第8回 環境省国立研究開発法人審議会 会議録

日時

平成29年8月24日(金)14:00~15:04

場所

アットビジネスセンター東京駅206号室

議題

(1)平成28年度に係る業務実績評価書案について

(2)その他

配布資料

資料1   国立研究開発法人国立環境研究所平成28年度業務実績年度評価書(案)

資料2   平成28年度に係る業務実績報告書(案)項目別評定総括表

資料3   平成28年度に係る業務実績報告書(案)(抜粋)

資料4   平成28年度に係る業務実績報告書(素案)に対する意見等

資料5   今後の予定

参考資料1 環境省国立研究開発法人審議会委員名簿

参考資料2 環境省国立研究開発法人審議会運営規則

参考資料3 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)

参考資料4 国立研究開発法人国立環境研究所法(平成11年法律第216号)

参考資料5 環境省国立研究開発法人審議会令(平成27年度政令第1918号)

参考資料6 独立行政法人の評価に関する指針(平成26年9月2日総務大臣決定)

参考資料7 環境省所管独立行政法人の業務実績評価基準(平成29年7月14日総合環境政策統括官決定)

参考資料8 平成27年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等の結果についての点検結果(平成28年12月8日独立行政法人評価制度委員会)

参考資料9 国立研究開発法人国立環境研究所第4期中長期計画(H28~H32)

参考資料10 平成28年度国立研究開発法人国立環境研究所年度計画

参考資料11 平成28年度国立研究開発法人国立環境研究所調達等合理化計画

参考資料12 国立環境研究所パンフレット、福島支部パンフレット、琵琶湖分室パンフレット

参考資料13 国立環境研究所 環境報告書2017

出席者

委員

花木啓祐会長、大久保規子会長代理、衞藤 隆委員、沖 陽子委員、木本昌秀委員、高橋隆行委員、中静 透委員

環境省

大臣官房

米谷審議官

大臣官房総合政策課

行木環境研究技術室長

国立環境研究所

渡辺理事長

原澤理事

立川理事

田中企画部長

鈴木総務部長

福田環境情報部長

議事録

【行木環境研究技術室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第8回環境省国立研究開発法人審議会を開会いたします。

 本日は、大変お暑い中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 本日、衞藤委員が少し遅れられるとご連絡をいただいておりますが、委員7名全員のご出席を予定しております。環境省国立研究開発法人審議会令第5条の規定により定足数を満たしておりますので、本審議会は成立することをご報告申し上げます。

 また、本日の会議は公開で開催させていただきます。

 環境省の人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。

 正田大臣官房審議官の後任で米谷でございます。

【米谷大臣官房審議官】 米谷でございます。よろしくお願いします。

【行木環境研究技術室長】 それから私でございますが、太田の後任といたしまして、環境研究技術室長になりました行木でございます。よろしくお願い申し上げます。

 本日は、急遽国会関連の対応がございまして、統括官の中井、総合政策課長の松本は欠席となっております。ご了承いただければと思います。

 では、議事に入ります前に、大臣官房審議官、米谷よりご挨拶を申し上げます。

【米谷大臣官房審議官】 本日はご多忙の中、お集まりをいただきまして大変ありがとうございました。第8回環境省国立研究開発法人審議会の開催に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

 まず、本日の審議会開催に向けまして、ご多忙の中、国立環境研究所の平成28年度の業務実績評価書の素案に対しまして、委員の皆様から貴重なご意見を頂戴いたしましたことを心より御礼を申し上げます。皆様方もご案内のとおり、先日、内閣改造がございまして、環境省では、中川大臣をお迎えいたしました。中川大臣就任の会見の中で、「環境問題に取り組むことにより社会経済上の諸課題をも同時に解決し、将来にわたって質の高い生活をもたらす持続可能な社会を実現できるよう、環境政策を新たな成長の牽引力にしていきたい」と申したところでございます。

 こうした中で、また、これを実現するためには、環境分野での研究開発や科学技術の活用、さらに重要になってくるものと思います。新大臣のもと、我々も気持ちを引き締めて仕事に邁進しなければならないと思っておるところでございます。

 本日は、先生方のご意見を踏まえてまとめました、平成28年度の業務実績評価書(案)についてご審議をいただくこととしております。委員の皆様におかれましては、今後の国立環境研究所の業務運営も見据えつつ、活発にご議論をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 甚だ簡単ではございますが、開会のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【行木環境研究技術室長】 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。お手元資料をご確認くださいませ。

 上から順番に、議事次第、座席表、それから、本日の審議事項と書かれた横長の資料。そして、議事次第にありますとおり、資料1、厚いものでございますが、平成28年度の実績年度評価書(案)。それから資料2が、評価書(案)の項目別評定総括表。資料3が、評価書(案)の抜粋。資料4が、評価書(素案)に対する意見等。資料5が、今後の予定となっております。さらに参考資料1から13につきましては、青色のバインダーに綴じてお手元に配らせていただいております。それから、机上に、前回の議事録と国立環境研究所の平成28年度の業務実績等報告書一式を置かせておいていただいております。議事録につきましては、既に委員の先生方、ご確認をいただいているところでございますが、何か気づきの点がございましたら、今月中に事務局までご連絡をいただきたいと存じます。資料に過不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

 議事に入ります前に、本日の審議事項と審議の進め方につきまして、簡単にご説明をさせていただきます。お手元の横長の本日の審議事項という資料をご覧いただければと思います。

 今年度の審議事項でございますけれども、前回7月21日、第7回の際にご説明させていただいておりますとおり、国立研究開発法人審議会、当審議会におきましては、環境大臣の評価に当たりご助言をいただくということとなっておりますが、今年度の助言対象といたしましては、業務実績の評価の平成28年度の年度評価ということとなっております。

 1枚おめくりいただきまして2枚目、年度評価でございますが、実施方法といたしましては、前回の審議会の中でご報告しましたとおり、国環研の自己評価の結果と、それから法人が個別に実施している外部評価の結果などを踏まえて行っていくということとなっておりまして、評定は5段階で実施し、Bが標準とされております。

