第9回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 水産資源再生方策検討作業小委員会 議事録

*水産資源再生方策検討作業小委員会(第9回)及び海域環境再生方策検討作業小委員会(第9回)の合同開催

開催日

令和4年1月24 日(月)

場所

WEB会議システムにより開催

出席者

 有明海・八代海等総合調査評価委員会委員長:古米弘明委員長

(水産資源再生方策検討作業小委員会)

 小委員会委員長 : 樽谷賢治委員長

 委員 : 川原逸郎委員、藤井直幹委員

 臨時委員: 鈴木敏之委員、速水祐一委員、松野健委員、山本智子委員

 専門委員: 岸田光代委員、中村勝行委員、中村康智委員、西野博委員、林宗徳委員、松山幸彦委員

(海域環境再生方策検討作業小委員会)

 小委員会委員長 : 松野健委員長

 委員 : 上久保祐志委員、 矢野真一郎委員

 臨時委員 : 小林政広委員、鈴木敏之委員、樽谷賢治委員、山口敦子委員、山口啓子委員

 専門委員 : 桐博英委員、橋本晴行委員、東博紀委員、古川恵太委員

(関係省庁・県)

 国土交通省港湾局海洋・環境課 菊池課長補佐、浜口係長

 国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 大角課長補佐、寺石係長

 国土交通省水管理・国土保全局流域管理官付 松澤課長補佐

 農林水産省農村振興局整備部農地資源課 細田課長補佐

 水産庁増殖推進部研究指導課 楠課長補佐

 水産庁増殖推進部漁場資源課 吉川課長補佐

 水産庁増殖推進部栽培養殖課 石川課長補佐、田畑係長、中西課長補佐、鏑木係長

 水産庁漁港漁場整備部計画課 本宮計画官、篠崎課長補佐、伊藤係員

 林野庁森林整備部治山課 中村課長補佐

(事務局)

 環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、

 水環境課閉鎖性海域対策室主査

議事録

午前9時00分 開会

○冨永閉鎖性海域対策室主査 定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第9回水産資源再生方策検討作業小委員会及び第9回海域環境再生方策検討作業小委員会を開会いたします。

 本日の小委員会は、御案内のとおり合同で開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。

 本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、WEB会議での開催とさせていただいております。委員の皆様には御不便をおかけしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど、不具合がございましたら、事務局までお電話、またはWEB会議システムのチャット機能にてお知らせください。

 議事中、マイク機能は委員長及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。なお、御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意思はこのマークで確認します。委員長からの御指名後、マイクのミュートを解除していただき、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう操作願います。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 本小委員会は公開の会議となっており、環境省水環境課公式動画チャンネルでライブ配信を行っております。

 それでは、委員の任期に伴い令和3年1212日付で委員の改選がございましたので、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。

 資料1-1、資料1-2を御覧ください。有明海・八代海等総合調査評価委員会の水産資源再生方策検討作業小委員会と海域環境再生方策検討作業小委員会の委員の名簿になります。水産小委の委員長には樽谷委員、海域小委の委員長には松野委員が、引き続き指名されております。時間の都合上、この名簿をもって委員の方の御紹介とさせていただきます。

 本日の委員の出席状況ですが、欠席の連絡を水産小委の内藤委員、海域小委の山室委員、海域小委の弓削委員よりいただいております。本日は、委員25名中22名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。

 また、本日は評価委員会の古米委員長にも御出席いただいております。

 続きまして、本日は有明海・八代海等総合調査評価委員会の中間取りまとめに向けた作業を議題としており、関係省庁から御出席いただいております。

 農林水産省農村振興局の農地資源課、林野庁の治山課、水産庁の研究指導課、漁場資源課、栽培養殖課、計画課。

 国土交通省の水管理・国土保全局の河川環境課、流域管理官付、港湾局の海洋・環境課から御出席いただいております。

 環境省側の出席者も紹介させていただきます。

 閉鎖性海域対策室長の行木でございます。同室長補佐の浜名でございます。同室長補佐の横内でございます。私が、閉鎖性海域対策室の冨永でございます。

 続きまして、資料につきましては事前に電子データやホームページに御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございます。

 なお、資料は事務局が画面上に掲載して進行させていただきます。

 現在、御審議をいただいております中間取りまとめにつきましては、今年度内をめどに取りまとめることとしており、今回の小委の後は、2月9日に評価委員会で審議の上、パブリックコメントを実施し、3月末の評価委員会で取りまとめの審議をしたいと考えております。

 このため、小委員会での中間取りまとめの御審議は、本日が最後になります。

 それでは議題に入ります。

 今回の進行は水産小委の樽谷委員長にお願いしております。これ以降の進行は、樽谷委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 かしこまりました。

 本日の主な議題は、有明海・八代海等総合調査評価委員会の中間取りまとめに向けた作業についてとなります。

 この中では、中間取りまとめの目次、第1章から第4章までの案につきまして、改めて御議論いただく予定にしております。資料が膨大となりますが、委員の皆様におかれましては、議事の円滑な進行に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず、このうちの中間取りまとめの目次案、中間取りまとめの第1章及び第2章案について、御議論をいただきたいと思います。

 なお、第2章につきましては、かなり長くなりますので、3分割して説明と質疑をお願いしたいと思います。

 それでは、まず、目次案と第1章、第2章の1~5の項目について、御議論をお願いしたいと思います。

 それでは事務局から、御説明をお願いいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。私から御説明させていただきます。

 なお、今回御説明します資料の内容につきましては、11月の小委員会からの変更点、修正点を中心に説明をさせていただきます。

 資料2を御覧ください。中間取りまとめの目次案になります。

 各章でのボリューム感が分かるように、一番右の欄にページ数を加えております。資料編につきましては想定の枚数になります。また、参考資料5に、資料編に掲載するケーススタディ一覧の案をつけております。こちらにつきましては、現在作業段階のものであり、今後関係省庁等とさらに検討し、作成をいたします。

 11月の小委員会時点では、各章の大項目のみを目次として記載をしておりましたが、古川委員などから、ノリ養殖等のキーワードが目次の中にも示されることが重要であるといった御意見や、赤潮に関する記述の整理上の課題についての御指摘を踏まえまして、第2章と第3章では小項目までを目次として記載することとしました。

 2.2の部分など、前回小委員会から小項目の整理が変わっている点もありますが、この後、各章の説明をする中で説明させていただきます。

 また、古川委員から、ノリ養殖と赤潮の記述、漁業の生産量の記述の場所について整理が必要という御指摘をいただいておりました。目次の中では詳細は見えませんが、この御指摘を受けて記載場所を変えるなど、整理を行っております。後ほど、該当部分の説明の中で、詳細を御説明します。

 目次案については以上になります。

 続きまして、資料3を御覧ください。

 中間取りまとめの第1章案になります。

 内容としては、11月の小委員会のものから大きな変更はございません。後ほど、第3章、第4章のところで説明をいたしますが、1.3に掲載をしておりました連関図を第3章に移動しております。

 第1章につきましては、以上になります。

 続きまして、資料4を御覧ください。

 中間取りまとめの第2章案になります。

 まず、1ページ目ですが、第2章の構成と記載事項についての表を載せております。第2章は2.1の汚濁負荷から2.9生物までとなります。分量も多いことから、先ほど委員長からも御説明がありましたとおり、説明は三つに分けて行いたいと思います。

 まずは、2.1の汚濁負荷から2.5底質までを御説明します。

 まず、全体的な点として、前回11月の小委において古賀委員から、最新のデータに更新ができていないものがあるという御指摘をいただきまして、全体の更新を行っております。また、12月の評価委員会の折に山室委員から、図表の中に文献からコピーしたままのものがあり、軸が見えない、説明がないなど、分かりづらいという御指摘がありました。その点、修正を行っております。

 また、西暦、和暦の記述がばらばらという点、御指摘をいただき、記載を西暦(和暦)に統一をしております。

 2ページを御覧ください。

 2.1汚濁負荷について、11月の小委員会時点では大きな変化傾向はないとして、資料編への図表の掲載のみとし、本編の記載を省略する案としておりましたが、古賀委員から、各河川から海域への流入は重要な点であり、データを更新した図は資料編ではなく本編に記載すべきとの御意見がありました。

 また関連して、後述する豪雨の影響、河川流量や河川からの土砂流入について、複数の委員から、気候変動の影響もあり、豪雨の頻度が上がり、結果として流入する負荷にも影響がある可能性などについても御指摘があったことを踏まえまして、流入負荷量の経年変化について、図の2.1.2-12を掲載しております。

 5ページを御覧ください。

 2.2河川からの土砂流入について、11月の小委員会時点では、平成29年7月の九州北部豪雨による土砂発生の事例のみを記載をしていたところですが、11月の小委の議論を踏まえ、大雨等の発生状況や河川流量の状況等を追記しております。

 まず、2.2.1大雨等の状況では、11月の小委員会において山口敦子委員から、豪雨のイベント情報を整理すべきとの御意見をいただき、豪雨のイベントの表や次ページ以降の降水量の状況、1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化について記載をしております。

 8ページを御覧ください。

 2.2.2河川流量の状況ですが、11月の小委員会において、東委員から、河川流量については汚濁負荷にも土砂流入にも影響するので、近年の変化を文書で説明を加えたほうがよいとの御意見をいただき、一級河川の平均流量について記載をしております。

 9ページを御覧ください。

 2.2.3近年の豪雨による土砂の発生では、平成29年7月九州北部豪雨における土砂発生量や、豪雨後の河川の状況について記載をしております。11月小委時点では、一つの降雨イベントを一つの項目とし、二つの節に分けて記載をしていたところですが、要点をまとめる観点から一つの節にまとめ、分量を調整する観点で一部の図を資料編に移すこととして整理を行いました。

 この点、資料2の目次における変更点となっております。

 なお、11月の小委において山口敦子委員から、八代海の球磨川でも豪雨災害があったが記述がないとの御意見をいただき、それを踏まえ、令和2年7月豪雨における球磨川についても同様の整理を行うことを検討しましたが、現段階では同様に整理されたデータが得られていないことが分かりました。

