環境省独立行政法人評価委員会 第28回国立環境研究所部会会議録
日時
平成24年8月20日(月)13:00~14:11
場所
環境省第1会議室 合同庁舎第5号館22階
議題
- (1)
- 平成23年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価等について
- (2)
- 独立行政法人国立環境研究所の財務諸表の承認について
- (3)
- その他
配付資料
資料1 | 平成23年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る各委員の評価結果一覧 |
資料2 | 平成23年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価書(案) |
資料3 | 総合評価に係る評価比率について |
資料4 | 平成23年度政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項への対応状況評価(案) |
資料5 | 平成23年度財務諸表 |
参考資料1 | 独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針 |
参考資料2 | 環境報告書2012 |
出席者
委員
小池勲夫部会長、泉 淳一委員、沖 陽子委員、佐和隆光委員
髙橋 滋委員、西間三馨委員、花木啓祐委員、松尾友矩委員
環境省
- 大臣官房
- 鎌形審議官
- 総合環境政策局
- 米谷総務課長
長坂環境研究技術室長 - 国立環境研究所
- 大垣理事長
鏑木理事
德田企画部長
大庭総務部長
岸部情報部長
議事
【長坂環境研究技術室長】それでは、定刻となりましたので、ただいまより、環境省独立行政法人評価委員会第28回国立環境研究所部会を開催いたします。
本日は、委員9名のうち、現時点で7名のご出席を得ておりますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。また、本日の会議は公開で開催させていただいておりますことを申し添えます。
まず、前回の7月5日の部会以降に、環境省のほうで人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
三好審議官の後任で、鎌形審議官でございます。
【鎌形大臣官房審議官】 鎌形でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【長坂環境研究技術室長】 中井総務課長の後任で、米谷総務課長でございます。
【米谷総政局総務課長】 米谷でございます。よろしくお願いいたします。
【長坂環境研究技術室長】 そして、国立環境研究所にも人事異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
笠井総務部長の後任で、大庭総務部長でございます。
【大庭国立環境研究所総務部長】 大庭でございます。よろしくお願いします。
【長坂環境研究技術室長】 まず、議事に入ります前に、鎌形審議官よりごあいさつを申し上げたいと思います。
【鎌形大臣官房審議官】 よろしくお願いいたします。
本日は、本当にご多忙の中、また、お暑い中をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。
この第28回国立環境研究所部会の開催に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。
まず、本日、国立環境研究所の評価ということでございますけども、事前に各委員の皆様方に、詳細にわたり評価作業を行っていただきました。誠にありがとうございます。今日の部会では23年度の業務実績についてご評価いただくということでございまして、事前にいただいた作業の成果をご承認いただくということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
23年度ということでございますけども、環境省自体としても、震災を受けて大量の災害廃棄物、がれきの処理、それから、今まで経験したことのない放射性物質の汚染に対する除染ということで、環境省自体の業務の比重と申しますか、そういうのも大きく変わってきているというところでございます。
そういう中で、国立環境研究所におきましても、災害廃棄物の処理について、さまざまな助言をいただくとか、あるいは、これも本格的に取り組むということを始めるわけでございますけども、放射性物質の汚染について環境中の挙動でありますとか、さまざまな研究に乗り出すということで、新しい業務に向かって進んできている。こういうのが23年度ということかと思います。そういうところのご評価をいただくということでございます。
23年度は、国立環境研究所にとりまして、いわゆる中期目標期間、第3期目の初年度ということでございます。初年度の評価をいただきまして、この5年間の評価期間、これからの中期目標期間、これからどうしていくかということについて、非常に重要な評価というふうに考えてございます。
さまざまなご議論いただきまして、今後の国立環境研究所の業務というものをお導きいただけたらというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【長坂環境研究技術室長】 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。(配付資料確認)
それでは、これ以降の議事進行につきましては小池部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
【小池部会長】 それでは、議事に入ります。
最初の議題は、平成23年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価についてです。
前回の27回の部会において、国立環境研究所より業務実績の報告をいただき、それを踏まえて、各委員の皆様に評価をお願いいたしまして、それをまとめて部会長案を作成いたしました。
まず、評価書の部会長案について、事務局から説明をお願いします。
【長坂環境研究技術室長】 まず初めに、平成19年12月に閣議決定されました独立行政法人整理合理化計画におきまして、独立行政法人の評価の際、業務、マネジメント等に係る国民の意見募集を行うこととされております。
