第4回 有明海・八代海等総合調査評価委員会 水産資源再生方策検討作業小委員会 議事録

開催日

令和元年11月29日(金)

開催場所

三田共用会議所 第3特別会議室(東京都港区三田2-1-8)

議題

1.開会

2.議題

  (1)有用二枚貝に関する情報収集等

  (2)その他

3.閉会

出席者

小委員会委員長 : 樽谷賢治委員長

委員 : 岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、滝川清委員、内藤佳奈子委員、速水祐一委員

専門委員 : 折田和三委員、川原逸朗委員、平野慶二委員、松山幸彦委員、吉田雄一委員

(関係省庁)

農林水産省農村振興局農地資源課 松宮課長補佐

水産庁増殖推進部漁場資源課 山本課長補佐

        研究指導課 内海課長補佐

        栽培養殖課 加藤課長補佐

(事務局)

環境省大臣官房審議官、水・大気環境局水環境課長

水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、水環境課閉鎖性海域対策室主査

議事録

午前10時00分開会

○和田閉鎖性海域対策室主査 定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第4回水産資源再生方策検討作業小委員会を開会いたします。

 最初に、本小委員会は公開の会議となっていますことを申し上げます。

 それでは、まず、議事に先立ちまして、環境省大臣官房審議官の正林より御挨拶を申し上げます。

○正林大臣官房審議官 皆さん、おはようございます。審議官をしております、正林でございます。

 先生方におかれましては、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃は環境行政に御尽力いただきまして、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 この小委員会におきましては、有明海・八代海等の有用二枚貝や魚類養殖等の水産資源、これらの漁場環境等を中心とした検討を行うこととしております。また、もう一つの小委員会であります、海域環境再生方策検討作業小委員会においては、漁場環境等に影響を与える有明海・八代海等の水質や底質等の海域環境の変化状況等について検討を行うこととしており、両小委員会で相互に補完することで、効率的に再生方策や減少要因等に係る検討を進めることとしております。

 本日は、8月に開催いたしました第3回の小委員会において決定された具体的な作業方針である「今後の情報の収集・整理・分析について」に基づき、まずは有用二枚貝に関する情報収集として、関係省庁等が実施した調査等の結果を報告し、その内容を御審議いただきたいと考えております。

 委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、冒頭の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 続きまして、本日の委員の出席状況ですが、山本委員より欠席の連絡をいただいております。

 また、本日は関係省庁からの御報告もございまして、御紹介させていただきます。

 まず、農林水産省農村振興局農地資源課の松宮課長補佐でございます。

○松宮農地資源課課長補佐(農林水産省) 松宮です。よろしくお願いします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 続きまして、水産庁漁場資源課の山本課長補佐でございます。

○山本漁場資源課課長補佐(水産庁) 山本です。よろしくお願いいたします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 続きまして、水産庁研究指導課の内海課長補佐でございます。

○内海研究指導課課長補佐(水産庁) 内海です。よろしくお願いします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 続きまして、水産庁栽培養殖課の加藤課長補佐でございます。

○加藤栽培養殖課課長補佐(水産庁) 加藤でございます。よろしくお願いします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 本日の資料につきましては、ペーパーレスでの開催としておりまして、お手元のタブレット端末に収録しており、水産小委というフォルダの中に格納してございますので、確認は省略させていただきます。

 また、報道・取材の皆様におかれましては、これ以降のカメラ撮影についてお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、早速でございますけれども、議題に入ります。以降の進行につきましては、樽谷委員長、よろしくお願いいたします。

○樽谷小委員会委員長 かしこまりました。本小委員会の委員長を務めております、樽谷でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 まず、本日の議題1に入りたいと思います。本日は多数の御報告が予定されていますことから、円滑な御協議に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、有用二枚貝に対する情報等といたしまして、関係県や関係省庁が実施されてきました調査等の情報収集等を行うこととしております。

 それでは、まず初めに、松山委員より御説明をお願いいたします。なお、発表時間のほうは15分程度でよろしくお願いいたします。

○松山委員 了解しました。では、松山のほうから、取りまとめ結果を御報告いたします。

 本資料は、アサリとタイラギに分かれております。連続して説明をさせていただきますけども、これは有明沿岸の4県の皆様と有明海・八代海勉強会を通じて資料を収集して説明するということになっております。資料2-1から、まずスタートさせていただきます。

 2ページ目を見ていただいて、ここに第3回水産小委における決定事項が示されております。本日の検討項目である有用二枚貝については、タイラギとアサリを中心に検討をするということになっておりまして、本発表では、この赤字の部分が収集できた項目に該当いたします。

 3枚目です。第3回の水産小委では、データの整理・分析に関しまして、細かくこのように示されて、これはこのまま抜粋したものですけども、ここに示された活動方針というのは、この報告以外にも、この後、各省庁からも発表されるものです。私の発表の部分に関しては、この赤字で示された項目が該当するということになっています。

 次です。アサリに関しましては、資源の減耗、または活力低下に関する要因として、(柿野1996年)という総説にまとめられています。参考までにここに表を示しました。アサリに関しては、潮間帯に生息しているということもあり、検討をすべき項目が多岐にわたるんですけども、委員会報告の連関図で示された部分を黄色で反転させておるところです。本日の発表でも、これらに関するデータが主に収集されているところになります。

 次のスライドですけど、収集した資料が大きく三つに分かれております。資源の現状、資源の変動要因、アサリ資源再生策の実施状況ということになります。

 次です。まず最初に、アサリの資源の現状に関する調査結果。

 次のスライドを見て、これはアサリの漁獲量のデータを、1970年~2017年までのものを農林統計から整理したものです。アサリの漁獲量は、1980年代の後半から急激に減少しています。2006年~2008年まで、小さい山ではあるんですけども、1万トン近くまで復活したわけなんですけども、その後また減少いたしまして、2013年~2015年にかけて、過去最低レベルの漁獲量まで落ち込んでいるという状況です。

 ただし、これは一番最後のところになるんですけど、2017年のところは少し棒が上がっております。これは漁獲量が回復しておりまして。まだ農林統計が2017年までしか出てないんですけども、2018年はさらにこの漁獲量が増えるという予測になっております。

 本日は、ここの漁獲量の回復に関する取組についても資料が収集されているところですので、後ほど詳細に説明をいたしたいと思っております。

 次、アサリ資源の現状に関して。まず、福岡県海域の資料をここに示しております。先ほどの漁獲量でもありましたように、平成29年、すなわち2017年に漁獲量が増えており、ここに示しているように、福岡県海域で1,475トンの漁獲量というふうになっております。

 今、福岡県海域のアサリの分布状況ですけども、右側のほうに有区の各番号と生息密度の図がありまして、この寒色系の青が生息密度が高いところなんですけども、主に矢部川河口域、これは覆砂区域が中心なんですけども、多く分布しているという状況になっております。

 次のスライドです。こちらは月別、年度別のアサリの肥満度のデータになります。肥満度は、アサリの生理状態を比較する重要な指標になります。肥満度の年変動を見ますと、毎年変動があるんですけども、平成30年度の冬場に高く推移しております。このときは11月から12月にプランクトン沈殿量が多いという、下のほうのデータになっておりまして、餌との関係がちょっと示唆されるという結果になっております。

 次のスライドです。これは長崎県さんからいただいた資料になります。アサリの生産不良要因についての資料になります。長崎県海域で、カゴ試験等によって一時的な減耗が見られたという図が左下のほうにあるんですけども。このときのデータを見ますと、7月に大雨による低塩分が影響していたということが示唆される結果が示されておるところです。

 次のスライドです。次に、熊本県海域におけるアサリ資源の現状となります。この図は過去にアサリの漁獲が最大どのぐらいあったかというのを、海域ごとに示していますが、ご覧のように、熊本県海域というのは干潟の面積も広いですし、過去のアサリ漁獲量も非常に膨大であり、いわゆる好漁場となっているところです。

 次のスライドをお願いします。熊本県海域におけるアサリの漁獲量ですけども、残念ながら、ほぼ全ての海域で、昨今減少傾向にあるところです。かつての最大漁場であった緑川河口でも、現在は400トンを切る漁獲量になっている状況です。

 この緑川河口におきましては、アサリの生息状況に関して、かなり詳細な調査が行われています。この詳細調査、全部で約130定点、これは多数の人を動員して、6月と8月に実施をしているということで、この調査結果のデータをここで少し述べてみたいと思います。

 次のスライドをお願いします。これは平成29年6月と8月の資源量(個体数/m2)の調査になります。このときは赤字で示した部分で、例えば1,000とか、南部のほうに1万とかいう数字が出ていますけども、澪筋の縁辺部に沿って、高いアサリの出現密度が見られます。これは29年の8月もそういう状況です。

 次のスライド。30年の6月になりますと高密度のところは相変わらず1,000のオーダーが出ているんですけども、全体として高密度の出現域が狭く、縮小しているというのが分かりました。

 最後のスライド、これは今年の6月に調査されたものですけども、もう1,000のオーダーはほとんどなくて、数百、数十ということで、かなりアサリの資源量は減少しているという結果になっております。

 次のスライドですけども、この一斉調査の分布密度と実際の漁獲量との関係を比較したものです。漁場によっては、資源量と漁獲量が一致しない。例えば、経済的な要因で資源があっても獲りにいかないケースがあるんですけども、アサリに関しましては、これは資源量と漁獲量がほぼ一致してますので、漁獲量の指標として、概ね資源量を推定するということは可能ではないかという結果になっているところです。

 次のスライドになります。これは、今度は熊本県の北部の菊池川のデータを整理したものになります。

 これは次のスライドを見ていただいて、まず平成29年の調査結果になりますけども、こちらは多くの定点で1,000を超えておりまして、かなりアサリの出現率が高いという状態が見られます。

 翌年の平成30年、1,000を超える箇所が少し少なくなっております。この年の8月になると、急に密度が減少し始めています。

 次のスライドの30年の6月になってくると、1,000のオーダーを超えるところは河口に近いところのみに限られるということで、こちらでもやはり生息密度がかなり低下しているということになっています。

 次のスライドを見ますと、いわゆる資源量とアサリの漁獲量は大体一致しているということになります。

 ここまでが資源の現状に関する説明になります。

 続きまして、アサリ資源の変動要因に関する調査結果を御説明いたします。

 次のスライドをお願いします。これは熊本県の緑川河口で、1992年~2015年まで資源量調査がずっと行われているわけですけども、その全てのデータを整理した結果になっております。

 これは6月に出現する稚貝の密度と、その後の成貝の密度との間の関係を見たもので、相関係数が一番グラフの中の上のほうに示されています。これは稚貝の出現と成貝密度との間に高い正の相関が見られるということで、すなわち発生した稚貝の多寡によって、漁獲サイズの成貝密度も定まってきているということがこれで読み取れます。

