第46回有明海・八代海等総合調査評価委員会 議事録

開催日時

令和3年3月30日(火)

場所

WEB会議システムにより開催

出席者

委員長: 古米弘明委員長
委員 :

岩渕光伸委員、大嶋雄治委員、上久保祐志委員、古賀秀昭委員、清野聡子委員、樽谷賢治委員、内藤佳奈子委員、中田薰委員、中村由行委員、速水祐一委員、松野健委員、皆川朋子委員、矢野真一郎委員、山口敦子委員、山口啓子委員、山西博幸委員、山室真澄委員、山本智子委員

(関係省庁)

水産庁増殖推進部漁場資源課 中村漁業監督指導官
        研究指導課 楠課長補佐
        栽培養殖課 石川課長補佐、鏑木係長
農林水産省農村振興局整備部農地資源課 松宮課長補佐
国土交通省水管理・国土保全局河川環境課 天野企画専門官
              下水道部流域管理官付 松澤課長補佐
     港湾局海洋・環境課 小野課長補佐

(事務局)

環境省水・大気環境局長、大臣官房審議官、水・大気環境局水環境課長、
水環境課閉鎖性海域対策室長、水環境課閉鎖性海域対策室長補佐、水環境課閉鎖性海域対策室主査

議事録

午前10時00分開会

○冨永閉鎖性海域対策室主査 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第46回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき誠にありがとうございます。

 本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ウェブ会議での開催とさせていただいております。委員の皆様には御不便をおかけしますが、会議中、音声が聞き取りにくいなど、不具合がございましたら、事務局までお電話、またはウェブ会議システムのチャット機能にてお知らせください。議事中、マイク機能は委員長及び発言者以外はミュートに設定させていただきます。なお、御発言の際は、お名前横にある挙手アイコンをクリックしてください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、御発言の意志はこのマークで確認します。委員長からの御指名後、マイクのミュートを解除していただき、御発言いただきますようお願いいたします。御発言後は挙手アイコンを忘れずにクリックし、黒になるよう操作をお願いします。挙手アイコンは事務局でオンオフを操作できないため、御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 また、本委員会は、公開の会議となっておりますことを申し上げます。

 それでは、まず議事に先立ちまして、環境省水・大気環境局長の山本より御挨拶を申し上げます。

○山本水・大気環境局長 皆さん、おはようございます。

 委員の皆様方には、本日はお忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。

 前回の評価委員会ですが、昨年の10月に開催をさせていただきました。新型コロナウイルス感染症の影響で、予定より大分遅れての開催となりましたが、前回は令和元年度以降の小委員会における取組の御報告と、それから、令和元年度以降の関係機関における再生方策等の取組状況の御説明をいたしました。それから、令和3年度が中間取りまとめとなりますので、それに向けた作業方針について御審議をいただいたところであります。

 本日の評価委員会におきましては、前回の評価委員会以降に、第6回、第7回の小委員会を開催いただいておりますので、その取組の御報告とともに、来年度、令和3年度の関係機関等における再生方策等の取組について御説明をし、御審議をいただく予定です。

 あわせまして、現在、有明海・八代海の評価委員会の根拠となっております特別措置法の改正が、法律で御審議をされております。改正案の中には、この評価委員会での検討内容を地元に分かりやすく伝えていくと、これも重要であるということで、こういった内容も含まれてございます。本日の評価委員会におきましては、この取組、検討内容、評価委員会での検討内容をまとめた公表用の資料というものについてのたたき台も用意してございますので、これについても御審議いただきたいと考えております。

 環境省におきましては、評価委員会の事務局として、本日頂きました御意見を踏まえて、この評価委員会における取組を分かりやすく公表できるように整理する、これも進めてまいる所存であります。

 本日は、委員の皆様方には忌憚のない御意見をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 ありがとうございました。

 本日の委員の出席状況ですが、欠席の連絡を西村委員、小林臨時委員より頂いております。本日は、委員21名中19名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。

 続きまして、本日は、再生方策等の取組状況を議題としており、関係省庁より御出席いただいておりますので、御紹介いたします。

 まずは、水産庁から研究指導課の楠課長補佐でございます。

 漁場資源課の中村漁業監督指導官でございます。

 栽培養殖課の石川補佐、鏑木係長でございます。

 続きまして、農林水産省農村振興局農地資源課の松宮課長補佐でございます。

 続きまして、国土交通省から水管理・国土保全局河川環境課の天野企画専門官でございます。

 港湾局海洋・環境課、小野課長補佐でございます。

 環境省側の出席者も紹介させていただきます。

 先ほどご紹介させていただきました水・大気環境局長の山本でございます。

 水環境課長の筒井でございます。

 閉鎖性海域対策室長の行木でございます。同室長補佐の濵名でございます。

 私が閉鎖性海域対策室の冨永でございます。

 以上です。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。事前に御案内のとおり、議事次第のほか、資料1が有明海・八代海等総合調査評価委員会委員名簿、資料2-1が第6回、第7回の小委員会における取組について、資料2-2が中間取りまとめ目次案、資料2-3が中間取りまとめ第1章及び第2章の構成について、資料3-1が有明海・八代海等総合調査評価委員会報告を踏まえた再生方策の実施状況、資料3-2が環境省における再生方策等の取組状況、資料3-3が農林水産省における再生方策等の取組状況、資料3-4が国土交通省における再生方策等の取組状況、資料4が評価委員会進捗状況の概要説明資料(案)、参考資料1が有明海・八代海等総合調査評価委員会報告(平成29年3月)について、参考資料2が有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律のあらまし、参考資料3が有明海・八代海等総合調査評価委員会関係法令等となっております。

 なお、資料につきましては、本日は事務局が画面上に掲載して進行させていただきますが、事務局からお送りしている紙ベースの資料も御参照願います。

 それでは、議題に入ります。

 これ以降の進行は、古米委員長、よろしくお願いいたします。

○古米委員長 はい、仰せつかりました。

 早速でございますが、議事を始めさせていただきます。

 (議題1)第6回、第7回の小委員会における取組についてということで、事務局から御説明をお願いしたいと思います。

○行木閉鎖性海域対策室長 それでは、閉鎖性海域対策室、行木より、資料2シリーズにつきまして御説明をさせていただきます。

 資料の2の2-1、2-2、2-3とございますが、第6回、第7回の小委員会における取組についてです。なお、小委員会で実際使った資料につきましては、資料、議事次第の後、その配付資料一覧の後に第6回、第7回のそれぞれの委員会の資料を、URLもつけて入れておりますので、ご参考にされたい場合はこちらの資料も御覧いただければと思います。

 第6回、第7回の小委員会でございますが、そもそもこれらの小委員会は、第42回のこの評価委員会、平成30年3月に開催された会におきまして、今後の審議の進め方と小委員会の設置を決定しておりまして、これに基づきまして、水産資源再生方策検討作業小委員会と、それから海域環境再生方策検討作業小委員会の二つを設置してございます。前回の10月に、昨年の10月に開催いたしました第45回のこの委員会の開催後では、水産小委員会と海域小委員会を合同で2回開催をしております。これらの2回の小委員会の検討状況について御報告をさせていただきます。

 今映っている資料のこれまでの検討状況の辺りでございますが、小委員会の作業方針につきましては、第1回のこれらの小委員会の合同開催のときに定められておりますが、関係省庁及び関係県から適宜報告を受けつつ、水産小委と海域小委において知見の収集・整理を行うこととされているところでございます。第6回の水産・海域小委員会(合同開催)の際には、有明海・八代海の特措法の第18条第1項に基づきまして主務省庁、それから関係県などが平成28年度以降に実施した調査結果を対象にヒアリングを行っております。

 第6回と第7回の小委員会では、事務局から今後の審議の進め方に示されました中間的な取りまとめに向けた作業の進捗状況について報告をしております。前回、この評価委員会での報告書は平成29年3月におまとめいただいております。評価委員会報告は10年に一度まとめておりますが、それでは大分時間がたってしまうということで、前回の報告から概ね5年の令和3年度を目途に、再生方策や調査・研究開発の実施状況やその成果などについて中間的な取りまとめを出そうということとなっているものでございます。

 では、続きまして、第6回の水産・海域小委員会の中で、ヒアリングで議論があったところについて御紹介いたします。この第6回の小委員会の中では、主務省庁と関係県等が実施した調査結果のヒアリングの一環といたしまして、山口敦子委員から魚類などに関する報告を頂きました。それから、農林水産省の農村振興局から有用二枚貝類に関する報告を頂いたところであります。

 後でまとめてお話をいたしますが、この第6回のときには、中間取りまとめに関連した検討といたしましては、盛り込むべき内容と第1章と第2章などについて審議をしているところでございます。

 では、まず山口敦子委員からの報告でございますが、タイトルとしましては、「有明海・八代海の魚類~これまで実施してきた調査研究をもとに~」ということで、ここまで有明海・八代海で行ってきた魚類の分布、生態、種組成、資源、再生産機構など、20年間に及ぶ調査研究の成果から、有明海では、有明海中央部の産卵場から奥部まで輸送される魚類の資源減少程度が多いことですとか、奥部の干潟や河口・浅海域が多く、魚類の成育場として重要であることなどの御説明がありました。一方、八代海につきましては、有明海とは異なりまして、八代海独自の調査研究が必要であるということで話がありました。

 今後は、有明海・八代海の両海域の環境や海洋構造の違いなど含めて魚類生態系構造と機能の解明、生態系構造がそれぞれ異なる要因の解明を図るということで、両海域固有の再生方策の検討に資するということで、現在も研究を続けているということでお話がありました。