7月10日から20日の間、意見募集を行いましたが、意見はございませんでしたことをご報告いたします。
【小池部会長】 それでは、評価書の審議に当たりましては、国立環境研究所の役員の方々には一旦ご退席をいただくことになっておりますので、この際、国立環境研究所に聞いておくべき質問等がありましたらお願いします。この後、退席になってしまいますので、何か事実関係、その他でありませんでしょうか。よろしいですか。
私のほうで、一つお伺いしたいことがあるんですけども、今回、評価をしていて、常勤職員と契約職員との問題が出てきて、それで、常勤職員が非常に少なくなってきているということがありました。
それで、契約職員はいわゆる任期付になると思うんですけれども、その場合、実態として、どれくらいの期間を勤められているのか、その辺のことがもしわかりましたら、お教えいただければと思うのですけれども。
【大垣国立環境研究所理事長】 まず、私から、もし必要があれば補足を周りの者からいたします。
常勤職員の中に、いわゆる任期付研究員というものが位置づけてられてございまして、表にも出ておりますが、これはいわゆるテニュアトラックにのっているものという理解で、ここでやめるのが1割ぐらいおりますけれども、基本的にはパーマネントに移るということですので、実質的にはその期限がないという者でございます。
それ以外のいわゆる契約職員に分類される研究者はポスドクなどで150名ぐらいおりまして、途中で外へ出たり、中で任期付職員になったりという形で、概ね4年程度でございます。
あと、高度技能という形で支援職員、研究の支援職員がございますが、これは短いものから長いものまで、いろいろおります。非常に余人をもって代えがたいというような能力を持っている者は、長く雇用を続けているというのが現実にございます。
【鏑木国立環境研究所理事】 特別研究員という、いわゆるポスドクの方につきましては、一応、5年以内という期限を切らせていただいて、その間に、私どもの中で職員になっていただくか、あるいは、外に職を探していただくということをしております。
これは、緊張感を持って、若手にはどんどん論文を発表していただいたり、積極的にその研究をしていただくということが目的であったわけでございますけれども、しかし、ポスドク終了後に高度技能専門員としてさらに残られる方も結構いらっしゃいます。
37才とか38才とかになられても、まだ、いわゆるパーマネントの職員ではなくて住宅ローンが借りられないとか、そういうような具体的な個人の不利益というのも生じているのが実態でございまして、これは何とかパーマネント職員になっていただけるといいなというふうに思うのでございますけれども、なかなかそういかないのが実態でございます。
【佐和委員】 要するに、名称は変わるけれども、時限付のポストをさらに続けることは可能だと。そういう例もあるということでございますね。
【鏑木国立環境研究所理事】 名称を変えましたのは、同じ仕事についての名称を変えさせていただいたわけで、ポスドクというと、やや負のイメージを与えてしまうというようなこともありまして、それで、特別研究員という名前にさせていただいたということでございまして、名前が変わったことで個人の任期がまた別の仕事として延びるという、そういう仕掛けにはしておりません。
【小池部会長】 これは、多分議論が分かれるところだと思うのですけれども、若手研究者は、ある程度、競争的な環境に置いて頑張ってもらう。それとあと、ただ、環境研の場合、技術職員の役割というのが非常に大きいと思うのですけども、技術職員の場合は、技術の蓄積、あとは継承という問題があって、あまり短期間に変わられると、結局、何をやっているかわからなくなる。
その辺を、どういうふうにうまくやられているのか、それとも、非常に困られているのか、その辺が、ただ名称だけの問題ではなくて、実態がどうなっているかというのを知りたくて質問したんですけども、その辺はいかがでしょうか。
【大垣国立環境研究所理事長】 ご指摘のとおりでございまして、ポスドクのように研究競争の中で伸びていってもらわないといけないというような職は5年の期限でやっております。
あと、技能継承的なところは、先ほど申し上げました高度技能というような形で1年契約でございますが、長くやっていくという形で、そこで人材の育成といいますか、技能の継承と、それから能力開発はその中でやっているという形になります。
【小池部会長】 ありがとうございました。ほかに何かご質問はございますでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【小池部会長】 それでは、特になければ、国立環境研究所の役員の方々に関しては、一旦ご退席をいただいて、評価書の審議に入りたいと思いますので、よろしくお願いします。
(国立環境研究所役員 退室)
【小池部会長】 それでは、本日、準備されました資料について、事務局から説明をお願いいたします。
【長坂環境研究技術室長】 それでは、資料1から4につきまして、まとめてご説明させていただきます。
まず、資料1でございますが、こちらは9名の委員からご提出いただいたコメントを項目ごとに書いてございまして、それを取りまとめた総合評価を項目ごとに案としてつけているものでございます。こちらにつきましては、委員の皆様には、ご自分の意見がどれかということがわかるような資料を配付させていただいておりますので、本日の議論の結果、コメントとして、これは変更しておきたいということがあれば、後で事務局にご指示をいただければと思います。
そして、資料2が、資料1のコメントを踏まえて作成させていただきました国環研の評価書(案)、部会長案として取りまとめさせていただいてございます。こちらについて、簡単にご説明させていただきたいと思います。
構成といたしましては、5ページから事項別評価と書いてございますが、この事項別評価のところにある文書、この文書が資料1から抜き出した構成になってございます。 資料1で言いますと、2ページ目に第1-1(1)事項別評価というのがございます。評価Aとなって、「第3期中期計画初年度として・・・」と書いてございますが、その記載が、資料2の5ページの第1-1(1)のところに転載されていると、こういう構造になってございます。
そうした事項別評価を踏まえまして、資料2の1ページ目に戻りますが、概評以下、まとめ的なものを作成してございます。
それでは、1ページ目から説明させていただきます。
