第21回有明海・八代海等総合調査評価委員会海域環境再生方策検討作業小委員会 議事録

開催日

令和8年9月8日(火)

場所

WEB会議システムにより開催(ライブ配信)

出席者

有明海・八代海等総合調査評価委員会委員長:古米弘明委員長
小委員会委員長:阿保勝之委員長、矢野真一郎委員長
委員:上久保祐志委員、中島則久委員、山室真澄委員、渕上哲委員、山口敦子委員
臨時委員:小林政広委員
専門委員:金谷弦委員、清水園子委員、速水祐一委員、東博紀委員、藤井直幹委員、森永法政委員、北原茂委員、松山幸彦委員、山口啓子委員、山下武志委員、山本智子委員、弓削こずえ委員、横山勝英委員、吉永育生委員

(オブザーバー)
清本容子委員

(関係省庁)
農林水産省 農村振興局 整備部 農地資源課 
林野庁 森林整備部 治山課 
水産庁 増殖推進部 漁場資源課 
水産庁 増殖推進部 研究指導課 
水産庁 増殖推進部 栽培養殖課 
水産庁 漁港漁場整備部 計画・海業政策課 
水産庁 漁港漁場整備部 事業課 
国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 

(事務局)
環境省 水・大気環境局 海洋環境課 海域環境管理室 

議事録               

                                            

午後3時00分開会

○海域環境管理室海域環境対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第21回水産資源再生方策検討作業小委員会及び第21回海域環境再生方策検討作業小委員会の合同小委員会を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき誠にありがとうございます。本日の小委員会はウェブ会議での開催とさせていただいております。委員の皆様には御不便をおかけしますが、会議中、音声が聞き取りにくい等不具合がございましたら、事務局までお電話またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。
 なお、ウェブ会議で御発言の際は挙手アイコンをクリックし、委員長からの御指名後、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は再度挙手アイコンをクリックして解除ください。
 本委員会は公開の会議となっており、環境省海洋環境課公式動画チャンネルにてライブ配信を行っております。
 続きまして委員の出席状況ですが、青木委員、仲委員、脇田委員より御欠席の御連絡をいただいております。本日は委員25名中22名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることをここに御報告いたします。
 また、本日は、評価委員会の古米委員長に御参加いただいております。そして、オブザーバーとして評価委員会から清本委員に御参加いただいております。オブザーバー参加の委員におかれましては、御質問や御意見がある場合には、発言を求められてから挙手をお願いいたします。
 なお、本日は、関係機関としまして農林水産省農村振興局、林野庁、水産庁、国土交通省水管理・国土保全局、九州地方整備局から各担当に参加いただいております。
 次に事務局を紹介させていただきます。海域環境管理室長の西川でございます。また、室長補佐の鈴木でございます。主査の内田です。私は海域環境対策推進官の木村でございます。8月に着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、資料については事前に電子データ等で御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。資料に不足や不備がございましたら事務局までお知らせください。
 また、今後のスケジュールでございますが、今回で全ての章の審議をいただくということになります。次回もう一度、御議論いただきまして、可能であれば、報告書の取りまとめを次回で行いたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。以降の進行につきましては、阿保委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
○阿保委員長 承知いたしました。本日の進行を担当させていただきます水産研究・教育機構の阿保と申します。どうぞよろしくお願いいたします。限られた時間の中で円滑な議事の進行に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが議事を始めさせていただきます。
 本日の議題は2つ、令和8年度報告書原案(第1章、第2章、第7章)及び令和8年度報告書原案(第4章、第6章)(第20回小委員会からの更新版)についてとなります。
 それでは、まず議題1、令和8年度報告書原案(第1章、第2章、第7章)の議論を始めたいと思います。資料2-1から資料2-6について、環境省より御説明よろしくお願いいたします。
○海域環境管理室主査 環境省海洋環境課海域環境管理室の内田でございます。議題1、先ほど阿保委員長から御説明いただきました第1章、第2章、第7章について御説明させていただきます。この3つの章につきましては、今回初めて原案を示しております。
 それでは、第1章から御説明させていただきます。資料2-1 第1章(総説編)を御覧いただければと思います。第1章はタイトルを「有明海・八代海等総合調査評価委員会」と称しており、委員会の経緯や報告書の概要などを記載している章でございます。
 まず、1ページでございます。まずは有明海・八代海等の総合調査評価委員会の経緯といたしまして、特に特別措置法の経緯など評価委員会の位置づけなどを記載しております。
 また、ページ下部、「1.2有明海・八代海等総合調査評価委員会報告について」として、これまで評価委員会が取りまとめておりました報告書、平成28年度委員会報告や令和3年度の中間取りまとめについて記載をしております。
 また、ページ下部、「平成28年度報告における基本的な考え方と再生目標」として10年前、平成28年度委員会報告において再生目標を設定しました。どのように考えて目標を設定したかということと、実際、どういった目標を設定したかということを記載しております。こちら、前回御審議いただきました第6章にも記載しておりますので、詳細な説明は割愛させていただきます。
 3ページでございます。「令和3年度中間取りまとめの概要」として記載しております。令和3年度中間取りまとめの際は、気候変動に伴う気温や水温の上昇といった影響が顕在化していることなどを記載しております。
 続きまして、さらに下の部分でございます。「令和8年度委員会報告の構成」として各章の概要を簡単に記載しています。また、最後の「本報告は」というところからですが、令和8年度委員会報告に関しましては総説編と詳細編の二部構成としていることを記載しております。
 簡単ではございますが、第1章はこのような形で作成をさせていただいております。
 続いて、詳細編について御説明をさせていただきます。資料2-2 第1章(詳細編)につきましては1ページ目から4ページ目は先ほどの総説編と同様でございます。5ページ目から「令和8年度委員会報告における検討状況」としまして、これまでの平成28年度委員会報告以降の小委員会の開催状況と各委員会における議題を記載しております。
 また、8ページ目でございますが、8ページ目以降は平成28年度委員会報告以降に御就任いただきました評価委員会、小委員会の委員の先生方の名簿を記載しております。こちら、今回の小委員会の審議に当たっては便宜上、第1章の末尾ということで入れさせていただいておりますが、実際には詳細編の巻末資料として記載することを予定しております。
 以上で、第1章についての御説明を終わらせていただきます。
 続きまして、第2章について御説明いたします。資料2-3 第2章(総説編)を御覧いただければと思います。第2章は、「有明海・八代海等の概要」として海域の背景や特徴について記載をしております。
 1ページ目からの「海域の背景」としては、主に有明海・八代海の流域の社会的な状況を記載しております。1ページ目には流域の人口と将来の人口予測というものを記載しております。
 2ページ目には流域の平均気温、降水量と土地利用の状況について記載しておりまして、2ページ目下部から3ページ目にかけて九州の産業構造について記載をしております。
 4ページ目から「海域の特徴」ということで記載をしております。4ページ目には有明海・八代海の海域全体の特徴を記載しておりまして、5ページ目には、その位置図を記載しております。
