環境配慮契約法基本方針検討会 OA機器ワーキンググループ(第1回)議事録

出席委員:
秋鹿委員(座長)、一條委員、伊藤委員、川村委員、後藤委員、斉藤委員、樋口委員、古川委員(五十音順、敬称略)

日時

平成21年11月18日(水)10時30分~11時40分

場所

三田共用会議所D・E会議室

1.開会

事務局:お忙しいところご参集いただきありがとうございます。定刻になりましたので、これより第1回環境配慮契約法基本方針検討会OA機器ワーキンググループを開催させていただきたいと思います。本来でしたら環境経済課長が冒頭ご挨拶するところでございますが、本日所用で少し到着が遅れておりまして、最後にご挨拶させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。それではまず本ワーキンググループにご参画いただきました委員のみなさま方をご紹介させていただきたいと思います。お手元の資料2でございますが、OA機器ワーキンググループの委員名簿がございますのでご参照いただければと思います。
 (委員紹介、会議の公開について 省略)
 それでは秋鹿座長に議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

2.座長あいさつ

秋鹿座長:みなさま、おはようございます。お忙しいところご参集どうもありがとうございました。環境配慮契約法基本方針は平成19年に閣議決定して、電力、自動車等比較的わかりやすいものについては、すでに走り出しているわけでございます。基本方針検討会でも、走り出してからそれがどの程度実際に国の機関や地方公共団体において使われているだろうかということも話題になりまして、50%くらいは採用されてやっているのではないだろうかと、そのようなお話もあったわけでございますが、国としてはできるだけこういう仕組みを通じてお金を無駄なく使い、かつ環境に配慮したことを国として先導して行きたいという思いが強いわけで、これを少しずついろいろな業界に広めていきたいという思いがあるわけでございます。複写機、OA機器についてはぜひ検討の対象としたいという思いがございます。業界のみなさまを前にしてこのようなことを言うのは恐縮でございますけれども、OA機器業界というのは沢山ある業界の中で環境に対する取組が一番進んでいる、評価をされている業界と聞いております。それぞれメーカー、OA機器を作るに当たっていろいろなかたちで環境配慮したものを提供している。それから省エネ機器としてもトップランナー方式の最初の試験的な試行、トップランナーのトップランナーになっていった経緯がございます。たまたま私は複写機のトップランナー基準を作った時の委員長をさせていただいたのでよく覚えておりますけれども、みなさん業界を上げてこういう取組に対して大変前向きであったということを記憶しております。そういうこともあって、非常に大きな期待を持ってスタートしたわけでございますが、昨年1年間業界の方に集まっていただき、いろいろ議論したのですけれども、ファクターが多く、総論は熟成していたのですが各論がなかなか未熟と言いますか、上手く解がでなかったということで、もう一度検討してはどうかということで、今年度は、調査をどういうような要件でやったらいいのかということで始まったわけでございます。この経緯につきまして長々と話をする時間もありませんが、事務局の方から資料等を通じてこの辺の背景もお話があろうかと思います。ふつつかではございますけれども今日の座長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。それでは本日の資料の確認をお願いいたします。

事務局:(資料確認 省略)

3.議事

秋鹿座長:よろしいでしょうか。それでは議事に入らせていただきますが、本日の議題はOA機器の調達に係る検討方針について、でございます。資料3からご説明をお願いいたします。

事務局:(資料3 省略)

秋鹿座長:どうもありがとうございます。本年度はこういうスタディをしてはどうかという検討方針についてのご説明でございます。この中身についてのご質問というよりも、今日はブレーンストーミング的に少しずつ議論を進めていこうと思いますが、私どもとして、この委員会として全体の姿をある程度頭に入れていきたいと思うのですが、座長からこういうことを言うのは恐縮ですが、資料4のスケジュール(案)で本年度どこまでやるべきかを見て、第1回はどういうペースでいくかということについても委員のみなさんの関心もあると思うので、資料4を先にご説明願えますでしょうか。

事務局:(資料4 省略)

