平成25年度 環境配慮契約法基本方針検討会 地方公共団体普及促進専門委員会(第2回)議事録

出席委員:
小川委員、小林委員、坂井委員、鈴木委員(座長)、橋本委員
(五十音順、敬称略)

1.日時

平成25年10月11日(金) 14時~16時

2.場所

農林水産省三番町共用会議所大会議室


事務局: 定刻前ですが、皆さんがお揃いになりましたので、これより平成25年度第2回「環境配慮契約法基本方針検討会地方公共団体普及促進専門委員会」を開催いたします。
それでは早速ですが、鈴木座長に議事進行をお願いいたします。ご発言の際は緑色のボタンを押してお話ください。お願いいたします。

鈴木座長: それでは審議に入ります前に、事務局から本日の議事予定、配付資料の確認をお願いいたします。

◇本日の議事予定

事務局: 本日の会議は、16時までの2時間を予定しております。

◇配付資料の確認

事務局: 資料の確認を致します。

配付資料
資料1 平成25年度環境配慮契約法基本方針検討会地方公共団体普及促進専門委員会委員名簿
資料2 地方公共団体における環境配慮契約に関するアンケート調査結果について(概要)【速報版】
資料3 地方公共団体における環境配慮契約に関するヒアリング候補の選定について(案)
資料4 環境配慮契約の地方公共団体への普及促進方策について
資料5 平成25年度環境配慮契約法基本方針等検討スケジュール(案)
参考 地方公共団体における環境配慮契約に関するアンケート調査結果について【速報版】

それから委員引用としまして、ヒアリング候補一覧の委員限りの資料をお付けしております。その他に、基本方針関連資料と地方公共団体導入マニュアルをお配りしております。基本方針関連資料には、法律や基本方針、解説資料が盛り込まれておりますので適宜ご参照ください。なお基本方針関連資料は第1回専門委員会でも配付しておりますので、ご不要な場合はお帰りの際に机上においてお帰りください。
資料の不足等があれば事務局までお申し付けください。
それではお願いいたします。

3.議題

(1)地方公共団体の環境配慮契約に関するアンケート調査結果について

鈴木座長: それでは議事に入らせていただきます。本日は、ただいまご紹介いただきましたとおり、1番目に、先日の第1回の委員会でもご紹介がありました「地方公共団体の環境配慮契約に関するアンケート調査結果について」【速報版】です。2番目に、これも第1回目の地方公共団体専門委員会で出されました「地方公共団体へのヒアリング調査について」です。これらを受けて3番目、これがメインになりますが、「地方公共団体への普及方策について」をご議論をいただきます。そのあとは検討スケジュールということでございます。我々の専門委員会の目的は、地方公共団体への普及方策を提案することですが、その前にアンケート調査結果とヒアリング調査が一番の前提でございます。これにつきまして、これからご紹介をいただく予定でございます。
それでは、事務局から資料2、参考資料についてご説明をお願いします。

事務局: 資料2、参考資料について説明(省略)。

鈴木座長: ありがとうございました。丁寧な説明で非常にわかりやすかったと思います。また特に昨年に引き続いて回収率が高いということも、各地方公共団体がこの問題について関心を持っているからではないかと思います。ただいまの説明、ご報告につきましてたくさんありましたので、特に総論部分、資料2はp.4まで、参考はp.12までのことにつきましてご意見やご質問がありましたらお願いいたします。
まず私のほうからちょっと教えていただきたいのですが、参考資料のp.7の問2-2です。「環境配慮契約法の進展に役立ったもの」とありますが、先ほどの役立ったものとしてマニュアルや基本方針といったものが言われております。やったところがという意味でしょうけれども、紙で書いたものは効果があった、役立ったと言えるのではないかと思います。説明会やデータベースといった他の地方公共団体の事例はあまり役立ったとは感じていないようです。他の地方公共団体の事例も教えてほしいというのが非常に多かったということですが、これは「役立ってはいなかったが教えてほしい」ということでしょうか。意味がよくわからなかったのですが。

事務局: 参考のp.7で問2-2として環境配慮契約法の進展に役立ったものを聞いております。こちらは環境配慮契約に取り組んで何らかの進展があったという回答した81の団体について、進展に役立ったものを聞いてございます。先ほどのお示しをした他団体の取組で参考にしたいものというのは全体の数で、まだ取り組んでいない団体を含めた回答ということでございます。実際に取り組んで進展したと回答した団体から見ますと、基本方針・解説資料、またマニュアルにもそれをかみ砕いた考え方や手順が掲載されておりますので、実際にそれらを具体的な手引きとして参照されたということが81団体の4割ぐらいがこれを選ばれたという背景にあるのではないかと思います。そういう意味では全団体に回答していただいた他の団体の手順書やマニュアルを知りたいといった回答が多かったのですが、解説資料やマニュアルに掲載されているということが情報として到達していない可能性もあり得ると思います。説明会は都市部で開催しているものですから、距離のあるところは交通費をかけてまでなかなか参加することが難しいということもあります。また、インターネット上で公開しているマニュアルをダウンロードまでしてご覧いただけていない可能性もあります。