 その代わりに2.2.1の大雨等の状況や、2.2.4まとめにおいて、直近の豪雨イベントとして球磨川において令和2年7月豪雨により大規模な出水が発生していることを記載しております。

 また、山口敦子委員、中原委員から、豪雨による海域への影響について記載をすべきという趣旨の御意見をいただいておりました。こちら確認をいたしましたが、現段階では具体的に影響について記載できる知見は十分になく、今後の課題として3章及び4章に記載を行っております。

 それから、中村委員から、気象と海峡の記載が少々足りないので、気象データ等を資料編に記載すべきという御指摘をいただいており、資料編に記載を追記させていただく予定です。

 15ページを御覧ください。

 2.3潮汐・潮流について、11月の小委時点では本編での記載については、平常時については新たな知見は特に得られていないため割愛する案としておりましたが、中原委員から、重要な項目なので再考すべきという趣旨の御意見をいただきました。

 こちら、データのアップデート等を行い、潮位の推移や豪雨前後の潮流の変化について記載をしております。

 2.3.1の潮位の状況については、図の2.3.1-1M2分潮振幅の経年変化、図2.3.1-2に平均潮位の推移を示しております。こちらの図は、平成28年度委員会報告からの更新を行っております。平成28年度委員会報告では、M2分潮振幅の長期変化の要因について、影響度合いに関する異なる見解があることを記載しておりますが、現段階では関連する新たな知見は得られておりません。

 2.3.2潮流の状況では、平常時における潮流の状況については、新たな知見は得られておりませんが、近年、豪雨が多発していることを踏まえまして、豪雨前後の潮流の状況を把握するための整理を行っております。

 図2.3.2-1において、潮流楕円のS2分潮において豪雨前後で違いが見られましたが、現時点ではその要因は明らかになっておらず、今後の継続的な観測が必要であることを記載しております。

 27ページを御覧ください。

 2.4.2水質の動向について、表の2.4.2-58まで、有明海・八代海等における水質変化傾向の回帰分析結果を掲載しております。11月の小委時点では、有意な変化傾向が認められたところを青またはピンクで網かけをしておりましたが、古川委員から水質の項目によって高いほうがよいもの、低いほうがよいものがあり、色分けの違いが分かりにくいといった御指摘を踏まえまして、網かけを青に統一をしております。

 33ページを御覧ください。

 2.5.1の(1)底質の分布状況では、2パラ目の「水深が平均化されている」の部分について、中原委員からの御指摘を踏まえ、参考文献の番号を付記しております。

 また、図2.5.1-1について、中原委員からの表の中の値について注釈をつけるべきという御指摘を踏まえまして、図中の表に関する注釈をつけております。

 なお、水質、底質等の解析につきましては、平成28年度報告では項目ごとに経年的な、単調な増減に関する評価にとどまり、ほかの項目との関係性や季節別空間的観点からの解析評価を行うということが課題となっておりました。また、現在、変動傾向の解析結果を示しておりますが、山室委員より、ベントスのデータ整理に関連して傾向分析の解析手法の精査をすべきという御指摘をいただいており、水質等についても同様の精査、検討をすべきと考えております。

 しかしながら、確認しましたところ、精査をし、必要なデータ整理・解析を行うには、ここまでは解析に使用してこなかった2010年以降、得られたデータの取扱い等もあり、この中間取りまとめの中では時間が足りないということが判明しました。この中間取りまとめでは、今後の課題として記載することにさせていただきたいと考えております。

 なお、今回掲載している水質、底質のデータ整理は、平成28年度報告と同様となっており、前回からの変化を比較する上では意味のあるものと考えております。

 第2章の2.1汚濁負荷から2.5底質の説明は以上になります。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から、目次案、第1章、第2章の2.12.5までについて、前回の小委員会からの変更点、修正点を中心に御説明をいただきました。

 それでは、何か御意見、御質問等ございましたら、承りたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは、橋本委員から、よろしくお願いいたします。

○橋本委員 まず、8ページの図の2.2.2-12.2.2-2です。これは、月平均流量ですよね。月平均流量ですと、河川から海域への土砂の流出量を知る上での参考にはならないと思います。日平均流量に変えたほうが良いと思います。6ページの降水量も、日降水量になっています。これに対応する意味でも、月平均流量は日平均流量に変えたほうがいいと思います。これが1点です。

 それから二つ目が、12ページ、表2.2.3-1です。このタイトルの最後の部分は「筑後川の流出土砂量」と書いてあります。これは誤解を生む表現だと思います。

 表の内容は、筑後川中流域の支川流域から本川への流出土砂量です。従いまして、この表のタイトルは修正したほうが良いと思います。これが2点目です。

 最後の3点目ですが、14ページのまとめのところです。平成29年7月豪雨において、河川から海域への土砂流出量がどの程度だったかという記述が、先の図2.2.2-1の日流量に対応した形で入ることが望ましいと思います。

 なぜなら、まとめのところでは、将来、土砂流出量が増えるかもしれないという表現はありますが、平成29年7月豪雨の際の海域への土砂流出量については何も書かれていません。

 以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま8ページの一級河川の月平均流量のところを、日平均流量に変更したほうがよいのではということと、表2.2.3-1のタイトルの修正、さらにこの部分の2.2.4のまとめについて、御指摘をいただきました。

 事務局から、何かございますか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 橋本委員、御意見ありがとうございます。御意見を踏まえまして検討させていただきたいと思います。

○橋本委員 分かりました。

○樽谷委員長 それでは続きまして、東委員から、よろしくお願いいたします。

○東委員 東です。

 私も資料4の8ページの一級河川の流量のところでございます。先ほど、橋本委員から、日流量に変えたほうがよいという御指摘でしたが、恐らく土砂の流入の観点での書き出しであるため、そのような御指摘だと思います。一方で、有明海の長期の水環境、貧酸素水塊への影響という視点からは、やはり長期の流量の変動も必要かと思います。

 ただ、こちらは月平均の長期の流量データが示されていますが、その変動に対する記述がない状況でございまして、例えば、この月は増えているとか減っているとか、あるいは年変動が大きくて有意な差はないとか、長期変動に対して何らかの解釈・考察を記載していただければと思いました。

 以上でございます。

○樽谷委員長 ありがとうございます。河川流量について、長期変動に関する何らかのコメントが必要ではないかという御指摘だと思います。

 事務局から、御対応等について御回答をいただければと思います。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局、冨永でございます。

 東委員、御意見ありがとうございます。御意見を踏まえまして、本文に解釈を追記していきたいと思います。ありがとうございます。

○行木閉鎖性海域対策室長 閉鎖性海域対策室、行木でございます。1点、補足させてください。

 御指摘ありがとうございました。この図の2.2-12.2-2関連でございますが、いただきました橋本先生の御意見、それから東先生の御意見を踏まえまして、日平均の流量、それから月平均の流量、それぞれを載せるという方向で検討し、月平均につきましては解釈について一言、加えられるようにということで検討させていただきたいと思います。

 特に日平均流量については、場合によりましては一部を本編で、一部を資料編といったような分量の調整もさせていただくかもしれませんが、御指摘を踏まえまして検討させていただきます。どうもありがとうございました。

 以上です。

○樽谷委員長 東委員、よろしいでしょうか。

○東委員 ありがとうございました。

○樽谷委員長 それでは、続きまして、矢野委員から、お願いいたします。

○矢野委員 九州大学の矢野です。

 資料4の17ページの潮流のところですが、潮流・潮汐に加えていただいて、まず、ありがとうございます。そして、ここで示されているのが出水の影響で、潮流がどのように変わったかというのを分析したという話には、一応なっていますが、示されている図が表層の1.5m海面下だけのデータになっていまして、これが何で測られたかにもよりますが、ADCPとかで測っているのであれば、例えば底層付近も同じような図が描けると思いますが、もし、そうであるなら、可能であれば表層、中層、底層ぐらいは示していただけたら、より価値的かなと思いますので、そこら辺が可能であればよろしくお願いします。

 以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 事務局で、観測方法も含めて、御対応等、可能でしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 矢野委員、御意見いただきありがとうございます。表層、中層、底層で測定をしたデータはありますので、今回、表層だけを示しておりますが、中層、底層でも同じようなデータを示していくように対応していきたいと思います。ありがとうございます。

○矢野委員 よろしくお願いします。

○樽谷委員長 ほかに、御質問、御意見等、ございませんでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、ありがとうございました。

 それでは、続きまして、第2章の2.62.8の項目について、事務局から御説明をお願いいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局、冨永でございます。

 続きまして、第2章、2.6貧酸素水塊から、2.8赤潮までを説明いたします。

 まず、2.6貧酸素水塊についてです。47ページを御覧ください。

 有明海の湾奥部、諫早湾で調査されている結果を基に、底層溶存酸素量の日平均値が2.0mg/L未満、3.0mg/L未満、4.0mg/L未満の日数を整理しており、それぞれの図を載せております。

 全国的に底層利用の環境基準類型指定が進められておりますが、有明海・八代海では、まだ類型指定がされていない状況のため、三種類のグラフを載せております。これらのグラフにつきましては、11月の小委時点では、2019年度までのデータを記載しておりましたが、11月小委において古賀委員から、12月評価委員会において矢野委員から、できるだけ最新のデータを加えるべき等の御意見を受けまして、2020年度のデータを追加しております。

 50ページを御覧ください。

 貧酸素水塊の発生状況について、12月の評価委員会において矢野委員より、貧酸素水塊の発生状況について、モデルを用いて近年の出水状況等で違いを比較した論文があるので参照していただきたいと、御意見をいただいておりました。

 それを踏まえまして、文献の内容を50ページの二段落目に追記しております。

 流体力学モデルと低次生態系モデルを用いた解析によって、大規模出水の総流量が多いと貧酸素水塊の継続日数が長くなること等が示唆されたという知見を追加しております。

 53ページを御覧ください。

 2.6.4では、貧酸素の経年変化特性として、底層潮流振幅と貧酸素の累積時間の関係を記載していたところです。11月の小委において樽谷小委員長より、図と本文の記述の整合や、図の注釈について御指摘をいただいており、記載の適正化を行っております。

 また、この節については、12月評価委員会においても大嶋委員や松野小委員長より、貧酸素水塊と潮流振幅には関係がありそうである。なぜ、このような関係になるのか、きちんと説明することが重要であるが、その要因については現段階では分からないので、その旨、明記すべきといった御指摘をいただいております。

