第50回有明海・八代海等総合調査評価委員会 議事録

開催日時

令和5年1月12日(木)

開催方法

対面方式及びWEB 会議方式を併用して開催

場所

環境省第1会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館22 階)

出席者

委員長: 古米弘明委員長
委員 :

大嶋雄治委員、上久保祐志委員、川原逸郎委員、木原久美子委員、清本容子委員、鈴木敏之委員、内藤佳奈子委員、灘岡和夫委員、林美鶴委員、藤井直幹委員、矢野真一郎委員、皆川朋子委員、山西博幸委員、山室真澄委員

臨時委員:

小林政広委員、辻本剛三委員

(関係省庁)

農林水産省農村振興局整備部農地資源課 細田課長補佐、橋本係長

林野庁森林整備部治山課 中村課長補佐、蔀係長

水産庁増殖推進部研究指導課 中村課長補佐

   漁場資源課 吉川課長補佐、田代係長、辻係員

   栽培養殖課 横尾課長補佐、田畑係長、小松係長

   漁港漁場整備部計画課 篠崎課長補佐、浜辺専門官、伊藤係員

国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 赤道課長補佐、寺石係長

              下水道部流域管理官付 工藤課長補佐     

     港湾局海洋・環境課 釘田課長補佐、鷲谷係長

(事務局)

環境省水・大気環境局長、大臣官房審議官、水・大気環境局水環境課長、
水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐

