第40回有明海・八代海等総合調査評価委員会 会議録

1.日時

平成29年1月24日(火)15:30~17:30

2.場所

環境省第1会議室

3.出席者

委員長 岡田光正委員長
委員

岩渕光伸委員、上田直子委員、古賀秀昭委員、小松利光委員、清野聡子委員、滝川清委員、樽谷賢治委員、内藤佳奈子委員、中田薫委員、中村由行委員、西村修委員、速水祐一委員、山田真知子委員

臨時委員

小林政広委員

1530分 開会

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 ただいまから第40回有明海・八代海等総合調査評価委員会を開会いたします。

 最初に、本委員会は公開の会議となっておりますことを申しあげます。

 本日の委員の出席状況ですが、欠席の連絡を秋山委員、久場委員、中田英昭委員、山口敦子委員、山口啓子委員、山本委員よりいただいております。本日は15名が御出席ですので、有明海・八代海等総合調査評価委員会令第6条に基づく会議の定足数を満たしていることを報告いたします。

 続きまして、配付資料を確認させていただきます。

 ダブルクリップの資料を2つ配付してございます。

 1つ目のダブルクリップの資料ですが、配席図、次に本日の議事次第、次に資料1、委員名簿、資料2といたしまして、4県協調の取組における浮遊幼生調査について、10ページ6枚の横長の資料でございます。次に、資料3、第39回評価委員会における委員意見及び対応(案)、横長3枚の資料でございます。次に、資料4、有明海・八代海等総合調査評価委員会委員会報告案となっておりまして、右上のヘッダーの部分を見ていただきますと、1章から3章までが含まれているものとなっております。

 2つ目のダブルクリップの資料ですが、資料4、委員会報告案の続きでございまして、4章と5章、一番最後にホチキスどめの4枚の資料で括弧がついたページで、ページ(1)からページ(8)の資料でございますが、1章関係の別表として委員名簿、委員会の開催状況をつけてございます。不足の資料がございましたら、事務局までお申しつけください。

 報道取材の皆様、これ以降のカメラ撮影はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、これ以降の進行は岡田委員長、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 かしこまりました。

 それでは、早速議事を始めさせていただきます。本日の議題でございますが、議事次第にございますように、ケーススタディについて、委員会報告について、その他の3つとなっております。委員会報告の取りまとめに向けて関係資料も大変ご覧のように多くなっております。ただ、時間も限られておりますので、議事進行に御協力いただきますようお願いいたします。

 本日の議題の進め方でございますが、まず、農林水産省からケーススタディの一つとして4県協調の取組におけるアサリの浮遊幼生調査について御説明をいただきます。次に、委員会報告について御議論いただきます。委員会報告は平成28年度内を目途に取りまとめる予定となっております。本日の評価委員会でパブリックコメントに諮る案をできましたら固めていただき、パブリックコメントを行った上で報告を取りまとめるというふうに予定をしております。このため、本日の委員会では、前回の委員会とその後に各委員からお出しいただいた意見等に基づいて、事務局で評価委員会報告案を作成していただいたところでございますので、意見等による修正結果について事務局より御説明をいただき、パブリックコメントに諮る案について委員の皆様方から御意見をいただければ幸いに存じます。

 それでは、最初の議題1、ケーススタディについて、農林水産省のほうから御説明をお願いいたします。

○武元農地資源課課長補佐 農林水産省農村振興局の武元と申します。

 お手元の資料2「4県協調の取組における浮遊幼生調査について」に沿って御説明申しあげます。

 まず、1ページ目でございますが、有明海再生の取組といたしまして、平成27年から29年度にかけて4件協調の取組の枠組みの下で、福岡、佐賀、長崎、熊本の4県と農林水産省が協調いたしまして、また、西海区水産研究所の助言等の協力もいただきながら有明海の二枚貝類等の資源回復に向けた漁場環境改善の取組を実施しているところでございます。その一環といたしまして、アサリ、タイラギ、ハマグリ、サルボウの浮遊幼生調査、また、着底稚貝調査を実施しているところでございます。これらの調査結果につきまして4県の漁業団体にも御報告しながら、現在、取組を進めているというところでございます。

 また、今回御報告させていただきますアサリにつきましては、調査結果をもとにモデル解析による浮遊幼生調査の産卵場・着底場の推定を行っているというところでございます。

 下の表1のほうに調査時期や頻度など記しておりますが、アサリにつきましては、春季及び秋季につきまして浮遊幼生調査を1週間から10日に1回、着底稚貝につきましては、6月と12月の1回に調査を実施しているというところでございます。

 2ページ目になります。

 2ページ目ですが、調査の流れを簡単に記しております。浮遊幼生調査または着底稚貝調査の現地調査につきましては、4県がそれぞれ分担して実施していただいているというところでございまして、採取された試料につきまして、九州農政局において分析を行っているものでございます。

 次に、3ページ目になります。

 まず、浮遊幼生調査と着底稚貝の現地調査結果、また、推定結果とともに後ほどまとめて御説明させていただきますが、まずは3ページ目にアサリの浮遊幼生調査のネットワークの推定の検討フローということで記しております。

 推定に当たりましては、流動モデルにより流況や水温・塩分の再現計算を行っており、また、浮遊幼生調査結果による殻長別個体数を用いまして産卵日を推定し、さらには浮遊幼生の分布とか着底稚貝の分布の調査結果を用いまして、モデルを用いましてアサリの産卵場、着底場を推定し、ネットワークの推定も行っているというところでございます。

 なお、最初に申しあげましたように、平成29年度までの取組ということでございます。今回は28年度までの結果に基づくものということでございまして、また、課題等につきましては、さらに来年度検証していく予定をしているところでございます。

 4ページから7ページ目までが先ほどのフローの補足説明ということで、参考までに付けさせていただいております。

 まず、4ページ目ですが、再現計算での現地調査結果との比較についての例を記しております。

 駆け足になりますが、5ページ目のほうになりますが、こちらは産卵日の推定ということでございます。生まれたばかりのアサリのD型幼生の出現個体数がピークとなる殻長から既往文献をもとに殻長の成長速度式というのをつくっております。ここから産卵日の推定を行っているということでございます。下のほうに参考までにということでつけさせていただいておりますが、今回の推定において産卵日と潮期との明確な関係はみられなかったということでございます。

 次に、6ページ目になります。

 6ページ目ですが、産卵場の推定ということでございます。これにつきましては、仮想粒子を有明海全域に100メートル間隔で並べまして、推定した産卵日から計算を行って産卵場を推定しているということでございます。

 なお、推定に当たっては、既往文献をもとにアサリの成長段階に応じた嗜好塩分を加味した推定を行っているということでございます。

 また、D型幼生の分布状況からモデル解析により推定した産卵場は、基本的には福岡県地先から有明海東岸域にわたりまして、現在の主要な漁場と概ね一致しているということでございました。ただし、本計算上の結果は、あくまでモデル上の計算ですので、必ずしも現在の漁場とは一致していない海域も中にはございます。これにつきましては、今後さらなる検証が必要であるというふうに考えております。

 次に、7ページ目になります。

 着底場の推定ということでございますが、推定した産卵日または産卵場を用いまして計算を行って、着底直前のフルグロウン期以降に浮遊幼生に着底条件を設けて推定を行っているということでございます。推定結果では、福岡県、熊本県、また、諫早湾の地先において着底場がみられているという結果が得られております。

 次に、8ページ目からが調査結果と考察ということで記しております。

 左側のほうに平成27年の秋の調査によるD型幼生の分布状況を記しております。また、右側にこの調査結果をもとにモデル解析により推定された産卵場を記しております。この推定結果では、福岡県地先から有明海東岸域にわたり産卵場がみられ、また、現在の主要な漁場と一致しているということでございました。また、28年の春、秋の調査につきましても、同様に調査結果の整理を行うとともに推定を行っております。これについては、資料のほうにはつけておりませんが、推定された産卵場は概ね27年秋季、この資料に記しているものと同様な結果となっておりました。

 次に、9ページ目でございます。

 これにつきましても、左側にアサリの着底場についてですが、27年の秋季調査による着底稚貝の分布状況を記しております。また、推定した産卵場、着底場からモデル解析により推定された着底場を右のほうに記しております。この推定結果によりますと、福岡県地先、また、熊本県の荒尾沖、白川・緑川沖や諫早湾内において着底場がみられております。これらの地点につきましては、左側の図でもみられるように、現地調査結果でも着底稚貝が確認されているということでございました。

 また、先ほどと同様に28年の春、また、秋の調査につきましても、調査結果の整理を行うとともに推定を行っておりますが、これにつきましても、概ね同様の結果が得られているということでございました。

 最後に10ページ目になります。

 10ページ目はアサリの浮遊幼生ネットワークの推定ということでございますが、整理に当たりましては、各県単位で事業などの取組が行われるということなども踏まえまして、今回の整理では、まずは各県ずつに1グループに分けていくということで、大くくりで整理をしております。ただ、長崎に関しましては、諫早湾と島原の2つに分け、合計で5つのグループということで一旦整理をさせていただきました。

 図5、左側の図をご覧いただきますと、これらのグループにおける浮遊幼生の供給関係を矢印で記しております。この図の見方といたしまして、例えばグループ1、赤色で囲っております。また、赤色のドットが中にあるかと思いますが、この赤色のドットは当該海域で産卵された浮遊幼生を示しているものでございます。他の海域に赤いドットもございます。これにつきましては、グループ1の福岡県地先から供給された浮遊幼生が着底しているということを示した図でございます。

