第2回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録

日時

平成16年7月13日(火)10:00~13:30

場所

環境省第一会議室

議題

(1) 独立行政法人国立環境研究所の役員退職手当について
(2) 平成15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価等について
(3) 独立行政法人の中期目標期間終了時見直しの前倒しについて
(4) その他

配布資料

資料1 環境省所管独立行政法人評価委員国立環境研究所部会委員名簿
資料2 独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について
資料3 独立行政法人国立環境研究所の役員退職手当支給基準について
資料4 環境省独立行政法人評価委員会の運営方針について
資料5 独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針
資料6 評価シート
資料7 平成15年度業務実績報告書
資料8 平成15年度業務実績報告書資料編
資料9 平成15年度財務諸表
資料10 平成15年度事業報告書
資料11 平成15年度決算報告書
資料12 監査報告書
資料13 独立行政法人の中期目標期間終了時見直しの前倒しについて
資料14 今後の予定
参考資料1 国立環境研究所関連法規
参考資料2 独立行政法人国立環境研究所中期計画
参考資料3 平成15年度国立環境研究所年度計画
参考資料4 平成15年度国立環境研究所年報
参考資料5 平成13、14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書
参考資料6  平成13、14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績に係る評価結果一覧
参考資料7 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会研究会報告書
参考資料8 独立行政法人国立環境研究所パンフレット
    

出席者

委員: 松野太郎部会長、加藤三郎委員、桑野園子委員、坂本和彦委員
櫻井治彦委員、佐野角夫委員、佐和隆光委員、高月 紘委員
柘植綾夫委員、鷲谷いづみ委員 高木勇三委員、北野 大委員
藤井絢子委員、桝井成夫委員
環境省: 田村総合環境政策局長
桜井大臣官房審議官
齊藤環境研究技術室長
今井環境研究技術室長補佐
国立環境研究所 合志理事長
        西岡理事
        飯島理事
        松村主任研究企画官
        柏木総務部長
   

議事

【齊藤総政局環境研究技術室長】 おはようございます。
それでは、定刻になりましたので、環境省独立行政法人評価委員会第2回の国立環境研究所部会をただいまより開催させていただきます。
 会議に先立ちまして、総合環境政策局長の田村よりごあいさつを申し上げます。

【田村総合環境政策局長】 おはようございます。
7月1日付で総合環境政策局長を拝命いたしました田村でございます。
本日はご多忙の中、こうして大勢の委員の皆様方のご出席をいただきまして厚く御礼を申し上げます。2回目、本年度としては第1回目のこの環境省の独立行政法人評価委員会国立環境研究所部会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
もう先生方も言うまでもないんですけれども、地球温暖化あるいは廃棄物問題を初めといたします今日のさまざまな環境問題を解決する、そして持続可能な社会を構築していくためには、あるいは環境の変化のメカニズムを解明していく、あるいは影響を予測していく、あるいは環境負荷の提言とか、環境上のさまざまな負の遺産の解消等を進めていくことが不可欠でございまして、これらの施策の基盤となります環境の研究、あるいは環境技術開発の推進、極めて重要な課題でございます。私どもといたしましては、独立行政法人となってことしで4年目を迎えることになりましたこの国環研、国立環境研究所は、このような環境研究分野におきます我が国のまさに中核を担う調査研究機関として、これまで着実に歩んできたものと考えております。この評価委員会におきましては、これまでも例えば中期計画の策定を初め、あるいは事業年度の業務実績、中期目標に係る業務の実績の評価など、この国立環境研究所の業務運営全般にわたりまして、委員の皆様方からさまざまな貴重なご意見を、あるいはご指導をいただいてきたところでございます。
本日の部会は、独立行政法人通則法に従いまして、平成15年度の国立環境研究所の業務実績を評価していただくと。これとともに、平成15年度の財務諸表につきまして、環境大臣の承認に当たりまして評価委員会のご意見を伺うというものでございます。
また、後ほどご説明いたしますが、中央省庁等改革で設立された独立行政法人につきまして、中期目標期間の終了に伴う組織あるいは業務全般の見直しを前倒しをするという方針が示されたことを受けまして、その環境大臣がその素案を作成することになりましたので、このことについてもあわせてご報告申し上げ、後ほどご説明を申し上げます。
以上、簡単でございますけれども、私からのごあいさつといたします。何とぞよろしくご審議のほどをお願い申し上げます。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それでは、議事に入ります前にお手元の資料の確認をさせていただきます。本日非常に大部、いろいろ資料がございます。
まず、議事次第がございまして、そこに資料1から14と書いてございます。資料1の委員名簿から始まりまして、順次資料番号の順にご用意させていただいていると思いますが、資料の6というのが、A3横長の大きな資料になっております。また、資料7以下資料の10までは白表紙の冊子の資料、これは国環研の方からの提出資料でございます。その後に、決算報告書の資料11からはコピーの資料となっておりまして、最後資料14まで用意してございます。
あと参考資料といたしまして、クリップどめで国立環境研究所関連法規というのが一番上に乗っております1つの固まりになりますが、年報ですとか、その他評価に参考となる資料について参考資料を8種類ほど用意させていただいております。配付資料に不備がもしございましたら、事務局の方にお申し付けいただきたいと思います。
続きまして、本日の会議でございますが、委員15名のうち、現在のところ10名のご出席をいただいておりますので、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項及び第3項の規定によりまして、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
なお、本日は、委員のうち、大沢委員につきましてはご欠席との連絡を受けておりますが、坂本委員、鷲谷委員、佐和委員、それから桝井委員につきましてはおくれてご参加いただけるということで、後ほどこちらにいらっしゃる予定になってございますので、あわせてご報告いたします。
それでは、これ以降の議事進行につきまして、松野部会長の方にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【松野部会長】 それでは始めたいと思います。
国立環境研の評価もこれで3回目となりまして、だんだんいろんな意味で慣れてきたかと思います。今日は、当初予定に比べて、時間が多少短くなっておりますけれども、なるべく効率よく進めていきたいと思います。
評価がメーンですけれども、その前に1つ役員の退職手当についてという議題があります。最初にそれについてお諮りしたいと思います。事務局の方から説明いただけますでしょうか。

【今井総政局環境研究技術室長補佐】 それでは、独立行政法人の役員の退職手当の見直しにつきまして、ご説明させていただきます。
資料2をごらんいただきたいと思います。1枚目のところに今回の見直しにつきまして、概要をまとめました1枚ポンチ絵を用意してございますが、1枚めくっていただきますと、昨年12月19日に独立行政法人などの役員の退職手当の見直しにつきまして閣議決定がされまして、その内容が書いておりますが、今回の件につきましては、内閣官房の方が中心となって見直されたわけでございます。
もう1枚めくっていただきまして、最後の紙になりますが、独立行政法人及び特殊法人等の役員の退職手当の見直しについてというところがありますが、この紙で概要をご説明させていただきたいと思います。
見直しの趣旨といたしましては、現在、独立行政法人及び特殊法人等を通じまして、一度退職してから高額の退職金を得て、さらにまた役員に就任、その後退職金を得るということで、各方面からいろいろ議論があったところでございまして、このためこれまで法人の業績のいかんにかかわらず、退職手当を民間の水準とするということを前提として見直しされてきたわけでございますが、昨年の12月に閣議決定におきまして、これを改めて独立行政法人及び特殊法人等が公共性の高い業務を担うということに着目しまして、役員の退職手当の水準を国家公務員並にするということとともに、法人の運営実績を退職手当に反映させるように今回仕組みを見直したわけでございます。法人運営についての国民の信頼の確保を図るという趣旨が大きなところでございます。
見直す前の退職手当の状況についてでございますが、平成13年の独立行政法人の設立当初におきましては、役員の退職の俸給月額に支給率0.36を掛けまして、在職月数、さらには独立行政法人評価委員会の研究所に対する業務評価の結果を勘案しまして、その職責実績に応じてこれを増減できるという、任意の率で決められておりました。その後、平成14年9月に支給率の部分につきまして、0.36であったものを0.28と見直しを行いました。一定の削減を行って、その当時見直しましたけれども、国家公務員よりはやや高い水準という形になっておりました。そこで、今回見直しとなりました支給率を0.125に下げまして、法人の運営実績等をより適切に反映するように、0から2.0の範囲の業績勘案率、これを定めることとされました。支給率の0.125につきましては、国家公務員の退職手当の考え方というものが、在職数の1年につきまして、おおむね1.5カ月ほど退職手当がふえるという構造になっておりましたので、月換算にいたしますと、率でいきますと0.125、1.5を12カ月で割ったその0.125というような率になりますので、その率とするということになりました。業績勘案率につきましては、各省の独立行政法人評価委員会の方で0から2.0の範囲で業績に応じて決定するということにされております。
その裏の方をちょっとごらんいただきますと、この部分に、業績勘案率の適正性の確保ということで、国家公務員並にするという今回の見直しの趣旨にかんがみ、その独立行政法人については、査定率は1.0、これが基礎であると、ここを徹底するようにと。また、各省の独立行政法人評価委員会がその率を決定するに当たっては、総務省の評価委員会に通知した上で行うということになっております。場合によっては、その総務省の評価委員会の方から、各省の独立行政法人評価委員会が決定したその業績勘案率につきまして意見を言うことができると、こういうシステムになっております。
さらに、1.5を超える査定とか、0.5を下回る査定を行う場合には、主務大臣を経由して内閣官房長官に報告すると、こういうことも決められております。
さらに、役員に支給される退職手当については閣議決定に基づいて、その事後的に公表するという形にもなっております。
以上が独立行政法人役員の退職手当の見直しについての概要でございます。今回評価委員会で決定いただく業績勘案率というものにつきましては、4月に、新たにもう一つ独立行政法人環境再生保全機構が設立されておりますが、評価基準というのがまだちょっと定められておりません。そういうこともございまして、統一的に基準を設けるかということを含めまして、事務局の方で、他省庁の状況等を踏まえまして案を作成させていただきまして、後日、委員会の方でご議論をいただくということで、秋ぐらいの委員会で諮らせていただければと思います。
今回、部会の方で決めていただくことですが、独立行政法人通則法の52条第2項において、特定独立行政法人はその役員に対する報酬の基準を定め、これを主務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。これを変更したときも同様とするとされておりまして、通則法の53条第1項で、主務大臣は第2項の規定による届出があったときは、その届出に係る報酬等の基準を評価委員会に通知するものとするとされております。さらに、評価委員会は、通知を受けたときは、その通知に係る報酬等の支給の基準が、社会一般の情勢に適合したものであるかどうか、主務大臣に対して意見を申し述べることができるというふうにされております。
以上でございます。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。
今のご説明のとおり、退職手当の見直しということで、これは今の現状というのですか、それを今回見直すということのようですが、現状というのは1回やったんですかね、我々。はっきり覚えていませんけれども、現状という以上は、それを決めるときに、やはり意見を求められて、これがいいでしょうと言ったはずですね。ということで、今ご説明いただいたような理由で今回ほかのところも考えて、新しい0.125とするということと、それから業績勘案率、これは前は特に決まってなかったようですが、0.0から2.0の範囲というようなことにするという提案です。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 規程の改定についてのご意見を伺うということで、一度国立環境研究所の方から改定内容について説明をいたしたいと思います。

【松野部会長】 では、お願いします。

【柏木国立環境研究所総務部長】 国立環境研究所の総務部長をしております柏木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
資料3でございますけれども、独立行政法人国立環境研究所退職手当規程というのがございますが、これについてご説明をいたします。恐縮ですが、後ろの方に新旧対照表がございますので、それを見ながらご説明をさせていただきたいというふうに思います。
左の方が改正前、それから右が改正後でございます。改正後の右肩の方に書いてありますけれども、今回の改正は、今年の1月8日に改正をしております。今回の改正点でございますが、第3条の関係でございます。従前、左の方でございますけれども、退職手当の額は、在職期間1月につきその者の退職の日における俸給月額に10分の28の割合を乗じて得た額とすると。ただし、異なる役職についた場合には、異なる役職ごとの在職期間1月につき、退職の日における異なる役職ごとの俸給月額に100分の28の割合を乗じて得たそれぞれの額の合計額としております。そして、これらの額につきましては、評価委員会の研究所に対する業績評価の結果を勘案し、その者の職務実績に応じ、増減することができるというふうにされていたところでございます。
右の方、改正後でございますが、これにつきましては、先ほどの事務局からご説明があったとおり、閣議決定及びそれに基づく環境省からの要請を受け、改正を行ったものでございますけれども、内容としましては、退職手当の額でありますが、これにつきましては、在職期間1月につき、俸給月額に100分の12.5の割合を乗じて得た額、それに評価委員会が0.0から2.0の範囲内で業績に応じて決定する業績勘案率を乗じて得た額というふうにしております。
ただし、その後、異なる役職についた場合、これにつきましては、先ほどと同様でありまして、役職ごとの俸給月額に100分の12.5の割合を乗じて得た額に評価委員会が0.0から2.0の範囲内で業績に応じて決定する業績勘案率を乗じて得たそれぞれの額の合計額というふうにしております。
最後のページをちょっと見ていただきたいと思いますけれども、改正の附則というのがございます。第1項にありますように、本改正につきましては、平成16年1月1日から適用するということにしております。
それから、改正附則の第2項でございますが、これにつきましては、改正前から在職する役員が、改正後も引き続き在職した後、退職する場合には、在職時期に応じた退職手当の支給基準が適用されるということを規定しているものでございます。
以上でございます。

【松野部会長】 ありがとうございました。ということで、先ほどの基準というんですか、それにのっとって研究所の方でルールを改定されるということです。これについての我々は大臣に対してのコメントすることができるという規則により、ここでお諮りしているわけです。何かご意見ありましたら、どうかお願いいたします。

【佐和委員】 意見というほどのことはないですけれども、基本的な特殊法人、私も余りよくそういうことは知らなかったんですけれども、特殊法人というのは従来0.28というふうに非常に高かったと。当初、独立行政法人は特殊法人並で始めたんだけれども、公務員並にするということでございますね、0.125という数字は。実は私は国立大学法人に勤務している者なんですけれども、国立大学法人では、さっきの一番基礎となる数字である報酬月額というのがございますね。報酬月額というのは事実上退職時の報酬月額ということですよね。国立大学法人では、この報酬月額というのは、例えばたまたま定年退職時において、その人が昔流に言えば学部長、今流に言えば研究課長、あるいは研究所長であったりして指定職待遇であったといたしますね。そのときには、指定職の給与はこの積算の根拠にしないといいますか、一般教員並の給与にするというようなこと、ですから、非常に大学というのは特殊なところでありまして、例えば50何歳から何歳まで2年間そういう指定職になると。その後また平教授に戻ってすると。そして従来は、最後の辞め指定という言葉がございまして、京都大学の場合なら63歳という定年退官なんですけど、その63歳になれば無条件で何もやってなくても指定職にするというような、そういう余りよろしくないルールがあったわけですね。それを廃止するというのはいいわけですが、今度は、では、それを廃止したら、みんな定年前のときに指定職になろうとするというようなことになるわけですね。それも好ましくないということで、結局定年退職時の給与が指定職待遇であっても、一般教員並の給与に基礎となる数字を置きかえるというふうに決まったようでございますが、それは全くよそというか、国立大学法人の特殊なことなんですが、お伺いしたいのは、0から2.0までの間で変わる調整の係数みたいなのがございますね、いわゆる業績の。これは大体期待値といいますか、期待値は1.0というふうに思ってよろしいわけですか。期待値が1.0で、それで仮に大まかなところ、予想されるそのばらつきといいますか、標準偏差的なものはどのぐらいだというふうにご想定なされるか。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それにつきましては、資料2の裏のページで若干触れましたが、一番最後のページです。基礎となる査定率は1.0である旨徹底をするということになっておりますので、押しなべて1.0が期待値になると思います。

【佐和委員】 何ページですか。

【齊藤室長】 資料2のポンチ絵の書いてある資料をひっくり返していただいた裏に出てくるページです。そこのアという真ん中、これが方針でございます。それで0.5を下回る場合、1.5を上回る場合については、これは特別なものということで内閣官房長官の方へ報告をしないといけないと、そういう仕組みになっております。
具体的に0.0から2.0のあてはめのやり方につきましては、もう一つの独立行政法人であります機構の方の評価の仕方も踏まえて、親委員会の評価委員会の方で大まかな方針を今後検討していただこうかと思っております。

【松野部会長】 よろしいでしょうか。

【佐和委員】 別にしつこくそういうことを聞くつもりはないんですが、こういう場合に、評価委員会で、その人が1.1か1.2か、あるいは0.8かということを決めるに当たってどういう資料が提供されるんですか。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 その辺につきましては、確かに各省の評価委員会とも今いろいろ試行錯誤しているところでございまして、1つの目安といたしましては、例えば5段階評価のような評価をやっておりました場合に、それを例えばSだったら2.0、Aだったら1.5、Bだったら1、Cだったら0.5、Dだったら0というようなのを1つの目安として、あとは役員にも職務範囲というのがありますので、その職務範囲のパフォーマンス、例えば企画部門であれば企画部門のパフォーマンスが、例えばAだったら1.5を目安にして議論し合う、そういう出発点は大体そんなところになるのではないかなと思っております。

【松野部会長】 よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【高木委員】 確認なんですけれども、これは審議としての議題ではなくて報告としての議題ということなわけですね。

【松野部会長】 いや、コメントすることはできるんです。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 今回はこういった閣議決定を踏まえて、国環研の方で役員の退職手当の支給基準を変えたという事実行為があります。それが評価委員会の方に報告、届出がありましたので、評価委員会としては、これに対して意見を言うことができるという通則法上の規程になっておりますので、意見の有無について、今回この場で議題としてお諮りをしているところでございます。

【高木委員】 失礼いたしました。そうしますと、この退職規程の改定というような通知がございますけれども、これはまだ発行していないと。今回、本日での審議を経て発行するに至るというふうに受けとめればよろしいわけですか。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 これは既にこういう改定をして発行をしております。それの結果について、評価委員会の方へ届出をして、もし意見があれば事後的に言うことにこの場合はなります。

