第11回 環境省国立研究開発法人審議会 会議録

日時

平成30927日(木)9541054

場所

航空会館 B101号室

議題

(1)第4期中長期目標変更案について

(2)その他

配布資料

資料1   気候変動適応法概要
資料2   国立研究開発法人国立環境研究所の達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)変更案
資料3   国立研究開発法人国立環境研究所の達成すべき業務運営に関する目標(中長期目標)新旧対照表
資料4   今後の予定
参考資料1 環境省国立研究開発法人審議会委員名簿
参考資料2 環境省国立研究開発法人審議会運営規則
参考資料3 独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)
参考資料4 国立研究開発法人国立環境研究所法(平成11年法律第216号)
参考資料5 環境省国立研究開発法人審議会令(平成27年政令第1918号)
参考資料6 独立行政法人の評価に関する指針(平成26年9月2日総務大臣決定)
参考資料7 環境省所管独立行政法人の業務実績評価規準(平成29年7月14日総合環境政策統括官決定)
参考資料8 平成28年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等の結果についての点検結果(平成29年12月5日独立行政法人評価制度委員会)
参考資料9 国立研究開発法人国立環境研究所第4期中長期計画(H28~H32) (中長期目標を含む。)
参考資料10 平成29年度国立研究開発法人国立環境研究所年度計画
参考資料11 平成29年度国立研究開発法人国立環境研究所調達等合理化計画
参考資料12 国立環境研究所パンフレット、福島支部パンフレット、琵琶湖分室パンフレット
参考資料13 国立環境研究所 環境報告書2018
参考資料14 気候変動適応法(平成30年法律第50号)
参考資料15 気候変動適応法の施行期日を定める政令
参考資料16 気候変動適応計画(案)の概要

出席者

委員

花木啓祐委員長、衞藤 隆委員、沖 陽子委員、木本昌秀委員

環境省

大臣官房

中井総合環境政策統括官

角倉総合政策課長

上田環境研究技術室長

地球環境局

大井気候変動適応室長

国立環境研究所

渡辺理事長

原澤理事

立川理事

天野監事

加藤監事

田中企画部長

今井総務部長

木村環境情報部長

議事録

【上田環境研究技術室長】 それでは、定刻より少し早いですけれども、皆様おそろいでございますので、ただいまより第11回環境省国立研究開発法人審議会を開会いたします。

 本日は、大久保委員、高橋委員、中静委員におかれましては、所用によりご欠席で、7名中4名の皆様にご出席をいただいております。これによりまして、定足数を満たしておりますので、ご報告を申し上げます。

 では、議事に入ります前に、統括官中井よりご挨拶申し上げます。

【中井総合環境政策統括官】 おはようございます。総合環境政策統括官の中井でございます。

 本日は、ご多忙の中、ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。

 第11回の環境省国立研究開発法人審議会の開会に当たりまして、一言、ご挨拶をさせていただきます。

 まず、前回までご審議いただきました国立環境研究所の平成29年度業務実績評価書につきましては、省内手続を経まして、無事に国立環境研究所及び総務省独立行政法人評価制度委員会に通知し、公表いたしました。改めて感謝申し上げます。

 さて、この夏は、集中豪雨、熱波、台風等、記録的な異常気象が続きました。今後、さらに気候変動が進展することから、適応の強化、待ったなしでございます。

 本年6月に公布されました気候変動適応法に基づきまして、関係者一丸となって適応策を強化してまいりますが、その一環といたしまして、国環研におきましても、中核機関としての役割を担っていただくこととされました。本日は、この法改正を受けまして、国環研の中長期目標を変更し、気候変動適応業務を追加する件につきまして、ご審議いただきたいと思ってございます。

 この法律におきましては、国立環境研究所は、主として適応情報の収集・提供と、地方公共団体等への技術的支援を行うこととされております。これに加えまして、環境省といたしましては、国環研が培った知見を活用いたしまして、アジア等への国際貢献を進展・展開していくことも期待してございます。こうしたことをいかに遂行していくべきか、委員の先生方におかれましては、忌憚のないご意見をいただけますよう、お願い申し上げます。

 それでは、本日もよろしくお願いいたします。

【上田環境研究技術室長】 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 上から順に、議事次第がございまして、それから座席表がございます。申し訳ありません。座席表は事務局側の手違いで、委員の出席が、高橋委員はご欠席なので、そこは沖委員でございます。大変申し訳ございません。それから、座席表の下に、本日の審議事項と書いた、これは資料番号のない紙がございます。それから、資料1から4まで、資料1が気候変動適応法の概要、資料2が中期目標の変更案、それから資料2には別添1・別添2がございます。それから、資料3が、その新旧対照表でございます。それから、資料4が今後の予定という、本資料が4点ございます。それから、参考資料につきましては、バインダーにとじてお手元に配付をさせていただいております。

 資料の不足等ございましたら、お申し出いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 では、議事に入ります前に、本日の審議事項と審議の進め方につきまして、事務局から簡単にご説明させていただきます。

 お手元の資料番号のない本日の審議事項という、この横紙をご覧いただければと存じます。

 それで、本日の審議事項でございますけれども、右下の助言対象という中で、赤で、点線で囲っておりますが、中長期目標の策定・変更をする場合には、各省に設置されている研究開発法人審議会の助言をいただくということになっておりまして、本日は、この審議をいただきたいということでございます。

 本日の審議事項につきましては、説明は、大変簡単でございますけど、以上でございますが、それで、その後でございますけれども、左側、環境大臣と国立環境研究所の間の関係を見ていただきますと、ここで助言をいただきました後、中長期目標を私どものほうで確定をさせていただきまして、それを大臣から国立環境研究所へ指示をするという形になります。その後、これを踏まえた中長期計画を国立環境研究所の側から作成をしていただいて、それを認定していくという手続になっております。