議事録

午前10時00分開会

○速水閉鎖性海域対策室室長補佐 定刻となりましたので、ただいまから第50回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日の委員会は会場とウェブ会議、両方で開催とさせていただいております。ウェブ会議で御参加いただいている委員の皆様には御不便をおかけしますが、会議中、音声等が聞こえにくい等ございましたら、事務局までお知らせください。
 議事中、マイク機能は会場及び発言者以外はミュートに設定させていただいております。
 ウェブ会議側で御発言がございます場合は、お名前横にある挙手のアイコンをクリックしていただき、お知らせください。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックして下げてください。御協力よろしくお願いいたします。
 なお、本委員会は、公開の会議となっておりますことを申し添えさせていただきます。
 それでは、まず、議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の秦より御挨拶申し上げます。
○秦水・大気環境局長 水・大気環境局長の秦でございます。
 本日は、皆様、御多用のところ、本評価委員会に御出席賜りまして誠にありがとうございます。
 さて、平成28年度に前回の報告を作成いただいたところでございます。そして10年目に当たる令和8年度に次の報告を取りまとめるスケジュールになっておりまして、昨年、中間年に、中間取りまとめをいただいたところでございます。その中では新たに気候変動の影響などの御指摘もいただいたところです。
 現状として、引き続き、貧酸素水塊の発生や、赤潮の発生、それから、タイラギ漁の休漁といった様々な課題が継続、あるいは発生をしているという状況にございます。
 中間取りまとめ後、今回初めて評価委員会を開催させていただくということで、令和8年度に向けて、どのような方針で取りまとめていくのか、あるいは取組のフォローアップや、再生に係る取組の評価の実施などといったところを中心に御議論いただければと思っております。
 令和8年度報告に向けて、ぜひともお力添えをいただければと思っておりますので、本日は忌憚のない御意見を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○速水閉鎖性海域対策室室長補佐 以降は座って失礼いたします。
 この度、中間取りまとめを終えましたことから、令和4年10月21日付けで一部委員の改選がございました。お手元の資料1を御覧ください。有明海・八代海等総合調査評価委員会の委員名簿になります。改選の結果、鈴木臨時委員に評価委員として御参加いただき、また、退任された楢谷元臨時委員に代わりまして水産小委員長を担当いただきます。また、退任されました松野元臨時委員に代わりまして海域小委員長を矢野委員に担当いただきます。よろしくお願いいたします。
 本日の委員の出席状況ですが、資料1の委員17名全員に御出席いただいております。この場にいらっしゃらない方は全員オンライン参加いただいている状況でございます。有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしているということを御報告させていただきます。
 また、前回開催以降、事務局全員の異動がございましたので、併せて御紹介させていただきます。
 先ほど御紹介させていただきました水・大気環境局長の秦、向かって左側に担当審議官の針田でございます。閉鎖性海域対策室長の木村となります。
○木村閉鎖性海域対策室長 木村です。よろしくお願いします。
○速水閉鎖性海域対策室室長補佐 オンラインでは水環境課長の大井が出席しております。
 また、本日は農林水産省、国土交通省からもオンラインで御出席いただいております。
 続きまして、資料は事前に電子データで御案内しておりますが、議事次第に記載の一覧のとおりでございますので、確認は省略させていただきます。
 会場ではタブレットの不具合がございまして、大変恐縮ですが、資料配付をさせていただいております。
 また、オンラインにつきましては、事務局が画面上に資料を掲載して進行させていただきます。
 資料の不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
 それでは、議題に入らせていただきます。
 これ以降の進行は、古米委員長、よろしくお願いいたします。
○古米委員長 それでは、議事を進行させていただきたいと思います。
 議事の前に、委員長職務代理を指名したいと思います。
 評価委員会令第3条に、「委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する」との規定がございます。私としましては、海域小委員長を担当されます矢野委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
 どうもありがとうございます。それでは、矢野委員、お願いしたいと思います。
○矢野委員 ただいま御指名を受けました九州大学の矢野と申します。
 今、古米委員長から御紹介ありましたとおり、海域小委員会の委員長を今年度から務めさせていただいております。
 有明海・八代海に関しては、20年ほど研究を続けておりますが、微力ながら力を入れてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○古米委員長 どうもありがとうございました。それでは、よろしくお願いいたします。
 議事を続けさせていただきます。
 本日の議題については、議事次第にありますように、三つの議題、(1)令和8年度報告書取りまとめに向けた今後の審議の進め方について、(2)所掌事務の遂行の状況に係る分かりやすい形での公表について、(3)その他ということで審議をさせていただきます。
 時間も限られておりますので、議事進行に御協力いただければと思います。
 まず、(1)令和8年度報告書取りまとめに向けた今後の審議の進め方についてですが、内容が多くございますので、二つに分けて説明・質疑という形で進めさせていただきます。
 最初に委員会の経緯等、今後の検討事項等、審議等の体制について、議論したいと思います。
 それでは、資料2-1、資料2-2を用いて事務局より御説明をお願いしたいと思います。
○川田閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは御説明に入らせていただきます。資料2-1を御覧ください。
 こちらは、評価委員会での今後の審議の進め方の案をまとめています。
 まず、1.委員会の経緯等について、(1)委員会の経緯では、法の制定や海域の追加について記述しております。近いところでは、下2行となりますが、本日御審議いただきます、分かりやすい形の公表に係る法改正について言及しています。
 次に、(2)委員会報告についてです。
 ここでは、これまでに行われた二つの報告、平成18年度報告、平成28年度報告について、掲載しています。なお、平成28年度報告については、参考資料1として添付していますので、御参照ください。
 平成28年度報告では、海域全体において目指すべき再生目標として、「稀有な生態系、生物多様性及び水質浄化機能の保全・回復」及び「二枚貝等の生息環境の保全・回復と持続的な水産資源の確保」を設定したこと、そして4項目の問題点、「ベントスの変化」、「有用二枚貝の減少」、「ノリ養殖の問題」、「魚類等の変化」の確認とその原因・要因の考察を行い、海域全体に係る再生方策や個別海域ごとに目指すべき再生方策を整理したこと、また、その当面の目標時期を概ね10年後としたことを記載しています。
 2ページをお願いします。
 次に、こちらについても、参考資料4として概要を添付しておりますが、令和4年3月に取りまとめた中間取りまとめについて、(3)として記述しており、新たな課題として近年の豪雨の増加や、気温・水温の上昇など気候変動の影響等が示唆されています。
 次に、2として、今後の委員会の検討事項等をこちらに記載しています。
 まず、(1)検討の基本的な考え方です。こちらについては、平成28年度報告、そして中間取りまとめに記載された今後の課題を踏まえ、次の①~③の事項について検討を行います。
 ①として、有明海・八代海等で生じている生態系、水産資源を巡る問題点とその原因・要因等について、既往または今後の調査・研究の成果等を踏まえて継続して究明を進めるということ。
 ②として、再生方策の実施状況及びその成果、再生目標の達成状況等を整理・評価、ここでは評価手法の検討を含むとしておりますが、これを行うこと。
 ③として、上記①~②を踏まえ、令和8年度以降の再生目標及び再生方策の方向性を示すとしています。
 ここで資料を移動して、5ページを御覧ください。こちらは、今後の方針等を検討するに当たり、委員の皆様へ10月にアンケートを実施したものとなります。このアンケートでは三つの質問を行っており、第1に、委員会において検討すべき事項に対して、これまで欠けていた分野や視点を教えてくださいというものです。
 次に8ページの質問で、親委員会と小委員長における役割分担で、これまでの運営を踏まえ修正すべき点を教えてくださいということ。
 そして、9ページになりますが、これまでの委員会の議事や進行等について、改善すべき点についてお伺いしたものとなっています。
 また5ページに戻っていただきまして、こちらの資料では主要な御回答を並べて、似ている内容のものをカテゴリーで点線の枠で囲っているものとなっています。そして、下方に書いております赤文字については、いただきました御意見への対応案を示しています。
 例えば、一つ目の枠の中では、二つ目の丸、有明海の再生とは何を示すのか、または六つ目の丸、再生の目標設定、何をもって再生されたと定義するのかと、こういった御意見に代表されるような御意見をいろいろといただいています。
 それに対して、先ほど、資料本体で御説明申し上げたとおり、今後の委員会の検討事項として、再生目標の方向性や評価手法について検討する方向ということで記載した次第です。
 ただ、このように記載しておりますが、事務局として、いただいた御意見から、論点として、何をもって「再生」とするのか、何をどこまで達成すればよいのか、どのような評価手法があるのか、こういったことを考えていかなければいけないものとして、論点としてまとめている次第です。
 そして、また、すぐ下の点線枠では、例えば一つ目では、土地利用形態の変化を取り入れてはどうか。また二つ目では、社会科学的な分野についても議論すべきということでいただいていたり、または、五つ目では、干潟に飛来する野鳥について御意見をいただいています。
 これらの議論について、やはり、赤文字で書いていますが、それぞれ反映しておりますものの論点としては、令和8年度委員会報告に向け追加すべき視点で、中間取りまとめ、または今回のアンケートでいただいた事項以外で必要と考えられる項目はほかにないのかと、こちらを検討していかなければいけないと考えています。
 そして、次の6ページです。一つ目の上の点線の枠では、温暖化や気候変動について御意見をいただいています。その下の二つ目の点線枠では、二つ目の丸にて、例えば、改善に向けた順応的プロセスが機能していないという御意見や、または四つ目の丸で、委員の進言に対して、結果的にどうなったかのフィードバックが必要ではないかということで御意見をいただいています。
