第13回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 海域環境再生方策検討作業小委員会 議事録
開催日
令和6年2月14日(水)
場所
対面方式及びWEB会議方式を併用して開催
出席者
有明海・八代海等総合調査評価委員会委員長:古米弘明委員長
小委員会委員長:矢野真一郎委員長
委員 : 上久保祐志委員、鈴木敏之委員、山室真澄委員
専門委員:青木美鈴委員、金谷弦委員、桐博英委員、速水祐一委員、東博紀委員、古川恵太委員、弓削こずえ委員、横山勝英委員
(オブザーバー)
清本容子委員、堀田英一委員、松山幸彦委員、山口啓子委員
(関係省庁)
農林水産省農村振興局整備部農地資源課 小松課長補佐、加藤係長、橋本係長
林野庁森林整備部治山課 日下部企画官、矢野係長
水産庁増殖推進部漁場資源課 吉川課長補佐、田代係長、辻係員
水産庁増殖推進部研究指導課 中村課長補佐、天野係員
水産庁漁港漁場整備部計画課 高原課長補佐、落野計画官、山内係員
国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 阿河課長補佐、木村係長、新保係長
国土交通省港湾局海洋・環境課港湾環境政策室 釘田課長補佐
国土交通省九州地方整備局河川部 上村広域水管理官
国土交通省 九州地方整備局 河川部 河川環境課 辻丸流水管理係長
(事務局)
環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室長、海洋環境課海域環境管理室室長補佐
議事録
午後1時00分 開会
○川田海域環境管理室室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第13回海域環境再生方策検討作業小委員会を開会いたします。
なお、第13回水産資源再生方策検討作業小委員会につきましては、本日午前に開催されております。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただき誠にありがとうございます。
本日の委員会は会場とウェブ会議、両方での開催とさせていただいております。ウェブ会議で御参加いただいております委員の皆様には御不便をおかけいたしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど不具合がございましたら、事務局までお電話、またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。
議事中、マイク機能は会場及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。
なお、ウェブ会議で御発言の際は、お名前の横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意志はこのマークで確認いたします。委員長からの御指名後、マイクのミュートを解除していただき、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう、操作願います。挙手アイコンは事務局でオン・オフを操作できないため、御協力よろしくお願いいたします。
通信状況や御発言者様のお声の質によっては、不明瞭な箇所が出てくる可能性がございますので、恐れ入りますが御発言前にお名乗りいただき、少々ゆっくり大きめに御発言いただけますと幸いです。
本委員会は公開の会議となっており、環境省海洋環境課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。
それでは、議事に先立ちまして、環境省海域環境管理室長の木村より御挨拶を申し上げます。
○木村海域環境管理室長 ただいま御紹介いただきました環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室の木村でございます。
委員の皆様にはお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。
さて、本日の第13回小委員会より、昨年12月に開催した第12回合同小委員会にて決定いただきました「今後の情報の収集、整理、分析等の具体的内容」に沿って具体的な情報収集等を始めてまいります。
有明海・八代海等におきましては、アサリの資源回復の兆しが見られる一方で、貧酸素水塊や赤潮の発生、ノリの色落ち、タイラギ漁の休漁が続くなど、その再生に向けた取組が引き続き喫緊の課題となっております。
令和8年度報告に向けた具体的な情報収集・検討の初回となる今回においては、まずは令和3年度の中間取りまとめにて指摘のあった新たな項目である気候変動影響などについて、御審議いただきます。
また、水産資源再生方策検討作業小委員会でも、本日午前に開催した小委員会から具体的な情報収集・検討を開始したところでございます。本日は有用二枚貝を取り上げ、再生方策を実施する農林水産省や環境省、そして関係県による勉強会などの関係機関の取組内容を示し、検討いただきました。
両小委員会の連携強化のため、水産小委の資料を海域小委の資料にも添付しましたので、今後の御参考としていただきますよう、お願いいたします。
本日は令和8年度報告に向け、重要な新規項目である気候変動影響、干潟生態系、社会経済情勢について、情報収集・整理の方針等や、これまでに整理した知見の報告も踏まえ、今後の情報収集等の方向性や得られた情報の整理・分析方法、委員会報告への反映方法等に関し、御意見をいただきたいと考えております。委員の皆様には忌憚のない御意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 木村室長、ありがとうございました。
本日の委員の出席状況ですが、欠席の御連絡を小林委員、山口敦子委員よりいただいております。本日は委員14名中12名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを御報告いたします。
また、本日は古米委員長に御参加いただいております。そして、オブザーバーとして評価委員会から清本委員、水産小委員会から堀田委員、松山委員、山口啓子委員に御参加いただいております。オブザーバー参加の委員におかれては、御質問や御意見がある場合には、発言を求められてから挙手をお願いいたします。
なお、本日は、農林水産省から農村振興局、林野庁、水産庁、そして国土交通省から水管理国土保全局、港湾局、九州地方整備局河川部の御担当にオンラインにて御出席いただいております。
環境省側の出席者も紹介させていただきます。
先ほど御紹介させていただきました海域環境管理室長の木村、同室室長補佐の川口、私が川田でございます。
続きまして、資料については事前に電子データ等で御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。資料に不足や不備がございましたら、事務局までお知らせください。なお、議事進行中は事務局にて画面上に資料を表示いたします。
また、本日午前の水産小委員会で審議いただいた「有用二枚貝に関する情報収集等」については、資料2-3、4、5として添付しております。こちらにつきましては、冒頭、木村室長が申し上げたように、両小委員会において収集されたデータの共有の取組の一つとなります。今回、こちらの資料について海域小委員会で御説明はいたしませんが、今後もこうした情報共有や、必要な場合には合同での小委員会開催を検討してまいります。
それでは、議題に入ります。以後の進行につきまして、矢野委員長、よろしくお願いいたします。
○矢野委員長 了解いたしました。
本日進行を担当いたします小委員長の矢野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。限られた時間の中で、円滑な議事の進行に御協力をお願いいたします。
それでは早速ですが、議事を始めさせていただきます。
本日の議題は、議題(1)海域環境等に関する情報収集等と、議題(2)気候変動影響等に係る情報収集等の2議題となります。
それでは、まず議題(1)について、環境省に御説明をお願いいたします。
○川口海域環境管理室室長補佐 環境省の川口でございます。
資料2-1、「有明海・八代海等の環境等の状況~基礎情報を中心に~」という資料を使用して説明いたしますので、こちらを御覧ください。
1ページ目の目次では、はじめにの後、1.汚濁負荷から9.生物まで記載しておりますが、3ページの0.はじめにを御覧ください。
本資料の基本的な構成としましては、平成28年度委員会報告の「3章 有明海・八代海等の環境等の変化」の項目分類を基準とし、令和3年度中間取りまとめの状況も踏まえ、基礎情報を中心に、主要な図表について、中間取りまとめ以後の更新状況等を整理したものとなります。また、この図表の後には、項目ごとに経年データの特徴、今後の方向性(案)といった構成にしております。
初めに、1.汚濁負荷についてですが、こちらの資料の5ページから11ページ、こちらに今回更新した図表を掲載しております。こちらについては、平成28年度委員会報告、令和3年度中間取りまとめでも掲載している内容になりますが、増減はあるものの、特筆事項はございません。
12ページ目に経年データの特徴を記載しており、ここにはいろいろ書いておりますが、中間取りまとめ以後の状況としては横ばい傾向ということで推移しております。
13ページ目に、事務局が考える今後の方向性・論点(案)を記載しておりますが、まず、平成28年度委員会報告、令和3年度中間取りまとめと同様の汚濁負荷算定方法に従って、引き続きデータを更新していくという方針で考えております。
これまでの通例としましては、これらの図を基に1.汚濁負荷の内容について記述していくというものでございますが、このほかに想定される事項として、汚濁負荷削減の取組状況を把握するため、こちらの汚水処理人口普及率等の項目を整理する必要があるかといったことや、海域から取り上げられる栄養塩類についても経年変化、長期変化を整理する必要があるかといったことを記載しております。
また、下水道処理施設における季節別運転管理の取組状況は、関係省庁・関係県等から情報収集を行い、ノリ養殖の問題のところで整理を行う方針と記載しておりますが、これらについて、御意見等がございましたら後ほどいただければと存じます。
続いて、2.河川からの土砂流入についてですが、こちらは15ページ目から22ページ目まで、まず河川流量や大雨の状況等について、今回更新した図表を掲載しましたが、17ページ目の表を見ますと、九州北部地方を中心に大雨等が発生した主な気象事例というものを記載しておりますけれども、毎年のように大雨等が発生しているということが分かります。
こちらは中間取りまとめで取りまとめた河川流量等のデータを更新したものですが、23ページ目に経年データの特徴として記載しております。
こちらの二つ目の丸ですけれども、近年、九州北部地方では毎年のように豪雨や大雨等の事象が発生しており、これらに伴って河川では大規模な出水が発生しております。直近では、八代海に注ぐ球磨川において、2020年7月豪雨により大規模な出水が発生しておりますが、記載のとおり、令和2年7月豪雨以降も、2021年、2022年、2023年と、毎年のように大雨等の事象が発生しております。
