海底下CCS制度専門委員会(第3回)議事録

日時

令和5年12月12日(火)14:03~15:25
※ WEB会議併用

議事次第

1.開会

2.議題

(1)今後の海底下への二酸化炭素回収・貯留に係る海洋環境の保全の在り方について(案)
(2)その他

3.閉会

配布資料

 資料1 今後の海底下への二酸化炭素回収・貯留に係る海洋環境の保全の在り方について(案)
 資料2 カーボンマネジメント小委員会における検討状況について(資源エネルギー庁資料)
 資料3 第2回海底下CCS制度専門委員会におけるご質問への回答(苫小牧漁業協同組合資料)

議事録

【事務局】 大変お待たせいたしました。ただいまから、中央環境審議会水環境・土壌農薬部会第3回海底下CCS制度専門委員会を開会いたします。
 委員の皆様方には、ご多忙のところご出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の委員の出席状況ですが、総数9名のうち、石巻委員及び奥委員がご欠席になります。また、岡松委員が15時頃からの出席となり、計7名の委員にご出席をいただく予定です。
 また、本日は関係省庁といたしまして、資源エネルギー庁さんにもWebでご参加いただいております。
 本日は、会場とWeb会議の併用での開催としております。また、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいており、YouTubeの環境省海洋環境課公式動画チャンネルで同時配信をしております。
 続きまして、資料の確認をいたします。
 本日配付している資料は、資料1、資料2、資料3の3種類になります。それぞれの資料の右上に資料番号を記載しておりますので、ご確認ください。
 それでは、ここからの議事進行は、大塚委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【大塚委員長】 すみません、遅くなりまして申し訳ありません。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 議題1、今後の海底下への二酸化炭素回収・貯留に係る海洋環境の保全の在り方について(案)でございます。資料につきましては、事務局よりご説明をお願いいたします。
【大井課長】 ありがとうございます。事務局を務めております環境省海洋環境課長の大井でございます。
 私のほうから、資料1と資料3をご説明させていただきまして、続きまして、資料2につきまして、資源エネルギー庁さんからご説明をいただきたいと思います。
 まず、順序が逆になりますが、資料3をご覧いただければと思います。
 これは前回、第2回の委員会におきまして、関係者ヒアリングを行った際、苫小牧漁業協同組合さんのヒアリングを行いましたけれども、その際、海江田委員のほうからご質問があった、モニタリングのうち、一番関心の高かった項目、データについてというご質問があったところなのですけれども、ご回答漏れだったということで、書面にて回答を提出いただいたものでございます。ご確認いただければ幸いです。
 続きまして、本日のメインとなる資料でございます、資料1を説明させていただきます。
 資料1、1枚おめくりをいただきまして、まず目次となっております。この報告書の案全体の構成でございます。
 目次をご覧いただきますと分かるとおり、まず「はじめに」、それから、2で海底下CCSに係る現行の制度ということで、背景の説明をさせていただいた後、3がメインのパートになりまして、今後の海底下CCSに係る海洋環境の保全の在り方についてということで、前回もご議論いただいた幾つかの論点ごとに、現状と課題、それから今後講ずべき措置について記載をすると、こういう構成になってございます。
 続いて、隣の1ページから、「はじめに」をご覧いただければと思います。
 「はじめに」におきましては、まず、CCSが今後、脱炭素社会を目指していく上で非常に重要な技術オプションになるということが最初の段落。
続きまして、次の段落で、国際的には海底下のCCSにつきまして、ロンドン条約に基づくロンドン議定書によりまして、許可制度などを設けることが求められている。
 3段落目で、それを受ける格好で、我が国におきましては、海洋汚染等防止法におきまして、国内担保措置を設けているということでございます。具体的には、海底下CCSにつきまして、環境大臣の許可制度などを設けているということでございます。
 次の段落で、この許可制度に基づきまして、これまで経済産業省が苫小牧沿岸域で苫小牧事業を実証してきているということでございます。
 次の段落で、今後、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、あらゆる施策を総動員していくと。そういう中で、海底下CCSを含むCCSにつきましても実施を拡大していくことが見込まれますし、また、海底下CCSの実施を目的としたような二酸化炭素の輸出というものも見込まれる状況になっているということでございます。
 こういう状況を踏まえまして、検討を行ってきたと、こういう流れになっております。
 なお、2ページ目をご覧いただいた冒頭のところに書いてございますけれども、今回の検討につきましては、今後の海底下CCSに関する海洋環境の保全の在り方について調査検討を行ったものでございます。陸域の下のCCSにつきましては、調査検討の対象としていないことを、念のため記載をしてございます。
 続いて、2ページ目の下半分からが現行の制度の説明でございます。
 まず、ロンドン議定書の概要ということで、1996年に採択をされ、2006年に発効しているものでございます。我が国は2007年に締結してございます。現時点で54か国が締結しているという状況でございます。
 この議定書に基づきまして、廃棄物などの海洋投棄等を原則禁止とした上で、投棄を検討できるものについて限定列挙すると、附属書Ⅰで列挙するという形になってございます。
 この附属書Ⅰに二酸化炭素を隔離するための二酸化炭素の回収工程から生ずる二酸化炭素を含んだガス、以下、この報告書の中では「二酸化炭素流」という言い方をしておりますけれども、こういうものがあるということでございます。この二酸化炭素流の附属書Ⅰへの追加が2006年の締約国会議で採択をされまして、2007年2月に効力が生じているということでございます。
 具体的な対応としては、原則禁止としながら、許可で海底下CCSができるということになっておりまして、あとは附属書Ⅱにおきまして、実行ガイダンスということで、様々なガイドライン、あるいは指針などが定められているということでございます。
 また、そのページの下の段で、第6条改正の概要とございますけれども、海洋投棄を目的とした輸出は、ロンドン議定書の6条に基づきまして禁止をされておりますけれども、CO2につきまして、例外的に輸出を可能とするための改正が行われております。この改正につきましては、現時点で、まだ批准国、締約国は10か国ということで、未発効でございますけれども、2019年の締約国会議の決定におきまして、暫定的な適用に関する宣言を寄託した国は、これを輸出することが事実上できるという状況になっているということが解説をしてございます。
 それから、4ページに行っていただきまして、この附属書Ⅰに二酸化炭素流が追加されたことを受けまして、2006年、それから2007年にかけまして中央環境審議会に諮問、それから答申がなされているという状況でございます。
 その内容につきましては、4ページから6ページにわたって記載しているとおりでございまして、この答申を受けた形で、海洋汚染等防止法に基づきまして、海底下CCSに係る現時点の制度があるという状況でございます。
 その制度の概要が6ページの下のほうからの説明になっております。海底下廃棄を原則禁止した上で、環境大臣の許可でこれを実施することが可能という規定になってございます。
 そのほか、海洋汚染等防止法に基づきまして、公告・縦覧、それから環境大臣の許可の基準、海域の監視に関する規定、改善命令・許可の取消し、合併・分割に関する対応、それから指定海域制度ということで、海底下に埋められている海域を指定することで、当該海域において、事前にそういう内容について届出がなされるということで対応しているという旨が記載をされております。
 8ページの8行目からがこの報告書案の本体部分というところでございます。今後の海底下CCSに係る海洋環境の保全の在り方についてということで、まず、8ページから9ページにかけまして、基本的観点を記載しております。
 冒頭の「はじめに」にもありましたけれども、これまで苫小牧事業において計画されている約30万トンの圧入を達成しているところでございます。