 続きまして3枚目、第4期中長期目標の構成でございますが、評価をいただく対象の範囲といたしましては、オレンジで囲っております第3から第6まで、また、評価に当たりましては重要度が高いとされておりますもの、それから難易度が高いとされていますものについては考慮をするということとされております。重要度が高いものといたしましては、第3の1と2、難易度が高いものといたしましては、第3の1の中でも(1)重点的に取り組むべき課題への統合的な研究の推進。それから(3)国内外機関とのネットワーク・橋渡しの拠点としてのハブ機能の強化とされているところでございます。

 続きをめくっていただきまして、4枚目でございますが、前回審議会を踏まえまして、その後、先生方から素案に対しましてご意見をいただいたところでございます。本日、環境省のほうでいただきましたご意見を踏まえまして、評価書(案)の作成をしております。先生方へは、事前にお送りをさせていただいたところでございます。

 5枚目のスライドでございますが、本日、評価書(案)につきましてご審議をいただきまして、その後、一度、先生方にご確認をいただきました後、8月31日までに、独立行政法人評価制度委員会への評価書の提出が必要となっているというところでございます。本日が24日ですので、かなり日程的にはタイトでございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日の審議事項に関しまして、何かご質問はございますか。 (なし) 【行木環境研究技術室長】 ありがとうございます。

 そういたしましたら、これ以降の進行は花木先生にお願いしたいと思います。

 花木会長、どうぞよろしくお願いいたします。

【花木会長】 ありがとうございます。それでは、これから、本日の審議を始めたいと思います。

 最初に、前回の委員会以降、それぞれの委員の方々には、コメントを提出いただきまして誠にありがとうございました。お陰さまでそのコメントをもとに、今日議論ができるという状況になっております。

 それでは、早速議事に入ります。議題は一つですけれども、平成28年度に係る業務実績評価書(案)についてということでございます。

 それでは、まずご説明をいただきたいと思いますが、資料番号を示しながら、説明をお願いできますでしょうか。

【事務局】 それでは、説明させていただきます。

 使用します資料といたしましては、資料の2と3、4になります。まず、資料2をご覧いただければと思います。

 こちらはA3の開きものです。総括表ということで、前回と同じもの、皆様からご意見をいただいたところでございますが、環境省評価として変更部分はなかったということで、ご確認いただければと思っております。

 続きまして、詳細の部分につきましては、資料4を先にご覧下さい。委員の先生方皆様からいただいたご意見をまとめたものでございます。まず、第3の研究成果の最大化その他業務の質の向上に関する事項といたしまして順に並んでおりますが、まず、課題解決型研究プログラムですけれども、青字が代表的な意見ということで取り上げさせていただいておりますが、「難易度、重要度の高い課題として、外部評価、発表数も良好な指標を示している。A評価に異存がない。」という意見をいただいております。

 また、「専門家から構成される外部評価委員会において高い評価を得ており、きわめて水準が高い研究が行われたと評価できる。」といった意見をいただいております。

 こういった形で、研究成果について高く評価をいただいておりまして、青字のほうは今回のご説明には入ってこないのですが、資料1の、評価書の項目別評価調書の最後に審議会等の意見等という欄がございまして、そちらに採用させていただければと思っているのはこの青字の部分でございます。後ほどご意見等をいただければと思っております。

 ご意見を踏まえまして、資料3の3ページになりますが、前回素案としてお示ししたものについて、変更、修正をさせていただいております。この部分につきましては、①の課題解決型研究プログラムの部分に赤字で追記をさせていただいておりますが、外部評価委員会の基準値がよくわからないというご意見もございましたので、平均値3.94は何を示すかということで、3を標準とした5段階評価というコメントを追記させていただいております。

 続いて、また資料4に戻っていただきますが、下の段にございます1.(1)②災害環境研究プログラムの部分でございます。こちらにつきましては、「現地と連携した活動は高く評価できる。災害環境への国民の関心はきわめて高く、重要性、緊急性の高い課題に精力的に取り組む姿勢は高く評価できる。外部評価点、成果発信の充実、発表数増加も顕著であり、A評価に異存がない。」という意見。

 1枚おめくりいただきまして、2ページ目の真ん中辺ですね。「各ステークホルダーとの連携を強め、なおかつ優れた研究成果が得られ、研究成果の発表も活発であり、高く評価する。」といった意見をいただいております。

 その一方で、青字部分の一つ上のところ、後段になるんですけども、「今後、支援要請が増大することも考えられ、緊急対応が可能になるような組織や予算の充実も検討されるべきである。」といったような意見もいただいております。こちらの部分につきましては、資料3の5ページになりますが、特に反映というものはしておりません。

 続きまして、資料4に戻りまして、1.(2)の環境の保全に関する科学的知見の創出等の推進。青字の部分ですが、「環境政策への貢献度が高いと評価できる。引き続き新たな科学的知見の創出に力を注いでほしい。」といった意見。

 二つ下ですけれども、「エコチル、GOSATなど他機関では組織的、継続的に行うことのできない内容であり、環境研がその役割を担うことの意義は大きいと考える。」といった意見。

 その下になりますけど、「エコチル調査、衛星観測等、極めて高い外部評価を受けているプロジェクトがある反面、誌上・口頭発表数は3期の平均を下回っており、プロジェクトの進行状況にばらつきがある可能性もある。引き続き、着実な進行管理が期待される。」といったような意見をいただいております。

 こちらにつきましては、資料3の8ページになりますが、少し修正をさせていただいておりまして、8ページの上のほうの年度評価のポイント①の「外部研究評価(重要度、難易度を重視)」を追記させていただきまして、評点も「3.92~4.36(3を標準とした5段評価)」といった追記をさせていただいております。また、誌上・口頭発表数の部分が下回ったという部分につきまして少し補足をさせていただいておりまして、「ただし、より成果として重要な誌上発表(査読あり)の数はほぼ平均の件数と同じであり、主に口頭発表の件数の低下の影響によるものである。発表件数の低下は、中長期目標の目標期間の初年度であることから、発表の段階まで至る成果が少なかったためと考えられ、今後の研究成果の発表件数増に向け、着実な進行管理等研究環境の整備に努めていただきたい。」といったコメントを追記させていただいております。

