有明海・八代海等総合調査評価委員会 生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会(第1回)
1.日時
平成24年9月10日(月)午後2時~4時
2.場所
経済産業省別館1020号会議室
3.出席者
小委員会委員長 | : | 有瀧真人委員長 |
---|---|---|
委員 | : | 岩渕光伸委員、古賀秀昭委員、速水祐一委員、本城凡夫委員、山本智子委員、梅崎祐二委員 |
専門委員 | : | 大村浩一委員、田添伸長委員、福留己樹委員、松山幸彦委員 |
事務局 | : | 環境省水・大気環境局長、水・大気環境局水環境課長、水環境課閉鎖性海域対策室長水環境課閉鎖性海域対策室長補佐 |
午後1時58分 開会
○阿部室長補佐 定刻よりも少し早いですけれども、各委員がおそろいですので、ただいまから有明海・八代海等総合調査評価委員会第1回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を開会いたします。
まず、本小委員会は、公開の会議となっておりますことを申し上げます。また、本日、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会の検討委員が全員、ご出席となっておりますことを申し上げます。
続きまして、当省、小林水・大気環境局長からごあいさつを申し上げます。
○小林水・大気環境局長 環境省水・大気環境局長の小林でございます。この8月にこの職務を拝命いたしまして、先生方にお世話になることになりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
有明海・八代海をめぐる環境の問題あるいは水産の問題は、長い議論、取組の経過がございますし、大変大きな課題であると承知をしております。先生方のご指導をいただいて、しっかり議論を進めていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
有明海・八代海等総合調査評価委員会の第1回目の生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会の開催に当たりまして、一言、ごあいさつを申し上げます。
昨年8月に有明海・八代海等の再生のための特別措置に関する法律の一部改正法が成立をいたしまして、従来からご指導いただいております有明海・八代海等総合調査評価委員会が4年ぶりに審議再開をいただいたところでございます。昨夏以来の委員会では、4年間としばらく間があいたわけでございますが、この間の海洋環境の問題あるいは水産資源の動向がどうであるのか、また、関係省庁がどんな取組をしてきたのか、再生に向けての取組状況がどうかということについてご報告を申し上げたところでございます。また、委員会を今後、どういう方向で有明海などの再生の評価という役割を果たすべきなのかも議論やご確認をいただいたところであります。
その重要な役割の一つが有明海・八代海等で生じている生物や水環境をめぐる問題について、徹底して原因あるいは要因の究明をしていくことであります。6月に開催された委員会では、今後の審議を円滑に、また、スピードアップして進めていくために、審議に必要な情報の収集、整理、分析を行う本小委員会の設置が決定されたところでございます。
今日は委員の先生方には大変遠方のところ、また、ご多忙のところ、お越しをいただいておりまして、厚く御礼を申し上げます。
この小委員会の委員には、有明海・八代海等に面するすべての県の水産関係試験研究機関の皆様方にご参画をいただいておりますし、独立行政法人水産総合研究センターや水産分野の第一線でご活躍の先生方にも顔をそろえていただいております。そういった意味で、水産系分野についての錚錚たるメンバーがここにお集まりをいただいたと感じております。環境省の水関係の審議会、検討会の中でも非常に異色の構成でありますが、非常に期待を申し上げるところでございます。
これは裏返しますと、二枚貝類の大量死あるいは赤潮、貧酸素水塊の発生など、今、有明海・八代海等で問題になっている事象、これが非常に水産に関連したものであるということの証でもあると感じているところでございます。今日のご出席の皆様方はこの学識におかれても第一級の皆様方でございますが、また、現場も大変よくご存じの皆様方でございます。そういう意味で、いろんな知見が集積をされて議論が進むと、これが有明海・八代海などの問題事象の原因・要因の解明に活かされていくものと心より期待を申し上げているところでございます。
これによりまして、また、親委員会で検討いただきます、あるいはもう一つの小委員会で検討いただきます有明海・八代海の再生の道筋とともに、有明海及び八代海等の再生の評価が進んでいけば大変ありがたいと感じているところでございます。どうぞ、よろしくお願いを申し上げます。
○阿部室長補佐 続きまして、今回、この小委員会は第1回会合でございますので、最初に委員を紹介させていただきます。お手元の資料の資料1の委員名簿をご覧いただけますでしょうか。事務局より名簿順にご紹介させていただきます。
まず、最初に有瀧真人委員です。独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所有明海・八代海漁場環境研究センターのセンター長をなされています。
○有瀧委員 有瀧でございます。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、岩渕光伸委員です。福岡県水産海洋技術センター企画管理部部長をなされています。
○岩渕委員 岩渕です。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、古賀秀昭委員です。佐賀県有明水産振興センターの所長をなされています。
○古賀委員 よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、速水祐一委員でございます。佐賀大学低平地沿岸海域研究センターの准教授をなされています。
○速水委員 速水でございます。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、本城凡夫委員でございます。香川大学瀬戸内圏研究センターの特任教授をなされています。
○本城委員 本城です。よろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 続きまして、山本智子委員でございます。鹿児島大学水産学部の准教授をなされています。
○山本委員 山本です。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、梅崎祐二委員でございます。熊本県水産研究センターの所長をなされています。
○梅崎委員 梅崎です。よろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 続きまして、大村浩一委員でございます。福岡県水産海洋技術センター有明海研究所の所長をなされています。
○大村委員 よろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 続きまして、田添伸委員でございます。長崎県総合水産試験場の場長をなされています。
○田添委員 田添です。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、福留己樹夫委員でございます。鹿児島県水産技術開発センターの所長をなされています。
○福留委員 福留です。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、松山幸彦委員です。独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所有明海・八代海漁場環境研究センターのグループ長をなされています。
○松山委員 松山です。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 続きまして、本日、この会場に有明海・八代海等総合調査評価委員会の委員長でいらっしゃいます岡田委員長がご出席です。
○岡田委員長 岡田でございます。よろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 また、有明海・八代海等総合調査評価委員会の委員で、また、明日、開かれますもう一つの小委員会でございます海域再生対策検討作業小委員会の委員長でいらっしゃいます熊本大学の滝川先生にお越しいただいています。
○滝川海域再生対策検討作業小委員会委員長 滝川でございます。よろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 続きまして、事務局側の紹介をさせていただきます。
先ほどごあいさつしました小林局長のこちらから見て左側になります、委員から見て右側になると思いますが、北村水環境課長です。
○北村水環境課長 北村でございます。よろしくお願いします。
○阿部室長補佐 小林局長の右隣、委員から見て左隣になると思いますけれども、名倉閉鎖性海域対策室長です。
○名倉閉鎖性海域対策室長 名倉です。9月付で着任いたしました。よろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 それで、私が阿部でございます。閉鎖性海域対策室室長補佐をしております。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、当小委員会の委員長ですけれども、参考資料3をご覧いただけますでしょうか。こちらの裏面になりますけれども、4の小委員会についてというところの③のとおり、小委員会に小委員会委員長を置き、委員長の指名により、これを定める、とされております。これは親委員会の総合調査評価委員会の運営方針になりますが、こちらの定めによりまして、親委員会の岡田委員長が既に本小委員会の委員長といたしまして、有瀧委員を指名しておりますことをまず紹介させていただきます。
それでは、ここで本小委員会の委員長であります有瀧委員長からごあいさつをいただければと思っております。よろしくお願いします。