 続きまして、農林水産省(農村振興局)からの報告としては、「二枚貝類等生息環境調査」ということで、「ナルトビエイによる水産有用二枚貝類への影響」ということで報告がありました。平成18年度以降、水産有用二枚貝類などを捕食するナルトビエイの来遊量ですとか、摂餌状況などの調査を実施した結果の話で、ナルトビエイ来遊量は、平成20~22年度は40~50万個体となっていますが、平成23年度以降は減少し、24年度以降は概ね10~20万個体で推移しているものと推定されたということがありました。それから、ナルトビエイの胃の内容物調査では、アサリ、サルボウなどが確認できまして、水産有用二枚貝の摂餌量としては、平成20~22年度は2,000~2,500トンですが、平成24年度は200トン以下に減少し、25年度以降は1,000トン程度横ばいの状況にあると推定されるという報告がございました。

 第6回では、先ほども少し触れましたが、中間取りまとめに向けた検討がなされたところですが、これはこの後、また別の資料でまとめて御説明させていただきます。

 先に行きまして、第7回の水産・海域小委員会でございます。こちらは本年2月に開催されております。この小委員会の中では、中間取りまとめに向けた作業ということで中間取りまとめの第1章、それから第2章について、まず構成案について議論をいただきました。

 中間取りまとめの第2章の中では、「再生方策・調査・研究等の実施状況」について、ここまでの報告のあった事項をまとめて概要を提示するということをしておりまして、その辺りの議論もあったところでございます。この関連につきましては、資料2-2で、第6回、第7回を通じた議論について御紹介をさせていただきたいと思います。

 資料2-2を御覧ください。ここで掲示をしております資料2-2、2-3は、第7回の小委員会時点の議論のものでございます。ですので、小委員会の中でまだ御議論いただいている最中のものでございまして、確定ということではございません。どのような議論があったか、またおいおいご紹介をさせていただきますが、ここまでの議論では、関係省庁、関係機関などがここまで報告をした事項についての概要を基にした整理、というところが中心になっておりまして、この先、そのほか、学術研究的な取組なども取り入れていこうということで議論がなされているものでございます。

 資料の2-2を御覧いただければと思います。中間取りまとめの目次案でございます。中間取りまとめとしましては、大きく4章構成を考えております。

 まず、第1章では「はじめに」ということで、この評価委員会の経緯、それから評価委員会の報告について御紹介するということと、前回、平成29年3月に公表されました平成28年度の委員会報告における基本的な考え方と再生目標を示すということ。それから、その後の動きとして、先ほど御紹介した二つの小委員会ができておりますので、その小委員会の話を書き、そして、最後に中間報告の位置づけについてもここで盛り込むということを予定しております。

 二つ目の章におきましては、「再生方策・調査・研究開発の実施状況の整理」ということでして、ここでは大きく三つに節を分けまして、最初の節では、主要4項目とされていますベントス、有用二枚貝、ノリ養殖、魚類等に関連しまして、現況の把握を整理するということを予定しています。ということで、ベントスに関してはベントスの変化とか、有用二枚貝の減少、それからノリ養殖の今実際抱えている課題、それから魚類などの変化につきまして、既存、ここまでも報告の中でまとめられておりますが、データを更新して最新の状況について整理をするということを予定しております。

 2.2の節では、この主要4項目につきまして、再生方策の実施状況と成果などについて整理をするということで、関係機関などからの報告事項なども活用いたしまして、再生方策の実施状況と成果として、中間的に見られる事項にして整理をすることを予定しております。

 それから、3番目の節では、海域環境に関連する事項の調査・研究開発の成果などを整理するということで、ここまで蓄積されたデータですとか、そこから海域環境について分かることを整理して盛り込むということを予定しております。

 続きまして、第3章では、「再生方策の実施状況・成果等のまとめ」ということで、2章の中の2.2の節、2.3の節、これらをまとめて整理をするということを予定しております。

 それから、最後、4章では、「今後の課題」ということで、第1~3章までのまとめたことを通じて、課題として出てきたものを整理するということを予定しております。

 また、「今後の課題」の参考といたしまして、ここまでの間、関係省庁ですとか機関の取組を様々御報告頂いておりますので、それをコンパクトに整理をしたものをケーススタディとして事例として掲載をするということも考えているところでございます。

 続きまして、資料2-3を御覧いただければと思います。こちらも第7回の小委員会で議論いただいた資料でございます。こちらは、中間取りまとめの第1章、第2章の構成でございますが、第1章、先ほど目次のところで構成を説明したところでございますが、まず1.1としてその評価委員会の経緯として、法律と法律に基づく委員会の位置づけなどが書かれております。

 それから、1.2では評価委員会報告としまして、ここまでにどの時点で出されていて、28年のときに4項目が設置されて、目指すべき再生目標を設定してといったこと等をコンパクトに紹介をしております。

 それから、1.3のところでは、この平成28年度委員会報告の大事なポイントとなります基本的な考え方と、そこで整理された再生目標を記しております。

 28年度報告では、再生目標の中で、その四つの項目を取り上げることとしておりまして、例えば有用二枚貝の減少などといったことを、これらの変化に着目をしまして問題点の確認、その原因の考察や物理環境など、海域環境の現状と変化の整理をすると。さらに問題点と、それに関連する可能性が指摘されている原因・要因を有明海・八代海のそれぞれにおいて、いずれも整理をするということがされております。

 連関図がその資料の次に行きまして、4ページ目と5ページ目に記載されているところでございます。小委員会のここまでの議論の中では、28年度の報告書に書かれている連関図がこれでございますが、新たに知見が得られた場合は、この連関図の見直しも視野に入れてはという御議論もあったところでございます。

 それから、6ページのところは、28年度報告の中では、有明海・八代海、様々な環境特性があるので、その環境特性によって区分をして個別海域ごとに問題点とその原因・要因の考察を行うことが海域の再生に関わる適切な評価や再生方策を見いだすことにつながるということで、この図の3に示されるように、有明海7区分、八代海5区分に分けるということで整理がされたところでございます。その簡単な図がつけられております。

 それから、7ページのところは、28年度報告の中での有明海・八代海の再生に向けた報告が整理をされているところでございます。

 8ページに進みまして、1.4として、小委員会の設置について盛り込んでおります。

 それから、1.5では、中間報告の位置づけということで、目標の中間段階であります令和3年度時点で、関係機関などの再生方策の実施状況や成果、それから調査・研究結果などの情報収集・整理を行いまして、平成28年度委員会報告に掲げられた目標や再生方策と照らし合わせて、進捗状況等について整理を行うものであるということです。それから、令和8年度に次の10年がたつわけでございますが、そこの目標達成に向けて必要な再生方策や知見として示すために蓄積すべきデータですとか、調査・研究などについて取りまとめるということで位置づけについて、書かれております。

 それから、1.6は、中間報告作成の経緯についてということで、28年度報告以降、評価委員会、それから小委員会の開催事項をまとめていくということで、この段階では、第6回のところまでを記述しておりますが、当然、今後、委員会、小委員会の状況に応じて追加をしていくということとなります。

 ここまでが1章でございまして、続きまして、10ページからが2章になります。2章といたしましては、再生方策、それから調査・研究開発の実施状況を整理していくということでございまして、2.1に関しては、その主要4項目における現況の把握ということで、28年度報告以降に得られたデータを追加し、それらの現状を整理していくということを考えております。ここでは、ベントスの変化に関しましては図4等で示しているところでございますが、今のところ、文章は入っておりませんが、この後、図から読み取れることを数行で記載するということを考えております。

 14ページに飛びまして、有用二枚貝の減少に関するところでございます。ここに関しましては、図7にアサリの漁獲量、図8にサルボウ漁獲量の推移などをまとめて記載しておりますが、これも今後、図から読み取れることを数行で記載することを予定しております。

 それから、16ページ目を御覧いただければと思いますが、28年度報告の連関図の中では、有用二枚貝の推移に影響を及ぼす要因に貧酸素水塊の発生状況が挙げられておりました。貧酸素水塊の発生状況といたしまして、有明海湾奥で実施されている水質の連続観測結果を図10、図11辺りに示しております。ここに関しても図から読み取れることを数行で記載していく予定としております。なお、今、その底層溶存酸素量が2mg/L未満、それから3mg/L未満の日数と分けて整理をしておりますが、この二つに着目している必要性、理由などについても簡単に追記を予定しております。その辺りの説明がないという御議論を小委員会で頂いたところでございました。

 それから、19ページでございますが、ここからノリ養殖の問題になります。ここにつきましては、ノリ養殖にも関連いたします水質指標T-N、T-Pですとか、水温の状況について図14、15辺りに整理をしているところでございます。ここも図から読み取れることを2~3行で記載の予定でございます。

 この関連では、T-N、T-Pだけではなくて、DINについても記載すべきではないかということで御意見がありました。同じような試料整理がどこまでできるかということに今、事務局で確認をしているところでございます。

 少し飛びまして、26ページに行きまして、魚類等の変化でございます。魚類等の変化に関しましては、漁獲生産量の推移などは図12、図13に示しているところでございまして、そのほか赤潮の発生件数の推移を図16、それから赤潮被害発生件数の推移を図17に示しております。今後、図から読み取れることを2~3行で記載をしようということで考えております。

 それから、29ページに行きまして、2.2、主要4項目の再生方策の実施状況・成果などでございます。ここに関しましては、その4項目の再生方策に関しまして、様々な機関が取り組んだことをここまで小委員会などで発表してきております。その辺りを整理したものが表3、表4辺りで記載がされているところでございます。

 30ページ、31ページの辺りでございますが、今のところはまだこういう項目があったということをマトリックスで示しているだけでございますが、今後、その再生方策の実施状況や成果などにつきまして、各小委員会の資料などを基にまとめた記述を主要4項目、ベントス、有用二枚貝、ノリと魚類、それぞれについて簡単に記述を加えていく予定としております。

 それから、2.3のところは、海域環境に関する事項の調査・研究開発の成果などの整理ということで、今のところは、その表4のところで実施状況について整理をしているだけでございますが、ここもこの後、再生方策に向けた取組の実施状況や成果などについてまとめの記述を入れていくということを予定しているところでございます。