 この資料につきましては以上でございますが、何かご質問等ございますでしょうか。

【木本委員】 中長期目標を変更するという中長期目標は、何年から何年までのやつなんですか。それは決まっていないんですか。

【上田環境研究技術室長】 現状の中長期目標が4年間ございまして、28年度からで32年度まででございます。今、3年目でございますけれども、その途中で変更をすると。この期間自体は変えずに、32年度までの計画期間は変えませんけれども、その間に適応関係を追加するということになってございます。

 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

【上田環境研究技術室長】 ありがとうございます。

 それでは、これ以降の進行につきましては、花木会長にお願いいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

【花木会長】 はい。ありがとうございます。

 皆さん、おはようございます。

 冒頭に、中井統括官のほうから経緯についてご説明いただきましたけれども、国立環境研で、これまで行ってきた研究成果、それを実際の適応に関するものとして、特に地域の適応に役立てていくという、研究としては非常に重要なステップが法的にも位置づけられたということで、それは大変喜ばしいことだと思っております。喜ばしいことですけど、その分、また仕事も増えるということでございますが、そういった非常に前向きの研究の応用の部分をきちっと中長期目標に書き込む必要があるということで、本日、皆さんにお集まりいただいたということでございます。

 本日審議いただく中長期目標は、計画とは違いまして、そんなに長い文章のものではありませんけども、非常に重要な事項をそこに含むということでありますので、ぜひ、皆さんのご助言を本日いただきたいと思っております。

 さて、それでは、議事次第を見ていただきますと、今日の議事は基本的には一つでございます。第4期中長期目標変更案についてということで、具体的な変更案について、これから審議いただくわけであります。

 変更案について審議いただくわけですけれども、まず最初に、6月に成立しました気候変動適応法について、その背景のご説明をいただいて、その後、具体的な目標の議論をしたいと思っております。

 それでは、最初に、この法律関連の事項についてご説明をお願いできますでしょうか。

【大井気候変動適応室長】 環境省地球環境局で気候変動適応室長をしております大井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 お手元の資料1、それから、参考資料でとじられておりますもののうち、一番最後の16という耳のついたところに、適応変動・適応計画の概要という資料がございます。これも若干ご覧いただきながら、ご説明をさせていただければと思います。

 冒頭、中井審議官の挨拶にもあったとおり、この夏、異常気象が相次ぎました。これから温暖化が進めば、こうした事象がますます頻発するということは想像にかたくないということでございます。さまざまな分野で影響が生じているという中で、これまでは温室効果ガスの排出削減対策、いわゆる緩和策を長年取り組んできているわけでございますけれども、それでもなお発生してくる気候変動の影響に対応する、まさに適応が必要であるということで、気候変動適応法がさきの国会で可決され、613日に公布をされたところでございます。

 一番下に書いてございますけれども、この法律は、121日、今年の121日から施行になるということでございまして、その前に気候変動適応計画を策定するということで、現在、作業をしているところでございます。

 法律の概要でございますけれども、資料1の真ん中から下をご覧いただければと思います。大きくポイントは四つございます。

 まず一つ目が、適応の総合的推進ということでありまして、この法律に基づきまして、国、地方公共団体、事業者、国民、各主体の担うべき役割を明確化し、国が各分野の適応を推進するための適応計画を策定するということでございます。また、気候変動の影響に関する評価、これを概ね5年ごとに行って、その結果等を勘案して計画も改定していくということで、これから5年ごとの影響評価、それから計画の見直しというサイクルを回していくことになります。

 二つ目のポイントが、まさに本日ご審議いただく関係でございますけれども、この適応に関する情報基盤の中核としまして、国立環境研究所を位置づけるということでございます。適応に関しましては、最新の科学的知見に従って対応をとっていくということは大事でございます。また、その情報を正しく各主体に理解いただくということは大事ということで、情報の収集、それから、それを精査し提供していくという役割を国立環境研究所に与えているということでございます。

 それから、三つ目のポイントが、地域での適応の取組の強化ということでございます。都道府県、それから市町村の地方公共団体に対して、地域の計画というのをお考えいただくということ。それから、地域においても適応の情報の収集であるとか、提供を担う拠点としての地域適応センター、こういったものも体制を確保いただく。また、地域の中で連携をして、互いに情報を共有しながら取組を進める広域協議会、全国のブロック単位、あるいは、もう少し、それのまた違った規模もあり得るかもしれませんけれども、さまざまな自治体が協働して取り組むという、広域協議会を組織するといったことも規定をされております。

 最後、4点目のポイントが、適応の国際展開ということでございまして、国際協力を推進する、また事業者の取組・適応ビジネスを促進すると。こういった関係の規定もございます。

 この3点目の地域での取組の強化、それから国際展開、こうしたものを情報基盤の中核である国立環境研究所が下支えするということでございまして、国立環境研究所の役割としては、地方公共団体、それから地域のセンターに対する技術的な助言等も記載をされているところでございます。

 お手元の、もう一つの参考資料16のところをご覧いただきますと、さらに、その資料の3ページ目をご覧いただきますと、この法律に基づきまして、法の施行までに今定めようとしている気候変動適応計画の案を記載させていただいております。

 この計画につきましては、先週、919日から1カ月間のパブリックコメントを現在実施中でございます。各主体からのさまざまなご意見も頂戴しながら、この計画案をブラッシュアップして、11月中に閣議決定を目指しているところでございます。

 その中でも、この法に基づきまして、各主体の役割というものを明確化しておりますけれども、右上の図をご覧いただければと思いますけれども、政府、地方公共団体、事業者、国民とあわせまして、情報基盤の中核である国立環境研究所の果たすべき役割についても記載をしております。基本的には、法律に書かれている内容をより丁寧に記載したという格好になっておりまして、情報基盤を整備すること、また、地方公共団体等への技術援助を行うこと、この2点が大きなポイントでございます。そのもとで、七つ定められております基本戦略の中にも、例えば第2で科学的知見に基づく気候変動適応の推進、第3で研究機関の英知を集約し、情報基盤を整備する、こういったところで、国立環境研究所には大変な役割が期待をされているところでございます。