 このように各々のグループ内で幼生供給がされていると。例えば福岡県地先におきましては、他の全てのグループに幼生を供給していると。同時に、熊本県地先、佐賀県地先から浮遊幼生が供給されているというような関係がみられておりました。佐賀県、熊本県、長崎県においても同様にグループごとに色分けさせていただいておりますが、これも先ほどの福岡県地先と同様に、互いに供給関係がみられているということが推定されております。

 なお、島原半島につきましては、他のグループへの供給関係はみられませんでしたが、全てのグループから幼生の供給を受けているという関係がみられました。

 このように有明海では広域的な浮遊幼生の供給関係があるということが推定されたところでございます。

 最後になりますが、今回の検討は3カ年のうちまだ2カ年ということでございます。今後さらにまた再現性の向上を図る予定としております。また、4県協調の取組におけるネットワークの推定、今後また有明海の再生に向けた取組に生かしていくということで、今回のネットワークの推定も行っております。ですので、ネットワークの推定自体が目的ということではなく、これをいかに事業の検討に使っていけるかということが肝かと考えておりますので、また各県、研究機関、また、漁業者様の御意見を伺いながらさらなる検討を進めていきたいと考えております。

 報告は以上でございます。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。4県協調の取組について御説明をいただきました。

 ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

○小松委員 小松ですが、1つ教えてください。

 4ページの左上の平均流の検証というのをされているんですが、この平均流というのはどういう定義なのか。というのは、平均というのは空間的・時間的なあれがあるので、ただ平均流という言われ方だと、どういう物理的意味を持っているのかよくわからないんですけれども。

○武元農地資源課課長補佐 平均流につきましては、計算上は当該時期の30日間の平均ということで予測をとって、それぞれ表層、底層でとって計算しているというものでございます。

○小松委員 そしたら、ここに載せているのは水深方向にも平均をとっているということですか。

○武元農地資源課課長補佐 鉛直方向。鉛直方向は、これは水平方向、ここに記しているのは水平方向の平均流ということです。

○小松委員 水平方向の平均流。時間的な平均は30日間というのはいいんですけれども、空間的な平均。

○武元農地資源課課長補佐 空間的には、まず、分析するに当たって一番細かいところで30メートルで、一番粗いところでは3キロなんですけれども、メッシュを切っております。それが水平方向に切っております。鉛直方向は、たしか16に鉛直方向を分割して分析しております。

○小松委員 いやいや、それで、この平均流というのは、時間的な平均はわかったんだけれども、空間的な意味の平均も入っているんでしょう。入っていなければ、では、このベクトルはどこのベクトルなのかと。

○武元農地資源課課長補佐 そういう意味では、空間的な意味は入っております。

○小松委員 いや、それで、その空間的な意味というのは水深方向、全層平均ですか。

○武元農地資源課課長補佐 ここの表層、底層ということを記した図ということですかね。ちょっとすみません、そこは確認させて、また御報告させていただければと思います。

○岡田委員長 では、これは後で確認してください。

 ほかにございますでしょうか。

 特段よろしいですか。

 それでは、今、小松先生から御指摘にあった点は御確認いただくということを前提として、本件につきまして委員会報告の5章にケーススタディの一つとして追加記載するということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、了解が得られましたので、後ほど議題2のところでケーススタディについてどういうふうに追加するかという御説明を事務局からお願いしたいと思います。

 それでは、次の議題2に移りたいと思います。議題2、委員会報告案でございますが、分量が多いものですから、1章から3章までと4章、5章、この3つに分けて進めたいと思います。

 では、まず、1章から3章まで簡潔にというふうにせざるを得ないと思いますが、事務局、よろしくお願いいたします。

○根木閉鎖性海域対策室長 承知いたしました。

 まず、資料3をご覧ください。

 横の表で前回、39回の評価委員会におけるいただいた御意見、そして、その対応案が記載しております。この表で説明するというよりも、後ほどの資料の中で修正点を説明できればと思っております。

 続きまして、資料4をお開きください。

 資料4がまずは評価委員会報告案の表紙になっております。

 おめくりいただきますと、目次でございます。この目次の構成は前回お示ししたものと変化ございません。1章が評価委員会について、2章が有明海・八代海等の概要、3章が環境等の変化ということで、1から9まで並んでおります。まずは1番、2番辺りは海に負荷されるものから始まりまして、その次は結果として水環境で起こっていることというものでありまして、そして、生物ということで1から9まで並んでおります。4章は問題点とその原因・要因の考察、5章が再生への取組ということでございます。

 それでは、おめくりいただいて、1章をお開きください。

 1章は本日初めて御用意いたしました。まずは委員会の経緯ということでございます。概略を申しあげますと、2002年に法律が施行されたと。その下辺りでは、評価委員会で2006年、報告書取りまとめたと。その次の段落では、2011年に改正法が施行されたということもあります。そして、評価委員会が評価を再開したということであります。評価委員会は委員長と20名の委員により構成されているということで、別表で後ろにつけております。その後、2016年度末を目途に評価委員会報告を取りまとめることとしたとあります。

 その次に、小委員会の設置ということで、生物等の作業小委員会、そして、次のページにいきますと、海域再生の作業小委員会について記載しております。

 3番で開催状況について記載をしております。別でとじられている、クリップでとじられているものの最後に別表をつけております。最後の数枚になるんですが、別表1が評価委員会の委員名簿、別表2は作業小委員会の委員名簿、別表3も海域再生の小委員会の委員名簿と。別表4からが開催状況ということでつけて……

○早水大臣官房審議官 2冊目の最後です。

○根木閉鎖性海域対策室長 そうですね。もう一つの2冊目の最後ということでございます。

 お戻りいただきまして、次に2章でございます。2章、2-1ページであります。有明海・八代海等の概要であります。こちらについて、昨年12月に説明をしたものから一部用語等の修正をしておりますが、内容の修正はございません。海域の特徴がありまして、2-4ページからが海域の背景となっております。中身の説明は時間の都合上割愛をさせていただきます。

 次に、3章ですね。ページでいうと、3-1-1をご覧ください。

 3章が有明海・八代海等の環境等の変化ということになっております。こちらも恐縮ですが、時間の都合上、主な変更点を説明させていただきます。

 1番が汚濁負荷でございます。

 3-1-5ページをお開きください。

 グラフがございまして、有明海への流入負荷量の経年変化でございます。こちらのグラフの下に文字は小さいですが、注を付しております。この注の4行目の途中までは前回もあったものであります。例えば1998年以降の本明川の項目に諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門からの負荷量を記載しているということで、ここまでは前回あったものでありますが、その後に「1998年度以降は他の河川からの流入負荷量と算定方法が異なるため、単純に比較できないことに留意する必要がある」とのフレーズを追加することでいかがかということでございます。

 次に、3-1-11ページをお開きください。

 構成について、この汚濁負荷のところでグラフなどを用いて説明がある後に、「まとめ」ということで入れているということでございます。この中身については、前回説明したものと変更ございません。そして、その後については、汚濁負荷の後の2番が河川からの土砂流入、3番が潮汐・潮流、4番、水質、5番、底質、そして、6番、貧酸素水塊とありますが、ここは主な変更点はなく、言葉の統一ですとか表現ぶりの精査を行ったということであります。いわゆる内容に係る修正はございませんので、説明は割愛させていただいて、少し飛びまして、3-7-1ページをあけていただければと思います。

 7番で藻場・干潟等ということであります。初めの冒頭の説明文で、「藻場・干潟は水質浄化や生物多様性の維持」の後に、この生物多様性の維持は少し漠然としておりましたので、前回の御指摘も踏まえて、多様な生物種の保全、産卵場や成育場の提供ということの記載を追加しております。ここは以上であります。

 次に、3-8-1ページをお開きください。赤潮でございます。

 この1ページの(1)の中ほどのところで、一番上の固まりの一番下の段落で「なお」というところがありますが、ここで、「近年は着色を伴わないものであっても」と、この近年という言葉が曖昧ではないかという御指摘をいただきました。それで、「1998年~2000年以降は」と具体的に記載をしたと。この点については、ほかの部分も同様に精査するようにと御指示いただきましたので、そのような作業を行っております。

 これに加えて、この同じ文章でございますが、「着色を伴わないものであっても被害に応じて赤潮発生として扱われるため、留意する必要がある」と記載がございましたが、何に留意するかどうもはっきりしないという御指摘をいただいておりました。そのため、この下から3行目ぐらいからですけれども、「過去と比較する場合、同じ微細藻類の出現状況であっても発生件数が多く計上されている可能性があることに留意する必要がある」と記載を追加しております。

 その下の八代海の記載の一番下の行でありますが、ここも同様に何に留意するかというところが抜けておりましたので、「負荷量の増加と赤潮発生件数との関連性について留意が必要である」と追記をしております。赤潮関係の主な修正は以上であります。

 3-9-4ページ、今度は生物になります。こちらをお開きいただければと思います。

 3-9-4ページの一番下の段落の1行目「また」というところで、もともと前回の資料では有明海北西部となっておったのですが、次の3-9-6ページのデータなどを見ても、必ずしも西部ではないんじゃないかということで、用語をこの報告書の中できちっとわかりやすくするようにということで、有明海の湾奥部というふうに用語を修正しております。

 次に、3-9-17ページをお開きください。

 八代海の漁業・養殖業生産量の推移ということで、グラフは前回のものと一緒でございます。前回の資料が精査したところ、グラフと文章が若干合っていなかったところがあったということで、文章のほうをグラフに合わせて修正しております。

 以上でございまして、構成をいま一度申しあげますと、1から9がありまして、1から9のそれぞれの後にまとめを付していると。その後に、3-参考-1ということで、3の9の生物の資料の後にまとめということで再掲をしています。まとめだけご覧になりたい方もいるだろうということで、各節につけたまとめと中身は同じでございますが、ここで1から9までまとめの部分を固めて再掲をしているということであります。

