第6回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録
日時
平成17年7月20日(水)10:34~13:02
場所
法曹会館3階「富士の間」
議題
- (1)
- 平成16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価について
- (2)
- 平成16年度独立行政法人国立環境研究所財務諸表について
- (3)
- その他
配付資料
資料1 | 平成16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価結果一覧 |
資料2 | 平成16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績評価書(構成案) |
資料3 | 今後の予定 |
参考資料1 | 環境省独立行政法人評価委員会国立環境研究所部会委員名簿 |
参考資料2 | 環境省独立行政法人評価委員会の運営方針について |
参考資料3 | 独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る基本方針 |
参考資料4 | 独立行政法人国立環境研究所実務実績の評価に係る質問事項等について |
参考資料5 | 平成16年度業務実績報告書 |
参考資料6 | 平成16年度業務実績報告書資料編 |
参考資料7 | 平成13、14、15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書 |
参考資料8 | 平成13、14、15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績に係る評価結果一覧 |
参考資料9 | 平平成13、14、15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績に係る各委員の評価結果一覧 |
参考資料10 | 平成16年度財務諸表 |
参考資料11 | 平成16年度事業報告書 |
参考資料12 | 平成16年度決算報告書 |
参考資料13 | 監査報告書 |
参考資料14 | 関連法規 |
出席者
委員
石井紫郎委員、小池勲夫委員、坂本和彦委員、高月 紘委員、西間三馨委員、三橋規宏委員、 長谷川雅世委員、森本幸裕委員
環境省
- 大臣官房
- 桜井審議官
- 総合環境政策局
- 宇仁菅環境研究技術室長
今井環境研究技術室長補佐 - 国立環境研究所
- 大塚理事長
西岡理事
飯島理事
松村主任研究企画官
柏木総務部長
議事
【今井環境研究技術室長補佐】 定刻を少し過ぎましたけれども、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会第6回国立環境研究所部会を開催いたします。
なお、本日付で環境研究技術室長の齊藤が異動となりまして、後任の室長は宇仁菅といいますけれども、今部会は途中より参加させていただきますのでよろしくお願いいたします。
環境省独立行政法人評価委員会令第6条の規定によりまして、過半数の出席、本日8名の先生方に出席いただいておりますので、この会が成立していることを報告させていただきます。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、石井部会長にお願いいたします。
【石井部会長】 それでは、最初の議題でございますが、これは平成16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価についてでございます。
前回におきまして国立環境研究所の側から業務実績についてご報告を承り、それを踏まえて各委員の方々に評価をお願いしておりましたところ、12名の委員、皆さん全員からペーパーが提出されたということでございます。
それでは、資料の説明を含めて事務局から説明お願いします。
【今井環境研究技術室長補佐】 それでは、資料1について個別の中身ということではなくて、こういう資料をご用意いたしましたという説明をまずさせていただきたいと思います。
前回の部会におきまして委員の先生方にお願いいたしました評価シートにつきまして、それを提出いただいたものをまとめたものでございます。
ご用意いたしました資料1ですけれども、まず表紙の1ページ目、これは各ランクづけ部分だけのサマリーとなっております。2ページ以降は事項別になります。この事項ごとに1枚ずつ紙をつくっております。
一つ例を挙げて説明いたしますと、1枚めくっていただきまして2ページ目でございますけれども、一番上に平成15年度、昨年度の事項別評価の取りまとめた結果、評価書の内容を参考のために添えさせていただいております。
その下の方になりますけれども、各委員ごとのお名前とランクづけ、コメントを一覧として整理して載せてあります。それから最後の欄ですけれども、16年度業務実績の事項別評価という空欄になっておりますけれども、これは議論いただいての話ですので、空欄にしてありますので、今回はメモの欄とお考えいただければと思います。
この資料1の次に参考ということで、審議の順番、A4の1枚紙をご用意させていただいておりますが、これからこの資料に沿って事項別にご審議いただきたい順番ということでございます。
【石井部会長】 A4の紙を横に使った紙でございまして、数字が斜めに左側の方にずっと打ってあるものです。
【今井環境研究技術室長補佐】 それで、左の方から大事項、中・小・孫事項ということで、ここにあります番号がご審議いただく順番、一番左側の大事項でいきますと、この大くくりで1、2、3、4とこの順番で進めていただきます。
例えば大事項の2番でございますけれども、この中でさらに順番が、孫事項のあるものは孫事項をやりまして、それから小事項に上がりまして、小事項を個別にご議論いただきまして中事項、最後に大くくりの大事項をご議論いただくと、そういうことでこの紙を参考にしながら審議を進めていただければということでご用意させていただきました。
あと、資料1、2ページ以降につきましては、審議しやすいように審議の順番に沿って2ページ以降を並べ替えてございますので、この順番に沿ってご審議いただければと思います。
以上、資料1のご説明でございます。
【石井部会長】 ありがとうございました。資料1の一番上の縦長の紙にずっと一番左側の「ページ」という欄を見ていただきますと、9から始まって9、2、3、4、5云々と下まで33というところで終わっております。要するに、今、説明がございましたように、大項目があってその中に中項目がある。その大項目は中項目を幾つか評価した後でないと大項目の評価ができないと。それから、中とその中にある小項目も同じような関係にございます。ということで、この、「審議の順番」という表でごらんいただきますように、小項目をやって中に行き、小項目をやって中項目に行きというのを繰り返して最後に、1の大きな大項目へ行くと、こういうことでございます。
2ページ目以下の各委員からの評価とコメントが右側に書いてございますこの資料は、今申し上げました実質的に審議をする順番に並べ替えております。したがって、これをご覧いただきながら、この綴じてある順序に従って審議をしてまいれば、ただいまのようにひっくり返ることが自ずから出来るということでございまして、大項目の評価をするのを忘れることがないようになっているとこういうことでございます。
何か資料についてご質問ございますでしょうか。何分、大中小いろいろございますが、いずれにしても総合評価を含めて33のアイテムについて、これから評価に関してご審議いただくわけであります。よろしくお願いをいたしたいと思います。
まず、順番といたしましては小項目ごとに今申しましたようにS、A、B、Cのランクについておおむねの方向を出していただく。次に、昨年の評価との比較を行いまして、今回の評価に盛り込むべき内容についていろいろご意見をいただきたい。つまり、評点だけではなくてコメント、全体としてどういうコメントを付けていくかということでございます。そして、中項目に戻るという形で同じことをする。そして、最後にそれを繰り返していって総合評価についてご議論をいただくと、こういうわけでございます。
それでは、この資料1の2ページ目からご検討をお願いしたいと存じます。申すまでもなく、これは業務運営の効率化に関する事項という大きな項目の中の小さな項目の最初ということであります。
それでは、これどういうふうにやっていきますか。先生方のご評価は既にここに整理されておりまして、Aが10名、そしてBは2名の委員がつけていらっしゃるとこういうことでございますので、差し当たり少数派というのは変ですけれども、より厳しいご評価をいただいた先生から若干のコメントをいただき、そしてそれを大もとに、全体としてどうするかという議論をするという形にしたいと思います。
なお、高木委員はここでもBを付けていらっしゃいますが、今日ご欠席でございますので、私あてに文書でコメントをいただいておりますので、早いかもしれませんが、あらかじめこれをご紹介しておきたいと思います。
「比較的厳しい評価書を出したけれども、それについてフォローさせていただきます。これまで4年間の業務実績報告書を拝見しましたが、これを読む限り平成16年度が最も改善に向けての新たな取り組みが行われなかったと感じざるを得ませんでした。前理事長は比較的熱心に運営の改善に取り組まれたと拝見していましたので、前理事長の任務の最終年度に厳しい評価としたことは非常に残念に思っております。実態はそうであったのか、報告書の作成のされ方がよくなかったのか、はたまた私の判断感覚が少々ずれていたのか、いずれが理由であったかは判然としませんが、もし実態が報告書の記載どおりであったとするならば、理事長のご任期の最終年度であったことが関係しているのかもしれないと思うことをお伝えしておきたいと思います。なお、20日に評価結果を基本的に取りまとめられるものと理解しておりますが、私は自分の意見に固執するものではありませんし、最終的な調整は皆様にお任せいたします。」、こういうことでございます。ということで、この項目についての特化したコメントは今ご紹介した文書の中にはございませんが、高木委員は基本的にそういうことで、またここにもコメントが書いてありますので、これをお読みいただければと思います。