 6ページには、有明海・八代海の諸元として面積や水深などを閉鎖性海域と比較する形で記載しております。
 7ページは、「海域区分」につきましては平成28年度委員会報告において、水質、底質等の環境特性に応じて作成いたしました。今回の令和8年度委員会報告でもこの平成28年度委員会報告の海域区分を維持することとしまして、例えば第4章におきまして個別海域ごとの要因整理表を作成いたしました。
 以上が総説編でございます。
 引き続き、資料2-4 第2章(詳細編)について御説明いたします。先ほど第1章と同様に7ページまでは、ただ今御説明した総説編と同様ですが、8ページから海域区分について詳しく記載しております。この「海域区分」は先ほど申し上げたとおり、平成28年度委員会報告の際に水質等のデータにより区分した結果でございます。
 今回、令和8年度委員会報告を作成するに当たり追加した部分は15ページです。平成28年度委員会報告当時の海域区分が妥当であるか、ということを現在の技術を用いて再検討した結果でございます。海域区分を作成する際は、1988年から2006年のデータなどを用いておりましたけども、今回は2006年のデータを特に代表としまして潮位差等の物理データを用いたシミュレーションモデルを作成しております。その結果としまして、従来の海域区分と大きな違いはなく、今回の令和8年度報告においても同様の海域区分を用いることが妥当であると判断をいたしました。
 以上で、第2章の説明を終わります。
 最後に第7章でございます。資料2-5 第7章(総説編)を御覧ください。第7章は「再生への取組」といたしまして今後の再生目標・再生方策について定めております。前回、小委員会でいただいた御意見の中でも、第7章に記載すべきと判断したところにつきましては、特に御説明するわけではございませんが、反映させた上で原案を示しております。
 1ページ目でございます。「本章の考え方」を記載しております。ひとつ前の章である、前回御審議いただきました第6章では平成28年度委員会報告で掲げた再生目標に対して、現在の達成度などを評価して、さらなる対応が求められる課題を整理いたしました。
 第7章におきましては、これを受けて令和9年度以降、目指すべき再生目標を設定いたしました。平成28年度委員会報告の全体目標は、非常に大きな目標があったところでございますが、目標達成に向けた進捗管理が難しいといった課題がありました。そこで本報告では、この全体目標に加えまして、おおむね10年程度(次回の報告書の取りまとめと見込まれる期間)を達成目標とする中期目標を設定いたしまして、その中期目標を達成するための再生方策を整理しております。
 10年というのは先ほど申し上げたとおり、おおむね次の報告書であろうという時期であり、海域環境などを考慮した厳密なものではありませんが、期間を設定しております。
 なお、関係省庁や関係県が実施している個別の事業につきましては、その事業ごとに評価が行われていることから、評価委員会において目標を設定することや評価をすることは想定をしておりません。
 2ページでございます。「有明海・八代海等における全体目標」の設定をしております。第6章における評価としましては平成28年度委員会報告における再生目標について一定の進展が見られているものの、その達成には至っておらず、引き続き取組が必要な状況にございます。そこで今回、平成28年度委員会報告時の目標を目指すべき姿として今後も継続することとし、全体目標につきましては平成28年度委員会報告からほとんど変更していない状況でございます。
 なお、「再生目標」としておりますが、気候変動による影響をはじめとして、有明海・八代海を取り巻く環境というのは変化しており、必ずしも過去の状態に戻すことを再生目標とするものではないと考えております。そこで、このページでは、再生について「自然環境や社会経済情勢の変化を踏まえ、現在及び将来の環境下における環境保全と水産業等の人間活動が調和した豊かな海の実現を目指す」としております。
 具体的な目標としましては、ページの下部に記載のとおり、「生態系、生物多様性及び水質浄化機能の保全・回復」と、「二枚貝等の生息環境の保全・回復と持続的な水産資源の確保」という2つの目標を設定しております。なお、「これらの目標は独立したものではなく、相互に関連していることに留意する必要がある。」としております。
 3ページでございます。中期目標と再生方策の概要について記載をしております。平成28年度委員会報告当時は、海域区分ごとに再生目標と再生方策を定めておりましたが、海域区分間で共通するものや、あるいは海域区分をまたいで再生方策を実施するということも多くありました。そこで本報告では、第6章において、海域区分ごとの再生方策を主要5項目ごとに再整理し、再生方策の進展状況を評価しました。第7章におきましても同様の考えに基づき、主要5項目ごとに中期目標を設定いたしました。
 また、再生方策につきましては、それぞれの主要5項目について第4章で整理したとおり、影響が確認された原因・要因に対応した方策を設定しております。ただ、現在行われている再生方策なども踏まえまして、「影響がある可能性があるものの未確認である」と整理された原因・要因についても一部再生方策を設定しております。
 また、主要5項目の中期目標についてですが、それぞれ独立したものではなくて相互に関連していることから、「関係省庁、関係県等の調査研究や個別の事業の成果を共有、活用することで、今後の再生方策の具体化や事業に繋げる必要がある」と考えております。
 4ページでございます。ここからは、具体的な中期目標と再生方策を記載しております。
 まず、主要5項目の1つ目であります「ベントスの変化」についてです。ベントスについては中期目標としまして、「ベントス群集の種数・多様性に改善傾向が見られる」と設定しております。ベントスの個体数、あるいは湿重量を中期目標の指標とすることも考えられますが、これまでの調査結果から個体数や湿重量は特定の種が優占することで大きく増減することが分かっておりますので、今回の報告書原案では指標とはしておりません。
 また、再生方策としまして、これまでも行ってきております継続的なベントス群集の調査や出水等の事象が発生した場合、その前後のデータ取得、解析などについて記載をしております。例えばベントスの変化に係る原因・要因として、底質中の有機物、硫化物、泥化は、ほかの記載箇所を参照としておりますが、ほかの主要5項目と共通する再生方策につきましては、基本的にその主たる目的となるような主要5項目に記載しまして、ほかの項目については参照する形としております。
 6ページは「有用二枚貝の減少」についてです。有用二枚貝につきましては、サブ連関図を作成しましたタイラギ、アサリ、サルボウの3種について、それぞれ中期目標を設定しております。具体的な目標としましては、タイラギについては各成長段階において減耗が生じるという課題がございましたので、「浮遊幼生、稚貝、成貝の各段階における生残率が改善する」と記載しております。
 アサリにつきましては、母貝団地の造成などの取組が進められておりますので、「主要な漁場における浮遊幼生量、及び資源量の増加傾向が見られる」と記載しております。
 また、サルボウにつきましては2020年度及び2021年度に大量へい死が発生し、その後の資源回復が課題となっております。そこで「浮遊幼生が安定的に発生し、資源量の増加傾向がみられる」という目標を設定しております。
 再生方策につきましては有用二枚貝、こちらの3種に共通する方策といたしまして継続的な調査の実施や食害対策、底質環境の改善などについて記載をしております。
 また、7ページから9ページでございますが、タイラギ、アサリ、サルボウ3種につきまして、それぞれサブ連関図における原因・要因に対応した再生方策を設定しております。
 10ページでございます。「ノリ養殖の問題」についてです。ノリ養殖は特に有明海において盛んに行われておりますが、珪藻赤潮の発生による栄養塩の低下で色落ちが発生することや、長期的な水温の上昇によって漁期の短縮が問題となっており、生産量が安定しておりません。そこで、それらを踏まえた中期目標として、「色落ち等の不作リスクを低減させる」という目標を設定しております。
 再生方策としましては、栄養塩不足を補うための下水処理場からの栄養塩類の増加運転や、珪藻赤潮の発生について継続的な調査及び発生予察技術の開発、水温の上昇に適応した品種の開発などについて記載をしております。