 この御指摘に対しましては、今後の課題として第4章に記載をしております。

 55ページを御覧ください。

 2.6.5では、文献による新たな知見として、気候変動が底層溶存酸素濃度に与える影響を追加しておりました。11月の小委時点では、図表に計算結果の図のみを掲載していたところ、速水委員より、モデルの具体的な条件を記載することが必要であると御指摘をいただきまして、図の2.6.6-1にモデルの条件も追加した図を掲載しております。

 56ページを御覧ください。

 2.6.6まとめについて、11月の小委において松野小委員長より、まとめが冗長であるとの御指摘をいただいておりました。本文が、ほぼそのままでまとめに記載されていた部分がありましたため、要約をしております。

 また、ここまでで御説明をした知見の追加等も反映をしております。

 58ページを御覧ください。

 2.7藻場・干潟等です。冒頭の文章につきまして、12月の評価委員会において清野委員より、生態系として有用希少生物や、ラムサール湿地登録干潟等の記載もあるとよいといった御指摘をいただきまして、それを踏まえた追記を行っております。

 60ページを御覧ください。

 ヒアリング調査による藻場・干潟面積の経年変化を、表の2.7.1-2に示しております。この表につきまして、11月の小委員会時点では、第5回環境保全基礎調査との比較のみを示しておりましたが、古米委員長より、環境が良好だった時期からの推移が分かるように、過去に行われた環境保全基礎調査データのデータも加えてはどうかといった御提案をいただきまして、第2回、第4回の環境保全基礎調査の結果も含めた推移を整理しております。

 また、第5回環境保全基礎調査からの藻場・干潟の面積の変化につきましては、11月の小委員会において、矢野委員をはじめ多くの委員から御意見をいただいており、一部エリアの結果である点など、留意が必要な旨を追記しております。

 また、このページの下の部分には、新たに外来種についての記載を追加しております。12月評価委員会において、皆川委員より御意見をいただきまして、追記を行ったところです。

 次のページを御覧ください。

 2.7.2海洋ごみにつきましては、11月の小委員会で川原委員、中原委員から、海洋ごみの回収について、県で行われている取組の記載が抜けているのではないかと、御意見をいただきました。12月の評価委員会においても川原委員より、県の土木部署においても港湾施設等の管理の目的で、ごみの回収処分が行われており、実態だけでも記載をすべきと、御意見をいただきました。

 事実関係を踏まえまして、港湾・漁港施設や海岸保全施設の適正な管理の観点等を追記したほか、表現を少し修正しております。

 また、62ページの2.7.3まとめにつきまして、11月小委において樽谷小委員長より、海洋ごみに関する記載が抜けていると御指摘をいただきまして、追記を行っております。

 63ページを御覧ください。

 2.8赤潮についての大きな変更点として、11月の小委時点では、有明海のノリ生産量や八代海の魚類養殖の状況が、この赤潮の項目に入っておりましたが、古川委員の御指摘を踏まえまして、2.9生物の項目の中で記載をするよう整理を行いました。

 また、赤潮の項目全体として、12月の評価委員会において、比較して見るべきグラフのスケールがそろっていないとの御指摘もあり、例えば図の2.8.1-1など、グラフの整理も行っております。

 65ページを御覧ください。

 図2.8.2-1赤潮プランクトンの顕微鏡写真の図につきまして、12月の評価委員会において鈴木委員より、出典を記載すべきと御指摘をいただきまして、出典を記載しております。

 また、74ページの図2.8.3-8にも同様に出典が抜けておりましたので、こちらも同様に出典を追記しております。

 65ページに戻りまして、Chattonella属の学名について、12月の評価委員会にて内藤委員より、現在は名前が変更されていると御指摘をいただきました。検討させていただきまして、過去からの分かりやすさの観点などから、この中間取りまとめでは、これまでどおりの表記に加えて名称を変更する文献があることを、図2.8.2-1に注釈として記載をしております。

 67ページを御覧ください。

 2.8.3有明海における赤潮による漁業被害(ノリ養殖等)について、12月の評価委員会において内藤委員より、記載順の整理に関し、ノリの色落ちという単語だけが先に出て、その説明は後に出てきており順序が異なるのではないかといった御指摘をいただきました。

 御指摘を踏まえまして、2.8.3の冒頭では、ノリの色落ちのみならず、天然魚類のへい死についての記載をし、どのような被害が起こっているのかを全体的に述べるという記載と位置づけし直しました。その後、ノリの色落ちについての詳細な記述があり、八代海での魚類養殖への被害の記述が来るという構成となっております。

 83ページを御覧ください。

 (2)の八代海における赤潮による魚類養殖被害の発生状況について、11月小委では、本文中の海域区分の記載に誤字がありました。中原委員の御指摘を受け、修正を行っております。

 次のページを御覧ください。

 八代海におけるChattonella属赤潮による漁業被害が発生した期間のChattonellaの発生分布状況の図を、図2.8.4-6として載せております。この図は、11月小委員会時点では、年単位でのChattonella赤潮の発生分布状況を示しておりましたが、山本委員より、漁業被害との関係であればイベントごとの議論が必要であるとの御意見がありましたので、図の差し替えを行っております。

 86ページを御覧ください。

 2.8.6まとめについて、11月の小委において樽谷小委員長より、冬の珪藻赤潮、ノリ養殖に関する記述が抜けているとの御指摘を踏まえて、追記を行っております。

 以上が、第2章、2.6貧酸素水塊から2.8赤潮の説明になります。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から、2章の6.貧酸素水塊、7.藻場・干潟等、8.赤潮について御説明をいただきました。何か御質問、御意見等ございましたら伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、矢野委員、お願いいたします。

○矢野委員 矢野です。58ページの2.7藻場・干潟等というところがございますが、ここでその藻場・干潟の環境面での機能ということで、水質浄化と生物多様性の維持ということが書かれていますが、最近、藻場にしても干潟にしても、ブルーカーボンの炭素の貯留機能というのは、かなり注目されているかと思いますので、可能であれば、そういったことも記載したほうがいいのではないかと思います。

 藻場・干潟の価値が非常に高まるということになるかなと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございます。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局、冨永でございます。矢野委員、御意見ありがとうございます。

 御意見を踏まえまして、ブルーカーボンにつきましても記載の検討をしていきたいと思います。

○矢野委員 よろしくお願いします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 ありがとうございます。

○樽谷委員長 ほかに、御意見等ございませんでしょうか。

 それでは、御意見ないようですので、また、後ほど全体を通して御意見や御質問等を承る時間を設けたいと思いますので、何かありましたら、その際にお願いいたします。

 それでは続きまして、第2章の9.生物について、事務局から御説明をお願いいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 すみません。これからの2.9生物のところですが、魚類のパートが非常に今回重要となっておりまして、山口敦子委員が10時から中座をすると御連絡をいただいております。なので、この部分は後に回しまして、まず、3章、4章のほうにつきまして、先に説明をさせていただければと思います。

○樽谷委員長 分かりました。

 それでは、議事の順番が変更となりますが、まず、先に中間取りまとめの第3章と第4章について、事務局から御説明をいただき、議論をさせていただきたいと思います。

 それでは、第3章、第4章につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○横内閉鎖性海域対策室室長補佐 環境省の横内です。

 資料の5を御覧ください。中間取りまとめの第3章、第4章の案です。

 第2章では、前回、平成28年度の評価委員会報告において、有明海・八代海等の環境の状況として、新たなデータや知見が得られた情報を中心に整理を行っています。

 第3章では、再生方策等の実施状況等と課題を整理しています。続く第4章では、再生方策に共通する今後の課題を整理しております。第3章の構成について、12月の評価委員会において松野委員、林委員らから、再生方策の表や関連の事業を加えた連関図と、その後の第3章の記述の内容のつながりを、丁寧に記載してはどうかというような御意見をいただきました。

 また前回、連関図を第1章に置き、第3章では連関図と各事業の大まかな関係を整理した図をつけていたところですが、山口敦子委員から、評価委員会で個々の主体の事業の評価を行うわけではないが、誤解を招くのではという趣旨の御意見をいただきました。

 これを踏まえ、1ページの5パラ目の説明の修正と図の変更を行っています。

 1ページ目では、平成28年度報告において、再生目標として自然環境としての豊かな海の保全が、まず挙げられ、それに伴って、そこで育まれる水産資源の保全、あるいは再生を目指すという二つの目標が位置づけられ、それを踏まえて生物の生息環境の確保を図りつつ、水産資源として重要と考えられる主要4項目を取り上げることとされたこと。

 これら4項目の変化に着目して、問題点と問題点に関連する可能性が指摘されている原因、要因が、図1の連関図として示されていること、再生目標を達成するための再生方策が整理されていることを述べ、これらを踏まえて、関係省庁・県により、様々な調査や対策等の事業が実施されていることを、まず説明しています。

 その上で、この章でこの後、記している事項について、どのように整理しているかについて説明しています。

 具体的には、これ以降で述べる再生方策等の実施状況等と課題の整理に当たっては、表1に示す再生方策を対象に、図1の問題点と原因、要因の連関、それから、各事業を踏まえた上で、今般得られた主要な知見や特筆すべき知見を記載するとともに、その課題について整理したことを述べています。

 関連し、2ページ目、3ページ目には、第1章から有明海・八代海の問題点と原因・要因の関連を整理した連関図を載せております。

 4ページ目、御覧ください。

 表1、再生方策の一覧です。前回提示した一覧は、28年度報告の概要をまとめた資料から抜粋したもので、二つに分かれておりました。12月の評価委員会で山室委員から、表が分かれていることと、後述の記述との順番について御指摘をいただき、表は一つにまとめ、項目の順番を再生目標の順番を念頭に置いて、まず、環境要素について整理し、続いて資源回復に取り組むという流れで修正をしております。

 また、関連し、これ以降の記載の順についても同じ順序としております。

 3章の記述の順序については、主要4項目を先とすべきとの御意見もありましたが、委員長、小委員長と御相談した結果、先ほど述べましたとおり、再生目標の順を踏まえて整理しようということとなりまして、その順としております。