小林委員: 事務局に確認があります。資料2のp.2でご説明があったように、今回は回収率がかなりいいということで、昨年度は政令指定都市・都道府県の回収率が100%だったので今年度も目指していくという話でしたが、事務局としては今の時点で政令都市・都道府県が100%になるのはいつ頃とみていますか。

事務局: 実は各都道府県、政令市のご担当の方から締切りを過ぎても取りまとめが間に合わないといったご連絡をいただいております。そういった背景と昨年度の調査を踏まえて認識していたものですから回答を得られていない都道府県・政令市の皆様には確認を取っております。ほぼ来週ぐらいには全ての回答を得られて、今月末には最終確定されたデータを集約したいと考えております。

小川委員: 時系列で平成20年からの変化を見たときに、例えばp.3の都道府県・政令市で理解しているというのが途中まで減って、最近の2年間はまた増えてきたといったデータの変化が出ています。それからp.4で区市・町村が具体的な予定はないが、今後策定したいまでの足し算をしたものが段々下がっていったのが、平成23年以降、3年ぐらいはまた盛り返してきているといった形で出ています。こういった転換点が起こるのは何かが加わって変化しているということなのでしょうか。

事務局: 先ほど説明を省いてしまいまして申し訳ありません。例えば資料2のp.3の図1ですが、合計でも平成23年度は1回ポツンと下がった傾向があります。実は何か転換点というよりは設問の表現がここで変わっております。下に、「※」で小さく書いてありますが、平成22年度以前の設問につきましては、「理解している」ではなくて、「知っている」「聞いたことがあるが知らない」「知らない」といった選択肢だったものですから、「理解している」よりは若干ハードルが低く、丸を付けやすい設問文でした。、23年度以降は「理解している」です。「知っている」と「理解している」とではかなり違うと思いますので、ここの変化があったことで、トレンドが少し崩れております。p.4ページ目の策定状況についても実は同じようなことがあります。「※」で注釈を付けておりますが、23年度、「現時点では、環境配慮に取り組む予定なし」というものが、現在は、「策定予定なし」となります。正確に言いますと、今の「現時点では策定する予定なし」という選択肢が、23年度は契約方針の策定ではなくて、環境配慮契約にそもそも取り組む予定がないといった表現になっていました。また、22年度以前は、「現時点では環境配慮契約に取り組むかどうかわからない」という表現でした。アンケートを進めていく中で表現の再構築等が行われたこともあって、本来同じ時系列で並べては誤解を招く恐れのある内容でしたが、注釈を入れて並べて表現をさせていただきました。ご了承ください。

小川委員: p.4の都道府県政令市のグラフの変化を見ていると、平成25年に向かって策定済みが明らかに増えてきているというのは明確に出ていますが、片方で紫色の「策定予定なし」といった位置づけのものも増えてきて、「具体的予定はないが今後策定したい」といった将来を期待するような部分はぐっと減っているように見えます。二極分解しているような気がしますが、そういう理解でよろしいですか。

事務局: トレンドで見るとそのように感じられます。サンプルサイズが都道府県政令市の場合は70に満たないものとなりますので、各年度の回答のブレは現れていると思われます。ただトレンドでみると、そういう傾向が出てきていると感じております。

鈴木座長: 参考資料のp.11の契約方針の「公表状況」で、契約方針を公表している地方団体もありますが、公表していないところもかなり多いようです。地方公共団体にとっては環境問題に取り組むということについて積極的に公表したほうが地元住民からの評判が良くなると思うのですが、公表しない理由について今の段階でわかりますか。

事務局: 参考のp.11に問3-2「契約方針等の公表状況」について聞いた設問の回答になっております。64.2%が公表していて、3割は公表していないといった回答ですが、実は契約方針については、どこまで含めるかというところを調査票で注記しております。単独で環境配慮契約法の契約方針として策定する以外にも、グリーン購入法の調達方針に、例えば電気についても含めて定めるとか、地球温暖化対策実行計画の中に盛り込むとか、環境基本計画、あるいは環境マネジメントシステムに位置づけるというものも含めてくださいと言っています。それから庁内の通知文書等も契約の方針ということで、基本方針というよりも手続き的なもので定めていらっしゃる団体もあり得るということで、公的な文章を作成している場合もこの契約方針の定義として含めて考えています。そのため、特に庁内の通知文書等は公開されることが少ないですが、実際には庁内で使っているということもあります。これらを想定されている団体は、対外的にアピールしようというところには回答が付かないと考えられます。