 とりあえず、私からの説明は以上になりますけれども、ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

【花木会長】 ありがとうございました。

 それでは、ご質問ございましたら、ぜひお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。

(なし)

【花木会長】 ありがとうございました。

 それでは、法律関係の説明については、以上とさせていただきます。

 それでは、いよいよ本題でございますけども、今回の適応法の成立によって、国立研究開発法人に示される中長期計画の策定において、国がどのような観点からどのような事項を盛り込むことを求めているかということについて、これからご審議いただきたいと思っております。

 それでは、資料を使いまして、上田室長のほうからお願いいたします。

【上田環境研究技術室長】 それでは、資料2、それから資料2の別添2、この二つを使いまして、変更案につきましてご説明させていただきます。

 まず、資料2でございますが、これがまさに中長期目標の変更案の本体でございまして、赤字で書いているところが現行からの変更点ということで、こちらを中心に説明をさせていただきます。

 1枚おめくりいただいて、裏側、2ページ目でございますけれども、まず、国立環境研究所に与えられている役割ということで、これまでは国立環境研究所法の第1111号、環境研究に関する項目、①でございます。

 それから、2ページ目に入りまして、いわゆる2号業務と呼んでおりますが、国立環境研究所法第1112号に規定をする環境情報に関する業務。

 これに加えて、③として、気候変動法第111項に関連する業務につきまして、これは国立環境研究所法では第11条第2項に当たりますが、第2項業務と呼んでおりますけれども、これがつけ加わったということで、この③のところが、まさに赤字でございますけれども、つけ加わっているということでございます。

 それから、3ページにまいりまして、5.でございます。過去からの経緯、活動状況について書いたところでございますけれども、最後のほう、「さらに」という1パラがございますけれども、気候変動適応法に基づいて、適応に関する情報の収集、整理、分析、提供、それから地方公共団体等に対する技術的助言の業務を行うこととなったということを記載しております。

 次に、4ページにまいりまして、4ページからは、第2として、中長期目標の期間があって、第3がそれぞれの業務の内容についてでございます。第3の頭で、さっきと同じですけれども、いわゆる2項業務がつけ加わったというところを記載しております。

 それから、その下の1.からが、まさにそれぞれの1号業務、2号業務、それから2項業務のそれぞれの内容でございまして、1.がまさに1号業務であります。

 5ページをご覧いただきますと、1号業務、つまり環境研究に関する業務の中にも、アとございますけれども、5ページの下のほう、アという、低炭素研究プログラムというのがございますけれども、この中に適応の関係の記述がございます。ですが、従来からやっている緩和と一体のものなどの適用に関する研究については、ここは、このまま残すという方針で考えておりますので、ここにつきましては、特に修正はございません。

 それから、少し後ろにまいりまして、10ページでございます。10ページは、これはいわゆる1号業務、環境研究に関する業務の最後のほうでございますけれども、10ページの上に、②環境研究の基盤整備等というのがございますが、その黒ポツの一番下でございます。「新たに」とありますけれども、ここで適応計画に基づく業務に関しては、これは2項業務と非常に密接にくっついているということがございますので、これについては2項業務のほうに書くということで、ここからは削除するということでございます。

 それから、11ページは、すみません、誤字が見つかりまして、ちょっとお恥ずかしいんですけれども、誤字でございまして、地方公共団体というのが地方自治体と書いてあったので、直したという程度のものでございます。

 それから、14ページをお開きいただけますでしょうか。

 その前に、ごめんなさい、13ページの2.というのがございますが、この2.が、いわゆる2号業務、環境情報に関する業務でございまして、ここにつきましては、特に変更はなしということでございます。

 それから、14ページの3.がいわゆる2項業務で、今回、新しくつけ加えるものでございます。やや短い文章ですので、半ば読むような感じで説明をさせていただきますが、まず、構造だけ先にご説明させていただきますと、2パラで「具体的には」とございますが、その次の3パラで「これらの」というところがございますけれども、3パラのところがいわゆる本体でございまして、法に定められている情報収集・提供、それから自治体等に対する援助に関しては、この3パラの「これらの」というところから書いております。その前の「具体的には」というところは、情報収集・提供に際してのプラットフォームに情報を入れるための情報をまさに集めたり、あるいは新たにつくり出したりというところを2パラのところで書いていると。こういう構造になっております。

 それから、15ページをご覧いただきまして、「また」というのがございますけれども、15ページの1パラ目ですが、「また」、「アジア太平洋地域」とありますけれども、こちらは情報収集・提供に付随して、国際展開に関するところについて少し述べております。ここにつきましては、法律上、適用法上は、明示的には実は国際展開は国環研の役割には指定しておりません。ただ、国際展開は国としては進めるということになっておりますので、ここは書いたほうがいいだろうということで、国環研の役割として書かせていただいているということになっております。

 では、14ページに戻りまして、少し詳細に説明をさせていただきます。

 3.1行目からですけれども、気候変動適応法による新たな国環研の業務と、それに付随するような研究については、ここに書いているということでございます。さっき1号業務で、研究業務は1号業務というふうに申しましたけれども、2項業務では、適応に関する国環研の業務、さっき申し上げた情報提供と、それから技術的支援と、この二つに付随するような、直接付随するような研究については、ここに書いているということでございます。

 2パラで、「具体的には」ですけれども、気象等々、各分野に関する技術研究開発を担うような研究機関、いわゆる国研でございます。あるいは、地域の適応センター等と連携をして、内外の情報を収集し、それらを総合的に用いて、地域への影響・脆弱性の評価、評価を踏まえた適応策などの整理・分析を行っていくと。それから、観測・監視研究、経済社会・気候シナリオの整備、あるいは評価手法の高度化等を行って、政府による総合的な評価への報告書、あるいは適応計画の改定に貢献をしていくと。その際、国民一人一人が日常生活において得る情報の有用性に留意をしていくということでございます。

