでお願いしたいと思います。
 水質汚濁予測濃度(水濁PEC)につきましてですが、ご意見等ございますでしょうか。ご質問でも結構です。

【稲生専門委員】 稲生です。

【白石委員長】 はい、稲生委員、どうぞ。

【稲生専門委員】 PECについては特に問題ないと思うのですけれども、2ページ目の水溶解度のところで、単位がμg/Lになっているのですが、これまではずっとmg/Lで書いてあって、それがなぜかというと、基準値が水濁の場合はmg/Lなのでということでずっと踏襲されてきたのですけれども、そういうふうに私は認識していたのですけども、何かμgにするという方針に変えたのかなという。次の剤もそうなっているので、ちょっとそこだけ確認をお願いいたします。

【白石委員長】 これは事務局、いかがですか。これまでmg/Lでしたかね。水産の……、はい。

【秋山係長】 すみません。こちら、水産評価書の記載をそのまま転記したものとなっておりまして、確かに稲生先生ご指摘のとおり、こちらmgにそろえるのが適切ですので、単位のほうは修正したいと思います。失礼しました。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【伊澤室長】 すみません、環境省ですが、先ほどの剤型の話、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、お願いします。

【伊澤室長】 内田委員ご指摘のとおり、お送りした抄録の中では、剤が水和剤と顆粒水和剤というような形となっております。
 一方で、ちょっと農薬ハンドブックのほうを見ると、それとは別に粒剤も書かれていますので、この粒剤が現在、あるのかどうか確認した上で、それがまだ登録されているものであればそのままとさせていただきまして、この剤が既にないようなことであれば、水和剤というような形で修正をさせていただきたいと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 内田委員、よろしいでしょうか。確認の上、修正。

【内田専門委員】 同じく3ページも同じ表現があるので、こちらもお願いします。

【秋山係長】 はい、承知しました。

【白石委員長】 ありがとうございました。

 ほか、ご意見等ございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 特にないようでしたらば、総合評価でご確認いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 登録基準値を食品安全委員会が通知したADIを基に、0.034mg/Lとするということでよろしいでしょうか。水濁PECはこの基準値を超えていないということでございます。

(なし)

【白石委員長】 特にご意見ないようでしたらば、評価書のほう、若干修正が入りますけども、基準値案等につきましては事務局案どおりとさせていただきたいと思います。
 それでは、次の剤に進んでよろしいでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 では、次の剤をお願いします。

【秋山係長】 続きまして、ホスチアゼートの説明に移ります。
 物質概要については、こちらに記載のとおりとなっております。
 作用機構等ですが、ホスチアゼートは、有機リン系殺虫剤であり、その作用機構は中枢神経系のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害であると記載しています。
 本邦での初回登録は1992年でやっていまして、製剤は粒剤及び液剤があり、適用作物は果樹、野菜、いも、豆、花き及び樹木等となっております。
 こちらの適用作物についてですが、ホスチアゼートは樹木等への適用がありませんので、先ほどの内田委員のご指摘を踏まえまして、「樹木及び花き等」などの表記に修正したいと考えております。こちらについてもご意見等あれば、よろしくお願いいたします。
 原体の国内生産量と輸入量については、こちらに記載のとおりとなっております。
 続いて、各種物性ですが、各種物性についても、こちらの表に記載のとおりとなっております。
 水溶解度の単位については、先ほど稲生先生からいただいたご意見を受けまして、単位のほうは修正したいと思います。失礼しました。
 続きまして、安全性評価です。食品安全委員会は、令和2年1215日付で、ホスチアゼートのADI0.002mg/kg体重/日とする食品健康影響評価の結果を通知しております。
 これは、各試験で得られた無毒性のうち最良値である0.205mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定された値となります。
 続きまして、水質汚濁予測濃度についてのご説明です。製剤の種類・適用については、こちらに記載のとおりとなっております。ホスチアゼートについても非水田のみの適用となっておりますので、非水田使用時の水濁PEC(第1段階)ということでPECのほうを算出しております。
 使用方法は、こちらの表に記載のとおりとなっております。適用作物は樹木、具体的には、まつになりますが、30%液剤を使用した場合の1ha当たりの有効成分投下量が54,000g/haで最大となっております。
 最大使用量の考え方について説明させていただきますと、PEC算定の根拠となった使用方法は土壌灌注となっておりまして、こちら表の欄外にも記載しておりますが、1本当たりの散布量は18L10a当たりの株数は50本として投下量を計算しております。
 この50本といいますのが、今画面に表示しましたが、PEC算定をする上での単位面積当たりの算定液量や株数を整理した資料になりますが、こちらの資料において、まつの10a当たりの株数が50本ということで整理されておりますので、こちらの資料に従ってPECのほうを算出しています。
 結果についてですが、0.00012mg/Lとなっております。
 続きまして、総合評価です。
 登録基準値の案としまして、食品安全委員会で設定されたADL0.002(mg/kg体重/)、こちらに係数を掛けまして、水濁基準値の案として0.005mg/Lを計算しております。
 リスク評価としまして、水濁PECは基準値案を超えていないことを確認しております。
 続きまして、資料4ですが、先ほどのフラザスルフロンと同じように、ホスチアゼートについても水濁PECが水濁の基準値案の10分の1以下になることが確認できたため、モニタリングの対象外ということで、整理しております。
 説明は以上になります。ご意見、ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、ホスチアゼートにつきまして、毒性の観点からコメントがありましたら、お願いいたします。