鈴木座長: それでは今度は個別の類型別のことです。資料2のp.5から、参考資料はp.13からのことについてですが、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。

橋本委員: 先ほど座長からお話のあった、役立った情報と関連しますが、p.8の阻害要因は24年以前の調査もあるのかどうかといった質問と、「○○がわかりにくい」といった項目について比率が増えるような方向に動いているように見える点についての質問です。調査の回答団体数が増えたということがあるかもしれないですが、マニュアルなどを作ることがわかりやすさにどう効果を与えているのかをどう評価したら良いのかという質問です。

事務局: 阻害要因については、平成24年度より以前にも聞いていますが、設問の構成を大きく変えた部分がありますため、ここはトレンドではお示ししておりません。それから、わからないとの回答が増える傾向にあるといったご指摘につきましては、資料2のp.9以降に契約類型別の阻害要因をお示ししておりますけれども、例えば図11の電気の供給について上から3つ目に制度自体を理解できていないとありますが、傾向として25年度は若干減っています。回答された団体は去年よりは増えているので、阻害要因全体としてはやったことはないが答えてみようという団体も増えている可能性はありますが、契約類型別の他の設問も含めて見た感じですと、その中では制度自体の理解は少しずつは進んで、具体的な基準設定が難しいといった選択肢に移っているように見てとれる感じがあります。ただそれは契約類型によっても違います。電気の供給を受ける契約について2番目に多いものは配点基準が難しいということで、これも阻害要因としては前年度に比べて減っています。あまりまだトレンドで捉えきれていない部分があるので、次年度以降の課題と考えております。

橋本委員: 誤差の範囲内ということも言えるかもしれないですが、分かりやすさに向けたこれまでの取り組みをどう評価したらいいかという疑問が残ります。

鈴木座長: 他によろしいでしょうか。私のほうから、参考のp.13、電気の供給を受ける契約の中で、表4-1-1の項目に4、5、6、7とありますが、これは環境省がやっている基準以外に、地方公共団体もいろいろ工夫していると理解してよろしいのでしょうか。右から左にマネをするというのではなくて、環境省のものを元にさらにプラスしているということです。それは良いことだと思いますが、そういう評価というのはできるのでしょうか。

事務局: p.13は電気の供給を受ける契約の具体的な内容ということで、環境配慮契約に取り組んでいる内容について聞いたものでございます。例えば裾切り基準に二酸化炭素排出係数を採用している選択肢などを並べている設問です。4、5、6、7と上がっておりますが、4のグリーン電力証書につきましては国でもオプションとして入れております。地域的な特性としては地域の環境活動を加点評価しているといった7番目の項目です。この辺りは国にはないところになりますので、こういうものが増えてくれば独自の取組として評価できると考えております。

小川委員: 資料2のp.12の図16です。地方公共団体で環境配慮契約の進展のために必要な取組というのでいくつかの項目が上がっているものです。24年度と25年度を比較すると、24年度はどちらかというと、声が大きかったものが皆小さくなっていると見えないこともないような情報になっていますが、この辺はそういう理解の仕方で大丈夫でしょうか。

事務局: こちらも先ほどの橋本委員のご指摘への回答と似てくるかもしれないですが、回答をいただいている団体数が増えているので、この部分が未記入の回答も若干増えてきているということもあり、誤差かトレンドかまだ評価するには材料が足りないと考えております。

小川委員: 本当はそういう意味で言うと質問項目が変わっているのでなかなか並べられないという話でしたが、3つの都道府県政令市、区市、町村に分かれたもので、5年ぐらいの時間の中でそう言ったところに対する姿勢がどう変わってきているかという情報が得られると、もっといろいろなことを考えられる材料になるのではないかという気がしますが、そこは、やはりない物ねだりで差し当たりは難しいという話になりますか。

事務局: 過去の23年度以前のものは設問の順番や設問の対象、例えば前の回答でこの選択肢を選んだ人が回答してくださいといった構成の組み替えをかなりガラッと変えた設問もありますが、参考として整理することには取り組んでみたいと思います。

鈴木座長: p.17の問5-3自動車の阻害要因のところです。特に大規模な地方公共団体が一番多く上げているところが、「グリーン購入法を実施の為、取組む必要性が感じられない」という点です。これは後ほど、これからの普及対策のところで議論すべきものですがグリーン購入法と環境配慮契約とは同じではないかということですが本当にそうなのでしょうか。性格の問題なのかもしれませんが。