 ということで、資料の2シリーズの事務局からの説明といたしましては以上でございます。

○古米委員長 どうも御説明、ありがとうございました。今、事務局から説明がありましたが、第6回、第7回の小委員会で議論され、今後も検討が継続される内容でございます。最終的には、成果・知見というのを中間取りまとめのほうに反映していくということですので、まだ検討段階ということですが、何か御質問、御意見があればお受けいたしたいと思います。いかがでしょうか。

 特にございませんでしょうか。今後、来年度は中間取りまとめの議論を深めていくということになりますので、何かお気づきの点があれば御発言いただくよい機会かと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、中田委員、お願いいたします。

○中田委員 ありがとうございます。御説明、ありがとうございました。再生の目標というのは今回はっきり明らかにされているわけですが、現実にこれまでいろいろな対策をやってきて、その結果を見ると、必ずしも成果がなかなか出ない、うまく進まない部分がかなりあると思っています。それで、例えば温暖化とか気候変動とか、新たに考慮すべき要因があり得ると思いますが、そういう、より厳しい状況をもたらす要因が付け加わったとしても目標は変わらないということでよいでしょうか。そこの部分を初めに確認しておきたいと思います。

 以上です。

○古米委員長 はい。それでは、事務局、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 御指摘、ありがとうございました。まず、ここの中間段階の報告でございますので、まずは平成28年度報告で掲げられた目標などをベースに、どんな進捗状況になっているのかという辺りを整理していくというものではございます。ただ、その中で目標達成に向けて必要な方策ですとか、知見として蓄積すべきデータですとか調査・研究などについても整理をしていくということを考えておりまして、今、先生から御指摘がありましたような、ここまでは盛り込まれていなかったが、気候変動でこういうことが分かってきたので、この先は目標などを検討していく中で、こういうことの知見が重要になるとか、こういうことのデータが重要になるということであれば、その辺りも中間的に整理をして盛り込むということも当然視野に入ってくると事務局としては考えております。

○中田委員 ありがとうございます。

 ほかの委員の方々で御質問、御意見はありませんでしょうか。

 それでは、山西委員、お願いいたします。

○山西委員 資料2-2です。目次の2.2ですかね、「主要4項目の再生方策の実施状況・成果」とありますが、大きな項目の3章になったとき、また、「再生方策等の実施状況・成果等のまとめ」ですが、何かかぶっているようにも見えるのですが、この辺り、どういう違いがあるのか。

○古米委員長 一応、3のところは2.2と2.3のまとめということですが、まとめをどういう位置づけにするのかは今の段階では明確ではありません。概要を整理するということと、その実施されている方策について、ある程度、有効性であるとか、課題であるとか、今後こういう検討をすべきだろうというものも含めた形でまとめる可能性があろうかと思います。特に、項目ごとに整理しておりますので、例えば2.2と2.3というのは主要な生物4項目に対して、海域環境という項目もありますので、それをうまく組み合わせた形で、その関連性を整理するということを含めたものです。今の段階では「3.再生方策等の実施状況・成果等のまとめ」と書いてあるだけで詳しい内容ではありませんが、そういった内容を反映したいと思いますし、ぜひ山西委員から重要な点があれば御指摘いただく機会かと思いますが、いかがでしょうか。

○山西委員 特に、そういう点での質問ではないのですが、どのようなまとめになるのかなというのがあったので質問させていただきました。現時点でまだこの目次自身は確定していると決まっているわけではない、まだ流動性があるということですね。

○古米委員長 はい、少なくとも第7回小委員会のときにすでに委員から御意見を頂いておりますので、大枠はこの方向ですが、細かい点というのは変わっていくという内容でございます。

○山西委員 はい、分かりました。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 ほかに、ほかの委員から御質問、御意見ございますか。

 それでは、大嶋委員、お願いいたします。

○大嶋委員 すみません、2点あります。

 一つは、これはもう恐らく、検討されたと思いますが、地球温暖化、水温上昇というものは一応検討されたということでしょうか。

 それと、もう一点は別ですが、連関図があって、それをもう少し、シミュレーションとまではいかないのですが、もう少しつなげて、今後の予測につなげられるように発展するということは御検討されないのでしょうか。

 以上、2点です。

○古米委員長 はい。

○行木閉鎖性海域対策室長 御指摘、ありがとうございました。

 まず一つ目、気候変動とそれに関連した水温上昇などの点でございます。現段階では気候変動、水温上昇に特化をした事業などに関してというのは今出てきていないものの、今動いております様々なものも気候変動、水温上昇などの影響は受けてきているということがございますし、それから、例えば昨年度、大雨の影響ということがございまして、この小委員会の中でも速報ですとか、それに関連する大量の土砂ですとか流木などの流入につきましても報告があったところでございますが、こういった、これまでとは違う多量の降雨が短期間におこるというようなことも、これも気候変動の影響でございますので、そういった形で間接的にと申しますが、いろいろな形で気候変動に影響も含むような結果というところがここまで報告されているというものの中でも入ってきていると認識しているところでございます。この後、もし気候変動に特化した知見などで盛り込むべきような知見や情報がありましたらそこも含めて盛り込んでいくということも考えられるかと思っております。

 それから、連関図は資料4、資料5辺りに触れましたときに、小委員会の中でも連関図の見直しも視野に入れてほしいという御意見があったところでございます。今後の予想シミュレーションにつなげられるような、大規模な修正が加えられるかというと、そこは今の段階では事務局としてはお約束できる段階ではありませんが、令和3年度、中間取りまとめの段階で、今お話がありましたとおり、少なくともそういった見直しも視野に入れていくということや、中間取りまとめとして課題に入れていくといったようなことは当然あると思っておりまして、今後、御議論いただく中で必要な課題として上がってまいりましたら、その辺りも踏まえてまとめてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○古米委員長 大嶋委員、いかがでしょうか。

○大嶋委員 はい。よろしいですか。やはり、こういう連関図をさらに、どの程度できるか、例えばお金か何かに換算してアウトプットとして出していって、先々予測というか、そういうものにまでつなげると非常に、一番それが大事ではないかなと思います。ですから、ごく一部でもいいので、できるところから始めていくという作業がぜひ必要かなと私は思います。よろしく御検討ください。

 以上です。

○古米委員長 せっかくですので、確認させてください。大嶋委員の御指摘というのは、連関図というのは関係だけしか示していませんが、その関係性の重要度みたいなものを太さでわかるようにするというお話なのか、あるいは実際の存在量であるとか、物質の収支みたいなイメージがこの連関図に付随した形で表現されるなど、さらにはモデル計算がもしできるのであれば、ここがどういう状況になっているというような内容をもう少し定量的に示すような図も目指してはどうかという御意見でしょうか。

○大嶋委員 そうですね。物質の流れとお金の流れとか、いろいろ複層になると思いますが、それを複層にして、さらにつなげるとか、そういうことも今だったら可能だと思います。ですから、可能なところからぜひモデルを作っていかないと、連関があるだけで何か全然先に進まないような気がします。

○古米委員長 分かりました。お金というのは例えば漁獲量であり。

○大嶋委員 そうですね。

○古米委員長 どういったものがその水産資源によって便益を得て生まれているとか、そういうものも合わせることによって、どういった再生方策の意味があるのかということが議論しやすいということですね。

○大嶋委員 そうですね、はい。物質のレベルと、それとお金のレベルとは違うと思いますが、それをつなげることは可能なはずなので、そういうような複層的な感じでやっていけば、ある程度、少しでもそれを進めることは大事ではないかなと思います。

 以上です。

○古米委員長 どうもありがとうございました。なかなかチャレンジングな内容かも分かりませんが、方向性としては私も重要だと感じております。

 それでは、続いて、清野委員、お願いいたします。

○清野委員 清野でございます。どうぞよろしくお願いします。

 この図で、やはり一般の方には分かりにくいというのがございまして、その部分をもっと一般の方にも見えるような形に、例題のように皆さんがその干潟とか海で見ている現象はこれに相当しますよというような示し方をお願いいたします。恐縮ですが、何かそういう国民とのコミュニケーションとなるレベルに達している図を御検討いただけたらと思います。特に沿岸の住民の方は、今の時期とか春に潮干狩りに行ったり、あるいはもう年中、水産物を通じて海に接していますので。今日そこにお示ししていただいた内容と住民の日常生活に関わっている現象が対応するようなインタープリテーションがあると有難いと思っております。よろしくお願いいたします。

○古米委員長 どうも御指摘、ありがとうございます。

 それでは、速水委員。マイクの調子がお悪いようですので、チャットで記入していただいております。

 平成28年度の報告書の場合、四つの問題点以外も要因・原因にもかなり記述がありましたが、今回の報告では、河川流量、負荷量、流れ、底質などが入っていないようです。本委員会の報告書はデータベース的な役割を持っているので、こういった項目についても記述の追加があったほうがよいのではないでしょうか。それとも、今回は中間取りまとめ、最終ではないということで、そういう取扱いなのでしょうか、ということの質問でございます。いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 御指摘ありがとうございます。中間的な段階でございますので、完璧に全てを整理ということまではいかないかもしれませんが、御指摘の点も踏まえて、この時点で更新して盛り込めるものがございましたら、そこは加えていけるように整理をしてまいりたいと思います。御指摘、ありがとうございました。

○古米委員長 はい。

 大嶋委員 ほかに何か御質問、御意見ございますか。よろしいですか。

 それでは、いろいろと御意見を頂きましたので、ぜひそういったものを反映した形で中間取りまとめ、あるいは連関図、あるいはその情報の追加ということを検討していきたいと思っております。

 それでは、(議題2)に移らせていただきます。

 再生方策の取組状況についてということで、資料の3-1~3-4に基づいて、取組状況の概要及び環境省の取組状況については事務局から、農林水産省の取組状況を水産庁から、国土交通省の取組状況を国土交通省から御説明いただきます。

 それでは、まず初めに、事務局からお願いしたいと思います。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 まず、事務局から、資料3-1と資料3-2について御説明いたします。