結論を最初に書いてございますが、総合評価としてはAということで、概評の部分を読ませていただきます。
「国立環境研究所は、前身の国立公害研究所として昭和49年に設立されて以来、我が国の環境科学の中核的研究機関として、地球温暖化、循環型社会、環境リスク、自然共生など、幅広い研究課題を遂行している。また、平成23年度から、東日本大震災に対応した、放射性物質・災害環境研究を開始した。
平成23年度は、第3期中期計画(平成23~27年度)の初年度であり、全体で見ると、中期計画に定めた諸計画を滞りなく適切に進めたと評価する。
環境分野に係る研究の重要性はますます大きくなっており、国立環境研究所に対する国民、世界の期待も一層大きくなっている。国立環境研究所は、我が国の環境科学分野において牽引的役割を担い続けるとともに、環境政策の決定において有効な科学的知見を提示し、政策の具体化、実施の場面においても科学的側面からリーダーシップを発揮することが期待されており、このために必要な方策については、今後とも積極的に実施していくことが必要である。
東日本大震災に対応した災害環境研究や原発事故に伴う放射性物質の汚染による新たな環境問題については、現実の課題に対して臨機応変に対応し、適切に対応をとっていると評価でき、今後もこれらの分野の研究の中心的存在となることが期待される。
また、業務の運営という観点においても、研究所としてかなり秀逸と言えるレベルでの運営がなされているが、今後、他の公的研究機関における業務運営も参考にしつつ、一層のレベルアップがなされることが望まれる。
なお、この委員会全体としての評価結果は、各委員の評価結果の平均的レベルを原案として議論し、また、今後の一層の水準の向上を図る観点を考慮の上、意見を取りまとめることとした。また、評価基準は、既に定めている評価基準のほか、以下の※に記載した考え方により運用することとした。研究機関としての役割が国民に見えるよう、引き続き工夫が求められる。」
四角の中のS、A、B、C、Dの中の、総合評価Aということでございます。
「総合評価に当たっては、「独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針」に基づき、本年7月5日に当委員会国立環境研究所部会において決定した事項別の評価比率を用いて算出することとした。」
今、最後に読んだものは資料3のことでございますので、後ほど、簡単にご説明いたします。
そして、もう少し読ませていただきますと、2ページの下、環境研究。
「環境研究の柱となる研究分野、課題対応型研究プログラム、環境研究基盤整備のいずれについても、適切な研究体制のもと、中期計画の目標達成に向けて予定された各種のプログラムが着実かつ適切に進められ、さらに、東日本大震災に対応した放射性物質・災害環境に関する研究についても、優れた対応をとっている。これらの各研究分野等について、外部評価においても高い評価を得ている。また、研究成果の評価・反映も概ね適切になされている。
環境情報の収集・整理・提供。
環境情報の発信源として、適切な情報提供が行われており、東日本大震災関連の情報提供についても検索サービスを行っている等は評価できる。引き続き、利用者のニーズを踏まえた、わかりやすく、正確かつ適切な環境情報をできるだけ広い範囲で利用できるよう工夫することが望まれる。
研究成果の積極的な発信と社会貢献。
論文等発表、研究基盤としてのデータベース等の提供等による、研究成果の活用促進、広報活動を通じた社会貢献など、全般的に適切に取り組まれている。
業務運営。
研究組織の再編、震災放射線研究への人的資源の重点配分、財務の効率化、内部統制の推進により、全体的に業務運営の改善が図られている。
一方で、人材活用や契約関係の面では課題もあるが、常勤人件費の削減など一研究機関のみでは解決が難しいものもあることから、国への働きかけ等も含めた対応が必要である。
結論。
平成23年度の独立行政法人国立環境研究所の業務については、評価比率を用いて項目ごとの評点を合算したところ3.98であり、総合評価はAとなる。
22年度の業務実績評価にて指摘した事項も可能な範囲で適切に措置されていると評価できる。」
以上が評価書案の本体でございます。
以降、5ページ以降は全部ご説明せずに、簡単にご説明させていただきますが、事項別評価といたしまして、第1、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、第1全体としての評価がAということになります。
第1-1.環境研究に関する業務。これは、この1という項目としての評価がAということになりまして、さらに、小さい事項の(1)環境研究の戦略的な推進について、評価がAでございまして、その横に書いてある[S1+A6+B2]というものは、Sの委員が1名、Aが6名、Bが2名ということで、結果として、この項目をAとしているということになります。
この(1)環境研究の戦略的推進でございますが、中ほどに書いてございますが、内容といたしましては、震災被害を受けながら、第3期中期計画の初年度として着実に成果を上げつつ、同時に東日本大震災に対応した研究を行っている。限られた人材の中で必要とされる調査研究を進めて、その役割を十分に果たしている。
そして、一番下ですが、そういったことを踏まえて、予算面でも、人員でも、応分の増額・増員があってしかるべきではないだろうかという案になっております。
以降、内容的には一度ご覧になっていただいていると思いますので、少し飛ばさせていただきまして、7ページの第1の真ん中の2.これは第1-2になりますが、環境情報の収集・整理・提供に関する業務は、全体としてAというふうになってございます。
これは、(1)、(2)に分かれてございますが、どちらもその環境展望台というものがうまくいったというような内容にございます。
8ページ目に参りまして、3.研究成果の積極的な発信と社会貢献の推進、こちらは評価がAとなってございます。(1)、(2)、(3)とありまして、どちらもすべてAの結果、全体としてAという評価です。
9ページ目、第2、業務運営の効率化に関する事項ですが、こちらも第2としてAでございます。ただ、2.のところでございますが、人材の効率的な活用。ここだけ評価がBとなっております。
真ん中辺りを読ませていただきますが、「予算的な制約が大きい中で、特に研究部門の人的配置においては、常勤職員の職員比率が少ない状態は、研究所の活動が不安定な勤務条件の中で研究活動を続けざるを得ない研究者の多いことを示している」というような懸念の部分が書いてございまして、こういったものを踏まえて、Bという評価になってございます。
