第1回 環境省国立研究開発法人審議会 会議録

日時

平成27年7月22日(水)9:01~12:18

場所

中央合同庁舎4号館12階 1214特別会議室

議題

(1)国立研究開発法人制度の概要について

(2)審議会の運営について

(3)平成26年度国立研究開発法人国立環境研究所業務実績報告及び第3期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績報告について

(4)調達等合理化計画に係る第3期中期目標の改定について

(5)その他

配付資料

資料1 環境省国立研究開発法人審議会委員名簿

資料2 国立研究開発法人制度の概要について

資料3 環境省国立研究開発法人審議会運営規則(案)

資料4 平成26年度 業務実績等報告書

資料5 第3期中期見込み業務実績等報告書

資料6 平成26年度/第3期中期見込み 業務実績等報告書 資料編

資料7 平成26年度 決算関係書類

資料8 平成26年度 監査報告書

資料9 平成25年度業務実績評価書(平成26年8月22日環境省独立行政法人評価委員会決定)の評価に対する対応状況

資料10 その他の指摘事項等への対応状況

資料11 平成26年度業務実績に対する意見シート

資料12 第3期中期計画業務実績見込に対する意見シート

資料13 平成26年度政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項に係る対応への意見シート

資料14 独立行政法人における調達等合理化の推進に伴う中期目標等の変更について(平成27年6月26日総務省行政管理局管理官事務連絡。別紙を除く。)

資料15 平成26年度業務実績評価等に係る今後の予定

出席者

委員

花木啓祐会長、衛藤隆委員、沖陽子委員、木本昌秀委員、高橋隆行委員、中静透委員

環境省

大臣官房

中井審議官

総合環境政策局

吉川環境研究技術室長

黒川環境研究技術室長補佐

国立環境研究所

住理事長

原澤理事

石飛理事

小林監事

天野監事

榑林企画部長

横山総務部長

柳橋環境情報部長

議事録

【吉川環境研究技術室長】 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第1回環境省国立研究開発法人審議会を開会いたします。

 私、環境省総合環境政策局環境研究技術室長の吉川と申します。

 本日は、委員の皆様方、ご多忙のところ、この審議会にご出席いただきまして、ありがとうございます。

 本年4月から、独立行政法人通則法という法律の改正により、もともと研究開発を主な事業とします独立行政法人を国立研究開発法人と新たに位置づけました。この国立研究開発法人の評価につきましては、従来、各省に設置した独立行政法人評価委員会が行っておりましたが、これにかわりまして、法人を所管する主務大臣が行うことになり、主務大臣が助言をいただく機関として、研究開発に関する審議会を各省で設置することになりました。この審議会では、新たな仕組みに基づきまして、国立研究開発法人国立環境研究所の業績評価などにつきまして、専門的な見地から先生方のご意見を賜りたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、委員の皆様の紹介をさせていただきます。50音順に紹介させていただきます。名簿は資料1にございます。

 まず、東京大学名誉教授の衛藤隆先生です。

 大阪大学大学院法学研究科教授の大久保規子先生につきましては、本日はご欠席の連絡をいただいております。

 岡山大学副学長、大学院環境生命科学研究科教授の沖陽子先生です。

 東京大学大気海洋研究所副所長・教授の木本昌秀先生です。

 福島大学環境放射能研究所参与・教授の高橋隆行先生です。

 東北大学生命科学研究科教授の中静透先生です。

 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授、花木啓祐先生です。

 以上7名の先生に審議会委員をお願いしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。お手元、資料1の名簿にございますとおり、7名の先生方、7月13日付で環境大臣より審議会委員として任命をいたしております。

 また、開会の定足数ですが、環境省国立研究開発法人審議会令というのがございまして、この第5条で、会議の開催要件としまして、委員及び議事に関係ある臨時委員の過半数が出席することとされております。臨時委員はこの審議会では任命をいたしておりません。また、7名中6名の先生にご出席いただいておりますので、本審議会は成立していることを報告申し上げます。

 それでは、開会に当たりまして、大臣官房審議官、中井より挨拶を申し上げます。

【中井大臣官房審議官】 おはようございます。本日はご多忙中、また、大変暑い中ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。環境省国立研究開発法人審議会第1回会合の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

 先ほどご説明がありましたように、昨年6月に独立行政法人通則法が改正・公布されまして、平成27年度から新しい独立行政法人制度がスタートいたしました。環境省所管の独法であります国立環境研究所は4月1日から国立研究開発法人となり、その第1ミッションである研究開発成果の最大化を目指すこととなりました。新しい独法制度により、国立研究開発法人の業務、実績の評価方法も大きく変わりました。従来、実績評価を行うのは各省に設置された独立行政法人評価委員会という第三者機関でありましたが、今年度からは主務大臣が評価を行うこととされ、その際の助言機関として、国立研究開発法人審議会が設置されることとなりました。当審議会も、国立環境研究所の実績評価などにつきまして、委員の皆様の貴重なご意見を拝聴する重要な場と位置づけられております。

 また、今年度は第3期中期目標期間の最終年度でありまして、来年度からは新しい中長期目標期間が開始される大きな節目の年であります。さらに、来年度は福島県三春町に福島県環境創造センターが開設されまして、国環研の福島支部が福島県やJAEAとともに入居いたしまして、福島の環境の再生、創造を目指した研究が本格化するところでございます。国立環境研究所の社会的役割は今後も一層大きくなるものと期待しております。

 委員の皆様におかれましては、国立環境研究所の業務実績や法人としての業務運営などに関しまして幅広くご意見をいただきますとともに、秋以降には新しい中長期目標等につきましても活発なご審議いただく予定でございます。簡単ではございますが、開会の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉川環境研究技術室長】 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元の資料の冒頭に、議事次第がございます。そこに資料一覧がございます。資料が1から15まで、それから、参考資料が1から17までございます。資料というのは、印刷資料と、白表紙の製本したものでございます。参考資料というのは、お手元にファイルがございますね。ファイルにタブをつけまして、1から17までございます。もしお手元にない資料がございましたら、その都度言っていただければ、こちらからお届けいたしますので、よろしくお願いいたします。

 それから、資料の一覧にはないのですが、国立環境研究所のマークの入りましたパワーポイントの資料、A4横のものが三つございます。これは、本日、先生方の正面にあります投影にパワーポイントで示しながら、国立環境研究所のほうから説明していただく資料でございます。この中には一部未公開の資料、まだ論文になっていないデータなどが入っているということですので、会議の終了後、この三つの資料は回収させていただきます。

 資料の確認は以上といたします。

 本日は最初の会合ですので、会長の選出までの間、僭越ではございますが、事務局において進行をさせていただきます。

 まず、国立研究開発法人の制度につきまして、簡単に説明させていただきます。資料2をご覧ください。

 1枚開きまして、2ページ、3ページとございます。もともと昨年度まで独立行政法人としてひとくくりになっていた法人が、4月から、2ページの下の枠にございますように、中間目標管理法人、国立研究開発法人、行政執行法人の三つに分かれております。特に、国立研究開発法人については、研究を行うという特性から、ほかの法人とは目標の置き方や会議の仕方を変えるべきであるということから、このような改正が行われています。

 独立行政法人に対するPDCAの仕組みも研究開発法人については変わっております。3ページのフローチャートにございますが、従来、PDCAのPのところですが、目標を設定して、それを達成するための計画をつくるというところは、主務大臣と独立行政法人の間で行っていたところでございます。その達成状況の評価については、環境省に設置した独法評価委員会におきまして行っていただいたところです。それを踏まえて環境大臣が国立環境研究所に事務や事業について見直しの指示を出すという仕組みでございました。この4月から右側の図を見ていただくとわかりますように、評価についても環境大臣が自ら行うことになり、審議会につきましては、環境大臣が責任を持って行う評価に対して助言を行う役回りになっております。

 1枚めくりまして、4ページでございますが、法人の目的というのは、従来、効率的、効果的な業務の実施というものでしたが、新制度では国立研究開発法人の目的は、研究開発の最大限の成果を確保するというものになっています。研究については、あらかじめ定められた研究のターゲットにとどまるということではなくて、成果の最大化を目指すという観点で、目標期間についても、5年から7年までと長くなり、長期的な視野で研究の計画を立てることができる仕組みになっております。

 国立研究開発法人審議会につきましては、先ほど説明いたしましたとおり、大臣が評価を行う際にご意見をいただく場ということになります。また、5ページにございますように、業務実績の評価の種類としまして、年度ごとの評価、5年ないし7年の中長期目標期間の最終年度での見込評価、期間終了後の期間評価という三つの評価があり、それぞれの評価についてご意見をお願いすることになります。

 めくりまして、6ページ、7ページでございます。この審議会の今後の進め方のイメージでございます。本日は第1回の立ち上げということで、7月のところに記載がございます。それから、8月下旬の開催で、昨年度の評価、過去4年間の業務実績を踏まえて中期目標期間の5年分を見越した見込評価についてご審議いただく予定です。審議会でのご議論や後で説明する意見シートでいただきました皆様のご意見を生かしつつ、環境省としての評価をまとめたいと思っております。

 あわせて、次の中長期目標期間に向けた組織、業務の見直しに対するご意見もまとめたいと思っております。

 評価確定の作業が一段落つきましたら、その後、秋から来年の1月にかけまして、来年度から始まる新しい中長期目標期間に向けた、環境省が国環研に提示する中長期目標、それから、国環研が目標を受けて作ります中長期計画の原案についてご意見をいただきたいと考えております。ご意見を踏まえまして、環境大臣が来年2月を目処に中長期目標をつくりまして、これを受ける形で最終的な中長期計画案を国環研が作成し、今年度中に大臣の認可を受けるという流れになっております。今年度は、いわゆるPDCAのCのところだけではなくて、次期の計画をつくる作業が加わっていることになります。

 7ページでございますが、審議会の進め方のイメージです。本日は「審議会(1回目)」というところでございます。本日は、国環研から自己評価を含めた業務実績報告書が提出されております。事前に先生方には送らせていただきました。本日も机の上にございますが、これに基づきまして、研究所に対するヒアリングをいただければと思います。それから、8月下旬の2回目の審議会で評価案の意見を取りまとめていただく。それを踏まえて環境大臣が評価を決定していくという流れでございます。

 最後、8ページでございますが、中長期目標につきましては秋以降、先ほどお話したようにこのような流れで策定をしていこうと考えております。

 以上でございますが、資料2、制度の概要につきまして何かご質問、確認されたい事項等はございますでしょうか。

(なし)

【吉川環境研究技術室長】 よろしければ、次の議題、審議会の運営に移らせていただきます。

 まず、会長の選出を行います。

 お手元の参考資料3をご覧ください。審議会の設置を定めた審議会令でございます。この第4条の定めによりますと、審議会に会長を置き、委員のうちから委員が選挙するということになっております。つきましては、どなたか立候補される方、あるいは、立候補者につきましてご意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。

【沖委員】 岡山大の沖でございます。私、花木委員をご推薦申し上げたいと思います。花木委員は平成25年度以降の独立行政法人評価委員会の国立環境研究所部会の部会長代理をなさっておりまして、国環研の業績評価に非常に真摯(しんし)にご従事なさっていて、最適な方ではないかと思っております。よろしくご検討ください。

【吉川環境研究技術室長】 ありがとうございます。

 そのほか、ご意見はございますでしょうか。

(なし)

【吉川環境研究技術室長】 それでは、花木委員にお願いするということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【吉川環境研究技術室長】 ありがとうございます。ご異議ございませんので、花木委員が会長に選出されました。

 花木会長には会長席へお移りいただけますか。三つ右でございます。

 それでは、これ以降の議事進行につきまして、花木会長にお願いいたします。

【花木会長】 会長に選ばれました花木でございます。皆さんのご協力を得ながら、この審議会を有効に進めていきたいと思っております。今般の制度改革、これは、基本的には、研究を行う法人は、その研究を行う法人にふさわしいやり方で評価するということで、それは望ましい方向であろうと思っております。

 一方で、この審議会も含め、どういうふうに評価を進めていくかというやり方について、まだ確立していないところもあろうかと思います。その中で、いわゆる屋上屋を重ねるようなことにならないよう、とりわけ、評価対象の国立環境研究所に過大な負担を与えるようなことがないよう、そういうことも配慮しながら、けれども、一方では客観的な評価を行うと、そういう方針で進めさせていただきたいと思いますので、皆様、よろしくお願いいたします。

 さて、それでは、まず最初にやらなければいけないことは、先ほどご覧いただいた条文の中で、会長の代理を決めなければいけないということがございます。第4条第3項に書いてございますが、会長に事故があるときは、委員のうちから会長があらかじめ指名する者がその職務を代理すると規定されております。これは私が指名していいと理解しておりますので、会長代理につきましては沖委員に、先ほど推薦されたからということではありませんけれども、沖委員にお願いしたいと思っています。これまでの国立環境研究所の評価についていろいろ詳しいということで、よろしくお願いします。

 それでは、本題のほうに入ってまいります。

 議論の中に入る前に、環境省国立研究開発法人審議会令第8条をまたご覧いただきたいと思うのですけども。【議事の手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定めるとあります。本日は第1回の審議会でございますので、この会議の運営規則につきましてご相談させていただきたいことが若干ございます。事務局で運営規則の案を作成しておられると伺っておりますので、資料を使いながらご説明いただけますか。

【審議会事務局】 承知いたしました。それでは、事務局から運営規則案についてご説明させていただきます。

 資料3をご覧ください。環境省国立研究開発法人審議会運営規則(案)となっております。一番大事な基本的事項は、参考資料3の審議会令に定められているのですが、それ以外のことについて、運営規則を定めることといたします。これから、ポイントだけをご説明します。

 まず、第1条、会議の招集でございます。環境省国立研究開発法人審議会会長は、この審議会を招集しようとするときは、あらかじめ、期日、場所、議案等を委員に通知するものとする、となっております。本日の会合のご案内につきましては、まだ会長が選出されていなかったということで、環境省のほうからご案内を皆様に差し上げたところですが、次回からは会長のお名前でのご案内を発送させていただくとことになります。

 次に、会議の公開についてですが、第2条、会議は原則として公開とする。ただし、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または、特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合には、会長は会議の一部、又は全部を非公開とすることができる、となっております。基本的には公開ということで進めさせていただきたいと思っております。

 第3条、会議録についてでございます。いわゆる議事録のことです。会議録については、発言内容を正確に記載するものとなっております。公開が前提でございますので、調製をするに当たっては、出席された委員の皆様のご了承を得ることといたします。作成しました会議録については、委員の皆様に配付することとします。

 少し前に戻りますが第1条第2項で、会議を開く余裕がない場合には、会長のご判断で書面審議といいますか、書面会議をすることができるとなっておりまして、その場合には議決録を作成することになっております。会議録、配付資料、議決録については、原則公開するものといたします。ただし、資料の中に公開することにより審議に支障を及ぼす、あるいは、特定の者に不当な利益、不利益が生じる資料については非公開とすることができる、となっております。公開の方法につきましては、基本的に環境省のホームページに掲示させていただくことを考えております。

 次に、第4条、こちらは委員の皆様には関係がないと思いますが、委員の皆様の中で、審議の対象となる国立研究開発法人の事務及び事業について利害関係を有する者は、国立研究開発法人の評価に係る審議について議決権を有しないものとする、となっております。これはほかの審議会等の運営規則でも定めているもので、つけ加えさせていただきました。

 最後に、その他、上記に規定するもののほか、会議の運営に関して必要な事項は、会長が定めるものとする、となっております。

 規則の概要は以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 いかがでございますか。ポイントは公開するというところ、これはどの審議会でもそうですが、公開するというのが基本原則です。ただし、その中で、冒頭の資料の説明のところでもご紹介がありましたが、本日、この後、パワーポイントで説明される資料の中には、研究成果で未公表のものも入っており、それを公開資料にしてしまうと、多分、今後、論文発表等の場合に問題が生じる、そういうことが特に研究開発法人の場合にはあり得ると思うのです。そういう資料については、先ほどもおっしゃっていましたが、事務局が回収する、一般には公開しないということにさせていただきたいと思っております。これは、別に隠すということではなくて、研究成果を先に出してしまうと不都合が生じるというようなことが言えると思います。いかがでしょうか、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【花木会長】 それでは、この規則をお認めいただきましたので、今後はこの規則で運営をしていきたいと思っております。これを正式に運営規則とさせていただきます。ありがとうございます。