 まず資料3-1ですが、こちらは総合評価委員会報告を踏まえた再生方策の実施状況の一覧表となっておりまして、10月の評価委員会のときには令和2年度実施の施策までを記載しておりましたが、今回、令和3年度実施する予定の施策についても記載をしております。令和3年度実施予定の施策につきましては、令和2年度実施の施策と同じ、今後も継続をして実施していくということですので、詳細につきましては、今回は、割愛をさせていただきます。

 続きまして、資料3-2に移らせていただきます。資料3-2につきまして、環境省における再生方策の取組状況を御説明いたします。

 まず、有明海・八代海等再生評価支援事業費についてです。事業内容につきましては、環境省の請負業務で、水産資源と水環境特性との関係の調査などを実施し、また、得られましたデータにつきましては評価委員会、小委員会に報告するとともに、関係省庁からも知見を収集しながら委員会を運営していきます。

 次のページが、海岸漂着物等地域対策推進事業についてです。この事業は、海洋ごみの回収処理等の事業を行った都道府県等への補助になります。補助率としては、地域の実情に合わせてかさ上げを実施しており、基本10分の7のところ、有明海・八代海におきましては10%上乗せした10分の8の補助率となっております。

 また、漁業者等が行うボランティアにより回収された海底・漂流ごみの処理を行う場合、1,000万円を上限とする補助を実施するものです。

 非常に簡単ではございますが、環境省からの説明は以上になります。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 続きまして、水産庁漁場資源課の中村様よりお願いしたいと思います。

○中村水産庁漁場資源課漁業監督指導官 水産庁の中村です。

 農林水産省の施策について説明させていただきます。

 農林水産省においては、水質調査や貧酸素水塊対策等の海域環境などの調査、種苗放流技術の実証などの魚介類の増養殖対策、覆砂や海底耕うんなどの漁場環境対策の三つの対策を主に進めており、これらについて令和3年度予算の概要等について資料に沿って御説明させていただきます。

 資料3の1枚めくっていただいて、1ページ目です。まず、海域環境対策について御説明いたします。海域環境対策には、主に三つの事業が関連しております。

 まず、国営干拓環境対策調査ですが、令和3年度の予算は、3億2,800万で、括弧書きいたしました2年度の、今年度の予算を同額となっております。この事業は、有明海の環境変化の要因解明に向けて、水質や底質及び生態系の変化等に関する調査を実施するとともに、環境保全対策などの対応策を検討することとしております。

 次に、二つ目の四角です。有明海特産魚介類生息環境調査委託事業ですが、令和3年度の予算については6億円で、これも2年度予算と同額となっております。この事業は、有明海の再生に向けた特産魚介類の最適な生息環境の調査を実施するとともに、有明海沿岸4県が協調して産卵場や成育場のネットワークの形成等による資源回復に向けた調査を行うこととしております。

 最後に、三つ目の四角の中です。漁場環境改善推進事業、こちらは、令和3年度の予算は1億5,200万で、2年度予算額より若干減額となっております。この事業は全国で行われておりますが、有明海、貧酸素水塊による漁業被害を軽減するためのモニタリング技術や防除技術の開発を行うこととしております。

 1ページめくっていただいて、2ページ目の魚介類の増養殖対策について御説明いたします。増養殖対策では、主に二つの事業が実施されております。

 まず、有明海漁業振興技術開発事業ですが、令和3年度の予算は4億円で、2年度予算と同額となっております。この事業は、有明海の特産魚介類であるタイラギ、アゲマキ、ガザミ、クルマエビ、エツ等を対象としており、これらについて海域特性に対応した種苗の量産化及び効果的な放流手法等に関する技術開発を行うこととしております。

 二つ目の養殖業成長産業化推進事業ですが、令和3年度予算は全国で3億1,700万で、有明海・八代海等では、この内数となっております。この事業は、ノリの高水温適応品種の実用化に向けた養殖試験を行うとともに、ノリの色落ち対策として、二枚貝の増養殖と組み合わせたノリの養殖試験を行うこととしております。

 最後に、3ページの漁場改善対策について御説明いたします。漁場改善対策では、主に三つの事業が実施されております。

 まず、有明海のアサリ等の生産性向上実証事業ですが、令和3年度の予算は3億2,500万で、2年度予算と同額となっております。この事業は、有明海の漁業者の収益性の向上を図るため、アサリ等の漁獲量の増加に資する技術開発・実証を行うものです。

 続きまして、真ん中の四角の中ですが、有明海水産基盤整備実証調査でございまして、令和3年度の予算は1億1,200万で2年度予算額と同額となっております。この事業は、タイラギ等の資源回復のため、効果的に餌料環境の改善を図る漁場整備に関する実証調査を行うこととしております。

 最後に、水産環境整備事業です。令和3年度の予算は、全国で123億3,000万で、有明海・八代海ではこの内数となっております。この事業は、これまで有明特措法に基づき、漁場環境改善のための覆砂、海底耕うん、作れい等について、補助率にかさ上げを行うなど支援をしてきたところです。令和3年度においても、各県の要望を踏まえて事業を実施していく予定となっております。

 なお、これらの事業の実施に当たっては、関係県による連携した漁場整備を実施していくため、「有明海及び八代海等における広域的な漁場整備のための総合対策事業」を構築し、事業内容やモニタリング結果の共有等を行っているところでございます。

 非常に簡単ではございますが、農林水産省の再生方策等の取組状況について説明を終わります。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 続きまして、国土交通省の天野様、小野様よりお願いしたいと存じます。

○小野国交省海洋・環境課課長補佐 国土交通省港湾局、小野と申します。

 それでは 国土交通省における再生方策等の取組について御説明させていただきます。

 1枚めくって、有明海・八代海の海域環境改善のための体制について説明いたします。有明海・八代海の海域環境への貢献のために、「海輝」「海煌」の2隻の船を配備しておりまして、漂流ごみの回収と環境モニタリング調査を行っているところでございます。

 「令和2年7月豪雨」におきまして、漂流ごみの回収状況といたしまして、1万6,000立米の漂流ごみを回収しておりまして、昨年の漂流ごみと回収量を比較しますと、約12倍という量の漂流ごみを回収している状況でございます。

 以上が港湾局からの御説明です。

○天野国交省河川環境課企画専門官 続きまして、水管理・国土保全局の天野より説明させていただきます。

 次のページになります。海域の水質保全のため、まず下水道整備に対する支援を行っているところでございます。海域への汚濁負荷量の削減のため、地方公共団体が実施いたします下水道整備について、引き続き、社会資本整備総合交付金等により財政的な支援を行ってまいります。

 また、海域に流出する土砂に関する土砂動態の調査のために、こちらも継続となりますが、土砂収支状況、土砂流出状況の把握のための調査等を実施していくところでございます。今年度、球磨川につきましても土木測量を実施しておりまして、調査データの拡充を図ってございます。

 次回の報告書の取りまとめ、数年後になるかと思いますが、その際に、長期的な土砂動態の平均的な傾向というのを分析するためのデータ収集を図っておりまして、その際、精度の高い土砂動態の解析ができるための準備を進めているところでございます。

 私からの説明は以上となります。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 ただいま、事務局と関係省庁から再生方策等の取組状況について説明をいただきましたが、これについて何か御御質問があればお受けしたいと思います。いかがでしょうか。

 それでは、清野委員、お願いいたします。

○清野委員 九州大学の清野です。

 国土交通省の水管理・国土保全局さまにお願いします。今、画面に出ているスライドで御質問いたします。まず、下水道についてですが、汚濁負荷量の削減というのが目的だということですが、一方で、御存じのように、この海域はノリの養殖ほか含め、いろんな栄養塩の添加の議論だとかもございます。その辺りのバランスについて、どんなような進め方をされているかを、下水道について、まず1点お伺いします。

 それから、2点目は、河川における土砂動態調査ということです。これは昨年のこの委員会でも御質問を差し上げましたが、御対応いただいて、ありがとうございました。そして、球磨川の災害などで大変な中、調査を進めていただきましたことを感謝いたします。この調査につきまして、いろんな航路管理との調整だとか、それは船舶、漁船、あると思いますが、それを水産とか港湾の関係と調整しながら生かしていく。その土砂管理と、その利用の調整というものについてどのようなバランスを取られているか、その2点についてお伺いいたします。

 以上です。

○古米委員長 国土交通省さん、お願いいたします。

○松澤国交省下水道部流域管理官付課長補佐 下水道部の松澤と申します。お世話になっております。

 まず、最初に御質問いただいた下水道に関する御指摘ですが、お話があったとおり、下水道の役割といたしましては、汚濁負荷量の削減というものがある一方で、御指摘がありましたように、一部の水域においては養殖の関係で栄養塩類を能動的に排出するといった季節別運転管理も実施しているところでございます。こういった取組におきましては、地域の関係者の方々、水産部局ですとか、環境部局といったような、関係者の方々がいろいろいらっしゃると思いますので、そういった方々と協議・連携をさせていただきながら合意形成を図っていって、私ども下水道事業者として御協力できるというところであれば実施していくと、そういったスタンスで考えてございます。

 以上でございます。

○清野委員 ありがとうございます。了解しました。

○古米委員長 よろしいですか。2点目をお願いいたします。

○天野国交省河川環境課企画専門官 水管理・国土保全局でございます。

 2点目の航路管理と土砂管理との調整というところでございます。例えば今年度の出水におきましても、御承知かとは思いますが、早津江川の中で大きな出水による土砂堆積等が起きることによって操業に影響が出るということで、地元からもお話をお聞きしまして、漁場、漁港の航路の管理されている方々と現場レベルで調整させていただきまして、掘削等を行うことによって対応させていただいたところでございます。特に航路に大きな影響を与えるようなものというのがどうしても大きな出水によるインパクトで一気に土砂堆積が進むというところもございますので、なかなかこれを事前に予測して管理に生かしていくというところは見通しを立てるという意味で課題が非常に多いところですが、少なくとも現場の漁業者の方々に御迷惑がかからないように関係の、特に航路関係をされている漁業部門の方々と連携しながら適宜必要な対策を行ってまいりたいと思っております。

