第11回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 海域環境再生方策検討作業小委員会 議事録

開催日

令和5年10月31 日(火)

場所

対面方式及びWEB会議方式を併用して開催

出席者

 

 小委員会委員長 : 矢野 真一郎委員長

 委員 :上久保祐志委員、山室真澄委員

 専門委員 : 青木美鈴委員、金谷弦委員、桐博英委員、速水祐一委員、東博紀委員、古川恵太委員、山口敦子委員、弓削こずえ委員、横山勝英委員
 評価委員長:古米弘明委員長

(オブザーバー)
 林美鶴委員、松山幸彦委員

(関係省庁)

 農林水産省農村振興局整備部農地資源課 小松課長補佐、橋本係長

 林野庁森林整備部治山課 日下部企画官、後藤課長補佐

 水産庁増殖推進部漁場資源課 吉川課長補佐、田代係長、辻係員

 水産庁増殖推進部研究指導課 中村課長補佐

 水産庁漁港漁場整備部計画課 松﨑課長補佐、落野計画官、山内係員

 国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 新保係長

 国土交通省港湾局海洋・環境課港湾環境政策室 釘田課長補佐

 国土交通省九州地方整備局河川部 上村管理官、原田課長、古川専門官、辻丸係長

(事務局)

 環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室長、海洋環境課海域環境管理室室長補佐

議事録

                                           午前10時01分 開会

○川田海域環境管理室室長補佐 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第11回海域環境再生方策検討作業小委員会を開会いたします。なお、水産資源再生方策検討作業小委員会は、御案内のとおり先週27日、金曜日に開催いたしております。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の委員会は会場とウェブ会議、両方での開催とさせていただいております。ウェブ会議で御参加いただいております委員の皆様には、御不便をおかけいたしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど不具合がございましたら、事務局までお電話、またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。
 議事中、マイク機能は委員長及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。なお、ウェブ会議で御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意思はこのマークで確認いたします。委員長から御指名されましたら、マイクのミュートを解除の上、御発言いただきますようお願いします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう操作願います。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、御協力をお願いいたします。
 また、ウェブ会議では、通信状況や御発言者様のお声の質によっては不明瞭な箇所が出てくる可能性がございますので、恐れ入りますが、御発言前にお名前を名のっていただき、少々ゆっくりと御発言いただけますと幸いです。
 本小委員会は公開の会議となっており、環境省海洋環境課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。
 それでは、まず、議題に先立ちまして、環境省海域環境管理室長の木村より御挨拶を申し上げます。
○木村海域環境管理室長 皆様、おはようございます。ただいま御紹介いただきました、環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室長の木村でございます。
 委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。
 始めに、環境省水・大気環境局では、本年7月に組織再編を行いましたので、御紹介いたします。不変の原点である公害対策について、引き続きしっかり取り組むため、大気、水、土壌の三つの環境媒体を一体的に管理する組織を構築することとしました。その一方で、時代の要請にしっかり対応するため、海洋プラスチック問題や運輸部門の脱炭素化を強力に推進するための組織を整備いたしました。
 当室は、以前は水環境課閉鎖性海域対策室という名称でございましたが、現在は海洋環境課海域環境管理室へと名称を変更してございます。それとともに、閉鎖性水域である湖沼に関する業務が新たに加わりました。
 以上のような変更はございましたけれども、有明海・八代海等総合調査評価委員会については、海域環境管理室が事務局を担当させていただきますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、本日の海域小委員会ですけれども、本年2月に開催して以来の開催となります。今回は、令和8年度報告に向け、前回の小委員会で審議された作業方針や今後の情報収集等の方向性を発展させて、今後の情報の収集、整理、分析等の具体的内容を検討いただくこととしております。また、有用二枚貝の減少等の問題点とその問題点に関連する可能性が指摘されている原因、要因との連関図について、さらなる発展に向けた方向性を御検討いただくこととしております。
 委員の皆様には、忌憚のない御意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございました。
 それでは、次に進みます。
 本日の御出席状況ですが、欠席の御連絡を鈴木委員及び小林臨時委員よりいただいております。また、金谷専門委員及び山口専門委員が遅れての御出席となること、御連絡いただいております。現時点で海域小委員会の委員14名中10名の方が御出席されておりますので、有明海・八代海等総合調査評価委員会委員会令第6条に基づく会議での定足数を満たしていることを報告いたします。
 本日は、評価委員会の古米委員長並びにオブザーバーとして林委員が、そして、水産小委員会から松山専門委員が、オンラインにて御参加いただいております。オブザーバー参加の委員におかれては、御質問や御意見がある場合には、発言を求められてから挙手をお願いいたします。
 なお、本日は、農林水産省農村振興局農地資源課の小松課長補佐が出席しております。また、水産庁、林野庁及び国土交通省からオンラインにて御出席いただいております。
 環境省側の出席者も紹介させていただきます。
 先ほど御紹介させていただきました海域環境管理室長の木村、同室長補佐の川口、私が川田でございます。
 続きまして、資料については、事前に電子データ等で御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。資料に不足がございましたら、事務局までお知らせください。
 また、ウェブ会議では、事務局が画面上に資料を掲載して進行させていただきます。
 それでは、議題に入ります。以後の進行につきまして、矢野委員長、よろしくお願いいたします。
○矢野委員長 はい、了解いたしました。本日の進行を担当いたします、本小委員会委員長の矢野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。限られた時間の中で、円滑な議事の進行に御協力をお願いいたします。
 それでは、早速ですが、議事を始めさせていただきます。
 本日の議題は、お手元の議事次第にあるかと思いますが、議題としては主に二つでして、議題1「情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討」及び議題2「連関図の方向性の検討」の2議題となります。
 それでは、まず、議題1として資料2の「情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討」について、事務局より御説明をお願いいたします。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局の川口でございます。私から御説明させていただきます。
 説明に当たっては、資料に括弧書きで「(海域環境再生方策検討作業小委員会)」と記載されているものを使用しますので、こちらを御覧ください。
 今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討についてですが、1の基本的な考え方に記載しているとおり、令和5年2月13日に開催された第10回小委員会、これは水産小委と海域小委の合同開催でしたが、ここで作業方針及び今後の方向性を決定いたしました。
 今回の資料2では、参考資料3としてお配りしております、小委員会における今後の情報の収集・整理・分析について、第10回小委員会で審議された作業方針及び今後の方向性を踏まえまして、今後の情報収集等の具体的内容の検討へ置き換えるものでございます。なお、資料2の【参考】として、水産小委の分もお配りしており、海域小委と同様の構成で作成しております。
 なお、資料2の【参考】につきましては、本日は資料の詳細の説明をいたしませんが、先日開催しました水産小委での御意見は、説明の最後のほうに、併せてお話をすることにいたします。
 それでは、資料2の1ページ目でございます。こちらで、情報収集の基本的な考え方としまして、二つ記載しております。
 まず、一つ目の丸の「また」よりも前の箇所でございますが、新たに情報収集等を行うこととなった気候変動影響、生態系・渡り鳥等、社会経済情勢等に係る知見は、海域小委において情報収集等を行うとしております。
 ここは、海域小委の箇所となりますが、具体的内容については、資料2の3の(5)で記載しておりますので、また改めて説明いたします。
 続きまして、「また」以降の箇所でございますが、有明海・八代海等の環境等の状況や、再生方策の実施状況及びその成果の情報収集等を、両小委員会において、①関係省庁及び関係県からのヒアリング・データ提供、②これまでに収集されたデータも含めた詳細なデータ整理、③令和3年度中間取りまとめ以降の新たな論文収集により行うとしております。
 次に、二つ目の丸でございますが、蓄積されたデータ等について、時間的な観点、空間的観点、データ項目の関係性の観点から、より詳細な分析を進めるに当たっては、複数機関で得られたデータを統合して検討することも想定されることから、専門分野の委員からデータ精度の管理も含めて、適宜御確認いただくとしております。
