平成20年度環境配慮契約法基本方針検討会(第1回) 議事録

出席委員:
秋鹿委員、乙間委員、坂本委員、鈴木委員、大聖委員、山地委員、山本委員(座長)(五十音順、敬称略)
欠席委員:
碓井委員、野城委員

日時

平成20年8月18日(月) 10時00分~11時30分

場所

経済産業省別館10階1014号会議室

1.開会

環境省(辻):
 配布資料の確認、委員等の紹介。(略)

環境省(辻):
 検討会開始に先立ちまして、小林総合環境政策局長よりご挨拶をお願いしたいと思います。

2.挨拶

小林局長:
 おはようございます。7月22日付で、環境省総合環境政策局長に着任致しました小林でございます。昨年の検討会におきましては、契約の執行当事者、監督者と言う立場で参加させていただきました。環境配慮契約法の重要性の高まりとともに、引き続き、いっそうの充実に向けまして力強く取り組んでいく所存でございます。
 内容につきましては、ご存知の通りだと思いますけれども、価格だけで性能サービスを決めることになりますとやはり環境への取組が十分に評価されないと言うことでございまして、生産要素に関しての評価制度といった仕組みをつくることで、これからの低炭素社会、地球と共生する経済に対応していかなくてはならないと思っております。
 そういった中で、この法律ができたと承知してございます。また、その運営も大事だと考えております。更なる改善、充実を図る上で、先生方には色々なご指導、追加、改善についての忌憚のないご意見を頂戴致したいと思っております。ほとんどの先生方が昨年度から続けてと言うことでございますが、引続き今年もよろしくお願い致します。

3.座長選出

環境省(辻):
 座長に関しましては委員の互選と言うことになっておりますが、僭越ですが事務局からのご提案させていただきます。昨年度の本検討会の座長を務められておりまして、環境配慮製品、環境配慮契約にお詳しい山本先生にお願いしてはいかがかと思います。皆様いかがでしょうか。

-了承-

環境省(辻):
 それでは、本検討会の座長を山本先生にお願いすることとし、これからの議事進行は山本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

山本座長:
 どうも山本でございます。一言ご挨拶をさせていただきます。
 先日は少しホッとするような涼しさでしたが、順調に地球は温暖化してございます。
 近年の急速な温暖化は、太陽活動や宇宙線では説明できず、IPCCが言うように温室効果ガスであることはほぼ間違いないと思っております。そうすると大変な事態に我々は直面しておると言うことでございます。100%削減しても温度は上がっていくわけです。現在の温度に戻るのに50年かかってしまうと言うことがわかっています。7月のサミットで温室効果ガスを2050年までに半減させると言う方向性になったのですが、簡単に言うと100年たっても今の温度に下がらないと言うことになります。しかも、2050年までに半減させると言うことは、先進国は8割ほど削減しなくてはならないと言うことでございます。全世界でそのために必要なお金は4,800兆円と試算されております。それに対して、日本政府の温暖化対策費用は5,000億円と言うことでございまして、本気でやる気があるのかなと私はいつも心配しております。そうした現況において、象徴的出来事と致しましては、北極海に浮かんでいる氷が劇的に溶けておりまして、5年以内に完全消滅といわれております。世界は今、何を考えているかと言うと、温室効果ガスの排出削減と言うよりもむしろ、排出されたあとの空気中にある温室効果ガスを回収して処分しようと言う話が昨年から持ち上がっております。イギリス、バージングループ会長リチャードブランソンは、1年間に10億トンの温室効果ガスを回収する技術やアイデアを出したものには懸賞金として30億円を出すといっております。審査員にもそうそうたるメンバーが入っていますが、2012年が期限と言うことで、日本の産業界、学界が総力を上げて30億円を取りにいく必要があると考えております。と言う状況ですので、この環境配慮契約法でもどのくらい削減できるかが重要になります。また、2004年の段階で温室効果ガスは全世界で490億トン出ているわけです。日本だけでも13億トン出しているわけですから、スケールが問題であると思います。今回の環境配慮契約法では、こうした莫大なスケールを持つ問題の解決となる革命の糸口をいかに作れるかが勝負ではないかと考えております。全知全能を挙げて取り組まなければいけないと考えております。
 早速ですが、議事に入りたいと思います。事務局から議事予定等についてご紹介をお願いしたいと思います。