 こういった御意見を反映していますが、論点として、再生方策の報告方法や委員御指摘のフィードバックをどうするかというものを検討していかなければいけないと考えているところです。
 資料本体の2ページにお戻りください。
 2ページの真ん中より下方、(2)中間取りまとめ等を踏まえ追加すべき視点です。
 一つ目、問題点とその原因・要因の考察に当たっては、今後継続して行う調査・研究開発による結果に加え、これまでに得られた調査データ等についても詳細に分析するなど、データの分析・解析に取り組むことが必要であると考えています。
 二つ目としては、先ほどのアンケートでいただいたように、生態系のつながりや、渡り鳥等をはじめとするほかの地域と往来する生物の観点も踏まえて検討する必要があるということです。
 それから三つ目の丸では、先ほど、アンケートでいただきましたように、土地利用形態、そして社会経済情勢等、または気候変動といったものを踏まえた検討というのを行う必要があるということで、ここに記載しています。
 次、3ページ目の一つ目の丸ですが、問題点と原因・要因と各再生方策の関連を示した連関図に組み込むとともに、連関図をさらに細分化等発展させ、これらを基に再生方策の実施状況の整理や平成28年度委員会報告の再生目標に対する達成状況及び評価に関する検討を進めるということで記載しています。
 そして、そのすぐ下の丸におきましては、毎年実施される委員会における議論の結果について、先ほどのアンケートでいただいた御意見で、各再生方策へ反映されるような「順応的な方法」による取組の在り方、フィードバックについても検討する必要があるということで記載しています。
 そして、こちらもアンケートでいただいた御意見ですが、地域住民参加・理解向上等を促す観点からの取組も検討する必要があるということで記載しています。
 以上について、次の委員会報告の記載項目のイメージ案で具体的にどのようなイメージとなるかということを御説明します。
 11ページを御覧ください。
 こちらの別紙2は、令和8年度委員会報告記載項目のイメージ案を取りまとめたものです。こちらは平成28年度委員会報告をベースにしており、新たに追加した項目を赤文字で示しています。
 一つずつ上から御説明します。
 まず、1章、有明海・八代海等総合調査評価委員会の中身として、委員会のこれまでの経緯、令和8年度委員会報告の位置付け等をここに記載します。
 2章、有明海・八代海等の概要として、海域の特徴・背景について記述内容を更新します。
 3章、有明海・八代海等の環境等の変化として、ここでは平成28年度委員会報告に記載されていた項目は引き続き継続し、中間取りまとめでの指摘を踏まえ、新たな視点である気候変動や社会経済情勢の変化について追加します。そして藻場・干潟等の項目で鳥類等陸域生態系についても言及したいと考えています。
 4章では、問題点とその原因・要因の考察をします。
 そして、次のページの5章では、再生目標に対する評価として、3章、4章の状況を踏まえ、平成28年度委員会報告に記載された再生目標に対する現状の評価、その具体的な内容として、平成28年度委員会報告後に分かった点、改善・向上した内容、再生目標の達成状況に係る評価手法の考え方、現状の評価を記載します。
 そして次に、再生方策の実施状況の整理として、4項目ごとの連関図及び関連する再生方策、そして、再生方策ごとの進捗状況を記し、そして今後の展望を記載します。
 最後の6章では、再生への取組として、次期再生目標の設定、そして、次期再生目標を達成するための再生方策の設定について記載します
 次に、資料本体の3ページ、審議等の体制についてです。
 まず、(1)小委員会の作業内容について、こちらは委員会の下に設置している海域小委員会と水産小委員会の二つの小委員会において、気候変動の影響、社会変化の影響、鳥類等陸域の生態系などの新たな分野を加え、情報の収集・整理・分析並びに再生方策の検討等の作業を進めます。
 資料2-2を御覧ください。こちらは水産・海域小委員会それぞれの所掌事務を示しています。これまで定められていた内容についてアンケートの結果などを踏まえて修正しています。
 具体的には、資料2-2の2ページ目で、赤文字で記載している箇所が追加した場所です。4.作業分担のところで、「中間取りまとめを踏まえ、両小委においては気候変動の影響や社会経済情勢の変化の影響などについて考慮するものとする」と追加しています。
 そして、下の表、小委員会の作業分担では、海域小委の所掌事務のうち、海域環境において、生物生息環境を追加し、生態系においては、ベントス、魚類に加え鳥類を加えています。
 また、次のページを御覧ください。昨年10月に一部委員の改選が行われました。改選後の現在のメンバーということで、こちらに別添1、別添2として水産小委、海域小委のメンバーを掲載しています。
 本体の3ページへお戻りください。
 今のところが(1)の御説明でした。
 次、(2)両小委員会への相互参加による連携強化です。
 ここでは、両小委員会相互で委員のオブザーバー参加など横断的な視野が持てるような開催方法を検討するということで記載しています。
 また、開催に当たっては、情勢に鑑みながら、本日の委員会のように会場とオンラインによるハイブリッド方式としたいと考えています。
 そして、(3)取りまとめに向けた作業体制ですが、こちらでは委員長、小委員長の御二人、補佐する委員、そして事務局から成る編集に係るワーキングを設置し、当該ワーキングから、必要に応じて知見を有する委員へ執筆や監修の依頼を行います。
 そして、(3)の二つ目の丸、ワーキングから依頼を受けた委員は、知見を有する項目について内容や図表の妥当性などの監修、依頼された項目の執筆を行うという体制にしてはどうかということで書いています。
 そして、最後の丸です。さらに、令和8年度委員会報告を取りまとめる令和7年度以降においては、ワーキングの下、国、県の実務担当者レベルによる取りまとめに向けた議論及び作業を進めることとしたいと考えています。
 次のページには、今申し上げたこと、簡単ではありますが、イメージ案を掲載しています。
 こちらについて、アンケートの9ページを御覧ください。
 アンケートにて、これまでの委員会の議事や進行について、改善すべき点について委員の皆様にお伺いしました。
 そこでいただきました御回答として、まず、一つ目の点線枠です。小委員会の取りまとめ責任者も、委員長の御判断で参加を認めること。そして、二つ目の点線枠、特に二つ目の丸、委員に報告書の根拠となる図表等の妥当性を事前に確認すること。そして、三つ目の枠、データの収集や資料作成について、委員長・小委員長を中心に専門家を入れた議論を重ねておくこと、と御意見をいただいています。
 こういった御意見を踏まえ、各委員の執筆、監修を行うという方向や、または編集ワーキングを設置するということで検討した次第です。
 論点としては、令和8年度委員会報告に向けた報告書作成のための作業体制をどうするかということを、今後も検討していかなければいけないと考えています。
 資料の御説明は、以上です。
○古米委員長 御説明、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの説明について何か御意見、御質問等があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。会場の方及びオンラインの方も含めてお願いしたいと思います。
 それでは、矢野委員、お願いします。
○矢野委員 資料2-1で御説明いただいた、2の(2)の中で、今後追加すべき視点ということで御説明いただきましたが、一つ目の丸の中に、現在行っている調査について、必要な場合には拡充ということが書かれています。残りの時間を考えると、現在、令和4年度も末ですので、令和5年度、6年度、7年度、8年度と4年間、一応あるといえばありますが、実質的には二、三年ぐらいしかないのかなと思っています。拡充ということをやるにしても、非常に時間が限られていますので、この議論は早めにやるべきと考えるところですが、その辺りについてはいかがでしょうか。
○古米委員長 事務局、いかがでしょう。
○木村閉鎖性海域対策室長 閉鎖性海域対策室長でございます。
 拡充という部分は、殊更強調して書いたわけでもなく、今までいろんな調査等を国、それから関係県で実施していただいております。そういうところを、残り限られた時間ではありますが、有効な検討ができるように、少なくとも、環境省が自ら実施している調査もありますので、そういうところは、どういう内容にしていくのかというのを検討したいと思います。
 予算的な拡充というのは、なかなか大変かもしれませんので、内容面でブラッシュアップしたいという意味を込めていると認識いただければと思います。
○矢野委員 どうもありがとうございます。
 拡充してくださいといった意味で御質問させていただいたわけではなく、拡充するかしないかを決めておく必要があるということもあろうかと思いますので、結構早めにやらないといけないテーマかなと思って、御質問させていただきました。ありがとうございます。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 必要な場合にと書いてあるのは、評価委員会なり小委員会等で出てきたり、あるいは中間取りまとめの中で出てきた課題を解決というか、その中身を精査するために、どういう検討が更に必要なのかということを評価委員会、小委員会のどちらからでも御提案いただくプロセスが必要かなと思います。令和8年度に向けて取りまとめはしますが、令和8年度で完結するとは考えられません。もう少し長期的な視点で拡充すべき研究、課題なり、調査内容、そういったものをこの評価委員会等で提言するということも重要かなと感じております。重要な御指摘、ありがとうございました。
 ほかに御意見、御指摘、いかがでしょうか。
 それでは、山西委員、お願いします。
○山西委員 今回、事務局で随分交通整理をされて、分かりやすくなったと思いますが、先ほど、矢野委員からもありました、2番の(2)の最後のところです。私もアンケートの中で、地域住民の方にいかにこの委員会の結果が反映できるかというのを、できるだけしていただきたいというのを書いていましたが、現状としては、恐らく、ここの委員会の中でいろんな問題点とかを明らかにしつつ、再生方策などを科学的な根拠を基に提案していきますが、なかなか地元の方たちとの乖離というか、なかなかそこが伝わっていない。私も地元にいますが、年に1回、漁民の方と研究成果を少しお話しするぐらいの程度で、なかなか伝わっていないところがあると思います。
 皆さん、御存じかと思いますが、現在、佐賀はノリの収穫がかなり大変な状況であるということがありますので、更に、このような委員会での結論などというのは興味をもって見られている可能性があります。
 ですから、要は、この委員会と現場とか、対立的なものになっては駄目なわけで、むしろお互いに寄り添っているというか、こちらの意見に地域の状況を反映されている形に、ぜひ、していただきたい。しかし、今、どのような問題が一番ホットな話かということが、委員会ではなかなかここでは出てきません。結果としての、何かこのようにやるよというのは、いろいろ研究とか、科学的根拠の話は分かります。ただ、地元の人たちは、それが必ずしも、今の話としての反映に、なかなか結びつかないので、その辺、ちょうど今回委員会とかにも各県の担当のより地域に近い方がおられるので、こういうものが一番今ホットな話題となっているとかというのを挙げていただくような機会もあっていいのかなと思います。