 次に、2ページ目に進みまして、2の海域小委における情報収集等のうち、(1)データの情報収集等でございますが、「作業方針」で整理された作業分担を踏まえ、海域小委では主にベントスや魚類等、有用二枚貝の生物生息環境の視点から海域環境項目に係るデータ整理を行い、これらを時間的な観点、空間的観点、データ項目の関係性の観点から総合的に分析し、減少要因等を検討することとしております。中間取りまとめを踏まえ、気候変動の影響や社会経済情勢の変化の影響などについて考慮するとしております。
 また、「今後の方向性」で整理された作業分担を踏まえ、「データの蓄積等科学的知見の充実に係る項目」のうち、海域小委が担当する項目について情報収集等を行うとともに、必要に応じて知見を有する評価委員や水産小委所属委員の協力を得るとしておりますが、水産小委の資料2においても同様に、必要に応じて知見を有する評価委員や海域小委所属委員の協力を得ると記載しております。
 次に、3ページ目に行きまして、下のほう、(2)再生方策の検討等としまして、「作業方針」で整理された作業分担を踏まえ、海域小委では「生物の生息環境」、「ベントス」に係る項目を中心に、平成28年度委員会報告で示された再生方策の実施状況及びその成果の情報収集等を行うとしております。その際、「今後の方向性」で整理された作業分担を踏まえ、「今後の方向性」別紙1の「再生方策等の実施状況等と課題の整理」のうち、今後の課題や取組方針等に記載された課題の解決に向けた取組状況について、情報収集等を行うものとしております。
 この3ページ目までは、これまでの審議内容を踏まえて記載しておりますが、次の4ページ目以降が、本日の小委員会で特に御意見をいただきたい箇所となります。
 それでは、4ページ目の3の今後の情報収集等の具体的内容についてですが、先ほどの3ページ目のところで掲げました「生物の生息環境」、「ベントス」に係る項目を中心に、一部担当が含まれる有用二枚貝、魚類等も含め、それぞれごとに平成28年度委員会報告で示された再生方策を列挙しまして、再生方策ごとに、①関係省庁・関係県の取組状況のヒアリング・関係データの提供依頼として、具体的な検討項目を記載の上、関連事業も掲載し、併せて②のデータ整理・分析に係る留意事項を記載するといった構成としました。
 まず、4ページ目の(1)の生物の生息環境では、生物の生息環境として、底質改善、河川からの土砂流入、藻場・干潟・カキ礁の保全・再生、漂流・漂着・海底ごみ対策等に関する情報収集等を実施するとしております。
 その次に、ア)の再生方策から、5ページ目のエ)の再生方策まで、先ほど説明いたしました構成にて記載しております。
 例えば、ア)の底質改善の実施、河川からの土砂流入量の把握、適切な土砂管理、ダム堆砂及び河道掘削土砂の海域への還元の検討等においては、①としましては、覆砂、海底耕耘、浚渫、作澪等の実施状況と効果の把握や、河川から海域へ供給される土砂の調査、河口域における土砂挙動等の調査及び流域全体の土砂収支の精度向上等を記載、関連事業として3事業を挙げており、②のデータ整理・分析に係る留意事項としましては、中間取りまとめで整理された課題等も参考にして、例えば、崩壊土砂の河道内への流出状況を注視するとともに、定期横断測量及び河床材料調査などの基礎調査結果により、河道内の土砂堆積状況を確認するなどといったことを記載しております。
 なお、(1)生物の生息環境の最後、6ページ目のところに、作業方針の抜粋として、生物の生息環境の場合の検討事項の作業分担を掲載しております。
 次に、7ページ目、(2)ベントスでは、ベントス群集及び関連する海域環境項目のモニタリングによるデータ蓄積を継続するとともに、ベントスの生息環境に関連する海域環境項目に着目し、データ整理等を実施するとしております。
 その次に、ア)の再生方策から、同じページのイ)の再生方策まで記載しておりまして、その最後の作業方針の抜粋について、先ほどの生物の生息環境の場合と同様の構成で記載しております。
 次に、8ページ目の(3)有用二枚貝では、令和8年度委員会報告に向けて、関係省庁等において、集中的に調査・研究が実施されている「タイラギ」、「アサリ」を中心に検討を行うとしておりまして、その次に、ア)とイ)の再生方策までと、次の9ページ目のところに、同じように、「作業方針」から抜粋をして、作業分担を整理しております。
 最後に、10ページ目の(4)魚類等では、魚類等の生活史に関する情報収集等を踏まえ、対象とする海域における海域環境項目の状況を整理するとしており、その次に、ア)の再生方策から、11ページ目のウ)の再生方策まで記載しておりまして、最後の「作業方針」の抜粋として、同様に作業分担を掲載しております。
 ここまでは、5項目の区分で記載しておりますが、海域小委では、次の12ページ目以降に、(5)気候変動影響、生態系・渡り鳥等、社会経済情勢等としまして、新たに情報収集を行うこととした事項に関する情報収集等について記載しております。
 まず、ア)の気候変動影響の調査・研究としまして、こちらは①に記載のとおりですけれども、②の留意事項としましては、有明海・八代海等の気候変動影響に係る知見の収集に当たっては、関連する記載のキーワードによる文献検索を行い、情報を収集・整理すること。有明海・八代海等の知見の収集のほか、日本の海域全体の気候変動影響に関する知見を収集・整理するとともに、有明海・八代海等の現地で長期間モニタリングした調査結果も収集・整理すること。基礎的な情報である気象データについて、経時的なデータを収集・整理し、長期的な傾向を分析すること等を記載しております。
 次に、イ)の流域を意識した生態系のつながりや渡り鳥等としましては、①は記載のとおりですけれども、②の留意事項としまして、渡り鳥のうちシギ・チドリ類は干潟生態系の指標として、ガンカモ類は陸水域生態系の指標として調査が実施されていますので、これらの生息・飛来状況等に着目して分析すること。
 また、有明海・八代海等の干潟等に生息・飛来するシギ・チドリ類、ガンカモ類等の個体数について、経時的なデータを収集・整理し、長期的な傾向を分析、個体数の収集・整理に当たっては、有明海・八代海等以外の内湾のデータも整理すること等を記載しております。
 最後に、ウ)の社会経済情勢の変化ですけれども、こちら13ページ目になりますが、こちらも①は記載のとおりですが、②の留意事項としまして、有明海・八代海等の流域における人口、土地利用等の経時的データを収集・整理し、過去からの変化状況を確認すること。これら社会経済的なデータと、例えば汚濁負荷量といった流域環境を指標するデータとの関連性について比較・検討し、社会経済情勢等の変化が流域環境に及ぼす影響について分析することを記載しております。
 今回、今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討を議題としておりますが、事務局としましては、本日の第11回小委員会では、海域小委の資料について御意見をいただき、それを踏まえて、次回合同で開催することを想定している第12回小委員会で、水産小委、海域小委の意見を集約し、各小委における内容について決定するということを考えております。
 なお、10月27日に開催された水産小委での御意見としまして、例えば3ページ目の別表2について、有用二枚貝、魚類等の資源量、生息の場の分布状況等といった項目が挙げられておりますが、各項目を整理するプロセスとして、それぞれ並列ではなく、項目と項目の間はどのように詰めるのか。また、水産小委と海域小委で検討が分かれており、それぞれの小委がまとめたものを合体させるだけでは、項目と項目の間のすり合わせができないので、作業手順のイメージをいただきたいと御意見がございましたが、今回の資料2では、どのようなデータを集めるかということをお示し­しており、いただいた御意見を参考に、情報の集め方の順序なり、すり合わせ方法なり、検討して、今後お示ししたいと考えております。
 また、ノリ養殖に関しての御意見ですが、ノリ不作の大きな問題として、雨が少ない、水温が高いなどの話を聞くが、具体的なデータを示してほしいということと、親委員会でデータが先に提示されるのではなく、小委員会でもデータについて議論しておく必要はないのかといった御意見がありました。
 事務局としましては、可能な限り、小委員会で御議論いただいた上で、親委員会で御議論いただきたいと考えておりますので、まず、データに関しては小委員会へ出すように考えております。
 本日は、どのようなデータや情報を集めるのか、データ整理・分析に係る留意事項のほか、委員会への提示の仕方などについても御意見をいただければ、今後の参考にさせていただきたいと考えております。
 説明は以上です。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
 ただいま御説明ありました、「今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討」については、本日のこの小委員会で議論いたしまして、それを踏まえて次回第12回合同で開催される小委員会で決定という手順となります。
 それでは、今の御説明の内容につきまして、御意見並びに御質問等を承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 山室委員、お願いいたします。
○山室委員 質問です。この資料2の主語がちょっと分かりにくいので、小委員会のどこが何をするのかというのを教えてください。
 まず、先ほど最後のほうに親委員会と言われたのは、これは有明海・八代海等総合調査評価委員会のことを親委員会と言ってらっしゃいますね。
○矢野委員長 事務局からいいですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 まず最後のほうですけれども、少々説明が十分でなかったですが、親委員会というのは、有明海・八代海等総合調査評価委員会が正確な名称になります。
○山室委員 ありがとうございます。この資料2の中で、評価委員会という言葉が出てくるのも、そちらですね。
○川口海域環境管理室室長補佐 例えばどちらの部分になりますでしょうか。
○山室委員 例えば、2ページの2番の海域における情報収集等の(1)のデータの情報収集などの一番下の文章に、評価委員という言葉が出てきていますね。
○川口海域環境管理室室長補佐 はい。
○山室委員 これは、だから、先ほどの有明海・八代海等の親委員会と先ほど言われたのと同じことですね。
○川口海域環境管理室室長補佐 そういうことになります。
○山室委員 それを踏まえた上で教えていただきたいのですが、1ページの基本的な考え方の最初の丸のところに、新たに情報収集等を行うこととなった云々とあって、両小委において1から3により行うと書かれている両小委というものも、この小委というのはこの委員会のことだと思います。前にも同じような質問をしたと思いますが、小委といったとき、私たち委員と、それから環境省の事務局の方と、事務局から作業を発注している業者が具体的な作業をされるのかなと想像していますが、ここの丸に書かれている情報収集は、私たち委員が行うのか、事務局が行うのか、それとも事務局が発注した業者が行うのかという主語が分からないのですが、いかがでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局の川口から回答します。具体的にどこに発注ということは毎年変わる可能性がございますのでお答えできませんが、基本的にこちらに書いてあるヒアリング・データ提供とか、データ整理とかに関して、まず一時的には事務局で関係省庁などにお願いをして、方法はともかくとして事務局で集約をして、小委員会の方にお示しをすると考えております。