 5ページ目を御覧ください。

 これ以降は、関連した参考情報や補足の説明となります。1ページ目では、次のページの図2は、前回、小委でもお示したもので、関係省庁・県により多数進められている事業の大まかな全体像や、再生目標のどの部分に関連しているかを分かりやすく示すため、関係省庁等の事業と連関図を整理したものになります。

 また、2パラ目では、前回の小委員会で速水委員から、連関図の関係で線が多くて分かりにくい、関連性のあることが確かなものは線を太くしたりするとよいのでは、などの御意見をいただきました。御指摘は連関図の内容自体の見直しとなりますので、中間取りまとめの段階では対応が難しく、今後、精査等が必要である旨、記載しております。

 また、12月の評価委員会で山室委員から、再生方策に記載されているが、第3章に記載のないものがあるとの御意見をいただき、今は実施状況が報告されていないものがありますが、その点は令和8年度報告での取りまとめの予定である旨、記載を追記しております。

 6ページ目、7ページ目については、先ほど御説明した連関図と主な事業等との関係の図を載せております。

 なお、7ページ目の八代海の分については、前回の小委員会から追加をしております。

 8ページ目を御覧ください。

 これ以降、3章の中では、まず、28年度委員会報告により記載された問題点等のポイントを記載し、続いて再生方策の実施状況や、それらにより明らかになったことなどと課題を記載しております。

 前回小委員会では箇条書で記載していましたが、11月の小委員会において速水委員から、箇条書では論理構成が分かりにくいという御意見をいただき、箇条書から文章の形へ変えております。

 また、灘岡委員から、どこまで何が分かり、何が未解明の点として課題になっているかを端的に述べること、平成28年度報告で整理された問題点や課題と取組との関連についても触れるべきなどの御指摘をいただいておりました。これに関して、第3章の中で、できるだけ記述の具体化に試みたところです。

 また、第3章の記述について、12月の評価委員会で山西委員から、第3章の説明が第2章のどことリンクしているのか分かりにくいとの御意見をいただきました。まだ、第2章や資料編につきましても作業を行っているところですので、現段階ではできておりませんが、最終的に中間取りまとめを公表するまでには、第3章の記述に関連する第2章の項目番号などを追記し、リンクを分かりやすくお示ししたいと考えております。

 それでは、再生方策等の実施状況等と課題について、主な修正点をざっと御説明します。

 3.1生物の生息環境の確保、3.1.1底質の改善、河川からの土砂流入量の把握です。

 再生方策等の実施状況等と課題の2パラ目になりますが、河川からの土砂流出状況などについて記載しております。前回の小委員会で弓削委員をはじめ多くの委員から御意見をいただいており、河川下流や海域への土砂(細粒分を含む)流出と、底質や生物との関連性等について確認することが重要であることなどを記載しております。

 3.1.2藻場・干潟の分布状況等の把握、漂流・漂着・海底ごみ対策です。9ページ目を御覧ください。

 2パラ目ですが、前回の小委員会で古川委員から、藻場・干潟の保全活動の支援について、具体の例を記載してはと御意見をいただき、水産多面的機能発揮対策事業等を活用し、漁業者等がアマモの移植などを実施していることなどを追記しております。

 3パラ目には、第2章での記載を踏まえ、港湾・漁港・海岸保全施設の適正な管理の記述を追加しております。

 3.1.3水質です。

 再生方策等の実施状況等と課題の1パラ目ですが、前回の小委員会で松野委員から、貧酸素化のメカニズムが分かっていないことが課題であることを記載すべきと御意見をいただき、貧酸素化のプロセスは完全には説明できていないため、今後、調査研究が必要であることなどを記載しております。

 10ページ目を御覧ください。

 3.2ベントスの変化、3.2.1ベントス群集・底質の継続的なモニタリングです。

 再生方策等の実施状況等と課題の1パラ目について、有明海のベントスについて、2パラ目には八代海のベントスについて、記載しております。第2章の記載を踏まえ、種の変遷、消長などの記述を追加しております。

 11ページ目を御覧ください。

 3.2.2ベントス群集の変化・変動要因の解析です。

 再生方策等の実施状況等と課題の1パラ目については、12月の評価委員会で山口啓子委員から、クラスター解析の結果を載せるべきと御意見をいただき、クラスター解析の概要を記載しております。なお、詳細につきましては資料編に記載する予定です。

 解析を行ったところ、ベントス指標値の個体数の一時的な増加と、底質の変化に関連があることが示唆されたものの、その後、この個体数の変化は一時的な現象である可能性が高いことが分かり、ベントス群集の変化と底質との明確な関係性は認められなかったという結果となっております。

 3.3有用二枚貝の減少。タイラギ、アサリについては、浮遊幼生の調査、母貝団地の造成、稚貝育成、移植等の資源再生の取組が行われております。

 タイラギでは特に、立ち枯れへい死の原因調査等の実施、アサリでは浮遊幼生の挙動を推定するシミュレーションモデルの構築が実施されたことを記載しております。

 12ページ目を御覧ください。

 3.3.2では、タイラギの立ち枯れへい死の原因解明の、再生方策等の実施状況等と課題について、12月の評価委員会で川原委員から、タイラギの立ち枯れへい死について「冬から春」との記載があるが、第2章では「春から夏」との記載があり、整合していないと御意見をいただき、多くは春から秋にかけて再生すると記載を修正しております。

 また、前回の小委員会で林委員から、室内実験だけでなく、現場での天然貝等の追跡調査なども重要と御意見をいただいたことを踏まえ、修正を行っております。

 また、12月の評価委員会において大嶋委員から、海底から切り離すことで、よい成果が出ることなども、取組についても記載すべきとの御指摘をいただいており、3.3.2のところに少し間接的な形ですが、海底近傍の環境が、立ち枯れへい死に影響する可能性と記載をしております。

 3.3.3では、灘岡委員から、平成28年度報告前の成果が記載されている点について、報告以降の新たな知見を整理するということと逸脱しているのではないかという御指摘をいただきました。この記載の部分については、前回の報告書の中で記載されていなかった情報について、関連した取組を説明するための背景として記載を行っております。

 13ページ目を御覧ください。

 3.3.4アサリ浮遊幼生の出現状況では、再生方策等の実施状況等と課題について、前回の小委員会で古米委員、松野委員から、アサリの浮遊幼生の出現状況の記載のみである旨、御意見をいただき、今後、シミュレーション結果も踏まえ結果を活用し、有効と判断される適地に母貝団地の造成を行うことが重要であることなど、課題を追記しております。

 15ページ目を御覧ください。

 3.4.3水温上昇等に対応したノリ養殖技術の開発に関して、前回の小委員会での藤井委員の御指摘を踏まえて、表現の修正を行っております。

 また、再生方策等の実施状況等と課題について、前回の小委員会で水産庁から報告のあったノリ養殖技術の開発を踏まえ、高水温耐性のある新たなノリ品種の選抜が行われ、高水温でも形態変化が少なく生長が良好な株が選抜されていることなどを、新たに記載しております。

 16ページ目を御覧ください。

 3.5魚類等の変化、3.5.1魚類漁獲量等の状況です。

 再生方策等の実施状況等と課題では、有明海の魚類漁獲量は1987年をピークに減少傾向であり、底生魚類の減少程度が大きいことによるものと考えられること、また、有明海では近年、豊富な高次捕食者から成る生態系構造であることが分かってきたことや、八代海の魚類資源の動向を評価するに十分な情報がないことについて記載しております。

 第3章案については、以上になります。

 続きまして、第4章です。

 第4章の1ページ目を御覧ください。

 第4章、再生方策に共通する今後の課題。ここでは、今後、関係機関が適切かつ効果的な再生方策等を進めるための共通する課題を整理しております。

 4.1では、28年度委員会報告のデータの蓄積に関する記述を踏まえつつ、11月の小委員会における東委員、古川委員の御意見を踏まえ、気候変動による長期的・短期的な影響について調査・研究が重要である点、蓄積したデータを活用し、データの分析解析や数値モデルの有効活用により、原因・要因の解明や有効な取組の検討に役立てることが重要である点を記載しております。

 また、12月の評価委員会において大嶋委員から、マイクロプラスチックについても、今後、流入量が増える可能性があり、課題に上げてほしいという御意見も踏まえ、追記しております。

 2章で御説明した水質・底質の解析評価に関する事項も、ここで記載しております。

 また、12月の評価委員会において山口啓子委員から、ベントス群集のところは3章で種組成となっているが、4章では種類数となっており、種組成に統一してほしいとの御意見を踏まえ修正しております。

 4.2では、関係者による連携強化と情報の発信・共有の推進として、多様な主体が連携して取り組むことや、海域・地域を超えた関係者の連携や合意形成を図りつつ、普及啓発を充実することなどについて述べています。

 研究者の養成の重要性についても記載しています。

 次のページを御覧ください。

 4.3再生目標と再生方策等との関連性の明確化と他事業等との連携強化では、12月の評価委員会において灘岡委員から、順応的管理の考え方が明示的に示され、取り入れられていないとの御意見を踏まえ、3パラ目の最後のほうに、科学的に評価した結果をフィードバックしていくことが重要であることを記載しています。

 また、12月の評価委員会で西村委員から、今後、脱炭素が重要になると思うので、キーワードとして加えてほしいとの御意見を踏まえ、脱炭素社会の実現などの記述をしております。

 4.4では、今回は中間取りまとめですが、令和8年度に行う予定である、次の評価委員会報告に向けた取組について記載しています。

 今般の中間取りまとめでは、気候・水温の上昇や大雨等に伴う大規模出水による影響の顕在化が述べられていますが、このような状況・情勢の変化を踏まえ、今回整理された課題の解決に向けて取り組むことが求められていくことなどが記載されています。

 第3章案及び第4章案の説明は、以上になります。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から、第3章と第4章の案について御説明をいただきました。

