海域再生対策検討作業小委員会(第13回)会議録

日時

平成28年5月24日(火)10:0015:00

場所

天神チクモクビル 大ホール

出席者

<第1部 海域再生対策検討作業小委員会>

小委員会委員長 : 滝川清委員長

委員 : 小松利光委員、樽谷賢治委員、山口敦子委員

臨時委員:小林政広委員

専門委員 : 桐博英委員、橋本晴行委員、東博紀委員、松野健委員

事務局 : 水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、水環境課閉鎖性海域対策室主査

10時00分 開会

○鳥山閉鎖性海域対策室主査  定刻となりましたので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第13回海域再生対策検討作業小委員会を開会いたします。

 最初に、本小委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 なお、本日の海域再生小委員会は、午前10時から午後3時までとしていますが、10時から12時までは通常どおりの開催、お昼休みを挟みまして、午後1時から午後3時までは生物小委員会との合同でのセッションといたします。

 続きまして、所属機関の人事異動に伴いまして、新たに2名の方に委員にご就任いただいておりますので、ご紹介いたします。

 まず、清水委員の異動に伴いご就任いただきました、国立研究開発法人森林総合研究所の小林委員です。

 白谷委員の異動に伴いご就任いただきました、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の桐委員です。

 委員の出席状況ですが、まだ小松委員がお見えになっていないようですが、欠席のご連絡を山口啓子委員、古川委員よりいただいております。また、本日は評価委員会の岡田委員長にもご出席いただいております。

 続きまして、配付資料を確認させていただきます。

 まず、本日の議事次第、次に、委員の方のみとなりますが、座席表がございます。その次に、資料1、委員名簿、資料2-1、2-2は第38回評価委員会と第12回海域小委員会での委員意見及びその対応案となっております。その次、資料3が、委員会報告の目次(イメージ)となっております。続きまして、資料4-1から4-7、こちらが有明海・八代海等の環境等変化の資料でございます。資料4-1から汚濁負荷、河川、潮流・潮汐、水質、底質環境、藻場・干潟、生物となっております。続いて、資料5、6-1から6-7、7-1から7-5は、問題点とその原因・要因の考察といたしまして、有明海と八代海の海域ごとにまとめた資料となっております。それから、8-1、8-2が再生への取り組みで、8-1が概要、8-2が貧酸素水塊の改善方法検討のための要因解析となっております。

 次に、午後1時からの合同でのセッションの資料といたしまして、別にクリップでとめました資料を確認させていただきます。こちらの合同資料1-1から1-4までが、各県からの報告といたしまして、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の資料となっております。続いて、合同資料2-①、2-②-1、②-2、こちらが農林水産省からの報告に関する資料となっております。そして、合同資料3が魚類関係の資料となっております。

 このほか、参考資料といたしまして、参考資料1、生物・水産資源、水環境問題検討作業小委員会(第13回)の資料を配付しております。なお、この参考資料につきましては、委員のみの配付としておりますので、ご承知願います。

 不足の資料がございましたら、事務局までお申しつけください。

 報道取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の進行は、滝川委員長、よろしくお願いいたします。

○滝川小委員会委員長  皆様、おはようございます。

 早速ですが、議事を始めさせていただきたいと思います。

 本日の議題につきましては、議事次第の一番最初に五つございますが、皆様のお手元の資料3をご覧いただきますと、委員会報告目次のイメージというものがございます。その五つの議題のうちの最初の本日の議題1は、第3章、有明海・八代海等の環境等変化に関係した議題でございます。それから、本日の議題の2、海域毎の問題点とその原因・要因の考察についてが、資料3の目次の第4章に対応いたします。それから、本日の議題の3、再生への取り組みが、目次の資料3の第5章に関連することになっております。

 また、本日の議題の4、関係県、農林水産省からの報告項目は、午後1時からの生物小委との合同開催として、関係県、農林水産省等からの報告を受けることになっております。

 資料がたくさんございますし、新たにご検討いただく内容もございますので、どうか議事進行にご協力をよろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは早速ですが、議題の1、有明海・八代海等の環境等変化についてでございますが、その前に、先ほど資料3の目次について変更がございましたので、事務局から説明をお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  それでは、説明させていただきます。

 資料3の前に、資料2もございますので、まず、そちらから説明していきたいと思います。資料2-1という横長の表の資料をご覧ください。これは、資料2-1と資料2-2をとじたものですが、3月の評価委員会における委員の意見及び対応案です。

 3枚ほどおめくりいただきますと、資料2-2としまして、前回2月23日に開催いたしました12回海域再生小委員会の委員からの意見と対応を掲載しております。時間の都合もあり、資料の中身の説明は割愛させていただき、各資料の中で適宜ご説明できればと思っております。

 資料3の目次(イメージ)をご覧ください。これは、これまで参考資料としてつけておりましたが、1月7日に開催しました第37回評価委員会で、小松委員より、3章につきましては、インプット、原因、結果、こんな形で並べたほうが理解しやすいのではないかというご意見を頂戴いたしました。3章の3番の潮流・潮汐はこれまで5番目に入っていたのですけれども、これを3番目に上げまして、順番を変えさせていただきました。これもまだイメージということで、固まったわけではございませんので、引き続きご意見等いただきながら進めさせていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございました。

 ただいま事務局から目次のイメージの変更点について説明がありましたけれども、これにつきまして、何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。

 特にないようでございますので、ご異論がなければ、修正後の目次に従いまして本日の議題を進めさせていただきたいと思います。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。第3章の資料の説明ということで、議題の2、有明海・八代海等の環境変化について、前回小委員会からの変更点も含めて、あわせて事務局から説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  それでは、資料4-1と書いてあります資料をご覧ください。これは、資料4-1から4-7までをとじたものです。

 先ほどの目次(イメージ)には3章として9項目ございまして、このうち海域再生小委として検討を行います7項目、汚濁、負荷、河川、潮流・潮汐、水質、底質環境、藻場・干潟、生物のうちのベントスについて記載をしております。

 それでは、資料4-1からご説明させていただきます。なお、資料については、全て右上に資料のタイトルを小さな字でつけておりますので、これとページ番号を参照しながら、資料を見ていただければと思います。

 まず、有明海・八代海等の環境等変化(汚濁負荷)についてです。

 まず(1)として、陸域からの流入負荷ですが、下の図右側の凡例にございますように、有明海に流入いたします八つの一級河川等について、その流域別に算出したものです。有明海におけるCOD、T-N、T-Pの流入負荷は、相対的に昭和50年代に高い年度もありますが、平成10年度以降は低い傾向にあります。流域別に見ますと、筑後川流域からの流入負荷が最も多く、それぞれ全体の20ないし50%程度を占めております。

 次に、2ページの(2)排出負荷量です。これにつきましても、COD、T-N、T-Pについて算出しておりまして、昭和50年代が高く、徐々に減少しています。

 発生源別に見ますと、CODは昭和50年代では生活系及び産業系の割合が高いのですが、近年になるにつれて、それらの割合が減少します。T-Nについては、昭和50年代では産業系及び自然系の割合が高かったのですけれども、近年になるにつれて産業系の割合が減少し、畜産系、自然系の割合が高くなっています。

 T-Pにつきましても、昭和50年代では生活系、産業系の割合が高いのですけれども、近年になるにつれて産業系の割合が減少しています。

 次に3ページの(3)海域への直接負荷を含めた汚濁負荷をご覧ください。

 4ページにグラフが四つ載っておりますけれども、有明海の直接負荷を含めた汚濁負荷につきましては、陸域からの流入負荷とほぼ同じ傾向にありまして、昭和50年代に高く、その後は減少傾向にあります。

 5ページに、算定方法について記載しております。ただいま説明しましたように、算定項目はCOD、T-N、T-Pとしています。算定年度ですが、下の表1に書いていますように33箇年となっておりまして、18年報告では平成13年までの21箇年ですが、今回は平成25年度分までを掲載しています。

 次に6ページは海域への汚濁負荷量の算定方法でございまして、下の表の2にございますけれども、18年報告では、ここには記載しておりませんけれども、1級河川の基準点より上流についてはL-Q式、それ以外の基準点下流及びその他の流域では原単位法を使って計算しておりましたが、今回は、平成8年から発生負荷量調査を環境省で実施しておりまして、その結果に合わせていくということで、過去にさかのぼって一部修正をさせていただきました。それを表2の算定方法に記載しています。

 算定で補正した結果、T-Nについては大体同じだったのですが、COD、T-Pは、従来の18年報告よりも減少傾向を示しております。

 海域への直接負荷量の算定方法については7ページに記載しております。これは前回の18年報告とほぼ同じ内容です。

 次に、資料4-2をご覧ください。河川ですが、前回ご説明していますので、中身の説明は割愛させていただきまして、主な修正点のみ説明させていただきます。

 まず、3ページの下に、球磨川の年間総流量の推移がございます。平成25年について、前回はこのデータがなかったんですが、米印で平成25年は11日分の欠測あることを注記し記載しております。

 そのほか委員からご指摘を受けた文言の修正が若干ございますが、それにつきましては説明を割愛させていただきます。

 次に、資料4-3、潮流・潮汐についてご覧ください。まず、有明海の潮位の変動について、潮位の状況の文章と表は、平成18年報告のまま記載しております。主な内容としまして、有明海では湾口から湾奥に向かって潮位差が増大していることが表1に書いてございます。有明海の最も大きな分潮成分として、M分潮であることが表2に示されております。

 2ページは潮位差の比較で、湾奥ほど潮位差の年平均とその変動幅の経年経過が大きいということで、グラフに、阿久根、口之津、三角、大浦と湾奥に行くに従って潮位差が大きくなっているということが示されています。これも平成18年報告の内容をそのまま載せております。

 3ページの図2と図3につきましても、平成18年報告の記載をそのまま載せています。

 次に4ページですが、M分潮の振幅の比較について、前回は1970年から2000年までのグラフを載せておりましたが、今回2010年までの資料を新しく更新しております。ただ、記載のほうは、M分潮が1980年から1999年の間に4%減少しているということで、前回どおりの記述となっております。

 次のページの図5、図6につきましても、前回の評価委員会報告をそのまま掲載しております。6ページの表3、M分潮振幅の減少に関する各要因の寄与率に関する見解につきましては、最近新たな見解が出ておりますので、前回報告までは見解4までを載せていましたが、今回見解5を新たな見解ということで載せております。これによりますと、過去80年間ではM分潮振幅減少の大部分は干拓等の海岸線の変化ではなく、外海のM分潮振幅の減少であるということが示めされています。

 次に7ページをご覧ください。これは有明海の潮位の上昇について記載しております。18年報告では2000年までですが、今回2014年までのデータを記載してございます。上昇傾向ということで、ここについては変更はありません。

 次に8ページをおめくりください。八代海についても、前回の平成18年報告の文章、図をそのまま掲載しております。

 9ページの図9につきましても、前回平成18年報告の図を使用しております。

 潮流・潮汐につきましては、次に潮流の変動という項目がありますが、これにつきましては次回の小委員会でお示しする予定です。

 次に、資料4-4をお開きください。これは水質の各変化を示していまして、前回は、3ページ以降の測定地点の図以降のものを載せていたんですが、今回経年変化の表を新たに記載いたしました。

 もう1点、変更点があります。4ページをお開きください。回帰分析結果のカラーの表がございますけれども、前回小委では、データ整理中ということでお示しできませんでした塩分を追加しております。さらに、4章で海域区分をしておりますが、その海域区分に沿って、この表の一番左側にありますが、A1海域からA7海域に分けて、順番にお示ししております。

 同様に、八代海については12ページ、橘湾については16ページ、牛深港については19ページに掲載しています。

 次に、資料4-5、底質環境についてです。

 まず、有明海の底質ですけれども、この図1は、九州農政局で作成した図を、こちらのほうでカラーのコンターを付け加えさせていただきました。一番上にある2行につきましては、前回の18年報告とほぼ同じ内容になっています。

 次に2ページ、図2といたしまして、COD、T-N、T-Pについての環境省での調査結果を掲載しております。これは平成26年度の調査結果でございまして、有明海以外の八代海、橘湾についても、記載してございます。

 3ページにつきましては、海底堆積物中に含まれる富栄養化の要因である珪藻についてお示ししていまして、文章、図とも平成18年と同じです。最後の行に、「なお、底質環境の経年変化については4章で海域ごとに詳述している」ことを追記しています。

 次に4ページをお開きください。2の八代海の底質です。これにつきましては、文章と図4につきましても、前回、平成18年の報告と同じものを記載しています。

 次に、5ページですが、新たに橘湾の底質について記載しております。図5として、橘湾の中央粒径を掲載しています。

 4番目といたしまして、底質中の重金属・有害化学物質につきましては、平成18年と同様の記載としております。

 次に、資料4-6、藻場・干潟についてご覧ください。

 (1)有明海の藻場・干潟ということで、環境省自然環境保全基礎調査の結果を記載しておりますけれども、平成8年から9年の第5回の調査以降、新たな藻場・干潟に関しての調査が行われてないため、内容につきましては、平成18年の報告のままとなっております。八代海についても同様です。字句の修正をお願いしたいのですが、八代海の藻場・干潟の2行目に図1とあるのは表1の誤りです。大変申しわけございません。

 下から3行に、球磨川河口の金剛干潟におきまして、国交省でアマモの植えつけ等を実施しておりまして、これについてご紹介しております。内容につきましては、4ページに、国交省での取り組みを写真で記載しております。

 次に、5ページ(3)の有明海における干拓の変遷につきましては、有明海における干拓の歴史ということで江戸時代からの記載が載っているのですが、これも平成18年の報告のまま記載しています。(4)有明海・八代海における自然海岸につきましても、自然環境保全基礎調査についてのデータが更新されておりませんので、18年報告をそのまま掲載しています。

 次に、資料4-7、生物(ベントス)についてご覧ください。2ページに平成26年度に環境省で実施しました夏と冬における底生生物の水平分布の状況を記載しています。有明海、八代海、橘湾について記載していまして、有明海につきましては、種類は湾央から湾口寄りで多く、個体数は湾口寄りで多い傾向、湿重量は湾奥で大きかった。八代海では種類数、夏季の湿重量は湾奥、湾口寄りで多く、個体数は湾口寄りで多い傾向であった。橘湾では、種類数、個体数及び湿重量は湾奥より湾口寄りが多い傾向がみられたと記載しています。

 次に、3ページの図2ですが、有明海北西部におけるマクロベントスのうち二枚貝鋼の調査結果です。これは、これまでの小委で参考資料2として掲載していたものを掲載しています。

 資料4については以上です。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございました。

 ただいま事務局から目次のイメージの第3章関係についての資料の説明がございました。これにつきまして、何かご意見、ご質問等ございませんでしょうか。

 有明海・八代海の環境等特性の変化について各項目に整理をし、前回の報告書に新たに加えられるところは加えながら整理していただいているところです。

 何かご意見等あればと思いますが。どうぞ、桐委員。

○桐委員  資料4-3の潮汐・潮流の部分についてですが、平成18年度の報告から、この潮汐の分に関して変わったのは、先ほど田井先生の論文を参照された、例えば、4ページの図4が2010年までグラフが延びたとか、6ページに見解5が加わったことだと理解でよろしいんでしょうか。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  ご指摘いただきましたように、図4と表3、ここに田井先生ほかの論文からのデータを追記いたしています。

○桐委員  それから、有明海の再生については潮流の流動のほうがもっと重要になると思うんですが、今日は潮流に関しての資料はありません。平成18年の報告から比べると、近年の研究成果も加わった形で補強されるという理解でよろしいですか。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  基本的に、この3章の部分は、ほかのところもそうですが、中身としては、前回18年報告からのリバイス、新しいデータをつけ加えるということで、資料の構成を考えております。

○桐委員  平成18年当時から比べると、シミュレーションなんかも相当進んできておりますので、特に潮流に関しては、そういう部分の補強をぜひともよろしくお願いします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  引き続きアドバイス等よろしくお願いいたします。