○有瀧小委員会委員長 ただいま事務局よりご紹介いただきましたが、本日もご参加いただいております親委員会の岡田委員長から、新たに組成されます本小委員会の委員長にご指名いただきました水産総合研究センターの有瀧と申します。よろしくお願いいたします。
先ほど環境省の小林局長からのごあいさつにもありましたが、本小委員会のメンバー全員が水産系の研究者であります。さらにつけ加えますと、皆様方とはこれまで有明海・八代海のさまざまな問題を検討する場で、日ごろより情報交換させていただいております。今般、不慣れな委員長をご指名いただきまして、それをさせていただく私にとって一騎当千の皆様方にご参画いただくのは非常に心強く思っております。よろしくお願いします。
さて、親委員会から本小委員会に充てられましたテーマは、先ほどのお話にもありましたが、二枚貝の大量へい死や資源の減少、漁獲の減少、また、その大きな要因となっております赤潮、貧酸素水塊の発生といった有明海・八代海等のさまざまな問題の原因究明、それから、機構の解明、対策技術の開発等でございます。先ほど申し上げましたように、これらの分野はここにいらっしゃいますメンバーを初めとしまして、水産系の研究者で議論を重ねてきたところでございます。
ただ、非常に残念なことですが、ただいまのところ、それを根本的に解決するような対策はまだ見出していないというところでございます。その意味でも、再開されました親委員会であります総合調査評価委員会の期待は、非常に大きいものがあると思っております。本小委員会の役割は、あくまでも親委員会で行われる有明海・八代海等の再生に向けての審議に必要な情報を収集し、分析・整理する、それから、提供することでございます。委員の皆様には当該分野で委員会の審議が滞ることがないように、与えられたミッションにおきまして、本小委員会の運営にご協力を願いたいところです。
それでは、いろいろお手数をかけますが、よろしくお願いします。あいさつにかえさせていただきます。
○阿部室長補佐 有瀧委員長、どうもありがとうございました。
それでは、報道・取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますようよろしくお願いいたします。
議事に入る前に、配付資料を確認させていただきます。お手元の資料ですけれども、まず、1枚紙で配席図、議事次第、資料1から資料3までが1枚紙であります。続いて、左上をホチキスどめしている資料4、あと、資料5がA4サイズの折りたたみになっておりまして、それが1枚です。あと、参考資料といたしまして各委員の資料には裏表が逆についているかもしれませんけれども、参考資料1として有明・八代海特措法の法律の条文をお付けしております。参考資料2ですけれども、特措法のあらましということで、全体がわかる1枚のフロー図をお付けしています。参考資料3、参考資料4が各1枚紙でございまして、参考資料5、委員会報告というのが左上ホチキスどめでございます。続きまして、参考資料6です。こちらはかなり分厚い資料になっておりまして、A4横になっています。第28回から第30回の委員会資料の抜粋です。この資料につきましては、すみませんが、かなりボリュームが大きくなっておりますので、委員会と、あと、事務局にだけ配布しております。資料についてはこの会議の後で公開になりますので、それをご参考いただければと思います。続きまして、参考資料7として委員名簿、これは評価委員会の親委員会の委員名簿、あと、参考資料8で、もう片一方の海域再生小委員会の委員名簿をお付けしております。
資料は以上です。もし不足などがございましたら事務局に申しつけください。特にございませんでしょうか。
それでは、これ以降の議事の進行につきましては、有瀧委員長にお願いしたいと思います。有瀧委員長、よろしくお願いいたします。
○有瀧小委員会委員長 それでは、よろしくお願いいたします。
まず、先ほどの資料の中の議事次第をご覧ください。今日の中身についてご説明したいと思います。議題のところを見ていただきますと、本日、(1)から(4)まで四つの議題が用意されています。ただいま2時15分ですが、16時を目途にこの内容について検討していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、早速、最初の議題(1)、小委員会の設置について、事務局より説明をお願いします。
○阿部室長補佐 それでは、議事(1)についてご説明させていただきます。まず、本日、お集まりの委員で、有瀧委員長を中心にしてこちら側、ブラインド側のほうにいらっしゃる方は親委員会にご出席されている委員、それで、有瀧委員長よりもこちら、廊下側の委員は、今回、新しく選任された専門委員の方でございます。このように新しい方もいらっしゃいますし、第1回目のスタートということもありますので、法律の話からさせていただきたいと思います。
本小委員会の親委員会となります有明海・八代海等総合調査評価委員会ですけれども、これについては参考資料1を見ていただきたいのですが、すでにご承知のことも多いと思われますので簡単に説明しますけれども、有明海・八代海等を再生するための特別措置に関する法律、この法律に基づいて環境省に設置されている審議会でございます。参考資料1で傍線を引いているところがあるのですけれども、これは昨年の法律改正で改正のあった部分にすべて傍線を引いておりますが、今回の説明部分でその傍線が必ずしも関係しないところがありますので、この傍線は気にしないで見ていただきたいんですけれども、まず、この法律というのがどういうものかを確認しておきたいと思います。
まず、第1条の目的部分を読み上げさせていただきます。
この法律は、有明海及び八代海等が、国民にとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫として、その恵沢を国民が等しく享受し、後代の国民に継承すべきものであることに鑑み、有明海及び八代海等の再生に関する基本方針を定めるとともに、有明海及び八代海等の海域の特性に応じた当該海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関し実施すべき施策に関する計画を策定し、その実施を促進する等特別の措置を講ずることにより、国民的資産である有明海及び八代海等を豊かな海として再生することを目的とする、ということになっています。
ここでご注目いただきたいのは、有明海・八代海は、国民にとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫であると、この法律で位置づけております。その恵沢を国民が等しく享受していくためにある法律であるということと、当該海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復による漁業の振興という、こういう二つのテーマをこの法律は掲げていて、計画を策定し、実施することによって豊かな海として、有明海・八代海等を再生していくということが目的になっております。
以下、いろいろ書いてありますけれども、定義の第2条では対象となる海域を定義している条項ですけれども、有明海とは、八代海とはということで載っています。昨年の法律改正で有明海及び八代海に隣接する海域として、二つの海域が加わりました。これが条文で書いているのですけれども、簡単に説明します。参考資料4を見て下さい。参考資料4に特措法第3条に基づく指定海域について概略図があります。この海域部分を見てください。緑っぽい青色で塗りつぶされている有明海・八代海というのが平成14年当時からの法律の対象海域で、昨年の改正によって橘湾という紫色のところ、あと、熊本県天草市牛深町周辺の海域という、この二つが加わったということで、この四つの海域を対象海域にしているというものでございます。
それ以降の条文ですけれども、評価委員会の関係で直接関係してきますのは、7ページ目を見ていただきたいのですが、ここに有明海・八代海等総合調査評価委員会の記述がございまして、第24条です、ちょうど紙の真ん中ぐらいにあるんですけれども、環境省に、有明海・八代海等総合調査評価委員会を置くとあります。
その評価委員会の所掌事務ですけれども、その次の条に、委員会は、次に掲げる事務をつかさどるということで、国及び関係県が第18条第1項の規定により行う総合的な調査の結果に基づいて有明海及び八代海等の再生に係る評価を行うこととしています。また、その第2号といたしまして、前号に既定する事項に関し、主務大臣等に意見を述べるという、調査した結果を評価して、その事項に関して主務大臣に意見を述べるということが、評価委員会の仕事であるということを認識していただきたいと考えています。また、委員会は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して資料の提出とか意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができるということになっています。
第25条第1項に規定します第18条第1項の規定により国及び県が行う調査の結果ということですけれども、それは前ページの6ページのところに、第18条として、調査研究の実施及び体制の整備等とここで書いてありますけれども、国及び関係県は、有明海及び八代海等海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興を図るため、次に掲げる調査を行うとともに、その結果を公表するものとすると書いてございます。ここに1から9まであるのですけれども、時間がかかるので読み上げませんが、ここで確認したいのは有明海・八代海等総合調査評価委員会は、この第18条の規定に基づいて国及び県が有明海・八代海等で実施した調査、これを公表した結果をもとに有明海の再生について評価を行うことになるということ、その形をご認識いただければと思います。
また、この法律の関係でいいますと、10ページに有明海・八代海等総合調査評価委員会令というものがございまして、こちらの中で組織だとか、委員についてだと、か議事だとか、いろんなことの規定が決まっております。これに基づいて親委員会が組織されているということでございます。
それで、法律の概要をさらりと説明しましたけれども、続きまして参考資料2を見ていただきたいのですが、これが有明海及び八代海等を再生するための特別措置法のあらましということで、昨年8月に改正されました有明海・八代海等特措法の概要を1枚にまとめたものでございます。こちらの中で法律改正で橘湾、牛深海域が追加されたとか、それに伴って有明海・八代海の後に「等」がついたということでございます。