 それでは、次の議事に入ってまいります。

 平成26年度国立研究開発法人国立環境研究所業務実績報告及び第3期中期目標期間の終了時に見込まれる業務実績報告について、と非常に長い題名がついておりますが、これについて、本日の中心となるところでございます。これは、何人かの方からパワーポイント資料を使いながらご説明いただく、ということで、よろしくお願いします。

【吉川環境研究技術室長】 私のほうから手順を一言申し上げます。

 初めに、国立環境研究所のサイドから説明をさせていただきます。今回は、審議会の設置にあたり、独法評価委員会からの継続ではなく、多くの先生に委員として新たにお越しいただきましたので、まず、国立環境研究所のそもそもの概要を説明いたしまして、それから業務実績の説明という流れで参ります。よろしくお願いします。

【住国立環境研究所理事長】 国立環境研究所理事長の住でございます。

 時間が限られていますので、簡単に概要からご紹介したいと思います。

 国立環境研究所は1974年、国立公害研究所として発足いたしました。ご存じのように、水俣病等、当時、公害問題が非常に大きく着目されましたので、主として公害対策、規制等、そういうことを中心にやってきたと思います。また、当時の大学では、そういう公害はほとんど取り扱えないという状況にあった中で、新しい分野を開いていくのだと、そういう崇高な理念のもとに研究所が展開されたと思います。

 それが、1990年ごろになりますと、グローバルな、特に温暖化問題等が出てきましたので、公害研究所から環境研究所に名前を変えまして、公害問題のみならず、グローバルな問題に取り組むことをやってきたわけです。その後独法になりまして、今年4月、新しく国立研究開発法人になりました。環境研の特徴は、やはり、個人の健康から地球環境まで非常に幅広いスペクトラムの研究を展開しているところです。環境に関する唯一の研究所でございますので、やはり、漏れなくいろんな分野をカバーしていく必要があろうかと思っております。

 ただ、その中でもめり張りをつけることは非常に大事ですので、めり張りをつけながらやってまいりました。一番大きかったのは、東日本大震災で、特に、環境中の放射性物質は、今まで研究対象としてなかったのですが、扱うべきものとして入ってきましたので、災害環境という新しいジャンルを立ち上げて取り組んでまいりました。先ほど、中井審議官の挨拶にありましたように、福島に拠点をつくって、これからも進めていこうと考えております。

 いろいろな成果があるのですが、次のページから、第3期の主な研究成果ということでお話をしたいと思います。

 成果としてやはり一番大きいのは、GOSATという衛星プログラムです。これは一研究所としては非常に重たい仕事でありまして、二酸化炭素の濃度を、究極的には排出量を把握しようとしているのですが、それを宇宙からとるというのは非常に難しいことですので、それをやり遂げているというのは非常に画期的なことではないかと思います。

 2番目ですが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)で公表される第5次評価報告書の作成に向けても多くの研究員が参加をし、働いてきたことです。

 3番目が、先ほどお話した災害環境研究です。東日本大震災を受けまして、どういうふうに対応したらいいかということを積極的に取り組んでまいりました。単に放射性物質のみならず、さまざまなものが津波等によって海底から持ち上げられてきたりして、そういう廃棄物の処理等もどうしたらいいものかとか、いろんな問題が発生していまして、そういう点でも、環境研の、特に廃棄物絡みのところは、日本としても主力の研究所でございますので、非常に熱心にやってきました。災害環境研究というのは新しい分野というか、災害のときにどう振る舞えばいいかということを想定して、普段から準備しておかないとなかなか対応がとれないということもわかりましたので、それに向けてやっているということです。

 4番目は、エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)ですが、これは環境省が軸に始めた10万人のコホート調査です。特に最近、皆さんが気になっているのは、いろんな疾患が子どもの間で増えているのではないかということで、環境化学物質とか、いろんなものの曝露が、胎児の段階からあるのかどうか、それを着々と十何年かけてやろうという計画でございます。これは、環境研だけがやっているわけではなくて、全国の大学医学部の先生方とネットワークを組んで、環境研が中核となってマネジメントをしているものでございます。

 最後に、PM2.5、これも、前からずっと環境研としてはやっていたのですが、突如社会的に非常に関心が高くなりました。非常に情緒的な反応が出て、ホールドはどうかということになりがちなんですが、地方環境研究所とプロジェクトを組んで、より着実に、的確な予測情報を出そうということで取り組んでいるところでございます。

 次の資料に行っていただいて、これはGOSATの一つの例ですが、宇宙からの地球観測が何のために役に立つかとしばしば言われます。我々の基本的な考え方は、将来的に、どう考えても、全地球の炭素の排出量は管理せざるを得ないだろうということです。今度のCOP21も含めていろんな取組もするのですが、炭素というのは人間が出すだけではないのです。自然にもいっぱい出てきますし、いろんな要因が働きますので、グローバルに管理を進めていくためにも、みんなが一応納得する共通のベースのデータがないと、国同士の話し合いもなかなかまとまりません。客観的に信頼できる、究極的には排出量を出せるような枠組みをつくりましょうということが環境研の一つの大きな考えです。右の例は大規模都市域での排出量が宇宙からもある程度推定できて、そこのローカルにインベントリー(排出量一覧)等がございますので、それと比べても推進費がよく合ったという話です。

 その次のページ、これは、IPCCを代表にとっております気候変動に関する例です。IPCCはワーキンググループが1、2、3とあるのですが、一応、1から3まで全部のグループに環境研の研究者は参加しているということです。

 それから、災害環境研究ですが、いろんなところと協力しながらやっております。今、中間処理施設というのがありまして、減容化を含めて現実的な問題が非常に多くあります。例えば、中間貯蔵施設からの漏れがどうか等、いろんな心配もございますので、JESCO(中間貯蔵・環境安全事業(株))と協力しながら、力を置いてやらなければならないことだと思っております。あとは、福島大学とかいろんなところが放射線の動態というのをやっておられますので、それらと連携しながら動態モニタリングについてもやっております。

 それから、もう一つ、東北地方の発展といいますか、21世紀につながるビジョンが必要だと思いますので、具体的な復興を語る中では、省エネ、省資源をコンセプトとした新しいまちづくりの実現を支援することを考えております。

 その次になりますが、エコチル調査については、一応10万人目標で集めてできましたので、今年度より新たな研究フェーズに向かって頑張っているところです。

 次期中長期計画の基本方針にも色々書いてありますが、これに向かって基本的にやっていきたいと思います。

 その次の、1枚の絵があるのですが、第4期に向けての一つの大きなイメージです。環境というのはただいわゆるブレークネームで言っているわけではなくて、社会の具体的な中核になってきたと僕は思います。今の社会の人が環境と発展とをどうしても対比的に考えていて、環境に使うお金はもったいないとか、まだまだそういうマインドがあります。そういった観点で、具体的に目に見える、将来につながる社会の姿を示していくということが大事だと。それは、個々の技術だけではなくて、社会全体のシステムを変えていくような、システムイノベーションと書いてありますが、総合的なものだろうと思います。それは、中央環境審議会でも三社会統合と言われるように、個別個別のターゲットを最適化するだけではなくて、全体をやっていかなければいけないと思っております。

 下に書いてありますが、従来型の基盤的な環境に関する研究は維持する、あるいは、それも同時に高めていく必要がありますが、現実課題的な問題として、低炭素、資源循環、自然共生、安全確保というような、こういう具体的なプログラムを軸に新しい第4期の期間内に対応できるような研究をやっていきたいと思います。

 それから、右にありますが、福島が非常に大事であり、頑張ってやっていきましょうということと、新しく研究事業連携部門とも言うべきものをつくろうと考えております。環境問題は、単に研究だと、自分は論文を書いて終わりだというところがあるのですが、それでは済まない。環境研はモニタリングを含めて、例えば、生態系の調査は長くかかりますし、それを維持していく体制が大事だろうと思っております。

 新しい点では、環境ゲノムというのがこれからの生物、生態系の学問の中では大きな柱で、どうなるかというのはこれから今後の課題の部分がいっぱいありますが、やっていきたいと思っております。

 フューチャー・アース等、いろいろ言われていますが、具体的な社会実装については、環境研はあらゆる分野でステークホルダーとの対話を非常に重要視してやってきてますので、それを軸に考えていきたいと思っております。

 最後の図は簡単なものですが、一言で言いますと、基礎的な研究をずっと伸ばしながら社会実装を考えて、できれば新しい社会に向けて社会システムの転換を図るような、そういう研究成果を上げていきたいと考えております。また、新制度では、日本全体としての研究開発成果の最大化ということが問われていますので、環境研のみならず、いろんなネットワークを広げて、国際的にも当然ネットワークを広げて、多くの人の協力を得ながら全体が底上げできるような活躍をしていきたいというのが、第4期に向けての環境研の方針でございます。

 以上です。

【花木会長】 では、次の原澤理事のスライドも続けて説明いただいてから、議論いただくことにしましょうか。

 では、お願いします。

【原澤国立環境研究所理事】 研究担当理事の原澤です。よろしくお願いします。

 引き続き、平成26年度と中期見込の業務実績等報告書の概要についてご説明いたします。

 1枚めくっていただきまして2ページ目でありますが、こちらに、報告書の目次を示しております。この目次は、中期計画の目次と対応しております。私は、研究を中心に、第1の1ポツ、研究に関する業務と、3ポツの研究成果の提供等についてご説明して、青い部分と第2、第5等につきましては、この後、石飛理事から説明をしたいと思います。

 それでは、3ページ目をめくっていただきまして、先ほど吉川室長からも制度変更のお話がありましたように、第3期の中期計画の途中で評価方法が変わったということで、先ほどご紹介した目次に相当する中期計画の目標について評価軸を新たに設定して、評価指標、参考指標によって、より評価を厳密に行っていくこととなりました。

 例えば、3ページの上ですが、第1の、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項という、中期計画の中にうたわれている目標でありますが、環境研究に関する業務の(1)環境研究の戦略的推進というところで、その横にB、Bと書いてございます。こちらについては、自己評価の基準が新しい仕組みでは変わったということで、右上にありますように、S、A、B、C、D、これまでは環境研はA評価を全体でいただいていたのですけども、今回からはBが標準ということです。

 また、今回は、26年度評価と見込評価ということですから、自己評価も各項目について二つ示してあるということで、「B、B」といいますのは、平成26年度でB評価、見込評価についてもB評価ということであります。

 その下にございます[1]環境研究を体系的に推進しているかという項目については、これはいわゆる評価軸ということで新たに打ち出したものでありまして、今回は、評価軸に沿って自己評価した結果をご説明して、いろいろ審議いただくという形になってございます。[2]は研究の構成で、こちらは研究の中核的な部分でありまして、研究分野では「B、B」、研究プログラムは「A、A」、災害と環境に関する研究は「A、A」、基盤整備については「B、B」というような評価であります。中身については、後ほどご紹介したいと思います。

 4ページに行きます。こちらは残りの部分でありまして、研究成果の評価と、3ポツ、情報発信というところでは、研究成果の提供の部分の(1)発表論文等についてご説明いたします。

 では、5ページ、最初に、研究の戦略的な推進でございますけども、6ページは、今回初めてということもありますので、中期目標・計画の重要な部分を出してございます。環境研は、環境研究の中核的研究機関として、政策貢献をしているとともに、研究につきましては基礎から実装まで、かつ、課題対応型の研究、分野別研究を重視して、学際的、総合的で質の高い環境研究を推進するということが中期目標、中期計画に書いてございます。それを具体化するためにいろいろな研究等をやってきたわけですけども、先ほどご紹介した総合評価の中身としましては、環境研究を体系的に推進しているか、中核的研究機関としての連携機能を果たしているか、環境政策立案等への貢献は十分か、研究環境の質の向上への取組は十分かと、こういった評価軸を提案して、環境省のほうで認めていただいて、これについて評価をしていくということであります。総合評価といたしましては「B、B」ということで、平成26年度及び見込みにつきましても順調に研究は進んでいるということで、目標達成はできるであろうということであります。

 中身につきまして、7ページ以降に少しご紹介をしております。先ほど、理事長からも研究所の概要ということでご説明いたしましたけども、8分野に環境研究を分けまして、それぞれ8研究センターが担当するという形になっております。分野の研究の中には研究プログラムということで10の研究プログラムを設定いたしまして、これはいわゆるプロジェクト型の研究でございます。さらに、研究を支えるという意味で、モニタリングや、エコチル調査もここに位置づけており、基盤整備という形の活動をしてございます。さらに、平成25年3月には災害と環境に関する研究、福島に関わる研究につきましては中期計画に正式に位置づけて研究を進めているということであります。こちらにある図は、25年3月の時点で中期計画に盛り込んだ四つの要素ということでございますけども、先ほど理事長が説明した図は、さらにこれらを三つの大きな研究プログラムに再構成いたしまして、現在進めているということです。この三つの研究プログラムについては、来年度以降は福島支部におきまして継続していくということでございます。

 次の8ページに参ります。研究の戦略的な推進の評価軸の2でありますけども、連携機能はどうかということで、一つは、(1)体制をつくってきたかということでありますが、国際的な活動につきましては、1)にありますように、国際環境研究事業戦略調整費を設定いたしまして、トップダウン型、あるいは、ボトムアップ型のいろいろな国際的な活動の目出しをしたり、ネットワークをつくったりする、そういった機能を持たせております。

 災害環境研究につきましては、国内の9機関が参画している環境放射線研究連絡会を設置して、これまでに3回ほど実施して、連携を図ってきているということであります。

 3)は環境研究機関連絡会で、こちらは、研究機関13機関、環境に関する研究をしている機関を集めまして、毎年研究シンポジウム等を開催して、連携をしております。

 4)はTPMと呼んでおりますが、日中韓3カ国の環境研究機関の所長が集まった会合ということで、これを続けておりまして、昨年は第11回、今年は第12回という形で研究交流をしております。

 国内における連携につきましては、共同研究、あるいは、大学との交流、さらに、全国の地方環境研究所との共同研究を進めるとともに、毎年1回交流シンポジウムを進めておりまして、昨年度は、テーマとして、水質と生態系といった共通の関心のあるテーマを設定して、シンポジウムをやっております。

 海外との連携につきましては、先ほど紹介があったIPCC、あるいは、IPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム)といった生態系の関係の参加協力ですとか、また、当方の研究所にございますグローバル・カーボン・プロジェクトというのがあるのですが、そちらにつきましては、昨年度、フューチャー・アースの中に移行されるというようなこともありまして、国際的な活動が拡大しているということになります。

 以上のように、連携機能は、今中期は非常に力を入れてきたということもありまして、順調に連携が進んでいると考えてございます。

 9ページに参りますが、環境政策立案へ貢献できたかどうかという評価軸を持っております。こちらにつきましては、環境政策への主な貢献についてはB、Aということで、平成26年度についてはB評価ですけども、今中期につきましては、相当政策貢献ができたのではないかということで、Aという自己評価をしております。具体的に言いますと、(1)にございますように、いろんな審議会等で委員として参画したということで、この中期で平均で457件、延べ628人、平成26年度もほぼ同数の貢献をしてございます。あとは、外部研究評価、あるいは、職務業績評価で、これは職員の評価でございますけども、学術的な貢献とともに、こういった政策貢献をしているかどうかということも大きな評価軸になっているということであります。

 (4)、(5)でありますけども、中期計画におきましては、当面の課題といたしまして、地球温暖化、エコチル調査、化学物質のリスク評価、生態系というのが当面の課題として重点的に取り組むべきということになっております。こちらにつきましては、エコチル調査は事業として、あるいは、地球温暖化は研究プログラムという形で重点的に研究を進めておりますし、また、災害環境研究は大震災後、平成23年度から進めておりまして、先ほどご紹介したように、25年度から正式に中期目標・計画に位置づけて進めて、4年が経過したわけでありますけれども、この間、非常に政策貢献ができたと考えてございます。

 10ページに参ります。4つめの評価軸ということで、環境研究の質の向上への取組でございますが、一言で言いますと、環境研究をやっていく際に環境整備が重要ということで、研究費の配分と獲得、外部競争的資金についても努力してまいりましたし、また、人材の育成という意味では、英語の論文の研修とか、若手研究者を対象にしました所内公募型提案研究というものも設定して、公募型ですけれども、若手育成を図っているということです。そのほか、休憩室をつくったり、一時預かり保育ということで、男女共同参画というところにも配慮しながら研究環境を準備しているということであります。