事務局: 大きい団体、都道府県政令市では、グリーン購入の基準を設定したり、ハイブリッド自動車を購入するとかで、グリーン購入法の判断の基準に基づいた基準を設定しています。それで充分ではないかという考えが一つあるかと思います。環境配慮契約で車を買うのは総合評価落札方式ですので、例えば予定価格の設定によっては、ハイブリッド自動車がそもそもグリーン購入法のみの場合、対象にならなかったりします。同じ価格であっても総合評価落札方式ですので、環境の性能を点数化して一番価格と環境で評価点の高いものを買うというのが、環境配慮契約法の自動車の総合評価落札方式の特徴です。グリーン購入法は一定基準で良い物であれば一番安いものを買う。ただし環境配慮契約法であれば一番良いものを買えるということで、そこの特性の違いというものがございます。それは調達の目的等によって使い分けていただくというのが趣旨です。そこの部分の情報提供が今後も引き続き必要だと感じております。

鈴木座長: 自動車に限ってですが、環境配慮契約とグリーン購入法とは重なる部分がほとんどなのでしょうか。それとも重なる部分と重ならない部分を分けらる部分が多いのでしょうか。

事務局: グリーン購入法は判断の基準が設定されていて、それ以上のものを持ってきてくださいといった発注の仕方をすると思います。環境配慮契約の場合は総合評価落札方式で有識者の意見も聞きつつ、委員会を開いてやるということで、そういう意味では重なるというよりは、環境配慮契約のほうが上乗せのような調達の方法になると考えております。

環境省(野崎補佐): 重なるということですが、国の場合はグリーン購入法で最低限を決めて、さらに総合評価落札方式で価格と環境で一番バランスの良いものを選ぶという形になっていますので、グリーン購入法と環境配慮契約法の両方を同時に適用するという意味では重なっております。

鈴木座長: 上乗せということならば、グリーン購入法には該当するが、環境配慮契約法には該当しない部分というのはかなりあるのでしょうか

環境省(野崎補佐): それは国の話ですか。

鈴木座長: 国だけで結構です。

環境省(野崎補佐): 国ですと、車の環境配慮契約はかなり進んでいるという状況です。

鈴木座長: グリーン購入法と環境配慮契約法とはその内容についてイコールということですか。

環境省(野崎補佐): はい、グリーン購入法もしていただいて、さらに環境配慮契約法のやり方で調達をしてもらっているという状況です。

鈴木座長: 国の調達の場合は、グリーン購入法と同じだということですね。

環境省(野崎補佐): ほぼ、そうです。

鈴木座長: ほぼ同じだとすると地方公共団体の場合も、ほぼ基本的な枠組みが同じであるならば、地方公共団体でもグリーン購入法をやっているわけですから環境配慮契約法に取り組まなくともいいではないかという、とりわけ大規模公共団体からのアンケート調査の回答は、間違ってはないわけですね。

橋本委員: 自動車の場合は、グリーン契約の中にグリーン購入法が内包されているような関係だと思いますが、それで合っていますか。

環境省(野崎補佐): はい。

鈴木座長: 今回のアンケートの調査結果(P17)で、「グリーン購入法を実施のため環境配慮契約法に基づく取り組みの必要性は感じられない」とする地方公共団体の、特に都道府県の回答が64%と非常に高いですが、これはそれなりに正当化されると言えるのでしょうか。

環境省(野崎補佐): 地方公共団体のご意見というのは、グリーン購入法でレベルを設定しているので環境に良いものを調達できています。環境配慮契約についてはどこまで環境の効果があるのかが評価できないので、やる必要もないのではないかという意見だと思います。

鈴木座長: 評価できない面もあるということは国のレベルでも同じですよね。

環境省(野崎補佐): はい。

鈴木座長: 国でもほとんど同じだとおっしゃるならば、基本的に地方公共団体の場合も同じですよね。

環境省(野崎補佐): 地方においてもやっていただきたいというのが趣旨です。ただ地方公共団体でもそれぞれの実情がありますので、なかなか進んでいないのが実態です。

鈴木座長: 地方公共団体の場合はどういう事情があるのかがわからないのですが。それから、同じくP17の自動車について、「調達の初期価格の上昇が懸念される」とありますが、環境配慮契約法を実施するとなぜ調達の初期価格が上がるのか分からないのですが、これは上がるのでしょうか。

環境省(野崎補佐): 総合評価落札方式ですので価格だけで決定しなくて環境の面も考慮しますので、そういった面で最低価格ではないものが選定される場合があるということについて懸念されるということです。