 したがいまして、稚貝から成貝までのステージでは、局地的に見て、年変動はそう大きくないということになると言えます。

 次のスライドをお願いします。そうしますと、稚貝の発生量が注目されるわけですけども、直近で漁獲量が多かったと言われる2005年前後、やはりこの時期は稚貝の発生量が多かったことが分かります。ただし、稚貝の発生量に影響を与える物理化学的な要因、あるいは生物学的要因に関しては、まだ解明が十分とは言えません。なお、稚貝のソースとなる浮遊幼生の発生状況に関しましては、この後、農林水産省のほうから御説明が予定されると伺っているところです。

 次のスライドですけども。資源の低迷期、回復期、下降期が、この1992年~2015年までの間にありましたので、それぞれに分けて稚貝の出現密度を平面的に示したのが、この図になります。

 面的に見ますと、干潟のやや深いところ、沖のほうの定点で減少が顕著であるということが分かります。このときに底質のデータも一応とられていますので、左下のほうにMdΦとの相関をとっているんですけども、資源の低迷期、回復期、下降期の間で、特に底質との間の相関が認められるということはありませんでした。ということで、少なくとも、この直近のアサリの資源の減少に関しましては、底質が変動したために起きたという推定は難しいということになります。

 次のスライドは、先ほどの図を拡大したものになります。

 まとめになります。アサリ資源変動要因に関しまして、18年委員会報告で底質の変化というものが指摘されていますが、直近の低迷している要因の中で底質の影響というところは、関係が不明瞭という結果になっております。

 稚貝の発生量、恐らくこれは浮遊幼生、あるいは親貝資源の減少が影響していると考えられますが、肥満度の低下、あるいは1個体当たりの産卵量というのも、当然浮遊幼生の発生量に影響します。これらのものが、今後の課題になってくると考えられます。すみませんでした。今の説明は、次のスライドの説明でありました。申し訳ありません。

 一つ前の28番目のスライドに関しては、各自お手元で、御確認をいただけたらと思います。

 続きまして、3番目の項目、アサリ資源の再生に関する取組を説明させていただきます。

 まず、覆砂の効果に関して。これは福岡県さんの資料で、内藤・筑紫(2004)という研究報告のほうから事例を紹介させていただきます。

 これは福岡県の海域でA区、B区、C区という3カ所で覆砂を行っているという状況で、そこでの覆砂の効果を見たものになります。

 次のスライドをお願いします。覆砂によりまして、A区、B区、C区では、粒径が急激に大きくなっています。一番下の対照区が原地盤、覆砂をしてない場所のデータになって、泥分の画分が大きくなっているのが分かるかと思います。

 当然ですけども、泥分率、強熱減量、AVS、いずれも覆砂区、特に泥分率と強熱減量に関しては、覆砂区のほうで低くなっているというのが、ここで分かるかと思います。

 次のスライドをお願いします。ここでベントス類の出現調査の結果が左上になりまして、生息密度を見ますと、対照区と比較して、A区、B区でベントス類の出現密度がかなり高くなって、C区のほうは覆砂区なんですけども、対照区との差があまりないということで、覆砂の場所によって効果が違うという結果になっております。右側が湿重量になります。

 一番下のほうに、ちょっとカラーになっていますけども、有用二枚貝のアサリ、サルボウ、タイラギに関しても調べられています。やはりA区、B区において、アサリ、サルボウ、タイラギの出現が高くて、対照区ではほとんどないという結果になっておりまして、覆砂の効果がかなり認められる結果になっております。

 次のスライドをお願いします。長崎県海域でも、同じような覆砂の効果に関する資料がありました。これは赤の三角と青の丸で示したものが覆砂された場所で、白抜きのものが覆砂されてない周辺海域ということになります。アサリの個体密度が高く出ているところは、着色したシンボルのほうが出ているということもありまして、やはり覆砂区で、特に着底直後の稚貝がたくさん出てくるという傾向が認められます。

 次のスライド。これは熊本県海域のデータになりますけども、覆砂漁場は青のラインで示しております、天然漁場が赤で示していますけども、平成15年あたりだと、かなり覆砂区で着底稚貝が増加するという正の効果が認められている状況です。

 次が、36番目のスライドになります。直近のアサリ資源の増加要因のところの説明を少しさせていただきますけども。福岡県海域の、この矢印がたくさん右のほうの地図から出ておりますけども、有区20というところです、こちらのほうから、こちらが実は覆砂漁場なんですけども、平成27年に入って、大量の着底稚貝が発生しているということが分かった状況です。

 この矢部川河口の有区20号というところから、各それぞれの矢印のほうに稚貝を移植放流するというようなことを行っておるところです。また、3号というところにも稚貝が発生したので、11号のところに移植をするというようなことが行われています。

 その移植をされた時期と量が左の表にありまして、トータルで1,687トンのアサリが移植されたという状況になっております。

 次のスライドをお願いします。これは実際の移植の様子です。これだけの規模の大きい移植になってきますと、やはり人手がかかりますので、漁業者団体の全面的な協力を得て実施されております。

 次のスライドをお願いします。これは移植放流後の成長のデータを追ったものです。白抜きのほうが移植された先、黒の四角がもともと移植されるもとのところです、大元のところということになります。移植先のほうが、成長がよくなっているという結果になっているわけですが、これは移植先にほとんどアサリが生息してないということで、生息密度が低いところに移植されていますので、餌とか酸素が行き渡るということがあり、9カ月で重量が3.2倍になっております。移植元は生息密度が高い状態なので、成長が抑制されています。

 次のスライドですけども、これは肥満度のデータで、やはり移植元が高いというのと、この成長速度も移植先のほうが高い、肥満度も群成長速度も、移植先のほうが高いという結果が出ておりまして、この赤で囲っているところです。

 次のスライドです。こういう取組もありまして、今、平成29年3月の段階で、この青で示した海域でアサリの生息密度が高く、漁獲量の増加につながっているという状況になっております。

 続きまして、移植アサリについての各種再生策を、ここに示しております。時間の都合上、お手元の資料で御確認していただくことになると思いますけども、これは被覆網によるアサリの効果でありまして。結果だけ簡単に申しますと、大型のアサリでは被覆網で2倍ぐらいの保持効果があるんですけども、小型の稚貝は保持効果が弱いという結果になっております。

 次のスライドが、網袋による採苗であります。これも最近、日本沿岸でアサリの資源再生策として、よく取り組まれている方法ですが、福岡県海域だけでも、平成25年以降、累計で4万2,000袋の網袋が置かれて、それぞれのところで効果が検証されているという結果になっているところです。

 43番目のスライドですけども、網袋も置きっ放しだと埋没してしまって、アサリの移植効果が落ちるということで、こういった二重プレートで上げ底をしてあげると、何もしなかった区よりも、2.2倍のアサリが保持できるという結果が示されているところです。

 次、44番目ですけども。この網袋の中で大きくなったアサリというのが、その後、原地盤のほうへ展開いたしまして、漁獲までつながると。移植と、網袋等を使った保護策、両方を組み合わせる取組をすることによって、生残率が向上して、漁獲量につながっている状況になっています。

 スライド45のほうに、その結果をまとめているところですけども、お手元の資料で確認をしていただきたいと思います。

 続きまして、46ページ、これは長崎県海域におけるアサリ資源の回復の取組です。長崎県海域は、実は養殖が主体となっておりまして、この小長井、長里という、緑色の囲った場所で試験が行われています。養殖なので、稚貝は購入したものをまいているんですけども、次の47番のスライドにありますように、近年生産量が低迷しています。その要因として、漁場環境の悪化、食害、餌不足等が推定されている状況です。

 同じように48番目のスライドが網袋の結果です。ここはアサリを入れるんではなくて、網袋に砂利とカキ殻の焼成物を入れたものをそのまま置いて、稚貝がどの程度入ってくるかという試験を行った結果であって、これは地盤高の高さ別に結果を示しております。地盤高0.5mのところで、たくさんの稚貝が入ってくるということになっております。

 次のスライドは、それと同じような試験を、今度は時期を変えて行いますと、5月に設置したもので、たくさんの稚貝が入ってくるという結果が得られています。

 この入ってきた稚貝をうまく活用することで、地元産の種苗を使った養殖というものが、今検討されているということになります。

 50番目のスライドに、その網袋の中のアサリの殻長組成が示されております。一番下のところに、対照区の結果が出ていますが、対照区のほうでは、小さい稚貝がたくさん出てくるんですけども、その後、ほとんど残らない。しかし網袋の中では残るというような結果がここで示されています。

 そして、網袋採苗の今後に関しまして、51番目のスライドのほうに取りまとめをしていますが、お手元の資料で確認をお願いいたします。

 あと52番目には、さらに網袋の置き方とか、そういったアサリがどのぐらいの上限まで詰めることができるかという検討結果が、長崎県さんの資料として示されています。

 アサリ資源再生に関する今後の課題としては、覆砂による改善効果というのは認めらますが、効果が年や場所によって変わるということで、浮遊幼生や着底稚貝の特性、海域特性に応じた改善策が必要と考えられます。

 あと、移植は資源の維持に効果的なんですけども、移植先の選定や保護に関して、まだ統一的な手法がなく、経験と勘に頼っているということで、そういったところの数値化も必要になっています。

 あと、網袋の効果に関して認められてはいますが、そのメカニズムに関して完全に解明がされていないというようなところがあります。

 あと、浮遊幼生ネットワークを維持するのに必要となる親貝資源はどのぐらい必要なのか、これを資源管理策にどのように反映させていくのかというところも、今後の課題になるかと思います。

 以上が、アサリになります。

 次に、資料の2-2、タイラギのほうをご覧いただきたいと思います。

 2番目のところの検討の方向性は、先ほどアサリで説明した内容と同じなので、割愛させていただきます。

 3番目のところも同じで、データの整理・分析方針に関して、先ほどのアサリと同じですので、割愛させていただきたいと思います。

 タイラギに関しては、本日、この1と2、大量死の調査と減耗要因と食害、水質・底質要因の構図という、大きく二つに分けて説明をさせていただきます。

 最初に、大量死の調査になります。スライド6番目。大量死に入る前に、まずタイラギの漁獲量に関するデータになりますけども、2012年以降、漁獲量が全くなく、現状、7年連続の休漁となっているところです。

 次、7番目と8番目にタイラギ資源の直近の状況、10年分のデータを佐賀県さんからいただいた資料を示しているところです。これは最初、7番目は稚貝の分布でありまして、2014年、15年、少し稚貝が発生したんですが、2012年以降は、ほとんど稚貝が発生していないという結果になっております。

 次の8番目のスライド、これは成貝になりますけども。これに関しては、2011年以降、ほとんど出現してないということで、タイラギの資源状態は非常に厳しいということが分かると思います。