 続きまして、資料4の2ページに戻っていただきますが、1.(3)国内外機関とのネットワーク・橋渡しの拠点としてのハブ機能の強化の部分でございます。こちらにつきましては、「気候変動、災害マネジメントに関するプラットフォーム機能への期待は高く、福島支部、琵琶湖分室の設置も高く評価できる。国際共著論文発表、IPCC報告書での貢献等国際的なプレゼンスも高く評価できる。A評価に異存はない。」といった意見。

 3ページの上のほうになりますが、国内的な中核機関としての役割はきちんと果たしているが、国際的にも中核機関となりうることは期待されている(特にアジア地域など)と考えられ、これまでに確立された国際的ネットワークを活かして存在感を高めてもらいたい。」といった意見。

【花木会長】 途中だけど、これはミスタイプですね。「中間機関」じゃないですよね。国内的な「中核機関」ですね。

【事務局】 すみません。ご指摘の通りです。修正いたします。

 一方で、下から三つ目の意見になりますけども、「中核的研究機関としての研究連携の強化は進展している。しかしながら、その特筆すべき成果が、一般的にあまり広報されていないのが残念である。」といった意見もいただいてございます。

 こちらにつきましては、資料3の12ページをご覧下さい、①の中核的研究機関としての研究連携の強化の部分につきまして、「国際的な部分ということで、二国間協定の枠組みのもとで、6カ国の研究機関と連携し、14件の国際共同プロジェクトを実施した。」ということを入れさせていただいております。

 また、②のプラットフォーム形成による国内外機関との連携の部分につきまして、前回の審議会のときにちょっと話題になりましたが、「気候変動適応情報プラットフォーム」が昨年度立ち上がっておりますので、そのことにつきまして、「28年に新たに設置した適応の情報基盤である「気候変動適応プラットフォーム」」についても実施しているということで入れさせていただいております。

 また、一番下の部分になりますけども、IPCCの部分についても意見等がございましたので、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)に関しては、第5次報告書においての全60章中50章に国環研研究者の論文が引用されるなど大きく貢献をしております。第6次報告書に向けて引き続き貢献中といった形で、国立環境研究所の自己評価の部分を引用し、修正をさせていただいております。

 続きまして、資料4の3ページに戻っていただきます。研究成果の積極的な発信と政策貢献・社会貢献の推進という部分でございます。こちらにつきましては、ご意見といたしまして、「研究成果の発信・提供については、誌上発表数と査読付き発表論文数は順調に増加していることが確認された。また、相対被引用度が世界標準を上回っており、質の高い論文を発表していることは大いに評価できる。」といった意見をいただいております。

 また、「ホームページの充実、国や地方公共団体の審議会等への参画、公開シンポジウムや施設公開等を通じた活発なアウトリーチ活動は、政策貢献や社会貢献の推進に大いに役立っている。」といったような意見。

 一方で、上から三つ目のご意見でございますが、「多くの指標が第3期よりも活発化しているのに対して、審議会等への参加件数が総数、一人当たりの件数でもやや低下している点が気になる。理由などの分析が必要ではないか。」といった意見をいただいております。こちらにつきましては、特段、資料3への反映はしておりません。

 1枚めくっていただいて、資料4の4ページになります。2.環境情報の収集・整理及び提供に関する業務では、「「環境展望台」の充実化と「環境GIS」の改修が、第3期に引き続き実施されており、このことが、国民の環境問題や環境保全に関する理解を深めるのに大きく貢献していると思われる。」といった意見をいただいております。

 また、上から二つ目のご意見でございますが、「環境研のwebには国民視点の疑問がわかりやすく解説しようとする姿勢が見られ、大変高く評価している。ユーザーからの質問等への対応状況はいかがか?」という意見をいただいております。こちらについても、特に、資料3への反映はしてございません。

 こちらからのご説明は以上でございますが、国立環境研究所から補足のご説明等ございましたらよろしくお願いいたします。

【原澤国立環境研究所理事】 研究担当理事の原澤でございます。

 委員の先生方からは、本当にいろいろなご意見いただきまして、これをもとに、また研究を進めてまいりたいと思っております。今のご説明の中で触れられた点について、若干追加の説明をさせていただきたいと思いますが、例えば、資料4の2ページにあります災害マネジメント関連については、今後、非常に重要になるということで、まさにおっしゃるとおりでございまして、D.Waste-Netという仕組みの下で、研究成果を活用したり、あるいは机上のいろんな演習で人材育成をしたりとか、特に今回の場合は震災を中心にした研究、調査でございますけれども、いろいろな災害の際に環境影響があるといったことで、そういったところについても研究を進めていくということで考えてございます。

 その下にございます2ページの真ん中辺に、科学的知見の創出等に関する推進ということで、こちらは基盤的研究ですとか、研究事業というところのご評価をいただいております。誌上発表が、口頭発表も含めて3期の平均を下回っているということで、精密な分析をしたわけではないですけれども、先ほどご紹介があったように、初年度ということもあって、口頭発表が少なくなっているということがあります。口頭発表も非常に重要な研究成果の発表ですし、口頭発表の次に誌上発表するということもありますので、今後こういった誌上・口頭発表数を増加するように研究運営をしていきたいと考えてございます。

 3ページの上のほうでございますけれども、国内の中核研究機関、さらに国際の中核研究機関ということで、それぞれの研究プログラム、それぞれの研究センターが比較的いろいろな形で海外とのネットワークもつくってやっております、所全体がなかなか見えないということで、今後は所全体でもちゃんと見える化を図った上で、どんな成果が出ているかをきちんとご報告して、また、ご評価いただければと思います。特にアジア地域については、いろんな国を対象にしてやっておりますけれども、それぞれのグループが違いますとお互いに情報・意見交換もなかったりしますので、そういったところは所全体として見て、よりうまい形で国際拠点づくりを進めていけたらと考えてございます。

 3ページの下のほうにつきまして、審議会等の参加、いわゆる委員としての参加ということで、若干言い訳がましくなりますけども、退職されてフェローという形で研究所に残っていらっしゃる方が引き続き審議会等に出ていただいて活動を続けていただいています。研究職員という範疇で数えますと今期は減ってしまったということではありますけれども、そういったフェローの活動なんかも重要性は増してございますので、その統計のとり方も少し考えて、また、いわゆる専門性に応じて委員の委嘱等々がございますので、我々もしっかり次の世代、若い人たちにもこういった活動をより活発にしていただくような方向で検討していけたらと考えてございます。