【佐藤専門委員】 佐藤です。
 食品安全委員会の結果概要についてご説明します。
 ホスチアゼート投与による影響ですけれども、主に赤血球及び脳のChE阻害が挙げられます。そのほか、副腎における皮質束状帯の空胞化、あるいは貧血が認められています。
 ChE阻害に対する影響ですけれども、ラットにおいて、雄に比べて雌で感受性が高いと考えられております。
 発がん性、催奇形性、遺伝毒性及び免疫毒性は認められておりません。
 一方、ラットを用いた2世代繁殖試験において、性周期の乱れ、交尾所要日数の延長及び妊娠期間延長が認められております。
 各試験で得られた無毒性量のうち最少は、ラットを用いた104週間の混餌投与によるAChE阻害検討試験の0.205mg/kgが得られておりまして、これを根拠にADIが設定されております。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 毒性の面から、追加のコメントはございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、7ページに戻っていただいて、適用作物に少し修正を加えたいということですが、よろしいでしょうか。

【内山専門委員】 はい、これで結構です。

【白石委員長】 では、「樹木及び花木等」と修正していただくことで、お願いします。
 8ページ目、これは水溶解度の単位を変えるということですが、ほかにコメントはございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、水濁PECについて、コメントをお願いします。

【稲生専門委員】 稲生です。よろしいでしょうか。

【白石委員長】 どうぞ。

【稲生専門委員】 PECのほうはこれで問題ないと思います。
 先ほど1株当たりの使用量を、株数については決まっていますよということで示していただいたのですが、1株当たりの使用液量ですね。18Lとしているのですが、抄録の25ページを見ると、樹の胸高直径によって調整するということで、直径が小さいときの6Lから40㎝の52L、さらに大きい場合は足すというような書き方をしているのですけど、これは何か18Lにしたのは、真ん中だからということですかね。

【白石委員長】 事務局、お願いします。

【秋山係長】 事務局です。
 単位面積当たりのまつの株数について、今では50本ということになっているのですが、もともとこちらは40本ということで整理されておりまして、それが直径20㎝のまつを想定したものということになっています。その後、見直しが行われまして、現在の50本ということで整理がされました。
 先ほどご説明しましたとおり、PEC算定における決まりとして整理されている単位面積当たりの株数、まつですと50本ですが、こちらに基づいてPECを算定するのであれば、直径は20㎝で、散布液量については18Lが妥当と考えて計算しました。
 また、最大40㎝で52Lまで1株当たり撒けるということになるのですけれども、その場合を適用するとなると、単位面積当たりの株数など、また再整理する必要があるのかなと考えています。
 以上について、お答えになっておりますでしょうか。よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 稲生委員、よろしいでしょうか。

【稲生専門委員】 根拠は分かりましたけれども、これまでの原則とすれば、最大単位面積当たりの投下量が最大になるということを原則としていますので、例えば直径が40㎝になって52Lの場合は株数が減るということなので、どの辺が最大値になるかというところを見てみないと、これでいいかどうかというのはちょっと分からないですけど。少なくともこれで評価するとなったら、直径が20から25㎝という条件で50株というような記載にしないと、ちょっと根拠がまだ曖昧だなというふうに私は感じました。
以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 脚注のところですかね。もう少し補足したほうがいいのではないかというご指摘だと思いますが、いかがですか。

【内山専門委員】 私も同じように疑問だったのですよ。この直径が40㎝だと52Lですよね。だから3倍近くなって。本数が3分の1でも掛け算すれば10a当たり同じ量になりますよね。実際もっと株は多いのじゃないかと思うので、最大に考えるならもう少し多いような気もするのですけど、いかがですかね。

