水環境・土壌農薬部会(第1回)議事録

日時

令和3年3月17日(水)15:00 ~ 17:00

※ WEB会議により実施

議事次第

1.開会

2.議題

  (1)水環境・土壌農薬部会について

  (2)水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについ     て

  (3)第9次水質総量削減の在り方について

  (4)1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の見直しについて

  (5)その他

    ①総量削減専門委員会の廃止について

    ②報告事項

      ・瀬戸内海における特定の海域の環境保全に係る制度の見直しの方向性(意見具申)について

      ・水環境分野及び土壌農薬分野の最近の状況について

3.閉会

配布資料

中央環境審議会水環境・土壌農薬部会委員名簿

資料1-1 中央環境審議会議事運営規則

資料1-2 中央環境審議会水環境・土壌農薬部会の運営方針について(案)

資料1-3 中央環境審議会水環境・土壌農薬部会の小委員会の設置について(案)

資料1-4 中央環境審議会水環境・土壌農薬部会の専門委員会の設置について(案)

資料2   水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて(報告)

資料3-1 第9次水質総量削減の在り方について(総量削減専門委員会報告)

資料3-2 「第9次水質総量削減の在り方について」(総量削減専門委員会の報告)」の概要

資料4   1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の見直しについて

資料5   総量削減専門委員会の廃止について(案)

資料6-1 瀬戸内海における特定の海域の環境保全に係る制度の見直しの方向性について(意見具申)

資料6-2 瀬戸内海における特定の海域の環境保全に係る制度の見直しの方向性について(意見具申)(概要)

資料7-1 水環境分野の最近の状況について

資料7-2 土壌農薬分野の最近の状況について

参考資料1   中央環境審議会の運営方針について

参考資料2-1 「平成21年3月環境省告示第14号(河川及び湖沼が該当する水質汚濁に係る環境基準の水域類型の指定に関する件)の一部を改正する案の概要」に対する意見の募集(パブリックコメント)の結果について

参考資料2-2 水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水質類型の指定の見直しについて(諮問)

参考資料2-3 水質汚濁に係る環境基準について(昭和46年環境庁告示第59号)(抜粋)

参考資料3   水質汚濁防止法に基づく排水規制

議事録

午後3時01分開会

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境・土壌農薬部会第1回を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙中の中にもかかわらず、ご出席いただき、誠にありがとうございます。

本日は新型コロナウイルス感染拡大の防止の観点からWEB会議での開催となります。会議中、音声が聞き取りにくいとか不具合がございましたら、事務局までWEB会議のチャット機能やお電話でお知らせください。

なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいておりますので、環境省水環境課の公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。

WEB会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、ライブカメラの映像は冒頭の局長及び部会長のみとし、議事以降につきましては音声のみの配信といたしますので、あらかじめご了承ください。このため、カメラ機能はオフにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。

また、マイク機能は、委員長及び発言者以外はミュートに設定していただきます。ご発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。ご発言の意思はこのマークで確認いたします。委員長からのご指名後、マイクのミュートを解除していただきご発言いただきますようお願いいたします。そしてご発言後は再び挙手アイコンをクリックし挙手をオフにしていただければと思います。挙手アイコンは事務局でオンオフ機能はできないため、ご協力、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の部会は、今年2月に水環境部会と土壌農薬部会が統合された後、第1回目の部会となります。本部会の委員の先生方につきましては、お手元の名簿のとおりでございますが、ここで本日のご出席の先生方をご紹介いたします。WEB会議のため、差し支えなければ、お名前を呼ばれましたら、そのときだけカメラ機能を一旦オンにしていただきたくお願い申し上げます。

それでは、初めに、新たな部会長であります古米委員でございます。

【古米部会長】 古米です。

【事務局】 ありがとうございます。

この後、名簿順にご紹介いたします。

大久保委員でございます。

【大久保委員】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は大塚委員でございます。

【大塚委員】 大塚です。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 次は白石委員でございます。

【白石委員】 白石です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は髙村委員でございます。

【髙村委員】 髙村です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は中川委員でございます。

【中川委員】 中川です。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 次は松永委員でございます。

【松永委員】 松永です。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 次は浅野委員でございます。

【浅野臨時委員】 浅野です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は浅見委員でございます。

【浅見臨時委員】 浅見です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は大河内委員でございます。

【大河内臨時委員】 大河内です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は風間委員でございます。

【風間臨時委員】 風間です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は河口委員でございます。

【河口臨時委員】 河口です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は肴倉委員でございます。

【肴倉臨時委員】 肴倉です。どうぞよろしくお願いします。

【事務局】 白山委員でございます。

【白山臨時委員】 白山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 次は末次委員でございます。

【末次臨時委員】 末次でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は須野原委員でございます。

【須野原臨時委員】 須野原です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は大東委員でございます。

【大東臨時委員】 大東でございます。よろしくお願いします。

【事務局】 次は立藤委員でございます。

【立藤臨時委員】 立藤です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は田中委員でございます。

【田中臨時保委員】 田中です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は谷口委員でございます。

【谷口臨時委員】 谷口です。どうぞよろしくお願いします。

【事務局】 次は東海委員でございます。

【東海臨時委員】 東海です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は豊田委員でございます。

【豊田臨時委員】 豊田です。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 次は二階堂委員でございます。

【二階堂臨時委員】 二階堂です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は西川委員でございます。

【西川臨時委員】 西川です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は西嶋委員でございます。

【西嶋臨時委員】 西嶋です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は根岸委員でございます。

【根岸臨時委員】 根岸です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は林委員でございます。

【林臨時委員】 林です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は林田委員でございます。

【林田臨時委員】 林田です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は藤江委員でございます。

【藤江臨時委員】 藤江でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は三浦委員でございます。

【三浦臨時委員】 三浦でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は山室委員でございます。

【山室臨時委員】 山室です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 なお、本日、岡久委員は所用のため欠席となっております。

 また、本日は総量削減専門委員会の委員長であります岡田委員が議題の説明のためご出席いただいております。

【岡田委員】 岡田でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 よろしくお願いします。

 それでは、本日の委員の出席状況でございますが、所属委員32名のうち31名の委員にご出席いただいており、過半数の定足数を満たしておりますので、本部会は成立しておりますことをご報告いたします。

 続きまして、事務局をご紹介させていただきます。

 山本水・大気環境局長でございます。

【山本水・大気環境局長】 どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 続いて、森光大臣官房審議官でございます。

【森光審議官】 森光でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 次は筒井水環境課長でございます。

【筒井水環境課長】 筒井でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は新田土壌環境課長でございます。

【新田土壌環境課長兼地下水地盤環境室長】 新田です。よろしくお願いします。

【事務局】 山下海洋環境室長でございます。

 山下さん、出ないですかね。

 次は行木閉鎖性海域対策室長でございます

【行木閉鎖性海域対策室長】 行木です。よろしくお願いします。

【事務局】 次は中島海洋プラスチック汚染対策室長でございます。

【中島海洋プラスチック汚染対策室長】 中島です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 次は羽石農薬環境管理室長でございます。

【羽石農薬環境管理室長】 羽石でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】次は平澤環境管理技術室長でございます。

【平澤環境管理技術室長】 平澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 以上になります。

 それでは、ここで水・大気環境局長の山本よりご挨拶を申し上げます。

【山本水・大気環境局長】 水・大気環境局長の山本でございます。

本日はご多忙の中、第1回の水環境・土壌農薬部会の開会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。本部会ですけれども、去る2月に中環審の総会が行われまして、委員が改選されまして、水環境部会と土壌農薬部会が統合されまして、本日が初めての部会開催となります。新たに指名されました部会長、そして各委員の皆様方には改めまして、どうぞよろしくお願いをいたします。

 さて、前回、水環境部会、土壌農薬部会ですが、まず、水環境部会につきましては、昨年の5月に開催されておりまして、そのときに有機フッ素化合物PFOS PFOAの目標値の設定、あるいは第5次の環境基本計画の点検についてご審議いただきまして、昨年12月の総合政策部会におきまして点検結果については取りまとめ案を報告いただいております。

 また、土壌農薬部会に関しましては、昨年6月に開催されておりまして、こちら農薬の野生ハナバチ類に対する影響の評価方法についてのご審議、あるいは同じく第5次の環境基本計画の点検についてご審議いただきまして、こちらも昨年総合政策部会に報告をいただいております。

 本日の部会につきましては、新たに両部会が統合されたということですので、その運営方針や小委員会等の設置に係る規定についてご審議いただくことと、それから、専門委員会の報告関連として、陸域環境基準専門委員会、総量削減専門委員会、排水規制等専門委員会から、三つの報告についてのご審議をいただくことと、その他報告事項となっております。それから最初ということもありますので、水環境行政、あるいは土壌農薬環境行政全体についてのご説明も報告させていただければと思っております。大変盛りだくさんの内容となっておりますが、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

 それから、皆様、ご存じのとおりですが、昨年9月には両部会の部会長であられました細見先生が急逝されました。また、10月には病気療養中であられました水環境部会所属の足利委員がご逝去されました。それから12月には両部会所属の小泉委員が急逝されたという訃報がございました。これらお三方につきましては、本当にそれぞれの部会で大変なご貢献をいただきましたことに改めまして感謝を申し上げたいと思います。

 それでは、本日のご審議、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 それでは、カメラ映像はここまでといたします。これ以降は音声と資料映像のみとさせていただきます。

続きまして、資料の確認でございますが、事前にメールでご案内のとおり、議事次第のほか委員名簿と資料の1から7、参考資料は1から3となっております。

なお、本日は事務局が画面上に資料を掲載して進行させていただきますので、ご案内の資料は必要に応じお手元でご参照いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。ここからの議事進行につきましては、古米部会長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。

【古米部会長】 古米です。了解いたしました。

 この度、新たに部会長に就任いたしました古米でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

先ほど、山本局長からお話があったように、二つの部会が統合されたということですが、環境の問題というものは総合的にいろいろ議論しないといけないというように、私、認識しておりますので、いろいろな観点から相互に部会として十分な議論ができるように進めていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、議事に入る前に中央環境審議会令第6条第5項により準用する第4条第3項に基づき、部会長に事故があるときは、部会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理することになっております。私としましては、引き続き白石委員に部会長代理をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。白石委員、よろしいでしょうか。

【白石委員】 はい、承りました。どうぞよろしくお願いします。

【古米部会長】 どうもありがとうございます。

 それでは、議事に入ります。本日の議題は、審議事項が5件、報告事項が2件です。

 まず、議題1、水環境・土壌農薬部会についてということで、事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

【筒井水環境課長】 水環境課長の筒井でございます。私からご説明させていただきます。

 まず、資料の1-1を見ていただければと思うんですけれども、先ほど来、ご説明させていただいていますとおり、第4条のところでございますけれども、水環境・土壌部会が中央環境審議会運営規則で水環境部会と土壌農薬部会が統合されて成立しているという状況でございます。こういう改正があって、この部会が統合されたということでございます。