 特に第3章につきましては、記載方法等も変更されていますので、この点も踏まえまして、御意見や御質問等ございましたら、承りたいと思います。

 何かございませんでしょうか。

 それでは、速水委員、よろしくお願いいたします。

○速水委員 それでは速水から、4点ほどコメントがあります。

 数が多いので、一つずつ行きたいと思います。

 まず、一つ目が、9ページ、貧酸素水塊に関する記述です。この貧酸素水塊に関する記述では、「貧酸素化のプロセスは完全には説明できていないため、今後定量的な評価に関する調査研究が必要である」という、こういう記述が追加されたわけですが、この貧酸素水塊に関する研究というのは、これは有明海の生物化学的な過程が含まれた問題の中では、定量的な評価が最も進んでいて、それから最も高精度でシミュレートされるようになってきた現象です。ですから、もう少し丁寧な記述が必要ではないかと思います。

 例えば、貧酸素水塊の基本的な発生、消滅過程に関する理解は進んだものの、長期的な貧酸素化の原因解明や生態系への影響は、まだ十分分かっていない等々といった記述にされてはいかがでしょうかということと、この貧酸素化に関する記述の最後に、下水道の整備、農業・漁業集落排水施設の整備、浄化槽の整備等による対策が、これが貧酸素の軽減や、赤潮対策に寄与する取組であると書かれていますが、これも少し乱暴な感じがします。有明海では長期的な陸域負荷の増加は、明確には起きていないわけです。それにもかかわらず、これが取組として非常に重要だというようなことを書くと、誤解を生む可能性があるので、これに関しても、もう少し丁寧な説明が必要ではないかと思う次第です。

 一つ目については以上です。

○樽谷委員長 それでは、まず、速水委員からいただいた一つ目の貧酸素水塊の部分について、特に9ページ、10ページの貧酸素水塊の再生方策等の実施状況等と課題について、もう少し丁寧に記載をすべきではないかという御指摘だと思います。

 環境省、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室室長 環境省閉鎖性海域対策室、行木です。御指摘ありがとうございました。

 いただきました御指摘を踏まえまして、まず、貧酸素水塊のメカニズムに関連して追記した辺りですが、基本的な理解は、ある程度、進んできているものの、長期的な動向ですとか、生物への影響といったところで、まだ不明な点があるといったようなことを追記できるように、検討させていただきたいと思います。

 それから、最後のパラの下水道等の記載の修正につきましても検討させていただきます。流域からの負荷が入ってくることに対してのコントロールとして、ここで挙げてある下水道の整備等も寄与しているということは変わらないと思いますが、おっしゃるとおり、周辺からの陸域の負荷量というのが、平常時でどんどん増加しているという状況ではない中の記載ですので、記載の順、あるいは、その表記の仕方など、御指摘を踏まえて変更を検討させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。以上です。

○速水委員 分かりました。

○樽谷委員長 1点目はよろしいでしょうか。

○速水委員 はい。2点目、13ページから14ページにかけてです。13ページの3.3.5の前のところだと、母貝団地という言葉が使われていて、一方で、14ページの再生方策の実施状況等と課題の中では、これはアサリ生息地の造成という言葉が使われています。この辺り、意識して使い分けがされているのか、そうでなければ語句を統合されたほうがいいと思います。

○樽谷委員長 ありがとうございます。

 この点につきまして、事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局、冨永でございます。

 御指摘ありがとうございます。御指摘を踏まえまして、語句の統一を検討いたします。ありがとうございます。

○速水委員 それでは、三つ目、17ページの4.1データの蓄積等科学的知見の充実のところです。このチャプターの3行目から、「加えて、気候変動に伴う気温や水温の上昇等による海域環境や云々」という、こういう説明が加わりました。これに関して、この「加えて」というものが何に対して加えてなのかというと、恐らくこれは、有明海・八代海の長期的な環境変化や、それから生物の減少等の問題解決に加えてという、そういう意味だと思います。それなのに、先にこのような今後の気候変動とか、プラスチックへの取組の問題が書かれているというのは少し違和感があります。

 そこで、この「加えて」からデータの蓄積の前の部分に関しては、このチャプターの一番下、「また、環境変化のメカニズムや要因等の解明につながるデータの」というところから始まる段落の次に、つまり、このチャプターの最後に持ってくるほうが適当ではないかと思います。

○樽谷委員長 3点目の御指摘ありがとうございました。第4章の4.1データの蓄積等科学的知見の充実の部分の記載ぶりについてのコメントだと思います。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局、冨永でございます。

 速水先生、ありがとうございます。御意見を踏まえまして、御指摘のところにつきましては、4.1の最後に移動させたいと思います。ありがとうございます。

 以上です。

○速水委員 それでは、最後、4点目です。この4章全体に関わるところ、4章でも、特にこの4.1ないし2の追加ということになるかもしれませんが、有明海・八代海の問題が、なかなか解明が進まない、その原因の一つとして、データ、特にモニタリングデータはたまっていくが、それにアクセスできる人が限られていて、なかなか解析が進まないということがある。これが、なかなか研究が順調に進まない原因の一つだと思われるわけです。そういった状況を改善していくためには、多種多様なモニタリングデータを有効に活用できるようになるということが重要だと思います。したがって、今後の課題として、こうしたデータのアーカイブとか、それから公開への取組を進める必要があるということです。そういったことを少し、どこかに書き加えるということはできないでしょうか。

 この問題については、いろんな意見があるということは、これはよくよく承知していますが、有明海・八代海の問題が取り上げられて、期間も随分長いので、そろそろそういったことの検討もされるべきかと思います。よろしくお願いします。

○樽谷委員長 コメントありがとうございました。データの共有や公表等を進めるべきであって、その点についても記載をしたほうがいいというコメントだと思います。

 事務局、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 

 御指摘ありがとうございます。データの取扱いにつきましては、有明海・八代海にかかわらず、大きな流れとしましては、オープンデータで、できる限り共有をするようにというような形になってきていると思います。一方で、そのデータを持っている機関等の所有権などの問題もあると思いますので、どのような記載をどこに書くかというところにつきましては、少し検討させていただきたいと思いますが、御指摘を踏まえまして、データの共有や公表に関して、今後の課題として追記ができるように検討させていただきたいと思います。

 以上です。

○速水委員 分かりました。どうもありがとうございました。

○樽谷委員長 それでは、続きまして、山本委員、お願いいたします。

○山本委員 山本です。

 速水さんの最後の御指摘とかなり重なりますが、私は、3章のベントスのところからそれを感じました。2章の説明がまだなので、先走ってしまうのかもしれませんが、この3章のこの二つの項目立てと説明だと、少し焦点が分かりにくいかなと思っています。基本的には、この部分の残された課題というのは、先ほど速水さんがおっしゃったこととも少し関わりますが、モニタリングでデータはありますが、傾向とか要因とかというのを特定するに至っていないというところだと思います。この10ページのここの書きぶりと、4章の課題というのをうまくつなげて、今あるデータについて、もう少し有効な分析が必要だということを、伝わるような書き方はないかなと、さきほどからずっと考えていて、取りあえず、そこは一回工夫が必要だなと感じています。

 例えば、10ページの、今出していただいている、この前のページの下のほうは、恐らく2章のそのままだったりするので、2章に基づいて3章で何を言い、4章で何を言うかというところの整理が必要だなとは感じています。何か事務局でこの2、3、4という流れについて意図があれば、聞かせていただけますか。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 2章、3章、4章の流れについて、特にベントスのところの記述を中心に、事務局からのコメントをよろしくお願いいたします。

○行木閉鎖性海域対策室長 

 御指摘ありがとうございます。申し訳ありません。2章のところは、本日、説明の順番が入れ替わりになってしまいまして、確かに、まだ御説明させていただいていない中ですが、2章のところでは、前回、平成28年度報告の中で、有明海・八代海の環境等の状況としてまとめられていた3章の部分について、新たに知見として分かったことですとか情報を基にアップデートをしているという部分でございます。3章に関しましては、再生方策の実施状況などを踏まえまして、何をどこまでやっていて、どういう課題が分かっているのかということを書き、4章に関しては、共通の課題になるようなところを書くというのが基本的な整理でございます。

 ただ、御指摘のところにつきましては、確かに3.2の部分、ベントスに関する二つの項目立ての中で、少し2章との記載が近くなっており、本来3章で記載すべきである、何が分かっていて、何が課題なのかということが見にくい状況になっているなと思いました。いただきました御指摘も踏まえまして、特に、この3章の辺りの記載について、改めて検討させていただきたいと思います。また、せっかく集まってきたデータを基に、有効な分析につなげるということを、3章、あるいは4章の部分にも書けないかということで、御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。

 以上でございます。

○山本委員 ありがとうございます。恐らく、何が課題かということがはっきり書けないというか、はっきり指摘できないということが最大の課題かとは思っています。ありがとうございました。

○樽谷委員長 それでは続きまして、古川委員、お願いいたします。

○古川委員 ありがとうございます。古川です。

 丁寧に御説明いただきましたし、構成なども考えていただいて、分かりやすい資料になったかなと思いますが、私から2点ほどコメントをさせていただきたいと思います。

 1点目は、速水先生の1個目の御指摘が重なるところです。資料5の9ページ、貧酸素水塊のところです。速水先生から、研究も進んでいて基本的なメカニズムも分かっていますよという話がありました。この3章というのが、先ほど、行木さんからの御説明もあったとおり、今度、これを課題として、どうやって解決していくのかというところにつなげる部分だと思いますので、もう一歩、基本的なことが分かってきたということだけではなくて、「何が」というところ、2章の6のところなんかも参照しますと、貧酸素水塊については干潟の縁辺部の部分と沖合域でメカニズムが違うということが分かってきているとか、この懸濁物の寄与みたいなところも何らかの役割を持っているというのが明確になってきました。こうした成果というのは、今後どういうところに注目して研究を進めたり、また対策を考えたりするのかということの、とても大切なヒントだと思います。ですから、いま一歩、今後、定量的な評価に関する調査研究が必要というようにさらっと書かずに、例えば、干潟と沖合域を分けた取扱いだとか、懸濁物について着目しての調査研究だとかいうように絞ったポイントを明示していただくことができれば、より分かりやすいのではないかなと思いました。ぜひ御検討いただきたいと思います。