【白石委員長】 どうしましょうかね。稲生委員、いかがですか。
 しかし、どんな数値を使っていいかというのは、今すぐには出てこない気がしますが。

【稲生専門委員】 稲生です。
 私もこれ、ちょっと使用実態というのが全く分からないので、今、内田委員がおっしゃったように、単純に3倍で、その株数が3分の1になるのかというところも含めて根拠を示していただかないと、この真ん中の18L50株というので本当にいいのかと言われるとちょっと自信がないので。
 PECはそれほど大きく変わらないので、登録基準値を設定するということに関しては、大きな問題はないのかなとは思うのですけれども、実態のところをきちんと示していただかないと、安全側を取っていますよというふうに言えるのかというところがあると思いますので、その辺りちょっと事務局のほうで確認いただいたほうがいいのかなと私は思います。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 事務局、何かご回答をお願いします。

【伊澤室長】 すみません。環境省でございます。
 ご指摘のとおり、本数についてはそれでいいのかというようなご議論があるかなとは思うのですが、取りあえず今の評価においては、そういった本数50本で、この太さというような形のものをルールとして決めさせていただいているので、当面はそれに従うしかないかなというふうに考えております。
 また、これが決まった当時、じゃあ、それがなぜ評価に用いる本数であるとか、太さであるというようなことにしたのかということについて、ちょっと私どものほうで議論を、確認をさせていただきたいと思いますし、そこが明確ではないということであれば、今後、評価の宿題になろうかというふうに考えているところでございます。
 以上です。

【白石委員長】 過去の議論を少し整理していただくというところで、当面、その議論に基づいて評価していきたいということですけど、いかがですか。

【天野専門委員】 すみません。天野です。

【白石委員長】 天野委員、お願いします。

【天野専門委員】 今の議論のところで、多分何年か前の水産PECのところでも、同じ数字でたしか算出されていたと思います。多分そのときには、もう少し脚注が丁寧に、直径が20㎝で、例えば樹高は10mで、この場合、株当たりの散布量が18Lになってといったような注釈が書いてあったと思いますので。過去どうしてこの50株になったかといういきさつは、また確認をしていただくのですが、もう少し丁寧に脚注を書いていただかないと、使用基準から18Lというのがちょっと読みにくい場合もありますので、お願いしたいと思います。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 少なくともこの脚注はもう少し丁寧に書いたほうがよいというご指摘でございます。
 皆さんそうだと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが、いかがですか。

【伊澤室長】 承知いたしました。
 径数と株数というのは前提条件になるかと思いますので、そこら辺をしっかり書かせていただいて、散布液量がその場合は18Lというものを用いて計算ということが分かるように、少しこの脚注部分を丁寧に書かせていただきたいと思います。
 以上です。

【白石委員長】 数値については、少し精査いただくのかよく分からないのですけども、今後の検討課題にはなりそうなのですけど、その辺はいかがですか。
 一応、過去の例は整理していただくということで、委員の方、よろしいでしょうか。

【伊澤室長】 環境省でございます。
 これまでも、この本数等で従ってやっていたかと思いますので、これを決めたときの経緯みたいなものは、調べられる範囲で少し調べさせていただきたいと思います。
 それが分からないということであれば、少し時間をかけて、そこはまた検討していく必要が出てくるのかなというふうなことも思いますので、そこはちょっと評価法の宿題として、扱わせていただければというふうに考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 委員の方々、今のようなまとめ方でよろしいですか。

【稲生専門委員】 稲生です。
 取りあえず今回はこれまでを踏襲してということで、この設定で評価するということなのですけど、やはりこの設定が妥当であるということをきちっと聞かれたときに説明できるようにしていただければと。私はこれを絶対変えないといけないという話ではないと思いますので。その当時これが妥当であるということで決められたということだと思いますので、今の伊澤室長のご説明から読み取れるところは。それがきちっと妥当であるというところがご説明いただけるのであれば、特に私自身、これを否定する、現状では否定する材料はないということで、ちょっとご検討いただければと思います。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【浅見臨時委員】 すみません。浅見ですけれども、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 浅見委員、お願いします。

【浅見臨時委員】 申し訳ありません。
 今、第35回、平成25年の資料を拝見しておりまして、先ほどご指摘のありました水産PECでの算出ということで、ほぼ同じ数値を使って計算をされているのですけれども、ちょっと桁数が前のほうが大分低くなっていらっしゃるようなので、その想定の違いのところにつきましても、また調べて補正していただければと思います。よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ちょっとよく分からなかったのですけど。