24ページ目に今後の方向性(案)を記載しておりますが、こちらの河川流量の状況等は、引き続きデータ更新を行っていくとともに、関係省庁に情報収集を行いまして、平常時における土砂流入に関する知見を整理した内容や、河川からの土砂流出による海域への影響、海域と森林の関わりについては、こちらも関係省庁等からの報告や文献収集により情報整理した内容を反映していくことを考えております。こちらについては、今後調整ということになりますが、次回以降の小委員会で順次、関係省庁等から御報告いただくことを想定しております。
続いて、3.潮汐・潮流についてですが、26ページ目、27ページ目、こちらの図に関しては平成28年度委員会報告、令和3年度中間取りまとめ、共に掲載しているものですが、まだ現時点では未更新の状態でございまして、今回は中間取りまとめのものを掲載しておりますが、今後更新が必要と考えております。
また、28ページから30ページ目については、中間取りまとめの資料編に掲載しました日平均気温等について、今回更新した図を掲載しております。
31ページ目の経年データの特徴に関しては、潮汐・潮流に係る図が未更新のため、中間取りまとめ時点での内容を記載しております。
32ページ目に、今後の方向性・論点(案)を記載しており、引き続き関連データを更新することを考えておりますが、潮位や潮流の状況については、中間取りまとめでは新たな知見がほとんど得られていない状況ですので、今後の文献等の収集方法やデータ整理・分析方法等も含め、議論が必要なところと考えております。
続いて、4.水質についてです。こちらは、図表がかなり多くなっておりますが、これまでの平成28年度委員会報告や令和3年度中間取りまとめに掲載されている図表に関して、今回更新した図表等を掲載しております。ここについて特筆事項はございません。
こういった形で、事務局として、適宜更新を進めているところになります。
下のほうに行きまして、64ページ目に、経年データの特徴として、水質環境基準達成率の推移に関することを記載しておりますが、いずれも中間取りまとめ以後も同様の傾向ということになっております。
65ページ目に、今後の方向性・論点(案)を記載しており、基本的に引き続き関連データを更新することを考えておりますが、中間取りまとめでは水質・底質の現状と変化及び項目間の関係性や時間的・空間的観点からの解析・評価が課題とされております。こちらにつきまして、使用データセットや解析手法等の検討が必要であり、具体的な方法について、御助言等をいただければと考えております。
課題として残されている形態別の窒素の変化の整理に関しては、こちらに書いておりますこととして、形態別窒素は年平均値だけでなく、毎月の測定値の経年変化、測定値そのものの整理・評価が必要か、また、形態別燐のデータ収集等も必要かといったことを記載しております。
また、4.水質は、これまでの通例として、先ほど更新した図を基に記述している部分が大部分でございましたが、水温等に及ぼす外洋の影響について、平成28年度委員会報告の97ページには、「八代海の水温に及ぼす東シナ海の影響」に係る知見を掲載しているものの、報告の紹介のみであり、令和8年度委員会報告に向けて、この辺りの今後の文献等の収集方法を含め、議論が必要と考えております。
続いて、5.底質ですが、67ページから73ページ目に今回更新した図表等を掲載しております。こちらも基本的に、これまでの中間取りまとめでの方法に準じた形で取りまとめております。
74ページ目に経年データの特徴として、底質の経年変化について記載しておりますが、上の黒字のところが中間取りまとめの状況で、赤字が以後の状況ですけれども、有明海については、湾奥部のA1海域、湾奥西部のA3海域では、2019年度夏期以降、CODが高い値で推移しており、各年度で増減はあるものの、この傾向が継続しております。
また、八代海については、湾奥部のY1海域と球磨川河口部のY2海域では、2020年度夏期以降、COD、T-Pが高い値で推移しております。
75ページ目に今後の方向性・論点(案)を記載しており、引き続き関連データを、これまで継続して整理しているものについては更新していくことを考えておりますが、中間取りまとめでは、先ほどの水質のところでも出てきましたが、水質・底質の現状と変化及び項目間の関係性や時間的・空間的観点からの解析・評価が課題ということで、同じ課題を書いております。
なお、大雨による底質への影響について、中間取りまとめでは2019年8月の前線による大雨の影響を整理しましたが、2020年7月の球磨川の大出水による影響も整理する必要があるのではと考えております。こちらにつきましては、次回以降の小委員会で、準備ができ次第、資料を提示していきたいと考えております。
また、流域を含む窒素、リン等の物質循環の挙動については、中間取りまとめで基礎的なデータの蓄積が必要と記載されているところですが、こちらについては文献収集により情報整理するとともに、データ分析・整理方法も含め検討が必要と考えております。
続いて、6.貧酸素水塊についてですが、こちらも77ページから82ページ目に今回更新した図表等を掲載しましたが、83ページから85ページ目に関しては、平成28年度委員会報告から中間取りまとめを経て、どの図を更新していくかというところの認識共有が十分ではなくて、データ更新が間に合わなかったため、未更新で更新作業中の状況です。
このため、86ページ目に、その他の経年データの特徴として、本日の午前中の水産小委員会の資料から抜粋したものを掲載しておりますが、有明海の底層溶存酸素量の状況として、西側海域のP6地点では2021年以降、貧酸素(DO2mg/L以下)となる日数が増加傾向にあり、その他の地点においては概ね横ばい傾向という情報が得られています。
87ページ目に今後の方向性(案)を記載しており、こちらもこれまで継続的に収集していた部分に関しまして引き続き関連データ更新することを考えておりますが、今後更新していく図表については改めて整理するとともに、上記更新以外の貧酸素水塊の状況については、関係省庁・関係県等からの報告や、文献収集により情報整理した内容を反映していくことを考えております。
また、こちらにつきましては令和5年度から7年度に環境研究総合推進費で関連研究が実施されていますので、研究者から情報収集等を行いたいと考えております。
続いて、7.藻場・干潟等ですが、89ページから91ページ目に関しては更新情報がない状況となりますので、中間取りまとめのものを記載しております。
93ページ目に、情報収集の動向としまして、有明海及び八代海における藻場・干潟の最新の分布状況については、2018年度から2019年度において、衛星画像解析手法を用いて面積を把握したところですが、こちらは2024年度以降に次回調査を行う予定としております。
その下に今後の方向性・論点(案)を記載しており、藻場・干潟の分布状況は、取りまとめ時点で反映可能なら、最新のものを掲載できればと考えておりますが、こちらの中間取りまとめで課題とされた、変動の要因分析について、その方法は検討が必要といったことや、過年度のカキ礁の分布状況は中間取りまとめで未提示のため、要整理などといったことを記載しております。
この節では、自然海岸、海洋ごみも記載しておりますが、引き続き関連データを更新しつつ、情報更新を行う予定で考えております。
次の8.赤潮については、水産小委員会が担当する部分となりますが、本小委員会でも基礎情報として、95ページから101ページ目に今回更新した図を掲載しました。
102ページ目に、経年データの特徴を記載しておりますが、こちらの赤字の箇所が中間取りまとめ以後の特徴的な事項となります。
近年の主な出来事としましては、八代海において2022年と2023年に赤潮による大規模な漁業被害が発生したというところでございます。
103ページ、104ページ目に今後の方向性・論点(案)を記載しており、引き続き、これまで収集してきたデータについては更新を行うこと、前記更新以外の赤潮の状況については、関係省庁・関係県等からの報告や、文献収集により情報整理した内容を反映していくことを考えており、赤潮に関しましては第14回、第15回の水産小委員会で御議論いただくことを想定しております。
なお、本年1月に開催された第52回評価委員会では、ノリ養殖や魚類養殖に被害を及ぼす赤潮の原因となるプランクトンだけでなく、二枚貝の餌となる植物プランクトン、魚類の餌となる動物プランクトンの基礎情報も必要ではという指摘がございました。生態系を構成する生物としてのプランクトンについて、特に動物プランクトンの観測データが少なく、植物プランクトン、動物プランクトンとして経年的に取得されているデータの所在から確認する必要があると考えております。こちらについては順次作業を行っていく予定です。
最後の9.生物ですが、こちらは水産小委員会が担当する部分と、海域小委員会が担当する部分があります。
こちらの106ページから114ページがベントス(底生生物)になりますが、こちらは未更新の状態で、中間取りまとめの内容を記載しておりますが、現在検討作業中の状況で、第14回以降の海域小委員会で御議論いただくことを想定しております。
次の有用二枚貝については水産小委員会が担当する部分となりますが、本小委員会でも基礎情報として、115ページから117ページ、119ページ目に今回更新した図を掲載しました。
なお、有用二枚貝に関しては、本日午前中に開催された第13回水産小委員会で御議論いただいたところであり、次回の第14回水産小委員会でも、有用二枚貝の残りと赤潮に関して、御議論いただく予定で考えております。
そのほか、養殖魚類として、120ページ、121ページ目に八代海におけるブリ類、タイ類生産量の経年変化について、今回更新したものを掲載しております。
122ページ目ですが、経年データの特徴を記載しております。赤字箇所が中間取りまとめ以後の特徴的な事項となりますが、サルボウやアサリのところでも書いてございますけれども、豪雨による影響の可能性というのが言われているところです。
有用二枚貝もそうですが、中間取りまとめでは令和2年7月豪雨に関する記述自体はあるのですが、取りまとめ期間の関係上、一部にとどまっており、その影響に関する記載というのは令和8年度委員会報告で行う必要があると考えております。
123ページから126ページ目に、今後の方向性・論点(案)を記載しております。
まず、123ページ目の固有種、希少種等としましては、環境省レッドリスト掲載種の更新は、令和6年度以降の公表が見込まれます次期環境省レッドリストが取りまとめ時点で反映可能なら、更新する方向で考えております。
また、ベントスとしましては、種組成の変化・変動要因の解析・評価方法が課題であり、また、季節特性に着目した解析や、ベントスと底質との関連性のほか、底質以外の貧酸素化、長期的な水温上昇等との関連性の解析も中間取りまとめにおいて課題とされたところですが、まずは種組成に着目した解析を優先的に行い、第14回以降の海域小委員会で御議論いただく予定で考えております。
124ページ目の有用二枚貝については、引き続き関連データを更新すること、前記更新以外の有用二枚貝の状況については、ほかの項目と同様ですが、関係省庁・関係県等からの報告や文献収集により情報整理した内容を反映していくことを考えております。
125ページ目の魚類等としましては、平成28年度委員会報告から中間取りまとめを経て、図を少し改変した部分もございまして、どれを更新していくのかというのをまだ整理し切れていなかった部分がございましたので、そちらについて、データの更新状況も併せて確認をしていきながら、関連データを更新していくことで考えております。