それでは恐縮ですが、西間委員、ここの欄にコメントがないということもございますので、ちょっとご説明をいただけますでしょうか。
【西間委員】 私は今回この会は初めてなので、評価の基準が自分の所属する独法のレベルで考えました。したがってちょっと厳しかったのかもしれません。全般的に業務運営の効率化に関しては、この組織形態ではある程度、どうしても限度があるということで、限度のある割にはよくやっているというところはA、こんなものかというところをBにしました。そういうことでBが二つぐらいあって、あとは全体的にAです。後ほど述べますけれども、2番の業務の質に関しましては、S、Aというところでほとんど固まっています。中身については問題ないのですけれども、どうしても組織上のものについては限度があるということで、この辺は客観的につけました。別に大きな問題があるというわけではありません。業務運営とか、組織運営の限度が独法ではどうしてもあるのだろうと思ってつけました。
ですから、余りコメントをいろいろ書くと自分の独法組織のことを書いているようになるので、コメントは余り書かずに評価だけにいたしました。
【石井部会長】 それでは適宜、コメントが書いていない場合には、また今のようにご説明の追加をお願いするかもしれませんが、そういうご趣旨としてこの空欄を受け取りました。
そこで、高木委員のコメントにも書いてございますが、この効率的な業務運営の整備という点についての評価であるにもかかわらず、効果的な研究体制について説明されるだけである。効率と効果とは違うわけだから、そこのところがちょっとずれているのではないかと、こういうご趣旨だろうと思いますが、ほかの委員は特に何かコメントはありませんか。
何かご関係の方から反論といいますか、コメントございますでしょうか。
【飯島国環研理事】 反論というわけではないのですが。高木委員のご指摘にもありますように、中期計画の書き方に沿って記述しているものですから、中期計画の書き方が、例えば効率的な組織の編成というタイトルのもとに効果的な体制整備が掲げられているので、これに沿った書き方になっているということがあります。確かに、おっしゃるとおり効率的と効果的は異なるというのは承知しておりますが、中期計画の定員数の範囲内で必要最小限の組織体制の充実を図っていくことを追求しているところです。効率化については、ある程度、物差しになるようなものをつくらなければ、恐らく高木委員のご指摘に直接応えることはできないのかなと思っていまして、次期中期計画においては、どういう形で効率化の基準をつくっていくかということも研究していきたいと思います。新たな組織の設置については事実をそのまま書いておりますので、自己評価としてその効果はあったという書き方をしておりますが、次の中期計画の書き方等につきましては工夫していきたいと思います。
【石井部会長】 西間委員、恐縮ですが、自分のことのようだというご感想をちょっと漏らされましたが、効率的と効果的の区別みたいなものは、ほかの独法の場合に……。
【西間委員】 基本的に独法に移行した組織には既に人がいるわけです。組織自体を大きく再編することは中のそれぞれの部門の人の再編ということになりますから、そう簡単に出来るわけではないですよね。アイディアが幾らあっても、それは生身の研究者がそれぞれの部門にいるわけですから、そう簡単にはできない。効率的にかつ効果的に組織の再編をするというのは根本からがらがらぽんしない限りはあり得ない。すでに出き上がった国環研の場合には、微修正をやっていきながら改良するということしか、現実にはできないでしょうから、言葉はどちらでもいいのではないかと私は思います。
【石井部会長】 恐らく中期目標、中期計画を策定し、それに対応する計画を立てるときに、そういう意識というのか、傾向があるんでしょうね。つまり統括する資源、コストをどんどん減らして、そしてコストパフォーマンスを上げていく。これが効率性なんでしょうけれども、差し当たりそういうことは想定されていないで出来たものですから、そういうことにどうしてもなるのかなという感じはいたします。
どういたしましょうか。別に多数決で行くわけではないんですけれども、大体今日の議論ではA10、B2ということで、まあまあAという評価に、これからもまだご議論いただくわけですし、全体の議論をしながら、またこっちに戻ってくることがあると思いますが、一応多数の方に落ち着きそうだなという感触を、何となく皆が頭の中に浮かべて次に行くということでよろしゅうございますでしょうか。一応、Aでいいとしておいて、次にどんどん進んでいくやり方もあるんですが、去年どうしましたっけ。
【今井環境研究技術室長補佐】 個別に一つずつ一定の方向を決めていただくという形を取っていました。
【石井部会長】 それでは、仮にここは、全体としては、Aという評価で先に進みます。後で戻ってきて修正することはあるべしという前提のもとでございますが、一応それで進ませていただきます。
では、次のI-2であります。これについては坂本委員、三橋委員からBがついておりますが、何かコメントをいただけますでしょうか。
【坂本委員】 私はそこに書いてあるとおりで、一方では評価をするわけですけれども、だんだん質的なものも考えていかないといけないだろうということです。これは全体として後で改善すべき事項の検討というところにも書いたんですけれども、実は職員の年齢構成、それから常勤、非常勤職員のバランス、そういったものを考えていかないといけない。継続的に研究意欲が持続する形に、どういうふうにしてやっているかということを考えないといけない。流動性を上げるために任期付研究員だけを増やしていくと、別の心配をだんだんしないといけなくなるのかなということで、今後の業務改善のところも含めてこういったことを書かせていただいたということでございます。
これは大学でもいろんな形で評価をする場合、単年度評価をすると非常に問題が出てきて、平均みたいな形で見ていかないといけないのと、それからややもすると小さい仕事にだんだんなってしまうということで、どうやったらいいのかと。まさにこれも言えば言うほど自分へ跳ね返ってくるようなことでございますけれども、そういう点で書かせていただいたということでございます。
【三橋委員】 一つ、私はこの研究の中身の言葉の使い方というのはよくわかりません。ここに書いてある高度な研究能力を有する研究者や独創性に富む若手研究者など受け入れる流動研究員。流動研究員なんていう言葉は世間に通用する言葉ではないと思います。こういう高度な能力を持った研究者を集めて研究してもらう。それはもっとアピール力のある言葉を使うべきと思います。流動性というのは、何かスーパーマーケットか何かが足りない人をちょっと雇って、すぐにポイ捨てではないけれども、期間採用するみたいなイメージが余りに強過ぎる。そうではなくて、非常に優秀な高度な研究をする研究員制度のまずワーディングというのを考えるべきだと思います。もっと魅力的なね。独創研究者グループとか何とか。何だかわからない。しかも、流動研究員を増やしているわけでしょう。それで、非常に有能な若手の人たちを増やす。それは、これからの時代に、私はもちろん必要だと思っているんだけれども、とにかくワーディングは余りよくないと思う。何を意味しているのだか全くわからないんです。だから、中身というよりもそういうことを1点ちょっと指摘したかったんです。
それで、こういう優秀な若手の研究者を採って研究をしてもらうわけだけれども、その場合にはあらかじめ研究テーマが決まっていて、それに相応しい人を集めているのか、それではなくて能力のある人をとりあえず集めて、その人にやりたい研究をやってもらって成果を出してもらうのか。その辺の説明が非常に不足しているので、やはり新しい試み、優秀な人材を確保して研究をやっているんだということならば、それに合うような名前を付けるべきだろうと思います。
他のところは客員研究員、こういうのは何となくわかるけれども、流動研究員なんていうのは全くイメージとして沸かないのは、全くこの分野の素人の私だけなのかもわかりませんけれども、恐らく世間ではそういう人たちが多いということです。それをちょっと指摘してB評価ということになっているわけです。
【石井部会長】 言葉の説明、あるいは具体的にどういう方を流動研究員として採用しているのか説明して下さい。
【飯島国環研理事】 先生ご指摘の趣旨、流動研究員という言葉はイメージが沸かないというのは実は私どもがよく言われるところでして、実際、私どもはNIESフェローとかNIES
ポスドクフェローと呼んでいるのですが、シニアな研究者や若手研究者など全体を指して流動研究員制度と呼んでいます。これは非常勤職員になりまして、基本的には競争的資金など研究費で雇用する研究員になります。ですから、研究テーマはあらかじめ決まっております。どのプロジェクトを担当するかということがわかった上で募集をして採用しています。こういう状態でありまして、現在、競争的資金など外部資金の割合が高くなるにつれて、この流動研究員の数も非常に増えているということであります。この中でもちろん常勤職員のポストに空きがありますと、それに対して公募したときには流動研究員の方にも応募をしていただいて、そこから正規の職員として採用するという例はこれまで出ております。そういう形でやっています。
それから、三橋先生から研究生についてコメントがございましたが、これは確かに16年度になって非常に増えております。増えている理由の一つは、国立大学法人からの研究生が非常に増えておりまして、国立大学法人になった影響もあるのかなという感じがしますが、15年度に比べまして16年度になって国立大学からの研究生を受け入れてほしいという要請が多くなりました。それに対応した結果、研究生の数が増えているという状況でございます。
【石井部会長】 応募が多くなったという意味ですか。
【飯島国環研理事】 基本的には研究生は大学の教授からのご依頼がありまして、それに対してうちで受け入れられれば、受け入れているわけでございますが、応募が増えておりまして、それを受け入れているという状態なんです。