 こうして収集した情報、あるいは新たに創出した情報について、その次のパラですけれども、これらの情報及び調査研究の成果について、適応情報プラットフォームに格納し、そして提供すると。都道府県等による地域適応計画の策定等に関して、技術的援助をすると。それから、地域気候変動適応センターに対して技術的助言・技術的援助を行うと。それから、広域協議会からの求めに応じて、資料の提供、説明等々の協力を通じて、適応に関する情報、研究開発の成果の活用を図るとともに、適応センターや地域におけるその他の研究機関との共同研究あるいは研修等を通じて、研究人材の育成にも取り組み、特に都道府県及び政令指定都市に対して積極的な働きかけを実施し、ニーズを把握するとともに、それを踏まえた援助を実施するということでございます。

 述べておりませんでしたが、研究人材の育成につきましては、これも法律上明示的には実は書いていない事項でございますけれども、ここは付随する業務としてやはり重要だろうということで、書き込んでおります。

 それで、15ページでございます。「また」というところでございますけれども、主にアジア太平洋地域の途上国に対する情報提供の基盤として、2020年までにアジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)を構築し、国際的連携・協力に努めていくと。これらの取組を通じて、適応法及び気候変動適応計画に関する施策の総合的かつ計画的な推進に貢献をしていくという中身でございます。

 これにつきましては、重要度も難易度も高いというふうにさせていただいております。

 本体は以上でございますが、別添2A3を、折りたたんでいるものをちょっとご覧いただければと存じます。

 別添2では、実は一番後ろのページでございまして、ページ番号が、これは振っていなかったので、申し訳ありません。4ページ目に当たりますが、A3の紙の一番裏側で、3.気候変動適応に関する業務というのを、これは丸々1個新しくつけ加えたということでございます。

 二つ目の列が評価軸でございますけれども、適応法及び適応計画に基づく施策の総合的かつ計画的な推進に貢献をしているかどうかというのが評価軸。

 評価指標につきましては、上から行きますけども、地方自治体あるいは地域適応センターに対する技術的援助の増強、それから適応情報のわかりやすい方法での提供状況、それからAP-PLATの構築状況、それから具体的な研究開発の成果、それから外部評価委員会からの主要意見あるいは外部評価での評点、あるいは地域適応センターや地域における研究機関との共同研究、あるいは研修等の人材に関する取組の状況。

 モニタリング指標といたしまして、地域に対する技術的援助の件数、それから適応情報プラットフォーム、A-PLATと呼んでおりますが、A-PLATへのアクセス数。それから、すみません、最後のポツ、実は、これ改行が1個抜けているんですけれども、3行目が始まって1文字目のところで、すみません、改行なんですが、これはちょっと改行が漏れておりますけれども、3ポツ目は、新たに収集・整理した適応情報プラットフォームに掲載した情報の件数と。4個目がありまして、誌上・口頭発表件数、研究データの報告件数ということでございます。

 説明は以上でございます。

【花木会長】 最後に言われたのは、ポツと中黒が同じ記号だから、まざっているということですね。一番最後の情報の件数、誌上・口頭発表、何か自然に読めたけど、実はそうじゃなくて、情報の件数のところで切れて、改行ということですね。別項目と。

【上田環境研究技術室長】 はい。

【花木会長】 これから皆さんのご意見をいただきますが、その前に、形式なことでお伺いしますけども、この別添2という書類の位置づけというか、どれぐらい正式なものであって、もし、これを改定するとなると、どういう手続が必要か、それは中長期目標と同程度なのか。その辺、ちょっと補足をお願いできますか。

【上田環境研究技術室長】 この別添2も中長期目標の一部でございますので、中長期目標の本体を変更するときと同様に、ここも変更するときには同じ手続が必要になります。

【花木会長】 ということは、これもきっちり本日見る必要があると、そういうことですね。

【上田環境研究技術室長】 はい。

【花木会長】 わかりました。

 それでは、今ご説明いただいた資料に関連して、ご質問いただければありがたいかと思いますが、いかがでしょう。

 はい、どうぞ。

【衞藤委員】 今ご説明いただきました中で、法には明示的には書いていないがということ、2カ所ぐらいあったかと思いますが、その2番目の、こっちの資料の14ページの下から4行目の「研究人材の育成にも取り組み」ということに関しては、人材の育成となりますと、いろいろ予算のこととか、また人材、教える側の人材のこととか、いろいろあるかと思います。その辺はどのようにお考えか、教えてください。

【上田環境研究技術室長】 予算面という意味ですと、そもそも中長期目標に書いたということは、基本的には運営費交付金の中で賄うということになってまいりますので、運営費交付金の中で、ある意味、やりくりをしていただくということになるんですけれども、結局、人材育成というのは、地方自治体なり地域適応センターへの援助のある意味一環で、人材育成の効果もあるということを踏まえて書いているというふうに基本的には理解をしておりますけども。

 何か国環研の側から補足等ありましたら、お願いいたします。

【渡辺国立環境研究所理事長】 まだ十分に中で議論ができているわけではないですけれども、人材育成というのは、非常に広いアプローチがあると思います。必ずしも、例えば公費を使って研修するとかだけではなく、今、上田室長のほうからもご紹介があったような形で、地方の環境研究所と実際にやりとりする中で人材育成ができていくとか、あるいは、国環研の中に多様な研究者が入ってきて研究をやることによっても、それは人材育成につながると。さらには、いろいろな試料提供しますが、それを使っていただくことも人材育成につながるだろうと。もっとも、こういうものが書かれることによって、さらに踏み込んだ人材育成というのを考えるべきかどうかということに関しては、検討していきたいというふうに考えています。

【花木会長】 今の、ちょっと重ねて質問ですけど、ここで想定している人材というのは、国立環境研に既におられる方ではなくて、〇〇研の研究者だったり、〇〇市の市役所の人とか、そういう人を育成していくという、そういうターゲットでしょうか。それも含めて、ちょっと。

【上田環境研究技術室長】 今ご質問いただきました件については、そのとおりでございまして、自治体なり地域適応センターなりの人材育成というのが主に考えております。そのようにも書いております。