秋鹿座長:どうもありがとうございます。この資料4には親委員会である基本方針検討会についてアンダーラインを引いてあるのに対し、この委員会はOA機器ワーキンググループ1回、2回、3回のところで行われるわけですが、親検討会への報告の都合もあります。本委員会の日程が最終的には親委員会である第3回検討会の前になりますね。ある意味非常にタイトなスケジュールでございまして、本日の資料3にありますように、昨年度においてもできるだけ早くこれを決めて実行したいというところだったのですが、なかなか準備も進まない、業界と協議も進んでいないというような状況でございますので、おそらく22年度4月からこれを実施すべく第3回WGで結論を出すということは無理だろうと、道半ばの状況であろうと思います。道半ばとはどういう状況かということを検討会に報告すべき、そういうところに私たちは来ているのかなと解釈をさせていただきます。委員のみなさんはそういうことを頭に置いていただき、まず資料3の中身を元にしてご質問なり、あるいは前後構いませんのでコメントなりいただきたいと思います。まず最初にこの検討の背景ですね。昨年度こんなふうに議論してきた、あるいはそれを受けて出来た今年度検討方針の1、2あたりについて質問なりコメントなりありましたらば承りたいと思いますが。いかがでございましょうか。昨年度委員だった方は3名程度で、今年初めてワーキンググループの委員になられた方もいらっしゃいますので、私の方からこれに付け加えさせていただきますと、昨年度かなり項目を定めて総合評価落札方式、例えば50点を価格にして50点を環境配慮にして、もちろんその点は契約する方が決めることですけれども、例えばそのような配点で、その50点の配点の中で10点くらいずつこんな項目を設けたらどうかというようなところまで議論が進んだのですが、実際にこれができるかどうかということがございまして、最終的な結論には至らなかったわけです。業界の方のご心配は、例えば技術がいかにこれで評価されるのであろうかとか、あるいはリサイクルの中身というのを正しい数字で一つ一つの機種について出すのは非常に大変な作業であるとか、いろいろなコメントもいただいて問題多数のなかで時間切れになってしまったということで、今年度は実際に使っている方がどのように使っているかということの調査から始めようではないかとなったわけでございます。それを受けて3番目のOA機器についての調査、どのように使われているのかと、使われる方としてはどういう項目を設けて入札にあたったらいいのかということがあったわけでございます。実は私、エコポイントの星マークを決める経済産業省の省エネ対策課のお手伝いをさせていただいたのですが、その時の経緯を思い起こします。その委員会がどんな状況だったかと言いますと、全国には何百という環境のNPOがありまして、環境に対しては非常に世間の目は厳しい。いろいろなトップランナー機種について、それぞれの機種の評価といいますか、100%に達しているかという基準作りをしていたのですが、それを実際の消費者がガス代とか電気代の金額にして表示してくれないかという要望が多かったわけですね。それで国としてはなかなかそれが進められなくて悩んでいたのですが、実は自治体の方が非常に急進的で、そこで省エネ法で使った基準を元にして、その基準の中で標準的な使い方をして、それを電気代に換算したものを公表したわけですね。それで自治体はそれをただちに利用して、例えばエアコンの機種の値段はいくらであると、もう片方をそのエアコンを10年間使った電気代はいくらであると、その2つの値段の合計を表示したものを、大量販売している電気機器販売業者に表示を義務付けたわけですね。その時にその基準をAAA、AA、A、B、Cというようなことで始めたのですが、実はそれが走り出した途端に業界とそれから国、学識経験者も含めて、この表示は非常に問題が多いということで、国で新たな基準を作り直したことがございました。その時にどのように作り直したかと言いますと、まず自治体は何が問題だったかですが、その問題はこの委員会の問題と非常に似ているのですが、そのエアコンならエアコンの一台の価格幅がある。その次に1年間スタンダードに使った電気代はいくらかというところで、その使い方は人によって非常に違うのではないかと、その標準のモードを一応省エネ対策課と業界と一緒に作ったのですけれども、それが一人歩きして、すべての人がそのように使うということはないわけで、その金額が非常に強い判断基準と見えてしまい、しかも経産省は耐久消費財を10年間使うことを推奨するというので、10年、10倍にしたわけですね。10倍にした値段を足し合わせて表示した。そうすると消費者はそれを見て、それだけで買ってしまうかもしれない。というと実は商品の価格の片方は非常に精緻な経済活動の結果出てきた値であるのに対して、もう片方は使い方のモードをちょっといじるだけで非常に違ってきてしまう。そういう質の違う数字2つを足し合わせたものが表示される、そういう危うさがあるので、国としては自治体にも面子がありますので全面否定はできなかったのですけれども、別々に表示する、商品の価格はこれだけ、それから一年間使ったらいくらになるということは独立した数字として表示するということをしたわけでございます。改めてAAAというのをファイブスターに、すなわち、国の標準で星印にしたと、そういう議論があったわけでございます。その経験があるものですから、今回業界の方々が大変ご心配になるのはわかる気がします。一つは機種そのものに対する価値の考え方、それから環境に対する、あるいは使い方に対する、適正配置に対する考え方、それを場合によっては割り算してしまったり、あるいはもう少しマイルドですが足し合わせてしまったりというようなことに対して大変ご心配があるのではないかということは、違う性質の数字をそう並べることに対して非常にご心配だろうとは思います。しかし、自治体の例でもそうだったのですが、背景には全国のNPOの方々の非常に強い環境に対する意志もありますし、消費者も要望されているわけですし、そういうことに業界としても何らかのかたちで答えていかないといけないのではないかと思うわけです。そうしますとその使い勝手の部分をやはり業界の方も協力していただいて、どういう基準がいいかということを研究のテーマにしていただきたいなと思う次第です。これが一点。長くなって恐縮ですがもう一つございます。もう一つはこの文中にもありますが、LCCO2という言葉があります。経産省と環境省ではカーボンフットプリントとして一部の商品については表示をこの8月から始めたわけでございます。OA機器メーカーもこれを公表しているかどうかは知らないのですが、してないと思いますけれども、この研究は随分されているのではないかと思います。それを公表しているかどうかは別として。私が一つスタディした中で洗剤というのがありまして、洗濯用の洗剤とシャンプーとを比べてみたわけです。実はカーボンフットプリントあるいはLCCO2もそうなのですが、生産、運輸、使用、消費それから廃棄、リサイクルなり、その全てについて出てくるCO2の値を仮想して計算すると、そういう作業をした後に表示されているわけでございますけれども、非常に驚いたのはシャンプーの中で90%がシャンプーそのもののLCAではなくて、使う時のガス代、ガス代といいますか、ガス使用量のCO2だったのですね。90%がそれの値だった。ところが洗濯の方はその割合が非常に少ない。従って洗濯用の洗剤についてはかなりの企業の方がいろいろとシミュレートしたもので正確な負荷がわかるにしても、シャンプーについては使う人の使い方によって非常に大きく違ってくる。そういう危うさがあるということ。それでもあえてそれを表示しているわけですけれども、その90%なのか50%なのか99%なのかはわかりませんけれども、それによって非常に大きく違ってくるという問題も実はこの委員会に似た問題を含んでいると思うんですね。ですから今私たちがこの項目をどうしようか、どういうふうに取り組もうかということは、シャンプーの中で洗い方に相当するものだと。ちょっと極端な例を挙げて恐縮ですが、シャンプーは簡単な面があるかもしれませんけれども、このOA機器については非常に複雑な局面が出てくると思うのですね。私の例え話の2つはこれで終りにさせていただきますが、まず全般的にこのOA機器のワーキンググループをどういうふうに進めていったらいいかということに関して、ご意見、コメントがあれば承りたいと思います。もしなければ、お一人ずつ指名して順番に感想でもお願いしたいと思いますが。どうぞ。