 (2)は所内の公募型研究ということで、現在は公募型の研究は2種類ございまして、一つはAというタイプで、これは1,500万円で3年ぐらい続く研究であります。公募型のBというのは200万円で単年度といったことであります。こういった2種類の提案型研究を設定いたしまして毎年公募をかけて採択をし、さらに、その終了時には評価を行うという形で、内部の公募型研究を進めているということであります。(2)の一番最後に、大型施設につきましても研究基盤整備という形で、こちらも所内公募の形をとりますけれども、施設の整備もあわせて進めているということでございます。

 (3)エネルギー関係につきましては、大震災以降、節電が課題となり、当初、政府の目標があって、それをクリアすべくアクションプランをつくってまいりましたけども、今は非常に節電が根づいたということもありますので、この一、二年は特に問題なく進んでいると思います。その間、節電が進んだということで、契約電力も少し下げて、5,000キロワットにしているということでございます。エネルギー関係でありますけども、研究と表裏一体の関係がありますので、ここでご紹介をさせていただきました。

 11ページは目次になりますが、研究の構成ということで、研究の中身に一番近いところでございますけども、①は、研究の柱となる研究分野がどうだったかということであります。

 12ページに業務実績等報告書の概要を書いてございます。こちらについては、8分野の研究をしっかりやるということで、そちらにありますアからクの8分野を設定して研究を進めております。こちらについては、現中期計画の中でも達成目標として、定量的な目標が設定されております。具体的に言いますと、自己評価のところにあります[1]科学的、学術的な貢献が大きいかというところで、誌上発表の数ですとか口頭発表の数ですとかがありますけども、こちらについては、中期計画の中で前期(第2期)の中期目標期間の年平均値と同じぐらいの数を出すことになっておりまして、そういう意味では定量的なものでございますので比較はできまして、そこに上げておりますような分野ごとということは、研究所全体で、論文としては、例えば、誌上発表(査読あり)ですと「B、B」ですから、平成26年度はほぼ達成できたという話と、見込みのほうは、今中期の間には論文数という点ではほぼ達成できるという評価をしております。

 環境行政の貢献ということで、こちらについては先ほどご紹介いたしましたけれども、こちらも定量的な指標はないのですが、数量化を図っているということで、こちらも後でご紹介いたしたいと思います。分野ごとの研究につきましては、総合評価ということで「B、B」という自己評価をしております。こちらについては外部研究評価委員会でご審議いただいているわけですけども、年度評価、平成26年度につきましては、5点満点中、各分野4点以上をいただいております。見込評価につきましては、センター全体の平均で4.1という評価をいただいておりますので、分野における研究として順調に進んでおりますし、今中期もいい成果が得られると考えてございます。

 13ページに参りますと、今お話しした中の評価軸[1]につきまして、図表で表しております。誌上発表、査読付論文も順調に伸びて、25年、26年はちょっと横ばいでございますけども、前中期に比べまして13%から15%増えているということでありますし、口頭発表は大分増えまして、こちらについては25%増えているということですから、A評価とさせていただいております。

 14ページに参ります。評価軸[2]は行政、あるいは、社会貢献ということであります。この辺は、事例につきましては資料編にリストとしておりますけども、なかなか定量化は難しいということを考えておったのですが、昨年度からどんなところに研究成果が使われたかというようなところで分類をしまして、それで、件数を数えていくということで、一覧表にいたしております。例えば、制度面での国際的な制度への貢献に直接つながった研究があるとか、あるいは、国の法令、具体的に言いますと、家電リサイクル法とかいったものに直接研究成果が生かされたということで分類をいたしまして、その件数を数えると同時に、具体的な内容については資料編に入れております。これについては、平成26年度につきましては前年度よりも増えたということではございますけれども、その意味でも、A評価になるには20%ぐらいの増加ということが言われておりますので、今の段階ではB評価ということでございます。

 15ページ、続きまして、研究の中の、特に研究プログラムについての自己評価ということであります。16ページにそのまとめがございまして、現在、10の研究プログラムが動いております。重点研究プログラムということで、緊急かつ重点的な研究課題が5課題、先導研究プログラムということで、次世代の環境問題に先導的に取り組む研究課題ということで、重点研究プログラムに比べますと若干小ぶりですけども、5課題が進んでいるということであります。こちらについての自己評価は、科学的、学術的な貢献が大きいかということで、誌上発表等々については「A、A」という自己評価をさせていただいております。また、プログラム系の研究成果の社会、あるいは、行政貢献につきましては、B評価というのが中心になってございます。

 17ページに参りますが、総合評価として、研究プログラムにつきましても、外部研究評価委員会におきまして非常にいい点数を得られているということで、研究プログラム全体でいいますと4.26という点数をいただいておりますので、順調に研究が進んで、いい成果も出ているということでございます。かつ、研究プログラムの場合は前中期計画との比較がなかなか難しいということがありますので、この場合は、研究プログラムの成果につきましては、平成23年度、24年度、25年度の平均に比べて26年度がどうなったかということで、そうしますと、評価指標で言いますと、平均値20%以上大きな増加が見られたということで、A評価とさせていただいてございます。

 18ページ、こちらは、課題対応研究プログラムの評価軸の[1]について、外部研究評価でいただいた点数の年度の変化と26年度につきましては、年度評価と終了時の見込評価を一覧表にしてございます。年々評価は上がっております。例えば、重点研究プログラム、地球温暖化研究プログラムでは、年度評価、あるいは、終了見込についても4.9をいただいておりまして、ほぼ満点に近い評価をいただいておりますので、このまま順調に進めば中期目標を達成して、いい成果が得られると考えてございます。

 19ページに参ります。こちらは課題対応型研究プログラムの政策貢献ということですけれども、いろいろな事例があるのですが、こちらでは二つ事例を持ってまいりました。一つは地球関係でありますけども、現在、約束草案というものが先週の金曜日に日本国政府としてUNFCCC(気候変動枠組条約)事務局に提出されたわけですけども、そのいろんな検討の際に、私どもの研究グループが進めております2030年のCO2削減のシナリオ分析といった結果が、今回の場合は間接的ではございますが、使われたということであります。そういう意味で、今後、2050年、2100年はどういった世界になるかといったときには、こういったシナリオ研究の成果ですとか、あるいは、どうやって排出を削減するかとか、あるいは、省エネ・再エネをどうやって普及するかといったようなことが重要なことになりますけども、そういったところにも研究成果を生かしていけるのではないかと思います。

 右の例は生物多様性ということで、これは、新興感染症に関する研究成果を載せておりますが、直接政策貢献というよりは、国際的にもこういった研究成果が生かされるということでございます。

 20ページはまた目次になっておりまして、災害と環境に関する研究について、ご紹介いたします。

 21ページに参りますが、中期目標につきましては平成25年度からスタートしたということで、評価についてはこの2年間になるわけですけども、総合的に取り組まれているかという[1]につきましてはBとAが混在しているような状況でありますし、また、社会の貢献につきましては、こちらについては大分頑張ったということでA評価をしてございます。最後は、科学的、学術的な貢献につきましてはAとBが混在しておりますけれども、こちらについては4年目になりますので、大分いろいろな学術成果が出て、いろんなジャーナル等に発表してきているということであります。

 22ページに総合評価ということで、「A、A」をつけさせていただいております。この間、政策貢献ですとか学術的な貢献等々も含めまして相当力を入れていたということもありますし、福島支部準備室を設置して来年度からの福島支部の立ち上げの準備をしているとともに、ほかの機関とも連携して研究を着実に進めたということと、研究成果が多く国の法令等に反映されたということであります。平成25年度からは外部研究評価による評価を受けてございますけども、非常に高い評価を得ております。例えば、昨年度ですと5点満点中平均で4.5ということでありまして、我々の研究成果と政策への貢献等々が評価されているということかと思います。

 23ページに参ります。中身に入るわけですけども、先ほどご紹介したように、評価軸[1]、[2]、[3]で評価をしているということであります。繰り返しになりますので、ここはスキップをさせていただきます。あと、幾つか図表を用意しましたので、簡単にご紹介いたします。

 24ページ、全体概要ということで、震災直後からすぐに現地で研究・調査を始めたということで、当初は、震災がれき等の非常に難しい問題に対処したということでありますが、それをある程度体系化することで災害環境研究というものを創設して、それを4課題に整理したということで、この4課題が先ほどご紹介した中期計画の中にうたい込まれたということであります。さらに検討を重ねまして、福島支部ができるということもありますので3プログラムに再構成して、現在は環境回復、環境創生、災害環境マネジメントの三つの大きなプログラムに再編されているということであります。

 25ページに参ります。これは研究の全体概要ということで、PG1、PG2、PG3がそれぞれ連携をとりながら最終的な目標に向かって研究を進めているところでありますし、また、福島県、自治体、JAEA(日本原子力研究開発機構)等々との研究協力を密にして進めているということであります。

 次の2枚は研究成果の例ということで、例えば、26ページは河川流域における放射性セシウムの移動について、現地の実験、あるいは、シミュレーションといったものを駆使しまして、そういった研究事例が得られております。研究事例につきましても、学会等の発表とともに、いろいろな対策に使えるということで、成果を提供しております。

 27ページでございますけども、こちらは環境創生研究ということで、実際に現地に入り込んで都市づくりをお手伝いするということで、新地町とは25年3月に協定を結びまして、特に、社会系の研究者が入り込んで、社会実装というレベルまで含めて協力しているという例であります。新地町は非常に小さな町でありまして、人口7,700人ぐらいで、大震災によって100名以上の方が亡くなったということで、我々としてもこれまでやってきた研究の成果をどうやって生かせるかということで悩みがあったのですが、平成26年度につきましてはかなり市との連携もうまく進みましたし、また、LNG(液化天然ガス)基地がつくられるということで、それをうまく町の発展につなげたらどうかというようなことでご提案をして、それが採用されつつあって、うまく進捗しているということであります。環境研としましても、実装というレベルまで進める研究ということで、かなり力を入れているということであります。

 28ページは成果の公開ということで、研究の成果を学術、行政、あるいは一般の方々に伝えるべくいろんな取組をしているということで、報告書を作成する話とシンポジウムを実施すること、さらに、三春町ですとか南相馬市内でいろんな会合をやるようなことも設定して進めてきております。特に、地元の方々との関係性も非常に重要だということで、そういった試みを始めてございます。

 29ページ、環境研究の基盤整備ということであります。30ページにその全体像が書いてございます。

 中期目標等につきましては、特に、衛星を中心とした地球環境モニタリング、エコチル調査等々がありまして、この二つにつきまして重点的に進めて、かつ評価も受けているということでありますが、自己評価は、年度、見込みともにB評価ということであります。B評価といっても、先ほど理事長からもありましたように、順調に進んでおりますし、成果も出ているということではあるのですが、Aにするには20%という非常に大きな壁もあったりしますので、現段階ではB評価という形にしてございます。

 31ページは評価軸についてご紹介しておりますけども、計画に沿って実施されているかという項目は、これはほぼ予定どおり進んでいるところでございますし、評価軸の2は、国際的な水準や希少性、こういったものに照らしてどうかという項目がありまして、こちらについてもほぼ満足のいくレベルで進んでおります。

 32ページは地球環境の戦略的モニタリングということで、その一例ということで、具体的には、右側にありますように、船を借りて、その船で採水した水質を測定することによって、海洋におけるPCO2を求めているというようなことで、非常にユニークな研究でありますし、また、よい成果も出ていると思います。

 33ページにエコチル調査の話がございます。こちらについても、先ほど理事長のほうから話がありましたように順調に進んでおりますし、平成26年度からは詳細調査を始めるべく準備を進めておりまして、こちらについては、5,000人に関してより詳細な調査を現在、進めているところであります。

 34ページは目次でございまして、研究成果の評価ということであります。こちらについては、評価の制度をつくっているかということでありますが、35ページに全体像を書いてございます。環境研の中の研究評価はどうなっているかということでありまして、内部研究評価については、委員会をつくりましてやると同時に、公募型の研究については、採択時の評価と終了時の評価も含めてございます。外部専門家による研究評価につきましては、外部研究評価委員会を設置して、そちらで年度評価、あるいは、昨年は見込み評価という形で評価をいただいているということであります。評価は「B、B」という形になってございます。

 36ページはその評価の体系ということで、審議会を入れてございますけども、業務実績評価の報告書をまとめて今日はご審議いただいているところですが、昨年の12月には外部研究評価委員会を開催して、研究分野、研究プログラム、基盤整備等についてご審議いただいて、評価をいただいているということであります。

 また、国際的には、有識者を招聘して、この3年間につきましては9件実施してございます。いろいろな評価をいただいているということでありますが、今年は8月に国際アドバイザリーボードを開催して、国際的な観点からも評価をいただくということで、現在、準備を進めてございます。

 37ページですが、研究成果の評価ということで、これまでご紹介してきましたそれぞれの評価を1枚にまとめたものであります。これは外部研究評価委員会における評価ということで、(1)は最初にご紹介した研究分野についてです。いわゆる研究所全体の研究評価ということで、年度評価は4.3、見込み評価は4.2ということで、比較的高い評価をいただいてございます。その内訳といたしまして、研究プログラム、基盤整備、災害と環境に関する研究、各分野の研究活動、その他ということで、(5)という形で評価をいただいて、いずれも4以上のよい成果と評価をいただいているかと思います。

 38ページ、研究成果の提供につきまして。こちらについては、石飛理事の説明の中に若干食い込むのですけども、1点だけご紹介いたします。

 39ページはその提供ということであります。基本的には論文数ということではあるのですが、さらに論文の質をよくする必要があるということですから、具体的に言いますと、今、いろいろな研究に関する質指標が作成されておりますので、そういった指標を算定していこうということであります。

 最後になりますが、40ページにその一例をお持ちいたしました。具体的には、被引用数というような指標を、これはトムソン・ロイター社にデータ化していただいているということでありますが、ESI(Essential Science Indicators)で22分野についてまとめたものであります。

 40ページの下の右の図は、それを論文数と相対被引用度ということでまとめたものでありますが、これを見ますと、いろんな分野の研究を進めているということで、そういう意味では、環境研究における総合的な研究所ということが言えるかと思います。ただ、量と質については分野によって多少波があるということで、これをどう次期中期に生かすかということはあるのですけども、そういう議論のタネにはなるかと思います。

 あと、国際共著率というものも比較的高い分野が多くて、その分、共同研究を着実に実施しているということではないかと思います。分野によってはまだ低いところもあるのですけども、国内・国際的な研究機関とともに進めていくということが今後重要になってくると、そういったことも読み取れるような資料になってございます。

 あと、それ以降についてございます資料につきましては、評価の軸、評価指標、参考指標のリストになってございますので、また質問等の中でご紹介したいと思います。

 以上であります。

【花木会長】 ありがとうございました。

 ここで皆さんからのご質疑等を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。住理事長のご説明、原澤理事のご説明を含めてということであります。

 評定のS、A、B、C、Dというのは、Bが標準というのは感覚的に去年までと違う評価のところですが、これは全府省統一的に定められているので、変えられないんですね。国立環境研だけが順調にやっていればいいというふうにはできなくて、順調にやっているのはBという評価なんですね。いかがでしょうか。

 最後にご説明がありますが、皆様からそれぞれについてのコメントをいただくというような作業も出てまいりますので、ぜひ不明の点等を今お聞きいただいたほうがよろしいかと思います。

【沖委員】 ご説明ありがとうございました。非常によくわかりました。

 今、会長のほうから話があったのですが、評定です。今までと全く異なっている評定ということで、Bが標準ということなんですが、Aは、今お話のところで、平均値等々を見て20%増加というところというお話だったのですが、それ以外に評価としてどういうことであれば、つまり、定性の面はなかなか難しいと思うのですけれども、そうなりますと、Sというのは本当に特別なことでないとSはつかないということになるのですが、やはり、皆さんのモチベーションを考えますと、なかなかここのところは自由なところではないかというふうに思っているのですが、ちょっとご説明いただければありがたいです。

【花木会長】 これは、ここにあります青い冊子のどの部分だろうか。

【石飛国立環境研究所理事】 参考資料4に、これは総務大臣が決定した独立行政法人の評価に関する指針というのがございます。その8ページに、S、A、B、C、Dというのはこういう定義ですということが書かれております。

【花木会長】 だけど、これは独立行政法人ということですよね、今読まれているのは。

【石飛国立環境研究所理事】 はい、これは国立研究開発法人も含めてです。

【花木会長】 これも含めてということですか。

【沖委員】 そうなりますと、具体的に国環研でこういうところを評価してということは、プラスαではできないというふうに考えざるを得ないのですね。

【住国立環境研究所理事長】 必ずしもそうではないと思います。自分たちが非常に、ある意味ではよい成果が出ているということが言えれば、それはAにしてもいいと思うのですが、恐らくあとから総務省などいろんなことを言ってくるのではないかということがあります。それから、定量的なものはわかりやすいのだけど、定性的な評価だと、どうしても今までだとの評価が上にずれていくでしょう。それを総務省もちょっと嫌って、もうちょっと厳粛にやったらどうかというようなことがあると思うので、我々としては、それをとりあえず守っていこうと。恐らく、現実的に想定されるのは、やはり何かの賞をもらったとか、そういう客観的なところに行かざるを得ないのだろうと思います、各研究所も。