それから、その次の3.財務の効率化は、評価はAでございまして、後ろのほうの第3と同じものになります。
めくっていただきまして、11ページが第3、財務内容の改善に関する事項でございますが、これは第2の3において評価ということで、先ほどの9ページのAというものが、ここに内容としてまいります。
そして、最後、第4、その他業務運営に関する重要事項としては、これも(1)、(2)が両方ともAで、合わせた評価がAということになってございます。
以上が、資料2、23年度の評価書(案)でございます。
続きまして、資料3を説明させていただきます。
資料3につきましては、総合評価に係る評価比率ということで、こちらにつきましては、前回、この比率でいくということで、この部会で了承いただいたものになります。
その比率に、今、項目別にA、一つだけBがございましたが、AとBの配点を掛け合わせまして、全部足しまして総合点が一番下の3.98になりましたということを説明する資料でございます。
最後、資料4でございます。
資料4は横長の資料ですが、平成23年度政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項への対応状況評価ということで、この資料は、もう昨年度から政独委に提出するエクストラな資料として昨年から用意させていただいたもので、今年も用意させていただきました。
横長の左、三つのカラムは、前回の会議、部会におきましてご説明させていただいた内容で、一番右側の国立環境研究所部会の評価と書いてある部分が、今回、案としてお示ししている内容になります。
内容でございますが、最初の内部統制の項目ですが、一応、文章の案としては、ちゃんとやっていますという内容になってございます。
二つ目の基本方針への対応等につきましても、こちらも、ちゃんと対応しておりますという内容になっております。
めくって、裏になりますが、裏のほうは震災関連ということで、二つ指摘事項がございまして、一つ目の指摘は、復旧・復興対応に対する取組というものが法人本来のミッションであるかどうかということについて評価をしてくださいという内容でございまして、国環研がこういった措置に対応いたしまして、右のカラムにいっぱい書いてございますが、内容としては、国環研本来のミッションによるものと判断できるという、この2段落目の一番下の文章でございます。
なお書きで、放射性物質による環境汚染への対処については、これまで環境基本法等の法体系において除かれてきたが、関係法令等の改正がなされ、環境法の法体系の中で放射性物質による環境汚染を扱っていくこととなった。このため、国環研に対して放射性物質に関する研究への期待はますます高まっていくと考えられるという案を作成しております。
最後、震災関連で目標が未達成となった業務の震災との因果関係等について。これについて評価せよという指摘を受けてございます。
これにつきましては、国環研としては、中期目標達成は困難となった業務はないということで、それを踏まえた、この当部会の評価といたしましては、既存のリソースの範囲内でやりくりしながら適切に対応しているという案でございます。
資料4の別紙以降は、一度、前回の部会でご説明させていただいた資料を別紙としてつけているものでございます。
資料1から4までの説明、以上でございます。
【小池部会長】 ありがとうございました。ただいま事務局から、平成23年度の国立環境研究所業務実績の評価書及び案、平成23年度の政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項への対応状況評価について、ご報告いただきました。
これから、まず、国立環境研究所の業務実績の評価の各項目ごとの評点、それから評価書の記載事項について、各委員からご意見があれば伺いたいと思います。
長いものでしたので、三つに分けて、少し話をしてみたいと思います。
最初は、資料2の5ページ。総合評価は後のほうに回しまして、事項別評価の5ページ、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というところに関して、何か評点あるいは書き方についてコメントがございましたら、お願いいたします。
これは、基本的に各委員に書いていただいたものをまとめた形になっておりますので、お互いに矛盾したところはないと思いますけれども、書きぶり、その他で何かございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
先ほど、事務局のほうから説明いただきました、例えば5ページの最後の放射能汚染の影響評価を国環研の重要な研究課題となったことを受けて、予算面、人員面での応分の増額・増員があってしかるべきではないだろうかという言い方は、強いのか弱いのか、少しわからないですけれども、大事なことだと思いますので、こういうふうに書いてあります。
あと、7ページ目の2.環境情報の収集・整理・提供に関する業務のところの、(1)環境状況に関する情報の提供、それから(2)環境研究・環境技術等に関する情報の提供があって、これは今、両方とも、各委員が環境展望台でやられていることを評価して書かれていて、ほとんど内容が同じになっております。
それで、今後とも、こういう二つの項目を分けて評価するほうがいいのか、それとも、この二つの(1)と(2)を合わせてしまって、環境情報及び環境研究・環境技術に関する情報の提供という格好で評価していただいたほうがいいのか、その点、何かコメントがありましたらお願いしたのですが、いかがでしょうか。
これは割合と短期間に、しかも、全部コメントを書いていただくということをなるべくお願いしておりますので、かなりな作業になってしまうので、なるべく項目は減らしたほうが、やるほうとしては気が楽なことがありまして、私としては、できたら、これはもう一緒にしていただければありがたいなと考えてみましたが、その辺に関して、何かございますか。
【松尾委員】 評価しなきゃいけない項目のリストアップというか、整理ですよね。それは、中期目標、中期計画などのほうに、どういうふうにその項目が書かれていて、そこでもって、分かれて項目が上がっているとすると、恐らく、それぞれの項目について評価しなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんですけども。