また、それ以外の状況につきましては、関係省庁や関係県からの報告や文献収集により情報整理した内容を反映していくことを考えております。
こちらにつきましては、令和4年度から6年度に環境研究総合推進費で関連研究が実施されておりますので、こちらも研究者から情報収集等を行いたいと考えております。
最後に、126ページ目の養殖業生産量、漁業・養殖業生産量としましては、平成28年度委員会報告から中間取りまとめを経た図の変更点に注意しつつ、関連データを更新することを考えております。
以上、やや駆け足となりましたが、令和3年度中間取りまとめの状況も踏まえ、基礎情報を中心に、主要な図表について、中間取りまとめ以後の更新状況等を整理し、項目ごとに経年データの特徴、今後の方向性(案)として、現時点で事務局として考えておりますところを御説明させていただきました。
本資料は3章に相当する内容となりますが、次の議題である気候変動影響等に係る情報収集等における基礎情報として、また、4章の問題点とその原因・要因の考察の方向性を検討する上での基礎情報となることも念頭に置いておりますが、経年データの特徴等も踏まえ、3章をまとめていく上での今後の方向性・論点(案)について、御意見、御助言等をいただければと考えております。
なお、後ほど委員長からも御案内があると思いますが、限られた時間となりますので、会議後にお気づきの点などございましたら、また別途、事務局まで御意見をお寄せいただければと考えております。
説明は以上です。
○矢野委員長 御説明ありがとうございます。
ただいまの御説明について、御意見、御質問等を承りたいと思いますが、いかがでしょうか。挙手していただければ、私のほうで指名させていただきます。
まず山室委員と古川委員の手が挙がっていますので、この順番でお願いいたします。
○山室委員 山室です。
2点ありまして、一つは4.水質の55ページ、56ページのスライドなのですが、ほかの八代海などは大丈夫なのですが、55ページと56ページで示されている有明海については、55ページでCODからSSまで表示されて、56ページに透明度が表示されていて、55ページと56ページで地点名が一致していないですよね。これはどうしてでしょうかというのが1点です。
それから2点目は、113ページと114ページの生物なのですが、前回の取りまとめのときは、ここまで多くの門にわたって減少傾向が有意ではなかったような気がするのですが、結構なものが、有明海・八代海、共に有意な減少傾向となっています。ただ、ここで示されているのは種類数と個体数なので、例えば、成長したら大きくなるものが割と生き残れるような環境になると、種類数、個体数は減るけれどもバイオマスとしては変わらないということになると思います。そうすると、底生動物を餌とするような動物にはそんなに影響がないのではないかみたいな、今後の有明海・八代海の生態系を考える上で非常に重要な情報になるのですが、種類数、個体数以外に、バイオマスの情報というのも併せて傾向を見ることはできるのかどうかというのが質問です。
この2点をお願いいたします。
○矢野委員長 それでは事務局から御回答をお願いします。
○川口海域環境管理室室長補佐 55ページ目に関しては、出典のところで書いておりますが、公共用水域の測定結果の地点で掲載しておりますが、こちらの透明度に関しましては、データ数などの関係もありまして、浅海定線調査結果も入れております。そういった形で地点が一致していないということになります。
二つ目に関しまして、113ページ、114ページの種類数、個体数ですが、たしかこちらに関しましては、ほかに湿重量というのをデータとしては蓄積しておりますので、今後の検討の参考にさせていただければと考えております。
以上です。
○山室委員 ありがとうございます。
生物のほうは湿重量も入れられるのではないかということだったのですが、水質のほうは、透明度は普通は基本的な項目なので、同じ地点で測っているはずですから、やはり同じ地点で集計をしないと比較できないと思います。例えば透明度が低いところがあったとして、その原因がCODで示される有機物なのか、SSで示される無機物も含む懸濁物なのか、検討できなくなってしまいますよね。できれば、だから同じような地点の平均を取ったほうがいいと思うのですけど、どうしてそうなってしまったのかというのが、今の御説明ではよく分かりませんでした。透明度は基本的なことだから測っていないはずはないと思います。その辺りはどうでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐
こちらのほうにつきましてはデータがそろっていなかったため、こういうような整理の仕方をしたと聞いております。
○山室委員 ありがとうございます。
普通はデータとして透明度を測っていないということはないと思うので、もう一度再確認していただけるといいかなと思います。ありがとうございます。
○川口海域環境管理室室長補佐 分かりました。事務局でも念のため、もう一度確認させていただきたいと考えております。ありがとうございます。
○矢野委員長 ありがとうございました。
それでは、次が古川委員で、その後に横山委員と東委員の順番でお願いします。
古川委員、お願いします。
○古川専門委員 御説明ありがとうございました。
3点ほど、指摘というか、コメントしたいと思います。
1点目は13ページのスライドで、汚濁負荷削減についての取組のデータを整理する必要があるかということですけれども、ぜひ整理していただきたいと思います。地球環境みたいな、自然の変動だけではなくて、人間の側でどういうことが起こっているかという情報は少しでも多いほうがよろしいかなと思います。どこに記載すべきかというのは、あまりこだわりはないので、どちらでもいいと思うのですが、こういった情報をきちんと連携させて解析したり評価したりすることが大切だと思っております。
次に、潮汐のことについて、31ページに総合的なコメントが書いてあったかと思うのですが、M2分潮のことにしか触れられていないのですが、潮汐で起こっている潮流の分布による影響、分布の変化による影響というのは注目すべきじゃないかと思っています。今後の解析方針ということでお考えいただきたいと思いますが、1点1点の流れだけではなくて、その流れが総体として、湾の中でどういう循環を起こしているのかということが分かるような解析。例えば海水交換率だとか滞留時間の解析みたいなもので見ていただくと、変化がより分かりやすいかと思います。
最後の1点は具体的なデータについて、これは質問とコメントになりますけど、53ページのところ、先ほど透明度の話が出ていたのですが、透明度のデータで、六つの港の透明度の変化が出ていて、基本的に40年間の平均的な変化ということで整理されています。私の読み方が正しいか分からないのですが、小浜港ですか、右上のところのデータを拝見すると、ここ10年ぐらいで急速に下がっている。40年全体で傾向を見ると、傾向の変化が出てこないけれども、10年ぐらいに区切ると、それぞれのフェーズごとに上昇したり下降したりというような変化が見えているということが、東京湾のデータでも起こっています。それは世界的な状況の変化に対応して、10年周期ぐらいの大きな変動がこの上に乗っているということが考えられるので、小浜港のところ、平均的に見れば有意な変化はありませんということだったのですが、期間を区切ると、もしかすると何か、ここ10年ぐらいでの変化が起こっている可能性がある。そこら辺はこの次の地球環境規模の変動とも関係するような、もしかすると閉鎖性があまり強くないところで透明度が下がっているというので、もう少し大きなシステムの影響が出ているような気もしますので、そういった目で注視していただいてはいかがかなと思いました。
以上です。ありがとうございます。
○矢野委員長 ありがとうございます。
三ついただきましたが、事務局から、御回答等ございますでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局です。
まず、1番目の汚濁負荷のところのいわゆる社会的なデータを追加する部分については、今後、準備作業を進めていきたいと考えております。
二つ目の潮汐・潮流のところに関する御提案ですが、こちらについて何ができるかどうかというところも含めて、今後、事務局を含め、検討していきたいと思います。必要に応じて、御助言をお願いすることがあるかもしれませんが、そのときはよろしくお願いします。
最後、三つ目の透明度の変化についてですが、こちらについては4章の話などにもつながってくるかと思うのですが、どの区間で変化傾向を見るかというところも結構大事だと思っておりまして、今回いただいた小浜港の部分もそうですが、途中で期間を区切って検討するというところも今後検討していきたいと思っております。
どうもありがとうございます。以上です。
○矢野委員長 よろしいですかね。ありがとうございました。
それでは、次、横山委員、お願いいたします。
○横山専門委員 都立大の横山です。どうもありがとうございます。非常な膨大な整理、大変だったかと思います。
14ページから、河川からの土砂流入ということで、非常に有明海の環境にとって重要な話題なのですが、資料が全部、流量と雨量で、土砂流入量はないので示せないというのは重々承知の上なのですが、タイトルと中身があっていないので、どうしようかなというところで、土砂流入を考えるための雨量だったり流量ということなのでしょうけれども、ほかのところは大体タイトルと中身が合っているのに、ここだけ違うので、少し何か工夫が必要かなと思いました。
あるいは、土砂流入量に関して、国土交通省さんのほうで何か出せるような資料があれば、そういったものを集めるということも必要になるかと思いますが、その辺の見通しのようなものはいかがでしょうかというところと。
あと、まとめのところで、24ページですね。下から二つ目の丸で、関係省庁に情報収集を行い、平常時における土砂流入に関する知見を整理とあるのですが、これは洪水ではなくて、平常時にも集めるということでしょうか。あるいは、洪水時はどうなのでしょうか。
以上、2点になります。よろしくお願いします。
○矢野委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
まず1点目ですけれども、こちらについては事務局としても、どうしようかとは思いまして、初めは平成28年度委員会報告とか中間取りまとめの河川からの土砂流入情報も入れようかと思ったのですが、今回は、項目ごとの整理の中で、情報収集の一環として、まずは河川流量とか大雨等の状況を整理したという形で、一旦整理させていただきました。今後また、次回以降、国土交通省などから、最新の情報をいただけることに多分なっていくと思いますので、そちらについて順次整理して、加えていきたいと考えております。中身が合っていないと言われれば、そのとおりではあるのですけれども、今回の検討資料としてはこのような形で整理させていただきました。
○横山専門委員 その見通しはあるのでしょうか、国土交通省様も多分参加されていると思うのですけれども。そんなものはないよということなのか、そこそこ出せるという話なのか。