あと、評価委員会ですけれども、先ほど説明しましたとおり、第18条第1項の調査規定に基づく有明海・八代海等の再生の評価を行う、主務大臣に意見を具申するという規定があるのですけれども、そこのところで先ほど有明海・八代海等総合調査評価委員会につきまして、小林局長から話があったところですけれども、4年間、会議を開いてこなかったということがございます。
そのことですけれども、有明海・八代海等総合調査評価委員会の下のところに黒字で字体が小さく書かれている部分ですが、法律が平成14年に制定された当時の附則を記しています。法律の施行の日から5年以内に、法律の施行状況、各種調査の結果を踏まえ、必要な見直しを行うということを法律制定時の附則で定められておりまして、当時の評価委員会はこれに係る見直しのために有明海・八代海等の再生の評価を行うという、要は法律を見直しするための情報となる有明海・八代海等の再生の状況というのを出さなければいけなかったということでございます。
そういうことがありまして、実は平成15年2月に親委員会のほうがスタートしたんですけれども、法律の施行の日から5年以内とは、法律の施行が平成14年11月ということでしたので、その5年ということで平成19年11月以内に法律を見直しするためということで、当初の評価委員会につきましては平成18年12月に報告書を出しました。ここで一旦、大体の作業を終了したということです。実はそれ以降、先ほどにもありましたとおり、昨年8月に法律が見直されまして新たに評価委員会が再スタートしたのです。
再スタート後、28回、29回、30回と評価委員会を開いてきましたが、資料2を見てください。第30回評価委員会におきまして次のような決定をしました。有明海・八代海等総合調査評価委員会の小委員会の設置についてということです。二つの小委員会とは、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会、こちらは委員会が行う有明海・八代海等における生物・水産資源及び水環境をめぐる問題に係る情報の収集、整理、分析を行うと、本小委員会はそういう位置づけで設置されました。また、明日、開かれます海域再生対策検討作業小委員会につきましては、委員会が行う有明海・八代海等の再生の評価に係る情報の収集、整理、分析を行うということでまとめられております。
その裏面を見ていただきたいのですが、もう少し詳しく書いております。まず、評価委員会が再開し、再開2回目の委員会で二つの果たすべき役割があるということを確認しています。一つはこれまでの委員会の最大のミッションを継承し、有明海及び八代海等で生じている生物水産資源をめぐる問題点の原因・要因、発生機構の究明を進めるとともに、有明海及び八代海等の再生に向けて科学的な見地から成立し得る再生像を具体的に掲示するとともに、その再生像を実現するために最も効率的かつ現実的な再生手順を明らかにすると、この①と②というのを果たすべき役割として確認し、それを機動的、効率的に進めていくために、下部組織の設置が必要であるということで設置されたということです。
それで、二つの小委員会につきましては、それぞれの所掌が決まっております。本委員会につきましては、2ポツの(1)にありますとおり、有明海及び八代海等で生じている生物・水産資源及び水環境をめぐる問題点、括弧で具体的な例示がありますけれども、へい死事案、漁獲低迷、赤潮、貧酸素水塊の発生等、これに係る現況の把握に関することでありますとか、それについての原因・要因、発生機構に関すること、さらにその問題点に係る被害予防、被害軽減対策の評価に関すること、問題点を解消・克服するための再生手順に関することということで決められております。それらを順次、取りまとめて委員会に提出することが役割ということでございます。ということで、本小委員会が設置された経緯について長々と説明させていただきました。是非ともそういう前提で今後の審議について、調査・検討を進めていただきたいと思います。
また、資料3ですけれども、有明海・八代海等総合調査評価委員会小委員会運営方針ということで、平成15年5月14日小委員会決定となっていますけれども、実は委員会がスタートした平成15年当時から小委員会という組織はございました。その組織が議事の運営のために、運営方針についてというものをまとめております。今ではこの小委員会につきましては、ある程度の役目を終えたということで、特に再開の予定もございませんし、今後も再開されないのではないかと思います。この運営方針の内容につきましては、先ほど委員紹介のところで見ていただきました参考資料3、こちらの親委員会の委員会運営方針と基本的に同じ項目で構成されておりますし、内容が議事運営の基本的な事項だということがありますので、平成15年5月14日の小委員会決定でありますけれども、これからの本小委員会、また、明日以降の小委員会でもこの内容については適用できると考えておりますので、特にここで議論することなく、この方針でやりますということでご説明をさせていただきます。
すみません、説明が長くなりましたが、以上です。
○有瀧小委員会委員長 どうも詳しい説明をありがとうございました。
今、事務局のほうから親委員会、それから、それを受けての小委員会について、また、小委員会の運営方針について説明が資料に基づいてありました。何かご質問等はございませんか。本委員会のほうは前からの継続もありまして、皆さん、ご存じの点も多いと思うんですが、二つの小委員会並びにその設置について何かご意見、ご質問等はございませんか。よろしいでしょうか。
それでは、議題(1)についてはこれにて終了させていただきまして、引き続いて議題(2)小委員会の作業方針について、事務局、説明をよろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 それでは、お手元の資料4をご覧ください。小委員会の作業方針及び当面の作業について(案)ということでございます。
まず、1ポツですけれども、作業方針ということで、小委員会は有明海・八代海等総合調査評価委員会の審議に必要な情報を収集、整理、分析するという作業グループとして組織されたものでございます。ということでありますので、親委員会におけるこれまでの審議の取組状況、また、取りまとめた報告書の内容、今後の審議事項や審議の流れなどを踏まえながら、委員会に必要な情報を適宜、提供していくことがこの小委員会の役割であると考えます。また、先ほどまでも説明しておりますとおり、生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会と海域再生対策検討作業小委員会と二つの委員会が組織されていることの意義も、作業を進めていく上で重要であるし、また、考慮していく必要があると考えています。
ここでは委員会報告に触れていますけれども、平成18年12月にまとめたものがございます。こちらの抜粋を参考資料5にお付けしてますけれども、ここでは委員会の報告書の内容は詳しく説明いたしませんけれども、委員会報告では有明海・八代海の環境変化について各項目ごとに問題点を抽出、整理した上で文献情報だとか、いろんな情報を参考に、有用二枚貝、ベントス、生物、水産資源等の減少問題に関する原因や要因を考察したことが主な内容として整理されています。
また、その際に問題点とその直接的要因及び同要因を引き起こす環境要因について、可能性のあるものを関係線で結んだ図が作成されています。これが参考資料5を2枚めくっていただいたところに色刷り、カラーのフロー図があるかと思うんですけれども、これを有明海、八代海別に作成しました。この図を評価委員会で取りまとめて以降、有明海・八代海の問題とそれを引き起こす原因とが1枚にまとまって整理されているということで、様々な会議等で利用されている図でございます。委員会報告ではこのようなものをまとめたということです。
また、評価委員会における審議の流れでございますけれども、第29回委員会において二つの果たすべき役割を決めたということと、括弧書きでありますが、先ほど一番最初の設置のところで法律の目的を説明しましたが、それをかいつまんで書いてあります。1枚めくってください。
前ページの最後を踏まえて、委員会の審議については有明海及び八代海をめぐる自然環境や水産資源について、ここに点々の枠で囲ってあるんですけれども、こちらが当面の評価委員会における審議の流れと考えておりますが、特徴と現況、現況の問題点を把握する。また、その問題点に係る原因・要因、発生機構を解明するとともに、それらについて将来の見通しについても予測する。さらに、そこからある程度、現状がわかってきますので、それに別途、再生方策というものを講じることによって、どういった再生像が得られるのかを提示していく、さらにその再生像に向けて具体的にどういう手順で進めていったらいいのかをまとめる。ここまでが果たすべき役割を達成していくための作業というか、審議の流れと考えております。
続きまして、両小委員会の役割分担について確認しておきたい部分がございます。生物問題小委員会、本小委員会ですけれども、あと、海域再生小委の二つの小委員会の設置は30回委員会で決められたのですが、それぞれに所掌が決められており、それに則り、作業をするのは当然のことでございますが、その際に両小委員会間で例えば集める情報だとか、情報を整理したり、分析する各段階で、当然ながら重複部分が想定されます。
このうち情報の収集の重複については、両小委員会で同じ情報をお互いで集めるというのは非効率なので、最初に集める情報を分けておいて、それで、両小委員会で集めた情報を共有化することで対応していきたい、また、整理・分析段階での重複、こちらも当然、考えられるのですが、これは所掌事務の違いに由来し、両小委員会の整理・分析で食い違うことも当然、発生してきます。小委員会が作業グループであることを考えれば、委員会が審議の中でこれらを判断すればよいので、この小委員会での作業段階で調整することは非効率、また、時間も要するので整理・分析の段階で両小委員会の重複等についての調整は、行わなくてもよいものと考えますということです。
以上を踏まえ、小委員会の作業方針としては次のとおりとしたいと考えています。
(1)委員会が平成18年12月に作成した委員会報告の整理をベースにしながら、自然環境や水産資源について整理を行う。
