平成23年度 環境配慮契約法基本方針検討会 廃棄物ワーキンググループ(第3回) 議事録

出席委員:
大森委員、小野寺委員、志村委員、辰巳委員、田中委員(座長)、長沢委員、仁井委員、浜野委員、平田委員、米谷委員(五十音順、敬称略)

日時

平成23年11月18日(金)10時~12時

場所

中央合同庁舎第5号館22階 環境省第一会議室


事務局: 定刻になりましたのでこれより平成23年度第3回「環境配慮契約法基本方針検討会廃棄物ワーキンググループ」を開催いたします。
それでは早速ですが、田中座長に議事進行をお願いいたします。

田中座長: 皆さん、おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いします。
それでは議事に入ります前に、事務局から本日の議事予定、配付資料の確認をお願いします。

◇本日の議事予定

事務局: 本日の議事は12時までの予定になっております。ご協力をよろしくお願いいたします。

◇配付資料の確認

事務局: 配付資料の確認をさせていただきます。

配付資料

資料1 環境配慮契約法基本方針検討会及び廃棄物ワーキンググループ委員名簿
資料2 産業廃棄物の処理に係る契約に関する基本的な考え方について(案)【第2回廃棄物ワーキング資料3の一部修正】
資料3-1 国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する基本的事項(案)
【第2回廃棄物ワーキング資料4の一部修正等の確認】
資料3-2 環境配慮契約法基本方針における「基本的な考え方」の反映状況について
資料4 総合評価落札方式における評価手法について(案)
資料5 産業廃棄物の処理に係る契約に関する解説資料(案)
参考 総合評価落札方式のシミュレーション

 このほか、メインテーブルのみ、委員限りの資料として平成23年度の「環境配慮契約法基本方針関連資料」の冊子と、資料5別紙としまして「委託契約書の事例」をお配りしております。なお、基本方針関連資料につきましては、法律や基本方針、解説資料が盛り込まれていますので、適宜ご参照ください。また、グリーン購入法の「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」という冊子を置かせていただいております。これらの冊子につきましては、持ち帰りが必要でなければ、会議が終わったあと机の上に置いていただいて結構です。それでは、議事をよろしくお願いいたします。

議題

(1)産業廃棄物の処理に係る契約に関する基本的事項について

田中座長: それでは、議事に入らせていただきます。
本日は、議事次第にあるとおり2つです。
(1)産業廃棄物の処理に係る契約に関する基本的事項について
(2)その他
となっております。
それでは、早速ですが、本日の議題の「(1)産業廃棄物の処理に係る契約に関する基本的事項について」を事務局より説明をいただきたいと思います。資料の内容に応じて、分けて議論をいただきたいと考えております。
最初に、資料2及び資料3-1、資料3-2により、環境配慮契約法における産業廃棄物の処理に係る契約の基本的事項について説明をお願いします。

環境省(峯村課長補佐): 資料2及び資料3-1、資料3-2について説明(省略)。

田中座長: ありがとうございました。それでは、ご質問等がありましたらお願いしたいと思います。前回も議論させていただきましたが、意見を反映したものが資料2、それを補足説明するものが、資料3-1、資料3-2です。いかがでしょうか。

辰巳委員: 資料3-2に関して、基本方針記載事項の最後に、「調達者において設定するものとする。」とありますが、前回は、それをどこかに書くという話だったと思いますが、どこにありますか。前文があったような気がします。これで良いと思っていますが、もしも産廃業者がいろいろなことを工夫されて、もっと新しい良い提案があった場合、調達者側でそれを知らないと項目に上げることができなくなる気がします。おそらく話し合いながら、こういうものがあるよと聞くのでしょうが、処理する側の専門の方のほうが、もっと新しく工夫されるかと思いますので、言いきっていいものかどうかと不安になりました。大丈夫でしょうか。

環境省(峯村課長補佐): ご提案いただく項目を制限するという意味で書いているつもりはなくて、きちんとリサイクルをしてくださいということを含め、より積極的な書き方ができればとプラス方向で設定しているつもりです。資料3-1で申し上げますと、四角囲いの上のところに重複している部分で書いてある内容をもう一回言っていることにはなっていますが、「[4]調達に当たっての要求性能等を・・・」というところから始まっているところを敢えてもう一回言っているということでございます。