○滝川小委員会委員長  ほかにご意見ございませんでしょうか。どうぞ、樽谷委員。

○樽谷委員  1点確認と1点コメントです。

 ます、冒頭の汚濁負荷の部分は、今回、有明海のデータのみをお示しいただいていますけれども、ここに八代海の部分も加わると理解していいのか確認します。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  ちょっと説明が漏れてしまいました。今回、有明海分を示しておりますが、次回、八代海についてもお示しする予定です。

○樽谷委員  コメントは、この部分でさまざまな項目について長期変動の結果をお示ししていただいているんですけれども、西暦表記と年号表記が混同していますので、最終的にはどちらかに統一されたほうがよろしいかと思います。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  年号の西暦と和暦の混在については、どうしても運用の点等で問題が出てくるので、この点につきましてはさらに検討していきたいと思います。

○滝川小委員会委員長  ほかにございませんでしょうか。橋本委員、どうぞ。

○橋本委員  簡単な質問なんですけれども、資料の4-5の1ページに底質分布と書いてあるんですけれども、どれを見れば底質がわかるんですか。数値ですか、それとも色ですか、どちらですか。

○根木閉鎖性海域対策室長  底質の中央粒径を示して、あと泥分率を示していて、こうすればわかりやすくなるという表記の仕方があれば、アドバイスをいただければありがたいと思います。

○橋本委員  泥質の割合が色で底質は粒径とか、それを数値で示されていると理解していいんですか。

○根木閉鎖性海域対策室長  そうですね。中央粒径については、少し小さくなってしまいますが、この図の中に数値をお示ししています。

○橋本委員  そうですか。底質分だったらまずは数値のほうが大事だと思うんです。それで、一生懸命さっきから見ていたのですが、全然わからないので、底質分布だったら、まずは数値のほうを色分けするとか何らかの工夫をして示さないと、さっぱりわからないです。

○根木閉鎖性海域対策室長  少しわかりやすくなるように検討してみたいと思います。

○滝川小委員会委員長  先ほどのご説明の中では、平成18年度のものに、農水省か何かの泥分分布を重ねたとかいう表現をされていました。重ねてあるから、下の含泥率のところと、今ご質問の泥分率、Mdφのコンターラインとが見えなくなっていて、何が何なのというご質問だと思います。今のご回答のように、わかりやすく整理していただきたいと思います。

○橋本委員  有明海の底質分布という図の表題がありますから、私たちは底質、すなわち粒径を見ます。どういう分布で、どういう粒度のものが、有明海のどういうところに、どうたまっているかというのを、まず見るわけですよね。表題としてそう書いてありますから。それでさっきから一生懸命見ていたんです。表題と図との関係性ですね。

○滝川小委員会委員長  そこら辺もよろしくご検討ください。

 ほかにご質問ございませんでしょうか。はい、東委員。

○東委員  まず、確認ですが、資料4-4はまだ作成中という理解でよろしいでしょうか。というのも、文章の考察が全く入っていないので、ちょっと確認をさせてください。資料4-4は、水質の表と図しかないんですが。

○根木閉鎖性海域対策室長  平成18年のときのスタイルを踏襲しておりまして、基本的なスタイルをお示ししております。

○東委員  ほかの資料に関しては文章の考察がありますので、一応体裁はそろえたほうがいい気がいたします。そういった意味でも、河川負荷と水質は、かなり関係が近いので、章の構成としても、汚濁負荷と水質というのは近いほうがいいという印象を受けました。

○根木閉鎖性海域対策室長  構成については、先ほど資料3のところで、引き続きご意見をいただきたいと申し上げましたが、3章はインプットに基づいて水環境のデータがどうなったかということ、そして、その環境に住む生物などがどうなったかという構成がいいのではないかと以前にご指摘をいただきました。インプットに、汚濁負荷や河川、そして潮流・潮汐という三つがありまして、水質や底質環境、貧酸素水塊というのがその次のグループになるのかなということで、今日、その順番でお示しをしておるところです。このあたりについては引き続きご意見をいただければありがたいと思っております。

○滝川小委員会委員長  よろしいでしょうか。ほかにございませんでしょうか。

 これは、目次のところの第3章に相当するところで、有明、八代海の環境がどうなっているかを整理されている、あるいは過去の分に新たなデータを加えて整理されているんですけど、事務局にお願いごとがあります。それぞれの調査項目について、これはまだ途中で完全版ではないといつもご説明されますね。それぞれの項目は、今ご説明なさったのが完成版ではなくて、いろいろご意見をいただきながらやりますという話と、先ほどの潮汐・潮流のところにもありますように、潮位はあるけど、それ以外のものがないということを議論の前提としてご説明いただけると、こういうところがまだ足りないんですよ、ここはまだ検討中ですよということを、明確にわかるような資料にしていただかないと、議論が前後してしまって、前に進まないということになります。ご説明のときに、どこまで完成されて、どこが完成されてないということを明確にしていただけると、議論しやすい気がいたしております。それをちょっとお願いしたいと思います。

 それと、生物小委のほうでは、同じ第3章関係のところで、赤潮、あるいは生物というところが入ってきますね。この海域再生の小委のほうでも、そこの赤潮のところは生物小委で議論すべき資料が全然ないので、ここで議論する内容ではないかもしれませんが、それを一応出していただいて、この海域再生の小委の先生方にもわかるような情報として資料を提供していただけたらありがたい、そういうふうにお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長  ご指摘を踏まえまして、なるべくわかりやすくしていきたいと思います。生物の小委員会にも資料をお配りさせていただいておりますが、なるべくご指摘を踏まえて、わかりやすくしていきたいと思います。

○滝川小委員会委員長  同じ項目だから、同じところに入っていたほうが、ストーリー的に見やすい気がいたします。よろしくお願いいたします。

 ほかに何かございませんでしょうか。

 それでは、ただいまいただきましたご意見を踏まえまして、次回の小委員会等で、引き続きご議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、次の議題の2、海域毎の問題点とその原因・要因の考察について、資料5が海域区分と海域特性、資料6が有明海、資料7が八代海となっておりますけれども、前回の2月に開催いたしました第12回小委員会からの変更点等につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  それでは、資料5、問題点とその原因・要因の考察の基本的な考え方という資料をご覧ください。

 これは既にお示ししているとおりで、現在、(1)の海域区分の意義に書いてありますように、環境特性により区分した海域ごとに問題点及びその要因考察を進めることによって、各海域の再生に係る適切な評価、再生への取り組みの方向性を見出すことにつながることが期待できるということで、考察を加えているところです。

 資料5の3ページには、主に海域区分ごとの環境特性の現況について整理しています。時間の都合上、中身の説明は割愛させていただきますが、ここにつきましては、これまで各委員から、委員会の席でご意見をいただいたり、個別にご指摘をいただいておりまして、適宜修正しています。まだ修正していない、検討中のところもありますが、気になる点等がございましたら、引き続きご指摘いただければと思います。

 それでは次に、資料6-1をご覧ください。資料の6-1から6-7までが有明海分、そのほか八代海分について資料7-1から7-5をとじています。時間の都合上、主な変更点、修正点を中心に説明させていただきます。

 まず、資料6-1、A1海域、有明海湾奥部ですが、資料構成といたしましては、1番が海域の特性、2ページに連関図、3ページからはベントスの減少について考察しております。

 今回の変更点については8ページをご覧ください。要因の考察について、下から5行目、「粘土シルト分が100%に近い値で推移していた地点、Asg-2を含め」ということで、泥化についての検討の記載が若干抜けておりましたので追記しています。

 次に10ページをお開きください。ベントスの減少の要因の検討のために、底質の泥化について考察しております。埋没測定板での測定結果について、前回の小委員会でご紹介させていただきました。その際に、埋没測定板上の粒度組成についても見る必要があるというご指摘を受けましたので、12ページに粒度組成についてのデータを記載させていただきました。結果的には、2009年から2015年におきましては泥化を含む堆積物が一様に減少している傾向はみられなかったという考察をしています。まとめにつきましても前回と変更ございません。

 次に、資料6-2、A2海域、有明海湾奥東部の追加部分です。5ページをお開きください。ベントスの出現主要種の推移ですが、考察を載せているんですけれども、その二つ目、2009年以降のところに、「個体数は軟体動物が多く、個体数の推移と出現主要種の推移のデータを勘案すると、個体数の多い年はホトドキスガイが占有していると推察される。ホトトギスマットの形成は、二枚貝類が貧酸素や硫化物の影響を受けていないことを示唆する。」という考察を追加いたしました。これは、委員からいただいた意見を考察として加えています。以下、その都度、またご紹介したいと思います。

 次に15ページをご覧ください。これは覆砂のエリアを示したものですが、覆砂を実施したエリアをもう少し細かく確認すべきという意見がございましたので、関係県が実施した主な覆砂事業、水産庁の補助事業で行われているデータをいただきまして、プロットし直したものです。

 前回、調査地点の粒径、加積曲線の変化により人為的影響を受けているということで、評価の対象外としていた地点がありました。しかし、これを見ますと、オレンジ色のところがA2海域なんですが、調査地点と覆砂エリアがダブっているところはないことがわかりました。このため、ちょっと戻っていただきまして、12ページの図9、黒い丸が覆砂のエリアですけれども、こちらのほうがA2海域ではなくなりました。そういった点を修正しました。

 あわせて、13ページをお開きください。これはA2海域にはつけてなかったのですが、図の上に②、③、④と、まとめ方、考察過程を書いてあって、この観点からデータの判定図を掲載いたしました。青と赤の矢印がございますが、凡例にありますように、青が粗粒化傾向、赤が細粒化傾向ということで、一方向の細粒化、粗粒化傾向を呈してはいないことを示しています。

 さらに、個々の地点についての生データを絶対値で見るべきだというご意見もございました。そこで、14ページに、A2海域の18地点の中央粒径、粘土シルト分及び微細粒子の含有率の推移を掲載しました。細い薄い線が全18地点のグラフなっております。赤い線が平均値です。このデータにつきましては、8ページから10ページにコンター図で示しています。時期によって細粒化、粗粒化の傾向がみられます。

 次に、21ページをご覧ください。これも先ほどのA1海域と同じ図なんですけれども、埋没測定板の粒度組成について掲載しています。

 下にまとめがございますが、これにつきましても前回同様です。一番下に埋没測定板の説明が2行ほどございますが、これについても変更はございませんで、一様に増加、減少している傾向はみられませんでした。

 次に、資料6-3、A3海域、有明海湾奥西部です。

 5ページをお開きください。同じように、ベントスの出現主要種の推移のところに、先ほどと同様、二つ目の考察として、「内湾底泥に生息する多毛類(環形動物)やシズクガイ(軟体動物)の優占度合いが高い。」と追記いたしました。

 次に、16ページをお願いいたします。こちらも先ほどと同じで、覆砂のエリアを精査いたしました。A3海域につきましては佐賀県で実施しているところでは、「24」と書いてある1カ所が覆砂エリアになっておりましたので、12ページの図も修正しました。

 15ページに、先ほどと同じように絶対値の推移、評価について記載しています。これにつきましても、先ほどと同様、この文章の一番下を、「この結果から、1989年から2011年にかけては、長期にわたる一方向の変化(細粒化・粗粒化傾向)を呈していないと考えられる。」といたしました。

 次に、22ページをお開きください。これも、先ほどのA1、A2海域と同じように、埋没測定板での粒度組成について記載しています。

 下のまとめにつきましては、前回と変更ございません。

 次に、資料6-4、A4海域、有明海中央東部をお開きください。これにつきましても、6ページ、ベントスの出現主要種の推移についてですが、2番目の考察といたしまして、「2005年から2007年には、泥底に生息する小型二枚貝のシズクガイ、チヨノハナガイがみられる。2007年以降は多毛類のParaprionospio sp(B型)がみられるが、いずれも泥底に生息する種である。」と追記しています。

 次に、A5海域は変更ございませんので、資料6-6をご覧ください。

 A6海域は有明海の諫早湾のところです。5ページをお開きください。これもベントスの出現主要種の推移ですが、2番目の考察といたしまして、「ジスクガイ、チヨノハナガイ、ヒメカノコアサリなど、内湾泥底種が優占している。」という考察を加えています。

 A6海域は以上でございまして、A7海域については変更ございません。

 次に、資料7-1をお開きください。資料7から八代海に入ります。

 資料7-1、Y1海域、八代海湾奥部です。このY1につきましては変更ございません。

 資料7-2、Y2海域をご覧ください。Y2海域、球磨川河口部につきましては、本文、この海域の特性の3行目の右側に「平均流が遅くなる」と書いてありますが、前回、「平均流が停滞する」というふうに書いておりました。意味がよくわからないということで、文言の修正をさせていただきました。

 次に、資料7-3、Y3海域は変更ございませんので、資料7-4、Y4海域、八代海湾口東部をお願いします。3ページをご覧ください。ベントスの減少、問題点と原因の特定のところです。この文章の下から2行目のところに、「主要種の推移を見ると、Ykg-1、Ykg-2、Ykg-3とも経年的には大きな変化はみられない。」という点を加えています。Y4海域については以上です。

 次に資料7-5のY5海域、八代海湾口西部です。

 3ページをお開きください。これもベントスの減少ですが、現状と問題点の特定のところで、Ykm-6の記載といたしまして、下から2行目、「Ykm-6では経年的には大きな変化はみられない。」との記載を追加しています。

 次に8ページをご覧ください。泥化についての考察ですが、下から2行目のところ、「Ykm-6、Ykm-7とも粘土シルト分に変化傾向はみられず、泥化はみられない。」との記載を追加しました。

 最後の10ページをご覧ください。まとめのところに泥化の考察を加えました。下から2行目、「粘土シルト分に変化傾向はみられず、泥化はみられない。」という記載をつけ加えています。

 資料5、6、7については以上です。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。どうぞ。

○松野委員  前のと変わってないのかもしれないんですけれども、それぞれの海域の連関図のところの解釈がよくわからないんです。直接的な原因・要因というところに赤い線が書いてあるんですが、これがどの現象に影響しているのかを示すために、矢印に色をつけたほうがいいのではないかと思います。あるいは色がついていないところ、赤い枠で囲っていないところから、赤い枠に行っているのと行ってないのがあったりして、その四角で囲ってあるものが、どれへの影響がこの結果から認められるのかが、ちょっとわからない気がします。この連関図で、それぞれの海域でいろいろなことをまとめた結果を示されていると思うんですけれども、まとめがちょっと捉え切れないような気がします。もちろん、全部が全部わかるわけではないと思いますので、可能性として、どこが要因だと考えられるのか、データに基づいて何が言えそうなのかを、もうちょっとはっきり示す方法はないのかと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  連関図の見方としましては、問題点として黄緑色の生物水産資源で四つ色がついているところがございまして、ノリの色落ちや魚類の減少、ベントスの減少、二枚貝の減少。この四つの問題点の箱に対して、矢印が直接向かっている箱、これについて直接的な原因・要因ということで、赤く縁取りをしているという整理です。

 四つの黄緑の箱に、直接矢印は向かわないけれども、間接的には関係しているだろうというものもあります。そういったものは、赤い縁取りのある直接的な原因・要因とはしていません。この連関図は、可能性があるものは基本的に線を残すという考え方で整理をしております。一方、文章で可能性あるもの全てを網羅すると考察としてわかりにくいのではないかということで、海域ごとにまとめのところで特に整理をしていこうということで、作業を進めています。

 これは、最終的には海域再生小委員会の部分と午後の生物小委員会の部分とをあわせてまとめていくことを考えておりまして、午前中は海域再生の部分だけとなっていますが、そのようなスタンスで検討を進めています。

○松野委員  この文章の中、データのほうに示されていることは、この図の中にはまだ表現されてないということですか。

○根木閉鎖性海域対策室長  図のほうは可能性のある線が全て残されていて、文章のほうは、可能性のあるもの全てについて万遍なくというよりも、特に、海域における問題点につながりそうな部分について考察をしていくようなスタンスで整理を進めているところです。ですので、図と文章が必ずしも1対1対応にはなっていません。

○松野委員  もちろん、この矢印を全部説明することはできないと思いますけれども、いろいろ調べた結果、わかったことがあるわけですよね。それについて図においては、ここがわかりましたという表現になっていないということですか。