 それと、最終的な報告書の中のお話が別紙2のところであって、ぜひ、6章の再生への取組のところで、例えば、可能かどうか分かりませんが、未来志向型の提言のほか、必ずしも、日本だけの話題ではなくて、ヨーロッパを含めて漁業の管理とかというのに、もう少し突っ込めるぐらいなお話もあってもいいのかなと思います。御検討いただければいいかなと思いました。
 以上です。
○古米委員長 何か事務局、ありますでしょうか。
○木村閉鎖性海域対策室長 まずは地元からのホットな話題、現場での問題点みたいなものをくみ上げていただきたいということですが、そこにつきましては、我々も現場の状況などもできるだけ拾っていけるような形で対応したいと思っております。なかなか難しいという面もあるかもしれませんが、そこについてはどのようにやっていけるかを少し考えていきたいと思います。
 委員会の活動について分かりやすく説明するということもいただいておりましたので、昨年9月に、私も現地の漁協さんや関係県の集まるような会議でも、評価委員会の中間取りまとめについては御説明させていただきましたが、今後も類似の機会を考えていきたいと考えております。
 それから、未来志向型の提言ということにつきましては、評価委員会での今後の検討をどう進めるかを検討する中で、どのようなことができるかというのを考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○古米委員 山西委員、よろしいでしょうか。
○山西委員 今はコロナ環境ですので、なかなか移動しては難しいですが、機会があったら、ぜひ地元でこういう公開講座ではありませんが、何か公表みたいなことができるといいかなと思いました。
 漁協などでそういう説明をしたりすると、いつもでもいいですよ、ぜひ来てくださいというようなことは伺っていますので、機会があればお願いしたいと思います。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 課題になっている、委員会でやっていることを分かりやすい形で公表するというところですが、きっと山西委員の御指摘は、ただ公表するだけではなくて、地元の方々に御理解いただくなり、何が課題でどこまで分かったよということを、周知していく努力が求められているというように私は理解しました。法律上は周知とは書いていないのかも分かりませんが、その方向性は大事かなと私も感じております。
 大嶋委員、お願いします。
○大嶋委員 この委員会で経緯というか、目的は主務大臣等に意見を述べることとされていますが、我々のやったものがどれだけ役に立っているか、引用されているか、どういう反応があるかというのを調査されているのでしょうか。やはり、そういうフィードバックも委員会として必要なのではないかなと思います。委員も意見を言うだけでは、やはり、我々もやりがいもないですし、そういうところはフィードバックが必要で、そういうところをまとめるということも必要かなと思っております。先ほどの意見にもかなり関係すると思います。
 以上です。
○古米委員長 続けてお聞きしてまとめます。
 灘岡委員でしょうか。お願いします。
○灘岡委員 一つ前のコメントにも関係します。この委員会の検討した内容をいかに一般に伝えるかということの延長で、単に伝えるだけではなく、つまり一般の人から見れば、単に受け手としての情報というスタンスだけではなくて、例えば、地元の漁業者の方々、これは毎日、日常レベルで海に出られて、彼らなりにモニタリングをずっとされている方々なわけで、ある意味で、非常に強力なモニタリングの実施者だと思います。例えば、この委員会、特別措置法に書かれているのは、「国及び県が実施する調査に基づいて」と冒頭のパラグラフに書かれていますが、そこに限定するだけではなく、日常レベルでモニタリングされている地元の方々の情報を積極的に吸い上げるという視点も必要なのかなというのが1点です。
 もう一点は、大きく2本柱で調査・解析、原因分析をやるという柱と、もう一つは再生方策を検討して提言する、この2本柱だと思いますが、例えば、後者については、いろんな関係機関が、あるいはそれこそ地元の漁業者等とも連携しながら、うまく連携を取ってやるというのは当然必要なことですが、その必要性はどなたも認識される話だと思います。しかし、実際にそれをコーディネートして、うまく調整しながら、全体として効率的にアクションにしていくというのは、並大抵のことではないという気がします。
 そういう意味で、コーディネーションをつかさどる全体的なフレームワークというのをどのように設計するか。そこにはいろんなステークホルダーに入ってもらわなければいけない、さきほどの漁業者の方々も当然ですが。これは結構ハードな仕事になるかなと思います。
 そういったことの全体的なデザインと実装の方策といいますか、そういったものも検討していく必要があるかなと思いました。
 以上2点です。
○古米委員長 清本委員、お願いいたします。
○清本委員 先ほどの御発言と関連する事項です。やはり今後の取組として再生方策、それから再生目標の方向性を示すということが検討事項の最後に挙げられていますが、ここが非常に重要で、かつ、この委員会として一番重い課題かなと考えております。
 その中で、取組の今後の方向性として、順応的な管理という言葉が出てきているかと思いますが、この順応的な管理というのが視点として非常に重要かなと思っています。気候変動やもろもろの変化が非常に大きい中で、今後10年後を確実に確定した情報として提言するというのは、非常に難しい事項だと思いますので、順応的に見直しをしつつ取り組んでいけるような方策・目標を作るというのが大事な視点かなと思います。
 その点について少し情報を集め始めた中で、少し古いですが、国土交通省で2007年に海の自然再生に係るワーキンググループが取りまとめられたハンドブックというのを見つけまして、これが考え方を整理する上で非常に参考になるところが多いかなと思って、私も読み始めているところです。御存じない方がおられれば、この場で参考資料として御紹介したいと思いました。国土交通省監修で「順応的管理による海辺の自然再生」というハンドブックです。ネットにも情報が上がっているようですので、検索していただければ本文が読めると思います。今後、議論を深めていく中で、参考になる資料として、私も読んでみたいと思いますが、興味がある方は、ぜひ目を通していただければと思います。
 それから、先ほど、地元への説明というところがありました。水産経済新聞に昨年12月の記事で、地元の漁連、4県漁連の合同で農林水産大臣にですが、本委員会からの定期的な報告を求める要望書というのが上がっているようですので、そういう情報も連絡させていただいて、その点、環境省、国土交通省、農林水産省、いろいろな組織が関連して動く事項でありますので、そういう関連官庁との横の連絡も密にしていただいて、今後とも取組をよろしくお願いいたします。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 川原委員、お願いします。
○川原委員 水産の立場で、少し有明海の現状をお話ししたいと思います。先ほど、山西委員からもお話がありましたように、今年度の有明海のノリ養殖は、少雨とあいまって、これまで経験したことのないような時期や規模での赤潮プランクトンの増殖によって、海域の低栄養塩化というのが発生し、甚大な色落ち被害が起きておりますし、近年の佐賀県海域では、ブリやタチウオ、マダイといった、どちらかというと、塩分濃度が高い海域に生息する魚種がまとまって漁獲されて、市場に水揚げされるというような状況が起きております。原因は何かというのは分かりませんが、有明海の環境がますます変化していると感じております。
 これまでの水産業における有明海の再生というのは、かつて漁獲していたが、漁獲量が減少、あるいは全く取れなくなった水産資源を対象として、その資源量を回復させるということを目標に取り組んできたと思いますが、今後は、例えばこれまで取れていなかったが、環境変化によって増えてきたものや、環境が変化した中でも影響を受けにくい水産資源をうまく活用するような、アンケートの御回答にもありましたように、この先の環境を見据えたというのが、今後、再生目標を設定する際のキーワードになるのではないかなと私も思っております。
 少し現状の御報告と併せて意見を述べさせていただきました。以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 なければ、今まで4名の委員から御意見をいただきましたので、それに対して事務局から何か御回答なり、御発言をお願いしたいと思います。
○木村閉鎖性海域対策室長 ありがとうございます。
 まず、大嶋委員から、評価委員会の活動、あるいは評価委員会で出した報告、あるいは中間取りまとめ等に対してのどういう反応やフィードバック、そういうものがあるのかの調査をしているのかというような御指摘がございました。
 そこについて、まとまった形で調査をしたとかということはございませんが、今後、どういうことができるかということは検討してみたいと思います。
 それから、灘岡委員から、単に伝えるだけではなく、特に地元の漁業者の方などが日々いろいろ感じていらっしゃるようなことを、ある意味でいうと、それがモニタリングでもあるというような御指摘もあって、そういった地元の声を吸い上げる方策をというようなことでございましたが、これについても、我々もいろいろな情報を吸い上げられるような形のことは、この委員会の事務局をする活動の中でもやっていきたいと思っておりますので、今後、そういうことも意識しながら考えていきたいと思っております。
 それから、灘岡委員からの意見の中で、再生方策、いろんな関係機関がやっておられるという中で、それをコーディネートするのが結構重要なことで、その体制やデザインをどうするのかというようなこと、難しいことではあるがというようなことで御意見いただきました。
 ここも我々が全てコーディネートできるということではないとは思いますが、この評価委員会の活動の中で今日も上げていた資料にも書かせてはいただいたと思いますが、委員会の中での議論の結果が再生方策へ反映されるような順応的方法による取組の在り方の検討というようなことをしていく中で、いかにコーディネートに近いような形でやれるかということを少し検討していきたいと思っております。
 それから、清本委員から順応的管理に関して、国交省で作られたハンドブックがあるということを御指摘いただきました。
 私自身はそのハンドブックについては承知しておりませんでしたが、一度我々もどういうものか、まずは見させていただきたいと思っております。
 それから、地元の4県漁連からの要望書ということでございました。ここに関しては環境省が評価委員会の事務局を担当しているということもあり、委員会の活動についての報告を定期的にというようなことで要望いただいております。それにつきましては、確かに我々は意識しておりまして、本日、後の議題で、分かりやすい形での公表という議題もありますが、そういったものをまとめつつ、また地元への説明の機会もできるだけ探っていきたいと考えております。
 それから、川原委員から御発言のところで、今年度、ノリ養殖が非常に厳しい状況である、あるいは漁業においても、いろいろと環境変化に応じて採れる魚種なども変わってきているというお話もございました。