 その中で部会の所掌事務は別表に定めるというふうに書いておりまして、そこの所掌事務については5ページのところにあるんですけれども、従前の水環境部会、土壌農薬部会のものを統合した形のものとなっております。ここをさっと見ていただいて、1から5で従前のものを統合したという形になっております。

 また、この規則の中で紹介させていただきたいのは4ページのところの一番下のところで附則というのがございます。令和3年2月12日ということでございますけれども、これはいろいろ書いておりますけれども、統合に伴っての附則ということの規定でございます。この規定によりまして、施行前に両部会に付議されたものについては、統合された後の部会に付議されたものとみなす。

それから、さらに、この施行の際に既に両部会に置かれていた小委員会、専門委員会は統合された部会の小委員会、専門委員会とみなす。

さらに、三つ目のところですけれども、従前の両部会に属する専門委員はこの日に統合後の部会にて指名されたものとみなす。

四つ目のところは、この施行の際に両部会の小委員会、専門委員会に属していた専門委員はそれぞれの専門委員会に属するという経過規定が置かれているところでございます。

しかしながら、今回第1回ということですので、これについて改めて部会の委員の皆様方のご了解をいただくことが適切ということで、資料1-2になります。

 水環境・土壌農薬部会の運営方針についてということでございます。これの参考資料は参照しませんけれども、参照資料のほうに中環審全体の運営方針というのがございます。それに基づいて部会の方針を定めているということでございます。

1-1というところから、まず簡単に行かせていただきますけれども、総会決定に基づきまして、非公開に会議をすることができるということがありますけれども、その場合は部会長が理由を明らかにするものとするというのが1ポツでございます。

2番目が議事録についてでございますけれども、議事録の調製に当たっては、出席した委員から明示の了解を得て、その後、速やかに公開することと。さらに議事録を公開する場合には発言者の名前を記載する。それから、先ほど非公開の話がありましたけれども、公開した議事録以外の会議録、要するに非公開の議事録については審議委員会の委員以外の者は閲覧できないということになっております。それから、四つ目ですけれども、会議録のほか議事要旨を作成するとされているんですが、これは事務局が作成して部会長の了承を得て公開するというようなことでございます。

また、資料の公開についてでございますけれども、答申の案文とか、非公開を前提としたデータ、それから関係者と調整中の資料などは、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料ということで、部会長が委員限りと明記した上で非公開とすることができるという規定でございます。それ以外のものについては、部会終了後、公開とするということでございます。

その他のことですけれども、部会の下の小委員会、専門委員会の運営方針もこの部会の方針に準じるというようなことでございます。

このようなことが運営方針として、過去の今までの水環境部会、土壌農薬部会に沿った形の改定ですけれども、そういうものを記述させていただいております。

資料1-3でございますけれども、これは小委員会の設置でございます。五つの小委員会を水環境・土壌部会の下に置くと。従前の先ほど申し上げましたけれども、水環境部会、土壌農薬部会にあったものを統合ということですので、水環境部会から1番目の瀬戸内海の保全小委員会、土壌農薬部会からは土壌環境基準小委員会、土壌制度小委員会、農薬小委員会、バイオレメディエーシヨン小委員会というようなものでございます。それぞれ個別のところは、2、3、4、5のところで、どういうことを調査、審議するかということを記載させていただいているところでございます。。

次に、資料1-4でございます。こちらは専門委員会の設置の関係でございます。中央環境審議会の水環境・土壌農薬部会の下に次の専門委員会を置くということで、従前の水環境部会にあった1から7までの専門委員会、それから土壌農薬部会にあった8の土壌制度専門委員会、これを合わせまして八つの専門委員会という形になります。

この中でそれぞれのところで、どういうことを専門的に調査するのかということを2ポツのところから9ポツまでのところで書かさせていただいているところでございます。

基本的にはこういう形で、従前の水環境部会、土壌農薬部会の規定に沿った形で水環境・土壌農薬部会の関係の規定を整備させていただきたいということをご承認いただきたいということでございます。

以上でございます。

【古米部会長】 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明についてご意見、ご質問等がございましたらお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

(なし)

【古米部会長】 特にご意見、なさそうですので、ただいまのご審議のとおり、当部会の決定とさせていただきたいと思います。

 それでは、審議結果を踏まえて今後の予定について事務局からご説明をお願いいたします。

【筒井水環境課長】 案のとおりご了解いただきましてありがとうございます。

 それでは、本日より施行ということにいたしますので、よろしくお願いいたします。

また、資料1-4の中央環境審議会水環境・土壌農薬部会の専門委員会の設置につきましては、この後、議題3の結果を踏まえまして、議題5の総量削減専門委員会の廃止のところで一部修正のご審議をいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

それでは続いて、議題2、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについてということで、事務局からご説明をお願いいたします。

【筒井水環境課長】 続けて水環境課長の筒井よりご説明させていただきたいと思います。

 資料2に基づいての説明となります。

こちらにつきましては中央環境審議会の水環境部会陸域環境基準専門委員会ということで、これは正確に今であれば、水環境部会の陸域環境基準専門委員会という形になるんですけれども、そういう形でのご報告ということで報告をさせていただきたいと思います。

環境基準につきましては、国が環境中の水質の目標ということで水分野につきましては設定をさせていただいておりまして、公共用水域においては有害項目のほかに生活環境の保全に関する環境基準というものを定めているところでございます。そこにつきましては水の利用の用途によって区分けがありまして、それを川であれば、○○川のここまでについてはA類型を指定するとか、B類型を指定するとか、そういうような形で類型指定をしているところでございます。

環境基準の基準の河川及び湖沼の環境基準につきましては参考資料2-3のところで簡単に類型の区分をつけさせていただいておりますので、もし、可能であれば、そこを見ながらというようなところを見ていただければと思っております。

今回、どういうことをこの報告として取りまとめたかということでございますけれども、大きく二つのことになります。

一つ目が環境基準の類型指定、基本的には都道府県知事がやるんですけれども、1級河川、県をまたがるような1級河川の本川などの河川、それから、そこに関連する湖、それから沿岸の海域などは国が類型指定をしております。国がA類型にするかB類型にするかというようなことを決めているところでございます。

そういうような中で、一つ目は、今回、河川に新たにダムが建設されたことによってダム工区ができるということでございます。それによって今までの類型指定を河川の類型指定から湖沼の類型指定に変えていくということの指定の案でございます。

これが一つ目でございまして、具体的には紀の川水系の大滝ダム、それから木曽川水系揖斐川の徳山ダムの関係貯水池について、今までの河川類型から湖沼類型への見直しを行ったということでございます。

もう一つが、環境基準、既に設定はされているんですけれども、なかなかすぐに目標に届かないというところにつきましては、5年までを目途に暫定的な目標、現実的に達成できるような暫定的な目標を設定した上で、段階的に環境基準達成に向けて取り組んでいくというようなことをしております。これについて三つの貯水池の暫定目標が令和2年度に切れますので、それに関する見直しをしたというようなものでございます。

具体的には相模川水系の相模湖、それから同じく津久井湖、それから江の川水系の江の川の土師ダム貯水池(八千代湖)ということでございます。

次のページでございます。検討の結果につきましては、ここに簡単に書かせていただいておりますけれども、まず、河川類型から湖沼類型への見直しを行った水系というところがございます。こちらは紀の川水系の紀の川、それから入り口の大滝ダム、それから木曽川水系揖斐川の徳山ダムということになります。この概要につきましては、順番にいきたいと思いますので、まず、大滝ダムの話からいきたいと思います。

すみませんけれども、同じ資料の、分厚い資料になっているかと思うんですけれども1.1-1ページというところに少し細かな話というか、少し込み入った話というか、詳細に説明をしております。大滝ダム貯水池につきましては、まず、環境基準は湖沼の類型にするということでございますが、湖沼の場合は実は項目としてCOD、窒素、燐の類型指定というのはございますけれども、窒素、燐の類型指定につきましては、実は窒素の類型指定というのは窒素が湖沼プランクトンの増殖の要因となる湖のみに適用するということになっております。もし可能であれば、参考資料2-3の2ページのところを見てもらえれば小さい字で書いてあるんですけれども、その条件としてはT-N/T-P比が20以下かつ全燐濃度が0.02以上になるという湖については窒素の基準を適用するということです。

そういう状況なんですけれども、大滝ダム貯水池につきましてでございますけれども、真ん中のところで赤い字で書いてありますけれども、異常値を除外したデータを用いて算定した結果と書いてありますけれども、この異常値というのは何かというふうに申し上げますと、全てのデータをそろえた上で2σを超えるようなデータについて専門家の先生方、専門委員の先生方のご意見を踏まえた上で異常値かどうかを確認した上で除外をするというプロセスを踏んでいますけれども、それについてデータをもって算定した結果、T-N/T-P値が20以下となるような年度、それからT-P濃度が0.02mg/L以上となるような年度はないということで、基本的には窒素の基準は適用せず、燐だけの基準を適用するという状況でございます。

その次1.1-4のところに書かせていただいていますけれども、利水状況、環境基準の類型指定ではどういう利水があるかということで利水状況から見て類型指定をするわけでございますけれども、大滝ダムの下流につきましては上水の取水、通常の急速砂ろ過と言われるような処理方法をする上水の取水があるということで、水道2級というように相当する浄水場があるという状況、それから、湖内においてもアユとかアマゴ、ウナギなどの水産生物に関する漁業権設定があるというようなことでございます。そのようなことから、湖沼のAⅡ類型と書いておりますけれども、COD類型で言えばA、それから窒素/燐、今回の場合は燐だけですけれども、窒素/燐の類型指定で言えば2の類型に指定することが適切であるというふうに考えられるというのが結論でございます。

これらにつきまして水質の予測結果も出しておりますけれども、このような形で、窒素については基準適用がございませんけれども、CODについては将来水質についてもA類型の基準である3を目指す。窒素については0.01なので、少し弱まっている部分もありますけれども、次のページに行ってほしいんですけれども、一番下のところに行っていただければと思うんですけれども、予測結果の予測の範囲内の下限値としては0.01を満たしているということと、あとは実績などを見ても、28年度は0.01という形の実績値が出ているということを踏まえれば、これについては直ちに達成をするという形で結論づけさせていただきたいということでございます。

次に、木曽川水系の揖斐川のほうに行きたいと思います。

資料1.2-1ページ、分厚い資料の中のところのほうに移っていただきたいんですけれども、映すことは可能でしょうか。

まず、これも窒素/燐の基準の適用関係でございます。窒素・燐適用の関係につきましては、徳山ダムにつきましては、全燐濃度が0.02mg/L以上となる年度はございません。それから、窒素/燐のT-N/T-P値ですけれども、全窒素/全燐比が20以下となるような年度もないということですので、これも全窒素の基準値は適用しないということで、窒素/燐の環境基準については燐だけを適用するという湖沼となるということでございます。