○山室委員 はい。それで、そういうことを踏まえて、次に先ほどの2ページの(1)のデータ情報収集等というのがありますが、今おっしゃったお話ですと、集まったデータというのは、環境省の事務局の方だけで集まった段階で、小委員会に提示されるということですね。
○矢野委員長 委員長の矢野ですが、今の御質問の意図としては、集めるという作業を事務局側でやった後に、恐らく誰が分析とか解析みたいなことをやるのかというところが分からないという、そういう意味でしょうか。
○山室委員 はい。それで、その分析データが生データで出てくるとは思えないのですが、これも過去に私、御質問したと思いますが、委員会資料として出てきた時点で、既にこういうのが必要だという資料が抜けていたり、こんな解析はおかしいのではないかということがあって、事前にどの段階で専門の委員に相談するのかということを、もう少しきちんと考えたほうがよいのではないかということを、かなり何度か御意見させていただきました。今回のこの資料2を見る限り、その辺りはやはりまだ少し見えてこないので、御質問させていただいた次第です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
 その点については、後ほど事務局からも正式に回答いただくことになろうかと思いますが、親委員会と、この二つの小委員会の委員長間などでも、少し裏側で議論しているところではあるのですが、やはりデータの解析そのものはかなり専門性とかが必要になってくるので、親委員会ですとか、この二つの小委員会の委員の方から何人かお願いして、ワーキンググループ的なものを作業部隊として作って、そこでもむ必要があるのでないかなということは今検討中でして、恐らく次の第12回の小委員会のときに、そのことを御提案する流れになろうかと思っていますが、今日のところでは、まだ今そういうようなアイデアを準備しているような段階でして、今日の段階でお諮りしていないということになっております。
 事務局から補足説明ございますか。
○川口海域環境管理室室長補佐 この評価委員会だったり、小委員会だったりの場で、有識者全員の方の御意見をいただくというのが時間的に難しいところもございますが、その内容に応じまして、関係省庁だったり、事務局だったり、専門的な意見をいただきたいという部分で、事前に相談して、その資料について御意見をいただくという形で、具体的にどういう媒体を、正式にワーキンググループとして作るのか、個別にお願いするのかというところまできちんと決めているわけではございませんが、そういった形で、有識者の意見を聞きながら資料として出すということで、一応考えているところです。
○山室委員 はい、ありがとうございます。
 私がこういう発言をするようになった原因として、何度も委員会があるので、少し記憶が間違っているかもしれないのですが、たしか何かの減少について、時系列で過去からどういう傾向にあるかというのを統計解析された資料が、横軸、だからX軸が時間なんですね。古いものから新しいものを並べて、縦軸が量だったんですよ。それを一次近似して、それで相関がないから時系列的な変化はないみたいな解析をされていて、いや、時系列を一次近似なんてあり得ないじゃないかと。こういう時系列でそういう時間経過に沿った変化があるかどうかというのは全く別の統計解析をするんですよということを、報告書をまとめるかなり直前ぐらいのところで発言した記憶があるんですね。
 これは何を意味するかというと、そもそもそういう解析があるということを知らない状態で、最後のほうまで行ってしまったということなので、これは専門の方にお願いしなきゃいけないと、事務局の方もしくは事務局が発注した業者の方が気づくかどうかというのは、事務局の方と業者の方がどれぐらい専門知識を持っているかにかかってくるんですね。一般的な人だと思いつかないと思うんですよ。だから、その辺りをどうするかというのが、かなり、また二の舞になるのかどうかの鍵になるのではないかと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○矢野委員長 どうもありがとうございます。非常に貴重な御意見だと思いますし、恐らく今言われたのは中間取りまとめのときのデータなのかなと思いますが、今度の令和8年度委員会報告に向けて、そこら辺のデータの取扱い方、分析の仕方等は、改善できるところはしていくということで、事務局、よろしいですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 はい、それでよいです。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、古川委員、お願いいたします。
○古川専門委員 ありがとうございます。海辺づくり研究会の古川です。
 私から3のところで御紹介のありました、今後の情報収集等の具体的内容について、2点ほど指摘をさせていただきたいと思います。
 1点目は、(1)生物の生息環境のア)の部分ですけれども、底質改善の実施ということで、こういうデータを集めて、こういうデータの整理方針でということが書かれていますが、①の1つ目に、例えば覆砂だとか、海底耕耘、浚渫、作澪ということが書いてあって、この辺に対応するデータとしては、農林水産省さんの海底耕耘とか作澪の事業というのが、下に枠組みで書かれていますが、恐らく浚渫だとか作澪という形でやっているかどうか分かりませんが、国土交通省の港湾の維持、また、開発のために浚渫、覆砂などをされているという事例もあろうかと思います。
 その場合には、底質を直接改善しているわけではないですけれども、流れを変えるということで、海底の底質の改善などに非常に関連性の強いことですので、そこら辺の情報もきちんと入れていただくことが必要かと思いますし、同時に、データの整理の方針において、海水交換などに影響するような作澪だとか、覆砂だとか浚渫だとか、覆砂も底質改善という意味だけではなくて、潮流の変化というような目でも注意をして検討する必要があろうかと思いますので、そういった内容を追記いただくことを御提案いたします。
 二つ目については、(5)のウ)の社会経済情勢等の変化に関してですがちょっと具体的な説明ができませんが、今、社会経済状況等の変化に関しては、これは環境への影響がどう出るかという目で、社会経済状況がこう変わったら自然条件に対してこんなふうに影響する可能性がありますということを記載の情報整理ということで整理されているかと思うのですが、この社会経済情勢についてはもう一つ視点があると思っていて、それは流域環境が変化する、または流域環境へのアクセスが変化するということで、今度、社会経済情勢などに影響がフィードバックされるというような事例というのがあります。
 東京なんかでも、自然再生だとか、また今流行りのブルーカーボンの取組ということが進んでくると、その沿岸に立地している企業が、そういう自然再生に興味を示して事業に参画してくるなどということがありますので、自然環境側から社会環境側にどんな影響があるのかというようなことを収集したり、整理したりという視点が必要ではないかという御提案をさせていただきたいと思います。
 私からは以上、2点です。
○矢野委員長 はい、どうもありがとうございました。
 確認ですが、今の最後の二つ目の御提案の中で、古川委員が、流域環境へのアクセスと言われたのですが、これは、例えば有明海・八代海で言えば、今、八代海なんかでアマモ場の再生とかやっていますが、そういったことに市民がアクセスして、環境改善につながっているとか、そういう意味合いのアクセスでよろしかったですか。
○古川専門委員 それもそうだと思います。もっと単純には、海辺に近づけるような状況になっているか、なっていないかというところが一つありますが、それに加えて、そこがごみだらけの場所ではなくて、自然再生が進んできて、人々が好んで行くようになったなんていうことも、やはりアクセスの向上の一つだと思いますので、今御質問というか例示されたものも、アクセスの変化、向上ということで捉えられてよろしい事例じゃないかなと思います。
○矢野委員長 どうもありがとうございます。
 では、事務局から、二つ加えてはどうかという御提案がありましたが、いかがでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局の川口です。まず、最初にお話がありました、(1)のア)のところに関して、海水交換とか潮流の変化といった視点から、ほかの例えば国土交通省の港湾の事例とかを加えたらどうかという御提案ですが、こちらにつきましては、私のほうで即答はいたしかねるのですが、国土交通省を含めた関係省庁へ御意見を伝えて、調整を図っていきたいと思います。
 二つ目につきまして、社会経済情勢等の変化について、今、環境への影響を中心に書いていますが、その逆としてフィードバックされる部分、いわゆる環境の変化が社会経済情勢に影響を与えるというところもあるという御指摘かと思いますが、まず社会経済情勢に関して、どういう形でデータを収集すればいいのかというところから事務局でも少し悩んでいる部分がありまして、まず思いついた部分としましては、先にいわゆる環境への影響を先に調べていこうと考えておりましたが、逆の視点として環境が変わることによる社会経済情勢への影響についても、新たな視点ということで、追加して検討していきたいと考えております。
 以上です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
 今、御説明にもありましたけど、最初の国土交通省が主にやっている港湾の航路浚渫とか、その辺りについては有明海・八代海でしたら、大きい港といったら、三池港とか熊本港、八代海だったら八代港とか、その辺りになるかと思うので、その辺りのデータそのものは、国土交通省にお願いすれば提出はしていただけるとは思うのですが、それが環境改善にどう影響があったかというところまでのデータを国土交通省がお持ちかどうかは少々よく分からないところもあるので、少し検討は必要かなと個人的には思いました。
 あと、二つ目については、古川委員の御提案で結構かなと思うのですが、シナリオベースの話とかになるのかなという気もするので、定量的というよりは定性的評価の方向になるのかなと思うのですが、非常に重要な項目かなと思いました。
 古川委員、よろしいでしょうか。
○古川専門委員 委員長、すみません、1個目のお話ですけど、先ほどの山室委員からの御指摘と被るかもしれませんが、こういう作澪だとか浚渫だとかされていますというデータを国土交通省さんからいただいた後、国土交通省側に、じゃあ、それが干潟にどういう影響があったのですかとお聞きになるのは、国土交通省の担当、所掌範囲を超えた御質問になるのかなと思います。