【花木会長】 お願いします。

【立川国立環境研究所理事】 ありがとうございます。

 渡辺理事長から発言申し上げたことの補足でありますけれども、共同研究といたしまして、私ども国立環境研究所においては、運営費交付金を使いまして、地方の環境研究機関との共同研究を、1型、2型と我々呼んでおりますが、マルチ、それからバイという仕組みでやっておりますので、ここをしっかり適応の分野についてもやっていくというのが一つだと思います。

 それから、あと、これは運営費交付金とは違いますけれども、環境省さんにおいて、総合推進費という枠組みを用意されておりますので、そこに向けて、私ども、地方公共団体の研究機関の方々と一緒に提案をして、その研究費を獲得できるように努力していく、これも一つの方法だと思います。

 それと、あと、研修等につきましては、環境省において、研修所がございますので、そこにおいて、地方公共団体の方々について研修をやっていくと。そういった形で、人材育成に取り組むということと理解しております。

【花木会長】 ご質問いかがでしょうか。

 私から1点よろしいでしょうか。

 ここに、目標に書き込まれる内容、いずれももっともであり、適切だと思うのですけど、準備状況のことについて、ちょっとお伺いしたいのですけども、特に国際展開のところのAP-PLAT、これは恐らくある程度もう準備しておられる、あるいは人のつながりがある、あるいは何らかの方法があるということだと思うんですが、もしゼロから始めようとすると結構大変だと思うんですけど、その辺りの準備状況をちょっとご説明いただければ理解が深まると思うんですが、いかがでしょう。

【大井気候変動適応室長】 では、私のほうからお答えをいたします。

 このAP-PLAT、アジア太平洋の適応情報プラットフォームですけれども、2年前(2016年)の年末の気候変動枠組条約の、いわゆるCOP22におきまして、当時の環境大臣(山本大臣)から、日本、環境省のイニシアチブということで、こういうものを2020年までにつくるということを表明したということがございます。それがスタートでございます。

 昨年のCOPにおきまして、進捗状況のアップデートもしておりますけれども、現状は、このプラットフォーム、基本的には日本国内のA-PLATをベースに、それを広げていくようなイメージを持っておるんですけれども、現状、そのプロトタイプといいますか、既にWebサイトはでき上がっている状況で、それも、もう一般的には閲覧できる状況にはなっております。そこにどういう情報を入れていくのかということを随時更新をしているという、そういう状況でございます。もちろんアジア太平洋各国との協力のもとでつくっていく必要がありますので、そこについては、主に環境省のほうで、現在、アジア太平洋の8カ国と二国間協力事業を推進しているところでございますけれども、そうした協力の中で得られている情報なども入れ込みながら、このWebサイトの拡充を図っているということでございます。

 ですので、しかるべきタイミングで、2020年までに、正式にこれを立ち上げるということで、できましたら、ほかの国でありますとか、ほこの国際機関、関係機関にも声をかけて、全体的なものを発表し、それを日本のイニシアチブとして打ち出していきたいと。国立環境研究所におかれましては、まさにその事務局といいますか、実際にプラットフォームを運営する主体として関わっていただければというふうに考えているところでございます。

【花木会長】 今おっしゃった、日本政府として2020年という約束があって、一番最初に木本先生がおっしゃった、中期計画の最終年度が20年。

【上田環境研究技術室長】 20年です。

【花木会長】 それは一番最後のぎりぎりは20年だけど、恐らくそれよりも前倒しで、ある程度スタートされるのかとも思います。その辺りは、中期計画の中に、具体的にどこまでやるかというのは書き込まれていくということになるわけですね。いずれにせよ、20年までにはやるということは、対外的にも約束していることだし、そういう準備状況もできているということでよろしいですね。ありがとうございます。

【木本委員】 さっき、中期目標なので、運営費の範囲内でやりくりしてやっていただくとおっしゃっていましたが、文章だけ見ると、あれもやり、これもやり、たくさん書いてあるわけですね。そうは言っても、やりくりしてやると言われているから、実際には、この辺までということで、文章にあらわに表れなくて、そこそこなところに話を落としてしまうということに多分なるんだと思いますが、幾つかの点について、例えば読みようによっては、これから本格的に国が適応策を推進する、その事務局というか、かじ取り役が国環研にあるので、情報を全部そこに集めて、国民の皆さんに届ける。しかして、思ったような情報が集まらない場合には、国環研がそれを生み出すということは書いていないので、研究や情報をつくり出すところに向かって、「おいおい、もっとちゃんとやれよ」という、指導力を与えるというふうにも読めるわけですが、ある運営費の中でやりくりするということでありますと、とてもじゃないけど、そんな指導、要するにばらまく研究費がなければ、偉そうにはできないということになりますね。としますと、思ったように、もうちょっと、ここはこういう情報があればいいんだろうけどなと、例えば気候の予測ですとか、影響評価の、もうちょっとやってくれないとユーザーの人が使えないんじゃないかなと、例えばA-PLATの担当者がそう思っていたとしますね。思っていても、その指導権限が与えられておらないと、なかなか、その担当者の方は、大変ご苦労をなさるのではないかなと私はとても心配するんですけど、その辺り、やれと言っている役所のほうは、どのようにお考えなんでしょうか。やりくりできる範囲内で、やれることさえやっていただければいいということなのか、どこまでをやる主体の国環研に要求しようとしているんですか。答えにくい質問だと思いますが。

【上田環境研究技術室長】 ご質問ありがとうございます。

 お金が決まっているから、やれというふうに聞こえてしまったのかなと思って、ちょっと反省をしておりますが、先ほど立川理事からも少し話が出ましたけれども、環境省で持っている推進費という競争的研究資金、これにも適応はかなり重点化をしていきたいと思っていますので、そういったところでも、当然ながら、いろんな新たな知見をつくり出していくというところは、当然ながら、環境省側としてもやっていきたいと。そこでつくり出した新たな知見については、当然、プラットフォーム(A-PLAT)のほうに全部格納していくということで考えております。