環境省(辻):
 本検討会は、10時から12時までの2時間を予定しております。資料の確認は先ほどさせていただきましたので、事務局からは以上です。

4.議事

山本座長:
 それでは議事に入りたいと思います。本日は議事次第にあるように、環境配慮契約の締結状況及び取組状況について、基本方針の検討の進め方について、基本方針に関する提案募集について、ワーキンググループの設置について、検討スケジュールについて、の5つの議題についてご議論いただきたいと思います。まずは、現在の取り組み状況について事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

環境省(辻):
 参考1~4の説明(省略)。

山本座長:
 ありがとうございました。参考1についてですが、船舶の排出量がかなりの部分を占めておりますが、船舶関係の排出量は、京都議定書の枠内ですか。

環境省(辻):
 内航は入りますが、外航は京都議定書には入らないと認識しております。

山本座長:
 この部分の排出量は内航ですよね。すると、この船舶の部分をどうにかしないといけないと思います。全体の32%もありますので、検討課題に入れるべきではないかと思います。

環境省(原田補佐):
 船舶については調査を行っておりますが、自動車の燃費のような考え方が整理されておりません。現在、何ができるのかを含めて調査中でございます。

山本座長:
 では、調査をお願いしたいと思います。委員の先生方、何かご意見ご質問等はございますか。

鈴木委員:
 参考1について、電力、自動車、建築、ESCOそれぞれのカバレッジはどの程度でしょうか。例えば自動車については各省庁が相当数購入したと思いますが、すべてこの対象になったと言うことでしょうか。

環境省(辻):
 例えば、自動車について申し上げますと、政府実行計画では、保有台数23,000台程度で、平成18年度の実績では一般公用車に限ると調達数1,070台となっております。一般公用車以外に特殊車両も含まれておりますので分母はもう少し大きくなると思いますが、相当部分はカバーできているとの認識を持っております。年度末頃に分子も含めてまとめて各省庁に調査をかけたいと思っております。

山本座長:
 その他何かご質問はありますでしょうか。では、参考1の表を見てですが、成果は十分あがっているといえるのでしょうか? 山地先生いかがですか?

山地委員:
 カバレッジが分からないと何とも言えませんが、予定使用電力量が15億kWhとなっていますので、この15億kWhのCO2排出量が分かる資料が必要だと考えます。

山本座長:
 坂本先生、ESCOはいかがですか?

坂本委員:
 国がESCOを実施するためには、いろいろと障害がありましたが、それを1つずつ取り除いてきて、ようやくここまできた、と言う感じです。実際、数を増やすのはこれからだと思っておりますので、そう言う意味では、今回で基盤ができたと言う認識でございます。

山本座長:
 その他はいかがでしょうか? それでは次の議題に移りたいと思います。

山本座長:
 基本方針の検討の進め方、提案募集に関して、一括して事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

環境省(原田補佐):
 資料3、4について説明(省略)。

山本座長:
 資料4については、民間から6月に提案があったものでしょうか。

環境省(原田補佐):
 6月17日から1ヶ月程度提案募集を行いまして、提案があったものでございます。

山本座長:
 4件の提案のうち3件を取り入れて資料3が作成されていると言う認識でよろしいですか。

環境省(原田補佐):
 その通りでございます。

山本座長:
 では、今年も新たにWGの設置を提案なされているようですが、事務局のWG設置の具体案はありますでしょうか?

環境省(原田補佐):
 少なくともOA機器はWGを設置すると書かせていただきましたが。自動車や電力その他も含めて必要に応じてWGを設置する方向で考えております。それも含めて議論していただきたいと思います。

山本座長:
 昨年設置されたWGについては、既に座長は決まっていると言うことですが、OA機器のWGの座長は決められているのですか?

環境省(辻):
 OA機器のWG座長は、資源エネルギー庁の方で、複写機等判断基準小委員会の小委員長をやっておられます秋鹿先生にお願いしてはと考えております。

山本座長:
 承知しました。今後の検討スケジュールについてはいかがでしょうか?

