第11回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 水産資源再生方策検討作業小委員会 議事録

開催日

令和5年10月27 日(金)

場所

対面方式及びWEB会議方式を併用して開催

出席者

小委員会委員長 : 鈴木敏之委員長
委員 : 内藤佳奈子委員、中島則久委員、矢野真一郎委員、山西博幸委員
専門委員 : 青木美鈴委員、尾田成幸委員、岸田光代委員、外薗博人委員、堀田英一委員、松山幸彦委員、山口敦子委員、山口啓子委員、山本智子委員、渡邉孝裕委員
(関係省庁)
農林水産省農村振興局整備部農地資源課 小松課長補佐、橋本係長
林野庁森林整備部治山課 日下部企画官 
水産庁増殖推進部漁場資源課 吉川課長補佐、田代係長、辻係員
水産庁増殖推進部栽培養殖課 鈴木課長補佐、田畑係長、伊藤係員
水産庁増殖推進部研究指導課 中村課長補佐 
水産庁漁港漁場整備部計画課 松﨑課長補佐、山内係員
国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 阿河課長補佐、新保係長  
国土交通省港湾局海洋・環境課港湾環境政策室 釘田課長補佐
(事務局)
環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室長、海洋環境課海域環境管理室室長補佐
 

議事録

午前10時00分 開会

○川田海域環境管理室室長補佐 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第11回水産資源再生方策検討作業小委員会を開会いたします。なお、海域環境再生方策検討作業小委員会のほうは、御案内のとおり来週31日、火曜日に開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき誠にありがとうございます。
 本日の委員会は会場とウェブ会議、両方での開催とさせていただいております。ウェブ会議で御参加いただいております委員の皆様には御不便をおかけいたしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど不具合がございましたら、事務局までお電話、またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。
 議事中、マイク機能は委員長及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。なお、ウェブ会議で御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意思はこのマークで確認いたします。委員長から御指名されましたら、マイクのミュートを解除の上、御発言いただきますようお願いします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるように操作願います。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、御協力をお願いいたします。
 また、ウェブ会議では、通信状況や御発言者様のお声の質によっては不明瞭な箇所が出てくる可能性がございますので、恐れ入りますが、御発言前にお名前を名のっていただき、少々ゆっくりと御発言いただけますと幸いです。
 本小委員会は公開の会議となっており、環境省海洋環境課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。
 それでは、まず、議題に先立ちまして、環境省海域環境管理室長の木村より御挨拶を申し上げます。
○木村海域環境管理室長 ただいま御紹介いただきました環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室長の木村でございます。
 委員の皆様には、大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 また、本年5月に小委員会委員の交代がございました。4名の委員の皆様に新たに御参加いただくことになりました。新任の委員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、環境省水・大気環境局では、本年7月に組織再編を行いましたので、それについて簡単に御紹介いたします。不変の原点である公害対策について、引き続きしっかり取り組むということで、大気・水・土壌の三つの環境媒体を一体的に管理する組織を構築いたしました。その一方で、時代の要請に対応するということで、海洋プラスチック問題や運輸部門の脱炭素化を強力に推進するための組織といたしました。
 当室でございますが、以前は水環境課閉鎖性海域対策室という名称でございましたけれども、7月以降、海洋環境課海域環境管理室という名称に変更されております。閉鎖性水域である湖沼に関する業務も新たに加わりました。