 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。ただいま1章から3章までの案について修正点を中心に事務局から御説明がございました。何か御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

 これからパブコメにかけるということですので、非常に細かいことでも結構でございます。御遠慮なく御指摘いただければ、事務局としても多分ありがたいと思いますので。

 特段よろしいですか。今までもずっと御議論いただいたところでございますので、では、とりあえず進ませていただきたいと思います。お気づきの点がございましたら、また後ほど御意見を承りたいと思います。

 それでは、次が4章になりますね。では、4章を事務局から御説明をお願いいたします。

○根木閉鎖性海域対策室長 承知いたしました。資料4、ページでいきますと、4-1-1をお開きください。

 4章は問題点とその原因・要因の考察でございます。

 まず、この資料の説明もかなり大部になりますので、概略と、あと変更点ということで説明を進めたいと思います。

 まず、1の(1)で基本的な考え方でございますが、有明海・八代海等が抱える諸問題の原因・要因を可能な限り的確に把握した上で、多様な主体が両海域の再生に取り組むことが望ましいと基本的考え方を述べております。また、(1)の一番下の辺りを見ていただくと、基本として1970年頃から現在までの有明海、八代海等の変化及びその原因・要因を検討の対象とすると記載されております。

 次に、(2)で海域全体に係る再生目標(全体目標)でございますが、有明海・八代海等の特別措置法の規定を踏まえまして、下にあります2つの全体目標を掲げるということであります。1つ目が希有な生態系、生物多様性及び水質浄化機能の保全・回復、2つ目が二枚貝等の生息環境の保全・回復と持続的な水産資源の確保でございます。

 ページをおめくりください。4-2-1ページをお開きください。

 海域区分でございますが、まず、その意義について、有明海・八代海等はさまざまな環境特性を持っていると。問題点と原因・要因は海域毎に異なるものと考えられるということでございます。この観点から、具体的なやり方の説明は割愛させていただきますが、有明海を7つ、八代海を5つに区分することで、具体的には次のページの図のとおりでございます。

 そして、少しページをおめくりいただきまして、4-3-1ページをお開きください。

 4-3-1ページ、問題点とその原因・要因との関連という節でありますが、再生目標(全体目標)を踏まえて、今回の検討ではベントスの変化、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化の4項目を取り上げることとしたということであります。

 その次の段落にいきますと、問題点及び問題点に関連する可能性が指摘されている原因・要因を次のページの図として取りまとめたということであります。

 ページをおめくりいただきますと、左側のページが有明海、右側のページが八代海と。問題点とその原因・要因の整理をした、いわゆる連関図ということでありまして、前回、用語が本文と合っていないところなどが少し見受けられると御指摘いただきましたので、用語の精査などを行っております。

 次に、4-4-1ページをお開きください。

 1枚ページをおめくりいただきますと、この問題点とその原因・要因の考察の構成について個別海域毎に考察した部分、二枚貝やベントスについては基本的に個別海域毎に考察したと。あとはノリの話ですとか魚の話、また、二枚貝やベントスでも海域全体に係るような話については海域全体でまとめて行ったということで、その整理、考え方は下の図のほうにも記載をしております。

 それで、この次のページからが海域毎の具体的な中身に入っていきますが、時間の都合がありますので、まとめのページに、これはクリップでいきますと、もう一つのクリップのほうにも飛ぶことになりますが、4-5、この4章のまとめのページをお開きいただければと思います。

 「5.まとめ」ということで、ページでいくと4-5-1ページでございます。

 この基本的な考え方と再生目標については、今説明した辺りがまとめて記載をされているということであります。この4-5-1ページの一番下の行の後半、「また」というところを1行追加しています。「また、問題点及び問題点に関連する可能性が指摘されている原因・要因を有明海と八代海のそれぞれについて図でも整理した」と。前回の評価委員会でこの連関図が重要ではないかと御指摘いただきましたので、このまとめの中にも連関図のことを記載したということであります。

 その後に両者の構成について先ほど説明した内容を記載しておりますが、この4-5-2ページの下の辺りで、下から6行目ぐらいで、前回本文には記載していたのですが、まとめに記載ができていなかったことについて、橘湾と牛深町の周辺の海域についてですけれども、これについては「隣接する有明海又は八代海で発生した赤潮が流入して養殖魚に被害が生じることが問題となっているため、それぞれ有明海全体又は八代海全体の中で整理した」との記載をまとめにも追記をしております。

 また、その一番下の3行でありますが、「海域の物理環境等の現状と変化については、問題点の間接的な要因になっているものもあるため、3章「有明海・八代海等の環境等の変化」で述べた内容を踏まえて以下の表に記載している」と。前回の評価委員会で御示唆いただきましたのが、例えば次の表の4-5-3ページから次のページ辺り、4-5-4ページを見ていただくとよろしいかもしれませんが、問題点の原因・要因の考察、物理環境等の現状・変化ということで、この物理環境のところの扱いを分けることが考えられるんじゃないかと御示唆もいただいたところでありますが、先ほどの文章に戻っていただくと、この物理環境の話も問題点の間接的な要因になっているものもあるということで、分けずに同じ表の中で整理させていただくのでいかがかと。また、そのことを明確にするため、今申しあげた一文を追加することではいかがかということでございます。

 次に、4-5-3ページでA1海域の表でございます。前回も説明いたしましたが、全体構成の概略を説明いたしますと、A1海域の表の上のところでこの海域の水環境の概況をわかるように文章をつけております。また、A1海域というものがわかるように図で、赤い点線で囲ったところですけれども、図のほうもつけているということであります。そして、その下の表が問題点の確認ということであります。個別海域のところで、有用二枚貝とベントスについてその問題点があるかないかというところも含めて記載を整理しているということであります。

 1点、修正点をここで申しあげますと、この問題点の確認の一番上のタイラギのポツでありますが、前回この中に入っていたのが「大型の個体が多く生息しているが」という記載だったのですけれども、漠然としていて、多く生息しているという辺りも比較ができないと御指摘をいただきました。これを踏まえて修文しましたのが「隣接するA2及びA3海域と比べて大型個体の割合が高く生息している」と、なるべく明確化する修正を行っています。これは御指摘いただいた部分の一例でありますが、ほかの部分についても同様の修正を行っております。

 ページをおめくりいただきまして、4-5-4ページからが問題点の原因・要因の考察、物理環境等の現状・変化ということで記載をしております。表全体にポイントと思われるところにはアンダーラインも付しているという内容でございます。

 さらに、おめくりいただきますと、4-5-6ページでございますが、このまとめの表のさらにエッセンスをまとめまして、総括を入れております。総括は、一番上の段落には、その水環境の概要をエッセンスとしてごく短く記載してあると。あとは問題点の部分、そして、その原因・要因の部分、問題点の有り無しも含めて記載をしているということであります。

 今の総括の中で、一番下のほうというか、ベントスの記載があります。こちらを修正しておりますので、説明をいたしますが、まずはベントスの中の2行目であります。1970年頃と現在の変化は不明であるというその次ですね。近年約10年のデータしか得られなかったためと、これも曖昧ではないかと御指摘をいただきましたので、2005年から2015年と修正をいたしました。その続きでもう一点ですが、問題点の明確な特定には至らなかったと。近年10年のデータしかないので、問題があるかないかということが特定できなかったということでありますが、ここで終わっていると、問題なしという印象を与えるのではないかと御指摘をいただきましたので、その後に「問題点の明確な特定には至らなかったが、日和見的で短命な有機汚濁耐性種の増減により、総個体数が前年の10倍以上になる年がある等の変動がみられたため、今後も注視する必要がある」ということで、この報告書の中で書いてあることをしっかりと正確に要約するということで修文をしております。

 次に、A2海域からは変更点の説明をさせていただければと思います。ページ飛びまして、4-5-11ページをお開きください。

 こちらはA3海域になりますが、この表の中のタイラギでございますが、もともとの文章は一番上のポツが本海域では成貝の大量成育が認められると。この大量成育という辺りも定性的ではないか、曖昧ではないかと御指摘をいただきました。それで修正をいたしましたのが「1980年代の豊漁期に近い密度で成貝の成育が認められ」と修正をしています。このような修正を先ほど申しあげましたが、ほかのパートについても行っているということでございます。

 次に、ページかなり飛びますが、4-5-29ページをお開きください。

 ここは有明海全体に係る問題点と原因・要因の考察の中身でございます。この中に、全体の中で魚の話が出てまいります。4-5-29ページの上の魚類等の中で、問題点の下の枠の見出しでございますが、もともとは魚類等の再生産機能という言葉が入っておりましたが、これは中身をあまり適切に表していないのではないかということで、初期減耗・生態系構造の変化という用語に修正をしております。また、今のところの中身の原因・要因のところで、1ポツ目の1行目を追加しております。「有明海の魚類の中には、産卵場から成育場まで有明海内において広域に輸送される複数の種がいる」と。もともとのここに入ったものが、湾奥部のところを少し中心に拾ってしまっておりまして、実際にこの記載は有明海全体に係るような記載があったところですが、その辺がうまく表現できていないところもありましたので、1つポイントと思われる今申しあげた文章を追加してはいかがかということでございます。

 八代海についてもこの後、表が続いておりますが、主な修正点という意味ではございませんので、説明は以上とさせていただきます。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局から4章の案ということで御説明いただきました。御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。

 どうぞ。

○清野委員 九州大学の清野です。

 大量の取りまとめ、ありがとうございます。最後のほうにお話しいただきました今後のまとめに関わるところなんですけれども、生物多様性だとか希少種の話、それから、そのハビタットの再生のことが随所に入れていただいております。それについての具体的な進め方がなかなか見えないというのがございます。この希少種、生物多様性に限らず、環境省の中で海域関係で持っておられる政策の中でも、ラムサール条約による湿地の保全だとか地域の参加によるさまざまな順応的管理や海域環境だけでも政策的な取組は近年進んでいると思います。その辺りの導入の予定あるいは関連する環境省さんに限らず、以前より海域の環境について事業とか政策カードとか、あるいは法制度の見直しも出てきていると思いますが、その辺り、いかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 御指摘ありがとうございます。