○根木閉鎖性海域対策室長  図のほうに書き込んでいくと見にくくなるのではないかということで、今の案は、図は可能性のある線を残す、深掘りする点は文章で深掘りしていくという作業をしています。先ほど少し申し上げました、海域再生と生物と、それぞれ作業小委員会の資料が分かれていますので、そこをあわせていくということは必要と感じているところです。

○滝川小委員会委員長  よろしいでしょうか。どうぞ。

○小松委員  資料7-4の3ページ目の2のベントスの減少の下から2行目ですけれども、主要種の推移を見ると何々、ともに経年的には大きな変化はみられないと。この記述は、図を見るとそのとおりでいいと思うんですが、その前に、減少傾向がみられたとか、仮に増加傾向がみられたとかいう記述のときは我々は注意するんですが、変化がみられないという記述のときは、それだけで安心してしまうようなところがあります。変化がみられないときには、できたら、時間スケールを入れて、ここ10年は変化はみられないとか、何年から何年までは変化はみられないみたいな記述ができないかなと。というのは、極端なことをいうと、例えば、3年とか4年のデータを比較して変化がみられないという記述もしようと思えばできるわけですね。もちろん、ここの前後を読めばわかるんだけれども、変化がみられないというときには時間スケールを書き込めないかなと。これはお願いですので、ご検討ください。

○根木閉鎖性海域対策室長  このベントスのところは、今ご指摘いただいたところが、他海域も含めて、少し悩ましいところです。

 3ページの、ご指摘の一番上の行で、1970年ごろからのモニタリング結果がないために、ここでは2005年以降の調査結果を確認したという記載にしておりまして、これは出現主要種の推移についてもそうですが、ここが全体にかかっていることを見やすくするためにどのような工夫ができるのか、少し考えてみたいと思います。

○滝川小委員会委員長  ほかにございませんでしょうか。どうぞ。

○東委員  先ほどの3章の資料4-4の表5のように海域ごとで水質のトレンドをまとめられているんですが、これと同じように、例えば、4章の底質環境とか、先ほどの細粒化とか粗粒化の表を増やしていったほうがいいと思います。作成していただけるとありがたいと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  ご指摘の点は、なるべく見やすくというご指摘だと理解していますが、どのような工夫ができるのか、考えてみたいと思います。

○東委員  例えば、A1海域の図11のように、平均的な粒径分布や粘土シルト含有量が経年的にどう増えた、減ったというのも、こういう海域ごとの一覧で見たほうがいろいろ傾向が見えるような印象を受けたので、海域ごとの比較ができるものについては、こういう一覧表をどんどん増やしていただければ、いろいろとわかってくるかと思います。

○滝川小委員会委員長  ほかにご意見、ご質問ございませんでしょうか。

 今の第4章は、海域ごとに海域の問題点、要因・原因を考察されていますが、生物小委のほうを見ると考察であったり整理であったりするので、ここも海域ごとに統一してください。整理という言葉が使われていたり、考察という言葉が使われていたりするところがあるので確認していただきたいんですが、基本的に、第4章のところは、主にこの海域再生小委のほうでは物理環境についてまとめて、生物小委のほうでは、生物サイド中心にまとめて、そして、要因・原因をもっと詳しく見ましょうと。ところが、今ご議論していただいているこの資料は、先ほどの第3章と同じように、生物小委と海域再生のものが別々に出てきている。今ご質問がたくさん出ているのは、要因・原因の図はあるんだけれども、要因と原因について、要するに物理環境と生物生息環境をどう考察したらいいかの絵だけが最初に出てきていて、その材料がそろっていないわけです。

 今ここで議論している海域再生の資料は物理的なものしかない。その結果をどう解釈して生物小委のものと一緒にして考えるのか、そこのところがどうも欠けてしまっている。ですから、どうなっているかというと、結果的には第4章のところでは、海域環境特性については今、物理的な環境のことが粛々と述べてあるだけで、この海域は増えている、減っているという議論しかない。増えた、減ったものが、どういうふうにほかのものに影響しているかという議論をしなければだめではないかというのが多分、松野先生のご指摘だろうと思います。それが、両方ともそろってない状態で今議論しているので、おかしな話になっているんだと思います。

 非常に浅い、単に底質の物理環境を調べて粛々と書いてありますけれども、増えた、減った、それがなぜなのか。増えた、減ったの議論は、基本的に、私が前も申し上げたけど、海域ごとにこの底質が泥化してる、してないという問題ではないんです。問題ではないと言ったらおかしいけど、そういう考察をするのがおかしい。海域ごとに全部環境が一定ではないからです。

 だから、では、それがどう影響しているのかを解きほぐしていかなければいけないので、両方一緒に議論するような行動をできるだけ早く進めていかないと、海域再生の小委の先生方に生物の情報のデータも与えながら議論していただかないと、どうしてもその先に進まない、海域環境の特性、要因・原因というものに結びつかない。一つひとつの事象を調べるのはこれでいいのかもしれないんですけれども、さらにどう結びつけるのかという議論をするためには、先ほども申し上げましたけれども、ぜひ生物小委のほうの資料も見ながら、そういうものをできるだけ早く議論し始めたほうがいいのではないかと私的には思います。ぜひ、そういった方向でご検討いただけたらと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  生物小委の資料についてお配りをさせていただいていますので、ぜひ、そちらもご覧になってご意見をいただければということが1点です。また、今、滝川委員長のおっしゃられたことについてですが、議論がかなり進んできていますので、後ほど少し申し上げようかと思っていたんですが、次回の小委員会は、生物の小委員会と合同でやらせていただきたいと思っています。両小委員会に関係する議論が増えていると思いますので、そのようなことも考えています。

○滝川小委員会委員長  よろしくお願いいたします。要因・原因というのは、物理環境だけの要因・原因、生物生息環境だけの要因・原因ではなくて、トータルとして、有明、八代海全体の環境をどう考えていくのかという問題が主題であるはずなので、そこにできるだけ行き着くように、ご準備、ご検討いただきたいと思います。ぜひよろしくお願いします。

 ほかにご意見ございませんでしょうか。

 それでは、次の議題に移らせていただきますが、次回の小委員会等は今、合同の小委員会になるかもしれないというご提案がありましたので、ただいまいただきましたご意見も踏まえて、そちらのほうでご議論いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議題の3、再生への取り組み(ケーススタディ)について、事務局から説明をお願いいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  それでは、資料8-1、再生への取り組みについてご説明したいと思います。

 その前に、資料3、目次(イメージ)を、もう一度お出しいただければと思いますが、、5章に再生への取り組みがございまして、項目として、1番が再生目標、2番がケーススタディ、3番は再生方策と評価、4番目は解明すべき課題という構成となっています。これからご説明しますのは、2番のケーススタディのところです。

 1番の再生目標と3番の再生方策につきましては、次回をめどに示す予定としています。本日午後からの各県からのヒアリング等を受けまして、さら検討を進めていきたいと思います。

 それでは、2番目のケーススタディに当たる部分についてご説明したいと思います。

 文章を読み上げますと、ケーススタディ、第4章の「問題点及び要因・原因の考察」のまとめに記載した問題点の主な要因・原因だと推定されるものについて、その解決の道筋を見出すことを目的とし、ケーススタディとして幾つかの事項を取り上げ、モデル計算等を行って検討を行う、としています。

 (1)につきましては、貧酸素水塊の改善方策検討のための要因解析を取り上げています。海域ごとに行った問題点及びその要因考察の結果、A3海域においては、タイラギで貧酸素水塊、A1、A3海域におきましてはサルボウ貝についた貧酸素化に伴って底質中の硫化水素の増加が減少の原因となっているのではないかと推定されています。そこで、どちらも関係します貧酸素水塊の改善のための方策について検討を行うため、数値シミュレーションモデルを用いて、貧酸素水塊の要因解析を行います。(2)も同じように、文章の前段は一緒ですけれども、こちらはカキ礁を活用したケーススタディを考えています。(2)(3)(4)については、今日午後の生物小委で説明する予定です。

 おめくりいただきまして、資料8-2をご覧ください。貧酸素水塊の改善方策検討のための要因解析についてです。モデルの概要ですけれども、要因解析に使用した数値シミュレーションモデルは、有明海の強い潮流や波浪による底泥の巻き上げが表現できて、かつ底質、底生生物の影響を含めた栄養塩や有機物などの物質収支が検討可能なモデルとしています。

 下の図1に示されていますように、幾つかのサブモデルで構成されています。サブモデル間で計算結果の引き継ぎが行われています。モデルで採用した鉛直座標系は一般化されたσ座標モデルでございまして、水深によらず海面付近の水塊の挙動を精度よく表現することが可能です。

 次のページに図2、図3がございますが、モデルの計算格子、物質循環について図を掲載しています。

 3ページをご覧ください。計算ケースの設定について、「第4章の連関図で示されていますように」とあります。この資料の11ページに連関図を載せていますので、こちらをご覧ください。

 「貧酸素水塊の発生件数の増大・大規模化」という四角がありますが、この貧酸素水塊の四角に対してどのように影響を与えるかを試算するものです。

 「貧酸素水塊の発生件数の増大・大規模化」に引かれている線として、その一つ上の「赤潮の発生件数の増大・大規模化」がありまして、その左斜め下に「成層化」とあります。さらに、貧酸素水塊の四角の左側、赤い②と書いてあるところに、「底質中の有機物の増加」ということが書かれています。

 資料の3ページに戻りまして、貧酸素水塊の大小に直接的に寄与すると考えられる環境要因として、ただいま申し上げました三つ、「赤潮の発生件数の増大・大規模化」、「成層化」及び「底質中の有機物の増加」が挙げられています。これらの直接的な要因に関しても、可能性としてさまざまな要因が挙げられていますが、今回、表1にあるような4ケースで計算しました。11ページの図において黄色の線で囲った4項目が、今回の要因解析の計算ケースの内容となっています。

 解析の内容ですが、表1のとおり、「長期的な水温の上昇」につきましては、水温の違いによる貧酸素水塊の容積、「藻場の減少」については、藻場面積の違いよります貧酸素水塊の容積、「栄養塩の流入・有機物の流入」については、流入負荷量の違いによる貧酸素水塊の容積、「二枚貝の減少」については、二枚貝生息による水質浄化能力の違いよる貧酸素水塊の容積の変動、についてモデル計算を行っています。

 計算条件の設定ですが、次の4ページをおめくりいただきますと、有明海湾奥部におけます貧酸素水塊の発生状況について記載があり、計算入力データが収集可能な2013年までのうち、貧酸素水塊の累積日数が最大だった2006年、最小だった2009年、この二つのケースをベースケースとして試算を行っています。

 5ページをご覧ください。各計算ケースの条件設定の考え方といたしまして、1970年から2014年までの過去45年間のデータを使って、その中での夏場の最大値、最小値を設定することとしました。

 4項目ありますが、「長期的な水温の上昇」の計算につきましては、外海境界水温と気温の2項目があり、1994年を最大ケース、最小ケースとして1993年を想定しました。表2にそれぞれ、2006年、2009年をベースとした場合の設定値を記載しています。

 次のページをご覧ください。藻場の減少による計算条件ですが、先ほど3章でご説明しましたように、自然環境保全基礎調査での藻場の調査により、1995年では1,599ヘクタール、過去最大では2,066ヘクタールとなっており、現存を19961997年のデータといたしますと、1,599ヘクタールに対し1.29倍という数値を入れています。

 3番目といたしまして、栄養塩の流入、有機物の流入の計算です。これも、3章、資料の流入負荷で出したCOD、T-N、T-Pの過去最大と最小の年の値を入れています。それが現況と、それぞれのベース年と比べて何倍になっているかを表3に示しています。

 最後の4番目の項目といたしまして二枚貝の減少の計算結果ですが、これは2005年から2006年に実施されました現地調査の結果をもとに、懸濁物食者の分布、現存量を示したのが、この図6です。省略いたしますが、この懸濁物食者の分布、現存量が約2倍として設定して計算をしています。

 計算結果です。9ページの図7をご覧ください。左半分が貧酸素水塊の日数が一番多かった2006年をベースケースとしたもの、少なかった2009年をベースとしたものが右側になっています。一番上がA1海域、中段が貧酸素水塊がタイラギになどで問題になっているA3海域、下が全域となっています。

 先ほどの水温の変化における過去最高と最低、藻場面積が1.29倍にしたもの、二枚貝についても約2倍とした場合、流入負荷についても、過去最大と最小とした場合にどうなるかについて示しています。今回、貧酸素水塊の溶存酸素を3mg/L以下と仮定いたしまして、ベースケースと比べて貧酸素水塊の容積がどの程度増減するかを試算しています。1.0というラインがベースケースといいますか、貧酸素水塊の容積に変わりがないことを示しております。例えば、A1海域の水温では最大で1.41で、水温が最大だった場合、2006年時よりも41%増加することになり、最小は0.41で、これは、2006年をベースとすると貧酸素水塊の容積が60%減少するという意味です。

 そういった点で見ていただきますと、水温につきましてはある程度効いてきますが、藻場面積につきましてはほとんど1で、ベースケースからほとんど変化がありません。これは、藻場がもともと貧酸素水塊のほとんど発生しない有明海湾口部に分布しているため、変化の振れが小さかったものと思われます。

 二枚貝につきましては、増える方向、2倍にした場合ということで、A1海域におきましては70%貧酸素水塊の容積が減少する、A3海域についても50%以上減少するという試算結果が出されています。

 流入負荷につきましては、A1海域では、過去最大だと今の容積の2.53倍になる、最小の場合には25%ぐらい減少することになります。

 以上のことから、水温、二枚貝、流入負荷が、貧酸素水塊の規模の増減に寄与するという計算結果が示されています。

 次に10ページをお開きください。今回数値シミュレーションを用いて要因解析を行いましたけれども、課題として2点ございます。例えば、再現性の問題といたしまして、図8の左側が観測値で、例えば、4mg/Lのラインをずっと見ていきますと、本来は実測値では4mg/Lですが、計算値としては4ではなくて5なり、6.幾つという数字が出ています。そういった点が一つ。

 もう一つが先ほどの11ページの図です。全ての矢印がまだモデルで表現できていなくて、図の下の①から⑦まで、そのほか米印で書いていますけれども、干潟については、まだモデル化できておりません。

 資料8につきましては以上です。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、何かご意見、ご質問ございますでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長  1点補足させていただきますと、10ページの底層DOの再現性のところは代表的なものとして記載いたしました。課題の欄に書いてしまったんですけれども、相関係数、あるいはRMSEをお示ししておりまして、一定の相関は得られていると考えています。これは、再現性の代表例として記載したものですので、もしよろしければ、よりわかりやすく表現というか、書く欄などを工夫したいと思います。失礼しました。

○滝川小委員会委員長  どなたか、ご質問ございませんでしょうか。

○松野委員  今、ご説明がありました再現性のところは意外と合っている感じがしますけれども、こういうのは成層構造をいかにうまく再現できるかで非常に大きく決まってくると思います。成層構造の再現性のチェックは、どういうふうにされていますか。

○根木閉鎖性海域対策室長  水温や塩分の再現について確認をしています。成層構造に少し関連が深いところかと思いまして、今日の資料ではそこの記述はしておりませんが、確認をしておりまして、観測値と計算値について比で見ると1に近いかどうかを確認しています。水温、塩分とも、1にかなり近い数字を示しています。

○松野委員  潮汐、大潮、小潮によって成層構造が変動すると思うんですが、それをモデルで再現できているかどうかをチェックしていただいたほうがいいと思います。

○滝川小委員会委員長  よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

 小松先生。

○小松委員  このシミュレーションモデルが、潮流や波浪による底泥の巻き上げを表現できているとなっているんですけれども、干潟の近くで水深が小さくなると、波浪が大きくなって、波高変化が起こって、それによって巻き上げが強くなります。このモデルの格子間隔がこのデータはたしかなかったと思うんですが、幾らで、そのメッシュで干潟近くの波浪の変化までがきちんと再現できるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長  計算格子は、2ページに図をお示ししています。今のご指摘を踏まえますと、少し説明文を加えたほうがいいのかもしれませんが、図2でありまして、一番細かいところが500メートル程度のメッシュとなっております。この図は外海も入れていますが、外海はかなり粗くしていますが、有明海の中では、一番粗いところで、2、3キロ程度でしょうか。少し強弱がついていますが、このようなことでメッシュを切っています。説明文の追加も検討してみます。