そこは、どういうような中期計画の書き方になっているのかとか、評価する側がその辺をよく自覚していないとまずいのであって、一緒にしてしまえばいいとは言えないのかもしれないというように思いますけども、どうですか。
今後の問題では、今年はもうこれはこれでいいと思うんだけど、来年度以降どういうふうにしたらいいかという問題だと思うんですけども、私は、最初に1回目の説明を受ける機会をうまく使うべきと思うのです。あのときの説明の仕方が非常に全般的に話されちゃって、評価項目それぞれについての説明じゃないんですよね。
そうすると、我々が評価しようとし始めると、改めて、その項目について見なくちゃいけないという、どこを見ようかという話になっちゃうので、私は、最初の説明の仕方と、それから、この答えとがうまく適合するような報告書の書き方だったり説明の仕方にしてくれると助かるなという感じは思ったんです。
合わせても、もちろんいいのかもしれないけども、そもそも中期計画のところでどういうふうに書かれていたのかということと、それから、説明するときに、理事長が全般的に説明されちゃうんだけど、そうすると、評価するほうから見ると、聞いたのか聞かなかったのかわからなくなって、その辺の整合はとったほうがいいかなという感じはしましたけど。
【小池部会長】 ありがとうございます。
中期目標、中期計画に関して、分かれて記載されていますね。ですから、確かに先生の言われるように、一応、向こうとしては別々に評価してくださいというふうに言ってきているんですけども、実際に書かれていることは、同じことが書かれているので、評価をするほうも同じ答えを二つ書いてしまうようなことになるんですね。
【長坂環境研究技術室長】 今、部会長からご説明がありましたとおり、中期目標、中期計画、それから年度計画についても、この二つは分かれた形で項目が立ってございます。
ただ、だから、それを一緒にして評価してはいけないというか、個別に評価をしなきゃいけないという、別に取り決めがあるわけではないと思いますので、その実態として、これとこれを一緒に評価してしまうほうが評価しやすいということであれば、それはそれで問題がないのではないかと考えてございます。
説明の仕方にも問題があるんじゃないかというご指摘をいただきましたが、それは国立環境研究所が戻ってきた際に、来年以降のお話としてご指摘いただければいいのではないかということと、あと、これは実態として、まさに情報の提供ですが、内容として、環境の状況というものと、あと、研究とか技術に関する情報という、質は違うんですが、国環研がこの環境展望台というもので、一つで対応しているという実態があるということを考えれば、それに合わせて、一緒に評価してしまうということも可能ではないかなとは思っております。
【小池部会長】 それでは、これは来年の評価の課題という形で、今年は、もうこのまま変えませんので。国環研のほうの意向も聞いてみる必要はあると思うんです。別々に評価して、ちゃんと分かれているんだというふうな説明をしていただければ、こちらも独立に評価するし、もう一緒なんだというのでしたら、一緒にすることも可能だということですね。
【長坂環境研究技術室長】 ではないかと考えております。
【小池部会長】 それでは、これは来年度の課題という形にさせていただきたいと思います。
ほかに何かございますでしょうか。
もしなければ、その次の9ページ目から、第2の業務運営の効率化に関する事項、それから、財務内容の改善に関する事項、それから、その他業務運営に関する重要事項というところ、12ページ、最後までに関して、評価の評点及び書かれている書き方について、何かコメントいただければと思いますけれども。
今回の評価は、比較的、各委員の評価点が割合とそろっていて、そんなに際どいものはあまりなかったのですけれども、一つだけ、その他業務のところで、人事に関する計画のところが、Aと評価された委員が5、Bと評価された委員が4で、多数決でAになったということになります。これがちょっと際どかったなというところで、ほかは、かなりちゃんとはっきり分かれましたので、評点そのものに関しては、それほど問題点ないと思いますけれども、書き方、その他に関しては、いかがでしょうか。
【西間委員】 今、部会長が言われたところですけれども、これは、結局、9ページの第2-2の人材の効率的な活用のところでもBが出たというのと連動していると思います。
ほとんど同質のものであって、我々としては、国環研の将来のことを考えても大きな問題になるのではないかという認識があってBが出たと思うので、両方がB、もしくはほとんどBに近いということですから、もう少しここは強調したほうがいいのではないかという気がしたのですけれども。
特に、先生は一番最初にコメントを求められました。それとも同じですね。
【小池部会長】 そうですね。同じような。
【佐和委員】 小池先生のおっしゃったとおりのことかと思います。
話がもとに戻りますけれども、ページ数で言いますと、この5ページから6ページのところにかけて、環境の状況等に関する情報の提供というのと、それから、環境研究・環境技術等に関する情報の提供。私は、実は最初の環境の状況等に関する情報の提供のところは採点し忘れていたということで、黒くなっているのは私のところなんです。
それで、それはさておき、ですから、紛らわしいというか、一つにしてもいいんじゃないかということに、私のビヘイビアからすれば、そういうことになってしまうわけですけれども、実は、この情報の提供に関しては、私一人がBをつけているんです。
これは、私は、やっぱり広報活動というのは大変重要だと思うんで、それも、国内外を通じての広報活動です。これは、さっきの人材の効率的な活用とも関係するわけですけれども、広報の専門家のようなものを、内部でパーマネントなポストとして養成することが非常に必要になっているんじゃないかというふうに思うんですね。
国立大学が法人化されて間もないころに、東大が電通の職員をリクルートしたという話がありますけど、そんなのは、私は意味がないと思うんですね。
つまり、大学で言えば研究・教育ですけれども、国環研の場合だと研究ですけども、環境研究ということについて十分習熟しており、加えて、広報能力のたけた人材というものを内部で養成するということが必要ではないか。それは、繰り返しになりますけど、国内に広報活動するだけではなくて、国外にも広く国際的に広報活動する人材というものの養成が急務であると言っても決して言い過ぎではないというふうに思います。