 平成19年の、当初この制度を作ったときの答申におきましては、様々なことを書かれているわけでございますけれども、それに基づきまして現行の制度が有効に機能しており、今後も基本的な考え方、この答申でありますとか、現行進めております制度の基本的な考え方は維持しつつ、国際的な海洋環境保全に関する枠組みであるロンドン議定書の国内担保を適切に実施すべきとしております。
 一方で、我が国は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けまして、あらゆる施策を総動員していくと。そういう中で、CCSに関する期待も非常に高まっているという状況でございます。
 経済産業省におかれましては、今年3月にCCS長期ロードマップ検討会の最終取りまとめを公表されまして、また6月には先進的CCS事業として、合計七つの案件を選定しているということ。このうち、五つの案件が国内における貯留、また二つの案件は海外における貯留を想定されているということで、国内外でCCSの事業化が見込まれるという状況になっていることです。
 こうした背景を受けまして、環境省におきまして昨年検討を実施した検討会におきましては、今後長期にわたって事業が実施されることを念頭に置いて、長期を見据えた海底下CCSの制度について検討する必要がある。
 また、圧入が終了した後は、二酸化炭素流が漏出するリスクは低下に向かっていくということでございますので、終了後の制度の在り方についても検討する必要がある。
 また、海外で貯留することが見込まれることも踏まえまして、輸出について、環境保全の観点から考慮すべき事項についても検討する必要があると。こういったことなどを提言されたところでございます。
 そんなわけで、今後このCCSが民間事業者が主体となって実施されるということも想定して検討していく必要があるわけでございますけれども、その際に、これまでの苫小牧事業で得られた知見・経験、こういったものを踏まえるということ。それから、諸外国の制度の状況なども参考として検討することが重要である。また、特に苫小牧事業で得られた経験からも、この事業を円滑に進めるために、その対象となる周辺地域の関係者をはじめとする利害関係者、ステークホルダーの理解が不可欠であるということが次の段落で記載をされております。
 こういった基本的な考え方を踏まえまして、七つの論点について、所要の措置が必要であるというふうにさせていただいております。
 その七つの論点が10ページ以降に記載をしております。
 まず、10ページの上半分に図を載せておりますけれども、前回の会議でもご覧をいただいたものでございます。全部で七つの論点を現行のCCSの進められ方、あるいは環境省における対応、こういうものをご覧になりながら、七つの論点をご議論いただいたところでございます。
 まず、論点①としまして、許可の考え方・期間でございます。現状と課題ですけれども、まずロンドン議定書では、許可は定期的に再検討されるべきという旨が記載をされております。これを踏まえまして、現行の海洋汚染等防止法の海底下CCSの許可は、有効期間を付すということにされておりまして、現在、その期間は最長5年間というふうにされております。5年ごとに貯留を続けられる場合には、その都度、許可を取り直していただくという仕組みになっているわけでございます。
 一方で、18行目から書いてございますけれども、現在、諸外国で実施あるいは計画されているそうした事業は、20年以上の長期にわたる期間にわたって実施されている事例もあるということでございます。今後、民間事業者も入ってきてCCS事業をなされるということになりますと、採算性という観点からも、5年よりもはるかに長い長期にわたる事業となることが見込まれるので、事業の予見可能性を確保するということが一層重要になっているという状況かと思います。
 こういう状況でございますので、5年ごとという現行の制度はそぐわないのではないのかということでございます。
 11ページの10行目から、今後講ずべき措置ということで、これまでにご議論いただいた内容をまとめておりますけれども、まずはこの5年間よりもはるかに長期にわたる事業となることが見込まれることを踏まえると、許可対象を事業全体に拡大をして、事業の開始の際に、終了時も見据えて評価をするということが適当と考えられる。
 それから、16行目からでございますけれども、最初の審査の段階において、圧入の開始から事業の終了までを見つつ、実際に圧入終了後に講じる措置の暫定的な内容について審査をするということでございます。最終的な内容については、この後でもまた出てきますけれども、圧入終了後、事業の終了が見込まれる段階で、改めて確認をするということが適当ではないかということでございます。
 それから許可の定期的な見直しというところに関しましては、29行目から記載をしておりますけれども、事業の実施状況をレビューする仕組みを取り入れて、必要に応じて許可の内容を見直すことができるようにすべきであるということでございます。どれぐらいの期間かということにつきましては、諸外国の法制度も参考にというふうに書いてございますけれども、例えばEUにおきましては、許可の発給から5年後に一度レビューして、それ以降は10年ごとにレビューするというような仕組みになっているというふうに承知をしてございます。
 続いて、12ページからが論点の②で、貯留する二酸化炭素流の特性ということでございます。
 まず、現状と課題でございますけれども、現行の海洋汚染等防止法に基づきましては、アミン化学吸収法という方法で分離回収された二酸化炭素の濃度が99%以上であるものというものを定めているところでございます。
 一方で、前回もご議論いただきましたけれども、この二酸化炭素の分離回収技術については、アミン化学吸収法以外の技術も実用化が見込まれている状況になってございます。これを受けまして、政府の規制改革実施計画(令和3年6月)におきましても、アミン化学吸収法に限定することが果たして適当か、また濃度を99%以上にすることが合理的かについて検討が必要というふうにされておりまして、環境省の検討会におきまして、最新の技術動向の収集などを行ってきているところでございます。
 12ページの下の段、29行目からが今後講ずべき措置でございますけれども、結論から言いますと、アミン化学吸収法と同程度の性能を有するほかの分離・回収方法も柔軟に活用できるように見直すべきであるということでございます。
 今後、海外での貯留を目的として輸出される場合も想定されることから、諸外国における基準の設定状況なども考慮する必要があるということ。それから、圧入時の影響も含めまして、圧入ガスに含まれる不純物質による影響なども検討して、不純物質についての濃度の閾値について規定するような可能性などもあるのではないかということで、この辺につきましては、諸外国におきましても、さらに制度の構築が進められるところだと思いますし、今後も知見の集積も踏まえながら、引き続き検討すべきであるというふうにさせていただいております。
 それから、三つ目の論点がモニタリングでございます。13ページの5行目からでございます。
 モニタリングにつきましては、ロンドン議定書でも、許可の条件が満たされていること、それから海洋環境及び人の健康を保護するために正しく行われていること。こういうことを確認するために、監視、モニタリングを行うというふうになっているものでございます。
 現状、海洋汚染等防止法におきましては、事業者の方からモニタリングの計画を出していただいて、実施をしていただいているという状況でございます。
 現行の制度におきましては、通常時監視を基本としつつ、何か懸念される事象が発生した場合には、その段階で通常時監視から懸念時監視、さらには異常時監視という3段階で監視レベルを引き上げるという設定にしてございます。
 14ページの上に、3段階の監視項目や時期・頻度などについてまとめてございます。この監視(モニタリング)に関しましては、苫小牧事業での経験なども踏まえまして、海洋環境の保全の観点からの措置、あるいは貯留が行われる海域の近隣におきますCCS事業に対する理解の醸成などにもつながるものであるという指摘がございます。
 また、特に留意しなければならない点として、海水の化学的性状、それから海洋生物の実態調査などにつきましては、自然変動による影響が大きいという指摘もございます。
 今後、そんなわけで、長期にわたり実施することが見込まれるCCS事業が海洋環境の保全と調和する形で実施されるようにするために、このモニタリングの手法をどのようにすべきかという検討が必要であるということでございます。
 今後講ずべき措置でございますけれども、14ページの18行目からになります。