【高木委員】 意見としてちょっと申し上げさせていただきたいかと思うんですが、そもそもこの閣議決定そのものに私は本質的な無理があるというふうに思っていまして、といいますのは、組織を評価することを目的として設置された独法評価委員会が個人を評価するという、極めて質的に異なる領域に踏み込もうというようなことをしているわけですね。先ほど佐和先生がどうやって評価するのかという誤謬を呈されましたけど、全くこの個人たる理事の方を評価するというようなことをどうやってやっていくのかというふうに私なども頭を抱えるところなんですが、そのように全く質の違うところ、はっきり申しまして、私の見方では、独法通則法の予定していない所掌事項を委員会が担うというふうなこととも受けとめているわけでございますけれども、そういう中で、この規程ができ上がって、はい、これについて意見をというような手順が果たして適当なのかな。規程そのもの自体、こういうふうな規程をつくるということについて、意見を独法評価委員会の方に求めるということが適切なのかなというふうに私は思うんですけれども、とりあえず意見として申し上げておきます。

【松野部会長】 わかりました。基本的に独立行政法人にしたということは、今までのお役所が全部決めるんじゃなくて、その研究所の活動等をこういうところで評価をしていくと。それで、その研究所の存続まで含めて物事を決めていくというのが基本的な考え方だと思うのです。にもかかわらず、一般的な原則や何かをつくってきてから、また改めて意見を聞くというのもわかりにくい面ではあるとは思いますけれども。独立行政法人で第三者評価、主管の大臣とかそういう行政から一応独立して、研究所の中身をもとに組織の長を評価するという観点からすれば、そんなおかしなことではないし、あるべきことかとは思いますが。ただ、順序がこんなふうにして意見を求められるというだけでは何かもう一つわかりにくいというのはよくわかります。

【佐野委員】 順序が逆という気は、これは親委員会としての環境評価委員会ですか、一応あるわけですよね。そこへかけて全体の方針をディスカスして、そこからここへおりるべきだと思うんですけれども、順序が逆じゃないかという気がさっきから聞いていて思うんですが、その辺はいかがですか。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 この件につきましては、このような閣議決定があったという事項については、評価委員会の委員それぞれ委員会の場ではなかったんですけれども、資料等をお送りして報告に変えさせていただいております。ただ、確かにおっしゃるとおり、その時点での説明が十分行き届いてなかったという面はあろうかと思いますけれども、今回通則法にのっとり議題として上げさせていただくという手続は、これは手続としてどうしても必要なものですから、今回やらせていただきました。
先ほど申し上げましたように、一度親委員会の方で、一体この具体的に0.0から2.0、どうやって当てはめていくかという議論も含めて、この夏場の一連の議事が終わった後で秋口ぐらいに一度ご議論いただこうかと思っておりますので、できましたら、その場でもまたご議論いただければ幸いかと思います。

【松野部会長】 今、佐野委員のおっしゃったことは確かにわかりにくいかと思います。今、室長の方からお話があったように、たしか去年の終わりごろですか、ことしの初めか、ちょっと覚えていませんけれども、この1月8日という日付に近いころ、私はちょっとですがこういうことがありますということを伺っておりました。そして、当然石井委員長の方にもお話があって、その意味では話は伺っておりました。
それから、確かに部会と委員会とでは、委員会の方で決める、何というか、先にコメントをまとめるべきことかとも思いますが、委員のメンバーが2人かそのぐらいしか違っていないので、その点プラクティカルに、この場で何かご意見がありましたら、まず伺っておいて、そうすれば親委員会の方を通じて意見を言うときにもよいだろうという、多分そういうことで、きょうここに提案というか、議事にしているというふうに考えております。
それから、今の業績評価のファクター、前、我々が決めたのは、普通の毎年のボーナスの基準を国環研の方で、Sだったら0.2、ちょっと忘れましたけど、そういうファクターについて原提案があって、それについて我々はこれでいいでしょうということを言ったことはあると思います。あのころはまだ委員会が1つしかなかったのかな。今度は部会が2つありますので、親委員会の方でそういうことを、その0.0から2.0までの間のファクターはどうするかということは議論するというのが室長の説明です。ということで、ここでやれることは何か限られているようには思いますが、どうしましょうか。

【加藤委員】 今、参考資料1として配られております関連法規というのを改めて、私も今のご議論を聞きながら見てみますと、第5章人事管理というところのこの最初の通則法というところでしょうか。通則法の第52条の第2項に、独立行政法人は、その役員に対する報酬等の支給の基準を定め、これを主務大臣に届け出るとともに公表しなければならない。これも変更をしたときも、同様だとあって、まず、独立行政法人が当然独立していますので、自分たちの役員に対する報酬は幾らにするか、これは自分で決める。そして決めたものを、こういうところの意見を聞いて決めるんじゃなくて自分で決めて、主務大臣に届け出て公表すると。では、この委員会は一体何だということになると、私の理解では、第53条のところに、主務大臣は独立して届出があったときは、届出に係る報酬等の支給の基準を評価委員会に通知する。これは単に通知であって、こういうふうに決めましたよといって通知されるだけなんですね。それがいいとか悪いとかの議論じゃなくて通知をされる。ただし、第2項で、通知されたときは、何だかちょっとこれおかしいんじゃないのと、もし思うことがあれば、主務大臣に対して意見を申し述べることができると、こういうふうに、これがいいか悪いか別として法の規定なんですね。ですから、私はそういう理解で評価委員会というのは、独法で決めましたと、決めて通知を受けて、大臣からこういうふうになっていますよって、53条の第1項に基づいて評価委員会に通知が着いて意見を述べるということだというふうに理解しているわけですね。それが今、これが適切かどうかというのは確かに諸先生方がおっしゃるように、幅が0から2.0まであるわけですから、それについて何か意見がこちら側にあれば申し入れるというわけですから、基本は1.0が基本ですよって、こういうふうに一方で決めているわけなんですね。だから、まさに松野部会長がおっしゃるように、我々ができることというのは限られているし、限定されているし、個人一人一人を何か厳密に査定しながら、ここで評価をするというたぐいのものじゃないのかなというふうには思っております。
ですから、私自身は退職金についてそう関心はないんですが、むしろちょっと事務局にこの際お伺いしたいのは、そもそも理事長とか理事を任命するに当たっては、何かこの評価委員会というのはどういう関係になっていたんでしたでしょうか。これは法律によると、理事長というのは大臣が任命すると。つまり簡単に言えば役所が任命すると。任命された人が任期を務めて務め終わって退職されるときに、よかったですか、悪かったですかというのは、何か我々にもし意見があれば言うことができるという、こういう規程になっているわけだと思うんですが、任命そのものについては、別に評価委員会が何か意見を述べるとかそういうことは予定されているのでしたか、いなかったのでしたか、ちょっとそれだけ確認しておく、議論をたくさんするつもりはございませんけど、ちょっと参考までに。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それにつきましては、特に予定はされておりません。評価委員会には特に任命に関してはないです。

【加藤委員】 つまり関係ないということですか。任期をお務めになって、2年なり4年なり6年なりお務めになって、引かれるときにだけ、その退職金が適切かどうかという意見を言おうと思えば言ってもいいですよと、こういう規程になっているわけですね、なるほど。

【松野部会長】 よろしいでしょうか。基本的に評価だと思いますので。それから今のファクターもルールは国環研でつくられるんですね。例えばS評価だったらどうだとか。そのルールは置いておいて、そのSかAかBかCか、それは完全に評価委員会が決めることになりますから、それはどこからか決めたのを単にコメントするんじゃなくて決めるということになるかと思います。
というようなことで、そういう枠組みについてのお話ですので、あえて言えば、その枠組みの中でのここでの評価の裁量の範囲をもっと広げろとかということだったら、枠組み自身に対するコメントということになるかと思いますけど。先ほどの高木委員の研究所の評価と役員の評価と同じかというお話に関してはちょっと難しいですが、基本的な考え方として、研究そのものがうまくいっているかどうかというのは、それは理事長に最大の権限と責任があるという考え方が独立行政法人の基本になっていると思うので、研究所のパフォーマンスのよしあしは理事長に対する評価ということは大体等しいという考え方じゃないかと思うんですが。
よろしいでしょうか。難しくて、答えを出すというか、非常に明瞭なコメントというのは難しいと思いますので、なければ、特に意見なしということで、大臣の方に報告するということでよろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。それでは、今回、それから次回等にわたってですけれども、中心の問題であります評価、平成15年度の国立環境研究所の評価ということをこれから行いたいと思います。それでは、事務局の方から説明を願います。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それではまず、国環研の説明をいただく前に評価のやり方につきまして、ちょっとおさらいのようになりますけれども、資料4、資料5、資料6を用いまして簡単に解説をさせていただきたいと思います。
先生方、昨年も同じ形でやっていただきましたが、資料4につきましては、この独立行政法人評価委員会運営方針についてということで、今回、昨年は委員会のこの運営方針一本でしたが、この中で部会も、委員会と同様な運営方針で行っていくという旨をご確認いただければと思います。
評価の具体的な中身につきましては、まず資料5で、これも平成14年5月にお決めいただいた、これは改定をしておりますけど、業務実績評価に係る基本方針というのがございます。これによりまして、例えば評価の方法でございますけど、1ぺージの下から、各事業年度に係る業務の実績に関する評価ということで、事項別評価というのがございます。事項別評価につきましては、この同じ資料のもう1枚めくっていただきますと、別紙というのがございまして、この評価項目ごとにご議論いただき評価をしていただくと。それから評価基準につきましても、S、A、B、C、Dの5段階評価でいくということでございます。
それから[2]として総合評価ということで、事項別評価全体を取りまとめたものにつきましても評価書として取りまとめていただくということで、これも昨年と変わっておりません。
具体的に作業の手順といたしまして、また、これもスケジュールにつきましては後ほどご説明させていただきますが、資料6、これが評価シートということで昨年も作業をお手を煩わせたかとは思うんですが、この評価シートに従いまして、事項別にS、A、B、Cの評価とともにその評価の理由、あるいはコメント等につきまして記載をしていただくという手順で今後評価の作業を進めていただくよう、お願いをしたいと思っております。
以上でございます。

【松野部会長】 ありがとうございました。ということで、これも3回目に今度はなりますので、大体経験を積んでなれてきたと思いますが。特にありませんでしたら、早速評価の方に入っていきたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、きょうは、評価のまず最初に実績報告書あるいは資料編等がありますので、それに基づいて国立環境研究所の方からご報告をというかご説明を受けて、それであとそれについて議論していきたいと思います。
では、まず、最初は全体についてのお話を理事長から伺いまして、それから先ほどのような研究そのものと研究所の運営と2つに分けてやっていきたいと思います。

【合志国立環境研究所理事長】 合志でございます。今日は全体的な部分について先ずお話しいたしまして、後で、研究担当理事と、総務担当理事の方からそれぞれ具体的なことをお話しします。
資料の7の業務運営の要点からごらんいただければと思います。
総括的な運営方針ということですが、15年度は中期計画の半ばということですので、従来の方針というのはそう大きく変わるわけではありませんが、1つの折り返し地点という考えで円滑な研究の推進と、いろいろな新しい問題についての体制の整備に全力を挙げたということになります。何といっても研究が重要であります。研究の着実な実施という点につきましては幾つかに分かれておりますけれども、6つの重点特別研究プロジェクト、それと、政策対応型調査研究、これらについて行ったところを少しご紹介いたします。中期目標に向けて推進をしたわけでありますけれども、16年の4月の外部評価委員会において、それまでの結果について評価をいただきました。
それから、年度評価においては重点特別研究プロジェクトについて、昨年に引き続いてかなり高い評価をいただいたと思っております。政策対応型の調査研究については化学物質のリスク管理の分野について、いろいろな知見が確実に蓄積されたということで評価をいただきました。もう一つの循環型社会の形成に関しましては、15年度に新たに外部有識者を招いて、「環境パネル」を置きまして、「循環ビジョン研究」に着手しましたが、これについても評価をいただいたということであります。これは14年度にいろいろな問題点の指摘をいただいたということに応えたものであります。
年度評価の結果は、各委員からのコメントをいただきまして、16年度以降の研究実施に反映させていろいろと見直しを進めるということになろうかと思います。
基盤的研究につきましては、6つの研究領域がございます。所内の公募研究としてやっておりまして、主に若手研究者の育成を主眼とした「奨励研究」と、プロジェクト志向型の「特別研究」を行っております。
「奨励研究」につきましては公募とし、所内の委員による内部評価を行って42件を進めております。それから、これは長期的なモニタリングも含んでおります。「特別研究」については、外部研究評価委員会の評価を得て新たに2課題を選定したということであります。
知的研究基盤につきましては、環境研究基盤技術ラボで、タイムカプセル棟をつくりまして、これを中心にいろいろと研究を推進していくということになりました。また、地球環境センターにおいては、「グローバルカーボンプロジェクトつくば国際オフィス」それから衛星に関する「GOSAT研究チーム」を設置しました。これは現在は既にスタートしております。
次に、企業、大学、地方環境研究所等の連携についてお話ししたいと思います。企業との共同研究は2ページに書いてありますとおり、進んでおります。特に自動車関係につきましては、ナノ粒子についての生体影響でありまして、これは我々も真剣に考えておりますし、自動車業界もまた真剣に考えているということで、覚書を締結して共同の研究を進めております。
大学については、交流協定をいろいろと進めておりますけれども、1件ふえて8件となりました。人的な交流としては、教官の併任、それから客員研究員の受入れ、研修生の受入れなどがいろいろ進んでいるということはご承知かと思います。
それから、地方の環境研究所との連絡協議会も順調に進んでおりまして、いろいろ共同の研究のお申し出が多いということであります。
次に、国際関係に関しましてはUNEP、IPCC、OECD等、このような国際機関との活動、それからGEO、IGBP、それからSpecies2000などの国際研究プログラムに積極的に参加しておりまして、UNEPのミニレアム・アセスメント、それからGTIのフォーカルポイント、あるいはAsiaFluxネットワークのオフィスなどを置くということになりまして、活発にやっております。
研究員の確保、職務能力の向上ということについて触れさせていただきますと、新たな研究課題への対応ということで、これは公募によって研究系の職員を15人採用いたしました。15人ふえたのはいいのですが、他方、転出が9人ございまして、結果としては6人増という状況であります。
それから、増大するいろいろな研究ニーズがありますので、NIESフェロー、NIESのポスドクフェロー、こういった研究費で雇用する研究員の採用を進めております。これが合計119人で、前年度よりも35人ふえました。
職員の職務能力向上につきましては面接によって目標設定と業績評価をやっておりまして、研究所の中の非常に重要なイベントになっております。だんだんと内容は安定して定着してきたものと思っております。
優れた成果についてはNIES賞で表彰を行っております。
次に、この自己収入の確保と、それから予算の効率的執行でありますけれども、ここの3ページの上の方に書いてあるとおりであります。(改行無し)一定額以上の契約において、競争入札をするということで、これは確実に効果が出ていると考えております。
営繕工事等についてもいろいろと積算の精査をしてコスト圧縮に努めているということです。だんだんぞうきんの絞り代がなくなってきているという印象はございますけれども、しかし、効果は出ているというふうに思っております。
施設の効率的な運用については、これは新しい環境試料のタイムカプセル棟、それから底質シミュレーターができ上がりました。これらは大いに利用されるところでありますけれども、そのほかに大型施設、大型計測器等、これは所内で公募をし、優先順位をつけて整備を行っています。
それから、スペース課金制度に基づいて各ユニットから返還された場所の活用ですが、これについては526平米程度の配分ができましたので、有効に機能していると考えております。
あと、施設の貸し付け等も若干行っております。
環境配慮の取組でありますけれども、これは我々の方で研究の活動が拡大しておりますところで、いろいろと省エネ等の義務が増すのは大変つらいところであります。しかし、モデル的に動かなければならないという点もありまして、苦労しております。床面積当たり10%減というのが当初の目標になっておりますけれども、6%減までは来ております。けれども、今後胸突き八丁ではないかと心配はしております。いろいろと設備を新しくすることと、ソフト的な対応の仕方、ESCO事業と言っておりますけれども、それの導入を図るというようなことで、何とか切り抜けたいと思っております。
上水については、かなり節約ができました。
4ページに移っていただきますと、「廃棄物・リサイクルに関する基本的方針及び実施方針」ということに基づきましての廃棄物の分別等については努力をしているというところであります。
それから、研究成果の社会への還元、広報活動ですが、この委員会でもたびたびご指摘を受けているところでありまして、細かな数字になりますけれども、資料に示すとおりで、いろいろと努力をしております。
社会への還元の1つとして情報誌「環境儀」の刊行を進めております。平易にと努めております。なかなかまだ難しいとも言われるんですけれども、しかし、それなりに役に立つと言ってくださる方も多々ございます。
発明の方に関しましては、職務発明として6件の認定をいたしました。私どもの研究所の性格からいいまして、発明が大量に出てくる性格のところではございませんけれども、一定程度は出てきておりまして、なかなか有望というものもあります。
それから、研究成果の発表につきましては誌上発表632件口頭発表は1,153件で、平成8年度から12年度までのそれぞれ1.32、1.51倍ということで、一応中期目標の計画1割増というものについては多分達成できるだろうというような推移をしております。
それから、先ほどちょっとお話があったかと思いますけれども、公開シンポジウムを行いました。「環境研究、次の一手」ということで、東京と京都で行いまして大変多数のご参加をいただきました。1,100人余りであります。
環境情報の提供等の取組ということでは、EICネット関係ではアクセスが非常にふえておりまして、月平均で201万件ということになっております。
それから、環境技術情報ネットワークの方ではホームページを構築をいたしまして、8月に公開をしております。ごらんの方もあるかと思います。
環境GISの方、これも各種の情報が出てくるウェブGIS運用を行っておりまして、やはり大きな大量のアクセスをいただいております。
そのほか、国立環境研究所のホームページでは、これも年間のヒット数が大変多くなっておりまして、月平均では約500万件でしょうか、年間で5,600万件ということになっております。
そのほか、刊行物としてはたくさんのものを出しておりますが、細かくなりますので、省略をさせていただきます。
以上のようなことで、概略でありますけれども、内容に立ち入ったことは研究担当理事と総務担当理事の方からお話しをすることになろうかと思います。
以上でございます。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。全体の大枠のことのお話を伺ったんですが、何かご質問等ありますか。