鈴木座長: これはそういうやり方だから仕方がないですよね。

小川委員: そういう意味では、p.30のところで他の地方公共団体の取組状況に関する情報提供や環境負荷低減効果等に関する情報提供というものを知りたいという希望が非常に大きく出ていますので、そういった意味では環境配慮契約法を適用して実際にやってみて、良い効果が上がったという事例集を作って、皆が理解しやすいようにするというところを今後考えていくということは一つの方向性だと思います。アンケート調査で調べられた内容から、ここの自治体はおもしろいことをやっていそうだといった情報を把握できるような状況下にあるのでしょうか。それともそういう情報はなかなか押さえられなくて、また新たに調べ直さないといけないといった環境なのでしょうか。

事務局: 後ほどヒアリングのことでも触れさせていただこうと思いますが、お薦めできる独自の取組、あるいは参考にした取組というのを今年度は調査の中で聞いております。ただアンケートは自由記述なので、自らこれをアピールしてくださいとか、他のどこを参考にしましたかといったことはなかなか書いていただきにくい項目にはなっております。自由回答はまだ集計途中です。

鈴木座長: 参考資料のp.28の「環境配慮契約に取り組む上での阻害要因についてです。図10-1にたくさん出ていますが、TOTALとして数の多い事項順位並べているのだと思いますが、大規模の地方公共団体の場合は、最初に「人的余裕と担当者の負担が増える」ということ、それからその次に、「各局で契約している為一括した環境配慮契約ができない」その次の、「環境配慮契約の環境負荷低減効果やメリットがわかりにくい」といったことがあり、大規模公共団体ではトップです。中規模の市レベルでは、今の「人的余裕がない」、「財政的な余裕がない」、それから「方針や指針がない」と分かれています。ただ、大規模団体は「人的余裕がない」、「各局で契約している為一括した環境配慮契約ができにくい」というのは、当該地方団体内部の組織の中の話だと思いますが、人的余裕がないとか、担当者の負担が増えるというのは、そんなに大きく増えてしまうのですか。むしろ地方公共団体ご出身のお二人の委員の方にお聞きしたいのですが、どうでしょうか。

坂井委員: 自動車を例に取ると、ここで言うグリーン購入法の手続きで基準以上の車を購入するということであれば、仕様にその旨を明記して入札ということで、割と効率的に事務作業が進められます。国の方針に基づく環境配慮契約法の手続きによると、有識者の方のご意見を聞く、評価をしていくということです。環境性能の良い車の購入という同じ目的であっても、その目的を達成するためのプロセスが相当増えますので、仮に団体の規模が大きかったとしても職員の数としては既存の業務量ベースに措置されているので、効率という点で言うと厳しいところがあるのではないかと考えております。

小林委員: 坂井委員がおっしゃったことと同じです。アンケートの結果を見ていると興味があります。都道府県となると人的余裕がないということですが、負担がないわけではなくて一定のものはありますが、それよりも、という言い方をしていただきたいのですが、川崎市の回答を見ていただくとわかると思うのですが、人的余裕はつけていません。先ほどあったように各局で一括して契約しているということで、一括した調達はできない。それから普及効果のメリットがわかりづらいということがあると、川崎市は回答をしております。逆に言うとあとの普及方策に関係してくるので、そこはもう少し細かく整理をしたほうがいいかと個人的な感想を含めて思います。

鈴木座長: 地方自治法の施行令によると、総合評価方式の入札に当たって第三者評価機関を作るということがありましたが、作らないといけないのか、施行令自体がちょっとわかりづらいです。それから、小林委員の各局が一括して契約しているので普及効果のメリットが分かりずらいというお話は川崎市の役所の中のことですか。

小林委員: そうです。

鈴木座長: 他には何かご意見・ご質問はございますか。よろしかったら、次の議題、「地方公共団体へのヒアリング調査について」のご説明をいただきます。

(2)地方公共団体へのヒアリング調査について

事務局: 資料3、委員限りについて説明(省略)。

鈴木座長: ありがとうございました。ヒアリングの方針やその内容についてはご意見やご注文はないのではないかと思っておりますが、ただヒアリングの候補団体については何かありましたら、今の段階で事務局にお知らせいただければと思います。ヒアリングについてのご意見やご質問はございますか。

橋本委員: 問2‐3で何らかの効果を実感した自治体ということで選ばれていると理解しましたが、効果を実感しなかった自治体も調査されたほうがいいのではないか。なぜ実感されなかったのかということを聞くことも意味があるかもしれないと思いました。小平市や流山市、それから全部しないと答えているところにも聞いてみると、阻害要因がわかるのではないかと思います。