○清野委員 ありがとうございます。今、出水にする土砂堆積についての、なかなか予測が不可能、難しいということでしたが、大体のどの辺りにどのくらいたまるかみたいなのが、過去のデータだとか予測も含めて精度を上げていただきまして、今後、その出水がかなりあるというときに、すぐに対応ができるようなプログラムですね。土砂管理の内容を詰めて、どこにどのように配置するとか、誰がどういう粒径のものを利用するかということを進めていただいたらいいのではないかと思います。

 その理由は、有明海は結構土砂流入が激しいところで、いろんな粒径のものが入ってきます。それで、使いようによっては干潟の造成に使えるでしょうし、中途半端であれば、埋立てという方策にもなるかもしれません。そして、この海域で泥化が進んでいるということがあった場合には、適切な場所に、適切な方法で覆砂を外から持ち込むのではなく、内部の川から流出した土砂をうまく活用するという方策があるかと思います。

 ですから、いろんな災害がある中、調査を続けていただいておりますが、そのデータを生かしていただくべく、より精緻な管理プログラムに着手いただけたらと希望しております。

 以上です。

 ありがとうございました。私としては下水道と河川の土砂、2点、了解しました。

○古米委員長 どうもありがとうございます。

 それでは、次の御質問、内藤委員、お願いいたします。

○内藤委員 よろしくお願いいたします。

 資料3-3の3ページ、漁場改善対策の海底耕うんなどによる漁場改善を行うというところですが、「令和3年度においても、各県の要望を踏まえて」というところで実施していくということでございますが、現在の状況といいますか、海底耕うんにおきます事業成果等々、どういうところを踏まえて事業を今後も実施していくのかといった状況について、もし、可能であれば、説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○古米委員長 水産庁の中村様、いかがでしょうか。

○中村水産庁漁場資源課漁業監督指導官 水産庁といたしましては、各県の要望を踏まえまして、関係県と相談の上、事業を実施していきたいと考えております。

○古米委員長 具体的に関連の県からどのような要望が出ているとか、そういった、もう少し具体的なことは把握されておられないのでしょうか。

○中村水産庁漁場資源課漁業監督指導官 すみません、本日、直接の事業担当者が実質的に来ておりませんで、折返し御回答させていただきたいと考えておりますが、それでもよろしいでしょうか。

○古米委員長 内藤委員、いかがでしょうか。

○内藤委員 承知いたしました。よろしくお願いいたします。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、ほかに御質問、御意見ありますでしょうか。

 私から質問させていただきたい点がございます。今回の資料の3-1、2、3、4の中で、それぞれ環境省からは令和3年度予算という形で、さらには水産庁も同じように令和3年度予算で、こんな事業を展開して再生方策をするというようなまとめ方でございます。一方、国土交通省は、資料の3-4については、今年度行われた話も含めながら来年度も継続的にやられるというように、私理解はしました。金額の問題は別として、予算が書いてあるものとそうではないものがあります。再生方策がどういう形で実施されて、どう予算が使われているかというのも重要だと思います。例えば、下水道の方策と言われても幅広いので、有明海・八代海に関わるところでどれぐらいの費用を投入して水質改善しているのかだとか、あるいは、河川についてもどういった形なのかというのは、令和3年度についての予算を把握されたり、金額は分かっているのでしょうか。

○松澤国交省下水道部流域管理官付課長補佐 お世話になっております。

 下水道部でございますが、有明海・八代海をターゲットにしたというところで精査させていただく必要がございます。

 以上でございます。

○古米委員長 分かりました。

○天野国交省河川環境課企画専門官 水管理・国土保全局でございます。

 こちらは河川管理と並行して行っている形になっておりますので、事務所の現場に推計についている予算の内数ということになりまして、現段階で幾らか具体的な額でこれだけの予定というところは、申し訳ありません、数字がない状態でございます。

○古米委員長 きっと部分的には切り分けが難しいものはあったと思いますが、ちょうど三つ並べてみると、少し違いがあったので、御質問させていただきました。特に他意はございません。

 ほかに御質問、御意見、追加、ありますでしょうか。

○小野国交省海洋・環境課課長補佐 港湾局です。

 港湾局につきましても、令和3年度、漂流ごみのほうは回収を行う予定でございます。予算についても内数という形になっておりますので、個別には示すことができないという状況になっているところでございます。

 以上でございます。

○古米委員長 分かりました。どうもありがとうございました。

 ほかの委員から御質問、御意見いかがでしょうか。

 れでは山本委員、続いて皆川委員と順番で御質問いただきたいと思います。

○山本委員 ありがとうございます。鹿児島大学の山本です。

 三つの省庁から御報告いただいた施策の中で、海域、あるいは河口域とか、海に流入する水質の部分という基本的に海の中とその周辺で行われる施策が関連として報告いただいていますが、例えば、海ごみというのは、漂流ごみというのは、基本的に出所は山といいますか、陸上ですし、今、下水とか、いろんな御報告をいただいている部分も陸の部分とのリンクがあると思いますが、海域再生を意識した陸で行われるような施策は、今のところ、ないという理解でしょうか。それとも、そこは線が引かれているというか、どういう状況でしょうか。

○古米委員長 私の知る限りにおいては、農林水産省では森林の関連事業もやられておられます。そういった成果は、今回は出ておりませんが、あったと記憶しております。ただ、令和3年度にあるかどうかを私は把握しておりませんが、各省庁から陸側の対策で、それが結果的に有明海や八代海の改善につながるような事業があるのかどうか、把握されている範囲内で、もしあれば御発言いただきたいと思います。今すぐということが無理であれば、後でお調べいただくという回答でもよろしいかと思いますが、それでは環境省から順々にお願いしたいと思います。

○行木閉鎖性海域対策室長 今の御指摘の点でございますが、例えば、資料の3-1を御覧いただきまして、有用二枚貝の一番下のところ、貧酸素水塊の軽減対策、ここに汚濁負荷量の削減といったようなところがございますが、この汚濁負荷量の削減のところは、まさに陸から河川を通じて海に流れ込むところの対策というところでございまして、その視点が入っているところでございます。

 関連してまとめている事項としましては、例えば令和3年度予算案でございますと、環境省で申しますと、浄化槽の整備のところがあり、国土交通省さんであれば下水道整備があり、農林水産省さんでは農業集落排水施設関連の取組といったようなところで整理がされているところでございます。

 このような形で、再生方策の中で陸域ということを明確に必ずしも書いていない場合もありますが、陸からの流入が重要なところに関しましては、そこの辺りも踏まえて、それぞれの省庁で対策を取っているところでございます。

 あと、恐らく補足があろうかと思いますが、3-1の裏側のページを御覧いただきまして、生息環境、一番下のところでございますが、ここのところでは、まず、河川からの土壌流出状況の把握などのところで国土交通省さんの施策、それから、漂流・漂着・海底ごみの関連でございましては、環境省の海洋ごみの回収などの話や、国土交通省さん、水産庁さんのそれぞれの取組なども書かれておりまして、この辺りも陸から流れ込むものを海側で取るというような辺りが整理されているところでございます。

 以上です。

○古米委員長 陸側ですので、国土交通省さんから何か追加であれば御発言いただきたいと思います。

○天野国交省河川環境課企画専門官 水管理・国土保全局の天野でございます。

 今、環境省さんからの御説明にあった項目と関連するのですが、陸からの、いわゆる負荷量ですとか、ごみ等の発生抑制の観点というところになろうかと思います。私ども河川管理者の立場としては、河川管理上の支障、あるいは河川環境の保全という観点で、河川ごみ、これが結局出水のときに海に流出して海ごみになるのですが、そもそも河川ごみとして川にごみが出されないように陸域の市街地等でのごみの発生抑制ですとか、どうしても川に出てしまったものについて、我々で回収をするといった形で海に流れないような対策というものはやってきておるところです。これについては環境省さんとも連携しながら、内陸市町村さん、あるいは住民の方々への普及啓発などの取組はやっているところでございます。

 以上でございます。

○古米委員長 どうもありがとうございました。山本委員、いかがでしょうか。

○山本委員 ありがとうございます。

 予算にしても、その成果にしても、具体的に見えてくるところまでは大分かかると思いますが、例えば、政府であり、地方自治体であり、あるいは地元で働いている皆さん、漁業者の方と陸で働いている皆さんに対して、陸と海という切り方で物事を動かしていく構造が切れるのではなく、お互いが意識できているという構造で説明できるように変えていかないと、多分、前へ進まないというか、これは変えていけるいい機会だなと思ったので、何か報告書なり書いたものとして、すごくはっきり言えるものはなくても、常にそれを意識したようなものの進め方というのが定着していくといいなと考えました。

 ありがとうございます。

○古米委員長 どうもありがとうございます。

 確かに有明海と八代海という対象ではありますが、そこに深く関わる流域なり川からの入ってくるものというつながりも対象となるとの意見と思います。思いつきで発言すると、事務局が後で困るかも分かりませんが、今回の資料の3-1というのは、各対象に対して、どんな方策が行われているのかということが網羅的に示されている非常に有用な取りまとめが行われています。しかし、住民の方を含めて説明するとか、漁業者の人を含めて説明するというと、例えば、漁業の人は漁業だけの対策はどうなのかと思われがちなので、有明海があって、八代海があって、陸域があるという絵の中で、どんな事業が空間的にどこで実施されており、それがマッピングされているものをつくっておくと、お互いに情報交換というか、情報共有ですかね、理解が進むような気がいたします。そういった分かりやすさというのが、今後、求められていますので、ぜひ、今の山本委員の御意見を反映した形で何がしかの追加の資料というものができるといいかなと感じました。