【桑野委員】 すみません。2点ほどお尋ねしたいんですけれども、まず、研究員の確保ですが、プラスマイナスあわせて6人増ということで大変結構なことだと思いますが、最近どことも逆に定員削減という方向にある中で、ふえているというのは大変うれしいんですけれども、これは今後もこういうふやしていける予定なのかということを1つお尋ねしたいということと、それからもう1点は、研究成果の報告なんですけれども、誌上発表件数が632件とありますけれども、このうち査読のある論文はどれぐらいあるのかということをお教えいただきたいと思います。

【飯島国立環境研究所理事】 後ほど今のお話については詳しい説明をさせていただく予定なんですが、簡単に申し上げますと、人員の方につきましては、実は、もともとこの5カ年の中期計画において、この5年間どのぐらいの人員数かというメルクマールが示されておりまして、まだそこまで余裕があるので現在人員がふえている状態でございます。ですから、5年間の期末の状態では、そのメルクマールに合わせる必要がありますけれども、その次の中期計画で、私どもとしてはまだまだ人材をたくさん必要とするという気持ちでおりますが、今の段階では余裕がありますので、その範囲内で人員がふえているという状況でございます。

【西岡国立環境研究所理事】 よろしいでしょうか。もう一つのご質問の方ですが、これが実績報告書、資料7の今ごらんになっているものだと思います。33ページ、33ページの下のところに表がございまして、そこに研究成果の誌上・口頭発表数というのが書いてあります。誌上発表件数というのは、15年度の合計が632とございますが、そのうちの348が査読付きということでございます。

【松野部会長】 よろしいでしょうか。

【柘植委員】 知財の職務発明の件なんですけど、これは業務実績報告ですから、これでいいんですけど、先ほど理事長が、この環境研の職務上、特許というのを目的としたものはむしろ少ないということを言われたんですが、やはりこのサイエンスの部分はそういうところがあると思うんですけれども、エンジニアリングの部分というのはやっぱり入り口というのは、国としても発明、知的財産というものが望まれるわけなんですけれども、例えば米国の同じ国立環境研究所、私は行ったことないんですけれども、そこの知財の経営方針と比較したことがあるでしょうか。

【合志国立環境研究所理事長】 その件につきましては現時点では比較をしてはいないとお答えするのが正直だと思います。先ほど発明は活動のメインではないということをちょっと申し上げました。例えば生態系関係に関しては、特許は割に出にくいところであります。それから、モニタリングに関しては、技術的なファクターが大変多いので、かなりあり得るということになります。それから、健康系に関しましては、例えばいろいろと検査をするというような部分については、十分にそういう知的所有権を主張できるものはあると思います。先ほどかなり有望なといいましょうか、引き合いが多くなっている特許があるとちょっと申し上げましたけれども、それはまさにそういう分野であります。ということで、もちろん大いに奨励したいと思っております。ただ、非常に出にくい分野もあるということでありますので、一様にはなかなか難しいなと思っております。

【佐和委員】 今の特許の件なんですけど、国立大学も国立大学法人ということになって、特許を出すことを非常に奨励していると。ところが、これはあるそういう工学分野で大変著名な東京大学の教授から個人的に伺った話なんですけれども、そのアメリカのカリフォルニア大学とかハーバード大学というのは、日本の大学の出願する特許件数に比べれたら1けた少ない。つまり厳選して出しているということなんですね。ところが、日本の場合に何でもかんでも出せと。出せばいいと。それで、結局実際に出すために要する費用というのを、実は大学にそういうふうな1つの機関といいますか、組織なるものをつくって、そこがいろいろ負担するわけですけれども、その費用対効果という点で、効果がオールモースト・ゼロというような場合が多くて、京都大学の場合は、かつてアリナミンを発明した先生がいて、それぐらいなもので、それで、だから、数が多ければいいというものじゃなくて、ハーバード大学なんてわずかに年間40件というんですね、出願件数が。それで、カリフォルニア大学というのは、いろいろ分校がございますが、分校を全部あわせて10万人ぐらいの研究者がいるらしいんですけど、それで400件というぐらいのことで、非常にやっぱり厳選してちゃんとコスト、ベネフィットを十分配慮した上で、しかも、同じ特許、私は余りそういう理科系の人間じゃないのでよくわからないんですけど、同じ特許を出す場合でも、いわばそれをちょっとモディファイして、半分盗まれるといいますか、そういうことができないようにするためには、すごいプロテクションが必要だそうですね。そのためにはものすごい人と時間を要するということのようなので、件数だけで必ずしも比較できないという難しさがあると思います。

【松野部会長】 ありがとうございました。佐野委員、ぜひ、一言おありじゃないかと思って。

【佐野委員】 3ページから予算関連の数値が入っていましてわかりやすくなっていますが、例えば経費の削減に努めたという表示がありますけれども、こういうところもどのぐらいのパーセントで削減したとかということは入っていない。

【松野部会長】 また後で詳しい、何か財務諸表なんか…。

【佐野委員】 いや、そうじゃなくて、このまとめ方で数値の、重要な経費の点は入れるべきじゃないかと。
それから、環境配慮の取組、7番ですね。対前年度比6%の削減にとどまって10%以上の削減に近づいているとありますが、本当に可能なんでしょうか。私どもも今いろんなものがデジタル家電等で使用量が上がってきたために、見直しを徹底してやっていますけれども、非常に厳しい目標値になってまいりました。この辺の書き方は非常に安易ではないかという気がしておりまして、この辺についてのきちっとした説明も加えるべきではないかという感じを持っております。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。

【合志国立環境研究所理事長】 数値に関しては、例えば契約について従来と内容が全く同じ契約というのは非常に少ないわけでありまして、そういう点では何%かちょっと出しにくい要素もありますけれども、極力数値化してご報告をするようにしたいと思います。
それから、もう一つはエネルギーです。これは我々としても、非常につらいという状況であります。あらゆる努力をしているつもりであります。例えば現在エネルギー課金というような制度を導入して省エネの実効が上がるかどうか、を考えております。一方ではそういうことをやっていく間に炭酸ガスの削減といいましょうか、CO2エミッションの削減の方がもっと大きい課題になっておりまして、それに要する設備投資と、それからエネルギーのバランスがまだ見通しが立てられないでいるというのが正直なところであります。

【佐和委員】 約200人の研究者がいらっしゃるということですが、年齢分布ですね。一言で申し上げるのはなかなかわかりにくいかと思いますが、例えば仮に20代、30代、40代、50代というふうに仮に大まかに分けるとすれば、大体最も多いといいますか、ピークはどのあたりにあるんでしょうか。

【合志国立環境研究所理事長】 それは今資料がございますので、ごらんいただければ。

【飯島国立環境研究所理事】 資料8に、資料編がございまして、その4-1というページですが、お開きいただきたいと思いますが。これで年齢分布が5歳ごとでございますが、一番多いのは50代前半、51歳から55歳が44人、それに匹敵するのが31歳から5年ごとに38人、34人、31人、31人と、大体同じぐらいのレベルです。

【佐和委員】 いわゆる例えば大学の場合は教授、助教授云々というふうな、いわゆる何というのでしょうか、職務の区分があるわけですが、それはどういうふうになっているのでしょうか、研究所の場合。

【飯島国立環境研究所理事】 必ずしも年齢に相関しておりませんけれども、いわゆる領域長クラスを頭にして室長クラス、主任研究員クラス、それから一般の研究員クラスの順になっていまして、大体これは人によって年齢にはそのまま相関はしておりませんけれども、40代後半からは室長クラス以上の管理職になっている方の割合が多くなっています。

【佐和委員】 余計なことを申し上げるようですけれども、京都大学というのは、今教員の数が2,905人か何かで、一方、事務職員といいますか、職員が、看護婦さんも含めて2,350人ぐらい。それで、総額の予算が約1,000億ということで、そういうふうに、私はいつもこういう国立環境研究所に限らず、文部科学省以外の他省庁の附属研究所というのを見ると、予算が大体1けた違うと大学と。大学の場合は、教授の研究費が450万ぐらいで、実験講座で450万ぐらいで、助教授が300数十万というふうに物すごく少ないんですね、人件費は別にして。さきに申し上げた1,000億というのは人件費もすべて含めての総額ですけれども、何かそういうことで、別にひがむわけではないわけですけど、大学というのはいかに貧しいかということなんですね。これは文部省のもともと霞ヶ関での力量不足のせいかどうか知りませんが、そういうのは本当に何か余りにもインバランスというんでしょうか、特に環境省もさることながら、農水省とか、経済産業省の附属の研究所で使っていられるお金と、国立大学で使っているお金を比べると、大体1けた違うというぐらいの違いがあるんですね。ですから、そういう意味では、1けた上回る費用対効果、効果を上げていただきたいと、上げていっていただいて当然じゃないかというふうに思ったりもいたします。

【松野部会長】 非常に大きな枠組みについて確かにいろいろとご意見がありまして、今の佐和委員のお話はいろんな問題点を含んでいると思います。よくほかでは大学は大学院生が授業料を納めて、それですごい戦力になっていて、彼らにちゃんと給料を払ったらすごい額だという議論はよくありますね。一方、国立環境研のような国立研究機関はやはり大型のプロジェクトをやっていて、大学の研究室の研究とはまたスケールがひとつ大きいということで、これは金額が多くなるというのはある程度当然じゃないかというような議論もあります。   確かにこういう大きな枠組みで定員が206名、それから流動研究員が100何名、それから非常勤という方が100名強おられるんですね。それだけの規模の研究所であると。それで予算が160億と。こういう国立研究機関としては、普通どうなんでしょうかね。そういうふうな見方というか、大枠での見方というのは大事かと思いますが。

【合志国立環境研究所理事長】 フランクに申し上げますと、研究者1人当たりの予算ということになりますと、確かに多いと思います。全体の予算のなかには、いろんな予算がありますので難しいんですけれども、130億程度でありますけれども、それで研究者が200人余だと1人当たり幾らかということでいうと、大きい額が出てくると思います。ただ、実際に私どもの方で給与を払っている人たちということになりますと、その数は200人ではございません。いわゆる常勤的非常勤、それを全部含めますと800人ぐらいになっております。そうすると、途端に大体3分の1ぐらいになってしまうわけであります。仕事が来れば人手がいる。それを正規職員だけではこなせない。それが作業の外注ということでお金の格好で外に、あるいは非常勤の方を雇うというような格好で動いている、それを人数と見るか見ないかという話になってくるわけであります。大変その辺は難しいと思っております。

【佐和委員】 ついでに伺いますが、常勤の研究員200名余りに対して、いわゆる事務職員というのは何名なんでしょうか。

【飯島国立環境研究所理事】 後ほど表でご説明いたしますが、常勤の職員が全体で269名おりまして、研究系職員が、そのうち206名。ですから、60数名がいわゆる管理部門、情報センターも含めての管理部門の職員です。

【佐和委員】 私は大学のキャンパスの中でこんなことは絶対言えないんですけど、京都大学なんかの場合、何と事務職員が、教員が、さっき申し上げた2,900人に対して、1,750名の、看護婦さんを別にした事務職員がいるわけですね。この数がこの異常な多さというのは、今の200に対する60という数字からも思い知らされる思いがいたします。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。いろいろご議論があろうかと思いますけれども、ほかにきょうの予定としてもっと具体的なことにも入っていきたいと思いますので、そろそろ。柘植委員。

【柘植委員】 すぐ終わらせますので、施設の予算の効率的な執行の中で、ここで先ほど佐野委員がご指摘されたんですけど、3ページの5の上から2つ目のこの丸のところでありますけれども、一定額以上の契約について云々、費用の削減に努めたところであります。前回は、競争入札の話で専門経験を要するものは除いたということがあるんですけれども、特に3行目の所内施設の管理等、このあたりはいわゆる環境研究所の施設のメンテナンスも含めたオペレーション、一括の請負というものをやると相当なコストダウンになると思うんですね。いろんな私たちも経験しておりまして、このあたりが建物ごととか設備ごととか、こういうものをやっているとかなり高くつくもので、本文の方をちらっと見ましたけれども、それほどそういう観点でどれだけ努力されたかということが書いてなくて、本文の方ですね。ですから、このあたりがどのぐらいまでできるものか、そして15年度がどれだけできたのかという、そういうような複眼的な見方をされた方が16年、17年の経営の合理化に多分参考になると思います。意見です。

【松野部会長】 何か。

【合志国立環境研究所理事長】 少しずれるかもしれませんが、食堂関係とか清掃関係とか、こういったものについては、既に対応した後でありますけれども、余地があったというべきだと思います。実験動物の世話、そういったものになりますと、なかなかだれでもというわけにいかないところがありまして、そうでない部分というのはかなりあります。しかし、極力競争入札を行っているということで効果はかなりありましたが、そのかなりは15年度よりもその前の段階で起こっております。

【飯島国立環境研究所理事】 ちょっとよろしいですか。本文の方はご指摘がございましたように、9ページに具体例で廃棄物処理施設の運転管理とか清掃業務とか、それから複写機の話を例示しておりますが、これは15年度に新たに効果があったものということでございまして、今説明がありましたように、その前から行っているものもございますし、実は今年度に入りましてから、ご指摘のありましたようにエネルギーセンターという、共通のセンターがありまして、そこの一括管理の競争入札を行ったところ相当節減ができておりますが、これは今年度の成果でございますので、また来年ご報告させていただきたいと思います。

【松野部会長】 ありがとうございました。大分いろいろ出ておりますが、ある意味で、だんだん我々もわかってきたので、全体として、文字どおり研究所の運営ということをマクロに見ていくご意見がたくさんあって大変ありがたいと思っております。あと、佐野委員からもありましたここ自体にもう少しそういう観点で分析できるような資料をお願いしたいと思います。
予算もそうですし、それから人員も、何か先ほどちょっと常勤的非常勤を含めれば、何人とおっしゃいましたか。

【飯島国立環境研究所理事】 約800人です。これも後ほど説明します。

【松野部会長】 それが一番大事なところで、さっき佐和委員も言っておられたように、これだけの予算で一体どのぐらいの人でと、さらに、その今の定員と、それからいわゆる流動研究員、それからもう一つあるんですね。そういうカテゴリーがどんなふうになって、それをどういうふうに使っているというか、どういうふうにやっているかと、一番根幹にかかわるところなんじゃないかと思いますが。そういう点もどうかわかりやすくこれからお願いしたいと思います。
それでは、大分時間をとりましたので、先ほどちょっと言いかけました、今度は研究内容というか、研究そのものの方についての15年度の成果について実績を西岡理事の方に。

【合志国立環境研究所理事長】 申しおくれましたが、1点だけ加えさせていただきます。財務諸表関係のことがございまして、独立行政法人に関する会計監査人の監査に関する報告書があります。監査の方法等については定められているわけでありますけれども、去年の7月にそれが一部改定になって、財務諸表監査の実施において非効率な取引等を発見した場合は報告を受ける旨の規定がつけ加えられております。それに従ってでありますが、監査人からそれに該当するものはないということの報告を受けておりますので、一応ご報告させていただきます。