それから、真ん中のところで利水状況ということで出ておりますけれども、こちらのほうでダムの下流では、今のところ、上水での取水というのはないということで、農業水の利用ということです。それから、また漁業権設定も貯水池内での漁業権というのはないということでございまして、水域類型区分から言えばCODなどの区分で言えばB、それから窒素/燐の区分で言えばⅤという形になるんですけれども、次のページを見ていただければと思うんですけれども、一番最後のところを見ていただければと思うんですけれども、水質的に見た場合に、現況の水域の水質としてはAⅡと書いていますけれども、CODで言えば3以下、それから窒素/燐のⅡであります燐0.01を満たしているという状況ですので、現状、非悪化の観点から、現在の状況より水質が悪くなることを防いでいくというような観点からA類型、そしてCOD等についてはA類型、窒素/燐についてはⅡ類型という形での指定をさせていただきたいというようなことでございます。

達成期間などにつきましては、既にこのように達成しているという状況ですので、直ちに達成しているというようなことでございます。

それで、また、元の資料に戻っていただきたいんですけれども、資料2の3ページのところに戻っていただいて大丈夫ですか。

それをまとめたものが検討結果のところの一番下のところ、こういうようなまとめになります。大滝ダム、徳山ダムともにCODはA、それから全窒素/全燐については燐だけに適用するということで湖沼Ⅱ類型というふうになります。達成期間は直ちに達成するということでございます。

次のページからなんですけれども、算定目標の見直しを行った水域ということで書かれています。先ほど説明させていただきましたけれども、暫定目標の見直し、既に三つのダム湖、相模湖、津久井湖、それから八千代湖、これについてはもう類型指定はなされておるわけでございますけれども、特にCODは全てこれまでに達成できているところではございますけれども、窒素/燐について、やはりまだなかなか達成できないということで暫定目標を作って、これまで取組を進めてきたということでございます。

まず、相模ダム貯水池のところでございますけれども、今度は2.1-1ページというところの資料を出していただきたいと思うんですけれども、これにつきましては、今までも水質の状況を見ながら、先ほどの窒素/燐の適用関係につきましては窒素/燐両方とも適用するという形になっております。また、次のページにもありますけれども、水質データを見てもらえば一目瞭然という形になっております。

すみません。少し戻ってもらえますでしょうか。水域の利水状況から見た適用類型ということでございますけれども、これまでもCODについては、窒素/燐につきましてⅡ類型という形で指定されていますけれども、当然、相模ダムでございます。下流の相模川から神奈川県内の各所などの浄水場の水源になっているということで、急速砂ろ過の浄水場もあると。全てのところに高度処理が入っているわけではないという状況でございますので、水道2級の浄水場があるということでございますので、これは引き続きⅡ類型として指定することが適切であるということの判断でございます。

次のところ、2.1-5のところで相模湖に係る水質汚濁負荷量というところで書いております。ここのところ1点だけご説明させていただきたいと思います。相模湖につきましては、上流、富士山からの取水ということでございますけれども、この中で特に燐につきまして、相模川の燐が高濃度である原因につきましては、一番下のところに書いてありますけれども、富士山麓の地下水の影響というのがあるということが明らかになってきているところでございます。このような状況でございまして、こういう状況では少し高いということを頭に入れさせていただきながら、次のページ、相模湖の将来水質予測というのをさせていただきました。水質予測につきましては基本的にはいわゆる水質汚濁法で規定されているような汚染源、点源と言われていますけれども、工場、事業所など、これについては実績値をベースに、それから、その他の農地とか山林とか、そういうようなところについては面源と言われているところでございますけれども、これについては原単位法という方法で将来予測をした上で、将来水質などを推計しているという状況でございます。

ここでCODはもう達成できておりますので、窒素と燐のところに着目をしていただければと思うんですけれども、将来水質予測としては、窒素については1.0~1.2ぐらいの範囲、燐については0.081~0.083という状況が予測されるという状況でございます。

そういうような中で、次の下のところに実績値との関係で見ていくわけでございますけれども、平成29年、30年の水質で真ん中のところに書いてありますけれども、窒素で言えば1.2、1.0であり、このぐらいの範囲で入ってきているということでございます。そういうところを踏まえますと、平成30年については1.0を実現しているので、予測の変動範囲の中で一番下の1.0を、現在1.2というのを暫定目標ですけれども、1.0を設定させていただきたいというふうに考えているところでございます。

一方で、燐のほうでございますけれども、こちらは先ほど申し上げましたように自然源、自然からの由来というのもありまして、なかなか難しいところもあるんですけれども、水質予測としては0.081~0.083というところでございます。今の暫定目標は0.080なんですけれども、これよりも少し高い値に出てきてしまっているというところがございます。一方で現況の水質については非常に微妙な数字ではありますけれども、74とか75という値が出ておるところでございます。こういう状況ではございますけれども、水質予測の結果などを踏まえまして、暫定目標値については、0.080という形で設定させていただきながら、一番下ですけれども、経過を見守りながら段階的に水質改善を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

次に、城山ダムのほうに行きたいと思います。こちらは2.2-1のところになります。

窒素/燐の関係の適用関係、両方適用するか、燐だけ適用するかということでございますけれども、真ん中にありますけれども、窒素/燐比については20以下となるのは平成17年だけという最近ではという状況でございます。一方で、燐の濃度は、先ほども申し上げましたけれども、0.02以上となるという状況でございます。

そういうような状況でございますけれども、これは1年だけということでございますけれども、やはり、細かいデータは、さらに細かいところはここで出しはしませんけれども、2.2-14ページなどに過去のデータの範囲なかもありますように、非常にぎりぎりのところにあるというところ、それから17年度にこういう実態があるということで、窒素/燐両方引き続き適用するという形で、ここでは判断をさせていただいているところでございます。

それから、利用の類型でございますが、これは先ほどと同じでございます。城山ダムはまさに津久井湖、相模ダムの直下流でございますので、同じく神奈川県の県内の各所の水道の水源になっているということで、使用の類型として湖沼で言えば、CODについてはA類型のところ、それから窒素/燐についてはⅡ類型のところに当たるということでございます。

めくっていただきまして、次のページのところに将来予測を書かせていただいております。CODについては、もう達成ということですので、ここでは飛ばさせていただきますけれども、窒素と燐につきましては、やはり、変動範囲ということで、将来予測をしたところ、1.0~1.2全窒素がです。全燐につきましては0.044~0.054というような値となっております。その直下のところに29年、30年の水質なんかもあります。これなどを見ていきますと、窒素につきましては1.1、29年、30年は0.9ということになっております。しかしながら、将来予測の中では1.0~1.2ということでございますので、暫定目標につきましては令和2年までは1.1mg/Lを目標としていたところでございますけれども、令和7年までについては1.0を目標として水質改善を引き続き図っていくということでございます。

燐につきましてでございますけれども、燐につきましては現在の水質予測というのが0.044~0.054というような形となっているということでございますけれども、実績値としては0.045と0.043というのも最近の値で出てきているということでございます。ただ、令和2年までの暫定目標は0.042でございます。そういうようなことを踏まえますと、引き続き過去に従前の暫定目標を満たしたような年があったというようものも踏まえまして、0.042を据え置きたいということでございます。このような結果が城山ダムでございまして、このような暫定目標設定をさせていただきたいということでございます。

次に、土師ダムのほうに行きたいと思います。こちらは資料2.3-1のところにまとめを少し書かせていただいているところでございます。

全窒素の基準の適用の有無でございます。こちらも窒素/燐比につきまして20以下で、かつ窒素/燐比が全窒素で20以下で、かつ全燐の濃度が0.02mg/L以上の年というのはなかったんですけれども、データを遡っていきますと、平成9年について適用する条件に合致しているということがございます。こういうところが少し保守的な判断ではございますけれども、引き続き全窒素の基準値を適用して、窒素/燐ともに適用するというのが今回の委員会の報告案で示されているところでございます。

土師ダム貯水池の利水状況でございますけれども、こちらもダムの下流で広島とか呉、域外上水という形になりますけれども、水道上水の取水がございます。こういうようなことからCODについてはA、それから窒素/燐についてはⅡ類型について指定をするというのが適切であるという形の判断とさせていただいているところでございます。

そして、一番下のところで、将来の水質予測もしております。CODについては達成しているという状況なので、飛ばしますけれども、全窒素につきましては0.54~0.74、全燐については0.021~0.029というような値が示されております。

次のページのところで平成29年、30年の水質などとの比較という形になりますけれども、窒素で言えば令和2年までの暫定目標0.43という形でございます。29年、30年のところはデータが非常に高いデータになっています。原因が何かというのは断言はできないんですけれども、特に広島の豪雨の後に少しデータが高くなっているという傾向がございます。最近少しずつ落ち着いてきた傾向があるということでございますけれども、そういうことでございますけれども、暫定目標0.43という状況で、少し水質が落ち着いてきている状況もございますので、引き続きこれは令和7年については、全窒素については0.43mg/Lという値を設定させていただくという状況でございます。

それから全燐につきましてもでございますけれども、燐のほうは最近の水質で0.019というのが出てきておりますけれども、令和2年までは0.018mg/Lという目標だったわけでございます。これも先ほど申しましたけれども、出水の後、少しデータが高くなったという状況がございます。そういうような状況でございますけれども、一方で、そういうようなデータに比べて予測は少し高くはなっておりますけれども、過去10年、令和2年までの暫定目標を満たすような水質の年があったということでございますので、これを踏まえまして、こちらのほうも令和2年までの暫定目標0.018を据え置くという形の暫定目標設定とさせていただきたいということでございます。

元に戻ってもらって、資料2の4ページのところに戻ってもらえますでしょうか。

それをまとめたのがこちらでございます。詳細は、今、説明したので略させていただきたいと思います。

次に5ページの下のところで課題を、少し委員会の中での議論の中からの課題について書かせていただいているところでございます。

先ほども申し上げましたけれども、相模川における上流の地質の影響による燐の影響ということがございました。そのような状況もございましたので、なお書のところの、なお、自然由来の発生負荷量の影響により環境基準の達成が非常に困難な湖沼について、指定のあり方や対策等のあり方について、専門家や関係機関と協議し、速やかに検討していくことが必要であるという課題をいただいているところでございます。

また、先ほど、N/P比のお話を少しさせていただいて、過去1回とか何回かN/P比が基準を満たしているか満たしていないかという話をしましたけれども、そういうような類型指定から時間が経過しまして、類型指定や設定した暫定目標の根拠になっているような水質状況とか前提条件、こういうようなものに変化が生じているということがある湖沼につきましては、環境基準や類型指定や暫定目標などの取扱いについて、今後の検討が必要であるというようなことのご指摘もいただいているところでございます。

最後、もう一つだけご説明をさせていただきます。パブリックコメント、これについてさせていただいたところでございます。参考資料2-1になります。参考資料2-1のところで、1か月間、パブリックコメントを今月の3月14日までかけさせていただいたところでございますけれども、意見については1件ということで、水質がよくなる形であれば賛成ですというようなご意見をいただいているところでございます。

私からの説明は以上でございます。

【古米部会長】 ご説明、どうもありがとうございました。

ただいま資料2で陸域環境基準専門委員会のほうでご議論いただいて、具体的な見直し案ということでございます。最初の2件は河川類型から湖沼類型へということと、残り3件については、既に類型指定されているものの暫定目標ということを見直すということで、一部全窒素については前回の暫定目標よりもさらに厳しいものに変わっているという内容でございます。