 まず、本日の案につきまして、例えば今の4-5-29ページの総括の一番上の段落辺りかと思いますが、ムツゴロウ、ヤマノカミ、センベイアワモチ等の希少な生物が数多く存在し、これらの中には絶滅危惧種もみられるということで、今回生物多様性や希少種という観点についても、前回の報告書に比べてかなり盛り込まれているところでございます。なかなかデータが必ずしもすぐ入手できるわけでないというところもありましたが、なるべく盛り込む努力をいたしました。

 あとは今回のまとめ方に係るところでございますが、少し冒頭説明したところに戻らせていただきますと、4-3-1というところがございまして、少し1つ目のパラに戻っていただいて、問題点とその原因・要因の関連というところであります。この3行目のところで、今回の検討ではベントスの変化、有用二枚貝の減少、ノリ養殖の問題、魚類等の変化、今回の検討ではこの4項目を取り上げて、これについて問題点の確認、原因・要因の考察を行ったということがありまして、そこが今回の報告の取りまとめでは、そのような方向でいかがでしょうかということがございます。

 あと、もう一点追加で説明をさせていただきます。少し次の5章のところの説明に入ってしまうんですけれども、やはり生物の多様性ですとか生態系に係る知見の不足しているところがあると認識しております。この辺り、また後ほど具体的に説明をいたしますが、5章のところで今後の研究開発の課題ということで、生物の生態系の話など重要ではないかと力を入れて記載しているということでございます。

○清野委員 ありがとうございました。また5章を伺ってからと思いますが、5章に入る前のまとめの段階で、ぜひこの機会にラムサール湿地が荒尾干潟とか、そういった佐賀とか、本当に各県がその地域で湿地を守っていくという姿勢を表明されたと思いますし、鳥類など高次生態系との連携といいますか、そういうものも進んできたと思います。ですから、そういった状況につきまして、まとめの中で社会的な動向でも結構でございますので、それを入れていただけたらと思います。それを前提としないと社会的な取組と、あと、順応的管理というデータをどういうふうにフィードバックしていくかという枠組みの話につながらないので、ぜひ1ページでも結構でございますので、お願いいたします。ありがとうございました。

○根木閉鎖性海域対策室長 御指摘を踏まえて検討させていただきます。

○岡田委員長 重要な御指摘だと思いますので、必要に応じて清野委員とも相談しながら、加筆修正していただければと思います。間に合うかどうかは別にしても、最終版には必ず、そういうことでよろしいですね。

○清野委員 そうです。

○岡田委員長 パブコメに間に合うまでにできるかどうか若干心配なところもありますので、その辺は御容赦ください。

○清野委員 ただ、パブコメをかけたときに近年のやっぱり大きい進展としては、そういうところがございますので、特に地域としてラムサール条約の登録というのは本当に多くの方が行政も含めて関わっておられますので、記述がないと逆に奇異な感じがしますので、簡単で結構ですので、よろしくお願いします。

○根木閉鎖性海域対策室長 努力をいたします。

○岡田委員長 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 どうぞ、先生。

○小松委員 小さなことかもしれないんですが、あちこちに何々年のデータから全1地点の変化という表現、この全1地点という意味が私はよくわからないんだけれども、いかがですか。

○根木閉鎖性海域対策室長 その対象の中で全ての地点が合計で1地点という意味でありまして、ちょっとわかりにくいかなと今御指摘いただいて思いましたので、1地点と単純に書くか用語を検討したいと思います。

○岡田委員長 どうしましょう、先生。「全」をとりましょうか。でも、余計何か変な感じ。

○小松委員 いや、全1地点という表現が私はあまりなじみがないんです。

○岡田委員長 いや、おっしゃるとおりで、事務局も多分、先生の御指摘は理解されていると思いますので、少し御検討いただけますか。ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 今既に4章、それから、当然のことながら5章が重要なことになりまして、清野先生のほうから5章に関わるところの御意見もいただいていますので、ちょっと5章のほうに進めてから、もう一度御意見をいただいたほうがよろしいかと思います。ただ、今いただいた御意見で修正がどこまでできるか、これは事務局で御検討いただければというふうに思います。

 では、5章の御説明をお願いいたします。

○根木閉鎖性海域対策室長 それでは、5章、再生への取組、ページでいきますと、5-1ページをお開きください。

 こちらも前回説明しておりますので、概略と変更点を中心に説明をできればと思います。

 まず、5-1ページ、1番が再生方策の設定と本章の構成であります。前章、4章では再生目標(全体目標)を設定したと。そして、その生物に係る4項目の問題点の確認とその原因・要因の考察を行ったと記載がございます。その整理に当たっては、1970年頃から現在までの変化やその原因・要因を基本としているということであります。この辺りは、変更はございません。

 次の段落でございますが、本章では、前章までの問題点と原因・要因の評価を踏まえて、個別海域毎に目指すべき再生目標を定め、それを達成するための再生方策を示すと。加えて、ノリ養殖の問題や魚類等の変化等の海域全体で捉えるべき問題の原因・要因の考察、これを踏まえまして、海域全体に係る再生方策(全体方策)を示すとしております。「なお」ということで、ベントスや有用二枚貝に係る方策については、考慮すべき空間スケールに応じて海域区分毎、海域全体の両方で整理したということであります。この辺りも主な内容の変更はございません。

 それで、一番下の段落については、今後の課題としてモニタリングの継続的な実施等によるデータの蓄積及び調査・研究開発に係る必要な事項を示すとしております。

 おめくりいただきますと、5-2ページ、上の段で全体の構成、目標と方策の関係の構成を図示しておりますし、下の段では、海域区分の図をここにも再掲しているということであります。

 5-3ページをご覧ください。

 再生に向けた方策等の考え方でございます。この中では、例えば真ん中ほど、3段落目に順応的な方法により総合的に諸施策を進めていく必要があるとの考え方が記載されております。

 また、その次の段落には、各海域の実情に応じた対策を海域区分毎に検討する必要があるとの記載がございます。

 そして、最後の段落には、自然環境や生態系のメカニズムを理解した上で、工学的な対策や生態的機能等を活用した環境改善手法について検討する必要があると記載がされております。このような基本的な考え方をこのページで整理しているということであります。

 次に、おめくりいただきまして、5-4ページでございます。

 まずは1番としまして、有明海・八代海等の全体に係る再生目標(全体目標)について4章でも記載をしましたが、わかりやすさの観点からここで再掲をしているということであります。そして、当面の目標とする時期は概ね10年後とするとの記載でございます。この目標の中身については、4章で記載してあるものと同じでございます。

 次に、5-4のやや下側から2番、個別海域毎の再生目標と再生方策に入ってまいります。

 構成について簡単に説明をいたしますと、まず、A1海域ということで記載がございます。海域の概況、問題点の有無、問題点がある場合は、その原因・要因について簡潔に文章で記載しています。これは先ほどの4章のまとめの表の総括のところの記載を基本的にここに引っ張ってきていると、このような構成になっております。

 そして、その次に5-5ページに入りますが、問題点がある場合は、この問題点をひっくり返すような形で再生目標を設定していると。ここでは、A1海域については、サルボウの夏期の貧酸素水塊によるへい死を引き起こさないようにすると。アサリの資源回復を図る。なお、アサリの資源回復に当たっては、ノリの安定的な養殖生産との共生を図ると、このように目標を設定しているということであります。これを踏まえて、再生方策を設定しているということであります。

 まず、サルボウのための対策としまして、夏期の貧酸素水塊を軽減させるため、効果を見極めつつ、以下のような対策を進めると。箇条書きで5つ記載をしております。この中身についての説明は割愛をいたします。アサリについては、資源回復を進めるため、以下の対策を進めるということで、箇条書きであります。

 それで、アサリとタイラギ、両方に絡むんですか、前回の評価委員会で山田委員から作澪というものを文言として、方策として入れるべきではないかと御示唆いただきました。前回御示唆いただいたのは、このタイラギの中の3つ目の流況改善のところだったかと思いますが、作澪という意味では、その下のアサリのところの2つ目にありますが、泥化対策等の底質改善を実施するという中で、覆砂、海底耕耘、浚渫などとなっておりましたが、こちらの並びに入れることが適当かなということで、ここに作澪という言葉を追加することでいかがかということでございます。

 次に、おめくりをいただきまして、アサリの関係でもう一つポツがございます。「浮遊幼生や着底稚貝の量が低位で推移していると類推される中、資源管理方法を早急に確立し」ということでございますが、文言を修正しております。もともとは「類推される中、」の後に「確実な資源回復につなげるため」という文言が入っておりましたが、今申しあげたワンフレーズは削除しまして、「上記のような取組とともに、資源の回復期における」という文言を逆に追加しております。「確実な」というのが少し定性的な言葉であったということと、あとは、本当に資源が低位でずっと推移している場合には、資源管理というのはなかなか難しくて、例えば近年で言うとアサリのようなことかもしれませんが、資源が低位で推移している中、ぱっと増えたときに、そこでそれを取り尽くしてしまってはというようなところがあると思いますので、「資源の回復期における」という言葉を追加してはいかがかということでございます。