 9番目のところに、評価委員会の18年委員会報告での指摘事項、タイラギの長期的減少要因として、底質、あとナルトビエイ、そういったものが指摘されております。

 次の10ページ、29年委員会報告では、それら二つの要因に加えまして、新たに浮遊幼生や稚貝の発生量も低下していることが、問題点として指摘されたところであります。

 立ち枯れへい死に関しましては、A2では貧酸素は影響していないと。あとA3海域では、貧酸素が長期的な減少に影響しているというところが特定をされているところであります。

 11番目は、立ち枯れへい死の説明ですけども、割愛させていただいて。

 12番目に、福岡県さんの天然タイラギの出現状況の調査の結果が示されています。これは5定点で、タイラギの生息状況、それと水質、底質のモニタリング結果になります。

 13ページに、これは22年級群の出現と調査時の成貝率の出現率を示していまして。下の図を見ていただくと分かると思いますが、6月下旬から7月下旬にかけて、一気に死亡が進んでいることが分かります。これが、いわゆる立ち枯れへい死に相当するということになりまして、ここで資源がほとんどゼロになるという結果になっております。

 次のスライド、14番目に、これは年級ごとに分けていますが、21年級群、22年級も、いずれもやはりこの6月から7月にかけて減少しているという結果になっております。

 15番目には、その5定点の直近までの出現状況になっています。29年以降は、稚貝そのものが発生しないということもありまして、この大量へい死の要因解明ということも、非常に難しくなっているというのが現状です。

 16ページに、これは佐賀県さんの資料ですが、2015年に稚貝が発生したところで採取いたしまして、この大量死の要因解明ということで、移植試験が実施されております。

 次のスライド、17ページに、どういう移植試験を行ったかと言いますと、この東部という稚貝が発生したところの稚貝を西部、佐賀県側のほうに移植するということが行われて、それぞれ東部、西部でモニタリングしています。

 西部のほうは、貧酸素の影響があってはいけないということで、佐賀県さんの海域の中でも貧酸素の影響が出にくい場所が選定されております。

 生息密度なんですけども、これを見ますと、東部というところ、大元の稚貝があったところでは、5月から6月にかけて、まず立ち枯れへい死が発生し、秋口の10月以降に食害による大量減耗ということで、資源がほとんどゼロになってしまうということが起きた状況になっています。ただし、移植した西部では、ほとんど減耗することなく、そのまま残るというようなことになりました。ということで、立ち枯れへい死というものは、この東部に特有な現象であることが、このデータから分かります。

 次、18番目ですけども。この西部で生き残ったものを、さらに1年かけて、また東部のほうへ戻す試験結果がここに示されております。

 ただ、残念ながら、この西部で生き残った個体も、東部に持っていくと死ぬという結果になっているんですが、大元の西部のほうの個体も、同じ時期に減耗したということで、この辺で履歴がどのぐらい影響したのかというところもあり、影響度を評価することがなかなか難しい結果になっています。

 いずれにしても、東部にあった稚貝というのは、何らかの要因で、いずれかは死んでいくというところが示唆される状況になっております。

 最後の19番目になります。タイラギの減耗要因と食害、水質・底質要因の構図ということで、

20ページのところに、移植試験、これまでタイラギの天然個体を追いかけるということをやっておりましたけども、より要因の絞り込みに貢献する移植試験を中心に実施したところになります。

 21番目、先ほど大量死が起きた平成22年度年級群が、平成23年も大量死したと。このオレンジで網掛けをした部分が、大量死が発生した時期になります。このときに溶存酸素の濃度を連続観測した結果がここに示されているんですが、大量死が発生している最中、あるいは後半のところで、飽和度40%を切るということが発生していますけども、大量へい死の前に関しては、ほとんど貧酸素が一瞬しか発生をしてないということで、必ずしも貧酸素の影響とは断定できない結果になっています。

 次のスライドは、底質を同じようにモニタリングしているんですけども。やはり大量死が起きた時期の前に、底質が急激に悪化しているというようなことは認められてない状況になります。

 23ページは、そのときの水温とDO、これもいずれにしても特に高水温、貧酸素によって影響があるという観測結果は得られてないということになります。

 24ページのところに、ほかの竹ハゼ南における底質データがありますけども、この赤ラインというのがタイラギの生息に適さない値というふうに言われておりますけども、全てこれの期間、下回っているということで、底質がこの大量死に影響したということは考えにくい結果です。

 そこで、25ページ以降なんですけども、このようにタイラギを直植えと、食害を防止する被覆カゴ、それと海底から切り離すネット試験と、この三つを福岡県のほうで実施しております。これは食害の影響を分けた上で、なおかつ立ち枯れへい死はいつ、どのように発生するかというのを調べるために、こういう試験がセットされている状況になります。

 結果になりまして、26ページに、これは平成27年の結果ですけども、直植え区は直後から急減少して、5月には全滅すると。被覆カゴ、金網をかぶせたものに関しては、食害を受けないので残ると。ただし、9月、10月、11月にかけて減耗していって、死んでいく。これは恐らく、立ち枯れへい死と見ているわけです。ネットに入れて海底から浮かせたものは、6割以上残るという結果になっております。

 次のページは、翌年、28年、これはネットの試験はありませんけども、直植えと被覆カゴの比較です。前年と同じように、直植えはすぐに死亡する。被覆したものは残るんですけども、秋口にまた死亡していくという結果になっております。そのときの溶存酸素濃度が、下に示されています。

 次、3回目の試験になります、平成29年。このときも、やはり直植え区は、直後に全滅をすると。そして被覆カゴのほうは、最初に少し、2割ちょっと死ぬんですけども、その後ずっと残って、このときは秋口の大量へい死がありません。あとネットの試験区と変わらない。このときは上架カゴと書いてあるんですけども、これは現地の泥を入れたカゴを、海底から切り離して浮かせるという試験なんです。底質の影響があったかどうかというのを見るための試験なんですが、結果的には、この現場の泥を入れて海底から浮かせたものが、一番生残率が高いという結果になっております。

 ですので、この年は、どうも立ち枯れへい死が起きなかったと見られています。

 29ページに、4回目になるんですけども、同じ試験を30年も行って、やはり直植え区は減少していきまして、被覆カゴをしたものは残る、立ち枯れへい死はこの年は発生しなかった。そして、海底から浮かせたものは、高い生残率を示すという結果になっております。

 結果を30ページにまとめました。直植え区は、どんどんと死んでいくという結果になっています。食害防止をしたほうであっても、4年のうち2回、大量へい死が発生するということになっています。

 まず、直植え区の減耗要因の31ページですけども、これは食害によるものでして、実際に、この試験中に現地にセットされたカメラで、食害されている瞬間が捉えられております。生物としては、ヒトデ、カニ、タコ、こういったものが食害しているということが見てとれております。

 32ページのスライドですけども、この直植えと、ちょっと浮かせたところで差が出ています。まず、クロロフィルのデータを示しております。クロロフィルに関しては、この海底直上と1m浮かせたところの間で、特に大きな差はなく。どちらかというと、少し上のほうがクロロフィルの高いスパイクが出てくるというようなことになっておりますけども、大きな差はありません。

 次の33ページのスライド、こちらは濁度のデータになります。これに関しては、海底直上は当然ですけども濁りが多く、1m浮いたところでは、濁度が低く推移するということになっています。環境要因の項目として違うのはこれぐらいでして、恐らく海底に堆積する懸濁粒子がタイラギの摂餌阻害要因になっている可能性がこのデータから示唆されたということになっています。

 34ページに知見をまとめました。大量死は引き続き発生しているんですけども、発生時期や要因は異なる、直植えしたものは食害を受ける、食害防止をしても、夏から秋に大量死、いわゆる立ち枯れへい死が発生するということです。海底から切り離すと、立ち枯れへい死は発生しません。海底直上、海底から切り離した環境では、濁度がやや低く推移するということが、環境要因の差としてはあるということが分かりました。

 タイラギ減少に関する今後の課題としては、食害の影響はかなり大きいという結果が出ているんですけども、これがタイラギの資源量が少ないから食害の影響が強く出ているのか、過去にまでさかのぼっても、やはりこれが資源の長期的な変動に影響したのかというところの検証が必要になってくると言えます。

 あと幾つかの項目、ここに例示しておりますけども、特に濁度がタイラギの摂餌阻害要因として推定されたということで、今後、この部分に関する現場データの収集、解析を継続していく必要があるということが、課題として挙げられます。

 以上、アサリとタイラギ、二つの資料の説明になります。ありがとうございました。

○樽谷小委員会委員長 ありがとうございました。

 ただいま松山委員から、主に各県で実施されてきました調査、研究結果をもとに、アサリとタイラギの資源の現状でありますとか、変動、へい死要因、再生に関する取組などを整理して、説明していただきました。

 ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、承りたいと思いますが、いかがでしょうか。

 岩渕委員、よろしくお願いします。

○岩渕委員 素朴な質問というか、福岡県で実際に実験、調査をしていますので、何とも言えないんですけども、25年度以降は、春から夏にかけてのへい死に関しては、食害の影響が非常に大きいということが、我々の想定よりも随分と食害の影響が大きいということが明らかになってきたんですけれども、例えば、タイラギの13ページの平成23年度、22年級群の生息状況及び生貝率の変動で、やはり夏場に6月から7月にかけて非常に減っているというデータが出ていますが、これに関しては食害ではなくて、立ち枯れへい死であったというふうに考えてよろしいんでしょうか、どうですか。

○松山委員 この平成23年の立ち枯れへい死のときの調査、恐らく、このときは食害防止用のネットをかぶせて、食害と立ち枯れへい死を正確に分けて調査をされてない時期のデータになると思います。実際には、これ死殻を見ていますけども、食害を受けて死殻になったのか、全く無傷で死殻、空になっているのか、その見分けをしっかりしておかないと、やはり区別が難しい時期の調査になっていたのではなかったのかなと想定されます。

 直近のデータに関しては、そこは区分されているんですけども。この当時の、あるいはこの当時より前の調査に関しては、かなり食害の影響も含んで大量死が評価された可能性はあるんじゃないかと思います。

○岩渕委員 現状では、この時期に関しては区別ができないということで考えていいということですね。

○松山委員 形状的には、やはり難しいかなという気はしますね。エイのように、完全にかみ砕かれて食べられているものは分かると思うんですけども、ヒトデとかああなってくると、もうほとんど殻のままで中身だけが溶けてなくなっているので、いわゆる立ち枯れへい死で腐敗してなくなったのかどうかという判断が難しいと思います。

○樽谷小委員会委員長 ほかに、何かございますでしょうか。

 古賀委員、よろしくお願いします。

○古賀委員 タイラギの33ページ目の図ですけども、濁度と摂餌との関係ということですが、確かに海底直上のほうが濁りが多いということは分かりますが、濁りがあったほうが摂餌しにくいという実験データがあったのかというのが1点。