 12ページは「魚類等の変化」でございます。有明海・八代海等では様々な魚類の漁獲が行われておりますが、その漁獲量の減少などが課題となっております。また、八代海においては特に養殖が盛んに行われておりますが、有害赤潮の発生により被害が生じている状況です。これらを踏まえ、中期目標については魚類の資源と養殖業という2つの観点から、「魚類資源量の長期的な減少傾向が緩和される」という目標と「魚介類養殖における赤潮被害を低減させる」という目標を設定しております。
 再生方策につきましては、有明海・八代海等に共通する全体方策に加えまして、サブ連関図を作成した有明海・八代海に係る再生方策をそれぞれ設定しております。また令和8年度報告ではサブ連関図を作成しておりませんが、橘湾及び牛深町周辺の海面についても再生方策を記載しております。
 15ページは「生物の生息環境の確保」でございます。こちらは主要5項目では最後の項目です。生物の生息環境は、これまで述べてきた「ベントスの変化」、「有用二枚貝の減少」、「ノリ養殖の問題」、「魚類等の変化」の基盤となるものであって、安定的かつ持続的にその確保をしていくことが重要であると考えられております。一方、気候変動による影響が顕在化しており、適応した対応策、再生方策などが求められております。
 これらを踏まえて、中期目標としましては、貧酸素水塊の発生規模と赤潮の観点からそれぞれ「貧酸素水塊の発生規模の縮小傾向がみられる」、「赤潮による被害が軽減される」という目標を設定しております。赤潮については、発生そのものをコントロールするということは困難であると考え、どのように被害を軽減するかという観点から目標を設定しております。
 再生方策でございますが、再生方策は貧酸素水塊の発生及び解消のメカニズムのさらなる解明や、藻場・干潟の保全・再生、長期的な水温の上昇に係る将来気候の影響予測について不確実性を考慮した上で、より詳細な解析を進めることなどについて記載をしております。
 最後に17ページでございます。取組の実施に当たっての留意事項を記載しております。まず(1)としまして、「継続的なモニタリング等を通じた科学的知見の充実」ということで記載をしております。再生方策や再生目標は、現在の環境の状況等を踏まえて順応的に管理していく必要がございますが、その基盤となり、正確なモニタリングが重要であるということを記載しております。
 なお、具体的に必要と考えられるモニタリング項目につきましては、主要5項目ごとの再生方策に記載をしております。先ほども御紹介しておりますが、例えば、ベントス群集の調査・解析ですとか、あるいは有用二枚貝の資源量、魚の漁獲量の調査、珪藻赤潮の発生状況の調査といったものが該当していると思います。
 また、(2)につきましては「関係者による連携の強化と情報発信・共有の推進」ということで記載をしております。平成28年度委員会報告にも似たような項目の記載がありましたが、新たに明らかになった事項等を踏まえて記載を修正しております。具体的には関係者が連携して総合的かつ順応的に取り組んでいく必要性や、情報の集約・オープンデータ化及びそのデータの活用について記載をしております。
 最後に(3)としまして、継続的な評価及び取組ということで記載をしております。今回の令和8年度委員会報告では、初めて有明海・八代海等の再生目標の達成状況について評価を行いました。今後も再生目標の達成状況や再生方策の進捗状況について定期的に評価し、事業の見直し等に適切に反映させることが求められていると考えております。
 また、今回記載しました再生目標及び再生方策は不変なものではなく、状況の変化に応じて見直すものと考えております。そして順応的に取り組んでいくことが重要であると記載しております。
 以上が、総説編でございます。
 資料2-6 第7章(詳細編)についても御説明をさせていただきます。総説編との大きな違いとしまして、こちら15ページからでございますが、「7.2.3再生方策と個別事業の関係」を追加しております。
 関係省庁や関係県では、今回設定した再生方策についても既に関連する様々な事業に取り組んでおりますので、再生方策を設定した原因・要因ごとに整理して記載をしております。例えば、18ページに記載のとおり、サルボウに係る淡水流入・低塩分化につきましては、現時点で関連する事業が存在しないということで、今後対応する事業を検討していく必要があると考えております。
 なお、個別事業の関係の部分については、現在行われている事業を整理したものでございますので、今後の見直しによって新たに行われる場合や、あるいは逆に事業が廃止される場合もあります。
 以上で、第1章、第2章及び第7章の御説明を終わらせていただきます。
○阿保委員長 どうもありがとうございました。
 ただいま御説明ありました内容(資料2-1から資料2-6)につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。挙手をしてください。
 速水委員、お願いします。
○速水委員 第7章についてですが、全体として非常にはっきり、かつ分かりやすい表現になり、様々な課題が明文化され、よい内容になったと思いますが、1か所もう少し変えたほうがいいのではないかという箇所があります。二枚貝のところで、アサリやサルボウについて、現在に比べて「資源量の増加傾向がみられる」ということを、中期目標にされています。ただし、アサリもサルボウも、特にサルボウが顕著ですが、現在は、非常に資源量が低い状態です。
 そのため、10年の間に多少増加傾向になったとしても、漁業として成立することは恐らく難しいと思います。そのため、増加傾向というよりも、例えば「持続可能な漁業を営むことが可能な資源量を目指す」など、もう少し漁業として成り立つような水準を目標にしたほうがいいのではないかと思いました。御検討いただければ幸いです。
○阿保委員長 事務局から回答ありますでしょうか。
○海域環境管理室主査 ありがとうございます。こちら、特に水産資源の観点というところからだと思いますが、そういった観点から申しますと漁業者や、地元の方の理解が重要と考えております。今後、関係各県の漁協などの意見を聞く予定としておりますので、改めて検討させていただければと思います。
○阿保委員長 ありがとうございます。では、よろしいでしょうか。
 それでは次、福岡県水産海洋技術センターの藤井委員、お願いします。
○藤井委員 福岡県水産海洋技術センターの藤井です。資料2-5の10ページの10行目以降になるのですが、ここに適正な漁場利用というのが記載されておりますが、何をもって適正とするのかという点です。
 この後の資料4の10ページに各県のノリの柵数が大幅に減少している事実が示されております。福岡県は数字が記載されていないのですが、資料に記載の内容で説明しますと2008年と比較して2025年の柵数というのは、2008年の81%まで低下しておりまして、柵数の減少が生産減の大きな要因ともなっている事実があります。そのため「減柵を含む」という記載について、地元としては、もうこれ以上減柵すると産地としての存続が危うくなるのかなと感じている部分があります。
 同じく10ページですが14行目以降です。「栄養塩不足」という見出しに対する内容として、16行目に「下水処理場等からの栄養塩類の増加運転」の記載があります。この見出しの栄養塩不足というところと、16行目以降の記載というのがミスマッチに見えます。栄養塩不足を栄養塩管理に書き換えるべきではないでしょうか。珪藻赤潮がノリ漁期中に発生して長期化することがなければ色落ちの問題は発生しないということですから、現状は珪藻赤潮の長期化を招くことができるほどの栄養塩類が存在しているため、栄養塩不足は適切ではないと思います。
 以上です。検討をよろしくお願いいたします。
○阿保委員長 事務局からお願いします。
○海域環境管理室主査 ありがとうございます。1点目の「減柵を含む」という記載ですが、こちら、平成28年度委員会報告の表現がそのまま書かれているような状況でございましたので、現状を踏まえて、また改めて検討させていただければと思います。
 2点目の栄養塩不足についてですが、こちらはサブ連関図に即した表現として記載をしております。書き方があまり適切でなかったかもしれませんが、珪藻赤潮の発生による栄養塩不足や、少雨による栄養塩不足というものも含めて記載をしているところではありますので、表現としては単に管理というよりも不足している状況にはあると考えております。ただ、御指摘のとおり、栄養塩不足というところと増加運転というのがミスマッチであるというところはあるかと思いますので、この分類を検討してみたいと思います。
○阿保委員長 藤井委員、よろしかったでしょうか。
○藤井委員 ありがとうございます。ちなみに資料2-6も重複しているので、同じ内容ということでよろしくお願いいたします。