 そういう意味で、A-PLATをつくり、そして発信していくのは、国環研の役割としてお願いしておりますけれども、そこで格納する情報全部をつくり出すのは国環研の仕事だと、そこまでは言っておりませんので。ただし、ここにも少し書いてありますが、国環研が得意な分野については、当然、やっていただくと。それは一体的なものとしてやっていただくというふうにはしております。

 だから、微妙な線でございますけれども、環境省も一体となって新たな知見をつくり出していくし、それをA-PLATにどんどん放り込んで、格納し、整備し、発信していくという、それは両輪で考えておりますので、ちょっと誤解がありましたけれども、そういうつもりでおります。

【大井気候変動適応室長】 若干だけの補足でございますけれども、法律、それから今策定中の適応計画の案においても、例えば適応計画の案の基本戦略の七つ目には、関係行政機関の緊密な連携協力体制の確保ということで、新たに環境大臣を議長とする気候変動適応推進会議を設置するというようなこともございます。適応自体は、環境省のみならず、関係省庁の連携のもとで、関係省庁にもしっかり取り組んでいただくということが大事だと思っております。関係省庁、あるいは、その下の研究機関の皆さんにも、ぜひ協力をいただいて、全体を挙げて、政府全体、それから関係機関、全体を挙げて、適応の情報収集であったり、新たな情報の創出には取り組んでいくということをしっかりと環境省としても旗振りしていきたいというふうに思っております。

【木本委員】 ありがとうございます。

 ということは、もちろん最初からそういうことは仮定していませんけど、環境省で情報を集める、その情報がなるべく充実したものになるように、環境省としても、推進費等、できる限りの援助をして、環境研に集まる情報がより充実したものになるように努力するという意思、決意を確認させていただいたんですが、ありがとうございました。

 そこで、いわゆる適応と言っている分野については、環境省は得意だから、多分、今までも大分精力的におやりになっていただろうし、かなり期待ができると思うんですが、ちょっと自分の関わっているあれで申し訳ないんですけど、そもそもの将来の気候がどうなるか、それに基づいて影響がどう出るかという、影響評価、適応に直接関係する研究が行われるわけですが、気候そのものの予測、ここで言うと気候シナリオと呼んでいるのがそれに当たると思うんですけれど、そこについては、環境省さんの直接のあれではなくて、某、文とか気とかという、文科省とか気象庁が、その研究を進めるということで、そのときに、ですから今の話で言うと、A-PLATに集まってくる情報はちゃんとなるように、できるだけ充実したものになるように、環境省は、できる限りの努力をするということなんだけども、そこの気候シナリオの充実に関しては、別の省がやっていて、別の省は、何かごそごそしようと、要するに気候シナリオを充実させようみたいな意図で、何か会議をつくったりしていたみたいですが、そこには環境省はお入りになっていませんね。気候シナリオについて情報を充実させるという点については、お任せ状態と考えてよろしいのか、それとも何か、いや、そういうことではなくてというご説明があるんでしょうか。ちょっと、その辺りをお聞かせ願いたい。

【大井気候変動適応室長】 気候シナリオをつくるところ自体は、おっしゃるとおり、文科省でありますとか、気象庁でありますとか、関係省庁において取り組まれているというふうに認識をしておりますけれども、当然ながら、気候変動影響という観点からは、その検討の中にも環境省は、裏でということかもしれませんけど、入らせていただいているということでございます。

 最近でいきますと、2018年の3月にも、関係省庁で気候変動の影響に関する報告書取りまとめなどもやっておりますし、そういう意味では、全く各省が勝手にやっていることでなく、環境省は蚊帳の外ということではないというふうにご理解いただければと思います。

【花木会長】 よろしいですか。

 どうぞ、沖委員。

【沖委員】 いろいろご説明ありがとうございました。

 拝見して感じたところを、ちょっとご意見を伺いたいと思っています。まず一つ目ですが、資料214ページのところで、気候変動適応に関する業務ということで書いておられます。上部のパラグラフのところ、これは今までも国環研が精力的におやりになっていらっしゃって、今後も間違いなく、この辺は推進していただけることだと思います。ただ、今までは情報整理・分析・提供というところに力を入れておられた。ところが、これからは、14ページの下部になりますけれども、要するに相手先ですよね、実践してもらうために、どういうふうに動けばいいのかというところが、今後、かなり重要になってくる点ではないかと思っています。

 私、岡山ですけれども、7月豪雨で大変な目に遭いました。現場サイドがどういうものかということも、よくよくわかりました。現場からの発言になりますが、ここの下から2行目に書いていますが、「都道府県及び政令指定都市に積極的働きかけを実施し」と、これも間違いないと思いますが、ただ、ここだけで解決できない、地域的ないろいろな問題が生じる可能性があります。例えば、岡山県で今度皆さんがよく知っていらっしゃる情報とすると、倉敷の真備町ですよね。この地域だけが何か皆さんにはすごく頭の中に入っている。しかしながら、その周辺、総社等々がありますが、そこでもまた違った災害等々があり、あまり情報が入っていない。政令指定都市の岡山市は、逆に今度は被害が軽かったですから、どっちかと言えば、ちょっと客観的な立場になる。

 恐らくどこの地域でも、これからいろいろな温暖化に伴う災害が出た場合に、こういう状況が起こるのではないかと。そこまで環境省とか国環研が面倒を見られるかといったら、これはなかなか難しいわけですよね。ですから、何かシステマティックに、重層的に、この辺の現場までうまくつながるようなことを考えておいていただければ、非常にいいのではないかというのが一つですね。

 それに関連して、14ページの一番下に書いていらっしゃいます「適応策の推進に向けた技術的なニーズを把握する」、ここが非常に必要ですよね。ですから、逆に、何かの形で国環研とか環境省に問い合わせがある、地方自治体とか地環研から、ニーズを把握する、その回数をモニタリング指標のところに入れておいていただければ、十分に双方向に行っているのではないかなと考えたものですから、ご検討いただければありがたいということです。