【松野部会長】 ありがとうございました。それでは、西岡理事の方から研究の実績についてお話しいただきたいと思います。

【西岡国立環境研究所理事】 研究担当しております西岡でございます。
まず、お手元の資料7を見ていただいていると思いますけれども、20ページからが私の説明する範囲になっております。全体をちょっと見ていただきますと、20ページの括弧でくくったところでございますが、一番上でございますけれども、国民に対して提供するサービスとして。一体どんな仕事をやっているんだというのが、この第2のところであります。そして、その第1項、1、環境研究に関する業務ということで、まず環境研究の充実、これはむしろこの1年でどういうことをやってきたんだろうかというようなことについて述べよということかと思いますが、それが1つ。
それから24ページに飛びますと、24ページの(2)というのがございまして、重点研究分野における業務内容とございます。これは余りページをとっておりませんけれども、これはどういう分野で仕事をしているんだということかと思います。むしろその25ページの研究の構成毎に見る業務内容というところで、個別にどんな研究をやっているんだということを説明をいたしたいと思っております。
さらに、ずっとページを繰っていただきます。30ページになりますけれども、その研究のやり方についてその評価はどうしているんだ。そして評価した結果をどういうぐあいに研究のマネジメントに反映しているんだという話を申し上げたい。
そして、最後に33ページになりますけれども、そういう研究成果が出たものをどうアウトカムに持っていくか。研究成果をどう普及したり、あるいはそれを活用して世の中にどう働きかけているか。さらには、それをどう広報しているかという話が私に求められている報告の内容でございます。
今お手元に、これは昨年私が全体を説明するときにパワーポイントで使った1枚の絵をお手元に今お配りいたしました。これで全体についてまず見ていただこうと思います。この絵の構成としましては、真ん中に研究のいろんなスタイルがかいてありまして、右の方の資金、それから下の方に人的資源、そして、それがどう評価されているかという絵であります。
先に研究の中身、内容から見ていきますと、中期計画の中でどういう分野で仕事をしなさいよということを書かれておりまして、それが幾つかの重点領域として示されています。それに基づきまして、その中でも特にはっきりした目標でやっていきたい。重点特別プロジェクトというのがございます。これが現在6つ走っております。27の(6)と書いてありますが、これは6つのものが27億円で動いているということであります。この金額については、それぞれちょっとずつ違います。どういう重点的な問題をちゃんととらえてやっているかということがここで問われるかと思います。
その左側、同じく29億円相当のお金を使っておりますが、これは非常にたくさんの研究からなっています。これは1つは各領域でやっている、これは6つの領域というのがございますが、その領域でそれぞれの分野で大切だと思われる問題について取り組んでいる。政策対応センターが2つございますけれども、廃棄物の関係あるいは化学物質のリスクの関係、この2つのセンターで特に現在の緊急のニーズに応じて研究しているやや細切れの研究になっておりますが、これが受託研究あるいは独自の研究でございます。
もう一つ知的基盤研究というのがございますが、これは言ってみれば足腰に当たるところですね。いろんなデータ、資料を集めたり、あるいはネットワークをつくったりというところがございまして、1つのセンター、1つのラボがございますが、これが13億円使っております。ですから、この3つで、全研究活動のほぼ80、90%の活動が説明できるんではないかなと思っております。
そのほか、この下の方に特別研究7件、それから奨励研究、42件を1億円でやっている、非常に細かいなということがわかります。あるいは経常研究、これは個人にお金をほんのわずか消耗品程度の規模で、それは自由に使って研究してくださいということでやっておりまして、言ってみれば、これは内部の次の世代に向けた研究の研究群であります。
それが研究の集まりでございますけれども、それをどういう人的資源でやってるか。先ほどからお話がありましたように、研究員、これはいわゆるパーマネント、あるいは任期つきで認められている研究員でございまして、これは205人。しかし、それではとても足りませんので、流動研究員ということで、ポスドクを集めている。さらに、客員研究者とありますが、非常にシニアな方で研究を受け持っていただく方、あるいは研究を分担していただく方、こういう方々を含めますと、さらに二、三百人がこれに加わります。けれども、これはパートタイムです。勘定にどれぐらい入るか難しい所です。
それら研究者が6領域、プロジェクトセンターという形で分かれています。基本的にすべての研究員が6領域におります。マトリックス方式でプロジェクトに出て研究をするという形でございますが、マトリックス方式、日本では置屋お座敷方式でやっております。
お金につきましては、資金が右の方に書いてありまして、全部で交付金はこの29億円、これは予算ベースでございます。それから下に書いてある人件費、施設費、光熱費を含めた交付金がいただいておりますが、そのほか、競争的資金あるいは受託というかなりの外部から稼いできた金がある。この資金をいろいろまぜて使っている。この1つのプロジェクトが必ずしも競争的資金のこれをやっているということではありません。あるものは受託研究もその重点特別研究プロジェクトの中でやっておりますし、あるものは交付金を主体としてやっているというのがございます。資金の関係はそういうことでございます。
これを評価はどこがどう評価しているかということでありますが、外部評価委員会、内部評価委員会、独法評価委員会と3つあります。すなわち所の中では、内部評価委員会が、ここにあります下の方から奨励研究、あるいは特別研究、あるいはそれぞれの研究について評価しております。その評価の結果を外部評価委員会というところにお願いして、さらに評価をしていただいております。これはこの独法委員会の規約の中で研究については外部専門委員会の意見を聞いてくださいということで、年間3回ぐらい開きまして評価をしていただいているという状況であります。
これが全体の絵でございまして、この絵のこれから説明いたしますのは、特に重点特別研究、受託研究等々、そして知的研究、基盤研究と順次説明していきたいと思っています。
それでは、本文の方の24ページを開いていただきたい。それから具体的には、資料の8の方もお手元に開いていただきたいと思います。大体資料の28、9あたりから始まっております。
そしてまず、重点研究分野における業務内容というのは、これはいろいろと中期計画に書かれている業務の範囲をしっかりやっていますよということで、これは読み飛ばしていただいて結構かと思います。
25ページの研究の構成毎に見る業務内容というところに入りたいと思います。
まず最初に、私どもの研究所の研究の目玉であります重点特別研究、これについてお話をしたいと思っております。25ページの下のところに、これは資料の37、資料の37と、ちょうど色のついた全体図がある裏に、重点特別研究の研究実施状況ということが書かれております。

【松野部会長】 資料8の方が資料編になっております。

【西岡国立環境研究所理事】 厚い方です。お手元の白い表紙の、それの37、これは資料ごとに番号が違っておりますが、37というところで見ていただきますと、重点特別研究というものです。ここにありますように、何度もご説明申し上げておりますけれども、当初設定されたのはこの6つのものであります。
それでは、その一つ一つをやっていく時間がございませんので、その37-2、たまたま私が温暖化の話も幾らか知っているということで、ちょうど一番最初に説明しやすいということがございますので、これがどういう構成になっているかということをちょっとお話を申し上げます。
研究の概要といたしましては大きくは3つぐらいあります。温暖化に対しましては、1つはその影響がどういうもので、それがどういう対策を打ったら、どういう経済的な影響があるだろうかといった統合モデルをやるのが1つ。それから2つ目が、炭素循環のメカニズムを私どもがやっております。どこからどれだけの炭素が自然から出ているか、幸いにして、私ども、日本の国からどこから出ているかというところのインベントリー・オフィスというのもやっておりますけれども、出ていく分がどれだけだろうかということをはかる、あるいはその変化を早期に検知するといった作業が2つ目。3つ目がそれを物理のモデルに組むということを、松野先生のところのフロンティアシステムあるいは東京大学の方と組んでやっているということであります。
それが研究の概要でございまして、研究成果の概要ということになりますと、これも全部は申し上げられませんけれども、例えば陸や海洋でどれだけCO2あるいは温室効果ガスを吸収したり出したりしているんだろうかということを研究した結果、例えばここで5年間の吸収が0.7±0.4なんていうことが、今37-2の上から10行目ぐらいに書いてありますが、非常にこの数字につきましては世界じゅうでいろいろな計算が出ておりますが、我々はこういう数字を出した。それから、統合モデルを用いたシナリオ分析ということで、例えば炭素税の影響について、経済的影響がどうだろうといったことをやっている。
研究予算額は幾ら使っているんだということがございますが、13年度は3.7億円、14年度は4.3億円と結構な予算を使っております。15年度は5.3億円になっています。それを外部評価委員会におかけしました。そうしますと、外部研究評価の結果ということで、こういう点数をいただいている。13年度、14年度、15年度、まず最初に研究計画に対してどういう評価だったかといいますと、Aが4でA′が1でBが6ということで、まあ大体いいからしっかりやれよという感じでしょうね。
それから13年度成果、まだ成果は十分出ておりませんけれども、このときになりますと、Bが9となっていましてちょっと点数が落ちてきました。
中間評価で15年4月にやっていきますと、Aが5ということになっています。15年度成果に関する評価といいますと、非常に厳しい評価をいただいておりますが、では、どうしてそういう評価になったのかという話になります。
それが評価者意見の概要ということに書いてあります。この仕事自身は非常に重要なもので、かつ高いレベルの観測研究をやっていると評価をいただいています。しかしながら、もう少しリーダー的な機能を強化してもらいたいとか、もっとシャープにやったらどうだろうかといったこと、あるいは人や生態系に対する影響を直接調査しなさいとか、今後の活動の方向性に関し、いろいろなご意見をいただきました。
こういうご意見を受けとめまして、私ども理事、理事長も含めまして、ご意見をどういうぐあいに研究に反映していくかということで、意見の反映のところにございますが、こういう対応をしていきたいと考えました。例えば一番下の行でございますけれども、炭素循環に関する研究成果・データの収集取りまとめは、国内の他の研究機関との連携をもってやっていく、連携をとっていきたいというようなことで、一つ一つそれに対応した報告をいたしております。研究の内容については、今、成果の概要のところで書いてございますので、見ていただくと結構です。
そういう形でこの外部評価委員会に報告し、かつその評価を受けて方向を手直ししているというのがこの状況でございます。個別に一つ一つ申し上げることはできませんが、それぞれ成層圏オゾン、それから生物多様性等々、6つのプロジェクトについて書かれております。評価のところを見ていただくと、皆さんの評価のときにもお役に立つかと思います。
大体このオゾン層、今37-6を見ておりますけれども、外部評価の結果、特にこの中間評価の一番下の15年度成果に対する評価・助言というところを見てみますと、Aが2で、Bが9、Cが2というぐあいに、これも厳しい評価が得ているかなと思います。
あるいは15ページぐらいのところで、これは中国の流域圏のプロジェクトなんですけれども、これも15年度成果に対する評価は、Aが4で、Bが7というぐあいに評価をいただいております。パーセンテージで見ていただく、そういうところですね。ということが、今の重点研究、重点プロジェクトの報告でございます。
次へ移らせていただきまして、本文へ戻りますと、今度は26ページの政策対応型調査研究、どんなのがあるかといいますと、2つ、いわゆる循環型社会、廃棄物の問題、これが1つ。それから化学物質のリスクに関する研究。これは主として運営交付金等々をいただいて、すぐに対応できるようにということで研究を進めておるわけであります。

【佐和委員】 すみません。26ページというのは。

【西岡国立環境研究所理事】  資料7、本文の方の26ページであります。
そこで、政策対応型研究というのは2つ立てておりますが、その2つについての評価は一体どうなっているかということになりますと、今度は資料編をもう一度見ていただきますと、資料38というところで書かれております。
この38のところ、1つの例を申し上げますが、38-2、循環型社会形成、廃棄物、これは昨年もう報告申し上げましたけれども、研究の方のご批判といたしましては、非常に個別の対策についてはよくやっているけれども、もう少し社会全体の物の流れみたいなものを取り組むべきではないかというご意見がありました。これにつきましては、実は当初の中期計画の中にはそういう記述がなかったものですから、一体どう取り扱うかということで、我々十分検討したわけでございまして、それに対応しまして、外部の識者の方にお願いしまして、「循環パネル」というのをつくりまして、そこで、今後のビジョンをどうつくっていくかという検討をいたしまして、それに基づく研究も当初の中期計画になかったけれども、そろそろきちんと始めていきたいなということで対応したということがございます。政策対応研究の1つにつきましてはそうでございますし、あるいは化学物質リスクセンターにつきましても、先ほど報告がありましたように、かなり成果がたまってきたという評価を受けた次第であります。
それから3つ目に移ります。3つ目が本文の26ページの基盤的研究というところになりますけれども、基盤的研究といたしましては、先ほど申し上げました奨励研究、これは200万円あるいは300万円程度の小振りな研究費をなるべく多くの人に競争的な雰囲気のもとに配付いたしまして、次の芽を育てるということでございます。
どんなものが一体あるんだということでありますが、全体で42ございます。これにつきましては、資料の39になりましょうか。資料の39の方を見ていただきますと、所内公募型研究制度の実施状況ということで、この基盤的研究あるいは長期的なモニタリングになります。これは若い人たち、別に制限をしているわけじゃございませんけれども、例えば遠嶋なんて一番最初に書いてございます。今39-1を見てみると、彼が重量充填法による大気中の02とN2の比測定用の標準ガス調整方法の開発ということを言ってみれば、この計測に関する世界標準をつくろうということで名乗りを上げまして400万円、これはちょっと多い金額です。なぜかというと、内部で評価した結果、Aの数が10、Bの数が8ということで、大いに頑張ってやりなさいという結果になりまして、今やっております。かなりいい成果が出るんじゃないかということでずっと選んでいきまして、今28課題、あるいはなかなかこの予算がつきにくい長期的モニタリングにつきましては、やはりここでもう奨励していこうということで3件やっております。
以上が奨励研究の状況ですが、この奨励研究が果たしてうまくいい種になっているかということについては、まだ今ちょうどフォローアップをしております。それが次の研究のためになっただろうか。私の見るところ、半分ぐらい物になっていて、3分の1ぐらいは有望になっているんじゃないかと思っておりますが、やはり奨励研究ですので、何といいましょうか、リスクといいましょうか、空振りといいましょうか、あったように思っています。
それから、それよりちょっと大振りで特別研究、これは2,000万円ぐらいのお金を用意しまして、次の重点研究の種をつくっていく。あるいは横断的に取り組むべき仕事をやってくれということで7件やっております。これもどんなものがあるかということになります。40-1、これは終了した研究についての評価結果であります。この特別研究は、内部でも評価し、かつ外部の先生方からも評価をしていただいております。ここにありますフーリエ変換赤外分光計、今度衛星に乗せる予定になっております。あるいは干潟と湿地、あるいはこの前の日本海で座礁した船の油の問題を緊急的に取り扱った問題等々が書かれています。これが特別研究というものでございまして、これも次の研究の種ということで頑張って評価し、かつお金をつけていきたいと思います。
それから、最後のカテゴリーになりますけれども、知的研究基盤、これが2つございます。1つは試料、いわゆる環境試料といったものでございます。これはどこかといいますと、本文27ページの下の方に書いてございます。例えばここに書かれておりますのは、この環境標準試料、これは例えば昔の状況はどうだったかということを知りたい人がいますと、我々が持っている昔の試料を持ってきまして分析する。昔はこういう毒がいろいろあったんだなと。昔はわからなかったけど、今はそういう毒があるんだなということは、それを見ればわかるというようなものです。例えば有毒アオコとか大気粉じんの新しいものをつくったり、115の試料の分譲を行った。あるいは微生物の株といったものもたくさん持っております。
新しい話でございますと、タイムカプセル事業ということで、絶滅危惧種、トキの細胞をとって冷凍してとっておくといったラボができたということがございます。それが環境研究技術基盤ラボの話でございます。もう一つございます地球環境研究センターの方は、従来どおり地球環境研究のモニタリングを主体としてやっておりまして、28ページに移りますけれども、今度新しく「GOSAT」という衛星に乗せるセンサーを用いた世界じゅうの炭酸ガスの濃度を調べてみようじゃないかという研究を始めました。
以上が全体の研究の中身でございます。それに対する自己評価ということで、28ページのところに書いてありますけれども、着実に進行したというぐあいに書いてございますが、私といたしましては、まさに着実にかつ新しいものにも取り組みつつ進行したというぐあいに思っておりますので、どうぞごらんください。
それでは、20ページに戻っていただけませんでしょうか。今私が申し上げましたのは、研究にはこういう中身がありますよという話でございます。それをどう進めていくかという話ですが、この20ページは、15年度にどのような前向きの取り組みをしたかということが書かれております。私どもの研究、いつも先見、先導ということを考えておりまして、非常に難しいんですけれども、現在のニーズに応じることと同時に、科学的な最先端を行こうというのをモットーにしておりますので、非常に幅広くかつ難しくなっています。
20ページの1のところでございますけれども、今年はそろそろ次期の研究計画を考えなきゃいけないということで、研究担当理事のもとで研究推進タスクフォースというものをつくって、研究所の長期ビジョンを検討しているところであります。次にその2のところは、基盤的研究・先行先導的な研究の推進ということで、奨励研究等々やっている。
それから21ページに移りまして、国内の研究機関との連携がございます。資料編の28を見ていただきますと、多くの題名がたくさん書いてあります。これがどことやったかということの概要が書かれております。企業とやった分が、例えば1から21までありまして、例えば森林における炭素循環機能に関する観測研究、これはGISとか、リモートセンシングを組み合わせてその森林における炭素循環をはかれないかという研究でございます。あるいは国立機関、独法、大学等々とやっているものもあります。
それから、特殊法人その他というのが一番下にございます。例えば7のところは自動車工業界と排ガスのナノ粒子問題についてやっているということです。こんなことで積極的に共同研究を進めている。
それから、さらに大学との話はどうなっているんだということになりまして、資料の30、次になります。大学との連携ということが言われておりますが、大学の方も独法ということがありまして、多くの大学から環境の問題に関する、連携をとりたいということが申し入れもあり、かつこちらもできましたら、学生あるいは有能で若手研究者が欲しいということもあって、こちらが出かけていって教え、かつ研究に参加していただこうということでかなり進めております。
31-1をずっと見ていただきますと、非常勤講師あるいは併任教員ということで、室長以上の研究者はこういうところに出かけていっております。なお、非常勤という場合は2種類ありまして、1回の授業でおしまいというのもありますが、数回講義をするということもあります。併任教授になりますと、論文の指導あるいは論文の主査になりまして、そこで人を育てるということを同時にやっております。これが100件ぐらいありまして、どこまでやるべきかということが1つの悩みにはなっております。
それから、21ページの本文の方に戻りますけれども、それでは、ほかの国立研究所との連携等はどうなっているかということでございますが、これはつくばを中心とする研究機関の環境に関する横の連絡会を持っております。。
それから、国際活動への参画ということで、これにつきましては、資料32の方に移ります。私どもの研究所の名前にナショナルとついておるということは、日本をある程度代表しなきゃいけないということで、この32-1にありますように、例えばUNEPの地球環境報告書、これが5年に一度ぐらいか、4年に一度ぐらい出ておりますが、これに対するインプットをやるとか、それから温暖化問題ですと、IPCCの評価に人を出す。今度の第4次報告書の作成に関して、私どもの研究所からは、6人メンバーに選ばれておりまして、世界的にもこれだけの人数をこれだけまとめて出すというところは非常に少ない機関かと思っています。
OECDなどでは化学物質の審査基準をやっておりまして、そこに人を派遣し、できたら国の1つのフォーカルポイントといったこともやっていきたい。
次のページにいきますと、IGBPといった国際プログラム、あるいは真ん中のあたりに世界分類学のイニシアチブ等々に参加しております。
新しい話でありますと、一番下のグローバルカーボンプロジェクト、これはIGBP、WCRP、IHDPの合同のプロジェクトがありまして、その事務局を引き受けていこうということでやっています。それが国際的な活動です。
22ページ、資料には細かくございますけれども、22ページ、二国間協定あるいはJICAとの協力といったことで、いろいろな機関との連携をしているということでございます。
それから22ページの5のところでございますが、これは我々の研究をベースにどういう社会的な活動をするかということ、あるいはニーズをどこからどう持ってきて、我々の研究に反映させるかということにもなるかと思いますけれども、ここにありますように種々の委員会等に参画している。何度も申し上げますけれども、神栖の毒ガス問題、これは非常に緊急に要請されましてちょっと大変だったんですけれども、我々国の機関としてやっぱりやらざるを得ないということもございまして、かなりの労力をつぎ込んでやっています。また総合科学技術会議の方には、私の研究所から参事官、今ここに笹野が帰ってきましておりますが、また続けて出すということで連携を十分とっていくことをやっております。
先ほどご質問にありました環境技術をどうするか。幸いにしてエネルギー特会のお金が環境関係にも使われる、環境省の所管にも入るということになりました。私どももどれだけ我々の技術的な展開ができるかということで、これまで2件、今年はまたふえましたけれども、洋上風力発電あるいは廃棄物等を利用した水素製造ということに手を伸ばしています。
そういうことで、全体にどれだけ前向きに進んだろうか、世間のニーズに対応してきたかということになりますと、それぞれかなり広い網を持って十分アンテナを張りめぐらせて、適切なところには対応していったんではないかなというぐあいに思っておる次第であります。
今度はこうした研究活動をどうやって評価してもらっているか。先ほどからもお話しいたしておりますように、そのほとんどの研究、80%研究につきましては外部評価をいただいております。30ページのところに示すような事前事後の評価をいただいておりますし、その評価項目は31ページにございますように、事前事後等々で変えているということであります。
外部評価以前に、所の中で、シニアの人25人ぐらいが内部評価をします。若い人たちの研究発表を聞き所内公募案件の選定を行っております。大体奨励研究42題ですが、倍ぐらい出てきまして、3日ぐらいかけて大変な仕事をやっております。
外部評価委員につきましては、31ページにありますが、資料の42にどういう外部の専門家に来ていただいているかということで、名簿が載っております。
全体的に申し上げてこの研究評価につきましては、大分落ち着いてきた。我々の内部でも落ち着いてきたし、外部の評価に対する対応の仕方についても、十分腰を入れてやる形がついてきたなというぐあいに考えています。
33ページに移りますが、研究成果の普及はどうしているんだということです。まず研究成果は当然のことですけれども、学会専門誌等々での評価を受けるということで、先ほどご質問がありました33ページに、誌上発表がどうかということを記しております。欧文で査読つきにどれだけ出しているかというのは、1つのシャープな指標になるかと思います。それで見ますと、欧文13年度は査読つき254、14年度、228、15年度、242と、ちょっと14年度は下がりましたが、また上がってきた。多分この13年度は古い分を出しているんじゃないか。そして新しい我々の中期計画での成果は15年度に出始めたと考えています。
34ページに移りますけれども、この数値目標というのも1割増しということになって、それは着実にふえております。
それから、この研究成果の普及ということで、このカラーでありますような「環境儀」ということで、これは特に研究者にフォーカスを当てた記事で、わかりやすく説明しようとしています。
35ページにありますけれども、毎年シンポジウムを東京で、昨年は新しく京都でも始めまして、それぞれ1,000人あるいは222人、会場の都合でそれ以上は入れなかったわけですけれども、きわめて多数の人を集めて、我々の研究内容の発表をいたしました。
いろいろに評価はございますが、確実に進んでいるんではないかというぐあいに思っています。
37ページに移りますと、今度は活用促進ということで特許はどうなっているかが書いてあります。資料46にその表がございます。。
しかしながら、特許活動をうんとプロモートしようということで、平成15年度は年間5回、特許相談会を開催すること、特許事務所と顧問契約を締結いたしまして、研究者がそこに行って相談することにより、特許を取りやすいという形の体制をつくりました。
それから、この37の資料47。ここでは、環境省等が開催する審議会等に職員が委員としての参画した、と1行しか書いてないんですけれども、私どもの仕事としては、資料の47をごらんになっていただければおわかりのように、かなり力を入れているものでございます。資料の47-1から47-8まで。数えてみますと、これが結構な量になっていまして、350件か360件ぐらいになっている。私どもの大きな仕事の1つではあると思っております。
最後に、広報ということで39ページに移らせていただきます。広報、これは研究所の仕事は2つあって、ひとつは研究と、それから広く環境情報を公開しろということが2つ目の大きな事業でこの点については、飯島の方から説明があります。
私ども環境の話をどう一般の人に知ってもらうかということは非常に重要な業務ということを認識しております。いろいろパンフレットやニュース、あるいは見学等々で対応するということでやっております。39ページの一番下のあたりですね。視察の受け入れを行ったということで94件、1,805人というような数字があります。週に大体2件ぐらい受け入れている勘定になりますけれども、実はその対応する人員がちょっと足りないためお断りしていることです。非常に残念に思っておりまして、何とかふやしていきたいなというぐあいに思っています。一方、研究者の方も、話はしたいけれども時間がとられるということで、この辺が悩みであります。
40ページを見ていただきますと、カラーでその公開の様子がございます。この公開も非常に力を入れまして、毎年一般公開いたしますと四、五百人の方がいらっしゃいますけれども、特に16年度は頑張ってPRしまして、608人だったか、非常に多くの人に来ていただいております。これは土曜、日曜にやりますので、職員がやっぱり手弁当ということになりますが、代休はとりますけれども、出てきていろいろ工夫をしてやっている、あるいは研究所の友の会といったものをやっているということになります。
最後に、41ページのところになりますけれども、マスコミへの対応ということで、もろもろの新聞報道、これは資料でいいますと49を見ていただきますと、これで76件といいますから、53週で割りますと、大体週に1.4件ぐらい何らかの形で環境研究所という言葉が出てくる。資料の49を見ていただきますと、どんなものでやっているかということですが、環境ホルモン、あるいはヒ素、真ん中あたりにいきますとクワガタの雑種化とか、7月8日は、、外国人と日本人で景色の見方がどう違うかなんていう研究、あるいは7月17日、環境税の中環審発表といったところが書かれている。そんなことで広報等々にも力を入れておりまして、だんだんとシステムが整い、かつその成果が上がってきたというぐあいに考えております。
長くなりました。以上です。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。時間が押していたので、大変大量のところをご説明いただいたわけですが、何か、この非常にたくさんのことにわたりますが。初めは重点プロジェクトの状況等から始まって、情報の発信ですか、そういうところまで非常に広い範囲にわたりましたが、佐和委員。