それから、今、問題になった、人材の効率的な活用というところですけども、10ページから11ページにかけてございますが、そこでも私はBをつけていますけれども、これは、実は、国立大学法人も同じような悩みを抱えているんですよね。
つまり、成果主義とか、あるいは業績主義というものをもっと徹底すべきであるというふうに誰もが考え、そして、大学で言えば、文部科学省のほうもそういうことを言うわけですけれども、90%以上が日本人から成る組織において、アメリカの大学あるいは研究所のような業績主義と、あっという間に給料が2倍、3倍の開きができてしまうというようなことは非常に難しいんですね、実際問題として。
ですから、かつて富士通が成果主義を取り入れて、結局、結果的に失敗したというようなことが本になって発売されたりしておりましたけども、日本の研究組織の中で、あるいは教育組織の中で、業績主義あるいは成果主義というものを全面的に取り入れるということは非常に難しいということで、私はBをつけましたけど、これは効率的な活用という点から見ると決して望ましくはないけれども、これは、日本の国環研のみに対する批判ではないという断り書きを書いていますけども。
この辺は何をもって、日本の場合は研究という面でもチームワークというようなものを重んじるというような、そういう側面もあったりして、なかなかこの辺りの評価というものは、今の国環研のやり方がよくないんじゃなくて、大部分が日本人から成る組織に共通して言える問題点だというふうに思います。
【小池部会長】 この人材のこと、あと、人事に関することは、最後に、これは国環研だけの問題ではないという、両方とも断り書きはしてありますけれども、いかがでしょうか。
2.のほうの人材の効率的な活用に関しては、かなりストレートに問題があるという見方をしていて、人事に関するところでは負の影響をできるだけ少なくする工夫が必要であるかという、少しやわらかい言い方に変わっているんですけれども。
先ほどの西間委員のご意見ですと、似たようなニュアンスにしたほうがいいんじゃないかというご意見です。
あと、佐和委員のご意見の場合は、ちょっとそれとは違って、業績主義のやり方というのが、国環研もそうですけど、そういうのを取り入れていないわけですね。ですから、それに対してのコメントというふうに思います。
ただ、この場合、5・4で、一応Aのほうが少し多くなっていることは多くなっているので、人材の活用の場合は、もう、3・6で、完全にBのほうに逆転していますので、全く同じにする必要はないような気がしますけれども、その辺のニュアンスを強める必要があるかどうかということと思います。
これは、今の国のやり方が続く限りは同じような評価が、ずっとこちらとしても言い続けるしかないということになってしまいますけれども。それは、もう仕方がないですね。何かこれに関してご意見はございますか。
【沖委員】 逆に、少し教えていただきたいんですけれども。
我々の大学でも、人事課のほうから話が流れていますが、近々、法改正で、任期付の職員に関して5年以上は同じところで雇えないようになってまいりますよね。これは雇用者側の要望としてと言われてはいるんですけれども、そうなると、任期付ではなくて、パーマネントで雇うという形も増えていくと思われます。
恐らくかなり大きく変わっていくんではないかという気がしてはいるんですけれども、その辺と、今の人事問題とのすり合わせがどうなっていくのかというのが、逆に大きな問題になっていくのではないかと、私は思います。ですから、これを評価するときには、この最後のほうの文章にあります、「国環研だけでは対処できない」というところが、非常に大きな文言ではないかと考えておりましたが。
【小池部会長】 今の点に関して、事務局のほうから何かコメントはございますか。
法改正で、先ほどの理事長のお答えですと、比較的長く、高度技能職員という形でやっていただいているというようなニュアンスを聞き取ったんですけれども、何かコメントはございますか。
【長坂環境研究技術室長】 労働関係法令に関しては、私どものほうで今すぐお答えできる状況ではないのですが、国立環境研究所が戻られて、また伺ってみてもいいと思うんですが、私が聞いている限り、その問題については国環研としても、今後どうなっていくのか難しいというか、これから検討しなければならないだろうというお話はされておりまして、まさに、先ほどの高度技術の職員に関しては、実態上は10年とか、それ以上とか、働いておられる方がいて、そういう方たちが、その法改正によってどうなっていくのかは、今後、検討していかなきゃいけないのではないかというお話じゃないかと思います。
【松尾委員】 どういうふうにすればいいかわからないけども、私の直観は、人材の効率的な活用の部分と、人事に関する計画が少し変わっても一向に構わないんじゃないかというふうに思いますけども。
ですから、人材の効率的な活用のほうで、常勤と非常勤の問題で議論しておけば、人事に関する計画は、これはもう少し一般論としての計画でいいと思うので、紛らわしいところはあるけど、この書きぶりもこの程度でいいんではないかと。
だから、両方を合わせなきゃいけないというふうに思わなくてもいいんじゃないかと、こういうふうに思いますけども、どうでしょうか。感想ですけど。
【小池部会長】 それでは、ほかにご意見がなければ、一応このままという形で、書きぶりはさせていただきたいと思います。
ほかに何か、ここまでのところでございますか。
よろしければ、最後の1ページ目からの総合評価のところで、1ページ目から4ページ目ですけれども、これに関して何かございますでしょうか。
ここのところは、どちらかというと、ほとんどが褒め言葉になっていて、ずっと褒め続けるのが評価としていいのかどうかということはありますけれど、よくやられているので、そういう評価の形になったと。よろしいでしょうか。
(はい)
【小池部会長】 それでは、よろしければ、この平成23年度国立環境研究所業務実績の評価書については、この案のとおりとして、評価書として確定したいというふうに思います。どうもありがとうございました。
それでは、次が、平成23年度の政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項への対応状況評価の記載事項について、各委員からご意見があればお願いいたします。
先ほどの資料4ですね。