 追加的な説明は、私からは以上です。

【立川国立環境研究所理事】 1点だけ恐縮です。4ページの一番上、環境情報について質問いただいております。具体的には、上から二つ目のボックスでありますけれども、ユーザーからの質問の対応状況について、どういうふうにしておりますかということをいただいております。この点につきましては、環境GISの見方に関する問い合わせ、それからこのサイト、私どものサイトで得られた知識を掘り下げるための質問等をそれなりにいただいておりまして、随時回答させていただきまして、より詳細な情報源への案内等を環境情報部において行っているところでございます。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 それでは、今から委員の先生方からご意見をいただきたいと思います。今回に先立ちまして、委員の方々からいただいたご意見を全部は記載することはできませんので、一部を記載するという形になっております。それがいわば、恣意的にいいところばっかりとっているといけないと。そこのバランスを見ていただきたいということであります。その辺りも含めてご意見いただければと思います。

 最初に私から、口頭発表のことで確かめたいことがあるのです。それはどういうことかというと、口頭発表が少ないということは学会に行った数が少ないということですよね。それは旅費が制約になって少なかったとか、あるいは新しい中長期計画に入ったので、中長期計画が始まる前から、今回の例えば海外出張が予定できなかったとか、そういうことはないですか。そこは大丈夫ですか。

【原澤国立環境研究所理事】 学会参加費あるいは旅費等については、比較的確保されていると思います。むしろ初年度で、特に、問題解決型のプログラムについては大分再編したところがございまして、温暖化関係は低炭素プログラムという形で、ほぼ主流としてまとまっているのですけれども、安全確保の研究プログラムについては、従来のいろいろな研究グループを束ねたり、そういう研究計画と初年度の立ち上げということで、若干、口頭発表は減ったと思いますが、逆に言うと、2年目辺りからだんだん増えていくんではないかと思います。その辺は、やはり研究所ですから論文数等は非常に重要な指標だと思っております。今後、研究をどのように活性化、運営していくかということで、さらに検討してまいりたいと思います。

【花木会長】 ありがとうございます。

【大久保会長代理】 ありがとうございます。私のコメントではないんですけれども、私自身もやや気になったところが、1.(1)①とか、それから2ページ目にも、今の口頭発表のところにも関わりがあるんですけれども、1.(1)①の下から二つ目のコメントで指摘されていることなんですけれども、外部評価委員会の評価って、確かに平均はすごくいいんですけれども、小まめに資料を見たら、結構すごく上のほうに固まっているものと、正直そうでもないのがあって、上だけのをとればもっともっと高い平均になるんですけれども、そうでもないのもあるということで、多分このご指摘もその話で、その中で、私自身も書こうかどうしようか迷ったことが、各プロジェクトの連携をもっととるべきであるというご指摘が、外部評価委員会から何度も繰り返し出ていたので、ここのところに関しては、何か国環研のほうでコメントがあればと思うんですが。

【原澤国立環境研究所理事】 ありがとうございます。今回、五つの課題解決型研究プログラムということで、これまでも進めてきた研究をある程度、社会実現に資する研究ということでまとめて、スタートしたわけですけれども、例えば、安全確保の研究プログラムにつきましては、八つのプロジェクトから構成しております。そのうち一つのプロジェクトは、構成するプロジェクト全体を取りまとめるという総合的なプロジェクトにしまして、プロジェクト間に連携がとれる工夫をしています。また、プロジェクトが三つ、四つある研究プログラムでは、基本的に少し違うことをやっていますので、それを全体として、当初の目的の低炭素社会ですとか、循環型社会にどう結びつけるかというようなところは、そのうちの一つのプロジェクトを中心に取りまとめをする工夫はしております。

 プログラム間の連携は外部研究評価でも指摘されていまして、低炭素社会と資源循環とか、最終的に統合化するということで統合研究プログラムをつくってはいるのですけれども、統合というのはどういう意味だというのが議論になりまして、そこは環境・社会・経済の統合であったり、また、プログラムの中のいろんなプロジェクトの統合であったり、いろんなレベルがあったりするので、そこはみんなで考えながら現在研究を進めているということで、そういう意味では、五つの研究プログラムを最終的には統合プログラムでまとめたいと思っていますけれども、チャレンジしている課題が非常に大きいということで、低炭素社会づくり等に資する研究成果をどんどん出して、それをもとに社会づくりに貢献したいということでございます。

【大久保会長代理】 ありがとうございます。外部評価の結果のばらつきにつきましては、私はどう推測したかというと、同じ委員が全部を見て相対評価でつけているわけではなくて、いろいろな委員の方がご専門のプロジェクトごとに見ておられると思いますので、そうすると、厳しい方とそうでもない方みたいなのもいらっしゃるかもしれないので、必ずしもそれだけ見る必要はないかなと思ってコメントには入れませんでした。

【原澤国立環境研究所理事】 委員の先生方には、全部見ていただいています。ですから、分野が異なる方も違う分野の評点もつけていただいていることは確かだと思います。ですので研究の内容や研究のやり方とか、最終的な目標とか年度計画の達成状況とか、いろんな視点でご評価いただいているということでありますので、一人の先生に全て見ていただいている。それがいいのかどうかという話もあるかとは思いますけれども。

【大久保会長代理】 ありがとうございます。統合に関しましては、一般的に国環研の話だけではなくて、統合が重要、重要というんですけれども、じゃあ、統合って何だというのは私自身も課題になっているところだと思いますので、同じ課題かなと。私自身も大変重要な課題かなと思っていますが、じゃあ、どうしてくださいという具体的なアドバイスみたいなことまではできないので、私自身はこのままでいいかなと思いました。

【花木会長】 少し補足すると、今これまでの説明では、最終的な評価書である資料1は見ずに今説明をお伺いしているわけですけれども、資料1にはさらに詳しく書いてあります。例えば、今のポイントは、ちょっとご覧いただきたいと思いますが、15ページだと思うのですけれども、15ページの真ん中に業務実績というところがあって、そこにそれぞれのプログラム全体としての体系や構成が明確に説明されていないと指摘があったと。外部評価でそういう意見があったというのはここに書いてあって、だけど、それ以上は踏み込んではないんだけど、一応そういう問題点はあるというのは、詳細にはここに記載されていると、そういうことだと理解します。この場所でいいんですよね。