【浅見臨時委員】 前回のは、今拝見する限りでは、使っている数値は一緒なのですけれども、非水田PECTier1の算出結果が0.021μg/Lとなっていまして、μg/Lなので、6倍ぐらい数値が違うようなので、ちょっとどこの値を算出するのかというのによって違われるのかもしれないので、ちょっとその辺の経緯が分かるとありがたいなと思いました。
 以上です。

【白石委員長】 これは水産と水濁でモデルが違うのですが、その辺の説明でよろしいですか。

【浅見臨時委員】 6倍とか、違うもので出てくるところの値が違うというのが分かるように書いていただけるといいかと思いました。

【白石委員長】 事務局、何か見解がございますか。

【伊澤室長】 環境省でございます。
 すみません。今、確かにここはこうですというご説明をすることがちょっと難しいので、今言われた水産のPECのときの資料も確認して、そこら辺を精査しておきたいと思います。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。

【白石委員長】 ほかにご意見。

【稲生専門委員】 稲生です。

【白石委員長】 稲生委員、どうぞ。

【稲生専門委員】 簡単に言うと、水濁と水産で評価値点が違うということです。恐らく農薬の流出量というのは、これは使用回数が1回で、ドリフトもないということなので同じになると思うのですけども、割り算する水量が、水産の場合は100km2当たり3m3/s、水濁の場合はもうちょっと川の上流部で、水がもっと少ないところですね。具体的にはその評価値点の水量が0.12m3/sだったと思いますので、その違いが大きく違っているという状況だと思います。ただ、私もちょっと式を見ながらというところは確認していないので、事務局に確認いただければと思います。
 要は、割り算する水の量が違うというところが大きく違うところかなというふうに考えています。
 以上です。

【白石委員長】 ご説明をありがとうございました。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。

【白石委員長】 ほか、よろしいでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたらば、11ページ目の総合評価をご確認いただきたいと思いますが、登録基準値を0.005mg/Lとするということと、水濁PECはいろいろ議論がありましたけども、これまでの経緯を踏襲すると、0.00012mg/Lということで、これを超えていないということでございます。
 よろしいでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 なお、9ページ目の脚注については、もう少し詳しいことを書いていただくということで、修正をお願いしたいと思います。
 ほかにご意見等、よろしいでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 特にご意見なければ、基準値(案)につきましては、事務局案どおり了承いただいたということにさせていただきたいと思います。
 本日は、以上で水質汚濁に係る登録基準設定についての審議が終了となりますが、全体を通じて何かございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 では、続きまして、事務局よりただいまの議事1に関する今後の予定について、ご説明をお願いします。

【秋山係長】 本日ご了解いただきました農薬の登録基準については、合成手続法の規定に基づき、今後パブリックコメントを1か月ほど実施します。その結果、もし何か修正等を求める意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度、農薬小委員会で審議を行うかどうかご相談をして、ご判断いただくことにしたいと思います。
 再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て、中央環境審議会に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意が得られれば、中央環境審議会決定として、環境大臣に答申をいただくことになります。
 そして、答申後、基準値を告示させていただきます。
 今後の予定について、ご説明は以上です。

【白石委員長】 今後の予定につきまして、何かご質問等はございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、次に議事の2、その他に移ります。
 事務局より、説明をお願いします。