○川口海域環境管理室室長補佐 まず、今後の方向性のところから先に話をさせていただきます。中間取りまとめでの記載を踏まえ、経緯を説明しますが、平成28年度委員会報告では有明海・八代海に流入する代表的な河川について、その流量と海域に流入する土砂に関する情報を整理しました。その後、2017年7月九州北部豪雨等の大雨が頻発していることから、中間取りまとめの際は、大雨等の発生状況や河川流量の状況を整理するとともに、豪雨等に伴う河道内への土砂移動や土砂堆積についての調査結果を整理したところでございます。
中間取りまとめにも書いておりますが、中間取りまとめの際には豪雨等をまず整理して、その中で、平常時における土砂流入に関する検討については令和8年度委員会報告で取りまとめる予定であると中間取りまとめで整理している関係で、一応このような記載の仕方をしておりまして、そちらに関しては国土交通省様でも認識されているところでございます。
どのタイミングで報告してもらうかに関しましては、今後、関係省庁と調整していく予定です。
以上です。
○横山専門委員 平成29年7月の情報だけがあって、ほかはないということでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね。中間取りまとめのときには平成29年7月の北部九州豪雨の情報は盛り込めたのですが、球磨川の情報というのは、その時点では間に合わなかったということになります。
○横山専門委員 といいますか、経年変化という意味で、ほかの年の洪水時の流出量みたいなものを試算、計算していらっしゃるかどうかということなのですけれども。
○川口海域環境管理室室長補佐 具体的なところについては、まだ、国土交通省と具体的にお話しをしたわけではございませんので、今この場ではお答えできないところなのですけれども、また今後、話をしていく予定です。
○横山専門委員 非常に重要な情報だと思いますので、土砂は測れないので、計算でしか出てこないのですけれども。
○阿河河川環境課課長補佐 すみません。国土交通省でございますけれども、今のお話に関しては、河川によってもあるデータは違うかなと思っていまして、筑後川の場合は土砂の動態の計算とかをしているので、ある程度の情報はあるかなと思っております。ただ、球磨川のほうはそういった計算のデータがあまりない可能性がございますということと、あと平常時と書いていただいているのですが、平成29年を含めて、毎年のように豪雨災害があって、何をもって平常時というかというところはなかなか難しいところもございますので、この辺のデータの出し方とかは環境省のほうとも相談させていただきたいなと思っています。
以上でございます。
○横山専門委員 ありがとうございます。
筑後川に関しては比較的、継続的に河床変動の計算を行って、土砂流出量が恐らく整理されているのかなと思いますので、そういった部分、経年変化が分かるようなデータが今後整っていくといいのかなと思います。よろしくお願いいたします。
○矢野委員長 ありがとうございます。
確認ですけど、二つ目の御質問であった平常時というのは平常時でよかったのですか、洪水時じゃなくて平常時でよかったのでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 まず、環境省からですけれども、平常時という表現の仕方をしているのは、中間取りまとめで平常時における土砂流入という言い方をしているものですから、そちらの言い方をさせていただいております。一方で、国土交通省がおっしゃっていらっしゃるように、毎年のように豪雨が起きているということで、何をもって平常時とするかが難しいという話もいただいておりますので、こちらについてもまた今後、国土交通省とデータの出し方については相談していきたいと考えております。
○横山専門委員 平常時というのは平常年という意味なのですかね。私たちは多分、平常時というのを、洪水と平常で分けるから、乾燥期と雨期みたいなイメージで平常時を捉えているのですが、これは多分、洪水が少ない年のことを言っているんですかね。
○矢野委員長 平年値的な意味ということですかね。
○阿河河川環境課課長補佐 国土交通省でございます。
おっしゃるように、一般的に考えれば洪水時は洪水がどばっと流れているときで、そのときの土砂動態で、平常時はそれ以外のときのことかとは思うのですが、実際は洪水というか、大雨が降った後に土砂崩落とかがあったりすると、そこでたまった土砂とかがずっと平常時も流れ出たりしていて、平常時なんだけれども大雨の影響がずっと続いているような土砂動態になっていたりもするので、そこをどうお示ししたらいいかだとか、そういったところは、また環境省のほうとも調整させていただきたいなと思っているところです。
○矢野委員長 分かりました。平常時とか書かないで、経年的な土砂とかのほうがいいような気がしますね。ありがとうございました。
よろしいですかね。
○横山専門委員 ありがとうございます。
○矢野委員長 それでは、次は東委員、お願いします。
○東専門委員 ありがとうございます。膨大な資料を取りまとめていただいたことに敬意を表します。
私からは三つ。
まず一つ目は、スライド27の平均潮位の図でございます。確かにこの図は上昇傾向で、それを否定するものではないのですが、気象庁のホームページ、資料2-2でも触れられていますが、気象庁の発表では、1980年代以降は確かに上昇傾向が認められますが、1900年まで遡ると上昇傾向がないという長期の解析結果も出ております。
あと、スライド27の右下の注釈2は実は結構大事でございまして、地盤の変動というのは、日本に関しては海面上昇の際には必ずそれを踏まえて検討しなければならないと私自身は思っております。気象庁のホームページには地殻変動、地盤変動の影響のノイズを取って解析した例もございますので、その情報は併記したほうがよいと思います。
二つ目はスライド30の風速です。こちらに関しましては解析が進んでいないように思いますが、ぱっと見ても、明らかに統計的にジャンプしているところがございます。その原因となる風速計の機器の更新、観測点の移動、観測高度の変更などは結構頻繁に起こっていて、気象庁のホームページでもきちんと公表されていますので、人為的な要因でジャンプしている箇所に関しては、読み手に分かるような印をきちんと入れていただいたほうがよいかと思います。
最後の三つ目は汚濁負荷です。私自身まだ色々と細部まで理解が及んでいないところがございますが、スライド5と6の排出負荷量、いわゆる発生負荷量と理解しまたが、こちらは観測値や原単位法による積上方式なので豪雨の影響は出にくいと思われます。一方で、スライド7と8には流入負荷量と記載がありますが、こちらに豪雨の影響が出るのかなと思って期待して見ていたのですけど、思ったよりそれが見えないのが気になりました。こちらはどういう求め方をしているのか、伺いたいと思います。
以上です。
○矢野委員長 三つほどいただきましたが、事務局、いかがでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局です。
まず1番目、こちらに関しましては、いろいろ御助言いただきましてありがとうございます。こちらについても、東委員の御意見を参考に、解析を進めていきたいと考えております。
次に、30ページ目ですが、こちらに関しまして、前の日平均気温、日合計全天日射量、日平均風速、この三つですけれども、中間取りまとめのときに潮汐・潮流の参考データとして資料編には入れておいてほしいということで、ひとまずデータを入れたという状況にとどまっているのが実情でございまして、これを今後どう整理していくのかというところに関しましては、まだ事務局としても明確に方針を決めているわけではございません。こちらについても気候変動影響のところに関連してきますが、データの整理や解析方法もそうですけれども、東委員の御助言も受けながら、方法について検討していきたいと考えております。
最後、7ページ、8ページに関しましては、弊室の別の事業で実施している発生負荷量調査のデータを基にしておりまして、具体的な方法というのを今詳細に説明する資料等は手元に用意しておりませんが、後ほどまた個別に御説明するということでよろしいでしょうか。
○東専門委員 承知いたしました。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局からは以上です。
○矢野委員長 よろしいですかね。ありがとうございました。
ほか、御意見ございますか。なければ、本日はオブザーバー参加いただいている委員からも御意見をいただければと思いますが、何か御意見ある方がいらっしゃいましたら、挙手をお願いいたします。
では、堀田委員、お願いします。
その後、清本委員、お願いします。
○堀田専門委員 熊本県水産研究センターの堀田です。
記載内容で確認といいますか、一応102ページの赤潮の経年データの特徴ということで、最後に漁業被害についての記載があると思いますが、2022年と2023年についてということで記載がありますが、私どもの認識としましては、2022年については確かにカレニア・ミキモトイによる被害というのが主体であったと認識していますが、2023年につきましてはカレニア・ミキモトイに加えましてコクロディニウム・ポリクリコイデスとシャットネラ属といったものも発生しておりまして、これら3種による被害というのが主体と考えておりますので、一応そこは認識が違うのではないかなということで、意見としてお伝えしておきたいと思います。
以上です。
○矢野委員長 ありがとうございました。
事務局から、何か回答はありますか。
○川口海域環境管理室室長補佐 2023年の情報について、ありがとうございました。こちらのほうでももう一度確認して、また整理したいと思っています。情報ありがとうございました。
○堀田専門委員 よろしくお願いします。
○矢野委員長 ありがとうございました。
それでは、清本委員、お願いします。
○清本委員 オブザーバー参加させていただいております水研機構の清本です。
水質の経年変化の図がたくさん、4.ですかね、記載されていて、それについて有意水準5%でのまとめの表が記載されているのですが、この場合の有意水準5%というのをどういう検定でされたかが書いていないので、そこの記載をお願いしたいと思います。
といいますのは、ベントスに関しては何回か前の委員会で、線形回帰でされていたものをKendall検定にやり直して、Kendall検定の結果の有意性について、同じような表が取りまとめられているのですが、水質のほうは多分、図を見る限り、線形回帰で式を出されて、その場合のP値で検定をされているのかなと思いますので、やり方が違うのであれば、その辺を明確に記載されたほうがいいかなと思います。できれば、水質についてもKendall検定にまとめて記載するほうがいいのではないかなと個人的には思うのですが、ここについては過去からの経緯で線形回帰のままでやるということで合意が取れているのであれば、それでもいいのかなとも思います。検討の結果、この形を残されているのかどうかについて、もしこれまで検討した経緯があれば教えていただければ助かります。
以上です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
それでは、事務局、よろしくお願いします。
恐らく委員指摘のとおりだと思うのですが。