 次に、A2海域でございます。

 まず、海域の概略や問題点の記載など、そして、再生目標がございます。再生の方策としては、ベントス群集の変化・変動要因の解析調査を行うなど記載しておりますし、タイラギの資源回復を図るということも記載しています。その中身としましては、広域的な母貝集団のネットワークの形成を図るですとか、資源管理方法を早急に確立するということ、そして、A2海域については、立ち枯れへい死の原因・要因の解明を進めるということ、そして、その泥化対策等の底質改善を実施するということを入れております。A2海域については、前回からの内容の変更はございません。

 A3海域が次にございますが、再生方策については、5-7ページの下ほどからあります。ベントスについてはA2海域と同様の記載になっておりますし、タイラギの資源回復を図るためということで幾つか方策が5-7ページからありますが、この辺りはA2海域と同様の対策が記載をされているということでございます。

 そして、おめくりいただきまして、5-8ページでタイラギとサルボウの対策として貧酸素水塊の軽減を図ると。こちらはA2海域とはまた違うことが記載されていると。この貧酸素水塊の軽減の箇条書きの中身については、A1海域と同様の記載になっているということでございます。

 A4海域については、再生方策としましては、5-9ページになりますが、ベントスの変動要因の解析調査に加えて、タイラギ及びアサリの資源回復を図るということで対策が記載されています。タイラギの記載については、近接しているA2海域と同様の記載になっておりますし、アサリについてはA1海域と同様の記載になっておるということでございます。

 次に、A5海域でございますが、こちらについては一番下の行にありますが、本海域に特有の問題はみられないが、水環境や生物のモニタリングを実施し、継続的に評価することが必要であるということであります。そして、これはあくまで有用二枚貝とベントスについての話でありまして、海域共通の魚類なども含めた方策については、後で全体方策として記載し、その中にはA5海域も含まれているということでございます。

 次に、A6海域でありますが、この1行目で前回御示唆いただきましたのは諫早湾ということを書いたほうがいいということで、御指摘を踏まえて諫早湾という言葉を追加しております。

 おめくりいただきまして、5-10ページであります。

 この5-10ページの概略の説明の一番下の段落にベントスについてございます。このベントスの部分で、前回御指摘をいただきました。これは先ほど4章のA1海域のところで御説明した話と同様の話でございますが、前回までの文章は2005年から2015年というところがはっきり書いていなかったということと、「問題点の明確な特定には至らなかった」で文章を終えていたと。ここについて「日和見的で短命な有機汚濁耐性種の増減により、総個体数が前年の10倍以上になる年がみられたため、今後も注視する必要がある」と全体をしっかり要約する形に修正しております。

 次に、再生方策についてはA6海域、アサリの資源回復、これは、記載の内容はA4海域と同様でございます。そして、このA6海域は貧酸素水塊の話がありますので、その下の丸ですけれども、魚類資源の回復等の観点から、貧酸素水塊の軽減を図るということで記載しています。この魚の話は、基本的には後ろに出てくる全体方策の中で記載しておりますが、ここで入念的に後ろに書いてありますよということを記載しているということでございます。

 次に、A7海域については5-11ページに入りますが、本海域に特有の問題はみられないが、継続的に評価することが必要であるということでございます。

 次に、八代海でございます。これはY1からY5までございます。

 Y1海域については、再生方策としてはアサリの資源回復を図るため、以下の対策を進めるということであります。対策の中身はA1海域などと同様でございます。

 次のページが5-12ページ、Y2海域、こちらも再生目標としてはアサリの資源回復を図るということで再生方策を記載しております。

 Y3海域からは5-13ページに入りますが、再生目標としては持続的な魚介類養殖を確保するということで、その各方策が再生方策として箇条書きされております。そして、Y4海域、Y5海域、橘湾、牛深町周辺と続きますが、こちらについては同様に持続的な魚介類養殖を確保するということで再生方策も記載されているということでございます。

 少し飛びまして、5-15ページをお開きください。

 有明海・八代海等の海域全体に係る再生方策(全体方策)でございます。こちらについても、有明海・八代海等の全体に係る問題点及びその原因・要因の概要ということで、5-15ページからその概要、そして、問題点、その原因・要因といったところについて少し分量は多くなっておりますが、5-16ページの下にかけて記載をしているということであります。これを踏まえて、5-16ページの下側から海域全体に係る再生方策を記載しておりまして、具体的には5-17ページからになります。

 この再生方策は大きく2つに分かれまして、1つ目が生物・水産資源に係る方策と。生物の4項目に係る方策をア)、イ)、ウ)、エ)ということでまとめております。ア)としてベントスに係る方策、イ)としては有用二枚貝に係る方策ということでございます。有用二枚貝に係る方策のところで、12月にお示しした資料が個別海域のところにも載っている方策をこちらにも載せているというところがありまして、そこを幾つか削除しております。これは中身としてなくなったというよりも、そのような整理ではいかがかということでありまして、例えばこのイ)の一番下のところにも「上記のほか、個別海域毎に有用二枚貝に係る再生方策を示した」ということで記載しております。例えばタイラギの母貝集団のネットワークなどの話がここに前回入っておったのですが、整理としてそのようにしてはいかがかということでございます。

 それで、その下にウ)としてノリ養殖に係る方策がありまして、ページをおめくりいただくと、エ)として魚類等に係る方策ということで記載がございます。

 その5-18ページの下のところから2つ目の話としまして、ベースとなるような生物の生息環境の確保ということで方策を記載しております。この1行目が有明海・八代海等の固有種を含むと記載しております。前回の委員会で固有種の話をしっかりこの5章で重要性を盛り込んだほうがいいと御指摘をいただきまして、そこを踏まえて今申しあげた文言「固有種を含む」のところを追加しております。

 また、1つ目のポツでは、ここでも例えば底質の改善の中に作澪の言葉を追加しているということでございます。

 そして、5-19ページに入りますと、取組の実施に当たっての留意点がございます。(1)が「順応的な方法」による取組の推進ということでございます。前回の評価委員会でお示しした文章が、この中ほどからいきますと、科学的な知見の蓄積及び分析をしていくことが重要であると、分析を進めていくことが重要であるということで、あまり順応的な方法ということの正確な説明になっていないのではないかと御指摘をいただきまして。これを踏まえまして、「科学的な知見の蓄積及び分析を行った上で、その結果に基づいて対応していくことが重要である」と加筆をしております。

 そして、(2)が関係者による連携の強化、(3)が情報の発信・共有及び普及・啓発の充実ということであります。

 その下に5番目、継続的な評価ということについては、前回お示ししたものと同様でございます。

 そして、5-20ページ、次のページでございますが、今後の調査・研究開発の課題でございます。

 まず、この上から4行目のところでありますが、「関係者は、必要に応じて新技術も活用し」という、この「必要に応じて新技術も活用し」というのは前回新技術の話は重要ではないかと御指摘をいただきましたので、ここに追加をしてはどうかということでございます。また、前文のパラグラフの一番下のところでありますが、「その際には」ということで最後に一文入っておりますが、「人口減少等の社会的背景についても留意しつつ、調査等を実施していくことが必要である」と。2章のところで将来的な流域の人口推計は減少していくのではないかというデータを載せておりますが、このことで、この観点は重要ではないかと御示唆をいただきました。これを踏まえて、この一文を追加してはいかがかということであります。

 そして、次が(1)でデータの蓄積ということであります。この中身については前回お示ししたものと変更はございません。

 そして、(2)が研究・開発でございます。5-21ページに入っていただきまして、特に以下の項目、①から④の項目について研究・開発を進める必要があるということでございます。①が生物・生態系に関する研究・開発ということで、先ほど少し申しあげました生態系の話を知見が不足しているのではないかと御指摘がありましたので、ここでかなり記載をしているということでございます。

 このポツの2つ目でありますが、生物の生息環境と物理環境との関連性の解明ということでありますが、前回お示ししたものは、もう少し文章が長くて関連性に関する評価手法の開発の解明ということになっておりましたが、評価手法の開発という文言を削ってはいかがかと。これはそのことが不要ということではなくて、もう少し広く読めるようにしたほうがいいのではないかという趣旨でございます。前回の評価委員会で、例えばベントスなど過去に遡って推移を追っていくといった辺り、重要ではないかという御示唆もいただきましたので、そんな辺りも読めるように少し広く記載ぶりにしてはいかがかということで、記載を短くする案でございます。

 次に、②でありますが、水産資源に関する研究・開発であります。この一番上のポツですけれども、括弧書きのタイラギの立ち枯れへい死を含むと。もともと減耗要因の解明ということであったのですが、このタイラギの立ち枯れへい死の話は重要なので、こちらのパートでもはっきり明記したほうがいいという御示唆をいただきまして、これを踏まえて追記してはいかがかという案であります。

 ③が物質の動態に関する研究であります。こちらの1つ目のポツが前回お示しした文章は、「筑後川等の河川からの流入物質の移流拡散・堆積過程の解明」でございます。こちらについて前回の評価委員会で御示唆いただいたのは、諫早湾の調整池からの排水の影響についてもここでしっかり読めるようにすべきだという御示唆をいただきました。この御意見を踏まえて、河川という文言を流域という文言にすることによって、より明確にその調整池からの排水の観点を含めて広く読めるように、より明確にするために文言を修正してはいかがかということでございます。

 次に、④でございますが、水質汚濁、赤潮、貧酸素水塊、底質等に関する研究・開発ということで、こちらについて修正はございません。

 以上が再生方策の本編でございます。

 次に、おめくりいただきますと、参考としましてケーススタディがあります。最初の議題でアサリの浮遊幼生のネットワークの話があり、こちらを踏まえて加筆をしているものがありますので、簡単に説明をいたします。