田中座長: 後ほど要求性能で参考例が出てきますので、それを見て議論をいただければと思います。多分環境配慮で環境保全の推進に使う技術としていろいろなものが出てくるかもしれないので、それを組み上げるようにということです。 それから今の資料3-2で、今回、「適正な産業廃棄物の処理の実施に関する能力や実績等について」と「等」を入れたのは、再生利用の促進というものを組み込んで中に入っているという理解でいいですよね。ここまでは、大体ご理解をいただいたということと、総合評価方式で決まったという理解で進めたいと思います。
それでは、次の議題に移りたいと思います。「国及び独立行政法人等における廃棄物処理の契約状況」について説明をいただき、資料4の「総合評価落札方式における評価手法について」、参考の「総合評価方式のシミュレーション」についても説明をお願いします。

(2)その他

事務局: 国及び独立行政法人等における廃棄物処理の契約状況について説明(省略)。

事務局:資料4について説明(省略)。 参考について説明(省略)。

田中座長: ありがとうございました。今までの説明に対してご質問があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

米谷委員: 具体的な案が出てきまして、空回りしないようにできればと思っております。この内容を拝見しまして非常に驚きましたのは、標準点の設定です。この状態で標準点が100点で加算点が50点というあり方というのは、廃棄物処理事業に対して、ちょっとないのではないかということを強く思います。その必須項目というのは本当に最低限ではないかと感じております。ここまで最低レベルであるとしたら、標準点と加算点との割合をせめて1:1にするとか。そういったことも可能であればいいですが、財務省が許さないとすると、必須項目を少しは上げる必要があるだろうと思います。その中のひとつに資料4のp.6に優良事業者認定に優良適性があります。この特定不利益処分もかなりレベル差があるところが問題かと思います。少なくとも過去5年間において許可取消処分や事業停止命令を受けているといったところであっても、今現在取消がなくなっていれば、裏読みをすれば入札参加ができる状況なのです。それはあまりにもおかしいのではないかと思っております。優良適性のうちの施設の停止又は改善命令は非常に厳しい内容というか、ほんのわずかの不備であっても改善命令が出されるケースがあるということは知っておりますので、必須項目の中にこれを受けていないことというのを入れることは厳しいとは思っていますが、これを除いた優良適性の項目については少なくとも必須項目として入れるべきではないかと思っております。
同じく優良認定の中の財務体質の健全性があります。これがある一方で、必須項目の中での積極要件の説明がp.3の下にあります。経営規模及び経営状況とありますが、重複するような形になっていないかという辺りについてもご説明をいただければと思います。併せて、これまで優良認定の内容だけのイメージで議論をしてきましたが、それ以外に収集運搬業者、中間処理業者、最終処分業者、それぞれに対して具体的な項目というのが出てきました。これは非常にレベルの高い内容が多く含まれていると感じております。廃棄物処理に関して重要な部分というのは、中間処理業者であれば再資源化率といったところでは根本に係ってくることだと思いますが、その部分というのは非常にレベルの高い話になってしまっています。これらの得点と優良認定の得点の割合というのは本当に適性なのかという辺りが気になっております。
もう一つ、再資源化率という言葉で出しておりますが、どこに行っても問題にしておりますけれど、再資源化率の概念自体が極めて曖昧な中で、処理業者から申告を受けたリサイクル率というのを鵜飲みにするような状況、それが本当に再資源化になっているのかどうかという確認をどのようにして行うのか。それから再資源化率について1ポイントをもらえるためにはどういう設定をするのか。再資源化率という一言で表されている部分についても突っ込んだ検討が必要ではないかということを考えております。

田中座長: 議論の進め方について、事前に言えば良かったのですが、まず資料4の2番目の評価手法について、事務局の提案としては、2つの方式があります。委任契約的な特性と請負契約的な特性ということで、産業廃棄物の処理の場合には請負契約的な特性が強いので除算方式が望ましいのではないかというご提案ですので、この件についてはいかがでしょうか。ご質問はないですね。
それからp.3の評価項目について必須項目と業務要素の点数です。あとのほうでは加算点と言われていますが、標準点と加算点、必須項目と業務要素の点数の2つを考えるということで、p.4にある表2は、発注者が設定することができる項目として案を出されています。あくまでも案ですが、こういう案を参考にして発注者が設定しなさいということです。そのあとに必須項目、いわゆる標準点と業務要素の点数である加算点の重みについての議論があります。まず米谷委員の発言は、評価項目とその重みの両方に係る問題ですが、それについてさらにご意見を聞きたいと思いますが、いかがでしょうか。