斉藤委員:冒頭秋鹿座長からございましたとおり、省エネ法ですとかグリーン購入法ですとかいろいろなところで、機器個別の規格規制等々がございまして、昨年度の環境配慮契約法の検討にあたっては、多くのそういう機器固有の規制がまた増えるのではないかというような危惧が実はございました。しかしながら座長がおっしゃったように、利用の仕方ですとか、その一つの機械のみならず全体としてどう環境に配慮していくのかという捉え方でのこの契約法という見方で考えた場合、もちろんこういうことに対しては我々業界も全面的に協力して考えていくべきではないかと考える次第です。洗剤の例が出ましたけれども、利便性と環境というものの両方を追求していかなければいけない。そういったところを調達者側のみならず、提案者側からもぜひ一緒に考えていくべきだなと思っています。単純ではないというのも事務局の方から出ていましたけれども、もちろん使用時における電力というのはわかりやすい一つの指標だとは思いますが、物を作ってから廃棄するまでのライフサイクルのどの場面においてもエネルギーでありCO2というのが出ると、そこを十分考えていかなければいけないのではないかと。シャンプーを使う時のガスという話が出ましたけれども、実はこれはちゃんと調査しなくてはいけないと思っている一つの事項ではあると思うのですけれども、ライフサイクルで言うと、例えば複写機の例を取ると、CO2に換算すると使う紙の量が実は一番効いてくるんですね。紙を作る、その紙を使う時のエネルギーなりCO2が一番大きいのです。それから確かに使用時の電力、それ以外にもその機械をお客さまにお届けするためのガソリンを使って物を運んだりという全ての段階において、このどこが最も効いているのかということも全部見た上のLCCO2を見ていかなければいけない。ある製品においてはLCCO2の規格というものがある基準で定められているのですがOA機器おいてはまだ、各社LCCO2はこうですという数字は公表していたりしますけれども、こういったところがまだ定められてない部分があると思います。そういったところも一緒に定めつつ、この契約法全体を考えていきたいと思います。