 まさに、そういったような環境変化をしっかり我々も現地調査とか、あるいは我々の調査だけではない形でのいろんなところからの研究成果なり、あるいは漁業の実態のところから得られる情報も含めて、先の環境を見据えた目標の設定、なかなか先を見据えるというのは大変かもしれませんが、この評価委員会での評価をしっかりする中で、そういった先を見据えた形での目標設定ができるように検討していきたいと考えております。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 御質問、御意見いただいた委員の方、追加で何か御発言があればお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 清本委員の目標設定というところで、再生目標はすでに示されていますが、それらがまだ具体的ではないことから、場合によっては数値化できるものは数値目標にできればいいわけです。目標というのか、将来の目指す姿に向けた再生方策が現状改善にどう貢献しているのか評価をしていくのかが、非常に大変な作業になります。この評価委員会の中でも目標設定について議論を進めていくということも重要です。また、私自身は、掲げた目標自体が利害関係者で共有されていないと、ただ掲げているだけなので、いかに関連省庁なり関係県の中で同じ方向を向いていくという形で示すことがとても大事だと思っています。その中にアダプティブというか、順応的なことが入るのかなと思います。
 あとは、コーディネーターというのは、非常に難しく、環境省が、昨年度の取りまとめも非常に御苦労されているのを存じ上げていますので、そういった機能の強化は必要だと思います。きっとこれは国だけではできないと、私も思いますので、ぜひ関係県が、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島が入って、法律上は大分も入っていますが、やはり有明海と八代海に面している県となると、その県の方々で、もう少ししっかりした協議会なり、あるいは情報共有の場を持っていただいて、そちらから逆に、先ほどの灘岡委員が言われたように、漁業だとか、そういう人たちの情報がそこに吸い上げられて、個別の組合の意見ではなく県として、あるいは県協議会として吸い上げられてくるということであれば、法律上、非常に価値ある情報として出てくるので、そういった枠組みがコーディネートの組織につながるように、私は感じました。
 きっと、それぞれの意見は全てつながっていますので、それをどう実践していくかというのは、1年2年ではないでしょうが、少なくともそういった方向で今年度は何ができるのか、来年度は何ができるのかという議論をしていければいいかなと感じたところです。
 追加で私から発言させていただきました。
 それでは、ほかに委員の方々から御意見、御質問も可能ですので、挙手をお願いしたいと思います。
 それでは、林委員、お願いします。
○林委員 一つだけ。目標に関しては4項目というのが挙げられていて、恐らく現地の方々もこれが最も重要な項目であるという御認識だと思いますが、再生目標の設定もこの4項目ごとになのか、今、委員長がおっしゃられたように、もう少し大きな形での目標設定なのか、どういうイメージが現時点であるのかを教えていただきたいです。
○木村閉鎖性海域対策室長 現時点でどこまで先の目標のことを言うのが適当か分かりませんが、今までは大きく二つの目標を掲げています。平成28年度報告の際、資料2-1の1ページにあるように、「希有な生態系、生物多様性及び水質浄化機能の保全・回復」、それから「二枚貝等の生息環境の保全・回復と持続的な水産資源の確保」というものを設定しています。この項目の後に少し記述的な目標も書いてあるわけですが、4項目それぞれにもう少し細かく目標を設定していますし、一部の項目では海域ごとの目標や再生方策も書いていますので、どういう形で再生目標であるとか再生方策を提示するかも、まさにこの評価委員会の中で決めていく話だとは思います。今紹介したのは、前回の報告ではそういう目標になっていたということでありますので、次回の報告でどうするかは、また林先生の御意見を含め、いろんな委員の先生から意見をいただきながら、この評価委員会で議論をすることになると思っています。
○古米委員長 林委員、よろしいですか。
 私から追加で発言させていただくと、平成28年度の報告のところで二つ大きな再生目標が示めされましたが、全て一遍にやるというよりは、重点的にまず4項目を挙げて、なおかつ海域別にそれぞれで問題になっているものに対してアプローチをするということになりました。その大きな目標に向かって、もう少しブレークダウンした目標、具体的な目標や、場合によっては数値目標を出すことが期待されていて、それがそこの地域なり、県を越えて認識されていることが望ましいと。きっと次の段階では再生目標がもう少し具体的になり、重点項目にさらに追加すべきだという議論が出れば追加させるしというように、方策の中にどういうものを反映すればいいかという議論がこの評価委員会の中なり、小委員会で行われていくというように私は理解しております。
 どうもありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見はいかがでしょうか。オンラインの参加の方も遠慮なくお願いいたします。
 もしなければ、次に移って、また、後半で関連して御質問、御意見いただくことも可能だと思いますので、特に挙手がなければ、次の議題に進みたいと思います。
 それでは、今日はいろいろと御意見いただきましたが、基本的に今後の審議の進め方については、資料2-1、資料2-2というところで、今日いただいた御意見を反映した形で進めていくというように御了解いただいて、進めていくということにさせていただきたいと思います。
 もし、今日の御意見で修正等があるようであれば、事務局と私で調整して反映をさせていただきたいと思いますが、そのような対応でよろしいでしょうか。
(異議なし)
○古米委員長 よろしいですか。どうもありがとうございました。それでは、そのように対応させていただきたいと思います。
 続きまして、審議スケジュールについて、資料2-3を用いて事務局から説明をお願いしたいと思います。
○川田閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは、御説明します。
 資料2-3を御覧ください。こちらは今後の審議スケジュールについて案を示しています。
 この資料では令和4年度において、令和8年度委員会報告に向けた審議の進め方、そして小委員会の作業方針の確認を主として検討する内容です。
 本日の第50回評価委員会では、一つ目として、今後の検討事項、二つ目として、審議体制、三つ目で審議スケジュール、そして所掌事務の遂行状況に係る公表を御審議いただいています。
 そして、2月の第10回水産小委・第10回海域小委の合同開催では、今後の審議の進め方とともに、令和8年度委員会報告に向けて取りまとめの方向等を検討できればと考えています。
 そして3月、第51回評価委員会を開催し、小委員会の取組の報告とともに、再生方策の実施状況、令和4年度の所掌事務の遂行状況に係る公表について御審議いただくこと考えています。
 そして令和5年度では、令和8年度委員会報告に向けた検討として、報告の章立て・項目(骨子)の御審議を考えています。そして各項目の作業方針、現在の状況を反映した連関図案の検討というのを御審議いただければと思います。
 令和6年度、7年度においては、課題4項目等の調査・研究等の成果の取りまとめ(案)の検討、そして令和8年度委員会報告の取りまとめ(案)の作成を開始し、その内容として、中間取りまとめ及び平成28年度委員会報告における課題・意見等への対応検討、委員会報告の取りまとめの構成の検討、令和8年度以降の再生目標や課題4項目等及び再生方策の検討を組み立てたいと考えています。
 そして最後の令和8年度において、委員会報告の取りまとめ(案)の審議を進めていただければと考えているところでございます。
 簡単でございますが、説明は以上でございます。
○古米委員長 御説明、どうもありがとうございました。
 それでは、委員の方々から御意見を伺いたいと思います。何か御質問、御意見があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 それでは、矢野委員、お願いいたします。
○矢野委員 先ほどの議論の御紹介の中でもあった、アンケート結果の中で問題として挙げられている再生というものをどう考えるかという話がありますが、このスケジュールの中でそれを議論するところがどこになるのかなというのがよく分かりませんでした。まだはっきり決まっていないのかもしれないですが。フォーマルな委員会でこういう議論をしにくい部分もあるかもしれませんので、やり方等も含めて、少し考えていただけたらと思っています。再生に関する議論は、恐らく、変な言い方をすると、神学論争みたいになりかねない部分もあるかと思います。立場によって、皆さんの専門分野とか、それぞれのセクターの立場によって、再生目標や再生ということ自体が変わってしまう可能性があるので、どこで合意を作るのかというのは、なかなか難しいのかなと想像できるのですが、そういったものをあまりフォーマルな形で議論すると、なかなか率直な意見が出にくいとかということもあるかもしれませんし、そういうことも含めて、議論のやり方というのを少し考えていただいて、もちろんクローズドにして、隠すということを期待しているわけではありませんが、当然、オープンな議論は必要だと思っていますが、率直に意見を交わせるという場がいるのではないかなと感じておりますので、そこら辺を考えていただけたら有り難いなと思っております。よろしくお願いします。
○古米委員長 ほかの委員の方々、一通り御質問等を受けてからと思います。
 それでは、山室委員、お願いいたします。
○山室委員 資料2-3のスケジュールのところの1ページの2月13日の小委員会のところです。先ほどの資料2-1の5ページ目に、アンケートの結果でいろいろ委員の方々から御指摘があった内容が書かれていて、例えば、土地利用形態の変化による長期的な水質とか、社会科学的な分野、人工物質の影響とかということが出ております。そういうのも踏まえて、今回議論するとして、2月13日の小委員会のところに各種データの追加・更新等というのが書かれていますが、例えば私は地元にいないので、地元のどこがどんなデータを持っているかというのは、私は分からないわけです。私が前回指摘したのは化学物質のデータがないよということでしたが、そういったどこにどんなデータがあるのかというのは、具体的にどなたがこの日までに整理されるのかというのを教えてください。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 林委員、お願いいたします。
○林委員 先ほど、矢野委員がおっしゃっていたことに私も同意見ですが、先ほど、私が4項目というお話をしたのが、まさに項目ごとに何を再生というのかというのが変わってくると思います。そのことを先ほど質問させていただいたのですが、その辺りが矢野委員がおっしゃったとおり、4項目ごとにきちんと細かい内容を詰めながら、再生を定義しないと、目標が設定されないのではないかなという感じを持っているというところでございます。
 以上です。
○古米委員長 ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見。
 それでは、当面、3名の委員から御発言いただきましたので、それに対応して事務局より御意見、対応をお願いしたいと思います。
○木村閉鎖性海域対策室長 3名の委員の先生方、どうもありがとうございました。