【服部主査】 資料5と6について、まとめてご説明させていただきます。
 本件は、本年9月16日に開催した第81回農薬小委員会で審議されました、「生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)」及び「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」についてご意見を募集した結果でございます。
 まず、資料5の1ページをご覧ください。
 発芽スイートルーピン抽出たんぱく質、フェニトロチオンにおける生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)に対する意見募集を行いました結果、ご意見が3通、5件寄せられました。
 まず、1件目です。
 藻類生長阻害試験について、局長通知、農薬取締法テストガイドラインですね。では、平成31年4月1日以降に申請された剤につきまして、供試生物としてムレミカヅキモが必須とされているところ、令和2年に申請されました発芽スイートルーピン抽出たんぱく質では、イカダモの試験が出されています。これについて、ムレミカヅキモの試験成績を要求すべきではないですかというご意見です。
 考え方としまして、ご理解のとおり、藻類試験の供試生物としてムレミカヅキモを用いることを必須としております。
 一方、局長通知の基本的な考え方において、農薬の登録申請のため提出する資料は、これら試験方法を標準として作成することとされています。
 新規剤である本剤については、試験実施当時の局長通知ではイカダモも推奨されていたこと、今回の評価では藻類試験は農薬登録基準の数値の決め手となるデータとなっていないこと等を踏まえ、例外的にイカダモを用いた試験成績を評価に利用することをご了承いただいたものですとしております。
 2件目です。
 人体への影響を念頭に置かれた試験種に関するご意見と、長期的影響に関するご意見です。
 考え方ですが、水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準については、水域の生活環境動植物に著しい被害を生じるおそれがないかについて評価を行い設定しているものでございます。そのため、魚類や甲殻類といった水域の生物を用いた試験を用いていること。
 なお、人体への影響については、農薬の使用によって公共用水域の水質の汚濁が生じ、人畜に被害を生じるおそれがない濃度として、別途、水質汚濁に係る農薬登録基準の設定を行っていることを記載しております。
 また、長期ばく露による影響については評価手法を検討中であり、引き続き生態影響評価の改善を図っていく旨を記載しています。
 3件目と4件目はまとめてご説明いたします。
 3件目は、農薬が生態系に与える影響を懸念するご意見と、複合影響に関するご意見でございます。
 4件目については、ミトコンドリアへの影響を確認する必要があるのではないかというご意見です。
 これらについては、本年9月の前回農薬小委員会でご紹介したものとほぼ同じご意見であり、考え方も前回同様の記載をしていますので、説明については割愛させていただきます。
 5件目です。
 フェニトロチオンにつきまして、水域PEC0.98μg/Lと、登録基準値の7割ほどの数字であるため、何かしら対応が必要ではないかというご意見です。
 考え方としまして、水域PECが基準値案に近接している剤、フェニトロチオンですけれども、ついては、農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の対象農薬とし、当該農薬の多い地域において、この調査の実施を検討することとしている旨、記載しております。
 資料5に関する説明は以上で、続けて資料6のご説明に移ります。
 資料6の1ページをご覧ください。
 MCPBエチルにおける水質汚濁に係る農薬登録基準値に対する意見募集を行った結果、ご意見が2通、3件寄せられました。
 1件目と2件目については、腸内細菌への影響と複合影響に関するご意見ですが、これらも本年9月の前回農薬小委員会でご紹介したものとほぼ同じご意見であり、考え方も前回同様の記載をしていますので、説明は割愛いたします。
 3件目です。MCPBエチルの評価書中、水質汚濁に係る登録基準値の算出式に用いた53.3kgという体重の根拠は何かというご意見です。
 この「53.3kg」については、「平成1012年度国民栄養調査」における日本人の平均体重を根拠にしております。
 資料5と6の説明は以上です。
 なお、当該基準値については、今後、省内での手続を経て告示することとし、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、同日付で電子政府の窓口で公開することとしております。
 説明は以上です。

【伊澤室長】 すみません、環境省室長の伊澤でございます。
 ただいまご説明させていただきました資料5の一つ目の回答に関連しまして、補足でちょっとお詫びをさせていただきたいというふうに考えております。
 こちら、藻類に係る試験について、イカダモを使用している試験であったことについて、通知のとおりではなかったものでございます。考え方につきましては、今、服部のほうから説明したとおりなのですが、この件について、本来であれば試験に逸脱があったことを審議の場、小委員会のほうで明確にお示しした上で、評価に用いることが適切かご議論をいただく必要があったというふうに考えております。
 当日、委員からもそういったご質問があったにもかかわらず、事務局から逸脱がある旨を明示できず、後からご確認をいただくことになってしまいました。委員の皆様には、お手数をおかけしまして申し訳ございませんでした。また、ご対応いただきまして、どうもありがとうございました。
 今回の件につきましては、通知の改正と申請に係る相談のタイミング等もあって、ちょっとイレギュラーな形で発生してしまったものかなというふうになりますが、今後こういったことがないように、事務局としても気を引き締めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。

【内田専門委員】 一つだけですが、内田です。

【白石委員長】 はい、内田委員、お願いします。

【内田専門委員】 水濁の最後の質問ですけど、パブコメですけど、この53.3というのは、これはかなり古い統計の値で、環境省の説明では、新しいものは、これよりか重い体重の平均値が出ていたと思うのですよね。それで、安全側として、この数値のまま据え置くというような考え方の説明があったと思うのですけれども、そこまで丁寧に書いたほうがいいような気がするのですけど、いかがですかね。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。

【秋山係長】 内田委員、ご指摘ありがとうございます。ご指摘を踏まえまして、現在でも53.3kgを使っている根拠等について、もう少し詳細な回答を整理したいと思います。