【佐和委員】 3つお伺いしたいことがある。1つは非常にささいなことなんですけれども、さっき併任教授という言葉が出てきましたね。あれは少なくとも今年度、国立大学は法人化してから後は併任という言葉はなくなったと思うんですが、つまりこれは公務員独特の用語だったんですね、併任というのは。例えばワープロで押しても併任という言葉は出てきませんね。だから、非常に特殊な言葉だったので、例えば京都大学の場合は、今まで併任教授というふうに呼んでいた人のことを、結局客員しかないだろうというふうになっているんで、その辺は恐らく今年度から変わってくるということでよろしいわけですね。

【西岡国立環境研究所理事】 平成15年度より客員ということになっています。

【佐和委員】 それから、研究費が非常にふんだんに使っていられるということで、ばっかり申し上げて恐縮なんですけれども、例えばこの資料の方の37ページの3というところを見ますと、温暖化に関する、いわばどっちかと言えばといいますか、おおむねモデル分析に1年間に5億も使うということになると、一体何に使っていらっしゃるのかという気がするんですね。ですから、内訳といいますか、私もそういうふうなことをかねてやっておりました関係上、50万ぐらいで済んだような気もするんですけど、ということが1つで。
それから特別研究というのは、それちょっと、僕、ページ数がわからなくなったんですけど、どこでしたっけ。内部評価と外部評価。

【西岡国立環境研究所理事】 外部評価を受けております。内部でもももちろん評価しています。

【佐和委員】 いえ、拝見すると、内部評価と外部評価というのがあったのは、例えば39-3ですね。

【西岡国立環境研究所理事】 39-3です。

【佐和委員】 これを見ると、えらく内部評価が甘いような感じがするんですね。外部評価が逆に言えば厳し過ぎるというんでしょうか。かなり内部評価と外部評価の間にずれがあると。これは特別研究の、いわゆるアプリケーションというのはもっと多数あって、結局これが外部評価と内部評価、両方あわせて平均点がよかったということで採択されたものがこれだけなのか。

【西岡国立環境研究所理事】 さようでございます。私の記憶で申し上げると、覚えているものは、今年は4件出ました。そのうち2件が外部評価に出しております。4件応募がありまして、そのうち2件を内部で落としまして、外部に2件かけています。ですから、点数のいいのが乗っかっている。しかしながら、客観的な点数としてみた場合、確かにAの数が多いのがありますね。

【佐和委員】 何か外部が厳しい。それと、外部の評価委員の名前がざっと出ておりましたね。さっき約20名ぐらいでしょうか。つまりこういう非常にスペシビックな研究テーマについて評価ができる人というのは。

【西岡国立環境研究所理事】 その点についてお話をちょっとさせてもらいます。当初この多くの人にすべて同じようにやっていただいていたんですけれども、それでは良くないということで、まずそのテーマに合った人を、特に4人か5人、この中から選んで、その方々にに1つのグループとしてこのテーマについては、この人に、このグループで評価してくださいとお願いしております。さらに主査を1人決めまして、そしてその方のもとでしっかりと読んできてもらう。もちろんほかの人も読んできてもらいますけれども、そして、評価の時にはその方々が主導してディスカッションして、かつ周りの人も何れにしろ環境の問題ですから、専門外の分野からもいろいろとお話をいただいて、その結果を評点つけしていただき、かつコメントをいただくというぐあいに変えております。どうもありがとうございました。
次にこの5億円、例えば1年で1億円ふえておりますね。これは、例えば日航財団からいただき、そして我々が知恵を出して、飛行機に穴をあけまして、世界じゅうの空気をとってくるといったことでやっています。ある意味では業務的でありますけれども、まだまだ研究スタイルなんですけれども、そういうのをやりますと1億円ぐらいかかってしまいますね。

【佐和委員】 単なるモデルだけではないわけですね。

【西岡国立環境研究所理事】 モデルだけではありません。それからいろんな船に観測機器を乗せて、炭酸ガスの分圧をはかっておりまして、その場合は機械を買わなきゃいけない。我々は特に世界のそういう測定のセンターになろうという考えがございまして、いろんな人を呼んできて、みんな機械をちょっとずつ持ち寄って、それの較正をするといったこともやります。それだけで結構数千万はかかるなということであります。

【佐野委員】 評価のことに関連して、先ほどちょっと説明がありましたけれども、年度を経るごとに外部評価が厳しくなっている。下がっている。これは非常に問題だと思うんです。企業の場合ですと、毎年レビューを受けて、PDCAできちっと反映させて修正して評価は上がっていく。ところが、残念ながら、平成15年度に向かって下がってきている。各テーマとも。これは何か内部に問題があるんではないかと思ってしまう。先生方の意見を見ると、テーマが複雑だとか広範だとか整合性がないとの指摘がある。それ以外にマネジメント上の問題があるんじゃないか、今言われている集中と選択とか、そういう点で欠けている点があるんじゃないかというようなことを私は思うんですけれども、それが1点。やはり国立環境研究所ですから、Aですね、私どもの評価でSというテーマの評価があるべきだと思うけれども、ざっと見ると、そういうものも出てないというので、改めてこういう点について、皆様方がどういう方向で持っていきたいという志があるかという2点を伺いたいと思います。

【西岡国立環境研究所理事】 1点は評価が下がってきているという点について、また、どうそれを反映させているかという話かと思いますが、まず評価結果の反映のさせ方につきましては、具体的に言いますと、指摘を受けますので、それに対する一つ一つの答えをみんなで討議いたしまして、これは研究員全部集めてやりますが、これをこう直していこうという議論をやります。そしてそのことを文書にしまして、それをその相手側の先生、あるいはすべての研究評価委員会に返します。そして、さらにお答えいただきまして、それを次の研究計画の中に反映するということになります。果たしてそれがうまくいっているかという話はまた別でございます。正直言いまして、そこのところがうまくいっているかどうかというのは、ちょっと今十分な答えが出ていない状況です。
それから、その評価点はどうかということでございますが、1つは、私どもがやっていますと新しいことが出てくるし、いろんな要求が増えてくるということがあります。それを、中期計画の観点だけで評価されるという点では非常につらいところがあります。先ほど一例を申し上げましたように、物事変わってきますので、それに対しての悩みはございます。それと、今、志ということをおっしゃった件につきましては、もちろん我々の研究の質が一番いいというのが我々の誇りであるべきでございまして、それについては今のご意見もとり入れて、十分今後も勘案していきたいというぐあいに思っております。

【松野部会長】 いや、私、今回4月16日でしたか、外部の方も含んだ研究報告会に出席させていただきまして、朝9時半から夕方6時ぐらいまでびっちりと、今の重点プロジェクトと、それから政策対応型と、それから知的基盤ですか、についての報告を聞きまして、それで担当の委員がおられて、あの後多分そういう評価がされたんだと思いますけれども、初めてだったんですけど、非常に充実して、発表はみんな40分ぐらいでしたけれども、非常に感心しました。
あと具体的な評価、確かに今回13年、14年、15年と並べてあると、どうも13、14まではいいんだけど、15というのはみんな並んでいて、何かちょっとA、Bの割合が、AとBとが前よりか逆転しているというのは、皆さん多分気づかれていると思うし、私も気づいているんですが。これはなかなか難しくて評価するというのもその基準がなかなか難しい。実際に私なんかほかのところで評価なんかをしておりますと、まだなれていない点もあって、「大変優れている」がAですか、「優れている」がBというわけですが、これは「大変優れている」か、単なる「優れている」かだとなると、余り毎年毎年大変優れているというのも何かつけにくいということはあります。ちょうどこういう評価が始まった3年目ですから、一斉に起こったという現象。その辺がやはり、難しいんじゃないかというようにそう解釈したんですけれども。

【藤井委員】 特別研究の中のこの大気微粒子のディーゼル排気ガスの件ですが、先ほど共同研究、15年度の共同研究契約ということで、企業、国立機関、独法、それから特殊法人などお話がありましたが、他省庁の研究テーマとすり合わせるとか、特にこのディーゼルなんかで言えば、国交省なんかの研究テーマとまさに合致すると思うんですが、そういうことを意識してなさっているかどうかということを伺いたいと思います。
昨年お尋ねしたときに、ディーゼルの排気ガスの実験がスタートしていたところでした。私自身は脱化石のバイオディーゼルの方をやっているんですが、そこで使っていたそのディーゼルの軽油がイオウ分500ppmの、つまり現状のでやっていたわけですが、もう今年中に50ppmになるということすらその担当者はご存じありませんでした。しかも、3年後には10ppmになると、とすると、今一生懸命やっている500ppmの情報を出すということだけではなくて、その先を超えたものを意識して実験しているかどうかということが、そこでは定かではなかったんですね。今年国交省がバイオディーゼル対応のエンジン開発をするのですが、そこにエンジン開発に1億3,500万つけて、そして来年度以降そのエンジンを搭載した中型トラックを走らせるというところまで行っているんですが、ディーゼルというときに、確かに石原知事のディーゼルNOの声が非常に大きかったために、過剰反応して、そのディーゼルに対するいろんなところの動きがあると思うんですが、特にその環境省が、元に戻りまして国交省のそういうところとの連携とか、それからその研究者同士のそういうことなども含めてなさっているかどうか、少し個別になりますが、もしおわかりでしたら教えてください。

【西岡国立環境研究所理事】 私どもはこれに対して十分やっております。特にこのナノ粒子の問題につきましては、私どもの研究所のように、健康の影響についても知見を持ち、かつその分野の専門家がいる、組織がある。あるいはそのエンジンを動かす方もできるし、大気の変化の状況もはかれるというところが日本ではないんですね。ですから、我々この件については、正直言ってトップをいっているとまず思っております。さらによそと今共同でやる必要性があります。このディーゼルの問題の国際ワークショップを開いて、そして日本国じゅうの人から同時にご意見を求めるといったこともやっておりまして、それから個別にもちろん研究会等々ではそれぞれの省庁の方等も来ていただいておりますので、研究はうまくいっていると、私は認識しております。

【藤井委員】 もう1件なんですが、この西岡先生が出してくださった、この1枚のところに、真ん中のところ、「地方」と書いてあるこの地方というのは、何か地域課題に対応するという意味の地方ですか、地方環境研究所、どういうふうに、カラーの1枚もののペーパーですが。つまり私にとって大変関心がありますのは、ここのさまざまな研究課題が地域課題の解決にどう寄与するかというときに、そこの地域で動いているNPOを含めて何かそういう共通ボードがあったらいいなというのがあって、先ほど「循環パネル」をつくって識者を含めて、その「循環パネル」が大変いい形で動いているというお話がありましたが、では、その地域課題に向けて、地域のNPOを含めてのそういう形というのは、多分昨年も伺ったと思うんですが、お持ちなのか、持つ方向に行くのか、そこと、この「地方」というこことはどういう関係なのかをお聞かせください。