【石井部会長】 ということは大学がご迷惑をかけているのかということになります。森本先生、何かお心当たりありますか。
【森本委員】 うちの場合は、実はインターシップでお世話になっていまして、いわゆる環境関係の課題に取り組んでおられる現場に行くということは、教育の一つの方針にしていまして、そういう意味では大変感謝していまして、余り変なことを書けない立場なんですけれども、と言うとちょっとまずいんですけれども。そういう意味では、人材の活用ということに関しては割合効率的に行われているなという印象だったので、僕としては一応Aを付けさせていただいたということでございます。
【石井部会長】 頼まれればしようがないからというわけではなくて、いい人だから採っているということですよね。そうでないと、BどころかCになってしまいますから。
【森本委員】 はっきり言いまして、大学なら大学の中だけとかで何かやっているよりも、ちょっと外で経験していただいた方が、我々としても教育効果というかインセンティブが上がる面がございまして、そういう意味では流動的な立場の方もいらっしゃる、いろいろな研究生の方がいらっしゃるというのはいいことだろうと思っております。
【石井部会長】 制度の趣旨は悪くはないし、いい方をちゃんとセレクトをして採っていらっしゃるということだったら問題はない。双方にとって大変結構だと思いますが、小池先生、何かありますか。
【小池委員】 私も評価はAを付けさせていただいたんですけれども、これは今どこの大学も研究機関が同じ状況なんですけれども、先ほどお話がありましたように、かなり大型の研究費が増えて、多分これみんなポスドクだと思うんですけれども、それがどこでも非常に増えていって、普通、私たちの場合ポスドクというのは35ぐらいかなと思うんですけれども、それを超した人が随分今増えてきてしまって、それをどういうふうに研究者としてやっていくかというのが非常に大きな問題なんですけれども、その点に関して、今、環境研の場合、常勤の研究者が200ちょっとですか、それに対して流動研究員は百数十人でかなりの割合になっている。この先、これをどういうふうにして行かれるつもりなのか、それについてちょっとご意見を聞かせていただきたいと思います。
【飯島国環研理事】 流動研究員という言葉は別にいたしまして、ニースフェロー、ニースポスドクフェロー、あるいはアシスタントフェローというランクがありまして、このうちポスドクフェローが多いんですが、シニアの方はニースフェローとしてある程度待遇も良くなっています。これは期間を定めて雇用しているわけでございますので、場合によっては60歳定年を迎えた方で、非常に優秀な方については、一旦退職はしていただきますが、またニースフェローとして雇用していく例もございます。
今後どうするかということなんですが、ご指摘のとおり競争資金など外部資金の導入が増えるにつれて、この流動研究員の数も増えておりまして、恐らくこの16年度ぐらいの人数は限界に来ているのかなという気がいたします。というのは、予算的にも外部資金は、競争資金を含めて少しは増えているんですが、大体頭打ちの状態にありまして、人数的にも今のやり方で今の規模でやっていくには、現在の状況が飽和状態というか、これ以上伸びるといろいろと弊害が出てくるのではないかと思っています。
【石井部会長】 別にBをお付けになった方だけに限っているわけではございませんで、既にAを付けてくださった先生にも私はコメントをお願いしていしますから、ほかの委員の方々。
【飯島国環研理事】 石井先生のコメントについて。
【石井部会長】 テニユアトラックの問題ですか。
【飯島国環研理事】 はい。
【石井部会長】 どうぞ。
【飯島国環研理事】 石井部会長からのご指摘でございまして、今、流動研究員の話をしましたが、もうひとつ切実なのが任期付研究員の話だと思います。任期付研究員については、すべて任期が終わったらパーマネントにするという制度ではございませんし、そういうことは考えておりませんが、任期付研究員を公募する際にも将来パーマネント移行の可能性があるということは伝えておりますし、実際にこれまで任期付研究員のうち優秀と判断された者についてはパーマネントで採用した例がございます。この4年間の間に任期付研究員で採用された者が途中パーマネントのポストの公募に応募して、6人の方がパーマネントに採用されています。この数は恐らく来年3月に5年の任期が来る人が多いわけでございますので相当増えるだろうと思います。
【石井部会長】 そうですか、ありがとうございました。同じようなコメントが北野委員のところにも、異なる身分間の軋轢みたいなものというご心配が出ている。若干今のと重なるかもしれませんが、何かこれについてコメントおありですか。別に軋轢はないよということなのか。
【飯島国環研理事】 今のような話は、実際に優秀な人たちについてはこういう道が開けているのだということを理解してもらうまでは、来年3月に任期を迎える方々が非常に焦るといいますか、そういう状況がありました。それにつきまして、今、申し上げましたような例を示して、全員というわけではございませんが、優秀であればそういう可能性があるということを、これまで任期付研究員に対しても伝えてきておりまして、変な軋轢というのは起きない状況にはなっていると思います。
【石井部会長】 流動研究員という言葉自体がわかりにくいし、余り好ましくないというご指摘が今あったわけですが、それは何か制度上の概念であって、少なくとも表向きはこれを使わざるを得ないというようなことか、内部的な呼称としてお使いになっているのか、その辺ちょっと伺いたいんですけれども。
【飯島国環研理事】 初めに中期計画を作ったときにこの言葉が使われたと思いますが、制度的に法律に書かれた言葉とかではなくて、流動性のある研究者という意味で、こういう言葉を使ったのだと思います。先ほどご指摘がございましたし、環境省の大臣政務官からもおかしいんじゃないのというご指摘を受けていまして、やはりちょっとおかしな響きに聞こえるかもしれないということは私どもも理解しています。
もう一つ、石井先生のご指摘で、高度技能専門員のお話がございましたが、これはおっしゃるとおりでございまして、既にこれは17年度、今年度に入ってからでございますが、会計の専門家、公認会計士の方を採用しておりますし、これからも特殊、高度な技能を持つ方の採用を増やしていきたいというふうに思っています。
【石井部会長】 はい、わかりました。
【西間委員】 流動研究員はごく普通に、ここ数年、大学や研究センターもみんな使っていますし、研究費で雇った期限付の研究生だということだと思います。その中の若手で、もし優秀なのがいたら次の定員採用のときに頭の隅に入れるという、大体そういう感じでどこも皆さんやっていると思います。確かに組織全体から言うと余り健全なものではないかもしれないけれども、結局、研究費がずっと5年、10年続くわけではないので、やはり3年なら3年で切らなければならない。その辛さがあって、こういう流動研究員を最近はどこも普通に使っているけれども、確かに言われると言葉はちょっとイメージが悪いかもしれないですね。
【石井部会長】 これまた大学でも使っているんですね。
【西間委員】 特任という言い方をしていますね、任期付きの人は。
【石井部会長】 もうちょっと格の高い人については別の言い方をしているところもあるんでしょうし、これは今後の工夫でしょう。
【三橋委員】 参考資料5の業務実績報告書の5ページの1枚目に書いてある流動研究員というのは、高度な研究能力を有する研究者や独創性に富む云々と書いてあるわけですよね。それと今伺った研究員とは大分イメージが違うので、何か言っていることと大分違うような感じがしますね。
【石井部会長】 むしろ、さっきの京都大学との例から言うと、まさに積極的な意味があって、最も大学病院も同じような状況で、口減らしでやっているのかもしれないです。
【大塚国環研理事長】 名称については確かにごもっともですので、考えさせていただきますけれども、私どものところでニースフェローとか、ニースポスドクフェローとか言っている方には、所内での競争的な奨励研究に応募する資格もありますし、もちろん現実に研究費のプロジェクトが終わったときに全てそのまま残るというわけにいきませんけれども、研究者の卵として大事にしているつもりでおります。
【西岡国環研理事】 今さら言うまでもないのですけれども、要するにポスドクをもっと使っていこうというのが全体の日本の方針だったわけです。そういう方をどんどん使っていこうということもあって、こういう制度が多分できたのではないかと思っております。
今、お話にございましたように、私どもポスドクは役目を決めて採るものですから、そういう仕事をちゃんとやってもらいたいということでいくのも一つありますし、それから、そういう人たちが奨励研究といったものに応募して、自分独自のものをやりたいという、そういう場も与えている。しかしながら、ポスドク管理者の方から言いますと、奨励研究なんかやらないで仕事をやってくれというような、先ほどのコンフリクトございまして、なかなか難しいところがあるかと思います。
それから、小池先生の先ほどのご質問の中で、その後の面倒見とかどうなっているのかというニュアンスのことがあったのではないかと思うのですが、正直言って全部の面倒はなかなか見切れなくて、流動研究員の回転率はかなりいいですけれども、それでも自分たちで見つけてどんどん移っていくという形になっておりまして、非常に難しい問題になっております。
【小池委員】 恐らくこういう研究費で雇う場合というのは、3年とか5年とかというタームなので、それで切らざるを得ないんですけれども、例えば環境研のように大きな研究所の場合は、もし例えばオーバーヘットを研究員からとっていって、それである程度その資金を貯めれば、ストックしておければ、それである程度長期の研究者の雇用に使える。今、大学でもそれを少し模索を始めているんですけれども、多分これからそういう方向で、定員そのものは多分どんどん減っていく方向です。そうすると、もう完全に人員構成が二極化してしまうのは、やはり研究全体の体制とするといいことではないので、やはりそういう努力を是非いろんなところでやっていただきたいと思うんですけれども。