【沖委員】 かなりの皆さんが受賞されているというところが公として評価されてということになるわけですね。ありがとうございました。

【吉川環境研究技術室長】 今のところでちょっとだけ事実修正をしたいのですが、参考資料4の16ページからが国立研究開発法人の評価に関する事項というページなんです。なので、国立研究開発法人にとってのS、A、B、C、Dというのは25ページなんです。いわゆる定量的な数字が入っているわけではないのですが、ここでいうBというのは、25ページの真ん中のBのところの3行目からありますけど、「成果の創出や将来的な成果の創出の期待等が認められ、着実な業務運営がなされている」というところです。ということで、目標に対してそれが着実に達成できるように進んでいるというのがBだということで、研究開発法人の場合は定量目標・定量評価という形ではないのですけれど、大体の相場観としては、理事長からお話がありましたように、従来A標準だったのをB標準に持ってこようというのが今回の政府全体の方針にはなっております。

【花木会長】 だけど、一方で、研究成果の外部評価はどちらかというと従来の5点満点で4.幾つという、その辺を比べたときに、研究成果は5点中4.幾つなんだけど、全体はBだというのは。どこかでBは3点とかと書いてありましたね。Sが5点で、Aが4点で、Bが3点とか、今、資料を見ていたらそういうのがあって、5点満点のうちの3点という印象と着実にやっているというのは、随分違いますよね。だけど、これはここで言ってもしようがないところですね。あくまでもそういうことをみんなの共通認識として、きちっとやっていればBだという認識でやっていくということですね。

【中静委員】 今の点にも関係するのですけど、私は初めてなのでちょっとお伺いしたいのですが、5点満点で評価する4.幾つというのは、どういう計算でそういう数字が出てくるのかを、ちょっとご説明いただけるとありがたいと思います。

【花木会長】 研究評価の5点でしょうか。さっきのスライドの37番にも出てきますね。

【原澤国立環境研究所理事】 これは、外部研究評価の際に、例えば、分野ごとの研究の成果をご報告して、それについて点数をつけていただくということをやってございます。例えば、評点の際に、5点満点でお願いしているということで、3が標準で5がよくやっているという、5点評価です。先ほど議論があったように、今回はB評価を標準にするというような話で、どちらかというと、研究評価の場合はその閉じた中で評価をするということで、そういう意味では、4点から3点ぐらいがちょうと目標に沿って達成できているということの評価になっていると思います。評価の5、4、3の位置づけが、今回は少し変わっているということになるかと思います。

【中静委員】 それは何となくわかったのですけど、要は、4.3とか4.1とかと細かい数字が出てくるのは、例えば、10人ぐらいとか20人ぐらいの……。

【原澤国立環境研究所理事】 そうです。委員の先生方16名にお願いしていまして、欠席等がございますので、十数名の方に評点をつけていただくということで、その平均点ということになります。細かい数字は、資料編のほうに一覧表になってございます。そういう意味では、ここではまとめて平均点という形で、ですから、若干幅があったりしますが、平均としてお出しております。

【木本委員】 私も初めてですから聞きますけど、十何人が点数をつけるというのですが、600もある論文を読むわけにいかないですよね。何を見て、どうやってつけるのですか。

 その質問と、もう一つはちょっと違う質問ですが、AとかBとかとあちこちにいっぱい書いてありますけど、これが本当にAかと思ったときに、この資料のどこを見て確認すればよろしいのでしょうか。

【原澤国立環境研究所理事】 後のご質問からいきますと、例えば、平成26年度の業務実績報告書というのがございます。こちらの構成が去年と大分変わって、いわゆる共通の様式になったということで、例えば、平成26年度の業務実績報告書では、項目別評価調書というのがあります。例えば、4ページから、これは最初にご紹介した環境研究の戦略的推進についての中期目標が5ページの上にございまして、下のほうに中期計画が書いてございます。その後に年度計画が7ページにありまして、ですから、中期計画にあります環境研究の戦略的推進について、どういう目標と、どういう計画と、どういう年度計画になっているのかを書きなさいというところがあります。その後に、(4)として主な評価軸ということで、こういう評価軸をとって評価しますというところが8ページの真ん中から下であります。その下に法人の業務実績と自己評価というのがございまして、こちらについて、主な業績実績等が9ページの上からありまして、これを踏まえて評価をするということで、ちょっと後ろになるのですけども、15ページに、いろいろ実績を踏まえた自己評価というのがあります。こちらが先ほどご質問のあったAとかBというものの、これは、平成26年度についての評価が個別に軸に設定されたものについて評価をしているということであります。先ほど「B、B」とかいろいろあったのは、ここを抜き出ししてまとめたものであります。ですから、この報告書自体にはそういった情報が記載されているということであります。

 もう一つ、外部研究評価のやり方は、1日かけて先ほどの分野の研究、プログラムの研究、基盤の研究の評価をいただくということで、例えば、いろんな論文を書いた中でどんな成果が上がっているかというような外部研究評価用の資料を作成して、あらかじめ読んでいただく。その中には論文のリストが入っていますが、どんな論文が出て、どんな主要な研究が出ているかを分野ごと、プログラムごと、基盤整備ごとに書いた資料をつくりまして、当日はそれを読んでいただいたものとして、パワーポイントで最新の成果をまとめて発表して、討議をして、その後、採点をしていただくというプロセスをとっています。ですから、個々の方が多くの論文を読んでというのではなく、論文を踏まえた成果の取りまとめを行った資料、あるいは、当日の資料や発表を見ていただいて、評価をいただくという形をとっております。

【花木会長】 今の二つ目の質問にさらに私が補足するのは失礼ですが、例えば、今、木本委員がおっしゃった、ここに「B、B」と書いてあるけど、本当にBなのだろうかと、それを確かめたいときは、この資料6の資料編のほうになるのですか。

【原澤国立環境研究所理事】 そうです。

【花木会長】 今の報告書の中に、詳細な基データは資料何とかにありますというのが書いてあって、評価は「B、B」と書いてあるけど、実績が実際はどうなのだろうかというのは、この報告書の中に鍵括弧でこれは資料5にありますとか資料6にありますと書いてあって、それで、資料編の中を探すとその資料があって、例えばどれだけの数のセミナーをやったかとか、そういうことがここに詳細に出ていると、こんな仕組みになっております。

【原澤国立環境研究所理事】 ありがとうございます。

【中静委員】 結構幾つかあるのですけど、原澤さんがご説明なさった資料の中で、例えば、災害と環境に関する研究というのは、恐らく当初の中期計画に入っていなかった課題だと思うので、それはすごくよくやっていただいたと思うのですが、例えば、こういう緊急的な課題を中期計画の中に組み込むときの仕組みというのはどういうふうになっているのかと。いろんなことがあると思います。すごく重要なことからあまり重要ではないこともあるとは思うのですけれど、これは間違いなく中期計画の中に組み込むべき重大な話だと思いますが、そうでないものが出てきたときに、その判断はどういうふうにされているのかというのが一つです。

 それから、研究環境の戦略的な推進のところで、連携をされるという説明の中で、例えば、学会等での話というのがほとんど出てこなかったのですが、それはどういうふうにお考えなのかなということです。

 次は、ちょっと具体的な話なんですけど、例えば、18ページの環境都市システム研究プログラムが26年度は4.8と非常に高くなっているのですが、これは、具体的な研究成果の中でも特筆すべきというご説明があまりなかったような感じがしたので、もし差し支えなければ、どういう成果なのかというのをお聞かせいただきたいと思いました。

 それから、研究環境の基盤整備の評価というのは、結構これは難しいと思いまして、かなり計画段階でそれを盛り込まないと、Aにするということはできないのではないかと。計画に盛り込んだら、今度は計画以上にやらなければいけないという話になって、これはどういうふうに考えたらいいのだろうかというふうにちょっと思ったところです。

【住国立環境研究所理事長】 こういうのは、基本的には計画に対してちゃんとやっているかどうかですから、計画を低く書いておいて、ほら、できましたと言えば、Aがどんどん増えると、そういうことができちゃうので、それはあまり好ましくないだろうと。そうすると、計画をちゃんと考えれば、5年とか7年のものはほとんどBになるはずなんです。それですから、デバイスとかああいう、やってみなければわからないような分野の研究をやっているところだと、あっと驚くような研究成果がその中に出てくることがありますが、ほとんどのところである程度想定して計画を立てるからそうなってくるのだと僕は思います。

 そういう点では、東日本大震災みたいなことは全然想定していなかったから、ああいうのは本当に計画を変更していかなければならないことなんです。それから、環境中の基本物質の中に放射性物質のような外れたものが入ってくるという、そういうことは今までの枠組みと全然違うわけです。そういうときはそれを見越してやる必要があるけど、通常のレベルのことだと、大体計画の中に考えてあるので、それで大体何年間という、中期計画中は対処できると思います。

 ただ、言われているのは、中期計画にあるから、それだけをやっていればいいというふうになりがちなので、そこは柔軟に、中期計画もある程度幅が広がるような形で設定する必要があると思います。

【石飛国立環境研究所理事】 ちょっと補足いたしますと、まず、こういう災害環境のような非常に大きな要素が加わったときの手続なんですけれども、もともと、中期計画を私どもが作成するに当たって、環境大臣が中期目標を定めるということがございます。平成23年3月11日の後、こういう事態になったので急遽そういう研究も必要だということを、まず環境省で判断をされて、中期目標の変更の指示をいただきました。この変更された目標の中に災害環境研究ということが位置づけられておりましたので、それに従って私どもは計画を変更して、環境大臣の認可を得て、新たなものをつくったということです。

 それ以外の細かいものについては、この中期計画に事細かく一つ一つの研究を書いているわけではございませんので、そこはある程度応用の範囲でやるということで運用しております。

【原澤国立環境研究所理事】 学会との連携については、個々の研究者が学会に所属していろいろ活動しているというところもあって、組織的に共同研究をしている例では、福島の震災のすぐ後に、廃棄物資源循環学会とタイアップして協力関係をとった上で現地の調査や解析等々をやって、その情報を発信するということをやっております。特に教科書の中でその学会との連携というのは挙げていないのですけども、日々の研究活動の中で学会とは連携しております。

 最近の傾向として、ある学会では、データペーパーをつくりたい。それに当たっては、環境研のほうにデータペーパーに係るデータをストックしてほしいと、そういうリクエストも、データベースという面から出ていたりするので、今後、いろいろな学会との連携も、いろんなレベルがあり得るし、重要性も感じておりますけども、特出しはしていないということであります。

 あと、基盤整備につきましては、本来、基盤整備に入れるべきかどうかという議論もあったりしたのですけれども、各分野でいろいろな基盤の整備をやっております。例えば、藻類のストックをデータベース化したり、特に、モニタリング関係は、基盤という意味では、測ること自体と、データそのものをストックして使ってもらうとか、そういう作業でありますので、中期計画で終わるというものでもなくて、研究の基盤としてしっかりやっていく。その際、目標としてはデータ数とかがあったりするのですが、こちらの場合は、ここに位置づけたりしたのも、基盤的な整備をしてやっていくということで位置づけております。

 今後とも、こういった中期に限らないで中長期的にやっていくものについては、位置づけとしてこういう形でやっていく必要がある。その分、もう少し戦略的な計画をつくって、どういう達成目標を持たせるかというのは、難しい問題ではありますけども、次期中長期の検討課題になっていくと思っています。

 環境都市システムの4.8、これは、外部評価時でどんな発表か、すぐ思い出せないのですけども、都市関連につきましてはかなり長く研究をやっておりまして、今中期につきましては改めて研究プログラムという形でスタートして、いろいろなサブテーマが入っておるのですが、それは成果が出始めたということで、当初は、都市環境をどこまで環境研がやるのか、そもそもの議論があったりしたのですけども、ある程度実装というレベルでの研究成果が上がってきた。福島の例はまだ福島の中の研究ではあるのですけども、その底辺には都市研究の成果がかなり生かされていることがあって、そういうことが評価をいただけたのではないかと考えております。

【高橋委員】 本日のこの審議会と、それから、今後の流れを確認させていただきたいのですが、本日はどこまでいくべきかというのも含めてです。

 今日いただいたこの三つのパワーポイントの資料、今日はこの三つを説明していただいて、その後、先ほど、資料2だったでしょうか、スケジュールのイメージをご説明いただきましたが、8月下旬に意見を出すと。それは文書か何かで出して、それがこの評価のまとめとして出ると、そういうような流れと理解してよろしいですか。つまり、今日ご説明いただくのこの三つで、それが概要で、それをベースにしてこの評価書を読ませていただいて、評価をレポートとして出すと、そういうイメージでしょうか。その辺を確認させていただきたいのですけど。

【吉川環境研究技術室長】 今ご指摘いただいた流れで基本は考えております。つまり、今日につきましては、業務実績報告書そのものについて詳細に説明する時間はさすがにございませんので、先ほど、パワーポイントで、ポイントとなるところを説明いただきました。今後の作業としましては、お手元の大部な資料になりますが、業務実績報告書資料4、5が本文で、6が資料です。これに照らしましてコメントをつけていただきたいと。

 お手元の資料では資料11と資料12なんですが、業務実績報告書と中期見込実績報告書の構成に即した表が用意してございます。この表の一番右の欄に黄色の枠がございますが、それぞれ報告書及び資料の具体的記述を見ていただきまして、ここにコメントをつけていただくという作業をお願いします。

 資料15として今後の予定というスケジュール表がございますが、資料11、資料12の意見シートについては、別途エクセルのシートをメールで送らせていただきますので、そこに打ち込んでいただきまして、8月4日を目処にご返信いただければと思います。8月4日まで、2週間ございます、大変恐縮ですが。そのいただいたコメントを私どもで全部拾い上げまして、編集をさせていただきます。最終的には、冒頭申しましたように、環境大臣が責任を持って評価をするわけですが、そこにおきましては、先生方のご意見を参考にさせていただきます。先生方のご意見は、ここはよい、ここは問題だといった文章でのコメントになりますので、最終的にはそれを踏まえまして我々が評価案をつくり、そして、それにS、A、B、C、Dを環境省の責任でつけるという形になります。それを8月25日の第2回ときに、事前に1週間前に評価書案を、委員の皆様にお送りしておいて、25日に最終的なご承認をいただけるかどうかというご議論をいただくということになります。

 国環研の外部評価は5段階評価で従来からやっておりまして、1、2、3、4、5で、3が普通で、実際には、ちょうど出ていますように結構いい評価をいただいておりますが、そこは国環研として、外部評価を踏まえて、今回自己評価をしたときには、全体の標準がBというところを踏まえまして、大分そこは自己抑制されたというところもあるかもしれませんが、Bということでいただいております。ただ、そこは、先生方の今回のコメントを踏まえまして、私どもとして先生方のコメントにちゃんと見合うような評価というのを私自身は考えようと思っています。

 こういうことをやるに当たっては、ほかの評価審議会はどうしているだろうかということがとても気になるところですが、何しろ第1回で、しかも、評価のレベルが一段下がっているというところで、各省もそこら辺はちょっと悩んでいるところでございます。既に始まっているところでは、文部科学省や経済産業省で幾つかの独法で審議会をスタートしております。私どもは、そこら辺の情報なども、相場観というのを気にしながら、また第2回のときに、こういう評価でいこうというのをさせていただこうと思います。

【高橋委員】 ありがとうございました。よくわかりました。

 そうしましたら、2点お願いがあるのですけども、1点は、今日、このパワーポイントの資料は回収だというふうにおっしゃっていましたが、これはよくまとまっている資料で、評価に非常に参考になると思うのですが、公開にする必要はないと思うのですが、例えば、委員が評価のために使わせていただくというようなことはお願いできないでしょうか。もし必要であれば、渡してはならないものは抜いた資料でも構わないと思うんですけども、それが1点目。

 あともう1点は、今日は、多分この後、業績報告を読んでエクセルに記入するという作業に入るわけですが、その際に、例えば、今日質問できなかった、あるいは、気づかなかった点についてお伺いするというような窓口については何か設けていただけるかどうかということ。2点お願いしたいのですけど。