秋鹿座長:斉藤委員、業界ではカーボンフットプリントは未踏科学技術協会とかがまとめておられますけれども、そこには委員を出してスタディされているのですか。

斉藤委員:しておりません。座長がおっしゃったように、OA機器は環境に対しては各社独自でもいろいろ努力はしているのですが、まだそこにはなかなか至っていないので、そういうところに参画して、そういうことから決めていかなければいけないのではないかと思います。

秋鹿座長:国の予算でやっていることなので、どこかで先進的なことをやっていたならば使いたいと思うのですが、経産省で始めたカーボンフットプリントはかなり大胆で業界がどういうふうに対応しているかわかりませんが、とにかく商品に表示するということで数字を出している背景にはどういう仮定をしているかということがあるはずですよね。それを経産省と業界で納得して未踏科学がファイルしていると思うのですが、やはりそういう作業をしているのがあればぜひ利用したいと思いました。他にいかがでしょうか。

伊藤委員:今、斉藤委員からも若干言及がありましたが、複写機・複合機の業界は環境のあらゆる面で各社なりの努力をしております。一方、法律、省エネ法ですとかグリーン購入法ですとか資源有効利用促進法ですとか、それから法律以外のエネルギースターですとか、既存の枠組みにもきちんと対応していますし、それからお話がありました今後やってくるであろうカーボンフットプリントであるとか、それ以外の新規の話もあるかもしれませんけれども、それからこの環境配慮契約法です。私がお話したいのは、何か新しい発想で法律、枠組みができた時には、それまでの既存のものとの整合であるとか、あるいは統廃合ですね、単純に一つずつ法律を増やしていくのではなくて、何かを作ったら何かを消していくというようなかたちで絶えず物事を整理していただくと、我々メーカーの負担も軽減されるのではないかと考えますので、ぜひその点を留意していただきたいと思います。

秋鹿座長:カーボンフットプリント絡みですと経産省と環境省と一緒にスタディすると思いますので、あれば利用していくということになると思います。他にいかがでしょうか。

古川委員:調査結果を受けて検討する事項という箇所で、対象とするのは調達規模というところがあるかと思いますが、本件に関しましては官公庁を中心としているわけですが、オフィスとして考えた場合に調達規模というのは大体フロアごともしくは部署ごと、部課ごとになっているかと思います。これは基本的には会計制度と連動していまして、一フロアでいくらくらいのコストがかかっていると、それを下げるためには何をしなければいけないかということで検討されることが多いということです。そういう意味では特定のOA機器だけを見るのではなくて、本来はトータルの意味でのフロアでのコストをどのくらい下げるか、もしくはCO2の削減をどう図るかということを検討してということが中心になるのではないかと思います。法律に入れがたい話ですが、先ほどのシャンプーの例のように、プリントアウトする時には両面印刷は基本であって、そういうものをデフォルトとして設定してしまって、設定を解除することはできないとか、会議のところには基本的にディスプレイ等を導入するというようなことで対処していくと、初期投資はもちろん大きくなるわけですけれども、それをトータル10年、15年と考えた時には排出量等も減るのではないかというふうにも考えられます。

秋鹿座長:具体的なご提案ありがとうございます。他にいかがでしょうか。

川村委員:私の委員会はファクシミリ業界の15社集まっているところで、ファクシミリ機能の多くはファクシミリ単体よりも複合機の中の一機能となっています。シャンプーの例は非常におもしろいと思ったのですが、ユーザーごとに使い方は千差万別なわけであって、それに対しどういう売り方をしているかというと、発注者が提示すべき項目に対しTCOとして提示するというのが一般的になっていると思います。トータルコストオブオーナーシップですね。こういう契約法の基本方針への位置づけがある以前にもう売る現場としては逆にそういうことを提案しないと売れないという状況があり、自由競争の中でどんどん進められていくのではないかと思います。だから逆に基本方針によって自由競争が阻害されることがないように注意すべきだと思っています。
 質問なのですが、今言ったTCOという考え方は元々事務機ではなくてコンピュータシステムのものです。要するにネットワークを作ってコンピュータを沢山入れて、ソフトのバージョンアップをするだとか、トラブルが起こった時にはヘルプのサービスをかけなければいけないといった、導入した時以外にかかる見えないコストも含めてTCOとして削減しましょうという発想です。事務機はまだそこまでいっていませんがこれから2年後3年後はどんどんそういうかたちになっていくと思われます。それを考えた時に、今回の全体のワーキンググループの中でそういうコンピュータシステムを導入する時のワーキンググループがあって、何かその結論が出ていれば参考になると思います。たぶん事務機よりももっと難しい問題を含んでいるのではないかと思います。