 まず、矢野委員から御意見いただきました再生に関する議論をぜひということでありました。これはアンケートでもいただいておりますし、事前の打合せのときなどにもお聞きしておりますので、どういう形でやれるか分かりませんが、できるだけ早い機会、今年度のスケジュールの中では難しいかもしれませんが、来年度以降のできるだけ早いタイミングでやれるような形で考えていきたいと思います。
 それから、山室委員からいただきました2月13日の小委員会に向けての各種データの追加・更新の部分で、地元のデータを誰が整理するのかというようなお話もありました。2月13日の小委員会では、今後の検討内容について議論していくということで、データの追加・更新とかをどうやっていくのかということも含めて検討していくと思っておりますが、いずれにしても、この評価委員会で評価をしていくためのデータにつきましては、事務局で収集して会議の場に出させていただくという形で考えております。
 また、林委員から、再生については4項目についてそれぞれ考え方も異なるのではないかという御指摘もありました。そういうこともあるだろうと思いますので、そういった部分も再生の議論の中で検討していければいいのかなと考えております。
 以上です。
○古米委員長 3名の委員の方々、何か追加で御発言があれば。
 どうぞ。
○矢野委員 今、最後の御回答にあった林委員の御質問に対する回答で、4項目に対してそれぞれやるのはいいとは思いますが、恐らく4項目間で再生目標を立てたときに、トレードオフ関係とかが発生する可能性もあると思いますので、やはり、総合的な議論は必要なのかなと。
 4項目は、あくまでも生態系とか水産の問題だけに限られているのかなと思いますので、そのもっとベースになる物理環境とかいろんな話もあろうかと思いますので、この4項目だけに限定するのかしないのか、議論が必要かと思いますが、できるだけ幅広にしていただけたらなと思っております。よろしくお願いします。
○古米委員長 ほかに、林委員、山室委員、よろしいでしょうか。
○山室委員 私は大丈夫です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 私自身も、目標の表現方法というのがそれぞれの重点4項目に対して具体的にするということは、とても分かりやすく評価もしやすくなり、それでなおかつ、皆さんが向かう方向性が明確なるので非常にいいと思います。しかし、先ほど、矢野委員が言われたように、いわゆる水産関連及びベントスだけではなくて、例えば、貧酸素水塊の発生状況をどう低減していくのかという環境再生もあったり、いろいろな関連のところを少しずつ目標設定していって、それが全体としてつじつまが合っていくと、相補的であるというような形で表現することが、また次のステップかなと個人的には思っています。
 既に大きな枠組みの目標は二つ出ていますし、重点的にやりましょうという項目も出ていますので、それをサポートする関連項目に関する目標設定というのが今後必要かと思います。
 事務局からあったように、昨年10月に委員の方々のお忙しい中、御回答いただいたものを踏まえて、今後の審議だとか、在り方、検討項目を議論しました。やはり、皆さん、共通認識としては、どのように再生目標を具体的に示していくのか。言い換えると、表現の在り方であったり、形式であったり、そこら辺をどうするかという検討をするのは、評価委員会、なおかつ小委員会の場でもなかなか時間が限られていると思います。したがって、別の枠組みで考える必要があると思います。ぜひ、事務局で、どういう方法で進めていけばいいかということと、矢野委員から言われたように、県を越え、なおかついろいろな利害関係者が関わっている有明海と八代海等の再生目標が、評価委員会のメンバーだけで議論して決まりましたとかでは不十分だと考えます。省庁の方々に関わっていただき、関係県の方々や、場合によっては現場の方々からも、先ほど言ったような再生目標設定に向けたフィードバックを受けて、目標を設定しますよということが重要だと思います。令和8年度報告に向けて、可能かどうか、中途半端に目標設定を出してしまうと誤解を受けるので、なかなか難しいですが、そういったことを含めて再生目標の設定ができるということも大事かなと感じているところです。
 すみません、私からまた追加で発言させていただきました。
 それでは、資料2-3の今後のスケジュールに関して、何か御質問、御意見があればお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
(意見なし)
○古米委員長 特に御発言がないようですので、それでは、議題の2番目に移らせていただきます。議題の2、所掌事務の遂行の状況に係る分かりやすい形での公表についてということで、事務局から資料3-1、3-2を用いて御説明をお願いしたいと思います。
○川口閉鎖性海域対策室室長補佐 それでは、委員会の所掌事務であります、所掌事務の遂行の状況に係る分かりやすい形での公表についてです。
 令和3年3月30日に開催いたしました第46回の評価委員会におきまして、評価委員会の開催状況を分かりやすく伝えるための説明資料につきまして御審議いただいたところです。その後、昨年3月に本委員会での御審議を経て、中間取りまとめが取りまとめられましたが、前回の御審議から時間も空いていますので、委員会の所掌事務の遂行の状況に係る資料作成及び公表方法等につきまして、改めて御説明させていただければと思います。
 説明に当たっては、資料3-1、3-2を使用しますが、資料3-1が有明海・八代海等総合調査評価委員会の所掌事務の遂行の状況に係る資料作成及び公表方法等について整理したもの、資料3-2が令和3年度の所掌事務の遂行の状況について整理したものとなります。
 初めに、資料3-1を御覧ください。
 1の経緯のとおり、令和3年4月に有明海・八代海等の特別措置法が改正施行されまして、委員会の所掌事務の遂行状況について公表することが追加されており、2の法律上の位置付けのとおり、特別措置法第25条第3項におきまして、委員会は、毎年、その所掌事務の遂行状況を分かりやすい形で公表するものとされ、(2)に記載の留意事項にも配慮することが求められております。
 3の作成方針としましては、毎年度の委員会の所掌事務の遂行状況と有明海及び八代海等における環境等の変化の原因・要因、再生の方策について、当該年度に情報更新があった箇所を基に整理したもの、これを併せて公表資料とすることを想定しておりまして、次のページに、参考として構成イメージ案をお示ししております。
 毎年度の委員会の所掌事務の遂行状況としましては、こちらに記載のように、各年度の審議概要及び審議状況を表形式で整理したものを想定しております。
 前のページに戻りまして、4の公表方法ですが、委員会での御承認を得た上で、年度初めにホームページへ掲載することを想定しております。
 また、5のその他に記載しておりますが、関係県や漁協等の関係者に対する説明の機会を設けるように努めたいと考えております。
 続きまして、資料3-2に移らせていただきます。
 こちらは令和3年度の中間取りまとめの概要版をベースとしまして、令和3年度の所掌事務の遂行の状況を整理したものとなります。
 次ページの目次で構成を示しておりますが、2~3ページにおいて所掌事務の遂行状況として、令和3年度の審議概要及び審議状況を整理しておりまして、4~6ページにおいて背景・経緯としまして、委員会の所掌事務、これまでの経緯として、中間取りまとめの大元である平成28年度委員会報告の概要を整理しました。
 7ページ以降、こちらが中間取りまとめの概要ということになりますが、8ページとして、中間取りまとめの位置付け、主な内容・構成ということで、あと、次の9~13ページに2.中間取りまとめで明らかになった主な事項としまして、生物の生息環境の確保、ベントスの変化、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化の項目ごとに整理しています。
 また、14ページですが、こちらに3.有明海・八代海等の環境等の状況、その先、15~29ページのところで再生方策等の実施状況等と課題の整理としまして、生物の生息環境の確保、ベントス(底生生物)のモニタリング・変動要因の解析、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化、魚類漁獲量等の状況の5項目について、ケーススタディ等の内容も参考に整理しています。
 最後の30~31ページに、再生方策等に共通する今後の課題として整理しています。
 全体としましては、中間取りまとめの概要版と比べて、中間取りまとめで明らかになったことを項目ごとに整理をして、図表をできるだけ取り入れたことが、より分かりやすい資料となるように取り組んだところとなります。
 説明は以上です。
○古米委員長 御説明、どうもありがとうございます。
 令和3年4月に改正されて、この委員会での遂行状況を分かりやすい形で公表するということで、公表する内容としては、有明海及び八代海等における環境等の変化の原因・要因、再生方策について、どう遂行しているのかということであります。その観点から委員の方々から、御提案について御意見をいただきたいと思います。実は令和3年度ですので、本当は令和4年度、今年度の初めに出せば良いのですが、今回の場合は少し遅れているので、今年度中に出したいということで提案されています。令和4年度の状況については、令和5年度の年度当初に分かりやすい形で出すということです。現在、過渡的な状態であるということで、今回の議論は次年度以降の公表に対しても影響しますので、ぜひ、忌憚のない御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
 山室委員、お願いいたします。
○山室委員 今回の議論が次の議論にも関係するという委員長のお言葉と同じようなことを考えて御質問させていただきます。資料3-2の再生方策に共通する今後の課題①という、番号にすると30枚目です。
 ここで、皆様、議論のあった環境データとして今までなかった河川からの土砂流入ですとか、藻場とか、そういうのが大切だということになって、報告書でも入っていたと思いますが、それを受けて、先ほどの資料2-2で、小委員会の作業分担という項目があります。そこに例えば、ここで挙げられている河川からの、陸域からの影響や、それから、藻場、そういう対応が見えにくいです。例えば、海域小委員会は生態系としてベントス、魚類、鳥類といって、鳥類を新しく入れたというのが赤字になって示されていますが、藻場はどちらがやるのとか、どちらも大切ですよねとか、そういうことが見えにくくなっているので、ここまででこういうことが分かったよというのを次の小委員会の作業分担ではどのようにするのかというのも分かるような書き方にすると、先ほど、委員長が言われたような、次につながるというところに結び付くのかなと思いました。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 続けて、ほかの委員からも御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。
 それでは、山西委員、お願いいたします。
○山西委員 この資料は、環境省のホームページに載せられるということですね。それは載せて何か意見をいただくだとかということも含めての公開でしょうか。一方向ですか。
○古米委員長 それもまた、ほかの御質問、御意見をお受けして、まとめて事務局から回答いただきたいと思います。ほかにお気付きの点。
 清本委員、お願いいたします。