 まず、冒頭のページでございますが、ケーススタディの位置づけについて概略の説明をいたしますが、幾つかの再生方策において、その妥当性や効果を検証するためにモデル計算などを用いた検討を行うと。ケーススタディの位置づけはそういうものですということであります。「なお」ということで、本報告におけるケーススタディは上述の目的のために行うものですということも記載しております。そして、もともと1)、2)がありますが、前回お示ししたものは2)の二枚貝、タイラギの浮遊幼生の供給ネットワークの試算ということだったのですが、アサリについても本日冒頭御議論いただきましたことを踏まえてここに追加してはいかがかということでございます。そして、ケーススタディについては、再生方策の検討に当たり有益かつ示唆に富む結果が得られていると考えられることから、以下に紹介するということで、その位置づけを説明しております。

 前回説明したところは割愛をさせていただきまして、今回の追加部分の概略を紹介させていただきますと、5-参考-3ページ、ページをおめくりいただきまして、この真ん中辺りに二枚貝の浮遊幼生の供給ネットワークの試算のイ)としましてアサリと記載しております。これは先ほどの御議論いただいたものでありますが、4章において浮遊幼生発生量の低下による再生産機構の低下状況が示されたという辺り、そして、中ほどになりますが、「アサリの再生のため、この対策の一つとして、母貝の生息地を確保し、浮遊幼生の供給量を増やすことが重要であると考えられる」と記載しております。

 次の段落でありますが、どのようなエリアを浮遊するかについて把握できれば、有明海を全体として捉えて、その母貝生息地について広い地域を具体的候補の選択肢とすることが可能となると。2015年度から福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の4県と農林水産省が協調して、その二枚貝類の浮遊幼生・着底稚貝の調査を実施して、この結果をもとにモデル解析によるアサリ浮遊幼生の産卵場・着底場の推定が行われていると、その趣旨を記載しております。

 試算結果としましては、「福岡県地先から有明海東岸域にわたりアサリの産卵場がみられ、現在の主要なアサリ漁場と概ね一致した。また、福岡県地先、熊本県荒尾沖、白川・緑川沖が諫早湾内において着底場がみられた。有明海では広域的にアサリ浮遊幼生が供給される関係にあることが推定された」と記載しております。

 そして、その具体的な試算内容につきましては、少し飛びまして場所を紹介させていただくと、5-参考-26ページから27ページ、28ページと3ページにわたり記載がされているというものであります。中身の説明は割愛をさせていただきます。

 以上です。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの5章につきまして御意見、御質問ございますでしょうか。先ほどの御指摘も踏まえて、もしよろしければ。

 はい、どうぞ。

○速水委員 参考の資料のほうですけれども、今御説明をいただいた5-参考-3のアサリの記述のところで、母貝生息地について広い範囲を具体的候補の選択肢とするというふうに書いてあるんですけれども、これが何の候補なのかちょっとこの文章だとよくわからないというのが1点と、あともう一点、5-参考-27の図5.27と28の左側の図がこれ上下同じですね。多分ミスじゃないかと思うんですけれども。

○岡田委員長 事務局、いかがですか。確認してください。

○根木閉鎖性海域対策室長 失礼いたしました。まず5-参考-27ページのところは御指摘のとおりでありまして、大変失礼いたしました。具体的には、冒頭で説明いただいた横長の資料2の9ページですね。9ページの左側の図が着底稚貝の分布状況と、それをはかったものということでありまして、この5-参考-27ページの図5.28の左側の図について、これに差しかえをさせていただければと思います。大変失礼をいたしました。

 また、広い地域を具体的候補の選択肢とすることが可能であるというのは、少し言葉が足りないかと思いますので、これを補う修正をしたいと思います。こちらも失礼いたしました。

○岡田委員長 速水先生、いいですか。もうちょっと具体的に考えてもらいましょうか、事務局に。

○速水委員 はい。

○岡田委員長 では、後で御確認ください。よろしくお願いします。

 どうぞ、先生。

○小松委員 5-10ですね。上から2行目で「このような状況の中、資源量の把握等資源の持続的な利用に向けた知見が得られていないとの課題がある」、この表現、あちこちにたしかあったと思うんですが、この意味がいまいちよくわからない。ここに入ってくるということもわからないし、この文章の意味自体もいまいちよくわからないということが1点。

 それからもう一つは、そのページの上から七、八行ぐらいですかね。「本海域では主に泥質干潟の上の覆砂を行うことによってアサリ漁場を整備しており、稚貝の着底と生産が確認されている」というふうに表現していて、これはいいと思うんですけれども、その後に、その2行目下に「底質の改善等の対策が有効な場合もあると考えられる」。確認されていて対策が有効であるというのが一番強いんですが、その次が「有効であると考えられる」、その次、さらに弱くなるのが「有効な場合もあると考えられる」。非常に弱いんですよね、上が確認されているのに。ですから、せめて「対策が有効と考えられる」ぐらいにしてほしいなと思います。

○岡田委員長 事務局、どうぞ、意図があるかと思いますので。

○根木閉鎖性海域対策室長 まず、1点目につきましては、文章の趣旨、この5-10ページの2行目からでありますが、まずはアサリの漁獲量が低迷していて、要因の一つとして浮遊幼生や着底稚貝の量が低位で推移していると類推されると。ここはそれほど紛れがないのではないかと思うんですが、まさに低位で推移してしまっているという中で、先ほども少し別の場面で申しあげたかもしれませんが、その中で例えば昨今のアサリのように資源が出てくることもあると。そんな状況のときの持続的な利用をどのぐらい保全すればいいのかとか、そういった知見が必ずしも得られていないのではないかと。そのアサリの資源管理を幾つか行われていて、それはこの報告の中でも触れさせていただいておりますが、それが今の状況、低位で推移していて、少しぱっと出たときにどのぐらい保全すればいいのかというところについて、必ずしも持続的な利用に向けた知見が得られていないのではないかということで、そのような課題があるのではないかということを記載しているところでございます。

 これを受けて、この課題を受けて5-10ページの再生方策のところで、アサリの3つ目のポツがありますが、ここに書いてあるとおりなんですけれども、浮遊幼生や着底稚貝の量が低位で推移していると類推される中、上記のような取組とともに、資源の回復期における資源管理方法を早急に確立し、実施に移すというような方策を記載していると、このような中身であります。

○小松委員 ここにこの記述、必要ですかね。資源量の把握等というのはまだいいとして、資源の持続的な利用に向けた知見が得られていないと、これ必要ですかね。

○根木閉鎖性海域対策室長 5-10ページのところの先ほど申しあげた「資源の回復期における資源管理方法を早急に確立し、実施に移す」というものの根拠というか、そこのところがこれまでの検討から浮かび上がってきたものをこの総括的なところに記載しておいたほうがわかりやすいのかなと。その考えのもとに今の案では記載しているということであります。基本的に再生方策とか再生目標というものは、やはり3章、4章で議論してきて浮かび上がってきたところ、そこを捉まえて記載するというのが原則かなと思っておりまして、その考え方で記載をしているところでございます。何かよりわかりやすい表現があれば御示唆いただけるとありがたいと思っております。

○岡田委員長 どうしましょう。どうぞ、先生、もう一回。

○小松委員 いや、もう一点。

○岡田委員長 1点目、いいですか。もう少し検討が、なかなか難しい文章だとは思うので。

 では、2点目について、これは。底質の改善等の対策が有効な場合もあると考えられるという、ある意味若干くどい表現。

○根木閉鎖性海域対策室長 2点目について御指摘いただいた「有効と考えられる」でしょうか。少しその線で詰めてみたいと思います。それで特に問題はないのではないかと思いますので、検討してみたいと思います。

○岡田委員長 どうぞ。

○清野委員 すみません。今のところで行政的な書き方として私は多分これはぎりぎりのところだと思っていまして、上のほうのアサリの持続的な利用に関しては、持続的でない利用で、例えば乱獲だとか密漁とか、そういうものに対してもっと人間の側が行為を規制なり管理していくということとかが必要になっています。だから、これは水産資源の管理というような検討の場合では、もっとそういった資源が低位にあるような海域での人間の行為の管理の言葉はあると思うんですね。ただ、ここに書くのは、この書き方を少し工夫はしていただく必要があると思いますけれども、実際そういう問題は起きております。

 それから、覆砂に関しては、私もこの会議でずっと何回もこだわってお願いをしていて、やっと最終盤でも覆砂マップというのが出て実態が把握されたということは非常に大きいと思います。覆砂に関しましては、そういった底質改善の方法であろうということで、関連する産業の方もいい砂をこう供給したらいいんじゃないかということでとられ始めた方策であります。それに対して実際に実態が不明であるとか管理が難しい、それから、こういった研究で適した粒径のものが解明されても実際それを社会の中で調達することが難しい、かつ入れたとしても、それが干潟の上に砂を入れたときに移動して別の場所に砂浜ができるとか、さまざまなやっぱり技術的な試行錯誤もございました。今回こういうふうに書いていただくことで、やはり有明海のこの措置法の中で多くの御配慮をいただいたこの事業に関して、もうちょっと科学技術的に検証して、よりよい内容になっていくと思います。ですから、有効であったということで書いてしまうと、もうちょっとここは検証が必要で、より改良すべき技術であるということが関係する方にわからないと思います。

 これらのプロセスに関しては、地域の新聞記事などを見ましても、あるいは漁業者、研究者の声を聞きましても、検証のなかなか方策がないということでございましたので、今後さまざまな技術開発によって、こういう底質の管理、覆砂、それから、作澪、耕耘に関しては本当に力を入れてやっていただきたいと思います。ですから、書き方というのはいろいろあると思いますけれども、まずは検証が必要であるということの技術だと思いますので、そこに関しましては、行政の方あるいは関係される方々に今までの現地実験の多くのデータを検証していただきたいと思っております。