 こういう、いわゆる違う事業目的でされていることが、ほかの事業にどう影響があるのかというのは、まさにこういう小委員会だとか、省庁横断的に設置されている委員会の中での検討マターではないかなと思いますので、それを具体的に小委員会の中で議論するのか、ワーキンググループを作ってというのか、またヒアリングを個別にされるのかというのは、それは事務局側に御判断をお任せしますが、データを出してもらうということと、最後の評価までしてもらうということは、切り分けて実施されてはいかがかなと思いました。
 ただ、対処方針については、追加の意見ございません。ありがとうございます。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
 分析をどこがするのかという話は残りそうであるので、これは要検討かなという印象ですが、検討させていただくということで、事務局、よろしいですか。はい、ありがとうございます。
 それでは、次に速水委員、お願いいたします。
○速水専門委員 今後の進め方について、3点ほどお聞きしたいのですが、順番に行きたいと思います。
 まず一つ目ですけれども、この海域小委における情報収集等のところに、(1)でデータの情報収集等があり、(2)として再生方策の検討等があるのですが、これは、前回の委員会報告、それから中間取りまとめいずれにおいても、まず3章で有明海・八代海等の環境等の変化についてまとめられていて、4章で問題点とその原因・要因の考察というふうに組み立てられているのですが、それぞれこの二つのチャプターに相当する情報収集と検討という理解でいいですか。
○矢野委員長 はい、ありがとうございます。事務局からよろしいですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 今回の具体的内容の検討を踏まえて、次の第12回小委員会で、委員会報告の章立てとか目次構成とかというところを検討いただくということになるのですが、そことの話の部分と関連するところもあると思うのですが、基本的には、いただいたデータを基に、環境等の変化だったりとか、問題点とその原因・要因とかの分析に使うということを想定しております。
 そこは章立ての部分と関連してくる部分もありますので、具体的なところは、また次回の小委員会のところでまたお話ができればと考えております。
 以上です。
○速水専門委員 分かりました。
 二つ目に、先ほどの山室委員のコメントにも関係するのですが、事務局及びワーキンググループができるのかどうか、まだ分からないですけども、そういったところで整理した結果が、まずこの前回報告にある有明海・八代海等の環境等の変化と同じように、基本的に今までのデータに付け加えたものを淡々と解析結果を示していった、それをまず委員会に出されて検討するのか、それとももう少し詳しい解析まで含めた形のもので出てくるのか、その辺の方向性について教えてください。
○矢野委員長 事務局からよろしいですか。
○木村海域環境管理室長 まず「淡々と」というのはもちろんやりますし、それに加えて、できるだけいろいろなことを詳しく解析したいという思いは持っていますが、すぐこの場でどこまでのことができるのかというのは、やってみないと分からないところもございます。ただ、もちろん、委員会、評価委員会にしろ小委員会にしろ、そういう解析をしっかりやっていくということが期待されていますので、できるだけそちらに近づけていきたいと思っております。
○速水専門委員 分かりました。
 そうすると、3の今後の情報収集等の具体的内容の部分では、例えば潮汐、潮流とか、それから水質とか底質といった、これまでずっとデータを積み重ねてきたものに関する記述がないのですが、その辺のデータも当然収集して、それで今までのデータに付け足して、解析をしていくという部分が入ってくると思うのですが、その辺りはどうなっているのですか。
○矢野委員長 かなり個別な質問ではありますが、事務局から回答できますか。
○川口海域環境管理室室長補佐 今こちらにお示ししているのは、一つは中間取りまとめで、再生方策の実施状況等の整理ということが、今後の委員会報告に向けてのやり方としてございましたし、その再生方策の実施状況について、まだ報告をしていない部分もございましたので、再生方策をベースとして、その実施状況と、それに関連する環境等の変化とか、原因・要因とかというところで一応書いてはおりますけれども、もちろん潮流とか潮汐とかというのをしないわけではありませんで、それはそれで、前回までの委員会報告だったり、中間取りまとめの情報更新だったりというのは、別途事務局で情報の集約とか、そういったことは検討していく予定にしております。
○速水専門委員 分かりました。やはり、この長期のデータの解析があってこその再生方策云々だと思うので、いきなり再生方策の検討に入るのではなくて、その前に、今までのデータと合わせたデータの再解析をして、それに基づいた御議論をしていただければと思います。よろしくお願いします。
○矢野委員長 速水委員、どうもありがとうございました。
 今、速水委員が言われたことは非常に重要だと思うのですが、例えば潮流とか潮汐の長期的な分析をこちらがやるということじゃなくて、恐らくそれをやった論文等が出ている場合、その論文の内容をこちらに上げて、分析の資料にしていくという流れなのかなと考えていますので、まずはそういった実際に調査をしている大学なり組織なりが論文化していただくというのが非常に重要だと思っていまして、その論文をなるべく間に合うようにしていただけると、この令和8年度委員会報告に反映できるという流れになるのかなと思います。
 ですから、データがここにありますよとデータをポンとこちらに渡されても、恐らくそれを分析するということはできないのかなと思っていますので、そういう流れかなと私は理解しております。
○速水専門委員 分かりました。ただ、委員会報告というのはデータブック的な側面もあるので、今までずっとデータを、毎回報告書ができるたびに積み重ねてきた部分については、やはりきちんと入れていっていただけたらと思います。
○矢野委員長 もちろん、受け入れるほうは受け入れると思うのですが、例えば潮汐であれば、気象庁なり、海上保安庁が長年取られてきているデータというのがやはりベースになるかと思うのですが、大学等で行われている、その中の一部分、新たに行っている観測プロジェクト等で取られているデータについては、データそのものが公式に出ているわけでもないので、データの分析を研究組織のほうでしていただいて、何らか公にしていただかないと、なかなかこちらに上げづらいということなのかなと考えておりますので、速水先生はその辺御理解いただいていると思うのですが、そういう流れかなと理解しております。
 事務局、それでよろしいですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね、事務局からですが、今回、再生方策等をベースに具体的内容の検討ということで、議題として上げさせていただいていますけれども、次回の第12回の小委員会では、いわゆる章立てといいますか、各章でどういった見解で、どういったことを書くのかというところも含めて、また、御議論いただきたいということで、資料の準備をしておりますので、またそちらでも、御検討いただければと思います。今回お話しいただいた分は、また今後の参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○速水専門委員 どうもありがとうございました。
○矢野委員長 ありがとうございます。
 では、東委員お願いします。
○東専門委員 東です。資料2全体、水産小委の資料も含めて全体を比べると、海域小委の資料の4ページ以降、これは全部海域小委担当の仕事で、データや知見収集の作業を分担するのかと理解しましたけど、一方で、この2ページ目、3ページの表と別紙2の表、4ページ目以降の内容が整合していない。むしろ、どっちの担当なのかが見えないところがあります。
 具体的に言いますと、貧酸素水塊、これは海域小委と水産小委の両方と書いてあって、ここは確かにそのとおりだなと思って見てはいますが、一方で有用二枚貝に関しては、8ページ目に書いてあるのですが、こちらはベントスのほうだけで書いてあって、有用二枚貝のことには一切その担当が入っていない。表1のほうでも、同じように、ベントスという一言だけがある。
確かに、そういう形でベントス全体を見るのが海域小委の役割で、そのうちの有用二枚貝を見ていきますよというのは見えるのですが、これは詳しく後ろを読めば分かるのだけど、表1をぱっと見ただけでは読み取れない。生態系と水産資源というのも、こちらは水産資源だけ見るのかなと想像はできるのですが、いまいち分かりにくいような感じがする。他にも、例えば海域環境と漁場環境は何が違うのかとか、その辺は絵とか何かつけたほうがいいのではないか。海域小委は海域環境を見て、そこをしっかりやってから生態系の影響を見る。一方で、水産小委は水産資源の変動を見て、その原因が漁場環境にあるのかとかいうような位置づけで見るとか、そういう各小委の役割を、もう少ししっかり提示していただけたらなと思いました。
 以上です。
○矢野委員長 はい、どうもありがとうございます。
 今の御意見については、事務局から何かございますか。
○川口海域環境管理室室長補佐 分担をどちらかに当てはめようとすると、もう一方の小委員会は全く関係ないのかという話がどうしても出てくるのですが、最初のほうに書いておりますように、基本的にはこちらに書いてあるところを中心的に行うのですが、もちろん記載の小委員会だけが全てやるわけではなくて、部分的にはもう一方の小委員会も協力をしながら、情報の収集だったり分析とかをしていくことを想定しております。
 分かりにくいというところにつきましては、何ができるかというところはもう少し、こちらの事務局でも検討させていただければと思っております。
 貴重な御意見ありがとうございます。
○東専門委員 別紙2をアップデートしていただきたいと思う。気候変動は海域小委でやるということを冒頭の1ページ目に書いてしまっては駄目なのでしょうか。一方で、水産小委のほうでは気候変動をやらないようなイメージがありますが。
○川口海域環境管理室室長補佐 水産小委で気候変動を全くやらないわけではなく、最終的にどういうデータを集めるのかというところは海域小委でやって、海域小委で集めたデータを基に水産小委で御議論いただくということになるのかなと、事務局では想定しておりました。
○東専門委員 恐らく別紙2は両方でやる部分が多いと思いますので、そのような分け方でできればと思います。