(2)委員会の審議の流れに沿って作業を進めることとする、また、作業の進捗状況等を随時、委員会に報告し、委員会の指示を受けつつ作業を進めることとする。
(3)両小委員会が作業を進める上で生じる重複について、収集する情報に関わる重複は事前に両小委員会間で調整し、収集する情報の重複を避けます、他方、整理・分析段階での重複は、両小委員会間で調整は行わない。
ということで進めていきたいと思います。
続きまして、当面の小委員会での作業の流れでございます。(1)です。作業の内容及び流れについて説明します。先ほど述べました作業方針を踏まえて、当面の小委員会の作業としては、前ページで点々で囲んであります委員会の審議の流れの①、②に必要な情報の収集、整理、分析を行うものとして進めていこうと思っております。具体的に委員会に提供する際の資料としては、次のようなものと考えられるということで、四つ、挙げさせていただいております。
一つは、平成18年12月の委員会報告に記載されているものでございますけれども、参考資料5の委員会報告を見ていただきたいんですけれども、そちらのページ番号が78、79、80のところについている項目ですけれども、具体的な再生方策、解明すべき課題(重点化を図るべき研究課題)というものがまとまっております。これに対する対応状況として、今の状況を整理したものが必要ではないかと考えています。
実は、これに関して、参考資料6をつけているのですが、その表紙を1枚めくっていただいたところに、委員会報告(平成18年12月)への対応状況について(概況報告)、資料4という横長の整理表が付いています。細かい字で申し訳ないですけれども、これは、評価委員会が再開した第28回委員会に事務局から提出した資料です。
それで、この中には各委員会が示した具体的な再生方策でありますとか、解明すべき課題、こちらについて国、関係県が取り組んできた内容、その成果を一覧表に取りまとめて提出したところです。提出したのですけれども、内容が非常に多岐にわたることもありますし、関係機関がやったもの全てがここに集約されているということで、なかなか、それを委員会の場で正確に伝えるという実力が事務局になかったところもございまして、これは出したきりになっています。それで、この資料についてもこの小委員会で再整理した上で、評価委員会に上げていく一つ考えられると考えています。
もう一つ、委員会報告に記載されているものとして、先ほどの説明のときに見ていただいた問題点と原因・要因との関連を矢印で結んだ図、参考資料5のカラーの部分ですけれども、これをまとめているんですけれども、これが現状に合っているのかどうか、有明海、八代海、橘湾がどういう状況になっているのかを、それぞれこういう形で整理して、評価委員会に上げられるのではないかと考えているところです。
また、収集した情報について項目別に、例えば、現況だとか、原因・要因、将来の見通しなどを整理して報告することも当然考えられますし、また、技術情報も再生をしていく上では当然、必要になってきますので、技術の内容だとか、どういうときに手続をするのだとか、どういう効果があるのか、効果が持続するのかどうかとか、また、問題がまだ残っていないかとか、あと、実施していく上でのコストだとか、そういうものを整理したものを挙げていく必要があるということで、以上、四つぐらいを当面、取りまとめる資料として考えていきたいと思っている次第でございます。
それで、作業の流れについてですけれども、資料4を1枚めくっていただいたところに、別図ということで小委員会の作業の流れ、資料4の一番最後のページになりますけれども付けさせていただいております。こういう流れになるのではないかということをフローで示しています。小委員会の当面の目標として、有明海及び八代海等をめぐる現況及び問題点、問題点の原因・要因究明、発生機構等の情報、再生等の技術情報を評価委員会に提出するための作業の流れを示したものであるということで、①から⑥までの構成を書いています。
まず、作業方式の確認。これが今やっているものです。②情報収集方針を決定する。まず、作業の方針を確認して、次にどういう情報を収集しましょうかというものを決めたい。これが第1回目の委員会でやりたい部分でございます。
それで、情報収集をしまして、③ですけれども、情報収集状況の確認をすると。必要な情報がきちんと集まったかどうかを確認して、集まっていなければ収集する対象を拡大しながら、再収集するか、調査してでも情報を集めるべきかとか、そういう判断をいろいろしていくのが③です。
それで、ある程度、情報が集まっている部分については収集情報を整理・分析しましょうということで整理・分析方針、また、取りまとめの骨子等というのをつくって、それに基づいてどんどん取りまとめを進めていくという作業を確認していきたいと。それで、まずはその方針だとか骨子を決めて、委員会に上げる情報についてこの方針、骨子に基づいて整理していくと。
この間に、実は取りまとめるときには各委員も取りまとめに参画していただく、分担するということも事務局では考えております。それで、先ほども言いましたとおり、四つぐらいの取りまとめ資料を、こういう中で、具体的にどうしていくのかを確認していくことになるかと思います。それで、情報の整理・分析、取りまとめの素案のようなものを作成していくということになります。
それで、素案がまとまれば、もう少し各委員の案を寄せ集めて、取りまとめ案というのを検討するということが⑤になるかと思います。素案を検討してまとめた報告、取りまとめ案ということで小委員会で整理して、最終的にそれを修正した上で委員会へ説明するというのが、大まかな流れになるかと思います。ただし、この作業の流れは、あくまでも資料4の2ページ目のところで点々で先ほど囲っているところの①、②の部分についてですので、ご理解をお願いします。
すみません、長々と説明しましたが、作業方針、当面の作業については以上のように考えております。
○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。大変詳しい説明をしていただきました。
それでは、ただいまの説明に関してご質問、ご意見等はございませんでしょうか。二つの小委員会の立ち位置、それから、作業の内容、どういうミッションがあるのかということ、それから、その流れや、役割分担と今後の大まかなスケジュールについてもご説明いただきましたが、いかがでしょうか。速水委員、どうぞ。
○速水委員 スケジュールに関してですけれども、取りまとめ案を委員会へ説明する別図の⑥の時期的な目処は、大体、いつごろを考えておられるのですか。
○阿部室長補佐 これについては整理状況によるかと思います。この流れでいきますと、まず、今回は情報を集めるというところを決めたいと思っていますので、そこを決める。それで、集めた状況を見て、どういう整理でとりあえず進めるのかというのを決めていくというのが③、④になっていくかと思うんですけれども、それで集まってきた情報の状況だとかがある程度、見えないと、その先のスケジュールが出てこないので、そこがある程度、見えてきた段階で、それならばどのくらいの期間、各委員に頑張ってもらって、その作業を進めましょうかという、いついつまでにということが多分、出てくるかと思うので、まず、見通しとしていつまでということはあまり今の段階では決めずに、まず、情報をどこまで集められたか、それでどこまでできるのかというのを次の小委員会で確認して、ここまで集まったのだったら、この部分はまとめて委員会に上げられるよね、という方針を確認して、その部分について素案をどんどんつくっていくことを考えています。
多分、すぐ作れる部分と、なかなか、作れない部分とあると思うので、そこのところは各項目ごとにその状況を見ながら、委員の意見を聞きながら判断していきたい。それでまとまってどんどん上げられるものがあったら、それはそれで、それだけをまとめて上げるのか、それとも、ある程度、まとまった段階で上げるのかは、小委員会が決めていけばよいと思っています。なお、あまりそれに時間がかかると、③、④のところが時間がかかりますよという話になるのであれば、別図の③、④と⑤の間に点々と右に出ている図があるのですけれども、それはそれで進捗状況ということで、実はこういうところで、今、小委員会は苦しんでいますということで、委員会へ経過報告として上げていく感じになるかと思います。
それで、今回の親委員会もいつまでに評価しなければいけないというのが期限が決まっているわけではないです。ただ、早ければ早いほどいいので、情報はあくまでも作業グループだとすると、きちんとまとまるまで上げないよりかは、どちらかというと、どんどんまとめた部分から上げていきながら、それで評価委員会で判断していただいて、もう少し、こういう作業を下でしたほうがいいんじゃないかといった指示を受けながら、親委員会と小委員会とでキャッチボールしながら、進めていくという形でやらせていきたいと思っています。
○有瀧小委員会委員長 よろしいでしょうか。
今のご質問については今後の作業の中身であるとか、いろんな皆さんに分担していただいて、作業してもらう時間的な制約というのも含めて、興味があるというか、気になっているところだと思いますので、関連して何かございませんか。
補足というか、質問ですが、これから第3番目のところで議論するところですけれども、いろんな項目に対して情報収集しますよね。今、集まっている皆さんは水産系の研究者ということで、それぞれのお立場で有明海、八代海をやっている中で、今現在、非常に重要であろうという項目が多分、出てくると思うんですが、そういうところから取っかかっていきながら上げていく、それから、どういう優先順位をつけるかについても、この小委員会で当然やっていくわけですよね。
○阿部室長補佐 そうです。すみません、先ほどの資料で私も勢い余ってと資料の説明を飛ばした部分があるんですが、今回、資料4の最後の作業分担のところを説明し忘れたのですけれども、二つの小委員会があるので、ここで集める情報も分けて、ある程度、やっていきたいと。