【行木環境研究技術室長】 そのとおりでございます。

 それから、続きまして16ページに全般の項目別の評定として、自己評価、それから環境大臣による評価・評定、4番にその他参考状況として審議会の意見等ということで、ここで、資料4の中で青字になっているものをまとめさせていただいているところです。

 今の先生のご指摘を踏まえますと、このご意見のところに追記をした方がよろしいでしょうか。

【花木会長】 書かなくてもいいという感じではないですか。そういう問題があったというのはどこかに書いてある必要があって、それはこの本文のところに、外部評価でそういう指摘があったというのは書いてあるので、それでいいのではないかと、私はそういう意味で申し上げました。

【大久保会長代理】 そうです、そうです。

【行木環境研究技術室長】 わかりました。

【花木会長】 いかがでしょうか。

【沖委員】 前回、欠席させていただいて申し訳ございませんでした。第5のほうで拝見させていただいて、いろいろと意見を書かせていただいたのですけども、去年に比べまして、資料2を見ていただきますとはっきりとしておりますけれども、去年の場合は、すごくやっていらっしゃるのに、どうしてAにならないのと、私は思っていたのですが、今回は、特に第3のところで、きれいにAが並んだということに対して、どう理解すればいいのか考えておりました。非常にうれしいことですし、Aとして問題ないと思っております。

 ここは、今までの項目の書き方、あるいは今度初めて28年度から始まるということで、国環研のほうでいろいろプログラム等々、再検討なさってこういう形になったのではないかと思っておりますので、非常に宜しいのですが、ただ、ちょっと心配なのは、初年度でこれだけいい評価になりますと、残る年度はこれを基準に評価してしまうので、この辺は逆にちょっと、これから大変なのかなという感想を持っております。ということは、ここに書かれている良い評価だけではなくて、少し今後この辺のところもご留意くださいということが、ちらちらと入っているほうが良いのかどうか、その辺のところをご検討いただいているほうが後々良いのではないかと感じました。いかがでしょうか。

【原澤国立環境研究所理事】 先生のおっしゃるとおりで、最初Aをとってしまうとその後はSしかないものですから、逆に言うと、今回は非常にいい評価をいただいたのですけど、やっぱりこういう点はしっかり改善しなさいというコメントもいただいていますので、そういった改善点、連携の話ですとか、研究以外のいろいろ拠点の話ですとか、成果の発信なんかはまだまだやるべきことはたくさんあると思っておりますし、特に、福島支部の活動につきましては、先生方からご意見いただいたように、地元との連携、さらにその発信と、さらに日本だけじゃなくて世界にそういった経験をしっかり伝えるということで、まだまだ本来やるべきこともあったりしますので、そういったところも常に考えながら一歩二歩ステップアップして、また次回もAをいただけるように、部分的にはSがとれるような形で頑張りたいと思います。どうもありがとうございます。

【花木会長】 Aが並んでいることについて、私の理解は、重要度及び難易度という視点を今回はかなり明確に組み込んだことによってAになったと思うんですよね。従来よくある、さまざまな事業でAというのは、予想よりも多くなきゃいけないとか、そういうんだと次の年に困るわけですけど、そうではなくて、きちっとやっておられて、ただ、やっておられることの難易度が高くて重要だということでAになっているということであれば、そのAを続けていくのもそう難しくはないのかなとは思っております。

 前回は、その重要度・難易度というのを組み込む、昨年もそれは可能だったんですかね。だけど、あまりそれを適用しなかったということですね。前回も外部評価はありましたが、今回、外部評価のことも参考にして、重要度・難易度というのをかなり表に出して説明されました。評価の考え方として、難易度が高いものは1段階、自動的にアップするというのがありましたけども、それが適用された結果かなと思っております。

 いかがでございましょうか。

【大久保会長代理】 前回聞き漏らしたので1個お聞きしたいと思います。

 災害支援なんですけれども、今回の評価対象ではないんですけれども、実際に災害の現場に、熊本とかあっちこっちに行かれている分というのは、そういうのがあるとその支援要請に応じて行く分については、予算が別途どこかから特別についたりするんでしょうか。それから、災害環境マネジメントって忙しい研究をずっとやっていらっしゃると思うんですけれども、そこに何週間か張りついたために研究に支障が出るとか、それこそワーク・ライフバランスの関係で、ちょっと残業になっているとか、そういうような状況はないんでしょうか、大丈夫なんでしょうか。

【原澤国立環境研究所理事】 私どもは災害後の廃棄物の処理ですとか、災害に関連していろんな化学物質が飛散しないかとか、そういった面で、たとえば熊本地震の際も発生してすぐ二人ぐらいですかね、すぐ現地へ飛んでいって、その状況を見ながら、現地の地方環境事務所とも協力してやっていくということで、この費用については、研究所の費用で賄っているということであります。

 現地に行った方々は、本当に大変な作業をやっていらっしゃるので、ワーク・ワークバランスみたいな感じになりますが、そういった状況のときにどうするか、我々はそういった緊急時にすぐ飛んでいく組織ではないものですから、どっちかというとボランティアベースでやっていたりするので、今後がやはり環境省、ほかの省庁ともうまく連携をとれるような、まさに体制づくりというのが重要になってくると思います。そうすると、人と予算をどうするかというのは、これからの課題だと思いますが、その辺が、やはり災害環境マネジメントという研究をやっていく一つの出口として、今後検討していかないといけないと思いますし、全省庁的に動いているのですけれど、お互いの情報交換がなかなかできてないところもあるようで、さらに環境省と環境研は廃棄物など別の視点で動いたりしますので、そういう意味で災害時にやはり全省庁、環境研も含めて一体となって活動ができれば、すぐ対応はできるし、環境面でも我々も頑張れるのではないかということで、環境研だけの問題、環境省だけの問題というよりか、むしろ全省庁的な問題でもあるという感じは思っております。ただ、非常に難しいですけれど、やらなきゃいけないことだなと思っています。

【大久保会長代理】 ありがとうございます。そうしますと、1個でも大変だったのに、これから災害がいろいろ増えてきて何個にもなってくると、なかなかボランティアベースで、今まで同様には対応できないかもしれませんし、かといって、もう国環研はそこまではやりませんと、全部お断りしますということはできないという今の位置づけかと。