【石井部会長】 この調子でやっていきますと一体いつ終わるかわかりませんので、先へ進ませていただきます。大まかなところ、さっきの項目よりは若干気になるかなという点はございます。そういう意味ではAマイナスぐらいかなと思いますが、AマイナスというのはAだという一応の理解で先に進ませていただきましょう。
新室長が見えましたので、ちょっとごあいさつを。
【宇仁菅環境研究技術室長】 今日付で新しく室長になりました宇仁菅と申します。どうぞよろしくお願いします。
今までは地球環境局のフロン等対策推進室長ということで、フロンガスによるオゾン層の破壊防止ですとか、温暖化防止を担当しておりました。先ほど辞令をいただきまして、きょうから新しく参りました。どうぞよろしくお願いいたします。
【石井部会長】 それでは、先へ進ませていただきます。次の項目です。この項目の名前は、財務の方ですか。森本委員、何かコメント、ここに書いてありますが。
【森本委員】 余りよくわからない。すみません、ここに書いてあるそのものなんですけれども。大変立派な恵まれた収入で、かつ自己努力もされ、収入面は順調かなと思うんですけれども、ここに書きましたように、営繕支出の点ですごく効果があったというように書かれているんですけれども、その面の業務というのは逆に何かを圧迫しているのではないかなという危惧もあるんですけれども、その辺のご説明がなかったもので、ちょっと評価しにくかったということでございます。
【飯島国環研理事】 独法前は国立機関でしたので、官公庁施設建設法という法律がございまして、現在、国交省所管で実施施工が制限されていまして、国交省に委託して建設するという、そういう形をとらざるを得なかったんですが、独法になったのでそれが外れましたので自主的にできることになったということで、全部自主的にした結果、効果があったということです。なぜ効果があったかというと直接人件費、間接人件費、国交省に払わなければいけない経費が全部浮くわけです。3,000万円ぐらい節約になっているわけですけど、森本委員のご指摘はそれで逆にどこか圧迫されていないかということだと思いますが、設計だとかも全部外注になりますので、国交省経由だと国交省に支払わなければならない経費が節約できたという話でありまして、余り強調していいかどうかわからないですが、国立機関の時はその法律に縛られていたということであります。
【石井部会長】 国の支出による営繕工事は国交省がやってということで今まで来ているということがあるわけです。国立大学はちょっと別で、文教施設は国交省ではない。一応文部省の文教施設部がやっていた。いずれにしても大学なら大学、法人なら法人、国の機関の研究所なりがどこまで営繕について独自性を持っていたかというと、そうではないということが余り知られていないんですけれども、基本的にみんな同じ建物がこの辺に建っているという印象を持たれたことがあると思うんですが、それは建設省が建てたからなんです。
それから、大学エリアの学校建築、殊に国 立大学も全国どこへ行ってもある時期、昭和30年代の建物は概ね似たような建物であるということです。それが、財政的に大学にとってどうであったかというのは、私は存じません。それを法人化したに伴って、自分のところで自分の建てたいようなものをきっちり建てると、一応理論的には出来るようになったということだと思います。
それでは一応ここはAということで。
私のコメントについて何かお答えいただけますか。競争入札の比率が10何%からほぼ10%減少しているのはなぜかという。
【飯島国環研理事】 これは理由がございまして、一つは15年度まで、特に15年度はナノ粒子棟というのがありまして、その工事がそれを含めまして7件ございました。これらにつきましては、大規模な工事でございますので競争入札をいたしましたが、15年度にその計画が終わっておりますので、その分がすぽっと抜けてしまったということがありますのと、それから高額な物品の購入につきましても基本的には競争入札をするわけでございますが、高額の物品購入の件数が15年度、16年度で20件減っています。ということで、元の募集の方が減ってしまったものですから、割合という観念は別といたしまして、競争入札の件数が減ったという意味は、ナノ粒子棟の実験施設、大型の物品購入の個数が減ってしまったというのが原因でございます。
【石井部会長】 はい、わかりました。
では、先へ進ませていただきたいと思います。次の項目は施設です。効率的な施設運用ということで、スペース課金を皆さん、問題にしているんですね。
【小池委員】 私は大学におりますので、やはり大学に比べると非常にスペース的には恵まれているなと思う。何となくそういう感覚からBにさせていただいただけで、多分これはどこの国研でも同じようなものだと思いますので、特に気になさらないでください。
ただ、やはりスペース課金というのは最近いろいろなところでやり始めたんですけれども、それでどれだけ本当に動くかとなると、なかなかこれ、総務省に書いてありますけど、約600平米ですか、全体の面積がどれくらいかわかりませんけれども、多分、数パーセントぐらいしか占めていないのではないかという気がしますけれども。参考まで。
【石井部会長】 森本委員も実質的な流動化の割合はごくわずかであるとしておりますし、私も一応Aはつけながら、359平米を再配分したというのは、これはどういうのか、中身がよくわからないということも書いておりますが、ちょっとご説明いただけますか。
【飯島国環研理事】 ご指摘のとおり、スペース課金制度4年目で、年々再配分のスペースが減っております。初年度、13年度は1,150平米ございましたが、だんだん減ってきまして16年度は359平米。全体の面積が多少増えていますが、2万8,000平米ぐらいございますので、現在再配分できる面積は1%強になってしまっています。そういうことを受けまして、これは部会長からのご指摘もございましたが、16年度に研究者に対して、次からは見直しをしたいということで調査をしました。そうしますと、だんだん流動性がなくなっていく原因もいろいろ見つかってきまして、現在検討を進めまして、18年度、次期中期計画からはこの流動性が保たれるような制度改正を行っていきたいと考えてございます。同じ制度をとりあえずこの中期計画の間は続けてきたわけなのですが、確かに年々配分スペースが減っているという傾向が出ています。
【石井部会長】 見直しを図るというのは、課金制度の対象になるスペースをなるべく増やす方向へ持っていきたいということなんですか、それともその逆なんでしょうか。
【飯島国環研理事】 課金対象を増やすというよりも、実際のスペースの再配分がもっと広がるようにしたい。だんだんじり貧になっていますので、これが広がるようにならないかということと、もっと抜本的に言いますと、課金制度の細かいところで、例えば倉庫に対する料率とか、控除面積のあり方とか、これはいろいろな意見がそれぞれの立場から出ておりますので、それはよく集約して新しい制度改正になると思っていますし、現在は課金を平米2万円とって、半分をユニットに戻して、それをまた有効に使いたいと思っているんですが、それをスペース配分に使えるように出来ないかとか、いろいろな意見が出ておりまして、それらの意見を組み込んだ形にしていきたいと思います。基本的には部会長おっしゃいましたように、確かに対象を増やすことになるんだろうと思いますけれども、流動性がしぼんできておりますので、これがもとに戻るようにしたいということです。
【石井部会長】 西間委員、何か。
【西間委員】 いろいろ制限がある中でしょうけれども、特記すべきことがなかったのでBとしました。
【石井部会長】 わかりました。特記することはないという場合にAに近づけて考える人と、Bに近づけている人というような、そういう傾向があるのかもしれません。一応8対4でございますが、これもAマイナス的Bという感じで先へ進ませていただいてよろしいでしょうか。
次に、環境配慮です。どうも全体として歯切れが悪いなということなんですが、コメントをずっといただいて、後でまとめて研究所側から説明ないし釈明をお願いいたします。まず森本委員から。
【森本委員】 書いたとおりです。
【石井部会長】 そうですか。では。
【飯島国環研理事】 冬季暖房の19度、夏季冷房の28度もそうなのですが、維持することを目標としたと記述してあるのは、初めにつくった計画にそういうふうに書いたものですからそういう表現になりまして、部会長のご指摘のとおり、設定したと書いてもよかったのかなと思っています。
というのは、中央で制御できている施設、これは19度設定で出来るのですが、中央制御ができないところについては、温度計で見てもらっているわけなので、それは確実な話ではないので、目標という表現になっています。実際は19度設定で周知しているということであります。これからは設定したと書けると思います。
それからもう一つ、温室効果ガス総排出量の6%しか削減できていないというご指摘でございますが、ご承知のようにこの温室効果ガス総排出量の政府目標というのは13年度比で18年度までに達成するということになっておりまして、私どもESCO事業というのを省エネの観点からこの7月から始めておりまして、来年度、18年度には年間を通じてこの効果が出ますので11.5%削減する見込みでございます。16年度は途中経過で6%減ということで、来年度には目標を達成できる見込みです。
それから、廃棄物の発生量でございますが、全くご指摘のとおりで、減量化に努めてきたと言いながら、1人当たりの量が若干増えてしまったという、これは今年度中に抜本的対策を検討していく必要がありますが、コピー用紙の削減とか、生ごみの減量化について当面できる対策ということで取り組んでまいります。ただ、これをやっても効果が恐らく10%弱しか期待できないと思いますので、それ以上の抜本的な対策については今年度中に検討して、ちょうど来年からは環境報告書を作りますので、廃棄物についても省エネに負けないような野心的な目標を立てていきたいと思っています。
【石井部会長】 それでは、比較的Bが少ないですので、一応Aということでさせていただきましょう。