秋鹿座長:事務局の方から。

事務局:ネットワークシステムの方はまだワーキンググループ等が立ち上がっておらず、検討は進んでおりません。

秋鹿座長:本委員会の方でも大口のところとそれからやり易いところということで、電力、自動車等始めたのですが、複写機業界は私も冒頭でお話させていただきましたけれども非常に先進的といいますか、非常に環境に対する意識が高いので、何とかやって欲しいなというところで、むしろコンピュータよりも先に動き出したわけでございます。他にいかがでございましょうか。最初ですので、お一人ずつ簡単なコメントを、ご質問なり、一條さんの方からいただけますでしょうか。

一條委員:今いろいろご意見が出たことと重複してしまうことになると思うのですが、省エネ法とかグリーン購入法とかございますので、業界としてはダブルスタンダードはぜひ避けていただきたいと考えております。それからOA機器という観点で言うと、やはりOA機器もIT機器であると考えるとJEITAとしてはグリーンIT推進協議会を設立しまして、多方面からITの省エネ、ITによる省エネとかそういった観点からも検討しております。先ほど使い方というお話もありましたが、その辺は製造過程を含め、機器のライフサイクル全体で考える必要があるのではないかと思います。それからもう一つ、環境配慮ということで今回は環境省でこういう検討が開催されていると思うのですが、政府調達という意味では総務省(各府省情報化統括責任者連絡会議)から指針(情報システムに係る政府調達の基本指針)が出されていると思いますので、その辺とも合わせて、トータルで政府調達の考え方を整理、環境配慮契約法との関係がどうあるのかについても明示していただく必要があるのではないかなと思います。以上です。

秋鹿座長:今の総務省の政府調達の関係は、事務局わかりますか。

事務局:電子機器の調達ということでしょうか。

一條委員:ITサービスとかその辺の調達の指針が一昨年あたりに出たと思いますけれども、分割調達とか調達の指針ですね。

事務局:わかりました。調べさせていただいて、先ほどおっしゃったダブルスタンダードにならないように、同じようなことはそちらに任せるようなかたちで考えたいと思います。

一條委員:調達の総務省から出ているのは、特に環境配慮とかそういったことについて書かれているわけではありません。その部分についてはダブルスタンダードということではありません。

秋鹿座長:ありがとうございます。後藤委員お願いします。

後藤委員:私が考えておりますことは、先ほど伊藤委員からお話があったことに近いことなのですが、OA機器の個別の製品は省エネ法でありますとか、グリーン購入法ですとかそういった法律で十分な基準が設けられておりまして、メーカー各社はその規制をクリアする、あるいは規制値を超えた対応をしているというふうな状況でありまして、個別の製品をとったら本当に十分な環境配慮をしているというふうに考えております。今回のテーマは、対象とするような大きな規模の契約についてどういった契約にしたらいいかということですので、伊藤委員は法律の統廃合が必要というようなことをおっしゃいましたが、同じようなことになるかもしれないですけれども、私はそういった契約の中にこれまでにある法律をどう組み込んでいくかというような視点で考えていく必要があるのではないかと思っております。統廃合ももちろん考えていかなければならないことですけれども、どう組み合わせてどう組み込んでいくかという視点で整理していったらわかりやすいものになるのではないかと考えております。以上です。

秋鹿座長:どうもありがとうございます。それでは樋口委員お願いします。

樋口委員:我々CIAJは、JEITAさんJBMIAさんとともに、環境問題については電機・電子4団体でいろいろと議論させていただいているところでございます。業界としてはやはり、先ほど一條さんもおっしゃっていましたけれどもダブルスタンダードを避けたいという話がございます。それから、CIAJはファクシミリ中心に活動しておるわけなのですが、総合OA機器メーカーだけではなくて単体OA機器メーカーもございます。総合評価落札方式の検討におきましては、単体OA機器メーカーにも配慮していただきたいと思っているところでございます。

秋鹿委員:ありがとうございます。今のことに関して。

伊藤委員:単体の製品にも配慮という話がございましたが、私がこれから申しますのは反対になるかもしれないのですが、IT機器であるとかネットワークにぶら下がった商品という発想をしますと、我々は複写機・複合機をやっておりますけれども、もうすでに単品の複写機とかではなくてネットワークに繋がった情報端末機器であると考えますと、やはりそこまで視野を広げた、例えばシステムインテグレーターですとかソリューションプロバイダであるとか、そういったIT関連のサプライヤーの方のこういった活動への参画、あるいは知見をいただくということも必要になってくるのではないかなと。我々機器メーカーは単品を納入しているだけではなくて、ITという大きな括りで考えるとまた別のベンダー、サプライヤーがいらっしゃるということですので、その辺の視点も同時に必要なのかなと思います。