○川口海域環境管理室室長補佐 こちらの水質のほうも中間取りまとめの際に同じような御意見があったということで、そのときには長年のデータの蓄積ということで線形回帰にて行いましたけれども、こちらにつきましても委員の御意見も踏まえまして、Kendall検定も検討していきたいと考えております。
以上です。
○矢野委員長 清本委員、よろしいですか。
○清本委員 分かりました。ありがとうございました。
○矢野委員長 ありがとうございます。
それでは、青木委員、お願いします。
○青木専門委員 WIJの青木と申します。よろしくお願いします。
生物のところで、固有種と希少種について触れられているのですが、レッドリストのカテゴリーを更新される予定だと書かれているのですが、これは分析というか、まとめ方としては、どのようなデータで定量的に変化を見るみたいなものが示されたりするのでしょうか。
以上です。
○川口海域環境管理室室長補佐 中間取りまとめの95ページを見ていただいたほうが早いかもしれませんが、表の形で、魚類とか甲殻類といった区分ごとに、有明海・八代海等を中心に生息する主な生物についての名称を掲載したということで、定量的な記載にはなっておりません。今のところ、定量的な方法がそもそもできるのかどうかというところも含めて情報がない状況ですので、何か御提案等がございましたらお聞かせいただければと思います。
以上です。
○青木専門委員 ありがとうございました。
県のレッドリストの更新とかで調査されていたりすると思うのですが、そういった情報は参考になったりしないのかなと思いました。
以上です。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。参考にしていただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
大体、出そろったようですので、なければ議題(1)につきましては以上で終了させていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、議題(2)に移りたいと思います。環境省に御説明をお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 それでは、気候変動影響等に係る情報収集について、御説明いたします。
資料2-2を御覧ください。
まず、今回お示しする内容の趣旨でございます。新規項目である気候変動の影響、干潟の生態系、社会経済情勢について、情報収集・整理の方針等や、これから御報告する内容も踏まえ、今後の情報収集等の方向性や得られた情報の整理・分析方法、令和8年度委員会報告への反映方法等につきまして、御意見、御助言をいただきたいと考えております。
こちらは、これよりお示しする内容の全体像となります。先ほど申し上げた気候変動の影響、干潟の生態系、社会経済情勢の3項目、この赤い帯のところでございますが、3項目ございますが、それぞれ収集・整理の方針と、それによって収集・整理した結果をお示しした構成となっております。内容が多岐にわたりますので、本日だけでは時間が足りないと思いますので、後日にでも御意見をいただければと考えております。
まずは、3本柱のうちの一つ、気候変動の影響の知見の収集・整理の方針などです。
背景です。令和3年度中間取りまとめにて、気候変動に伴う気温や水温の上昇、豪雨やそれに伴う大規模出水等による影響が顕在化していることについて指摘がございました。
また、令和8年度委員会報告に向け、海域環境及び生物・生態系への影響を把握するとともに、気候変動に伴う影響を踏まえた再生方策の検討を行う必要がございます。
以上から、有明海・八代海における気候変動の影響に関する知見を文献等により収集し、今後の検討の基礎的資料として整理いたします。
5ページ目です。こちらの基本方針は、第12回合同小委員会で決定された参考資料4-1として今回つけております情報収集等の具体的内容、こちらの留意事項としてお示しした内容を載せたものでございます。
御説明いたしますと、有明海・八代海等の気候変動の影響に係る知見の収集にあたっては、温暖化、気温、水温の上昇等のキーワードによる文献検索を行い、情報収集・整理いたします。ただ、影響は地域に特化した内容にとどまらないことから、有明海・八代海等のほかに、日本の海域全体の気候変動の影響に関する知見も収集・整理いたします。そして、有明海・八代海等の現地での長期間モニタリングした調査結果を収集・整理いたします。また、気候変動の影響に係る基礎的な情報である気象データについて、気象官署における経時的なデータを収集・整理し、長期的な傾向を分析いたします。あわせて、近年の豪雨の頻発等に関する研究成果等も収集・整理いたします。
以上を方針といたしまして、次の4通りの情報収集等を行いました。次のページから、こちらの情報収集の個別の内容となっております。
まずは一つ目、日本における気候変動の状況とその影響に関係する文献として、例えば、一つ目の環境省による気候変動影響評価報告書、または、四つ目にございます、気象庁が各県ごとにまとめている気候変動リーフレット、こういったものから整理いたします。
次のページ、有明海・八代海における気象観測データ等の情報です。こちら、中間取りまとめと同様に、気温、降水量、風速、日射量について、気象官署のデータから整理いたします。
次、9ページです。有明海・八代海等における気候変動影響に関係する文献ですが、環境省などが実施した地域適応コンソーシアム事業のうち、有明海・八代海における漁業及び沿岸生態系への影響調査、こちらのほうの活用を考えております。こちらは伊勢湾シミュレータを用いて21世紀末の水温・塩分・水位を予測し、適応策等を検討したものですが、水温・塩分変化に伴う予測を対象としており、栄養塩濃度や底質、外海での生息条件については対象外となっております。
また、調査対象魚種として、有明海・八代海の代表種であるアサリ、ブリ、マダイ等の13種を調査対象としておりますが、定量的評価については、ノリ養殖、ワカメ、シャトネラ赤潮の3種において実施されているところでございます。
その他、温暖化等のキーワードによる文献検索で論文、報告書等を収集・整理いたします。この中で、近年の豪雨の頻発等に関する研究成果等も収集・整理いたします。
次、10ページです。こちらにつきましては、長期の海域環境観測データ等の情報等としております。こちらにつきましては、これまでの平成28年度委員会報告、令和3年度中間取りまとめで整理されてきたものは引き続き整理いたしますが、それらに記載されていないもので、潮位等を長期間モニタリングした調査結果について整理いたします。
次、11ページです。以上の、これまでお示ししました情報収集の結果、今回、気候変動の影響に係る知見として、結果として、次の三つをまとめております。一つ目、気象に係る知見、二つ目、海域環境に係る知見、そして、三つ目としまして生物・生態系、漁業に係る知見です。ここからは、この整理を行った知見について、一つずつお示しします。
まず一つ目、気象として、その内容は気温、降水量、台風の強度についてまとめました。
13ページ、こちらは気温ですが、日本におけるこれまでの変化と将来予測といたしまして、気候変動影響評価報告書によりますと、1898年~2019年における日本の年平均気温の上昇率は100年あたり1.24℃、全国平均気温の上昇量は、RCP8.5のシナリオの下では4.5℃、RCP2.6のシナリオでは1.4℃となっております。
次、14ページです。有明海・八代海等におけるこれまでの変化としまして、気象庁による九州・山口県の気候変動監視レポートによりますと、九州・山口県の年平均気温の上昇率は、100年あたり1.77℃、九州北部地方の年平均気温の上昇率は、100年あたり3.04℃となっております。
次、15ページです。有明海沿岸の気象官署における年平均気温の上昇率は、気象庁アメダスデータを整理したところ、100年あたり1.7℃~3.6℃となっておりました。
次、16ページです。八代海沿岸の気象官署における年平均気温の上昇率は、100年あたり2.1℃~2.7℃となっております。
次、17ページの降水量ですが、全国51地点で観測された年降水量では、統計的に有意な長期変化傾向はみられないものの、短時間強雨の年間発生回数は増加しています。
次、18ページです。先ほどは日本全国の降水量でしたが、有明海・八代海等における降水量のこれまでの変化では、九州北部地方の年降水量には統計的に有意な変化はみられないものの、やはり、先ほどの日本全国と同じく短時間強雨の年間発生回数は増加している状況でございます。
次に19ページです。こちらは有明海沿岸の気象官署における短時間強雨の年間発生回数ですが、特に、熊本の長期間データで見ますと、最近の10年間と、統計期間の最初の10年間を比べると、約7倍に増加しています。
次、20ページです。八代海沿岸の気象官署のデータを見ると、短時間強雨の年間発生回数はやはり増加傾向にあることがうかがえます。
次、21ページです。台風について、発生数は、統計期間を通して見ると、長期的に変化傾向は見られないものの、4℃シナリオの場合、日本付近における台風の強度は、将来強まると予測されています。
次、22ページです。これまで御説明した知見を取りまとめたものとなります。気温については、日本の年平均気温は、統計期間における上昇率は100年あたり1.24℃となっています。有明海沿岸の気象官署における年平均気温の上昇率は、100年あたり1.7℃から3.6℃となっています。
なお、日本全国平均と同じく1898年~2019年で見ると、100年あたり1.7℃と、日本全国の年平均気温の上昇率よりも高くなっています。
降水量については、日本全体における短時間強雨の年間発生回数は増加しております。これは九州北部地方でも増加しており、10年あたりの年間発生回数の増加率で見ると、全国よりも高くなっている状況です。
次に、台風の発生数は長期的な変化傾向は見られないものの、4℃シナリオの場合、日本付近での台風の強度が将来強まると予測されています。
次に、今後の方向性・論点などですが、一つ目といたしまして、将来の台風強度に関する知見の拡充を、日本というくくりだけではなくて、九州北部地方に関して実施できればと考えています。
二つ目といたしまして、有明海・八代海における気候変動に伴う海域環境への影響について、その原因要因を解明するためには、今回まとめた気温、降水量、台風の強度以外、どのような項目やデータを重視する必要があるのか、整理する必要があると考えています。
三つ目といたしまして、風向や日射量などの不足しているデータの検討が必要だと考えています。
次、24ページです。海域環境について、丸数字、①の海水温から⑤の水質、赤潮まで、この五つについてまとめた知見についてお示しいたします。
まずは25ページの海水温ですが、日本におけるこれまでの変化として、年平均海面水温の長期変化傾向については、気温の上昇率と同程度とされています。
次、26ページです。海洋モデルによって、日本近海の平均海面水温は、21世紀中に上昇すると予測され、21世紀末には、20世紀末と比べて、RCP2.6では1.1℃、RCP8.5℃では3.6℃上昇すると推定されております。
次、27ページです。有明海・八代海の水温について、長期的な推移を見ると有意な上昇が確認されております。
次、28ページです。有明海・八代海の水温変動は、東シナ海北部の海面水温や、周辺陸域の気温の変動の影響を強く受けており、その傾向は八代海でより顕著であることが示された報告もございます。