鈴木座長: 私も今のご意見と同じです。資料の中で環境配慮契約法に基づく取組みが進展したというところを選んだのだと思いますが、「進展したけれども効果が何もなかった」というのはなぜかということを聞いていただければと思います。
小林委員: 今の話の続きになります。前回の話の中でも大規模の自治体はそれなりの取組をされているということで、区市町村の取組をどうするかということが、今回ヒアリングやアンケートをするという目的だと理解しております。そうしたときに実際に取り組まなかったところもあります。このところをヒアリングでなくても、やっていないところ、また今、座長がおっしゃったところをつかんでいただきたいということがお願いとしてあります。
あともう一つ、これが速報版であるという前提状況を理解した上での意見ですが、アンケートの回収率が上がっているにしても、よくよく見ると問題となっている小規模の区市町村のアンケートのところで内容が理解できていないというところが資料2で若干変わっています。そういったところは前の議題でも議論があったように、アンケートだけではつかみきれていないところも含めて、橋本委員から座長の話も含めた上で、効果があったところは通常のヒアリングでもいいですが、実際に小規模で効果がないところも、別途アンケートの補足といった形の中で事務局もお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

事務局: いくつかの団体には電話で問い合わせをしようと考えておりますので、その辺りの対象を広めに聞かせていただこうと考えます。

鈴木座長: このヒアリング調査は11月一杯と時間的に限られていますね。

事務局: スケジュール的に実際に訪問するところと電話するということも含めて調査をさせていただきます。

鈴木座長: そこまでできるのですか。

事務局: はい、電話も含めて聞いていきたいと思います。

鈴木座長: 他には何かございますか。よろしいでしょうか。

小川委員: 資料3の表2で北区、荒川区は策定年度が13年度、14年度となっておりますが、これは環境配慮契約法ができる前に、もう既に何かをやっていたという意味でしょうか。環境配慮契約法は19年度からですが。

事務局: そのとおりでございます。こちらは契約方針の策定年度と策定分野を聞いております。先ほども少し触れさせていただいた契約方針はグリーン購入法の調達方針の中に上乗せのような形で追記をされる団体も多いです。策定初年度の年次を書かれている団体も多いと考えております。

鈴木座長: 3番目の議題でございます。今までの調査結果、それから、これからやるであろうヒアリング調査の結果を受けまして、「地方公共団体への普及方策について」を考えていただくということでございます。

(3)地方公共団体への普及方策について

事務局: 資料4について説明(省略)。

鈴木座長: ありがとうございました。それでは、普及方策につきまして大きく2つあります。1つが事務局で、特にアンケート結果からまとめていただきました基本的な大枠についてのものです。二つ目は、委員の皆様に出していただいた普及方策につきましてのむしろ具体的なアイディアについてのものです。これらについてご意見・ご質問があればお願いしたいと思います。
私のほうからちょっと教えていただきたいのですが、p.1の(2)の第3パラに、「予算上の措置」とありますが、国が補助金を出すといった意味でしょうか。

事務局: これは、例えばESCO事業ですと、お金をあまり使わなくてもうまくいくといった話もございます。それから自動車ですと総合評価落札方式をやるとイニシャルコストの話もあります。ただ逆にランニングコストが下がるであろうと思います。燃費がよければ、より燃料代は下がるわけです。そういったところも含めて具体的な手続きをする際に、こういった形で予算措置をすれば、ESCOですと平滑化する形で何年にもわたって上手くやって行けばお金を使わずにできます。そう言ったことも含めて情報提供が必要ではないかと思います。

鈴木座長: 予算に対する情報提供ということですね。

事務局: はい。

鈴木座長: それではこの「1.」「2.」「3.」についてご意見、ご質問はございますか。

小林委員: 2のところの「委員の意見」で、私の思いつきで出してまとめていただいております。出しておきながら事務局にお聞きするのは変な話だと思いますが、実際に環境配慮契約の導入に当たってというところで、環境面の効果をかなり定量的に提示していかないと理解は難しいということが前提にありました。(3)の情報提供で整理をされています。環境負荷低減効果の算定方法の提示ということですが、実際に個人的にできるのかというと難しいという気がします。この辺は難しいと思いながら、国として考えていただくことが少しでもあるならば出していただきたいという思いで出させていただいております。必ずこうだというものはなかなか出てこないとは思いますが、その辺りの考えをお聞かせいただければと思います。
事務局: 国の場合は、実績を法律に基づいて集めております。電気でしたらこのぐらい契約して、例えば何億kWhを使いました。自動車でしたら何台買いました。買う際に総合評価落札方式でこれだけ買いましたといった実績が取れておりますので、その結果を踏まえています。電力はなかなか苦しいですが、自動車などは逆に落札する際に、どういった自動車が何台出てきて、それぞれの燃費がどれでといった形ではっきり出ます。それから価格が一番安くなかったところで落札したところのみを積み上げて、これだけ減ったといった厳し目な効果を出しております。電気の場合は裾切りですのでなかなか難しいですが、国の場合ですと例えば100点満点で70点以上を取ったところに入札参加いただく。そこで、CO2の排出係数のラインについて、裾切りのラインから、より排出係数の低い方が参入されたかというところで、若干甘めな数字になりますが、やっております。それからESCOは最初から削減する数字がわかりますので積み上げております。建築も同じような形でLC-CO2をやっておりますので、その結果を積み上げて数字としては出しております。国の場合は今年も出す予定でございますが、そういった方向についてはご提供するということで真似していただくというか、少し効果としてお示しはできると思っております。