○小松委員  メッシュ間隔についてはわかりました。

 水深がどんどん浅くなってくると波浪が大きくなるんですが、このモデルでそれは表現できているんでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長  1ページにモデル模式図を入れていますが、有明海については波浪サブモデルも組み入れていますので、その波浪の部分についても表現すべく努力をしています。

○滝川小委員会委員長  ほかにございませんでしょうか。どうぞ。

○東委員  まず、計算期間については8月を対象ということですが、水質を議論する場合には、出水のある6月ぐらいから8月までとったほうがいいのではないかと思うのと、もう一つ、底質のほうもかなり長期的な影響を受けると思うんですが、この初期値をどうやって与えたのかを教えていただきたいと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  計算の予備期間としては6月から回し出しているんですが、特に、計算結果として、今回特に貧酸素水塊を見たいということがありますので、少し計算時間も考慮させていただいて、8月の1箇月間を見ました。

 底質については、データをインプットしていますが、8月の1箇月間ということですので、底質の長期的な変動までは見ることができていないことを最後の課題のところに記載をしています。2006年と2009年の底質の実測値をインプットしています。

○東委員  了解しました。では、3ページの計算条件の設定のところで、計算は実際には6月からやっているという表現にして、考察は8月1箇月を対象とするという表現に直していただければと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  検討いたします。

○滝川小委員会委員長  ほかにご意見ございますか。橋本委員。

○橋本委員  資料8-2の数値シミュレーションモデルの図1、底質サブモデルと懸濁物輸送サブモデルとの間に、サブモデルから底質サブモデルに向かって下向きに矢印があります。下から上には行かないんですか。なぜかというと、そこに巻き上げ量と書いてあります。矢印の意味がはっきりわからないんですが、沈降だけの一方通行なんですか。

○根木閉鎖性海域対策室長  今、ご指摘のとおり、これは懸濁物輸送サブモデルから底質サブモデルのほうに、もしくは水質サブモデルのほうにインプットしているということでありまして、底質サブモデルのほうから懸濁物の輸送サブモデルのほうにはインプットしておりません。

○橋本委員  そうしますと、そこに書いている巻き上げは組み入れてないということですか。

○根木閉鎖性海域対策室長  懸濁物輸送サブモデルのほうで巻き上げ量のほうを計算しています。これをインプットしているモデルです。

○橋本委員  いまいちわかりませんけれども。巻き上げを考えるんだったら、底質から上のほうに矢印があってもよさそうな感じがします。ご検討ください。

○滝川小委員会委員長  よろしいでしょうか。どうぞ。

○東委員  橋本委員の関連ですが、この底質モデルに懸濁粒子は入っていないんですか。単にCOD、T-N、T-Pだけが底質モデルという解釈でよろしいんでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長  そのようにご理解いただければと思います。

○東委員  懸濁物が底質に落ちたときの堆積量というのは、平面二次元のイメージですか。懸濁物輸送モデルのほうの話ですが。

○根木閉鎖性海域対策室長  はい、そのようにご理解いただければと思います。こちらのほうは、一度、このSSの輸送量や海域間の流れなどの試算に少し取り組んでいるというご紹介をさせていただきましたが、ご指摘のとおりです。

○小松委員  先ほどの松野先生のご質問ともちょっと絡むんですけれども、貧酸素水塊というと、我々は成層が一番大きな要因だろうと考えるんですが、それがかなり再現されているという前提のようです。ここで、水温の上昇とか藻場、栄養塩、二枚貝の要因を調べるというのはいいと思うんですが、こういう要因を変えたときに成層がどう変わったのかというところは、もう既に計算していると思うので、ここでもできたら、こういう四つの要因を変えたときに成層がどう変わったのかの出力を示していただけたらわかりやすいと考えます。

○根木閉鎖性海域対策室長  検討させていただきます。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございます。ほかにご質問ございませんでしょうか。小林委員。

○小林委員  基本的なことで、私、こういった海の生物の知識があまりないのでお聞きしたいんですけれども、こういう貧酸素水塊の発生をモデルで検討するそもそもの目的というのは、貧酸素水塊が生じるとタイラギやサルボウのような貝が減少するので、その減少の要因になっている貧酸素水塊がどのように発生するのかをモデルであらわせるようにしようということだと思います。そのモデルの入力に、底生生物というのが入っていて、二枚貝は水質浄化能力を持っているので、貧酸素水塊の容積に影響するということなんですが、二枚貝が増えたり減ったりするパターンは、タイラギやサルボウと全く関係ないということでいいんでしょうか。もし、同じように増えたり減ったりするのであれば、それをインプットに使うのはおかしいのではないかと感じたんですけれども、いかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長  二枚貝については、ここではタイラギやサルボウなどの有用二枚貝も含んでいるとご理解いただければと思います。モデルの中では、懸濁物捕食者として表現されています。

 二枚貝については、ご指摘のとおり、この連関図でも貧酸素水塊が二枚貝減少の主な原因になっているのではないかというようなことですが、相互に関係し合っているのではないかとも考えておりまして、ほかのものと少し並びが異なるかもしれませんが、二枚貝が増えたり減ったりすることが貧酸素水塊にも影響するし、その逆もということで、一つの大きな要因として解析する価値があるのではないかと考えまして、ケースの一つとして組み入れたということです。

 ほかのものと少し性質が異なるとのご指摘のところもありますが、評価していくべきものはしっかり評価していくということで組み入れてみました。

○小林委員  相互に関係し合っているということで、モデルの中でも取り上げていると理解しました。

○滝川小委員会委員長  ほかにございませんでしょうか。

 私のほうからお願いも含めてですけれども、ただいまのご質問にもありましたように、資料8-1、再生への取り組み(概要)の紙の最初のところに、海域小委では、(1)貧酸素水塊の改善方策検討のための要因解析を目的にしたシミュレーションをやるというご説明なんですが、多分、これは今日議論しました目次からいくと、第3章及び第4章、要因・原因の分析というところから流れがあって、その流れの中で、ここでは貧酸素水塊というのに非常に重きがある。そこを何とかして解決したいということでやりますよという、そのことを、もう少しわかりやすくではないですけれども、ここの文章をそのまま報告書に載せるのか、ちょっとご検討ください。もう少し要因・原因の図をイメージしながら、3章、4章とのつながりの中でこういうことに取り組みますということをご説明していただけるとよいのかなと。大体のことは書いてありますが、もう少し突っ込んだ形でこれをやっていただく。

 それともう一つは、数値モデルということで、今盛んに精度のお話もありましたけれども、まさに数値、計算というのは、そのものが持っている、どの程度の精度で、あるいはどの程度の議論ができるのかという特性を押さえておく必要があると思います。そこも明確にわかるようにしていただかないと、議論がとんでもないところに行って、ほんとうにそれを議論できるのかという話になって、いつも堂々めぐりになってしまいます。今回のケースはここまで議論できるということを、できるだけ記述していただきたいと思います。

 それと、一番気になっているところなんですが、今、この数値モデルでやられたケースに、それぞれ要因解析のケースというのがございますね。これは、確かに貧酸素に四つの項目がどの程度関与しているのか、その影響範囲がどの程度か、いわゆる感度解析をされたと。この場は、その感度解析の結果を受けて、ケーススタディとしての再生のストーリーを議論するところですので、この結果が、再生にどう結びつくのかも、ぜひご検討いただきたいと思います。今のお話みたいに、二枚貝を入れるとこれだけ減るよというのは本末転倒ではないかということになりますので、この計算結果を踏まえて、また各委員の先生方のご意見も踏まえて、どう再生へと関連づけるのかに配慮してご検討いただきたいと思います。それが一番大事なことだと思いますので、よろしくお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長  今、ご指摘いただいたことを踏まえて、なるべくわかりやすく整理します。このケーススタディは生物の部分と海域再生の部分が融合していますので、先ほど来いただいているご指摘と少しかぶるかなと思いますが、そこのあたりは次回以降の運営の仕方も含めて、先ほど申し上げましたが、工夫をしたいと思います。資料のほうもなるべくわかりやすくしたいと思います。

 最後に、ご指摘いただいた資料3の目次(イメージ)については、本日は、5章、再生への取り組みについて、2ポツのケーススタディについて資料説明していますが、次回以降、ほかの項目である再生の目標、再生の方策と評価といったことも、今いただいたご指摘を踏まえてご議論いただきたいと思います。

○滝川小委員会委員長  よろしくお願いいたします。

 それでは、本日のご意見等を踏まえまして、次回の小委員会で引き続きご議論いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、時間になりましたが、次の議題4、関係県、農林水産省からの報告というのは午後からになりますので、(5)その他の項目につきまして、事務局から何かございますでしょうか。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐  特にございません。

○滝川小委員会委員長  それでは、本日の小委員会全体を通しまして何かご意見があればと思いますが、よろしいでしょうか。

○小松委員  要因分析、解析をやられて、これが効くとか効かないというのがある程度見えてきました。この結果は非常に有用だとは思うんですが、このシミュレーションをやったときに、途中のデータが引っ張り出せると思うんです。何を言いたいかというと、例えば、この要因が効くといったときに、その結果だけではなくて、どのプロセスで変わったから貧酸素水塊の生成に効く、効かないということが言えるようになったのかというところをピックアップできれば、これは非常に意味がある気がします。その一つが、成層が強まったのか、弱まったのかとか、その辺なんですけれども、とにかく要因を変えたら違った結果が出てくるとき、途中のプロセスのどこが変わったからそういう結果になったかをわかる範囲で示していただければ、非常に有用だと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  ご指摘の点については、可能かどうかも含めて検討させていただければと思います。ありがとうございます。

○滝川小委員会委員長  ほかにございませんでしょうか。それでは、本日午前中に予定されておりました議事については全て終了いたしました。議事進行へのご協力にお礼申し上げたいと思います。進行を一旦事務局へお返しいたします。

○鳥山閉鎖性海域対策室主査  本日午後の予定ですが、この後、午後1時から本会場にて、生物小委員会との合同でのセッションにより、議題4、関係県、農林水産省からの報告を行います。本日の海域小委員会の閉会につきましては、この議題4の終了後となります。

 それでは、これにて第13回海域再生対策検討作業小委員会、午前の部を終了いたします。ありがとうございました。

11時59分 閉会

<第2部 両小委員会の合同によるセッション>

(海域再生対策検討作業小委員会)

小委員会委員長 : 滝川清委員長

委員 : 小松利光委員、樽谷賢治委員、山口敦子委員

臨時委員:小林政広委員

専門委員 : 桐博英委員、橋本晴行委員、東博紀委員、松野健委員

(生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会)

小委員会委員長 : 樽谷賢治委員長

委員 : 岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、滝川清委員、山本智子委員

専門委員 : 伊藤史郎委員、佐々木謙介委員、平山泉委員、栁村智彦委員、松山幸彦委員

(報告者)

林宗徳(福岡県農林水産部水産局漁業管理課 課長技術補佐)

中島則久(佐賀県農林水産部水産課 技術監)

中谷賢治(長崎県水産部漁政課 総括課長補佐)

橋本有毅(熊本県環境生活部環境局 環境立県推進課長)

武元将忠(農林水産省農村振興局農地資源課 課長補佐)

(事務局)

水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐

12時59分 開会

○鳥山閉鎖性海域対策室主査  定刻より若干早いですが、皆様お揃いですので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会 第13回海域再生対策検討作業小委員会を再開するとともに、第13回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を開会いたします。

 最初に、本小委員会は公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 本日の小委員会ですが、平成28年度を目途とする委員会報告の取りまとめに向け、関係県での再生に向けた取り組み状況等をお聞きするという趣旨で、両小委の合同によるセッションを開催することにいたしました。また、魚類関係については、第2回海域再生小委で報告がありましたが、内容については生物小委にも関係するため、この合同によるセッションの場で説明をお願いすることといたしました。

 続きまして、所属機関の人事異動に伴いまして、新たに1名の方に生物小委の委員にご就任いただいておりますのでご紹介いたします。藤井委員の異動に伴いご就任いただきました、長崎県総合水産試験場長の栁村委員です。

○栁村委員  よろしくお願いします。

○鳥山閉鎖性海域対策室主査  また、合同でのセッションということで、初めて顔合わせする方もいらっしゃると存じますが、時間の関係で委員の紹介は割愛させていただきます。

 委員の出席状況ですが、欠席の連絡を、海域再生小委の山口啓子委員、古川委員、生物小委の速水委員、内藤委員よりいただいております。また、本日は評価委員会の岡田委員長にもご出席いただいております。

 続きまして、本セッションでの資料を確認させていただきます。こちらの資料になります。両小委の共通で、右上に合同資料と書かれた資料となっております。

 合同資料1-1から1-4までが各県からの報告でございます。1-1が福岡県、1-2が佐賀県、1-3が長崎県、1-4が熊本県となっております。

 続いて、合同資料2-①、2-②につきましては、農林水産省からの報告の分でございます。2-①が二枚貝類の浮遊幼生及び着底稚貝調査について、②のほうが諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴う環境変化を把握するための調査の資料でございまして、2-②-1が調査結果の概要のポイント、2-②-2が調査結果の概要となっております。

 そして、合同資料3につきましては魚類関係となっております。

 不足の資料がございましたら事務局までお申しつけください。

 報道取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 これ以降の進行につきましては、前半の関係県からの報告については、生物小委の樽谷小委員長に、後半は海域再生小委の滝川小委員長にお願いしたいと思います。

 それでは、樽谷小委員長、よろしくお願いいたします。

○樽谷小委員会委員長  それでは早速ですが、議事を始めさせていただきます。

 今回の合同セッションは、この委員会で初めての試みとなります。限られました時間の中で、関係4県からのご報告、さらに農林水産省からのご報告、魚類に関するご報告と多岐にわたる内容につきまして議論をお願いすることになりますので、円滑な議事の進行にご協力をお願いいたします。

 それではまず、関係県からの発表をお願いいたします。時間の配分ですけれども、各県からのご説明を10分以内でお願いいたします。その後、質疑を5分以内でお受けいたします。さらに、農林水産省からのご発表につきましても、説明を10分以内、質疑を5分以内とさせていただきます。その二つのご報告が終わりましたら、それらの報告を含めまして全体の質疑の時間をとりたいと考えています。

 それでは、資料の順番にのっとりまして、まず、福岡県からご説明をよろしくお願いいたします。

○福岡県  本日は、こういう機会を与えていただきましてありがとうございます。

 本日の内容ですけども、福岡県地先の、特に二枚貝を中心とした現状と、課題・取り組みについてご説明しまして、評価委員会への要望等をお話ししたいと思っております。今からお示しするスライドは資料と全く同一でございますので、資料のほうもご参考ください。

 まず、福岡県有明海海域におきます二枚貝の現状と取り組みということで、二枚貝の漁獲量についてご説明したいと思います。

 漁獲量の推移ですけども、まず、干潟域の採貝漁業ではアサリ、サルボウ、タイラギ等が採れますけども、平成元年以降、干潟域の二枚貝漁獲量はおおむね2,000トンから1万トンで推移しております。平成25年の漁獲量は、アサリ116トン、サルボウ2,477トン、タイラギは1トンとなっております。24年の九州北部豪雨の影響もありまして回復がおくれています。また、昨年秋に一部の漁場におきまして、アサリの稚貝の発生を確認しています。

 次に、沖合域の潜水器漁業になります。沖合域の潜水器漁業はタイラギ漁が中心です。漁獲量は平成20年までは約200トンから1,500トンで変動しておりますが、平成11年以降は激減しておりまして、漁獲のない年もございます。近年は21年に770トン、22年に200トンを漁獲しておりますけども、24年度以降は操業されておらず、4年連続の休漁状態となっております。このように、二枚貝の減少は本県にとりましても喫緊の課題と捉えておりまして、その再生対策に向けていろんな取り組みを行っているところです。