 以上のような変更はございましたけれども、有明海・八代海等総合調査評価委員会につきましては、海域環境管理室が事務局を担当させていただきますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、水産小委員会ですけれども、本年2月に開催して以来の開催となります。今回は令和8年度報告に向け、前回の小委員会で審議された作業方針や今後の情報収集等の方向性を発展させて、今後の情報収集・整理・分析等の具体的な内容を本日検討いただくこととしております。
 また、有用二枚貝の減少等の問題点と、その問題点に関連する可能性が指摘されている原因・要因を連関図に今までも示させていただいておりましたけれども、これのさらなる発展に向けた方向性について、本日検討いただくこととしております。
 委員の皆様には忌憚のない御意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○川田海域環境管理室室長補佐 木村室長、ありがとうございました。
 それでは、議事を進めます。
 まず、委員の改選についてお知らせいたします。令和5年5月付で一部委員の改選がございました。資料の1を御覧ください。こちらは水産小委員会の委員名簿となります。改選の結果、中島委員、尾田専門委員、外薗専門委員、渡邉専門委員が新たに水産小委員会へ加わられました。
 次に、本日の出席状況ですが、欠席の御連絡を藤井委員よりいただいております。本日は、水産小委員会の委員16名中15名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。
 本日は、関係省庁も同席しておりますので、御紹介いたします。
 まず、農林水産省農村振興局農地資源課の小松課長補佐です。
 続きまして、水産庁漁場資源課の吉川課長補佐でございます。
 また、ほかに水産庁、林野庁及び国土交通省からオンラインにて出席いただいております。
 環境省側の出席者も紹介させていただきます。先ほど紹介させていただきました海域環境管理室長の木村、同室長補佐の川口、私が川田でございます。
 続きまして、資料については、事前に電子データ等で御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。資料に不足がございましたら事務局までお知らせください。
 また、ウェブ会議では、事務局が画面上に資料を掲載して進行させていただきます。
 報道、取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは議題に入ります。
 以降の進行につきまして、鈴木委員長、よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 それでは、本日の進行を担当させていただきます、水産研究・教育機構の鈴木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 限られた時間の中で円滑な議事の進行に御協力をお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、議事を進めさせていただきます。
 本日の議題は、議題の1、情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討及び議題の2、連関図の方向性の検討の2議題となります。
 それでは、まず、議題の1として資料2の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討について、事務局から説明をお願いいたします。
 では、お願いいたします。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局の川口でございます。私から御説明させていただきます。
 説明に当たっては、資料2、括弧書きで「(水産資源再生方策検討作業小委員会)」と記載されているものを使用しますので、こちらを御覧ください。
 今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討についてですが、水産小委員会では、今回から新たに委員として御参加いただいている方もいらっしゃいますので、1の基本的な考え方の記載内容に入る前に少し補足いたします。
 有明海・八代海等総合調査評価委員会は、直近では平成29年3月に委員会報告を行っております。この平成28年度委員会報告では、再生に向けた取組の当面の目標時期は概ね10年後である令和8年度としており、中間年度である令和3年度に中間取りまとめを行いました。委員会においては、令和8年度委員会報告に向けた検討を進めるため、令和5年1月12日に開催いたしました第50回評価委員会におきまして、今後の審議の進め方や評価委員会の下部組織として設置している二つの小委員会であります水産小委と海域小委の所掌事務及び作業分担を決定しました。その後、資料2の1の基本的な考え方のところに記載しているとおり、令和5年2月13日に開催された第10回小委員会、こちらは水産小委と海域小委の合同開催でございましたが、ここで作業方針及び今後の方向性を決定いたしました。