 やはりモニタリングにつきましては、海洋環境に悪影響が認められないことを客観的に示すという意味で非常に重要でございます。
 この点、15ページに行きますけれども、現行の3段階の監視レベルの設定というアプローチにつきましては、効果的かつ効率的なモニタリングの実施という観点からも有益であり、今後も維持すべきと考えられる。
 その上で、モニタリングの項目でありますとか頻度につきましては、利用可能な最良の技術(BAT)の原則の下で、モニタリングのデータが関係者の信頼醸成にもつながるということを念頭に置いて、その海域や地域情勢も踏まえて設定をするということが適当ではないかということでございます。
 特に、次の段落でございますけれども、海洋環境のモニタリング結果については、自然変動による影響が相当程度あるということも考慮した上で監視の報告を作成し、その結果を評価すべきということについても記載をさせていただいています。
 こうした考え方につきましては、指針などにおきまして、より分かりやすい形で示すことが適当であるというふうにしてございます。
 続きまして、論点の④、事業終了時の措置でございます。
 現状と課題でありますけれども、現状、ロンドン議定書では、海底下に貯蔵することを対象に含めておりまして、これを踏まえまして、現行の海洋汚染等防止法に基づきましても、海底下に廃棄することとともに、貯蔵することも含めているということでございます。一度海底下CCSを行うと、圧入が終了した後もこの許可を取り続ける必要があるというのが現行の考え方でございます。
 一方で、その下に書いてございますけれども、圧入されたCO2につきましては、一般的に圧入を終了した後、地下で圧力がだんだん減少していって安定化していくということが化学的にも指摘をされております。ですので、だんだん時間がたつにつれてリスクが下がっていくということであります。
 そういうことで、この海洋環境の保全というのは大前提としつつも、事業終了に向けた仕組みの構築が必要というふうに考えてございます。
 平成19年に答申をいただいた当時と異なりまして、今、諸外国におきましては、事業者が管轄当局の承認を得た閉鎖計画に基づく閉鎖措置、それから圧入、これが終了した後に一定期間モニタリングを実施した上で、一定の条件を満たした場合には、事業者によるモニタリングを終了するといったような事業終了に係る制度が諸外国において整備をされてきているという状況にございます。
 こうしたことも念頭に置きながら、CCS事業の圧入終了後の事業終了段階の制度について整備する必要があるというふうにまとめてございます。
 今後講ずべき措置でございますけれども、16ページの14行目からでございます。
 圧入終了後、事業の終了に当たっては、圧入井の閉塞など漏出の原因となり得る箇所について所要の措置が実施される必要がございます。
 許可の事業者に対しまして、これら事業終了に向けた措置を講じさせて、かつ当該措置を確実に実施させるために、その事業者に事業終了に向けた計画の策定を求めて、その計画に従って事業終了に向けた措置を講じさせるということが適当であろうというふうに考えてございます。
 また、その後、規制当局の確認をされるまでの間は、引き続きモニタリングを実施していただくということでございます。
 それから、事業の終了に向けた措置を実施する段階においても、圧入中と同様に適切な管理が実施されていない場合の改善命令などの措置は可能とする仕組みとすべきであるということ。
 その上で、一定のモニタリング期間が経過をして、事業者の講じた措置が適切であること、あるいはCO2が地下において安定的であること等を規制当局が確認した上で、事業者への規制は終了する仕組みとすることが適当ではないかというふうに考えてございます。
 他方で、事業者への規制がそこで終了するわけでございますけれども、その後も海洋開発等により漏出することを防ぐこと、あるいは地震などが生じた場合の漏出の有無、こういったことを確認するためのモニタリングなどの一定の管理は、事業者に対する規制の終了後も行われるべきでありまして、こうした対応につきましては、公的機関において実施をすることが適当であるということが書いてございます。
 17ページに、これも前回の会議でも出させていただきましたけれども、事業終了に向けた流れのイメージを図示化してございます。
 続きまして、論点の⑤事業の譲渡でございます。
 現状でございますけれども、現状、法人の合併、分割があった場合には、環境大臣の承認を受けて許可事業者の地位を継承するという規定がございます。
 他方で、事業が譲渡された場合について特段の規定がないため、事業の受渡しがあった場合に、改めて事業を譲り受ける者が許可を改めて取得するという必要がございます。
 今後はほかの様々な法制度なども踏まえましても、事業譲渡を想定したような制度にしていく必要があるのではないかということでございます。
 今後講ずべき措置につきましては、事業の譲渡の場合も事業の継承者に許可の内容を適切に承継させるような仕組みを創設することが適当であるということで、非常に簡潔でございますけども、まとめてございます。
 続きまして、18ページからが六つ目の論点、対応者が不在となり得る事案への対応でございます。
 先ほどの論点⑤とも若干似ておりますけれども、現行の海洋汚染等防止法に基づきましては、実施計画あるいは監視の計画に適合していないときには、環境大臣が許可事業者に対しまして、改善命令あるいは停止命令といったことが可能になっていると。さらに、命令に違反した場合には、許可の取消しということになっております。
 他方で、こういった命令等の措置の対象は許可を受けた事業者に限定されておりますので、許可を取り消した場合に、その後の対応を行う者が不在となって、不適正な状況が継続することになるということでございます。
 そういったわけで、許可を取り消された場合、あるいはまた別のケースで、破産等によって許可事業者が不在になった場合、こういった場合にも適切に対応が取れるという、そういう仕組みを整備する必要があるのではないかという問題意識でございます。
 今後講ずべき措置につきましては、18ページの24行目からでございますけれども、他法令も参考にしながら、許可を取り消された場合や破産等により対応すべき者が不在となった場合においても、事業を適切に終了させるための措置の実施を義務づけることが適当と考えられるということでございます。具体的な者としては、破産等を引き継いだ方とか、破産が該当するかと思いますけれども、そういったことでございます。
 それから、19ページの一番頭に書いてございますけれども、これらの措置を講じてもなお対応すべき者が不在だった場合、様々なケースが考えられるかと思います。いずれにしましても、この辺につきましては、事業の進展に応じまして、今後も検討が必要ではないかというふうに考えてございます。
 最後の論点、長くなって恐縮でございますが、輸出についてでございます。論点の⑦でございます。19ページの5行目からです。
 輸出につきましては、先ほどもご説明いたしましたけれども、ロンドン議定書第6条の改正におきまして、CO2を海底下に廃棄するための処分目的の二酸化炭素流の輸出が例外的に可能となってございます。この改正は現時点で未発効でございますけれども、締約国会議の決議におきまして、暫定的な適用という旨が認められているということでございます。現状、七つの国が暫定的適用に関する宣言を寄託している状況でございます。また、実際の実施に当たって必要となります二国間の合意に関しましては、デンマークとベルギーが世界初の合意を締結しているという状況だと承知をしてございます。
 今後、我が国におきましても、カーボンニュートラル実現のための選択肢の一つとして、CO2輸出をして海外において海底下貯留するという可能性もあるということでございますので、輸出につきましても、スコープに入れていく必要があるということでございます。
 19ページの33行目からが今後講ずべき措置でございますが、輸出に係る制度を整備すべきであると。その際には、輸出先国が我が国日本との間にロンドン議定書第6条改正を的確に踏まえたような協定あるいは取決めをしている国であるかということが、まず確認すべき事項その1でございますし、また、輸出する二酸化炭素流の性質につきまして、ロンドン議定書のガイダンスで輸出国が確認することが望ましいとされているということも踏まえまして、我が国において確認をした上で輸出していくということが必要であるというふうに考えてございます。
 ただ、二酸化炭素流の性質に係る基準につきましては、議定書の要求を満たすということが大前提でございますけれども、諸外国におきましても、まだ事例が少ないという状況でございます。今後、輸出先国等のルールなどにつきましても、引き続きロンドン議定書締約国会議の中でも議論されていくことが想定されますし、こういったものも踏まえながら整理をすべきであるというふうに考えてございます。