【吉川環境研究技術室長】 まず、パワポの資料ですが、ここは、委員長とのご相談ではございますが、国環研としては、これは広く公表は問題があるということです。だから、まず審査の目的ということに限って委員限りでということで渡すことは問題ないです。私ども事務局として、そういうことで取り扱いを留意いただければ、差し支えないかと考えます。委員長、いかがでございますか。

【花木委員長】 それで結構です。

 それから、二つ目は、質問に対して。

【吉川環境研究技術室長】 質問に対してですが、いろいろありましょうから、それは受け付けをさせていただこうと思いますが、どうしましょうか。うちで1回受けて、国環研に連携するか。それとも、──1回うちで整理させていただきますか。私どものところの、これまで連絡させていただいております事務局のほうにメール、あるいは、紙ベースなどでいただければ、内容を判断しまして、国環研の適切なところと連絡をとりまして、私ども、あるいは、国環研から直接連絡をさせていただくことにします。

【花木会長】 委員側としては、いわゆる評価のAとかBとかCをつけるのではなく、コメントをつけるということであります。ですから、言葉でそれぞれがこの報告書、あるいは、資料をお読みになって、それについて、評価なんだけど、A、B、Cとクリアに記号でつけるのではなくて、言葉でそれぞれのお考えを示して、コメントを示していただきたいということでございます。締め切りまで時間が大変限られているというのは承知しておりますけども、何とかその辺りをお願いしたいと思います。

【木本委員】 今日は22日ですよね。私はこれを初めて見たのですが、8月6日までにコメントを出して、それが国立環境研の命運を決めるということですか。こういう仕事は形式的なものだとわかっているけど、何ぼ何でも急ぎ過ぎではないですか。何回か国立環境研へ行ったことはあるけど、人数が何人で、どういう部があって、予算が幾らで、どういう推移になって、どういう研究をして、といった組織としての基本情報もわからないで8月6日までに命運を決めるようなコメントを出せと言われても、それはいくら何でも、物の頼み方がちょっと違うのではありませんか。

 予定は変えられないことはわかりますけど、基本はこれを読んで、細かいところはこの分厚い資料編を読めばいいのですか。2冊目の薄いものはまだ読まなくていいですか。

【吉川環境研究技術室長】 資料4と資料5がありまして、基本はこの2冊です。それぞれ資料4と資料5の中で、書いてあることの詳しい内容とか、もととなるデータというのが分厚い資料6のほうに出ていまして、それぞれ該当するページのところで資料6の第何章というのが記載されています。

【木本委員】 環境研のことをよくご存じの方に頼まれても、こっちは知らないので、例えば、これを今、ばらばらと見ましたが、何々発表が26件あるのでよくやっていると思うと書いて、BとかAとかと書いてあるのですけど、これは、100人いれば26件ぐらいはするでしょう。その判断がつきにくいのですけど。リストもいっぱいついていて、いっぱいある、すごいなと一瞬思ったのだけど、これをもしも600人でやっているのだったら、そんなにすごくないですよね。その辺は、人数が書いてあるパンフレットをもらえば済むのかもしれないですけどね。

【花木会長】 その辺りは、今回、まずこれで評価をいただいて、8月の初めに出していただいて、もう一回審議会がございますよね。そのときにまた議論する機会がございますので、今回は限られた中ではありますけども、ご了解いただきたいと思います。

【木本委員】 しかし、文句ばかりを言いたくないですけれど、普通、我々の研究所で外部評価をやるといったら、先生方に来てもらって3日間泊まってもらって、部長が順番に研究内容を説明して、場合によっては論文の数の表も見せて、それで質問を受けて、納得いただいて、その後、お気づきの点があったら幾つか言ってくれませんかというようなことをするのですが、いきなりこれを読んで、6日までにと言われているのだけど、そんなことで済ませていいのですか。

【花木会長】 その辺りは多分何段階かでしておられて、研究の外部評価は研究所で別途やっておられると。先ほど点数があったところです。これはかなり時間をかけてやっておられるということであります。ここでは全てを見ることはできない。研究以外の部分も見なきゃいけないので、研究の部分だけを取り上げると……。

【木本委員】 それだったら、それもちゃんと説明してほしい。論文数とか発表数について4.何とかという、あの評価をするのではないのですか。何をどう評価すればいいのですか。

【花木会長】 研究もその一つですし、研究の方針であったり、あるいは、この後、石飛理事からご説明がありますけども、研究所としての運営、その中には人の雇用の問題、そういうものも入ってまいります。そういうのも含めた総合的な評価をお願いしたいということであります。研究とかの評価は別途専門家の人が既にしておられるところです。

【木本委員】 そうすると、これだけの大きさのこれだけ実績のある研究所の方向性とか、どんな課題を選ぶとか、どこに重点を置くとか、そこを評価するということですか。

【花木会長】 そこは重要なポイントです。研究の計画を戦略的に立てておられるかという、それは先ほど住理事長から最初に説明があったと。

【住国立環境研究所理事長】 あとは、運営だとか、業務全般に関する評価です。研究というのは、業務全般の一部なんですね。独立行政法人というフレームワークの中では。

【木本委員】 それにしても、それをこれで読み取れということは、それはちょっといくら何でも。ほかの先生方は、環境研のことをよくご存じだから、そういう説明は要らないのかもしれないですけど。

【花木会長】 どうしたらよろしいですか。必要に応じて補足的にご説明をするというのはできるかと思いますが。

【吉川環境研究技術室長】 まず、申し訳ございません。

 最初のほうから申しますと、先ほど、ご質問といいますか、どのくらいの研究者でセンターなり一つのプロジェクトを担っているのかといったところについてなど確認されたい事項は次回と言わず、今、この後でもご質問いただければ、それは国環研のほうと用意して、至急提供させていただきます。

 それから、全体の立てつけについては、従来、独法評価委員会においても先生方はなかなかお忙しいところもありまして、特に、研究の個々のところについては、国環研が自主的に行う外部評価というのをかなり参考にしてやっている部分がございました。しかしながら、ご指摘がございましたように、まず、委員の皆様に国環研をよく知っていただいて、研究の内容をよく見ていただくということを当然すべきだったと思います。

 後先になって大変恐縮なんですが、今後、1回、国環研を実際に見ていただくですとか、しっかり時間をかけて、特に、今回は、国立研究開発法人になりましたので、従来より多分研究部分について見ていただくところに重点を入れることも考えますと、研究者とよく話を聞いていただくという時間もつくっていく必要があるかと思います。今回は昨年までの立てつけで進めていこうと思ったのでこういう形になりましたが、これが唯一最善のやり方ということはございませんので、今後の国環研に対する評価の仕方というのは、先生方のご意見をいただきまして変えていくことも考えたいと思います。

 ただ、すみません、今回の26年度の評価、それから見込み評価につきましては、役所の話で恐縮なんですが、政府全体の独法評価のスケジュールがございまして、8月のうちに何とかまとめる必要がございますので、ここは大変恐縮ですが、今回のところについてはこのやり方で進めさせていただければと思います。

 ただ、不明の点等についてはどんどん注文をいただければ、そこは追加資料を届けさせていただきます。

【花木会長】 去年までの別の仕組みのもとですけども、国立環境研に行って、そこの研究者の方たちと意見交換するということをやったこともございましたし、また、そういう機会も折りに触れて設けたいと思いますが、26年度評価はスタートしたばかりなので、それもできず、大変申し訳ないです。個別に対応させていただく、ご説明するなり質問をお受けするなりということで進めさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【沖委員】 いろいろとお話が飛んでいるようですけども。

 今回、実績見込みに対する意見シートがありますね。これは室長さんのほうにお聞きしたいのですけれども、26年度評価に関してはしっかりと書けると思うのですが、この見込み評価のときには、どこをポイントにして意見を書かせていただければいいのでしょうか。私は軽くここの実績等報告書、見込みの報告書を読ませていただいて、話がかなり重複しているんですよね、評価のほうも。ですから、その辺だけをちょっと教えていただければありがたいのですけれども。

【吉川環境研究技術室長】 実際、重複はしていると思います。というか、実績報告につきまして、去年、一昨年と出てきている25年度、24年度の報告書も少しずつ改善されるところは改善されていっているということで、かなりの部分は重複しているのだと思います。ですので、23年度以降の見込み評価ということは過去4年分です。27年度、これからの分も見込みに入るわけですが、これも、基本的には内容は単年度のものとあまり変わらないというのはいた仕方ないかと思います。

 ただ、ポイントとしましては、第3期の中期目標期間の中で達成しようとした全体のスケジュールの中で、それが概ね達成できそうであるかという、中期目標期間5カ年全体を見たパフォーマンスがどうであろうかというところを見ていただければと思っております。

【高橋委員】 すみません、ちょっとまた質問が変わってしまうのですが、この報告書というか、これは基本的にはいいことがたくさん書いてあって、大変すばらしいと思うのですけども、一方で、問題点というものも少しお伺いしたほうがいいかなということで、最初の住理事長のご発表の中で、特に次期の計画のところで、それはつまり、現在の機能、問題意識というのを反映するものだろうというふうに思います。

 ということで、その中で一つだけお伺いしたいのですが、9ページの資料で、研究事業連携部門というものを新設するというお話がございました。右側のほうに少し注が書いてございますが、先ほどのご説明の中で、いわゆる「維持」という言葉が実は理事長の中から出ておられました。論文を発表するだけではなく、その維持なんだというようなお話ですけども、その辺の問題意識、現状の国環研の運営に関しての問題意識のようなものをお話いただけると、今回の評価等でも少しバックグラウンド知識として役に立つということで、お伺いしたいのですけど。

【住国立環境研究所理事長】 国全体が非常に短期的な成果を求めるという風潮の中で、環境というのは非常に時間スケールが長い分野もございますので、それは考慮していかなければだめだというのが第1点であります。

 それから、特にモニタリングなどは、例えば、人によっては、10年も続けてやって何をやるのかということになると、早くやめて次のことに移ったほうがよいと言う人も中にはいるのですが、そんなことをやったら何もなくなっちゃうということがありますので、そういう点では、まず、非常に時間スケールが長いので、やらなければならないことはやっていく必要があるだろうと思います。

 そうしますと、ご存じだと思いますけど、全ての分野で論文が全部出てくるというわけでもない部分があるし、それから、どうしてもテクニシャンと言われるような類の人がいるんですね。だから、これは僕の考えなんですけど、研究事業というか、ある種の別のカテゴリーをつけて評価を変えたいというのが一つあります。例えば、定義によって研究者というのは、──僕の説は、研究者というのは、新しいアイデアを出して、そういうリスクをとるのが研究者であると。対して、きちっと仕事をこなしていくというのは、どっちが偉い、上下ではなくて、それは性質が違う部分があるので、そういう部分を認めていかないと、どうしてもきちっとした仕事が環境研などでは維持できなくなるので、そういう意味でやっていきたいというふうに思っています。ただ、それがすごくマンネリではないかという批判もあるので、そこをよくわきまえながら、そういうことを両面でやっていきたいと思います。ただ、いろんなデータをとっていくとか、そういう仕事というのはやめたら戻れないというところがあったりするので、それを加味しながらやるということだと思います。

【高橋委員】 わかりました。

 そうすると、そういった問題意識をある意味ではマネジメントしていくというような形で、この新しい部門をつくりたいと、そういうような理解でよろしいでしょうか。

【住国立環境研究所理事長】 少なくとも、研究というのは、ある種のいろんなレベルの違うものがあるのだと僕は思って、そこは明瞭にしたほうがいいのではないかと。非常にチャレンジングなリスク的な研究、それを研究者ということもあるでしょうし、それから、例えば、こつこつとやっていかなければならないものもあるし、それから、国としてある種のデータを持っておくというのが仕事ですので。例えば、しばしば環境研の中でも問題があるのは、研究者が勝手に始めたものがあるんですよ、勝手と言うと悪いけど、その人の興味関心で始めて。そうすると、その人が辞めたら終わりにするということも非常にいいのですけど、そうではないものもあるわけです。それをあらかじめ環境研としては見ていかないと、これは環境研として続けてやっていくような事業で、それを今度はあなたが担当するんですよというふうにすれば、当然その後継者への支援になるんだけど、そうでないと、勝手に自分だけでやって、あとはごみだけを置いて、はい、よろしくとやめていくような人がいると、実際、後がえらく困るんですよ。だから、その辺は、我々としては一応組織ですので、そこを見据えたようなことを。逆に言うと、全てのことを研究所でできないということなんですけど、限られた予算の中で、どれを環境研として組織的に維持していかなければならないものかというのは峻別をして、決めたものを維持できるような体制にしておきたいと思っています。

【高橋委員】 よくわかりました。ありがとうございました。

【木本委員】 今のは、簡単に言うと、研究所なんだけども、現業的な仕事をやる分も考えたいということですか。

【住国立環境研究所理事長】 簡単に言うとそうです。現業といえば、そういうことです。ただ、いたずらに継続すればいいとは思いませんが。

【木本委員】 現業というと未来永劫やるみたいで、そうでなくてもいいけど、多少人が変わっても続けるような仕事もあるのではないかということをおっしゃっているわけですね。

【住国立環境研究所理事長】 そうです。それをあらかじめ組織として決めておかないと。非常に困るのは、ある人が勝手に趣味的に始めて、定年ですからよろしくねと。ちょっと待ってということが結構あったりするので、それをちゃんとしたいということです。

【木本委員】 今言われたようなことは大変わかりやすいのだけど、これらの書類からそれを読み取るのは、達人でないと無理かもしれません。

【花木会長】 そういう言葉遣いでは、なかなか書けないものですから。

【木本委員】 技術的ことをご質問しますが、理事長がご説明されたGOSATは、これは僕がわかる一番近い分野の仕事なので、このGOSATの仕事は大変重要だと思うんだけども、衛星が上がって、結構組織的に取り組まれて、年数も結構たっていると思うのですが、端的には、最初、宇宙からCO2をはかれば、排出の分布や何かが逆推定できるのだと言っていたが、それはどの程度。この図だとステーションのあるところしか書いていないような感じがするのですが、どの程度解明されたと考えたらいいですか。

【住国立環境研究所理事長】 これは違うのです。いろいろ出ていますけど、フラックスで考えると、データがなかったところなどで50%ぐらいの精度が改良されたとか、いろいろな中で結果が出ています。これが書いてあるのは、とある某所から日本の税金を使っているのだから、もうちょっと日本の政策に寄与することを出せというふうに言われていて、それで結局、都市域の人為的なCO2の排出がモニターできるということを強調して書いてあります。

 要するに、今、環境研が言われているのは、炭素循環がわかっても関係ないよと。要するに、国の施策としてどうするかというところが非常に大事だと。それは要するに、ああいう排出量の管理だとか抑制とか、そういうところに寄与するところまでいかないと、なかなかだめですという話になっているわけです。僕もそれはそう思っていて、そういう点で、カーボンサイクルが非常に大事なのは、人為的なそういう影響を見積もるときのバックグラウンドで、そこがわからないとごちゃごちゃになりますから、そういう点では、そこをきちっとやりたいと。衛星だけでやれるわけではなくて、地上系のフラックスとか、そういうものをまとめた形でやっていきたいと思っています。

 鍵は、どうしてもモデリングに行っちゃうんですね。そこの個別データからすぐ出てくるほどには簡単ではなくて、それを入れ込んだモデルを使って、幾らの排出量が推計できるかというところだと思いますが、それも鋭意努力しているところです。

【花木会長】 それでは、すみません、時間も大分過ぎておりますので、続けて、管理運営を含む石飛理事からの説明を順次お願いします。

【石飛国立環境研究所理事】 大分時間が押しておりますが、あまりはしょりますとご理解をいただけないということもありますので、そこら辺はいいあんばいで進めたいと思います。私がまず管理運営部門全体の説明をいたしまして、その後、総務部長から会計関係、そして、小林監事から監査の関係のご説明をいたします。

 まず、私の資料のスライドでありますけども、2ページに同じような目次がありますが、先ほどの原澤理事と色は白地と黄色地を全く入れかえたということで、黄色の部分を私が順次説明いたします。ただし、順番は3の(1)の後半部分から始めて、それから、第1の2の情報関係、そして、第2、第5という順番で進めていきたいと思っております。

 なお、この目次の項目はほぼ評価単位としてまとめております。それぞれ評価軸があるのですけども、先ほどの研究の成果と同様にはこの中には示しておりませんが、それぞれの活動業務が適切に実施されているかということが基本的な評価軸になるということでございまして、一部定量的な目標を定めたものについては、それの達成状況を説明するという構成になっております。