 今回の資料2では、事前にお配りした参考資料3の小委員会における今後の情報の収集・整理・分析について、第10回小委員会で審議された作業方針及び今後の方向性を踏まえて、今後の情報収集等の具体的内容の検討へ置き換えるものになります。
 なお、資料2の【参考】として海域小委の分もお配りしており、本日は詳細の説明はいたしませんが、水産小委と同様の構成で作成しております。
 それでは、資料2に戻りまして、1ページ目に情報収集等の基本的な考え方として、二つ記載しております。
 一つ目の丸の「また」よりも前の箇所ですが、新たに情報収集等を行うことになった気候変動影響、生態系・渡り鳥等、社会経済情勢等に係る知見は、海域小委において情報収集を行うこととしています。ここは海域小委の箇所となりますが、具体的には資料2の【参考】の3の(5)で記載しておりますので、後ほど御覧ください。
 次に、「また」以降の箇所ですが、有明海・八代海等の環境等の状況や、再生方策の実施状況及びその成果の情報収集等を両小委員会において、①関係省庁及び関係県からのヒアリング・データ提供、②これまでに収集されたデータも含めた詳細なデータ整理、③令和3年度中間取りまとめ以降の新たな論文収集により行うとしております。
 次に、二つ目の丸ですが、蓄積されたデータ等について、時間的な観点、空間的観点、データ項目の関係性の観点からより詳細な分析を進めるに当たっては、複数機関で得られたデータを統合して検討することも想定されることから、専門分野の委員からデータ精度の管理も含めて適宜御確認いただくこととしております。
 次に、2ページ目に進みまして、2、水産小委における情報収集等のうち、(1)データの情報収集等ですが、「作業方針」で整理された作業分担を踏まえ、水産小委では水産資源(有用二枚貝、ノリ養殖、魚類養殖等、及びそれらの餌料生物)の特性や状況、それらに関連する漁場環境、これは赤潮、貧酸素水塊等を含みますが、これらに着目し、これまでに得られたデータを含め整理することで減少要因等を検討することとしております。中間取りまとめを踏まえ、気候変動の影響や社会経済情勢の変化の影響などについて考慮するとしております。
 また、「今後の方向性」で整理された作業分担を踏まえ、「データの蓄積等科学的知見の充実に係る項目」のうち、水産小委が担当する項目について情報収集等を行うとともに、必要に応じて知見を有する評価委員や海域小委所属委員の協力を得るとしておりますが、海域小委の資料2においても同様に、必要に応じて知見を有する評価委員や水産小委所属委員の協力を得るということで、相互に記載しております。
 次に、3ページ目に行きまして、下のほう、(2)再生方策の情報収集等といたしまして、「作業方針」で整理された作業分担を踏まえ、水産小委では「有用二枚貝」、「ノリ養殖」、「魚類等」に係る項目を中心に、平成28年度委員会報告で示された再生方策の実施状況及びその成果の情報収集等を行うとしており、その際、「今後の方向性」で整理された作業分担を踏まえ、「今後の方向性」の別紙1の「再生方策等の実施状況等と課題の整理」のうち、「今後の課題や取り組み方針等」に記載された課題の解決に向けた取組状況についても情報収集等を行うものとしております。
 この3ページ目までは、これまでの審議内容を踏まえて記載しておりますが、次の4ページ目以降が本日の小委員会で特に御意見をいただきたい箇所となります。
 それでは、4ページ目に参りまして、3、今後の情報収集等の具体的内容についてですが、先ほど3ページ目のところの有用二枚貝、ノリ養殖、魚類ということで挙げておりましたけれども、それぞれごとに、平成28年度委員会報告で示された再生方策を列記しまして、再生方策ごとに①関係省庁・関係県の取組状況のヒアリング・関係データの提供依頼として、具体的な検討項目を記載の上、関連事業も掲載し、併せて②のデータ整理・分析に係る留意事項を記載するといった構成としております。
 4ページ目の(1)有用二枚貝では、基本的な方針として、令和8年度委員会報告に向けて、関係省庁等において集中的に調査・研究が実施されている「タイラギ」、「アサリ」を中心に検討を行うことや、その際、生活史の観点から生息状況を整理するとともに、環境項目等の影響や、海域ごとの環境特性等との関連性等について、直近のデータも踏まえて分析するとしております。
 その次に、アの再生方策から、8ページ目のクの再生方策まで、先ほど説明いたしました構成にて記載しております。