 最後、21ページに「おわりに」ということでまとめさせていただいております。
 繰り返しになりますが、このCCSは非常に重要な技術オプションになるということであります。ですので、この技術、CCSの必要性について、その実施に当たっては国民的な理解が必要であるということでございますし、また、事業の実施に当たって、国あるいは事業者が適時適切な情報開示をすることで透明性の確保に努めながら、対象となる地域の関係者との対話を通じて信頼関係を構築していくことが重要であると。また、そうした信頼関係の構築のためにも、ロンドン議定書の担保も含めて、海洋環境の保全に支障のないような適切な形で導入されていくことが必要であるという旨が最初の段落で記載されております。
 また、この第2段落でございますけれども、ここで講ずべきとされた事項につきましては、今後CCS事業が国内外で迅速に進んでいくということも見込まれますので、速やかに具体化していくことが望まれると。また、この制度化に当たりましては、経済産業省さんのほうでも検討がなされているところでございます。CCSに関する事業法制の検討が進められているということにも留意をしまして、これら審議会における議論とも整合的な仕組みを検討すべきであるというふうにさせていただいております。
 最後でございますけれども、CCSは諸外国も含めまして、これからさらに導入が拡大されていくという技術でございます。今回の報告書は、あくまでも現時点での、これまでの我が国の経験や現在の諸外国の法制度などを踏まえたものでございます。今後も国内外における様々な進展、法制的あるいは技術的な進展に関する情報を収集・蓄積をいたしまして、それを踏まえて、適切な制度となるよう不断に見直しを実施していくことが必要であるということで締めさせていただいてございます。
 以上、大変長くなって恐縮でございますが、資料1でございました。また、後ほどご議論いただければと思います。ありがとうございます。
【大塚委員長】 ありがとうございました。ご意見につきましては、後ほどいただきますので、次は資料2につきまして、続けてご説明をいただきたいと思います。
 どうぞエネ庁様、石井様、よろしくお願いします。
【資源エネルギー庁(石井)】 資源エネルギー庁でございます。聞こえますでしょうか。
【大塚委員長】 はい、聞こえています。
【資源エネルギー庁(石井)】 すみません、本日、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。資源エネルギー庁でCCS周りの制度設計を担当しております石井と申します。よろしくお願いいたします。
 では、資料2に基づきまして、私どもの審議会での検討状況のご報告をさせていただきます。ちょっと順番が前後しますけれども、まず5ページ目、ご覧ください。
 検討状況でございますけれども、こちらは9月14日付でカーボンマネジメント小委員会というものを立ち上げまして、CCS事業全般を見渡しますと、保安も必要になってまいりますものですから、産業保安の基本制度小委員会の合同会議で検討を開始して、4回検討してまいりました。直近では、12月5日の第4回中間取りまとめ案の中で取りまとめをいただきまして、12月8日から1か月間、パブリックコメントに付している状況でございます。
 委員名簿は、ここに掲載の方々でございまして、カーボンマネジメント小委員会につきましては、東大の大橋委員長、それから産業保安のほうにつきましては、九州大学、山田委員長の下で検討を進めてまいりました。
 それでは、2ページ目に戻っていただければと思います。
 CCSに係る制度的措置の在り方の方向性ということでございまして、私どもエネ庁といたしましても、環境省さんと同じ問題意識でございまして、2050年のカーボンニュートラルに向けては、Hard-to-Abateセクターと言われていますけれども、鉄鋼、化学、セメント等々のどうしてもCO2の排出が避けられない産業分野にしっかりと対応していく環境整備が重要だと認識しております。
 今年の7月に脱炭素成長型経済構造移行推進戦略という、これ、閣議決定文書でございますけれども、その中におきまして、2030年までのCCS事業の開始に向けて、法制度を検討し、早急に結論を得て、制度的な措置を整備するという取りまとめも閣議決定されているところでございます。
 具体的な制度の中身が2ページ目以降に書いてございまして、まず①でございますけれども、今、鉱業法という法律がございますが、地下の貯留層におきまして、CO2を安定的に貯留する権利、これがないものですから、新しい権利といたしまして、貯留権というものを創設いたします。
 それから、CO2を適切に貯留できる地層かどうか否かを確認するために掘削する権利といたしまして、試掘権を創設したいと考えております。今、鉱業法の中では、鉱業権の付与に当たっては、経産大臣の許可制という形になっておりますので、この二つの許可に当たっては、経産大臣の許可制とするということで検討しております。
 ②をご覧をいただきまして、その中で最も適切にこういった貯留事業を行うことができる者を選定するために、鉱業法の中では一部、先願制がございますけれども、公募制とさせていただきまして、貯留層がある可能性を私どもが指定をさせていただいた上で事業者を公募して、最も適切に行うことができる者を選定させていただくという制度を考えております。
 それから、③をご覧いただきまして、今の鉱業権もそうですけれども、申し上げましたこの二つの権利をみなし物権という形にいたしまして、こちら、不動産と同じように妨害排除を可能にする制度を創設いたします。
 それから、④被害者救済の観点ですけれども、万が一、周辺環境に影響を及ぼす等によりまして損害賠償責任が発生した場合には、民法の原則によらずに、故意・過失によらない賠償責任という形で無過失責任制度、これも鉱業法に倣っておりますけれども、こういった措置も講じる予定でございます。
 それから、②をご覧いただきまして、貯留事業者に対する規制というところでございます。ここからは事業規制のパートになってまいりますが、貯留事業の実施に当たりましては、その実施計画につきまして、大臣の認可制といたします。
 それから、②ということで、想定どおりにCO2が貯留できているか、それから漏えいしていないかどうか、こういったことを確認するために、モニタリング義務をしっかりと課していく。この具体的な中身につきましては、海域の場合は、環境省さんとも今後ご相談させていただきながら、また本委員会の議論も踏まえながら、しっかりと検討してまいりたいと思ってございます。
 ③でございますが、正当な理由なくCO2の排出者からの貯留依頼を拒むことを禁止すると。それから、誰か特定の者を差別的に取り扱うことを禁止する。それから、料金その他の取引条件を大臣に届け出ていただくという義務も課す予定でございます。
 それから、今の鉱業法の中でも保安規制、鉱山保安法という法律がございまして、そちらでしっかり措置をしておりますけれども、技術基準の適合維持義務等々の保安規制もしっかりと整備するということでございます。
 3ページ目、ご覧ください。
 3ページ目、(3)でございまして、管理業務等のJOGMECへの移管というパートでございます。先ほどの本委員会におきます報告書案にもございましたが、貯留場の管理、モニタリングを民間事業者にエンドレスにやらせることにした場合は、こういった貯留事業への積極的な参入を期待することはできません。諸外国を見渡しましても、一定期間経過した後は、一定の条件をクリアすれば、国あるいは州に管理業務を移管することが一般的でございます。
 したがいまして、①でございますが、貯留事業の終了後、CO2の挙動が安定している等々の条件を満たす場合には、この管理業務を私どもが所管しております独立行政法人のJOGMECに移管することを認める予定でございます。
 ②でございまして、これはCO2の圧入が終わった後もCO2の挙動が安定するまでに、事業者がしっかりと一定期間モニタリングをすることが必要になってまいりますけれども、その間は事業者がエミッターから収益を得られない環境下で行うモニタリングになりますので、こちらの環境下におきますモニタリングもしっかりとやらせるために、必要な資金の確保を義務づける措置を講じたいと考えております。
 それから、③でございまして、JOGMECに管理業務が移管した後につきましては、こういった管理業務はJOGMECにおいて行われることになりますけれども、元はといえば、この貯留事業者が貯留場を整備したからこそ、こういったお仕事が発生しているわけでございますので、JOGMECに基金を設けた上で、貯留事業者に対しては、必要な金銭をここに拠出することを義務づけたいと考えてございます。