 短いので、2点目まで一緒に発言させていただきます。

 2点目は、4.1のデータの蓄積のところです。様々な項目が並んでいますが、環境データの蓄積の真ん中辺りでしょうか、藻場・干潟における生態系の機能の解明という項目が出ています。もちろん、生態系の機能の解明も必要ですが、先ほど、委員からの御指摘もあったとおり、例えば、ブルーカーボンのことを考えたり、その元になる藻場・干潟のインベントリといいますか、どういう状況になっているのかというものの把握から必要かなと思いますので、それもぜひ加えていただきたいということと、環境データとしての蓄積も大切ですが、では、それの状況を変えている人たちがどこにいるのか。先ほど、干潟・藻場の再生のところで、具体的に生物、水産多面的機能発揮対策事業等々が活用されてみたいなことを追記いただいていますが、ああいった、誰がそこに手を入れているのか、変化を起こそうとしているのかというような、そういう活動に関する情報も併せて収集することが大切かなと思います。ただ、ここの並びに環境データとして入れるというのは、少しそぐわないかもしれませんので、参考の意見として申し述べさせていただきます。

 私からは以上です。ありがとうございました。

○樽谷委員長 ありがとうございました。古川委員から、2点コメントをいただきました。

 事務局、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 御指摘ありがとうございました。

 まず、1点目の、3章の貧酸素水塊に関連する部分、御指摘を踏まえまして、何が分かっているのか、この先、その課題の解決に向けて、特に着目すべき点は何なのかというところが、より明確に分かるようにしたいと思います。2章で書かれていることも踏まえて、3章ではより具体的な記載を検討させていただきたいと思います。

 また、2点目の、4章の関係、まず一つ目の藻場・干潟のところです。仰せのとおり、今のところは生態系の機能ということでしか記載はしておりませんが、ブルーカーボンに関連するところは、炭素循環などを踏まえて、全体で、インベントリと申しますが、どのように、固定された炭素が存在し、めぐっているのかという辺りの知見が今のところ不足しているというところを御指摘いただいていると思います。御指摘を踏まえまして、追記について検討させていただきたいと思います。

 また、環境データの蓄積に加えて、関連する活動が行われていることに関する情報の収集も大事ということで御指摘をいただきました。今の御指摘の点、4.14.2も関連するところだと思いますし、どのように追記ができるか、あるいは、そういう活動を把握していることも大事ということを定性的にどこかで表現させていただくか、御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 以上です。

○古川委員 よろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 それでは、続きまして林委員、お願いいたします。

○林委員 福岡の林です。

 第3章の15ページのところです。3.4.2の環境負荷の軽減に配慮したノリ養殖技術の確立の、再生方策等の実施状況等と課題の最後のところです。案では、「実海域における色落ち被害を有効に抑制するためには膨大な二枚貝の投入量が必要」と記述されていますが、二枚貝が生息、あるいは存在していることによってプランクトンが摂餌をされて、プランクトンが除去されると考えますので、その「投入」という言葉が適切なのかどうかというところが、少し疑問に思っております。

 以上です。

○樽谷委員長 御指摘ありがとうございました。

 この点につきまして、事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 林委員、御意見ありがとうございます。御意見を踏まえまして、適切な言葉を選んで記載の修正をしたいと思います。ありがとうございます。

 以上です。

○林委員 ありがとうございます。

○樽谷委員長 それでは、続きまして、山口啓子委員、お願いいたします。

○山口(啓)委員 島根大学の山口です。

 ベントスのところで、本当は2章を見てからと思ったのですが、ここで言っておいたほうがいいのかなと思ったので。先ほど御説明で、種組成と種類数、種数というのが混在するから、種組成にしてほしいということをお願いしたという件とも関連するのですが、結果的には、どうも第2章では種数しか使っていません。本来でしたらクラスター解析で群集を把握して、そこで種組成の話になると思いますが、結局、群集には触れられていなくて、種数でしか結果を表示していないようですので、それでしたら、今回は種数で評価したと。しかし、本来であれば、種組成を考慮してやるべきであるという今後の課題にしてしまうほうがいいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。

○樽谷委員長 コメントありがとうございました。

○山口(啓)委員 実際のところは、当然、種数とか個体数とかの変動で表現してしまうと、日和見種的な、今回だったらヒメカノコとか、ホトトギスガイとかがばっと出たときに、それに引きずられてしまって、変動の要因がよく分からないということに結局なってしまうという状況でずっときているので、群集をきちんとタイプ分けするとかして考察をしていかないといけないとは思いますが、恐らく、今回の中間まとめでは、そこまで時間がないということだろうと思います。それでしたら、今回は種数で判断して、種組成を使った分析は今後行うべきであるという課題にしてもらったほうがいいかなと思ったということです。

○樽谷委員長 ありがとうございます。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 山口啓子委員、御意見ありがとうございます。御指摘を踏まえまして、表現の検討をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 以上でございます。

○樽谷委員長 それでは、続きまして、橋本委員、お願いいたします。

○橋本委員 橋本です。

 4章の再生方策に共通する今後の課題のページです。1ページの4.1のところの環境データ等の蓄積という項目があり、そこの2行目に筑後川等の流域からの土砂等の云々という記述があります。

 一つは表現の問題ですが、「の」が五つも並んでいて、読むのが非常につらいです。最初の筑後川等の流域という表現を河川流域と簡単に書いていただくと、「の」が一つ減りますので、助かります。それが1点です。

 それから、その行の後ろに移流拡散という用語があります。これは輸送のほうが良いと思います。移流拡散にすると、何か特定の物質に限られてしまいます。移流拡散ではなくて輸送のほうが、より広い意味になりますので、良いと思います。

 それから、最後ですが、堆積過程の後ろに括弧して、海底床高さの変動などという記述を括弧して入れていただいたほうが良いと思います。

 以上です。

○樽谷委員長 コメントありがとうございました。第4章の1ページ目の環境データ等の蓄積の2項目の記載について、3点コメントをいただいたところです。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局、冨永でございます。

 御意見ありがとうございます。確かに、見てみると「の」が続いていますので、非常に分かりにくいなというところです。御意見を踏まえまして、語句の修正等させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 以上です。

○橋本委員 よろしくお願いします。

○樽谷委員長 それでは、続きまして、矢野委員、お願いいたします。

○矢野委員 矢野です。

 最後のページです。少し細かい語句の修正ですが、4.4のところの第1行目、真ん中ら辺に再生目標の時期をという言葉がありますが、これは再生の目標時期ではないのかなと思いますが、再生目標の時期と言われると、違うことを意味しているような気がしますが、少し御検討いただければと思います。

 それに絡めてですが、その後、令和8年度に委員会報告を行う予定ということで予定が書かれていますが、先ほど、今の議論の中の最初の、速水委員から言われた、4番目のデータの公開とかに関する話がありますが、公開する方向でいくというのを記載いただけるのかどうか、よく分からないですが、それを記載いただけるのであれば、その公開する時期、そういうものを作り上げる時期も書いてほしいなと思います。

 というのは、今のこの委員会で議論していることが令和8年度に一応の、一つのタームとしての報告をするというときに、あと、実際4年しかないわけですが、有明海の研究というのは、今、科学者側のサイドの動向としては非常に減ってきているわけですし、どちらかというと、令和8年度に向けて加速させるように後押ししていかないといけないのに、そういう公開もまだできてないような状況が出来上がっているというのは、非常に大きい問題だと思います。ですから、この中間報告で、そこに問題があるというのを指摘する以上、できれば、令和8年よりもかなり前に、公開されるような状況を作るという努力をするというのは非常に重要だと思います。

 各省庁間、役所間でのいろんな考えもあるでしょうから、簡単な話ではなく、なかなか難しいというのは理解していますが、有明・八代の再生という大きい目標を達成するために、それと、それに向けた研究の加速を進めるためにも非常に重要な部分なので、ぜひ、積極的に進めていくということをうたってほしいなという意味で、そういうものを作り上げる目標時期みたいなものも書いていただけたらと思います。御検討をよろしくお願いします。

○樽谷委員長 令和8年度の委員会報告に向けて、より積極的な取組を進めるという観点も含めて、この記載方法について検討していただきたいという御指摘だと思います。

 事務局、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長  御指摘の点、まず、4.4のところの1行目のところの書きぶりですが、これにつきましては、平成28年度報告の記載もよく検討いたしまして、表現の修正を検討させていただきたいと思います。

 それから、2点目の点、データの公開・共有に関して、目標時期をはっきりさせるような、とにかく加速をしていくということが研究を進めていく上で非常に重要になるという御指摘を頂戴いたしました。御趣旨、大変よく分かりました。本質的に大事なところとしましては、時期をどう書くかということよりも、やはり、データをとにかく共有・公開に向けて具体的に動かしていくということだと思いましたので、事務局といたしまして、御指摘を踏まえて、前向きに取り組んでいきたいと思います。

 御指摘ありがとうございました。

○矢野委員 どうも、よろしくお願いいたします。

○樽谷委員長 それでは、松野委員、お願いいたします。

○松野委員 松野です。

 1ページ目の最後のパラグラフです。先ほど横内さんから説明がありましたが、3章の内容について、少し丁寧に説明を入れたということでしたが、結構詳しく書かれたのは、28年度の委員会でどういうことをされて、どういうことが報告されているかということだけ詳しく書かれていて、以降で述べる、整理に当たっては、記述はあまり詳しくなっていなくて、特に表1では、28年度委員会報告とは順番が変わっていますが、それはどういう理由で並べ替えたかということは、先ほどの口頭での説明にはありましたが、この中には書かれていません。ですから、ここでは、こういうコンセプトで整理したということは、この中に書いたほうがいいのではないかと思います。それと、例えば3章の3.1のところで、生物の生息環境の確保ということで、バックグラウンドの環境のことについてまとめられていますが、その中で3.1.1から3.1.23.1.3の三つに分けたまとめ方をしたということや、それから、以降の主要4項目についても、2章では、実際に取得されたデータ等で現状がどうなっているかということ、新しく分かったことが追加されているわけですが、そこから浮かび上がる問題と、それを踏まえて、再生事業でどういう試みがされているかということをまとめられていて、そこにどういう課題があるかというのが整理されているので、そういう、どのように整理したのかということを3章の最初のところに、もう少し丁寧に書いておいたほうが、2章と3章とつながり、先ほどコメントでもありましたけれども、どういう流れで、この報告書が整理されて、どのようにまとめようとしているのかということが見えるかと思います。確かに目次の並びを考えれば、そうだということは分かるかもしれませんが、その意図を、もう少し明示したほうがいいのではないかという気がしました。