仁井委員: 先ほどの契約の実態にもありましたように、現在では、単価の一般競争だけというところに、こういった要素を加点として入れる話ですので、言わば前段については一歩前進と受け止めております。具体の項目の話になりますと、現時点で私どもの業界の水準から見て実際はどうなのかというところで判断のつかないところもあるのですが、まず一つは、優良の基準を作る際にも、長沢先生は、様々な業態を持つ産業廃棄物処理業という中で共通なものの捉え方のところでご苦労されたと思います。そういうことを考えますと、例えば収集運搬というのは、基本的には、車での運搬です。船舶もないわけではないですが、車での運搬ですから、車というある種の共通要素はあると思っても、中間処理というところで、例えば焼却系をやっていれば熱回収施設の云々というのは、努力すれば、物が良ければという話になるわけです。重機において低公害型というのも重機を使うような業態なのかどうかによって、これ自身が項目としてあっても意味のないような話もあるわけです。再資源化率というのもパフォーマンスとしては、重要なファクターだとは思いますけれども、かなり一律的な入札のときに使うようなものとして熟している要素になっているのか。あるいは個別評価をするときに妥当な要素になっているのかというところはかなり疑問を持ちます。私どもの業態でも、言わば資源屋から流れてきたような形で、廃棄物でも資源性の高いようなものを主として扱っているようなところでいけば当然にも全体としての再資源化率は高いような話になります。カスケードの末端の物をメインでやっているところでは、その中で努力しても結果としては全国平均に及ばないということもあるわけです。一律全国平均に達していないということで+1、0というやり方は、率直に言ってどうかと思います。
それから個々の項目で言えば、最終処分で排水の高度処理の話がありますが、オーバースペックは全て良いことだという変なメッセージは避けていただきたい。これは個人的に反対です。地域の状況などによって基準を超える処理をするということが望ましいとか、妥当だというケースも多々あるでしょう。あるいは周辺調整との関係で高度処理を導入しているというケースも随分ございますが、どういうケースにおいても、基準の1/10レベルを達成することが、+1であるという変なメッセージはどちらかというと止めていただきたいと思っております。
それから大きな区分けとしては、環境配慮への取組というのは、言葉は難しいですが、環境配慮への取組ジャンルと優良基準への適合という2つの言葉を使っています。当然優良基準への適合というのは、言わば遵法性です。きちんとした処理ができるということに加えて、それなりの環境配慮の取組をやっている、なおかつそれを世の中にオープンにする、事業の透明性を高めてネットに公開するということを通じて、結果的には環境配慮型の行動をすると期待されて優良基準がなされているものですので、こういう2つの分類の言葉というのはもう少し考えていただきたいと思います。
あとは入札に当たってこういったものが、どの程度の手続きを持って申告されることが通例と考えているのか。手数、コストの係るような○○証明を持ってくるという話になってくると、そもそも入札に参加する前提です。取れるか取れないかもわからない仕事の話のときに、手数料をいっぱいかけて○○証明を取ってくるといった話になってくると、それは何のための措置かという話もありますので、こういう中身の話と標準的な手続きの話と同時並行で議論していただきたいと思っております。

田中座長: 表2は案とは言いながら、結構影響があるので、中身がこのまま使えるかという点で疑問が提示されました。評価項目及び評価基準の案です。これを実際は発注者が参考にして自ら設定するということになるわけですが、明らかにおかしいのは直したほうがいいということで、さらにご意見があればお願いしたいと思います。再資源化率の算定も統一されていないきらいがあります。自主申告であるということからあまり当てにならないのではないかというご指摘です。他にございますか。標準点ではない加算点に係る項目です。