次、29ページです。海面水位、潮位、高潮について見てまいります。日本沿岸の平均海面水位は、顕著な長周期変動と、1980年以降には上昇傾向が認められており、世界の平均海面水位の上昇率と同程度とされ、21世紀末の日本沿岸の平均海面水位は、世界の平均と同程度に上昇すると予測されています。
次、30ページです。気象庁によりますと、日本平均では、2006年~2018年に年2.9mmの海面水位の上昇が確認されており、有明海・八代海の位置する海域では、年4.0mmの上昇が確認されております。
次、31ページです。潮位の上昇傾向は水温のそれと一致し、水温の上昇と同時あるいはやや遅れて出現していることから、水温変動が潮位変動の要因の一つである可能性が示唆されております。
次、32ページです。こちらは過去の台風の経路が仮想経路を取った場合の波高予測を行ったものですが、東に2度平行移動した場合、有明海湾奥部の護岸前面において最大で2.5m程度の波高が発生することが示唆されております。
次に33ページの海洋酸性化です。表面海水の水素イオン濃度指数は、日本南方の北西太平洋域で、全ての緯度において明らかな低下傾向にあり、世界の海洋の表面海水pHの低下は、RCP8.5シナリオでは今後も進行するが、RCP2.6シナリオでは進行が2050年頃までには止まり、それ以上の低下は抑えられるとされております。
次、34ページの溶存酸素量、成層構造ですが、有明海・八代海などにおけるこれまでの変化について、浅海定線調査、内湾調査結果から見ると、ほぼ横ばいで推移していると判断されています。
次、35ページです。有明海におけるシミュレーションの試みでは、河川水温の変化が海域の成層構造に影響を与える可能性、さらに、貧酸素化の促進による水環境の悪化の可能性が示唆されております。
次、36ページです。別のシミュレーションの試みでは、温暖化により気温上昇が進んだ場合には底層の貧酸素水塊の発達を助長することが示唆されております。
次、37ページの水質、赤潮では、八代海の全域で水温の上昇傾向が続いており、これに呼応するように、赤潮が急増していることが示唆されております。
次、38ページです。こちらは先ほどの知見をまとめたものです。
その続きの39ページの下に、今後の方向性・論点などとして、次のとおり挙げております。海洋酸性化については、有明海・八代海等で取りまとめた資料がないことから、水質測定結果のデータを基に整理する必要があるかどうか、こちらについても検討しなければいけないと考えております。また、溶存酸素量、成層構造等の将来予測に係る知見を拡充していくこと、これまでの水質、赤潮の経年変化と気候変動に係る知見を拡充していくこと。また、現在進められている環境研究総合推進費からの情報収集について、可能であれば、次年度にその成果の一部を整理できればと考えているところです。
次に、40ページから(3)生物・生態系・漁業として、底生生物群集、ノリ養殖、ワカメ、シャトネラ赤潮について知見を整理しております。
41ページの底生生物群集ですが、有明海・八代海の泥温とヨコエビの生息密度の関係を解析した試みでは、多くのヨコエビは泥温の高い夏に生息密度が低くなっておりました。
次、42ページです。地域適応コンソーシアム事業にて定量的に評価されていたノリ養殖、ワカメ、シャトネラ赤潮について整理したものをお示しいたします。
まず、ノリ養殖では、現在、有明海では、10月に採苗が行われているところですが、予測の結果、RCP2.6の場合、21世紀末に有明海の一部の海域において、10月の水温がノリの採苗に適さない23℃以上になるものと予測され、採苗開始が11月にずれるため、漁期が短くなり、収量が減少するものと予測されております。
次、43ページのワカメですが、RCP2.6では、21世紀末には増殖速度がほとんど変わらず、漁期、漁獲量とも現状が維持される可能性があるとなっていますが、RCP8.5の場合、水温が13℃を上回る海域では良好な成長は見込めず、漁獲量が減少する可能性が示唆されております。
次、44ページの魚類等へ被害を起こすシャトネラ赤潮です。21世紀末には、シャトネラ赤潮の発生頻度が高くなる可能性があり、また、このシャトネラプランクトンと競合する珪藻類の増殖速度が遅くなることから、シャトネラ赤潮が発生しやすくなる可能性も示唆されております。
45ページは先ほどのまとめです。
以上の知見から、今後の方向性・論点として、生物・生態系への影響に関する知見の拡充、漁業への影響に関する知見の拡充、漁業分野における適応策事例の情報収集に係る必要性の検討、現在進められている環境研究総合推進費より、可能であれば情報収集をできればと考えております。
次に、47ページから干潟生態系についてです。
48ページの背景等ですが、令和3年度の中間取りまとめに際し、藻場・干潟等の記載として、ラムサール条約登録湿地を含む干潟の生態系に関する情報が少ないこと指摘があった干潟生態系に関しまして、令和8年度委員会報告において拡充するために、知見の収集・整理等について検討致しました。
方法として、文献等により知見を収集・整理することとし、干潟生態系を対象としてモニタリング調査が長期間にわたって継続されている永浦干潟での調査結果を整理しました。また、有明海に3か所ありますラムサール条約湿地について、調査結果等を整理しています。
この永浦干潟については、50ページの図にございますように、有明海と八代海との境目に位置している干潟となり、東西にAエリアとBエリアに分かれて調査が行われております。この永浦干潟の底質の状況として、有機物含有量の減少が報告されています。
また、永浦干潟の現状について、53ページに示しておりますが、ホトトギスガイが2013年以降大きく増加しており、埋在性動物の個体数の大部分を占めるほどとなっております。
次に、ラムサール条約湿地の概要といたしまして、東よか干潟、肥前鹿島干潟、荒尾干潟の3か所の干潟について、湿地の概要と生態系の特徴に係る知見を、ここから60ページまで整理しております。
この中で、これらの干潟にて、魚類、プランクトン、カニ類、貝類、ゴカイ類などの多様な生き物が生息しており、これらを餌とする渡り鳥などの重要な中継地、越冬地となっていることが示されております。
次に、有明海・八代海などの干潟生態系におけるシギ・チドリ類の希少種の状況です。62ページ、有明海・八代海等の干潟においては、レッドリスト記載種が多く確認されており、これら干潟の希少種が確認され、認識されております。
次、63ページです。こちらは先ほどのまとめとなっておりますが、以上を踏まえて、有明海・八代海等の干潟生態系に関する知見の拡充を、引き続き図っていくことを考えています。
次に、社会経済情勢です。
65ページは背景等となりますが、平成28年度報告にて、2章の有明海・八代海の概要のうち、海域の背景において、流域人口、流域の土地区分状況、九州の産業構造の推移等を整理しました。また、5章の再生への取組の中で、今後の調査・研究開発の課題として、人口減少等の社会的背景についても留意しつつ、調査等を実施していく必要があることが指摘されております。
また、令和3年度中間取りまとめの第4章の再生方策に共通する今後の課題において、取り巻く社会経済情勢も大きく変化しており、このような状況や情勢の変化を踏まえつつ、中間取りまとめにおいて整理された課題の解決に向けて取り組むことが求められると指摘されております。
以上を踏まえ、令和8年度報告に向けて、有明海及び八代海等を取り巻く社会経済情勢に関する知見の収集・整理方法について検討を行いました。
66ページに基本方針として、情報収集等の具体的内容の留意事項を記載しております。
以上から、まずは流域人口、土地利用面積、産業別就業者数について、今回整理しております。
まずは流域人口です。有明海の流域人口は2010年に約340万人であったものの、それ以降は減少傾向に転じており、2030年には約295万人になるものと推計されております。八代海の流域人口は1990年に約53万人だったものの、それ以降は年々減少しており、2030年には約36万人になるものと推計されております。
次、69ページの土地利用面積です。田や畑の面積は減少傾向、宅地は増加傾向であるものの、データとして顕著には表れていないところです。
次、70ページの産業別就業者数を見ますと、有明海流域は、第一次産業、第二次産業の人口は減少傾向となっております。第三次産業人口は2000年までは増加傾向であったものの、その後は横ばい、あるいは減少傾向を示しております。八代海流域も同様の傾向となっております。
71ページは、先ほどの内容をまとめたものとなっております。
以上の整理した内容から、今後の方向性・論点として、有明海・八代海等の再生に向けてまとめる令和8年度報告の取りまとめのために、社会経済的な経年データの拡充として、例えば水利用の変遷、漁業者の年齢構成の推移、沿岸域で観光業に関連する人口等、どのような項目があるのか、どのようなデータがあるのか、整理が必要だと考えております。
また、収集するデータの開始時期として、いつから傾向を見るべきか、またはいつからデータがあるのかを整理する必要があると考えております。
次に、整理した社会経済的データと流域環境との関連性の比較・検討とその影響分析をどう進めるか、こちらについても検討が必要だと考えているところです。
以上でございます。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら挙手いただければと思います。
速水委員、横山委員、山室委員の順番で、速水委員からお願いします。
○速水専門委員 佐賀大学の速水ですけれども、3点ほどお聞きしたいことがあります。一つずついきたいと思います。
まず、スライドの8番ですが、この8番のスライドに関係して、後のほうにデータで実際に出てくるので、それも含めてなのですが、ここでは、日平均気温から、日合計全天日射量まで各項目について扱っている観測所が違うんですね。何で統一しなかったのかと、わざわざこれを別々にしたのであれば、その理由を教えていただきたいです。
○矢野委員長 事務局、分かりますか。多分、全天日射量は測られている、アメダス観測点が限定されているということだと思うのですが、いかがでしょうか。
○川田海域環境管理室室長補佐 降水量については、令和3年度の中間取りまとめの関係で、まとめたデータの経緯もございまして、また災害等の関係もございまして、人吉が入ったりしておりました。ただ、将来的には、観測所のデータについてはまとめる方向で進めたいと考えております。
○速水専門委員 分かりました。将来的にまとめるということで、その際に、気候変動について扱うので、基本的には、そのデータの期間が長いほうがいいと思うんですよ。
ですから、アメダスのように、1970年代以降しかないようなデータよりも、佐賀とか熊本の気象観測所のある場所ですね、地方気象台のある場所、そこのデータを、基本的には全ての項目で解析していただけたらと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。参考とさせていただきます。