○矢野委員長 今、東委員が言われた、3ページの別紙2がございますけど、そこの分担というのは、やはりある程度分担を決めておかないと作業ができないというのもありますので、こういう形で分けてしまいますが、2ページのところで説明の中にもあったとおり、資料、データ等を集めるときには、両方の小委員会委員、関係する専門性を持たれている委員等には、いろいろ御協力いただくという部分もあります。そこら辺、ある程度オーバーラップして作業するという部分は、一応想定されているということかなと思っています。気候変動のことについては、そもそも研究そのものがようやく少しスタートして、結果が出始めているようなフェーズなのかなと理解しています。気候変動の括りでデータがどれだけ集まってくるのかというのは、2年間ぐらいのうちに論文がたくさん出てきてくれれば、たくさん情報を載せられるのかなと期待はしているのですが、研究者側の頑張りにも期待しないといけない部分もあろうかなと思いますし、主担当はやはり海域小委になるかなと思います。物理的な環境が最初に影響を受けるはずですので、そういったものからその次の水質の問題、底質の問題に関わってきて、それから生き物という順番が想定されるのかなと思います。そういうふうに見れば、海域小委がまず主で担当するというのが順当かなと理解をしております。よろしいですか。ありがとうございます。
 他いかがですか。なければ、オブザーバーにも広げたいと思います。古米先生、よろしいですか。
○古米委員 きっと皆さんの御懸念というのが、今年度は特に4ページ目以降に今後は生物生息環境を特にイメージした形で環境データを集めるという話があり、2の海域小委における情報収集等のところのデータの収集等の3ページに書いてある、環境データ等の蓄積のところには、リン、窒素もあるし、土砂もあるし、潮汐、潮流があったり、水質、底質もあったり、貧酸素があったり、赤潮もいろいろあるわけだよね。それらについてデータ収集もやりながら、今年度は生物生息環境を絡めた形で、それに深く関わるような底質改善だとか、土砂流入だとか、藻場・干潟とか、そういったことを中心にやるということなのか、そこら辺の作業の重みづけみたいなものがあまりはっきりしていないので、単に今回書いてある3以降のことだけしかやらないのかというところに不安が生じているのではないかなと感じました。そこら辺をどのようにして、今後、令和8年度の報告書取りまとめに向けてどうするのかというところを明確にするとよいのかなと思いました。
 もう1点は、新しく入ってきた社会経済情勢の変化についてです。これはなかなか大変だと思うのですが、今書かれているような情報に加えるとするならば、商業、工業、農林水産業などの産業が書いてあるんだけれども、特に水環境に関わることとすると、レクリエーション関連の観光業もあります。特に水辺がどうなっているのかというのは、有明海・八代海において非常に深く関わっています。漁業関係者を含め用船業の方々にとっての収益が減っているのか増えているのかというのも関わると思います。
 社会経済影響と考えると、ここに書いてあること以外に、地域自体の収益力だとかもあります。そういったものは産業を見れば分かるのかも分かりませんが、そういったことであるとか、あるいは水に関わる文化的なものがどうなっているのかというのも、社会経済に広く含まれるのではないかなと思います。
 最後の生活文化はなかなか難しいかも分かりませんが、水環境と文化だとかは深く生活とは関わっているので、どういった情報があるのかというのを関連省庁にお聞きして収集することもいいのではないかなということ、以上、2点発言させていただきます。
○矢野委員長 はい、どうもありがとうございました。
 最初の御質問は、この小委マターというよりは、もしかしたら親委員会マターの内容だったかもしれないんですが、事務局から何かこの段階で回答できることはありますか。
○川口海域環境管理室室長補佐 最初の分というのは、別紙2の部分ですか。
 データの蓄積と科学的知見の充実に係る項目に関しては、一応今後こういうデータの蓄積が重要ということで、一覧で書かれておりまして、これまでにやられていた部分に関しては、いわゆる再生方策の実施状況とか、これまでのデータの更新とかというところでも集められると思うのですが、新たな視点の部分というところも一部ございますので、こちらについて、再生方策の実施状況のときに合わせて、関係省庁とか、もちろん環境省とかもございますが、そこに実施状況をお尋ねしつつ集めると考えておりますが、必ずしもこれが全部令和8年度委員会報告で完全な形で出せるかどうかというのが、今の段階では何とも言えないのですが、できる限りこういったデータも委員会報告に反映できるように、事務局としても調整を図っていきたいと考えております。前半の部分は以上です。
 後半の社会経済情勢の変化の部分に関しましては、いただいた御意見も含めて、まず事務局としましても、どなたにこういったヒアリングをすればいいのかというところも、少しいろいろ頭をひねっているところでございまして、いただいた御意見を参考に、また、どういう情報収集ができるのかというのを検討していきたいと思います。貴重な御意見ありがとうございました。
 以上です。
○矢野委員長 古米先生、いかがですか。今の事務局からの回答でよろしいですか。
○古米委員 前半部分の回答がよく分からなかったのですが、要は、4ページ以降に書いてある情報収集の具体的な内容としては、生物の生息環境があって、ベントス、有用二枚貝、魚類があって、気候変動とか、生態系だとか、社会経済、新たに追加されたものがあるわけですよね。そのときに、それぞれの有用二枚貝だとかベントスだとか魚類だとかに係る海域環境の観点からしっかりとデータ収集するのだけども、海域環境として大事な潮汐、潮流、一覧、貧酸素水塊、赤潮の発生問題なども大事だから、それらの情報の収集整理も並行的にしっかりとやるのですよね。
○川口海域環境管理室室長補佐 もちろん、環境等の変化の状況ということでの情報収集というのは引き続きを行います。
○古米委員 今年度海域小委で特に中心的に議論したいのがこういうことなので、それの情報収集を充実させていきたいということですよね。
○川口海域環境管理室室長補佐 はい、そうです。
○古米委員 では、確認できました。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。山口委員、どうぞ。
○山口専門委員 私のほうからは少しまた議論が戻ってしまうかもしれないのですが、先ほどから出ているワーキングを作るという話についてです。やはり今回ワーキングを作るとしたら、その体制まで示した上で、今ここでこの方針でいいか聞かないと、なかなか皆さん、ここをオーケーというのは難しいのかなと感じています。
 誰がこれを分析して、誰がそれをできる人なのかというところですね。その質問、先ほど山室委員もされたと思うのですが、ここはとても重要です。ある程度決めておかないと、今のスケジュール感だと、やはり前回と同じように間に合わなくなってしまうのではないかということが少し心配されます。
 この点については海域小委だけではなくて、先日開催された水産小委で、私が質問させていただいた意図も同じだったのですが、あれだけ膨大な事業報告をどう扱うのかとお聞きしましたら、10年分ぐらいは解析をする予定ということでしたので、この短い時間で、誰がどこまでできるのかというところを大変疑問に思ったので、質問したという次第でした。
 専門家の方にも聞くということですが、それが最後のほうの小委とか、あるいは取りまとめの少し手前に出てきても、もう議論が間に合わなくなるので、水産小委も含めて、早い段階で体制まで決めてから、どう作業分担するかというところも、急いで決めたほうがいいのではないかと思いました。
 3ページ目のところですが、魚類のところで、魚類等の資源量や漁獲量が水産小委の担当になっていて、魚類の再生産や生息の場の分布状況が海域小委の担当になっているのですが、この二つを切り離して考えるのは難しいと思うので、一緒にしたほうがいいと思います。ですので、少なくとも魚類に関してはこれまでどおり、基本的に海域小委でやったほうがいいと思います。以前は、水産小委で魚類養殖に関連したものを扱い、それ以外の魚類の部分は海域小委が担当だったのではないかと思いますし、実際、2ページの作業分担を見ましてもそのように書いてあるので、仕分けをしっかりして、できるだけ効率的にできるようにしたほうがいいと思います。別々に作ってしまうと、両方が合わなかったりとか、効率が悪かったりという点もあると思いますので。
 あと、先ほど事務局の東委員に対する回答で、水産小委でもんだ後で海域小委に出すという話でしたが、スケジュール的にそのやり方だと無理だと思うので、どちらも体制とか分担とか、もしワーキングを作るのであれば早めに決めて、それを皆さんに諮ったほうがいいと思いました。
 以上です。
○矢野委員長 はい、どうもありがとうございます。
 現段階でかちっと決まっていない部分が、ワーキング等についてありますので、次の第12回の段階では、まずどういうやり方でやっていくのかというところまでは、少なくとも詰める予定にはなっているかと思いますが、ワーキングを立ち上げるというときのワーキングメンバーまで決まっているかどうかは、時間的な問題もありますので、次回が確かひと月かひと月半後ぐらいだったと思いますので、なかなか事務局的にも厳しいところがあるのかなと思うのですが、急がないといけないという山口委員の御意見はごもっともだなと私も思っております。
 事務局から、この点については、回答できる範囲でいただければと思います。
○木村海域環境管理室長 どういう形でやっていくかについては、即答はできませんが、内部で小委員長、委員長等と相談しながら少し考えていきたいと思います。
 先ほど小委員長からもお話があったとおり、次回が1か月後ぐらいで今想定していますので、それまでに間に合うかというと少々難しいかもしれませんが、いずれにしても、そう遠くない時期までにどう進めるかということは決めていきたいと思います。
○矢野委員長 二つ目の点については、事務局から何か回答いただけますか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そちらにつきましては、海域小委でいただいた意見をもとに、水産小委の、実際の水産の担当のほうともまた話をして、その役割分担について調整をして、また次回の小委員会でお示ししたいと思います。
 以上です。
○矢野委員長 ちょっと消化不良だったかもしれないですが、山口委員、今の御回答でよろしいですか。
○山口専門委員 そうですね。以前決まっていたものを急に変えてしまっているからですが、先ほど東委員も言われたとおり、この2ページと3ページも合致していないですし、これで次の委員会で決まってしまって、もう変えられません、となるといけないので、広く意見を聞いていただいたほうがいいと思いました。以上です。
○矢野委員長 ありがとうございます。
 小委員会のほうは、結構委員もオーバーラップしている部分もありますので、一応、小委員会としての分担という割り振りにはなっているのですが、人自体は結構混ざっているので、情報そのものは行き来するのかなというのと、かなり小委員会合同でもやっていますので、そこら辺は、なるべく両方の情報が両方に行き渡るようにしておくことでカバーできる部分もあるかなと思いますので、そこはうまくやっていくということで、事務局とも検討していただこうかなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 他いかがでしょうか。よろしいですか。一通りいただきましたが、オブザーバーの方はいかがですか。よろしいですか。