それでは、ただいまのご説明につきましてご意見、ご質問がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

それでは、田中委員、お願いします。

【田中臨時委員】 どうもありがとうございました。

 はじめてお聞きするので、どういう背景で選ばれているかをお聞きしたいところがあるんですが、河川類型で幾つかのダムが決められていると思うんですが、今回、湖沼に変えるというのが大滝ダムと徳山ダムだと思うんですが、基本的にどういうケースでは河川類型から湖沼類型にするのか、何か方針はあるんでしょうか。

【筒井水環境課長】 ご説明させていただきます。

 すみません。そこのところを飛ばしてしまったんですけれども、2ページのところの一番頭の検討の概況のところに書かせていただいておるんですけれども、基本的に湖沼という類型指定をするというものにつきましては、ここの一番初めのところの1段落目のところの一番最後のところに書いてあるんですけれども、人工湖であれば貯水量が1,000万立米以上であり、かつ、水の滞留時間が5日以上である人工湖につきましては、4日ですね、すみません、4日以上の人工湖につきましては、湖に指定替えをしていくという方針で運用させていただいているところでございます。

【田中臨時委員】 分かりましたけれども、そうすると、かなりそれの条件を満たしているところで、まだ河川のままになっているところは一杯あると思うんですが、国が定めるのは都道府県をまたがるところだと思うんですが、かなり今後、そういう類型の変更が基本的には行われていって、都道府県ベースで決められるところは、今、課長が言われたような方向で今後とも行くということになるんでしょうか。

【筒井水環境課長】 基本的な考え方はそうでございます。あとは事実関係から申し上げますと、国が指定するような水系のところで、今後、ダムが湛水しているというか、今、湛水し始めているというところも含めて、河川から湖沼に変えるようなところは残っておりません。都道府県が定めるところはもちろんあるわけではございますけれども、国が類型指定しなければいけないような人工湖というか、ダム湖というものは、この大滝と徳山を指定すればなくなるということが言えます。

【田中臨時委員】 そうですか。分かりました。

 あと、もう1点だけ教えてほしいんですが、窒素/燐とCODの形に変えるとともに、今後は底層DOの環境基準が類型で定められて、これから当てはめられていくと思うんですが、同様にダム湖についても、そういうものの適用がされていくと考えればよろしいですか。

【筒井水環境課長】 そこについては、国類型指定水系、底層DOについては優先すべきところから順次ということでございますけれども、指定させていただきたいと思います。そこについては全体を見ながら進めさせていただきたいなと思います。

【田中臨時委員】 どうもありがとうございました。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ほかの委員からご意見、ご質問はございませんでしょうか。

 浅見委員、お願いいたします。

【浅見臨時委員】 ありがとうございます。詳細にご説明いただきましてありがとうございました。

 今回の対象のところもさることながら、以前からの対象のところも含めまして湖沼に関しましては、水源になっているところもたくさんございまして、藻類の発生で非常に困っているところというのもまだまだたくさんありまして、むしろ増えているといいますか、水道にとっては非常に重要な問題になっているというところもございますので、ぜひ、そういう観点からも基準の遵守といいますか、対策を進めていただけるようにお願いしたいと思いますのと、藻類の発生についても関心を持って抑制できるような形で対策を進めていただければと思います。

お願いでございます。よろしくお願いいたします。

【筒井水環境課長】 浅見先生、ありがとうございます。

 課題については、十分認識しておりますので、しっかり取組をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

【古米部会長】 ほかにいかがでしょうか。

 大東委員、お願いいたします。

【大東臨時委員】 すみません。初めて参加しているので状況が分からないまま質問するかもしれませんが、最後のところで、目標設定の根拠になっている水質の状況、前提条件に変化が起きたというところに関連するのかも分かりませんが、自然由来の地質条件で、さっき燐の濃度がなかなか下がり切らないというようなコメントがあったように記憶しているんですけれども、こういうふうに自然条件で、どう頑張ってもこれ以上は下がりにくいというときには、改めて基準の見直しというのをしなきゃいけないように思うんですが、その辺の方針みたいなものはどうなっているでしょうか。

【筒井水環境課長】 そこは、非常にご指摘のところ、ごもっともなところもあるんですけれども、非常に難しいところでございます。利水との関係などもございます。ただ、当然ながら、今回みたいに燐が地質的に多いというところもございますので、これについては、ここの専門委員会のところの報告の中でも最後のところで紹介させていただきましたけれども、こういう自然由来の発生負荷量などによって基準達成が困難な湖沼については、指定の在り方や対策などについて速やかに検討していくことが必要だという、今回、ご報告を受けておりますので、これを踏まえて検討を進めさせていただきたいと思っております。

【大東臨時委員】 はい、分かりました。ありがとうございました。

【古米部会長】 それでは、大久保委員、お願いいたします。

【大久保委員】 ありがとうございます。

 今の質問と関連するんですけれども、土師ダムにおきまして、近年豪雨の影響で濃度が上がっている部分があるのではないかというご説明があったと思いますが、これは豪雨とどのような関係にあるということになりますでしょうか。自然由来ということ関係するんでしょうか。

【筒井水環境課長】 すみません。そちらのことですが、必ずしもそこは結論というわけではないんですけれども、26、27年の豪雨があったときから、例えば土師ダム、2.3-13ページの資料を見ていただければと思うんですけれども、窒素などは非常に高い濃度がピークというか、出て、高い濃度になっております。そういうことが一つの要因として考えられるのではないかというふうに考えているところでございます。窒素、燐などの流出につきましては、流量に対しまして負荷というか、流量が増えれば濃度が増えてくるというようなところもありますので、そういうようなところで、自然という部分と人工的なところも、上流、町もありますので、両方ありますけれども、そういうような異常の気象に伴って、自然だけではないんですけれども、そういう面源的な負荷の流出の仕方というのが影響しているのではないかなというような感もしているというところでございます。

 ただ、それが全ての原因かどうかというのは、より詳細なことを検討しなければいけないということでございます。

【古米部会長】 よろしいでしょうか。

【大久保委員】 ありがとうございます。

 自然由来の前提条件が変化したのかどうかということそのものについても、まだ検討が必要な部分があるということというふうに理解いたしました。ありがとうございます。

【古米部会長】 ほかにいかがでしょうか。

 田中委員、もう一度挙手でしょうか。

【田中臨時委員】 すみません。もう一点、質問なんですけれども、大滝ダムと徳山ダムは、現在、河川のA類型ですよね。要するに、利用目的というか、それが自然……。

【古米部会長】 自然環境保全です。

【田中臨時委員】 環境保全ですよね。今度、実態的にはCODで湖沼のA類型になると思うんですが、そうすると、A類型だと、水道上の利用上は分かるんですけれども、河川のA類型の目的に相当するようないろんな項目があると思うんですが、それについての考慮というのは今後する必要の議論は何かあったのでしょうか。

【筒井水環境課長】 そこをやはりメインでの利水ということを考えたときに、水道、それから水産ということもございまして、自然環境保全というところというよりも、やはりそっちのほうがメインであろうということでございまして、そこをメインに検討させていただいているところでございます。

【田中臨時委員】 そうですか。富栄養化の視点は分かるんですが、今後、いろいろ取り組んでいかないといけない項目が変わってくるところがあるときに、そこでの数字がちょっと変わる項目が出てくる可能性もあるので、今回、分かりましたけれども、今後の在り方について、どうしても河川から湖沼に変えた場合の類型のマッチングがどうも違ってくるところが出てくるので、この辺、考える必要があるのかなと、ちょっと思いました。これは感想です。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 ほかに、よろしいでしょうか。

(なし)

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、幾つかご指摘がございましたけれども、ただいまの審議のとおり、当部会の決定としたいと思います。

 それでは審議経過を踏まえた今後の予定について、事務局からご説明をお願いいたします。

【筒井水環境課長】 水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型指定の見直しについてご審議いただきましてありがとうございました。

 この後、つつがなく手続を経て、中央環境審議会から答申をいただきまして、そして告示開始の手続、また、関係自治体への通知を行ってまいりたいというふうに考えております。

 ありがとうございます。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、議題の3、第9次水質総量削減の在り方についてに移ります。

 本議題につきましては、まず、総量削減専門委員会の委員長でもあります岡田委員からご説明をお願いしたいと存じます。

 岡田委員、よろしくお願いします。

【岡田委員】 岡田でございます。

 第9次水質総量削減の在り方、これにつきましては令和2年2月21日付けで環境大臣より中央環境審議会に対して諮問がなされ、水環境部会に付議されました。総量削減の専門委員会におきましては7回にわたって審議を行いました。

第1回から第3回ぐらいまでは関係省庁、それから関係都府県、産業界、環境団体等から水質総量削減制度に関わる取組の実施状況についてヒアリングを行いました。

このときまでは前部会長でもあられました細見正明委員が委員長を務められておりました。ただ、先ほど、山本局長のご挨拶にもございましたように、大変残念なことに細見先生が急逝されましたので、その後、第4回から第9回までを、私、岡田が委員長を仰せつかり、審議を進めさせていただきました。

 これらの結果を踏まえまして、第9次水質総量削減の在り方について、専門委員会報告案をまとめさせていただき、本年2月にパブリックコメントを行いました。パブリックコメントでのご意見を踏まえまして、3月9日の第7回の専門委員会で委員会報告として取りまとめております。

委員会報告の具体的内容については、事務局からご説明をお願いいたします。

【行木閉鎖性海域対策室長】 それでは、続きまして閉鎖性海域対策室の行木から説明をさせていただきます。

 資料といたしましては資料3-1が専門委員会報告本体でございます。200ページほどございますので、説明につきましては資料3-2を用いてご説明させていただきます。

 今回、統合となりまして最初の部会でございますので、まず、水質総量削減制度について簡単にご紹介させていただきます。

 この制度は、水質汚濁防止法に基づく排水基準のみによっては環境基準の達成は困難である、人口、産業の集中する広域的な閉鎖性海域の水質汚濁を防止するために汚濁負荷量を削減していくという制度でございます。

 ここまで対象海域といたしましては、東京湾、伊勢湾、それから大阪湾を含む瀬戸内海となっております。

 指定項目といたしましては、有機汚濁の指標であるCOD、化学的酸素要求量のみにて当初スタートしておりした。その後、なかなかCODのみでは削減がはかばかしくないということで、植物プランクトンの栄養成分でもあります窒素・りんを対象といたしまして、水域の中での内部生産を抑えるということを考えまして、第5次から窒素・りんを追加しております。

 今ほど、岡田先生からお話がありましたとおり、ここまで5年ごとに8次にわたり段階的に汚濁負荷量削減を進めていくという形を取ってきておりました。

 資料3-2の上の総論の辺りで記載しておりますが、ここまで昭和54年をスタートといたしまして8次にわたる水質総量削減の取組を進めておりまして、水質は全体としましては一定程度改善が進んできております。窒素・りんの環境基準は高い達成率となってきております。

 ですけれども、湾奥部など、水質汚濁が課題となっている海域が依然として存在しております。また、近年、海域によっては栄養塩類の不足による水産資源への悪影響の指摘があると、そういうことも出てきました。