○速水専門委員 それから、次に二つ目ですけども、37枚目のスライド、水質、赤潮ですが、このスライドでは、有明海・八代海の赤潮の長期の変動と、それから水温の変動が同期しているという、そういう話で、水温の変化が赤潮の変化に影響しているのではないかという話がされているわけですけれども、赤潮に関しては、中間取りまとめでも書かれているのですが、1998年から2000年ぐらいに急激に発生件数が増えていて、それが、赤潮の認識の仕方が変わったからではないかということが書かれているんですね。もし、その話が正しいとすると、この解析の結果とは矛盾する話になるし、その辺りをどう扱うのかということもお聞きしたかったのですけども。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。速水委員がおっしゃっているのは、ノリの色落ちで注目された珪藻赤潮をカウントすることが合わさって、赤潮の観測件数が増えた件のことをお話ししていらっしゃると思うのですが、おっしゃるとおりだと思います。こちらのほう、また精査してまいりたいと思います。
○速水専門委員 分かりました。できたら、これについても、珪藻赤潮をどの程度カウントするように変化したのかという辺りの根拠資料になるようなものを提出することができたらと思いますので、その辺も調べていただけたらと思います。
それから、あと48枚目のスライド、これが三つ目ですが、これはコメントとなりますが、干潟生態系に関する知見の収集・整理なので、やはり有明海・八代海の場合、泥質干潟が非常に特徴のある海域なので、泥質干潟の情報をより多く掲載していただきたいと思いまして、その場合、ラムサール条約の登録湿地になっているところは、そこはモニタリングが行われているはずです。ですから、有明海の場合、東よか、それから肥前鹿島、荒尾、この三つの干潟に関してはモニタリングデータがあります。それに関しては、地元の市町村に聞いてみればモニタリングデータが出てくるはずなので、実際、私も肥前鹿島の干潟のデータなんかにタッチしているので、もう少し、そのデータを探してみられてはいかがでしょうかというのが三つ目です。
○川田海域環境管理室室長補佐 恐らくラムサール条約に登録された辺りからのデータになると思いますが、もう少し内容を充実させるようにという御指摘をいただいたものとだと思います。データのほうを探して、どんどん取り込むようにいたしたいと思います。ありがとうございます。
○速水専門委員 ありがとうございました。
以上です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
続きまして、横山委員、山室委員と、あと、金谷委員、それから古川委員という順番でいきます。
横山委員、お願いします。
○横山専門委員 ありがとうございます。
先ほどの速水先生の指摘と似ているのですが、19ページの気候変動のところの降水量や50mm以上の話のところで、熊本、久留米、佐賀、雲仙岳、それから、八代だと牛深という地点ですかね、5か所ぐらい、100年間のデータがあるようなので、100年間では熊本だけをお示ししていますけれども、久留米は沿岸なのか沿岸じゃないのかという議論もあろうかとは思いますけども、筑後川の河口付近なので沿岸と扱ってもいいと思いますし、佐賀も多少は内陸ですけども、ほぼ沿岸だと思うので、そういった地点で整理していただいたほうがいいのではないかと思いました。
この辺は、国環研に専門の方がいると思いますので、その辺とも議論してお示しし、気候変動の影響って、結構話がセンシティブですので、地点の取り方によって結構結果が変わってくると思うのですね。私も数年前に、東京の状況はどうなのかなと思って、1か所の雨量観測所を調べてみたら、別に傾向が何もなくて、意外と全国で統計を取ると変化しているけども、1か所で見るとあまり変化はないなということも経験がありまして、地点の取り方で結構変わってくると思うので、どういう地点を取って、どういう整理をすると統計的有意性を示せるのかということを、専門の方と議論しながら示していただかないと、やや、恣意的な示し方になってしまうのではないかということを危惧します。
また、1976年以降の3地点データも、1976年以降でしたら、多分10か所ぐらい取れると思うので、これは北部に限定しているのかもしれませんが、もう少し丁寧な整理が必要なのかなと感じました。
以上です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
事務局から何か回答はありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 御指摘のとおり、専門家の方と、このデータについて、どう整理していけばいいかというところも御助言いただきながら、また、限定された箇所数のデータに左右されないように、複数のデータについて取り込めるようにいたしたいと思います。ありがとうございます。
○横山専門委員 よろしくお願いします。
○矢野委員長 ありがとうございました。
それでは次、山室委員、お願いします。
○山室委員 山室です。
45と46のスライドについて、教えていただきたいのですが、45では、ベントスやノリやワカメやシャトネラ赤潮の影響についてまとめていただいていて、非常に具体的に書かれていて分かりやすいと思いました。
次にこれを受けて46ですけれども、今後の方向性・論点などというところの下の二つですね、漁業分野における適応策事例の情報収集に係る必要性というのと、あと、関連研究による情報収集というのを御提案されています。この小委員会というのは、海域環境再生方策検討作業小委員会であって、方策を検討することになっていると私は理解しておりますので、そうなると、45で示されたような影響があるのであれば、それに対する方策がどういうものがあって、それが有明海・八代海にどのように使えるのかとか、どういうことを考慮しなきゃいけないかまで、本当は検討すべきなのかなというふうに思っています。その場合は、漁業分野における適応策事例というのが、有明海・八代海に限らず、全国の閉鎖性水域、内湾でどのようなことが行われているのかとか、それから環境省さんの環境研究総合推進費って結構大きなプロジェクトだと思うのですが、ほかにも大きな日本の研究プロジェクトがあって、例えば、農林水産省さんでも、恐らく温暖化によって何が起こってというのは、水域でも水産庁が中心になって多分されているのではないかと予想しております。また内閣府のムーンショット型研究開発制度なども、温暖化に関しては、恐らく近いテーマがあったと思いますので、適応策に対する研究というのをもっと前広にいろいろ調べていただいて、既にいろいろ調査を始めていらっしゃる、有明海・八代海で温暖化がどういうことになりそうかというのと並行して、それに対して適応策についても、いろいろ情報提供いただけるといいのかなと思いました。
以上です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
事務局いかがでしょうか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。今回、お示しできた情報が少なく、申し訳ございません。委員御指摘のとおり、水産庁のほうでも、特にサンマやサケ、イカが捕れなくなったことから、そういう検討委員会を立ち上げて、大きくその3魚種に対して検討会が行われております。そして、それに対してどのように対応していくかというところも検討されたり、そういった事例もございますので、そういった内容も取り込みながら、内容の充実のほうをさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○山室委員 ありがとうございました。
○矢野委員長 今のお話に関しては、資料3にも書いてあったのですけど、今日が第1回目のこの資料の提示になっていまして、これが、また第2回目というのもありますので、そこまでに、ある程度集めていただければなと思います。よろしくお願いします。
○川田海域環境管理室室長補佐 承知いたしました。
○矢野委員長 それでは次、金谷委員、お願いします。
○金谷専門委員 よろしくお願いします。
41枚目をお願いします。ヨコエビの知見、分布ですね、細かいことで申し訳ないんですけども、この結果を示していただいて、一例として紹介していただいたと思うのですが、これを読みますと、泥温と生息密度の間に負の関係があると、結果を見るとそうなんですけども、元の論文を読みますと、図にも描いているんですけど、貧酸素、高温の時期には貧酸素になるから、それで死んでいるということも、これから考えないといけないようなことが書いてありましたので、このスライドと、あと、まとめますと、単純に泥の温度というか水温、高水温で死んでいるような印象を受けるのですが、具体的なメカニズムとして、夏場の貧酸素というのが、多分ベントスの件も、要因としては結構いろんな海域で重要ですので、そういったメカニズムは今後検討する必要があるような、一般の方にも伝わるような書きぶりにしていただいたほうが、一人歩きしなくていいかなと思いました。それが一つ目です。
もう一つは48ページで干潟の情報収集をされるということで、ちょうど自分の仕事でデータを今見ていたりしたので思い出したのですが、環境省が2007年に全国で干潟調査をしまして、第7回自然環境保全基礎調査(干潟調査)報告書というのを出しています。こちらで、有明海・八代海の干潟もかなり生物が調べられていましたので、20年前のデータではありますが、どこにどんな干潟があって、どういう場で、どういう希少種、固有種がいるかということが、バックグラウンドデータとしてそこから読み取れるので、面的なデータとして、そういったものも今後見られるといいのではないかなと思いました。
以上、2点です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
事務局から、何か回答はありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。41ページにつきましては、誤解を与えないように、しっかりと、資料をつくるときは気をつけたいと思います。ありがとうございます。
また、干潟調査の環境省のデータにつきまして、ありがとうございます。確認いたしまして、付け加えられるものに関して、取り込みたいと思います。
○金谷専門委員 よろしくお願いします。
○矢野委員長 それでは古川委員、お願いします。
○古川専門委員 海辺つくり研究会の古川です。御説明ありがとうございました。
私のほうからは、社会経済情勢の評価の方針についてのコメントをさせていただきたいと思います。65ページのところに背景等々書かれていて、基本的には、65、66ページで書かれているものというのは、社会経済情勢が環境に対してどう影響を与えましたかということで、それについてマクロな情報として、人口ですとか、土地利用面積、産業構造というのが整理されている。これ自体は、端的におまとめいただいた良い資料と思います。
ただ、社会経済情勢というのは、先ほど山室委員からの御指摘もありましたとおり、この小委員会が再生方策を検討して、親委員会で評価をしていくということを考えますと、その再生方策がうまくいったのかどうかというのが社会経済情勢に反映されてくるという視点でも、実は大切な指標になると思っています。ただ、その場合には、マクロな社会状況、経済状況に反映されるというのは、非常に時間とか規模もかかりますので、大分細かい、ミクロな情報についてきちんと整理しないと、そこの部分が追えないかなと思っています。