小林委員: 全ての類型でなくても、どれか一つでも各自治体で取組が進めばと思っています。そういった中で見ていくと、事務局からお話があったように自動車というのもありますが、結構他のところで取組の進みが早いのは電力だと思います。確かに裾切りで難しいということをわかりつつも情報提供を考えていただけるといいと思って意見として出させていただきました。

鈴木座長: 思いつきがアイディア、そして政策につながる場合が多いので、思いつきでも結構ですのでお願いします。
私の方から一つ、P1の(1)環境配慮契約とグリーン購入法など他の法制度との棲み分け、環境配慮契約の効果、あるいは委員の皆様から出たP2の(1)の2ポツの幅広い取組の促進、(2)の1ポツの国の例示によらない普及しやすい契約方法、(3)の環境配慮契約による環境負荷低減効果の算定方法の提示は、果たしてできるのかと思いましたが、事務局の説明を聞いているとかなり期待が持てると思って安心しております。
細かい話ですが、p.3の(4)の2ポツで、首長に対する要請とありましたが、参考資料のp.6の「問2-1 環境配慮契約の進展の内容」の表を見ると、組織の長の環境配慮契約に対する取組が高まったという回答がほとんどないので、あまり意味がないのかと思われますが、どうなのでしょうか。また、先ほど東京都の坂井委員からあった総合評価落札方式ですが、地方自治法の施行令を見ましたが、総合評価落札方式で入札をやっても、基準を作るときに学識経験者の意見を聞けというだけです。第三者評価委員会を作って個別の入札ごとに検討する必要はないのではないかと思われます。私の解釈が間違っているのかもしれないのですが、そういった細かい話も後ほどクリアにしていただきたいと考えています。
他にご意見、ご質問はございますか。

小川委員: ここに述べられてはいないことを思いつきで申し上げます。参考にしていただければと思います。
一つは、小さい自治体になるほど、人間の手が足りなくて進めないという話が出てくるわけです。例えばESCOはエネルギーサービスカンパニーといった専門の事業者があって協力する世界ができています。そういった意味ではここに利益ののりしろがあるから、それを専業にするような方がいて、いろいろな自治体と相談して、ある部分進めてもらえるといった構造ができると、そこの部分は改善されます。確かに利益は上がって、そういうことが投入できるといった話がないと駄目だと思います。それが一つです。
二つ目は、インセンティブをどうやってつけて、こういうことならメリットがあるからぜひやろうといった構造へ持っていくかということがすごく重要だと思います。頭から環境配慮契約法をやれと強制されたほうが相当強い力が働くと思いますが、それはなかなかできないと思いますから、ここにも出ていますが、環境配慮契約法の実施状況をある程度公表して、十分な実績が上がったものは表彰するとか。そういうことで大分取り上げられて自治体がある意味アピールできる形になるからぜひやろうと思うとか、そういうところの工夫は一つあってもいいのではないかと思います。
それからESCOは前回もちょっと言いましたが、国内版のクリーン開発メカニズムで事業者がある程度共同実施者になってお金や技術を出すといった構造でメリットがあるからやるといったことで進んでいる地方自治体があると思います。そういう形でされるものと環境配慮契約法でうまく連結して動かす方法はないのかというところも少し工夫をしてみるといいと思いますが、具体的な案はないです。
それから先ほどのインセンティブは、自治体がそれを広報活動に使えて、そうやって広報すること自体が自分自身の仕事もアピールできるのでぜひやろうという形になれば、環境配慮契約法で契約を結んでやるということは、ある意味私は環境に配慮して活動していますということを外に向かって宣伝するという話ではインセンティブになるのではないかと思いますから、そこを何か工夫できないかと思います。
それからあとは環境配慮契約法そのものを義務化することはなかなかできないと思いますが、産業部門ですと経団連の自主行動計画ということで、自発的に立てた計画で進んでいるという側面があります。そのようにコミットメントすると、何としても実行しなければいけなくなるということで工夫をすると思います。少し前は京都議定書の目標達成に向かって各自治体が自分で目標を設定して、結構いろいろなことをされていたと思います。自発的目標でいいですが、目標設定をしなければいけないといった部分だけを義務付けてはどうでしょうか。自分ができる枠内の目標を設定して、それを2020年に向かってやっていく。それが世の中に対してコミットメントしているから、それを具体的に実施する対策を実行していく必要があるという形で、インセンティブが働いて環境配慮契約法もどんどん活用されるといったことにつながる方法はないだろうか。そういうことを考えてみたところです。できるところ、できないところがあると思うので、少し参考にして次回までにできそうなところを選んで具体化を考えていただければと思います。