○清本委員 先ほどの、新規項目を追加するかどうかという議論とかぶると思いますが、資料3-2は、あくまでも令和3年度に行った事項の報告ということであれば、このままでいいのかなと思いますし、令和5年1月に出すものとして令和4年度の検討内容もある程度反映して書き込むのであれば、アンケート等で議論されたところまで入れるのか、そこは今年の3月にもう一度作る令和4年度の所掌事務の遂行の状況のほうに反映させて入れ込むのか、その辺、事務局としての考え方を聞かせていただければ有り難いです。質問事項です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、続けて御質問、御意見を受けたいと思います。いかがでしょうか。
 特になければ、今の3件で、ひとまず事務局から御回答いただくことでよろしいでしょうか。
 それでは、お願いいたします。
○木村閉鎖性海域対策室長 ありがとうございました。
 まず、山室委員からいただいたコメントでありますが、河川から、陸域からの影響とか、藻場・干潟とか、この辺りを小委のどちらで扱うのかというのが分かりにくいというようなお話がございました。確かに整理としてそこまで書かれているわけではないので、次回の2月13日の小委員会に向けて、そこら辺も整理した形でお示しできるような形にさせていただきたいと思います。
 それから、山西委員からいただきました、環境省のホームページに載せるということで、意見をいただくのか、双方向なのかという御意見をいただきました。なかなか双方向というところまでやることは考えていませんが、こういった分かりやすい資料を作って、それを地元などにもできるだけ説明していきたいということは申し上げておりますので、そういうタイミングでいただいたような意見などは、次のステップにおいては考慮できるような形で進められればと考えております。
 それから、清本委員からいただいた資料3-2について、令和3年度の活動についてのものなのかということでありますが、まさにそのとおりでありまして、資料3-2は令和3年度の活動をまとめたということでありますので、そのように御理解いただければと思います。ですので、令和4年度になってからの活動、先ほどのアンケートなども含まれますが、これらについては、次の令和4年度の所掌事務の遂行の状況の中で公表していくということになります。
 以上でございます。
○古米委員長 御回答いただきましたが、3名の委員の方、追加で御発言があればお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
 どうぞ、山西委員。
○山西委員 言われたとおりで、恐らく、双方向は大変だと思いますので、それは全体の取りまとめをする令和8年度のときに一括してということになるのでしょうが、要は、情報を発信するだけではなくて、地元を含めてお互いに共有していますというところを、見える形にしておいたほうがいいだろうということで、質問させていただきました。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 大嶋委員、どうぞ。
○大嶋委員 30ページのところにありますシミュレーションモデル等のということで、現状解析にとどまっておられますが、やはり、気候変動が今後は変動していくということは分かり切っているので、将来の予測とか、そういうところまで踏み込んでいくというのが我々の課題ではないかと思っております。気候変動について、皆さん、非常に不安に思っておられるので、どのようなことが予想されるかというのも答えていくのが我々の大事なことかなと思いますが、いかがでしょうか。
 すみません、後出しで。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 ほかにあればまとめて回答いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、今の大嶋委員に対して事務局から回答をお願いいたします。
○木村閉鎖性海域対策室長 ありがとうございます。
 今、大嶋委員からいただいたことでありますが、確かに気候変動については、ある程度予測もされている部分もありますので、そういったものを含めてどうなるかという、それが生物、生産性とか、そういうところにどのような影響が及ぶのかというところまでの予測を、どのぐらいできるかというのは、私も今の時点では何とも言えませんが、今後の検討の中で、そういう将来的な予測なり、見通しなりというものも含めた形でどうやれるのかというのを検討できればと思っております。評価委員会でも議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○古米委員長 大嶋委員の意見は、遂行状況の公表に関してというよりは、次どうするかというところなので、もし含められるとすると、気候変動に伴う影響のところで令和3年度の時点でモデルを活用した形で影響を評価したほうがいいですよというような取りまとめがなされていれば、記載はできます。しかし、それがなされていなければ、令和3年度の公表の内容としては無理で、令和4年度に入ってくるというように理解いたします。
 御意見を聞いていて感じたことを申し上げると、公表することで双方向でのやり取りを行うのは大変だと思いますが、山西委員の御発言でいうと、環境省のホームページに載りましたので、公表しましたといったことは、ぜひ避けていただきたい。関係県の関係の部署であるとか、農政局などへ、各省庁の関連のホームページからリンクを貼っていただくというようなことも重要かと思います。今回の公表内容に対して、地元の方から直接意見をお聞きするのではなくて、県のレベルであるとか、あるいは、省庁レベルでもよいかと思いますが、まずは県のレベルで、公表内容に対して意見などフィードバックをいただくというようなことは、少なくとも可能かなと感じました。ご検討いただければいいかなと思いました。
 あと、山室委員の御指摘に関しては、今年度議論して追加された内容なので、その構成内容を令和3年度の所掌事務の遂行の状況として出せませんが、令和3年度の時点で各小委員会がどのようなことを所掌しているのかという内容を示すことによって、どのような議論が評価委員会やより具体的に検討している小委員会で行われているのか、という1ページを追加することは可能かなと私は感じました。言い換えると、令和3年度はそういう構成での内容でしたが、令和4年度は項目が加わりましたというように、この委員会の中でどう次々に改善されて、更新されていっているのかということが分かる形で示すことが大事かと思います。要は、ここが変わりましたよということを公表すること自体が、分かりやすいことにつながると思うので、山室委員の御意見は反映できるのではないかと感じたところでございます。
 私の追加の意見を発言させていただきました。
 ほかに委員の方々から。ポイントは、今出ている資料3-2のパワーポイントは30ページです。私も30ページ以上になると、なかなか見ていただけないと思うので、長さ的にはいいですし、それぞれのスライド1枚に入っている内容も、あまり密ではないので、見ていただいて、分かりやすくなっている。ただ、まだ文字ばかりのページも若干ありますが、かなり多くの図表だとか写真が組み込まれて、分かりやすくなった内容だと私も感じております。
 ほかに御意見、御質問ございますか。矢野委員、お願いします。
○矢野委員 資料3-2は、非常にコンパクトにまとめていただいて有り難いなと思いますが、これを見る方は、これだけ見る方と、これを見て、例えば、中間取りまとめをもう一回読んでみようという方もおられるのかなと思います。特に中間取りまとめの概要のところで、例えば、9ページ、10ページとか表になっていろいろ書いてあるところがありますが、中間取りまとめのあの厚いものを、対応関係をよく読めば対応できますが、できれば、中間取りまとめのどこに書いてあるのかという情報もここに入れておいていただけると、全部が全部読み返さなくても、ここだけ読みたいという方というのもおられると思いますので、どこに書いてあるのかというところは示していただけると、親切かなと感じましたので、可能であれば、お願いしたいなと思います。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 どうぞ、山西委員。
○山西委員 委員長と矢野委員の話と関連しますが、9ページ以降の表をまとめられていますが、文章が多過ぎるので、もし可能だったら、ポイントだけで良いですが、赤字を少し入れるだけで、湾奥部の底質のCODが上昇とか、そういうのが少し入ると見やすくなるかなと思いました。本当は図とかを入れてほしいところでありますが、それは恐らく難しいと思いますので、文字だけのところは、できるだけ赤字にするなりしてピックアップできるようにしていただけると有り難いかなと思いました。
 以上です。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 もしなければ、私から追加で御意見を申し上げたいと思います。
 矢野委員が言われたように、この資料自体の中で、令和3年度の取りまとめた報告書のエッセンスを書いています。どの部分は報告書のどこに関わっていますよというリンクを貼っていただき、可能であれば、ボタンを押すと自動的に報告書の当該箇所に行くみたいな魅力的なものがあればいいかと思います。しかし、きっと大変な作業となるので、来年度はそういう努力をする方向で、少なくとも、この節、この章のここに載っていますよというようなリンク付けをしていただくことが良いかなと思います。
 もう一つは、やはり、言葉として専門用語が入っていますので、より多くの方々に御理解いただくためには、専門用語集と言いますか、用語が分からないときには、その用語のところを押すと用語集に飛ぶみたいなのがあるとよいかと思います。最近、デジタル新聞の場合でも、クリックすると用語説明につながる機能があります。記事の中身をより深く理解するようなものが付いていること自体が、私自身は分かりやすい形で表示しているということになると思います。用語集みたいなものを、今年度は無理だとしても、考えていただいて、本文の専門用語と用語集とをリンクをさせましょう。より多くの方に御理解いただくことが大事で、公表することだけではなくて、公表を通じて分かっていただくということが最終目的だと思います。そのような工夫をしていただきたいなというように思います。
 今年度というよりは、来年度、令和4年度の所掌事務の遂行の状況の公表資料を作成する場合には、それを作っていく。その結果、必然的に令和3年度の公表のところもバージョンアップした形でリンクを貼っていただくと、昔の資料を見た時点で、また追加で中身を理解しやすいということになろうかと思います。
 もう一点は、山西委員の御発言に近いですが、やはり、読む方にとっては、30ページとはいえ、その中身を全部見られないので、各ページのエッセンスと言いますか、報告書の各章の最初に箱書きがあって、その章のエッセンスはこうですよというのを三、四行、上手にまとめて書くという方法があります。上手に書ければいいですが、中途半端に書いてしまうと、中身を失った状態で表面的な箱書きになりますが、可能な範囲内で見出しや箱書き的なものを入れられれば検討いただければと思います。これも、今年度はしないとしても、来年度、考えたらいいのではないかなと思います。