例えばですけれども、土地利用を流域全体で整理されていますけれども、海岸線が、そもそも天然の海岸が残っているのかどうかとか、先ほど金谷委員のほうから干潟の状況という話もありましたし、そこに人がアクセスできるかどうかとか、そこで再生事業が行われているかどうか、そういうところに住民の人たち、漁業者の人たちが、イベントだとか社会活動をしているのかどうか、そういった細かい情報というのが、本当は出されていくと再生方策の評価というようなことにつながっていくのかなと思います。
その場合には、ほかの情報とは違って、昔の情報を集めてくるというのは非常に難しくなるので、そこにこだわるとデータがありませんということで終わってしまいますから、現在どうなっているのか、そして、それが将来どうなるのかという視点で、そういうミクロな社会経済情勢についてのデータ収集ということを、今後、方針として追加、検討されてはいかがかなと思いました。コメントです。
以上です。ありがとうございます。
○矢野委員長 どうもありがとうございます。
事務局から何かございますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 古川委員、どうも貴重な御助言、ありがとうございます。古川委員が指摘されましたように、本当にデータがあるかないかというところ、難しいところだと思いますが、ただ、古川委員のおっしゃるように、そういったことが評価につながるというところ、今後の参考にさせていただければと思います。今後検討してまいります、再生目標に対してどう評価していくかというところにつきましても、そういったお考えを取り入れていければと思います。ありがとうございます。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。再生というものの考え方にも関連する重要な御指摘だったかと思いました。
オブザーバーの委員の方は、何か御意見とかはございますでしょうか。
堀田委員、お願いします。
○堀田専門委員 1点気になる点がございまして、43ページの資料でございますけれども、ワカメについての現状、漁期、漁獲量とも現状維持の可能性ということでの記載ですけれども、これはあくまで気候変動で温度との関係ということで見られているので、適切かは分からないのですが、現状においては、要は冬場の水温が上昇したことで、暖かいときに、そもそも活動しているような魚類の活動が冬季にも長く見られるようになって、ワカメ等に食害等の状況が出ております。これはなかなか定量化が難しくて、なかなかここに、どう入れるかというのはあるのですが、全国的にも、ノリとか、ほかの海藻類の養殖等で、冬場は魚類が、活動期間が長くなって食害が発生していると、そういったものが影響しているというような状況もありますので、そういったものについても、少し知見としては入れたほうがよくないかと思いまして、意見として言わせていただきました。
○矢野委員長 ありがとうございます。
事務局、何か回答はありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。こちらは御指摘のとおり、あくまで、成長式が作成できるものについてこのような、あくまで現状維持という結果を出されているわけでございますが、そういった、ここの項目とはまた別として、こういった問題が起こってきていますといった知見についても集められるようにいたしたいと思います。
○堀田専門委員 ありがとうございます。先ほど、山室委員からも御意見がありましたように、では何か方策として取り組まれているのかというような話がありましたが、食害につきましては、ほかの全国的にも、あまり効果を上げるというところまではうまくいっておりませんけれども、食害防護のための試験的取組とか、そういったものについて実際に検討を始めているという状況ではありますので、その方策としても記載を検討すべきかなと思いました。
以上でございます。
○矢野委員長 ありがとうございました。適宜情報は上げていっていただければと思いますので、よろしくお願いします。
ほかはいかがでしょうか。
では、ないようですので、議題の2については以上とさせていただこうかと思います。どうもありがとうございました。
それでは、意見も出尽くしたということで、事務局におかれましては、本日は貴重な御意見をたくさんいただきましたので、次回以降の小委員会の開催に向けて準備等を引き続きお願いいたします。また、委員の皆様におかれましては、本日、説明が非常に、資料が膨大で、説明が完全に行われたというわけでもありませんので、一定期間ですね、1週間程度を目処に、お気づきの点がありましたら、事務局へ御連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次の議題はその他ですが、事務局から何かございますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 この前の議題で御審議いただきましたとおり、今回の小委員会より、情報収集等を開始したところでございますが、今後の小委員会におけるスケジュール案につきまして、お示ししたいと思います。資料3を御覧ください。
まず、水産小委員会のスケジュールから御説明させていただきます。
水産小委員会におきましては、令和5年2月の第10回で決定されました小委員会の作業分担、こちら参考資料1とついておりますが、この中で水産資源、そして漁場環境が水産小委員会の担当となっており、その内容として、有用二枚貝、ノリ養殖、魚類養殖等、また、漁場環境では赤潮、貧酸素水塊等を含むことが示されております。これらの担当内容と、第12回小委員会で決定された今後の情報収集等の具体的内容を踏まえ、以下のような行程を今のところ考えております。
本日午前に、第13回水産小委員会が行われましたが、午前と次回の第14回で、有用二枚貝について御検討いただきます。本日午前に行われた第13回水産小委員会では、関係県による勉強会からタイラギ、アサリ、サルボウ資源の現状、減少要因の解明について、そして環境省からタイラギの成長・生残要因の検討結果、農林水産省からタイラギ・アサリに係る取組として4県協調の取組等をお示しいたしました。
また、次回の第14回においては、有用二枚貝のほかの内容と併せて、赤潮についても御検討いただく予定です。
続いて、第15回では、貧酸素水塊、ノリ養殖、ここでは色落ちの原因となる珪藻赤潮を含めてお示しできればと考えております。
次に、第16回では、魚類についてお示しできればと考えております。あわせて、この辺りで、それまでお示ししましたテーマをまとめて、総括的にお示しすることも考えているところです。
以上の内容を進めるとともに、それぞれの小委員会の資料を本日のように参考資料として添付することで情報共有を図りながら進めたいと思っておりますが、例えば、この第15回の貧酸素水塊、ノリ養殖について、内容によっては、この海域小委員会との合同開催もあり得るのではないかと考えているところです。
次に、海域小委員会の行程の御説明をいたします。
先ほどの分担表では、海域環境として汚濁負荷、水質、底質等、生物生息環境、そして生態系としてベントス、魚類が海域小委員会の分担となっています。
また、前回の今後の情報収集等の具体的内容を踏まえ、まず、本日の第13回で、汚濁負荷、水質、底質等の海域環境と併せて、新規項目である気候変動の影響、干潟生態系、社会経済情勢について、どのように整理していくかなどについて御検討いただきました。本日の内容につきましては、1週間を目処に御意見をいただければと考えております。
次の第14回では、生物の生息環境に係る再生方策の取組とともに、有用二枚貝、そしてベントスについてお示しできればと考えております。
その次の第15回では、本日御指摘いただいた内容を踏まえ、気候変動の影響、干潟生態系、社会経済情勢について、新たにまとめ直した上でお示しできればと考えております。
また、第16回において、魚類について、特に環境研究総合推進費での成果も含めてお示しできればと考えております。
なお、この第16回にお示しするまでに、成果が間に合わなかったものについては、第17回での機会を設けさせていただければと考えているところでございます。
簡単でございますが、以上でございます。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
私から1点、確認したいのですが、1週間ぐらいで委員から何かお気づきの点があったら御意見いただくというお話ですが、この海域小委だけの委員の方が、水産小委の資料を見て、そちらに対してコメントとか意見を言っても、特に問題ないという理解でよろしかったでしょうか。
○川田海域環境管理室室長補佐 もちろんでございます。よろしくお願いいたします。
○矢野委員長 ありがとうございます。
ほか、委員の方から何か御意見、御質問等はございますか。
速水委員、どうぞ。
○速水専門委員 御説明ありがとうございました。
今のスケジュールに関して教えていただきたいのですが、報告書の全体の構成と、このスケジュールというのはすごく密接に関係してくると思うのですが、前回の報告書の3章に当たるようなところに関して、この第13回から第16回で話をして、それで、4章に当たるような部分、特に今回は適応策なんかも入ってくると思うのですが、そういったものについて、続いて令和7年度に議論していくという、そういう理解でいいですか。
○川田海域環境管理室室長補佐 まずは3章相当のところを進めていきたいと考えております。4章相当のところも、できるだけ時間を置かずに進めることができればと考えておりますが、まずは、こちらを進めたいと考えているところでございます。
○速水専門委員 分かりました。今日も山室委員から指摘があったと思うのですが、再生方策の評価に関してしていくということは多分非常に重要で、しかも、多分時間がかかるんですよね。ですから、できれば3章相当の部分を進めつつ、どこかでもって早めに、どういった評価の仕方をしていくのか、あるいは評価の対象はといったことを出していっていただければ、よりスムーズな報告書の作成につながるのではないかと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。その辺、計画を立てながら進めたいと思います。ありがとうございます。
○速水専門委員 ありがとうございました。
○矢野委員長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。ございますか。よろしいですかね。
それでは、本日予定されておりました議事については、これで全て終了となります。議事進行への御協力に御礼申し上げます。ありがとうございました。
進行を事務局にお返しします。
○川田海域環境管理室室長補佐 矢野委員長、ありがとうございました。
本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開させていただきます。
今後の予定として、3月19日に、こちらは親委員会となりますが、今年度最後となります第53回評価委員会を予定しております。次回の小委員会につきましては、先ほどの小委員会の審議スケジュールを踏まえ計画いたしますので、来年度となりますが、開催日につきましては、また日程調整の上、決めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして、第13回海域環境再生方策検討作業小委員会を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
午後3時42分 閉会