【西岡国立環境研究所理事】 わざわざ私が「地方」と書いたのは、これは手書きで書いたんですが、特にここに力を入れているという意味で書いたのでございます。資料でいきますと29というところがございます。資料の29でございますけれども、そこで、この地方環境研究所と共同でやりたい、あるいは地方環境研究所ということでなくて、地方と一緒にやっていきたい、地域と一緒にやっていきたいということで、もともと我々の業務の1つになっております。我々もそんなにお金がないので、ここに小さく書いてありますのは、2,000万円ぐらいのお金を使っている。やり方といたしましては、ここに幾つか名前がございます。研究者の中で、やっぱり地域の研究所と一緒にやった方がいいと思ったり、あるいは向こうから一緒にやりましょうという話がありますと、それにお金をつけることにしています。しかしながら、実を言いますと、問題は、我々はそのお金をそちらに、例えば500万でも出そうとしますね。すると、大体県の方はそれがそのまま県の財政当局に入ってしまいまして、研究所へ来ると、その10分の1ぐらいになっちゃうとか、手続ばっかりややっこしいとかいろんな話がありまして、むしろそういう形じゃなくて、旅費についてやってもらいたいというお話がございまして、そして、この多くの方々には主として旅費を支給する形でやっている。すなわちA型とかB型、いろんなことが書いてありますが、1つの型としては、地方環境研究所の方に何日か、うちの研究所に滞在していただき、あるいは1カ月一緒にやろうじゃないかという話。あるいは我々が出かけていってやろうじゃないか、これはB型の方だと思いますけれども、何かそういう形で1つやっている、それが1つ。それから、新たにこれは申し上げおくれましたけれども、昨年から、もう少しまとまったお金で共通のプロジェクトをやろうじゃないかということで、VOCの話が1つありますし、それから、もともと酸性雨の話、これは横断的にみんなを集めてやろう。あるいは最近はGISをどうやって使って流域研究に持っていこうかといったことを、我々の方でプログラムをつくって、そしてみんな一緒にやっていこうじゃないかという形を進めております。さらに、もちろん毎年あるテーマを定めて地方環境研究所に来ていただいて一緒にシンポジウムをやっています。

【北野委員】 これは飯島さんに伺った方がいいのかもわからないんですが、資料8の48-2という見学受け入れ状況のリストがあるんですが、これを見ていますと、小学生から大学院生まで非常に多種多様な方が見えていますよね。それで、国環研はもちろん博物館ではないんですが、研究者が対応、いろいろ大変だと思うんですが、ひとつ私はいろいろあんなマニュアル整備云々と書いていますけど、例えば将来の話として、レベル別ですかね、小学生とか大学院とか、そういうようなレベル別のある程度対応するマニュアルなり、それからもっと大事なことは、こういう来てくれた方がどういう印象を持って帰ったのかというアンケートですかね、また、どの辺がどうだったという、そのフォローはしているんですか。

【西岡国立環境研究所理事】 今の階層別というお話がございまして、私どももまずその担当の係を置きまして、うまい振り分けをして対応しております。ですから、すべてがすべて研究者が対応しなきゃいけないという形にはならない。小学生ぐらいだとだんだんと、見学専門の人でも受けるという形をやっております。
それともう一つ、アンケートですか。私どもの方に回ってくるのは、見学させてもらいましてありがとうございましたという各小学校、中学校からのものが、結構回ってきまして、ここで読み上げていると時間がなくなりますが、それを見ながら、次の内容を決めさせていただいています。

【桝井委員】 先ほど西岡さんが、研究と情報公開が重要なんだと、全くそのとおりだと思いますし、このご説明伺いましても、情報発信というか、その点で、ホームページあるいはEICあるいはその他たくさんの問題について、大変進歩しているんではないかなというふうに感じます。ただ、これを先ほど研究者に対応して60数人の管理部門の職員は情報提供も含めて云々とか、これは非常に人数が含めて仕事は過大であり、なのではないかと。あるいは環境情報センターというのが中心になっておられるようですけれども、ここにはひとつ恐らく人数プラスいわゆる戦略的なものも必要だろうと思うわけですけれども、この辺の実態はいかがなのでしょうかと。ところが、また研究者が都のうまく仲介するという機能も非常に重要だろうと思いますし、この新聞等にマスコミに登場した70数件でしたか、見てみますと、多いといえば多いけれども、まだまだそれほどではないと。それから、中身も非常にいわゆる単発的な話題的なものを含めたようなものも多いように散見されますし、やはりそこにはひとつのもっと何といいますか、骨組みのしっかりしたものというような形の報道というのがまだ少ないのではないか等々を考えますと、現在そこの体制はどうなのか、あるいは問題点はかなりあるのか、あるいはどういう方向でやろうとしておられるのかを伺いたいと思います。

【西岡国立環境研究所理事】 後ほどまた飯島理事からお話があるかと思います。実態から申しまして、この独法以前に何が起こったかというと、全体定員が定まっておりまして、その中でどれだけ研究者を確保するかということに非常に力を入れたわけですね。その結果、行政の方はどんどん人を切っていったような状況があります。非常に少ない行政の人数で対応しています。今はもうこの行政の規則あるいは会計状況を変えるといったことで奮闘しておりまして、どうしても広報等々につきましては、人数がさけないという状況になっておりました。しかしながら、それに対してもう少しパワーアップしようじゃないかということで、はっきりとその業務を決めまして、さらにアルバイトの人もつけたりいたしまして、今のようなシステムをつくっている。実態から見ますと、企画に広報担当というのは非常に活躍してやっておりますが、1人行政の方から来ている。そのもとで2人ぐらいのアルバイトの人がやっているのが1つ。ですから、この人がマスコミ対応からこの公開シンポジウムの企画からこれは全部しなきゃいけないという状況でかなりしんどい話になっております。
あるいは総務の方で見学対応、これも2人。非常に有能な女性がやっていただいておりますが、これに何人かついてやっているという状況でございまして、今のお話のように、もう少し我々のコーポレートストラテジーというのをはっきりさせるには、まだまだ体制が足りないと私は思っております。今おっしゃったように、マスコミについてもう少し積極的に売り込んでいくとか、そういう体制にはまだなっていないと私は思っております。

【松野部会長】 今よろしいでしょうか。何か人数が多くないかというようなお話があったんですね。

【西岡国立環境研究所理事】 他に情報センターの方がございまして、そちらの方はホームページの作成はそこでやっております。それからEIネット、これは環境情報を全部集めて、環境に関する情報を一遍入れば全部わかるようにしようということで、これもそれの担当がおりまして、外注も利用しながらやっているという状況です。
さらに、広報誌の話があります。これは編集委員会というのがありまして、そのもとで幾つかの出版物を編集します。これも1人係を置いております。それは情報センターの方でやっております。

【飯島国立環境研究所理事】 ちょっと補足いたしますけれども、先ほど説明した研究成果の普及成果の活用という話と、それから研究所の主要な業務であります環境情報の収集整理、提供業務というのは非常にダブっているところが多くて、ちょっと説明の分け方が混乱しておりまして、その2号業務と言われる収集整理、提供業務につきましては後ほどご説明する予定でありましたけれども、基本的にはそのEICネットとかこの資料でごらんいただいたような、インターネットなどを通じて広く内外の情報を収集して提供する業務というのは環境情報センターで行っております。先ほどご指摘のございました施設の見学であるとか、一般公開であるとか、そういったものについては、今西岡の方から説明いたしましたように、総務課の業務係という管理部門の職員と、それから企画広報室の職員が分担をしながら対応しておりまして、そちらの方はたくさんの要望に対して、場合によっては人が足りなくなることがございますけれども、別途、年に2回施設の一般公開とか、そういった形で全員動員して研究所の紹介をしているところでございます。環境情報センターが行っている業務と、その他のいろいろな外部からの方々の施設見学等の受け入れとの仕事がダブっている部分があるので、少し混乱していると思いますが、そこについては、人手が足りない部分があるのですが、業務係というところで今回増員しているところでございます。
情報センターの人数は、資料8の資料編の2-1ページにございます。情報センターは常勤職員12人、併任職員3人、そのほか高度技能専門員ということで専門家を、この時点ではまだ1人ですが、現時点では2人、いろいろなインターネットなどの情報技術が駆使できる人財を雇用しております。

【佐和委員】 簡単な質問なんですが、この資料7の33ページに、ある意味で一番重要な、誌上発表件数とか口頭発表件数とかございますね。いわゆるレフェリートジャーナルが二百四、五十というレベルで、これは約200人の研究員でこれだけだと、これが多いか少ないか、なかなか一概には言い切れないんですが、率直に伺いたいのは、その200何名の方の中で、例えば非常に何というのでしょうか、こういう論文の数の多い人と、逆に少ない人があると思うんです。その辺ばらつきは非常に大きいんですか。それとも割合押しなべて平均した、どなたも少なくとも1件ぐらいは出していると。

【西岡国立環境研究所理事】 非常にばらつきが大きい。といいますのは、私どもの業務は非常に種々のものがございまして、例えばよく言われますのは、モニタリングの仕事をやっていますと、これは論文にならないんですね、ほとんど。ところが、今度は別な意味で、多い方は、ある何か珍しいものをはかっていくと。そうすると、それはともかく世界で初めてだと。すぐ論文になるということがございまして非常に幅があります。多分年間7本ぐらい、単独でトップで7本ぐらい出している人もいれば、2年に1本しか出ない人もいます。

【佐和委員】 サイテーションインデックスなんかもうお調べになっていますか。

【西岡国立環境研究所理事】 サイテーションインデックス、インパクトファクターの結果は資料43-2の方にあります。

【佐和委員】 これはどういう集団の中で比較するかですけれども、例えば国立の文部科学省以外の省府に附属している研究者の中では多い方、成績は良好な方でしょうか。それともアベレージ。

【西岡国立環境研究所理事】 データがございませんが。感じとしてアベレージプラスじゃないかと思います。

【松野部会長】 大変難しい問題かと思いますが、質問のときに200何人と言われたけど、それはさっきの定員内の人で、実際には流動研究員が100何人おられて、それから、さらに常勤的非常勤、その辺で論文を書くような人というのはどのぐらいいるかとか、その辺のことはもう一つやっぱりつかみ切れないですね。その辺の構造がよく見えていないものですから。
では、もう随分いろんな形で、皆さん科学的な視点からいろいろご意見をいただきましてどうもありがとうございました。まだたくさんあるかと思いますけれども、時間が限られておりまして、まだ予定していて、これから管理運営の問題とか、それから最後に財務諸表とありますので、研究のところはここでとめたいと思います。
それで、ちょうど昼もう大分過ぎてしまったので、ここで食事をとって、そして20分ぐらいして再開したいと思います。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 これから食事をお配りいたしますので、1時5分、10分ぐらいをめどに再開をさせていただけたらと思います。よろしくお願いします。
(午後0時40分 休憩)
(午後1時05分 再開)

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それでは、1時5分過ぎとなりましたが、大変慌ただしい昼食で申しわけございませんでした。
多少時間も押しておりますので、引き続き午後の部に入っていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【松野部会長】 どうも盛りだくさんのところ、不手際で、うまくできなくて時間が随分押してしまいました。当初予定1時半ということになっていて、それまでにちょっとどこまで行けるかわかりませんが、この後、飯島理事の方から企画管理業務の方、それからその後で今度は財務諸表ということになります。
途中で帰られる方もあるのかと思いますので、あらかじめお願いしておきますが、きょうの時間が足りないので、質問なんかが十分できなかったというようなこともあるかと思います。そういう方は書面でメールとかでお願いしたいと思います。その場合に、1週間後の7月20日までに、きょう質問できなかったということはお願いしたいと思います。
その後、先ほど資料で配られていました評価シート、これをまた毎年のようにそれぞれに記入していただくことになると思います。きょう全部説明を聞いた上で記入していただくことになるかと思いますが、それの締め切りは7月26日ということに予定しておりますので、どうかその点、よろしくお願いします。
それでは、引き続き15年度の実績、実務報告について、飯島理事の方にお願いします。