 山本委員、どうもありがとうございました。

○山本委員 ありがとうございました。

○古米委員長 それでは続いて、皆川委員、お願いいたします。

○皆川委員 熊本大学の皆川です。

 今、私がコメントしようと思っていた内容は、ほぼ、今、山本委員と古米委員長がお話しされたことで、資料3-1から3-4までありますが、それがどういう課題に対して対応しているかというのが、3-1では事業ベースでありますが、分かりにくいので、市民が、流域の住民が分かるような表し方というものが必要であるということを指摘しようと思いました。

 それが1点と、あともう1点も、全く同じですが、昨年の水害というのがすごく大きな水害で、先ほど、ごみも12倍だったということで、かなり衝撃的なところだったのですが、ごみについても、これも同じで、流域対策ということがとても必要で、どういった内容のごみだったのか、では、どのように陸域が対策を取っていかなければならないのかというようなことまで踏み込んでいかないと、なかなかごみの対策につながらないですし、今後、気候変動で、こういったこということが増加してくるということもありますので、その辺も、先ほど、山本委員も言われていましたが、国交省の方も言われていましたが、その辺の対策をかなり取っていくことが重要であるということ。それと、これは質問ですが、今日はごみについてはありましたが、まだ河道の中には、例えばふちであるとか、そういったところにはたくさんごみが川の中にあるということも、NHKのカメラが先週入ったようで、そういったことも指摘されていますし、今後、どのように対策していくかということと、昨年の洪水でごみ以外にどのような影響が生じていたかという、全体に関しても少し把握しておく必要があるのではないかと思っていますが、それについては、例えば、何かごみ以外でこういった影響があったということは、何かもし出てきていたらコメントいただければ有難いと思います。よろしくお願いいたします。

○古米委員長 最後の御質問に対してお答えするということでよろしいでしょうか。

○皆川委員 はい。結構です。

○古米委員長 私の知る限りでは、豪雨によって、漂流ごみとか土砂の移動の問題とともに大量の淡水が入ることによる問題があります。漁場といいますか、アサリだとか水産生物の生育環境が余りにも淡水化が進んだ場合に、影響が出ているというような議論はなされていたと記憶しております。

 それ以外にも何か、環境省、その他のところでお気づきの点があればお願いしたいと思いますし、河川のごみというのは、要は発生源としてまだ残っているということに対しても将来的にどう抑制していくかという点の御質問かとも判断しますので、よければ国土交通省さんからも何か御発言いただければと思います。

 まずは追加で環境省からあれば、お願いしたいと思います。豪雨関連です。

○行木閉鎖性海域対策室長 環境省でございます。御指摘、ありがとうございます。

 ここまでの小委員会などの議論のところで、今ほど、古米先生からお話がありましたとおり、土砂、それから淡水の流入について報告がされているところでございます。

 それから、廃棄物のところ、発生抑制も含めた対応というところが非常に重要になってまいりまして、先ほどの説明の中で国土交通省さんから環境省とも連携をしながら普及啓発にも取り組んでおられるということでお話がありました。そのとおりでございまして、環境省といたしましても、内陸の自治体も含めた発生抑制対策は非常に重要と考えておりまして、普及啓発も含めて対応しているところでございます。

 環境省からは以上です。

○古米委員長 皆川委員、よろしいですか。

○皆川委員 はい、シルトの堆積だとか、濁度の長期化とか、そういったことについてはいかがでしょうか。

○古米委員長 シルト、濁度は、私は情報があったような記憶はありますが、正確に記憶がないので、ぜひ。

 清野委員、手が挙がっていますので、何かご存じであれば。別の質問でしょうか。

○清野委員 別の質問もあるのですが、シルト粘土について、まず、お話ししますと、処理方法がなかなかないというのが懸案だと思います。ですので、シルト粘土の処分法がないので、この海域でどうしても埋立処理というのがあったかと思いますので、これは有明海に限らず干潟全体の先ほどの航路維持だとか、災害の後の処理と関係するかと思います。それがコメントです。

○古米委員長 豪雨の後は長期間にわたって濁度だとかが高くなっているという現象が見られているというところも関連しているのでしょうか。

○清野委員 そうですね。巻き上がりがずっとあるかと思いますので、安定するまでですね。

○古米委員長 ということで、皆川委員、追加の情報でございました。

 それでは、清野委員、御質問お願いします。

○清野委員 ごみの問題です。河川から海に流入するごみの問題で、今、環境省様と河川管理者のほうで普及啓発に努力されているということと対策をということでございました。

 これに関しましては、災害廃棄物として、どのくらいの時間を取って処理に当たれるのかということを伺いたいと思います。つまり、直後の災害廃棄物、陸域については随分と特別予算などをご配慮いただいていると思いますが、河道内にたまっているものに関して、じわじわと出てきたりという問題があると思います。それを自治体が自力で処分するのは厳しいですし、処理費用の中に人件費だとか、いろんなものも含めてきちんと予算措置をしないと、発生抑制のための普及啓発だけだと、災害を受けた地域が本当に力尽きてしまうというのがあると思います。その辺りについて目途とか、社会的な方法についてありましたら、お願いいたします。

○古米委員長 これはどちらでしょうか。国土交通省からでよろしいですか。

○天野国交省河川環境課企画専門官 水管理・国土保全局の天野でございます。

 まず、直轄河川につきましては、これは災害直後に限らず日常的にごみの処理・回収ということをやっておりまして、これは私どもできちんと処分費用等を見ながらお支払いしながら処理しているという状態でございます。

 一方で、地方自治体の管理する河川、あるいは河川法のかかっていない河川になりますと、現時点で、私どもで全ての情報を把握できていないところではあるのですが、処分費用をどう負担していくかというところは、おっしゃるとおり、大きな負担になっているかと思います。ここにつきましては、廃棄物の処理を所管している自治体、その市町村さんのところで廃棄物の処理という形をやっていますので、自治体さんがその負担をどう軽減するかというところで、環境省さんの持たれております廃棄物行政との兼ね合いのところが強くなると思いますので、そちらのコメントに譲りたいと思います。

○古米委員長 それでは、環境省、いかがでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 ありがとうございます。

 私ども環境省で行っているものといたしましては、資料3-2のところの3ページ目の辺りが海洋ごみの回収・処理の辺りのところでございます。回収や処理のところでございまして、事業内容の二つ目の丸の辺りでございますが、この辺りで自治体さんが回収・処理をするものについて、災害廃棄物ということに限らず、一定の予算リソースの中でということにはなりますが、自治体さんの負担が軽減されるような取組となっているところでございます。

 それから、特に海の中のごみというようなこと、海底ごみ、漂流ごみの処理というような観点でございますと、例えば、漁業者の方が漁の中で回収されてくるごみがあって、それを自治体で集めて処理を行うというように連携して行うような場合には、例えば1,000万円を上限とする補助をするといったようなこともしておりまして、こういったところを組み合せて自治体の負担が減るようにというところで取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。

○清野委員 ありがとうございます。

 河川管理者におかれましては、河川法適用外の水路とか、本当に集落とか、市町村で管理されているところが特に災害の後とかも、そういうところまで手が回りません。ですから、特に災害後に、そういった現場の負担を減らしていただけるような何らかの新たな制度の創設というのがないと、災害のときに一遍にたくさんのごみが流出して、普段の普及啓発で対応しているのをはるかに超えるものが海域に出ているという可能性もありますので、ぜひ、新たな豪雨が多くなった時代の制度を検討いただけたらと思います。

 それから、環境省におかれましては、今、御説明いただいたような、ある意味、平常時に近いような制度というのもあると思いますが、被災した自治体は、もう本当にお金がないので、裏負担が少しでもあるものは優先順位からどんどん落としていきます。そして気持ちがあっても、もうお金と人もないですから、さっき申し上げたような形で、今後、災害廃棄物と流域管理の中で、ぜひ関係される行政で検討いただきまして、何とか地元にお願いするのを、特に災害の後は控えるようなシステムを御検討いただけたらと強く希望しております。

 御回答、ありがとうございました。以上です。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 ほかに御質問、御意見ございますか。

 それでは、矢野委員、お願いいたします。

○矢野委員 九州大学の矢野です。

 資料3のところだけではなくて、前の資料2にも関連する質問になりますが、資料2で連関図というのがあって、資料2のところで調査の話がありました。今、資料3のところで再生方策ということで御紹介いただきましたが、最終的にはその二つが相まって、資料2にあった連関図の中のどこが重要で、どれに対してどういう方策がされて、どう効果があったかというのは、全て整理される必要があると思いますが、何かそれをもう少し見える化できるようなまとめ方ができないかなというのを思ったので、発言させていただきました。

 例えば、資料2であった連関図の中で、先ほど、古米委員長からも線の太さが太かったり細かったりというようなことがあるのではないかという御説明があったと思いますが。実際、今、実線と破線で示されていますが、やはり、影響の強さというのを見える化するという意味で太さを変えていただく。その根拠として調査結果はこういうことだったからという説明があるというような形と、太くなったところに対して戦略的に再生方策が資源を投資して行われるべきかと思われますので、実際、そういう形になっているのかどうかというのを見える化していただけたら、今後の話にもつながっていくのではないかなと思いましたので、発言させていただきました。御検討いただければ幸いです。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 連関図というところに、先ほどの御意見もありましたように、いかに分かりやすく定量的にするかという話と、重要な点としては、問題となっているところがどこで、それに対して各省庁、各関連県がどのような再生策を行っていて、どううまく再生に進んでいるのかといったものが求められています。中間取りまとめまでに整理するというと大変でしょうが、少なくとも、それまでに、どこがどう関わっているのかという図を描いていくということが求められて、10年後のときには、図中の線で示される関係がこのようによくなってきているというような再生方策の効果というものを表すような方向性が重要だと思います。

 大変な作業になりますので、きっと評価委員の方々、あるいは小委員会の中でしっかりと議論して、原案、あるいはたたき台というものを今後作っていく必要性があるのかなと思っています。