 それと別に、基本的にタイラギというのは、濁りが大きい干潟域や佐賀県海域でも、以前は結構多く生息していました。そういったことを考えると、この程度の濁りの違いで餌を食べられずに成長や生残とか、そういったのに影響があるというのは、可能性というふうには書いてありますけども、その辺もうちょっと詰めたほうがいいのかなと感じました。

 以上です。

○松山委員 ありがとうございます。

 実験的なデータはあるんですけども、無機のカオリンとか、無機の懸濁物質を使った室内実験です。実際の現場の海底表層で漂っている浮泥とか、あるいは柔らかい軟泥成分を使って細かく試験をしたというものではありませんので、恐らく、古賀委員のおっしゃるように、この濁りといっても、一部は餌になる可能性もあって、同じ例えば500ppmの濁りといっても、それはタイラギにとって有益な餌を含んだ場合の濁りもあれば、害作用を示すような無機の懸濁粒子が多い濁りというのもあると思って、最後のところのまとめのスライド、ちょっと時間がなくて飛ばしてしまったんですけども、濁りの質の問題です。同じ濁りでも、タイラギにとってそれはよかったり悪かったりというところが、恐らくはあるだろうと。その濁りの質のところもやはり見ていかないと、この問題はなかなか難しいんではないかということで、今後の課題ということで整理させていただいているところです。

○樽谷小委員会委員長 ほかに、何かございますでしょうか。それでは、ありがとうございました。

 それでは、続きまして、有明海におけるタイラギの生残・成長要因の検討結果につきまして、事務局から御説明をよろしくお願いします。発表時間は10分程度でお願いいたします。

○権藤閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは、お手元の資料3の表示をお願いいたします。

 有明海におけるタイラギの生残・成長要因の検討結果について、御報告いたします。

 次のスライドをお願いします。目次でございますけれども、今回発表いたしますのは、主に浮泥に関する検討とタイラギ移植試験に関する検討ということで、小型捕食者の影響を見ておりますので、その二つを報告いたします。

 次のスライドをお願いします。まず、環境省では、有明海二枚貝類等減少要因解明等調査というのを行っておりまして、この中で、まずタイラギの生息環境モニタリングや移植試験による生残・成長要因と捕食圧の検討などを実施しております。

 今回は、生息環境モニタリング結果のうち、二枚貝類にとって餌料価値があると考えられるという正の効果と、一方で、高濃度の場合には二枚貝類の摂食障害を引き起こすという浮泥に着目した検討結果を報告いたします。また、移植試験の結果のうち、小型捕食者による食害影響の結果についても報告をいたします。

 この下の点線で囲っている部分が、第3回小委員会で決定いたしました今後の情報の収集・整理・分析ですが、この太字の部分を今回報告いたします。

 次のスライドをお願いします。まず、生息環境モニタリングといたしまして、その中の浮泥分布等の調査について、御説明いたします。

 環境省では、この下の図に示しております、現在は8地点で、頻度といたしまして夏と秋、それぞれこちらに記載のとおりの頻度で実施をしております。調査内容といたしましては、不撹乱堆積物コア試料を採取し、こちらに記載のデータを測定しているということでございます。

 次のスライドをお願いします。今回、浮泥に着目するということで、参考として記載しておりますが、従来、浮泥の層厚というのは目視観察でやっていたところなんですけれども、それに代わる統一的な測定方法、意味づけの必要性を過去に検討しております。

 二枚貝が埋没する堆積物層の厚さを把握するために、アサリ、サルボウ生貝とほぼ同じ密度の塩化ビニールの円盤を用いて浮泥層厚を測定する、これを密度法と言って、やっております。二枚貝類成貝よりも軽い粒子、イコール浮泥の層厚と書いておりますが、下の図に示しておりますように、まず海から持ち帰ったコアを1分間揺らしまして、再懸濁し、3分間静置をいたしまして、ここの一番下に底泥で、浮泥、懸濁物とありますが、そこに先ほどの塩化ビニールを入れますと、この底泥と浮泥の間の止まるところで、その厚みを測る方法を、密度法ということでやっております。

 次のスライドをお願いします。浮泥とその指標ということで、従来の目視観測のときには8mmで、稚貝の着底はほとんど見られないという、2013年の古賀・荒巻の報告。また、密度法を用いて測定した浮泥層厚に基づく浮泥輸送モデルといたしまして、11mmを超えますと稚貝の分布がないという、速水ほかの2017年の報告がございます。

 また、そのほかに、今回クロロフィル色素量という餌料環境の指標、また有機物量プラス安定同位体比としておりますが、安定同位体比を加えることによりまして、それが陸起源なのか、海起源なのかというのが分かりますので、餌料として利用しやすいと考えられる海起源の有機物量を算出と、この三つに着目をしております。

 次のスライドをお願いします。生息環境検討ということで測定結果ですが、まず、この右側にあります、先に次のスライドを見ていただきたいんですけど、各年の測定結果としては、やはりどうしても変動がございますので、これを5カ年又は4カ年平均にしたもので内容を検討しております。

 また、一度6ページに戻っていただいて、上から、まず浮泥層厚ということで、この赤い帯をしているところ、先ほど8mm11mmを超えると着底に影響があるということでしたので、この平均値で見ましても、主に西側のほうがどうしても浮泥層厚が厚いと。一番右のT5というところがあるんですが、平均で見ましても、この8mmを下回っているということで、近年の旧タイラギ漁場であった東側のほうが、8mm未満と安定しているという結果になっております。

 また、その次のChl-aでありますとか海起源の有機炭素を見ますと、こちらは逆に西側のほうが高いという傾向が見られます。

 次、8ページに行っていただきまして、タイラギ移植実験による母貝生息適地の検討ということで、有明海における浮遊幼生ネットワークの形成において、湾奥部だけでなく中南部における母貝団地が必要となるということで、現在、以下の5地点で移植試験を実施しております。

 右側に、まず、その移植実験に当たりまして、平成29年度に小型捕食者に対する目合を検討するという意味で、三会という場所と大牟田、この2カ所で1cm、2cm、3cmと目合を変えて小型捕食者に対する検討をしたんですが、もう2cmにしたところで、大牟田のところで生残率が下がり始めて、3cmでかなり下がっているというところで、ここから下は、30年度に保護ケージのところは15mm目合ということにしておりまして、平成30年度には15mm115mm低保護ケージで検討をしておりまして、それぞれのところにタイラギを移植。その後、ある程度安定したところで、保護ケージから低保護ケージとし、移植試験の実施地点で三つずつそれぞれやっているんですが、変更いたしまして、その後、低保護ケージの1カ所、水中カメラで撮影を行ったところです。

 次のスライドをお願いします。生残率の推移でございますが、先ほどの5地点、平成30年度の結果ですけれども、それぞれ見ていただきますと、大牟田につきましては、目合を拡大したら、急激に低保護ケージで生残率が一気に下がって、ほぼゼロになるということで、どうもここは、小型捕食者による食害の影響が示唆されるのではないかと。

 2番目の沖神瀬西は、ある一定のところで土砂に埋まったというところになっておりますので、一概に小型捕食者の影響は見られませんが、そこまでの結果はありますので、後ほど御紹介します。

 あと、場所によって、野崎干潟は保護ケージと低保護ケージで生残率にあまり差がないですとか、燗場島では、やはり徐々に、大牟田ほどではないんですが生残率が下がっていると、そういった結果になっております。

 次のスライドをお願いします。出現頻度、先ほどカメラによる撮影をしているということで、それぞれの場所につきまして出現率を見てみますと、大牟田ではアカニシ、イシガニというものが多くカメラに写っていると。沖上瀬西、泥に埋まるまでの間ですが、イシガニが多く出現したと。野崎干潟のほうは、それほど生残率が下がってないのですが、イシガニが主に出現ということで。あと三会で、タコ、クロダイ、エイ類、あと燗場島でタコ、アカニシ、イシガニが出現と。ただし、実際にカメラにそれ自体は写っているんですけれども、実際にタイラギを食べているところは確認できていないということで、今後とも追加的な調査が必要と考えております。

 次のスライドをお願いします。今回のまとめになりますけれども、浮泥層厚で見ますと、先ほども御説明したように、東側のほうが、浮泥層厚が低いということで、タイラギ稚貝にとってはよい環境であるのではないかということが示唆されたと考えております。また、餌で見まして、クロロフィル色素量につきましては、西側のほうが高いということで、餌料環境としては西側のほうがよい環境であることが示唆されたと考えております。また、同じく餌料環境としての安定同位体比と、こちらにつきましても西側が高い傾向となっておりまして、今後につきましては、浮泥の濁りや堆積がタイラギの生残・成長等に影響していることが考えられることから、これらの影響を検討する必要があると考えております。また、続きまして、小型捕食者による食害の影響ですけれども、移植地点により傾向は異なるのですが、小型捕食者が侵入できる大きさに保護ケージの目合を拡大すると、ケージ内のタイラギの生残率が低下したということで、小型捕食者による食害の影響も示唆されております。

 小型捕食者として、水中カメラにより、アカニシ、イシガニ等の出現は確認されたのですが、実際に捕食しているところは確認できていないということで、今後、小型捕食者が実際にタイラギを捕食するかということや、タイラギ捕食後の貝殻等の形状と、それによってどういったものに捕食されたかという知見の蓄積が必要であると考えております。

 私からの説明は以上です。

○樽谷小委員会委員長 ありがとうございました。

 ただいま有明海におけるタイラギの生残・成長要因のうち、特に浮泥に着目した検討結果と小型捕食者による食害影響の結果について、御報告をいただきました。ただいまの事務局からの御報告につきまして、御質問、御意見等ございましたら、承りたいと思います。何かございませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、また最後に全体を通して、御質問や御意見等を承る時間を設けておりますので、その際に何かございましたら、よろしくお願いいたします。それでは、ありがとうございました。

 それでは、続きまして、アサリに関する4県協調の取組につきまして、農林水産省農村振興局の松宮課長補佐より御説明をお願いいたします。発表時間は15分程度でお願いいたします。

○松宮農地資源課課長補佐(農林水産省) 農林水産省の松宮でございます。私のほうからは、有明沿岸4県と農林水産省が協調して実施している、アサリに関する取組を御報告させていただきます。資料の4になります。

 1ページ目をご覧ください。最初に、アサリの浮遊幼生調査に関する取組状況です。

 有明海では、母貝の減少による浮遊幼生の発生量低下と稚貝加入量の減少が、資源量減少の要因の一つと考えられています。このため母貝の資源保護の取組や浮遊幼生の着底場における環境改善の取組を効果的に進めることができるよう、有明沿岸4県と国が協調し、西海区水研の技術指導を得て、平成27年度からアサリの浮遊幼生調査を実施しているところです。

 小委員会におきましては、以前に一部の調査結果を報告しております。今回は、それらも含めて、平成27年度~平成30年度までの4カ年の調査結果を報告させていただきます。