 それから、もう一件、15ページになりますけれども、先ほどからお話しされている2020年までにプラットフォームをつくるというところですけれども、これも非常に期待しているところですが、「情報を発信する」と書いておられます。国際的連携・国際協力に努めるためということですが、我々としましては、やはり大学関係の学生たちにも、この辺の情報を興味を持って見られるような、発信方法をお考えいただければ、非常にありがたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【花木会長】 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。

【上田環境研究技術室長】 ご指摘ありがとうございます。

 1点目の現場までシームレスにつながるようにと、まさにご指摘のとおりでございまして、回答になるかわかりませんが、ある意味、一つの仕掛けが地域での協議会というところで、広域の自治体だけじゃない、もう少し現場にも関わっていただける方々にも入っていただくような仕掛けで、なるべく現場にも情報がおりてくるようにというふうに考えております。

 一方で、今、具体的にご指摘いただきました、モニタリング指標に入れたらどうだというご提案につきましては、少し相談させていただきますが、確かに問い合わせ件数なり、そういった考え方がちょっと抜けていたかもしれませんので、少し検討させていただきます。ありがとうございます。

【花木会長】 今のモニタリング指標に地方自治体とのやりとりを含むとすると、どこの項目になり得ますかね、これで言うと。

【上田環境研究技術室長】 現状ですと、モニタリング指標の一つ目に技術的援助の件数は書いてあるんですけれども。

【花木会長】 ごめんなさい。どのページですか。

【上田環境研究技術室長】 別添2の一番裏になりますが。

【花木会長】 そうか、そうか。ここしか変えられないからね。

【上田環境研究技術室長】 別添2の一番裏、右の欄のモニタリング指標というのが下のほうにございますが、この一つ目に、地方公共団体や地域気候変動適応センターへの技術的援助の件数は書いてありますけれども、受けた問い合わせなり、そういった、受け身のというと失礼ですけども、こちらから積極的に動いて。

【花木会長】 問い合わせに答えなきゃだめですよね。ただ受けて、答えなかったら、それはだめで。

【上田環境研究技術室長】 問い合わせ件数というのが適切かどうかわかりませんが、確かに、どれだけニーズが出てきているかというのは、確かに重要な指標かもしれませんので、そこを少し具体的には相談させていただきたいと思いますが、何か検討させていただきます。ありがとうございます。

 それとAP-PLAT、ありがとうございます。ご期待いただきまして。それで、大学等で使えるようにという、ここについては、むしろ、すみません、国環研から何かお答えいただけるとありがたいんですが。

【渡辺国立環境研究所理事長】 2番目のほうですか。1番目のほうからよろしいですか。

【花木会長】 渡辺さん、はい、どうぞ。

【渡辺国立環境研究所理事長】 地域のニーズの吸い上げということで、2年前にA-PLATを立ち上げまして、その後、双方向性を考慮するということで、電話による問い合わせ等々もやっております。まだ件数は少ないんですけども、121日、センターが立ち上がりますと、そういう問い合わせが多くなるかもしれません。また、環境省と環境研が一緒になって地域のアンケート調査をしており、そのデータも吸い上げております。ということで、定期的なアンケート、あるいはWebを通じた双方向の対応というのも今後しっかりやっていく。それが結果としてモニタリング指標等になっていくのではないかと思います。

 あと、A-PLATに関して、大学の学生さんにということですが、環境研の出す情報は難し過ぎるというご意見も聞いたことがございますので、そこは一般の方でもわかりやすく、また、大学の学生さんですと、教材になるような工夫も必要かなと。基本的には、わかりやすい情報をどうやって出すかについて、工夫をしながら対応していけたらと思いますし、まさにそこが情報をうまく伝えるためのポイントになるかと思っています。海外になると、またちょっと違うとは思うんですけども、環境研、日本で蓄積したいろんな知識とか経験を、AP-PLATという形でアジアに展開するものと思っております。

【花木会長】 ほかにいかがでしょうか。

 はい、お願いします。

【木本委員】 改定案そのものについての意見じゃないんですけど、基本的に私はネガティブな人間らしくて、何でも心配しちゃうんですよね。環境研が、この仕事を環境省に言われて請け負いますよね。いろんな質問が来て、答えなくちゃいけませんよね。だけども、情報のソースは、いろんな研究所とか、ほかの省庁とか、アカデミーから来たりしているので、時々わからないこともあったりして、担当者の人は、誰かに、その人たちに尋ねなくちゃいけないんですよね。何でも心配するんですけど、例えば自分のわかりやすい気候シナリオについて質問をする。誰に質問していいのかわからないのではないのかな、担当者の人は困るのではないのかなと。たまたま知っている、会議で一緒になったあの人に電話かけて、何ならメールして、それでもいいんですけど、この変更案によって、環境省は適応の推進を、環境研にその仕事を任せる。これは大変美しいんですが、任された環境研は、そこへ集まってくる情報について、責任者に尋ねようとするんだけども、責任者が誰なのかわからない状態になっている分野が少なからずあるのではないのかなと思いますので、環境省さんは、この適応を推進する、法律に基づいて推進する権利をお持ちなわけですから、そこがちゃんとしていないと、うちの担当者が困るじゃないかということで、ご指導を、ちゃんとしていないところには、ぜひとも行っていただきたいな私は思います。

 適応が5年ごとに見直しで、いわゆる政府のルーチン仕事になるわけですので、環境省、国環研だけではなくて、それをきちっと遂行する責任を持った、それを仕事とする部署というのはなくちゃいけないわけなので、特に気候シナリオについては、多分、気象庁じゃないかと思うんだけど、多分、あの辺の部署じゃないかと思うんだけれども、「おたくですか」って、「いや、うちはほら、ボランティアでやっているだけで」みたいな感じに、文科省に至っては、「うちはほら、5年のプロジェクトでやっているだけで、そんなところまで責任は負えませんよ」ということになりかねませんので。ならないと思いますけどね、いい人ばっかりだから。ならないと思いますけど、そうしますと、環境省の担当者の方がとても困って、誰に聞いていいんだかわからない、もうちょっと次はちゃんとやってほしいなと思っても、誰に言っていいんだかわからないような状態になってはいけないと思いますので、そこら辺、この文章にそんなことを書く場所はございませんけれど、ぜひともご留意願えたらありがたいなというふうに思いました。