【原澤国立環境研究所理事】 はい。環境省を中心にD.Waste-Netという体制をつくっており、その中核的な役割を担っておりますので、起きたらすぐ対応するというのが我々の役目であります。それがまた次の研究にもつながりますし、得られたデータというのは非常に重要なデータですので、そういったものを生かすという意味では、研究と不可分な活動かなと思っております。

 さらに、ご説明しましたけれども、いろんな県の方々と机上の演習をやって、起きたときにどうするかというようなことを演習でやることによって、そういった人材育成なんかも非常に効果があったと評価もされているので、そういった面でも、得られた研究成果を活かす一つの場として使っていけるのではないかと思います。

【立川国立環境研究所理事】 1点、補足申し上げます。災害関係の研究でございますけれども、化学物質と災害について、今年度、私ども環境省のいわゆる推進費の戦略枠のフィージビリティスタディ、FSを私どもの研究所の者が代表を務めてやっております。本格研究は、今年度はFSということですので、まだでありますけれども、その中では、地方の環境研究機関、地方の消防部局ですとか、そういったところとどうやって連携をして、実際の体制を構築していくのかといったところも研究のテーマにしていこうということで検討しておりますので、そうした知見を実際の社会に反映させていくということで考えてまいりたいと思っております。

【大久保会長代理】 そういたしますと、ひょっとしたら他の関係機関との連携、人材育成も含め、組織、予算の充実等による体制の確立を検討すべきというような文言が入ってもいいのかなという気がするんですけれども、いかがでしょうか。

【花木会長】 いかがでしょうか、今の。入れるとすると、それは審議会からの意見というところに入るのですか。

【行木環境研究技術室長】 もし、よろしければ、資料1の該当部分の審議会からのご意見ということで、今のお話を触れさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【花木会長】 いかがですか。よろしいでしょうか。 (はい) 【花木会長】 そのようにいたしましょう。

 あと、いかがでしょうか。ご意見いただければと思いますが。

 前回それぞれかなりご意見もおっしゃっていただいたので、それは反映しているということで、今日はあまりご意見が出ないようでございます。

 それでは、よろしければ、次の部分に進んでいただけますでしょうか。

【事務局】 引き続き、第4から第6の部分についてご説明をさせていただきます。

 資料は資料3と4ということになります。資料4の4ページの部分でございますが、第4.業務運営の効率化に関する事項という部分の1.業務改善の取組に関する事項。こちらについては、「経費効率化の取り組み、調達の合理化等、実直かつ堅実に進められていると評価する。」という意見をいただいております。

 赤字になっておりますが、これは資料3に反映をしているものでございます。まず一つ目といたしまして、「運営交付金の効率化係数に対して、「交付時点で目標達成」というのはあまり意味がないのではないか。」という意見。それと、二つ下になりますが、「調達にあたっては、エネルギーを含めて、グリーン調達など環境研としての社会的責任についても考慮すべき。」という意見をいただいております。

 資料3の19ページをご覧いただきたいと思います。①経費の合理化・効率化の部分につきまして、1項目追加をさせていただきました。上段で、当初は「効率化係数以上の削減を達成している」と書いておりましたが、「効率化係数部分の削減を達成している」と。二つ目といたしまして、「対象外経費の部分を除いた業務経費の決算額は前年度に比べて28.02%減少し、一般管理費は独立行政法人会計基準の改正に伴い、前年度まで業務費に計上されていた経費の一部を一般管理費として整理したことにより、4.56%増加した」と、全体としては決算額ベースで見れば減少しているといった文言を追加させていただいております。

 また、③の部分、調達等の合理化について成果として、「一者応札・応募割合が減少」ということで、実績は前回も書かせていただいておりますが、合理化計画そのものについても目標を達成したという文言を追加させていただいております。

 また、グリーン調達の部分ですが、資料3の36ページをご覧下さい。業務における環境配慮等というところで、国立環境研究所の自己評価のほうにも少し書かれていたのですが、今回は抜いておりまして、一番最後の部分に、「環境物品等の調達の推進を図るための方針」に基づき環境に配慮した調達を実施したということを追記させていただいております。

 また、ご意見の中で、人件費の部分ですけども、資料4の上から四つ目の意見で、「人件費などは、優秀な人材確保との関係もあり、ラスパイレス指数だけで測定するのは適切と言えるのか?業務に関するインセンティブをどのように考えるかなど検討は必要ではないか?」といった意見。

 一番下の部分になりますが、「業務の適切化が過度な管理業務の増加を招いていないか、より効率的な管理はどうあるべきかについて、今後、是非取り組んでいただきたい。」といった意見をいただいております。

 続きまして、2.業務の電子化に関する事項の部分でございます。こちらについて5ページになりますが、「電子ジャーナルの購入形態の見直しや、web会議の積極的利用等着実な取り組みが行われていると評価する。」といった意見をいただいております。

 一方で、「事務の電子化を促進することにより、研究者のエフォート配分を研究寄りに増加させたり、職員全体のワーク・ライフバランスを改善したりするなどの方策を考えた方がよいのではないか。」といった意見もいただいております。こちらについては、資料3に反映はしておりません。

 続きまして、第5.財務内容の改善に関する事項でございます。こちらにつきましては、「バランスのとれた収入の確保については、第3期中期目標期間の年平均値とほぼ同様あるいは若干低下したが、今後、どのようなバランスが最適であるのか、検討しながら改善を進めて頂きたい。」といった意見をいただいております。

 また、上から三つ目ですが、「外部資金の間接経費の使い道についての議論もしてもらいたい。」といった意見。

 項目の一番下になりますが、「科研費など、研究を推進するための外部資金については、引き続き、積極的な獲得が望まれる。このことは、業務改善とも密接にかかわっているので、これらを横串を通してみた検討・計画を是非進めていただきたい。」といった意見をいただいております。こちらについても資料3に反映はしておりません。

 続きまして、第6.その他の業務運営に関する重要事項です。1番目といたしまして、内部統制の推進。こちらにつきましては、「リスク対応のためのコンプライアンスの推進については、委員会に新たに外部有識者を招聘して、各種法手続きが適正に行われているかを確認する仕組みを図ったことは、高く評価する。」といった意見をいただいております。こちらも資料3には追記等はございません。