【白石委員長】 では、よろしくご検討をお願いします。

【内田専門委員】 よろしくお願いします。

【白石委員長】 ほかはいかがでしょうか。

【築地専門委員】 築地ですけども、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【築地専門委員】 資料5のほうなのですけれども、2番と3番のご意見についての取りまとめ方で、内容として、その二つの中身がそれぞれありますけれども、前回の委員会の後の取りまとめの修正版で、一つになっていたのを二つに分けていましたけれども、今回は、また一つにするということでしょうか。
 以上です。

【白石委員長】 資料5の2番と3番ですか。

【築地専門委員】 そうです。なお書きで、二つの内容になっているかと思うのですけれども、一つのくくりで取りまとめられていますが、分けることはしないのでしょうか。

【白石委員長】 前回と違うということですか。

【築地専門委員】 前回の修正版では分けていたのですが。

【伊澤室長】 すみません、環境省でございます。
 すみません。こちら、あまりそのルールというのは意識をしていなかったということです。築地先生のおっしゃるとおり、2番、3番について、内容として二つに分かれ得るというようなことはおっしゃるとおりと思います。
 あとは、もうこれ好みの問題で、1人の方の質問をまとめて書ける場合は書いたほうがいいのか、もう内容によって分けたほうがいいのかというようなことだろうと思うのですけれども。環境省としては、どちらでもいいかなというのが、まあ正直なところではあるのですが、これ、分けたほうが分かりやすいというようなことであれば、そういった形で処理をさせていただければというふうに思います。単純に二つ欄を作って、冒頭の「また」を落とすというような形で対応ができるかというふうに考えております。
 以上です。

【築地専門委員】 よろしいでしょうか。前回、そういうふうに二つに分けたということで、意見数の数とすると違ってきますので、その辺、同じやり方でやったほうがよろしいのではないかと思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 前回にそろえたほうがよろしいのではないかというご意見ですが、まあいいですかね。

【伊澤室長】 そうですね、統一性は大切かと思いますので、ちょっと今後、そういったところは留意して、今回、修正をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 ほかにご質問、ご意見はございませんでしょうか。

【山本臨時委員】 すみません、山本ですが、よろしいでしょうか。

【白石委員長】 はい、どうぞ。

【山本臨時委員】 さっき室長のほうからご説明があった資料5の1番のところなのですが、この発芽スイートルーピン抽出たんぱく質ですが、藻類の試験について、イカダモが当時、推奨されていたのでというような話なのですが。今後は、こういう逸脱があった場合でも、それぞれこの農薬小委員会等で承認されることで、評価に利用できる可能性があるということでいいのでしょうか。その辺りは専門家の判断で、そういったことが科学的に正しいのであれば、そういうことができるというようなことでよろしいのですかね。ちょっとこれを見ているとそういうふうに読めましたが、それでいいのかどうかというのをちょっと教えていただければと思います。これが1点目。
 2点目が、5番目のフェニトロチオンの件ですけれども、基準値にかなり近いということで、「水質モニタリングの実施について検討することとしています」となっていますが、これ「水質モニタリングは実施しています」ではないのですかね。これは、今後も実施していくというふうには、これだと何か事実のように書かれているのですけど、この辺りは、わざとこう書いてあるのかも含めて、ちょっと教えていただければと思います。
 以上です。

【白石委員長】 では、ご回答をよろしくお願いします。

【伊澤室長】 すみません。まず、私のほうから1点目について、その試験法の逸脱の関係について、ご説明をさせていただきたいという、考え方をお話しさせていただきたいと考えております。
 今回、回答の中、ご意見に対する考え方の中でも書かせていただいたとおり、標準として作成するというようなことで。ただ、必ずしも、その逸脱があって即駄目であるというようなことにするのは難しいというふうに考えております。そういった、逸脱が評価に堪え得るような程度のものなのかどうかということを、有識者の皆様方にご確認をいただいて、それで構わないだろうというような結論が得られたものは使用していくというようなことができるのではないかなというふうに考えております。あとは、その逸脱の程度の問題というふうな感じになるのかなというふうに考えております。
 ちなみに、今回の場合であれば、この試験に供試する生物が違うというようなことで、イカダモの試験、信頼性は高いのかなというふうに私は考えておりますけれども、ただ通知において、ムレミカヅキモを必須とするというような、かなり強い言葉で書いておりますので、その逸脱の理由については、相当の、ちゃんと我々が納得できるような、逸脱の理由について説明をしていただくとともに、有識者の皆様におきまして、それが評価の結果に影響しないというようなことを確認された場合のみ認めるというようなことになるのではないかなというふうに考えております。
 ちょっとケース・バイ・ケースというお答えになってしまって恐縮なんですけれども、その逸脱の程度と、その影響と理由といったものを考えて、それが使用可能かどうかということを検討していきたいというふうに考えております。
 以上です。