 例えば4ページ目のアの広域的な母貝集団ネットワークの形成においては、①の関係省庁・関係県の取組状況のヒアリング・関係データの提供依頼として、例えば有用二枚貝の浮遊幼生や着底稚貝の分布状況(アサリ、タイラギ)や、アサリの浮遊幼生シミュレーションモデルに係るデータ更新状況等を記載しておりまして、関連事業として4事業を挙げており、②のデータ整理・分析に係る留意事項として、有用二枚貝の生活史や現地調査結果、シミュレーション結果等を勘案した上で、どの海域に母貝団地を設けると広域的なネットワークの再生に資するのか、有用二枚貝の生活環境の観点からどの海域の環境改善を図ることが望ましいのか、再生産サイクルの向上に必要な親貝資源量等の知見の集積・分析・評価を図るなどといったことを記載しております。
 なお、有用二枚貝の最後の8ページ目のところに、作業方針の抜粋として、有用二枚貝の場合の小委員会ごとの再生方策に係る検討事項の作業分担を掲載しております。
 次に、9ページ目に行きまして、(2)ノリ養殖でございますが、こちらでは基本的な方針として、ノリ養殖については、養殖期間である秋季から春季を調査の対象時期として設定し、水質の状況や競合する赤潮等に関する情報収集等を行うとしております。
 その次に、アの再生方策から10ページ目のオの再生方策まで掲載しておりまして、最後の作業方針の抜粋として、(1)有用二枚貝の場合と同様の構成で整理をしております。
 最後に、11ページ目の(3)魚類等では、基本的な方針として、資源量動向のモニタリングや赤潮発生予察の検討に資する情報収集等を実施するとしており、その次に、アの再生方策から13ページ目のクの再生方策まで記載して、最後の作業方針の抜粋については、こちらも有用二枚貝やノリ養殖の場合と同様の構成で整理しております。
 今回、今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討を議題としておりますが、事務局としましては、本日の第11回小委員会では水産小委の資料について御意見をいただき、それを踏まえまして、次回合同で開催することを想定しております第12回小委員会で、水産小委、海域小委の意見を集約して、各小委員会における内容について決定するということを考えております。
 説明は以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明がありましたが、今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討については、本日の小委員会で議論をして、それを踏まえて、次回の第12回小委員会で決定することになります。
 ということで、御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。御意見がございましたら、挙手をして御発言をしていただきたいと思います。
 どなたか、御意見がございましたらお願いいたします。
○鈴木委員長 では、山本先生、お願いします。
○山本専門委員 鹿児島大学の山本です。
 今、御説明があったうちの3ページ目の別紙2というのを見ながら御質問します。この整理していくプロセスの中で、例えば下から3番目の有用二枚貝、魚類等の資源量、漁獲量、つまり現状の状況が、一番下の魚類等の再生や生息場の分布状況というところには結びつくというか、資源量が先にあって、やっぱりという生息場がその次に来るというような、並立するものではなくて、何かがベースになって、その上に何かが出てくるというような、何かが分析されていくというような項目も、ほかにもあると思いますが、それぞれの項目と項目の間の関係をどういう形で詰めていけるのかなと。特に担当の小委が分かれている場合、それぞれの小委が用意したものが一挙に出てきて、がっちゃんこするのだと難しい場合も出てこないかと少し危惧するのですが、その辺の項目と項目の間のすり合わせというか、この辺、もう少し作業手順のイメージをいただきたいです。
○鈴木委員長 これは私の個人的なイメージですが、それぞれ重要な項目であるので並行して集めていくのではないのかと思います。もちろんそれぞれ関連している項目もありますし、独立した項目もありますが、並行して集めていくのではないかと思います。事務局で、その辺り、何か方針がありましたら説明をお願いします。
○川口海域環境管理室室長補佐 今回は項目として、それぞれの再生方策について、どのようなデータを集めるかというところをお示ししておりますが、今後、その内容が固まりましたら、どういう順番で情報収集を、どういう形で集めていくかというのを、また検討したいと思っております。今回の小委員会で、そういった項目間のつながりというところも御意見をいただいて、それを基に、情報の集め方についても事務局で検討して、お示ししてきたいと考えております。
○鈴木委員長 ありがとうございます。山本先生、よろしいでしょうか。
○山本専門委員 分かりました。ありがとうございます。
○鈴木委員長 では、ほかに御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 では、山西先生、お願いします。
○山西委員 おはようございます。山西です。