 以上です。

○根木閉鎖性海域対策室長 今御意見いただいた辺りについては、関連すると思われるのが5-18ページの一番下のところで、全体方策の生物の生息環境の確保のポツの底質の改善を実施するという中で、まさに覆砂等の対策の実施に当たっては、水域によっては効果の継続性が乏しい場合があることなど留意する必要があるという記載はここに入れていると。ほかの個別海域のところもこの留意事項はここに書いてありますよということは書いてあるということであります。そこを踏まえて、どのような今のところの書きぶりにするか検討してみたいとも思います。

○早水大臣官房審議官 すみません。ちょっと補足しますと、同じアサリなんですが、5-8のA4海域のところは、データがなくて、ここは覆砂の事業が行われていないので、「再生目標」の上の下から3行目のところですが、「粒径0.5ミリ以上の粒子がアサリ稚貝の着底に適当とされているため、重要な地点について、底質の改善が有効な場合もあると考えられる」というふうに書いております、ここは。

 5-10は、本海域ではこういう覆砂を行うことによってそういうのが確認されているので、このため小松先生がおっしゃるように確認されているんだったら、この海域では「このため有効と考えられる」というふうに書けるのかなということです。そこを書き分けていいかどうかというのを、もう一度データとかを確認して、書き分けたほうがよさそうであれば書き分けますし、そこの「確認されている」のところの状況を調べて、やはり「場合がある」ぐらいであれば、むしろ「確認されている」のほうを少し直したほうがいいかもしれませんので、そこはもう少しデータを見て、また、地元の状況を確認して、必要があれば書き分けるということにしたいと思います。

○岡田委員長 よろしいですか。ありがとうございます。

 どうぞ、ほかの点で。

○清野委員 ですから、覆砂とかそういう砂の問題に関しては、やはり土砂が移動するということを前提にした技術の適用になっていなかったので、そういった技術開発の方向とうまく対応させた評価にしていただければ、今までの御努力も生きると思いますし、一方で干潟の中で砂がどう動くかということを前提にした技術開発とセットに書いていただければ、今後検証可能だと思います。

 まずは以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。では、今の点は追加していただくということでよろしいですね。

 どうぞ、先生。

○中田(薫)委員 今のお話とも関係すると思うんですけれども、5章のほうはそれぞれの地域、海域毎にこういう対策がとり得るというふうな書きぶりになっていますけれども、例えばケーススタディのほうはまた違っていて、例えばアサリの話ですと、有明海全体でどこを重点的に考えていくのがいいのか、統合するような多分思想になっていると思うんですね。ですので、すぐには無理としても、将来的にこういう結果を入れて全体を統合した解決策というのも検討していくというのをどこかに入れていただければいいかなと思いました。

○根木閉鎖性海域対策室長 アサリのところにつきましては、例えばということなんですけれども、5-21ページで今後の調査・研究開発の課題ということで、5-21ページ、②の2ポツ目にアサリ等の二枚貝の母貝生息適地及び浮遊幼生の移動ルートの解明とここに入っておりまして、冒頭に説明いただいた話でもまだ検討が続くということもありましたので、まず、このようなことで入れております。

 あとは、各海域のところで例えば5-5ページの例示として申しあげますと、これはA1海域でございますが、5-5ページの一番下の辺りにアサリの資源の回復を図るため、以下の対策を進めると。浮遊幼生の量を増やすために母貝生息適地の保全・再生を図るということで書いておりますが、ケーススタディも踏まえて、さらに今後の課題に書いてあるような移動ルートの解明といった辺りも進んでくれば、さらに話が進展してくるというようなことは言えるのかなと考えております。

○岡田委員長 ちょっと今の趣旨が違うので、先生、すみません、もう一度。

○中田(薫)委員 今後どうしていくのかということを最終的に5のところで書かれていて、その一つに研究というのはあるのかもしれませんけれども、将来的にこうしたケーススタディで書かれているようなことも生かして、個別の海域だけではなくて湾内全体を視野に入れた対策というのも考えていく必要があるみたいな一文があるといいと。

○根木閉鎖性海域対策室長 わかりました。失礼いたしました。そうしましたら、5-17ページの全体海域のところで、イ)で有用二枚貝に係る方策がありますので、この柱書きの辺りに今御示唆いただいたところを盛り込むことが検討できるのではないかと思います。検討してみたいと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○上田委員 5章の中で過去のデータと比べて泥化の傾向がみられないという文章が随分多いと思うんですよ。実際にデータ的には科学的と言っているんですかね。過去との比較ができないから泥化がみられないというか、みられるということが言えないのかもしれませんけれども、もしそうであれば、せめて4-5-30なんですけれども、4章の最後で有明海のまとめをされていますよね、全体的な。ほかにもあるんですかね。ここでちょっと総括のところで見えるんですけれども、例えばそれの下から9行目ですかね。やっぱりここでも単調な変化傾向(泥化傾向)はみられなかったと書いていますよね。その後に限られた調査地点の中では場所により一定期間泥化傾向を示す地点もみられたというふうな、非常にわかりにくいのがあって、私さっきから気になって前のデータを見たのですけれども、これがあるのは大体A2、A3、A4海域の辺りですよね。なので、せめて具体的に「A2、A3、A4海域では」とかいうのを一つ入れていただけませんかね。そうしてみると、その後の対策のときに大体どの海域が一定期間にせよ、少なからず泥化傾向が認められたというところから話はつながっていくんじゃないかと私は思ったのですけれども、いかがでしょうか。

○根木閉鎖性海域対策室長 御指摘ありがとうございます。少しこの辺りは、やや複雑なところがあるのかもしれないんですけれども、A2、A3、A4海域辺りは、やはり過去からの調査が長い期間あったりとか、もしくはいろんなタイプのデータがとられているということがございます。その中で、全体的に見えているのは単調な変化傾向はみられなかった。ただし、データのある期間の中での話ですけれども、ただ、一定期間を取り出して見ると、ある場所が泥化していたりとかそういうこともありましたと。ここはA2、A3海域が特別というよりも、そこのエリアのかなりデータが豊富であったというところによるのかなということも考えられまして、それで、A2、A3海域ではという限定はつけずにこのような書き方をしているところでございます。

○上田委員 希望としてぜひそれは入れてほしいんですね。つまりそこしかデータがなかったから、そこでみられたわけだから、それはそういうふうに入れてほしいと思います。そうしないと、全部何もみられなかったことになってしまうからですね。読んだ人はパブコメでもそうかもしれないけれども、結局何もわからなかったのね、その割には最後のほうで泥化対策というのが物すごく出てきますよね。ちょっとつながらないんじゃないかと思って、わかっている部分だけでも入れてほしいと私は思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 御指摘の趣旨、わかりました。正確に書いたほうがいいという御示唆をいただきましたので……

○上田委員 正確じゃなくて、具体的にです。

○根木閉鎖性海域対策室長 わかりました。加筆を検討いたします。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 それでは、滝川先生。

○滝川委員 ちょっと1点だけ確認です。5-5のところで下から2行目のところ、先ほど御説明いただきました底質改善の中に作澪等というのを入れますというお話がありました。それはアサリに対してそういうのはあるんですが、同じく5-7の一番上のところ、海底耕耘、浚渫等でおさまっていて作澪が抜けている。これはタイラギだから作澪を抜かしてある、それは意図的に書かれたのですか。ほかの海域でもそういうことはあるものですから、意図して書かれたかどうかの確認です。

○根木閉鎖性海域対策室長 失礼いたしました。説明が不足しておりました。アサリについては、基本的に浅いところに生息していると。作澪について基本は浅いところで効果を発揮しやすいということが聞いております。タイラギは比較して深いところということで、「等」というものも入れておりますが、ここはそこのところを意識して、深いところが中心のタイラギのところでは作澪というものを特出しにはしなかったということであります。この辺りについて御示唆いただければ幸いでございます。

○滝川委員 意図されているということはわかりました。そういった意味でもう一度点検していただきたいのは、それでは、覆砂とか耕耘とか浚渫とか、ほかのところはそういう海域の水深ごとに区別する必要がないのかという議論に逆になってきます。そこだけお考えなさるときに、そういう意味でお尋ねしたのですけれども、ちょっと御検討というか、考える余地があるのかなと。

○岡田委員長 先生としては。

○滝川委員 僕は一緒のことだろうと思っていて、作澪そのものはある程度深くてもやっぱり潮の流れ、流況を改善するという意味でそれなりの効果はある、全く書かないということもどうかなと。その差があまりないんじゃないのかなというふうに思っております。御検討いただければと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。では、よろしいですね、今の御指摘。ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 はい、どうぞ。

○山田委員 ちょっとお尋ねしたいんですけれども、これをパブリックコメントに使われるということなんですが、これ全部出すということなんでしょうか。例えばA4、1枚に何か概要版のようなものをつくるか、あるいは三、四ページの冊子をつくるとか、これをご覧になる方にわかりやすいような工夫が必要かと思います。せっかくこれだけ膨大な資料をまとめておられるので、パブリックコメントをご覧になられる方に膨大であるが故に読んでいただけないのはもったいないので、詳しくはこちらを参照してほしいと記した概要版をつくられたほうがいいと思います。

 これはまとめとして2回目になりますよね。そうすると、1回目と2回目はどう違うのか。2回目のアピールポイントは一体何なのかというところ、もしまとめるのが困難だったらしなくて大丈夫なんですけれども、もしアピールポイントがあるんでしたら、それもあわせてつけ加えておかれたほうがいいかと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 御指摘ありがとうございます。