長沢委員: 前回、何方式にするか、技術力のある・なしで、産業廃棄物処理業界は技術力がないと言われるのは困るということで少し揉めたように思いますが、今日はそういうご説明ではなく、業務の性質でご説明をされて、納得がいきました。ありがとうございました。しかしながら疑問、あるいは意見がございます。
米谷委員が仰ったこととも関係します。処理能力等々という話と優良性認定という話を足して、トータルで標準点の半分までというご提案になっております。これで本当にいいのかという一抹の不安があります。先ほどのシミュレーションでありましたように、優良でない業者も安ければ落札できることに尽きるわけです。それで本当によろしいのか。そもそも極端に安い業者ほど不法投棄をしそうなわけですから、いくら安くてもそういう業者に任せないようにすべきではないか。そうすると米谷委員が仰るように、標準点の半分ではなくて、同じぐらいまで引き上げればいいですが、除算方式では標準点の半分までしか行かないというのであれば方法は2つあります。加算方式に持っていくか。もう一つは、優良性の条件をそもそも入札に応じるときの参加資格にするしかないと思います。そうすると今度は、優良性認定を取っている業者数が少ないから公正取引委員会から文句を言われるというのであれば、先ほど優良性認定を取っている業者にはさらに加点するというご提案でしたが、これをさらにという「AND」ではなくて、「OR」にして、入札参加資格として優良性認定を取っているか、またはそれに準ずるといって発注者が優良性認定に替わる認定をして、それに同等であると認めたもののみ認めるとする。このどちらかしかないと思います。さらに原案の「AND」というのは、前回か、前々回に申し上げましたが、そもそも優良性認定で項目を評価しているわけですから、さらにそれを加点するということはダブルカウントになるというので方式としてはいかがなものかという疑念が一つあります。もう一つは、先ほどの事務局からの実態調査は口頭説明で、資料を見ながら言えないのが残念ですが、お聞きしますと大学の研究室単位でも発注しているということでありますから、大学の研究室の教授や助手、あるいは技官の人が産業廃棄物処理業者の経営内容まで判断して優良性適合に準ずる業者であると認定して点数を上げたり、準ずるから参加資格があるとかないとかを決めることが本当に可能なのだろうかという実効性の2つの疑念がありますので、「AND」よりは「OR」がいいのではないか。あとは配点をもっと上げるか、上げることができないのだったら加算方式に切り替える道を残しておく。または入札条件に指定替えというか、組み替える。そのどれかが現実的ではないかと考えます。

田中座長: 重要なポイントをご指摘いただきました。一つは、価格が安い場合には入札資格がないということができるのか。企業によっては実績づくりで安くするということが他の分野でもあるのかどうか。産廃は価格が安いこと自体が不法投棄を起こす要因だから排除すべきだということが通るかどうかというのが一つあります。それから除算方式の問題もあって、加算方式の選択もあり得ると。

長沢委員: いや、なぜか標準点100点に対して最大50点までしかできないと仰るから、そう申しているだけであって、100点に増やすこともできますと言えば、それで結構です。ずっとご説明で難しいように仰っていたので。

田中座長: 事務局からお願いします。

環境省(峯村課長補佐): 標準点に対する加算点の点数が、50点でしか包括協議が通らないであろうと考えられますが、例えば、標準点100に対して加算点100が必要であると立証して財務省に個別協議をされれば、そのような除算方式による総合評価落札方式もできます。この契約にあっては、加算方式が望ましいということであれば、それは加算方式ということで個別協議を財務省として、認めていただければ、その契約方式を取れます。ただ網羅的というか、環境配慮契約法に基づく一般的な形式として包括協議を取るという視点で考えると、今申し上げた加算方式や除算方式において加算点を100点、もしくはそれ以上にしていくというご説明はなかなか通らないのではないかという感触を事務局は持っています。そうではなくて、財務省と戦ってこいというご指示であれば、一応戦ってきますということです。絶対にダメだということではありません。

長沢委員: ご事情はよくわかりました。仮に加算方式にする、あるいは標準点に対して加算点も100点にするとしても、程度問題はあっても、私がご指摘した優良でない業者でも極端に安ければ勝ってしまうということがそもそもよろしいのかという観点からすると、やはり必須項目に組み入れて、加算ではなく、入札条件のスクリーニングに入れるのが私は望ましいと考えております。ただし研究室単位で発注する人が、優良認定を取っている、取ってないは、0/1ですぐわかるからいいですが、業者数が少ないからそれに準ずるのを評価して応札資格がある、ないと決めるのは事実上難しいと思います。これは懸念です。今日がタイムリミットと聞いていますが、私の立場としては、例えば数年後にこれを改定するときに、優良性のことがより反映できるように直していただければということで、第一歩という意味では仕方がないと思っております。

仁井委員: 長沢先生に向かって言うのは恐れ多いですが、優良という言葉を法律上は多分使われていないと思います。特例許可だと思います。7年許可を取っていないから優良でないという表現は避けていただきたいと思います。例えば自己資本比率がどの程度妥当かというのも成長性の高い企業であれば、借入によってまさに設備投資をしながら成長をしていくというのが3年続いても構わないと思いますが、ある種の割り切りとして経営の安定性ということで1割ということが出たものと思っております。また、電子マニフェストの加入というのも顧客が全然使わないというのであれば、本当は無意味な話ですが、そういう顧客が来たときにも対応できるようにということでの一つの要件で、ある種の割り切りの中ですので、ここがないから優良でないという表現ではないと思います。これは規則許可ですので、必ずしも全員を排除できてはいないにしても許可を得た業者は一応できるという推定をした上での話で、環境配慮の取組、あるいはそういった確実性の高いものを選ぶという中での7年許可という制度だと理解しているところです。