 一方、陸域汚濁負荷量削減を進めても、CODの環境基準達成率は変化が見えにくい状況というところもございます。また、底層DO、底層の溶存酸素量が平成28年に新たな環境基準として設定されたところですが、類型指定はこれからなされるという状況となっております。

 こうしたことを踏まえまして、この先は海域ごとの状況に応じ、生物多様性・生物生産性の確保の観点も踏まえて、総合的な水環境改善対策の推進への転換が必要という状況となっております。

 なお、瀬戸内海では、この後、報告させていただく議題とも関連いたしますが、特定の海域ごとの水質管理の仕組みの導入が検討されているところでございます。

 それから、陸域負荷削減のさらなる強化は必要最低限にとどめ、今後、海域ごとの状況に応じ、よりきめ細やかな水環境管理への移行が必要ということで、今後の方向性としまして4点が挙げられました。

 まず、1点目が指定水域全体の水質改善を目的とする窒素・りんの負荷削減については、現状の対策を維持していく。ただし、湾奥部など局所的な水質対策として有効な場合には窒素・りんを除去するということは当然あり得るということです。

 それから二つ目、CODの負荷削減に当たっては、生活排水対策に力点を置いて実施していく。

 3点目、瀬戸内海は、地域における海域利用の実情を踏まえ、必要に応じ、順応的かつ機動的な栄養塩類の管理など、特定の海域ごとのきめ細やかな水質管理を行う。なお、これは環境基準の範囲内で、かつ、一定のルールの上でということですが、栄養塩類を増加させるということもあり得る。

 4点目は、湾奥部等の局所的な水質改善は、流況改善や藻場・干潟の再生・創出といった負荷削減以外の手法も用いて総合的に実施をしていくということでございます。

 続きまして、二つ目、個々の水域における在り方のポイントでございます。

 まず、東京湾です。東京湾では、現状、窒素・りんの環境基準達成率は向上しましたが、CODの濃度レベルは横ばいとなっています。

 大規模な貧酸素水塊も発生し、底層環境には明確な改善傾向はないという状況です。

 一方で、栄養塩類の不足が指摘されているような場所もございます。

 これを踏まえ、窒素・りんについては、現状の取組を維持、生活排水対策に力点を置いたCODのさらなる負荷削減を実施ということとされました。

 続きまして、次のページの上、伊勢湾です。伊勢湾につきましては、窒素・りんの環境基準達成率は向上しましたが、CODの濃度レベルは横ばいとなっております。

 大規模な貧酸素水塊も発生し経年的に発生規模が拡大しています。底層環境には明確な改善傾向はない状況です。

 それから、栄養塩類の不足が指摘されている海域もございます。

 それを踏まえ、窒素・りんについては、現状の取組を維持しつつ、貧酸素水塊等の問題に対する局所的な対策を実施する。生活排水対策に力点を置いた、CODのさらなる負荷削減を実施するということとされました。

 大阪湾につきましては、窒素・りんの環境基準100%達成の状況が継続しております。CODの濃度レベルは、やや低下傾向ということです。

 湾奥部において大規模な貧酸素水塊が発生している一方で、底質や底生生物の生息状況は改善するなど、底層環境に改善傾向が見られます。

 また、栄養塩類の不足が指摘されている海域があります。

 これを踏まえ、湾奥部への栄養塩類の偏在が特に顕著であり、個々の水域ごとの対策が必要。湾全体の水質改善を目的として対策については、COD、窒素・りんとも現状の取組を維持するとされました。

 続きまして、大阪湾を除く瀬戸内海ですが、こちらは第6次より各項目ともその時点のレベルの汚濁負荷削減対策を継続とされています。窒素・りんの環境基準はほぼ達成された状況を維持しております。

 CODの濃度レベルもほかの指定水域に比較して低い状況となっています。

 栄養塩類の不足が指摘されている海域もございます。

 これを踏まえ、指定水域全体の水質改善を目的とした対策については、COD、窒素・りんともに現状の取組を維持するということとされました。

 それから、続きまして、第9次水質総量削減の実施に併せて、次の5年で取り組むべき主な課題でございます。

ここも要点だけご紹介いたしますが、二つございまして、まず、一つ目としては、総合的な水環境改善対策を検討するということです。

指定水域全体の総量削減から、海域の状況に応じた水環境管理へのシフトチェンジに向けた検討をしていくべきということで、具体的には、将来的な指定水域・指定地域の見直しですとか、総量削減制度の枠組み見直しも視野に入れ、予測精度を高めた検証により、湾奥部などの局所対策の推進に向けた考え方や、面源負荷の状況変化を踏まえた対応などを検討していくということが挙げられております。

それから、底層DOの類型指定を通じた底層の改善対策の推進ということで、底層DOと既存の環境基準を併せて活用した的確かつ効果的な水域の評価に係る検討がいるということが挙げられました。

続きまして、二つ目、さらなる調査研究の推進が必要ということです。

よりきめ細かな海域の状況に応じた水環境管理の視点を含めまして、各種調査・研究を推進していくということが挙げられまして、例示といたしましては、気候変動の影響の把握ですとか、生態系全体に至る水環境の動態解析、底質との相互作用などを含めた調査やそのための測定技術の向上、面源負荷量などの把握方法や汚濁負荷を効率的に削減する技術の検討・調査、それから水質予測技術の向上といったようなことが例示として挙げられているところでございます。

簡単でございますが、私からの説明としては以上とさせていただきます。

【古米部会長】 ご説明、どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しましてご質問、ご意見をお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは、谷口委員、お願いいたします。

【谷口臨時委員】 どうもありがとうございます。

 資料3-1の本文のほうを拝見させてもらいまして、34ページから全ての指定水域に関する事項ということで、いろいろと記載いただいています。最後のほうに片仮名のイということで、藻場・干潟の保全・再生などについて35ページにわたって各種の対策メニューなどが記載されているところです。拝見しておりますと、藻場・干潟の保全・再生、それからまた護岸などについても、より生物などにとってよいものに改良というようなことが示されております。それから、窪地のことについても言及されております。かなり幅広く総合的な対策をしっかり計画して進めて、また、息の長い取組になるんではないかなと、こういうふうに思う次第です。

 ということで、これをしっかりとこの施策を展開するということになると、国にしても地方にしても、どちらもそうですけれども、環境部局だけでなく水産の部局だとか、港湾の部局だとかというところの参画を得て、しっかり連携していくということが大事になってくると思います。

 つきましては、環境省におかれましては、水産庁であるとか、あるいは国交省の港湾局などとの連携強化に努めていただければということと、それから、地方レベルでの各種計画作り、あるいは対策の実施について、ぜひ、国の機関のほうも前向きに支援、協力いただけるようにお願いしたいなと思います。環境省さんのほうから強く各関係省庁に要請していただきますようにお願いしたいと思います。よろしくどうぞお願いします。

 以上です。

【古米部会長】 よろしいでしょうか。省、局を越えて連携するというのは、非常に重要ですので、取り組んでいただきたいと思っております。

 ほかにご質問、ご意見はありますでしょうか。

 大久保委員、お願いいたします。

【大久保委員】 ありがとうございます。

 最後の部分の対策の部分なんですけれども、総量削減制度の枠組みの見直しという言葉が入っていたと思うんですけれども、この枠組みの見直しというのは具体的に何を視野に入れているのかという質問です。この後の瀬戸内法の仕組みをほかにも広げるということを意味しているのかどうかということについて、後の説明を待ったほうがいいのかもしれませんが、今、この段階で何かありましたら、具体的にご説明いただきたいと思います。

【古米部会長】 それではお願いいたします。

【行木閉鎖性海域対策室長】 今、ご指摘の点につきましては、資料3-1の36ページ、今後の課題のところの二つ目のパラと申しましょうか、(1)の総合的な水環境改善対策の検討の辺りに記載をしております。ここでは今後よりきめ細かに海域の状況に応じた取組を可能とすべきということで、指摘地域や指定地域の見直しとか、指定地域全体の汚濁負荷量の削減による水環境改善を目標とする総量削減制度の枠組みの見直しも視野に入れるということで書いているところでございます。

 これを具体的にどうするのかということでございますが、瀬戸内海につきましては、後でご報告をさせていただきます、意見具申をいただいてきたところでございますけれども、それに基づいて水環境管理の新たな進め方ということで瀬戸内海については進めようとしているところでございます。

 総量削減制度の見直しをするに当たっては、必ずしも瀬戸内海で今やろうとしてることを持ってくるということではなく、瀬戸内海は先ほども少し状況をご説明しましたが、かなり水質のレベルは低いというところもございます。それぞれの水域で項目ごとの濃度の状況だったりとか、貧酸素水塊の発生状況だったり、底層環境の状況だったりと、様々な状況が異なりますので、必ずしも瀬戸内海のやり方をほかで広げようということでは考えておりません。

 ただ、ここまでは湾全体、内海全体で特定の指定項目について汚濁負荷量を5年ごとに下げていくというやり方でやってきたのですけれども、ここはそれを見直して、今の水質の状況に合った水環境管理のやり方としてどういうことがいいのかということを検討していこうということでございます。まだ、これで具体的にこれをやるんだという結論が出ているというわけではありませんで、実現すべく今後検討を進めていくということで、中身につきましては、今後また、この部会でもご議論いただきながら検討させていただくことを考えております。

【古米部会長】 大久保委員、よろしいでしょうか。

【大久保委員】 はい、結構です。ありがとうございます。

【古米部会長】 続いて大塚委員、お願いいたします。

【大塚委員】 大塚でございます。恐れ入ります。

 1点、お伺いしておきたいんですけれども、先ほどご説明いただいた中で、「底層DOと既存の環境基準を併せて活用した的確かつ効果的な水域の評価に係る検討」というところがあるんですけれども、底層DOの考え方は従来の環境基準と少し違っているところがあるので、必ずしも規制だけで対応できることではないということを含めてございますので、そこをどういうふうに組み合わせるのかというところを教えていただきたいんですけれども、すみません、長い資料の中にどこかにきっちり書いてあったら、誠に申し訳ないんですけれども、教えていただけるとありがたいと思いまして。

【古米部会長】 いかがでしょうか。

【行木閉鎖性海域対策室長】 大塚先生、ありがとうございます。

 今の点につきましては36ページの下から三つ目、今映っております今後へのところで書いてございますが、現段階では「指定項目であるCOD、窒素及びりんの環境基準の達成状況について、その評価方法や基準の類型指定の状況について改めて検討しつつ、底層DOと既存の環境基準を併せて活用し、的確に効果的に水域を評価していくことが重要」ということが書かれているにとどまっております。

 具体的には、これにつきましても、今後の検討ということではございますが、その辺り、その下の調査・研究の推進などでも、今後の検討に必要と思われることがいろいろ書いておりまして、必要な科学的知見を集めつつ、またこの問題につきましても、この部会の先生方ともご相談をしながら検討していくこととなろうかと思います。よろしくお願いいたします。