 (4)をご覧ください。ここは貯留ではございませんで、導管事業者に対する規制でございまして、導管事業者に対しましても、正当な理由なくエミッターからの輸送依頼を拒むことを禁止。それから、差別的に取り扱うことを禁止する等々の規制を課す予定でございます。
 ②でございまして、CO2が流れる輸送導管になりますので、保安規制もしっかりと整備するということでございます。
 最後に、4ページをご覧いただければと思います。
 今、主に貯留のところで申し上げたフローが4ページ目でございまして、まず貯留権が設定されまして、オレンジ色のところでございますけれども、操業中のところの管理主体は、当然貯留事業者でございます。この操業中のところにかかってくる義務は、①から⑦までの義務でございまして、モニタリング義務でありますとか、あるいは何か起きたときの是正措置、それから貯留義務、差別的な取扱いの禁止等々の義務が課されてまいります。
 貯留を停止した後の取扱い、これが貯留停止後のピンク色のところでございまして、ここではCO2の貯留を停止しておりますので、CO2の挙動のモニタリング、それから何か起きたときの是正措置、この二つの義務がかかってくるということでございます。
 ここで行うべきモニタリングにつきましては、引き当てていた引当金を取り崩すことによりまして、しっかりとファイナンスをしていくということでございます。
 それから、業務移管後、管理主体は、JOGMECに移る形になります。JOGMECに課される義務といたしましては、CO2の挙動のモニタリング、何か起きたときの是正措置ということでございまして、必要な費用につきましては、事業者から拠出をいただいた資金を取り崩すことによりまして、しっかりとモニタリング等々の業務を行っていくということで、審議会の取りまとめをいただいているところでございます。
 審議会の中の報告書におきましても、この環境省さんの本委員会、専門委員会とも連携をしっかりやるべしというご意見がございまして、そういった内容の中間取りまとめを先日おまとめいただいたところでございます。
 エネ庁からは以上でございます。
【大塚委員長】 どうも簡潔に要領よくお話しいただきまして、誠にありがとうございました。
 そうしましたら、今回の会議では、今後の海底下への二酸化炭素回収・貯留に係る海洋環境の保全の在り方について(案)に関してご議論いただきたいと思います。
 まず、資料1の1ページから8ページまでの1の「はじめに」と2の「海底下CCSに係る現行の制度」の部分につきまして、ご意見、ご質問がございましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 ご説明をどうもありがとうございます。
 取りあえず、8ページまでというご指摘でしたので。
【大塚委員長】 はい、そうですね。
【工藤委員】 そこの場面までということですが、いずれにせよ、これまでの議論を整理していただきまして、今後の取組についても、いろいろな意味で適切な記載になっているのではないかというふうに思い、まずは事務局に感謝を申し上げたいと思います。
 そういった中で、実は今日、経産省の取組の内容を伺ったので、少し気になるところがあったので、コメントをさせていただきたいのですけど、どこかといいますと、二酸化炭素流という言葉です。
 これは恐らくロンドン条約上の記載を指しているのだと思うのですけれど、少しなじみのない表記なので、ロンドン条約上の定義であるならば、言葉の定義の英文表記を併せてしておいていただきたいのと、資エ庁さんの資料では、この言葉は多分使っていない。
 そうなってくると、やはり両省の取組の整合化は大事と思いますので、言葉をどのように表記していくかということは、少し注意が必要かと思います。
 ロンドン条約上の解説をするのであるならば、この二酸化炭素流という言葉で説明すればいいとは思っているのですが、国内の取組ということを考えていくと、この言葉を全編で使う必要があるのかどうかは、ぜひ両省のほうでご検討いただければと思います。
 少しなじみのない表記なので、今後の取組を読者が理解する意味でも、言葉の共通化というのは大事と思いました。
 以上です。
【大塚委員長】 我が国も締結しておりますので、その点も踏まえて、両省にご検討いただければと思いますけど。質問ですので、どうぞお願いします。
【大井課長】 ありがとうございます。
 ご指摘のとおりでございまして、この二酸化炭素流、ロンドン議定書におきましては、CO2 streamというふうに英語表記をされております。これを「流」というふうに我が国で訳しているということでございます。ご指摘のとおりかと思いますので、ロンドン議定書における規定は、それはそれとして、国内でステークホルダーの皆さんにも分かりやすくという観点から、この報告書における記載につきましても、少し検討させていただければと思います。ありがとうございます。
【大塚委員長】 ほかにはいかがでしょうか。ございませんか。
(なし)
【大塚委員長】 そうしましたら、もしまた出てまいりましたら、後でまとめてお伺いすることにして、3の「今後の海底下CCSに係る海洋環境の保全の在り方について」につきまして、ご意見、ご質問がございましたらお願いいたします。
 では、工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 度々すみません。ありがとうございます。
 1点は、9ページのところからつらつらと、いろいろ書かれているのですけど、民間事業者が実施するという表記がございます。実は、これ、どういうふうに解釈したらいいのかなと悩んでいたのですけど、先ほどの経産省のご説明でいきますと、最終的な管理業務をJOGMECに移管するというような話になっているとおっしゃっていました。
 そもそも論として、いわゆる事業終了というタイミングがこのJOGMECの業務移管の後であるというようなことになりますと、やはり民間事業者が実施するというよりは、民間事業、プラスそういった政府系の機関がやるというパターンがあり得ると理解できるので、表記的にはご検討いただければと思いますが、民間事業者に限定するのではなく、やはりこの事業が長年にわたって、民間並びにそういった公的な機関がやるというようなことのニュアンスを、例えば民間事業者等というような形で意識してはということが一つありました。
 そういう意味でも、17ページに事業終了前の取組という図を入れていただいていたのですけど、その図に事業終了という言葉がない。経産省の資料でも、業務移管という言葉はあっても、やはり事業終了という概念がなく、その上で言葉としては事業終了を使っていらっしゃる。この辺、もう少し分かりやすい説明を工夫していただけるといいと思います。
 そもそも、事業終了とは何かが明確にされないと、少し理解に悩ましいところが出てくることもあったので、この点、ご指摘させていただきたいと思います。
 それから、モニタリングのところについては、今後、いろいろな意味で、しっかりとした検討を行うとなっています。そして、アベイラブルなテクノロジーを活用した時点における適切なモニタリングを行うとなっていて、全くそのとおりだと思います。
 ただ、誰が検討を行うのかという主体が明確でないため、官民学など様々なプレーヤーが多分あると思うので、誰がやるという特定化は難しいにせよ、官民学の適切な主体による検討が期待されるといった表記があってもいいという気がいたしました。
 以上でございます。
【大塚委員長】 ほかにはいかがでしょうか。佐々木委員、お願いします。
【佐々木委員】 この答申の内容の中に、海洋環境への影響の観点から、適切に貯留地点を選択するということになっております。これに関連する事項として、先ほど資源エネルギー庁さんから説明があった試掘権ということと、適切な貯留地点の選択というところと、ここら辺のかみ合わせで、試掘はどのようにでも、どこでもやっていいということでもないように考えますが、少し関連性についてご説明いただけると助かります。
【大塚委員長】 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
【資源エネルギー庁(石井)】 エネ庁でございます。試掘のところでございますけれども、試掘されるところが、すなわち貯留する地域になるか、必ずしもつながっていないところだと思いますけれども、試掘して、そこに貯留層が見当たらなかったというケースもあろうかと思います。どこで貯留するかというところにつきましては、こちら、海域の場合は、しっかりと環境省さんともご相談をしながら、その地域を特定してまいりたいと考えております。
 以上です。
【佐々木委員】 ありがとうございました。