次は物品の一括購入ですが、出席者でBをつけたのは私だけですか。ここに書いたとおりの疑問提起をしたということで、これで合理的な説明があれば修正することにやぶさかではございませんが、ちょっとご説明いただけますか。
【飯島国環研理事】 基盤的研究領域という目次で研究計画は確かに作っていないのですが、基盤的研究領域の研究につきましては全体の研究計画の中に全部入っています。ただ、目次立てが重点研究分野別に作っているものですから、そこに各研究領域の研究計画がちりばめられてしまったということだと思います。
ご指摘のように目次立ての工夫ができれば、研究基盤ごとの研究計画というのも作っていけるのではないかと考えております。ご指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。
【石井部会長】 重点研究分野のようなものの方がある意味で計画は外から見えやすいわけですね。こつこつとやっていらっしゃる一般的な研究ほど、研究はまさにそれでしっかりやってくださいと言うしかないわけなんですが、だからこそ外に見えるように計画はきちんとやっていくと。例えば3年間だったら大体こんな結果を出したいとか、そういうようなものが、むしろ私はこっちの計画こそきちんと目に見える形で表現されるのが望ましいのかなという感じがしていますが。
【飯島国環研理事】 おっしゃるとおり、基盤的研究を基盤領域別に整理できれば先生のご指摘に合うと思うんですが、これまで中期計画もそうですけれども、重点研究分野ごとの研究課題を対象に研究計画を作成するということで、そういう形で整理してきたのが現実でございます。
それから、特別研究の位置づけについてのご指摘もございました。確かに特別研究については私どもは基盤的研究に位置づけておりますけれども、性格的には基盤的な研究活動を核といたしまして、将来より規模の大きな重点特別研究プロジェクトへ発展するかもしれない、そういう狙いがあるものですから、基盤的研究と重点特別研究プロジェクトの中間の位置づけでございまして、整理上この間のプレゼンテーションでは基盤的研究の方に入れさせていただいています。
【高月委員】 高月ですが、今日、外部評価、内部評価、よくやっておられるのでAは付けたんですが、今日お集まりの関係の方々は偉い方ばかり来ておられるんですが、実際に最先端で研究をやっている方々のいわゆる業務を評価されるために、いろいろ資料を作成しないといけないということが、結構今まで我々評価される側に立った身分としましては非常に負担になっていたんですけれども、その辺が最近かなりルーチン化されてそれほど負担になっていないのかどうか、やはり相変わらず負担になっているのかどうか、その辺は実際の現場の方々はヒアリングとか、何かやっておられるんでしょうか。
【西岡国環研理事】 研究者側は、私どももまず合理化しようということで、なるべく一つの計画を立てたら、それをあちこちに使えるようにしようという努力をしております。
それから、実際問題としてプロジェクト内で評価されるのは年1回ですから、私はそれくらい当然のことだと思っておりまして過重ではないと思います。
しかしながら、研究所全体にとってみますと、むしろ奨励研究であるとか、内部の評価だとか、いろいろ今度は評価する側の方ですか、それがちょっと過重になっていると。これユニット長といいまして、領域長であったり、それからプロジェクトをやっている連中だとかそういうのが20人ぐらい集まって、2日ぐらい缶詰で奨励研究評価をやります。それから、全体の内部のプロジェクト評価等もそれぐらいかかってしまうものですから、その時間がもったいないなというので、これをもう少し集中的にできないかなということは次の課題かと思います。
【高月委員】 ありがとうございました。
【石井部会長】 佐和委員のコメントについては何かありますか。研究を「管理」の対象とするのはおかしくないか。研究所の業務って何だと言われても研究しかないんですが、それをどういうふうにうまくやるかがポイントだろうと思うんですけれども。特にその辺、内部で評価しておられて、あるいは管理をしておられて、どういう問題を感じておられるのか。それとも、いや別に研究の進捗にとって不都合なことはしていませんよという自信がおありなら。
【西岡国環研理事】 佐和先生がいらっしゃっても同じことを言うと思いますけれども、私どもの研究は基本的には問題解決志向です。そうしますと、それはどういうところにどういうボトルネックがあって、それでどういう具合に誰がどう片付けていくかと、どういった手順でやっていくか。そういう意味での管理は目標設定、それからプラン作りの関係というのは、非常に運営の基本だと思っておりますので、それをベースにしてあることに別に恥じているわけでは全くございません。
ただもう一つ、組織自身は目の前のものを片付けると同時に持続性の問題がございますので、これにつきましては何度も申しますけれども、いろいろな形で自由な研究をやれる余地は十分残しておりますので、言ってみればそのバランスということが我々の一つの、一番のポイントだと思っています。
【石井部会長】 研究者の独創性を尊重するような新しい仕組みを模索せい、とこう書いてあるわけですが、いやちゃんとやっていますよという何かご説明が。
【西岡国環研理事】 基本的に研究自身は研究者のボトムアップ、あるフレームを示した中でのボトムアップをやっている。そこでもちろん自分たちがいいテーマを見つけて、そこに当てはめるようにしてもらうということが基本です。それからもう一つは、奨励研究に関して何度も申し上げますけれども、そういうこともやっていますし。
【石井部会長】 あと、基盤的領域はどうですか。
【西岡国環研理事】 基盤のことも、そういう方向でやっています。マトリックスシステムと言って、専門家が集まっていて専門を磨いている。例えば土木関係のニーズが多いんですけれども、そういうところはやはり土木学会のようなところで切磋琢磨するようなシステムができているわけでそこで専門を磨く。しかし環境問題では社会経済や生物の分野と連携しなければ解けない課題が多い。どう実際のフィールドに専門を組み合わせて応援していくかというのは、またこれは別の話になるわけでございます。
【石井部会長】 全体として、大学と違って国環研はそもそも問題解決型のミッションを持った研究所である。しかし、その中でそれを実際にやるときには、研究者の独創性を十分に生かしてというか、それを基本に据えてやっていらっしゃる、ということでしょうか。
【西岡国環研理事】 基本的に今おっしゃったように、研究というのは上から押しつけているものは全くございませんので、個人個人が自分の発想をちゃんと広げるということがベースになる。それをどう組み合わせるかということが一番難しいところかと思います。
【石井部会長】 それでは一応Aで、先に進ませていただいてよろしいですか。
ということで、大項目Iに戻りました。ずっと拝見しますと最初の問題に結局戻ってしまうといいますか、高木委員のコメントはそういうことでございますが、そもそも国環研にとっての効率性というのは何なのか、あるいは研究という仕事にとっての効率性とは何なのかという根本的な問題になるわけですが、いずれにしても、これ突然しらを切るような言い方になって恐縮ですが、目標自体がこういうふうにできているので、これを尺度として当面はやっていくのが筋だろうということでございますので、高木委員のご指摘については本質的な点では大変よくわかるのですが、一応それを除きますと皆さんAという総合評価をつけていらっしゃいますので、総合評価Aということで一応ここでは進ませていただきます。
では、大きいIにつきましてはよろしゅうございましょうか。今井さん、予定より大分スローペースになっているということでしょうか。進行管理が悪いですね。申し訳ありません。
それでは、大きなII-1という中項目の(1)環境研究の充実ということであります。大体ここにご出席の方々はいい点をつけていらっしゃいますので、特にご異議なければAということで先に進ませていただきますが、よろしいでしょうか。
では、それで参ります。
次の重点研究分野について、これも同じような傾向でございますので、同様に扱ってよろしいでしょうか。評点のほかにどういうコメントをつけるかということについては、また最後にまとめてご相談申し上げます。
次の業務実績の事項別評価ということでありまして、森本委員がBをつけていらっしゃいますが、何かコメント。
【森本委員】 いや、特に問題があると感じておりませんけれども、外部評価委員の評価を見ていまして、概して高いんですけれども、若干Bが多いやつもあったのかなということでございます。
【西岡国環研理事】 評価全体で、確かに特に重点プロジェクトの中では多様性の成績が悪かったのではないかなと思っています。その原因につきましては、この前にちょっと申し上げましたけれども、十分まとめ切れずに結果を出し急いだかなという感じがいたします。
それから別の話になってしまいますけれども、石井委員の方からご指摘がございましたように、あるものは国内でしかできないようなものがございますけれども、大概はいろんな意味での国際的な場に出ていって、国際機関の中でもいろいろな仕様書といいましょうか、仕法書というものをリードする立場をやっているので、国際的リーダーシップは結構評価してもらえるのではないかなと思っております。
以上です。
【石井部会長】 はい、ありがとうございます。それでは、一応Aということで先へ進ませていただきます。
次は同じ研究の構成の中のイです。西間委員、いかがでございましょうか。
【西間委員】 ここのコメントに書いてあるとおりです。現在の時点では正確にまだ判断できるところまでは到達していないというか、今後を見て判断すべきところであろうということで、判断不能のBです。
【石井部会長】 順番に三橋委員、どうぞ。
【三橋委員】 私もここに書いてあるとおり、Aの比重は内部評価よりかなり高い、その理由が気になる。その理由を教えてください。
【石井部会長】 これは私のコメントと共通するので、後でまとめて説明していただきましょう。
森本委員、いかがですか。
【森本委員】 さっきのと似ているんですけれども、政策対応型のことを考えると、世の中の期待と比べると比較的こちらでやられていることは、やや別なのかなという感じがしたので書かせていただきました。