環境省(辻):
 資料5の説明(省略)。

山本座長:
 ありがとうございます。今年の6月に日本の政治は大きく動きまして、日本のほぼ全政党が長期削減目標6割から8割の削減で一致しております。おそらく今年の秋の臨時国会では、基本法案が提案されてくると思います。そういった中で、環境配慮契約法を適切に運用して実効をあげなくてはならないと言うことが、この委員会の使命でございます。事務局から提案がございましたようにOA機器のWGを設置したいとのことですが、座長には秋鹿先生にお願いしたいと提案がございました。また、他のWGについては必要に応じて開催をしたいと言うご提案だと思います。それでは時間がございますので、ご提案いただきました資料3の基本方針等の検討方針について、全委員の方々にご発言をお願いしたいと思います。では、山地先生の方からひとつ忌憚のないご意見を頂戴したいと思います。

山地委員:
 私がWGを担当しています電力については、14ページにあるとおりで、昨年度も議論したところですので、改正温対法の検討状況を注視していくことが必要だと思います。資料の書き方としては今の通りで結構です。RPS法のRPS価値だけが動いた時の展開をどうするのか。グリーン電力証書をどうするかについて、動きを踏まえて検討課題になるかと思います。その他の点については、他の委員の方のご意見を聞いた後で発言したいと思います。

山本座長:
 京都メカニズムのクレジットをどう織り込むかについてはだいたい方針が決まっているのですか?

環境省(辻):
 環境省では地球温暖化対策課が担当しておりまして、まだ確定的なことはいえないと聞いております。

山本座長:
 大聖先生お願いします。

大聖委員:
 大きく2つのタイプの車が新しく市場に登場する可能性がございます。プラグインハイブリットとクリーンディーゼルでございます。プラグインハイブリットは、2010年くらいから登場してくるのではないかと思いますが、その前に検討し何らかの評価を適切に行う必要がございます。また、モードが変更されると言う悩ましい点や、用途にもよると思いますがEV走行によってもCO2排出量が変わってくることをどう評価するのかと言う点も検討する必要がございます。また、クリーンディーゼルは、ポスト新長期規制に対応したものが登場すると言うことで、今年発売する車種もございますが、これは特殊な車両なので行政が使うのに適合しているかどうかの判断が必要とされると思っております。
 もう1つは、2015年に燃費基準の改訂がございまして、乗用車で言うとガソリンとディーゼルを区別しない方法で、リッターあたり何キロ走ると言う基準で決めるものでございます。そうすると、ディーゼルの場合、軽油を使用しますので、比重が違うと言うことで使用量とCO2の排出量が比例しないと言うことがございます。
 また、リース契約をどうするのかも検討課題になると思っております。

山本座長:
 鈴木先生お願いします。

鈴木委員:
 先ほど座長からのご指摘に加えまして、参考1で船舶について内航と言うことですが、政府が購入する内航船舶と言うイメージがつかめないのと、もう1つが、他の分野に比べ検討・実施が遅れ、しかも、排出量の32%を占めているにもかかわらず、これについてなぜWGを作らないのでしょうか。

環境省(辻):
 外航とは、ある国から外国の港に行くこと、内航はそれ以外と言う理解をしております。例えば、ある外洋に出て漁をして帰ってくる船舶は内航で、海上保安庁や税関の船舶の排出量は含まれると言う認識でございます。

山本座長:
 自衛隊はどうなっているのですか?

環境省(辻):
 自衛隊はもちろん船舶を保有しておりますが、政府実行計画の円グラフを掲載している部分におきましては、自衛隊は切り離されておりますので、自衛隊船舶の排出量は、この中には含まれていない状況です。

鈴木委員:
 なぜ、検討する作業を行わないのですか?

環境省(原田補佐):
 現在調査中で評価をする技術が整っていないと言うことでございまして、何ができるのかを別途調査させていただき、次回の検討会で報告したいと考えております。

大聖委員:
 現在、船舶の燃費基準の検討はIMOで進められておりますが、現段階では明確な基準がない状況でございまして、決められない状況だと思います。

山本座長:
 船舶はあって、飛行機はないのですか?

環境省(辻):
 飛行機は、その他の4%に含まれております。船舶は、自動車の10・15モードのような燃費モードで国際的に定められているものはございませんが、燃費基準がなくても評価可能ではないかと言う意見もございますので、そうした点を次回検討会までに調査しまとめてご報告したいと思っております。

坂本委員:
 ESCO担当でございますが、OA機器は建築や設備に関連するものですから、2、3質問させていただきます。まず、OA機器を対象とすることは大変結構だと思います。けれども、パソコンやサーバー関係も同様に対象にしていただいてもよろしいかなと思っております。こうした機器は、機器自体の消費電力が減ることに加え、機器からの発熱量が減り冷房の消費電力が減ると言う二重の効果を期待できるものでございます。ぜひ、パソコン、やサーバー関係を対象にしていただきたいと思っております。
 また、建築設備一般に関わりますが、既存の使用可能な機器をどの時点で新しい省エネ機器に変えるかと言う判断は、実際に管理されている方々は大変迷うのではないかと思われます。そうした際のアドバイスとか妥当な判断基準ができればいいのではないかと思っております。
 最後に、資料3の9ページにPFIについて書かれておりますがして、「エネルギーマネジメントを民間事業者の業務範囲として」とあります。エネルギーマネジメントはまさにそう言うケースに入るのではないかと思いますが、具体的な規範がないということがございますので、環境配慮契約法の検討会などで何か検討できればと思います。何か私の意見に対して何かコメントがありましたらお願い致します。