 では、一応ここで一つ目の議題については終了させていただきます。どうもありがとうございました。
 今いろいろ御意見いただきました一つ目の議題の内容ですが、事務局で意見を整理していただいて、次の小委員会で提示していただくということをお願いいたします。次に移らせていただきます。
 資料3の関係で、「連関図の方向性の検討」について、事務局から御説明をお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 それでは、事務局の川田から「連関図の方向性の検討」について、説明させていただきます。
 資料3を御覧ください。
 まず1ページ目、こちらは連関図の変遷について、1ページに示しております。
 まず(1)でございますが、平成18年度委員会報告におきまして、問題点及び問題点に関連する可能性が指摘されている要因を相関図として取りまとめられました。評価委員会では、この問題点と直接関係するとされている諸要因との関連や、これらの直接的な環境要因が変化した要因について考察しております。
 次に、この平成28年度委員会報告におきまして、多様な生物の生息環境の確保を図りつつ、生態系を構成する上で、水産資源として重要として考えられる生物について、ベントスの変化、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化、4項目を取り上げることとされております。これらの変化に着目して、問題点の確認及びその原因・要因の考察や、海域環境の現状と変化の整理が行われています。また、この連関図では、同報告書において関連があることが確認されたものを実線で、その他のものを点線で示されています。
 そして、次に、令和3年度中間取りまとめにおきまして、平成28年度委員会報告の連関図と主な事業との関係が整理されています。一方で、この連関図は分かりやすさを優先として作成されていることから、さらなる精査や進化が求められております。
 次のページです。令和8年度委員会報告に向けた連関図の方向性の検討に係る論点です。
 まず、この連関図の検討についてですが、先ほど申し上げましたとおり、平成28年度委員会報告においては、有明海・八代海等の多様な生物の生息環境の確保を図りつつ、生態系を構成する上で、また、水産資源として重要として考えられる生物として取り上げられた4項目、ベントスの変化、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化に着目し、連関図が作成されています。令和8年度委員会報告に向けては、これをベースとして引き続き発展することといたしたいと考えています。それを踏まえて、この下に記載している(2)気候変動の影響、または(3)連関図のさらなる細分化といったことを図っていきたいと考えています。
 この二つ目の(2)ですが、こちらについては中間取りまとめにおいて示されております気候変動の影響や、鳥類と陸域の生態系などの新たな視点の組み込みについてです。
 気候変動の影響、生態系・渡り鳥等、社会経済情勢等については、今後の知見の収集、整理方法も含め、有識者へのヒアリング結果等を踏まえながら情報収集を進めるとともに、得られた知見が既往の連関図のどの部分と関連性があるのか、その関係性の程度も含めて検討を進めたいと考えています。また、既往の連関図は、平成28年度委員会報告以降に作られた知見から更新できるものがないか、併せて検討してまいりたいと考えています。
 一方で、検討を要する事項があるものと事務局として考えておりまして、それを「論点」という項目に書いております。
 まず一つ目といたしまして、既往の連関図において、気候変動の影響との関係が深いとされる気象・海象の影響の項目に係る細分化などの検討をする必要があるのではないか。
そして、二つ目として、気候変動の影響に係る項目に絞った、独立した連関図を検討するかどうか、それとも、気候変動を組み込んで終わりとするかどうか。また、次に、生態系の観点をさらに取り入れた連関図を検討するかどうかということです。
 そして三つ目、連関図のさらなる細分化と発展についてです。各課題とそれぞれに係る原因・要因の見える化の観点から、連関図の取りまとめ区分の細分化も含めて、検討を進めていきたいと思っております。ただ、論点といたしまして、既往の連関図の細分化等発展として、問題点、現行4項目ごとの連関図を検討するのかどうか。そして、細分化された連関図との整合性をどのように整理するのか。これら論点について、本日この小委員会において、方向性の御意見をいただければと考えております。
 また、この考えなければいけない論点や項目と、またそれを踏まえた方向性について議論いただければとも思います。
 先週開かれた水産小委員会では、気候変動による影響は非常に重要なので、難しいことだが連関図への組み込みを進めるべきだという御意見や、いろいろな要素を加えるのもよいが、そもそも現時点での連関図において、点線をまずは実線にする努力が必要ではないかといった御意見をいただいております。
 まず、以上のところで御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○矢野委員長 はい、どうもありがとうございます。
 ただいまの事務局からの連関図に関する御説明ですが、連関図を作成するに当たっての方向性に係る御意見をいただきたいという御趣旨でした。御意見、御質問等をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 山室委員、お願いします。
○山室委員 私自身は、連関図というのは、本当は最初に小委員会もしくは評価委員会で作るべきものだと考えております。前回か前々回の取りまとめのときに御指摘した記憶があるのですが、例えば最後の令和3年度中間取りまとめのこの連関図ですね。これ、本当に決定的におかしいことがあって、魚の餌として重要な動物プランクトンが入っていないのですよ。恐らくそれは、この委員会で動物プランクトンのデータというのが示されていないからだと思うのですね。これも、動物プランクトン、どうしてないのみたいなことは何度か御質問したと思うのですが。
 それから、水温の上昇とベントスの変化って、これはダイレクトに結びつくことがある可能性が大きいことで、実際、私は霞ヶ浦で夏に湖岸が37度にもなってしまって、恐らくイシガイ類がいなくなったのはこれが原因でしょうという論文を既に書いております。ですので、この連関図は、本当でしたらいろいろな様々な専門を有する評価委員会の方々で最初に作って、いろいろなところが点線になると思うのですが、その点線を実線にするためにはこういうデータが必要で、こういう調査が必要でというのが示された上でデータ収集が進んでいく。もしくは、新たに関連機関に実験をしていただくという流れになるのが本来で、それを踏まえて最終的に、最初に委員で議論した連関図というのがどうなるかということが取りまとめに出てくるというのが、本来のまとめ方だと思います。
 実際、私、いろいろな機会で、海外の研究者と20人とかそういう方々の連名で論文を出していることがあるのですが、そういう論文というのは、問題は分かっているけど、その問題がなぜ起こったのかが分からない。だから、まずは調査方法をみんなで議論しましょうねと3日間ぐらい1か所に缶詰め状態になり、事前にいろいろな論文を読まされて、その上で議論してこういう連関図を出すのですね。
 有明海みたいな問題も、やはりそうしないと、形式だけの連関図が何度も出てくるような気がして、少し気になっております。
 以上です。
○矢野委員長 どうもご意見ありがとうございます。
 今、この資料の5ページ、6ページとかに載っている連関図は、そもそも、令和3年度中間取りまとめで作られたものではなくて、その前の平成28年度委員会報告で作られているものです。平成28年度委員会報告はその連関図の考え方をベースに、いろいろ調査ですとか改善方策の検討が行われているという建前になっています。現委員会では、これをそのまま引き継いでスタートしていると認識しているのですが、これに全く今まで手を突っ込んでいないので、やはり今度、令和8年度委員会報告を作るときには、これまでの20年近く有明海・八代海で行われた調査・研究の成果として、この連関図が少し書き変わらないというのはやはりおかしいだろうという考え方があると思います。先ほどの御説明の中にもあった、点線を実線にするとか、場合によっては線がなくなるとか、今、山室委員が言われたとおり、新しい線ができるとか、いろいろな再編が行われなければいけないと思っているんですけど、そういった作業をやるべきじゃないかということで、その作業の方針を、今日、議論させていただいているという、そういう立ち位置かなと理解しておりますが、事務局から何か追加で御説明いただければと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 貴重な御意見ありがとうございます。事務局といたしましても、まずは当然、現在点線が多いので、まずはこの連関図のアップデートを図りまして、当然、この点線のところをできるところは実線にという努力を進めてまいりたいと思います。
 そして、この連関図を次に向けて中間取りまとめで御指摘された気候変動等、生態系等、そういったものを組み入れながら、また次のバージョンアップというのは図っていかないといけないと考えています。
 ただ、そういったバージョンアップを図っていくと考えたときに、より複雑に作っていくのか、要は一つの大曼荼羅を作っていくのか、または個別に分けて、より分かりやすさを追求していくのか。ただ、その分かりやすさというのを追求して、個別にばらばらにしたときに、最後どう整合性を全体的に取るのかとか、そういったことが、まずは委員会の中で御意見をいただければと考えた次第です。
 山室委員より御指摘いただいたとおり、まず、この連関図を基に、どういったところをしっかりやっていくかというところを考えていかなければいけないというところ、私どもも考えていきたいと思っております。ありがとうございます。
○矢野委員長 山室委員、いかがですか。
○山室委員 確認ですが、矢印を増やすことということじゃなくて、そもそもこの連関図は、先ほども申しましたように、普通、食物連鎖があった場合、二次生産者があったらその上の二次生産者として動物プランクトンがないとおかしいのですね。だからボックスそのものの見直しもやらなきゃいけないというところもあって、先ほどコメントしましたように、最初にその連関図を作るというのは、20人とかそれぐらいのいろいろな専門家が集まって、ジオロジーとかクライメイトとかフィジカルファクターとか、いろいろなことを本当に2日間ぐらい、朝の8時から6時まで模造紙で何度も書き合いながら議論して、ようやく作るという感じのが、欧米のそういう問題解決型の委員会というか、そういうやり方なんですね。