【内田専門委員】 よろしいですかね、内田ですけど。

【白石委員長】 内田委員、お願いします。

【内田専門委員】 今の室長の回答で私もいいと思うのですけど、基本的に。これが申請日が4月1日以降であれば、不確実係数10がかかるので、これは、もうノーになりますよね。だから、このタイミングであるから例外的に認めるというのは、私は賛成だったのですけども。やっぱり、この4月1日以降に関しては、これはもう絶対的なものになるような気がするのですけども、その辺はどうなのですかね。

【伊澤室長】 すみません、ちょっとお答えの方向性が違っているかもしれないのですけれども、この剤に、この試験につきましては、今日のキーデータになっていないというようなことがありますし、また、この毒性の位置と、基準値とPECの差がかなり離れている物質であったというようなことも勘案しまして、今回、例外的に使用が可能というような判断をさせていただいたものでございます。
 この安全係数の扱い方、1か10、1を適用するか、10を適用するかというのは、試験種にかかわらず、この申請がいつ行われたのかというようなことによって決まるのというふうに考えております。
 以上です。

【服部主査】 事務局でございます。先ほどの説明に補足させていただきます。不確実係数10を藻類試験に当てはめるということの適用は、令和2年の4月以降に申請のなされたものとなってございます。
 発芽スイートルーピン抽出たんぱく質につきましては、令和2年の3月に申請がなされたものということで、ぎりぎりのタイミングではあるのですけれども、不確実係数1として取扱いをしております。
 今、評価書を見ているのですけれど、この藻類試験が、毒性試験上は6,610μg/Lですので、これを10で除して661μg/Lとした場合でも、水域PEC0.0079μg/Lでございますので、仮に不確実係数10とした場合でも、登録基準値と水域PECというのは十分離れていると考えられます。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 ぎりぎりのタイミングだったということですかね。
 不確実係数10で除すと、これがキーデータになるのですか。

【内田専門委員】 なりますね。

【白石委員長】 そういうことですか。そうすると。

【伊澤室長】 すみません、この不確実係数については、申請があった日で変わりますので、1を使うということは問題がないかなというふうに考えております。
 この試験生物種が違うというのは、またそれよりもちょっと前のこの通知の変更の話になりますので、それと不確実係数の話は、リンクはしないで考えることができるのではないかというふうに考えております。

【白石委員長】 ほかの委員、ご意見をお願いします。よろしいでしょうか。

【上迫室長補佐】 すみません、環境省です。
 先ほど、山本先生の2点目のご質問について、まだ、回答はなされていなかったと思いますけれども、フェニトロチオンについて、既に水濁の観点でモニタリング対象農薬とされていることを踏まえたご発言だったかと思います。
 確かに、そういった意味では、既に対象になっていますが、今回、水域の生活環境動植物の被害防止の観点からも、改めて、モニタリング調査の対象農薬とするということで書かせていただきました。
 以上です。

【山本臨時委員】 ありがとうございます。ということは、水濁で既にもうモニタリングをやっているけれども、水産の観点でも新たにモニタリングを行うと、そういう意味ですね、分かりました。ありがとうございます。

【白石委員長】 資料5の1の回答はこれでよろしいですか。

【内田専門委員】 いいと思います。

【白石委員長】 特に問題はないですか。

(なし)

【白石委員長】 特にないようでしたら、これでお認めいただくということで、若干、幾つか修正点が出ましたので、これを修正いただいて、また、委員に見ていただくということでよろしいでしょうか。

【伊澤室長】 はい、承知いたしました。

【白石委員長】 体重のところと、あと、区分けですかね。項目分けみたいなところですか。
 では、パブリックコメントの結果につきましては修文いただいて、もう一度いただくという形をとりたいと思います。
 よろしいでしょうか、パブコメにつきまして、ほかにコメントはないでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、最後になりますが、本年6月の農薬小委員会、第80回で了承された天敵農薬に係る評価体制の構築について、事務局より進捗状況の報告をお願いいたします。