 3ページであります。まず最初に、第1の3の研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進の(1)の研究成果の提供等の後半であります。

 4ページに参ります。この研究成果の提供で、論文誌上発表等は先ほど説明があったとおりでありますが、それ以外の成果の提供ということで、ここではマスメディア、そして、インターネットを通じた成果の普及ということを挙げております。

 マスメディアについても、なるべく研究成果について知っていただくということで、報道発表を心がけております。26年度は46件、うち、研究成果の発表というのは16件ということで、前期の平均よりも上回っているという状況であります。それから、マスメディアへの取材要望ということでテレビ出演、それから、新聞報道もここに書いてあるとおりの件数を上げております。

 インターネットでは、研究所のホームページを通じてさまざまな情報提供をしております。アクセス件数は、書いておりますが、約5,330万件ということで、例年に引き続き高い水準で推移しているということでございまして、26年度、そして、中期見込み全体を通してもほぼ目標を達成というふうに言えると思って、B評価と自己評価をしております。

 5ページに参ります。研究成果の活用促進ということで幾つかありますけれども、まず、さまざまなデータベースを、研究の成果を生かすということでつくっております。それを全て研究所のホームページから提供しているという、これは継続事業であります。

 それから、環境標準物質、微生物保存株、実験水生生物、こういうものを作製しまして、国内外の研究機関の大学、教育研究に活用していただいているという活動を進めております。

 それから、3番、産官学の連携をより円滑に進めるという意味で、26年度は利益相反のマネジメントポリシー及び実施規程を制定いたしまして、より健全な産官学の連携を進めていこうとしております。

 4番、5番、これは知財関係のことでございまして、知財のポリシー、それから、取扱規程というものを昨年度に大幅に改正したところであります。

 その内容は6ページでありますけれども、これまで、私どもは、研究に伴いましてさまざまな発明を対象にして、その管理をしていたわけでありますが、今後は成果有体物、先ほどの標準物資みたいなものもこれに入りますが、それから、研究の過程で得られたプログラムといったものも通常の知財の概念に入りますので、そういうものを含めた規程の改正をしたということでございます。26年度末現在で、保有する特許件数は現在38件ということでございます。

 この分野につきましても、評価としては、26年度はB、そして、中期全体としてもB評価で、計画どおり進めているというふうに自己評価しております。

 続きまして、7ページであります。社会貢献活動の推進ということで、研究所として広くPRをするという意味で、公開シンポジウムを2回、そして施設の公開というのも春と夏、2回やっておりまして、参加者も、ここに書いてあるように、数百名から4,000を超える方においでいただいているというような実績が上がっております。それ以外にも、シンポジウム、ワークショップ、そして、COPのような国際会議でのサイドイベント等で積極的に成果の発信をしているということでございます。

 8ページは、夏の大公開の様子の写真であります。

 この分野につきましても、26年度も中期見込み全体としても、計画どおりの実績を上げられているという自己評価で、Bとさせていただいております。

 続きまして、9ページであります。環境情報の収集、整理、提供に関する業務であります。先ほどもホームページのことを触れましたけども、ホームページは、さまざまな情報提供をしている中で、「環境展望台」というもので、ここに行けば、私どもが何をしているか、そして、環境に関するさまざまなデータや情報にありつくことができるということで、「展望台」という名前をつけて情報提供をしております。その中に、情報源情報、例えば、有害化学物質に関することや外来生物に関すること、温暖化に関すること、さまざまな情報のキーワードがありますけども、そういうものを入力すれば、それに関するレポート、論文、そして、報道発表資料、さまざまなものにそこからたどりつくことができるというメタデータを、目標として年間2,000件というふうに定めておったのですが、それを上回る件数を今回、提供することができました。

 それから、環境GIS(地理情報システム)と環境データをリンクさせて発表するというようなもので、最近特に注目されている熱中症の発生数、さまざまなものを新たに追加したということでございます。

 そのほか、情報提供をよりよくするためということで、1,200人のWebアンケートを実施しまして、その中で、大気汚染予測システム、例えば、PM2.5が今日はどうなりそうかといったリアルタイムのものについてはできるだけモバイル対応にしてほしいという要望がありましたので、昨年度はそれについての改善をしたということがございます。その他、それ以外にもさまざまな情報を提供しているということでございまして、これも計画どおりに進めることができたと自己評価しておりまして、Bとしております。

 10ページは環境展望台のトップページでありますが、説明は省略させていただきます。

 続きまして、第2の業務運営の効率化に関する事項が11ページからになります。

 まず最初に、研究所の運営支援体制の整備ということで、これは運営支援体制で、全体マネジメントに関することということでございます。

 まず、研究分野につきましては、これは前半の説明でありましたように、8研究センターを基本とした研究体制のもとで研究をしているということであります。そして、管理部門につきましては、現在、環境情報部、企画部、総務部という3部で構成して、連携をしながら研究部門を支えているということでございます。

 3番、これも先ほど説明がありましたけども、来年度に福島支部をつくると。初めて研究所としては本格的な支部ということで、昨年度は、そのさまざまな準備をするために、福島市内に出張所を開設したということを書かせていただいております。

 そして、4番、国内外の研究機関との連携ということで、これはもちろん研究所を挙げてやっておりますが、特に、研究連携部門、企画部というのが全所的な取りまとめをし、調整をしてやっていくということに努めてまいりました。

 5番、コンプライアンスの関係でありますけれども、昨今、これにつきましても非常に厳しい対応が求められておりまして、チェック体制、そして、それぞれの研究者の研究活動がどういう法令の手続をとらなければいけないかというチェックリストを設けて、それを順守してもらう。また、コンプライアンス研修会を開催して、受講者、研修対象者に対して、受講率95.8%、ほぼ100%に近い受講率で実施したということ。さらに昨年、文科省のガイドラインの見直しがあったのを受けて、研究不正防止に係る規程、研究費の不正使用防止に係る規程、これを大幅に改正して強化したというようなことでございます。

 26年度については計画どおり。そして、中期見込みでも、全体として非常に大きなものは、東日本大震災対応でさまざまな体制を立ち上げていったということは特徴だろうと思いますけども、所全体としては計画どおりということで、B評価にさせていただいております。

 13ページに参ります。人材の効率的な活用であります。

 研究部門での人材活用ということで、8研究センターにそれぞれ必要な研究者をできるだけ配置してまいりました。通常の研究者に加えて、フェロー、主として研究所のOBでありますけども、それから、客員研究員、ほかの研究機関・大学からの研究員、そして、共同研究員、これは主として民間企業やほかの研究機関との共同研究をするための研究員、こういう方々を受け入れたと。さらに、外部の研究者を連携研究グループ長として、こちらの研究グループの指導的立場を担っていただく。例えば、大学の教授、准教授クラスの方に委嘱をしてというような交流もやっております。若手研究者、女性研究者もできるだけ多く採用するということで進めております。

 それから、事務処理能力、研究能力も含めてでありますが、さまざまな研究、外部研究、所内研究も計画をつくってやっておりますし、職務業績評価、これは研究評価のところでも出てまいりましたけども、事務職も含めて業績評価をして、それを6月の業績手当、昇給に反映するという仕組みで能力向上に努めております。

 中期見込み全体としては、研究系の常勤職員83名をこの期間に新たに採用するということになっております。ほぼこれも人事計画どおりということでありまして、全体としてはB評価という評価をしております。

 14ページに現在の職員数を書いてあります。

 先ほどのご質問のごく一部の答えになろうかと思いますが、全体として893名が雇用関係にあると。そのうち、役職員、これは常勤の職員ということになりますが、274名で、そのうち研究者が211、そして、管理部門が58、その他役員が5名と。それから、契約職員というのは、これは常勤ではない。ほぼ常勤の人もいますけども、契約を結んで、基本的には単年度契約、場合によっては5年間まで延長といったようなことがスタンダードになっている方々でありまして、先ほどのフェローとかもいらっしゃいますし、それから、特別研究員、準特別研究員、これはいわゆるポスドクであります。それから、高度技能専門員、いわゆるテクニシャンに該当する方。そして、事務的なアシスタントスタッフといった方。合計で619名ということです。

 比較的若い研究所である宿命でもあるのですけども、常勤に比べて契約職員が非常に多く、その方々に支えられているというところ。ここには書いておりませんが、そこは一つの課題として我々は受け止めているところでございます。

 続きまして、15ページであります。財務の効率化であります。

 ここには数字がございませんが、通常、環境省からの運営費交付金というものをほぼ平均して120億円いただいて、それが基本になっております。それ以外に、約30億円の自己収入を外部競争資金などで得て運営しているというのが大まかな財務的な姿であります。

 そのうち、業務実績報告に挙げているものとして、業務費の削減というのは、これは独立行政法人全般に求められている削減でありますけども、予算ベースでは前年度比1%、そして、一般管理費は前年度比3%減ということで、予算上はこのとおりにやっているわけでありますが、決算はどうしても繰り越しがあったり途中で補正があったりということで、前年度比はきれいにはならないのでありまして、場合によっては前年度比を大幅に削減の年度もあったのですけども、第3期の中期の終わりごろになると繰越金をかなり抱えて、それを執行するということになりますと、それに応じて業務経費、一般管理費もどうしても増えてきているということがありますが、予算上は、押しなべていくと、削減は実行しているということであります。

 2番の給与水準でありますが、よく比べられるラスパイレス指数、国家公務員を100とした場合、研究系職員104、事務系職員101ということです。事務系はほぼ100に近いのですけども、研究系職員はどうしても、私どもはドクターコースを出た博士号を持った方を研究職で採用するということを原則にしている関係で、どうしても下駄をはいた形になるということは避けて通れないと考えております。その意味では、それを考えれば標準的な姿になっていると考えております。

 それから、自己収入のうち、競争的資金については、前期の年平均額が20億800万円あったわけでありますけれども、26年度は13億5,000万円ということでかなり減っております。いろいろ理由はあるわけでありますけれども、私どもが一番頼りにしている環境省の環境研究総合推進費が総額として減ってきているということもあります。それからもう一つは、中期見込みのところにも書いているのですけれども、政府の業務受託、これは随意契約もあるのですが、もちろん競争的な契約のものもあるわけですけれども、政府が非常に政策的に重要だというものについて、私どもが競争の上で勝ち取った委託費というのはかなり増えてきているということであります。

 自己収入全体としては、16ページにグラフがありますけれども、でこぼこは多少あるのですが、第2期の平均より26年度は上回っているということでありまして、自己収入としてはほぼ100%の状況ではあるのですけども、外部資金、競争的資金については、そういう意味では、相対的には減っているという状況で、一層の努力が必要だということを外部研究評価委員会からもご指摘いただいているところでございます。

 続きまして、17ページに参ります。効率的な施設運用ということであります。

 私どもはさまざまな高額研究機器・施設を当然持っているわけでありますが、これが研究計画に沿って必要かどうか、更新が必要なのか、それとも、場合によっては廃止、撤去といったようなチェックをすることはどうしても重要でありまして、現在、第4期に向けて大型施設検討委員会を設置して、第4期に向けて要不要の検討をし、さらに、これから必要とされるものは何かといったようなことの現状把握と今後のあり方ということを検討しております。

 それから、2番の施設の効率的な利用ということで、スペース課金制度というのを持っております。いわば研究所の敷地内の固定資産税みたいなものですけども、居室、そして、実験室に応じて一定の課金をして、それで得たものについて有効利用すると同時に、そういうものでなるべく不必要な施設、スペースを抱え込まないようにということを期待してやっているものでありまして、これも順当に運用しております。26年度はたまたま不要というスペースは発生しなかったわけでありますが、今年度はまた機能の見直しということで、この際に有効活用を図っていきたいと思っております。

 それから、水質汚濁防止法、これは、地下浸透の防止ということでの施設の対応が私どもは求められて、実験排水の本館工事は完了したということでありまして、これも逐次進めていっているところでございます。

 中期見込み全体としては、災害環境研究を始めたということで、この研究所の中でも当然放射性物質を扱うわけでありますので、そこの効率的というか、安全運用ということで、研究エリアというのを設けて、そこでの放射線管理は厳密にやっているといったようなこともここに書き加えておりまして、一応、効率的な施設運用は計画どおり進められたというふうに評価しております。

 次に5番、18ページでありますが、情報技術等を活用した業務の効率化ということで、さまざまな運営管理業務の中でなるべく情報技術を活用しようということであります。私どももコンピュータシステム最適化計画というものをつくって、ネットワーク化、システム化を進めてきております。その中で、業務用のパソコンについては一括管理システム、いわゆる新クライアントシステムというのを設けて、効率的な運用をすると同時に、セキュリティー上も高めているということであります。また、さまざまな職員等の基本データシステム、人事給与システム、会計システム、こういったものも逐次改善しながら、システムの効率化、適正化に努めてまいりました。

 それから、データベースにつきましては、先ほど申し上げましたけども、その適切な運用を図っております。

 それから、4番、セキュリティーポリシーの関係です。昨今もさまざまな機関でセキュリティーの問題が発生しております。私どもも細心の注意を払っておりますが、何せ、これは全ての職員が気をつけなければいけないということで、昨年度はセキュリティー研修を行いまして、受講率は100%、全て受講させたといったようなことです。これで十分ということではありませんが、計画どおりの業務はできたというふうに考えております。

 続きまして19ページ、環境配慮であります。国立環境研でありますから、それは当然のことでありますけれども、環境管理、安全管理の面では、グリーン調達、省エネ、廃棄物リサイクル、化学物質の適正管理、アスベスト対策、こういったものを着実に実施してまいりました。職員一人一人がマネジメントシステムを自己点検して、それを総体として組織として評価するということもやっております。総じて、節電については、前半の説明にあったとおりでありますが、廃棄物、それから、水道利用といったようなことについても徐々に改善が図られております。そういった結果につきましては環境報告書ということで毎年公表しておりまして、今回も参考資料にたしかつけていると思いますけども、公表もしております。ということで、昨年度はB評価です。

 それから、アスベストのことを少し中期見込みのところに書いておりますが、私どもは依然としてまだアスベストを使用しているものがあったのですけども、15棟については撤去したということでありますが、もう1棟についてはどうしても構造上、その建物自体を取り崩さないと除去できないということでありますので、現在はアスベストの測定をしながら、もちろん、それが飛散しないような注意をしながら、注意深く使っているという状況であります。

 20ページ、内部統制の推進であります。これも従来から心がけてきているところでありますが、特に、独法の通則法の改正の中で、内部統制を強化せよと。特に、理事長を長とした内部統制の強化ということがうたわれております。

 1番は、これは当然のことながら、理事長をトップにして、その下に研究センター長、プログラム総括のもとに、研究そのものについては進行管理をやっております。加えて、外部研究評価委員による評価、そして、国内外の専門家の助言を受けてやっているといったようなことを書いております。

 それから、3番のコンプライアンス委員会。これは、先ほども申し上げましたけども、委員会を設けて、そのもとでの遵守状況の監視をしている。日々の監視につきましては各センターの中で、手続のチェックをしていただいているということでございます。

 それから、4番、研究不正、研究費の不正使用。これは、先ほど申し上げましたように、内部規制を改正強化したところであります。それ以外のさまざまな内部統制の強化につきましては、昨年度、業務方法書を通則法に基づいて改正いたしまして、新たに基本規定を設けて、現在、基本規程のもとで個別規程の改正、制定作業を進めているところでございますが、26年度中もできるところまでやったということであります。

 加えまして、監事監査、そして、内部監査を計画どおりに実施したということで、全体としてはB評価ということにさせていただいています。

 21ページに参ります。安全衛生管理の充実であります。

 健康管理につきましては、所員に対して定期健康診断、特に、放射線関係の従事者については電離規則と同等の健康診断を実施して、問題のある。なしをチェックしております。それから、メンタルヘルス関係で、昨今、非常に相談者が増えているということも社会全体で言われております。私ども研究所でも、専門機関の相談、臨床心理士による特別相談、さらには、精神科医を産業医として、非常勤ではありますが配置して、相談に乗る体制を強化いたしました。また、健康管理の面でも、産業医の指導のもと、常勤の保健師による指導、そして、さまざまなセミナーを実施しております。