秋鹿座長:ありがとうございます。おそらくそういうことにも関係してくると思いますので。よく、こういう法律を作る時に、ある産業だけが急に衰退するということはないというチェックは必要だと思いますが。他にございますか。私の方から一つ古川先生にお伺いしたいのですが、二つ例え話をさせていただいた最初の方で使い勝手のモードの話をしたのですが、自動車などですと非常にわかりやすい、自動車というのは使い方が一通りしかないわけですから非常に簡単なんですね。それからガス湯沸かし器等の使い勝手のスタンダードを作る時にガス協会にご協力いただきたいと思ったのですが、どのように使っているかというのは顧客情報にも関係するので非常にそれは難しいということで最終的にデータをいただけなかったことがあるのですが、たまたまそういうことの研究者がいたんですね。ガス器具を一般的な家庭はどういう時間帯で何にどういうふうに使っているかということを研究している研究論文がありまして、その研究論文を元にして、あるモードを作って、普通の家庭で一般的にガスを使うとどのくらい、湯沸かし器だったらどのくらいになるとか調理器だったらどのくらいになるというのを基準にした覚えがあります。それをこのOA機器で研究しているような方はいるのかということを古川先生にお聞きしたいのですが。何か情報がありましたら、その辺に関連するコメントをいただきたいと思います。

古川委員:今ご質問がありましたが、結論から言ってしまうとそういう研究はほとんどないということでございます。オフィスに関しての効率化等の議論というのは、元々1980年代後半くらいから出てきています。流れとしてはいわゆるFA、つまりファクトリーオートメーションの考え方というものをオフィスに取り入れたものです。丁度その頃から各オフィス機器がオフィスに充実してきた時代で、オフィス機器を入れることによって業務が効率化するんだという啓蒙的な研究や論文が多かったわけです。その後それを実測しようというような流れもなくはないのですが、会計ベースでそれを計るというのは難しい。特定の企業に入ってどうなっているかというようなことをやればいいのですが、なかなか各企業もそれはちょっと難しいということでなかなか情報を出していただけず、現在に至るということです。結果的にはオフィスの生産性というようなものを数値ベースで測定するということは現在のところはできていないのが現状です。ただ、今使い勝手というようなことのご提案があったのですが、例えばオフィスでの働き方というようなことでの調査で、時間帯にしてどの頃にプリンタであるとかコピー機が使用される頻度が高いかというようなことを調査したものはあったような気がします。オフィスミニマムという基準があるのですが、その頃の流れの調査ですね。大体1990年代半ばくらいからあった気がします。そういうようなことを踏まえて、たぶん複写機メーカーであるとかプリンタメーカーも省エネモードというようなものをその後導入されてきて、使っている時にはどんどん使えるのですが、使わない時はアイドリング状態にするというようなことで対応なされたのだと思います。これが現状でございます。

秋鹿座長:どうもありがとうございます。やはり時代によって機器もどんどん変わるとか、あるいはファクターも多いのでなかなか研究対象としてなり難い。それから調査するにしても企業の中に入れないということもありますね。今日は業界団体さんもお越しなのですが、そういう調査はもちろん企業でやっていると思うのですが、業界団体として共有しているようなものは何かありますでしょうか。

後藤委員:使われ方ということでは、エネルギー消費効率ですとか、それからエネルギースターで定義していますTEC値というのが複写機の業界では非常に一般的になっていて、トップランナーの基準の際にもTEC値で話を進めているのですが、そういうものでは不足ということで今の議論になっているのでしょうか。

秋鹿座長:おそらくTEC値はこの中で使われることになると思われます。一つの要素として。去年から議論してきたのは、それは一つのスタンダードですけれども、最適配置であるとかもう少し進んだことを企業のユーザーがやっているので国でもなんとかそういう契約基準を定めたいという踏み込んだところですね。ですからそういうデータを取るにしても、使っている方々のいろいろな仕事の内容までに至ってしまうような、かなり秘密情報も含んだようなデータになってしまうかもしれないので、なかなか大変だと思うのですが、そういう研究を業界でされているかどうかという質問なのですけれども。

斉藤委員:そういった意味ではそこまではなかなかできていないですね。もちろん各会社が独自に、営業という面ではお客様への提供価値を見出すためにいろいろな調査をしていると思いますけれども、業界としてはそこまではできていないのが実態でございます。