 調査の概要ですが、平成27年度から3カ年につきましては、資料の左上に表があります。春と秋、それから週に1回から月に3回程度、22地点で調査をしているところです。30年度以降は、その3カ年の調査結果を踏まえまして、調査時期や頻度は同じですが、調査地点を10地点に限定して、調査を実施しているところです。

 調査の位置につきましては、左の下のほうに図が載せています。ご覧をいただければと思います。

 調査の流れにつきましては、初期のD型幼生も採取できるように、58μmの目幅のネットで表層、中層、低層の3層、または水深が7mより浅い箇所につきましては、2層でエンジンポンプを用いて揚水し、試料を採取しているところです。

 2ページ、ご覧ください。アサリの浮遊幼生につきましては、記載のとおり、成長ステージごとに区分をして、分類をしているところでございます。

 3ページ、ご覧ください。

 各年の春と秋の出現状況を取りまとめています。次のページ以降に、図や表を掲載していますので、それらを見ていただきながら、説明をさせていただきます。

 4ページ目、ご覧ください。

 4ページ目の上段が春の調査結果になります。下段が秋の調査結果になります。地図の上に丸で、浮遊幼生の観測個体数を表しています。これにつきましては、春は4月~6月、計7回、秋は9月~11月の計11回の調査をしており、それぞれのシーズンごとに観測された浮遊幼生の総計を、円グラフで示しています。

 先ほど説明させていただいたとおり、27年からの3カ年につきましては、22カ所で調査を実施しておりますが、平成30年度にあわせまして、10カ所のみを掲載しています。

 22カ所分につきましては、10ページに参考資料として掲載しておりますので、後ほど、ご覧いただければなと思います。

 それから、図中、先ほど観測個体数、記載をしておるとお話をしましたが、非常に小さい標記になっていますので、5ページ、6ページに、表の形式で個体数を載せています。

 4ページの図を見ていただきながら、説明をさせていただきたいのですが、上段の春の調査結果です。平成29年度の春を見ていただければと思いますが、この3カ年、春の調査3カ年のうち、最大観測されたのが福-2です。ここで約7,000弱の浮遊幼生が観測されています。また、最小につきましても、同じ平成29年度の春で、佐-4、糸岐にあたりますが、シーズンを通じて観測はされなかったという結果になっています。

 年度別で見ますと、この平成29年度の春が、春としては最大の約3万個体の浮遊幼生が観測された状況になっています。

 それから同様に、秋につきましても、平成29年度の福-2が、この4カ年の調査で最大の1万8,000個体観測されています。また同様に、最小が佐-4で、23個体というような結果になっています。

 全体を見ると、有明海湾奥奥部の福岡県沖、福-2であったり、有明海中央東部、熊本県沖の熊-2で、浮遊幼生が多く出現したという傾向になっています。

 参考ですが、今年度の春につきましては、シーズンを通じて2万7,000個体ほど観測がされております。秋につきましては、現在、集計中ですが、11月の中旬に、かなり多くの浮遊幼生が観測されたという結果を得ているところです。

 続きまして、7ページをご覧ください。

 7ページについては、経旬変化を載せております。7ページ目、春の結果になります。一番右、平成30年度の春を見ていただきますと、ここでは明確なピークが見られないという状況でした。ただし、ほかの月、赤で囲っているとおり、各海域で、違う時期でピークが見られた状況です。

 8ページご覧ください。

 同じように、秋の結果を載せています。こちらにつきましても、シーズンごとにピークが見られているということです。ピークにつきましては、1回から3回程度見られている結果でした。

 9ページにつきましては、説明させていただいたことをまとめております。丸の一つ目から三つ目につきましては、割愛をさせていただきます。四つ目ですが、日本の主要なアサリ漁場である東京湾、三河湾、伊勢湾との浮遊幼生発生量を比較しています。東京湾では、文献によると、200900個体/3以上、三河湾では10020,000個体、伊勢湾では100300個体が観測されたという報告があります。

 有明海の発生量につきましては、10015,000個体で、調査の方法が若干違いますが、三河湾の発生量と同程度が観測されたということで考えております。

 10ページ、11ページは参考の資料です。また、後ほどご覧いただければと思います。

 12ページをご覧ください。

 12ページ以降は、アサリの浮遊幼生ネットワークの形成に向けた取組を掲載しております。ネットワークの形成に向けては、先ほど報告した浮遊幼生調査結果をもとにシミュレーションモデルを構築し、平成30年度以降は十数カ所の母貝団地造成の取組とあわせて、シミュレーションモデルを用いて、その母貝団地造成の課題等の抽出を行っているというところです。

 13ページにつきましては、浮遊幼生シミュレーションモデルの概要です。この資料については、平成29年1月の評価委員会で報告をしております。大まかな流れとしては、フロー図の右のほうをご覧ください。一番上のピンクのところですが、農政局で構築しておりました有明海の流動モデルに浅海域の海底地形測量結果などを反映した上で、各年度の流況を再現しています。

 二つ目の黄色のところですが、先ほどの浮遊幼生調査の結果とあわせて、アサリの産卵日と推定し、その後、アサリの産卵場の推定であったり、着底場の推定、それらの結果をもとにネットワークの推定をしてきたところです。

 さらに、30年度は、課題の抽出・検証を行ってきました。その概要を説明していきたいと思います。

 14ページをご覧ください。

 14ページにつきましては、アサリの産卵日の推定について記載をしています。グラフがついていますが、こちらについては、平成27年9月の例ということで載せています。この出現した浮遊幼生を、殻長ごとに調査をしており。このグラフについては、22カ所の調査地点の浮遊幼生を合計したものになっています。

 これらの浮遊幼生の出現状況から、グラフに記載しているとおり、出現個体のピークを求めています。この場合では、110μmとなっております。

 グラフの下に記載してますが、平成27年9月の平均水温、これが25℃でした。これから、その上の枠囲いの中にある殻長成長速度式を用いて、成長速度を推定しています。産卵直後のアサリの殻長が60μmということから、殻長110μmになるまで、先ほどの成長速度から約3日間必要ということを推定し、調査日が9月4日ということから、産卵日を9月1日というような推定をしているというところです。

 15ページをご覧ください。

 15ページは産卵場の推定です。左の図に有明海全体に仮想粒子を100m間隔で配置をしています。先ほど、産卵日が9月1日と推定しており、その際の流れの状況を再現して、この仮想粒子をその流れに乗せて計算をしています。

 右の図になりますが、仮想粒子を全ての海底に配置して、それを3日間移動するという計算をした際に、調査地点の表層や中層で、観測がされていたとするところを3日後に通過する仮想粒子の初期位置を、産卵場というような推定をしています。その際には、アサリの浮遊幼生の塩分嗜好性も加味してシミュレーションをしています。

 16ページ、ご覧ください。

 先ほど推定したような産卵日、産卵場、これを用いて浮遊幼生の挙動のシミュレーションをしています。この際、着底の条件として、①と記載しているところですが、底質の中央粒径が0.410mmの範囲にあること、②として、フルグロウン期以降に、水深5mより浅い海域の海底上10cmに1時間以上滞在していることを条件にしています。

 下のほうに、米印で書いているとおり、②につきましては、複数の条件について感度分析を行って、着底稚貝調査結果や既往のアサリの漁場分布に最も近い着底場の分布を示した条件を用いたもので、実際こういうような生態を示すというものではありません。

 17ページ、ご覧ください。

 これらの浮遊幼生のシミュレーションモデルの結果になります。ネットワークを推定した結果になりますが、図を見ていただきますと、左から平成30年度の春の産卵場の結果です。それから、真ん中が着底場、それらをあわせてネットワークを推定したものの図になっています。

 これにつきましては、春の7回の調査の結果、全てを重ね合わせたものになっています。これも以前に報告していますので、また見ていただければと思いますが、表や図のとおり、それぞれ浮遊幼生の需給関係があるというような結果が出ています。

 18ページ、ご覧ください。

 18ページは、平成30年度に実施した内容です。先ほど申したとおり、有明海沿岸4県におきまして、母貝団地の造成に取り組んでいます。30年度に漁業調整規則に基づく漁獲制限や漁業団体による資源保護が継続的に行われている12カ所をアサリの母貝団地に設定をしております。

 この母貝団地から発生する浮遊幼生の着底場をシミュレーションモデルにより、推定した結果というを載せています。左の図になりますが、その12カ所の母貝団地を表しています。真ん中の表につきましては、もう少し詳しいところを載せておりますが、先ほど松山委員のほうから御報告のあったような、有区20であったり、3号であったりというようなところも、母貝団地として設定をしているところです。

 右の図につきましては、母貝団地から発生した浮遊幼生が、どこに着底するかという結果を表しています。赤が先ほど説明をした、底質条件等が合致したところで、ここに着底するのではないかというところです。

 青い印のところについては、底質条件が合わずに、着底はしないが、浮遊幼生が来遊するということで、幼生来誘地というような表記をしております。

 昨年度の評価委員会で、山西先生から、浮遊幼生が来るという場所も示してほしいとお話もありましたので、表記しました。

 この結果、オレンジのところがアサリの漁場と言われるところですが、母貝団地から発生した浮遊幼生が、概ね有明海のアサリ漁場に着底する状況が確認できたところです。

 19ページ、ご覧ください。

 19ページにつきましては、有明海のアサリ漁場への安定的な幼生供給のためには、母貝団地間も相互に幼生を供給していることが望ましいと考えており、既存母貝団地間の相互幼生供給関係を推定しています。

 下の表をご覧ください。

 縦が供給源、横が供給先ということでなっております。供給源の一番下に熊本県の網田と載せています。例えば網田を供給源として、どこに幼生が供給されるかということで、横を見ていっていただくと、滑石、横島、松尾、川口、網田。網田は自己供給になりますが5カ所に供給しているというような見方になります。

 縦を見ていただきますと、一番左、筑後川下流、この母貝団地はどこから幼生が来ているかということで、塩津川河口、矢部川河口など、自己供給も含めて6カ所から幼生供給があるというような見方になります。

 縦のほうで一番右、網田をご覧ください。網田につきましては、網田の自己供給のみということで、他の母貝団地からの供給がないという結果になっています。

 それらをまとめたのが、表の上の三つの丸になります。熊本県網田を除く全ての母貝団地は、他の母貝団地から幼生の供給を受け、長崎県金崎を除く全ての母貝団地は、他の母貝団地へ幼生を供給していたという結果になりました。

 この結果、既存母貝団地において、複数母貝団地間の幼生需給関係があり、重層的なネットワークを形成しているということが確認できました。ただし、その網田へ幼生を供給する母貝団地がないこと、熊本県の川口への供給源は、自己供給を除き網田のみということで、網田や川口の母貝団地の管理のあり方の検討が今後必要と考えています。