【大塚委員】 ありがとうございました。

【古米部会長】 それでは、ほかにご意見はございませんでしょうか。もしなければ、なさそうですね。

 それでは、ただいまの審議のとおり、当部会の決定とさせていただきたいと思います。

 それでは、審議結果を踏まえた今後の予定について事務局からご説明をお願いします。

【行木閉鎖性海域対策室長】 ご審議ありがとうございました。

 今後、必要な手続を経て中央環境審議会より答申いただきましたら、新たに総量規制基準の設定方法について中央環境審議会にて検討を行うということを予定しております。本部会にてご審議を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、議題の5とも関連いたしますが、第8次までは、この後の総量規制基準の設定方法について新たに専門委員会の設置をするということをしてきていただいておりました。一方で、今回は大きな方針をこの専門委員会報告の中でもおまとめいただいておりますので、専門委員会の設置というところは考えておらず、この専門委員会報告、それから答申を踏まえまして事務局で案を作り、部会でご議論をいただくことにできればと、事務局としては考えております。

以上でございます。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、議題の4、1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の見直しについてということで、事務局からご説明をお願いいたします。

【筒井水環境課長】 水環境課の筒井でございます。

 資料4に沿いましてご説明させていただきたいと思います。

 1ページ目を見ていただければと思うのですけれども、国が水質汚濁防止法に基づいて排水基準を設定しておりますけれども、新たに設定された項目とか基準が強化された項目で、なかなかすぐに達成できないような難しい場合については、業種と期限を区切った暫定排水基準というものを、一般排水基準より緩い基準を設定するということをしているところでございます。

このうち、今回、1,4-ジオキサンという物質でございますけれども、平成21年11月に環境基準、公共用水域や地下水のあるべき基準というのが設定されまして、そして環境基準の維持・達成を図るために平成24年に水質汚濁防止法に基づく排水基準が設定されたところでございます。

この際に、排水基準を直ちに達成することが困難と認められる五つの業種につきまして暫定排水基準が期限を定めて設定されました。これがこの下の表に書かせていただいております五つの業種でございます。このうち、平成27年5月までに三つの業種、これは基準が適用されてから3年間の間にほかの業種と同じような一般排水基準に移行するということをしたわけでございますけれども、二つの業種が残っておりました。エチレンオキサイド製造業、それからエチレングリコール製造業というものにつきましては、初めの3年は一般排水基準0.5mg/Lに対しまして10mg/L、そして3年目から6年目、平成30年5月までは6mg/L、そして、さらにそれを強化して、これが令和3年5月まで、今年の5月まで3mg/Lというものを適用させていただいているところでございます。

それで前回の暫定排水基準を見直して3年間さらに延長ということになってから、我々環境省としまして基準値の具体的な見直しを行うために、経済産業省とも連携しながら専門家から構成される検討会を設置して検討を行ったところでございます。

その結果でございます。3ページの一番上のところにありますけれども、エチレンオキサイド製造業、それからエチレングリコール製造業につきまして、前回の見直し以降、一般排水基準を超過している事業場というのは1事業場のみという状況でございます。そういうよう中で、この事業場につきましても、表の下にありますけれども、AOP法という促進酸化法の採用というものを決めまして、昨年9月末に設置工事をしております。その上で試運転を開始して、その結果、一般排水基準を達成できているという状況を確認しているところでございます。

そういうようなことを踏まえまして、(2)暫定排水基準の見直しのところに案を書かせていただいておりますけれども、エチレンオキサイド製造業及びエチレングリコール製造業につきましても、一般排水基準を達成できる見込みであるということから、今年の5月25日以降につきましては、一般排水基準0.5mg/Lに移行するということとさせていただきます。

このようなご報告を中環審のこの部会の下にあります排水規制等専門委員会でまとめさせていただいた報告でございます。

以上です。

【古米部会長】 ご説明ありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問、ご意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。

(なし)

【古米部会長】 特にないようでございますので、今回のご説明の内容にて当部会の決定とさせていただきたいと思います。

 それでは審議結果を踏まえた今後の予定について同様に事務局からご説明をお願いいたします。

【筒井水環境課長】 1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準につきましては、適用期限である5月24日までをもちまして一般排水基準に移行するということになります。1,4-ジオキサンはこれで全ての業種について一般排水基準への移行となりますけれども、これまで審議会の先生方のご助言をいただきましてありがとうございました。

 以上です。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、議題の5、その他でございますけれども、本日は審議事項1点と報告事項2点がございます。

 まず初めに、①としまして、総量削減専門委員会の廃止についということで、事務局からご説明をお願いします。

【行木閉鎖性海域対策室長】 先ほど、議題の3で総量削減専門委員会の報告をご了承いただきましたところでございますので、資料5をご覧いただければと思いますが、中央環境審議会水環境・土壌農薬部会に設置している専門委員会のうち、専門の事項に係る調査が終了いたしましたため、総量削減専門委員会を廃止することとさせていただきたいと思います。

 したがいまして、先ほど、議題1で資料1-4でこの部会の決定で専門委員会の設置についてというところがございましたが、これを改めたいと思います。

 資料5をおめくりいただきまして次のページでございますが、まず、1の次の専門委員会を置くというところで、八つ並んでいたところを7番の総量削減専門委員会を削除いたしまして七つにするということ。

 それから、このページの一番下でございますが、総量削減専門委員会における調査事項について削除をするというところでございます。

 なお、先ほども触れましたけれども、今般は新たに総量規制基準についての専門委員会ということは設けず、部会にてご審議をいただきたいと思っているところでございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

【古米部会長】 ご説明、ありがとうございました。

ご質問、ご意見があればお受けしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

【古米部会長】 それでは、今、ご説明がありましたように、総量削減専門委員会は統合された部会のほうで継承されるということで、議題1でご議論いただきましたけれども、それを除いた形で廃止ということで審議をさせていただきました。それを決定とさせていただきたいと思います。

 続いて報告事項の②ということで、瀬戸内海における特定の海域の環境保全に係る制度の見直しの方向性(意見具申)についてということで、事務局よりご説明をお願いいたします。

【行木閉鎖性海域対策室長】 閉鎖性海域対策室からご説明させていただきます。

 本件資料は6-1と6-2がございます。6-1が意見具申の本体でございまして、その概要を資料6-2にまとめております。説明としては6-2を使わせていただきます。

 これはもともと令和元年6月に「瀬戸内海における今後の環境保全の在り方について」ということで諮問がなされまして、それを受けて令和2年3月に答申が出ておりました。その後、さらに答申の中でも特に制度の改正につながる部分について意見具申をおまとめいただきまして、令和3年1月26日に環境大臣に中央環境審議会会長から意見具申がなされたところでございます。

 主な内容としましては、大きく5点がございます。

 まず1点は、栄養塩類の管理についてです。順応的な管理プロセス、つまりモニタリングと並行して対策を実施して、モニタリングの結果に基づく検証・学習によって随時対策の変更を加える管理手法を取りながら、栄養塩類を管理していくということで、特定の海域ごとの実情に応じたきめ細かな栄養塩類の管理を可能とするために、新たにルールを作ることが必要ということで、五つ丸がございますが、まず一つ目は、関係府県の知事は、関係行政機関や関係者との協議のもと栄養塩類管理計画を策定すると。この計画は、計画区域、栄養塩類の種類や水質目標値、これは環境基準の範囲内といたします。それから供給方法、水質の測定・評価方法などを計画に記載する。それから3点目、栄養塩類管理が周辺環境に及ぼす影響に係る事前の調査及び評価をし、計画に基づく取組実施の影響・効果を実測するということ。4点目は、定期的な評価により、周辺環境の保全上の著しい影響が判明したら、供給を中断・計画を見直しするといったようなことが盛り込まれております。

 大きな2点目としましては、藻場等の再生・創出の促進ということでございまして、先ほども藻場・干潟などに関しましてご意見もあったところでございますが、生物の多様性、生産性の確保に当たって、栄養塩類の管理のほか、藻場・干潟等の保全・再生・創出、それから底質の改善などを両輪として同時並行で実施することが必要とされました。

 ③は関係者間の連携強化でございまして、府県域を超える広域連携の場がないが、湾・灘ごとによって取り巻く環境の状況が異なることからそういった場の意義が大きいということが盛り込まれました。

 それから4点目です。特定施設の設置等に係る許可制度の運用の効率・適正化ということでございます。瀬戸内海の環境負荷が増大しないことが明らかな事業について、特定施設に係る規制の合理化を行うということであります。

 それから5点目は、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみなどや、それから気候変動などに係る視点、その他基盤的な施策ということで、瀬戸内海における漂流ごみなどの大部分は、瀬戸内海地域由来、内海でございますので、外国のごみの影響があまり見られないといったようなことなどに鑑みまして、問題の解決には漂流ごみ等の除去のみならず、発生抑制対策の推進が必要、それから気候変動適応に関する視点を踏まえた対応が必要といったことが盛り込まれております。

 これは先ほど申しましたけれども、1月26日に意見具申がなされておりますが、政府といたしましてはこの意見具申を踏まえて、瀬戸内海環境特別保全措置法の改正につきまして案を作成いたしまして、2月26日に閣議決定がなされ、国会に提出されたところでございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しましてご質問がありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょう。よろしいでしょうか。

 特にないようでございますので、ただいまの報告内容ということで、次の報告事項に移らさせていただきます。

 それでは、報告事項②水環境分野及び土壌農薬分野の最近の状況についてということで、事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

【筒井水環境課長】 水環境課の筒井でございます。

本日、統合されました後の始めての部会ということですので、簡単にご報告させていただきたいと思います。

水環境分野の最近の状況について、このような中身でございます。時間が限られていますので、少し飛ばしながらで失礼をいたします。

1枚目のところは環境基準などでございます。環境基準、BOD、CODという有機汚濁の指標で見ていった場合でございますけれども、特に中で課題になっているのが、当初のところから達成率が低いというようなところが課題となっているということでございます。

次でございますけれども、環境基準の見直しとか検討の状況でございますけれども、三つほど最近のホットイシューというかでございます。

一つ目が底層溶存酸素量についてということでございますけれども、環境基準としては定められておりますけれども、これを例えば東京湾とか、琵琶湖とかにどういう区分を当てはめるかという類型当てはめるという先ほどのようなものでございますけれども、それを今、検討を進めているところでございます。国の指定の水域についての類型指定当てはめをしているところということでございます。

さらに二つ目の大腸菌群数についてということでございます。環境基準項目の中の生活環境基準項目という中で大腸菌群数というものが現行の環境基準でございます。しかしながら、これは水質汚濁防止法などができた当時の指標でございまして、当時、ふん便汚染の指標としては大腸菌が適用されたわけですけれども、これを直接測る手法はなかったということでございますけれども、今は環境汚水の中でも的確に測れるようになってきているということで、これを大腸菌群数から大腸菌数、非常に分かりづらいもしれませんけれども、そのものを測る方法に変えていこうということを検討しております。これをさきの2月の生活環境項目環境基準専門委員会で報告を取りまとめております。