環境省(原田補佐):
 はい。まず、OA機器の適正配置ついてはこれだけではなく、これから先も検討を進めていきたいと思っております。パソコンについては、一般事務用のパソコンについては、グリーン購入法の方で搭載機器の簡素化を行ったパソコンを新規に開発していただいている段階でございます。この先、もう少し選択性が高まった上で検討した方がいいのではないかと思っております。エネルギーマネジメントについてもグリーン購入法の方で検討しております。ビル管理をしている方は大変多くおりましてまだまだ周知できていない部分もありますが、検討を進めていますので、実績の積み重ね部分の評価等を検討していく必要があるのではないかと考えております。
 先ほどの船舶について付け加えですが、役所の方では、船舶の設計を委託している場合がございますので、そちらの方は提案できる余地があると思っております。その点も含めて、何ができるのかを調査し次回検討会でご提案したいと思っております。

山本座長:
 新聞報道では、イギリス政府は学校をESCOの必須対象にするなどの活動を行っているようです。私の考えでは、日本も教育機関はすべてESCOを導入するなど、徹底的にやらないといけないのではないかと考えております。乙間先生いかがでしょうか。

乙間委員:
 まず、15ページの環境マネジメントシステムについて1つ確認ですが、環境マネジメントシステムを構築するコンサルテーションに対する契約が対象なのか、一般的な入札者側の条件が対象なのか、どちらの方法なのかをお教えいただきたいと思います。
 もう1点が要望なのですが、グリーン購入法の際も国が取り組み始めて、地方自治体に広まっていくまで非常に時間がかかったと言うことがございまして、影響から言うと普及することによる効果が非常に大きいので、できるだけ早い段階で地方自治体にも普及する方策を考えていただきたいのが要望でございます。

環境省(辻):
 1点目のご質問の答えとしましては、前者か後者かで言うと後者でございます。国が発注する際に、環境マネジメントシステムを取得している業者と取得していない業者を区別し、取得している業者を何か優遇することができないかと考えたいと言うものです。
 地方自治体については、確かにグリーン購入法では中小の地方自治体について時間がかかっている実態がございますので、対策を考えていきたいと思っております。

山本座長:
 私の記憶では、仙台市がこう言う取組を行っていませんでしたか?

環境省(原田補佐):
 独自の取組をしている地方公共団体も若干ございますけれども、契約法と合わせて対応していただいているのは電力が中心でございます。まず、仕組みが難しいと言うことと、グリーン購入法の際も同様でしたが、初年度の立ち上がりは悪いと言う傾向がございます。実際に国が取り組んでみて、どのくらいの成果が出たのかをみてから地方公共団体は判断をしていくことになろうかと思いますので、これからその点も含めて説明していく必要性があると思っております。

山本座長:
 あと5年で北極が全部溶けてしまうと言う非常事態と言うことですが、何と我々がやっていることは遅々たることかと思います。秋鹿先生いかがでしょうか。

秋鹿委員:
 秋鹿でございます。船舶に関することが1つ、本日の検討会に関することが1つ、2つの意見を述べさせていただきたいと思います。私はある環境系の研究会で、企業の環境報告書の評価を聞かせていただいたことがございます。その際に、上位にランクされている業界は、電力、自動車でして、今回、本検討会に参加させていただきまして、電気、自動車が取り上げられていることは、頷ける気が致します。こうした環境に対するしっかりとした意識を持っておられる業界とタイアップしていくことが、改革の第一歩と考えております。また、各大手メーカーさんはほとんど立派な環境報告書をつくっておられるのですが、その取り上げ方が業界ごとに異なるということがございまして、業界によっては、環境に対する評価作りや取組が遅れているのではないかと思っております。詳しくは存知あげませんが、おそらく船舶業界は上位ではなかろうと思われます。そうした現況に対して、取組を促すような様々な活動がなされれば、業界自体の取組が進んでいくのではないかと思っております。
 また、本日のご提案の中のOA機器ついてですが、私が資源エネルギー庁の方で、複写機の省エネ基準を作らせていただいた際、トップランナー方式の最初のケースだったということ思います。複写機と言うのは、資源エネルギー庁の資料によりますと、エネルギー消費のランクから言うと十数位ということでして、たいしたことがない位置でございます。こうしたエネルギー消費量の少ない業界が省エネをやろうということは、容量としてはたいしたことがないかもしれませんが、意識が進んでいたからと思います。この業界は先ほど申し上げましたように環境報告書の評価でも非常に高いランクにある業界でございます。環境に対する意識が高い業界は、概して消費者に近い製品を作っている業界が多いのですが、こうした業界が頑張ることで、国の政策をリードする、国民の環境の声を強くするなど、非常に強い牽引者になっていくのではないかと思っております。複写機の基準は92年から着々と進めておりまして、当時はアナログ方式であったのですが、今はほとんど機械がデジタルになってしまいましたので、デジタル方式に合わせて大幅な改訂をやっている最中でございます。そう言う背景をみてもこの業界さんが単にエネルギーの基準だけでなく使い方も含めたご提案をしていくということ動きに協力していくということは大事ではないかなと思っております。