 この取り組みにつきましては、二枚貝の母貝から産卵、浮遊幼生、着底稚貝、稚貝、成貝、それが育って母貝になっていくという生活史の各ステージに合わせた取り組みを行っております。

 母貝では母貝保護のための育成・食害対策を行ったり、浮遊幼生期間については、4県協調の取り組みでネットワークの解明を27年度から始めております。着底稚貝につきましては、底質を改善したり、天然採苗を行ったりするといった試験をしており、稚貝から成貝に育てるところでは、保護・育成対策、食害対策、それから流失防止に着目した取り組みを行っております。

 まず、二枚貝の住場となります底質の改善ですけども、福岡県では平成13年度以降、干潟域における大規模な漁場環境の改善事業として、27年度までに延べ1,540ヘクタールの覆砂を実施しております。

 これは平成18年ごろの分布図になりますけども、ピンク色の覆砂域がアサリの発生域とよく重なっていることがうかがえます。タイラギの状況についても、覆砂域と発生域が重なっていることがよくわかるかと思います。二枚貝――アサリ、サルボウ、タイラギにつきましては、覆砂域に集中して生息していることがわかっております。ただ、年変動がありますので、発生したときはこういうふうになりますけど、現在の資源の少ない状況においては、母貝を増やす必要があると考えております。

 アサリ増殖に向けた取り組みとして、平成25年から天然採苗として、網袋の中に基質を入れた天然採苗用の網袋を漁場に設置しまして、効果調査を実施しております。

 それから、アサリの保護・育成でありますけど、天然採苗で採りました稚貝、あるいは人工種苗生産をした稚貝を用いまして、網袋の中で保護をするという形で、中間育成をする技術開発、あるいは保護区を設定する漁業調整委員会において母貝保護区の設定をするなど、アサリの保護育成を図っております。

 それから、アサリの移植放流ですけども、先ほど、昨年秋にアサリ稚貝が確認されたと言いましたけども、覆砂域で濃密にアサリの発生を確認しておりまして、この発生した漁場での生残率、成長を高めるためにアサリの少ない漁場に間引きをして移植をするという取り組みをも行っております。現在、発生しているもとの場所、あるいは移植先についても保護管理を実施しているところです。

 次に、タイラギ増殖に向けた取り組みにつきましては、稚貝の発生が近年非常に少ないので、母貝を増やして産卵量を増やす取り組みを行っております。産卵母貝保護、確保のために干潟域に保護区を設定してタイラギに卵を産ませる環境をつくる、あるいは干潟のタイラギを海中育成ネットに収容して、そこで卵を産ませるという試験を実施しています。

 稚貝を沖合域の海底に直接移殖したところ貝は全滅する状況にありますが、こちらに示した海中育成ネットに収容すると、貝は六、七割が生残し、10センチから18センチに成長しております。これまでに、三池島の周辺海域で4,000個以上の貝をこの形で保護しております。因果関係があるかどうかはまた別なんですけども、天然稚貝の分布につきましても近年上昇傾向にあります。こういう形で母貝育成を行いまして、潜水器漁業者さんの協力を得て、こういった母貝の集団をつくる取り組みを実施しております。

 こういった取り組みの一方で、二枚貝をめぐる残された課題があります。一つが基礎生産力の低下、もう一つが湾奥東部海域のタイラギの立ち枯れへい死です。

 まず、基礎生産力の低下ですけども、このグラフは本県で毎月1回行っております浅海定線調査におけるプランクトン沈殿量の推移を示しているグラフです。青い丸で示しているのが平成12年以前の平均値、それから赤い四角で示しているのが平成13年以降のプランクトン沈殿量の推移です。

 特徴としましては、1月から3月のケイソウを主体とする植物プランクトンが大幅に減少していることが挙げられます。この時期は生物にとっては、水温が上昇に転じて、成長し産卵をする開始時期でもあり、二枚貝の身入り、活力、成長、生残、産卵量に大きく影響を与えるものと思われます。また、二枚貝のみならず、これを餌とする動物プランクトン、あるいは甲殻類、魚類にまで影響を与えると考えられまして、海域の基礎生産力を低下させている大きな要因の一つと考えられます。

 次に、湾奥東部海域のタイラギの立ち枯れへい死です。これまで、底質環境、食害、水質、餌料環境等いろいろな機関がさまざまなアプローチをしているところですけども、これといった原因究明には至っていません。先ほど説明した産卵母貝や稚貝を増やす取り組みが成果を上げつつありますけども、へい死の対策がとれませんと根本的な解決には結びつかないと考えられます。これらの研究について、これまで評価委員会でどのような議論を行ってきたのか、報告として残していただければと思います。

 それから、先ほど説明しました本県の母貝集団育成で行っております海底から切り離してネットで保護する育成手法で、生残率を飛躍的に向上させることができました。これは、へい死要因の究明のヒントにも成り得るかと思いますので、今後の展開が期待されるところです。

 まとめとしましては、有明海の再生のためには、覆砂などの環境改善対策を継続するとともに、海域の基礎生産力低下を含めて、環境変化やタイラギへい死の原因の究明を継続して行う必要があるかと思います。これらの究明に当たっては、総合評価委員会で議論や評価を継続していただくことが必要と思われます。こういった議論を踏まえまして、有明海再生の提言をお願いしたいと思います。

 以上です。

○樽谷小委員会委員長  ありがとうございました。

 ただいま福岡県から二枚貝の増殖に向けた取り組みと残された問題点を中心にご報告をいただきました。ただいまのご報告につきまして、ご質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

○山本委員  9枚目のスライドの植物プランクトンのグラフについてお尋ねします。

 平成12年以前と平成13年以降を赤と青で示されていますけども、これは、毎年毎月行われている調査で、例えば、平成12年以前の何年分かの同じ月のデータを平均した値が青の点だと思うんですけど、12年以前というのが何年からで、13年以降というのは何年までの平均ですか。

○福岡県  はっきり覚えてないんですが、12年以前の分については、30年間分ぐらいあったと思います。13年以降につきましては、そこから10年分の平均値となります。

○山本委員  ありがとうございます。定点調査は1カ所のデータでしょうか。

○福岡県  たしか、何点かを集計して平均しているかと思います。

○山本委員  もう一つだけ済みません。2枚目のスライドによると、二枚貝、特にアサリの漁獲量は、平成13年以降でも18年、19年あたりはかなりいい数字を示しています。平成13年度以降でも、18年、19年度あたりは、プランクトンの量が結構よかったということはないですか。

○福岡県  プランクトンの状態が特によかったという状況はないと思います。

○山本委員  そうすると、平成13年度以降はプランクトン量は比較的、年によるばらつきはないんですか。

○福岡県  ないと思います。

○山本委員  ありがとうございます。

○樽谷小委員会委員長  ほかにございませんか。

○小松委員  10枚目です。母貝の集団育成で、底面から切り離すと生存率がかなり高くなることがヒントになるのではないかということでした。まさにこういう差が出てくるとヒントに成り得るんですが、今の印象としてどういう感じをお持ちですか。というのは、底質から引き離しているということで貧酸素の影響を受けにくいという点と、底質そのものがあまりよくなくて、へい死が多いという、二つの大きな理由が考えられると思うんですけど、今のところの印象みたいなものはいかがでしょう。

○福岡県  貧酸素につきましては、この試験を行っている海域では、タイラギがへい死するような貧酸素状態はあまり観測されていません。なので、底質のほうに原因があるのではないかと考えるんですけど、底質の中の部分であったり、底質の直上であったり、例えば浮泥の動き、そういったものも含めて底質の関係ではなかろうかという考えです。そこはこれから明らかにしていかないといけないと思います。

○樽谷小委員会委員長  ほか、よろしいでしょうか。

(「なし」の声あり)

○樽谷小委員会委員長  それでは、後ほど質疑の時間を設けていますので、福岡県からのご報告はこれまでとさせていただきます。ありがとうございました。

 続きまして、佐賀県からご報告をよろしくお願いいたします。

○佐賀県  佐賀県です。この場で座って説明させていただきます。

 合同資料1-2の佐賀県の資料をご覧ください。ページが入ったり入らなかったりしております。申しわけございません。

 下のほうを見てください。ご存じと思いますけども、佐賀県の有明海域では独特な漁場環境を生かした豊かな漁業が展開されております。この青で示した区画のところではノリの養殖が行われていて、干潟になるような場所です。そこに重なるようにして、赤の網がけがサルボウ漁場で佐賀県の有明海の西部海域を中心に広がっております。それと中ほどに破線の三角形がありますけど、これは農林水産大臣の管轄漁場でございまして、福岡県との入会になっております。ここを中心にタイラギやクルマエビ、ガザミの漁場などが広がっております。

 次、開いていただきまして上のほうです。

 何と申しましても、佐賀県の有明海ではノリ養殖が主幹漁業です。ノリ養殖は平成15年度以降、佐賀県は13年連続で日本一を達成しております。27年度の漁期につきましても、約19億枚で240億円の生産額、販売、共販金額となっております。

 佐賀県の有明海全体としてはこうなんですけれども、下のほうグラフに示すように、前の地図の鹿島市とか太良町を中心としました西部、南部漁場で赤潮の発生が頻発しておりまして、色落ちで生産量が不安定な状況が続いています。27年度漁期は赤潮の発生が少なかったため色落ち被害が発生せず、比較的好調でした。

 次に右のほうを見てください。上のほうから、二枚貝などの漁船漁業の対象魚種を示しております。上のほうのサルボウは佐賀県の有明海では最も漁獲量が多い種類で、平成9年ぐらいまでは1万トン以上あったんですが、10年以降は減少を続け、年変動も非常に大きくなっています。

 下のほうはタイラギです。先ほど福岡県からも説明がありましたけれども、佐賀県でも非常に重要な対象種です。もともと豊凶の差が大きい貝類で、以前は数年おきに豊漁となっていたんですけど、平成10年以降は急激に漁獲量が減少しておりまして、近年は4年連続で休漁が続いております。

 次、ページをめくっていただきます。上のほうはクルマエビです。これも、平成元年から11年ぐらいまでは30トン以上の漁獲があったんですけれども、平成12年以降急激に減少しまして、近年では1トン前後と極めて厳しい資源状況となっています。

 下のほうのガザミです。ガザミも、平成の初めぐらいには200トンを超えるような漁獲があったんですけれども、平成12年ごろから漁獲量が減少しまして、近年の漁獲量は50トンを下回っております。クルマエビと同様に資源状態が非常に厳しくなっています。

 右側のページに参ります。これらの漁獲の減少の要因の一つとして、赤潮とか貧酸素水塊の頻発が考えられます。これは26年度におきます赤潮と貧酸素水塊の発生例を示しております。左のほうの図で見ていただきますとわかりますように、26年度は冬季に珪藻赤潮がずっと継続しまして、白石町から鹿島市、太良町の佐賀県でいいますと西南部のノリ漁場が大きな打撃を受けております。

 それと、夏季には貧酸素水塊が発生しております。これは評価委員会等でも報告されておりますけれども、平成16年度以降、規模の大小はありますけれども毎年発生しております。これらも、魚介類の減少の要因ではないかと考えております。

 そういうことで、下のほうの図を見ていただきますと、現状としては、漁獲量の減少やノリの色落ち被害の発生などにより、非常に漁家経営が不安定な状況が続いております。それと海域環境の変化の仕組みが、まだ定量的にはわからないところがあります。

 そういうことで、有明海の環境変化の原因究明をして、原因に応じた再生策実施するべきだと思うんですけども、漁家経営はまったなしの状況ですので、右側のほうの黄色い二重線で囲ったところですけれども、今できることとして、漁家経営の安定に向けた水産資源の回復のための取り組みを推進しております。一つは漁場の保全や整備、もう一つは増養殖技術の開発、こういう今できることをして、有明海の再生の実現に資することとしております。

 次のページを開いていただきまして、ここからは佐賀県の取り組みを説明させていただきます。漁場の保全及び整備に関する取り組みとしまして、大きく四つ実施しております。

 まず、澪を掘って潮の流れをよくして、ノリなどに栄養塩が行き渡るようする作澪です。餌がとりやすく、すみつきやすい漁礁を設置して、魚介類を増やす餌料培養礁の設置です。あと、ナルトビエイの駆除、海底の耕うんです。佐賀県の漁場は大半が軟泥質のため、漁場の特性に応じた海底耕うんをメーンに実施しております。

 下のほうに行きまして、海底耕うんの取り組み状況ですけれども、佐賀県の海域は、海底耕うんをほぼ全体で行っております。ご存じと思いますけれども、海底耕うんは、漁船で専用の貝桁の器具を使って海底を耕うんし、底泥に酸素を供給して漁場の底質改善と底生生物の増加などを図ることを目的にしております。

 あと、右側のほうにありますように、二枚貝等を食べますナルトビエイの駆除、あと、その下にお示しした作澪ではノリ漁場内に澪を掘りまして海水の交流を促進することによって、ノリの生産の向上を図っております。

 次のページからは水産資源を増やすための取り組みです。

 佐賀県の有明海の主要な水産資源のうち6魚種、タイラギ、アゲマキ、サルボウ、クルマエビ、ガザミ、エツ、それに加えてアサリ、ウミタケの8魚種について取り組みを行っております。

 右側のほうを見ていただきますと、主なものとしまして、アゲマキは佐賀県で種苗生産、8ミリサイズの稚貝を100万個単位で生産する技術を確立いたしておりまして、適地放流の解明もほぼできております。成果としましては、小規模な試験養殖に成功しておりまして、天然漁場での再生産も確認しております。今後、大規模な漁場造成や稚貝の大量放流を引き続き行いまして、目標としましては、数トンレベルの持続的な漁獲につなげられればいいと考えております。

 下のほうのアサリです。福岡県さんから報告がありましたように、今年度はアサリの稚貝が大量に発生しております。今までは、漁場機能が低下しておりましたので、ほぼ漁獲がなかったんですけれども、稚貝の発生に伴いまして、着底促進のための補足器を設置したり、生残率を高めるための網袋の設置や被覆網を設置しております。行く行くは漁場機能と資源を回復させることを目標としております。

 ページを開いてください。上のほうですけど、平成27年度に見られました二枚貝回復の兆しということで、ここに少し記しております。先ほど少し申しましたけれども、アゲマキにつきましては、大量の稚貝放流を行い、放流適地が大体わかっておりますので、天然漁場での再生産が確認されております。今のところ5定点ぐらいで、200個以上の再生産稚貝が確認されております。場所としましては鹿島市地先です。

 アサリは、何度も申しますが27年度は稚貝が大量発生しておりまして、太良の地先では、3月から5月にかけまして既に5トンぐらいの漁獲につながっております。

 もう一つ、タイラギは、27年度の調査で農林水産大臣の直轄漁場で福岡県との入会の漁場におきまして、稚貝が高密度に発生している地点が確認されております。

 下のほうに参りまして、評価委員会への要望になりますけれども、27年度にそういう二枚貝回復の兆しがありましたので、今後、着実な資源の回復につなげるために、評価委員会のほうには有明海の環境変化の原因をきっちりと究明していただいて、原因に応じた再生策の提示をしていただけたらと考えております。

 佐賀県からは以上です。

○樽谷小委員会委員長  ありがとうございました。

 それでは、ただいまの佐賀県からのご報告につきまして、ご質問等ございますでしょうか。

○小松委員  1点教えてください。2枚目のスライドで、クルマエビの漁場が、南北に非常に細長い漁場になっていますよね。これはすごく微妙で、多分この範囲が漁場ということは、今まで高密度に生息していたということだと思うんですが、こういう有明海の奥部の中で、細長いここが漁場たり得る要因みたいなものは何なんでしょう。

○佐賀県  ここは底質が砂地でございまして、クルマエビが生息しやすい漁場で、主に流し網の一種である、ゲンシキ網による漁獲が行われておりまして、潮の流れなどがある程度影響しているんだと思います。