 これなんか、本当にもうあるデータを適当に並べましたとしか、申し訳ない、言い方をきつくするとそうしか見えないんですね。だから、この連関図というのをそのものから変えなきゃいけないのではないかというのが、矢印を実線にするとか増やすとか、そういうレベルの連関図ではないでしょうというのが私の意見です。
 そういうことです。よろしくお願いします。
○矢野委員長 どうも、貴重な御意見、ありがとうございます。
 この委員会としては、連続性の問題もありますので、平成28年度委員会報告を丸無視してやるということはできないという立ち位置もあろうかと思いますので、山室委員の御意見は非常にごもっともかなと私も感じたところですけど、連関図というのは、人の数だけ存在するような性質なものでして、恐らくここに今日御出席の委員一人一人に作ってくださいといったら全く違うものが人数分出来上がるという、そういうものかなとも理解していますので、なかなかそれをまとめていくという作業は困難を極めるとは思うのですが、まずベースとして平成28年度委員会報告のこの連関図というのは、もう既に公表されているものとしてあって、この平成28年度の報告書とその前の報告書からずっとつながってきているものかなと理解していますので、それをどこかの時点で変えるということのときに、先ほど山室委員が言われたように、ボックスを増やすというのも当然加わっていくことだと思っていますので、その議論をよくやろうという、そういうフェーズに入ってきたということかなと理解しています。
 山室委員、どうぞ。
○山室委員 最初に発言した内容とも関わってくるのですが、これ最後のときにも申し上げたような気がするのですが、評価委員に本当にいろいろな御専門の先生方がいるので、まずは何が問題かというのを、いろいろな御専門の先生方が直接顔を合わせて、Zoomでもいいのですが、この調査の方向とか、何が足りないのかとか、そういうことを委員長が指摘されたように、個別だと委員の数ほど連関図があるはずですが、そういうことを議論していけば、共通した連関図が出てきて、それを踏まえて、それぞれその連関図というのは皆さんが議論してできたものですから、それを踏まえて、今後の調査とかデータの収集とかをするというのが、問題解決型の委員会の在り方ではないかというのが、最初の発言とも絡めた私の考えです。
 ただし、これまでこの委員会はこういうふうにしてきたのだからという、そういう過去のやり方を踏襲することが重要だという考え方が事務局にあるのでしたら、そうなのでしょうねというふうに思います。
 以上です。
○川田海域環境管理室室長補佐 山室委員、ありがとうございます。私、当初申し上げましたアップデート、また、そのバージョンアップにつきましては、そういった欠けている視点等、もしございましたら、また、そういった御意見も踏まえながら、次に役立つような、そういった連関図のほう、組み立てられるように、努力してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○矢野委員長 それでは、ほかに3人、手が挙がっていまして、古川委員、金谷委員、速水委員の順番で行きたいと思いますので、古川委員、お願いします。
○古川専門委員 ありがとうございます。古川です。進め方については、山室委員からの御提案に深く賛同するところでありますが、もう一つは、この連関図を何のために作っているのかというところで、一つ一つの関係性が深い事象をきちんと科学的に結びつけましょうという点からすれば、個別の連関図を精査していくという方向性も一つあろうかと思いますが、やはり私が思っているのは、これが分かりやすさを目指して作られていると。分かりやすさということは、誰かに伝えたい。極言すれば、関係者の市民の人なり、漁業者の人なり、企業の人なり、今あまりこの問題に深く関わってないと思っている人たちが、この連関図を見たときに、ああ、自分たちの活動だとか、自分たちの努力はここに関係しているのだ、だから、こういうことをしていくのだということを考えるための連関図という役割もあろうかと思います。その場合には、事務局の方がおっしゃられた、大曼荼羅という表現をされましたけれども、全体を包括する、できれば今回から議論の対象になっている社会経済的な活動との関係というのも含めたものにするということ、そういう大きな概念的に何がどこまでつながっているのかということを示す連関図、全体像を示すというのも、すごく大切に思います。
 その中に全てを書くことはできませんし、全て書いてしまうと見えなくなってしまうので、かなり簡略化することになりますから、その簡略化した部分の各パーツ、パーツを精緻化した科学的な知見に基づく連関図を、後ろで並行して作っていくというようなことになるのかなと思っています。
 ですから、私の立場としては、いろいろな関係者に行動を促すための連関図として全体を取りまとめた、しかも、自然科学的な知見だけではない、社会科学的な事象も含めた連関図に発展させられたらよろしいのではないかという方向についても、ぜひ御検討いただきたいという提案をさせていただきます。
 私から以上です。
○矢野委員長 事務局から、今の御要請に対して、何かありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 大変貴重な御意見ありがとうございます。まさに古川委員がおっしゃったこと、そのとおりでございます。
 もともとこの連関図が作られた背景を考えますと、やはりその問題点と原因、どのように結びついているのか、1回見える化を図ろうということが原点だったと思います。それと併せて、やはり人々にどうお伝えするか、分かりやすさの観点からこれが必要だったのだと考えております。そういう意味では、全体像と各パーツの精緻化の同時並行、同時並行といいましょうか、それは両方必要だという御指摘、ありがとうございます。御指摘を踏まえまして、検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○矢野委員長 古川委員、よろしいですか。
○古川専門委員 結構です。よろしくお願いいたします。
○矢野委員長 ありがとうございました。
 それでは、金谷委員、お願いします。
○金谷専門委員 連関図について、過去の経緯があるので、今から大きく変えるということは難しいだろうなと理解したのですが、拝見したときに、八代海と有明海が別々になっていて、ぱっと見たときにどこが違うのか、少し分かりにくいなというのが非常にありました。
 連関図というか、海の生態系を構成しているいろいろな相互作用のパーツ、パーツというのは、どこの海でも潜在的には変わらないのではないのかなという気がしております。なので、八代海でも有明海でも、日本の別の海でも、世界でも、連関図の構成要素と矢印の向きというのは、大体どこも一緒になる気がしていて、いや、有明海だと、ここの矢印がすごく太いけど、八代海ではここはほとんど寄与してないからすごく細いんだというような評価をしていって、その海域ごとの違いを同じ連関図の上で表せると、並べて見たときにも分かりやすくて、世界のどこでも展開できるような連関図になるのかなという気がしました。
 もちろんすごく難しいことだなと思いながらの発言ですので、何かの参考になればと思います。
 以上です。
○矢野委員長 どうもありがとうございました。
 5ページ、6ページの、有明海と八代海でそれぞれ連関図があるのですが、今、金谷委員もおっしゃったとおり、まず閉鎖性内湾でできる一般的な連関図というのが恐らくあって、その中で、有明海では重要なものが5ページに書かれているようなボックスとして一応浮かび上がってきて、その間の関係性が示されて、八代海では、6ページに書かれているようなボックスが重要ということで浮かび上がってきて、その間の関係性が図示されているという、そういうものだと思うのですが、それを一緒の図には確かにされていないというところがあるので、その二つの比較はなかなかしにくいということがあろうかと思います。
 これ、恐らく平成28年度委員会報告を作るときに、その前の親委員会のほうで議論されて、こういう形にまとまってきているものですので、そこではそこで問題意識というのがあって、まとめられたものだと理解はしているのですが、基本的には金谷委員が言われたようなことは理解された上で、こういった二つの形として、一応結果としては出てきているということだと思うのですが、なかなかそれを1枚の絵にするというのは、かなり難しい作業も発生するかもしれませんし、確かにこの二つを比較してみると、同じボックスでも書いてあることが微妙に違っていたりもするので、なかなか統一するというのも、そういう方法論を取るかどうかというのも含めて、今後、これについては議論を進めていくことになろうかなと思います。
 何か事務局から追加でありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。矢野委員長より御説明いただいたとおり、どの方法論を取るかというところにつきまして、いただきました御意見、今後参考にさせていただければと思います。
 今、金谷委員の御発言、この閉鎖性海域においては、この基本的システムといいましょうか、図柄を一緒にしたうえで、その中で、それぞれ海域特性で違ってくるでしょうというお話だったと思います。やはり有明海のほうが八代海より大分閉鎖性が高い海域ですので、これが果たして、全く一緒の図柄でもって、あとは細かいところの違いで両方を表現できるかどうか、そういったところ即答はできないところですが、いただいた御意見も踏まえまして、検討を進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○矢野委員長 それでよろしいですか。
 はい、それでは、次は速水委員、お願いします。
○速水専門委員 4点ほどあるのですが、個別にお聞きしたいと思います。
 まず、この(3)の連関図のさらなる細分化に関しては、これは現状の連関図だと、ある生物に対しては要因になっているけれども、別の生物に対しては、要因になっていないというものが一まとめの図になっていて、その結果、分かりにくい形になっている、そういう部分があるので、問題点ごと、現行4項目の問題点ごとの連関図を作成するというのは、これは非常にいいアイデアだと思います。
 それに加えて、できれば二枚貝に関して、3種取り上げていますが、これもその種によって主要な要因が違っている可能性があるので、さらにこの3魚種、サルボウ、アサリ、それからタイラギと、それについて連関図を作成されてはどうかと思います。
 さらに言うと、こういった連関図を作った場合、全体の連関図が必要かどうか、それについても再検討されたほうがいいのではないかと思います。細分化した連関図だけで十分ではないかという考え方です。まず一つ目はこれでお願いします。
○矢野委員長 はい、どうもありがとうございます。