○阿保委員長 それでは次、松山委員、お願いします。
○松山委員 よろしくお願いいたします。7章の7.3の(2)になりますけども、「関係者の連携の強化と情報発信・共有の推進」というところがありまして、「さらに、新たな知見を充実させるため、有明海・八代海等の海域環境や水産資源に係る調査研究を推奨し、分野横断的な研究を推進していくことも重要である」という記載がございます。
 これに相当する記載として、前回の令和3年度中間取りまとめを参照いたしますと、海域環境等の調査研究を推進する内容は継続して記載されていますが、これに係る調査研究能力のある研究者を養成していくことが記載されていました。それが今回、調査研究そのものを奨励ということで、人の養成のところから研究体制の強化というところに少しニュアンスが変わった表現になっております。一方、中間取りまとめが作成されて以降5年間で、研究者が充実したという状況もありません。
 基本的に人の養成だけすればいいというわけではないため、この書きぶりでも特段問題はないと私は思いますが、例えば研究課題だけでなく人も含めて調査研究体制を奨励しつつ、人の養成も読み込めるニュアンスになるように文章を修正いただくよう御意見を述べたところでございます。
 以上です。
○阿保委員長 事務局、お願いします。
○海域環境管理室主査 ありがとうございます。内容につきましては令和3年度中間取りまとめなどを参考に、追記させていただければと思います。
○松山委員 よろしくお願いいたします。
○阿保委員長 それでは古米評価委員長、お願いします。
○古米評価委員長 古米です。どうもありがとうございます。私からは総説編と詳細編の関係についてと、記載の内容について2つに分けてコメントしたいと思います。
 今回、総説編と詳細編で構成するということになりましたが幾つか整合がとれていない内容があります。例えば資料の2-2 第1章(詳細編)があり、第1章というのは1.1~1.6という項目が立てられている。詳細を見ると、それぞれについて詳しく書いてある。それに対して資料2-1の総説編は、その詳細編の概要が説明されていることになるが、1.1~1.5はあるが、1.6は総説編になく消えてしまっている。総説編と詳細編の関係について若干誤解が生じかねないため、項目だけは全て書く必要がある。詳しい内容は詳細編で見ていただくが、その中でも特に重要なエッセンスは総説編に書いてある形にしていただくのがとても重要であると思います。
 同じように資料の2-4 第2章(詳細編)は、2.1と2.2があり、2.2の中には2.2.1と2.2.3がある。ここは2.2.3ではなく、2.2.2だと思う。2.2.3の中に(1)(2)(3)とある。しかし総説編は2.1、2.2、2.2.1、2.2.2(1)はあるが、(2)と(3)はなく、総説編が全てカバーされていない状態になっているため、整合性をとることが重要であると思います。
 資料の2-6 第7章(詳細編)も同じように7.1、7.2、7.3と細かい項目及び括弧書きがある一方、総説編を見ると7.1、7.2はあるが7.2ののうち細かい項目の7.2.3の個別事業の関係のところは先ほど同様に丸ごと記載がなく、詳細編しか書いていない。また、これは誤記だと思いますが、7章(詳細編)の目次において、7.3には(1)~(4)の4項目あるとされているが、今日提示された本文は3項目しかない。目次が違っているのであればいいけれど、前回からどのようにバージョンアップしたのか気になりました。
 次に、内容についてです。
まず1点目です。第7章は再生への取組を示す章であり、平成28年度に示された再生目標を基に、第5章及び第6章で評価を行い、今後おおむね10年間を考える上で、従来の全体目標に加えて中期目標を設け、より具体的に進捗を管理するという意思を示したものと理解しています。このような構成の中で、全体目標をそのまま踏襲することがよいのかという点が気になります。
 具体的には、この10年間で評価委員会において様々な議論があり、今後検討する上では気候変動のことは考えなければならないという議論があったと記憶しています。それ以外にも幾つか重要かつ平成28年度では議論されていないことも含め、それらを踏まえた形で、全体目標を少し変えることもよいのではないかというのが私の考えです。中期目標が設定されたことはとても重要で意味があるが、今の段階ではおよそ10年後に対して、これを評価するという表現にはなっていないため、何をもって中期の目標なのかということが分かりにくい状態です。それを記載しなければ、新たに設定された目標の位置付けが分からないのではないかと思います。
 例えば資料の総説編、ベントスの変化の再生目標を見ていただくと、目標には「改善傾向」、「多様性指数」、「種類が増えた」という表現が入り、改善傾向が具体的に評価できる形になった。多様性を確保する、改善することを図るというような曖昧な抽象的な表現でなくなり、健全性の指標も考慮して評価するということで、一歩前に進んでいる。ただし、それに対する再生方策は、「ベントスの変化」、「ベントスの変化に関する原因・要因」と記載されており、方策であることが分からない。方策は方策であるように記載しなければならないのではないかと思います。
 ア)ベントスの変化に関しては、その下に3つ書いてあり、そこには「解析手法を検討する」、「データを取得・解析する」などの記載がある。ただし、項目名であるア)が「ベントスの変化」では、方策を示しているように見えにくく、それぞれの個別の項目を見ないと方策が分からない。そのため、方策として何を行うのか明示するような形で書く必要がある。方策の中にベントスの変化に係る原因・要因を解明するという話であれば、まだよいけれど、解明後にどのような改善につなげるのかということが、方策だと思う。内容としては整理されていると思うので、もう少し書きぶりを変えたほうが、中期目標に対する再生目標を明示できるのではないかと思います。それは1から5の全て、生物の生息環境の確保までつながっているので、書きぶりだけかも分かりませんが、確認をいただければと思います。
 最後に全体についてです。前回の平成28年のときの再生方策の記述に対して、今回は中期目標という形が出てきて海域ごとの設定ではなくなっています。前回と今回の中期目標の関係を整理し、前回とどのように変わったのかを理解した上で最終報告書として取りまとめておかないと、今日のような概要説明では評価委員の方々、あるいは小委員の方々もフォローできないと思います。
 特に1章、第2章、第7章は今まで具体的な説明がない、初めて議論する章である。本来なら、第3章、第4章、第5章、第6章でどのように議論をして、第5章、第6章の評価を受けた形で第7章が出てこないといけない。さすがに前回の委員会での第6章の中身まで覚えていることは難しい。本当は事前に前回までの内容を勉強して今日の会議に参加しなければならないかもしれないが、読み込むことは大変であるため、どのようにレビューして、平成28年度報告での目標や方策に対して、今回の令和8年度報告において変えたことや、さらにこういう留意点を踏まえた形で目標設定している、方策を実施しているということを一覧表などに示すと、最終的な取りまとめが進むのではないかと思います。
 私からは以上です。
○阿保委員長 ありがとうございます。事務局からお願いします。
○古米評価委員長 きっと事務局から今すぐにお答えするようなことではないかと思いますので、お考えいただければと思います。
○海域環境管理室室長 古米委員長、ありがとうございます。先に第7章についていただいたコメントについて、現時点の回答をさせていただきます。まずは、中期目標はいつまでに達成するのかと言われますと、まさに1ページ目に書いておりますように、おおむね10年後を見据えた目標ということで、これまでの平成28年目標で掲げていた全体目標は維持しておりますが、それに対して期間を区切って、それまでに何を達成するかということで書いているつもりではございます。記載内容がやや定性的ではありますので、分かりにくいという御指摘かと思って聞いておりました。
 ただ一方で、例えば二枚貝について申し上げますと、全体目標では二枚貝の生息環境の保全・回復というのが目指すべき姿になっておりますが、それに対してタイラギについては各生育段階での生残率の改善、アサリについては浮遊幼生量と資源量の増加、サルボウについては浮遊幼生の発生と資源量の増加ということで、まさに今現在進行形で、各種事業で取り組んでおられる内容の延長線でありつつ、かつ10年後に到達したい内容を書いておりますので、前回の目標に比べ、具体的にしたつもりではございます。達成評価ということでもある程度、定量的な数値でもって評価をしやすいような意識はしているものではございます。