田中座長: 優良でない企業が参加しないようにするために必須項目で決めているわけですので、入れてはならないということであれば、必須項目の中に加えて排除するしかないです。これで排除されないものは、優良ではない企業だということにはならない。入ってやれるけれども、環境配慮はそれほどよくないけれども、やるべき廃棄物適正処理というのはされるはずだと認められた企業だと解釈しますが、値段が安いから入札資格がないというのもちょっとどうですか。除算方式である以上は、価格が低くても入れることになります。

環境省(正田課長): 考え方だと思います。必須項目に優良かどうかというお話になると、必須項目のところは、言葉は悪いですが、悪質というか、粗悪というところをまず排除しましょうという土俵を作るところなのだと思っております。その上でどれだけ優良かというものを技術点では評価していきましょうという考え方で、着眼点とそれにおける項目というもののレベルが違っているものとご理解をいただければと思います。そういう意味で、例えば必須項目としてこういうものがよりあったほうがいいでしょう。優良という面ではなくて、最低限、悪質な業者を入札の土俵から排除していくというのが必須項目のレベルだとご理解をたまわればと思います。

環境省(峯村課長補佐): 低価格入札者への対抗の件ですが、地方公共団体にあっては、低入札制度を取っている例もあります。ある金額以下の応札者は、落札資格を排除するという運用をされていらっしゃるところがあります。国の会計法の場合は、低い金額を入れた場合は、低入札者に対して監督を許可するということで、安くてもちゃんとやれるという契約をさせていただいた以上、やれるかどうかの監視はしますが、その人を直接的には排除しません。公共工事の場合は、契約に至る前に一旦お話を伺わせていただいて、本当にできるかどうかの審査をした上で契約を結ぶということになっております。従って理論上はシミュレーションでお示ししたように、すごく安く入れた方と契約ができないと言っているのではありません。そこの対抗策は、加算方式にあっても存在しないということです。

長沢委員: ただいまの峯村さんのご説明と仁井委員の説明を伺って納得いたしましたので、先ほどの矛を収めます。意見として優良性認定を取っているので、スクリーニングをしても公取で引っかからない程度に認定が普及した暁にはスクリーニングに入れていただきたい。ここで合意を取れとは言いませんので、委員個人としての要望は申し上げておきます。
ついでに簡単な質問です。閣議決定をするところで能力や実績等を考慮するということになっています。能力については基準がいっぱい上がっていますが、実績に関する基準というのはどれを指しているのでしょうか。

事務局: この実績につきましては、例えば優良認定のところであります事業の透明性、公表状況、財務体質も実績の一つと理解できると思います。もちろん優良適性の部分も5年なら5年の期間内でやってきたという実績に当たると理解しております。

長沢委員: そこがストレートにわかりにくいので、どこかに実績という文字が入っていればわかります。可能であれば配慮いただければと思います。

米谷委員: 長沢先生が矛を収められましたのでちょっと寂しいですが、正田課長が仰られたことを考えた上で、必須項目の中に優良適性の部分だけを入れていただくという提案を申し上げました。ただし優良適性の中の施設停止や改善命令だけはレベルが高い話になってしまうので、それを除いた形で、その他の優良適性の部分については必須項目とするということを改めてご提案をしたいと思います。これらの内容につきましては、自治体に一言、確認をしていただくということで、おそらく関係者もわかるのではないかと考えております。

辰巳委員: 今のお話の必須項目の3つある真中の競争参加資格を有する人というのには、評価の仕方はあるのでしょうか。

事務局: 全省庁統一資格の点でよろしいですか。これは、国の場合ですと、2年か3年に一回、国の入札参加資格の申請ということで、どこかの省庁に書類を提出するという形で、それについて担当の方が内容をチェックして線引きをする形で資格を割り当てます。基本的には、脚注の5番の内容によって決まります。これまでどういった実績があるか、従業員が何人いるか、資本がどれだけか、赤字経営かどうかといった内容です。まさに過去の実績に応じて、国の場合は、A、B、C、Dという4つのランクに分けられて、一般的に受注できる金額が定まります。Aランクならいくら以上、Bランクですとここからここまでのように発注金額に応じて、受注できる事業者が決まるということです。

辰巳委員: 大体わかりましたが、今までの廃棄物の契約というのはカバーしきれていないということですか。必須要件的な意味が、公共自治体では認定を受けているとかありますが、そういうのがなかったということですね。