川村委員:やっていないというよりは難しいと思います。シャンプーの例のように使い方がいろいろあり仕様書を公開すると、3社がそれぞれ見積もりを持ってくる。3社は自分たちがもっている機器あるいはシステムの最善の解が見えるような公式でもって、さあ選んで下さいと提案するわけです。先ほどそれが自由競争と言ったのですけれども、今の事務機というのはやはりインテリジェンスワークのところがあるわけで、そこの解は一つの公式で表現するというのは非常に難しくて、各ベンダーの良い所を活かしてユーザーにとってこれが一番良いと提案をすると、いくつも解が出てくると思います。その中でユーザーに選んでもらうというのがベストではないかと思います。確かに一つの公式でここの数値がこれだからこれがいいというのは、やり方としてはあるのかもしれませんが、そういうものを出すこと自体が難しいのかなと思います。やはりあるところまでのルールを決めて、後は自由競争の中で選んで下さいというのが現実的なのかなと思います。

秋鹿座長:ありがとうございます。私もこの委員会が開かれるまでにいろいろ考えたのですが、やはりそこにいくつか評価項目があって、評価項目に点を付けるにしてもその点のウエイトはユーザーが、それぞれ自分の立場ではそれをどう評価するということで採用するといいますかね。そういうものが現実的かなという気もしているわけでございますが、去年のこの委員会でもできるだけ公平にルールを作っていただきたいということもありましたので、そういう議論を、今年度進めていきたいと思います。他にいかがでしょうか。それでは時間も大分追ってきましたので、もう一つは現在環境省が進めている調査、参考資料3のご紹介があったわけでございますが、この結果が次回に間に合えば出てくると思いますが、こういうことをやっている。これを環境省がまとめるにあたって、この資料からご質問なりコメントがあったらいただきたいと思いますがいかがでしょうか。私の方から質問させていただきますが、先ほど紙の使用量等が非常に重要だという委員のご指摘もあったのですが、その辺のアンケートはどこかに入っているでしょうか。

事務局:3の月間平均出力枚数のところで、できる限りの情報を取得しようとしているところです。

秋鹿座長:これはOA機器一台ごとにやるのですか。それともグループごと。この対象はどういうグループでしょうか。このアンケートを作る人は個人なのか、グループなのか、機械なのか。

事務局:課ごとに設置している機械でやっておりますので、一台ごとというのはちょっと難しいかもしれませんが、できるだけ課ごとです。その情報が集まっていないところは、もう少し大きい単位で集まることになると思います。

秋鹿座長:どうもありがとうございます。他に何かご質問はございますか。次回はこのデータが出てきて、環境省ではこんな使い方をしているという実態で出てきて、それをケーススタディしながら契約の項目の是否あるいはその活かし方を検討することになろうと思います。それでは資料3に戻りまして、細かい項目等の検討は飛ばしてしまったのですが、例えば4の契約の要素とする項目、対象とする調達規模、発注者が提示すべき項目、これは次回以降詳しく検討するつもりでございますけれども、今回これについて何かご意見のある方いらっしゃいますでしょうか。

伊藤委員:ここでカバーされていない項目としまして、例えばこれはあくまで新品の機械で考えていると思うのですが、再生機であるとか中古機に対する配慮といったものも要素としてあるのかなと。それからアウトソーシングといいますか、そういった視点も追加としてあるかなというふうに思います。

秋鹿座長:レンタルという意味ですか。

伊藤委員:いえ、出力業務を外注に渡すという意味です。

事務局:今の話ですが、リユース製品やリサイクル製品ということとはまた別の意味になりますでしょうか。(1)の4行目の後ろから「リユース製品やリサイクル製品など資源循環」ということと同義で考えてもよろしいでしょうか。

伊藤委員:そうですね。ここで触れられていますね。四角の中だけ見ていました。失礼しました。

秋鹿座長:本日の資料は昨年のものを簡潔にまとめただけなので、なかなか系統立ったストーリーになっていないので恐縮でございます。それでは今日の議論はこのくらいにさせていただきまして、次回から以降の予定等をもう一度事務局の方から確認していただきたいと思います。

事務局:(予定確認 省略)

秋鹿座長:どうもありがとうございました。本日は昨年の経過とそれからその課題を元にベーシックな議論をさせていただきまして、委員のみなさま方、ある程度同じスタートラインに、今年度の議論を始める雰囲気ができたのではないかと思っております。具体的な項目、進め方については、また次回その次とご協力いただきたいと思います。最後に石飛課長の方からご挨拶をいただきます。