 一方で、御指摘のあった再生方策の記載の仕方で、例えば、有用二枚貝の減少というのがア)になっており、イ)が減少に係る原因・要因となっていて、再生方策に見えにくいという御指摘だったかと思います。
 今回の報告書の一つの新規性でもありますサブ連関図の各項目に対し、それぞれ対応する再生方策を記載しているため、まずは、ア)とかイ)にはサブ連関図での項目を書かせていただいております。①、②、③も同様です。こちら、先ほども福岡県から御指摘をいただいた栄養塩不足というのが最初にあるのは違和感があるという御指摘とも共通しているかと思います。
 趣旨としては、サブ連関図の各項目に対してどのような再生方策を講じるのかという意図で書いておりますが、もう少しそこが分かるように、例えば有用二枚貝の減少という二枚貝そのものに対する再生方策と、あとは減少要因になっている生物の食害に対する再生方策など、分かるような整理を検討したいと思います。
 7章以外の部分での御指摘について、海域環境管理室主査からお答えさせていただければと思います。
○海域環境管理室主査 まず、第1章に関しましては1.6がないという御指摘でした。1.6は、確かに総説編になく詳細編にだけある状況でございましたので、検討状況のこちらの今、画面に示しておりますところを総説編にも書かせていただこうかと考えております。
 第2章につきましては、海域区分と2.2.2であるべき箇所が2.3.2となっており大変失礼いたしました。2.2.2までは確かにあるところですが、(1)(2)(3)の区分がないという御指摘であったと思います。こちら、2.2.2の部分をまとめたところがこの海域区分の概要と書かせていただいているところでございますが、また(1)(2)(3)と分けるのか、別の表現とするのかは検討していきたいと思います。ただし、恐らく目次を示す際は2.2.2までとし、(1)(2)(3)を除いた形で書くことになるかなとは考えております。
 ただ、先生の御指摘のとおり、(1)(2)(3)と総説編にも書くことが適当であるということであれば、また改めて書き方を考えてみたいと思います。区分の書き方、あるいは目次の書き方については改めて検討させていただければと思います。
○海域環境管理室室長 続きまして、第7章の資料2-6でございますが、こちらの詳細編の目次の7.3の項目が違うという御指摘につきましては、こちらは目次の修正が漏れておりまして、本文が最新版ということでございました。大変失礼をいたしました。こちらについては修正をさせていただきたいと思います。申し訳ございません。
 最後にご指摘いただきました、平成28年目標に対してどのような評価をして、今回の目標を提示するに至ったのかという背景や経緯が分かるような資料ということで、事務局内での整理としてもあってしかるべきかと思いましたので、次回の委員会に向けて案を作成し、評価報告書とは別にお示しできるよう考えたいと思います。ありがとうございます。
○古米評価委員長 どうもありがとうございました。私も10年後というのを前回聞いていたのですが、すみません、図や本文に記載があるのですね。すみません、私の見落としでした。
 あとは、いろいろと対応いただけそうなのでよろしくお願いしたいと思います。私からは以上です。ありがとうございました。
○阿保委員長 ありがとうございました。また御検討、御対応よろしくお願いします。
 それでは矢野委員、お願いします。
○矢野委員 矢野です。資料2-5と資料2-6に共通する部分についてです。資料2-5の3ページに、図7.2.2-1「目標の構成イメージ」があります。この図自体に問題はありませんが、その後に各中期目標に対する再生方策が記載されているため、この図に具体的な内容を反映した図もあった方がよいと考えます。
 中期目標は具体的に記載されていますが、再生方策はイメージにとどまり、全体目標も「全体目標」と項目名のみとなっています。全体目標と再生方策の具体的な文言を入れた図を1枚作成すべきで、そのような図があれば全体像を一枚で把握でき、まとめとして有効に機能すると考えます。
 以上がコメントです。
○阿保委員長 事務局、いかがでしょうか。
○海域環境管理室主査 矢野委員、ありがとうございます。いただいた御意見というのは、全体目標に例えば具体的な目標を記載し、ベントスの変化の部分にはまた具体的な目標を記載していくということかと思いますので、また改めて図を作成し、次回の小委員会などでお示しできるよう進めたいと思います。
○矢野委員 よろしくお願いします。
○阿保委員長 ありがとうございます。松山委員、お願いします。
○松山委員 よろしくお願いします。7章(詳細編)13ページ(5)生物の生息環境の確保のところに貧酸素水塊について記載があり、再生方策のところのアの貧酸素水塊の発生件数の増大・大規模化というところの部分での今後の対応というところが記載されており、3ポツ目に、「底層溶存酸素量の水質環境基準の適切な類型指定を進める」というような記載があります。
 これは前の中間取りまとめからもここの文言はずっと入っており、ほぼ同じ文章がそのまま入っていると思っていますが、具体的に進めていこうとすると、有明海・八代海にいて貧酸素によって多大な影響を受けているような生物(代表種、あるいは保全対象種)を一つの基準として定量的な数値を定めていく必要があるのかなと思います。
 ただし、今までのところ、委員会議論の中で有明海の貧酸素に対する非常にデリケートな反応を示す代表種というのは、リストアップしたことがありません。ただし、この文章を残すならば、今後検討を進める必要があるため、本文に具体的な種名まで記載する必要はありませんが、代表種・保全対象種を設定して検討する必要性は記載した方がよいと思いコメントしました。
 以上です。
○海域環境管理室主査 ありがとうございます。前回の評価委員会でも底層DOの類型指定については御意見をいただいたところではございますが、この評価委員会の中では類型指定を進めるというものではございませんので、また担当課と相談した上で記載方法を検討させていただければと思います。
○松山委員 分かりました。よろしくお願いいたします。
○阿保委員長 そのほか、ございますでしょうか。オブザーバー参加の方も含めて、もし質問等あればお願いします。
 清本委員、お願いします。
○清本委員 今回オブザーバーで参加させていただいています、水産機構の清本です。2章での記載と、今回は議題ではありませんが、関連して3章での取扱いに関して質問させていただきます。項目としては藻場・干潟に係る部分です。
 資料2-3の「2.2.1海域全体の特徴」という部分の天草市牛深町周辺海域に係る部分で、藻場について牛深町周辺の海岸地先にはクロメやホンダワラ類を構成種とするガラモ場も多数確認されているという記載があるのですが、これの出典が1990年のかなり古い資料に基づく記載になっているようでした。
 一方、皆さん御存じのように近年、磯焼けや、四季藻場から春藻場、小型海藻場への変化が日本周辺のいろいろな海域で問題視されておりますので、現在の文案のように記載してしまってよいか疑問に思いました。
 そこで関連資料として、藻場・干潟に係る、これまで提示いただいた委員会資料を確認しました。第20回小委員会の第3章原案3.7の藻場・干潟に係る部分では、藻場面積の減少傾向や、変動要因に係る記載はありましたが、構成種やその変化等については特に言及されていませんでした。主に衛星データが使われているので、衛星データから構成種を判別というのは非常に難しいと思いますが、第2章の概要で藻場の構成種に係る記載を何らかするのであれば、第3章の現況把握の中でも可能な範囲で現場調査の結果等を収集して、構成種の現況や変化などについての記載を補強するのがよいのではないかなと思ったのでコメントさせていただきました。
 今回は、第3章は議論の対象外なので、次回第3章を議題にしていただくときでも構いませんので、その辺りの取扱いについてお考えを伺いたいと思いましたので、御検討をよろしくお願いします。
 以上です。
○海域環境管理室主査 ありがとうございます。まず、2章につきましては御指摘のとおり、資料が古いということもございますので、まずは新しい資料で当たった上で記載を検討させていただければと思います。よろしければ、御存じの資料ございましたら御提供いただけますと幸いです。
 第3章につきましては実際の結果を記載しているところでございますので、それと整合が取れるようにということで記載を検討させていただければと思います。