環境省(峯村課長補佐): 建設工事の事例で言いますと経審というのがあります。過去に公共工事をどういう形で受けて評価点がいくつという累計の数字があります。過去2年間の評価が入札参加資格とは別に付いています。それが実績ということで結構光っています。長沢先生がご指摘のようにやや薄れた感じにはなっています。過去の契約について、どのように評価しているかというデータベースは国についてはないので資料にはしなかったということです。

辰巳委員: わかりました。米谷さんの仰るように、廃棄物の設定なので最低条件として優良の資格というのはあった方が良いと思いました。

仁井委員: 先ほども申し上げたように、法律上の規定として優良という言葉はないです。ここで言っているのも同じ要件ですから、要するにゴールド免許を持っていなければ不良ドライバーかという話です。7年許可を取っていないから黒に近い灰色かという目で見られることだけは止めていただきたい。ただせっかく努力をし、インターネットでも事業の状況をディスクローズしているものに対して、然るべき配慮をしていただくということ自体はありがたいと思っています。また一方では公取のお話もあるとは思いますが、業団体として考えますと、今年の4月にスタートしたばかりですので、タイミングからしても7年許可を持っている事業者がポテンシャルを持っていても、手続きのタイミングがまだ来ないということで、あまり大きな落差をつけ過ぎると、逆に排除の論理になってしまうというところもあって、進めてほしい部分とほどほどにしていただきたい部分との中で発言をさせていただいております。もう少し時間が経過すれば、然るべき事業者は皆7年許可を取るという状況になると思いますが、少なくとも今取っていないからと言って、それは優良でない業者という目で見ていただきたくないということは重ねて申し上げます。

志村委員: 参加資格で確認です。産業廃棄物の収集運搬や処分というのは許可を持っていないとできないはずです。参加資格の中に許可を持っているという項目がないとすれば、そこに許可を持っていること、プラス改善命令を除く特定不利益処分を受けていないことと書いてしまえば、必須要件に入れることができるのか、あるいは一番下のランクを除いて特定不利益処分を受けていないことという規定の仕方はできるのかと思います。国との制度が違うのであればいいですが、そこの確認です。

環境省産廃課(足立補佐): 前提としまして、許可がない事業者と契約すること自体が国として法律的なものに問われます。業許可がなく廃棄物処理法に引っかかるものと国が契約することはあり得ないという前提で書いています。つまり法律違反してやるということを前提としておりませんので、その前の段階のものとして許可云々というのは元々入札に参加できない。いくら安くても、担当省庁の責任のある方が法律違反に問われるようなことをしないという前提になっているます。

環境省(峯村課長補佐): 今日お示ししたエレメントには明記されていません。敢えてここで書くことによって、今ご指摘いただいたように裾切り条件を上げてみるというエレメントが入ってくるのであれば、そういうご提案も受け入れやすいのかとお話を伺っておりました。3回目のワーキングでこういう議論ができて事務局としては感無量でございます。

田中座長: 今までの話をまとめますと、一応確認しますが、除算方式を適用するという点ではもう後戻りはないということでいいでしょうか。それから2つ目の評価に当たっては、入札参加の資格の有無を問うのに必須項目ではねられるということは入札参加の資格がないということですので、ここでこのようなものが入ったら困るというものだったら必須項目の中にきちんと入れておかなくてはならない。ただ誤解しやすいところが、最後の表4の認定制度への適合というところで、優良適性という言葉の中で入札資格がないという部分を別出しで、p.3の必須項目の中に抜き出してある。それ以外の部分でまだ大丈夫だとなったときに、さらに1点が加わるということです。それから優良認定制度で認定を受けていないところは、優良適性など、下の5項目で全部1点ずつもらったら5点までが最高だということです。認定制度で優良業者として認定を受けていれば、さらに+1が加わって、トータルで最大6点になりますということです。p.6に、優良適性という上に、「認定制度への適合」という見出しを入れておかないといけないです。見出しで「認定制度への適合」ということで、その中身が5項目ありますということです。p.9の表4に「配点ウェイト例」と書いてあります。例ですので、決まれば、これで運用するということで、この数字、あるいはウェイトが発注者次第で変わるということはあるのですか、ないのですか。

環境省(峯村課長補佐): 本日時間の関係でご議論いただけないと思いつつ、資料5を作っておりまして配らせていただいております。資料5がお手元の冊子、環境配慮契約基本方針関連資料の各契約類型の解説資料に当たる部分です。ここを各省庁の方がご覧になって、どの方式を採用しようとか、どの項目をどういうふうに盛り込もうかということを具体的に設定されるということです。財務省への包括協議はまず総合評価、除算方式、ウェイトの3エレメントしか取ってきませんので、個別の項目につきましては、環境省として例示するということになります。例示であっても表4は、まだまだご議論の余地があるかと思います。