 ということで、矢野委員、どうもありがとうございました。

 ほかに御質問、御質問ございますか。

 最後の取りまとめ以外にも多くの御意見、御質問をいただきましたので、本日いただいた意見を参考にして、引き続き再生に向けた取組、あるいはデータの取扱い、あるいは評価に必要なデータを追加するというようなことを進めていきたいと思います。

 事務局におかれましては、小委員会での作業分担に沿って作業が進められるよう関係省庁、関係県の取組状況について引き続き情報収集をお願いしたいと思いますし、本日の時点では、正確な数値が出ていない部分については、後日、お知らせいただくということで対応いただければと思っております。

 それでは、最後の議題でございますが、その他ということで、事務局から何かあればお願いしたいと思います。

○行木閉鎖性海域対策室長 ありがとうございます。

 事務局でございますが、資料4を御覧いただければと思います。評価委員会の進捗状況の概要説明資料というところで用意をしております。

 その資料ですが、なぜ、私どもで用意をしたかということの背景を、まず説明をさせていただきます。

 ここまでの議論の中でも市民をはじめ関係者の方に分かりやすく説明をすることが大事というところ、様々な先生方から御指摘をいただいたところでございます。私どもでも地元関係団体さんなどから、これまでも要望を受けてきており、もう少し分かりやすく取組について説明をできるような資料を用意してほしいということでお話をいただいておりました。

 それから、冒頭で局長の山本からも説明をさせていただいたところでございますが、現在、国会におきまして有明海・八代海等を再生するための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして審議がなされているところでございます。ちょうど今日も審議があったと承知しておりますが、その改正案の中では、この評価委員会に関連するところで、一つ新しい項を追加するということで議論がなされておりまして、具体的には「有明海・八代海等総合調査評価委員会は、毎年、その所掌事務の遂行の状況を分かりやすい形で公表するものとすること」ということが新たに加わることになろうという状況でございます。

 こうした状況を踏まえまして、私ども、令和元年度以降の評価委員会の開催状況につきまして、分かりやすく伝えるための資料ということで用意をいたしました。この後、担当から説明させていただきますが、現段階では文字が多いものとはなっているところでございます。それから、本日の御議論の中でも、山本委員、皆川委員、矢野委員から、分かりやすくするための工夫についても示唆があったところでございます。こういった先生方からの御指摘も踏まえまして、折々、より分かりやすくする工夫を随時していきながらということで考えておりますが、まずは現段階で説明資料として載せるべき情報につきまして、このような形で整理をしているということを説明させていただきまして、御意見をいただければと思っております。

 すみません。途中で音声が切れてしまったようで大変失礼いたしました。どこから切れましたか。

○古米委員長 最後、担当からという。

○行木閉鎖性海域対策室長 申し訳ありません。失礼いたしました。

 一部重なるかもしれませんが、私から背景について説明をさせていただきました。ということで、今回、ご用意している資料につきましては、令和元年度以降の開催状況について、こういう情報を盛り込みたいということで整理をさせていただいております。この後、またより分かりやすくする工夫は重ねていきたいと思っておりますが、まずは、こういった情報を載せるということで担当から説明をいたしますので、その辺りにつきまして御議論いただければと思っております。

 音声が切れまして大変失礼いたしました。担当に代わります。

○横内閉鎖性海域対策室室長補佐 環境省、横内です。

 そうしましたら、資料4につきまして御説明したいと思います。

 1ページ目に昨年の10月に45回の評価委員会を行いまして、それから12月に第6回小委員会の合同開催、それから2月に第7回の小委員会の合同開催、そして今回の第46回の評価委員会の記述を加えております。前回の10月の資料から修正した部分について赤字で表記しております。

 次の3ページ目、第6回小委員会で農村振興局から報告された二枚貝等生息環境調査の記述を追加しております。

 それから4ページ目、第6回の小委員会で、山口敦子委員から報告された有明海および八代海の魚類についての記述を加えております。

 続きまして5ページ目です。前回の評価委員会で山口敦子委員からまとめの資料の公表について小委員会の資料とは別に独立するため、公表の仕方に十分注意する必要があるというような御意見をいただきました。その点に従いまして、それぞれの知見・成果の後ろのほうに括弧書きで第何回の小委員会の資料番号何番で報告されたものかというような情報を追加して、小委員会の資料に遡って資料を確認できるような情報を追加しております。

 また、前回の評価委員会でベントス、知見の成果がないということで加えてほしいというようなご意見もありました。それで、今回、一番上のほうにベントスの記述を追加しております。

 読み上げますと、底生生物及び底質の現地調査結果を用いて、各海域に生息する生物種の分布特性に基づき解析を行い、生物種の出現パターンから各調査点の海域環境の変動状況を把握した。その結果、多くの地点では、経年的に同様の状況を維持しているものと考えられたものの、一部の地域では、底質や生物群の変化がみられ、また、底質以外の環境要因も生物群の変化に影響している可能性が報告された。

 それから、有用二枚貝のところですが、第6回の小委員会で農村振興局から報告がありました二枚貝類の生息環境調査の記述を加えております。

 ナルトビエイによる水産有用二枚貝類の摂餌状況等を調査した結果、摂餌量は平成25年度以降1,000トン程度で横ばい状況であると推定された。

 それからタイラギの記述でありますが、前回の評価委員会後にメールで御意見をいただいたのですが、タイラギの減耗要因ところの記述が、長期的な資源変動と短期的なへい死、資源レベルが低い状況にあって、資源増加に転じない理由などが、記述の仕方がごちゃごちゃになっているというような御意見をいただきました。元の小委員会の資料では、タイラギの減耗要因について短期的な減耗と長期的な資源変動について分けて検討を行ったものではなく、海域ごとに減耗要因が異なることについて示されたものでしたので、記述の内容を修正しております。

 読み上げますと、タイラギに関する調査・研究等の情報を収集し、海域ごとにタイラギのへい死要因を整理した結果、低塩分、貧酸素化等の海域ごとのへい死要因は様々であり、またそれらは海域特性が関係している可能性が示唆されることについて報告された。

 続きまして、タイラギの三つ目の記述についてですが、前回の評価委員会で、餌料環境がよいのにどうしてタイラギがいないのかというように読めるのではないかというような御意見がありました。それで前回の資料では、タイラギの一つ目に人工種苗生産に成功したこと、それから2番目に浮泥の調査結果から餌料環境の記述、3番目にタイラギの減耗要因というような順番で記載しておりましたが、順番を変えて、2ポツ目に海域ごとのへい死の要因を整理した結果を記載し、3ポツ目に浮泥層と餌料環境の記載を記述しております。また、記載内容については、浮泥に係る記述も加えました。読み上げますと、タイラギにとって餌料であると当時に着底阻害、摂食阻害を引き起こす「浮泥」に関する調査の結果、湾奥部東側が浮泥層厚、餌料環境の観点からも最も適しており、次いで湾奥部西側であると示唆されると報告されたと記載しております。

 続きまして、6ページ目です。ノリ養殖、魚類の3ポツ目のところですが、第6回小委員会で山口敦子委員から報告のありました有明海・八代海における魚類についての記述を加えております。有明海・八代海における魚類資源、再生産機構等に関するこれまでの研究成果について報告されたということです。

 それから、下から2行目のところです。衛星画像を用いた有明海・八代海の藻場・干潟の分布状況のところですが、前回の評価委員会で、この表現のところ、客観的という表現になっておりましたが、定量的ではないかということで、客観的から定量的という表現に修正しております。

 それから7ページ目です。ノリ養殖、魚類のところの4ポツ目ですが、第6回小委員会で山口敦子委員からの報告のあった有明海・八代海における魚類についての今後の検討課題の記述を加えております。有明海の魚類の資源減少要因、八代海の魚類の分布や生態に関する知見、産卵・育成場と再生産機構の解明等が必要というものです。

 この資料につきましては、説明は以上になります。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 資料の4について御説明いただきました。特に冒頭にありましたように、今、審議中ですが、この評価委員会での内容を分かりやすく表示するということですので、先ほどもあったように、文字だけでなく、分かりやすい形で追加をするというところを含めて、皆様から御意見、御質問があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○山室委員 山室です。

 特措法の改正について御説明がありましたが、この特措法のこの評価委員会についてのところを見ると、25条の1に、この評価委員会は、調査の結果に基づいて有明海及び八代海等の再生に係る評価を行うこととあります。資料によると参考資料の3ですね、特措法については。

 私は今年度からの委員なので、これまで中間報告についていろいろ御報告を伺ってきましたが、少なくとも中間報告については、再生そのものではなくて、再生に向けた各省庁のビジョンに対して私どもは評価してきたように思います。特措法には、私どもは再生に係る評価と書いてあるので、再生がちゃんとできているのかという全体の評価というのは、最終報告に向けてこれから行うのかどうかというのが、すみません、委員になったばかりなので、よく分からないので、教えていただきたいのと、その際に、先ほど資料3-1をもう少し関係者に分かりやすくという、住民ですとか漁業者に分かりやすくというお話がありましたが、有明海・八代海に関わる様々な方々がそもそも再生していると感じているのかどうか、感じているとしたら、もしくは感じていないとしたら、何を見て、何を聞いて、何を触れて、そう思うのか、のようなことも、特に私のように現地に住んでいない専門家としては、事業の報告だけを聞いていたら、よく分かりません。事業者からの目線の御報告を受けるわけですが、肝腎のステークホルダー全体がどう考えているかという評価とか意見というのは、あまりこれまでの議論で伺っていなかった気がいたしますので、もしも、体制そのものをこの委員会で評価しなければいけないのであったら、その辺りがどうなるのかという、その2点について教えていただきたいと思います。

○古米委員長 それではお願いいたします。

○行木閉鎖性海域対策室長 事務局でございます。

 まず、1点目の点でございます。先生、御指摘のとおりでございまして、この委員会では法の第25条第1項に基づきまして、様々総合調査に結果に基づいて有明海及び八代海等の再生に係る評価を行うこととされております。ですので、令和3年度は中間取りまとめということでございますので、その時点での中間的な状況を整理していくということになろうと思いますが、その辺りは8年度にまとめる報告では、仰せのとおり、再生全般についての評価をいただくということで御議論をしていくこととなってまいります。