○清本委員 藻場関係に関わっていた人に聞いたのですが、恐らく1990年が広域の現場調査をやった最後で、これ以降、広域の現場調査はされていないのではないかという話を聞きました。断片的なデータしかないのかなとは思いますが、少なくとも後段の表の2.2.1で、藻場面積の出典となっているデータが2020年の調査のようで、このときに何か所かの代表地先では実際に現場調査がされておりました。その結果として、大型褐藻があまりなかった、小型褐藻類のみで大型褐藻類の分布が確認されなかった等の記録があるようですので、この資料を参照されてはいかがかと考えます。
 以上です。
○海域環境管理室主査 清本委員、ありがとうございます。まず、2020年の調査などを調べてみたいと思います。ありがとうございます。
○阿保委員長 ありがとうございます。
 熊本県の山下委員、お願いします。
○山下委員 熊本県の水産研究センターの山下です。清本委員、情報ありがとうございました。
 実際、熊本県でも牛深地先で藻場の調査を保護水面で継続的にやっているところですが、1990年代は大型褐藻類が多く生えておりましたが、近年は小型の藻場になっている場所があることや、場所によっては磯焼けしてしまい海藻は生えずにサンゴが繁茂しているような箇所が多くあると聞いております。地元の漁業者からも藻場の増殖に向けて取組をしたいので、一緒に取組み、技術指導をしてほしいという意見も出ています。このままの記載では現状を反映していないのかなと考えました。
 以上でございます。
○阿保委員長 ありがとうございます。そのほか、ございませんでしょうか。
 山口委員、お願いします。
○山口(敦)委員 ありがとうございます。先ほどの清本委員の藻場に関する御意見について、私も同様に考えていました。データが古いことに加え、橘湾については同様の記載がないため、この段階で詳しく記載することは時期尚早ではないかと考えます。有明海や八代海と比べ、橘湾と牛深町周辺では記載方法が統一されておらず、これまで十分な議論も行われていません。文献等を基に現状の藻場調査を記載することも考えられますが、今後検討すべき課題も多いため、様々な情報を急いで追加し、後に新しい情報の有無や正確性を議論するよりも、現時点では必要最小限の内容にとどめることがよいのではないでしょうか。記載するのであれば、位置、水深、河川等の一般的な特徴に限定し、有明海等の記載方法に合わせるとよいと考えます。
 有明海に関しては少し生物を抽出して記載されており、これも恐らく、どの委員からも異存のない代表的なものを書いていると思うのですが、こちらの2つの海域については記載すべき内容についてもまだ十分議論されていないので、書きぶりについては注意されたほうがいいのではないかと思いました。
 もう1点が、これも先ほど古米委員長が言われたことと関連するのですが、資料2-6の例えば6ページのところのベントスの中期目標です。
 中期目標が「ベントス群集の種数・多様性に改善傾向がみられる」と抽象的で、章全体を読んでいくとどのような意図を伝えたいか分からない。うがった見方をすると、どのような結果が出ても改善したと言えなくもないような目標になっているため、書きぶりを検討した方がよいのではないかと思います。目標を具体的に書きにくいということも分かるのですが、もう少し具体的に書いたほうがいいのではないかと思いました。
 併せて、細かい点ですが、資料2-6の7ページ、生物による食害の箇所についてです。「食害生物の駆除に当たっては、対象とする生物以外の希少種が混獲されないよう十分留意する」とありますが、現状の駆除事業では、混獲を完全に避けることは困難です。この記載を残すのであれば、希少種が捕獲された場合に生かしたまま放流するのか、それとも選択的に捕獲するのかなど、具体的に記載した方がよいと考えます。
 以上です。
○海域環境管理室主査 山口委員、ありがとうございます。先ほどの意見も踏まえまして、最初の2章の橘湾と牛深町周辺の海域の書き方については改めて検討させていただければと思います。
 ベントスの目標に関しましては、御指摘のとおり、抽象的ではあるのですが、改めて事務局で検討させていただければと思います。
 エイ類等希少種の混獲に関しましては、水産庁などが事業を担当していると思いますので、また水産庁などと協議させていただければと思います。
○海域環境管理室室長 私からも補足でございます。第2章の記載につきましては山口委員御指摘のとおりでございまして、ここは一般的な特徴を記載する章でございますので、ある程度、一般的で、かつ皆様に受け入れられるレベルの記載にとどめるということで検討させていただきたいと思います。
 ベントスについては、具体的な方策という観点では、現在「ベントスの変化」に記載されている内容はおおむねモニタリングです。具体的な改善方策は、底質の泥化、出水、貧酸素等への対応となりますが、二枚貝を目的とする事業が、結果として底質環境の改善やベントス群集の回復につながることを想定しています。この関係が十分に記載されていないため、方策と目標の双方が抽象的に見えるものと考えます。
 このベントス群集自体を目的にした再生方策というのは、モニタリング以外では想定がしにくいということもありますので、その上で目標としてどこまで具体化できるかというのは改めて検討しますが、苦労しているところではございます。
 また、速水委員の御指摘に対して補足します。先ほど御指摘いただきましたのが、増加傾向という記載で少し増えたからいいとするのは目標として低いのではないかということで、漁業として成り立つ水準を目指すとか、持続可能な漁業が可能な資源量みたいなものを目標設定できないのかという御指摘でございました。
 どれくらいの資源量になれば持続可能か、一義的に決めるのが困難であるというのがまず前提としてありまして、漁業関係、水産試験場の方々など、関係する委員の方々の御意見も伺いたいところではございます。もう一つは、地元の漁業者の方々のお声を聞く必要があると思っております。それについては先ほど内田から申し上げましたように、この小委員会の後に直接各県の漁業関係者を回って意見を聴取することを考えておりまして、そうした中でどういった御意見をいただくかというところも踏まえて検討したいと思ってございます。
 持続可能な漁業資源量が確保できたならば、それは既に全体目標を達成していることになると思いますので、その全体目標に向けて、この10年でどの程度まで、ということを現実的に考えた上で、状況を上向かせるという趣旨で記載をしております。浮遊幼生量の増加についても、それを踏まえて具体化したところでございまして、また御意見をいただければと思ってございます。
○阿保委員長 ありがとうございます。御検討お願いします。
 それでは、山下委員、お願いします。
○山下委員 山下です。第7章の総説編と詳細編で、全体的な御意見ということで聞いていただければと思いますが、本当に取りまとめ、大変だったろうと思います。どうもありがとうございます。
 中身を読ませていただいたときに再生方策を県で、それを実行していくと考えたときに、率直に申し上げると今とあまり変わらないことを書いてあり、それを実施すれば10年後の目標を達成できるのか、予算要求や漁業者への説明に際して、疑問が残る。本当にこの方策を実施していくと長期目標を達成できると考えていいのかお聞きしたい。
○海域環境管理室室長 御意見ありがとうございます。長期目標は非常に総括的な目標になっており、それに至るパスが明確でないことが前回の平成28年報告書の評価をする上での課題にもなっていたかと思っております。そういった意味では、今回およそ10年後で一つの区切りをつくり、その目標を設定したことで、長期目標の達成度合いがすぐさま直接的に分からなくても、中期目標に対して、近づいているかを具体的な数字でもって評価できるのではないかと思っております。
 例えば先ほどの二枚貝で言いますと、タイラギの生残率が各成長段階において改善しているかということは、データを集めることである程度可視化できますし、アサリの浮遊幼生量や資源量の増加についても同様と思っております。
 今の実施方策を継続すれば、目標に至るのかにつきましては、毎年の評価委員会において進捗評価をしながら、順調に進んでいるか、現状の対策のみでは十分ではないかも含めて評価をした上で、追加の対策の必要性を議論していくものだと思っております。
 現時点で、現在示している方策で確実に足りるのかは、海域環境が変化する中で断言が難しいですが、必要だと思われる要素は記載したうえで報告書案の作成を進めており、今後はPDCAを回しながら見直していくということで考えてございます。
○阿保委員長 よろしかったでしょうか。
○山下委員 分かりました。これからもまた改善していくということで了解しました。
○阿保委員長 それでは速水委員、お願いします。