【石井部会長】 まとめて何か西岡理事の方から。
【西岡国環研理事】 最初の運営交付金の問題でございますけれども、基本的に私どもがさっき申し上げましたようにミッションオリエンテッドということで、交付金がプロジェクトとセンター、あるいはラボの方に多く導入されております。そのうちここでは政策対応型調査研究と言われている循環型社会形成、廃棄物及び化学物質リスク評価の分野かと思います。その二つの中では循環型及び廃棄物の方に多くのお金が行っておりますが、これはちょうど厚生省から移管したということもあって、そういう形にもなっています。
ただ、このセンターにつきましては、外部の評価も十分いいものを得ているのではないかなと思っておりまして、そういう面では十分効果的に使われているのではないかなという具合に考えております。
もう一つ、これは政策対応というカテゴリーとは違うのですけれども、似たようなものとしては地球環境研究センターがございまして、これについてもモニタリングに多く費やされておりまして、これは継続的に非常に長く、15年ぐらいずっと続けている研究になりまして、そういう面では交付金の使い方としては非常にいい性格のものではないかなと私は思っています。
それから、三橋委員の内部評価でAの比重の話、私ももう一度調べてみますと、確かにそういう点も二つぐらいのものについてございましたし、しかしながら、逆の傾向もございまして、おっしゃることも確かにあるけれども、全体としてはそう甘くつけている状況ではないという具合に感じました。それはデータございますので、付き合わせていただきたいと思います。
【石井部会長】 私の質問は、重点配分したのに見合う効果があったかという検証は十分だろうかという質問なんです。
【西岡国環研理事】 おっしゃる意味では評価ではなくて、もう少し具体的な、成果があったかということでいいでしょうか。
【石井部会長】 いや、ですから、評価というのはまさに費用対効果も一つの項目でありますし、特に運営交付金の中からこれを重点的に扱ったんだから、それなりのきちんとした効果があったかどうかを検証なさったんだろうかと。つまり検証の結果はどうかと伺っているのではなくて、検証なさいましたかと聞いているんです。つまり重点配分というか、優遇したわけですよね。
【西岡国環研理事】 そうですね。はい。
【石井部会長】 だから、言ってみればより見る目が厳しくてもいいのではないかということなんです。
【西岡国環研理事】 システムとしては内部評価、外部評価でやっておりますので、そこで検証してそういう結果が出たということ以外、ちょっと申し上げられないです。
【石井部会長】 なかなかここのところは、Sを付けていらっしゃる委員もありますし、ばらついておりますので、ちょっとこれは数から言えばAマイナス程度でいいところ収まるのかなとは思うんですが、ちょっとここは留保して先に進むということでいかがでしょうか。
ほかにもばらついているところがございますので、ばらつきの加減を少し周りの他の項目も見ながらもう一度戻りたいというふうに思います。
次に、基盤的な調査・研究です。森本委員、いかがでございましょうか。
【森本委員】 特に大きな問題というのは感じていないので、別にAでもいいんですけれども、先ほどもありましたように、効率というか、もう一つ、何に対して成果というのを見ていったらいいのかというのが僕自身ちょっとわからなかったところもあって、一応Bにしたんですけれども、特にコメントというのはなくて、申し訳ないんですけれども。要するに、これをどうやって評価していったらいいか、書き方が難しいなと思ったんですけれども。
【石井部会長】 はい、ありがとうございます。私の意見はここにあるとおりなんですが、基本的調査・研究の枠内に「重点研究分野におけるプロジェクト型の研究」を対象とする「特別研究」の公募枠が設けられているというのは、これは一体どういうことであるかと。「基盤的調査・研究」と「重点研究分野」の研究というのは並列ないし対等のカテゴリーではないんだろうかという、要するに分類といいますか、枠組みの問題を伺っている。パフォーマンスを伺っているわけではないんですが、何か全体として基盤的な研究が何か悪いからというのではないかなという、そういう心配があってこういうことを申し上げているんですが。
それと、佐和委員の意見の中にブループラネット賞の中に本研究所の研究者、候補者が入った試しがない。ですから、特にブループラネットに候補者が出てこないということは、基盤的調査・研究の問題を評価するときに使うのが正当なのか、もっと一般的な研究の話として理解すべきなのか、つまりこの項目の評価Bの根拠として、ここブループラネット賞の話が出てくるのが適切なのかどうか、これを伺いたいとこういうことです。
【西岡国環研理事】 佐和委員のコメントの方から申し上げたいと思いますが、ブループラネットの話をする場ではないと思うんですけれども、ブループラネットはある問題に対して極めて基礎的かつ一般的な、かつ重要な研究をなさった方に授与されているという具合に考えておりまして、まさに私どももそういうことをやっているわけですから、そういうところで名前が出ないのは極めて残念な話ではあると思います。ですから今のご質問の中で、必ずしもそれは基礎、基盤的調査・研究から出るものではないと思います。これをもう少し広げていっていただいても構わないと思います。
ただ、申し上げますけれども、研究の中には世界的な標準をつくるのに寄与したものも幾つもございますし、それから初めての発見というのもございます。もう少し時間をいただきたいというふうに思うところであります。
それから、石井委員のコメントの方でございます。先ほども飯島からもちょっとコメントがあったと思います。おっしゃるように、今の分け方というのは重点研究分野ということを中心にしてやっておりまして、その中で重層的に重点プロジェクトと基盤部門があるという形になっております。このプロジェクトに引きずられて基盤部門が弱くなるのではないかなというところが、石井委員の危惧の一つではないか。その表われが、特別研究がそういう方向に引っ張られているのではないかということかと思います。
おっしゃるとおり、特別研究というのは交付金の中から本部が設定した研究でございまして、それが重点にも役に立つ、かつ基盤にもなるということかと思います。私ども今、矛盾に対して十分お答えできないんですけれども、実質的な話を申しますと、例えば新しい毒性の評価という方向でトキシコゲノミックスという、これまでは毒に対して生物がどう影響を受けるかということをずっとやってきたわけです。逆に生物の持っている遺伝子等からいって、これはどういう影響を受けるのだろうかという形の、非常に基礎的な概念をやっていこうということで、これはチームを組んでやらなければいけないような基礎研究で、かつ将来の重点分にも関連するようなものがございますので、そういうものを積極的に拾い上げていこうということで、ちょうど間のところを繋ぐという意味で機能はしております。
基本的な疑問として出されました基盤部門が弱まっていないかということに対しては、それぞれの領域長がきちんと管理をしているという具合に考えておりますので、その問題はちょっと温度差がありますけれども、余り深刻ではないと思っております。
以上です。
【石井部会長】 他に。はい、どうぞ。
【西間委員】 研究に対する考え方が違うのかもしれませんけれども、私はこの研究はすぐに素晴らしい結果が出るという、そういうのを求めるところではなくて、玉石混淆であろうし、それから派手さもないと。でも、こういう研究を通して、将来の国環研を担っていく生え抜きの俊英がこの中から1人でも2人でも出てくれば、もう言うことはないということで、期待を込めて私はSと付けたのです。ですから、いろいろ批判がありましょうけれども、この研究は絶対的に持っていただきたいと思います。
それと、やはりこういう研究が本当にボディ・ブローのようにいい意味でしっかりと組織を鍛えていくと思いますから、これも非常に重要だと思います。
【石井部会長】 全く私も同じ考え方なので、逆にもっと大事にしてやってくださいと。重点研究の方から浸食されないようにということで、趣旨は同じことだろうと思います。
これも先ほどと同じように留保したまま先に進ませていただきます。
エ、知的研究基盤でございます。小池先生、Sを付けておられますが。
【小池委員】 私はこのGCPのつくば国際オフィスが、ここのカテゴリーに入っているというのを見て、何でここに入っているのかなとちょっと思ったんですけれども、多分これは国際対応とか、国際貢献とかというようなカテゴリーが本当は望ましいと思うんですけれども、他にそういうのが多分なかったのでここに入ってきたのではないかというふうに思って、ただし、それ自身私は、評価していますのでSを付けました。
【石井部会長】 私も同じ感想を持ったんです。それで、ここの項目の話かなという感想を書いているだけの話なんですけれども。
何か他に意見はないでしょうか。なければ、これはAでよろしいでしょう。
ということで、結局、研究の構成(3)、これは中項目になりますか。これに戻ることになりますが、その前に、先ほど留保しておきましたイとウを片付けないとならないわけでございますが、まず政策対応型調査・研究というもので、少なくともこの時間の中でちょっと気になるのは内部評価と外部評価のずれで、他に外部評価が高くても中で厳しく評価されるものがあったと。これは大変健全で結構なことなんだろうというふうに思いますが、逆に外で厳しく、中で甘くという現象をどこまでここで評価するか、問題にするか。
それから、資金と費用対効果について、つまり重点的に配分したことについての検証を手続としてきちんと行われたのかという、私のコメントも結局同じことだろうと思うんですが、お金をたくさんここに投じたということ、それは一定の見識といいますか、必要があって、政策的におやりになった。これを問題にしているわけではないわけで、問題はそれをやったことについて中での評価がどうなのだろうかということでは、私も三橋委員もほぼ共通の見方をしているのかなという感じでございます。