田中座長: 表4と表2についても議論のあるところです。これをできるだけ詰めて標準的なものとして使われるようになればいいですが、そうでなければ、発注者自らが設定することができるということで、表4のウェイトも設定できるということです。
他に何かご質問やご意見はございますか。米谷委員、今のように自ら設定するので再資源化率が使われるとは限らない。いろいろ問題点が提示されれば、こういうものは使われないであろうということで、あくまで案です。

米谷委員: 必須項目の部分で、優良という言葉が2段階で使われているものですから議論が錯綜してしまっています。私や志村委員からの提案は、辰巳委員もおそらく賛同いただけたと思いますが、この必須項目の中の1項目として特定不利益処分を受けていない、ただしその中の施設停止、改善命令は除くというものを必須項目として入れるということをご提案申し上げていますが、これに関して事務局から一切コメントをいただいていないのでできればお願いします。

仁井委員: 行政処分を受けても、現時点で許可を持っている業者を頭から排除するのは反対を申し上げます。公共調達の話ですから、民・民契約の中において、そういう部分についてウェイトを高く持たれること自体を何ら拘束する話ではありません。ただし公共調達において全国に適用するルールということになりますと、完全排除になりますので私としては反対します。

米谷委員: それに関しまして過去に一度でもそういうことがあった場合にということでしたら、私も厳しすぎると思いますが、あくまで過去5年間においてということですので、それぐらいのペナルティは然るべきではないかと思います。

環境省(林専門官): p.3の必須項目は入札参加資格になります。ここは排除することになります。廃棄物処理法の中で、まず欠格要件があります。取り消しになったら当然参加できない。一方で改善命令・措置命令というのは、状況を改善させるために行政側が指導等を行うものです。一定程度改善されたならば、通常許可の取り消しが及ばない場合においては、逆に言えば通常処理ができるということです。改められた会社に対して、なおかつ許可の取り消しと相当するようなペナルティを与えるのが、公正な競争という観点で考えた場合は、なかなか難しいのではないかという考えを持っています。あくまでも業を行える、行えないというのは、取消処分が行政側にあるので、取消処分に至らない業者、改善命令で改善されて業を行っている者まで本当に排除して良いのか、国の業務においては、許可を取り消したと相当に扱うのはいかがなものかと考えております。

田中座長: 他にございますか。

辰巳委員: 標準点と加算点のウェイトが2:1というのは、相応のランクで標準点が切られるのであれば本当にいいのか。せっかく環境配慮のための配慮法でやろうと言っているのに、その環境配慮をいろいろなさっている事業者の方たちは一方でいるわけですが、その人たちの努力が報われないような気もしますが、いかがですか。

田中座長: その辺はかなり主観的な評価が入ってくると思います。除算というのは価格で割っています。単価というのは、1万円で何ができるかということで、適正な処理、プラス環境配慮です。環境配慮の差の部分が1万円で、これだけの差があるかどうかというところにかかわります。自己申告して、「うちは環境配慮をこんなにやっています。」という部分に適正処理の倍の値打ちがあるというところです。きちんと適正処理をしているけれども、リサイクルをしている質がいい。だから余分に1万円とは違って5千円の価値があるとか。そういう値打ちがあるかどうかというのは微妙です。基本は適正な処理をされるというので、それは基本点になります。不法投棄をしない。環境配慮と言っても、日本の産業廃棄物業者は法律は守る。「法律は守る」というのは、排出基準は守る、ダイオキシンの基準は守る、排水の放流基準は守る上に、さらにというところで、というのは、仁井委員も仰ったように、排出基準もそこまでやれば安全なはずですが、その1/10とか、ここまで減らしていますということに意味があるのか、そこを競わせて資源を無駄にするということにつながるという見られ方もありますので、ちょっと運用しながら弊害があるかどうかというのを、また何年か後に再評価して見直すということで、一定期間、実績を積むというのは大事かもしれないです。

小野寺委員: 必須項目と加算点の比率についてはいろいろご意見をされていますが、2:1で構わないと思います。ただ必須項目の中に廃棄物処理の関係の何かを入れる、判断基準を入れるということができるのかどうかというのを事務局側からお答えいただきたい。ぜひ何かを入れてほしいです。何かを入れるにしても、特定不利益処分、業者の話が出ていましたが、公平性という意味では免許を持っている処分業者に対して、門前払いはやはりできないのではないか。例え過去に処分を受けたとしても、一定期間、ある意味処分を受けているわけですから、それが解除された上で入札に参加するというのは、公平性の意味では必要ではないかと考えます。