○速水委員 第7章のベントスの目標設定及び再生方策についてです。5項目のうち、ほかの4つに比べるとベントスというのは過去のデータが圧倒的に少ないです。2000年以前の有明海のベントス群集に関する過去のデータというのは本当に非常に限られていて、したがって再生に当たっても、どのようなベントス群集を目指すことが望ましいかということもよく分かっていない。ただし、かなり漠然とベントス群集全体がプアになってきたということは研究者、それから漁業者全体として印象として持っている状態であるため、目標や再生方策が曖昧で漠然とした形になることは仕方がないと思います。
 そのため、この部分には明確にベントスの過去のデータが水産漁業種以外は非常に限られていること、そして、過去の群集の推定などを含めたところから取り組む必要があるということを記載しておくと、ほかの項目と比較しても分かりやすい説明となるのではないかと思います。
○海域環境管理室主査 ありがとうございます。御指摘のとおりベントスは非常に目標・方策が設定しにくいところではあったのですが、いただいた意見を参考に再生方策などを書かせていただければと思っております。
○速水委員 よろしくお願いします。
○阿保委員長 かなり予定時間を超過しておりますが、ほか、御質問ありますでしょうか。それでは、これで議題(1)を終了いたしまして、続いて議題(2)に移らせていただきます。
 議題(2)、令和8年度報告書原案(第4章、第6章)(第20回小委員会からの更新版)ということで、資料3-1から資料5について環境省より御説明をお願いいたします。
○海域環境管理室室長補佐 環境省海域環境管理室の鈴木でございます。議題(2)令和8年度報告原案、第4章、第6章について御説明いたします。
 第4章及び第6章は前回7月の小委員会で案を示し、その際の御意見を踏まえた更新版を今回作成しております。第6章については、前回は詳細編のみを示しておりましたが、今回の御意見に基づき修正を反映させた上で総説編も作成しております。
 御説明の流れとしては、まず、資料5の意見と対応方針をまとめた表をもとに第4章についていただいた御意見を紹介し、次に資料3-1、3-2の第4章の本文中の修正箇所を説明いたします。続いて、資料5に戻りまして第6章についていただいた御意見の紹介、そして資料3-3、資料3-4の第6章の修正事項という順で説明させていただきます。
 それでは、まず資料5を御覧ください。いただいた御意見及び対応方針をNo.1からNo.36まで記載しておりますが、主に今回の資料の修正に関わる部分について御説明いたします。なお、意見No.1にも記載していますとおり、前回小委員会において会議後にも意見を提出できる機会を設けてほしいとの御意見をいただいたため、小委員会開催後に委員の皆様へ意見照会を行いました。今回の資料5には、その意見照会で得られた御意見も含めて記載しております。
 また、今回についても同様の対応としまして、本日の小委員会開催前からあらかじめ意見照会を行っております。来週9月15日火曜日を期限としておりますので、本日の委員会を踏まえ、御意見等ありましたら送付いただきますようお願いします。
 では、資料5について引き続き御説明いたします。まず、第4章に関係する部分になります。No.5、八代海の漁獲量について、浮魚類に限らず底生魚類の減少が著しいとの意見をいただき、記載を追加しました。
 次にNo.7について、タイラギの生息分布がA2海域に偏るとあるが、何が偏っているものか分かりづらいとの指摘をいただき修正しました。
 続いて、2ページです。No.9について、タイラギの限定要因法は例外に見えるデータがあるため、結論としては言い過ぎではないかとの御意見をいただきました。前回の小委員会でいただいた意見ですが、確認しましたところ、確かに例外的に生息しているデータはあるものの、より新しい知見として水産庁により0.13mg/g以上で生息が見られないとの資料がありましたので、これを上限値として設定したものでした。従いまして、第4章については御意見を踏まえ、図の注記としてそれを追記しています。
 No.10について、No.10-1~10-5まで関連する意見をまとめて記載しておりますが、トラフグの放流に関する御意見をいただきました。御意見を踏まえて、小委員会の開催に先立ち、関係者とも協議を行った上で表現等を修正しました。
 3ページです。No.12について、八代海のコノシロの食性や生態系における役割について御意見をいただきました。御意見を踏まえて食性に係る表現を修正しています。ただし、生態系についてはコノシロがどのような生物に餌として捕食されるかといった知見が得られておらず、今回は記載しておりません。コノシロに限らず、八代海の魚類生態系構造全体の知見が不足していると考えており、その旨は第6章や第7章に記載しています。
 続いてNo.13について、底層水中の有機物の増加による貧酸素水塊への寄与の項目における文献の解釈が誤っているとの御意見をいただきました。改めて確認し、別の文献を引用しつつ、節全体の記載を見直しています。
 続きまして、御意見を踏まえて修正した報告書第4章の原案の修正箇所について御説明します。資料3-2、詳細編で説明させていただきます。修正箇所は黄色ハイライトで示しています。36ページを御覧ください。
 この部分は委員からの御意見を踏まえた修正ではなく、直近で新たに得られた実験の結果を反映したものになります。タイラギに対する底層の濁度の影響について、泥濃度と餌濃度の関係について実験の結果、餌濃度2μg/Lでは泥濃度72mg/Lまで、餌濃度20μg/Lでは泥濃度209mg/Lまで、餌濃度によって泥濃度の影響が変化することが確認されました。また、実際の海域において有効餌料量を計算したところ、有効餌料量の増減に応じてタイラギの貝柱中のグリコーゲン量が変化することが確認されました。41ページのまとめについても同様に実験を踏まえて修正しております。
 次に73ページに進みましてトラフグの種苗放流に関する記述ですが、前回の小委員会での御意見を踏まえて、産卵時期の記載を追加しております。また、74ページの図についても修正しております。
 続いて80ページに進みまして、八代海の魚類漁獲量についてです。統計的な解析結果から長期的な減少は見られていないと記載しておりましたが、委員からの御意見を受けて2017年度以降は減少していること、2023年度には過去最低となったことを記載しています。また、第3章、第6章にも同様の記述があり、併せて修正しています。
 次に、82ページです。コノシロが生態系に及ぼす影響について、コノシロが積極的に有害プランクトンを食べているように誤解される表現との御意見を踏まえて、低い割合ながらと追記しております。
 87ページです。底層水中の有機物の増加による貧酸素水塊への寄与について、文献の解釈が誤っているとの指摘を受けて全面的に記述を見直しました。一つは、前の節でも引用している文献ですが、ボックスモデル解析により有明海湾奥部の夏季のCODが増加し、貧酸素化が進行したことが示されています。また、二枚貝の減少が植物プランクトンの増加、底層水中の有機物の増加、底層DOの低下、二枚貝を含むベントスの減少と負のフィードバック効果があることも示唆されています。加えて別の論文からの引用ですが、六角川河口において大潮時の上下混合により水柱全体で貧酸素水塊が発達していることが確認されています。
 続いて、第6章についていただいた御意見について御説明します。改めて資料5を御覧ください。第6章に関しては前回初めて案を提示したところでしたので、細かいところを含めてほかの章より多数の御意見をいただいております。
 まず、3ページのNo.18についてです。赤潮の記載方法を検討すべきとの御意見いただきました。単に赤潮と書いた場合、有害赤潮か、珪藻赤潮か、分かりづらいということで表現を精査しました。第3章から第5章についても同様に確認し、修正しております。
 続いて4ページ目です。No.20について、ベントスの評価の表現について御意見をいただきましたが、現状から考えると目標の達成状況の評価が困難であったため、現行の表現としています。
 No.22についてです。タイラギに係るさらなる対応が求められる課題に貧酸素水塊の軽減や解消に向けた取組、及び技術開発を記載すべきとの御意見をいただき追記しています。
 次にNo.23について、ノリ養殖の問題に係るさらなる対応が求められる課題の一つが分かりづらいとの御意見をいただき修正しました。
 続いてNo.24について、藻場・干潟の調査結果が魚類等の変化の項目に含まれていることに違和感があるとの御意見をいただき、生物の生息環境の確保の項目に記載を変更しました。
 続いて5ページにまいります。No.25について、八代海の魚類等の変化そのものが確認されていないとの誤解を受けかねない表現となっているとの御意見をいただき、表現を修正しました。