それで、例えば生物問題小委でいいますと、情報収集の対象としては水産資源だとか漁場環境だとか、あと、漁場改善だとか増養殖だとか、こういう技術関係、生物・環境が今、どうなっているかについては当然情報収集の対象となってきます。、また、実際、評価委員会の人で水産に携わっているある程度、知見をお持ちの方もいらっしゃれば、全然、水産に関して漁業に関して情報をお持ちじゃない委員もいらっしゃるので、実際に再生を考えていく上では、そういう実態がわからない、漁業の養殖業の実態がわからないと、なかなか、再生の評価もできないこともあるので、漁業だとか、養殖業の実態に係る部分だとか、あと、関連の施策、例えば資源を守るために行っているような施策だとか、あと、思いつくのは増養殖とか、放流だとかも、こんなことをやられていますと、ある程度、整理しながら親委員会に上げていくと、親委員会がいろいろ判断しやすいんじゃないかなという情報も集めていきます。
先ほど有瀧委員長の言ったとおり、わかって解明できたところからどんどん上げていくイメージは、まさしくそのとおりですので、そういうやり方に基づいて、今後、進めていく。あまり最初からこれがないと上に上げられないみたいに躊躇するより、ある程度でもまとまったなら、評価委員会にこういうことですよと報告していこうという作業の進め方で十分だと思っています。
○有瀧小委員会委員長 18年の委員会報告があって、その後に現場でも大きな問題が立ち上がってきていますよね。そういうものでホットなものとか、重要度が高いものについては当然のことながら、研究もそれから行政的なものもさまざまにやられております。データもたくさんあるでしょうから、そういうものをセレクトしながら、順番に上げていくという感じでよろしいですよね。
○阿部室長補佐 そのとおりです。それで、岡田委員長にも出ていただいていますけれども、結構、委員会から事務局に対して物すごく厳しい指摘も受けています。多分、小委員会が上げたものについて、そうですかと受け流す雰囲気の委員会ではないので、正直、何度もキャッチボールしながら、委員会が納得するような形にこの小委員会が持っていくと。それには水産である程度、経験を積まれている方たちが必要だということでやっていますので、ここの委員会で納得できた部分はどんどん上げていくことでやってください。
○有瀧小委員会委員長 よろしいでしょうか。この委員会で何から取り上げていくとか、どういうスケジュールでやるかというのは今のご説明で、大体、皆さんの頭の中にはイメージがわいたと思いますが、関連してのご質問は何かございますか。古賀さん、どうぞ。
○古賀委員 先ほどの資料4の3枚目の一番下、二つの委員会があって、両小委員会が収集した情報は、両小委員会間で情報の共有化を進めることとすると書いてありますけれども、具体的にどういう感じで情報共有していくのでしょうか。
○阿部室長補佐 情報の共有化につきましては、ある程度、今、持っている情報にこういう情報があるんですよとか、委員の関心がある内容を含むようなものについて、事務局側からどんどん提案していくみたいな感じなのかなと思っております。この議題の後で情報を集めるところの作業について検討するんですけれども、そこの中で集める情報について、今、こんな情報が集まっていますとか、そういうものはある程度、概略を事務局側でまとめて、それで、こういうものを集めましたということでお互いにキャッチボールできるようにしていきたいと思っています。
○有瀧小委員会委員長 よろしいですか。関連して何かございませんか。
すみません、私からもう1点、よろしいでしょうか。役割分担のところで当然、情報収集について重複は避けますとあります。ただ、収集した情報については先ほどお話があったように両小委員会で共有しながら、それぞれのミッションに沿って解析を進めていきますとのことなんですが、情報収集の調整は事務局でやっていただけるんですか。
○阿部室長補佐 事務局で調整していくものと思っています。
○有瀧小委員会委員長 了解しました。
ほかには何かございませんか。よろしいですか。どうぞ。
○梅崎委員 この小委員会の作業内容というのは書いてあるとおりで、イメージ的にはわかってきたんですが、いろんな情報、調査研究は、それぞれの機関が個々の目的、方法によっていわばばらばらに取り組んでいるわけですけれども、何らか大きなテーマについては、共同して統一的な調査をやることが非常に効率的かなと思うんですが、例えば、情報収集した後に、それを踏まえて、今後、こういう調査を統一的にやったほうがいいとか、そういうことは念頭にあるんでしょうか。
○阿部室長補佐 評価委員会の事務的な所掌でいうと、その結果を踏まえて評価するということなので、それで例えば作業で情報を集めていく段階で、結果、足りない情報があれば、こういうものが足りないですよということをきちんとまとめていく。それで、今回の評価委員会の関係六省庁、関係県も当然、関係するものですから、そういう問題提起が委員会から投げかけられているということの共有化を図っておく、それで、そこに対して何かアプローチができるかどうかというのは、役所側の判断で対応していただけるだろうと考えております。
○有瀧小委員会委員長 よろしいですか。ほかには何かございませんか。
よろしければ次の議題に入りたいんですが、よろしいでしょうか。
それでは、(3)情報収集方針について、こちらも事務局のほうから説明をよろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 それでは、資料5、A3資料です。これについて説明します。先ほどの資料4に基づいて次にくるのが資料5ということであります。現在の検討が、資料4の別図中の①から②に作業が移っているということで位置づけられますのでご認識ください。
情報収集方針について(案)です。対象海域における水産資源としての重要性や対象海域での問題事象の発生状況、平成18年の評価委員会報告の整理等を踏まえた上で、当面の情報収集範囲は次のとおりとするということで整理いたしました。この内容は、平成18年の委員会報告をベースに項目をセレクトして、各項目ごとに委員会報告の文章を見ながら、こういう情報が要るよなみたいところを整理したものでございます。
それで、項目、収集内容とあわせて実施機関、調査期間とありますけれども、こちらについては情報を収集する相手先、例えば事務局が情報収集するのだったら、調査を実施している機関はどこなのか、この情報はどこに行けば情報収集できるかといった収集先について書いているものです。また、調査期間というのは、実施先がいつからやった調査を対象に集めましょうかということで書いているものでございます。
まず、項目としては有用二枚貝、特にタイラギ、アサリ、ハマグリ、サルボウ、カキ、アゲマキと書いてありますけれども、有明海などで非常に二枚貝類が重要な水産資源であるということも踏まえまして、こちらについて収集してまいりたい。特に収集内容としては、生息域とか生息状況だとか、漁業種類だとか漁獲の場所だとか、底質状態だとか生態とか、幼生の状況だとか、あと、それに対して実施している対策技術があればその技術、また、その他規制があれば、そういうものを有用二枚貝という項目の収集内容として集めていきたいと考えています。
これについて平成18年の委員会報告の報告でも、重要な二枚貝については個別で整理されていますので、特にと書いてある種は、個別で収集内容を整理していくだろうと思っております。それで、収集内容に①から⑨までありますけれども、特に⑧の対策技術については、いろんな対策技術があるかと思うんですね。全国、世界で取り組んでいるものや、はたまた有明海・八代海とか、対象海域で取り組んでいるものの中でもいろんな技術があるかと思うんです。
今回においては、まずは、①から⑦まで今の状況がどうなのか、ある程度、整理できた段階で情報を集めていかないと、要らない情報を一杯集めてしまう可能性がありますので、できれば、作業の進め方としては、事務局としては①から⑦もしくは⑨を最初から収集する。⑧の対策技術については、ある程度、そういう情報が見えてきた段階で、どういう技術を集めていきましょうかみたいな形で、集めていくのかなと思っております。
それで、この情報の収集先について、国及び県、必要があれば漁連、漁協まで対象拡大と書いていますけれども、水産資源に関するものというのは、私ども環境省では、どちらかというと水産庁だとか、あと、今日、お集まりの県の水産試験研究機関なんかが一番データを持っていると思っていますので、まず、こちらの機関から情報を主体的に集めたいということです。それで、聞くところによると、赤潮などは漁協単位でもかなり情報を集めておられるという話も聞きますので、そういう項目では漁協も情報収集先の対象に拡大していいかなと思っています。
それで、調査の期間ですけれども、平成18年12月の委員会報告が大体16年ぐらいの調査、盛り込めるものは17年の調査も盛り込んでいるかと思うんです。そこでできれば、それ以降の情報でもう一度、再整理をしていくということで、17年以降のものに限って集めていきたいと思っております。
以降、有用魚介類の漁業と増殖ということで、項目を挙げさせていただいていますけれども、それについては、分布、回遊だとか、あと、資源量だとか対象漁業、産卵場、育成場だとかの環境だとか、あと、対策技術、それを実施した結果だとか、その他漁業規制等、そういうものを考えています。
また、魚介類養殖もこの地域で非常に重要でございますので、養殖の場所、時期、赤潮被害を受けているので被害の状況だとか疾病の発生だとかも集めたらがいいと思っております。また、餌料についても要るのかなと思っております。その他では養殖施設の形状だとか、養殖に関する規制だとか、あと、対策技術でいうと、ワクチンの投与、投薬とか、赤潮被害のために養殖場でなされていることだとかをまとめていくのだろうと思っています。
続いて、項目としてはノリ養殖です。色落ちの発生状況で色落ち状況、漁場環境でありますから、当然、ノリがどこでつくられて、どういう期間につくられて、どういう量がつくられているとか、そういうものも当然、収集対象になってくるかと思います。
続いて赤潮です。赤潮の発生密度だとか発生時期、発生時の漁場環境だとか気象条件、どういう水産物が被害を受けたのか、赤潮プランクトンの増殖に関することだとか、あと、赤潮プランクトンと競合する生物、また、それを捕食する生物だとか、シストの状況だとか、それがふ化する条件だとか、いろんな情報を集めていくのかなと思っています。あと、対策技術、そういうものも集めていきます。
あと、貧酸素水塊です。こちらの発生時期、場所、溶存酸素濃度、そのときの環境・気象条件、発生した条件とともに解消したときの気象条件、環境条件、また、対策技術その他ということで考えております。
あと、定期観測をしていれば、通常の漁場環境とかの把握に十分使えますので、浅海定線調査だとか、公共用水域水質測定だとかを集めていって、整理していくものと思っております。