 作業環境につきましても、構内の居室、実験室のさまざまなCO2や、それから、空間放射線量の測定ということも、規定に基づいてやっております。

 それから、教育訓練ということでは、特に、放射線の業務従事者については教育訓練を定期的に実施してまいりました。

 安全管理体制の強化ということで、総務課に安全管理係、衛生管理係というのを新たに設置しまして、管理体制を強化したところでございます。

 こういったものもほぼ計画どおりに進めたというふうに考えておりまして、自己評価はBとさせていただいております。

 最後に、その他の事項というのが第5、22ページからでございます。

 23ページ、施設・設備の整備、維持管理ということでございます。私どもは国立公害研の時代から41年がたっておりまして、これからは、新設というよりも施設の更新、補修というのが非常に多くなってくるわけでありますが、そういう施設の更新等につきましては、中心的な財源ということで国の施設整備補助金というものをいただいておりまして、計画的に施設の整備、更新をやっております。26年度は、大気汚染物質実験棟とありますが、そこの耐震工事を実施いたしました。それ以外のものも計画的にほぼ実施したところであります。それ以外にも、細かな保守・運転・監視・点検、経年劣化により故障したものの修繕というもの、これも要望に応じて進めてきたというところです。

 それから、水質汚濁防止法につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。

 それから、中期見込み全体としては、やはり、3・11の後、私どもの施設も相当被害を受けたところでございますので、それを計画的に復旧、そして、耐震化を進めてきたというところでございます。繰り返しになりますが、非常に老朽化した施設がありまして、これを順次改修・更新するためには莫大な費用がかかるということで、その施設をどう確保していくかということが、まだこれからの第4期に向けても課題として残っているということで、これもまた、環境省等ともよく相談しながら、遅れのないようにしていくということが課題になっております。

 最後になりますが、24ページ、人事に関する計画であります。

 まず、研究系の常勤職員で、いい人を採用していくということであります。まずは、基本的には任期つきで職員を採用して、三、四年ぐらいで評価した上で、その方が今後環境研を背負って立つ人間としてふさわしいということであれば、テニュアトラック制を活用して、この方々を常勤職員にするというシステムを従来から採用しております。その中で、特に若手の研究者、女性の研究者もなるべく多く採用するということを進めております。

 また、フェロー制度や連携研究グループ長等、先ほど申し上げましたが、こういう現役もしくはシニアの方々で有用なすぐれた方の活用ということにも努めてまいりました。

 若手研究者へのさまざまなサポート、これは前半の説明にあったとおりであります。また、海外の研究機関への派遣研修というものも、毎年2名程度派遣しておりまして、海外の研究機関で修行して、私どもの研究所へ帰って、それを反映していくという制度がございます。

 それから、2番の、女性向けの妊産婦の休憩スペースを1カ所増設。そして、一時預かり保育、これは非常に今、利用者が増えてきているということで、大いに活用していただこうと思っております。

 さらに、外国人の研究者への生活支援というものも引き続きやって、外国人の方にとって生活しやすく働きやすい研究機関ということを目指していこうと思っております。

 ということで、これもほぼ計画どおりということで、B評価にさせていただいております。

 最後、25ページでございますけれども、業務実績等報告書における総合評価ということで、これは、前半の研究と、それから後半の管理運営、全般を含めてということでございます。26年度も中期計画、そして、年度計画に基づいて、研究も管理運営部門もほぼ計画どおりの業務が遂行できたというふうに考えて、Bとさせていただいております。

 中期見込み全体といたしましても、先ほど来、話が出ておりますが、東日本大震災があった後、放射線関係、また、災害廃棄物の関係というようなさまざまな突発的な業務も発生いたしましたが、それも、変更した中期計画に基づいてほぼ目標を達成できた、できる見込みであるということで、B評価とさせていただいているというのが、通しての総合評価ということでございます。

 以上で説明を終わらせていただきます。

【横山国立環境研究所総務部長】 総務部長の横山でございます。

 引き続き、財務諸表につきましてご説明させていただきます。

 資料7でございます。資料7の決算関係書類でございますけども、独法通則法第38条第1項において規定されております貸借対照表、損益計算書、利益の処分に関する書類、主務省令で定める書類ということで、キャッシュフロー計算書及び行政サービス実施コスト計算書と、これらの附属明細書を財務諸表ということで配付させていただいております。

 次に、独法通則法第38条第2項の規定に基づきまして、事業報告書、決算報告書、また、資料8として、監査報告書を配付させていただいております。監事及び会計監査人からは、いずれも適正であることを認める旨のご意見をいただいております。

 それでは、財務諸表の説明につきまして、主要なポイントを中心に説明させていただきます。

 初めに、財務諸表1ページ目、法人の財政状況を明らかにする目的があります貸借対照表でございますけれども、期末日である平成27年3月31日における資産、負債、純資産を記載したものでありますが、資産は資金の運用形態を表したもの、負債、純資産は資金の調達源泉、つまり、どうやって資金を調達したかということを表したものであります。

 貸借対照表の左下の資産合計でありますけども、平成27年3月31日現在で約443億円であります。これは、減価償却費よりも調達した資産のほうが26年は多かったことにより、前年度よりも若干増えております。

 次に、同じく、貸借対照表、負債であります。右上の運営費交付金債務は、今年度は約50億円を計上しております。これは、平成26年度に契約して、支出が27年度にずれ込む、年度をまたがった契約や、諸般の事情によって事業を繰り越す等の影響で運営費交付金の収益化が進まずに、ここに残っているということでございます。

 次に、純資産でありますけれども、業務を確実に実施するために与えらえた財産的基礎及び業務に関連して発生した剰余金であり、活動していく上での経済的な基礎であります。今年度は274億円となっております。

 続きまして、財務諸表の2ページ目の損益計算書をご覧ください。法人の運営状況を明らかにするために、一事業年度に属する全ての費用と、これに対応する全ての収益を記載しているものであります。

 経常費用、経常収益ともに、平成25年度までの交付金の繰越事業を平成26年度に費用化したことにより、これも前年度より増加しております。

 当期の総利益でありますけれども、今期は1億1,800万円の利益であります。これは、自己財源で取得した固定資産の会計処理の影響によるものが主な要因であり、必然的に出てくるようなものというふうに理解しております。

 続きまして、財務諸表の3ページのキャッシュフロー計算書でございます。

 これは、一事業年度におけるキャッシュの出入りの状況を業務活動、投資活動、財務活動の活動区分別に表示する書類でございまして、他の計算書類との関係では、本計算書の資金期末残高が、先ほどの貸借対照表の現金及び預金に一致しているものでございます。

 それから、財務諸表の5ページの行政サービス実施コスト計算書でございます。これは独法独自の計算書類でございまして、損益計算書の項目の差し引き等を行って、広い意味で最終的に国民の負担に帰すべきコストを集約的に表示している書類でございます。

 最後に、財務諸表の18ページをご覧いただきたいと思います。独法会計基準によりまして、独法との関係が一定の基準に該当する公益法人等については、関連公益法人等として情報を開示することとされております。当研究所におきましては、当該法人の事業収入に占める当研究所との取引に係る額が3分の1以上となっております一般財団法人地球・人間環境フォーラムと、それから、20ページの一般社団法人泥土リサイクル協会が該当しております。これらの法人との契約につきましては、引き続き透明性、競争性の確保に努めてまいりたいと考えております。

 なお、事業報告書と決算報告書についてでございますけども、事業報告書は当法人の基本事項と業務実績報告書を要約したものでございます。決算報告書は、執行額と予算の区分に従って整理し直したものでございます。これらにつきましては説明を省略させていただきます。

 以上、駆け足でございましたけれども、決算書類の説明でございました。

【小林国立環境研究所監事】 それでは、続きまして、監事からの報告をさせていただきます。

 当法人の監事は天野と小林でございます。今日は私、小林が代表してご報告させていただきたいと思います。

 資料はお手元の資料8でございます。資料8は、私どもの環境大臣宛ての監事の監査報告書、その後ろ側についておりますのは独立監査人の監査報告書といいまして、会計部分については有限責任のあずさ監査法人に監査を受けておりますということでございます。

 それでは、私どもの監事報告をさせていただきたいと思います。

 監事監査は、監査計画に基づき、理事長、理事、各部署と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、理事会等に出席し、役職員と会計監査人から職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。

 監査の結果でありますが、研究所の業務が法令等に従い適正に実施されているか、中期目標の着実な達成に向け、効果的かつ効率的に実施されているかどうかについては、研究所の業務は法令等に従い適正に実施され、また、中期目標の着実な達成に向け、効果的かつ効率的に実施されております。

 次に、研究所の内部統制システムの整備及び運用についても指摘すべき重要な事項は認められません。それから、役員の職務の執行に関する不正な行為、または、法令等に違反する重大な事実は認められません。

 財務諸表と事業報告書については、いずれも結果は相当であります。

 全般的に、理事長のマネジメントのもと、環境研業務は適正に運用されていると考えております。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 これまでのところ、主として管理運営に関する部分でありましたが、ご質疑をお願いします。

【衛藤委員】 衛藤でございます。初めてでございますので、いろいろわからないことがあるのですけれども、職員の安全、衛生管理に関して、特に、メンタルヘルスということに関しては対策あるいは予防ということで説明があったと思いますが、このことに関連して、勤務時間の管理というようなことに関してはどのようになっているか、ちょっとご説明がなかったので、補足していただけますでしょうか。

【石飛国立環境研究所理事】 実は、これについても取り組んでいる最中なんですけれども、まだそこについて十分ではないところがあると考えております。研究者の勤務形態としては、もちろん、勤務時間は決めて、それぞれの契約に基づいてやっているわけであります。それで、超過勤務があれば、超過勤務の命令に基づいてやるということになりますけれども、どうしても、研究の形態によりまして、その時間がかなり長引いてしまったり、一定の期間に非常に集中してしまったりというところがありますので、そこの管理をしっかりやらなければいけないわけです。そこの管理システムに関しては、そういう電子情報をしっかり扱うようなシステムがまだでき上がっていないという状況でありますので、早急につくらなければいけないという状況でございます。まだ現在進行形なんですけれども、早急にそういう管理をした上で、超過勤務もなるべく少なくするということで、健康管理の面でも問題ないようにしたいということです。実は、こういう問題は、所内に衛生委員会というものがありまして、そこでも問題だということで、しっかり取り組もうということでやっている最中でございます。

【高橋委員】 3点ほどちょっとお伺いしたいのですが、最初に、職員数のスライドが14ページにございましたが、この中で、いわゆる研究成果に関わる職員というのは、数としては役職員274名中211、それから、契約職員の151、これが研究に関わる職員と思ってよろしいかどうかというのがまず1点目です。

【石飛国立環境研究所理事】 いわゆる研究業務に携わっているという意味では、ここでは、役職員の研究実施部門の211名、これはおっしゃるとおりです。それから、契約職員の中で、いわゆる研究系でやっている方は、研究系契約職員151名ということです。ただ、研究成果となりますと、これはちょっと幅広くなって、成果を発信する業務、それから、研究のサポートをするという意味では、高度技能専門員やアシスタントスタッフも関わっているのですけれども、いわゆる研究業務ということではご指摘のとおりです。

【高橋委員】 わかりました。

 それから、もう1点は、説明がなかったのでお伺いしたいのですけども、先ほど、理事長のリーダーシップというお話がございましたが、いわゆる研究所の意思決定です。最近は大学でも学長のリーダーシップのことが言われていて、意思決定の方法について改善をするということが随分言われていますが、そういう意味で、例えば、8部門の研究部門があって、それがどういう形で研究所の意思決定に関わっていくのかというところについてお伺いしたいのが2点目です。

【石飛国立環境研究所理事】 それでは、2点目のご質問、研究所としての意思決定のプロセスでありますが、トップとして理事長がいて、最終決定をするということでありますが、理事長の決定をサポートするものとして、直下に理事会というものを設けております。構成は理事長、理事、監事という役員がいまして、例えば、規程の改定をするというようなこと、それから、環境省への報告書の最終決定をするといったことは理事会を通すことになっております。

 その下に幹部会というものを設けております。この構成は、理事長、理事、それから、私どもはユニット長と呼んでおりますが、各研究センターのセンター長と管理部門の部長、そして、監査室長です。ここで、先ほどの規程改正や環境省等への報告という非常に重要な文書の決定のほか、研究計画であるとか、個別で何か問題が起きたときの対応の方針というような、もろもろ所全体として決定すべき事項は、全てここへかけているということであります。

 その下には、各センターごとに、それぞれのセンターの運営で必要な決定をするという会議の場を設けておる、こういう組織になっております。

【高橋委員】 現在、研究所としては、いわゆる意思決定のシステム的な問題点というのは特に意識されていないというか、問題点として認識されていないという理解でよろしいですか。例えば、先ほど大学の例を申し上げましたが、大学はシステムそのものも結構問題を抱えているということがありまして、そういう点での質問なんですが。

【石飛国立環境研究所理事】 その点につきましては、現状でまだ改善すべきところはあろうかと思います。今後私どもで重要になってくるのは、福島支部ができたときに福島支部と本部との関係をどうするか。マネジメント、ガバナンスの問題というのをこれからやっていくということで、現在も考えているのですけれども。こういうことで、新たに規程をつくって、また、規程を改善しなければいけない問題というか、課題だというふうに考えております。

 それ以外にも、さまざま内部統制の強化の中で細かい、業務としてやるべきことが増えてくると思いますけれども、そういったものも、規程もしくは内部運用で、改善すべきところはやっていきたいと思っております。

【高橋委員】 ちょっと時間を食って恐縮ですけど、もう1点だけ。最後に3点目ということで、人事に関する計画のところで、外国人研究者に対する職場改善というのがございました。非常に大事なことだと思うのですが、逆に、外国人研究者に対するこれまでの体制整備の中で、これは我々のところでも問題になるのですが、いわゆる事務職員のコミュニケーション能力の問題です。研究者は大体問題ないと思うのですけども、いわゆる支援体制の中でのコミュニケーション能力の開発というのでしょうか、そういったものについても、国を代表する研究機関としてはそれなりに取り組むべき事項ではないのかなというふうに思うのですが、その辺はいかがでございましょうか。

【石飛国立環境研究所理事】 外国人の研究者の通常の研究所の中での活動を考えますと、ご指摘のとおり、研究関係につきましては、主として英語での会話で事足りると思うのですけれども、事務的なことにつきましては、その方がいらっしゃる研究室に必ず英語のしゃべれる事務員がいるかというと、現状はそうなっておりません。通常は、研究者といっても、少し上の室長とか副センター長ぐらいに聞けば、大体のことは、英語で解決することもあるのですが、それに加えて、どうしても所全体のことについてわからないといったようなことも現にありますので、現在は、企画部の国際室というところに外国人を、具体的にはネイティブのアイルランド人なんですけれども、置いておりまして、何かあればそこにメール、電話が来て、そこが一括して問題を解決する窓口ということで、設定しているところでございます。

 以上です。

【高橋委員】 ありがとうございました。

【花木会長】 よろしいでしょうか。

 中静委員、どうぞ。

【中静委員】 2点なんですけど、一つは、外部の研究者を連携グループ長とするということなんですが、これによって、例えばどんなことがよかったのかということを具体的に教えていただけるとありがたいです。

 もう一つは、研究を効率化する上では、大学でもそうなんですけど、適正に使うということは大事なんですが、もう一方では、柔軟に研究費を使える仕組みというものをやっぱり考えていく必要が僕はあると思っているのですが、そういうことで工夫されているようなことがございましたら、お願いします。

【原澤国立環境研究所理事】 連携研究グループ長につきましては、平成26年度は5件進めております。

 もともとの発想は、環境研はいろんな環境研究をやっていて、非常に幅広い分野をやっているのですが、やっぱり弱い分野があったりしますので、そちらについては、大学の先生方に室長級のリーダーをお願いして、職員をつける形で研究グループをつくるという形でやっております。

 具体的には、地球センターではモニタリング等のデータ解析するグループで、生物センターにつきましては動物ゲノムの専門家、京大の先生にお願いして連携研究グループをつくっていただきました。あと、環境経済ですとか先端計測ですとか、都市大気といった分野については、専門分野の大学の先生方にお願いして研究グループをつくって、進めているということです。我々にとっては、弱い分野を強くするという話と、ほかとの連携、特に大学との連携等々も進めるということで、今後とも力を入れていきたいということであります。

【石飛国立環境研究所理事】 2点目の、研究費の効率的な活用ということでの工夫でありますけれども、第3期が23年から27年度までありまして、ここの研究費の配分については、各センターに配分する費用については、基本的には毎年同等の金額を配分するということにしておりますが、各センターの中でセンター長を中心にして、前年度までの研究成果が各研究者からどういうふうに上がってきているのかという評価をした上で、その後の研究計画で、さらにそれを強化したほうがいいのか、それとも少し変更したほうがいいのかというようなことを各センターの中でやって、そこでマネジメントするというのがまず1点目でございます。