北野委員のDがなくなったということを高く評価してSにしたという、大変ユニークなことなんですが、これは広く言ってAに含めてもいいのかなという感じは、ご本人がいらっしゃらないので、ここで言ってはいけないのかもしれませんが、いろいろ議論いたしました結果、西間委員、最初の段階ではまだ判断するのは無理だということでしたが。
【西間委員】 私のBは判断をどっちにしていいかわからないニュートラルということですから、Aで結構です。
【石井部会長】 Aでよろしゅうございますか。
【西間委員】 はい。
【高月委員】 私の評価はちょっと北野委員に近いんですけれども、実は最初の方の14年度で、15年度あたりの外部評価、この政策型のところは割に厳しい評価が入っていたと思うんです、Dが幾つかあったりして。そういう意味で、後でかなり努力されて立て直しを図られて、昨年度、今年度はかなり外部評価も高くなってきているということで、これは先生のおっしゃっているような検証に当たるかどうかわからないんですが、そういう外部評価的な意味合いでは、かなり効果があったのではないかなという感じがします。が、これは私の意見ですので、私としてはAということで評価させていただいたわけですが。
【石井部会長】 森本委員はどうですか。生物多様性のところがちょっとどうかなということで、ものによってばらつきがありますねということでございますが、高月委員の評価はむしろSに近いAであるというようなこともございましたので、全体として真ん中をとってAと、気分としてはAマイナスかもしれないけれども、Aということでいかがでしょうか。
次は、基盤的調査・研究ですが、これが大事だということでは私も西間委員も全く同じで、ただ、その運用の仕方に気になる点があるというのが私の評価を総体的に低くしている理由でございます。
佐和委員の評価については、先ほど西岡理事のご説明にあったように、この項目だけに限定して低い評価の理由にするというのはちょっと無理があるのかなと。むしろ最後の総合評価のところにかかってくるのかなという感じもいたしますが、高木委員は他と同じような対応をやっていらっしゃると、こういうことであります。これは私の個人的な意見からいくと、やはり基盤をもっと大事にしてくださいねというメッセージを込めて低いところに持っていきたいんですが、これは私の個人的な提案で、いかがでしょうか。
【小池委員】 これ、SとかAとかBとかCとかDとかという評点を付けたときに、一体これをどういうふうに見られるのか。こういうカテゴリーでの基盤的なものはもう止めなさいという方向なのか。今、多分、石井部会長が言われたのはその逆の意味だったんですけれども、それが数字というか、AとかBとかCとかという形で出た場合にどう評価されるのか。評価というか、どうそれを受け取られるのかに関して、私はちょっと懸念があるんですけれども、その点いかがでしょう。
【石井部会長】 難しいところですね。むしろこれをもっと評価してくださいということで、こんなもの要りませんよという評価に使われたのでは全く逆になるんですけれども。
【西岡国環研理事】 全体的にその点について説明が不足だったかと思いますので、ちょっと長くなるかもしれませんが、お話させていただきます。
まず私ども、環境の問題というのはいろいろな分野の人が時々に変わる分野について対応しなければいけないということで、基本的にマトリックスとしての組織を目下つくっております。そのマトリックスというときの専門性の話は、専門性はそれぞれの分野できちんと磨いてくれということで、しかもそこに人を育てる機能を持たせている。
一例としまして、私ども人事委員会がございますけれども、そこに出てきている人事委員会のメンバーというのは基本的に領域長です。ですから、次のことをよくよく考えて人を選んでくださいという具合に、非常に重要に思ってやっているわけです。それからセンターについても、センターの長人事委員会にも出ております。
それが一方ございまして、そこでの任務といたしましては、それぞれが刀をきちんと研いておいてくれということと、それから人をちゃんと育ててくれということをいつもいつも言っているわけです。
その中でも、基盤の方につきましては、交付金につきましてはたしか全部で2億円ぐらいで行っていると思いますが、それが経常研究費という形で行っております。多くはこの基盤の方につきましては、競争的資金、特に文科省関係のやや基礎的な部分の方に応募いたしまして、そこで言ってみれば研究費を稼いでいるといったことがございますし、例えばオゾン層の破壊の問題がございますけれども、それにつきましては、非常に科学のメカニズムの細かいことにつきましてはこちらの方でやっていて、そして現場の南極の問題についてはそこから出撃して解決していくという方向でやっております。分野分野で取り組める問題につきましては、その基盤で十分やっている。一方、何度も申し上げますが、いわゆるセンターとかプロジェクトというところは問題解決ということでやっておりますので、そういうマトリックスが機能している。
その全体の人員の配置のことを申しますが、基盤だけでずっとやっている人が約3分の1おります。その人たちはまさにそういった任務で、次のことを考えながらやっているという状況であります。あと3分の1以上の人がそれぞれのプロジェクトに出ておりますが、5年はこれを一生懸命やるぞということで出ている人が多いかと思っております。プロジェクトの専任もおりますが、それは少ないという形であります。
それぞれ、例えば環境ホルモンのところは化学だとか、健康だとかそういうところのエキスパティーズが要求されるから、そういうグループをつくっているということでございまして、そのあたりのシステム全体がうちの一つの特色でございますし、外からここに十分表われておりませんけれども、そういう人の資源の配分、あるいは人を育てる権限の移譲等々につきまして、非常に領域というものを大切にしているということを申し上げたいと思います。
【石井部会長】 今ちょっと拝見しましたら三橋委員もAは付けていらっしゃるけれども、実はかなり似たコメントを付けていらっしゃる。それから、まさに大事だからSを付けたという西間委員もいらっしゃる。こういうことでございますので、大事だから、その割にというふうに低い点を付けるのは、一応私は引っ込めることにいたしまして、一応総合的にはAと。コメントのところで実は3人から同じような、あるいは他の方もよく見るとそうなのかもしれませんが、高月委員も同じようなことですね。全体として研究費がやや少ないと。したがって、大事なのでしっかりやってほしいから、運営方針についてもうちょっと工夫が望ましいというようなコメントを書くという形で、この問題は処理させていただきまして、一応評点としてはAということでよろしゅうございましょうか。
では、I-3の総合評価ということになりますが、これは今までの意見を踏まえてAということでよろしいでしょうか。ここにコメントとしてどういうふうに書くかということは、また後でご相談申し上げます。
では、次にII-1-(4)研究課題の評価・反映というところであります。恐縮ですが、西間委員、何も書いていらっしゃらないんですが、何かコメントがあったら。
【西間委員】 すみません、何も書いてないときは可もなし、不可もなし。ですから今までの議論の中から言うと、そういうときにはAを付けるんですかね。だから、そういう意味です。評価というのは見方でプラスもあるし、マイナスもありますので、こんなものでしょう。
【石井部会長】 ということで、甚だ先を急ぐようで恐縮ですが、Aでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
では、次はこれまた枝番がたくさんあるやつですが、研究成果の普及というもののうちの、[1]成果の普及、成果の活用促進という小項目の中の、さらにその下の成果の普及というところに行きます。
森本委員のさらに多くを期待したいという、これは当然のコメントであるということを含みにして、Aでよろしゅうございましょうか。
それでは、先に進ませていただきます。次は[2]活用促進の方です。
【小池委員】 活用促進の方で、環境研でやられた様々な、特に政策対応の研究のアウトプットをいろいろな委員会とか、そういうものに委員として積極的に発言するというのがあるんですけれども、私はそれはどちらかというと当然のことで、もう少し何かダイレクトな方法を考えるべきではないかというふうに思っていまして、そうでないと、そこの代表として出ているのはいいんですけれども、その場合、委員会の委員というのは個人の資格でみんな出ていますので、ちょっとその辺がはっきりしないので、私はAを付けましたけれども、コメントとするとその辺を少し考えていただきたい。
【石井部会長】 わかりました。ありがとうございました。大変重要な点をご指摘いただいたと思いますので、コメントのところで、そこはしっかり書くことにしたいということで、Aでよろしゅうございましょうか。
ありがとうございました。次は[3]広報、啓発ということあります。西間委員。
【西間委員】 これはもう少し素人にわかりやすいような、かみ砕いた方法をした方が、この国環研の存在を皆さんによくわかってもらえると思いました。そういう激励を込めてのSではなくて今度はBにしたのです。そういう意味です。
【石井部会長】 わかりました。森本委員どうでしょうか。
【森本委員】 概ねいいんだろうと思うんですけれども、さらに期待してということです。
【石井部会長】 私も同じ、北野委員が割とはっきりしろということですね。さっきどこかに7、4というのがあった。1、7、4。これ1、6、4というのはどうなっていた。さっきのII-1-[3]のウのところが1、7、4で、ここが1、6、4というのは。
【今井環境研究技術室長補佐】 失礼しました。集計は7です。
【石井部会長】 7、はい。
【今井環境研究技術室長補佐】 すみません。
【石井部会長】 私もしようがないのかなと思ってAはつけたんですが。だからと言ってBにする理由もないんですが、国環研の存在を知らない人が多過ぎる。とにかく一応Aということで…。