【飯島国立環境研究所理事】 引き続き資料7の報告書と、資料8の資料編を使って説明させていただきますが、私の残された部分は業務運営の効率化の部分と、それから環境情報の提供に関する業務というところになります。
まず1ページをごらんいただきたいと思いますが、業務運営の効率化に関しまして、効率的な組織の編成ということでございますけれども、現在の国立環境研究所組織は、資料編の方、資料1のとおりということで、これはよくごらんになっている6つの研究領域、6つの重点研究プロジェクトなどからなる組織でございますが、この中で、これは13年度と基本的に同じでございますが、新たに加わった組織についてご紹介したいと思います。
15年4月1日になりますが、温室効果ガスインベントリオフィスが、この資料1の一番下にあります地球環境研究センターに設置されております。それから、環境ナノ粒子研究サブグループが、下から8行目でしょうか、PM2.5DEP研究プロジェクトの下にあります。それから、上から4行目に、黄砂研究チーム、これらの3つの組織を15年度に新たにつくっております。これはいわゆる人事発令を伴わないで、実際上の組織としてこういうニーズに応じた体制をとっているところでございます。
なお、これは今年度に入ってからできたわけでございますが、15年度の時点におきまして、この組織図に入っておりませんが、グローバルカーボンプロジェクトつくば国際オフィス、あるいは次の地球観測衛星に載せるセンサーに関する、GOSAT研究チーム、これらの発足は今年度に入ってから行われましたが、その準備を行いました。
それで、次の組織体制の充実でございますが、これは人員の配置等でございます。これは次の資料2以下を見ていただきたいと思いますけれども、この資料2、ユニット別の人員構成という表がございまして、各研究領域あるいは研究プロジェクト、センターごとに常勤職員、非常勤職員の数を挙げております。先ほど来申し上げています研究者200何人というのはこの常勤職員の数でございまして、非常勤職員のところをごらんいただくとわかりますように、流動研究員とその他に分かれております。流動研究員というのが研究費、プロジェクト予算を使って雇っている研究者ということになります。その他のところが、いわゆる事務職員等を含んでいるものになります。本文にございますように、研究領域では116人、これは併任を含んだ数でございますが、それから重点プロジェクトで102人、それから政策対応型センターで48人、知的研究基盤のセンターとラボで45人ということで、本文を見ていただきたいと思いますが、そういう形で整理いたしますと、15年度末の常勤職員の数は、ここにございますように、それぞれ116人、102人、48人、45人で、これは併任を含んだ数でございますが、合計311人になっております。
先ほど温室効果ガスインベントリオフィス、環境ナノ粒子研究サブグループ、黄砂研究チームの設置についてご紹介いたしましたが、それぞれがどういう目的で置かれ、また、組織の設置によりどのように業務が進んだか、効率化が進められたかといったことをそれぞれ記述しているところでございますので、ごらんいただきたいと思います。基本的にはそれまでなかった組織ですから、その対応に、いろんなところから照会がやってきて、所の中で対応するのに困っていたわけですが、このように組織をつくることによって対応も一本化できますし、それから外部との共同研究なども非常にやりやすくなってきたというメリットが上げられると思います。
続きまして、4ページでございますが、次は人材の効率的な活用という部分でございます。4ページで、まず常勤職員と研究系職員ですが、先ほど申し上げましたように、これは資料の3と4にそれぞれございますけれども、15年度末は14年度末に比べて常勤職員は8人ふえて269人、研究系職員だけ見ますと、そこの表にございますように、6人ふえまして206人になっております。
その変化でございますが、理事長からの冒頭の説明にありましたように、新たに公募によって15人採用いたしました。一方、大学等への転出者が9人ございまして、実員的には6人増ということでございます。また15人採用したうちの6人を任期付研究員で採用しております。結果として、任期付研究員、15年度末30人になりまして、研究系職員の占める割合が15%でございます。
それから、先ほど出てまいりました流動研究員等の制度でございますが、5ページに表がございまして、流動研究員というのは、そのレベルによりましてNIESフェロー、NIESポスドクフェローなどと分けているわけでございますが、15年度末のこの表を見ていただきますと、員数が119人で、これが前年に比べて非常にふえている、4割増しているということでございます。
客員研究官、客員研究員というのは従来どおりでございます。共同研究員、研究生についてもそれほどの増減はございませんが、この流動研究員が非常にふえております。これはまた後ほど出てくると思いますが、外部資金による研究が非常にふえておりまして、その外部資金による研究を実際に実施していく上で研究者が必要になってくるわけでございますが、これを流動研究員という形で、その外部資金の予算の中で雇用して行っているという形をとっているわけであります。
これらの資料については、後ほどまたご紹介しますけれども、資料編の資料3、資料4は先ほどご紹介しました。常勤職員の年齢別構成ということで、研究系職員については、31歳から55歳まで、大体5年ごとに同じぐらいの人数、になっているという年齢構成。資料5は、実際の研究系職員の採用状況の一覧でございます。
それから、資料6は、先ほど申し上げました流動研究員の制度で4区分を設けておりまして、NIESフェローとか、NIESポスドクフェローというのがほとんど常勤の研究者と同じように研究をしていただいております。
資料7には客員研究官、客員研究員あるいは共同研究員、研究生の受け入れ状況でございます。
資料8に、先ほど申し上げました高度技能専門員制度という、これは14年に制度化しておりまして、1名、この制度に基づいて採用しております。この方がいわゆるインターネット関係の技術的な専門家ということで、後で説明いたします環境情報センターから内外の環境情報を発信したり、あるいは研究者の研究成果をインターネット等で紹介しようとするときに、技術的な支援をしていただいているということになります。実は今年度新たに1人ふやしておりますが、これは15年度の報告でございますので、1人のままになっております。
それから、次が、今度は本文に戻っていただきまして5ページでございます。本文の5ページで、職務業績評価など職務能力向上のための取組というところで、職務業績評価制度を実施しております。14年度の職務業績評価結果を15年度の6月のボーナスの業績手当及び特別昇給制度に反映させると、これは前年と同じように行ったところでございます。
やり方につきましては、9-1からございまして、このように本人に面接カードを提出してもらいまして、そのカードに基づきまして、面接委員、主査が面接をいたします。領域長等の指導を経まして、これが業績手当の給与に反映するという仕組みでございます。これが4月からのスケジュールでございまして、今年度も同じことを済ませて、夏のボーナスに反映させたところでございます。
どのぐらい反映させるかというのが、9-2でございまして、基本的に該当人数のところを見ていただくとわかりますように、B評価が普通で、良いものがA評価、問題ありというのがC評価ということで、14年度評価については、このような結果になっております。業績手当にどのぐらい反映されるかということについて見ていただきますと、基本手当の100分の70か、100分の88になるということで、大体2割ぐらいアップするということでございまして、平均的な研究職員で見ますと10万円弱の差が出ます。さらに、特別昇給制度というのを置いてありまして、これも定期昇給に対する特別昇給を対象にしているところでございます。
次に進まさせていただきます。次は本文7ページに移りますが、財務の効率化というところでございます。これも先ほど来お話がございましたが、いろいろな資料が出てきて、数字が食い違っているところがあると思うんですが、ここの数字、運営費交付金を初めとする研究所の収入額が総額160億円ございました。そのうち自己収入は47億円ございました。これは当初予算に比べて、相当上回っております。14年度に比べて2割上回っています。
なお、後ほど財務諸表のところでお話しすると思いますが、還付消費税というのがございまして、実はこの還付消費税の額はこれに入っておりません。消費税が還付されるという特別な制度がございまして、平成15年度は2億円余りの消費税が還付される予定でございます。
下の表の13年度からの経年変化を見ていただくとわかりますように、自己収入の額は年々ふえているということでございます。
また、科学研究費補助金等の研究補助金については、これは別途資料編の資料13の方に文科省の科研費、厚生労働省の厚生労働科学研究費、あるいは環境省の廃棄物処理等科学研究費補助金、こういった範疇がございますが、合計4億5,500万円あります。なお、予算上は、これらの補助金についてはその間接経費、これは数字が入っていませんが、3,600万円ございまして、この間接経費だけが研究所の収入に算入されております。
本文8ページを見ていただきたいと思います。知的・物的な所外貢献でございますが、これは基本的に環境研究所が外部に販売できたものという話でございまして、環境標準試料などの、あるいは微生物株などの有償の分譲を行っております。
そのほか、大気拡散風洞実験施設を有償で外部に貸与しておりますけれども、15年度においては、環境標準試料や微生物株の収入が1,055万円、これは若干ふえていますが、大気拡散風洞実験は大口がなかったこともございまして、前年度は689万円あって積み立てができたんですが、15年度は29万円にとどまっております。
それから、次の3の事務処理の効率化でございますが、これは引き続き会計閲覧システムというパソコンで運用できるシステムを14年12月から開始しておりまして、これによっていわゆる会計事務担当者の労力が減ってきている。すなわち人数とか労働時間数がこれによって相当改善されているところであります。
また事務用品、研究機器の調達については、引き続き大口一括購入という形をとりまして、それによって、次の表にございますように契約総額はふえておりますが、契約件数については13年度に比べて減っているということでございます。
9ページに移りまして、予算の経済的な執行、業務費削減のための取組ということですが、先ほど来お話がございましたが、原則として一定額以上、500万円以上ですが、競争入札にすることにしております。その結果、35件が競争入札になりました。ただ、前年度と比べて競争入札件数が減っているということになりますが、これは下に説明がございますように、環境省からの受託研究であります有機ヒ素対策などの調査研究の機器が外国製の機器を多く購入したということでございまして、外国製の機器については、競争入札に付すことができなかったという、そういう特別な理由によるものであります。
営繕工事につきましては、国土交通省への支出委任をして行ったものが以前はあったんですが、15年度からはすべて自主施行にいたしまして、こうすると、要するに国交省の職員にかかる費用というのが節約できるということで、コスト圧縮につながっております。
それから、先ほどご質問がありましたが、所内施設の管理の契約でございますが、業務内容の見直しなどを行いまして経費が節減されています。これは経費を節減した例を3つ挙げていまして、廃棄物処理施設の運転管理業務については休日を除外したということと、それから競争入札をしたということで7,400万円を5,100万円に、所内清掃業務、所内コピー機等についても相当削減されたということであります。
それから、5の適正な財務管理の取組でございますが、これは監事によります定期的監査等も行って適切な財務管理に努めております。
棚卸資産の実地棚卸調査というものも行っております。
10ページに移りまして、受託事業が非常にふえているという説明をいたしましたが、そういうこともございますので、それぞれのユニットに対しまして、契約の説明会等をこまめに行っております。以上については資料11から14という形で資料編の方にございますので、ごらんいただきたいと思います。
11ページの効率的な施設運用というところに移らせていただきます。スペース課金制度につきましては引き続き行った結果、526平米について再配分することができております。資料15-1のところにございます。これも3年目になりますので、だんだんそのスペースが減ってきているという事実がございますが、引き続きこれは相当規模のスペースの活用ができました。
それから、本文に戻っていただきまして、新たな研究施設の稼働ということでございますが、15年度は環境試料タイムカプセル棟、それから底質シミュレーター室、この2つが竣工しております。
また、所内の大型研究施設、あるいは大型計測機器につきましては、それぞれの委員会で議論して優先順位をつけた上で計画的な基盤整備を行っております。
12ページの方に移っていただきたいと思います。これらの資料につきましては、先ほど申し上げました資料15がスペース課金制度、資料16が研究基盤整備、これは計測機器、大型施設を含めた一覧表を載せているところでございます。資料17が一つ一つの大型施設の経費を掲げております。
本文13ページで環境配慮でございます。環境配慮につきましては、研究所として環境憲章というのを14年につくっておりまして、これに基づいて環境管理委員会あるいは廃棄物管理専門委員会、省エネルギー小委員会などをつくりまして議論を進め取り組んでいるところであります。
省エネ等の取組でございますが、これは、先ほどもちょっと議論が出たんですが、次の14ページに表1というのがありますので、ごらんいただきたいと思いますが、昨年の評価委員会に対するご報告で、床面積当たりエネルギー消費量が103%と、3%ふえてしまったというご報告をしなければいけなかったんですが、今回15年度はそれが94%という数字で、6%減になりました。これはいろんな努力をした成果であるわけでございますが、どういう努力をしたかということが13ページの下の方にございまして、一番大きく効いていると思いますのは大型実験施設を計画的に休止したこと。これはのべつ幕なしに運転しておりますと電力、ガスも相当かかるわけでございますが、とめられるものはとめられる時期を決めて計画的休止を行いました。それから冷房、暖房の設定温度ですが、これは一般に比べて、夏の28度は同じだと思いますが、冬を19度とさらに1度下げているということでございます。
さらに、省エネ機器といたしましては、省エネ型のターボ冷凍機を新たに導入したということ、また、先ほどの話にございましたが、各施設等でどれだけ電力、ガスを使っているかわかるように、それぞれに積算電力計あるいは積算流量計、冷水や蒸気などのモニタリング装置をつけたということもございます。
先ほどのご質問で6%減って計画目標の10%減に近づいたという表現についてのご意見がございましたが、さらに10%減を達成させるための事業として、ESCO事業、これは昨年度から準備をして今年度から実施に入っているところでございますが、Energy Service Company事業ということで、民間の専門調査会社が責任を持って省エネをする事業です。これは今までエネルギーをむだ遣いしていた事業所ほど効果があるわけですが、環境研究所の場合は相当絞っていますので、余り出てこないかも知れませんが、例えば10%なり15%なり、使用する電力、ガスを節約した分の費用でいろんな省エネ対策をするものです。ですから、追加の支出が全くない事業ということで、そんなうまい話があるのかと思われるのですが、現実に今いろんなところで行われ出したということで、それを早速導入して現在調査をしてもらっているところであります。
これによる効果あるいはさらなる省エネ努力によりまして、10%減は可能ではないかと思っているわけでございますが、気になるのは、昨年は冷夏暖冬ということで、その影響が大きいのではないかと一般的には思われますが、私どもで筑波地域における昨年の温度の分析を行ったところ、夏は1度ぐらい低く、冬は0.6度高かったとのことです。確かに筑波においても冷夏暖冬だったわけですが、これを最近10年間ぐらいの平均的な温度と比べまして推定したところ、恐らく気温による効果というのは1%ぐらいでして、6%減のうちのほとんどが先にご説明した省エネ努力によるものではないかというふうに考えているところでございます。そういうこともございまして、さらにこのESCO事業等によりエネルギー使用量を10~15%ぐらい低くすることができれば、目標の10%減は達成できるのではないかと思っております。
しかしながら、14ページの下にございますように、実は中期計画を策定したときにはなかった新しい目標が平成14年に策定されておりまして、政府の温室効果ガス排出抑制実行計画でございまして、13年度に比べて18年度までにCO2の排出量を7%削減するという新しい目標が出てきました。これと比較するとどうかといいますと、15ページの右の表にございますように、15年度は対13年度102ということで、14年度の114に比べれば随分努力されていると思いますが、非常に厳しい状況でございます。ちなみに、床面積当たりにすれば93になっていますが、目標自体は床面積当たりということではなくて、事業所単位でどうかということでございますので、これを達成するのは、このままではなかなか難しいだろうということでございます。
15ページの下の方の3ですが、廃棄物・リサイクルの取組ということで、これは廃棄物管理につきまして、特に今回は感染性廃棄物について取扱要領の準備を行いまして、もうすぐこれが策定されます。さらに、実験系廃棄物についても取扱要領を整備することにしております。
廃棄物の発生量でございますが、次のページ、16ページを見ていただくとわかりますように、14年度、15年度を比べまして若干ふえて103%ですが、研究所の職員数も9%ふえているということから、この職員数というのは、後ほど説明いたしますが、研究者あるいは管理部門の職員以外の非常勤職員も含めて常勤換算した数でございますけれども、職員1人あたりで見れば、廃棄物の発生抑制というのは少し進んだのかなと思っております。
化学物質の適正管理でございますが、これは実施方針に基づきまして管理を徹底いたしまして、PRTR法に基づきましてダイオキシンの届出を行うとともに、これは量が少ないのでPRTR法の届出対象にはなりませんが、PRTR法の対象になっている化学物質についても独自に調査を行いまして見積もりを行っております。
グリーン調達にいたしましても、引き続き「環境物品調達推進方針」に基づきまして行っているところでございます。
なお、これらの環境配慮の取組についてはホームページで公表しています。これらの関連資料が資料の18、環境憲章以下ございますので、これは省略をさせていただきます。
一番のポイントは、昨年のこの報告の中でエネルギーの消費量が103%になってしまったということだったんですが、今回は努力の成果が出てまいりまして94%、今後ESCO事業等の成果を期待すれば、10%減の目標が達成できるのではないかという見通しでございます。
18ページですが、業務運営の進行管理でございますが、これは基本的に研究計画を作成したり、重点研究分野についての進行管理を行うということで、中身的には前半に西岡理事の方からご説明いたしました研究についての進行管理を的確に行っていくということでございます。「外部研究評価委員会」における研究評価のほか所内の内部研究評価等を行っております。
19ページの方に、委員会による進行管理ということで、全体のそういう業務運営の進行管理が書かれています。定例で毎月でございますが、ユニット長会議、それから研究推進委員会等の委員会を行っております。業務の定期報告はユニット長会議で年3回行われております。その段階でいろいろな意見、質問の中で、適切な進行管理ができるように行っているところでございます。
それから、監事監査への対応というのが5にございますが、監事監査、それから内部監査の結果を踏まえまして、いろいろな届出の書式の簡素化とか、電子申請方式を採用するとか、外部配送物品の集積、受渡し方法を合理化するとか、細かなところでございますが、業務処理体制の効率化を監事監査等の結果に対応して行っているところでございます。
以上が効率化に関する業務運営の進行管理のところでございますが、引き続きまして、環境情報センターの環境情報の提供等に関する業務についての報告を行わせていただきます。
42ページまで飛んでいただきたいと思います。環境情報の収集、整理及び提供に関する業務ということで、国立環境研究所法に規定される2号業務と言われる部分でございます。
まず、環境情報提供システムでございますが、右側にございますようにEICネットがございます。EICネットの利用件数は、このグラフにございますように月平均201万件、年間2,400万件に上っております。グラフの中で平成14年度のところで紫色で非常に高い棒がございますが、これはこの時期に民間サイトで検索ロボットによる自動検索が行われたことがわかっておりまして、これはデータ的には削除して見た方がよろしいと思います。
44ページに、今回EICネットにつきましては、トップページを全面更新いたしまして、どこが見やすくなったのかというのはお使いになっている方ならわかると思うんですが、例えば左側にカテゴリーというのがありまして、自然環境、地球、大気と、こういったところからもアクセスができるようにしたとか、いろんな工夫をしているところであります。
環境用語集についても10倍近く用語解説をふやしましたとか、いろいろ新しい試みも行っているところでございます。これがEICネットであります。
45ページの方が環境技術情報ネットワークということで、これは新たなホームページを15年の8月から公開をしたところでございまして、これが技術情報ということで、右側に画面の例が出ております。トップページの画面が出ておりますが、環境技術新着ニュース、環境技術情報ナビゲーション、環境技術ライブラリー、環境技術イベント情報ということで、こちらについても昨年から始めたわけですが、現在、利用件数は月平均4万件を超えております。
それから46ページですが、環境GISの業務であります。環境GISにつきましては、新しく日本海海洋汚染あるいは海洋環境モニタリング、自動車交通騒音などについての準備を進めているところでございますが、14年度から公開を行ったものについては継続して運用しております。
新しいものとしては、特に環境研創立30周年ということを意識いたしまして、大気汚染や水質汚染の過去10年があったんですが、その前の20年もあわせて掲載をしておりますし、それをグラフで表示するようなページも用意をしたというのが特徴であります。
48ページに移っていただきますが、そのほか環境省から業務の委託あるいは請負を受けておりまして、「そらまめ君」という大気汚染のデータ公開の管理・運用、そのほか花粉観測システムの運用等についても請け負っているところでございます。
ちょっと駆け足になって恐縮ですが、次に移らせていただきます。50ページですが、環境研究関連データベースということで、これは研究に使うデータを広く一般に提供しようということで、50ページの表にございますように、渡り鳥の飛翔ルート、環境ホルモンデータ等につきまして公開をしたところでございます。
51ページはいろいろな研究情報提供の媒体を広げているところでございまして、15年度におきましては、「環境科学解説」というのを、51ページの一番下でございますが、新たに行っております。15年度は「電磁波の人体影響」という、まだ研究が十分なされていないような分野を取り上げて、これをテーマにして科学解説を行いました。これは相当反響があったんですが、まだ未解明な部分がいっぱいあるという問題も抱えております。
52ページに研究所のホームページのトップページがどのように変わったかという絵と、下にヒット数がありますが、毎年着実にふえております。
53ページは、ホームページを通じて提供いたしましたデータベースの名称でございます。
55ページにありますのは、紫外線観測データを、これは研究成果になるわけでございますが、これを情報をそのままでなく解析してわかりやすい形で提供している例として載せておりますが、こういうことも行っております。
56ページは、研究所の年報等の刊行物ですが、紙の形での情報についても引き続き提供を行っているところでございます。
以上が環境情報の提供関係でございます。
最後でございますが、57ページから予算等になりまして、これは後ほどまた財務諸表関係で詳しくお話をいたしますけど、先ほど申し上げましたように、15年度予算につきましては、この執行額というところを見ていただくとわかりますように合計166億円ということになっていますが、後ほどの財務諸表のところでまたご説明をいたしますので、省略をさせていただきます。
それから、その他業務運営に関する事項ということで、ここもこれまでの説明と重複しておりますけれども、施設・整備に関する計画につきましては、施設整備費補助金、これは環境省から交付を受けるわけでございますが、この施設整備費補助金により計画的に行っているところでございます。特に14年度補正予算で認められましたナノ粒子健康影響実験施設、先ほどからナノ粒子棟と言っているものでございますが、これについては、新棟の建設を15年度から開始したところでございます。
60ページが人事に関する計画ということでございますが、これは先ほどの説明と重複する部分も出てくると思います。
61ページの表を見ていただくとわかりますように、管理部門の人員が、これは情報センターも含めてということでございますけれども、15年度74人になっております。その内訳ですが、いわゆる事務部門がふえたということではなくて、実は下に説明がありますように、主任研究企画官室という研究の企画部門、競争的資金を取ったりするときに、やはり応募のテクニックとか、説明振りの問題もございますので、そういう研究企画部門の人数がふえているということと、監査機能を強化したというのがその増員の理由でございます。
その他職員の健康管理ということで、いわゆる衛生委員会というのも設けておりまして、安全衛生管理あるいはメンタルヘルス対策といったものも進めているところでございます。
駆け足で失礼いたしましたが、以上、実情の説明でございます。

【松野部会長】 ありがとうございました。

【桑野委員】 すみません。常勤の研究者の年齢分布を拝見いたしますと、30歳以上に比べて20代が非常に少ないので、ちょっと将来が心配なんですけれども、これは何か理由があるんでしょうかということが1つと。
それからもう一つ、任期付の研究員で、任期がきた場合はもう後の可能性はないのか、それとも何かその間の成績によってまだ引き続きという可能性があるのか、その辺をお教えいただけませんでしょうか。

【飯島国立環境研究所理事】 20代の数が非常に少なくなっている1つの理由は、現在、研究者の採用については一般的に学位を持っている人たちを対象に予定されているポストを公募いたしまして、そして何人も応募されるわけですが、それを人事委員会の下に設けられた採用小委員会で担当の部長クラスの方々が面接をして理事長まで会っていただいて選考するということなんですが、そういう方式をとりますと、どうしても成績優秀といいますか、試験をするわけじゃないんですが、それまでの研究実績という評価になりまして、20代はなかなか難しいという傾向が出てまいります。今後例えばドクターを持っていなくても採用していく人材も一部必要ではないかといった議論を内部でしておりまして、例えば、国家公務員試験を受かって、大学院の修士を出た方が研究所に採用されて、研究所で研究をした結果を論文に書かれて学位をとるという例が結構あったわけですが、そういったことも考えていくべきじゃないかという議論をしておりまして、次期の中期計画に向けて、そういった柔軟な採用体制を検討する必要があるのではないかと思っております。

【松野部会長】 今の点、私の解釈ですけど、これは定員だけが書いてあるんですね。今言われたように、いわゆる定員の人が書いてあって、実際にはポスドクフェロー、それからNIESフェローですか、その辺の若手が20代にたくさんいると思います。そういういわばパーマネント、その前のところでポスドク何年かやって、31歳からでもこれだけいるというのはかなりいるんじゃないかと思います。