 1点目につきましては、おっしゃるとおり全体はかなり大部でございます。ただ、数ページにまとめてというのがこれまでのいろいろ御示唆、御意見いただいたものを踏まえると、正確性を少し欠いてしまうかなという懸念もあります。これまでも600ページぐらいこれはありますので、まとめてみたほうがいいということで、3章のまとめを付け、そして、4章のまとめと。4章のまとめについては、さらに総括というコーナーを設けました。5章については、やはりこれは5章一つ一つの施策がそれぞれの関係の方も含めて、その地域にとって重要だと思いますので、少しこれ以上まとめるのが難しいかなというふうに思っておりまして、もしよろしければ、パブコメはこの形で行かせていただければと思います。

 あとは、10年前のものと比べて新しい知見が追加されたところ、かなりあると思っております。また、海域毎に整理をするということは、今回の検討のポイントだとも思っております。その関係も含めて、この再生への取組の中身というのが10年前に比べてかなり厚くなっております。10年前のものと比較してという意味では、そのようなことであるかなと思っております。

○山田委員 どうもありがとうございました。この膨大な調査データを何とか広く皆さんに知っていただける手段があればと思って今申しあげました。

○岡田委員長 ありがとうございました。

 ほかにございますか。

 はい、どうぞ。

○清野委員 10年前よりも進むべきだったと思うのは、社会経済、制度的なことをもっと検討すべきだっただろうと思います。多分パブコメではそれの指摘があると思います。なぜかというと、瀬戸内海の特別措置法の後のさまざまな動きと有明海を比較しますと、私も含めてですが、どうしても理科系のほうの検討に集中して、社会経済的、それから、ガバナンスに関する調査と研究が全く手遅れになったということがございます。

 それから、合意形成の仕組みとしても、知事会とか研究者会議とか、あるいは国際的な取組など、日本の瀬戸内海でのさまざまな制度的レガシーがほとんど有明海には適用されていないというところが研究者の中では議論されております。ですから、今後の取組でいいかと思うんですけれども、国内でも、あるいは国際的にももはや科学技術だけで解決できるわけではなくて、社会との両輪でということはこの10年、フューチャー・アースだとか制度的な検討も含めて大きく変わってきたところだと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 特にこの10年間、日本の中では御存じのように海洋基本法ができ、海洋基本計画が最初、そして、改訂、そして、2018年の2度目の改訂に向かっております。その際に今日御議論もあった沿岸域管理だとか、あるいはガバナンスに関するもの、合意形成に関するものは2017、18と多分行政の中でも環境省の方々を含め、海域のどういった管理のあり方があるのかというのが大きく検討されるはずです。そういった歩みとこの有明海の検討結果がそれなりに足並みをそろえている、あるいは不足している部分があれば、今後の課題としてこれだけの科学技術的なところのデータを集めたので、それを活用されるような検討が今後必要であるというような認識は一文で結構ですので、入れていただけたらと思います。

 また、日本の中で最大級の調査予算を使っている海域なので、今後の海洋基本計画に基づくさまざまな取組の中では、有明海・八代海等が一つの検証対象になってくると私は思います。それは学術のほうも自分たちのあり方も含めて、科学だけでなくて、どういうふうに社会に還元して、ともに海をよくしていくのかということを検討してまいります。ですから、そこは現時点で加えられる認識で結構でございますので、ぜひお願いをしたいと思います。

 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。

○根木閉鎖性海域対策室長 例えば今の御示唆に少し関係するかなと思われるところが5-19ページで、取組の実施に当たっての留意点で、(2)の関係者による連携の強化という辺りも入れておりますが、それに加えて少し今の御示唆、追記できることがあるか検討してみたいと思います。

○岡田委員長 よろしくお願いします。おっしゃるとおりだと思いますので、ぜひ追加して。

 どうぞ、先生。

○小松委員 これからパブコメに移るわけですが、通常だったら、委員はパブコメには参加しませんよね。ただ、今回は非常に時間的に制約されていて、追いまくられて、かつ非常に大部であると。我々が担当した専門のところは精査、精読しましたけれども、ほかの部分までにはなかなか目が回らないという状況があります。それで、ただ、やっぱり委員会というのは全体に対してある程度責任を持たなきゃいけないということで、委員もパブコメに参加させてほしいなと。

 それから、もう一点は、やっぱりある程度完成度が上がらないと精読する気にならないんですね。途中でどんどん変わっていくものですから。だから、このパブコメに出すぐらいの完成度が上がれば、こちらもしっかり読んでみようかなという気になるので、委員もコメントさせていただきたいということです。

○岡田委員長 私、最後に実は申しあげるつもりで、ほかのどこかの委員会で委員の先生方もパブコメにぜひお願いしますとたしか申しあげたこともあるので、先生のおっしゃる趣旨は、事務局もいいですよね、当然。ありがとうございます。

 ほかにございますか。

 どうぞ、先生。

○速水委員 先ほど山田先生、それから、清野先生のコメントに関係するんですけれども、前回の報告書は最後に「おわりに」というのがあったんですよ。今回は少なくとも今日のこの資料にはついていなくて、今回の報告書は600ページ近くということで非常に大部なものになっていて、やっぱり一般の市民の人、業者の人が読むに当たって、なかなか取り組みにくい部分があると思うんですね。ですから、やっぱりこの委員会として現在の有明海の問題の原因解明とか、それから、再生方策についてどういうふうな見解を持っているのかということを簡潔に示すこととか、それから、ほかの閉鎖性海域と比較をした場合にどういうふうに見ているのかといった点、それから、この報告書がどういうふうに生かされることを期待しているのかといった点について、やっぱりちょっと書かれたほうがいいんじゃないかと思います。場合によっては委員長に書いていただくことも含めて検討していただければと思うんですけれども。

○岡田委員長 最後の御発言は議事録から消していただいて、いや、冗談抜き、すみません、失礼いたしました。おっしゃるとおりだと思いますので、今これパブコメにかけるのはあるにしても、その後の対応も含めて、今、山田先生、それから、速水先生、それから、清野先生、皆さん同じようなことをおっしゃっているので、これは御検討いただけますか。

○根木閉鎖性海域対策室長 はい、承知いたしました。目次というところを資料4の表紙の次のページで見ていただくと、「おわりに」というのを一言入れております。今日は準備できておりませんが、次回の評価委員会で「おわりに」も見ていただくということでいかがかと思います。

○岡田委員長 それからあと、全体の縮刷版というかエグゼクティブサマリーというか、どうするかというのは、また今回じゃなくて次のステップでちょっと御検討いただいたほうがいいかと思いますので、お願いいたします。かなり難しいとは思いますので、これは少なくとも検討するのはしていただくということでよろしいですか。

 ありがとうございました。ほかにございますか。

 それでよろしければ、今もう既に御意見が出ていますが、本日いただいた御意見を踏まえて、事務局と私のほうでパブリックコメント案、若干の修正を試みさせていただきます。それにつきましては、大変恐れ入りますが、時間のこともありまして、委員長に御一任いただきたいというふうに思います。ということで、今のものを今日いただいた御意見をもとにパブリックコメントにかけさせていただきたいというふうに思いますが、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 それで、先ほど小松先生からも御指摘ございましたように、やはり大部の資料ですし、ずっとたくさん直してきました。この間、本当に委員の皆様方を始め、それから、特に樽谷先生、滝川両小委員長には大変御尽力いただいたことを深く感謝いたします。また、事務局も大分一杯直してというと変だけれども、修正して大変だったと思います。そういう意味で、私から見ても、例えば幾つかの細かい点も含めて、これでいいのかなという表現はまだ残っているかというふうに思います。

 先ほど小松先生が全1地点とかおっしゃいましたが、これも私の記憶では、ある地点ではこうだと書いてしまうと、たくさんある地点の中の1地点なのか、例えば5地点のうち1地点がそうなのか、1地点しかはかっていないうちの1地点なのかということで、たしか全1地点という妙な表現を使ってしまって、逆にそれがおっしゃるようにわかりにくいというか誤解を与える面もありますので、この辺のところはこれから修正が必要だと思います。そういう意味では、ぜひパブコメに委員の先生方も参加していただいて、決して差別はしないと思いますので、よい報告書をつくっていく上でぜひ御協力をお願いしたいというふうに私からもお願いしたいというふうに思います。よろしく御協力のほどお願いいたします。

 それでは、よろしいですね、そういうことで。では、ということでこの件はお認めいただいたということで、事務局としては必要な作業をお進めいただきたいと思います。

 今、幾つかもう出ていましたが、今後の予定について事務局から再度確認のための御説明をお願いしたいと思います。

○根木閉鎖性海域対策室長 できれば来週からパブリックコメントのほうを開始できればと思います。3週間程度を想定しております。そして、3月23日に次回の評価委員会を開催させていただくと。次回については、パブリックコメントでいただいた意見を踏まえて評価委員会の報告案を御審議いただければと思います。

 以上です。

○岡田委員長 ありがとうございます。ということで、3月23日までの間、パブリックコメント、それから、先生方の御意見を踏まえて、そのときに確定するということになると思いますので、ぜひよろしく御協力のほどお願いいたします。

 本日の委員会全体を通して言い忘れたこと等、何かございますでしょうか。御要望でも結構でございます。よろしいですか。

 それでは、本日予定された議事は全て終了いたします。短い間にたくさんの資料ということで、大変ある意味では申し訳なかったとは思いますが、議事進行への御協力に深く御礼申しあげます。

 事務局に進行をお返しいたします。

○束原閉鎖性海域対策室長補佐 それでは、事務局から2点連絡がございます。

 まず、次回の評価委員会ですが、ただいま御説明がありましたように、3月23日木曜日、東京での開催を予定しております。会場は本日の会場と同じ環境省第1会議室の予定でございます。

 2点目ですが、後日、事務局より議事録の確認依頼を行いますので、よろしくお願いいたします。内容確認後、環境省ホームページで公表させていただきます。

 それでは、これにて第40回有明海・八代海等総合調査評価委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。お疲れさまでした。

1728分 閉会