 網田につきましては、かなりしっかりと母貝団地を管理する取組をしていただいており、先ほども報告がありました網袋の取組を進めていただいています。昨年度までに約1万袋の網袋を設置していただいます。さらに今年も追加をしているという状況と聞いており、また、昨日開催されました、全国豊かな海づくり大会で資源管理型漁業部門で環境大臣表彰も受けたと伺っております。

 20ページにつきましては、需給関係を各県ごとに記載しております。また、ご覧いただければと思います。

 21ページにつきましては、アサリの取組の全体的なイメージでございます。

 私からは、以上になります。

○樽谷小委員会委員長 ありがとうございました。

 ただいま4県協調の取組で実施されておりますアサリの浮遊幼生調査の結果並びに、浮遊幼生のネットワークの形成に向けた取組について、御報告をいただきました。ただいまの御報告、御説明につきまして、質問、コメント等ございましたら、承りたいと思います。何かございますでしょうか。

 岩渕委員、よろしくお願いします。

○岩渕委員 ただいま御報告ありましたネットワークに関してですけれども、松山委員のアサリの御発表で、最後の今後の課題のところで、浮遊幼生ネットワークを維持するに必要な親貝資源量の算定ですとか資源管理策が行われていないという御指摘があったんですけども、このネットワークの推定から親貝としてはこのぐらい必要だという、その資源量のところまでつながるようなものになっていくものなんでしょうか。

○松宮農地資源課課長補佐(農林水産省) まさに今年度から、資源量を加味したネットワークの推定をしようという取組をしています。ただ、色々な課題があり、すぐに成果が出せないが、母貝団地の資源量等について示すことができればと考えており、今後、取り組んでいきたいと考えております。

○樽谷小委員会委員長 ほかに、何かございますでしょうか。

 速水委員、よろしくお願いします。

○速水委員 簡単な質問なんですけども、資料10で福岡県、熊本県の有明海中部東岸でもって、比較的多くの浮遊幼生が得られた年、季節が多かったんですけども、その原因については、何か検討をされましたか。例えば、母貝資源量との比較といったことはされていますか。

○松宮農地資源課課長補佐(農林水産省) 資源量については、今、各県といろいろ情報を集めているところでございます。明確な比較はしておりませんが、やはり福岡、熊本については、アサリの非常に優良な漁場ということで、そういった要因で浮遊幼生が多いのではないかと思っています。

○樽谷小委員会委員長 ほかに御質問、御意見等ございませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、ありがとうございました。

 それでは、続きまして、各地域の特性に応じた有明海の漁場環境改善実証事業につきまして、水産庁の内海課長補佐から、続きまして、タイラギ等の種苗生産・放流・移植技術について、同じく水産庁の加藤課長補佐から、続けて御説明をお願いいたします。発表時間のほうは、あわせて15分程度でお願いいたします。

○内海研究指導課課長補佐(水産庁) 研究指導課の内海と申します。よろしくお願いします。

 当方に与えられた項目としては、アサリ生息場としての適性の検討についてということでいただいておりますので、本年1月の合同作業委員会で報告させていただいた内容に、一部新たに検討した項目を加えて、それについて今回報告させていただこうかと思っております。資料は5でございます。

 この事業、事業名にあるとおり、各地域の特性に応じた漁場環境改善の実証ということでございます。それで、それは漁業者自らが実施できる技術開発というところに主眼を置いておりまして、漁場環境改善、特に底質に対する対策等についての開発を目的として実施したものでございます。

 ただ、一方で、この事業、技術開発に必要なデータとして、行った場所でいろいろなデータをとっておりますので、そのデータを分析したものについて、今回追加してお話をさせていただくということになっております。

 それで資料の前半部分というのは、本来の事業の目的である技術開発の概要ということになっており、また後半部分に、入手できたデータをもとに、整理・分析したというものをまとめております。今回は時間の関係もありますので、資料前半部分の技術開発というところの説明は、ほぼ割愛させていただきたいと思っております。

 資料は、本年1月に報告させていただいた資料に追加していると言いましたけれども、今回追加したページというのは、各ページの表題の部分がオレンジ色になっているところでございますので、本日は、新たに加えたページに関係する部分を中心に、説明をさせていただきます。

 まず、ページ飛びますけれども、4ページ目をご覧ください。

 この事業では、有明海沿岸の25漁場において実証実験を実施したところでございます。各実験場所では、底質等の環境調査も実施しておりますので、アサリの漁場の底質、我々の事業は潮間帯のところがメインなんですけれども、そのデータが有明海全体を補完できる、潮間帯のデータとしては補完できるものとなっていると思っております。

 なお、左のほうに、参考として沖合域のデータというものについて、これまでいろいろなところで出たものを、あわせて載せております。こういうデータもあわせれば、有明海の底質に係る全体のデータということになるんではないかなと思っています。

 5ページ目をご覧ください。

 表にあるように、流況等の物理項目、あるいは水温、塩分等の水質項目、それと底質、あるいは生物に関する環境調査のデータをとっております。

 前回、底面のせん断応力というものに関して、平均値ではなくて最大値の影響があるのではないかという委員からの御指摘があったんですけれども、我々データを調べたところ、残念ながら突出したイベント時のアサリの挙動について、十分解析できる知見や実測データというのが見つかりませんでしたので、今回は解析を行っていないところです。どうぞ御了承ください。

 ページ、かなり飛びます、20ページ目をご覧ください。

 20ページ目は、各実験の実施場所の対照区の底質調査結果の平均値を用いたクラスター分析を実施したものでございます。これは前回も御報告させていただきましたけれども、6グループに区分した結果、一番右端の福岡県の大和高田のF-4地点は、シルト分とか粘土分が多く、また有機物量が特に多い場所ということになります。

 次に、21ページ目、ご覧ください。

 21ページ目は、主成分分析の結果を示しております。第1主成分はシルト・粘土分、有機物量と中央粒径の大きさ、第2主成分は硫化物が影響しており、6区分に分類された各グループとも、それぞれの底質状況に応じて区分されていることが読み取れたというところでございます。

 なお、各グループにおけるアサリの生息状況の調査結果を見ると、赤色の大和高田F-4地点では、生息が確認されなかったと。橙色の大牟田F-7、F-8の地点では、比較的少ない傾向が見られています。

 次に、22ページ目でございます。

 22ページ目は、底質環境について、アサリを対象とした既往知見のSIモデルに本事業の調査結果をプロットし、モデルを一部変更する等の検討を行った結果でございます。前回は、この22ページ目の成貝のSIモデルのみを示させていただきました。

 23ページ目に、今回、新たに稚貝のSIモデルも分析しましたので、ここに載せております。

 24ページ目をご覧ください。

 これは成貝と稚貝のSIモデルの差を見るために、両モデルの重ね合わせた図でございます。稚貝と成貝では、細粒分の含有率、ここでは左の上のところ、シルト粘土分というところの0から1に上昇していくときの数値に少し違いが見られたというのと、下段の真ん中に中央粒径というのがあるんですけれども、ここで差が見られたというものになっております。

 この差の意味するところということなんですけれども、過去の文献等では、幼生が着底する際に、足糸を出して着底していくというような着底傾向があるので、このような差が出てくるのではないかというようなことが報告されているというところでございました。

 次に、22ページ、23ページですけれども、これはSIモデルをそれぞれ各実証実験場所に当てはめた結果を示しております。

 25ページ目の成貝のSIモデル、そして26ページ目の稚貝のSIモデルでございます。ほぼ同一の形、結果になっております。

 その次の27ページ目でございますけれども、これは2526の底質のSIモデルからアサリの生息場としての適性、HSIを算出した結果をここに載せております。

 この算出方法については、一番下に米印を書いて注を振っているんですけれども、底質のSIで示した6項目、シルト粘土分、強熱減量、COD、硫化物、中央粒径、含水率の6項目の積として分析したものでございます。今後、細かく推定していくためには、他の環境項目である水質環境ですとか、物理環境、地盤高等もSIモデルも含めて検討していく必要があるだろうということと、この実際のアサリの生息とどのぐらいの確率で合っているのかというようなことの精度検証も必要かというふうに思っております。

 次に、28ページ目でございます。これは前回も提示した資料でございますけれども、各実証実験場所のアサリの5mm以下の稚貝の発生群を追いかけていったものになります。この結果から追跡した体長組成なんですけれども、有明海では1年間に17.224.4mm、約20mm成長しているということが確認されました。これは既往の知見と同程度の成果でございました。

 前回、この表、グラフを提示する際に、25年以降のアサリの成長・生残データがこの事業で得られているので、これをいろいろな年変動に比較検討していけば、アサリの成長や生残に影響を与えている原因、要因の解明にも貢献できるんではないかということをお話しさせていただいたところであります。

 29ページ目でございますけれども、これは成長量と密度、成長量と濁度のところで、負の相関関係が見られたというものでございます。平均個体数の多い地先では、成長が遅い傾向であるとか。あるいは、濁度の高い地先では、成長が遅い傾向が見られています。

 次に、30ページでございます。これは先ほど、平均の成長量を図で示したものでございますけれども。個別の地域で見ますと、ここは30ページの住吉地先でございます。ここの場合は、かなり穏やかな成長になるということ。ここでは約1年半で20mmと、漁獲サイズの30mmになるには、約2年半を要するというような場所でございますけれども。この場所は、非常に高密度に着生している漁場ということになります。

 ここでは着生が高密度になっているということで、成長が遅れているのではないかということが考えられているところでございます。

 31ページ目でございますけれども、これを裏づける事例として、我々のほうで移植試験の実験をしましたので、その結果をここに書いております。

 高密度な場所では、その場所から間引きをして、アサリがあまりいない場所へ移植するという事業が、いろいろなところで行われておりまして。先ほど、福岡の例もあり、資源量の増加に貢献しているということの報告があったと思います。

 この事業で、間引きを実際どうやってやったかと言いますと、それぞれの対照区を使いまして、4月29日、4月の下旬に殻幅13mm以下のアサリを、平米当たり2,000個体、放流をまずします。その中で最終的には8月に全て漁獲するという方向になるんですけれども、順次6月、7月、最終の8月に漁獲するやり方と、そういう間引いてやった場合に、どれぐらいの漁獲量に差が出るかということを示しております。

 間引きした場合、地撒きした場合、あるいは囲い網をした場合にあっても、約1.81.9倍の漁獲量の増加ができたということになっております。

 なお、図の中に被覆網による流出対策の成果も書いておりますけれども、被覆網のほうにおいても、かなりの効果が見られたというものでございます。

 最後になりますけれども、32ページ目でございますけれども、前回、実証場所で溶存酸素のデータはどうなっているかと、とっているのかという、委員から御質問がありまして、それに対して、私のほうは、とっていると思いますという回答はさせていただいたんですけれども、実証実験を実施した地区、全てでとっているわけではなかったので、改めさせていただきたいと思います。