 以上です。

○樽谷委員長 貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございます。

 私も、第3章の記載内容やコンセプトについては、もう少し丁寧に記載したほうがいいかなと思いました。

 事務局、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 閉鎖性海域対策室の行木です。

 御指摘ありがとうございました。仰せのとおり、1ページ目の一番下の辺り、このあとについて、どのようなコンセプトでまとめているのかといったようなことを、本日、口頭の説明の中では触れました。その辺り、文章としても、しっかり明記をして、分かりやすく工夫をしたいと思います。御指摘ありがとうございました。

 以上です。

○樽谷委員長 ほかに、第3章、第4章の案について、質問、コメント等はございませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、第3章と第4章の案につきましては、ここまでとさせていただきます。

 それでは、順番が入れ替わってしまいましたが、続きまして、第2章の9.生物について、事務局から御説明をお願いいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 資料の4の第2章、9生物の説明をさせていただきます。

 まず、88ページを御覧ください。2.9.1有明海・八代海等を中心に生息する生物(固有種、希少種等)では、有明海・八代海等を中心に生息する主な生物について整理をしております。有明海・八代海では、国内でこの海域固有、あるいは、国内ではこの海域のみを主な分布域とする種が数多く確認されております。それらの中には環境省レッドリスト等に掲載されている希少種もおります。この部分につきましては、11月の小委で山口委員から、表の整理の仕方が十分でない旨、御指摘をいただいておりまして、それを踏まえて、有明海・八代海等を中心に生息する主な生物についての記載として修正を行っております。

 次のページを御覧ください。2.9.2ベントスにつきましては、11月小委と12月評価委員会で多くの御指摘をいただいております。

 まず、山本委員と山室委員より、資料編に種ごとの個体数や湿重量のデータや具体的な調査方法を記載すべきと御指摘をいただいております。こちらにつきましては、御指摘のとおり、資料編への記載をすることとしております。

 それから、ベントスの種類数、個体数、湿重量のグラフや変動傾向に関する御指摘を山口啓子委員、山本委員、山室委員よりいただいておりました。御指摘を踏まえまして、90ページから95ページが該当しますが、種類数、個体数、湿重量のグラフについて、11月小委時点では、有明海と八代海を一つとしていたところを分けたほか、本文中でベントスの季節変化や種の象徴についての記述を行っております。

 また、96ページ、97ページの(2)ベントスの変動傾向については、11月小委時点では、近似一次回帰式による増減の解析結果を示していたところ、山室委員の御助言もいただき、Mann-Kendall検定による傾向解析の結果を掲載しております。

 なお、解析手法を変更しましたが、大きな傾向としては、結果は変わっておりません。

 97ページの(3)ベントスの空間分布と変化につきましては、12月評価委員会の山本委員の御意見を踏まえまして、特に2~4海域における種の変遷について記述をしております。

 山口啓子委員より、12月の評価委員会で御意見のありましたベントスのクラスター解析につきましては、詳細は資料編のケーススタディに記載することとしておりまして、その解析に関する概要は第3章で示すこととしております。

 102ページを御覧ください。2.9.3有用二枚貝の(1)のイ、タイラギ成貝・稚貝の生息状況について、11月小委において、樽谷小委員長より、2パラ目と5パラ目の記載が重複しているように見えるといった御指摘がありました。この御指摘を踏まえまして、2パラ目はA2海域に関する記述であること、5パラ目は、前の4パラ目から3海域に関する記述であると分かるように表現を修正しております。

 106ページを御覧ください。有明海におけるタイラギ浮遊幼生出現の広域調査について記述をしております。広域調査の結果については、次のページにあります図2.9.3-7タイラギ浮遊幼生の水平出現特性から記載をしております。こちら、松野小委員長の御指摘を踏まえまして、11月の小委員会の時点では、次の図を反映した記載になっていなかったところを、その点、修正するとともに、図の注釈についても表現を修正しております。

 112ページを御覧ください。有明海のアサリ浮遊幼生出現状況の広域調査が実施されていることなどを記載しております。2パラ目から6パラ目には、図2.9.3-14アサリ浮遊幼生の出現状況の説明を記載しております。タイラギのパートと同様、11月の小委員会では、図を反映した記載となっていたところを、記載を修正するとともに、図の注釈の表現も修正を行っております。

 117ページを御覧ください。2.9.4魚類については、11月の小委員会において調査を行いました山口敦子委員より、魚類に関しては、内容や流れが正確でないとの御意見をいただいており、全体的に山口敦子委員の御協力を得て修正を行っておりますので、内容について御説明いたします。

 まず(1)有明海の魚類について、ア)魚類漁獲量では、有明海の魚類漁獲量の経年変化の図を載せております。1987年をピークに減少傾向であること、2018年には、漁獲量が過去最低の2,455tとなったことを記述しております。一番下の段落では、有明海の魚類漁獲量は、底生魚類の占める割合が多いこと、代表的な底生魚類であるニベ・グチ類とウシノシタ類の魚種別漁獲量について、減少傾向であることを示しています。

 次の118ページに、底生魚類の漁獲量の推移について図を掲載しております。

 119ページを御覧ください。(2)有明海の魚類の変動要因についてです。

 ア)初期減耗の増大については、平成28年度委員会報告において、ニベ・グチ類やウシノシタ類等で初期減耗が大きくなる要因が挙げられたものの、その後の知見の更新はなされていないことを記載しております。

 イ)生態系構造の変化の可能性について、ここでは、近年、有明海はサメ・エイ類を含め豊富な高次捕食者から成る生態系構造であること、有明海は、数種のサメ・エイ類にとって、世界有数の繁殖・成育場としての機能を併せ持つ特別な海域であることも明らかになりつつあることを記述しております。また、高次捕食者が生態系構造に与える影響や、繁殖・成育場としての環境条件等については未解明であり、今後研究を進める必要があることも記述しております。

 ウ)ナルトビエイの生態的知見の充実について、ここでは、ナルトビエイに関する知見をまとめております。内容としましては、ナルトビエイは熱帯性の種ではなく、新種で、日本の南西部を主な生息場とする稀少性の高い東アジアの固有種であること、有明海がナルトビエイの主要な繁殖地かつ生育場としての機能を担っており、生存に必要な条件を満たす限られた生息地の一つであることが明らかにされていることを記述しております。また、ナルトビエイの二枚貝類への影響については、引き続き調査研究を進め、科学的知見を充実する必要があることも記述しております。

 121ページを御覧ください。(3)八代海の魚類について、図2.9.4-3に、八代海の魚類漁獲量の経年変化を示しております。八代海の魚類漁獲量は、長期的には顕著な減少傾向はみられておらず、2016年には漁獲量が約21,000tであったこと、その後の2017年、2018年には減少したことを記述しております。また、八代海の魚類の分布や生息状況に関する知見については、有明海よりも少なく、調査により奥部で85種が確認され、コノシロの出現割合が多いことも明らかにされているものの、海域ごとの環境と魚類の出現状況の特徴は把握されていないこと、八代海と有明海では魚類生態系構造が大きく異なる可能性があることなどを記述しております。

 122ページを御覧ください。(4)八代海の魚類の変動要因について、ここでは、八代海の生態系構造に係る知見が乏しいこと、基礎情報が不足していることから、サメ・エイ類をはじめとした魚類の生息状況や生態、各種魚類の動向が生態系の構造や機能に及ぼす影響などについて研究を継続する必要があることなどを記述しております。

 123ページを御覧ください。2.9.5養殖業生産量です。11月の小委時点では、漁業・養殖業生産量として、平成28年度委員会報告からのグラフの更新を行っておりましたが、山口敦子委員より、データが何を示しているのかが分かりづらいといった趣旨の御指摘や、漁業と養殖を分けたほうがいいのではないかという御指摘をいただきました。御指摘を踏まえまして、この項目では、養殖業についての記載を行い、次の2.9.6では、漁業・養殖業生産量として、トータルの生産量のみ取り扱うこととしました。また、11月の小委員会において、古川委員をはじめ何名かの委員より、赤潮の中にノリ養殖や漁類養殖の生産量が含まれており、分かりづらいと御意見があったため、こちらの2.9.5に移しております。

 図2.9.5-1では、有明海の養殖業生産量のグラフを示しております。有明海における養殖業生産量の大部分はノリ養殖によるものであることを記述しております。また、図の注釈につきまして、11月小委で中原委員より、熊本県のノリ収穫量の数値換算が、八代海にだけ記載をされているが、有明海も換算しているならば、その旨記載すべきと御指摘をいただきました。こちらは、データを確認したところ、有明海における熊本県のノリ収穫量については換算がなされていないことが確認できましたので、注釈の記載は行っておりません。

 124ページを御覧ください。先ほども述べましたとおり、11月小委時点で赤潮の項目に入っておりましたノリ養殖の生産枚数のグラフを、図2.9.5-2に示しております。

 125ページを御覧ください。図2.9.5-3に、八代海の養殖業生産量のグラフを掲載しております。魚類の養殖業生産量は、1994年までは増加をしていたものの、その後は2.6万~3.9万t程度で推移していること、ノリ収穫量については、2004年以降、約2千t以下で減少傾向にあることを記述しております。

 次のページを御覧ください。こちらも、先ほど述べましたとおり、11月小委時点では赤潮の項目に入っておりましたブリ類生産量、タイ類生産量の推移について、図2.9.5-45に示しております。

 128ページを御覧ください。2.9.6漁業・養殖業生産量について、こちらも先ほど述べましたとおり、図2.9.6-1に有明海の、図2.9.6-2に八代海のトータルの生産量のグラフを示しております。有明海においては、増減を繰り返しながら、2000年以降、15万~20万t程度で推移をしていること、八代海においては、増減があるものの、4.2万~5.4万t程度で推移していることを記述しております。

 130ページを御覧ください。2.9.7がまとめとなっております。11月小委時点では、このまとめの項目が抜けておりましたが、これまでの修正も反映した内容を記載しております。