 9ページ目のノリ養殖のことでお伺いします。今の御説明の中で、アから10ページのオまでの項目で整理されるということは理解しました。一方で、この小委員会の中で、例えば去年佐賀でも大変だったノリの不作の大きな問題としては、基本的には雨が少なかっただとか、気温が高いとか、水温が高いとか、あるいは日射量がとても長かったとかいうお話を聞くのですが、具体的に、この小委員会の中で、今回、アからオまでまとめられているような具体的なデータはこの委員会では示されないのでしょうか。親委員会でいきなりぽっといつも出てきますが、この小委員会の中で少しもんでおく必要はないでしょうか。
○鈴木委員長 事務局に、これについて何か方針がありましたら御説明をお願いいたします。
○川口海域環境管理室室長補佐 基本的に、具体的な検討内容は、できるだけ小委員会でまず下地を御議論いただいた上で、親委員会で小委員会の議論を踏まえて御議論いただくということを想定しておりますので、今の御意見も踏まえ、小委員会でまず議論いただくためのデータを出すように関係省庁や関係者と調整をしてまいりたいと思います。
 以上です。
○山西委員 ということは、今日の時点ではこういう項目の切り口で整理をしたいということに関して議論をすればよろしいですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね。ただ、次回以降、実際にどういう項目を集めるのかといった話の後には、情報の集め方とか出し方の話もございますので、そういった御意見等がございましたら、御参考にさせていただきたいと思います。
 以上です。
○山西委員 分かりました。
○鈴木委員長 では、ただいまの事務局の御発言というか方針も踏まえて、何か御意見等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 では、今後、このような形で検討していくということになりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、質問がこれ以上なければ、次のほうに進めていきたいと思います。今後の情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討は、本日の議論を踏まえて、次回の第12回小委員会で決めますので、事務局は本日の小委員会で出た意見を整理して、そして、第12回の小委員会へ提示していただきたいと思います。
 それでは、次に、資料3の関係、連関図の方向性の検討について、まず事務局から説明をお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 海域環境管理室の川田です。
 こちら資料3、連関図の方向性の検討につきまして、御説明させていただきます。
 まず、1ページ目でございます。こちらでは、これまでの連関図の変遷について記載しております。連関図につきましては、平成18年委員会報告におきまして、問題点及び問題点に関連する可能性が指摘されている要因を相関図として取りまとめられております。
 この下のほうに書いておりますが、評価委員会では、問題点と直接関係するとされている要因との関連や、これらの直接的な環境要因が変化した要因について考察しているところでございます。
 そして、次に、平成28年度委員会報告では、多様な生物の生物環境の確保を図りつつ、生態系を構成する上で、または水産資源として重要と考えられる生物について、「ベントスの変化」、「有用二枚貝の減少」、「ノリ養殖の問題」、「魚類等の変化」の4項目を取り上げることとされました。
 これらの変化、基本として1970年頃から現在までの変化に着目し、問題点の確認及びその原因・要因の考察や、現状と変化の整理が行われております。また、この連関図では、同報告書において関連があることが確認されたものを実線で、そのほかのものを点線で示されております。
 次に、令和3年度中間取りまとめでは、平成28年度委員会報告の連関図と主な事業等の関係が整理されています。
 一方で、この連関図は分かりやすさを優先して作成されており、さらなる精査や深化が求められているところです。
 次のページですが、こちらは、令和8年度報告に向けた連関図の方向性の検討に係る論点を記載しております。
 まず、この連関図の検討についてですが、さきに申し上げましたとおり、平成28年度委員会報告においては、有明海・八代海等の多様な生物の生息環境の確保を図りつつ、生態系を構成する上で、または水産資源として重要と考えられる生物として挙げられる4項目「ベントスの変化」、「有用二枚貝の減少」、「ノリ養殖の問題」、「魚類等の変化」に着目し、連関図が作成されております。これらをベースとして、令和8年度委員会報告に向けて、引き続き発展させることとしたいと考えております。まずこれが一つ目でございます。
 二つ目として、この中間取りまとめにおいて示されております気候変動の影響や鳥類等陸域の生態系などの新たな視点の組み込みについて考えていきます。