それから、三つ目、有機フッ素化合物でございます。これは撥水性のものとか防汚性のものの原材料とか、それから泡の消火材なんかに使われているものでございまして、非常に難分解物質でございます。そういうようなものの問題が国際的にも懸念されているということでございまして、これは昨年のところでPFOS及びPFOA、この部会で要監視項目に位置づけていただいたところでございます。さらに専門委員会で代替物質であるPFHxSにつきましては環境省として調査をすべき項目としてということで取りまとめをいただいているところでございます。

4ページでございます。水質汚濁防止法による対策ということでございます。

簡単にですが、事前規制、通常規制、異常時対応とありますけれども、一定の施設について届出義務などを課すとともに、立入りとか、直罰による排水規制など、排水の規制の遵守を担保しているという状況でございます。

5ページでございますけれども、これは一律排水規制の図でございますが、こういう業場で一定の施設のあるものについて排水基準をかけているということでございます。もちろんご承知のとおり、都道府県では、国が決めた基準値よりも厳しい値を都道府県の条例で決めているということであります。

6ページでございますけれども、先ほどご審議いただいた暫定排水基準の関係で、排水基準の強化とか項目追加という中で、技術的に難しいというところについては、年限を区切って一部の業種について暫定排水基準を定めているということでございます。

7ページでございますけれども、今、暫定排水基準がかかっている項目がこういうようなものでございます。本日の1,4-ジオキサンについては卒業という形になっているということでございます。

8ページでございます。湖沼対策ということでございます。湖沼対策については、水質汚濁防止法にプラスしまして湖沼水質保全特別措置法という法律がかかっております。これについては、この法律に基づきまして国として湖沼全般の保全方針というものを定めた上で指定湖沼というものを都道府県の申出に基づきまして閣議決定しております。琵琶湖、霞ヶ浦等々11湖沼が指定されております。こういうような中で都道府県知事が計画を作った上で、一般の排水規制に加えて汚濁負荷量の規制とか、それから湖辺の保護地区の設定とか、小規模への規制とか、そういうようなこととか、流出水対策、いわゆる面源の対策についての実施なんかも図られるような法体系になっているというところでございます。

最近の動き、今後の予定と書いてありますけれども、今年度中に霞ヶ浦等々の計画が策定されるという状況でございます。

9ページ、閉鎖性海域対策の関係でございます。これは中環審の答申、これは先ほど室長の行木により説明したので飛ばさせていただきたいと思います。

次の瀬戸内海のほうのところの意見具申のところも説明をさせていただきましたので、この場では省略させていただきます。

11ページでございます。先ほど、ちょっと室長の行木より法律案のご説明がありました。今国会に提出されているというところでございます。大きなところで、ここに書いてあるようなところです。栄養塩類につきましては排出規制一辺倒からきめ細かな管理、さらに、藻場の再生・創出、それから海プラ、海洋ごみ対策というようなものについても定めているところでございます。

12ページでございます。水質総量削減につきまして、これは今日の審議事項でございましたので、これも飛ばさせていただきたいと思います。

それから13ページは海洋環境対策ということでございます。海洋環境対策につきましては、所管の法律として海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律、いわゆる海防法というふうに言われていますけれども、こういう規制法でございます。基本的にはIMOのロンドン条約、船からの廃棄物の投棄などを規制する法律、それから船舶のバラス水の規制条約とか、油の排出を規制するマルポール条約とか、そういうような条約の国内担保の法律というものがございます。こういうような取組をしているということと、あと最近のところでは非常に大きな問題で、海岸漂着物の関係でございます。処理推進法ということでございまして、この法律に基づきまして様々な施策をしておりまして、地方公共団体が実施するような海岸漂着物や漂流・海底ごみの回収・処理などについて、補助金で環境省としても支援をしているという状況でございます。

14ページに行かせていただきたいと思います。海洋プラスチック対策でございます。

ここで紹介させていただいておりますのは、もう一昨年になりますけれども、一昨年のG20の大阪サミットのときにG20の首脳がグローバルなビジョンとして共有した「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」というのがございます。これは2050年までに海洋プラスチックによる追加的な汚染をゼロまで削減することを目指すというようなものでございまして、当時ホスト国であった日本としては、様々な努力をしまして、現在、G20にとどまらず、86の国と地域が共有しているという状況でございます。

そして、また、これを実際に進めていくということで、一昨年のG20のエネルギー環境大臣会合のときに採択されました海洋プラスチックごみの実施枠組みというものがございます。これで各国が実施して、その結果、効果的な対策や成果を共有、更新することによって取組を進めていくというようなことの取組を進めているところでございます。

さらに、海洋廃棄物対策、15ページでございますけれども、国内の取組でございます。これは我々水・大気局関係だけではなくて、廃棄物の関係、資源循環の関係のところの局との両方で取り組んでいるようなことでございます。もうこれも一昨年になりますけれども、取組についてアクションプランなどを作って、リデュースのための代替素材とか、それからリサイクルでの資源循環、プラごみ対策、それから、やはり国民運動普及啓発というのも大事ですので、こういうようなPlastics Smartなどという、こういう普及啓発の活動を進めているという状況でございます。

16ページに行かせていただきますけれども、また、水環境分野の国際協力、その他の国際協力も進めさせていただいております。

やはり、アジアにおいてはまだ水環境がよくないというところもありますので、ここにマルチの枠組みとありますけれども、アジアの各国での政策の担当者、各省担当の担当官とのネットワークづくりということで政策の意見交換とか、そういうようなことをやる枠組みとしてパートナーシップ、アジア水環境パートナーシップというようなものを毎年開いて意見交換をしております。

さらに、我が国のいろいろな水環境の技術を途上国に積極的に売り込んでいこうということで、見せて売るという形ですけれども、アジア水環境改善モデル事業というものを取り組んでいるところでございます。

最後、17ページでございますけれども、水環境・土壌農薬部会の下の専門委員会で、今、どういうことが検討されているかというのを簡単にまとめさせていただきました。既に説明したところでかぶるところがあるかもしれませんけれども、簡単に説明させていただきます。

環境基準の健康項目の専門委員会でございます。これについては2月に開催されておりまして、六価クロムの環境基準値の強化について0.05mg/Lから0.02mg/Lについて取りまとめて、現在、パブリックコメントを実施しております。有機フッ素化合物についても議論をしまして、PFHxSを要調査項目に位置づけさせていただいております。

また、次の生活環境項目環境基準専門委員会、先ほど申し上げましたけれども、大腸菌群数を大腸菌数に改めるということで、2月に開催しまして、今、パブリックコメント中、上の六価クロム、それから大腸菌のところにつきましては、順調にいけば次の部会などでご審議いただければなというふうに考えているところでございます。

それから、低層溶存酸素量、先ほどもちょっと説明しましたけれども、東京湾と琵琶湖における類型指定当てはめの案について審議を来週、予定しているところでございます。

陸域の環境基準専門委員会、排水規制等専門委員会の最新の状況は今日報告をさせていただいておりますけれども、こういうようなものをやっているということでございまして、陸域のほうは今後また同じように暫定の水質目標の見直しなども今後あるものもございます。それから排水規制等専門委員会では、まだ暫定排水基準が適用されているものがありますし、期限を迎えるものが幾つかありますので、これについてまた適宜部会に上げさせていただきたいと思っております。

小委員会の瀬戸内海環境保全小委員会というものがございますけれども、これは今日ご報告したいところでございます。

水環境関係は以上でございます。

【古米部会長】 続いてお願いします。

【新田土壌環境課長兼地下水地盤環境室長】 では、続きまして、資料7-2、土壌農薬分野の最近の状況について、土壌環境課長兼地下水地盤環境室長の新田から説明させていただきます。

 まず最初のページです。土壌汚染対策に関するご説明からというふうになります。

 土壌汚染につきましては、土壌を汚染して、それが地下水を汚染して、その地下水を人が摂取する、あるいは、土壌を直接摂取する、そういうリスクへの対応といったものを図るべきだというふうな取組を進めてきております。

 土壌汚染を防止するための発生源対策というものが水濁法、廃掃法等々行われてきておりますが、土壌は一旦汚染されると除去をしない限り汚染が継続するということで、ストックされた汚染の対処といったことで取組が進められてきたと。

 農用地、ダイオキシン、そして土壌環境基準、土壌汚染対策法という形でも対策が進められてきたという経緯となっております。

 次のページです。土壌汚染対策法でございますが、土壌汚染が存在するかどうかというのは、まず調査しなければいけないということで、土壌汚染対策法では、まず調査の契機というものを示しております。有害物質の使用施設を廃止したとき、一定規模以上の土地の形質の変更があるとき、あるいは土壌汚染の被害のおそれがある、あるいは自主調査、そういったもので調査の機会というものを定めまして、それによって土地の所有者等に土壌の汚染について調査をしていただく。それで基準を超過した場合には対応していく。まず区域を指定するという形になります。

 土壌汚染の基準を超えた区域につきまして健康被害が生ずるおそれがある場合は要措置区域と指定しまして、汚染除去等計画を作成していただいて対応していただくという形になります。

 一方、汚染の基準を超えているが摂取経路がない、健康被害を生ずるおそれがないというのは、形質変更時要届出区域といたしまして、その後、土地の形質を変更するときには届け出るという形になっております。汚染の除去が行われた場合には、区域の指定を解除する、そういう制度を運用しているところでございます。

 次のページです。土壌汚染対策法の施行状況ですが、要措置区域、あるいは形質変更時要届出区域は、現在、約3,000区域が指定されているという状況でございます。

 また、下のグラフでございますが、調査の件数です。近年は大体1,000件ぐらい調査が行われていっている、そういう状況で運用されているところでございます。

 次のページです。土壌汚染に関する特定有害物質につきまして、これは中央環境審議会のほうに諮問させていただきまして、ご議論いただいているところでございます。

 一番最近のものが下の表にありますけれども、6物質につきまして、これは既に中環審から答申をいただいているところでございます。上の四つにつきましては対応済みというふうになっていますが、その中の一つ、1,4-ジオキサンにつきましては、土壌での調査方法について現在も検討中という状況でございます。下の二つ、カドミウム及びその化合物とトリクロロエチレンにつきましては、基準を今年の4月1日に施行するという予定で進めているところでございます。

 次のページです。話題が変わりまして、地下水につきましてです。地下水の環境基準につきましての調査結果を下に示しておりますけれども、現在、環境基準を超過率が最も高いものは硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素というふうになっております。これにつきましては、農地での施肥、あるいは家畜のふん尿等の不適切な処理等、そういったものが原因になりますので、関係者を交えた対応について検討を進めたり、あるいは地域の取組を支援したり、あるいはガイドラインを示したりという形での対応を行っているところでございます。

 その次のページです。また話題が変わりまして、地盤環境ということで、地下水のくみ上げによる地盤沈下対応という、これにつきましては、工業用水法及びビル用地水法で地下水のくみ上げについて地域を区切って規制をしているところでございます。

 右下のグラフは地盤沈下の状況でございますが、こういう法律の対応を取ったということによって地盤沈下というのは収まっているという状況のところがございます。それ以外にも融雪のためのくみ上げとかで地盤沈下しているところなどがございますが、それらの区域でもそれぞれ検討、対応が行われているということでございます。