これが有明海です。
続きまして、八代海です。基本的に有明海と同じと書いているものは同じなのですけれども、有用二枚貝でいうと、多少、種類が違ったりしているところがございまして、あとは基本的には同じということで考えています。
また、橘湾、こちらについて昨年の法律改正で新たに加わったということで、こちらは評価委員会で今まで触ったことがない海域です。それで、第30回委員会のときに長崎大学の中田教授から、過去に橘湾で行われてきた調査に関する結果の概略を説明していただきました。その資料は先ほどの参考資料6にも小さく出ています。66頁からになっていますけれども、こちらについては初めてのトライということもありますけれども、どういった調査が過去に行われてきたのか、これは中田委員がかなり詳しい部分でもありますので、親委員会の中田委員にも相談しながら、また、別途、情報を集めていきたいと思っております。
それと、その項目、実施時期、調査期間のほかに留意点をつけたんですが、こちらについてご検討いただきたのですが、法律の説明のところでも評価委員会の役割ということでご説明しましたが、国及び県が行う総合的な調査の結果を踏まえて、評価委員会は有明海・八代海等の再生の評価をするという位置づけになっています。とはいいつつも、平成15年に評価委員会を立ち上げたときには、本当に国及び県の調査の情報がはほとんどなかったというのもあって、当時、小委員会を設置して、各大学が有明海・八代海で実施した文献を、本日ご出席の本城委員にも小委員会のメンバーに加わっていただいて洗い出したということもしてまいりました。
それで、今回、どうするかですが、事務局の提案といたしましては、大学等の研究機関の情報については本小委員会があらかじめ整理上、不可欠であると認めた文献を除いては、原則、国及び関係県の情報では該当項目に関する情報が得られない場合や、情報量が不足するという状況に至ったときに、初めて大学等の論文について手をつけたいと思っています。なので、あらかじめ、この小委員会で大学の論文でこういうものは欠かせませんよというものがあれば、この場でもいいですし、委員にご発言・ご意見いただいた情報は集めるけれども、それ以外は基本的に当面の取りまとめの対象にはしないで、国及び県もしくは漁協なんかがやった情報を中心に集めていくことでいかがでしょうか、このことも委員に確認させていただきたいと思います。
それで、この資料5ですが、いろいろ細かい項目まで書いています。これは今後、取りまとめる上である程度、こういう項目立てた整理を今の情報収集の段階からしていれば、将来、整理の段階にイメージしやすいのかなということで、一生懸命、集めたほうがいいような情報を網羅的に書きました。
この中で、特にこの小委員会の中で優先的に集めていかなければいけないものだとか、この項目は後でいいのではないかというものもあると思うんです。特に今度、事務局が中心となって関係省庁、関係県に声がけしながら集めようと思っていますけれども、何分、限られた人員でやっていくことになりますので、各委員の協力も得ながらさせて作業を進めさせていただきたいんですが、できれば、優先順位とか、特にこれは集めるべきだといったことについて、この場で議論いただいて、そういうサゼスチョンを事務局にいただければ、非常に事務局の作業が効率的に進むので、そういう話も今日、議論いただければと思っております。
以上です。
○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございました。
それでは、本小委員会の中心的なミッションになります情報収集方針について、事務局にご提案していただいた内容を審議していきたいと思います。
まず、初めに資料5を含めて事務局案について議論していきたいと思います。ただいまの説明にもありましたけれども、資料5については平成18年12月の委員会報告の項目ごとに整理した内容となっております。今後、先ほどの資料4の別図にもありましたが、作業の流れとしては、この一覧表に沿って情報収集することになります。各委員には中身も今、見ていただいて項目で落ちているところ、それから、必要がないと思われるものについてご意見をいただきたいと思っております。
それと、もう1点ですが、その議論をした後に、もう少し内容について踏み込んでいきたいと思います。一番最初の私のあいさつでも言ったんですけれども、お集まりの委員の皆さんを初め多くの研究者の間で、ここに挙げたような情報収集は既にやられていることが多いと思います。ですから、一から情報を収集するということは、それほど必要度合いとしては高くないとは思います。ただ、この小委員会の今後の方針を決めていくという点では、ここは確認しなければいけないところだと思っております。そこで、後半の議論としては本委員会のミッションを遂行する上でメンバーだけでは集められませんが、絶対に外せない、あるいは収集してほしい情報について議論をしていければと思っております。
それでは、まず、資料5の内容についてご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたします。どうぞ。
○梅崎委員 収集する情報は、最初の話では公表されたものについて評価するということですので、ここに掲げられているのは、いろんなところで公表されている情報を対象にするということでしょうか。そうしますと、今回のために特に例えば養殖関係でいいますと、養殖業者にアンケートを出したりして、特にこのために情報収集するということは該当しない、そういう作業は必要ないということでしょうか。
○阿部室長補佐 建前というか、今、情報収集方針のところでやっているのは、法律にのっとった形で情報を評価していくための手順として、国及び県の公表された情報を基本的に集めましょうということでやっています。それで、その中で例えばこの小委員会がまとめていく上で足りない分、先ほどの調査もそうですけれども、例えばアンケート調査したほうがいいんじゃないかとか、そういうものというのは資料4の③のところ、また、④を検討していく上で、この小委員会がいろんな取りまとめの構成をしていく上で、こういう情報がないとだめだよねというところがあれば、判断することになると思っています。
それで、集め方ですけれども、公表されているものがもし報告書の形でまとまっているのであれば、まず、報告書の形で受け取って、それで該当する項目が含まれているのか、どれぐらいの情報が含まれているのかなど、事務局である程度、整理していくのか、それがかなり量が多くなれば委員にも参画していただきながら、チェックしていくのかなと思っています。
○有瀧小委員会委員長 よろしいですか。ほかには何かございませんか。どうぞ、本城先生。
○本城委員 資料4の別図のところに情報収集方針の決定というのが記載されていて、どのような情報を収集するかが資料5に書いてあります。ここにはかなりの項目が挙げられていますが、これを全部、一度に最初から実施していくのかどうかということがひとつ、それから、その次に③に必要な情報が集まっているかどうかを確認するというのがあります。必要な情報を確認するというのは、内容を十分に理解しないとできないことですね。これを事務局が収集整理してくださるということなのでしょうが、どこをどういうふうに必要なものと不必要なものとに分けてくださるのでしょうか。
○阿部室長補佐 最初の質問は、一遍にやればどうかですね。これについては先ほど事務局から説明したのは、一遍にやると、収集と内容のチェックに時間がかかって非常に非効率なので、できれば、優先順位をつけていただければというのが事務局側の希望です。
それで、あと、別図の③に書いてある情報が集まっているかどうかを確認するということで、我々は公表されている資料ということを前提にしているので、ある程度、報告書にまとまっているという前提のもとで考えていますので、その中に、こういった項目がきちんとこういう形で入ってます、この報告書はこういうまとめの報告書ですよ、という情報をある程度、整理していけば、この項目がきちんと入っているということが確認できるのかなと思っておりますけれども、この一つ一つが入っていますねとチェックしたり、それとも、報告書の概要をある程度、この報告書にはこう書いています、みたいなことを箇条書き等で整理していくと、ある程度、項目が入っているかどうかの確認も出来るかと。
○本城委員 箇条書きされた文書を私たちに見えるようになるということですね。
○阿部室長補佐 はい、そう考えています。ただ、集める報告書がどれぐらいのボリュームかによってですけれども、事務局の作業では追いつかない場合は、各委員にある程度、分担してもらって、特に私らがイメージしているのは、どちらかというと県が出した報告書だとか、国が出した報告書ですので、例えば県の報告書に関しての分担は、県の方にやってもらってもいいのかなと思っています。ただ、各人でやってもらうと、整理がまちまちなってしまうので、できれば、最初は事務局である程度、同じ書きぶりでできるようにするには事務局でいいのかなと。ただ、量が多くなったときは見本を出して、それに基づいて各委員にもご協力いただくという形かなとは思います。
○本城委員 わかりました。
○有瀧小委員会委員長 ほかには何かございませんか。どうぞ。
○岡田委員長 私があまりお願いするのはいいか、悪いかわかりませんが、一番気になることはここで二つあります。一つは調査期間が17年以降、これはこれで収集としては結構だと思います。ただ、ここで得られた17年以降の情報とそれ以前の情報がそれなりに比較可能なものであるということをぜひ担保してほしい。なぜかというと、ここでは有明海・八代海の再生とか水産資源の回復と、再生というのはどういう状態、いつの状態を定義するのか、回復とはどういうことかということになると、歴史的データなしに多分、議論はできないだろう。となると、それがわかるように整理してほしい。
それから、今と同じことですが、回復とか再生とは何かというある種の仮説を持って議論しようとしているわけですね。そうすると、例えばここで集めた情報はどうやって整理していくのか、何らかの仮説がない限り、本来の情報収集というのはありえないはずですね。ですから、やみくもに情報を集めても、後からあれが足りなかったということになりかねないようにしていただきたい。