 それでどういう海域でとったかと言いますと、具体的には、長崎県の小長井漁場、ここでのみの取得でございました。小長井の地先は、毎年のように貧酸素水塊の影響を受けているということから、この事業でもDOの連続観測を行っていたということでございました。

 ここで、実はそういう貧酸素水塊の被害が出ているということで、このアサリへの貧酸素の影響に係る実証実験を過去にやっておりますので、ここでちょっと紹介させていただきたいと思います。

 この32ページのように、貧酸素水塊の襲来時に、この防除幕を張って、その中に微細気泡という手法で曝気を行って、実験を実施したということです。この実験区と、その周りの対照区のDOの連続観測とアサリの生存率を検討したと。その結果、貧酸素水塊にさらされる時間が長い対照区で、やはり生残率が低下するということが確認できているところでございます。

 ただ、有明海全体を見たときに、このDOがアサリの生残に影響を与えているのは、ここのこういうような貧酸素水塊が発生される地区に限られていまして、熊本県とか福岡県の試験場所では、我々の試験場所では、強度のDOの低下は認められていないというふうに思っております。

 以上、稚拙な説明でございますけれども、前回の報告に新たな分析を追加しましたので、報告させていただきました。

 以上です。

○加藤栽培養殖課課長補佐(水産庁) 水産庁栽培養殖課の加藤でございます。

 続きまして、資料6をご覧いただきたいと思います。タイラギ等の種苗生産・放流・移植技術についてでございます。

 進んでいただきまして、1ページ目でございます。

 まず、この取組のベースとなります委員会の29年の報告のところでございますが、そもそも貝類の漁獲量が減少していく中、例えばタイラギ、これは親貝資源が減少している、浮遊幼生の発生、稚貝ともに減少しているということで、資源の再生産に大きな支障が生じている可能性が示唆されているという問題点が指摘されております。これに対する方策としては、天然発生稚貝の保護や移植だけでは、タイラギ資源の再生に必ずしもつながらないという現状であるということから、種苗生産・育成等の増養殖技術を確立するとともに、人工種苗の量産化、種苗放流・移植を推進するということになっているところでございます。

 進んでいただきまして、2ページ目でございます。

 当方で担当しておりますのが、有明海漁業振興技術開発事業というものでございます。有明海4県に定額補助で技術開発を支援しているものでございまして、貝、貝類、甲殻類、魚類、あわせて13種ほどの支援をさせていただいていますが、ここで行っておりますタイラギとアゲマキについて、今回は御説明させていただきます。

 進んでいただきまして、3ページはタイトルだけでございますので、飛ばしていただきまして、4ページ目をご覧いただければと思います。

 平成30年度以降のタイラギの取組のイメージというふうにタイトルをしております。松山委員の御説明にありましたように、タイラギは、1979年には2万トン以上の漁獲というものがあったわけですが、激減しまして、現時点では7期連続で潜水器漁が中止という非常に厳しい状況にあると。

 こういった中で、有明海の4県、それから水産研究・教育機構などの関係機関が連携して、さらにここに有明海漁業振興開発事業、あるいは有明海特産魚介類生息環境調査というふうにございますが、関係する予算も連携して、有明海全体で浮遊幼生を発生させて、母貝団地による資源回復を目指す取組というものを、昨年から始めております。

 そもそも天然の親貝がほとんどないという現状ですと、母貝として天然貝を集めるということは非常に困難でございます。このため、人工種苗を母貝として安定的に供給するということによって、浮遊幼生の発生の回復を図ろうとするというものでございます。

 近年ですと、真ん中辺、ちょっと地図の中に書いてございますが、2008年、平成20年に浮遊幼生が比較的多く観察されています。このときが大体1トン当たり約80個体ということで、これがその後の2年後の2010年の最後の漁獲のほうに、1,000トンぐらいの漁獲につながったものと考えておりますので、このときの浮遊幼生量、水1トン当たり80個体というものを目標にして、取組を進めております。

 この80個体というものを発生させるということにつきましては、水産研究・教育機構で試算をしていただいておりまして、雌雄あわせて1万個体の成貝があれば大丈夫ではないかということで、この取組では、一応それの倍の2万個というのを目標にしております。この2万個の母貝を得るために、どれだけの稚貝なりが必要になるかということで、生残率等から逆算していきまして、ここの図の左側の種苗生産35万個、中間育成5cmを6万個というふうに設定をして、技術開発を進め始めたところでございます。

 次に、5ページを見ていただきたいと思います。

 ちょっと時間がかなり押しているかもしれませんので、かなり飛ばして説明させていただきます。そもそもタイラギの種苗生産、これは昭和のころから瀬戸内海、有明海の県の水産試験場さんで取り組まれてきたといった中で、初めてできたのが平成7年、それも大体数十個というふうに言われております。

 その要因ですが、タイラギの浮遊幼生の期間が3060日間というふうに写真のところで書いてございますが、アワビとかアサリですと一、二週間ぐらいですので、まず非常に長い。非常に長い浮遊幼生の期間の間に、このタイラギ、ほかの貝では全く見られない特徴があります。その特徴が、浮遊幼生の時の殻の表面が強い付着性を持っているということで、通常のエアレーションなんかをすると、幼生が飼育中に気泡がついて、水面に浮上して、それが凝集して、大量に減耗してしまう。あるいは、物理的な刺激に対しても非常に弱いということで、水槽替えも非常に注意が必要といった、いろいろな課題がございました。

 それに対して、ここの写真下にございます、シャワー式の飼育装置、あるいは連結水槽方式の技術開発というものが進められまして、平成26年に水産研究・教育機構で、初めて10万個以上、28万個の着底稚貝の生産に成功したということで、まず、基礎的なところの種苗生産技術はできたのかなというふうになっております。

 この技術をベースにして、昨年から長崎県に加えて、福岡県と佐賀県でも種苗生産の技術開発を始めたというところでございます。

 次の6ページでございます。

 30年、31年の種苗生産の結果ですが、先ほど申し上げましたネック、やはり初めてやるということは、なかなか大変なことであったようで、最初、30年は福岡県で4,000個、今年度に関しては、佐賀県で9,000個、長崎県で400個程度ということで、それぞれいろいろな理由がございます。温度刺激で産卵誘発しますが、思うようにできなかった。あるいは、逆に不発じゃなくて暴発して産卵してしまった。それから、混入生物で減ってしまったというようなことがありました。

 こういった点につきましては、今後、関係者で問題点を洗い出して、整理、対応を検討していくというふうにしております。

 続きまして、7ページでございますが、まず、作った着底稚貝1mm、2mmと、こういったものを実際に移植できるような大きさまで中間育成をするということが必要になってきます。各県さん、30年度、今年度、種苗生産が不調でございましたので、今年度につきましては、水産研究教・育機構が、別の事業で有明海産の親貝を使った種苗生産をしておりましたので、昨年度と今年度、そこでできた着底稚貝を分与していただいて、中間育成技術の開発をしております。

 今年度でございますけど、熊本県も含めて4県で76万個の着底稚貝の分与をいただきまして、9月末現在で約14万個の稚貝を育成しています。ただ、やはり想定外のこともございますので、赤潮プランクトンが入ってしまってへい死したとか、そういったアクシデントもございます。各県、港内での垂下飼育、地先での飼育、あるいは陸上飼育といった、いろいろな形で技術開発に取り組んでいるという状況でございます。

 続きまして、8ページでございます。

 母貝団地の造成の取組でございます。これにつきましては、各県それぞれの地先の条件に合わせて、例えば福岡県であれば海中育成ネット、佐賀県であれば直植え、熊本県さんであれば垂下式といろんな形で、その地先に合った造成方式で実施しているところでございます。

 29年度に人工種苗生産した貝につきましては、結果として5,000個を移植したわけですが、昨年夏に豪雨がありまして、そのときタイラギが低塩分に弱いものですから、それが原因とみられるへい死もあって、残りとしては600個になっているという状況でございます。それから、昨年度生まれた人工種苗生産の貝に関しましては、1万3,500個を移植して、現在のところ1万個程度の生残となっております。

 トータルとして見れば、現在、1万個ちょっとというのが生残でございますので、3年間の造成目標2万個に対して、約半分ということでございます。なお、人工の貝ではなくて、佐賀県の沖合で、昨年、数十万個オーダーで天然稚貝が発生しているというのがたまたま発見されております。この表の佐賀県で、種苗種別、天然貝6万5,000個移植というのがありますが、これに関しては2万4,000個の生残という状況になっております。

 それぞれの条件に合った種苗生産、中間育成、それから母貝団地の造成といった調査に、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

 続きまして、9ページからアゲマキでございますが、表紙でございますので飛ばしまして、10ページでございます。

 これは新聞記事で出ておりましたので、皆さん、もう既にご承知のことかと思いますが、アゲマキに関しては、昭和63年に700トンぐらいのピークがありました。それに対して、非常に漁獲量が、左下のグラフでございますけど、減少して、平成9年以降は禁漁ということになってしまった。

 それに対して、佐賀県で人工種苗生産の技術開発で、母貝団地の造成、この10ページですと、左上のアゲマキ資源回復の加速化の概念図、ここで書いてございます右側の図に当たるものでございますが、これを目指して母貝団地の造成、移植を進めたという結果、これまでに累計1,000万個以上の稚貝を移植、放流したということになっております。

 次の11ページでございますが、それの結果どのぐらい天然アゲマキが発見されたか、天然アゲマキですので、放流したものではなくて、放流したものが再生産したものがどのぐらい見つかってきたかということに関しては、だんだん増えてきたということで、特に密度が高い鹿島市沖で、昨年800キロ程度ですが、22年ぶりということで試験操業を行いました。ただ、昨年の冬、雨が少なかったということで、逆に高塩分でへい死が見られたということもございますので、さらなる母貝団地の造成条件の調査を進めていくということを検討しております。

 続きまして、12ページ、ウミタケでございます。

 引き続き、13ページに移っていただければと思いますが。ウミタケに関しても、同じく資源が減ってきたということで、19年から休漁となっております。そういった中でウミタケについては、浮遊幼生は見られるけど、着底がうまくいってないのではないかということがある中で、例えば浚渫とか海底に変化が生じた場所にウミタケが立つということがわかってきていたということで、平成28年に、これは地図の青い丸ですが、ここに浚渫と盛土を行った結果、その周辺にウミタケが高密度に発生したということで、試験操業を29年に10年ぶりに行ったということでございます。

 次に、14ページに移っていただきまして、その結果を受けまして、さらに資源回復の加速化ということで。30年度からは、着底促進の試験漁場をもう一つ造成するとともに、あわせて種苗放流も行うことによって、さらに加速化して資源回復を図ろうというふうにしております。