【飯島国立環境研究所理事】 部会長のおっしゃるとおりでございまして、実は流動研究員制度というのは、常勤研究者の予備軍として考えることもできるところでございまして、先ほど申し上げた新ポストの採用に当たりまして、実際に流動研究員として働いている方々の中から応募が出てきております。
それから任期付研究員の話でございますが、これは私ども初めて13年度からとり入れた制度なので難しい部分があるんですが、基本的には任期付研究員も、今申し上げた流動研究員に比べて任期付常勤職員としての身分保証があるのですが、似たような立場におりまして、現実に任期付研究員を任期が終わらないうちにやめられて、パーマネントの研究員として採用されるという例もございます。これから流動研究員とか任期付研究員の身分がパーマネントの研究員に比べて不安定な方々のキャリアパスをどういうふうに考えていくか、研究所として、それが大きな研究所の人事政策になるだろうと思いまして、ご指摘の点も踏まえまして検討しているところでございます。

【松野部会長】 ほかに。

【藤井委員】 環境配慮と、それから10%削減計画、なかなか大変というのが大変ご努力なさっているようですが、あそこの国環研の中で自然エネルギーの導入とか、それから新しい建て屋の中の雨水循環とか、そういうところがあそこの中にはありましたでしょうか。そういう方向性を考えているとか、廃棄物をこれを見るだけじゃとてもバイオマスの発電ができるとか、全くそういうことではないのですが、何かそういう新しい形も、つまり見学者も大変多いですので、非常にシンボリックな存在として、ただ、そのパーセントを減らすだけではなくて、新しい方向性を見据えるよという仕掛けがどこかに、ここの中の文言にはないようですが、実際はあるのでしょうか。

【飯島国立環境研究所理事】 今思いつくのは温暖化研究棟というのがございます。そこは建物自体を工夫いたしまして、要するに省エネ型の建物の工夫ですね。太陽光電池とか、それから実際ほかのところもやっていますが、フィルムを張って西日を避けたりとか、そういうことはやっているんですが、今先生がおっしゃったような、もっと先に進む技術については、アイデアとしてはあるんです。というのは、いわゆる温暖化対策でバイオマスを活用したエネルギーを自分で賄ったらどうかとか。研究所の内部のバイオマス資源でどれだけできるかという問題がありますが、バイオマスというのは研究テーマ、技術開発テーマになり得るということで幾つか検討はしているんですが、まだ実現はしておりません。ただ、研究者の中では活発にそういう話は出ております。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。1時半という予定があったものですから、皆さんのそれぞれの用件で行ってしまわれて、これはもう成立していなくてもいいんですね。決めることはないので。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 財務諸表につきましては、意見をいただくことになりますが、またこれは次回の部会のときでも構いませんので、説明はきょうしていただくにしても。

【松野部会長】 わかりました。では、なるべく早くと思っていますが、ほかに。

【坂本委員】 先ほどの研究のところで聞いてもよかったのかと思いますが、資料の13-1で、科学研究費が書いてございますけれども、これは全体で研究企画の方で大型の予算をとって、科研費の方については、個人の応募だから、特にそちらの方については余り気にしていないとおっしゃるのか、今これを見ると1億ほど、平成14年と15年で減っているなという感じなんですけれども。

【西岡国立環境研究所理事】 科研費につきましては、おっしゃるように個人ということで集計外になっております。私は、たしか5億と書いたんですが、残念ながら今の話のとおり件数はふえているんですけれども、金額としては減っているという状況のようです。特にその原因というのはわからないんですが。

【坂本委員】 それが本来的な業務としての研究の方に重点を置くという趣旨でそうなっているの、それとも全くこれは。

【西岡国立環境研究所理事】 いやいや、たくさんなるべくとってこいとは言っているんですけれども。

【坂本委員】 いや、大学ですと、1億も減るとこれは大変な話になっていろいろやらないといけないものですから。ありがとうございました。

【松野部会長】 ちょっとお伺いしたいんですけど、西岡さんの説明がありましたグローバルカーボンプロジェクトとか、それからGOSATとか、それからAsiaFlux、いろんな新しい事業をどんどん積極的にやっていかれる国際的な重要なものを役割を担っていかれる、大変結構なんですが、こういうのに対するお金ですね。例えばグローバルカーボンプロジェクトだったら、これは日本が持っていた方がいいと。政策的に考えたときに、それに必要なお金というのは環境省の政策との関係とかはどうなっていて、そのときはどういう形でその予算の増加とかがされるんですか。

【西岡国立環境研究所理事】 グローバルカーボンプロジェクトのオフィスにつきましては、推進費の名目は忘れましたが、確保しておりまして、3年間はつくということになっております。
それから、GreenhouseGasインベントリのチームですけれども、これはどちらかといいますと、国の方からの委託のような形で、これも予算が確保されている。大体我々のやり方としては、事前に相談しておいて持ってくるということにしています。

【松野部会長】 わかりました。ほかにありますでしょうか。
それでは、何度も同じようなことを聞くようなんですけど、人数のはいろんな数え方が場所によってそれが違っているのでわかりにくくて、この報告書の資料7の61ページには、研究部門の人員というのは674、これはトータルで、多分これは定員と、それから今の流動研究員と、さらに常勤的非常勤というのがあり非常にわかりにくいんですね。共同研究員とか研究生ですか。いろんな見方があると思うんですが、大体原則として毎日ここに来て研究してきているような人というのは大体結局何人になるのか、それがよくわからないんですよね。

【飯島国立環境研究所理事】 失礼しました。この資料編の方の53-1というページ、資料53をごらんいただけますか。16年3月末現在の国立環境研究所の勤務者数ですが、ここで今までのお話とちょっと違っているのは、業務別人数と初めにございまして、管理部門、研究・情報部門ということで、これには研究者と、先ほど言った環境情報センターで働く職員が入っていますので、仕切りがちょっと違っていますが、研究者の数にその情報部門の職員数が加算されているわけです。この職員というところは常勤です。この269人が人件費の対象となります。その下に負担有の部分で非常勤職員というものがありまして、非常勤職員が先ほど言いました流動研究員、高度技能専門員、それから常勤的職員ととありますが、これは常勤的非常勤職員、週5日勤務のいわゆる事務補佐員といいますか、そういう事務員の方々。それからパートタイマーというのは週2日ないしは3日の方々ということになります。そのほか派遣職員、これは派遣の契約を別途結んでおりますが、派遣会社から派遣される職員、それから請負の契約に基づいて研究所の施設を運転する人たちというものが、ある意味では研究所の予算で負担をしている人たちということであります。それから、基本的に共同研究員とか研究生等につきましては負担がないということで、全体を見ますと、一番下にございますように、1,107人の人間がいて、そのうち先ほどの常勤換算をすると1,007人になります。ということなんですが、費用負担を伴うものがどうかというと、常勤換算で、先ほど来申し上げました802人という数字になります。
なお、客員研究官あるいは客員研究員というのは何日か研究所で協力をお願いしている研究者、大学の先生方でございますので、この数から除いております。ですから、常時1,000人ぐらいの人間が研究所の中にいて、そのうち研究所の予算から給与を払っている人間が800人ぐらいいますというのをこの表で示しています。

【松野部会長】 わかりました。共同研究員や研究生はこれはほとんど常時来ている人になるわけですね。週5日という方に書いてあって。かなりこういう人も多いんですね。とにかくこういう観点でトータルすると本当にすごい数になってくるんですけど。何かの話で200何人とか、さっきの論文数が1人当たり幾つなんていうときに200何人といった定員だけを考えればいいのか、何かその辺でもうちょっとわかりやすい把握の仕方がないかなという、どうもいつも何かもどかしい思いをしていて。それから事務、管理的な職務がどのぐらいの人がいますかというときにも、定員で答えられても、実はアルバイトがたくさんいたりなんかすることもあると思うので、その辺をまた今度はよろしくお願いしたいと思います。
すみません。もう2時になってしまいまして、よろしいでしょうか。まだもし何かありましたら、先ほどお話ししましたように、1週間ぐらいの間に書面か何かで質問していただくということにしていきたいと思うんですが。
その議事進行についてですが、財務諸表をきょうは予定していたんですが、財務諸表の方は、きちんとした審議が、必要なことなので、次回の最初にやろうということに提案がありました。そのようにしたいと思います。
したがって、あとはその他のことがありますが、これについて、今の管理関係のことでご質問がありましたら続けて伺いたいと思います。よろしいでしょうか。
きょうの予定は、その実績評価のところはここで議題をこれで終わります。
もう一つ、きょうは中期目標期間終了時見直しで、5年ごとの見直しをするのが、これは3回目ですから、まだあと2年あるわけですが、それを何か全体的に少し前倒しでやろうという話が総務省の方からきているということですので、それについてのご説明をお願いしたいと思います。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それでは、資料の13をお願いしたいと思います。委員の人数も限られておりますので、今ここにいらっしゃらない委員の方々には別途ご説明するという前提で、きょうはこの物事の趣旨等についてご承知おきいただきたいということでお聞きいただければと思います。
資料の13ですが、これは6月の下旬に、独立行政法人の見直しの前倒し等について政府全体で合意をしたものでございます。平成17年、来年度末までに5年間なり4年間の供与期間が終了する法人は56ございます。この56法人については、本来、来年の今ごろから見直しの方向性を議論すればいいのですが、少し前倒しをする必要があるということで、見直しの素案というものをそこに1番に書いてありますように8月末、あと2カ月の間に、各法人について準備をしなければならないと。国立環境研究所もこれに該当するということでございます。その見直しの素案の準備に当たりましては独立行政法人評価委員会にその意見を求めることになります。この点につきまして、当省の評価委員会の規定によりますと、この目標期間全体の見直しの事項というのは、部会ではなくて親委員会の方に属する事項でして、石井委員長と相談をしてまいりました。石井委員長の方からは、まず年度評価というものをきっちりやってからの話だということで、まずそれを先行させて部会の方できっちりやった上で、それにめどがつく段階で、この見直しの素案についての議論を委員会でやればいいのではないかということで、後ほどスケジュールをご説明しますが、そのような仕切りで進めたいと思っています。
この56法人のうち見直しを来年やるべき作業をことしに前倒しするという法人は大体半分ぐらいをめどにということで、3番に書いてありますが、8月末の見直しの素案を踏まえて、総務省の方で全体を見ながら、9月末ぐらいまでに実際にどの法人をことし見直し作業をするかということが決定されるということです。
これは、他の独法などの状況を見ますと、例えば法人そのものの、極端な言い方をしますと廃止ですとか、あるいは統合ですとか、そういう大きな話も結構あるということをご承知おきいただきたいと。そういった全般の状況を見ながら9月末までに前倒し対象を決めると。その準備段階として2カ月の間に素案を準備するということです。
裏に行っていただきまして、今申し上げたことがチャートのような形で書いてありますけれども、下の方に9月末めどに見直しの結論を得るべき法人、ことしやるべき法人を決定されますと、その後、総務省からの勧告等々のかなり細かい具体的な議論になってまいります。
この背景としましては、次のページに閣議決定、これは先月の閣議決定ですが抜粋が載せてあります。その2ページ目の裏に、実際どういう状況かということで一覧表があります。図といいますか、この上から3つめの大きな四角の中の一番最後に国立環境研究所というのは含まれているわけですけれども、これが来年一気に見直し、すなわち総務省でも勧告を細かく出していくという作業が現実的に無理だということで半分見直しをするということでございます。
次のページに、もともと見直しをする場合のフローが書いてありますが、これについては説明を省略いたしますが、その次のページから実は、では、見直しというのはどういう観点でやるかというのが閣議決定文書そのままですので、ちょっと見にくいかもしれませんが、載せてございます。一言で言えば、独立行政法人の業務のうち、引き続き行うべき業務はどれか、逆の言い方をしますと、民間に委ねるべき業務があったら、それは民間に委ね等々の業務の必要性の部分というのがメーンになっております。いろいろ書いてありますけれども、基本的には毎年度の評価をいただいているその評価実績をもとに、次の次期中期計画期間はどうあるべきかというご議論をいただくのが本旨となっております。
ただ、一つ、最後のページになりますが、別紙とありまして、その2枚目の一番下に、3番というのが真ん中辺にありまして、組織形態に関する見直しの中で、従来この評価には余りかかわってこなかった部分がございまして、一番下、(3)というところに、ちょっと読み上げさせていただきますと、特定独立行政法人について、その業務を国家公務員の身分を有しない者が担う場合にどのような問題が生じるのかを具体的かつ明確に説明できない場合、当該法人を特定独立行政法人以外の独立行政法人とするという方針が実は昨年出ております。これはいわゆる公務員型か非公務員型かということで、平成13年にスタートしました研究所系の独立行政法人はほとんど公務員型になっております。ところが、その後大学が非公務員型で、この4月にスタートしたということと、あと研究系の法人ですと、経産省の所管します産総研、一番2,000人規模の産業技術総合研究所、これが既に非公務員型に移行するための法律改正をさきの通常国会でやっております。そういった実情を踏まえて、やはり非公務員型の議論というのは、この場でも一度早いタイミングでやっていただけないかなと思っております。ただ、これについては研究所ごとに違う事情もありますので、一度国立環境研究所の方からその辺の実情と申しますか、検討の進め方等について、また別の機会に一度ご報告をいただくような形で今のところはお考えいただけたらというふうに思います。
以上、まだちょっと漠然とした話になっておりますけれども、現在、総務省とも、では、見直しの素案というのはどの程度まで書き込めばいいのか、あるいは非公務員型等の議論につきましても、どの程度まで整理すればいいのかというあたりについて、事務的に相談をしながらこれは進めていくことになるかと思います。いずれにしましても、この部会の場も利用しながら、後ほどスケジュールで説明いたしますが、評価委員会の場で一度ご議論をいただくということでご承知おきいただければと思います。
以上です。

【松野部会長】 どうもありがとうございました。ということで、本来ですと、来年が4年目になる、来年は非常に大事なところだと。そこで一部は少し早めに、半分ぐらいですか、余り集中しては大変だというので、この5年ごとの評価、極端に言えば研究所を継続するか否かということまで含めたものの議論を場合によってはするということだそうです。それは一応今回の評価は評価で、多分これからスケジュールをお話しいただけると思いますが、7月中ぐらいに終わって、それで別途そちらの方の議論があるということだと思います。また違った種類のことが入ってくるんですが、どうかよろしくお願いいたします。今のはよろしいでしょうか。そういうことですので。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 それでは、最後に1枚紙で資料14というのを用意させていただいております。横向きのA4の紙でございますが、先ほど部会長の方から年度評価につきましては、概略今後のスケジュールをお伝えいただいたかと思いますが、再度確認をさせていただきます。
この資料14につきましては、左側が年度評価関係、右側が今申し上げた見直しの前倒し関係ということで整理をしております。きょう右側の一番上に書いてあるご報告は申し上げましたが、まず左側の年度評価につきましては、追加の質問、ご意見等ありましたら、20日までにどんな形でも結構ですので、出していただければと。財務諸表についてはちょっときょう説明がなかったんですが、もしそれに関連しても何か説明を要すれば、個別に対応させていただきたいと思います。基本的には個別にいただけましたら、まず個別に対応させていただくということですので、20日の期限にかかわらず、早めに出していただければ早めに対応はいたします。
それをもとに、評価シートについては一たん先生方からご提出をいただきたいということで、それを26日までということでお願いしたいと思います。そして次回の部会を7月29日に開催をいたしますが、一応3時間とってありますけれども、先ほど財務諸表の話を冒頭議題として追加はいたしますけれども、この29日、次回の部会では、個別の事項ごとに途中で個別にいただいたご質問等への対応も含めて、あるいは評価シートの先生方のご記入を含めて、個別の事項ごとに少し突っ込んで議論をやっていくということで、ちょっと長時間のご議論をお願いできればというふうに考えております。
その後、8月18日に自治会の部会を予定しております。この間3週間ほどありますが、この間におきまして、今度は最終、正確的には報告といいますか、評価報告書そのものの原案をつくりまして、各委員とも個別に調整確認をしつつ、部会長のもと、評価書の案をこの3週間の間に固めたいということでございます。そして、この8月18日におきましては、できるだけ事前の調整をして、評価書をご承認いただくということでお願いできればと思いますが、そこで右の方に移っていただきまして、これは石井委員長とも調整済みですけれども、この8月18日の部会の後に引き続いて、この先ほど申し上げた見直しの前倒し、8月末までに見直しの素案をつくるという物事に対しましてご議論をいただければと。その見直しの素案につきましては、さらに8月30日、これを評価委員会、表記としては8月18日が多分第12回の評価委員会、8月30日が第13回の評価委員会という通し番号になるかと思いますが、再度8月30日ぎりぎりではございますが、ここでご確認をいただくような形をとりたいと思います。ただ、見直しの素案についてはまだ具体性が欠けると先ほど申し上げました。これからどんどん具体的イメージなどがわかってきますので、可能であれば、次回の部会のときでも報告できる内容があれば、そこで適宜報告をしながら進めていきたいと思っております。何とぞ、この暑い夏場は非常にご苦労をおかけしますけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。
以上でございます。

【松野部会長】 ありがとうございました。ところで、この部会の報告は、評価報告は、これは親委員会で承諾とかということが必要だったんではなかったでしたか。8月18日に部会ですか。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 8月18日は部会がありまして、その後引き続き評価委員会がありますので。

【松野部会長】 5年目評価の前倒し以外のこの我々の部会が出した報告そのものを評価委員会としてどうするというようなことは必要ないんですか。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 規定上は部会でお決めいただくことでお預かりして、事務的に評価委員会の方に文書で報告をするという形にはなりますが、こういう事情で評価委員会がありますので、そこでご報告ということでも一向に構いません。

【松野部会長】 という予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
 どうもきょうは不手際で随分時間が延びてしまいまして、大変失礼いたしました。
それでは、長時間どうもありがとうございました。これで閉会にしたいと思います。

【齊藤総政局環境研究技術室長】 どうもありがとうございました。