 第2章の9生物の説明につきましては以上になります。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま事務局から、第2章の9.生物について、案を御説明いただきました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら承りたいと思います。何かございませんでしょうか。

 山本委員、お願いいたします。

○山本委員 では、すごく簡単なことなので、最初に失礼します。

 ベントスのところですが、過去様々な調査が行われて、ただ、地点や方法が違っているので、それのすり合わせは難しく、ここでは2005年以降の統一されたものだけを扱うということで説明を加えていただいていますが、過去の研究を、少し文献だけでも挙げておいてはどうかと思います。

 実は、前回のときも、28年度まとめの話をしているときも、そういう過去の文献という話は一回出ましたが、全くそのすり合わせができなかったので、文献としても載せていないのですが、やはり、これまでに出てきている、いろんな蓄積してきているデータの有効利用ということを考えると、文献情報としては載せたほうがいいと思います。パブリッシュされているものなら普通に引用ができるので、89ページのベントスの経年変化のところか何かで引用文献を挙げていただければと思います。後ほど情報を送らせていただきます。

 それが1点と、もう一つは、まとめを、最後に説明されたまとめを初めて追加していただきましたが、やはりすみません、ベントスのところだけを見ると、前半の記述、2章の前半の記述と、ここのまとめと3章の記述と、全く同じものがずっと繰り返されているように思えたので、また、詳細にてメールか何かで後ほど送らせていただきますが、恐らくクリアに役割は、ある程度は分けるということでいいのだと思いますが、どうでしょう。

○樽谷委員長 ベントスのところを中心にコメントをいただきました。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。山本委員、御意見ありがとうございます。

 まず、1点目につきまして、こちら、情報をいただけるということですので、その情報を踏まえまして、記載のほう、アンケートをさせていただきたいと思います。

 2点目につきましても、こちら、御提案をいただけるということですので、こちらも情報をお待ちして、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 以上でございます。

○山本委員 ありがとうございます。

○樽谷委員長 ほかに御意見、御質問等はございませんでしょうか。

 山口敦子委員、お願いいたします。

○山口(敦)委員 では、まず、110ページのアサリのグラフです。この1段落目の最後、熊本県の2017年の漁獲量が増加したとの記載がありますが、これは、蓄養のアサリというのは入っているのでしょうか。これまでも少し疑問に思っていましたが、蓄養等との区別というのがどのようになっているのかということを明記すべきかと思います。

 それから、報道でもありましたが、偽装の問題もあります。そういったものは、そのデータの中に入っているのかどうかというところを確認したいと思いました。

 それから、117ページです。この下の二つの段落ですが、これまでの28年度報告、その10年前の最初の報告、委員会報告にまとめてきた長い年月の経緯に基づいた簡単な、簡潔な記述となっています。前の経緯を御存じであれば、あるいは、前の報告書を読んでいただければ分かりますが、担当の方もどんどん代わっていっておりますので、この部分については、先ほど山本委員が言われたことと同じですが、文献を追加することで対応したらどうかと思います。後で文献情報をお送りします。

 それから、119ページです。最後の段落のところから120ページにかけてのところです。記述は120ページの1行目ですね、影響は小さくないことも報告されているとありますが、ここはデータに基づく定量的な記載が必要だと思います。

 それから、それに引き続きの最後の文章、少し字句を変えたほうが良さそうです。軽微なところですので、修正案をお送りしたいと思います。二枚貝の食害と漁獲量減少との関係は明らかになっていないので、そのあたりを正確に記すための変更です。後で文章の案をお送りしたいと思います。

 それから、128ページ、2.9.6-1のグラフです。ここですが、漁業と養殖業生産量を全て同じ色で合計されているというのは、何か意図があるでしょうか。全く質が違うものなので分けるべきと思います。最低でも、もし全体を比較したいということであれば色分けをすべきかと思います。

 あと、先ほど山本委員が言われたのと同じですが、まとめのところとか、次の章とかで、全体としていえることですが、何回も繰り返しの部分が来るので、そこも少し、同じことが繰り返されないような書きぶりに変える必要があるかと思いますし、できる範囲で、とは思いますが、全体的にいえることですが、委員会が最初に立ち上がった頃に比べて、徐々に議論の中心が変わっており、特に今回は国や県による再生事業を中心にまとめるようになっているということで、かなり議論の仕方も方向性も変わっているように思います。初期の頃に議論してきて、とても重要だったことや、当時からの議論の流れがあって今に至るものなど、重要なものもたくさんありますので、次の令和8年度報告に向けて、まとめることを少し念頭に置き、これまでの議論が消えてしまわないように、できるだけ残せるような工夫をしておく必要があると思いました。

 以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。5点ほど御意見、コメント等をいただいたと思います。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 まず、1点目のアサリの漁獲量のところにつきまして、私からお答えいたします。

 こちら、熊本県の蓄養が入っているのかどうかというところに関しましては、こちらは漁獲量ではなく輸入量にカウントされておりますので、こちらのデータの中には入っておりません。

 以上でございます。

○行木閉鎖性海域対策室長 続きまして、閉鎖性海域対策室、行木です。御指摘いろいろありがとうございました。

 2点目のところに関しましては、文献情報をいただけるということで、その部分、お待ちしたいと思います。

 119ページのところに関しましても、定量的な知見を加えるべきということで、御指摘を踏まえまして、検討をさせていただきたいと思います。

 それから、128ページのところ、色分けをすべきというところにつきましては、データの確認もして、検討させていただきたいと思います。

 最後のまとめの部分でございます。まず、繰り返しが多いといった点につきましては、ブラッシュアップを試みていきたいと思います。

 それから、最後の点、ここまでの議論、過去の平成28年度報告等をまとめるに当たってなされた議論が消えないようにということで、大変重要な御指摘をいただきました。ここの部分に関しましては、この2.9のところだけに関する話ではないと思います。1章、あるいは4章など、ほかの場所での何らかの記載をさせていただくのがよろしいかなとも感じました。御指摘も踏まえまして、評価委員会委員長や両小委員長とも御相談をさせていただきつつ、検討させていただきたいと思います。

 御指摘ありがとうございました。

○樽谷委員長 山口委員、よろしいでしょうか。

○山口(敦)委員 最後の指摘は、行木室長のおっしゃったとおり全体のことでした。ありがとうございます。

○樽谷委員長 それでは、続きまして、中原委員、お願いいたします。

○中原委員 熊本の中原でございます。

 意見の前に、アサリの話がありましたので、一言だけ申し上げさせていただきます。冨永さんからありましたとおり、蓄養のアサリについては輸入物といいますか、輸入されたものを、数日から、長くて二、三か月、一時的に保管するというところになりますので、漁業という範疇に私どもは扱っておりませんので、今ここに出てきていますアサリの漁獲量、天然で獲れるものに限ったものということでございます。

 私からの意見ですが、八代海の魚類の漁獲量、121ページになります。こちら、有明海とかなり違う動きをするということになっておりますが、八代海の場合、イワシ・アジ・サバ(など多獲性)の漁獲がかなり入ってきますので、それでかなり上がったり下がったりするというところがありまして、底魚に関しては少し減少ぎみであったりとか、そういったところでの変動があるということを一言、何か入れておいていただくと、違いがはっきりするのではないかと思っております。

 以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 ただいま、八代海の県別の魚類の漁獲量のところの記載について御意見をいただきました。

 事務局、いかがでしょうか。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 事務局の冨永でございます。

 中原委員、御意見ありがとうございます。八代海の魚類漁獲量のところにつきましてコメントをいただきました。御指摘を踏まえまして、ここの記載ぶり、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

 以上です。

○樽谷委員長 ほかに、御意見、御質問、コメント等ございませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、2章の9.生物についての議論をここまでとさせていただきます。

 以上で、議題1の議論については終了とさせていただきたいと思います。

 事務局におかれましては、本日、多数の御意見、コメント等をいただいております。それらを基に、中間取りまとめの作業を引き続き行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 また、委員の皆様におかれましては、本日も多数の資料がございました。さらに、ここで発言等できなかった御意見等ございましたら、甚だ短期間で恐縮ですが、明日1月25日の10時までに、事務局までお寄せいただくことにさせていただきたいと思います。

 なお、その後の修正内容につきましては、両小委員長に御一任いただきたいと考えています。よろしいでしょうか。

 特に反対の御意見もなさそうですので、その方向で進めさせていただきます。

 それでは、二つ目の議題、その他ですが、事務局から何かございますか。

○横内閉鎖性海域対策室長補佐 事務局の横内です。

 それでは、今後のスケジュールについてお知らせします。

 本日の第9回の有八小委員会でいただいた意見を踏まえまして、中間取りまとめ案を修正して、2月の頭、2月9日となる予定ですが、評価委員会を開催し、中間取りまとめ案を御審議いただきます。その後、パブリックコメントを実施し、3月末に評価委員会を開催し、パブリックコメントの結果を報告し、いただいた意見を踏まえた中間取りまとめ案について御審議いただきたいと考えております。中間取りまとめについては、その後、事務的な手続を経て、公表を予定しております。

よろしくお願いします。

 以上です。

○樽谷委員長 ありがとうございました。

 それでは、本日の小委員会全体を通しまして、各委員の皆様から、もし御意見等ございましたら伺いたいと思います。何かございましたらよろしくお願いいたします。

 よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして、本日予定していました議事につきましては全て終了しました。円滑な議事の進行に御協力いただき、誠にありがとうございました。

 また、本会議の冒頭で、事務局より御連絡がありましたとおり、中間取りまとめに向けた小委員会の開催につきましては、本日が最後となる予定です。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ、活発に御議論いただきましたこと、両小委員長を代表いたしまして、この場をかりて、改めて御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

 それでは、進行を事務局にお返しいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 樽谷委員長、ありがとうございました。

 事務局からの御連絡です。先ほど、委員長からもお話がありましたが、資料への追加の意見は、明日1月25日、朝10時までに、事務局まで御提出をいただきたいと思います。

 本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容を確認後、議事録は環境省ホームページで公開をさせていただきます。

 それでは、以上をもちまして、第9回水産資源再生方策検討作業小委員会及び第9回海域環境再生方策検討作業小委員会を閉会とさせていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

午前11時19分 閉会