例えばですよ、細かいことを言って恐縮ですが、揚げ足を取るつもりはないんですが、アサリということを考えた場合、ここで生息密度、生残率、サイズが出ていますけれども、サイズ分布はどうするのか、例えば年別か、あれは年に2回でしたっけ、すみません、専門家の前で恥をかいちゃうけれども、年に2回の要するに群があるとすれば、それが次の年までどういうふうに育っているかという殻長分布を見ることによって、アサリの資源にどういうインパクトがあったか、そのインパクトは例えば食害生物でナルトビエイだったら、ナルトビエイの個体群がどうなっているかを調べなければいかんですね。食害生物の状況といったってどこまで調べるのか。
ナルトビエイだけじゃなくてあれもありますよ。瀬戸内海だとチヌか何かが食うとかと、するとチヌの個体群を調べなければいかんわけですね。ですから、そういう仮説がないとナルトビエイは誰もが常識ですから調べますが、チヌはここはいるか、いないかわかりませんが、そういういろんな今までわかった仮説らしきものがあって、それに基づいて調査するというスキームにぜひしていただきたい。
瀬戸内海で我々がやっているのは、まず、必要なのは浮遊幼生なんですね。浮遊幼生がどういうふうに発生しているか。瀬戸内海のある地域では三河湾、東京湾の100分の1くらいしか浮遊幼生はないわけです。そうすると、アサリの資源をどうやって回復するかというのは、浮遊幼生をどうやって増やすかというところから始めなければいかんのか、それとも、一旦、着生して稚貝になったものの生残率がどうなっているかと知るかと。ですよね。
そうすると、今度は着生したものが生き残るかどうかは、着生した場所の底質がどういう隆形分布だ、何だかんだ、では、そこはどこでちゃんときちんと連関して調べられているのかという一杯話が出てきて、そういう知見こそ、ここにいらっしゃる先生方が一番よくご存じだと思うので、その知見のような仮説に従って一個一箇を、もちろん、海域ごとに違うと思うんですけれども、違って結構ですから、それを解析していくことにこの情報収集が、ですから、スタートはこれで結構だと思うんです。いいんだけれども、そういう方向を常に見ながらやっていただければありがたいと思います。ぜひ、よろしくお願いします。
○有瀧小委員会委員長 岡田委員長、どうもありがとうございました。
二つのご指摘だったと思います。一つは前のミッション、平成18年の委員会報告につなげられるような長い歴史の中で評価ができるようなデータ収集をしてくださいということと、それから、今後、情報収集する場合にやみくもにやることなく、何のためにやるのかということやある程度の仮説をしっかり頭に置きながら、情報収集、それから、検討に入っていただきたいということですが、これはここにいらっしゃる皆さんは当然、頭に描いているものとして私は認識していたんですが、事務局、それでよろしいですか。
○阿部室長補佐 結構です。それでお願いいたします。
○有瀧小委員会委員長 どうもありがとうございます。そういうことを肝に銘じてやっていきたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
ほかには何かございませんか。速水委員、どうぞ。
○速水委員 資料5で落ちているのではないかと思う項目が一つありまして、お聞きします。いわゆる生物多様性に関する情報、これは漁業対象以外の、希少種を含む情報ですが、特に有明・八代の場合、環境省が一番たくさんの情報を持っていると思われますので、事務局のほうでぜひそろえていただけければと思います。
○阿部室長補佐 多分、説明が十分足りなかった部分が、今の意見の反映しているのかと思うんですが、資料4の別図という、今、見ている資料の1枚手前のところで私が資料4の説明のところですっ飛ばしちゃった部分のところで、生物問題小委、これはこちらの委員会の略語で書かせていただいたその隣に海域再生小委ということで、今日、お越しの滝川先生に委員長をやっていただく委員会のところですけれども、こちらに生物問題小委のほうが水産資源を対象に情報を集めるという一方で、海域再生小委のほうについては生物生態系ということで、有明海・八代海等に分布する生物について、網羅的に集めていくという仕分けを考えておりますので、先ほど言いましたような希少種につきましては、事務局の整理では海域再生小委のほうでとりあえず集めるということで考えております。滝川委員長、よろしいですか。
○有瀧小委員会委員長 どうぞ、本城先生。
○本城委員 前回の小委員会は、荒巻先生が小委員会の委員長で、各県の代表の方と私とで構成されていたと記憶しています。小委員会にかなりの資料が上がってきて読まされました。そして、それを全部、頭に入れながら資料の重要性のランクづけをしたことを思い出しますね。その重要性のランクづけをした結果は、このフロー図に取り入れていただいていると解釈してよろしいんですよね。
このように、これまでの小委員会で集めてきた成果は、このフロー図の中に投げ込まれています。前回、集め落としたものもあるでしょうけれども、その後に発表された資料を加えて判断していくには、このフロー図が重要な役割を果たすのではないかと思います。例えば、二枚貝でも魚でも良いのですが、この生物たちを再生させるのに矢印のどれが重要なのかという、そういう文献は集めた物の中に果たしてあるやなしや。そして、今回と過去に集めたものでこれは信頼すべきものだという資料が幾つかあれば、フロー図に太い線で示すような作業をして良いのではないかと思います。そうすると、小委員会の成果が何か見えてくると思いますね。それは再度、親委員会で評価を受けて、十分ではないという意見を受けるかもしれませんが、この小委員会ではその程度の作業をしてもよろしいのではないかと思います。
そのためには、資料をかなり読み込むというか、どんな内容が書かれているかの抄録があって、それを私たちに見せていただいて、読み込んで理解して矢印の判断に持っていけたらと希望します。前回の小委員会の上乗せのような形で今回の委員会を進め、親委員会に示せる委員会にしてはどうかという案を提供させていただきます。
○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。
速水先生のところに遡ってですけれども、事務局から生物多様性については滝川委員会でやられて、情報をこの委員会とも共有しながらやっていくということでよろしいですね。それから、本城先生のほうは我々の小委員会の落としどころ、出口の一つとして連関図の中に我々の小委員会の重点項目、それから、力の入れよう、要するにモデル化であると思うんですが、そういうものを入れ込んだものを提案していってもいいんじゃないかということでございます。これについては事務局、何かありますか。
○阿部室長補佐 おっしゃるとおりだと思ってもおります。それで、こちらの小委員会ですけれども、私が聞くところによると、かなり勉強会もされて問題意識の共有ができているという中でありますので、本当に先ほど委員長が言ったとおり、そういう人たちにこういう情報収集方針というのは、ちょっとおこがましいのかなとは思ったんです。
それよりも、多分、後半戦で議論してくださいといったような、例えば自分たちでは集め切れないような情報を例えば今回の小委員会でやるので、そうしたら、関係省庁とか関係県、県は自分たちで集められるんでしょうけれども、そういう情報が集められるので、事務局では自分たちで集められないこういう情報を集めてくださいと言ってもらったほうが、多分、この小委員会にはぴったりくるのかなと思っております。だから、実際、報告書を私の事務局として、一から本当に集めるというのは、今回、お集まりの委員の方たちには全く必要なくて、どちらかといえば、既に自分たちが頭の中に入っている情報以外の部分で集めていく部分について、事務局が担えたらいいのかなぐらいの感じで実際の作業としては有意義であると。
それで、岡田委員長が言われて、有瀧小委員会委員長がまとめられたとおり、まさにここにいる方たちは問題意識を共有しているので、そういう中で特に必要な情報というのを集めていくというのが事務局として、特にこの小委員会に対して果たしていかなければいけないのかな、と考えています。本当に形式的に国の情報だとか県の情報とかを網羅的に集めて、それをただただ整理していくというよりかは、後半部分で議論していただくような委員では入手できない情報を入手していくところこそ、事務局が力を入れてやっていく部分なのかなと思っておりますので、そちらの議論もできればお願いしたいと思います。
○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。本城先生、よろしいでしょうか。
ということで、資料5の一覧表、これについては、大体、皆様の頭の中にも項目としてはこれでいいだろうというものがあると思いますし、もし、何かご意見があれば、この委員会が終わった後でも結構ですから、事務局にお伝えいただければ、それを反映し、今後の方針としていきたいと思います。
重要な何から取り組んでいくかについても、すみません、私の進行が下手で時間も来てしまいました。私としては、ここに挙げられた生物系の項目、それから、物理系の項目があるんですが、項目については先ほど申し上げたように落ち度はないであろうと、それから、重点的にどれから取り組んでいくかについても、大体、皆さんの頭の中には二つや三つはあると思うので、これについても後ほど事務局に重点項目、これから取り組んだらどうかというご意見を挙げていただくのでどうでしょうか。ここで決めるというのも難しいと思うんですが。
○阿部室長補佐 それは委員長の判断にお任せいたします。
○有瀧小委員会委員長 では、そのようにさせていただきたいと思いますので、また、これについてもご連絡等は事務局を通じてさせていただきます。
それでは、先ほど事務局のほうから特にここにないもの、これは絶対に重要だというような項目があれば事務局のほうで集中して、そちらの情報収集に取組んでいきたいというご意見もございました。何かご要望等がございましたら、この場を通じて挙げていただきたいんですが、ご意見はございませんか。どうぞ。
○梅崎委員 先ほどの問題のストーリーの話にもすべて含まれるんですけれども、例えば貧酸素水塊の項目を見てみますと、いろいろ条件とか要因とか書いてありますが、これが実際にどのような生物に対してどう影響するのか、あるいは赤潮発生に関して因果関係を持っているのかとか、そういう部分が特に何か気になるなと思っておりまして、項目的に特に影響の部分、生物に対する影響とか、そういうところを書いていなかったので、そういうデータもあればなと思っています。