 具体的には、気候変動の影響、生態系・渡り鳥等、社会経済情勢等については、今後の知見の収集・整理方法も含め、まずは有識者へのヒアリング結果等を踏まえながら情報収集を進めるとともに、得られた知見が既往の連関図のどの部分と関連性があるのか、その関係性の程度等も含めて検討を進めたいと考えております。また、既往の連関図は、先ほど申し上げましたとおり、分かりやすさを優先して作成されているために、平成28年度委員会報告以後に得られた知見から更新できるものがないか併せて検討を進めてまいります。
 一方で、検討を要する事項があるものと考えており、気候変動の影響や鳥類等を組み込むことを検討していますが、それを具体的に考えていくと、既往の連関図において気候変動の影響との関係が深いとされる「気象、海象の影響」の項目に係る細分化等の検討をする必要があるのではないか。また、気候変動の影響に係る項目に絞った、独立した連関図を検討するかどうか。生態系の観点をさらに取り入れた連関図を検討するかどうか。ここを論点として考えているところでございます。
 次に、連関図のさらなる細分化等発展についてです。各課題とそれぞれに係る原因・要因の見える化の観点から連関図の取りまとめ区分の細分化等も含めて検討を進めたいと考えております。
 ここで論点として、既往の連関図の細分化等発展として、問題点(現行4項目)ごとの連関図を検討するかどうか、個別ばらばらの連関図を検討するかどうか。また、個別細分化された連関図と全体の連関図との最終的に整合性をどのように整理するか、そこをまず整理しておかなければいけないと考えております。
 本日は、これら論点について、小委員会において方向性の御意見をいただきたいと考えております。また、考えなければいけない論点や項目、またはそれを踏まえた方向性について議論いただければと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から連関図の方向性の検討について説明がございました。本小委員会では、連関図を作成するに当たっての方向性に係る意見を出してほしいということになります。御意見、御質問等を承りたいと思います。皆様、いかがでしょうか。何かありましたら挙手を押して御発言をお願いいたします。
 いかがでしょうか。気候変動の影響であるとか、鳥類とか陸域生態系などの新たな視点など、こういったものを加味して連関図を発展させていくということになりますが、その方向性等についての御意見を承りたいということになります。いかがでしょう。
 では、内藤先生、お願いいたします。
○内藤委員 これまでも連関図を分かりやすく示していただくというところで御苦労いただいているところでございますが、新しい気候変動等を加味した連関図を、なかなかいろんな複雑な要因もございまして、たくさん矢印とかも行きますのでなかなか難しいとは思いますが、やはり気候変動に対する変化というのは非常に重要でございますので、連関図について進めていただければと思っております。
 以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 ほかに何かございませんでしょうか。
 では、山西先生、お願いいたします。
○山西委員 山西です。
 今、内藤先生が言われたように、確かにこれ、いろいろ考えると、連関図自身はとても複雑になってくると思います。結果として、有明海の中、あるいはほかの海域でもそうですが、とても複雑だというのが、それでも分かりますが、この後、例えばこの連関図を基にモデラーの方がそういうシミュレーションとかに生かすのに使っていただくことが重要になってくると思います。ただ、これ、全部が全部連立させて解くのかどうかというところの問題もあると思いますが、そういう中で一番強い影響のあるところを使いながら、恐らく、計算を行うことになるのだろうと思います。つまり、この後、前半のところであったような話の中身が明らかになってきたときに、この連関図自身は、新たなその視点も入れつつ、また加えていくことになるのですよね。今、これは完成形じゃなくて、これにまた新たに加わっていくこともあると。
○鈴木委員長 私のイメージでは刻々と、いろいろと議論をしながら新たな視点が加わっていくことは十分にあり得ると思いますので、そこは臨機応変に作っていけばいいのではないかと思っておりますが、事務局で、何かこれについて御意見や方針がございましたらお示しください。お願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。小委員長おっしゃるとおり、まさにこれ現在の状態からバージョンアップを図っていかなければいけないと。なので、もともと今回、連関図を作られた背景といいますのが、平成18年のときに問題点及び問題点に関する可能性が指摘されている要因を相関図で取りまとめたものが出発点となっております。そういった意味で、これを、バージョンアップを図りながら、問題点と、そしてその要因というのを明確にしていきたいと考えているところでございます。ただ、このバージョンアップという大きな方向性はあるものの、さらに中間取りまとめ等では気候変動の影響や鳥類等陸域の生態系の視点の組み込み等、御示唆いただいているところでございますが、複雑にしていけばいいのか、それとも、個別に作成し、それを追求していけばいいのか、そういったところの方向性について御意見をいただければと思いまして、今回、挙げさせていただきました。