鈴木座長: 今委員がおっしゃったように、環境配慮契約法を促進するために地方公共団体にインセンティブを付与する方法については賛成です。今回の事務局からのペーパーには、何れもインセンティブを与える方策が触れていないと思います。アメとムチのアメ、ニンジンに相当する部分がないような気がします。何ができるかはわからないのですが、こういう施策を考えるに当たっては、極端に言うと、例えば、個々の担当者の給料を上げる等がないとニンジンにならないのではないかという気がします。私たちこの専門委員会のメンバーも事務局とともに案を出さないといけないと考えています。他にご意見等ございますか。

橋本委員: 私のほうもそもそも論的な思いつきです。特に小規模の団体で推進していくときに手続きの簡素化というのは大きい課題だと思っています。グリーン購入法の議論にも参加させていただく中での思いつきとして、現状ではグリーン購入法の議論はあちらでずっとやっていて、環境配慮契約法の議論はこちらでずっとやっています。ただオーバーラップするところが結構あって、先ほどのような自動車のグリーン購入法とグリーン契約法との関係があります。電気の裾切りというのはグリーン購入法の紙の総合的な得点をつけて裾切りするというものとかなり親和性があります。マニュアルの中に出てくる電気をグリーン購入法的に対応させるようなやり方とか、OA機器の契約、OA機器はグリーン購入法でも定められていますが、グリーン契約法でも上乗せ的なやり方があります。それからグリーン購入法側の省エネ診断とこちらのESCOは相互に関連があったり、親和性がある取組が結構あって、それが独立に議論されて、それぞれに取組をやろうとしているところがわかりにくかったりします。契約の手続きを簡素化しようと思うと、グリーン購入法的な考え方、裾切りをする方向のやり方を考えていかなければいけないと思います。その上でグリーン購入法とグリーン契約法を統合的に見たマニュアルと言いますか、統合的に整理したようなグリーン調達の方法のメニュー表のようなものがあると非常にわかりやすいのではないかと感じています。例えば横方向に自治体が調達する品目が並んでいて、縦方向にグリーン購入のベースラインのものがあって、グリ-ン購入法の上乗せのプレミアム基準的なものがあって、その次に裾切りがあって、総合評価落札方式やプロポーザル方式といった形になると思います。それぞれの物品について、例えば今のグリーン契約法の総合評価落札方式やプロポーザル方式は一定のハードルがあると思うので、グリーン購入法の上乗せ基準的なもので小規模自治体が対応するというメニューがあれば、わざわざグリーン契約法で対応しなくても、自動車の例でもあるように、その中で収まる対応を進めていっていただくという方法は十分あると思います。グリーン調達の全体像の中でグリーン購入とグリーン契約が担っている役割の違いというか、現状でも2つの表で並べて比較はされていますが、調達といった全体の中でグリーン購入法的なものを選ぶのか、グリーン契約法的なものを選ぶのかというようなメニューとして提示されるとよりわかりやすく、取組としてもより一層進めることができるのではないでしょうか。例えば方針を作るにしてもグリーン購入法の方針を作って、グリーン契約法の方針を作るとなると大変ですから、それを一体化したものとして方針が策定されていて、その中にグリーン契約法的なメニューとグリーン購入法的なメニューがあるといった整理ができると非常にわかりやすいと感じています。

鈴木座長: 12月の6日が第3回でございます。案として事務局でまとめられますが、それまでの間にアイディアや思いつきなどがありましたら事務局までお願いします。時間になりますので、今後の予定につきまして事務局からご説明をお願いたします。

(4)検討スケジュール

事務局: 資料5説明

鈴木座長: ありがとうございました。スケジュールはよろしいでしょうか。

(5)その他

鈴木座長: それでは時間が超過しましたので、第2回の専門委員会は終わらせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。