【大塚委員長】 佐々木委員、いかがですか。よろしいですか。
【佐々木委員】 私見として、試掘権というものが経産大臣の許可制の中にあることになっておりますが、試掘はどのようにしてもいいかというと、資源というものがあるわけでもないので、もちろん事業者として貯留容量と、圧入するときの浸透率の大小、そういうものを兼ね合わせて貯留地域を選んでいくということになるかと思います。
 それについて、やはり最小限の試掘で海洋環境を保全し、試掘による海洋環境の悪化ということも考えられますので、そこら辺の兼ね合いは、これからやはり二つの省でいろいろ調整しながらいくべきかと思っています。
【大塚委員長】 エネ庁の石井さんも、環境省に相談してとおっしゃっていますので。
【資源エネルギー庁(石井)】 分かりました。ご指摘のとおりでございまして、試掘による海洋環境の悪化がないよう、しっかりと私ども、対応してまいりたいと考えております。
【大塚委員長】 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。白山先生、お願いします。
【白山委員】 白山でございます。
 いろいろ経産省のほうからの情報提供、また環境省の事務局のご説明もありがとうございました。対面で参加の予定だったのですけど、ちょっと風邪をひいてしまって、オンラインで失礼します。
 一つ伺いたいことは、経産省様のご説明ですと、ある貯留事業者が貯留をして、それが終わって一定期間がたつと、JOGMECにモニタリングの責任が移管されますよということなのですが、このJOGMECのモニタリングというのは、これは未来永劫続くということなのか、それとも、そこに対しても何らかのお尻があって、こういうふうな条件が整ったら終わりにしますということなのか。その場合、環境省のほうの終了時というのがどちらのことを意味しているのかというのがちょっと不明確かなと思いましたので、ご質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
【大塚委員長】 今の白山委員のご質問に関しては、エネ庁さんにお話しいただいていいのですかね。
【資源エネルギー庁(石井)】 JOGMECが行うモニタリングの期間につきましては、まさにご指摘のとおり、今後検討だと思っておりまして、エンドレスにやっていくのかどうかというのが、まさに論点だと思っております。
 これ、EUとかの例を見ますと、私どもがつくろうとしている制度と同じように、民間事業者に対して、移管後のモニタリングに必要となる金銭の拠出をさせている例がございますけれども、そういった例を見ますと、例えば30年間分でいいよというようなものも見当たっておりますので、これから諸外国の動きも踏まえながら、どういった期間をJOGMECに見ていただくのか、引き続き検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
【大塚委員長】 はい、ありがとうございます。
 よろしいでしょうか、ほかに。
 私からエネ庁さんにお伺いしていいのかどうか分からないのですけども、ヨーロッパと似ているというふうにおっしゃっていただいたのですけど、ちょっとニュアンスが違うかなと思っているのは、EUの制度は、閉鎖した後、一定の要件を満たした場合には、責任が一応政府のほうに移管して、それで、もちろん過去に貯留事業者のほうに問題があったことが分かったら、損害賠償責任とかが発生したときには、貯留事業者のほうにいくのですけれども、債権債務は移転しないとか、承継しないとかという言い方を多分しないので、ニュアンスが若干違うかなというふうな気はしています。かなり本質的な話になってしまいますが、そこはEUと全く同じというふうに考えていらっしゃるわけでは必ずしもないということなのですかね。
【資源エネルギー庁(石井)】 先生、ご指摘のとおりでございまして、EUあるいは英国と全く同じ制度を日本で採用しようとしているわけではないのですけれども、先ほど、移管後に何年間モニタリングするのだというご質問がございましたので、そこで一例といたしまして、移管後に必要となる金銭をEUあるいは英国では拠出させているわけでございますけれども、その期間を、例えば少なくとも30年間分でいいよというような制度設計がEUあるいは英国でなされておりますので、そういったものを参考にしながら、私ども、JOGMECがやっていくべきモニタリングの期間を本当にエンドレスにするのか、あるいは、将来どこかで区切るのか、そういったところも諸外国の動きを見ながら検討していかないといけないと、そういう趣旨でEUのご紹介をさせていただきました。EUあるいは英国の制度がすなわち日本の制度と一致するということではございません。
【大塚委員長】 クリアにしていただきまして、ありがとうございました。
 工藤委員のご質問が残っていますので、どうぞお願いします。
【大井課長】 最初の工藤委員からのご指摘につきまして、リアクションが遅れまして恐縮でございます。
 まずは、民間事業者が想定されるという記載ぶりにつきましては、ご指摘のとおりかと思います。9ページをご覧いただきまして、9ページの、特に6行目に民間事業者により実施されるという、この記載がございます。ここは昨年12月の環境省の検討会取りまとめで、実際にこのような記載があるものですから、ここはこの形かなと思いますけども、それ以降で、民間事業者が主体となってというような記載があるところ、ここにつきましては、ご指摘も踏まえまして、記載ぶりをちょっと考えたいと思います。
 また、モニタリングのところで、モニタリングの様々な今後の検討を官民学がしっかりとそれぞれの役割でやっていくということにつきましても、ご指摘を踏まえまして、記載に追加をいたしたいというふうに考えてございます。ありがとうございます。
【大塚委員長】 二つ目の点は、官民学は関わるのは構わないのですけど、役割としては、誰がやるかははっきりしておかないといけないと思うので、あまりそこを書き過ぎて、誰がモニタリングするか分かりにくくなることにならないように、よろしくお願いします。当たり前のことを言っているわけですけども。
【大井課長】 基本的には、モニタリングの実施につきましては、事業者にもちろんお願いすることになるわけでございますけれども、モニタリングの項目や頻度をどうすべきかということにつきましては、そこはやはり、官のほうでもしっかり考えていきたいと思いますし、その中で学といいますか、サイエンスのほうからも様々なご助言いただくという……。
【大塚委員長】 そうですね、助言とかサポートをいただくということだと思いますね。
 あと、9ページの17行目のところは、これ、エネ庁さんがどう書かれているかということも私は多少気になりますけど、これは民間事業者ではまずいですかね。JOGMECに移るのは、一定要件を満たした後なので、CCS実施主体は民間事業者じゃないですかね、どうですか。
【大井課長】 今ご指摘いただきました9ページの17行目ですけれども、ここは、そうですね、大塚委員長がご指摘のとおりで、民間事業者が主体となってCCSが実施されることも踏まえた制度という言い方をしておりまして、今後CCSの拡大に伴って、民間事業者が参入してくるということも念頭に置いた制度となっているかという、そういう趣旨で書いてございますので、ここはこのままでもよいのかなというふうに思っているところでございます。
【大塚委員長】 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。窪田委員、お願いします。
【窪田委員】 窪田です。よろしくお願いします。
 手続的な問題で、経産省の貯留権や試掘権という許認可と環境省の許認可というのは、どっちを先にやらなければならないとか、手続の順番的なものについてはいかがでしょうか。
 また、両者で何か許認可の審査が矛盾したり、片方が条件付になったりとかという場合もあるのかなと思いましたが、その辺り、いかがでしょうか。
【大塚委員長】 ほかになければ、もうお答えいただいても。よろしくお願いします。
【大井課長】 環境省でございますけれども、ご指摘いただいた点につきましては、今後もさらに調整をしていくということになりますけれども、いずれにしましても、大事なのは二重規制といいますか、そういう形にならないようなことが大事だろうと思います。
 特に、同じようなことを見ている場合につきましては、よく連携をして、どちらが先ということはなく進めていくことが、関係事業者さんを含めまして、関係者との間では重要ではないかなというふうに考えているところでございます。
【窪田委員】 ありがとうございます。
【大塚委員長】 その点、気をつけて対応していただけるということでございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