環境省(峯村課長補佐): ご質問にお答えします。本日は、グリーン購入法の基本方針、環境物品等の調達の推進に関する基本方針をお配りさせていただいておりますが、p.101をご覧ください。自動車があります。グリーン購入法では、自動車の最低限の環境性能を規定しております。それがp.101の表になっております。判断の基準が必須基準で、絶対に通らないといけない基準です。配慮事項というのができれば、こうしてくださいというものです。自動車を買う場合は、グリーン購入法の判断の基準を満たした自動車に対して環境配慮契約法による総合評価落札方式を行っております。結果として標準点100点を取れるという自動車は、グリーン購入法で言うところの判断の基準の最低レベルはクリアしていただいているということになります。産業廃棄物処理業は必須項目に対して、事務局から資料4のp.3でご提示させていただいている3つの「・」以外の何らかのものが入るべきであるというふうにご諮問いただけるのであれば、そういうものを配慮して入れていくということもテクニック上は可能かと思います。産業廃棄物の所管の担当課としてはいかがでしょうか。

環境省産廃課(足立補佐): 許可を持っている人に対するのと個別の品質の評価というのが同一の議論というのは非常に難しい面があります。許可という行為を与えているものを同一にしないという要件を加えるというのは、車の免許を持っている人が、ある人は何かのせいで乗れない。大きさの違う物は別ですが、例えば400ccの中型免許のバイクの話だと250ccまで乗れる人と、400ccまで乗れる人とでは何らかの別な制度の関係で決まっている。過去に反則切符を切られて、400ccのバイクが乗れるのに、250ccまでしか乗れない。それで免許を持っているというのと、物品を購入する性能を一概に判断するというのはなかなか難しいです。業務許可と物品の購入を一緒に議論するのは極めて難しいと思っています。

小野寺委員: 可能かどうかは別として必須項目を本当の必須の部分と、ある意味運用的に判断できるようなものを入れ込めばできると思います。例えば一企業としてよくやるのは、産廃処理業者と契約するときには現地確認をします。その現地確認をするためのチェックリストを持ってチェックさせていただきます。そのチェックが、例えば何点以上だったらいいとか、私どもの企業ではある基準を持ってやっております。例えばそういうものを設けるとか、ある意味必須項目の中に何らかの産業廃棄物処理の判断を求めるようなものがないと、先ほど皆さんが仰っていたように、2:1ではダメなのかという議論が必ず出ると思います。そういうところを少し工夫して何か知恵を出して行ければいいのではないかと思います。

田中座長: 議論も尽きないし、ご意見も大体出てきたと思います。12時までにきちっと終わりたいと思います。ご意見をどうもありがとうございました。今年は3回にわたってワーキンググループを開いてきました。今回、委員の皆様からも活発なご意見をいただきましたが、特に資料4については議論が残っています。平成24年度も産業廃棄物の処理に係る契約について審議を継続したい旨を第2回の環境配慮契約法基本方針検討会、いわゆる親検討会にご報告いたします。その検討会は12月2日の開催になりますが、時間もないことから、検討会への報告内容については、座長の私に一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

各委員: よろしいです。

仁井委員: 来年度も継続するということですね。

田中座長: そういうことでご報告いたします。それでは今年度のワーキンググループは本日が最後となりますので、正田課長からご挨拶をお願いします。

環境省(正田課長): 大変熱心なご議論をいただき、今年度は3回のワーキンググループを開催させていただきました。取りまとめていただきました田中座長はじめ、委員の皆様に御礼を申し上げます。今年度、ご議論をいただきました一つの成果としましては、総合評価方式と除算方式です。来月の親検討会でもそういったことを中心に田中座長からご報告をいただきたいと思っております。中身の項目、例えば必須項目の扱い、実際の項目、さらに、本日はご議論をいただけませんでしたが、実際は基本方針と解説資料とが一体のものです。そういったものを来年度引き続き熱心にご議論をたまわればと思います。特に今年度はいろいろな準備等の都合でワーキング開始が遅れたこともあって、短期間の集中的な議論となりました。来年度に向けましては事前に意見をいただくとか、資料をお渡しするという形でさらに密度の濃いご議論を詰めていただければと思います。引き続き幅広い観点からご指導をたまわりますようお願い申しあげまして簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。

田中座長: 今年度のワーキングは、本日で最後になります。どうもありがとうございました。