 また、もし委員会後に御意見がございましたら、1週間ぐらいを目処にメール等でいただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○山西委員 分かりました。要は、先ほど前半のところの何かデータとかあって、ここでそれを基に何か加えられるものがあったりしたら考えようかなと思いましたけど、前半の話は方向性だけだということなので、意見としては複雑だなというのと、これがこの後、生かされるようにしてほしいので、そうなるための何かいいアイデアがあればいいなと思いましたが、今すぐには出てこないので、すみませんが、そういう意見です。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。
○鈴木委員長 山西先生、ありがとうございました。
 では、ほかに御意見等、ございませんでしょうか。
 では、山本先生、お願いいたします。
○山本専門委員 何度もすみません。先ほどの御意見とも関連しますが、やはりどんどん項目を増やしていけば複雑になっていくだけなので、解決に結びつけるアクションを決めていく上で、一つは、やはりこれまで作ってきている連関図の中で、点線があまりにも多いと。連関図の点線というのは、というより実線は確認できたものというか、これまでの委員会とかで確認できたりしたもの。ということは、点線は概念としてはあるけれども、確認できていないというものばかりです。いろんな要素を加えていく必要はありますが、点線を実線にする努力というか、意図的に点線が実線にならないかというデータの集め方というのをするべきではないかと少し感じております。
 新たに増やそうとしている項目というのはものすごく大きな話で、背景にはあるんだろうけれども、考慮する必要はあるのだろうけれども、やはりストレートには見えなかったから今まで背景にあったのだと思うので、それは考慮に入れつつ、でも実線にできるということは、やはり関係が見えているということで、それはアクションも起こせるはずだということを考えると、この矢印が太いか細いかについても、ある程度は実線化できるかどうかという議論からもしかしたら判断できるかもしれないこともあるので、やはり点線をいかにして実線にするかというのはもう一つ、やっていくべきことなのかなと感じています。
○鈴木委員長 貴重な御意見、ありがとうございます。確かに点線が多いので、当然これが実線になるように、事務局あるいはこの委員の皆様方から情報をいただければと考えているところです。ただ、その一方で、新たにこれからデータを積み重ねていく中で、こういった実線に変わっていくのかどうかというところはいまだになかなか分からない部分というのもございますので、その辺は事務局と相談をしながら進めていければと思います。
 事務局から何か御意見、あるいは方針がありましたらお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 貴重な御意見、ありがとうございます。おっしゃるとおり、新たな知見が得られたものでは、この点線が実線に変わるように努力のほうを引き続き進めてまいりたいと思っております。ありがとうございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
 では、ほかに御意見等はございませんでしょうか。
 山西先生、お願いします。
○山西委員 すみません、今の山本先生の意見にちょっと乗っかって質問ですけど、せっかくですから、今、点線になっているところを実線になるのか消えてしまうのかはちょっと分かりませんけど、前半でお話のあった切り口との関係とかも調べておかれておいたほうがいいのかなと思いました。そうすると、今、山本先生が言われたような、点線のところを担保するというか根拠になっているということになろうかなと思いました。よろしくお願いします。
○鈴木委員長 ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。
 ほかに御意見等はございませんでしょうか。
 それでは、まだ時間がありますので、先ほどの議題1の情報収集・整理・分析等の具体的内容の検討、この辺についても、もし御発言で失念されている部分とかがありましたら、ここでもまた御発言いただければと思いますが、どなたかいらっしゃらないでしょうか。
 それでは、ございませんようですので、議題の3のその他に移りたいと思います。その他ですが、事務局から何かございましたらお願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 ありがとうございます。その前に、申し訳ございません、先ほどの議題2の連関図の関係ですが、先ほどいただきました御意見、また、もしいただけましたら、メールでいただけます御意見、そういったものを踏まえまして、今後、連関図の検討をどのように進めていくのか、そういったことを含めて、また整理させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○鈴木委員長 お願いします。