【花木会長】 何かコメントありますか。

【上田環境研究技術室長】 ご指摘ありがとうございます。

 政府レベルでは、さっき大井からもお答えしましたとおり、きちんと各省連携をして、ポテンヒットにならないように、やる気のないところが出ないように、しっかりお尻をたたいて頑張ってまいりたいと思います。

 それから、研究レベルでも、先ほど推進費の話を少しさし上げましたけども、推進費の中で、いわゆる戦略型という大型の研究枠がございますが、それで1個、適応で立ち上げたいというふうに思っておりまして、そこにはやはり関係するいろんな国研の方に入っていただいて、研究所同士でもしっかり密接に連携ができるようにということを今ちょっと考えております。当然、国環研にも入っていただきますけども。そのときは、そうやってつくられたネットワークで、担当者の顔が見えないとか、そういったこともないように連携できればいいなというふうには思っております。

 以上です。

【花木会長】 ありがとうございます。

 ちょっと私からもコメント、この内容ではないのですけども。

 今回のこの法律改正で、国立環境研の中に地方自治体とやりとりする部署をつくる、そこから情報提供をすると。それはもちろんよろしいんですけども、国立環境研の中での人材の、研究者としての人材の育成というのを考えたときに、いわゆる単にやりとりするだけではなくて、地方公共団体とのやりとりを研究に仕上げていくという部分が必要だと思うんですよね。法律上は、研究業務とは別とはなっているわけですけども、国立環境研全体とすると、研究をすると。そのために情報を提供する、あるいは情報のやりとりをするということですので、地方公共団体とのやりとりで、例えば温暖化に関する具体的なデータが、それぞれの〇〇県の適応の役に立った、それを何十件かやった結果、日本全体としてはこういうことが言えそうだとか、ぜひ、研究につなげることをされていかれるのが、国立環境研の中の研究者の育成という意味でも大事かなと思っております。恐らく、その辺りもお考えだと思いますが、いわゆる簡単に言うと、忙し過ぎて研究もできないというようにならないように、ぜひ、お考えいただくのがよろしいかなと思います。

【渡辺国立環境研究所理事長】 ありがとうございます。

 会長ご指摘の、研究になるものを続けていくということが、国環研としても非常に重要なポイントだということです。今、適応センターを準備しておりますけども、その中に、主に外とのやりとりを狙うところと、それを支える研究の部署とで構成していて、両者をうまくつなぐ仕組みというのを今考えつつやっているというところでございます。

【花木会長】 お願いします。

【立川国立環境研究所理事】 ありがとうございます。

 若干補足いたしますと、今、準備しております適応センターでございますけれども、研究職員と、あと、環境省さんからも人的支援をいただきまして、そこでそうした地方とのやりとりを含めてしっかり対応できるように、準備をさせていただいているところでございます。

 それとあと、もう一点だけ、木本先生から叱咤激励、いただいているところでございますが、環境省さんにおかれては、「気候変動適応施策パッケージ」という形で、来年度の予算のかなりの増額を要求されていると私ども承知しておりますので、そうしたものも、関係府省と連携をしてやるためのツールとして活用されるんだろうというように、私ども期待しておるところでございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 ほかに、ご意見いかがでしょうか。

(なし)

【花木会長】 そうすると、ご意見をいただくのは以上といたします。

 先ほどからの議論で、修正の必要があるとすると、モニタリング指標のところで、沖委員からのご指摘があった、特に地方公共団体とのやりとりのところですよね。今、技術で限ってあるところを、簡単には、技術ではなくて、もうちょっと広げて書くのか、ちょっと直感的には思っていますが、そこをご検討いただいて、必要な修正をやっていただくのがよろしいかと思っております。そういった修正が、もし修正をされるならされる、あるいは、しないならしないということでもよろしいかと思いますが、目標案を確定した後は、各委員にも速やかにご報告いただくということでお願いしたいと思っております。よろしいでしょうか。

 それでは、最後に、その他を事務局のほうからお願いいたします。

【上田環境研究技術室長】 それでは、資料4をご覧いただけますでしょうか。今後の予定でございます。

 資料4でございますけれども、列が四つございまして、今日の審議会が2列目でございます。環境省の国立研究開発法人審議会でございますが、27日、本日の審議会でございます。今日、ご助言いただきました内容を含めまして、少し、また調製をいたしまして、その後、これは独法の通則法に基づきまして、総務省の独立評価制度委員会に諮問し、意見をいただくという手続がございます。それを経て、中長期目標を確定すると。その後、中長期目標を国環研対して指示を大臣からすると。それを踏まえて、今度は中長期計画につきまして、国環研のほうで検討し、作成をし、そして国環研から環境省に認可申請をいただいて、それを認可するという手続がございます。この適応法自体の施行は121日でございますので、あと残り2カ月ぐらいの間に、これを全部やるということが生じてまいります。

 ちなみに、一番下に(注)で書いてございますが、独法の通則法では、財務大臣にも協議をするということが定められておりますので、それの手続も、この間に挟まってくるということでございます。

 以上でございます。

【花木会長】 ありがとうございます。

 大変忙しい日程ですが、前向きの仕事ですので、ぜひ速やかに進めていただきたいと思っております。

 質疑ございますでしょうか、これにつきまして。よろしゅうございますでしょうか。

(なし)

【花木会長】 ありがとうございました。

 それでは、これで本日の議事は全て終了いたしましたので、以上をもちまして、第11回環境省国立研究開発法人審議会を閉会いたします。

 本日は、どうもありがとうございました。