○小松委員  有明海奥部の底質の変化は非常に複雑で、なかなか一方向ではないのですが、この地域の底質の変化というのはどうだったんですか。

○佐賀県  この漁場は大体の場所で模式化しておりまして、詳しい底質の変化について今はデータを持っておりません。申しわけありません。

○樽谷小委員会委員長  どうぞ。

○滝川小委員会委員長  最後から3枚目のスライドで、27年度に見られた二枚貝回復の兆しということで、3カ所でアゲマキ、アサリ、タイラギと書いてありますが、それぞれの要因といいますか、何か対策を打たれた結果そうだったのか、そうでなくてこうなったのか、そこら辺をお願いします。

○佐賀県  アゲマキにつきましては、国から調査費などをたくさんいただきまして、種苗の放流もたくさんしております。調査で放流適地などもある程度わかっておりますので、その成果がある程度出たのではないかと考えております。アサリの稚貝の大量発生につきましては、佐賀県で行った結果というよりは、天然でこうなったと思います。

○滝川小委員会委員長  捕捉器と書いてありますが、網みたいなものをここに設置されたということではないのですか。

○佐賀県  これは結局、稚貝が発生した後、生残を高めるための対策で、それはある程度うまくいっておりますけれども、稚貝が大量に発生した要因はよくわかっていません。

 あと、タイラギにつきましてもよくわかっていません。

○樽谷小委員会委員長  まだまだあろうかと思いますが、時間が来ましたので、佐賀県からのご報告はここまでとさせていただきます。

 それでは続きまして、長崎県からご報告をよろしくお願いいたします。

○長崎県  長崎県水産部漁政課の中谷です。座って説明させていただきます。

 資料の1ページ目をお開きください。各県からのご説明と重なる点があると存じますけど、本県の有明海沿岸の漁業は、昭和54年をピークに生産の減少傾向が続いております。特に貝類の落ち込みが著しく、貧酸素水塊の発生によりまして、平成19年度にはアサリの大量へい死が発生しております。また、タイラギ漁業についても、平成6年漁期以降、操業が停止しております。

 資料の2ページをお開きください。本県ではこれまで、有明海の漁場環境の改善、それから漁業養殖業振興対策として、国のご指導やご支援を受けながら資料にお示ししたようなさまざまな取り組みを行ってまいりました。こうした取り組みの展開に当たりましては、現場の漁業者のご意見、ご要望等も十分に踏まえつつ事業を行っております。これまでの取り組みを通じて、本県では日本一のカキと評価される華漣、垂下式養殖によるアサリの生産など、一部に成果も出つつありますけども、有明海の再生に向けた具体的な道筋がいまだ明らかにされてないことに対して、漁業者に不安や不満が募っていることも現実です。

 資料の3ページをお開きください。こうした現状を踏まえまして、本県から大きく二つの点に関してご要望を申し上げたいと思います。

 まず1点目は、有明海の再生に向けた漁場環境改善のための抜本的対策の実現についてです。有明海の漁場環境に関するさまざまな課題について、それぞれ記載のような取り組みが展開されてまいりましたが、局所的なものであり、有明海全体の漁場環境の改善、それから効果の持続性が確保されていないなどのさまざまな課題がいまだ残されております。そこで、二つ目の四角の箱に囲まれた再生に向けた考え方を踏まえ、三つ目の四角の箱に示している3点についてご要望を申し上げます。

 まず、国において、これまでの取り組み、それから課題を踏まえて、有明海の再生の目標、その実現の時期、さらに具体的対策を示す計画づくりを行うことをご要望申し上げます。また、こうした計画の実現に向けて、事業化に向けた手法等について、関係分野の専門家を含め検討・助言を行う体制づくりが必要であると考えます。さらに、漁場環境改善の実現に向けて、必要な対策や事業を確実に実行していくための財源措置を講じていただくことをお願い申し上げます。

 資料の4ページをお開きください。ここでは、有明海全体の漁場環境の改善に向けて取り組むべき具体的な事例を、大きく六つの項目に分けてお示しをしております。

 資料の5ページ目をお開きください。これは、諫早湾の小長井地先おける作澪によるアサリ養殖漁場の環境改善対策についてです。アサリ養殖場において、漁場内と漁場外とを連動させて作澪を行うことで浮泥を除去し、アサリの生育環境を改善しようとするものです。これに、現在開発中の網袋養殖技術を組み合わせることで、漁場の生産力を上げようとするものです。ただし、こうした取り組みにつきましては、作澪の効果を持続させるための漁業者による漁場管理活動への継続的な支援が必要と考えております。また将来的には、さらに沖合での大規模な作澪を行い、抜本的な浮泥対策を検討することも必要であると考えております。

 資料の6ページ目をお開きください。ここでは、有明海再生に向けた提案の2点目として、漁業・養殖業振興のための対策の強化について要望しています。

 アサリ、カキ、種苗放流等について、これまでの取り組みとその成果について整理させていただいております。その上で、今後必要な取り組みとして、アサリの網袋式養殖、カキのシングルシード養殖の普及に向けたさらなる技術開発、そして施設整備や販売力強化などの各種の支援、経営安定のための共済制度の活用、国による放流種苗生産施設の整備と質の高い種苗の大量放流などについて、ご検討いただければと存じます。

 資料の7ページ目には、諫早湾における貝類養殖のイメージを示しております。潮干帯では地まき式あさり養殖、それから網袋養殖を行い、沖合域では垂下式かき養殖、垂下式あさり養殖を行うこととしております。ご参考としていただければと思います。

 8ページをご覧ください。総合調査評価委員会への要望といたしまして、国及び関係県が行う総合的な調査の結果に基づきまして、有明海の環境変化等の原因を分析・評価し、それを踏まえて有明海全体の再生につながるような具体的対策の提言をお願いしたいと思います。また、評価委員会の報告につきましては、何年後にどうするかなど道筋が見えるような報告としていただきたいと考えております。

 大変貴重な時間をいただき、本県におけるこれまでの取り組みや、幾つかのご提案をさせていただきましたが、本県の漁民は有明海の再生や漁業経営の継続に大きな不安を抱えております。関係省庁のご理解とご尽力によりまして、今後の有明海の再生に向けた具体的な道筋が一刻も早く示されることをご要望申し上げまして、私どもからの発言を終了させていただきます。

○樽谷小委員会委員長  ありがとうございました。有明海の再生に向けた取り組みについてご提案いただきました。それでは、ただいまの長崎県からのご報告につきまして質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

○小松委員  一つ教えてください。作澪ですけど、これは1回つくったらどれぐらいもつものですか。多分、メンテが必要だと思いますが、メンテの作業というのは具体的にどういうことをやられるのか、その点を教えてください。

○長崎県  漁業者の方に聞きますと、多分、五、六年はもつというお話は聞いているんですけども、砂を天地返しするとか、澪のところを管理しないと難しいみたいです。

○小松委員  これは台風が来たらご破算になりますか。

○長崎県  ここは、アサリの養殖場と養殖場の間の泥がかぶるようなところで、10年に1回くらいのよほど強い台風が来ると埋まることがございますけれども、そうでなければ現状が維持されます。

 それと、先ほどの漁業者が維持するということなんですけど、ガソリンで動く農業用のエンジンポンプで水流を発生させて、その水圧で底にたまった浮泥を飛ばすということを年に数回行っている事例もあります。

○樽谷小委員会委員長  ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。

(「なし」の声あり)

○樽谷小委員会委員長  それではありがとうございました。

 続きまして、熊本県からご報告をよろしくお願いいたします。

○熊本県  熊本県環境立県推進課長の橋本です。本日はこのように県からの発言の場を設けていただきまして、まことにありがとうございます。有明海・八代海等の再生につきましては、将来世代のためにも早急に取り組まなければならない重要な課題であると認識しております。このため本県といたしましても、現在、検討が進められております、国の総合調査評価委員会の報告書に大きく期待しているところです。

 それでは目次に従って、大きな1番から3番で本県の取り組み状況を、4で今後の取り組みを説明した後、5で当総合調査評価委員会への要望についてご説明させていただきます。

 2ページをお願いいたします。1の計画の策定ですが、平成12年度の赤潮被害等を受けまして、国の特措法に先駆けて、平成13年に再生に向けた総合計画を策定し、その後、特措法に基づく熊本県計画を平成15年に作成しております。県議会でも同年、特別委員会が設置されまして、議会と執行部が一体となって総合的に対策を実施しているところです。

 3ページの課題整理及び再生方策の検討ですが、平成16年8月から18年3月にかけまして、滝川教授を委員長とする干潟等沿岸海域再生検討委員会を設けまして、両海域の再生に向けた委員会報告書を作成しております。

 4ページをお願いいたします。この委員会報告書の検討に際しましては、右上のほうに書いておりますけども、既往の資料で不足する分は漁業者からの聞き取りや地域住民へのアンケート調査等を実施しております。また再生方策の検討に当たりましては、有明海・八代海それぞれにケーススタディ地区を設定いたしまして、地元の方々と委員の意見交換を行ってもらいました。こうした丁寧な検討作業を経まして、平成18年3月に委員会報告書として提言がされたところです。

 5ページをお願いいたします。提言内容といたしまして、ここでは参考までに海域全体の目標を載せておりますが、有明海、八代海、ケーススタディ地区ごとの提言があります。

 6ページをお願いいたします。地域特性に応じてゾーンを区分しております。また、7ページには、具体的な再生方策を検討するため、ケーススタディ地区として、有明海、八代海それぞれ3地区を選定し、検討していただきました。

 8ページになりますけど、ケーススタディ地区の望ましい姿の一例をここに載せております。

 下のほうの9ページになりますけども、2)、有明海・八代海等海域別課題整理ですが、昨年度、平成27年度に、2-1)で説明いたしました本県の平成18年3月の委員会からの提言、また、その後の知見等を踏まえまして、改めて海域別の現状と特性の把握や課題の整理等を行ったところです。また、課題の整理のために、海域環境データベースの作成も行っております。

 10ページをお願いいたします。収集しました資料一覧はご覧のとおりです。データベース化しておりますので、ぜひ、ご活用いただけたらと思います。

 下のほう11ページになりますけども、昨年度の海域別課題整理に当たりましては、先ほど説明しました、県の平成18年3月の委員会報告書での海域区分、また、国の総合調査評価委員会における海域区分等を踏まえまして、改めて海域を区分しております。

 その内容を12ページ、13ページに書いております。有明海については1ゾーン5サブゾーンに区分し、八代海につきましては5ゾーン10サブゾーンに区分しております。

 ここで、八代海について若干触れさせていただきますと、八代海につきましては、皆さんご承知のとおり、有明海に比べまして調査等の蓄積が不足しています。そこで、最後の要望のところでもお願いいたしますが、今回の総合調査評価委員会報告書におきまして、八代海及び特に土砂の堆積が進行し底質環境が悪化しております八代海湾奥部について、十分な評価及び再生方策の提示をお願いしたいと思います。このため、本日の説明資料につきましては、八代海湾奥部を含む八代海湾北ゾーンを中心に記載させてもらっております。場所といたしましては、八代海の北東に位置しまして、資料に載っておりますように、湾奥部につきましては湾奥サブゾーンとして海域を区分して検討しているところです。

 次に14ページをお願いいたします。八代海湾北ゾーンにおける水質、底質及び底生生物の観点からの環境特性です。委員会のほうでもいろいろ整理していただいていると思いますけども、このゾーンにつきましては底生生物が少なくなっていて、軟体動物以外の底生生物はほとんど生息していません。このゾーンでは、底質改善が重要な課題と考えています。

 なお、ここに書いておりますように、八代海につきましては、「生物多様性のある八代海沿岸海域環境の俯瞰型再生研究」が行われておりまして、その報告がまたれるところです。

 15ページは八代海全体の海域特性です。

 16ページをお願いいたします。八代海湾北ゾーンの主な課題を載せております。干潟地盤の上昇、底質の泥化、泥質干潟の拡大、海水交換の悪化等が従前から八代海湾北ゾーンについては指摘されておりますけれども、これら海域環境等への影響とともに、根本的な解決策が見出せておりません。

 17ページにつきましては、有明海も含めた課題です。説明は省略させていただきます。

 18ページをお願いします。八代海湾奥ゾーンの再生方策について、項目のみここに記載しておりますが、18年の本県の委員会報告では、他地域での実施事例も含めまして、各種の再生方策を提言いただいています。

 19ページは、有明海も含めたケーススタディ地区ごとの再生方策を項目ごとに示しています。

 20ページをお願いします。参考として書いておりますけども、八代海北部海域の浅海化・干潟化につきましては、平成19年度に国の4省庁が連携して調査していただいておりまして、影響緩和対策等をお示ししております。これについては、別冊として委員の皆様にはコピーを配布しておりますけども、最後のほうで改めて簡単に触れさせていただきます。

 下の21ページからは、本県における漁業振興の取り組みを紹介しております。有明海・八代海ともアサリの漁獲量の低迷など厳しい状態が続いておりますけど、覆砂や作澪等の事業を行った箇所ではアサリの生息数が増加するなど一定の効果が上がっております。

 22ページは八代海における取り組みです。

 下のほうの23ページは、アサリ資源回復に向けた本県の取り組みを体系的にまとめたものです。

 次の24ページは、アサリ資源管理の取り組み例です。

 下の25ページは種苗放流の状況でございまして、本県では有明海・八代海特産の魚介類を放流しております。

 次に26ページ、本県の今後の取り組みですが、有明海・八代海等の再生を加速化させるために、昨年度末から庁内関係課で構成する再生推進チームを立ち上げております。今後、県議会や関係市町村、漁業関係者等も加えまして、仮称ではございますが「再生推進拡大会議」の設置を考えております。

 27ページ、下のほうになりますけど、民間の動きといたしましても、昨年10月に本県で開催されました「全国アマモサミット」の開催を契機といたしまして、NPO・大学・研究機関等を中心にフォーラムの設立の動きがあっております。

 28ページになりますけど、今後、県民が海域環境の改善を実感できるよう、総合調査評価委員会の報告等も踏まえまして、再生推進拡大会議と再生連携フォーラムが連携しながら、系統的・持続的な再生方策に取り組んでいきたいと考えております。

 29ページをお願いします。ここからが今回の説明の本題になりますけど、当総合調査評価委員会への要望です。熊本県では、先ほど説明しましたように、平成12年度の赤潮被害発生以降、率先して有明海・八代海の再生に取り組んでおりまして、今後も国や民間と連携を図りながら引き続き県としてできることに取り組み、再生の動きを加速化させていきたいと考えております。

 30ページをお願い申し上げます。冒頭申し上げましたように、当総合調査評価委員会への報告書に期待する声は県内でも大きくなっております。つきましては、現在検討中の総合調査評価委員会報告の中で、有明海・八代海等を豊かな海に再生し、良好な海域環境が持続できるよう、次のとおり再生への道筋を示していただきますようお願いします。

 一つ目は、全海域において、海域の環境変化や水産資源減少の要因を明らかにし、海域ごとの具体的な再生方策を示していただきたいということです。国民みんなが実感する豊かな海の再生に当たりましては、海域ごとの課題に応じた要因分析、再生方策が必要だと考えております。具体的には、現在、当調査評価委員会でゾーンニングされておりますそれぞれの海域が抱える課題の根本的解決につながる再生方策を示していただきたいと思います。

 31ページをお願いします。二つ目は、本県沖合における泥土の性状や堆積状況等の実態を分析の上、底質環境悪化のメカニズムを解明し、効果が持続する実効性のある対策について検討・提示していただきたいということです。沖合における泥土の堆積は、海域環境を悪化させ、水産資源の減少の要因となるとともに、多様な生物の生息環境の悪化にもつながっているのではないかと考えております。つきましては、良好な底質環境が持続する具体的かつ実効性のある再生方策の提示をお願いします。

 32ページをお願いします。三つ目は、本県は八代海も抱えておりますので、特に八代海についてお願い申し上げますと、八代海についても調査結果の収集・検討を十分に行い、実現可能な再生方策を示していただきたいということです。特に、八代海湾奥部の泥土堆積による浅海化・干潟化についての検証、影響分析、再生方策を提示していただきたいと思います。