ここで確定した後の、これの扱いはどういうふうになるのでしょうか。
【長坂環境研究技術室長】 資料4でございますか。
【小池部会長】 この資料4は。
【長坂環境研究技術室長】 この資料4は、この評価書(案)が、これは独法評価委員会の評価ということで、総務省の政独委のほうに提出をさせていただいて、またそれでコメントをいただくということになるんですが、それと同時に、この本体と一緒に、こういう資料4のような、政独委からの指摘事項に対して、こういうふうに評価のときも対応していますという資料をつくりましたので、これもご参考までに提出しますという性質のものです。
【小池部会長】 では、評価書と一緒にこれも提出されるということですね。
これに関しては、先ほどご説明いただきましたように、部会の評価として、それぞれよくやっていますという評価の書きぶりになっております。それから、震災関連に関しても、最後に書かれていますように、法改正によって国環研の基本的な業務の一つになったということが書かれていますので、これは本来のミッションであると。
この法改正は、いつされたんですか。
【長坂環境研究技術室長】 この前、原子力規制委員会法案が成立したと思いますけども、そのときに、一連の法改正の中で含まれております。
【小池部会長】 23年度。
【長坂環境研究技術室長】 ついこの間できたばかりです。原子力規制庁案が原子力規制委員会法案に変わりまして、ついこの間、成立した、例の9月から原子力委員会ができるのか、できないのかという、今、状況でございますが、その法案が成立した際に、関連法案として幾つかの法案も一緒に成立していまして、その中で環境基本法と、あと、循環型社会形成推進基本法の放射性を除くという記載が削除されております。そのことを指しております。
【小池部会長】 そうすると、実際にこの法律が変わったのは24年度。
【長坂環境研究技術室長】 変わったばかりでございます、法律は。
【小池部会長】 それで、これで書いているのは、23年度のことを書いている。
【長坂環境研究技術室長】 それで、なお書きをさせていただいて、今後、ますますと。
【小池部会長】 それでなお書きになっているわけです。
【長坂環境研究技術室長】 はい。
【鎌形大臣官房審議官】 今回の原子力規制委員会の法律で、確かに環境基本法と、それから循環型社会形成推進基本法の中で、それぞれには放射性に関する規制などの措置については、原子力基本法の体系の中での個別法でやると、こういうふうに書いてあったのを、それを削除するということで、環境法の体系の中で放射性についても正面からやっていきましょうと、こういうことが決まりました。
これが、実は施行自体は間もなくというところで、まず、それは法律としては動いていません。動いていませんが、ただ、いわゆる今までの世界が、法律上、環境の保全といった場合に、必ずしも放射性物質についてのことが除かれているということが、実はなかったんです。複雑なんですが、環境法の体系の中でやると書いていなかっただけで、一般的に、環境保全といった場合に放射線についても扱い得るという、こういうような事情にはございました。
ですから、国立環境研究所も、実は環境保全に関する研究をやりますということが所掌事務ですので、厳密の概念上は、別に放射線をやってはいけないということになっていなかったんです。なっていなかったんですけども、今回、環境法の体系で正面から放射性物質について扱いますよということになったことに伴って、国立環境研究所も環境省と一体になって環境の保全について取り組んでいただくという意味では正面からやっていただく。こういうような扱いになったということでございまして、23年度の時点で、つまり、先ほど申し上げた法律が成立していない時点で、国立環境研究所がその放射性の関係の研究をやってはいけないと、こういう整理ではなかったということでございます。補足でございます。
【小池部会長】 今のことはよろしいでしょうか。今までも、やっていけないということはなかったんだけど、何となく、少し離れていたと。
【鎌形大臣官房審議官】 国立環境研究所を所管する環境省は、環境法体系を背負うという意味では、環境法では正面からやらないということになっていたので、基本的に、環境省から国環研にお願いするということもなかったし、社会的にもそこは期待されていなかったということです。
【小池部会長】 わかりました。それでは、これに関してはよろしいでしょうか。
それでは、よろしければ、平成23年度の政策評価・独立行政法人評価委員会指摘事項への対応状況評価書に関しては、この案のとおりとして、評価書として確定させていただきたいと思います。ありがとうございました。
本評価結果については、独立行政法人通則法第32条第3項に基づいて、独立行政法人国立環境研究所及び総務省に置かれている政策評価・独立行政法人評価委員会に対して通知するとされていますので、事務局に必要な手続を行わせたいというふうに思います。
それでは、国立環境研究所の役員の方々には、再度、席に戻っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【長坂環境研究技術室長】 別室が19階だそうなので、上がってくるまでに時間が3~4分かかると思います。申し訳ございません。お待ちいただければと思います。
【高橋委員】 総務省のほうで独法制度の見直しというか、法律をつくっていたと思うんですけども、あれはどうなったのでしょうか。
【長坂環境研究技術室長】 一応、法案は国会に提出されておりますが、国会がこういう状況でございますので審議のほうは全然進んでおりません。
【高橋委員】 審議入りしていない。当面は変わる可能性はないということですね。
【長坂環境研究技術室長】 法律自体が通れば、また、これまで独立行政法人だったのが、ただの行政法人ということになって、国環研は、その中で国立研究開発行政法人ということで位置づけられる予定ではございます。
もしそうなれば、そういった、また独立行政法人とは違った行政法人として、中期目標、中期計画を立てる。現在の法案におきましては、中期目標や中期計画を立てるような法人と、あと、そういうのを立てないで、純粋に行政執行する法人というものに分かれておりまして、国環研のほうについては中期目標を作成する法人のほうになるということが予定されておりますので、新たな中期目標を立てるということになると考えております。
【高橋委員】 再生機構のほうは執行法人ですか。