 事務局、ありますか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。まさに今日お伺いしたいのがそういうことでございまして、そもそもこの4項目ごとで作るのがよいのか、それとも全体で包括的に作るほうがよいか、どのように考えられますかということを、そういったことも含めてお伺いしたかった次第です。
 さらに細かいところで作っていくことを御提案いただきました。細かい種類ごとに作れるだけの知見が今あるかどうかというところも影響してくると思います。まずは二枚貝というカテゴリーで作らせていただいて、さらにできるようであればまた作ると。それは令和8年度以降の取組になるかもしれませんが、そういった、この連関図を活用していくという考え方、御参考とさせていただきます。ありがとうございます。
 あと、全体が必要かどうかを考えるというところでございますが、ここも本日お伺いしたかったことでございます。例えば4項目ごとに作って、最後に全体的にこの有明海を見るときに、この4項目をばらばらに作ってどう整理できるのかと、という御意見があるかもしれないと考えました。また、4項目同士でそれぞれ相互作用がある可能性もあり、それならば全体をまとめて有明海という形で考えた方がよいのではないかといった御意見も出てくるかと考え、本日御意見を伺った次第です。
 事務局といたしましては、全体像を作る必要があるかどうかということにつきましては、これは私の考え方になるかもしれませんが、全体像は必要ではないかと考えております。
○速水専門委員 分かりました。
 二つ目ですけども、この連関図を作るに当たって、今までの連関図は、基本的に過去にそれぞれの生物が減少した、あるいは漁獲が大きく減った原因を検討するための連関図という位置づけだったと思うのですが、気候変動の影響が入ってきたりした場合には、過去だけではなくて、恐らく将来の問題というのが入ってくると思うのですね。
 そうなると、過去減った原因というのと、それと減ってしまった生物種が、現在なかなか増えない原因というのと、それと将来の予測される問題というのと、カテゴリーが三つ出てくると思うのですが、その辺りも、時代別の連関図を作るということも検討されていいのかと思うのですが、いかがでしょうか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。種類ごとに連関図を作ることと同じとなりますが、その知見がやはり作るときに必要となってまいりますので、知見が集まりましたら、またそのようなことも考えていくべきだと思います。いただいた御指摘は、どちらかといいますと、モデルとしての考え方だと思います。将来予測として気候がこのように変わればこういった魚種が増えてくるのではないかとか、そういったことにもつながってくるのかと思います。
 今回、令和8年度に向けて整理していく連関図につきましては、まずは現状として、減少等とそれに対する原因とは何かというところをベースに作られてまいりました連関図の考え方を踏襲したいと考えております。将来予測など時代別のものについては、令和8年度以降になるかもしれませんが、できる段階なりましたら、そういったことも見ていくべきだと思います。ありがとうございます。
○速水専門委員 ということは、この主な論点に書かれている気候変動というのは、1970年代ぐらいから現在までの気候変動の影響を主に取り扱うという理解でいいですか。
○川田海域環境管理室室長補佐 ベースの考え方としてはそうですが、この気候変動によって、例えば水温の上昇が効いてきているということになれば、今後こういったことも考えられるよねということは、当然この連関図から染み出してくる知見だと思います。ここに組み入れるのは、過去どうであったかということを基にして、この連関図が作られて、これに対して、足りないところはどこだ、どういった対策が必要だとか、そういった検討材料にするものだと考えており、必ずしも未来のものが全くないかというと、やはりここから得られるものもあるかと考えております。
○速水専門委員 分かりました。
 最後ですが、先ほどの山室委員の御意見に関係するんですけれども、現在のこの連関図の中には、動物プランクトンはもちろんですが、栄養塩も実は陸から入ってくるものしか入っていないのですね。
 これはなぜかというと、要因として、どこかの段階でもって示唆されたもの、特に長期のデータでもって、関係性がありそうだと思われたものを拾って、それで連関図というものを作っていて、生態系の基本的な模式図ではなかったからそうなっていると思うのですね。データがないものはもちろん線が引けないので、入っていないという形です。
 そういう形で今まで作ってきた連関図を、今後も続けていくのか、それとも先ほどの金谷委員からの指摘もあったように、もっとボックスを増やして、生態系の一般的な模式図のようなものを最初に作って、その中で線の太い、細い、あるいは点線というような切り分けをしていくのか、どっちの方向でやるのかということは、早めに決めていただいたほうがいいと思います。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。おっしゃるとおりでございます。
 その方向性も含めて、具体的にこう作っていくべきだというのを、集中的に、また考えていきたいと思います。ありがとうございます。
○速水専門委員 以上です。どうもありがとうございました。
○矢野委員長 どうもありがとうございます。
 連関図に関しては、恐らく皆さんいろいろな御意見をお持ちだと思うので、なかなか収束させるのが難しい部分があります。
 速水委員が言われた御意見の中、もしあれを全部作ったら、連関図は何枚出てくるのかという、そういう感じにもなっているので、実際にそれだけのものを作るための基本的な知見とデータがあるかどうかという問題もありますし、どなたかの御意見にあった、誰に向けた連関図なのかということを考えたときに、どこまで必要なのか、いろいろな観点が関わってくるのかなと思いますので、今日、各委員からいただいた御意見、非常に納得できるものが多かったと思うのですが、それを全部満足するようなことが本当にできるかどうかというのは、なかなか時間との兼ね合いもあるのかなという気もしますし、それと作業を誰がするのかということですね。そこが一番大変なような気がしていますが、そこの部分の作業のやり方も含めて、ちょっと議論していかないといけないことかなと思っています。
 恐らく、次の第12回までには、その方針は事務局側から出していただくことになろうかと思いますので、またその段階までにある程度決めていただいて、第12回のときに、最終的には方向を決めて、ゴーサインを出していくという流れになろうかと思っております。
また個別に何か御意見があれば、その部分については、恐らくメールとかでも御意見いただけるようにはなるかと思いますので、今日言い切れなかった部分とかについて、またいただければいいんじゃないかなと思っています。
 ほか、いかがですか。
○東専門委員 東です。委員の皆様のおっしゃるとおりで、恐らく、連関図は目的によって様々出てくるし、人によっても違ってくるだろうと。事務局のほうでどういう図を作るのか、どういう目的で作るのか、早くその辺を決めていただければと思います。一方で、平成28年度委員会報告と目的や方針が違うといことであれば、過去のものにとらわれず、新たに作ることもできるのかなという気もしております。気候変動も入れて、社会経済も入れて、しかも渡り鳥も入れてとなってくると、膨らんでいくのは目に見えていることなのですが、分かりやすくするということも結構重要です。
 そういった意味では、環境省の気候変動影響評価報告書のほうにも、同じように、気候変動により7分野で何が変わるか、非常にコンパクトに分かりやすくまとめられています。その報告書のよいところは、それぞれの矢印の太さ、重要性とか、確信度とか不確実性とか、そういうものの評価も一緒にあるところです。論文数がどれだけあって、それらが同じ方向の結論に向いているかとか、違う方向を向いているものもあるかで評価をしているので、そういう情報もあると、この連関図、矢印が点線と実線だけなのも、そういうことで重みづけがついてきて、分かりやすくなるのかなと、個人的には思いました。
 それも目的に応じてその評価が必要というのもあると思いますので、そちらのほうも併せて御検討いただければと思いました。
○川田海域環境管理室室長補佐 東委員、ありがとうございます。参考とさせていただければと思います。
 本日、委員の皆様からいただきました御意見を踏まえまして、次の第12回目で御報告できるか第13回目で御報告できるか、今すぐお約束はできませんが、今後、この連関図をどのように検討を進めていくかということも含めて、また整理してまいりたいと存じます。
 また、お気づきの点がありましたら、また、こういったことが考えられるとかございましたら、本日から大体1週間ぐらい目途でメールにて御連絡いただければと考えております。よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○矢野委員長 オブザーバーで何か御意見があるという方がおられたら、挙手いただきたいのですが、いかがですか。よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、二つ目の議題については、以上とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
 それでは、最後の議題になりますが、その他です。事務局から何かございますでしょうか。
○川田海域環境管理室室長補佐 そのほかでの報告事項はございません。
○矢野委員長 はい、ありがとうございます。
 それでは、本日の小委員会全体を通して、各委員から何か最後、御意見がもしございましたら、挙手をお願いいたします。
 ないようですので、それでは、本日の予定されていた議事については、全て終了いたしました。議事の進行への御協力に御礼申し上げます。ありがとうございます。
 進行を事務局にお返しします。
○川田海域環境管理室室長補佐 委員長、ありがとうございました。
 本日の議事録ですが、後日、事務局よりメールにて確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開させていただきます。
 なお、次回小委員会については、オンラインのみでの合同開催にて予定しております。合同小委員会では、各小委員会にてご検討いただきました情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討の報告、決定及び令和8年度委員会報告の骨子案の検討を議題として想定しております。皆様から現在お伺いしております日程がまとまり次第、開催日程をご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして第11回海域環境再生方策検討作業小委員会を閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

                                           午後12時01分 閉会