 なお、八代海湾奥部を含む八代海北部海域の検討に当たりましては、先ほどご紹介いたしました平成19年度社会資本整備事業で国の4省庁連携にて実施しました「浅海化・干潟化による影響緩和のための一体的な基盤整備方策検討調査」のフォローアップを行うなど、十分活用していただくようお願い申し上げます。委員の皆様には、ご参考までに4省庁連携による調査報告書をお手元に配付しております。平成20年3月と書いておりますものをご覧いただきたいと思います。

 中身の一端だけ簡単に触れさせていただきますと、水産庁の報告書の59ページ――下のほうに「水-59」と書いてあるかと思いますけども、そこに総合検討として各省庁の対策案との連携方策が提示されています。ちょっと分厚くて申し訳ありません。

 次に農林水産省の報告書については、53ページ、「農-53」と書いてあるところ以降に対策案が複数例示されております。また、60ページ、61ページには複数の案の合併案として、しゅんせつ土を活用し、潮の流れを変化させる案も例示されています。

 説明は省きますが、林野庁、また国土交通省もそれぞれの対策案を平成19年度に例示していただいています。いずれの案もそれぞれの効果、対策案の実施よる海域環境への影響等、詳細の検討が必要であると考えておりますので、委員の皆様には再生方策について専門的な観点からこういう資料についても評価・検討いただけたらと思います。

 最後になりますが、有明海・八代海等を再生し、誰もが実感できる豊かな海を将来世代に引き継いでいくことは、今に生きる我々世代の責務だと考えております。本県における取り組みや検討事例なども参考にされるとともに、検証・評価していただきまして、有明海・八代海等が豊かな海として再生し、永続的に続くよう国及び委員の皆様の英知及びご尽力に期待しております。

 熊本県の取り組み、要望は以上です。どうぞ、よろしくお願いします。

○樽谷小委員会委員長  ありがとうございました。

 それでは、ただいまの熊本県からのご報告につきまして、ご質問等ございましたらよろしくお願いします。松山委員、よろしくお願いします。

○松山委員  スライドの16番のところに、これまでに県内を中心として行われた論議における八代海のいろんな課題が示されております。これを見させていただくと、今、取りまとめをしておる総合調査評価委員会のほうでは、最初に渦鞭毛藻・ラフィド藻と赤潮の発生、それと、一部ですけどもA2海域でアサリが減少していることを、八代海の問題点として特定されています。あと、藻場が減っているという話もありますけども、委員会報告書では、多分、今、取り扱われていない。そういう状況の中で、18番目のスライドのところにいろんな再生方策の方向性が示されています。

 有明海のほうも、21のスライドのところに問題点要因として、アサリ漁場における底質の改善、それと、天草海域でのマダイの資源を回復させるための藻場造成ということが書いてあるんですけど、おそらく、総合調査評価委員会で扱うべき大きな問題点と、それぞれの地先で行うローカルな課題が混在した形で資料が整理されていると思います。

 例えば、21のA7海域では、天草海域の問題点要因を特に今のところは挙げられてないのですよね。マダイの資源回復ということで、この後におそらく資料を載せてあるかと思うんですけど、有明海の魚類資源、漁獲量、どれもが減少している中で、マダイはまだ比較的横ばいの状態で、むしろ減ってない魚種のほうに入っています。このあたりの問題点の重みづけと順位づけをしていただくといいと思います。委員会報告書に載ってないいろんな問題点要因がこちらの資料にたくさん挙がってくると、混乱するところもあるかと思います。たくさん項目を列記させている部分の重みづけというか、順位づけをしていただくと、我々委員のほうも混乱しなくて済むかと思います。

○樽谷小委員会委員長  ほかに何かございますでしょうか。

○山本委員  八代海北部に関しては、浅海化というのが一番問題と受け取れるんですけれども、その要因についてはどう整理されていますか。

○熊本県  要因につきましては、専門的な部分はなかなかわからないのですけども、海水の流れが悪いことで湾奥に泥土がたまっていくと考えています。以前実施された県の調査や熊大のフォローアップ調査では、干潟がだんだん上昇して沖合化していまして、その原因につきましては県のレベルではわからない部分もありますので、こういった浅海化・干潟化が生物多様性に与える影響、沖合の海域環境に与える影響等について、原因も含めて、ぜひ、評価委員会報告の中で検討・評価していただけたらと思います。

○山本委員  陸上からの土砂流入が増えている、あるいは陸上からの土砂じゃなくても水の流入量が増えているとか、そういう陸上の影響はとりあえずないということですね。

○熊本県  こういった過去の報告書を見ますと、外海からの土砂が堆積することや、当然、河川からの堆積もあるかと思います。それについて分析していただけたらと思います。

○樽谷小委員会委員長  それでは時間となりましたので、熊本県からのご報告はこれまでとさせていただきます。

 以上で、4県からのご報告が終わりました。

 ここで、進行を滝川委員長に交代いたします。よろしくお願いします。

○滝川小委員会委員長  それでは、引き続き合同会議を進めさせていただきたいと思います。

 次は、合同資料の2-①及び合同資料2-②-1と②-2を用いて、農林水産省からのご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○農林水産省  農林水産省からは、4県協調の取り組みにかかります平成27年度の浮遊幼生、着底稚貝調査結果について、また、昨年度の海域再生小委員会においてご報告をさせていただいておりますが、平成2712月までの諫早湾干拓事業の潮受堤防の排水門の開門に伴う環境変化を把握するための調査結果につきまして、ご報告をさせていただきます。なお、時間の関係上、浮遊幼生調査、着底稚貝調査結果を中心にご説明させていただきたいと思います。

 まず、合同資料2-①です。こちらの資料につきましては、有明海4県及び4県漁連が参加いたします、有明海漁業環境改善連絡協議会におきまして、本年3月にご報告させていただいた資料と同様のものとなります。

 まず1ページ目になります。調査の目的は、有明海のアサリやタイラギの二枚貝類の資源が減少していることは先ほど各県からご報告があったとおりで、その要因の一つといたしまして、母貝集団の減少による浮遊幼生の発生低下や稚貝加入量の減少が資源の減少に拍車をかけていると考えております。

 このようなことから、有明海における二枚貝類の母貝育成に適した漁場や、そこから発生した浮遊幼生が着底し、生育できる漁場を特定いたしまして、これらを活用して有明海の再生につなげていくことが重要だと考えております。例えば、母貝の産卵場における資源保護などの取り組み、浮遊幼生が着底して生育する底質環境の改善といった取り組みをより効果的に進めていくことも見据えながら、4県協調の取り組みの柱の一つとして、アサリ、タイラギ、サルボウ、ハマグリの4種を対象といたしまして、調査を実施しています。

 3ページ目、4ページ目には調査地点をお示ししております。また、5ページ目の調査・分析の流れについては、現地調査につきましては、4県で分担して実施していただき、資料を受け渡していただきまして、九州農政局で分析を行っています。

 9ページ目からが調査結果です。まずアサリの浮遊幼生調査の結果です。グラフがございますが、左上が福岡県の調査地点、右上が佐賀県、左下が長崎県、右下が熊本県となります。

 アサリの浮遊幼生につきましては、熊本県の地先の調査地点で多く発生しています。また、福岡県の大牟田の地先である福-2でも11月にかなり多く発生していました。

 ページをおめくりいただきまして、10ページになります。こちらは着底稚貝調査の結果ですが、着底稚貝につきましては、福岡県の調査地点と、熊本県の調査地点で多く着底稚貝が確認されています。これらを踏まえまして、産卵海域の推定、着底海域の推定を行っております。

 11ページは、まず、産卵海域の推定になります。左側の図を見ていただきますと青の円のグラフがございますが、これはアサリのD型幼生という、産卵後1日経過した、生まれたばかりの幼生がどこに分布していたかを示した図です。これを見ますと、有明海東側の福岡県の大牟田沖から熊本県の荒尾沖、さらに菊池川沖、緑川沖にかけて多くの生まれたばかりの幼生が確認されています。また、これとは別に、佐賀県の湾奥西部の太良でも確認されています。

 このような27年度の調査結果をもとに、産卵場の推定を行っております。こちらは右側になりますが、この検討時におきましては、まだ、27年度の気象や河川流量のデータが入手できておりませんでしたので、25年度の気象や河川流量などに基づきまして推定を行っております。右側の赤の斜線を引っ張っているところが主な産卵海域ではないかと推定しました。同じ図で緑で着色したアサリの漁場とおおむね一致していますが、佐賀の湾奥の西側、現在のアサリの漁場とは必ずしも一致していない塩田川の河口のカキ礁にアサリの生息が確認されており、今年の調査結果では、こういったところも産卵海域となっているのではないかと推定しています。

 次に12ページになります。こちらは着底海域の推定ですが、浮遊幼生と同じように、着底前の浮遊幼生の分布状況、さらには着底稚貝の分布状況をもとにしまして、一番右側、青の斜線で囲っているところが主な着底海域と推定しました。これが、アサリの昨年度の調査結果です。

 次に13ページのタイラギです。タイラギの浮遊幼生の分布状況は、1回の調査で1から6の地点で確認されておりますが、ご覧のように非常に生息密度が低くなっています。

 次の14ページは着底稚貝です。8月に熊本県の荒尾沖、9月に福岡県の大牟田沖で確認されているのみで生息密度が低く、タイラギにつきましては先ほどのアサリのように産卵海域や着底海域の推定ができるようなデータがそろっておりませんので、まだ推定しておりません。ただ、15ページの佐賀県が行っておりますタイラギの生息状況調査では、大牟田沖で比較的多くの稚貝が確認されています。

 次の16ページはサルボウです。四つのグラフを見ていただきますと有明海全域で確認されていることがわかりますが、とりわけ、右上の佐賀県の地先で多く確認されています。

 また、17ページは着底稚貝になります。サルボウの着底稚貝につきましては、小さく枠囲みの下に米印で書いてあるように、本調査では網目が1ミリのソリネットで採取しており、着底直後の稚貝がうまく採れていません。サルボウの着底稚貝については全体的に、佐賀県地点と熊本県の地点で確認されたのみでした。

 次が、サルボウの産卵海域の推定で18ページになります。アサリと同様にサルボウの産卵海域の推定を行ったところ、推定される主な産卵海域といたしましては、右側の図に赤く囲っている佐賀県、福岡県の海域、また、諫早湾内や熊本県の地先も産卵海域になっているのではないかと推定しました。

 その下の19ページですが、主な着底海域といたしましては、佐賀県の湾奥西部、また、福岡県や熊本県の地先も着底海域になっているのではないかと推定しました。

 ページを飛んでいただきまして、21ページはハマグリです。ハマグリにつきましても、タイラギと同様に浮遊幼生、着底稚貝、両方とも生息密度が非常に低かったということで、産卵海域、着底海域の推定は実施することができませんでした。

 最後の24ページ、産卵場・着底場の推定についてです。昨年度、4県協調の初年度として、調査結果と違う年度の気象データや河川データを用いて推定しておりますことから、今年度、27年度の河川流量や気象データがそろいましたら、そちらのデータを用いて、もう少し精度が高い産卵場、着底場の把握を行っていきたいと考えております。このような結果をできるだけ具体的な対策につなげていけるよう、今後とも漁業者さん、各県の皆様方のご意見を伺いながら作業を進めてまいりたいと考えております。

 なお、今年度の浮遊幼生の調査につきましては、4月25日から春のアサリの調査を開始したところです。

 浮遊幼生調査の結果につきましては、以上です。

 もう一つの合同資料2-②-1と2につきましては、冒頭申し上げましたように、昨年9月の海域再生小委員会において平成27年3月までの調査結果についてご報告をさせていただいたところですが、今回は2712月までの調査結果を追加しています。時間の関係上、詳細な説明は省略させていただきたいと思いますが、基本的には4ページから5ページにかけて水質、6ページから7ページが底質、8ページから11ページが水生生物、最後12から13ページは底生生物について記載させていただいております。基本的には、昨年度ご報告をさせていただきましたこれまでの調査の傾向とおおむね同様の結果です。データにつきましては、ご要望があればご提供させていただきたいと考えております。

 駆け足で恐縮ですが、農林水産省の報告は以上です。

○滝川小委員会委員長  どうもありがとうございました。

 ただいまのご報告について、何かご意見、ご質問等ございませんでしょうか。どうぞ、小松委員。

○小松委員  一点教えてください。

 スライドの1819なんですが、サルボウの18の右で推定される主な産卵海域というところで、諫早湾の中が産卵海域になっているんですけど、ここにそんなにサルボウがいるのかなというのが一つです。それから、諫早湾の中は着底海域になってないのですけど、着底海域になってなくて次の母貝の再生産ができるのか。私はこの辺は素人なので、教えてください。

○農林水産省  昨年度、27年度の調査では、まずデータとしては、産卵海域として、諫早湾で産卵直後の浮遊幼生が確認されています。着底海域は、調査のやり方によって、着底直後の稚貝がネットの網目が大きくて捉えられていないところもあって、もしかしたらいたのかもしれませんが、それを押さえきれていないところもございます。今年度、もう少し稚貝が成長した段階で、秋口に稚貝を採ってみて、諫早湾内でもいるのかどうかもあわせてデータを積み重ねて検討したいと考えます。

○滝川小委員会委員長  ほかにご質問ございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

○滝川小委員会委員長  私から。教えていただきたいんですけど、浮遊幼生の発生、あるいは着底について調査をなさっていて、それに適した漁場の再生を図ろうということで、非常に重要な調査だと思います。今、小松先生からもご質問があったんですが、例えば、19ページの産卵海域の推定において、左側では幼生がこうなっていて、右のほうには「推定される産卵海域」と書いてあるんですけど、どういう方法で推定されたのかというのが1点です。

 もう一つは、シミュレーションをやりますということが最後のページのところに書いてある、数値モデルで計算される産卵場、着底場というのは、計算したらそれなりの答えが出てくるんですけど、そういったものを実際にここで目的にしている二枚貝の着床の場所の特定や漁場の改善にどう結びつけられるのか、その位置づけについてご説明いただければと思います。

○農林水産省  まず、推定の方法ですが、昨年度は27年度の直近の気象データや河川データ、流速のデータがなかったものですから、過年度の平均流速や平均の流向を用いて、基本的には既存のこれまでわかっている魚場のエリアと照らし合わせながら、大体このあたりではないかという推定をしております。今年度は、シミュレーションモデルを用いて、新しいデータを入れながらそこを精緻化していければと考えています。

○滝川小委員会委員長  ここでお示しなさっている図そのものはシミュレーションにかけた結果ではないけれども、過去の状況からということですね。

○農林水産省  そういうことでございます。

○滝川小委員会委員長  それと、浮遊幼生、あるいは着底条件についてシミュレーションされるんですけど、具体的にこれをどう使われるのかということです。

○農林水産省  活用に関しては、もちろんシミュレーションモデルは万能なものではございませんので、漁業環境改善連絡協議会という4県の漁連さんが入っている会議で、漁業者さんの現場の実感としてのご意見も伺いながら、また、これとは別に覆砂であったり海底耕耘などいろんな実証等をやっているので、その結果をデータベース化していくことも、今、考えております。例えば覆砂をやって効果がどうだったとか、浮遊幼生の発生状況がどうだったかをデータ化して重ね合わせながら、より効果的な取り組みになるように、今、作業を行っています。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございます。

 多分、シミュレーションモデルは、母貝の集団をどこにつくったらいいのか、その結果どこに行くのかについて、試行錯誤的にたくさんやらなければいけないという感覚がありまして、そういったものと現実とのギャップをどう埋めていくのかが非常に重要になると思ってお伺いいたしました。また、よろしくお願いします。ありがとうございました。