【長坂環境研究技術室長】 機構も中期目標行政法人と聞いております。
【小池部会長】 今回から、放射線とかそういうものを、業務内容がかなり、国環研のやることは変わってきましたので、多分、中期目標、中期計画を変更してやらないと、なかなか、これから5年間やっていくのは大変だと思うんですけれども。
法律が変われば、また自動的に新しくつくらなければいけないので、そのときにチャンスで変えるということはできる。ただ、ずっと法律がこのままだとずるずると行くことになりますね。
【長坂環境研究技術室長】 今おっしゃられたとおり、一応、法案が通れば、それに合わせて中期目標、中期計画を改訂するということは、現時点では考えております。それ以上は、何とも申し上げられないと思います。
(国立環境研究所役員 入室)
【小池部会長】 それでは、お入りいただきましたので。
慎重に審査いたしました結果、平成23年度の独立行政法人国立環境研究所の業務については、適切に成果を上げていると判断して、総合評価をAといたしたいと思います。
ただし、国立環境研究所に対する期待は非常に大きいものがあり、研究業務、情報業務、そして、業務運営の全般について、一層のレベルアップを求められるところであり、積極的な検討、対応がなされるよう、よろしくお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
【大垣国立環境研究所理事長】 どうも、総合評価Aをいただき、ありがとうございます。
ご指摘のとおり、大震災もありまして、また、独立行政法人としての制度上の、さまざまな制約というと表現が悪いですが、仕掛けがございますので、その中で最大限の努力をしているところでございまして、それをご理解いただいて大変感謝申し上げます。
ご指摘のありました人件費、B評価の部分でございますけれども、先ほども最初にお話しいたしましたように、これ自体は、人件費自体を伸ばしてもらいたいという要望は出しておりますけれども、現実にはなかなか難しい。その中で、契約職員等をどのように配置して、どのように運営して、かつ労務管理をして運営していくかということが一つのポイントと思っておりまして、それなりにさまざまな仕組みをつくって、現在、運営を続けているところでございます。今後とも、どうぞよろしくご指導のほどをお願いしたいと思います。
簡単でございますが、これでごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
【小池部会長】 今日、評価の途中で出た議論で、一つ、事項別評価のところで、2.のところに環境情報の収集・整理・提供に関する業務というのがございまして、これが、(1)は環境の状況に関する情報の提供、(2)が環境研究・環境技術等に関する情報の提供、二つに分かれて、中期目標、中期計画も分かれているし、年度計画も分かれているんですけど、実際に、今、実態として、環境研究所の場合は環境展望台というのを非常に充実させていて、それで、その両方を扱われているので、評価とすると、それぞれ、独立に評価したほうが、そちらとしていいのか、それとも、両方を合わせてもいいのか。それを、できたら来年ぐらいまでに検討していただければありがたいと思いますけれども。
多分、実態がそうなっているので、今後、そういう実態をしばらく続けられるんだったら、年次計画のところで、そういうふうに両方を一緒にしたような年次計画をつくっていただければ、こちらとしても同じような格好で応えることが、評価することができますので、それについてはご検討いただければと思います。
【大垣国立環境研究所理事長】 これは、歴史的に、(1)のほうは、まさに環境のデータの現状等をはっきりとデータとして示すというような機能があったと思いまして、(2)のほうは、いわゆる環境研究・環境技術に関する解説といいますか、国民への説明というような部分で、内容が違うので、ずっとこれで来ていると私は理解しております。情報部長、いいですか、そういう理解で。
今度、次の、来年以降どうするかは、改めて、今のご指摘を受けて検討させていただきたいと思います。
【小池部会長】 ほかによろしければ、それでは、次の議題、平成23年度の独立行政法人国立環境研究所財務諸表の承認についてに移りたいと思います。
これは、主務大臣が承認するに当たり、あらかじめ部会の意見を聞かなければならないとされておりまして、前回の部会において、国立環境研究所の笠井総務部長よりご説明いただきました。この財務諸表に関しては、特に意見がないということにしたいと思いますけれども、これに関してはいかがでしょうか。
何か、特にこうしていただきたいというご意見はございますでしょうか。よろしいですか。
(なし)
【小池部会長】 よろしければ、そのようにさせていただきます。
、次の議題、その他ですけれども、何かその他でございますでしょうか。
【松尾委員】 一つだけ。環境研のほうにお願いしておきたいのですが。
我々は、評価に当たって説明を聞く機会があるわけですよね。あの説明を、答えの書きやすいように説明の資料をつくってもらえると非常にありがたいと思うんです。
理事長が全般的な環境研の活動をご報告され、あと、個別のところを報告されるんだけども、報告書のどこを見ながら我々はこの評価書を書き込んだらいいかというのが、混乱する部分があるんです。非常に全般的な話と個別のテーマとの関係が。
それで、先ほどの環境の状況の報告のところと、技術と何とかの報告というのが、項目では分かれるんですけども、説明の中では、それがあまり明確に分かれていなくて、全部が環境展望台みたいなものになっちゃうようなふうにしか見えない説明になっているんです。
ですから、そこをきちっと分けてもらえれば、我々もそこを意識して見られるというふうに思いますから、一緒にしちゃうのも一つだと思うんですが、説明の仕方を、もう少し我々にとってやりやすいように、評価項目との対応をつけてくださるような説明をしてくださると、混乱がなくなるし、我々としてはやりやすくなるんじゃないかと、こう思うので、よろしく、ひとつご理解いただいて、来年度からそういうふうにしていただければありがたいというふうに思います。
【大垣国立環境研究所理事長】 わかりました。
【小池部会長】 ほかに、何かご注文はございますか。よろしいでしょうか。
(なし)
【小池部会長】 それでは、ほかにありませんでしたら、これで議事は終了いたしましたので、少し早いですけど本日の部会は終了といたします。
本日は、どうもありがとうございました。