 地下水につきましては、地中熱を利用といったことが、今、話題になっているところでございます。地中熱を活用することによって、エネルギー消費の少ない空調等ができるということでございます。

こういった活用をするために、次のページ、例えば、地下水をくみ上げる形の地中熱利用につきましては、規制改革特区制度を活用いたしまして、ビル用水法によるくみ上げにつきまして地盤沈下がないといったことが確認できれば、くみ上げに関する規制について緩和するという、そういう対応も取っておるところでございます。地下水や地盤沈下の状況を見ながら、また地中熱の促進といったところも併せて検討を進めているという状況でございます。

【羽石農薬環境管理室長】 続きまして、農薬対策につきまして農薬環境管理室の羽石から説明させていただきます。

 農薬につきましては、農林水産省と環境省の共管の農薬取締法に基づきまして、人や環境への安全性が確認されたもののみを登録し、登録のない農薬は販売・輸入・使用等ができないという仕組みで対応しているところでございます。

 最近の動きとしましては、平成30年に農薬取締法を改正しまして、2点大きくございます。

まず、9ページの上半分でございますが、農薬の環境への影響の観点におきましては、これまでは水域の魚類や甲殻類、藻類等への影響を評価してきたというところでございますが、図の点線部分のところでございますけれども、今般の法改正によりまして、令和2年度、今年度から、陸域の鳥類、野生ハナバチ類への影響評価を追加したということでございます。これらへの影響を評価しまして、悪影響を及ぼさないことを確認の上、登録を進めていくというふうにしたところでございます。

 もう1点が、下半分でございます。今般の法改正によりまして、令和3年度からこれまでに登録済みの全ての農薬につきまして、最新の科学的知見に照らして、人や環境への安全性を改めて定期的に確認していく再評価制度を開始いたします。再評価におきまして安全性が確認できない農薬については登録を見直していくということでございます。

この2点の見直しによりまして、環境への安全性の確保について適切に対応してまいりたいと考えております。

以上でございます。

【平澤環境管理技術室長】 環境管理技術室の平澤でございます。

 バイオレメディエーションについてご説明させていただきます。

 微生物の働きを利用して土壌等の環境汚染の浄化を図る技術、バイオレメディエーションでございますが、生態系等への影響に配慮した安全評価が必要となりますので、利用指針を定めている状況でございます。

 左下の枠になりますが、この指針への適合確認制度を設けておりまして、申請があった場合には、この部会の下に設置しております、白石委員に委員長を務めていただいておりますが、バイオレメディエーション小委員会において審査いただいている状況でございます。これまでに11件の適合確認を行っている状況でございます。

 以上です。

【新田土壌環境課長兼地下水地盤環境室長】 では、最後のページです。土壌農薬関係の専門委員会の検討状況でございます。直近の検討状況についてお示ししております。

 小委員会につきまして、土壌環境基準の小委員会につきましては、カドミウム、トリクロロエチレンの環境基準について答申案を令和元年にまとめていただいた。土壌制度小委員会につきましては、土壌汚染対策法の在り方について平成30年に取りまとめていただいたという状況でございます。農薬小委員会につきましては、農薬の登録基準の設定についてご審議いただいております。令和2年度は5回開催があったというふうな形で、これは継続的にご審議をいただいているものでございます。バイオレメディエーション小委員会につきましては、事業者から申請があった場合に審査を行うというものを行っておりまして、直近は本年2月ということでございました。

専門委員会につきましては、土壌制度専門委員会というものがございます。これは土壌環境基準が決まった上で土壌汚染対策法の上での基準等について、あるいは基準を踏まえた対応についてご審議いただくというものでございまして、これは令和元年にカドミウム、トリクロロエチレンについてご審議いただいたというところでございます。

説明は以上になります。

【古米部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明に関しましてご質問があればお受けしたいと思います。いかがでしょうか。水環境分野と土壌農薬分野で。

 大塚委員、お願いします。

【大塚委員】 どうもありがとうございます。聞こえますでしょうか。恐れ入ります。

 水環境のほうのスライド14ですけれども、G20の海洋プラスチックごみ対策の実施の国に関して、それから、もう一つ、すみません、その上でした。大阪ブルー・オーシャン・ビジョンに関して、86の国と地域について共有していただいた環境省のご努力に敬意を表したいと思います。

その上でなんですけれども、各国の海洋プラスチックに関する方針に関して検討させていただいていますが、これを国際条約とかにする議論というのは何か出てきているのでしょうか。その辺を教えていただければありがたいと思います。

それから、もう1点、よろしいでしょうか。

土壌のほうの8ページなんですけれども、地中熱の利用に関してですが、これは地中熱の利用もある種の再生可能エネルギーとして、今回のカーボンニュートラルの総理の宣言とか、温対法の目標とかになるかと思いますけれども、非常に重要だと思いますが、これは現在、国家戦略特区に限っているんですが、これをなかなか広げるにも難しい面もあるかもしれませんけど、さらに活用していくというお考えは何かございますでしょうか。

すみません。以上2点、お願いします。

【古米部会長】 せっかくですので、山室委員からのご質問も受けて、まとめて事務局から回答いただきたいと思います。

 それでは、山室委員、お願いします。

【山室臨時委員】 やはり、海洋プラスチックごみのところで、水環境のほうの13ページ目のスライドなんですけれども、13のほうです。ここに全体の中に初めてマイクロプラスチックという言葉が出てきおりまして、私は、この部会でマイクロプラスチックは海ごみ問題ではないというふうにご指摘させていただくのはこれで3度目だと思うんですが、何度も申し上げておりますように、2019年にはWHOがマイクロプラスチック・イン・ドリンキング・ウォーターという報告書を出しておりまして、昨年にはマイクロプラスチックというのは、要は5mm以下のプラスチック全てを指しますから、いわゆるPM2.5サイズのものもマイクロプラスチックでありまして、PM2.5が大気圏を本当に自由に移動するように、マイクロプラスチックも今や気圏を通じて空から降ってくる時代なんです。そういたしますと、欧米の国というのは、ドリンキング・ウオーターを地下水に頼ることが多いんですが、日本の場合はほぼ漂流水で、空から降ってくるとなると、ダムにもやはりマイクロプラスチックが入ってしまうという状況であることから、日本は非常にマイクロプラスチックというのは水環境において、特に人等の健康の面からも、少なくともモニタリングはしなければいけないのではないかということを、前回の部会でもご指摘させていただいたんですが、やはり、今回も海ごみのところにしかマイクロプラスチックが見えないので、実態として環境省さんはどうお考えなのかということを教えていただきたいと思います。

【古米部会長】 どうもありがとうございます。

 それでは、水環境関連のマイクロプラスチックに関して回答いただいた後、地中熱のほうにお願いします。よろしいでしょうか。

【筒井水環境課長】 すみません。まず、マイクロプラスチックのほうから、その後、国際的な大塚先生のほうから各国の動きの話もありましたので、そちらの話もご説明させていただきたいと思います。

 まず、今、山室先生からいただいたマイクロプラスチックの関係でございます。おっしゃるような懸念というのが出ているということは十分認識しておりますし、まさに、これは水環境分野の課題という関係上、海プラのところに書いておりますけれども、我々も組織としては連携しながら、水環境課の中に海洋プラスチックもありますので、そういうふうに取り組んでいるところでございます。

具体的に河川とか、そういうところ、淡水系でのマイクロプラスチックの動きにつきましては、まだ研究段階というところかと思いますけれども、我々としては、今、モニタリングの手法をある程度そろえていこうということで、これは我々の中での検討会ということでございますけれども、そういうもので調査のガイドラインというか、そういうものを今年度末までにまとめるということで、これをもって少し調査を進めていこうというふうに考えておるところでございます。ご指摘を受けながら、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。

それでは国際関係のところにつきまして、海洋プラスチック室長からお願いいたします。

【中島海洋プラスチック汚染対策室長】 海洋プラスチック汚染対策室の中島です。

ご質問、ありがとうございます。

国際条約というお話だったかと思います。昨年、UNEPの下にAHGEという専門家会合というのが開かれております。この中でも条約という言い方ではなく、国際枠組みという言い方でしたけれども、新たな国際枠組みというものを検討すべきじゃないかという意見が幾らか出ておりました。

さきに延期されてしまいましたUNEA5、国連環境総会でそういった議論がかなり進むものと期待していたところなんですけれども、この議論というのは来年に延びてしまいましたので、それまでの間に条約という議論が整うかどうか、かなり可能性は低いと思いますけれども、国際枠組みというものが必要かどうかという議論は、その間にさらに進んでいくものと考えております。

以上です。

【古米部会長】 それでは地中熱関連、いかがでしょうか。

【新田土壌環境課長兼地下水地盤環境室長】 地中熱についてのご質問をいただいたところでございます。地中熱の利用方法につきましては、ここに挙げているのは地下水をくみ上げて熱として利用するものでございますが、ほかにも地下水はくみ上げないんですが、地中を通したパイプの中を水や冷媒等を通して熱をくみ上げるという方法がございます。そういった方法では地下水はくみ上げないので、地盤沈下が起こるということはないんですけれども、ここにありますような地下水をくみ上げる場合には、地盤沈下のおそれというものがございます。

 ビル用水法は、東京や大阪などのように、沖積地地域で地盤沈下のおそれがある場所について規制地域となっておりますが、そういった場所において地下水を汲み上げるものについて、地盤沈下のおそれがないかどうかを確認した上で実施しようというものがこの特区制度というふうになっております。

 今、特区を利用して、実証事業というのを大阪のほうで実施されております。そういった実証事業の中で地盤沈下への影響といったものを見極めた上で、これについて今後取扱いを検討していければというふうに考えております。

 以上でございます。

【古米部会長】 大塚委員、山室委員、いかがでしょうか。

【大塚委員】 大塚ですが、すみません、一言だけ。新田さんがおっしゃるとおりなんですけど、実はちょっとこれ、関わらせていただきましたけど、全量還元型の地中熱利用だと、地盤沈下は多分起きないので、だから、うめ北のところでは、それをまさにやっていただいていると思いますけども、ぜひ、実証試験の結果を見ながら、活用して、場合によっては広げていただけると、ありがたいと思います。

 以上です。

【古米部会長】 山室委員、いかがでしょうか。

【山室臨時委員】 ご説明は分かりました。そうやって取り組まれてんでしたら、やはり、取り組まれていることの一つとして、何度かご指摘させていただいているので、書いていただけるとありがたかったかなと思います。

 以上です。

【古米部会長】 よろしいでしょうか。

 ほかの委員から何かご質問はございませんでしょうか。

 もしなければ、全体を通じて何かご発言があればお受けしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 進行にちょっと不手際があって、既に5時を過ぎておりますけれども、特にないようでございましたら、以上をもちまして水環境・土壌農薬部会を閉会したいと思います。

 それでは事務局にお返ししますので、連絡事項等があればお願いしたいと思います。

【事務局】 本日は活発なご審議をいただき、ありがとうございました。

 議事録につきましては、事務局で案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページで公表する予定としておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、これをもちまして本日の部会は終了いたします。どうもありがとうございました。

午後5時09分閉会