○有瀧小委員会委員長 どうでしょうか、よろしいでしょうか。
○阿部室長補佐 特に委員の方から、こういうところの情報を調べたほうがいいよというお話があれば、それは集めたいと思いますけれども、今の項目で例えばどこに当たれば、そうした情報が得られるかといった情報もある程度、わかるのであれば、すぐさまにでも集めたいと思います。
○有瀧小委員会委員長 事務局のほうも大変ご苦労されると思うので、できれば、新しい項目、それから、内容についてはできるだけ具体的にご指摘いただきたいと思います。この場では頭出しだけでも結構です。後ほどこういうところのこういう報告書なり、この部分について情報を上げてくれないかということも含めて、ご対応いただければと思います。
ほかには何かございませんか。
○速水委員 先ほどの阿部補佐のお話にもあったのですが、この表に入っていないのが漁業実態です。恐らく漁獲努力量の変化を含めた漁業実態というのを今回は入れ込んでいく必要があるのではないかと思うのですけれども、事務局はその辺りはいかがでしょうか。
○阿部室長補佐 すみません、それにつきまして、どこかの文献を当たれば出てくると。それをこちらのほうで例えば隻数だとか操業日数とかを調べて、こちらで出すということですか。そういうのがある程度、まとまっているものがあれば、どうでしょうか。事務局が聞くのもあれですけれども、漁獲努力量だとかについてある程度、整理しているものとかいうのが、今、話に出ましたので。
○有瀧小委員会委員長 例えばですけれども、今回は、先ほど事務局でお話があったようにざっくりと作業を進めていく、そうすると、ここの部分は絶対に必要だけれども、現状の報告書等ではつかめないものが浮かび上がってきます。その後、足を使ったり、いろんな手を使ったり、各関係機関がちょっと汗を流せば、そこについてもある程度のデータが上がってくるんじゃないかという議論も、この小委員会の中でしていくというのはいいんですよね。
ですから、まずはやってみる。やってみて、どういう実態が浮き上がってくるかということも含めて、この小委員会の中で検討していければいいかなと私は思うんですが、いかがでしょうか。最初からあまりがちっと固めてしまうと、非常に狭い視野になってしまうと思いますので、初めは実態を立ち起こすというのが非常に重要だというふうに、個人的には認識しております。速水委員、どうでしょうか。
○速水委員 結構です。
○有瀧小委員会委員長 よろしいでしょうか。ですから、要望だけを挙げていただいて、それが本当にあるのかないかも含めて、情報収集を事務局にやっていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。
ほかにはどうでしょうか。どうぞ。
○松山委員 収集項目については、連関図と前の18年の委員会報告も踏まえての悩みだったので、そう大きく増えたり、減ったりというのはないじゃないかなと思っております。その中で細かいんですけれども、例えばノリ養殖のところの栄養塩濃度だとかプランクトン量、それとか、貧酸素水塊の溶存酸素濃度、これがいただいた資料等も、委員会に出ている資料もそうなんですけれども、単位が結構ばらばらなんですよね。
例えば栄養塩だとマイクログラム・パー・リッターとか、あるいはマイクログラムアトムとか、プランクトン沈量もクロロフィルで表すところもあれば、ミリリットルで表したりするところもあって、これが各機関で結構ばらばらで出てきて、事務局のほうに集まったときには、結構、整理が大変だと思うんですよね。ですので、あらかじめ単位がばらつきそうな、今、言ったような三つなんかは最初に数字をある程度、変換した形で集めていただくと、多分、その後の整理も早く済むし、我々委員も各機関から集まったものを合算したときも、整理がしやすいというふうに思いますので、検討いただけたらと思います。
○有瀧小委員会委員長 いかがでしょうか。
○阿部室長補佐 単位の変換みたいなものは、単純作業であればこちらでできることもあるかと思うんですが。
○松山委員 キャンサルに情報を報告書から拾うときもそうですけれども、多分、生データも欲しいとかいうことがあると思うんですよね。ですので、例えば溶存酸素だったらミリグラムじゃなくて飽和度に変えたものが欲しいんですけれども、というふうに言えば、それはそんなに難しい作業じゃないと思うんですよね。それを最初にやっておくだけで随分、後が違います。
○阿部室長補佐 わかりました。集める際にそこは注意してやりましょう。
○有瀧小委員会委員長 ほかには何かございませんか。どうぞ。
○古賀委員 先ほどのこの項目の優先度の話がありましたけれども、関係五県があって、多分、いろいろ違うと思うんです。でも、一つお願いをしたいのは漁業者というか、現場から見て何が切実な問題なのか、そういったことを念頭に入れた上で、選択をしていただければなというふうに思います。
○有瀧小委員会委員長 当然、それはこの委員会のミッションで、本筋が水産業を中心とした資源の回復が一番大きな目的なので、そこのところについて異存はないと思います。よろしくお願いいたします。
ほかには何かございませんか。よろしいでしょうか。
すみません、先ほども申し上げましたが、私の進行がまずくて時間が迫ってまいりました。まだまだ、言い足りないことがあると思うんですが、それについては会議終了後、また、事務局のほうに上げていただければと思います。方針についてもいろんなご意見をいただきありがとうございました。事務局には、いただいた意見を取り入れながら、方針のほうについても若干修正があるのであれば、対応していただきたいと思っております。
あと一つ、話は違うんですけれども、事務局のほうにお願いしたいのは、ここに集まっている方々もご存じだと思うんですけれども、この夏から秋に九州各地は非常に大きな豪雨の被害がありまして、さまざまな調査等で実態把握等されていることも聞きます。今回のこの運営方針の中には関わらないんですけれども、大量のごみであるとか、それから、土砂の堆積、こういうのも非常に現場にとっては大きなことなので、もし、よろしければ事務局のほうに、そういうことも含めて各省庁に問い合わせをしていただいて、この小委員会の中でまた情報提供していただければと思います。いかがでしょうか。
○阿部室長補佐 今ほどの有瀧委員長からのご指摘のある豪雨の部分、こちらにつきましては確かに非常に大きな問題になっているお話ですので、これについては情報を関係省庁、関係県を通じて得られるものは得ていきたいと思います。
あと、今日、いただきましたいろんなお話を踏まえて、また、参考資料6のところでパワーポイントの資料なんかがついているんですけれども、こういうものについて多分、報告書レベルで集めていくことで、かなり整理も進んでいくのかなと思っておりますので、事務局としては今日の意見も踏まえつつ、まず、こういう評価委員会に上げていて消化不良になっている部分の報告の内容について、ある程度、この小委員会としても再整理していくことですとかを作業として確認させていただきたいと思います。
また、今日、いただいた内容は非常に多岐にわたりますので、もう一度、議事録なんかを確認しながら抜け落ちがないように、また、委員のほうにもご確認をとりながら、今後の情報収集を進めていきたいと思います。また、もしかしたら、作業量によってはかなり量的なものが多いという想定もされますので、そのときには有瀧委員長ともご相談させていただきながら、部分的には各委員に作業の分担をお願いすることをさせていただいてもよろしいかなと思っておるんですが、いかがでしょうか。
○有瀧小委員会委員長 今後、作業量が膨大になると思いますし、専門的な知識を持ってある程度、取捨選択しながら作業を進めないとなかなか取りまとめが大変ですので、今、事務局からあったような作業については、私のほうにご相談いただければ、適宜、委員のほうと協議しながらやっていきたいと思いますので、皆様方もよろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして(3)については締めさせていただいて、最後のその他、(4)について事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○阿部室長補佐 その他でございます。事務局としては二つほど考えております。
一つは次回のスケジュールでございますけれども、本委員会が終わって事務局を中心に情報収集を進めていくんですけれども、それが順調にいけばということでありますけれども、大体、11月下旬から12月中、遅くなったら年明けぐらいのスケジュールで第2回をさせていただければと思っております。また、明日、開催のもう一方の小委員会、こちらのほうも同じような日程で提案させていただきたいと思っていますので、また、そこら辺の連携なんかも事務局では考えてみたいなと思っております。これが1点目です。
二つ目です。本日の議事録ですけれども、速記を起こして事務局のほうから各委員にお送りしますので、特に自分の発言部分を中心にご確認してください。議事録は基本的には環境省のホームページで公開ということになりますので、そこの点、ご協力をよろしくお願いします。
以上です。
○有瀧小委員会委員長 ありがとうございます。
次回のスケジュールについて、ただいま11月下旬から12月中旬での開催というお話がございました。逆算すると、情報取集に関しましては10月中にはある程度、目処をつけて作業に入り、11月中には資料を収集しながら、皆さんとまたご相談するということなので、重点事項、それから、何から取り組んでいくかということについても、ぜひ、それまでにやりとりさせていただきながら決めていきたいと思います。各委員の方々にはよろしくお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
何かその他についてそのほか、ご意見、ご質問等はございませんか。よろしいでしょうか。
これで今日、予定されておりました議題についてはすべて終了しました。全体を通して何かご質問、ご意見等がございましたらよろしくお願いします。よろしいでしょうか。
それでは、これにて第1回生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会を閉会したいと思います。本当に今日はどうもありがとうございました。
午後3時54分 閉会