 最後の指摘は、結構大きな変更というか検討いただく内容になると思います。先ほど申し上げた遂行の状況の公表における留意事項には、再生方策だけでなく環境等の変化の原因・要因もあります。今回の公表資料では、再生方策のページが15ページ~29ページで多くが割かれていて、環境のところが14ページのみ、明らかになった事項のところに幾つか環境のことも書いてありますが、多くのことはあまり載っていません。やはり、この留意事項に沿うと、もう少し環境がどういう問題点を持っていて、この何年度の間でどう変化しているのかを、中間取りまとめを踏まえて、もう少し説明を増した形で出てきてしかるべきかなと思います。
 以上です。
 何かあれば。
○木村閉鎖性海域対策室長 令和3年度の所掌事務の遂行の状況につきましては、先ほどいただいたようなページ数の話であるとか、それから、9ページ辺り、少し赤文字を入れて見やすくするとか、そういう工夫をして出させていただければと思います。
 それから、今後の話ということで、今、委員長からいただいたコメントにつきましては、令和4年度なり令和5年度以降の所掌事務の遂行の状況を公表するに当たって考慮していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○古米委員長 どうもありがとうございました。
 ほかに資料3-1、資料3-2の分かりやすい形での公表について、御質問、御意見があればお受けしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 特に挙手、御発言ないようです。ところで、この資料3-1は公表されないのでしょうか。
○木村閉鎖性海域対策室長 本日の会議資料としては公表されます。
○古米委員長 いわゆる分かりやすい形の資料としては資料3-2が出てくるということで、これは評価委員会のページの中で、どういう形で公表されるのでしょうか。分かりやすい形で公表することが法律に記載されているので、公表のための別ページになるのでしょうか。そうではなく、評価委員会のページに資料3-2が載っているものの、公表に関するトップページは別にあり、そのページでクリックすると、資料3-2が見られるようになるのでしょうか。
○川田閉鎖性海域対策室室長補佐 バランスの問題だと考えています。できるだけ見やすい、見る人が迷うことのないような形に、取りまとめたいと思っています。現在の会議一覧のところに一緒に載せるのか、それともそこに一文書いておいて、そこをクリックすると、新たなページにいくのか。今後分かりやすい資料が、毎年一行ずつ増えていくことになると思いますので、そのページを作っていくのかですが、最初は1、2行だけのスタートとなりますので、それだとかえって見る人が戸惑うという場合は、ほかの資料と並べて掲載したいと思いますし、そこは全体のバランスを見て決めたいと思っております。
○古米委員長 資料自体と、その資料をどう示すかというのも結構重要なので、ぜひ、この趣旨に沿った形で公表の方法なり、表示の仕方を御検討いただければと思います。
 内容については幾つか御指摘いただきましたので、それは事務局で対応して、できるだけ早く公表できる形で進めさせていただきたいと思います。
 修正については、私に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 それでは、修正を施した後、できるだけ速やかに公表の手続を進めていただければと思います。
 それでは、議題の3、その他ということです。最後の議題、その他ですが、事務局から何かありますでしょうか。
○川田閉鎖性海域対策室室長補佐 その他の議題につきまして、事務局からは特にございません。
○古米委員長 それでは、本日の委員会、いろいろと審議内容とか検討課題を今後どうするかという議論もありましたし、分かりやすい形で公表するという議論をさせていただきました。委員会全体を通じて各委員から何か御発言があればお受けする時間がありますので、お願いしたいと思います。挙手をお願いできればと思います。いかがでしょうか。
 山室委員。
○山室委員 ありがとうございます。
 アンケートで何人かの方が委員会の資料が非常に膨大だが、読み込む暇がないというお話があったと思いますが、今回は大体委員会の何日ぐらい前までに資料を送っていただける御予定でしょうか。
○古米委員長 ほかにありますでしょうか。
 林委員、お願いします。
○林委員 参考資料の中に中間取りまとめ概要というのがありまして、先ほどの資料3-2というのが、Ⅲは中間取りまとめの概要です。それで、こちらの資料3-2の中間取りまとめの概要って、すごく分かりやすいです。参考資料4の中間取りまとめ概要が載っているところから、この概要だけではなく、先ほどの資料3-2の第3章というか、中間取りまとめの概要についても見られるほうが、私としてはこっちのほうがすごく分かりやすいなと単純に感じたところです。
○古米委員長 どうもありがとうございます。
 ほかに全体を通じた御意見があれば、よろしいですか。
 それでは、今、二つありましたので、事務局より御回答をお願いいたします。
○木村閉鎖性海域対策室長 まず、山室委員から御指摘がありました委員会の資料は何日ぐらい前に送付いただけるのかということですが、大体1週間前ぐらいをと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、今、林委員から御意見いただきました、中間取りまとめの概要は従来から載せているものよりも今回のほうが分かりやすいので、これが見られるようにというお話もありましたので、どういう工夫ができるか分かりませんが、ウェブ上で何か工夫ができるかどうか検討したいと思います。
○林委員 タイトルが所掌事務の遂行の状況だと、恐らく、中間取りまとめがまとめられているとは思わないと思うので、だからといって、これのタイトルは変えられないと思うので、その辺り、考えていただきたいです。
○古米委員長 タイトルは変えられなくても副題は書いてもいいのでしょうか。相互に連携させて、リンクを貼って情報を詳しく見るというように、同じ資料もいかに多くの方々に見ていただけるのか、興味を持っていただけるのか、より深く知っていただけるかという工夫はしていただくというところに関わっているかと思います。どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 私、一つ、先ほど、山室委員の発言の中で、小委員会のメンバーは決まっていて、評価委員も一部入っているが、オブザーバー参加も可能な形という赤字があったように思います。小委員会が2月に開催されますが、そのときには、どの範囲まで声がけをしてオブザーバーを受け入れるのかということも考えておられるというように理解しました。そういった理解でよろしいでしょうか。どこまで範囲を広げるのかというところは質問になっていますが。
○木村閉鎖性海域対策室長 取りあえず、2月13日は両小委員会合同でやるということになりますので、関係する全委員が参加することになっています。また、資料に記載しているオブザーバー参加は、2つの小委員会の間のことです。
○古米委員長 小委員会のメンバーだから、合同でやると、両方出ているから、実質上、オブザーバーというか、参加しているということでしょうか。
○木村閉鎖性海域対策室長 そうですが、もし単独で開催という場合に相互にオブザーバー参加できるようにということをイメージしておりました。
○古米委員長 要は小委員会には、評価委員会の方々は全員入っているのでしょうか。
○木村閉鎖性海域対策室長 そうではありません。
○古米委員長 ということは、評価委員会の委員の方も御興味があれば、小委員会にオブザーバー参加できるということですね。小委員会の委員と書いてありますが、そこは評価委員会委員も含めた形で読み替えていただくと、小委員会のメンバーではないが、評価委員会の委員の方はオブザーバー参加できるというように考えてよろしいですか。
○木村閉鎖性海域対策室長 分かりました。そのような形で御案内させていただきます。
○古米委員長 参加を強要しないようにお声がけをする。
○木村閉鎖性海域対策室長 御案内するようにしたいと思います。
○古米委員長 分かりました。
 私からは以上です。
 ほかに何かお気付きの点等があれば御発言いただきたいと思います。
 どうぞ。
○山西委員 来月、小委員会が開催予定です。私は今回初めて小委員会に入りますが、それは対面というか、こちらに来て作業する方がしやすいですか。開催はウェブ、ハイブリッドのどちらでしょうか。
○木村閉鎖性海域対策室長 ハイブリッドで考えております。
○山西委員 その場合はどちらがよいのでしょうか。今回は私、こちらへ来ていますので、ある意味話をするのがやりやすい状態でした。ウェブでも、もちろん効率的に今は世の中なっていますので、全然それは否定するつもりはありませんが。
 小委員会とかの場合は、具体的な作業をどうするだとかの話をするときに、こちらに来たほうがよりベターかなとは思います。先ほどのオブザーバー参加などは、むしろ旅費は出せないですが、ウェブではいいですよ、というときにはそちらのほうがいいかなと思いましたが、小委員会はどのような感じでしょうか。今までの雰囲気が分からないので。
○速水閉鎖性海域対策室室長補佐 これまで基本的にはコロナの関係があったので、オンラインで参加いただいていておりましたが、今年はこういう状況ですので、ハイブリッドという形で考えております。委員の方々の旅費等については、もちろん御用意させていただいていますので、もし可能であれば来ていただいた形で、難しいという場合はオンラインで、という形で考えております。
○山西委員 物理的に厳しいようであれば、もちろんウェブで参加しますが、できれば会場で参加したいと思っています。
○古米委員長 対面参加ができる方には旅費が確保されていて、会場に来られるということです。旅費のことを気にしてオンラインばかり選ぶ必要はなくて、御都合がつけば来ていただくし、お忙しいようであれば、オンライン参加いただくと。基本的にオブザーバーの方は旅費のサポートがない。近くであれば、会場に来られるかも分からないですが、オンラインで参加されることも可能と思います。
○速水閉鎖性海域対策室室長補佐 オブザーバーについては、申し訳ありませんが、旅費等は御用意させていただいていないので、オンラインでの参加が有り難いと考えております。
○山西委員 分かりました。ありがとうございました。
○古米委員長 ほかに何かございますか。よろしいですか。
 それでは、本日予定されておりました議事について全て終了いたしました。
 議事進行への御協力、どうもありがとうございます。お礼申し上げます。
 それでは、進行を事務局にお返ししたいと思います。
○速水閉鎖性海域対策室室長補佐 古米委員長、ありがとうございました。
 本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼を行わせていただきますので、よろしくお願いいたします。内容確認後は、環境省のホームページで公開させていただきます。
 また、議事中にも申し上げましたが、小委員会は2月13日に開催させていただくということで、本日の御意見も踏まえて小委員会での議題に関する資料の準備を進めていきたいと思っております。
 小委員会に所属されている委員の皆様、また、今回、評価委員会の皆様で御関心がある皆様におかれましては、また、御参集のほど、よろしくお願いいたします。
 また、次回の評価委員会の開催については3月下旬を予定しておりまして、今回の評価委員会後に速やかに御案内させていただきます。
 それでは、以上をもちまして、第50回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。

午前11時55分閉会