【伊澤室長】 それでは、天敵農薬の評価につきまして、現状、ご報告をさせていただきます。
 6月の農薬小委員会でお話しをさせていただきましたとおり、天敵農薬に係る放飼先での定着性の有無や在来の生物への影響につきましては、実質的にFAMICで審査がされているところですが、法制度上に明確に位置づけて、有識者の意見を踏まえた評価方法を確立したいというふうに考えております。まずは、評価方法を定めるために、今年度中に別途、農水省と共に検討会を行いたいというふうに考えております。農薬小委員会の先生方には、ご相談、ご参画をお願いすることもあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、評価の体制についても、これから定めたいというふうに考えております。現在の生活環境動植物の基準とか水濁基準とはまた違った観点となるかと思いますので、いきなり本農薬小委でご議論いただくのではなく、特定農薬をご審議いただいたときのように、一部の委員の方に参加いただく分科会のようなものを設置いたしまして、農林水産省との合同で審議いただいた上で、その結果を小委員会に報告、了解いただくような形ができないかというようなことで検討をしているところでございます。早ければ次回、3月3日の本小委員会で、体制や分科会のメンバーなどをご審議いただくとともに、水環境・土壌農薬部会におきまして、天敵農薬に係る評価を、当小委員会の審議事項として追加をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、法制度上につきましては、現在のその法律の条文では、読み切れないというようなところがございますので、省令の制定などで位置づけすることを検討しております。こちらにつきましては行政的な話なので、小委員会でご審議いただくということは予定しておりませんが、次回の小委員会の前に、省令等のパブリックコメントを行う可能性もございますので、ご承知おきいただければというふうに考えております。その際には、情報として委員の皆様には、こういった省令の改定、設定等を行いますというようなことをメールでお知らせをさせていただきたいというふうに考えております。
 以上、手短ではございますが、報告というか予告でございますけれども、そういった形で進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【白石委員長】 特にないようですので、引き続き、事務局において省令の整備、評価方法や種に対しての検討等をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、本日の審議が一通り終了しましたので、全体を通じて何かご意見、ご質問等はございませんでしょうか。

【秋山係長】 すみません、事務局ですが、1点よろしいでしょうか。

【白石委員長】 どうぞ。

【秋山係長】 資料2で、今回、水濁基準についてご審議いただいたフラザスルフロンについて、評価資料には「製剤は粒剤及び水和剤」と記載していたところ、内田委員から、顆粒水和剤ではないかというご指摘をいただいたところです。
 現在の適用状況なのですけれども、12月1日時点で、フラザスルフロン粒剤のシバゲン粒剤という粒剤の適用がございましたので、評価書の記載については、「粒剤及び水和剤」ということで表記したいと思います。よろしくお願いいたします。

【白石委員長】 ありがとうございました。粒剤の必要があったということですね。

【内田専門委員】 ありがとうございます。分かりました。

【白石委員長】 ほかにいかがでしょうか。特にご意見等なければ。

【後藤専門委員】 後藤です。

【白石委員長】 後藤さん、お願いします。

【後藤専門委員】 先ほどお見せいただいた天敵農薬に関する資料なのですけれども、後ほど送付いただけるということでよろしいでしょうか。

【白石委員長】 事務局、お願いします。

【伊澤室長】 当該資料ですね、6月17日の小委員会で使った資料になりますけれども、委員の皆様にはメール等で、その資料をお送りさせていただきたいというふうに考えております。

【白石委員長】 では、よろしくお願いします。

【後藤専門委員】 よろしくお願いします。

【白石委員長】 ほかはいかがでしょうか。
 多分、ホームページに載っていますかね。

【伊澤室長】 そうですね、6月17日の農薬小委の資料の中で、ホームページに掲載はしておりますので、ちょっとそこに行くのも大変なので、後藤先生にお送りするようにいたしましょうか。

【後藤専門委員】 すみません。新しい内容が加わっているということではないということですか。

【伊澤室長】 すみません。今回、まだ新しい情報は、変わっておりません、6月17日の資料のままでございます。

【後藤専門委員】 分かりました。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょうか。
 特段、ほかにご意見等なければ、進行を事務局にお返ししたいと思いますが。

(なし)

【白石委員長】 事務局、よろしくお願いします。

【伊澤室長】 白石委員長、どうもありがとうございました。
 委員の皆様には、本日も熱心にご審議いただきまして、深く御礼を申し上げます。
 次回の農薬小委員会は、年が変わりまして令和4年3月3日、木曜日を予定しております。近くなりましたらご案内を差し上げますので、ご出席をお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、第82回の中央環境審議会水環境・土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日はありがとうございました。