 急ぎ足でございましたが、以上でございます。

○樽谷小委員会委員長 ありがとうございました。

 ただいま、二つの水産庁事業で取り組まれている、アサリとタイラギに関する調査や研究結果の概要について、御説明をいただきました。

 ただいまの御説明につきまして、質問、コメント等ございましたら、承りたいと思います。

○川原委員 佐賀県の川原と申します。質問ではなくて、資料の訂正をお願いします。4ページのタイラギの母貝団地の造成個所、佐賀県の青いマークですけども、私どもから水産庁さんにお送りした時、データにずれが生じたかと思いますが、この位置が違っていまして、申し訳ありません。正しくは、8ページにあります母貝団地造成箇所、こちらの位置になりますので、後もって修正したものをお送りさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○樽谷小委員会委員長 ほかに御質問、御意見等ございませんでしょうか。

○滝川委員 すみません、資料の5のほうのHSIモデルのところについて、若干コメント的な質問といいますか、ちょっとお願いしたいと思います。

 生息環境評価の手法として、SIモデル、HSIを使うということは、一つの手法かなというふうに思っていて、ここで試みられているということは、ありがたいというふうに思っています。いろいろ御検討をいただいていて、まだ課題もあるかなということをおっしゃっていただいたんで、そういった意味でのコメントをちょっと申し上げたいとは思っているんですが。

 一つだけ質問なんですけど、算出式の、27ページのところで、HSIの算出式が一番下に書いてあって、全部掛け算、ここでつくられたSIモデルを冪乗といいますか、掛け算で評価されている。この意味は、どういう意味でつくられたのかなということ。意図があって、この掛け算、いろんな算出方法があるんですが、どういうふうな視点で、この掛け算として評価されているのかということをお考えがあればお伺いしたいと思っています。

○内海研究指導課課長補佐(水産庁) いろいろなやり方あるのは承知しておりまして。それでいろいろ試している中で、一番まずこの積のやり方が、現状に合っているんじゃないかなということで、これを使っている。

○滝川委員 その現状に合うという判断の基準がどこかになければいけないというふうに、私ちょっと思っていまして。掛け算しちゃうと、全部1が、掛け算だと1になるんです。一つでも項目が0のところがあれば、0になる。ですから、ものすごく一つ一つのそれぞれの要素の一つ一つの効き方がかなり厳しくなるといいますか、完璧じゃないと1にならないというふうなことの評価に。あえて、ですからそれをそういうふうな算出式を用いられたというのに、何か意図があるのですかという質問です。

○内海研究指導課課長補佐(水産庁) 分析の途中なので、その辺の意図について、またちょっと確認してですね。

○滝川委員 そういった意味では、算出式もそうなんですが、どういうSIモデルをつくるかということがもっと大事で。ここでは成貝と稚貝についてそれぞれSI、しかしよく項目を見てみると、底質項目だけですね。今後検討しますとおっしゃったので、そのために成貝と稚貝の基本的な違いは何かということも入るような項目、例えば塩分濃度なんてダイレクトに効いてくるわけです。そういったことも入れないと、成貝、稚貝でありますとおっしゃっても、これが今後どういうふうな思想といいますか、考え方をもって整理されていくのかなというのは、やっぱりきちっと考察された上で使用していくべきだろうというふうに思ったものですから。ぜひそういったことも含めて、今後御検討をいただければということで、ちょっとコメント的な意見ですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

○内海研究指導課課長補佐(水産庁) 先ほどお話しさせていただいたように、水質環境項目とか、そういうところのSIの分析も今進めておりますので、委員からの意見を踏まえて、またよりよいものにしていきたいと思っております。

○滝川委員 よろしくお願いいたします。

○樽谷小委員会委員長 ほかに、何か御質問、御意見等ございませんでしょうか。よろしいですか。それでは、ありがとうございました。

 それでは、以上で、議題の1を終了させていただきたいと思います。御議論等ありがとうございました。

 それでは、続きまして、議題2、その他に移りたいと思います。本日は資料の7といたしまして、令和元年8月の前線に伴う大雨による水産関係被害についての御報告を用意しておりますので、水産庁の山本課長補佐より、御説明をお願いいたします。

○山本漁場資源課課長補佐(水産庁) 水産庁漁場資源課の山本でございます。簡単に説明させていただきます。資料は、資料7でございます。

 令和元年8月の前線に伴う大雨による水産関係被害ですが、気象概要としましては、8月26日から8月29日までということですが、有明海周辺で大雨があったのは8月28日でございます。そのうち農林水産省で公表しております降水量の情報から、有明海の関連地域を抜粋したものが1でございます。主に佐賀県を中心として大雨が降ったということです。

 2番目の水産関係の被害としましては、漁船7隻のほか、漁具倉庫等と書かせていただいておりますけども、ノリの加工施設等が13件、被害を受けております。

 また、今回の大雨では、佐賀県大町町の鉄工所から油が流出したということがございました。この鉄工所から六角川という、有明海に流入する河川に油が流出したわけですが、水産庁としましては、この流出した油による漁業被害の防止のため、佐賀県からの要請を受けまして、公益財団法人海と渚環境美化・油濁対策機構から現地に専門家を派遣しまして、調査や防除、回収についての指導をさせていただきました。

 大雨直後は有明海で一部油膜が確認されていたという報道がございましたが、回収の作業のほか、六角川の河口に河口堰がございまして、鉄工所からの油というのは、ほぼ有明海に流出していないだろうという状況でした。有明海で見られた油は、大雨で浸水被害が広く起こっておりましたので、自動車等の油ではないかというふうに言われておりまして、ほぼ数日で拡散し、8月末には河川や有明海では、油膜はほとんど確認されませんでした。9月27日に佐賀県で行われた調査でも、有明海で油分は検出されないという状況でございました。

 最後に、大雨で流木等の漂流・漂着物も発生しておりますが、漁業者等関係機関の皆様の御努力によりまして、ノリの生産等には影響なく、その生産の前に漂流・漂着物を回収できたということになっております。

 なお、流木については、これまでの過去の大雨と比較しまして、かなり少ない数であったというふうに聞いております。

 一方で、大雨によりまして、先ほど加藤が申し上げたとおり、タイラギやアサリ等二枚貝の資源に対する被害というのは起こっていくものと考えておりますので、今後とも資源状況については注視していきたいと考えております。

 以上になります。

○樽谷小委員会委員長 ありがとうございました。

 ただいまの水産庁からの御報告、御説明につきまして、御質問等ございましたらお伺いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。特によろしいですか。

 それでは、ありがとうございました。その他につきまして、ほかに事務局から何かございますでしょうか。

○権藤閉鎖性海域対策室室長補佐 特にございません。

○樽谷小委員会委員長 分かりました。それでは、本日の委員会全体を通しまして、各委員の皆様から何かございましたら、ここで承りたいと思います。何か全体を通して、ございますでしょうか。

 松山委員。

○松山委員 本日は二枚貝の取りまとめに関して、私のほうからも発表させていただきました。資料がちょっと膨大で、時間をオーバーさせてしまって、大変申し訳ありません。ここでお詫びしたいと思います。

 ただ、二枚貝に関しては、各種いろんな事業あるいは調査が行われていまして、非常にデータがたくさんございます。本日紹介できなかったデータというのも、実はたくさんありまして、例えば環境項目と二枚貝の資源の変動との関係とかなってくると、まだほかにも漏れたものが多数ございます。もし可能であれば、今後の第5回、第6回の委員会においても、そうしたとりこぼしの部分を少しでも拾っていただけるような時間を事務局のほうで設けていただけたらと思っていますので、よろしくお願いします。

○樽谷小委員会委員長 それについては、よろしいでしょうか。

○権藤閉鎖性海域対策室室長補佐 はい。以後、第6回までで情報収集・整理・分析を行うということですので、二枚貝につきまして、以後の小委員会でも取り扱っていきたいと思います。

○樽谷小委員会委員長 ほかに全体を通して、何かございますでしょうか。

 私のほうから、最後に事務局のほうに確認をさせていただきたいんですが、本日御報告いただきました内容などを受けまして、今後、評価委員会として、どのように再生に係る評価等を進めていくのかという点につきまして、もしお考え等がお決まりでしたら、簡単に御説明いただけないでしょうか。

○中野閉鎖性海域対策室長 では、私のほうから。御案内のとおり、今の評価委員会のフェーズにつきましては、平成29年3月の報告以降の評価をしていただいているところで、現在のフェーズでは、令和8年度を目処に、新たな報告をまとめるというような大きな目標の中、その半分の期間であります令和3年度に中間的な取りまとめをさせていただくということを、これまでの小委員会でも御承認いただいたところでございます。

 この中間報告のイメージなんですけども、大まかなイメージで恐縮ですが、この中間報告、令和3年度の時点までに、どんな取組なり成果が出ているかというのを確認した上で、もともと平成29年3月の報告書では、再生目標というものを掲げております。あるいは、再生方策というものも具体化させていただいているところでございますので、こうした再生目標に対して、再生方策がどの程度進捗しているのかといったような進捗度合いの評価ですとか、残りの5年間、その令和8年度に向けて、どういったデータが足りないですとか、どういった取組が足りないといったところを、今後特に留意する点としてまとめるようなものができればというふうに思っております。

 この検討ですけども、先ほど、権藤から申し上げましたとおり、今回が第4回ですけども、あと第5回、第6回と、2回ほどでこれまでに整理されている調査研究の成果ですとかといったファクトの御報告をいただいた上で、評価委員会の知見として整理をさせていただきたいと思っております。その第6回以降、それを踏まえて、今申し上げたような中間取りまとめに向けた検討をお願いしたいと思っているところでございます。

 事務局としても、そうした特に中間報告に向けた素案を作成して、評価委員会で御議論いただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○樽谷小委員会委員長 ありがとうございました。

 それでは、今事務局のほうから御説明をいただいたような方向性、内容で、今後進めていただければと思いますので、引き続き、御協力をよろしくお願いいたします。

 そのほか、よろしいでしょうか。

 それでは、予定より時間が超過してしまいましたが、これで本日予定されていました議事につきましては、全て終了いたしました。議事進行に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

 それでは、進行を事務局にお返しいたします。

○和田閉鎖性海域対策室主査 樽谷委員長、ありがとうございました。

 事務局から、最後に2点御連絡がございます。

 本日の議事録ですが、後日、事務局から確認をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 その後、議事録につきましては、環境省のウェブページで公開する予定でございます。

 また、次回の小委員会でございますが、今お話もありましたとおり、次回の小委員会の議題としては、ノリ養殖、魚類等を中心に、情報収集を行いたいというふうに考えているところでございまして、予定としては、令和2年2月頃を予定しております。また、小委員会の開催日につきましては、委員の皆様の御都合を伺いながら調整したいというふうに思っております。

 それでは、以上をもちまして、第4回水産資源再生方策検討作業小委員会を閉会させていただきます。

 本日はありがとうございました。

午後12時17分閉会

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