【西岡国環研理事】 北野委員がアンケートの解析が記載されていないとおっしゃっています。確かに記載されておりません。しかしながら、実際こられた方々の意見はアンケートをとりまして、毎年毎年、次の公開などに反映させています。例えば、夏の大公開、お手元、目の前に黄色いポスターがございますように、いろいろな対応をしております。
【石井部会長】 では、解析が記載されていないだけで、解析はやっていると理解してよろしいですか。
そうすると、ちょっと甘いけれども、AマイナスということでAに入ると。
次はそれの総合、まとめ、(5)総合評価になりますが、これはAでよろしいですね。
先に進ませていただきます。次に、II-1全体をやるんですね。Aでよろしいでしょうか。特になければ。
次がII-2という中項目になります。これはBが1個ですが、もし森本委員のご異議がなければAにさせていただいてよろしいですか。Bがあってもちっとも構わないのですが、全体としてはAということで。
次が、II-2-(2)環境GISです。これはちょっと中身とかかわるお話なんですが、小池委員、どうですか。
【小池委員】 これをちょっと見させていただいたんですけれども、まだ取りかかったばかりで、この先、頑張ってやっていただきたいということでBにさせていただきました。ちょっとあれが完成品だとは思えない。
【石井部会長】 森本委員も大体同じようなご趣旨で。ということで、もっと頑張ってほしいということ。その頑張り方もきちんと他のデータとの連携、リンケージというようなことを十分考えてくださいと。これが完成形態とは思えないという文言等も場合によっては入るかもしれませんが、そういうコメントを付けることにしてAと、Aでよろしいでしょうか。
では、その次でII-2-(3)ホームページに関するところですが、これは全員珍しくAですので、文句なくAということになるかと思います。
そこで、II-2という中項目全体ですが、課題はあるということでコメントは書くことといたしまして、総合Aでよろしいでしょうか。お認めいただければ幸いです。
では、次に、II、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項という大項目であります。佐和委員と高木委員がBを付けていらっしゃるわけですが、佐和委員はさっきのあれですね。国環研を誰も知らないよというやつ。研究に関する業務のウエートが高いと。高木委員は、II-1についてBを総合評価でお付けになったので、このII全体のところでもBと付けますよと、そういうことですね。ということでございますので、これは総合的にはAでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、次に大きなIVであります。施設・設備に関する計画というところであります。私のコメントは全体的に老朽化の問題をどれだけきっちり把握し、言ってみれば建築的な問題が中心になると思いますが、それについて体系的なプランがどうなっているか。
【飯島国環研理事】 将来の施設整備計画というのは、第1期の中期計画が始まる前に作成しておりまして、この中期計画期間内に微調整はございますが、実施することになってございます。次の中期計画の作成をにらみまして、まず15年度に、研究本館の耐震診断と、それから設備の老朽化診断をやりました。16年度には本館以外の各研究棟の耐震診断、設備の老朽化診断を行っておりまして、今年度、次の中期計画の作成の準備をしているところでございます。
【石井部会長】 それでは、所内的にはきちんとその問題は考えておられるということですので、私のBを付けた根拠は薄弱というか、当たらないということでございますので、全体としてはAということで一応進ませていただいてよろしいでしょうか。
次は、人事でございます。ご出席の方の中では西間委員がBを付けていらっしゃいますが何か。
【西間委員】 特別優れた評価システムではないということで、並だからBと付けただけです。ですから、先ほどの流れから言うとAで結構です。
【石井部会長】 あと佐和委員の疑問提起について、お答えはいただいたと理解してよろしいですね。
【西岡国環研理事】 はい。上がるのを措置はしているということです。
【石井部会長】 それでは、ここは全体でAというふうになろうかと思いますが、よろしいでしょうか。
では、次に進ませていただきます。その他業務運営に対する総合評価、これもAでよろしいわけですね。
その次の紙は何ですか。改善すべき事項の検討。この紙なんですか。
【今井環境研究技術室長補佐】 特に評価はいただかないんですけれども、コメントがあればご記入いただくということで。
【石井部会長】 では、これは特にないと。ということでございまして、最後に総合評価ということになりますが、みんなAが付いてしまっているので、Aしかないということに相成りますが、ご異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井部会長】 はい、ありがとうございました。それでは、ここでお弁当の時間とさせていただきます。時間が押していて恐縮でございますが、食事と若干休憩をいたしまして、次の議題に入らせていただきます。どうぞお召し上がりいただきたいと思います。
(休憩)
【石井部会長】 いきなり財務諸表なんていうのは胃に悪いですから、この評価のとりまとめ方についてお諮り申し上げます。
お手元の資料2でございます。2枚とじのものがあります。これが正式の評価書の様式でございます。この様式に従って、今日いただきました評価を基にいたしまして記入をしていくということでございます。というわけで、本日のご議論を踏まえまして、部会長案を作成するというのが今までの流れの最初のようでございます。この部会長案の原案と申しますか、叩き台のようなものを来週中に委員の先生方にお送りできるように進めたいと存じます。各委員の方々からその叩き台につきましてご意見をお伺いする。そしてそのご意見を踏まえまして必要な修正を加え、評価書の案、もう一段バージョンアップしたものを作成したいと思います。最終的には、いささか急ぎますが、8月2日の部会において最終的に確定したいという日程を考えております。
【今井環境研究技術室長補佐】 本日のご議論を踏まえまして、事務局と部会長と相談の上、素案のような形で来週26日くらいまでに作りまして、それをまず委員の皆様方にお配りしてご意見を伺いまして、修正等があればそれを反映したものをその都度部会長とも相談しながら、それをまた先生方にお示ししてご確認をいただく。日にちはないんですけれども、できる限りやりとりを多く、ぎりぎり8月1日までそういったやりとりができればと思っております。
【石井部会長】 要するに結論的に言えば、来週中に部会長案をお送り申し上げまして、それでご意見を伺ってバージョンアップを図る。そのバージョンアップしたものを直接2日の部会に上程するというよりも、できる限りその間にまた先生方といろいろやりとりのあったもので進めたいというわけでございます。
これは制度的なことでございますが、この評価結果は独立行政法人通則法の第32条の第3項という条項に基づきまして、総務省に設置されております政策評価・独立行政法人評価委員会に対して、これを通知するということになっておりますので、2日の部会で確定して、それを事務局が今申し上げましたような逐次の手続を行っていただくと、そういう段取りになっております。
ということで、取りまとめ方は以上でございます。
次の議題は財務諸表でございます。これは主務大臣が財務諸表を承認するに当たりまして、あらかじめこの評価委員会の意見を聞かなければいけない。その評価委員会の意見というのは、実質上この部会の意見ということで議決ができるようになっておりますので、この部会で意見があるならばある、なければないという結論になりますが、そういうものをご審議いただきたいわけでございます。前回の本部会におきまして環境研究所の柏木部長からこの財務諸表についての説明を聞き、この部会の場において、特にそのときはご意見、ご質問はございませんでした。ということで、特に追加のご意見、ご質問等があればということで7月11日までにいただくことにいたしまして対応させていただきました。ということで、この件につきましてご意見を承りたいと思いますが、何か。この間、お申し出は特になかったということでよろしいですか。
【今井環境研究技術室長補佐】 森本先生から損失に関しましてご質問がございまして、それにつきましては本日御用意させていただいております参考資料4、この60ページのところにありますが、先生ご本人には対応させていただいております。
【石井部会長】 はい。それでは、この場であらためてご意見あるいはご質問等ございましたらばお受けしたいと思いますが。もしございませんようでしたら、本委員会としては特に意見なしという形の返事をすることにいたしますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【石井部会長】 ありがとうございました。それでは、その他ということで事務局から今後の予定について説明してください。
【宇仁菅環境研究技術室長】 それでは、資料3、今後の予定ということでございますが、先ほどお話しいただいたとおりでございます。確認になりますが、26日ごろに部会長による原案を作成していただいて、各委員へ原案を送付して意見等をとりまとめということになります。修正をしてやりとりをして、原案をさらに詰め直していくということでございまして、最終的には8月2日の第7回国立環境研究所部会で確定します。この部会は10時半から11時半まで環境省の第一会議室を予定しております。その後、評価結果を総務省及び国立環境研究所に通知するということになります。よろしくお願いいたします。
【石井部会長】 では、そのように取り運びをさせていただきたいと思います。
本日、その後の資料についてはいいですか。
【宇仁菅環境研究技術室長】 そうですね、すみません。もう1点ですが、本日配付いたしました資料のうち、参考資料につきましては前回の委員会及び部会でお渡ししたものと同じでございますので、よろしければ回収させていただきたいと思いますので、お帰りの際にそのまま置いていただくようにお願いしたいと思います。
【石井部会長】 他に特にお申し出がなければ、これで終了させていただきます。どうもありがとうございました。