 ほかにご質問ございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

○滝川小委員会委員長  それでは、農林水産省さんからのご報告ですが、その前に4県さんからのご報告も含めまして、何か全体でご質問があればと思いますが、いかがでしょうか。何か質問しそびれたというか、まだ質問があるけどということがあればお伺いしたいと思います。よろしいでしょうか。この評価委員会あるいは小委員会等を含めて、かなりたくさんの要望が出てまいりましたけども、事務局といいますか環境省さんから、それに対するご回答みたいなのが少しでもあればと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長  今日この場では特に回答はございませんが、要望も含めていろいろ話をお伺いしましたので、そういった指摘を踏まえて、次回以降のこの小委員会の場において皆様にご議論できるような資料を用意できればと思いますし、また、関係の各県の方や農林水産省さんをはじめ、関係の方に個別にお問い合わせすることもあろうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございます。

 ほかによろしいでしょうか。

(「なし」の声あり)

○滝川小委員会委員長  それでは、ただいま関係各県及び農林水産省さんからのご報告等をいただきました。今後、これらのご報告等を参考に評価委員会の報告を取りまとめていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくご協力お願いいたしたいと思います。ありがとうございました。

 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。

 合同資料3になります。魚類関係ということで、山口先生からご説明をお願いいたしたいと思います。

○山口(敦)委員  長崎大学の山口です。

 魚類に関しては、10年前の委員会報告を取りまとめるのに当たって、少しその前にお話をさせていただいたことがあるんですけど、おそらくそれ以来になります。そのときは魚類が取り上げられることはほとんどなかったと思います。今日は10分というお時間をいただきましたので、少し急いで要点だけをお話しさせていただきたいと思います。

 では、資料の1ページの有明海の漁業生産量の推移から見ていきたいと思います。

 まず、有明海の漁獲量ですけれども、総漁獲量が赤色で示してあります。緑色で示してあるのがノリなんですけど、総漁獲量に占めるノリの割合が非常に多いのは皆さんご存じのとおりかと思います。青色が海面漁業で、その下にある茶色が貝で、有明海の場合は大部分が貝類で占められているという特徴がありますが、この漁獲量が軒並み減少傾向にあるということは、先ほどお話に出てきたとおりです。

 2ページ目は有明海の魚類の漁獲量の経年変化のグラフです。下のところに注釈があって、おそらく印刷の関係でこちらに出てきてしまっているんですが、これは1ページの注釈ですので、修正をお願いします。

 魚類の漁獲量ですけれども、1987年をピークに、それ以降は減少傾向にあります。前回の委員会報告のときも取りまとめているんですけれども、それ以降も減少傾向が続いておりまして、2013年に至るまでさらに減少しています。

 次に3ページを見ていただきたいんですが、八代海の漁業生産量の推移を示しております。赤色が総漁獲量で、減少傾向にあるんですが、有明海ほど減少していません。八代海の場合は魚類養殖が盛んに行われておりまして、養殖の生産量が増えてきていることもあって、全体的にはそれほど減っていないのだと思います。海面漁業漁獲量は青色ですけど、こちらは減少傾向にあるのがおわかりいただけるかと思います。

 次の4ページ目は八代海の魚類漁獲量の経年変化の図です。こちらは、先ほどの有明海の図と見比べて、有明海ほどの減少傾向は見られません。

 次の5ページ目は」、有明海全域を通した問題点と原因・要因の考察ということで、現状と問題点、それから原因・要因の考察につなげて、漁獲量の中身を見ていきたいと思います。

 まず、現状ということで、有明海の漁獲量をもう一度ここに出しているんですが、県別の魚類漁獲量です。前回の委員会報告でまとめたときもお話したように、魚類の漁獲量に関しては長崎県が最も多かったんですが、長崎県の漁獲量の減少程度が大きいということがありまして、2005年以降は熊本県のほうが長崎県を上回ることも多くなっております。長崎県が大きく減少しています。

 6ページ目をご覧いただきまして、どういうことが起こっているのかということで、必ずしも漁獲量というのは資源量とイコールではないのですけれども、ほかに使用できるような資料がないということで、漁獲量で資源量の大まかな推移を推定していきたいと思います。

 図6なんですけれども、漁獲量が一番多かった年と、少なかった年の中身を比べてみました。そうしますと、どちらもコノシロが一番多いんですけれども、漁獲量が多かったときは2番目にニベ・グチとか4番目にウシノシタ、5番目にカレイ類などが出てきているんですが、これらが2006年にはかなり大きく減少してることがわかります。先ほどもちらっと話に出たんですが、実はマダイが1987年と2006年で若干増加しているように見えるんですが、マダイがこれらを越しまして、2番目に多くなっております。こういった変化がみられています。

 6ページ目の図7のところからは種別の漁獲量を、これも同じく県別に見てみました。この中で、ニベ・グチ類、その他カレイ類と書いてあるもの、クルマエビは前回の委員会報告で減少している魚類と同じ傾向があるということで取り上げたので、ここに加えてあります。それからウシノシタ類です。見ていただきますと近年の減少程度が非常に大きいということで、これも前のときにまとめたとおりです。問題点の一つとして、魚類の漁獲量が減少しているんですけれども、特に底生の魚類の漁獲量の減少が大きな問題点の一つとして挙げられるかと思います。

 その一方で、マダイを見ていただきますと、ここ何十年かそれほど大きく変わっていません。内訳を見てみますと、圧倒的に熊本県の漁獲量が多いということで、マダイの漁獲量の多さが熊本県と長崎県の入れかえにつながっているのではないかと考えられます。

 その他、コノシロ、フグ、スズキ、ボラなども7ページにまとめてありますので、そちらも見ていただきたいんですが、全て一括ではないのですけど、底引き網などで多くの魚類に同じような漁獲圧がかかっていて、これが近年特に増えているとは思えないので、その減少要因を考えたときに、漁獲圧というのも一つあるんですけど、初期減耗が大きいことが減少要因の一つではないかと考えております。

 8ページ目を見ていただきますと、前回の委員会報告のときに取りまとめた魚類と資源回復のための重要課題についてです。右側の図にも書いてあるんですが、水産上有用な魚介類の多くが長崎県沖の有明海の中央部から湾口部で産卵を行い、その仔稚魚が湾奥の浅海域や感潮域で生育する。最近はこのような生活史を持つ魚介類の減少が著しいことから、生産機構の解明が急務だということで、少しまとめてみます。

 産卵の場と生育の場が離れている魚類が有明海には多いという一つの特徴がありまして、そういったものが減少している傾向にあるということで、その生態の解明が急務だということで、その後、さまざまな調査を行ってきました。その一つとして、下に書いてありますような、卵・仔魚の輸送機構の解明や輸送経路、育成上の環境影響評価といった調査をやってまいりました。

 9ページ目の図8にシログチに代表される再生産機構を示しています。先ほども言いましたように、近年の減少程度が非常に大きくて、漁獲量が全体の中で多くの部分を占めている底魚の中で最優先種でもあるシログチをモデルに取り上げて、再生産機構を解明しました。

 結果と生体の調査です。この10年、15年ぐらいこの調査をずっとやってきておりますので、生活史等についてわかった結果をそこに取りまとめてありますが、ここに書いたように詳しい輸送の仕組みや生活史、各生活史段階でどのように生息場を変えるかといった生息場利用パターンも明らかになりました。

 図9を見ていただきますと、これまでシログチは、有明海の中央部で産卵をして、仔魚、稚魚が湾奥に出ることまではわかっていましたが、実は、有明海は種の多様性が高い海域で、外部形態が非常によく似た別種がたくさん存在しておりまして、ここが調査の難しさの一つでした。そこで、DNAで種を正確に分けるという方法で、シログチとよく似たコイチという同じマニベ科の魚の、詳しい生育上の違いを明らかにしました。

 次の10ページ目、11ページ目にかけて、図10にコイチ仔稚魚の分布とありますけれども、これは田北先生が1974年に取りまとめられた論文で、田北先生によりますと、当時は出た場所によって種を分けていたそうです。それがシログチかコイチかというのは今となってはわからないのですが、おそらくどちらかであろうということで、当時、ここまでの情報しかなかったんですが、前回の委員会報告のときにも取り上げているんですけれども、11ページ目の図11にありますように、今回の貝類等でやっております海域区分に合わせて生息場をどう変えるかを種別にかなり詳しく述べることができるようになっております。

 例えば、平成18年度の委員会報告では、シログチの産卵場を、この図11でいうと、左側の図で古い海域区分のC、仔魚の生育場をAとしていたんですが、その後の研究でさらに詳しい海域利用がわかって、産卵場はA7、仔魚の輸送経路がA3・A5、仔魚の生育場はA2とA3、稚魚の成育場がA1であることがわかりました。コウライアカシタビラメなども同じような生息場の利用パターンを持っているということがわかっております。

 こういった海域区分を詳しく1種類ずつ見ていきますと、どの段階で、どういった環境悪化が減耗に効いているかもまとめることができるかと思います。

 デンベエシタビラメについては、11ページのところに文章を少し載せていて、図12に模式図を示しておりますけれども、この海域区分でいいますとA2、A3が産卵場、そして仔魚の生育場がA1、そして河口域は区分に入っていないのですけど、そこが稚魚の成育場となっているということがわかりまして、こういったタイプの生活史を持つものに関しては、感潮域や河口域、干潟・浅海域自体がなくなったり減少したこと、それに加えて、そういった場所の環境悪化が、初期減耗を高める要因になっているのではないかと推定することができます。

 12ページ目の図13からは、どういった減耗要因があるかということで、例えば、貧酸素との関係なんですけれども、仔魚が採れた場所の溶存酸素量を調査のたびに測定しまして、実際どのぐらいの酸素量のところに仔魚が出現したかを示しています。それだとニベ科に関しては2.7mg/L、それからデンベエシタビラメだと3.05mg/L以上だと出現していますので、生息できる溶存酸素量の下限がこのぐらいではないかと推定することができます。

 13ページ目の図14ですけれども、同じ場所に生息する仔魚の餌生物に対する選択制ということで、同じ場所に出現する同じような大きさの仔魚であれば、同じようなプランクトンが利用可能かと思い、いろいろと調査をしました。仔魚によって餌の選択制というのがありまして、さっきは貧酸素を挙げましたけれども、それ以外に仔魚が利用できる餌がすぐ近くにあるかどうかといった餌環境も初期減耗を高める要因の一つとなっている可能性があります。

 図15からはニベ科仔魚の分布密度の経年変化で、2007年から2012年までのニベ科仔魚の輸送経路、あるいは生育場になっている場所での分布密度の調査結果を示しておりますが、2007年から2012年にかけても徐々に減少していることがわかります。以前のデータと比べることができないのですけれども、少なくともこの期間は減少傾向にあることがわかります。

 図16には、底引き網により採集された魚類の平均漁獲重量割合と漁獲個体数割合を示しております。もう一つの問題点として、魚種組成の変化というのがありまして、例えば、エイが急に増加をして貝を食害することが問題になっていて、減ったものがたくさんある中で、増えたものもあることがわかります。それで、魚種組成についても一つ取り上げて、ずっと調査をしているんですが、この図を見ていただいても、2001年から調査をやっておりますが、少なくともこの海域はエイ類の割合が多いことがわかっております。以前に比べて増えたのかどうかが全体的にわかるような資料はありませんが、14ページを見ていただきますと、漁獲統計のグラフがあります。キャプションがないのですけども、上のグラフがサメ、エイの漁獲量で、青色がエイの漁獲量なんですけれども、漁獲量ではエイが増える傾向にあります。ここにサメが載せてあるのは、先ほど魚種組成の変化と言いましたけども、サメが減少して、それに伴いエイが増加している、あるいはこの二つが対応している可能性があるということで、この二つを載せています。単純に減少するだけではなくて増えているものもあるということで、減ったものだけを捉えるのではなくて、生態系全体を見渡した要因の考察が必要になってくることの一例です。

 同じくエイと貝の漁獲量を示しておりますけども、これも少し対応しているように見えまして、貝が多いときはエイが少なくて、エイが増えたときに貝が少なくなっています。このエイの漁獲量はおおむねアカエイの漁獲量を示しております。

 15ページには八代海の魚類の漁獲量と魚種組成を示しています。八代海については,まだ種別の統計等をまとめておりませんので、とりあえずここでは、今のところできている多いときと少ないときの内訳と、どういったものが漁獲されているかを示しております。有明海に比べて、八代海で一番多いのは、1980年はカタクチイワシ、それからマイワシ、タチウオ、キハダときておりますけれども、こちらのほうは有明海に比べて浮き魚類が多いのが特徴で、採れている中味もかなり違います。それによって漁獲量の変化も違っているのではないかと考えられます。

 急いで説明をしましたので不十分だったかもしれませんが、とりあえず今のところはこういったことです。八代海について、おそらく多くのことが今後の課題として残されることになるのではないかと思います。有明海以上に情報がないという現状です。

 以上です。

○滝川小委員会委員長  ただ今、山口委員から魚類関係の資料についてご説明いただきました。何かご意見・ご質問等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 八代海のほうは今までほとんどデータがないということで、これから含めてどのぐらいかかりそうなんでしょうか。随分時間がかかりますか。報告書にまとめる際に、八代海のデータがほとんどないということで、集めるとしたらどのくらいかかるのかなというのをお願いします。

○山口(敦)委員  漁獲統計に関しては、もう少しお時間をいただいて、できるだけ頑張ってやるしかないですけれども、有明海は先ほど魚種ごとに少し詳しい海域区分を書けるという話をしたんですけど、八代海については、そういった海域区分をするのに十分な情報がないので、そこまではおそらくできないと思います。どのぐらいかかるかというのは、ちょっとわからないです。今、有明海をやっとまとめたところですので、もうしばらくということで。

○滝川小委員会委員長  ありがとうございます。多分、各県さんからの情報提供なども大事なことかと思いますので、ご協力よろしくお願いします。

 ほかに何かご質問ございませんか。

○小松委員  ちょっと教えていただきたいんですけど、11ページ目にコイチやデンベエシタビラメなどの生態的な挙動を述べられています。A2・A3で産卵して、A1を生育場としているということで、その後に、感潮域、河口域、干潟・浅海域の減少や環境悪化が初期損耗を高め云々という記述がありますね。この有明海の奥部のA1、A2、A3がここ10年、20年、すごく環境が悪くなったということなんでしょうか。

○山口(敦)委員  この10年悪くなったというより、前回の委員会報告でもこれに近いまとめをしているんですけれども、1987年から全体に減少傾向にあって、その全体の減少で特に近年ということです。近年といっても10年以上で、魚種によって違いますが、1990年代中ごろから2000年ぐらいにかけて減少程度が大きいものもあって、いつからいつまでというわけではないのですけれども、生態的な特性から考えると、場自体がなくなってきていることとか、その海域の環境悪化が減耗に効いているのではないかという記述をしています。

○滝川小委員会委員長  どうもありがとうございました。

 それでは、魚類関係につきましては、本日のご説明、あるいはご意見等を踏まえて、今後の委員会報告等に盛り込むように作業をお願いいたしまして、次回以降の小委員会でまたご議論していただくことになると思います。よろしくお願いします。

 それでは、その他全体を通じまして合同セッションの中で、何かご意見ご質問はありますでしょうか。よろしいでしょうか。

(「なし」の声あり)

○滝川小委員会委員長  それでは、終了の時間が迫ってまいりましたので、これで終わりにさせていただきたいと思います。合同セッションで予定されておりました議事につきましては全て終了いたしました。議事進行へのご協力をありがとうございました。

 それでは、進行を事務局にお返しいたします。

○鳥山閉鎖性海域対策室主査  まだ生物小委の議題が残っておりますが、3点連絡させていただきます。

 まず、本日の予定ですが、この後、午後3時5分から第13回生物小委を再開いたします。生物小委の委員各位におかれましては、生物小委の配付資料の2枚目にあります座席表のとおりに席の移動をお願いします。

 次に、次回の小委員会についてですが、6月24日に福岡での開催を予定しております。また、次回は海域再生小委と生物小委との合同開催とする予定です。

 最後に3点目ですが、後日、事務局より議事録の確認依頼を行いますので、よろしくお願いします。内容確認後、環境省のホームページに公表させていただきます。

 それでは、第13回海域再生対策検討作業小委員会をこれにて終了いたします。ありがとうございました。

14時59分 閉会