山本座長:
 では、碓井先生お願いします。

碓井委員:
 本日ご提案頂いているOA機器については、2つの意味において新しい方向を踏み出すものだと考えております。まず、製造段階における温室効果ガスの排出量を含めた点でございます。私は複写機について詳しくは存じませんけれども、例えば、外国で生産されているものがあるとしますと、日本における排出量削減を念頭に置きながらも、ある意味、地球規模にどう踏み込むかの一段階としての見方もできるのではないかと思っております。それから、環境配慮契約法で取り上げなくても、各省庁が様々な調達をする際に個別的に自主的にこうした考え方を取り入れる示唆を与えることになるのではないかと考えております。秋鹿先生にぜひWGで頑張っていただきたいと思います。同時に、評価方法の中には、リユースや運用段階における実績も評価項目として入っておりまして、先ほど秋鹿先生のお話ですと、環境への取組をリードしている業界のようですから安心してもいいと思いますが、政府の調達時に出されてくる数値の信用性をどうやって担保していくかも検討課題になるのではないかと思っております。

山本座長:
 最後の点は気になるところでございます。環境性能、環境品質に関する偽装が行われているようでは、環境配慮契約法もうまく機能しないと言うことでございます。この点は、何か事務局の方でもお考えいただきたいと思います。その他ご意見等ございますでしょうか。

大聖委員:
 環境配慮契約法の狙いは、国や地方行政が環境に配慮した物品を使用することで、製造メーカー、納品業者等に対してエンカレッジメントしていくことだと思います。その点で、手続きの複雑化等、分かりにくい部分も出てくると思いますが、今後、民間への展開をどのようにうまく筋道をつけていくのかを検討の中に入れていただくとよいかなと思います。もう1点は近年、エネルギーコストが高くなっており、経済的インセンティブの重要性が高まっていると思われます。こうした部分に対する配慮もお願いしたいと思っております。

山本座長:
 ひとつ目の民間にどう展開するかと言う意見は、グリーン購入法と同じですね。グリーン購入ネットワークなどで行っても良いかもしれません。

環境省(原田補佐):
 環境配慮契約法とグリーン購入法とでは契約の点で1点大きな違いがございます。グリーン購入法は単純に物を買うと言うシンプルなものですが、環境配慮契約法では民間で一般的に行われている契約のあり方と多少異なってくると思われますので、その点で、グリーン購入法とは違い、何か一工夫しないとうまくいかないと考えております。こうした場で蓄積した知見を何か指標化する方法を考える必要があると思われます。

山本座長:
 その他何かありますでしょうか。それでは、秋鹿先生ひとつよろしくお願したいと思います。それでは、予定の議題を終了しましたが、事務局から何かありますでしょうか?

環境省(辻):
 WGについていくつか確認したい点がございますので、資料3の順番に沿って説明していきたいと思います。OA機器については、秋鹿先生に座長をお願いして設置いたします。PFIとEMSについては、第2回までに事務局の方で議論を整理致しまして案を示したいと思います。自動車のクリーンディーゼルとプラグインハイブリットについては、来年度以降の検討課題とさせていただきたいと思います。自動車リースについては、大聖先生とご相談をして、WGについて考えさせていただきたいと思います。船舶については、WGと言う形ではありませんが、整理を致しまして第2回までにご報告したいと思っております。

山本座長:
 船舶についても是非検討を進めてください。では、全ての議題が終了致しましたので本検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

以上