○川田海域環境管理室室長補佐 議題3につきまして、報告事項はございません。よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 では、ありがとうございます。
 それでは、本日の小委員会を通して、各委員から何かもしほかにございましたら、お願いいたします。挙手をして御発言いただければと思います。よろしいでしょうか。
 山口先生、お願いいたします。
○山口(敦)専門委員 先ほどの資料の2ですが、たくさんの関連事業が挙げられていまして、この報告を集めて整理はどこでされるのかという質問と、それから、いつの年度からこの事業報告を集められるのかという、その方針を教えていただきたいと思います。
○鈴木委員長 すみません、制御というのはどういう意味でございましょうか。整理するという意味でしょうか。
○山口(敦)専門委員 この関連事業のデータを提供してもらうということですよね、いろいろ書かれている各項目について。例えば有明海水産基盤整備実証調査のように、そういったものの全体的なことについて、たくさんなされている再生事業の資料を集めて、それを、この中で検討していくということですね、資料2のほうです。
○鈴木委員長 これは恐らく公表されている資料や報告書に基づいて事務局が取りまとめていくのではないかと思いますが、事務局から、この理解で間違いないでしょうか。
○川口海域環境管理室室長補佐 事務局の川口ですが、まず基本的には、事務局のほうで情報集約をして、一定整理をしてお示しをすることになると考えております。こちらの資料2は、平成28年度委員会報告で示された再生方策を軸としていますので、基本的には、平成28年度以降、いわゆる令和8年度報告に入れられる程度までの情報を整理するということで事務局は考えております。
 以上でよろしいでしょうか。
○山口(敦)専門委員 そうすると、10年分ぐらいのデータをこれらの事業報告から拾っていくということですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね。前回の平成28年度委員会報告に記載された再生方策が実際のところ、どのように行われて、今後どのように行っていくのかという方向性を示すようなイメージで考えております。
○山口(敦)専門委員 そうすると、またここで事業について整理をしていくという、次はどういう事業をするかという整理をしていくという、そういう。
○川口海域環境管理室室長補佐 事業という細かい単位ではなく、再生方策という大くくりの中での議論ということになります。個別の事業の中身ではなく。
○山口(敦)専門委員 分かりました。それを連関図に入れていくということですか。ここの中で整理をされた情報から、今の連関図を充実させていくという、そういう流れですか。
○川口海域環境管理室室長補佐 そうですね。こちらで得られたデータで、いわゆる連関図を更新できるものがございましたら、そちらに反映するというように考えております。
○木村海域環境管理室長 連関図だけのためにやっているわけではなく、ここで集めたデータを基に次の報告書にまとめていくということになります。また、それは連関図にも一部活用していくことになると思います。
○山口(敦)専門委員 分かりました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
 では、ほかに御質問等はございませんでしょうか。
 それでは、ございませんようですので、本日予定されていた議事については全て終了しました。
 議事の進行を事務局のほうにお返ししたいと思います。御協力、ありがとうございました。
 では、事務局、お願いいたします。
○川田海域環境管理室室長補佐 鈴木委員長、ありがとうございました。
 本日の議事録ですが、後日、事務局よりメールにて確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開させていただきます。
 なお、次回小委員会については、オンラインのみでの合同開催にて予定しております。
 合同小委員会では、各小委員会にて検討いただきました情報の収集・整理・分析等の具体的内容の検討の報告・決定及び令和8年度報告の骨子案の検討を議題として想定しております。
 皆様からお伺いしております日程がまとまり次第、開催日程をご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして第11回水産資源再生方策検討作業小委員会を閉会とさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

午前10時54分 閉会