 続きまして、2番の人事の最適化。6ページになりますが、「優れた人材確保のため、クロスアポイントメント制度や年棒制を導入したことは評価するが、今後、効果を確認する作業が必要である。」という意見をいただいております。

 また、上から二つ目、「研究者のエフォート配分などについても情報がほしい。研究所は研究成果を最大化すべきであり、研究者のエフォートバランスは重要だと考える。」といった意見をいただいております。こちらも資料3に反映はしておりません。

 3番の情報セキュリティ対策の推進の部分につきまして、「全職員を対象に情報セキュリティ研修を実施するなど対策を進めているが、セキュリティ対策の恒常的な見直しが今後必要と思われる。」といった意見をいただいております。

 続いて、4番、施設・設備の整備及び管理運用でございますが、「計画的な更新・改修のための基礎調査が必要である。」といった意見。

 「計画通りに着実に実施されているが、一部施設の老朽化が進んでいることから、近い将来の大規模改修をにらみ、研究に支障を生じないような体制の確保が重要である。」といった意見をいただいております。

 また、スペースの効率的利用とスペース課金の部分ですけど、一番下から二つ目ですが、「課金制度がスペースの効率的な利用と連動しているかは常にチェックする必要がある。」といったようなご意見をいただいております。

 5番目の安全衛生管理の充実の部分ですが、「職員のメンタルヘルスケアは多くの研究機関でも重要な案件である。ストレスチェックやその後の面接指導等、適切な体制が取られていると評価する。」といったご意見。

 また、その下で、「職員のワーク・ライフバランスに関しても留意することが必要ではないか。」といった意見をいただいております。

 一番上の部分ですけども、「妊娠中の女性職員の健康管理上の配慮、障害を有する職員の健康管理にも留意する必要がある。」といった意見をいただいております。

 6番目の、業務における環境配慮等ですが、こちらは、「節電に努め、成果を挙げている点は評価される。」といった意見がございました。

 こちらのほうは資料3に反映しているようなものはあまりないのですが、以上でございます。

【行木環境研究技術室長】 1点だけ補足でございますが、前半のご説明と同様に、資料4で青字になっているものは、資料1に審議会からのご意見ということで記載をさせていただいております。

 以上でございます。

【原澤国立環境研究所理事】 環境研究所から若干質問いただいたことについて、資料4をベースに補足申し上げたいと思います。

 まず、資料4の4ページ、第4、業務運営の効率化に関する事項の部分でございます。基本的に業務運営の業務効率化の、特に電子化でございますけれども、私どもといたしましても中長期的に業務負担の軽減ができますように、所内に設置いたしました業務効率化ワーキングにおいて検討しながら進めているところであります。いたずらに電子化してしまいますと、例えばPDF化するのが手間になるとか、一つ一つ確認ができないとか、確認の形跡が残らないとか、いろいろな問題ございますので、そうしたことがないような範囲でしっかり取り組んでまいりたいと思います。

 それから、ラスパイレス指数でございますけれども、これは所管の立場としては、やはり取組が注視されているということには留意しなきゃいけないと思っておりますが、そういったことに留意しつつ、すぐれた人材の確保、それから適切な職務・業務実績の評価、こういったものを進めてまいりたいと考えております。

 それから、同じくグリーン調達について、社会的責任についても考慮すべきというご質問をいただきました。国立環境研究所におきましては、グリーン購入法に基づいて、個別の特定調達物品等について、目標を示して調達しておりますけれども、そのほか電力調達に当たりましても、「環境配慮契約法並びに国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本方針」という非常に長い名前ですが、こういった閣議決定がございまして、これに基づくグリーン調達を実施しております。具体的に電気事業者のCO2係数、環境負荷低減に関する取組状況等を評価して、一定点以上のものを対象とした一般競争入札というやり方をやっておりまして、裾切りを行うような形でグリーン調達を行っているという状況にございます。

 続きまして、5ページ目の財務内容の改善に関する事項でございます。外部資金についてでございますけれども、現在、確保のための支援といたしまして、申請書のチェックですとか、内部のヒアリング、こうしたものを実施しております。こうしたものを一層積極的に実施いたしまして、外部資金の確保をしてまいりたいと思っております。なお、外部資金の間接経費でございますけれども、私ども間接経費の30%相当額を運営交付金として獲得チームに還元するというやり方で、外部資金の獲得のインセンティブを確保しているというやり方をしております。

 それから、続きまして、5ページの下のその他の業務運営でございます。6ページに入っていきますが、人事の最適化でございます。エフォートでありますけれども、ユニットごとのペーパーの情報というのは、私ども集めております。ただ、結果の確認がなかなか容易でないという部分があるのですけれども、今後どのような分析が可能かということで所内で検討してまいりたいと思っております。

 それから、引き続きまして、6ページの下のほうの安全性管理の充実に関連いたしまして、ワーク・ライフバランスであります。ワーク・ライフバランスについては、長時間労働是正に向けた取組について、毎月、衛生委員会を開催して、そこで確認をして実行しているほか、多様な勤務時間の設定、次世代育成支援等を進めておりまして、あと、法令の動向もかなり進んでおりますので、こうした取組について、しっかり反作用的なことにならないようなことも留意しつつ、引き続き推進してまいりたいと思います。これらのことについては、ある意味では、研究開発法人共通の部分ではありますので、国立研究開発法人協議会等とうまく連携していきながら、他の法人のよい事例とかも参考にして、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

 以上でございます。

【花木会長】 はい。ありがとうございました。ご意見いかがでしょうか。

 前も出たんですが、こうやって全部Bだけど、しようがないですかねということですね。業務だからそう飛び抜けた評価は難しく、きちっとやるとBということですからね。

 いかがですか。

【沖委員】 資料4の5ページの一番上にありますが、電子ジャーナルの購入形態の見直しのところですが、思い切って研究所でこれをやっていただいたことは非常にうれしいですけれども、見直しをした直後には、その弊害がわからないんですね。1年、2年たつとパッケージでない、その痛さがわかってくるというところですが、今のところ問題が出ていらっしゃるでしょうか。見直しをなさったことで、A評価させていただきましたけども、その後のことが気になったので、お教えいただければありがたいですが。