 それから、当初に研究計画をつくって、やっているのですけれども、途中で新たな研究課題が生じてしまった、また、社会的要請が増えてしまったとものに機動的に対応するために、これは前半の原澤理事の説明にもありましたが、所内公募型の研究システムという予算を設けておりまして、途中でどうしてもこういう研究が必要だ、次につなげるための効果的な研究が必要だというものについては、研究者個人、もしくは、グループとして研究の計画を立てて、所内の研究評価委員会で審査した上で、得点の高いものについて採択するということで、新たな研究ニーズについて応募していただいて対応するというようなことが、2点目の工夫として挙げられると思います。

 以上です。

【中静委員】 そういう点に関して、例えば、所内の研究者の評価といいますか、どういうふうに感じているかというのは、どういう状況にあるでしょうか。

【原澤国立環境研究所理事】 公募型研究につきましては、公募して応募時の審査、評価があって、その中から一定水準以上のものを選んで進めていただくという話と、終わった段階では終了評価をやりまして、通常の外部競争的資金のときと同じような形でやっていますので、アイデア出しという面で、そういう機会があるということです。また、研究センター間の横断的な研究が非常に重要になってまいりますので、新しい研究グループ等ができることもあります。

 あと、公募型研究の中でもB型の研究というのは200万円で単年度ということなので、特に、若手を中心にした応募が増えておりまして、新しいことにチャレンジするということで、もっともチャレンジングな課題ですから、成果が出ない場合もあったりしますけれど、それはそれでまた次につながるというようなことです。そういう意味では、非常にうまく機能しているだろうと思います。

【木本委員】 今、そうやって質問が出ると、そういういいこともやっているんだなと、いろいろ感心したりするのですけど。要覧とか年報とか、その類いのものをお出しになっているのですか。それは手に入るのですか。組織の何々委員会の下にこれこれ委員会があるとか、部が幾つあるとか、人数が幾つだとか。

【原澤国立環境研究所理事】 その辺は過去からずっと、年報関係については出しております。

【木本委員】 委員を呼ぶのだったら、年報ぐらいは先に配るべきではありませんか。

【原澤国立環境研究所理事】 ただ、最近、印刷物の電子化という流れがありますので。

【木本委員】 アドレスを教えてもらえば見ますけどそれもわからない。

 ついでに、原澤さんにお聞きするのがいいのかどうかはわかりませんが。さっき、意思決定の委員会の構成なんかをご説明されていて、何か考えているんだなということはわかりましたが、普通、組織だと、外部の人の意見を聞くということで、この委員会には外部の人を何人入れているとか、そういうのがあるのではないかと思うのですけど、その辺りはどんな感じですか。この評価がそういう機会なんですか。その辺のことを教えてください。

【石飛国立環境研究所理事】 全体として議論する意思決定の中に外部の人を入れているというのは、今のところ、ありません。ただし、これは繰り返しになりますが、研究評価に関しては、前段として外部研究評価委員会を。これは全て外部の方々に第三者的に見ていただいて評価をして、それをもとに実績報告書もつくっているということがございます。

 それから、個別のテーマになりますけれども、例えば、研究不正とか、それから、利益相反のマネジメント、こういったものについては、内部だけでやると問題がうやむやにされるという可能性もありますので、外部の有識者を確実に必ず入れるという対応を一部についてはとっております。

 以上です。

【木本委員】 わかりました。

 ついでに聞かせてもらって申し訳ないですけど、評価を毎年度やっているみたいに聞こえましたが、評価をすると何か指摘をされて、大抵の場合、それにこういうふうに応えましたというようなやりとりがあると思うのですが、それをざっと見ると、大体この研究所でどの辺が問題と言ったら申し訳ないですけど、課題になっているかとか、わかりやすいと思うのですが、そういうのはあるのですか。

【吉川総政局環境研究技術室長】 後ほど資料9で私のほうから説明させていただきます。

【沖委員】 非常にシンプルな質問ですけれども、人事に関する計画です。若手研究者、あるいは、女性研究者の採用を非常に頑張っておられるという感じがしたのですけれども、女性研究者の雇用率が環境研は今のところどれぐらいでいらっしゃいますか。今、非常に話題になっているところですので、少しその辺の情報をいただければ。

【住国立環境研究所理事長】 若い研究者は割と多いですよ。

【沖委員】 今、理事長さんがおっしゃったのですけれども、若手研究者イコール女性研究者というケースがかなりあるのではないかという気がするのですが、その辺のところは、数字の上では、おのおの独立させて書いていらっしゃるというふうにとってよろしいですね。

【石飛国立環境研究所理事】 分厚い資料6の478ページをご覧ください。478ページ、横の表であります。資料37-3というところにありまして、26年度の採用は、研究系の常勤職員で29名であります。そのうち、若手研究者が15名、女性研究者が4名。重なっているかどうかがわからない。──475ページです。失礼しました。

【横山国立環境研究所総務部長】 475ページのほうに、研究系職員における外国人職員及び女性職員の占める割合、26年度末、女性職員は34名で、203名中16.7%を占めているということでございます。

【石飛国立環境研究所理事】 これは採用数ではなくて、現在の研究職です。

【沖委員】 わかりました。ありがとうございます。高いですね。

【花木会長】 よろしいでしょうか。

(なし)

【花木会長】 それでは、これで業務実績報告についての質疑は終了したいと思います。

 先ほど木本委員からもちょっとお話が出ました。前年度、25年度の業務実績評価書に対してどういう措置を講じられたか等々について、簡単に、これはご報告になりますけれども、お願いします。資料9、10ですか。

【吉川総政局環境研究技術室長】 資料9は、昨年度、この前身である独立行政法人評価委員会からいただいた評価の内容が3段の中段に書いてありまして、右の段は、それに対して国環研がこの1年間で対応してやったことが書かれています。対応してやったことは、これまで原澤理事や石飛理事の説明でほとんど出ていると思うので、詳しくは割愛しますが、評価内容をざっと見ていただきますと、1ページ目では、政策提言機能をさらに発揮できるようにということです。2ページ目で、研究につきましては、研究分野の研究連携ですとか、大学との連携というのをより活発にしてほしいという指摘。それに対して、例えば、大学の連携研究グループ長の委嘱の話とかが答えとして書いてあります。その下に、課題対応プログラムについては全体の戦略性を高めて、たこつぼ化を避けようと。外部の声を入れようという指摘をいただいています。

 2ページから3ページは、災害と環境に関する研究ですが、他の研究機関や行政機関、国際機関との連携に力を入れているということです。これは、福島大学との協定ですとか、JAEAとの共同研究などを進めているということを書いています。

 それから、3ページ、続きまして、基盤整備はGOSATとエコチル調査です。これは引き続き頑張ってほしいと。国環研が永続的に関与するようにしていくと。それに対して、後継機GOSAT2の打ち上げですとかエコチル調査については、コアセンターとしてのデータ解析に対する役割、各ユニットに対する支援の取組をしていることが書いてあります。

 それから、4ページ。成果の評価では、例えば、論文のインパクトです。環境研究、これだけで見るのは適切かどうかという議論も去年あったのですが、例えば、研究センターごとにインパクトスローガンというのを見てみるのも有用ではないかという指摘をいただいています。

 それから、環境情報について、研究成果の社会提供についても幾つか指摘をいただいています。

 それから、5ページ、活用促進のところについては、特許収入がほとんどないと。企業との共同出願で、取り分ですとか仕分けに問題がないかということで、しっかり知財の審査委員会等で審査が必要ではないかと指摘されています。これについては、特許事務所と契約をしたり、いろんな知財のポリシーとかの規定を整備していますという答えをしております。収入自体については、先ほどの資料にもそんなにないとは思うのですが。

 それから、6ページ、業務運営の効率化に関しましては、監査室の役割についてよくわからないので、ちゃんと記述してほしいと。

 それから、先ほどもご指摘がありましたが、福島支部ができるとつくばと福島で二つに分かれると。ここでどういう体制で運用していくかといったところについて、見直し等が望まれるというご指摘をいただいています。これについてはいろんな準備を進めているという回答があります。

 それから、人材のところにつきましては、これも繰り返し指摘がございましたが、まず、若い世代の雇用育成が求められる。特に、アシスタントスタッフ、高度技能専門員の年齢構成が高いという問題。それから、事務部門の人事異動が多くて、専門性が高まらないのではないかとか、それから、メンタルヘルスの話といったところを去年ご指摘いただきまして、それに関する対応が整理されています。

 それから、財務の効率化、8ページにつきましては、委託研究の割合が増えていると。これは、ある意味あてがわれた研究ですので、研究内容をどんどん向上していくという点では好ましくないのではないかという指摘をいただいております。

 それから、施設の管理運営の話。

 9ページに行きまして、情報技術を使っての効率化の話は、電子ジャーナルのコストが高くなっているので、そのコスト削減を他の大学と共同で取り組んだらどうかという指摘をいただいています。

 環境配慮では、有機溶媒の使用対策です。

 10ページに参りまして、コンプライアンスについては、去年はたしか研修の受講者が少なかったので、ちゃんと受講させようという話がありました。これに対してはかなり力を入れてやられたという回答になっています。

 それから、メンタルヘルスの話はここにも出てまいります。

 それから、11ページ、人事に関しまして、これは繰り返しになっていますが、任期制のアシスタントスタッフ、高度技能専門員が多く、年齢層が高くなっていること。それから、外国人研究者や女性研究者については、数値目標の設定が必要ではないかという指摘をいただいています。これについては、ある程度任期制職員については取組がされているという話と、数値目標については、すぐには難しいけど、外国人研究者、女性研究者の確保について検討してまいりますということが書かれております。

 続きまして、資料10も説明させてください。

 今の資料9は国環研に対する昨年度の独法評価委員会の指摘に対する答えでしたが、資料10は、さらに、総務省がつくっている全部の独法を見る政策評価・独立行政法人評価委員会というのがございまして、これが、国環研に対する独法評価委員会の評価に対して、さらに、メタの評価を行ってきています。そのメタの評価における国環研への宿題に対して整理されています。

 内容については簡単に説明させていただきますが、結構前から、例えば内部統制ですとか、保有資産をできるだけ減らして無駄なものを持たないですとか、3、4ページに参りますと、これは、評価の仕方として、要は、評価をしっかりするために目標に対する達成がどうであるかといったことで、アウトカムがどうかというところをちゃんと見ていくべきであろうといったようなご指摘をいただいています。

 それから、一番最後についておりますのは、独立行政法人の事務事業の見直しというのが平成22年に閣議決定されました。5年前のものですが、それに対して、国環研は名指しで幾つか指摘を受けています。実験補助で使っているものについては国庫に将来的には返すといったような個別の指摘をされていまして、それについての対応状況が書いてあります。

 すみません。この資料の後ろから2枚目のところに、7の組織体制の整備。外部評価を適切に反映してというところについて、講じた措置の書いてある内容が、これに対する答えではないことが書いてありまして、これは事務局のミスです。外部評価については、別途説明させていただいたように、特に、研究の内容についてはいろんな工夫をしつつある、そういったことを回答すべきところ、別のものがコピペされております。大変失礼いたしました。 以上です。

【花木会長】 ありがとうございます。

 いかがでしょうか、ご質問はよろしいでしょうか。これはご報告ということであります。

(なし)

【花木会長】 それでは、先ほど既にある程度お話しいただきましたが、これから我々が何をするかというところですが、改めてフリップでちょっとご説明いただけますでしょうか。

【吉川総政局環境研究技術室長】 資料11、12、13についてのお願いでございます。これを別途、エクセルのファイル自体も送らせていただきます。

 資料11というのは、平成26年度の業務実績に対する意見コメントです。

 資料12は見込み評価です。過去4年間の実績を踏まえた見込み評価に対する意見シートです。

 それから資料13というのは、さっき私が説明した資料10の1(2)です。平成27年1月に出ています総務省の委員会が出している意見に対して国環研がこのように対応しましたというものに対してコメントを、それはいいのではないかとか、ここはまだちょっと足りないのではないかというコメントをいただければと思います。

 コメントにつきましては、書いていただくのは大変な作業になって申し訳ないのですが、いろんな観点から書いていただければいただくほど、私どもも全体的な評価に反映できると思いますので、よろしくお願いいたします。

 後ほど資料15に出てまいりますが、スケジュールは、先ほど申したように、8月上旬までに返送をお願いしたいと思います。

【花木会長】 それぞれが出したコメント、次回の委員会ではその文書が出てきて、委員会全体としてどういう評価をするか、8月の委員会で議論すると。そういう手順になるのですね。

【吉川環境研究技術室長】 はい。評価書案をお盆明けの8月17日ごろに送らせていただきます。その資料をもって25日に審議いただきたいというふうに考えております。

【花木会長】 今の手順でよろしいでしょうか。

(はい)

【花木会長】 それでは、まだ次の議題がありまして、調達等合理化計画に係る第3期中期目標の改定というのがあります。説明をお願いできますか。

【吉川環境研究技術室長】 続きまして、資料14でございます。

 以上、ご説明しました国環研に対する目標設定、評価の一連の流れとは別に、イレギュラーに、今回は至急で中期目標を改定する必要が出てまいりました。

 これは何かと申しますと、資料14にありますように、総務省が中心となりまして、独法が物やサービスを買ったりするときの調達の合理化の方針というのが今年の5月に決定されています。これを全ての独法の今持っている中期計画に直ちに反映させようということになっています。ですから、国環研も、今年度末に次回の目標・計画を改定するわけですが、それに先立って、この1カ月の間に中期目標を改定する必要が生じました。ただ、内容につきましては、調達合理化の中身だけです。国環研がいろんな物やサービスを外から調達するときに、いかに効率的にやって、調達コストを下げるかと。例えば、競争性を上げるためにこういう工夫をしますということを書き込みます。これは各省全体に同じひな形が出ておりますので、それを基本的には踏襲した形で改定させていただきたいと考えています。

 これのスケジュールが、大変恐縮なんですが、8月初旬に各省が改定案を各独法につくらせて総務省に提出することになっておりまして、しかも、まだ我々の作業が間に合っておりませんので、今日は提示することができません。大変恐縮ですが、8月5日ごろに、今の国環研の中期目標の調達部分をこのように改定しますと、そういう案を送らせていただきます。

 それに対して、特段のご意見がございましたら、1週間ぐらいで、ここは問題ではないかというご指摘を別途いただければと考えております。基本的には、そういう問題が生じないような中身になると、そういうふうに責任を持って我々のほうで中身を見ようと思っておりますが、ひと手間作業が入るかと思います。

 したがいまして、これは座長とのご相談になるわけですが、この審議会で本当は審議すべきところでございますが、次回は8月下旬でございますので、審議会で議論する間がございません。ですので、運営規則に基づきまして、書面での会議承認という手続をお願いできないかという提案をさせていただきたいと思います。

【花木会長】 今日お認めいただいた運営規則の中に、一々文章は見ませんが、やむを得ない場合、あるいは、軽微な場合は書面決議できるというのがございます。要は、ちゃんと安いのを買いなさいということを全法人に対してやるというものですから、それを反映した案をご提出いただいて、書面でご意見を伺うことにさせていただいてよろしいでしょうか。

(はい)

【花木会長】 ありがとうございます。それでは、そうさせていただきます。

 最後に、その他、事務局から話がありますでしょうか。スケジュールの確認です。

【吉川環境研究技術室長】 何度も見ておりますが、資料15でございます。

 次回は8月25日(火曜日)の午後を予定しております。会場は資料15に書いてあります、経産省別館1階になります。大変ご多忙のところだとは思いますが、ぜひご出席のほどをよろしくお願いいたします。

 あと、お手元に積んであります会議資料ですが、そのままご退席いただければ、こちらから郵送させていただきますので、置いていっていただいて結構でございます。

 以上です。

【木本委員】 資料を電子版でいただくことはできますでしょうか。

【吉川環境研究技術室長】 わかりました。電子版も当然ございます。1点テクニカルな問題として、環境省のサーバーは今、外部からシャットダウンされていまして。うちのサーバーに載せてアクセスいただくというやり方ができませんので、ちょっと工夫します。いずれにしても電子版をお送りできます。そのようにいたします。

【衛藤委員】 次回の会議の曜日は金曜ですか。

【花木会長】 25日は火曜日です。

【吉川環境研究技術室長】 資料のミスです。申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。

【花木会長】 日にちは正しい。曜日が間違っているということです。

 それでは、本日の議事はこれで終了いたしましたので、以上をもちまして第1回環境省国立研究開発法人審議会を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。