4.あいさつ

石飛課長:前に急に会議が入りまして、遅れて来て申し訳ございませんでした。昨年からこのワーキンググループを開きまして、今日初めてご参画いただいた方々もいらっしゃると思いますけれども、大体こういうことを昨年来やってきたということはご理解いただいた上でまた来月の第2回のワーキンググループでご議論いただきたいというふうに思っております。昨年のワーキンググループの時と大きく変わったのは、政権が替わったということでございます。ご存知のとおり、鳩山総理が就任されて早々国連で温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減ということで、前の政権では2005年比15%と言っていたものをさらに引き下げるということになったわけでございます。現在、菅副総理が中心メンバーとなった検討チームがいくつも出て、どういうふうにこれからやっていくか、そして国際交渉でどうやって日本の主張を通していくかということで連日議論をしているところでございます。その中で25%の削減というのは、90年比ではありますが、要するに1/4削るということで、これは非常に大きな努力が必要ということは間違いないわけでありまして、ありとあらゆる対策をやっていかなければいけないということで様々な対策、これは産業界もそれから業務部門も、それから運輸も家庭も全てがやっていかなければ25%、さらにはその後は2050年に80%と言っているわけでございまして、そういう道筋をはっきりしていくためには本当に今ありとあらゆることを見直していかなければいけないということは、これは地球全体のことを考えれば避けて通れない道だろうと考えております。そこで今もいろいろご議論がありましたオフィスで使うOA機器、これもそれぞれの機器を見るとおそらくトップランナーでありますし、世界の中でもトップランナーであるというのは間違いないだろうと思います。またさらなる努力というのも可能性としてはあるのだろうと思いますけれども。問題はこれを国等で調達をする際に、本当にそれが最適な状態で使われているのか、本当にスペックどおりの使われ方をしているのかということが、やはり我々としても見直していかなければいけないというふうに考えたわけでございます。この契約も物を買う契約もありますし、建築の設計の契約というのもあるわけでございます。様々なものがありますけれども、今回はこのOA機器単品を買うということに止まらず、一定の広さのあるところで、そういうOA機器の最適な配置をすることによって電力使用量を最小限にするような工夫を、細かいことかもしれませんが積み上げていくということがねらいになっているわけでございます。そう言いますとそれを全てOA機器の配置に責めを負わせるというのは無理な話でございまして、一方で我々の仕事の仕方というのも大いに見直していかなければいけないわけであります。政権が替わって大きく変わった一つに、今まさしくやっております事業の仕分けというのがありまして、そもそも仕事が増殖し続けているということに対してのメスが入りつつあるということでございます。これもやはり我々としてもそういう大きな流れというのは受け止めて、本当に必要な仕事に絞り込むということによってオフィスの中の省エネなり省資源ということがもっと進むということが有り得るわけでありますので、それはそれで我々の方でやっていきつつ、いろんなものをサプライする側の努力も引き出しながら、双方の努力が実を結んで国の中でも最もグリーンな省庁になるということを目指していく一つのツールなわけであります。省庁の温暖化対策行動計画というもの立てておりますし、その中にも様々なことが位置付けられておりますけれども、そういうものを横断的に支援していく、契約の段階で支援していくというのがこの法律の目指すところでございます。先ほど制度の整合性とか重複というご議論もありました。もちろんそういうものもよく見ていかなければいけないわけでありますけれども、他にはない環境配慮を契約に持ち込むという特徴を活かしながら、今申し上げたようなグリーンな政府を作っていくことを狙っていきたいというふうに思っております。オフィスの中でいろいろなものを使うなかではやはりOA機器というのは電力使用量でも決して少なくないわけでございます。空調とか照明と並んで大きなものでございますので、ぜひここでいい一歩が踏み出せれば、先ほどおっしゃられたパソコンも電力消費としてはそれほどでもないのですが決して無視はできないので、そういうもののネットワークということにも繋がってくるかもしれません。というようなことで、これからいろいろな検討を行っていく、削減の余地があるところはやっていきたいと思いますけれども、親検討会でもぜひこの点については一歩前進して契約のかたちで実現できるようにというご依頼をいただいておりますので、秋鹿先生にいろいろとお骨折りいただきまして本年度も進めていきたいと思っておりますので、是非ご協力をいただいて、できれば今年の結論としてここまでできたというものがあればそれを基本方針として各省に守っていただくものを年度末までに作り上げていきたいと思っておりますので、またいろいろとお知恵を拝借して成果を上げていきたいと思っております。また来月の2回以降のワーキンググループもぜひよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました。

秋鹿座長:どうもありがとうございました。それではこれで終了したいと思いますが、もし今日ご発言いただかなかったご意見等については、後ほど直接事務局まで電子情報、ファックスなりでご連絡いただければと思います。今日はどうもお忙しいところありがとうございました。終了いたします。

以上