【佐々木委員】 佐々木ですけれども、今の時点ではエネ庁さんへの質問は別途にあるのでしょうか。
【大塚委員長】 今日はエネ庁さんへの質問は別途というつもりはあまりないのですが、関連していれば質問していただける、多分先ほどのように事実上お答えいただけるという状況かと思いますが。
【佐々木委員】 それでは、少しエネ庁さんのほうにお伺いしたいところがあります。JOGMECの役割は、圧入終了後にJOGMECに移管ということになっているのですが、一般的に見て、JOGMECとCO2貯留を実施する事業者というのは非常に近くて、また、JOGMECさんは経産省に非常に近い関係にあると思います。
 CCSについては、経産省さんも環境省のほうも推進側ではあるのですが、環境省は比較的規制側の立場も持っているという中で、JOGMECさんが終了後に海洋環境モニタリングなどをなさるということについての独立性みたいなものの考え方、例えばかつて原子力の場合には、経産省の中に推進側と規制側の役割があったものの、現在は規制側のところは独立しているという、そういう一つの行政の仕組みの中での独立性を担保する形が現在は主流になってきているかと思いますので、CCS終了後の管理業務をJOGMECという形になさることについてのJOGMECの立場をもう少しクリアにしていただくことはできますでしょうか。
【資源エネルギー庁(石井)】 よろしいでしょうか。
【大塚委員長】 はい。よろしくお願いします。
【資源エネルギー庁(石井)】 ありがとうございます。エネ庁でございます。
 ご質問の趣旨が若干、完全に理解し切れているかどうか分かりませんけれども、このJOGMECは資源開発関係の仕事をしている独立行政法人でございまして、CCSの関係につきましては地質構造調査等々ができる法人でございます。今、CCS関係の専門部隊もおりますので、相当CCSについて知見を持っている独立行政法人でございます。
 先生ご指摘の独立性のところが、ちょっと趣旨を履き違えているかもしれませんけれども、私どもは監督官庁といたしまして、JOGMECがやっていくモニタリングをしっかりと監督していくということだと思っておりますし、例えばJOGMECでモニタリングをしたその結果は、海域であれば経産省のみならず環境省さんにもご報告をしていただくということになろうかと思いますので、そういった観点からいたしますと、経産省ではない主体が、そのモニタリングをしっかりと履行しているかというようなところもチェックすることができる制度にしていきたいと考えております。
 以上です。
【大塚委員長】 佐々木委員、よろしいですか。
【佐々木委員】 もう一つ、JOGMEC自体がCCSの事業者になり得る可能性はありますでしょうか。
【資源エネルギー庁(石井)】 先生、ありがとうございます。
 移管の話を先ほど申し上げましたので、一般的には移管後はJOGMECが事業としてCCSをしているということではなくて、貯留事業者が貯蔵したCO2の挙動をモニタリングしていくということだと思います。
 JOGMECが誰かからCO2の貯蔵をお願いされて埋めるということも、これは制度的には排除されないと思いますけれども、独立行政法人でございますので、独立行政法人ができる仕事というのは独立行政法人の法律に書いておりますので、そこに書いた暁には、JOGMECにおいてもそういった業務が可能になるという立てつけかなと思っております。
【佐々木委員】 ありがとうございました。
【大塚委員長】 佐々木委員、よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
 もしそういう法律ができると、多分その後、JOGMECのほうに移管する話をどうするかとか、そのときにお考えになることになるのではないかと思いますけど。
 石井様、そういうことになりますよね、多分。
【資源エネルギー庁(石井)】 度々すみません。エネ庁でございます。
 先生がご指摘のとおりでございまして、報告書は今パブリックコメント中でございますけれども、成案を得た暁には法案をつくっていくということになろうかと思いますが、この管理業務につきましてはJOGMEC法を改正いたしまして、管理業務を追加していくということが考えられます。
 それに加えて、貯留事業そのものをするということが将来的に起きた場合は、そのときに法律改正をして対応していくということだと思います。
【大塚委員長】 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
(なし)
【大塚委員長】 そうしましたら、また出てまいりましたらまとめてお話しいただくとして、4の「おわりに」につきまして、ご意見、ご質問がございましたら、お願いいたします。
 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 どうもありがとうございます。
 付随的に最後にディスカッションされた内容が、実は先ほどの私の質問の趣旨だったのですけど、あくまでも海洋汚染防止法の観点から、CCS事業に対するモニタリング等のいろんな意味での取組の在り方というのをここで整理していると私は理解しています。そういった意味で、JOGMECのような公的機関が関与する可能性があるのであるならば、あくまでも民間事業者に限定しておく必要はないという意味で、先ほど確認させていただきました。
 逆に言えば、民間事業者等という形の中にJOGMECのようなところのモニタリングなり、貯留事業者としての役割というものがあれば、当然のことながら環境法制に関して言えば、この海域利用法の観点から、いろんな意味での重視といいますか、モニタリングの在り方というのがしっかりと規定されるというふうに私は理解しています。
 全編を通じて最後のところなのですけれど、やはり経産省の報告の中ではモニタリングを義務化するという明確な表記がありました。この委員会でも何度か申し上げたのですが、やはりこれはバリューチェーンが形成される世界ですので、言ってみれば複数の主体が、回収から最終的には貯留、そして長期的なモニタリングという観点で関わってくるということもあって、モニタリングの義務化ということもある程度不可欠なのかもしれませんが、いずれにせよ原則論としては、バリューチェーンにおけるそれぞれの主体の様々な情報というものをしっかりと社会に向けて開示していくということの必要性については、適宜ということでいいと思うんですけど、原則論的に最後のほうに記されても良いと思います。
 逆に言えば、そういったデータ開示に基づいてCO2等の挙動がしっかりと把握可能になっているということが、このCCS事業の社会的な信頼性であったり、日本の制度の国際的に見た信頼性につながっていくと思っているので、そういった観点での原則論的な文言といいますか、考え方みたいなものは、総論的な箇所に書かれてもいいのではと感じました。
 以上です。
【大塚委員長】 ありがとうございます。最後のところは重要だと思いますけど、法律関係者として一言言っておきますが、ここで言っている義務化は行政法上の義務化です。先ほど工藤委員がおっしゃったバリューチェーンの話は、民事上の取引関係の契約的な、契約とは言わないですけども、取引関係上の民事的な問題になりますので。ここは行政法上の義務化の話だけをしているということだと思いますので。その上で、もちろん開示のことは私はあり得ると思いますけど、そこは環境省さんからお答えをいただきます。
 それから、さっきおっしゃった民間事業者というところは、先ほど石井様にお答えいただいたように、現在のところはJOGMECは、一定のところからモニタリングなさるということだけなので、JOGMEC自体が貯留事業者になることは取りあえず今回は考えておられないということですが、将来そういうことがあれば、そこは変わってくるということではないかと思います。
 すみません。私が関わってしまって申し訳ないですけど、大井課長、お願いします。
【大井課長】 ありがとうございます。情報開示のところ、「おわりに」の21ページをご覧いただくと、6行目から7行目にかけまして「国や事業者が適時適切な情報開示をすることで透明性の確保に努めつつ」という記載は入れさせていただいているところでございますが、先ほどの工藤委員のご指摘も踏まえまして、バリューチェーンに関わる事業者とか、もう少し言葉を足していきたいというふうに考えているところございます。
【大塚委員長】 そこに補っていただけるのであれば、ご検討ください。ありがとうございます。
ほかは、いかがでしょうか。
 海江田委員、お願いします。
【海江田委員】 15ページの一番上の三段階の監視レベルの設定というところについて、現行制度では通常時監視とか非常時監視とかがあるのですが、これは事業を続けながらこういう監視もできるということでよろしいでしょうか。
