ESG 金融懇談会 第6回 議事要旨

日時

平成30年6月15日(金)15:0017:00

場所

環境省(中央合同庁舎5号館)22階 第1会議室

出席者

【出席委員(50音順)】

稲垣  精二 委員   第一生命保険株式会社 代表取締役社長(菊田 徹也 氏 代理出席)

岩崎  俊博 委員   一般社団法人投資信託協会 会長

大場  昭義 委員   一般社団法人日本投資顧問業協会 会長

翁   百合 委員   株式会社日本総合研究所 理事長

黒本 淳之介 委員   一般社団法人第二地方銀行協会 前会長、

株式会社栃木銀行 取締役頭取(猪俣 佳史 氏 代理出席)

佐久間 英利 委員   一般社団法人全国地方銀行協会 前会長、

株式会社千葉銀行 取締役頭取(篠崎 忠義 氏 代理出席)

佐藤  浩二 委員   一般社団法人全国信用金庫協会 会長、

多摩信用金庫 会長(渋谷 博之 氏 代理出席)

末吉 竹二郎 委員   国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)特別顧問 

多胡  秀人 委員   一般社団法人地域の魅力研究所 代表理事

玉木 林太郎 委員   公益財団法人国際金融情報センター 理事長(OECD前事務次長)

成田  耕二 委員   株式会社日本政策投資銀行 取締役常務執行役員

藤原  弘治 委員   一般社団法人全国銀行協会 会長、

株式会社みずほ銀行 取締役頭取(望月 昭人 氏 代理出席)

牧野  光朗 委員   飯田市長

水口   剛 委員   高崎経済大学副学長、同大学経済学部 教授

宮原 幸一郎 委員   株式会社東京証券取引所 代表取締役社長(二木 聡 氏 代理出席)

森   俊彦 委員   特定非営利活動法人 日本動産鑑定 会長

【オブザーバー】

金融庁

経済産業省

日本銀行

議事

1. 開会

中川環境大臣より、冒頭、挨拶があった。

2. 話題提供(翁委員、望月様、竹ケ原様)

(1) 株式会社日本総合研究所 理事長 翁委員より、概要、以下の話題提供があった。

  • ESG金融を巡る国際的な動きとして、金融安定理事会(FSB)が設置した気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が気候変動に関連するリスクや機会の情報開示を求める提言を出し、欧州をはじめグローバルでの対応検討が始まっている。日本のメガバンクを含む海外主要金融機関もこの提言を支持している。
  • 国内の金融機関の中には、自行の環境関連での取組を情報開示するほか、環境に配慮したリスク評価や環境格付融資等の金融商品の提供により企業との対話を深める取組も一部にみられている。
  • 今後は、国内においてESG金融の取組を拡げる上で、株主としての直接金融が間接金融のESG金融への取組を促すとともに、間接金融は銀行職員のリテラシー向上とそれを促進する人事評価システムの構築などの人材育成を行う必要がある。

(2) 一般社団法人全国銀行協会 企画委員長、株式会社みずほ銀行 常務執行役員 望月様より、概要、以下の話題提供があった。

  • 全銀協は、ESGやSDGsなどの社会的課題の解決に向けた取組の重要性を踏まえ、今年3月に「行動憲章」を改定し銀行が期待される役割を明確化した上で、「SDGs/ESG推進検討部会」を設置し取組項目を設定した。具体的な取組事項には、融資方針等の策定に係る会員行の取組支援や金融経済教育の推進などが挙げられる。
  • みずほフィナンシャルグループでは、重点的な取組とESGの関係を整理するなど、社会的課題の解決に向けた取組を始めている。環境(E)では、FSB-TCFDの提言を踏まえた情報開示の高度化に取り組むとともに、環境に関する取組方針や目標を定め、経済発展と環境保全の両立を図りつつ環境負荷を低減する取組を行っている。このほか、社会(S)では、ソーシャル・インパクト・ボンドの組成、カバナンス(G)では、顧客へのコンサルティング業務の強化等の取組を行っている。

(3) 株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部 副本部長兼経営企画部サステナビリティ経営室長 竹ケ原様より、概要、以下の話題提供があった。

  • 21世紀金融行動原則は、256(3月末時点)の金融機関が署名する金融業界横断的な取組であり、海外でも例をみないプラットフォームであろう。設立時に作成した原則は、現在のESG金融の議論や取組にそのまま通じるものである。日本でESG金融を実装していく上で有効なツールではないか。
  • また、21世紀金融行動原則では金融業界・分野毎の取組を進化させ、互いの連携を図るとともに、各金融機関での浸透や組織としての行動を促しているが、更なるESG金融促進のため21世紀金融行動原則での議論を報告する場としてこの懇談会を維持していくことも有効である。
  • また、ESG金融を実装していく上では、金融機関における取組を強化するとともに、環境金融施策等の活用も考えられる。

3. 自由討議

議事2.を受けて自由討議が行われた。討議では、各委員等より、主に以下のような論点について意見が示された。

  • ESG金融を推進していくための取組や手法
  • ESG金融が与えるインパクトやグローバルで日本が果たすべき役割
  • 政府全体の方向性や環境金融施策のESG金融における位置付け
  • ESG金融の実践における組織での理解浸透と評価体系・人材育成の重要性
  • 金融リテラシーや組織体制などの基盤強化の必要性
  • 地域金融や自治体におけるESG金融の課題や今後の方向性

4. 閉会