【国立環境研究所担当者】 担当でございます。毎年、電子ジャーナルにつきましては、利用状況、統計を解析し、閲覧される数が少ないのに契約金額が高いようなものは見直しをする対象としており、所内の委員会で研究者の皆さんの意見を聞いて、それを継続するのか、あるいは個別の文献複写に切りかえるのかといったことをタイトルごとに検討しております。

 先生がおっしゃられたような懸念も常に意見としては出ますが今のところ顕著な問題までは起きてはおりません。この点につきましては、今後も注視してまいりたいと思っております。

【沖委員】 ありがとうございます。この点だけでしたらAですが、残念ながら他のことを加味してBということですが、英断していただいたと思っております。また、これからどういう状況になるのか、注視していくことが必要ではないかと思っております。

【花木会長】 いかがでしょうか。

【大久保会長代理】 ほかの先生方のコメントを見て、研究の資金獲得のインセンティブとか、それから研究者がちゃんとエフォートバランスで研究中心に構成されているのかということが重要だというご指摘が幾つもあるんですけれども、この点で、昨年でしたっけ、見学に伺ったときに、リサーチ・アドミニストレーターではないんですけども、何か中間的なことをやってくださる方がいらっしゃって、それがとても特徴的で、おもしろい取組だと思ったんですけれども、その方のことはどこかに書いてあったでしょうか。今、記憶でぱっと見てわからなかったんですが、もし書いてないのであれば、とても重要なおもしろい取組だと思いますので、どこかで触れたほうがいいのかなというふうに思いました。

 あと、ついでに、たまたま見つけたので言いますけれども、資料1の125ページの①の優れた人材の確保の1行目ですけれども、「特認フェロー」と、「認める」という字になっていますけど、これはにんべんの「任」ですよね。たまたま見つけたので、忘れないうちに言っておきます。

【花木会長】 先ほどのアドミニストレーターなどは資料1で、もし入るとすると、120、121ページをご覧になって、見当たらなかったということですよね。

【大久保会長代理】 斜め読みなので、どこかにあったのかもしれません。

【花木会長】 特別研究員、準特別研究員、リサーチアシスタント。これはもともとの環境研の本体のほうにも書いてなかったのでしたか、どうでしたか。

【原澤国立環境研究所理事】 リサーチ・アドミニストレーター(RA)につきましては、この前、見学時に少し発言させていただいた彼女は契約職員として、アドミニストレーターの役割を担っているということなものですから、所としては、いわゆる契約職員の特別研究員等になります。その中の職種としてRAなどについては、今お話があったように、今後しっかり伸ばしていく必要があると思っております。

【花木会長】 恐らく我々があのときに会わなかったほかの方でも、いろんな役割を担っておられる方が契約職員でおられるということですかね。

 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 そうすると、今、前半部分、後半部分に分けてご意見いただきまして、一部、ここを直したほうがいいというご意見をいただきました。そこについては、事務局で修正していただいて、その評価書(案)をこれから確定していくということです。

 資料1については、これはこういうものを今つくっているというご説明でよろしいですか。今、議論の中で少しずつ参照いたしましたけども、最終的には資料1が正式なものということですね。

【行木環境研究技術室長】 そのとおりでございます。最終的には資料1の案をとったものを提出するということとなります。ただ、大事なところは資料3で記載させていただいておりますし、また、この中で審議会委員からのご意見として資料1に書かせていただいているものは資料4に入っておりますので、ポイントとなるところは資料3、4の中でご確認をいただいているというところでございます。

【花木会長】 資料3と4で本日議論いただいて、本日いただいたコメントも、資料1に反映されるということになりますね。特に審議会の意見というところではそうなるということであります。

 そうすると、最終的に資料1を我々委員はいただいて、ざっと目を通して数日中に返すということになりますか。その辺のスケジュールもちょっとご説明いただけますか。

【行木環境研究技術室長】 かしこまりました。そういたしましたら、関連いたしまして資料5をご説明させていただいてよろしいでしょうか。

【花木会長】 予定というやつですね。

【行木環境研究技術室長】 はい。「今後の予定」という縦型の資料でございます。大きな予定を最初に申し上げますと、本日ご意見をいただきまして、評価書(最終案)の委員宛送付を8月28日頃としておりますが、それだとあまりにも先生に見ていただく時間がございませんので、明日中に電子メールでお送りできるようにさせていただきたいと思っております。

 資料1もかなり大部でございますので、もし、よろしければ、この中で本日のご指摘を踏まえて変わった部分だけをお送りさせていただくということではいかがでしょうか。そうではないほうがいいですか。

【花木会長】 そうではないほうがいい。例えば、木本先生は電子的なファイルのほうがいいですよね、これをご覧になるのも。ですから資料1全体を送っていただいて、あるいは修正部分を別にするなり、そこに色をつけるなり、そのようにしていただいたほうがいいです。

【行木環境研究技術室長】 それでは修正部分をわかりやすく表記するなり、別途変更部分をわかりやすくお知らせするなりの工夫はしつつも、全体の資料1の案をお送りさせていただきます。かしこまりました。そのようにいたします。

 冒頭でも申しましたが、その後といたしましては、8月31日までに独立行政法人評価制度委員会へ、資料1の案のとれたものを提出するということとなっております。

 その後、独立行政法人評価制度委員会で審議がなされまして、必要に応じて先方から中間報告が来るということで、それが10月上旬の予定です。

 最終的には、この評価制度委員会からの評価点検結果が11月末ごろ来るといった予定となってございます。

 そういたしましたら、繰り返しでございますが、本日の議論を踏まえ修正いたしました資料1全体を電子ファイルで先生方にお送りします。その際、変更した部分をわかりやすく何か工夫してお知らせさせていただきます。

 大変恐縮ですが、31日までに提出する必要ございまして、何かご意見がございましたら8月29日のお昼ごろまでにご連絡をいただきたいと思います。お忙しい中、大変申し訳ございません。よろしくお願い申し上げます。

【花木会長】 はい。日本中でみんな8月31日締め切りというので動いているということですので、これはもうしようがないということですね。各研究所が大変な目に遭っているということになります。

 その他、以上でよろしいですか。

 もし、ほかの委員の先生からもなければ、本日はちょっと時間が早いですが、これにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。