 次に、No.26及び27について、魚類の漁獲量は減少傾向にあるため、表現及び評価を修正してほしいとの御意見をいただき、修正しております。なお、評価の部分は修正しておりませんが、委員の意図を含む表現として記載しております。
 次にNo.29について、八代海の魚類に係るさらなる対応が求められる課題として魚類生態系構造の調査が必要な旨を記載しておりましたが、水産種ではないサメ・エイ類を代表例としていることについて御意見をいただき、水産種を含む表現に修正しました。
 次にNo.31-1~31-3について、生物の生息環境の確保に係る再生方策として記載している底層溶存酸素量の類型指定について複数御意見をいただき、表現を修正しました。
 続いて6ページです。No.33について、評価に基づく今後の方向性の記載について御意見をいただきましたので、全面的に見直しております。詳細は後ほど御説明します。またNo.35について、時間的・空間的スケールを意識した目標設定に加えて、再生方策も記載すべきとの御意見をいただき、追記しております。
 それでは資料3-3、3-4に移りまして、ただいま紹介した御意見を踏まえ、修正した第6章の案について御説明いたします。修正した箇所は総説編、詳細編共通ですので、資料3-3の総説編を用いて御説明します。前回から修正した箇所は黄色ハイライトで示しています。
 まず、委員からの御意見ではなく関係省庁との協議を踏まえて修正した点について、評価の表現を修正した箇所がございます。それは4ページになります。1つ目の再生目標について、前回の案では単に保全回復には至っていないと評価していたところですが、保全回復には至っておらず、引き続き取組の継続が必要な状況と修正しております。8ページ、9ページの有用二枚貝、17ページの生物の生息環境の確保についても同様に引き続き取組の継続が必要と記載の修正をしております。
 次に、委員の御意見を踏まえて特に大きく修正した箇所としまして、18ページ、19ページの「6.3.3、評価に基づく今後の方向性」について御説明します。まず、原因・要因の解明について、平成28年度委員会報告から大きく進展した事項を記載しています。前回の小委員会では生態系構造の変化のみを記載していましたが、タイラギの立ち枯れへい死の原因・要因の解明、赤潮の被害軽減技術の開発に係る検討を追加し、この3点について特に大きな進展が見られたことを記載しています。これらについては今後、さらなる知見の集積や得られた知見を活用した水産資源等の再生方策の検討が求められているとまとめています。
 次に27行目、「また、近年、気候変動による影響が顕在化しており」の部分ですが、特に複数の主要5項目に共通する原因・要因について得られた新たな知見について記載しています。前回の小委員会でも記載していたものと同様ですが、出水、長期的な水温の上昇、貧酸素水塊の増大・大規模化の3つの項目を挙げております。
 19ページに移りまして、4行目のこれらについては将来気候において影響が増大することが予測されており、予測には不確実性が伴うものの、複数の項目への影響が想定されることに留意して再生方策を検討する必要がある、とまとめております。
 次の8行目、次の記載も前回の小委員会と同様ですが、漁場環境に二枚貝が果たす役割として、二枚貝の増加により漁場環境の改善につながる好循環を生み出す取組が重要であることなどを記載しています。
 さらに今回追加した部分が15行目です。原因・要因の解明などがあまり進展していないものもあるということで、特に八代海については有明海と比べ魚類等の変化や生物の生息環境の確保についての知見の収集・整理や、原因・要因の解明が十分でないという課題があり、今後これらを進めると共に再生方策を検討していく必要があるとまとめております。
 第6章の最後には、再生方策の検討・実施に当たって正確かつ継続的なモニタリングを実施し、順応的な取組が求められることについて記載を追加しました。
 最後に、議題には記載しておりませんが、資料4として海域区分別の整理を作成しました。こちらは報告書詳細編の巻末資料として掲載を想定しております。第3章から第5章の記載を有明海のA1からA7、八代海のY1からY5の海域区分ごとに整理したものです。内容については第3章から第5章までの記載を抜粋したもので、新たな情報ではありませんので説明は割愛させていただきます。
 以上で、議題(2)についての説明を終わります。
○阿保委員長 どうもありがとうございました。ただいま御説明がありました内容、資料3-1から資料5につきまして御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。
 横山委員、お願いします。
○横山委員 東京都立大学の横山です。ありがとうございます。
 内容の大筋には特にコメントはないのですが、気候変動のところで、現時点では分かりませんが熊本地震などの地震の影響は確認されていないでしょうか。能登の場合、地盤が大きく上昇しましたし、三陸は逆に低下しているので、そのような気候変動以外の要因というのも今後様々な事象がどんどん増えていって、再生方策を考える際の基盤みたいのがこれまでと変化しており、様々な変化がある中でどのような状態を目標とするのかということも同時に考えていかなければならない。その際、気候変動はベースとなりつつも地殻変動や、あるいは有明の場合は阿蘇の火山の影響も大きいと思います。火山による影響は今のところ、特に現象として確認されておりませんので、将来あり得るという話です。少なくとも地殻変動は、沿岸域の浅場の増減に影響してきます。現状で特にそれらの影響が検知されていなければ記載する必要はないのかもしれませんが、御検討いただければと思いました。
○海域環境管理室主査 横山委員、ありがとうございます。御指摘いただいた地殻変動や阿蘇火山の影響は、現在のところ確認されておりません。ただし、直近も熊本では地震がありましたので、今後、影響が確認された場合はこちらの報告書にも記載をさせていただくということになるかと思います。
○横山委員 分かりました。火山の影響は予測が困難なため、現時点での対応は難しいと思います。一方、平成28年熊本地震では、地震による土砂崩れの後、洪水によって土砂が流出した事例があります。洪水だけでなく、複合災害の影響により土砂が大量に流出することもあるため、地震は地殻変動や土砂供給といった基盤的な環境条件に影響する可能性があります。現状で影響が検知されていないのであれば、その整理で問題ありませんが、こうした可能性も踏まえ、再生方策を検討する際には、平均的な変化だけでなく、どの程度上振れする可能性があるのかという変動幅の議論の参考になると考えコメントしました。よろしくお願いします。
○阿保委員長 ありがとうございます。そのほか、ございませんでしょうか。
 福岡県水産海洋技術センター藤井委員、お願いします。
○藤井委員 福岡県水産海洋技術センターの藤井です。資料3-2の85ページ、2行目からの記載に、「陸域からの有機物、窒素、リン負荷量の増加に起因せずに富栄養化が引き起こされる」とあるのですが、この原因の一つとしてノリ養殖が関係しているのではないかと思われます。
 記載に関してというより、情報提供としてのコメントです。商品価値がないと判断された養殖ノリは、陸上に持ち帰られずに海中に投棄されている実態があります。また、人為的に添加された窒素が植物プランクトンと養殖ノリに取り込まれているはずですから、無機物が有機化されて、これらが海底に沈降、堆積することがCODの増加を引き起こす原因の一部になっている可能性があるというところです。
 以上です。
○阿保委員長 ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。オブザーバーの方含め、もし御質問等ありましたらお願いします。まだ時間はあります。
 それでは、ないようですので、これで議題(2)を終了させていただきたいと思います。どうも皆様、ありがとうございました。
 それでは、進行を事務局にお返しいたします。
○海域環境管理室海域環境対策推進官 事務局でございます。阿保委員長、ありがとうございました。
 本日の議事録でございますが、後日、事務局より確認依頼を行いますのでよろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開させていただきます。
 それでは、以上をもちまして第21回水産資源再生方策検討作業小委員会及び第21回海域環境再生方策検討作業小委員会の合同小委員会を閉会とさせていただきます。本日はお忙しい中、御出席賜りまして、また、闊達な御議論ありがとうございました。
 

午後4時44分閉会