 以前は、何か異常があったときには直ちに注入を止めなければならないということだったと思うのですが、操業、つまりCO2の貯留を続けながらこの監視を続けるという形でよろしいのでしょうか。
【大塚委員長】 どうぞ、お答えいただければと思います。
【大井課長】 ありがとうございます。実際には恐らくケース・バイ・ケースになるかと思いますけれども、この監視段階を3段階設けることで、最初にちょっと異常のようなデータが出たときに、もう直ちに事業そのものをストップしてということにはならないように、状況を見ながら進めていくという、そういうのが今現状の対応かなというふうに思っているところでございます。
【海江田委員】 了解しました。
【大塚委員長】 ありがとうございます。
 いろいろ細部にわたってご質問をいただいていると思います。
 ほかにはいかがでしょうか。
(なし)
【大塚委員長】 そうしましたら、最後に、全体を通じてご意見、ご質問がございましたら、よろしくお願いします。
 工藤委員、お願いします。
【工藤委員】 度々すみません。ありがとうございます。
 最後の情報開示について解説いただいて、ありがとうございます。私は、この文章上であまり細かく書くとあれかなと思っていながら、全体ということで申し上げますと、今回も経産省との間での整合化を図るということなのですが、それ以外にも、例えば環境省等が所管しているGHGのアカウンティングとか、様々な要素があります。
 ですので、情報開示にこだわったのは、一つはバリューチェーンという複雑なプレーヤーの参加であるということと、それからやはり制度の信頼性ということと、実際のアカウンティング等も含めた把握がしっかりできるというようなことが、CCSを社会的に進める一つの重要なキーワードになると思っています。
 ですので、各省庁が横断的に検討されていることに対して、用語、定義等の統一化であったり、透明性がなぜ必要なのかということを、それぞれの担当する、言ってみれば検討の中で咀嚼していただいて、共通のメッセージが今後出されていくことが大事という気がしておりまして、最後にコメントさせていただきます。
 以上です。
【大塚委員長】 どうもありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 海江田委員、お願いします。
【海江田委員】 エネ庁さんのほうの資料でお尋ねしたいのですけど、3ページに(4)導管輸送事業者とあるのですが、これは船輸送は考慮していないのでしょうか。
【資源エネルギー庁(石井)】 そこも審議会でご議論いただいたのですけれども、導管の場合、これは物理的な接続を前提にしますので、どうしても導管事業者が、排出事業者に比べて優越的な地位といいますか、自然独占が発生し得る環境にあるのだと思います。
 一方で、トラックでありますとか、船は、エミッターがそういった事業者を選択することができますので、一定の競争が働くのだろうという理解の下で、まず規制する対象は導管事業者だけを想定しております。今後、トラックでありますとか、船につきましては、規制すべき実態があるかどうか注視をしてまいりたいと考えております。
【海江田委員】 了解しました。ありがとうございました。
【大塚委員長】 どうも明確に答えていただきまして、ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 大井課長、工藤委員のご質問をお願いします。
【大井課長】 ありがとうございました。工藤委員の思いといいますか、ご指摘はよく分かりました。
 「おわりに」は文章の中にさらっとといいますか、透明性の確保に努めつつという格好で情報開示の話を書いてございますけれども、場合によっては先ほどご指摘いただいた温室効果ガスのアカウンティング、それによる制度全体の信頼性みたいな話も含めまして、少し情報開示につきましては文章を分けるような格好で、この第1段落の中で記載をしたほうがよいのかなというふうに受け止めた次第でございます。
 詳しくはまた大塚委員長、それから工藤委員とご相談させていただければと思います。ありがとうございます。
【大塚委員長】 取りあえずSHK制度との関係が問題になるかと思いますけど、検討させていただきます。ありがとうございます。
 ほかにはよろしいでしょうか。
 どうぞ、大井課長。
【大井課長】 恐縮でございます。先ほどの最初の説明の中で申し上げておくべきだったかもしれません。この後の手続につきまして、ちょっと事務局から説明をさせていただきます。
 この報告書の案でございますけど、今いろいろご意見もいただいておりますので、さらに精査をした上で、この後、任意のパブリックコメントのほうにかけるということにしたいと考えております。具体的には今週末ぐらいから年明けまで、2週間強を想定しているところでございます。
 次回のこの会は1月9日に予定されておりますので、それまでにはパブリックコメントをいただいて、その出たご意見、あるいはそれに対する対応などにつきましても次回ご確認をいただければというふうに考えているところでございます。
【大塚委員長】 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。
【佐々木委員】 小さなことですけれども、質問をよろしいですか。
【大塚委員長】 はい、どうぞ、どうぞ。お願いします。
【佐々木委員】 資料1にある鋼材影響というのは、どういう現象を意味しているのでしょうか。圧入時の鋼材影響、12ページの一番下にある文言なのですが。
【大塚委員長】 ご質問です。お願いします。
【大井課長】 ありがとうございます。このご指摘、そうですね、具体的には不純物などが紛れ込んでいた場合に、それの影響による例えば鋼製が腐食してしまうとか、こういったような鋼材への影響を想定しているところでございます。
【佐々木委員】 鋼材という、少し今のご説明からすると、パイプとか、さっきの導管とか、そういう言葉じゃないかなと思うのですが。あるいはCO2の腐食、CO2を主体とする不純物を含めた腐食の影響というようなことを意味しているのであれば、納得はできると思います。
【大井課長】 ありがとうございます。そうですね、ちょっと言葉が確かに分かりにくいかと思いますので、ご指摘を受けまして、例えば「導管の腐食等の影響」とか、もう少し分かりやすい言葉に書き換えたいと思います。ありがとうございます。
【大塚委員長】 佐々木委員、ありがとうございます。
今の点は、これは不純物との関係での影響ですか、それともCO2の影響ですか。
【大井課長】 一般的にはCO2、もちろん圧入するときの状況、状態にもよるのかもしれませんけれども、どちらかというと、今ここで書いているのは、不純物質が紛れ込んでいた場合にそれが悪さをすることについての言及でございます。
【大塚委員長】 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか、ほかに。
(なし)
【大塚委員長】 では、パブリックコメントにおける案につきましては、本日の議論を踏まえて事務局で若干修正させていただいて、私にご一任いただくということにさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(了承)
【大塚委員長】 ありがとうございました。
 そうしましたら、議題の(2)のほうに移りたいと思います。議題の(2)その他につきまして、事務局から何かございますでしょうか。
【事務局】 特段ございません。
【大塚委員長】 ありがとうございます。
 では、以上で議題は終了となります。
 委員の皆様、全体を通じまして、ご質問など、何かございますでしょうか。
(なし)
【大塚委員長】 ないようですので、以上をもちまして第3回の海底下CCS制度専門委員会を閉会といたします。
 事務局にお返しいたしますので、連絡事項等がございましたら、お願いいたします。
【事務局】 大塚委員長、ありがとうございました。
 本日も、委員の皆様におかれましては、活発なご議論をいただきましてありがとうございました。本日ご議論いただきました内容を踏まえまして、先ほどの取りまとめ案のほうを修正いたしまして、大塚委員長の了解を得た上で、パブリックコメントの手続に進ませていただきたいと思います。
 また、本日の議事録については、事務局で作成の上、委員の皆様にご確認いただきました後にホームページに掲載をさせていただきます。
 次回の開催につきましては、年明け1月9日の火曜日を予定しておりますが、詳細につきましては委員の皆様に改めてご連絡をいたします。
 以上で終了いたします。本日はどうもありがとうございました。
【大塚委員長】 ありがとうございました。