 2点目のところです。実際、現地の方々がどのように感じておられるのかという辺り、確かにここまでの小委員会、評価委員会の中で、その辺りの情報というのはあまりなかったかと思っておりますので、どのような形ができるかということも踏まえて検討いたしますが、例えば、地元自治体さんから、こんな要望が上がってきているといったようなことなど、現地の方が感じられていることについてもお伝えできるような工夫を検討したいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○山室委員 ありがとうございます。

 これは要望ですが、私、実は交通事故で少し脳がやられる前に、最初のこの委員になっていました。そのときは、委員全員が現地に行って実態がどうなっているかという視察を最初にしました。特に地元に住んでいない専門家にとっては、そういった現場に行って、今、現場の状況はどうなっているのかというのを見ないと、二次資料だけ見ていても、本当にどうかということには意見を言うのに自信が持てませんので、中間報告の取りまとめの後に最終報告を目指す間のどこかの時点では、なるべく早い時点で現地調査というか、現地視察も盛り込んでいただけるといいかなと思いました。これは要望です。よろしくお願いいたします。

○古米委員長 事務局、お願いします。

○行木閉鎖性海域対策室長 ありがとうございます。

 私どもとしましても、ぜひ、現地を御視察いただければと思っているところでございます。今、中間取りまとめのスケジュールといったことのほかに、何よりコロナウイルスの対策がございますので、その辺りの状況を見ながら、可能となりましたところで、今、御要望がありましたが、少なくとも令和8年度の報告をまとめる前の段階では現地を見ていただいてということも事務局としてはしっかり検討してまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

○古米委員長 ということで、現地を見る機会というものを設けていただけるということでございます。

 次は清野委員、その後、大嶋委員から御発言、お願いしたいと思います。

○清野委員 ありがとうございます。

 今、研究者のグループと政策形成の関係について、山室委員からお話がありました。この点、非常に重要です。この総合調査評価委員会は、主に理科系の研究者が多いと思いますが、社会経済学的なところとか合成形成、そういった面でももっと多くの研究者の力を借りることや、社会の方のお知恵をいただくということが重要というのは、多分、もう議論されてきたところだと思います。

 どのような局面でお力を借りるかというところに関しては、ステークホルダーの方々と、もっと直接的にお会いして、視察して、説明を聞くという立場だけではなくて、特にいろいろお困りの方々については、その窮状を研究者の集団も一緒に考えさせていただくようなスタンスが必要ではないかと思います。

 私は、地元に近いところにおりますが、間近ということではありません。そうすると、地元の有明海の方々からは、学者がいつまで調査をしているのかとか、ずっと調査して全然解決しないでは、学者が悪いのではないかとか、いろいろお叱りを受けるわけです。そういった反省もありまして、いろんな方々とお会いすることもあります。ところが、政策形成という局面になりますと、研究者の個人的なプレーではなくて、もっとシステマティックな形で、法律だとか事業とかにきちっと組み込んでいくような体制を取らないと、いろいろ御指摘があったような状況になったりしますし、たくさんのデータが現場に生かされないことになります。

 ですから、事務局におかれましては、有明海は本当に社会的摩擦もあって大変だと思いますが、研究者も一緒に考えさせていただきながら解決していきたいということの思いもある委員さんがたくさんおりますので、ぜひ、そういった場を設けていただけるようにお願いしたいと思います。

 以上です。

○古米委員長 どうもありがとうございました。

 では、続けて大嶋委員、お願いいたします。

○大嶋委員 少しこの委員会から外れるかもしれませんが、瀬戸内海と比べて、有明海というのはすごくうまく回りません。何が問題かというと、本当に再生に向かって、住民というか、そこの辺りと有明海の距離が遠いというか、社会と有明海の距離が遠いというのが、なかなかうまく回らないところの一つの原因じゃないかなと思います。ですから、ここで議論するも一つあれですが、だんだん余計、有明海が普通の人たちの間から離れていっているのではないかなと思います。そういう意味でも、今まで大分話がありましたが、このようなことをやっていて、どういうところが問題なのかというのを、できれば、もっと若い人たち、中学生とか高校生とか小学生とか、そこまでに出していかないと、5年、10年したときに、もう全く誰も興味を持たないというふうなことになるのではないかと、私は少し恐れています。だから、そういうところまで含めて考えをしていかないといけないのではないかなと思って、そういうところを考えていただければと思っています。

 以上です。

○古米委員長 お二人から御意見をいただきましたが、何か事務局からあればいただいて、私も一言述べたいと思います。

○行木閉鎖性海域対策室長 ありがとうございました。

 御指摘を踏まえまして、どういったことができるか、事務局としてしっかり検討をしてまいりたいと思います。大変社会的にも重要なところでございます。時間も経過というところでの状況変化というところもありますし、いただいた御指摘はどちらも大変重要なところだと思いますので、そこを踏まえて検討していきたいと思います。

 以上でございます。

○古米委員長 お二人の御意見をお聞きして、私も考えるべき点かなと思っております。

 最初に山室委員から御指摘があったのは、平成28年度の委員会報告で海域全体に関わる再生目標、全体目標が書いてあって、そこにはかなり概念的だと思いますが、生物生産性であるとか、多様性であるとか、水質浄化機能がどうなるかだとか、水産資源、特に底生生物の生息環境、二枚貝、ノリ養殖、魚類といった水産資源として安定的・持続的な状況を最終的な目標だと。それに向かって、平成28年度までの10年間でどのように変わってきたのかという経年的な図はありますが、最終的な目標としてどこまで戻すのかという点は、私自身もこの評価委員会に入って必ずしも明確に示されているとは思いません。明確という表現は変かもしれませんし、かつての豊かな海域であった状態が目標なのかもしれませんが、実際上はコンセンサスを得るほどの明確な定量的な数値目標はないと思います。ただ、いい方向に向かっているのか悪化しているのかということは分かりますが、やはり、この評価委員会の中で何がしかの目標の具体化というのを、あと、5、6年かけて出すこと、前回出なかったものを出していくということも、私は、求められているのかなと思います。

 それがある程度、分かってくると、そこに向かって、どんな方策が実施されていって、それがどう利いてきているのかという評価をすることができるのだろうと思います。やはり、目標とかそういうものがないと、ただよくなっているという状況証拠というところにとどまってしまいますので、そういったことを留意していく必要があるなというのが感じたところはございます。連関図が改訂されて、どういうところで方策が行われているのかという絵が描けていけば、それが見つかってくるのかなというようにも思いました。

 2点目は、評価委員会として科学的な知見をベースに評価をしていくということですが、有明海・八代海の再生という再生の意味は実は海域の再生もあるし、そこで営みをしている方々、あるいは、そこに関わる人たちの心の再生とでもいうような、海域を大切に思うこころを共有することが大事なのかもしれません。海域だけでなく湖もそうですが、琵琶湖だったら母なる湖というような発想があって、いろいろ事業が進んでいますが、そういった周辺のステークホルダーというのか、漁業者や農業関係者、あるいは住民という方々がいかにそれらを認識しているのかと。まさに社会科学的な視点みたいなものも含めて再生がどううまく進んでいくかと。現在の我々のメンバーでどこまでできるかどうか分かりませんが、少なくとも我々はそういった意識を持って評価の在り方みたいなものも考えなくてはいけないなと思います。また、先ほどの御指摘のように、現場の方々がどう思われているのかという情報を、単純にモニタリングをするということではなくて、情報を収集する努力を今後進めていくということもありましょうし、現場を見ながらディスカッションする場を設けていただく。あるいは、現場に行けないまでも、準備ができれば、この状況であれば、オンラインでディスカッションするような場を設けるというようなことも考えられるのかなと思っています。

 可能なところから徐々に進めていく必要があろうかと思います。今回、今後の方向性を考える上で大事な御指摘をいただいたように私は思っております。

 ほかに御意見、御質問があればお受けしたいと思います。ほかにございますか。

 もし、なければ、先ほど、私のほうで今後の方向性みたいなもので感じた点を述べましたが、皆さんもいろいろとお考えいただきたいと思います。

 今回の資料については、いろいろと御意見をいただきましたので、修正していきたいと考えております。今でも結構ですが、追加でお気づきの点があった場合には、本日から1週間を目途に事務局に御意見、コメントをお寄せいただきたいと思っております。そういった内容を全て含めて、修正内容は事務局と検討させていただきますが、本資料の修正、すなわち資料の4で概要説明の資料ということですが、委員長である私に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。御意見がありましたら、挙手をお願いしたいと思います。

 事務局に確認ですが、ある程度、修正の案ができた段階で各委員の方々に方向性が決まった段階でお見せするというような時間は取ることはできるのでしょうか。

○行木閉鎖性海域対策室長 状況次第でございますが、できるだけそのようにしたいと思います。ありがとうございます。

○古米委員長 ということですので、最終版とは言わないまでも、大幅な変更があれば、特に分かりやすくした部分が決まった段階で皆様に御確認いただくことができる時間があれば、そうしたいと思っております。

 特に挙手がございませんので、それでは、本日の委員会全体を通して各委員から何かございましたらお願いしたいと思います。全体を通じて御発言ありませんでしょうか。よろしいですか。

 それでは、本日予定しておりました議事は全て終了いたしました。

 議事進行に御協力、ありがとうございました。

 それでは、進行を事務局にお返しいたします。

○冨永閉鎖性海域対策室主査 古米委員長、ありがとうございました。

 事務局からの連絡です。本日の議事録ですが、後日、事務局より確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、議事録は環境省ホームページで公開をさせていただきます。

 次回の評価委員会の開催日につきましては、古米委員長とも相談の上、後日、日程調整等をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして、第46回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

午前12時03分閉会